JP2004096607A - 屋内中継用平面アンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、部屋の外観を損なうことなく、各部屋で安定した無線通信を行うことができる屋内中継用平面アンテナを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の屋内中継用平面アンテナは、室内の第1壁面に設置される第1平面アンテナと、他の室内または屋外の第2壁面に設置される第2平面アンテナと、第1平面アンテナと第2平面アンテナとを接続する高周波伝送用ケーブルを備え、高周波伝送用ケーブルが非居住空間に配設され、室内からは目視されないことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の屋内中継用平面アンテナは、室内の第1壁面に設置される第1平面アンテナと、他の室内または屋外の第2壁面に設置される第2平面アンテナと、第1平面アンテナと第2平面アンテナとを接続する高周波伝送用ケーブルを備え、高周波伝送用ケーブルが非居住空間に配設され、室内からは目視されないことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各室内に設置した平面アンテナを高周波伝送用ケーブルで接続した屋内中継用平面アンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、屋内で使用する無線LANのアクセスポイント(中継用無線機器)には、一般に垂直無指向性のスリーブアンテナや垂直ダイポールアンテナが使用され、公衆回線を引き込んだ部屋に設置される。しかし、屋内には壁や天井等の電波を遮蔽する部材が多数あり、アクセスポイントを設置した部屋と別の部屋との間で安定した通信を行うことは難しい。
【0003】
図9は従来の屋内無線LANシステムの構成図である。図9に示すように、101は1つの部屋に置かれた無線クライアント機器、102は別の部屋に置かれた中継用無線機器、103はパソコン、104は床、105は壁、106は天井である。2つの部屋の間には壁105や天井106等の遮蔽物があり、一方の部屋に中継用無線機器102を配置しても、別の部屋では著しく電波は減衰する。中継用無線機器102と無線クライアント機器101との間で安定した通信を行うことは難しい。従って、無線通信を補う手段として、屋内にLANケーブルを敷設して中継用無線機器102と接続し、別の部屋にも他の中継用無線機器102を配置することが行われている。しかし、一般に建築済みの家屋にLANケーブルを敷設することは困難なことが多く、賃貸住宅の場合はこのような工事を行うことは事実上不可能である。
【0004】
例えば、特許文献1にアンテナを床面に配置する工事を行う技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特公平05−74104公報
【0006】
しかし、床面には家具やカーペット、床暖房器具、スチール製家具、調度品など電波を遮蔽する原因となる物体が配置されることが多く、床面にアンテナを配置しても、居住空間での電界強度は大きく減衰することが予想される。とくに金属製の家具・パーティションが設置されている場合等にはその減衰は著しく大きく、電界強度は大きく損なわれる。
【0007】
また無線機器においては、一般にあらゆる方向からの電波を受けることができるように、モノポールアンテナやスリーブアンテナ、あるいは垂直ダイポールアンテナを鉛直に向けて使用する。これらのアンテナは水平面にはほぼ無指向性を示すが、図10に示すように垂直面にはほとんど輻射成分がなく、床からの電波に対しては非常な感度低下を来してしまう。図10は従来の屋内無線LANシステムの指向性を示す説明図である。図10において107は床下アンテナである。中継用無線機器102から輻射された電波は水平上向きが強く、床下アンテナ107方向の電界強度はきわめて低くなる。この点からも、特許文献1のように床面にアンテナを設置することは大きな効果が見込めないものであった。
【0008】
また、別の従来の技術として、観葉植物の植木鉢の中にアンテナを仕込む技術が特許文献2で開示されている。
【0009】
【特許文献2】
実用新案登録第3044292号公報
【0010】
しかし、このような室内の小物、とくに観賞用の小物は人と接触したり視野に入り易くするため、人の背丈以下の高さに設置されることが多い。従って、室内の調度品や人体により電波が遮蔽される可能性が高く、また、ケーブルが接続されて容易に移動できないため、取り扱いにくい等、効果が損なわれる問題点も多い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、従来の屋内無線LANシステムでは障害物が多く、無線機器が配置されていない部屋においては、無線機器が配設された部屋からの電波を受信するため電界強度が低く、通信が不安定になってしまう。また伝搬条件が良い場所で誤操作を防ぐため、妄りに手を触れることができない場所で、かつ見通しの良い場所で、かつパソコンの近くという条件の良い場所はなかなか見つからない。
【0012】
そこで本発明は、部屋の外観を損なうことなく、各部屋で安定した無線通信を行うことができる屋内中継用平面アンテナを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明の屋内中継用平面アンテナは、室内の第1壁面に設置される第1平面アンテナと、他の室内または屋外の第2壁面に設置される第2平面アンテナと、第1平面アンテナと第2平面アンテナとを接続する高周波伝送用ケーブルを備え、高周波伝送用ケーブルが非居住空間に配設され、室内からは目視されないことを特徴とする
これにより、部屋の外観を損なうことなく、各部屋で安定した無線通信を行うことができる屋内中継用平面アンテナを提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、室内の第1壁面に設置される第1平面アンテナと、他の室内または屋外の第2壁面に設置される第2平面アンテナと、第1平面アンテナと第2平面アンテナとを接続する高周波伝送用ケーブルを備え、高周波伝送用ケーブルが非居住空間に配設され、室内からは目視されないことを特徴とする屋内中継用平面アンテナであり、第1平面アンテナと第2平面アンテナとを非居住空間内を通した高周波伝送用ケーブルで接続することにより、一方の平面アンテナで受信した無線信号を電界強度の減衰を抑えながら他方の平面アンテナへ伝送することができる。平面アンテナの上を覆えば室内の外観は施工前と変わらない。
【0015】
本発明の請求項2記載の発明は、第1平面アンテナと第2平面アンテナがいずれもスロットアンテナであることを特徴とする請求項1記載の屋内中継用平面アンテナであり、簡単な構成で壁面と一体に見える平面状のアンテナを形成することができる。
【0016】
本発明の請求項3記載の発明は、第1壁面と第2壁面が壁を構成する壁板であって、高周波伝送用ケーブルが壁板間空間に配設されることを特徴とする請求項1または2に記載の屋内中継用平面アンテナであり、壁と壁の間には補強材、断熱材、耐火材が使用された壁板間空間が存在するため、この空間を利用して第1平面アンテナと第2平面アンテナとを高周波伝送用ケーブルで接続できる。
【0017】
本発明の請求項4記載の発明は、第1壁面と第2壁面がいずれも天井であって、高周波伝送用ケーブルが天井裏に配設されることを特徴とする請求項1または2に記載の屋内中継用平面アンテナであり、第1壁面と第2壁面がいずれも天井であるから、天井裏を利用して高周波伝送用ケーブルで接続できる。天井にアンテナを設置することにより、家具や人体の影響を最小限にすることができる。
【0018】
本発明の請求項5記載の発明は、第1壁面と第2壁面に形成された凹部の中に第1平面アンテナと第2平面アンテナがそれぞれ収容されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の屋内中継用平面アンテナであり、工事後に非伝導体の壁紙を貼ることで、外観は施工前と全く変わらない。
【0019】
本発明の請求項6記載の発明は、高周波伝送用ケーブルに双方向アンプが設けられたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の屋内中継用平面アンテナであり、途中に設けた双方向アンプで増幅するため更に安定した通信が可能となる。
【0020】
本発明の請求項7記載の発明は、第1平面アンテナと第2平面アンテナの少なくとも一方にコーナーリフレクタが設けられたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の屋内中継用平面アンテナであり、スロットアンテナの不要な方向への輻射を最小限に抑え、必要な室内方向の放射実効電力を増加させることができ、より安定した通信を行うことができる。
【0021】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における屋内中継用平面アンテナについて説明する。図1(a)は本発明の実施の形態1における屋内中継用平面アンテナの断面図、図1(b)は(a)の屋内中継用平面アンテナの透視斜視図、図2はスロットアンテナの場合の屋内中継用平面アンテナの指向性を示す説明図である。
【0022】
図1(a)(b)において、1は壁、1a,1bは屋内の壁1を構成する両側の非導体の壁板、2a,2bは壁面1a,1bに形成された凹部5c(後述する)の中に嵌合して埋め込まれる平面アンテナの一種のスロットアンテナ、3はスロットアンテナ2a,2bに形成されたスロット、4はスロットアンテナ2a,2bを接続された高周波伝送用ケーブル、5a,5bは壁面1a,1bに形成された高周波伝送用ケーブル4の挿通用の開口、5cは壁面1a,1bに形成され、スロットアンテナ2a,2bを収容する凹部である。高周波伝送用ケーブル4はスロット3の位置に接続される。図2のスロットアンテナ2においては、アンテナとなる金属板の両側に、電界強度分布として「8」字状の指向性パターンが出現する。
【0023】
実施の形態1の屋内中継用平面アンテナは、基本的に、スロット3を形成されたスロットアンテナ2a,2bの他に高周波伝送用ケーブル4との組合わせから構成される。これは、一般に壁1を構成する壁板1a,1bの壁間空間の間には補強材,断熱材,耐火材が設けられていることが多く、信号をこの2つの壁板1a,1b間で減衰させずに伝送するため、高周波電送用ケーブル4を使用する必要があるからである。実施の形態1の非居住空間は壁間空間ということになる。工事後に平板アンテナ上に非伝導体の壁紙を貼れば、外観上、施工前と全く変わらない。また壁板1a,1bの天井に近い位置にアンテナを設置すれば、家具や人体の影響を最小限にすることができる。
【0024】
壁の部材としてコンクリートを使用している場合、アンテナを良好に動作させるため、アンテナの背面及び周辺には鉄筋を使用しない方が望ましい。また、発泡コンクリートのように部材内部に空間が存在するコンクリート施工がより望ましい。
【0025】
スロットアンテナ2a,2bは、ステンレス,アルミニウム等の金属板であり、この金属板の中心に長さ1/2λ(1λは使用する電波の波長)で長方形のスロット3が形成されている。このスロット3の横幅Cは、使用する周波数と特性インピーダンス、アンテナを設置後に上を覆う壁紙の材質によって変化する。例えば、使用周波数が2400MHz、特性インピーダンスが50Ω、アンテナが露出している場合ではこのスロット3の寸法は、長さは約62mm、横幅Cは約2.7mmであるが、壁紙でカバーをする場合は横幅Cの寸法がやや小さくなる。
【0026】
そして、スロットアンテナ2a,2bはできるだけ表面積を大きくすることが望ましく、上述のスロット3をもつスロットアンテナ2a,2bの場合、縦,横共に、約250mm以上に形成するのが望ましい。しかし、これ以下の寸法で動作しないということではない。また、壁紙だけでなく壁板1a,1bの材質によって最適に動作するスロット3の寸法は変化する。
【0027】
図1の高周波伝送用ケーブル4としては、一般に広く使用されている同軸ケーブルを使用することができる。長さは任意であるが、高周波伝送用ケーブル4による減衰を少なくするため、できる限り短いことが望ましい。
【0028】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における屋内中継用平面アンテナについて説明する。実施の形態2の屋内中継用平面アンテナは、実施の形態1の高周波伝送ケーブルの途中に増幅用のアンプを挿入するものである。図3は本発明の実施の形態2における屋内中継用平面アンテナの一部断面を含む説明図である。実施の形態1と同一構成のものは同一符号を付して、説明を省略する。
【0029】
図3において、6は電界強度の減衰を抑えるための双方向アンプ、7は無線クライアント機器、8は中継用無線機器である。双方向アンプ6はスロットアンテナ2a,2bを接続する高周波伝送ケーブル4に設けられ、各々のスロットアンテナ2a,2bからの信号を増幅して更に安定した通信を可能にする。双方向アンプは、スロットアンテナ2aとスロットアンテナ2bからの入力にサーキュレータを使用する回路、方向性結合器を使用する回路等様々の回路が使用可能である。
【0030】
なお、双方向性アンプとして、様々な方式が知られている。例えば、通信方式として時分割同時送受信方式(TDMA方式)を使用する場合、送信・受信のタイミングに同期して入力・出力を切り替えてあたかも双方向性であるような動作をするアンプがある。また、通信方式として周波数分割同時送受信方式(FDMA方式)を使用する場合、双方向アンプの2つの入力に狭帯域のバンドパスフィルタを挿入し、送信・受信に使用する周波数を分離する双方向性アンプがある。これら種々の方式の双方向性アンプは何れも本発明の構成要素として容易に使用可能である。
【0031】
スロットアンテナ2a,2bの他の詳細、例えば金属板の寸法,スロット3の寸法等は実施の形態1とまったく同様であるから省略する。
【0032】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3における屋内中継用平面アンテナについて説明する。実施の形態3の屋内中継用平面アンテナは、実施の形態1のスロットアンテナを天井に設けたものである。図4は本発明の実施の形態3における屋内中継用平面アンテナの一部断面を含む説明図である。実施の形態1と同一構成のものは同一符号を付して、説明を省略する。
【0033】
図4において、1は壁、9は天井、10は床である。スロットアンテナ2a,2bは実施の形態1と異なり、天井に設けた凹部5cに埋め込まれる。これ以外の点は実施の形態1と同一である。各部屋の間は天井裏に配設された高周波伝送用ケーブル4で接続される。本実施の形態1の非居住空間は天井裏ということになる。工事後に非伝導体の壁紙をスロットアンテナ2a,2b上に貼ることで、外観を施工前とまったく変わらないようにすることができる。
【0034】
実施の形態1のように、壁1にスロットアンテナ2a,2bを設けるよりも、天井の方が一般に障害物が少なく、また高度も稼げるため、より安定した通信を行うことができる。また、壁1より広い面積のスロットアンテナ2a,2bを使用することが可能で、屋内中継用平面アンテナの特性をより高めることができる。
【0035】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4における屋内中継用平面アンテナについて説明する。実施の形態4の屋内中継用平面アンテナは、実施の形態3の高周波伝送ケーブルの途中に増幅用のアンプを挿入するものである。図5は本発明の実施の形態4における屋内中継用平面アンテナの一部断面を含む説明図である。実施の形態3と同一構成のものは同一符号を付して、説明を省略する。
【0036】
図5に示すように実施の形態4の屋内中継用平面アンテナは、双方向アンプ6がスロットアンテナ2a,2b間を接続する高周波伝送ケーブル4に設けられ、各々のスロットアンテナ2a,2bからの信号を増幅して更に安定した通信を可能にする。双方向アンプは、サーキュレータを使用する回路、方向性結合器を使用する回路等様々の回路が使用可能である。スロットアンテナ2a,2bの表面は工事後に非伝導体の壁紙を貼ることで、外観は施工前と変わらない。
【0037】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5における屋内中継用平面アンテナについて説明する。図6は本発明の実施の形態5における屋内中継用平面アンテナの一部断面を含む説明図、図7はコーナーリフレクタ付スロットアンテナの指向性を示す説明図、図8はコーナーリフレクタ付スロットアンテナの寸法関係図である。実施の形態5における屋内中継用平面アンテナは、スロットアンテナにコーナーリフレクタが設けられている点である。
【0038】
図6において、2はスロットアンテナ、11はコーナーリフレクタ、12はコーナーリフレクタ11の反射板、13はコーナーリフレクタ11の支柱である。
【0039】
ところで、スロットアンテナ2においては一般に、図2のようにアンテナ金属板の両側に「8」字状に指向性パターンが出現する。従ってスロットアンテナ2を壁や天井に設置する場合、「8」字の一方の電界強度分布で放射される電磁波は通信に使用されることなく無駄な電力となる。
【0040】
このため図6のように、スロットアンテナ2の一方に導体で形成されたくの字状の反射板12を設置する。この反射板12は支柱13とともにコーナーリフレクタ11と呼称され、各種のアンテナに指向性をもたせるために広く使用されている。コーナーリフレクタ11を付加した場合、図6に示すようにアンテナ全体としての指向性パターンは、ほぼ一方向に電磁波が放射されるようになる。
【0041】
図8に示すように、反射板12の屈曲角度θは60°または90°、幅Wは1.3λまたは2.6λ、高さHは1.3λ、距離dとしてλ/4〜3λ/4が選ばれる。例えば使用周波数を2400MHzとして角度θを90°とした時、Wは約163mm、hは約163mm、dは約167mmとなる。なお、この寸法はあくまで一例であり、必要とする特性や周囲の環境によって別の寸法が最適な動作を与える寸法となる。
【0042】
実施の形態5においてはコーナーリフレクタ付スロットアンテナを天井9に設置している。しかし、実施の形態1と同様に壁1にも設置することもできる。また実施の形態3,4と同様に、2つの部屋を結ぶ高周波伝送用ケーブル4を直結したり、中間に双方向アンプ6を挿入することもできる。
【0043】
このようにコーナーリフレクタ11を付加することにより、天井9の上方向側への輻射を最小限に抑え、居室方向への放射実効電力を増加させることができ、より安定した通信を行うことができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明の屋内中継用平面アンテナによれば、第1平面アンテナと第2平面アンテナとを非居住空間内を通した高周波伝送用ケーブルで接続することにより、一方の平面アンテナで受信した無線信号を電界強度の減衰を抑えながら他方の平面アンテナへ伝送することができる。平面アンテナの上を覆えば室内の外観は施工前と変わらない。
【0045】
また、壁と壁の間には補強材、断熱材、耐火材が使用された壁板間空間が存在するため、この空間を利用して第1平面アンテナと第2平面アンテナとを高周波伝送用ケーブルで接続できる。天井にアンテナを設置することにより、家具や人体の影響を最小限にすることができる。
【0046】
そして、壁面に形成された凹部の中にそれぞれ平面アンテナを収容するから、工事後に非伝導体の壁紙を貼ることで、外観は施工前と全く変わらない。途中に設けた双方向アンプで増幅するため更に安定した通信が可能となる。
【0047】
さらに、コーナーリフレクタが設けられた場合には、スロットアンテナの輻射を最小限に抑え、必要な室内方向の放射実効電力を増加させることができ、より安定した通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施の形態1における屋内中継用平面アンテナの断面図
(b)屋内中継用平面アンテナの透視斜視図
【図2】スロットアンテナの場合の屋内中継用平面アンテナの指向性を示す説明図
【図3】本発明の実施の形態2における屋内中継用平面アンテナの一部断面を含む説明図
【図4】本発明の実施の形態3における屋内中継用平面アンテナの一部断面を含む説明図
【図5】本発明の実施の形態4における屋内中継用平面アンテナの一部断面を含む説明図
【図6】本発明の実施の形態5における屋内中継用平面アンテナの一部断面を含む説明図
【図7】コーナーリフレクタ付スロットアンテナの指向性を示す説明図
【図8】コーナーリフレクタ付スロットアンテナの寸法関係図
【図9】従来の屋内無線LANシステムの構成図
【図10】従来の屋内無線LANシステムの指向性を示す説明図
【符号の説明】
1 壁
1a,1b 壁板
2,2a,2b スロットアンテナ
3 スロット
4 高周波伝送用ケーブル
5a,5b 開口
5c 凹部
6 双方向アンプ
7 無線機器
8 中継用無線機器
9 天井
10 床
11 コーナーリフレクタ
12 反射板
13 支柱
101 無線クライアント機器
102 中継用無線機器
103 パソコン
104 床
105 壁
106 天井
【発明の属する技術分野】
本発明は、各室内に設置した平面アンテナを高周波伝送用ケーブルで接続した屋内中継用平面アンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、屋内で使用する無線LANのアクセスポイント(中継用無線機器)には、一般に垂直無指向性のスリーブアンテナや垂直ダイポールアンテナが使用され、公衆回線を引き込んだ部屋に設置される。しかし、屋内には壁や天井等の電波を遮蔽する部材が多数あり、アクセスポイントを設置した部屋と別の部屋との間で安定した通信を行うことは難しい。
【0003】
図9は従来の屋内無線LANシステムの構成図である。図9に示すように、101は1つの部屋に置かれた無線クライアント機器、102は別の部屋に置かれた中継用無線機器、103はパソコン、104は床、105は壁、106は天井である。2つの部屋の間には壁105や天井106等の遮蔽物があり、一方の部屋に中継用無線機器102を配置しても、別の部屋では著しく電波は減衰する。中継用無線機器102と無線クライアント機器101との間で安定した通信を行うことは難しい。従って、無線通信を補う手段として、屋内にLANケーブルを敷設して中継用無線機器102と接続し、別の部屋にも他の中継用無線機器102を配置することが行われている。しかし、一般に建築済みの家屋にLANケーブルを敷設することは困難なことが多く、賃貸住宅の場合はこのような工事を行うことは事実上不可能である。
【0004】
例えば、特許文献1にアンテナを床面に配置する工事を行う技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特公平05−74104公報
【0006】
しかし、床面には家具やカーペット、床暖房器具、スチール製家具、調度品など電波を遮蔽する原因となる物体が配置されることが多く、床面にアンテナを配置しても、居住空間での電界強度は大きく減衰することが予想される。とくに金属製の家具・パーティションが設置されている場合等にはその減衰は著しく大きく、電界強度は大きく損なわれる。
【0007】
また無線機器においては、一般にあらゆる方向からの電波を受けることができるように、モノポールアンテナやスリーブアンテナ、あるいは垂直ダイポールアンテナを鉛直に向けて使用する。これらのアンテナは水平面にはほぼ無指向性を示すが、図10に示すように垂直面にはほとんど輻射成分がなく、床からの電波に対しては非常な感度低下を来してしまう。図10は従来の屋内無線LANシステムの指向性を示す説明図である。図10において107は床下アンテナである。中継用無線機器102から輻射された電波は水平上向きが強く、床下アンテナ107方向の電界強度はきわめて低くなる。この点からも、特許文献1のように床面にアンテナを設置することは大きな効果が見込めないものであった。
【0008】
また、別の従来の技術として、観葉植物の植木鉢の中にアンテナを仕込む技術が特許文献2で開示されている。
【0009】
【特許文献2】
実用新案登録第3044292号公報
【0010】
しかし、このような室内の小物、とくに観賞用の小物は人と接触したり視野に入り易くするため、人の背丈以下の高さに設置されることが多い。従って、室内の調度品や人体により電波が遮蔽される可能性が高く、また、ケーブルが接続されて容易に移動できないため、取り扱いにくい等、効果が損なわれる問題点も多い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、従来の屋内無線LANシステムでは障害物が多く、無線機器が配置されていない部屋においては、無線機器が配設された部屋からの電波を受信するため電界強度が低く、通信が不安定になってしまう。また伝搬条件が良い場所で誤操作を防ぐため、妄りに手を触れることができない場所で、かつ見通しの良い場所で、かつパソコンの近くという条件の良い場所はなかなか見つからない。
【0012】
そこで本発明は、部屋の外観を損なうことなく、各部屋で安定した無線通信を行うことができる屋内中継用平面アンテナを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明の屋内中継用平面アンテナは、室内の第1壁面に設置される第1平面アンテナと、他の室内または屋外の第2壁面に設置される第2平面アンテナと、第1平面アンテナと第2平面アンテナとを接続する高周波伝送用ケーブルを備え、高周波伝送用ケーブルが非居住空間に配設され、室内からは目視されないことを特徴とする
これにより、部屋の外観を損なうことなく、各部屋で安定した無線通信を行うことができる屋内中継用平面アンテナを提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、室内の第1壁面に設置される第1平面アンテナと、他の室内または屋外の第2壁面に設置される第2平面アンテナと、第1平面アンテナと第2平面アンテナとを接続する高周波伝送用ケーブルを備え、高周波伝送用ケーブルが非居住空間に配設され、室内からは目視されないことを特徴とする屋内中継用平面アンテナであり、第1平面アンテナと第2平面アンテナとを非居住空間内を通した高周波伝送用ケーブルで接続することにより、一方の平面アンテナで受信した無線信号を電界強度の減衰を抑えながら他方の平面アンテナへ伝送することができる。平面アンテナの上を覆えば室内の外観は施工前と変わらない。
【0015】
本発明の請求項2記載の発明は、第1平面アンテナと第2平面アンテナがいずれもスロットアンテナであることを特徴とする請求項1記載の屋内中継用平面アンテナであり、簡単な構成で壁面と一体に見える平面状のアンテナを形成することができる。
【0016】
本発明の請求項3記載の発明は、第1壁面と第2壁面が壁を構成する壁板であって、高周波伝送用ケーブルが壁板間空間に配設されることを特徴とする請求項1または2に記載の屋内中継用平面アンテナであり、壁と壁の間には補強材、断熱材、耐火材が使用された壁板間空間が存在するため、この空間を利用して第1平面アンテナと第2平面アンテナとを高周波伝送用ケーブルで接続できる。
【0017】
本発明の請求項4記載の発明は、第1壁面と第2壁面がいずれも天井であって、高周波伝送用ケーブルが天井裏に配設されることを特徴とする請求項1または2に記載の屋内中継用平面アンテナであり、第1壁面と第2壁面がいずれも天井であるから、天井裏を利用して高周波伝送用ケーブルで接続できる。天井にアンテナを設置することにより、家具や人体の影響を最小限にすることができる。
【0018】
本発明の請求項5記載の発明は、第1壁面と第2壁面に形成された凹部の中に第1平面アンテナと第2平面アンテナがそれぞれ収容されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の屋内中継用平面アンテナであり、工事後に非伝導体の壁紙を貼ることで、外観は施工前と全く変わらない。
【0019】
本発明の請求項6記載の発明は、高周波伝送用ケーブルに双方向アンプが設けられたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の屋内中継用平面アンテナであり、途中に設けた双方向アンプで増幅するため更に安定した通信が可能となる。
【0020】
本発明の請求項7記載の発明は、第1平面アンテナと第2平面アンテナの少なくとも一方にコーナーリフレクタが設けられたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の屋内中継用平面アンテナであり、スロットアンテナの不要な方向への輻射を最小限に抑え、必要な室内方向の放射実効電力を増加させることができ、より安定した通信を行うことができる。
【0021】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における屋内中継用平面アンテナについて説明する。図1(a)は本発明の実施の形態1における屋内中継用平面アンテナの断面図、図1(b)は(a)の屋内中継用平面アンテナの透視斜視図、図2はスロットアンテナの場合の屋内中継用平面アンテナの指向性を示す説明図である。
【0022】
図1(a)(b)において、1は壁、1a,1bは屋内の壁1を構成する両側の非導体の壁板、2a,2bは壁面1a,1bに形成された凹部5c(後述する)の中に嵌合して埋め込まれる平面アンテナの一種のスロットアンテナ、3はスロットアンテナ2a,2bに形成されたスロット、4はスロットアンテナ2a,2bを接続された高周波伝送用ケーブル、5a,5bは壁面1a,1bに形成された高周波伝送用ケーブル4の挿通用の開口、5cは壁面1a,1bに形成され、スロットアンテナ2a,2bを収容する凹部である。高周波伝送用ケーブル4はスロット3の位置に接続される。図2のスロットアンテナ2においては、アンテナとなる金属板の両側に、電界強度分布として「8」字状の指向性パターンが出現する。
【0023】
実施の形態1の屋内中継用平面アンテナは、基本的に、スロット3を形成されたスロットアンテナ2a,2bの他に高周波伝送用ケーブル4との組合わせから構成される。これは、一般に壁1を構成する壁板1a,1bの壁間空間の間には補強材,断熱材,耐火材が設けられていることが多く、信号をこの2つの壁板1a,1b間で減衰させずに伝送するため、高周波電送用ケーブル4を使用する必要があるからである。実施の形態1の非居住空間は壁間空間ということになる。工事後に平板アンテナ上に非伝導体の壁紙を貼れば、外観上、施工前と全く変わらない。また壁板1a,1bの天井に近い位置にアンテナを設置すれば、家具や人体の影響を最小限にすることができる。
【0024】
壁の部材としてコンクリートを使用している場合、アンテナを良好に動作させるため、アンテナの背面及び周辺には鉄筋を使用しない方が望ましい。また、発泡コンクリートのように部材内部に空間が存在するコンクリート施工がより望ましい。
【0025】
スロットアンテナ2a,2bは、ステンレス,アルミニウム等の金属板であり、この金属板の中心に長さ1/2λ(1λは使用する電波の波長)で長方形のスロット3が形成されている。このスロット3の横幅Cは、使用する周波数と特性インピーダンス、アンテナを設置後に上を覆う壁紙の材質によって変化する。例えば、使用周波数が2400MHz、特性インピーダンスが50Ω、アンテナが露出している場合ではこのスロット3の寸法は、長さは約62mm、横幅Cは約2.7mmであるが、壁紙でカバーをする場合は横幅Cの寸法がやや小さくなる。
【0026】
そして、スロットアンテナ2a,2bはできるだけ表面積を大きくすることが望ましく、上述のスロット3をもつスロットアンテナ2a,2bの場合、縦,横共に、約250mm以上に形成するのが望ましい。しかし、これ以下の寸法で動作しないということではない。また、壁紙だけでなく壁板1a,1bの材質によって最適に動作するスロット3の寸法は変化する。
【0027】
図1の高周波伝送用ケーブル4としては、一般に広く使用されている同軸ケーブルを使用することができる。長さは任意であるが、高周波伝送用ケーブル4による減衰を少なくするため、できる限り短いことが望ましい。
【0028】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における屋内中継用平面アンテナについて説明する。実施の形態2の屋内中継用平面アンテナは、実施の形態1の高周波伝送ケーブルの途中に増幅用のアンプを挿入するものである。図3は本発明の実施の形態2における屋内中継用平面アンテナの一部断面を含む説明図である。実施の形態1と同一構成のものは同一符号を付して、説明を省略する。
【0029】
図3において、6は電界強度の減衰を抑えるための双方向アンプ、7は無線クライアント機器、8は中継用無線機器である。双方向アンプ6はスロットアンテナ2a,2bを接続する高周波伝送ケーブル4に設けられ、各々のスロットアンテナ2a,2bからの信号を増幅して更に安定した通信を可能にする。双方向アンプは、スロットアンテナ2aとスロットアンテナ2bからの入力にサーキュレータを使用する回路、方向性結合器を使用する回路等様々の回路が使用可能である。
【0030】
なお、双方向性アンプとして、様々な方式が知られている。例えば、通信方式として時分割同時送受信方式(TDMA方式)を使用する場合、送信・受信のタイミングに同期して入力・出力を切り替えてあたかも双方向性であるような動作をするアンプがある。また、通信方式として周波数分割同時送受信方式(FDMA方式)を使用する場合、双方向アンプの2つの入力に狭帯域のバンドパスフィルタを挿入し、送信・受信に使用する周波数を分離する双方向性アンプがある。これら種々の方式の双方向性アンプは何れも本発明の構成要素として容易に使用可能である。
【0031】
スロットアンテナ2a,2bの他の詳細、例えば金属板の寸法,スロット3の寸法等は実施の形態1とまったく同様であるから省略する。
【0032】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3における屋内中継用平面アンテナについて説明する。実施の形態3の屋内中継用平面アンテナは、実施の形態1のスロットアンテナを天井に設けたものである。図4は本発明の実施の形態3における屋内中継用平面アンテナの一部断面を含む説明図である。実施の形態1と同一構成のものは同一符号を付して、説明を省略する。
【0033】
図4において、1は壁、9は天井、10は床である。スロットアンテナ2a,2bは実施の形態1と異なり、天井に設けた凹部5cに埋め込まれる。これ以外の点は実施の形態1と同一である。各部屋の間は天井裏に配設された高周波伝送用ケーブル4で接続される。本実施の形態1の非居住空間は天井裏ということになる。工事後に非伝導体の壁紙をスロットアンテナ2a,2b上に貼ることで、外観を施工前とまったく変わらないようにすることができる。
【0034】
実施の形態1のように、壁1にスロットアンテナ2a,2bを設けるよりも、天井の方が一般に障害物が少なく、また高度も稼げるため、より安定した通信を行うことができる。また、壁1より広い面積のスロットアンテナ2a,2bを使用することが可能で、屋内中継用平面アンテナの特性をより高めることができる。
【0035】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4における屋内中継用平面アンテナについて説明する。実施の形態4の屋内中継用平面アンテナは、実施の形態3の高周波伝送ケーブルの途中に増幅用のアンプを挿入するものである。図5は本発明の実施の形態4における屋内中継用平面アンテナの一部断面を含む説明図である。実施の形態3と同一構成のものは同一符号を付して、説明を省略する。
【0036】
図5に示すように実施の形態4の屋内中継用平面アンテナは、双方向アンプ6がスロットアンテナ2a,2b間を接続する高周波伝送ケーブル4に設けられ、各々のスロットアンテナ2a,2bからの信号を増幅して更に安定した通信を可能にする。双方向アンプは、サーキュレータを使用する回路、方向性結合器を使用する回路等様々の回路が使用可能である。スロットアンテナ2a,2bの表面は工事後に非伝導体の壁紙を貼ることで、外観は施工前と変わらない。
【0037】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5における屋内中継用平面アンテナについて説明する。図6は本発明の実施の形態5における屋内中継用平面アンテナの一部断面を含む説明図、図7はコーナーリフレクタ付スロットアンテナの指向性を示す説明図、図8はコーナーリフレクタ付スロットアンテナの寸法関係図である。実施の形態5における屋内中継用平面アンテナは、スロットアンテナにコーナーリフレクタが設けられている点である。
【0038】
図6において、2はスロットアンテナ、11はコーナーリフレクタ、12はコーナーリフレクタ11の反射板、13はコーナーリフレクタ11の支柱である。
【0039】
ところで、スロットアンテナ2においては一般に、図2のようにアンテナ金属板の両側に「8」字状に指向性パターンが出現する。従ってスロットアンテナ2を壁や天井に設置する場合、「8」字の一方の電界強度分布で放射される電磁波は通信に使用されることなく無駄な電力となる。
【0040】
このため図6のように、スロットアンテナ2の一方に導体で形成されたくの字状の反射板12を設置する。この反射板12は支柱13とともにコーナーリフレクタ11と呼称され、各種のアンテナに指向性をもたせるために広く使用されている。コーナーリフレクタ11を付加した場合、図6に示すようにアンテナ全体としての指向性パターンは、ほぼ一方向に電磁波が放射されるようになる。
【0041】
図8に示すように、反射板12の屈曲角度θは60°または90°、幅Wは1.3λまたは2.6λ、高さHは1.3λ、距離dとしてλ/4〜3λ/4が選ばれる。例えば使用周波数を2400MHzとして角度θを90°とした時、Wは約163mm、hは約163mm、dは約167mmとなる。なお、この寸法はあくまで一例であり、必要とする特性や周囲の環境によって別の寸法が最適な動作を与える寸法となる。
【0042】
実施の形態5においてはコーナーリフレクタ付スロットアンテナを天井9に設置している。しかし、実施の形態1と同様に壁1にも設置することもできる。また実施の形態3,4と同様に、2つの部屋を結ぶ高周波伝送用ケーブル4を直結したり、中間に双方向アンプ6を挿入することもできる。
【0043】
このようにコーナーリフレクタ11を付加することにより、天井9の上方向側への輻射を最小限に抑え、居室方向への放射実効電力を増加させることができ、より安定した通信を行うことができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明の屋内中継用平面アンテナによれば、第1平面アンテナと第2平面アンテナとを非居住空間内を通した高周波伝送用ケーブルで接続することにより、一方の平面アンテナで受信した無線信号を電界強度の減衰を抑えながら他方の平面アンテナへ伝送することができる。平面アンテナの上を覆えば室内の外観は施工前と変わらない。
【0045】
また、壁と壁の間には補強材、断熱材、耐火材が使用された壁板間空間が存在するため、この空間を利用して第1平面アンテナと第2平面アンテナとを高周波伝送用ケーブルで接続できる。天井にアンテナを設置することにより、家具や人体の影響を最小限にすることができる。
【0046】
そして、壁面に形成された凹部の中にそれぞれ平面アンテナを収容するから、工事後に非伝導体の壁紙を貼ることで、外観は施工前と全く変わらない。途中に設けた双方向アンプで増幅するため更に安定した通信が可能となる。
【0047】
さらに、コーナーリフレクタが設けられた場合には、スロットアンテナの輻射を最小限に抑え、必要な室内方向の放射実効電力を増加させることができ、より安定した通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施の形態1における屋内中継用平面アンテナの断面図
(b)屋内中継用平面アンテナの透視斜視図
【図2】スロットアンテナの場合の屋内中継用平面アンテナの指向性を示す説明図
【図3】本発明の実施の形態2における屋内中継用平面アンテナの一部断面を含む説明図
【図4】本発明の実施の形態3における屋内中継用平面アンテナの一部断面を含む説明図
【図5】本発明の実施の形態4における屋内中継用平面アンテナの一部断面を含む説明図
【図6】本発明の実施の形態5における屋内中継用平面アンテナの一部断面を含む説明図
【図7】コーナーリフレクタ付スロットアンテナの指向性を示す説明図
【図8】コーナーリフレクタ付スロットアンテナの寸法関係図
【図9】従来の屋内無線LANシステムの構成図
【図10】従来の屋内無線LANシステムの指向性を示す説明図
【符号の説明】
1 壁
1a,1b 壁板
2,2a,2b スロットアンテナ
3 スロット
4 高周波伝送用ケーブル
5a,5b 開口
5c 凹部
6 双方向アンプ
7 無線機器
8 中継用無線機器
9 天井
10 床
11 コーナーリフレクタ
12 反射板
13 支柱
101 無線クライアント機器
102 中継用無線機器
103 パソコン
104 床
105 壁
106 天井
Claims (7)
- 室内の第1壁面に設置される第1平面アンテナと、他の室内または屋外の第2壁面に設置される第2平面アンテナと、前記第1平面アンテナと前記第2平面アンテナとを接続する高周波伝送用ケーブルを備え、前記高周波伝送用ケーブルが非居住空間に配設され、室内からは目視されないことを特徴とする屋内中継用平面アンテナ。
- 前記第1平面アンテナと前記第2平面アンテナがいずれもスロットアンテナであることを特徴とする請求項1記載の屋内中継用平面アンテナ。
- 前記第1壁面と前記第2壁面が壁を構成する壁板であって、前記高周波伝送用ケーブルが壁板間空間に配設されることを特徴とする請求項1または2に記載の屋内中継用平面アンテナ。
- 前記第1壁面と前記第2壁面がいずれも天井であって、前記高周波伝送用ケーブルが天井裏に配設されることを特徴とする請求項1または2に記載の屋内中継用平面アンテナ。
- 前記第1壁面と前記第2壁面に形成された凹部の中に前記第1平面アンテナと前記第2平面アンテナがそれぞれ収容されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の屋内中継用平面アンテナ。
- 前記高周波伝送用ケーブルに双方向アンプが設けられたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の屋内中継用平面アンテナ。
- 前記第1平面アンテナと前記第2平面アンテナの少なくとも一方にコーナーリフレクタが設けられたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の屋内中継用平面アンテナ。
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-
2002
- 2002-09-03 JP JP2002257641A patent/JP2004096607A/ja active Pending
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