JP2000278189A - 床下の空間を伝搬手段とする室内無線システム - Google Patents

床下の空間を伝搬手段とする室内無線システム

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JP2000278189A
JP2000278189A JP11122838A JP12283899A JP2000278189A JP 2000278189 A JP2000278189 A JP 2000278189A JP 11122838 A JP11122838 A JP 11122838A JP 12283899 A JP12283899 A JP 12283899A JP 2000278189 A JP2000278189 A JP 2000278189A
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Yasuto Takeuchi
康人 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【目的】医用、工業用、科学技術用等の室内無線テレメ
ーター装置、また室内無線LANなどを含む室内無線シ
ステムの改良に関し、特に人や物が頻繁に行き来する居
住空間ないしオフィス空間を避けて伝送経路を設定した
該システムが述べられている。 【構成】真の床(1)と、嵩上げのために追加された嵩
上床板(3)との間の空間を伝搬空間とし、該伝搬空間
を介して利用機器の送受する目的とする変調された電磁
波の伝搬授受を行う如く構成された室内無線システムで
ある。嵩上床板(3)は穴明き金属板(4)を含むので
有意に導電性を有し、該導電性により目的とする変調電
磁波が本質的に該伝搬空間内に留まり室内に漏洩しない
様に保つ。該導電性の嵩上床板(3)は使用電磁波の波
長との比較においてカットオフとなる程度の小さな口径
の穴(5)を必要十分な程度に具備し、その一方で利用
機器(9)の床上に設置されるプローブ(6)の中のア
ンテナ(7)は該伝搬空間に対してかかる穴(5)また
は穴の群に近接してエバネッセント波などによる近接電
磁波結合を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 この発明は、医用、工業用、科学技術用
等の室内無線テレメーター装置、また室内無線LANな
どを含む室内無線システムの改良に関し、特に人や物が
頻繁に行き来する居住空間ないしオフィス空間を避けて
伝送経路を設定した該システムに関する。
【0002】 LANなどを無線式にする事は良く行わ
れるが、電波や赤外線の伝搬路を人や物が頻繁に行き来
する居住空間ないしオフィス空間それ自身に求めると、
電波や赤外線の伝搬経路に邪魔が入ったりして伝送品質
の維持が問題化する。
【0003】 そこで本発明においてはこの問題を床下
の空間を伝搬経路とする事で解決せんとする物である。
床自身は既にコンクリートの上に絨毬やリノリウムなど
の物体が乗っているだけだったりして、電波の伝搬媒体
には馴染まないので、本来の床の上に高々数cmであっ
てももう一段嵩上げ用の床板を張り渡して、これを電波
を良く反射するが透過はさせない導体板ないし金網で作
り、また本来の床にも必要ならば導体の板ないし網を配
置して、この間の空間を2次元的な導波管の如くして用
いる。
【0004】 勿論嵩上げを行ってかかる丈が低い準2
次元的な空間を成すためには随所につっかい棒や支持台
座、スペーサーの如き保持手段が必須であるが、それら
は建築学的要求を満たす程度に通常の如く配置する。か
かる保持手段が導体であっても絶縁物であっても、電波
の周波数を適切に選択すればかかる2次元導波管の如き
構造の電波伝搬性能にはさほど響かない様にする事は容
易である。
【0005】 そこで、この2次元導波管の外から中へ
向けてプローブ用のアンテナを刺入すればこれを介して
該空間内の他の同様なアンテナに対して電波通信が可能
である。このためには嵩上げ床板は随所に穴が空いてい
るか、金網の如き構造をしているか、の必要がある。
【0006】 この場合、穴や金網の目の大きさは、用
いる電磁波にとっては阻止領域になるような、径が小さ
い物である必要がある。阻止域であるためには、スロッ
トアンテナとして考えてもその口径ないし長手方向の寸
法が使用最高周波数における半波長より有意に小さい事
が目安となる。
【0007】 しかるにプローブアンテナを一々刺入す
るのでは不便であり、利用者の器材を頻繁に移動する向
きには好ましくない。そこで本発明の好ましい実施例の
1例においては、かかる穴の径や金網の目の径ないし寸
法形状を、放置時においては使用電波にとっては阻止域
となるような小さな寸法とし、これを介して板の上から
ただ接近ないし接触するだけによる電磁波結合を、一例
として、エバネッセント波の結合モードにより、また他
の例としては誘電体の近接によりかかる穴や目が寸法は
変らなくとも周囲の誘電率が増加して使用電磁波の周波
数において阻止域ではなく透過域となる事により、得
る。
【0008】 両者の(両方式の)区別は判然とは行い
得ない物であり、無数の中間形態があり得る。即ちかか
る結合手段においては、プローブアンテナは比較的大き
なまんじゅう、鏡餅(の下半分)ないしばれんの如き外
形をしていて、床板にある程度べったりと乗るように出
来ていて、その底面にプローブアンテナが配置されてい
る。このプローブアンテナは、勿論、利用者の利用機器
の底面である事も出来、また台車やスタンドの底面であ
る事も出来る。
【0009】 図1はこの様な関係をスケッチした物
で、これにおいて、(1)は建物本来の床で、例えばた
だのコンクリートの面である。この上に木材とかプラス
チックとか金属とかで出来たスペーサー(2)を多数置
いて嵩上床板(3)が載せられる。この嵩上床板(3)
は木材とかプラスチックとかの絶縁物で出来ていて、そ
の内部には導体の板(例えば金属板)(4)があり、こ
れには無数の、比較的大きな、しかし使用電磁波の周波
数(例えば800MHz−1.9GHz)においてはス
ロットアンテナとして考えても阻止域となる寸法(例え
ば直径5cm程度以下)の丸い穴(5)が並べてあけて
ある。即ちこの嵩上床板(3)はそのまま放置された状
態では該電磁波を透過せず、ただその下の内部空間(1
0)を導波管モードに保つにすぎない。
【0010】 しかるに例えば載物台を兼ねるプラスチ
ックなどの誘電体で出来たプローブ(6)がこの上に乗
ると、例えばこの場合、誘電体の背後(内部)にあるス
パイラルアンテナ(7)はエバネッセント波のモードで
穴(5)の連鎖系を乗り越えて内部空間(10)と結合
する。しかしアンテナ(7)が小さい場合には穴(5)
のうち直下のどれか一つに関して誘電体が迫加負荷され
た事でその穴の電波伝搬特性が阻止域から透過域に変身
した事でもって結合する事も出来る。
【0012】 建物の本来の床(1)の表面には別途導
体板を配置すれば伝搬損失という点で好ましいが、コン
クリートの場合は表面で電磁波をかなり良く反射し、か
つそれ自身はかなり損失が大きいので、この側の導体板
は必須ではない。勿論これが木造建築だとこの側にも導
体板が必須となる。
【0013】 一方、嵩上床板(3)の終端部ないし辺
縁部においては内部空間(10)の導波管としての終端
用に電波吸収材(8)を詰め、ここを介しての電磁波の
漏洩を抑える事は好ましき改良で有り得る。しかるに部
屋一杯にこの嵩上床板を張り巡らす場合には、端部はコ
ンクリートの壁に接する事になるので、かかる電波吸収
材は必須ではない。
【0014】 載物台兼用のプローブ(6)の載物台に
は利用者が利用機器(9)を載せて使う。該利用機器に
無線モデムが内蔵されている場合には、そのアンテナ端
子をこの載物台兼用のプローブ(6)の底面の内部にあ
るスパイラルアンテナ(7)にただ接続すれば所期の目
的を果たす事が出来る。載物台兼用のプローブ(6)は
床に固定されまたは固着している物ではないので、使用
中においてさえ床面上を随時随所に移動する事が出来、
また随時他の同様な、床上を移動する、あるいは床上に
固定された装置と無線的に信号を授受する事が出来る。
【0015】 以上をまとめると、本発明は真の床と、
嵩上げのために追加された嵩上床板との間の空間を伝搬
空間とし、該伝搬空間を介して利用機器の送受する目的
とする変調された電磁波の伝搬授受を行う如く構成され
た事を特徴とする、室内無線システムである事ができ
る。また、少なくとも嵩上床板は有意に導電性を有し、
該導電性により目的とする変調電磁波が本質的に該伝搬
空間内に留まり室内に漏洩しない様に保つ如く構成され
た事を特徴とする、該システムである事ができる。さら
にまた、該嵩上床板は使用電磁波の波長との比較におい
てカットオフとなる程度の小さな口径の孔を必要十分な
程度に具備し、その一方で利用機器の床上設置アンテナ
は該伝搬空間に対してかかる孔または孔の群に近接して
エバネッセント波による電磁波結合を行う如く構成され
た事を特徴とする、該システムである事ができる。
【0016】 以上に説明された如く、本発明によれば
人や物の行き来の妨害されない、かつ使用者の使用機器
の移動の自由は好ましく確保された室内無線LANなど
が実現され、実施上益する所大である。
【0017】 尚、本発明に述べた穴明き嵩上床板によ
る床下空間を介する室内で移動可能な電磁波授受システ
ムは、電磁波による信号の伝達のみならず、電磁波によ
る電力エネルギーの伝送にも有益に使用できる事は同業
者、経験者ないし有識者には自明の事である。
【0018】 また本発明に述べた穴明き嵩上床板によ
る床下空間を介する室内で移動可能な電磁波授受システ
ムは、同じ技術思想により嵩上げされたあるいはされな
い床板それ自身をプラスチックなどの誘電体の両面に導
体層を設け、その片方を主旨の通り穴明き構造とした物
とし、かかる板自身の内部の誘電体を伝搬空間として利
用する如くしても実現出来る事は同業者、経験者ないし
有識者には自明の事であり、本発明の変形された実施例
と見なければならない。この様な導体でサンドイッチさ
れた誘電体板を用いる時には、これはただ床(1)の上
に敷き詰める如く載せて使用すれば良いまでで、スペー
サー(2)は必須ではない。
【0019】 またあえてかかる2次元導波管構造をそ
の両面においてこのようにして近接結合による電磁波授
受のために利用する事を妨げる物ではない。例えばある
部屋にとっての床板ないし壁が隣接する部屋の天井版だ
ったり壁だったりする事は有り得るので、両面からアク
セスするようにすれば隣または上下の部屋ともこの様な
主旨の無線的な信号伝送を行う事が出来る。これもまた
同業者、経験者ないし有識者には自明の事であり、本発
明の変形された実施例と見なければならない。
【図面の簡単な説明】
唯一の図は本発明の好ましい実施例の様子を示すスケッ
チである。これにおいて、 (1)建物本来の床 (2)スペーサー (3)嵩上床板 (4)穴明き金属板 (5)穴 (6)載物台兼用のプローブ (7)スパイラルアンテナ (8)電波吸収材 (9)利用機器 (10)内部空間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真の床と、嵩上げのために追加された嵩
    上床板との間の空間を伝搬空間とし、該伝搬空間を介し
    て利用機器の送受する目的とする変調された電磁波の伝
    搬授受を行う如く構成された事を特徴とする、室内無線
    システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の該システムにおいて、
    少なくとも嵩上床板は有意に導電性を有し、該導電性に
    より目的とする変調電磁波が本質的に該伝搬空間内に留
    まり室内に漏洩しない様に保つ如く構成された事を特徴
    とする、該システム。
  3. 【請求項3】 請求項1ないし2に記載の該システムに
    おいて、該嵩上床板は使用電磁波の波長との比較におい
    てカットオフとなる程度の小さな口径の穴を必要十分な
    程度に具備し、その一方で利用機器の床上設置アンテナ
    は該伝搬空間に対してかかる穴または穴の群に近接して
    エバネッセント波による電磁波結合を行う如く構成され
    た事を特徴とする、該システム。
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