JP3833601B2 - 高周波マイクロストリップ線路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信網を形成する無線LAN システムにおいて、無線周波帯の高周波の電磁波(以下、電磁波とも高周波とも言う)信号を伝播させる、高周波マイクロストリップ線路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、高度情報化社会への発展に伴って、ビルなどのオフィス内、あるいは工場や倉庫などの構内、一般の住宅内や事務所内等々の屋内、更には、屋内以外の、商店街などのアーケード、駅プラットホーム、空港ターミナル、あるいはテントなどの大型仮設構造物やイベント会場など、一定の区域における無線通信網を形成する無線LAN システム(区域内無線通信網) の使用が拡大しつつある。
【0003】
この無線LAN システムにおいては、無線LAN 親機と、区域内に配置された多数の無線LAN 子機との間で、広い周波数帯域の高周波を用いて通信が行われる。
この通信のためには、高周波の導波路(高周波線路)が不可欠であって、ステンレス、鋼、銅、アルミニウムなどの導電性金属からなる導波管か、同軸ケーブルのような導波管以外のマイクロ波伝送路が通常使用される。
【0004】
しかし、高周波線路としての前記導波管や同軸ケーブルでは、それ自体が比較的大きな断面積乃至体積を有しており、これらを設置するに際しての場所を多くとり、前記区域内の必要高周波線路の長さに比例して、施工工事費などの手間や諸経費も高くなる。
【0005】
また、高周波線路 (導波路) は前記区域内に向かう高周波送受信用アンテナを接続するために、導波路を途中で切断するなどして、複数の分岐回路を設ける必要がある。しかし、前記導波管や同軸ケーブルに、この分岐回路を設置することも、高周波線路自体の設置に劣らず、前記諸経費も高くなる。
【0006】
したがい、これら従来の高周波線路構造の制約が、希望設置場所や前記区域内への無線LAN システムの設置や採用を制限し、無線LAN システムの適用拡大に大きな制約を伴っていたのが実情であった。
【0007】
このため、場所を多くとらず、また簡便に設置できる、ストリップ状などの高周波線路ができれば、無線LAN システムの使用を大きく拡大できる。
【0008】
このようなストリップ状高周波線路としては、従来から、複数の放射素子 (アンテナや孔) が所定間隔で形成された外部導体と内部導体とを備えたストリップ状の高周波線路であって、前記複数の放射素子より電波を漏洩放射させるタイプの、放射形電波漏洩ケーブルまたは高周波マイクロストリップ線路あるいはマイクロストリップアンテナが公知である (特許文献1、2、3参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開昭63-260302 号公報
【特許文献2】
特開平4-90606 号公報
【特許文献3】
特開平4-113727号公報
【特許文献4】
特開平7-288424号公報
【0010】
しかし、上記高周波ストリップ線路では可撓性が無く、高周波ストリップ線路自体が目的に応じて自在に変形できない。このため、直線的かつミクロ的な回路基板上では使用可能であるものの、本発明が意図する、一定の区域における無線LAN システムにおいて、高周波線路を、区域内の設置条件に応じて、かつ障害物を越える乃至迂回するなどして、マクロ的に設置する場合には不適である。また、設置作業や設置場所への運搬などの取り扱いも煩雑である。
【0011】
このため、本発明らは、先に特願2001-162440 号によって、誘電材料からなる長尺誘電体層と、この誘電体層を挟む導電性材料からなる一対の長尺グランド層とを積層してなり、前記誘電体層内に信号線を誘電体層長手方向に配設し、前記グランド層の一部に高周波結合用の開口部を設けた、可撓性の高周波マイクロストリップ線路( 以下、高周波マイクロストリップ線路を単に高周波線路とも言う) を提案した。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
この高周波線路は厚みが薄くコンパクトであり、可撓性を有する材料を用いればコイル状とできるなど、運搬、施工などの取り扱いが容易である。また、前記開口部にパッチアンテナを取り付けることで、高周波線路へのアンテナの取り付けや取り外しが容易となり、アンテナの結合度や利得等の主要特性を簡便に調節することができる利点がある。
【0013】
ただ、この高周波線路は、誘電体層を一対の長尺グランド層で挟みこみ、かつ前記誘電体層内に信号線を配設する断面構造であるため、現状の製造技術レベルでは、比較的短尺の線路は安価に製造できるものの、比較的長尺の線路の製造にはコストがかかる課題がある。例えば、無線LAN システム用として室内の奥行きを1 本の単一線路でカバーするためには、1 本当たり最低でも2 〜5m以上の長さが求められている。しかしながら、現状の製造技術レベルで安価に製造できるのは約2mの長さ程度が限界である。
【0014】
このため、無線LAN システム用として室内の奥行きをカバーするためには、複数本の線路を互いに長手方向に接続したものとする必要があり、この接続部での高周波の漏洩やロス、あるいは接続施工自体の煩雑さなどが、実際の使用上も問題となりうる。
【0015】
また、無線LAN システムの区域内の子機や端末に接続するための複数乃至多数の分岐回路を、グランド層に設けた高周波結合用の開口部としている。このためパッチアンテナを用いる態様も含むものの、分岐回路の変更に対応して、この開口部を高周波の漏洩なく開閉する作業が煩雑とならざるを得ない問題もある。
【0016】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであって、その目的は、無線LAN システム用であって、製造が容易で長尺化が可能であり、伝搬される高周波が低損失であるなど、高周波線路としての基本特性に優れた高周波マイクロストリップ線路を提供しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1 の要旨は、無線LAN システム用の高周波を伝送する高周波マイクロストリップ線路であって、導体材料からなるグランド層に誘電材料からなる誘電体層と導体材料からなる信号線とを順次積層した構造を有する高周波線路と、誘電材料からなる誘電体板と導体材料からなるパッチとを順次積層したパッチアンテナとからなり、前記高周波線路に前記パッチアンテナを着脱自在に配置させるとともに、前記信号線と電気的に結合させたことである。
【0018】
本発明は、ストリップ状 (薄い板状) の高周波線路であり、グランド層に誘電体層と信号線とを順次積層した構造を有している。このため、前記特願2001-162440 号の構造に比して、比較的簡単な構造であり、長尺な線路の製造が容易である。この結果、無線LAN システム用に、1 本の単一線路でカバーできる長さが長くなり、接続部も少なくできるため、伝搬される高周波が低損失であるなど、高周波線路としての基本特性に優れている。
【0019】
なお、前記特願2001-162440 号では、前記グランド層をいずれか1 層とした本発明構造とした場合に、誘電体層2 のグランド層を設けない一方の表面側を全面的に開口部にしたと同じこととなり、高周波の損失が大きく、効率的な高周波線路として機能しなくなるとしている。しかし、本発明者らが実際に本発明高周波線路を製作して確認したところによれば、本発明高周波線路の断面構造のように、誘電体層の一方の表面側にグランド層を設けずとも、誘電体層の誘電率や誘電損などを適正化すれば、グランド層を設けない誘電体層側表面からの高周波の損失は殆ど生じなかった。
【0020】
また、本発明では、区域内の子機や端末に接続するための複数乃至多数の高周波送受信用アンテナを、区域内に向かう着脱自在なパッチアンテナとしている。このため、前記特願2001-162440 号のようなグランド層に設けた高周波結合用の開口部や分岐回路は不要で、パッチアンテナの着脱のみで、簡便にかつ容易にアンテナを設ける態様とすることができる。このため、施工時や使用時の区域内の条件や条件の変化などに対応して、アンテナの設置や設置箇所の変更が必要な時、高周波線路自体を変更することなく、パッチアンテナの着脱のみで高周波の漏洩なく自在に可能である。
【0021】
加えて、本発明では、前記特願2001-162440 号の有する諸効果をそのまま本発明の効果とすることができる。具体的には、断面積や体積が少なくて済み、高周波線路を設置するに際しての場所をとらず、区域内の必要高周波線路が長くても、施工工事費などの手間やコストを低く抑制できる。そして、区域内の通信子機に応じて、高周波線路の任意の位置に (区域内の所望場所に) 高周波結合用の開口部であるパッチアンテナを簡便に設けることができる。
【0022】
また、高周波線路に可撓性を持たせた材料を用いた場合、高周波線路自体が可撓性を持つため、一定の区域における無線LAN システムにおいて、高周波線路を、区域内の設置条件に応じて、自由に、かつ任意に乃至所望の場所であって、作業性の悪い場所にも簡便に設置および撤去できる。また、任意にコイル化もでき、設置作業や設置場所への運搬などの取り扱いも容易である。
【0023】
本発明は上記構成を基本とし、以下に示す好ましい態様を含む。
本発明請求項2 の要旨のように、前記パッチアンテナを前記信号線直上に設けることで、グランド層ひいては高周波線路の幅を狭くでき、よりコンパクトにすることができるようになる。
【0024】
本発明請求項3 の要旨のように、前記パッチアンテナを前記信号線近傍に設けるとともに、このパッチアンテナと前記信号線とを給電線により結合することで、パッチアンテナへ給電される高周波に位相差を設け、所定の(特定の乃至選択されたの意味)パッチアンテナの指向性を制御することができる。
【0025】
本発明請求項4 の要旨のように、前記信号線の中心軸に対するパッチアンテナの中心軸の相対位置を変えることで、所定パッチアンテナの前記信号線との結合度が調節できる。
【0026】
本発明請求項5 の要旨のように、前記相対位置を、前記信号線の中心軸に対し、前記パッチアンテナの中心軸を平行にずらせることにより変化させるか、または、請求項 6 の要旨のように、前記相対位置を、前記信号線の中心軸に対し、前記パッチアンテナの中心軸を回転させてずらせることにより変化させれば、所定パッチアンテナの前記信号線との結合度が容易に調節できる。
【0027】
本発明請求項7 の要旨のように、前記パッチアンテナへ給電される高周波に位相差を設け、所定パッチアンテナの指向性を制御することにより、区域内の目的子機や端末に対し、最良の通信感度で接続することができる。
【0028】
本発明請求項8 の要旨のように、前記位相差を所定パッチアンテナの間隔調整により設けることで、所定パッチアンテナの指向性制御を簡便に行うことができる。
【0029】
本発明請求項9 の要旨のように、前記位相差を所定パッチアンテナの前記給電線長さの調整により設けることで、所定パッチアンテナの指向性制御を、同じく簡便に行うことができる。
【0030】
本発明請求項10の要旨のように、前記高周波マイクロストリップ線路の平面的な端部形状を所定の傾き角を持ったものとし、この傾き角を持たせた端部同士で高周波マイクロストリップ線路同士を互いに接続することで、高周波線路同士の接続が、高周波の漏洩なく簡便に可能となる。
【0031】
本発明請求項11の要旨のように、前記高周波マイクロストリップ線路が使用エリア形状に合わせた曲げ部を有する (使用エリア形状に合わせて曲げて使用する) ことで、親機から見通しが利かないエリアにも良好な通信品質を提供でき、エリア全体に良好な通信品質を提供することが可能となる。
【0032】
本発明請求項12の要旨のように、前記パッチアンテナ表面と、高周波マイクロストリップ線路の設置面との間に、一定間隔を設けるとともに、前記パッチアンテナの放射部周囲を絶縁することで、送受信信号のレベルを増やし、通信のS/N を向上し、安定な品質を保つ事が可能となる。
【0033】
本発明請求項13の要旨のように、前記パッチアンテナとして、前記異なる周波数の高周波を各々送受信する2 種類以上のパッチアンテナを設けるか、請求項14の要旨のように、前記パッチアンテナとして、前記異なる周波数の高周波を各々送受信する長方形形状のパッチアンテナ設けることで、前記高周波マイクロストリップ線路が、周波数が異なる複数の高周波に各々対応して良好な通信を確保することができる。
【0034】
本発明請求項15の要旨のように、前記パッチアンテナを電気的に結合した高周波マイクロストリップ線路の両端を、同軸コネクタを介して、同軸ケーブルと接続し、この接続された高周波マイクロストリップ線路を同軸ケーブルにおける高周波マイクロストリップ線路型アンテナとすることで、高周波マイクロストリップ線路の起伏の大きい天井の梁越え部などの曲げ部にて生じる、高周波の損失や高周波の反射を抑制し、オフィス内のどの場所でも高速での無線通信が可能となり、通信品質のムラが無い通信環境が実現できる。
【0035】
以上のような構成の本発明高周波マイクロストリップ線路は、前記区域が屋内である屋内用無線LAN システムに適用されて好適であるが、更に、アーケード、プラットホーム、ターミナル、あるいは大型の仮設構造物や仮設会場などの、構造物内や屋外などの一定の区域に適用されても勿論良い。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、以下に図面を用いて説明する。
本発明高周波マイクロストリップ線路の実施態様を図1 〜4 に示す。図1 は高周波線路1aの平面図、図2 は図1 のA-A 線断面図、図3 、4 は他の実施態様の高周波線路1b、1cの断面図である。また、図5 はパッチアンテナを示し、図5(a)は平面図、図5(b)は側面図である。
【0037】
図1 において、本発明高周波線路1aは、区域内の無線LAN システムに必要な長さを有する長尺の薄板形状をしている。高周波線路1aの図2 に示す断面方向 (厚み) 方向の構造は、導体材料からなるグランド層3 に、誘電材料からなる誘電体層2 と導体材料からなる高周波誘導用の信号線4 とを記載順に順次積層した可撓性構造を有してなる。
【0038】
パッチアンテナは、例えば前記図5(a)、(b) に示すように、誘電材料からなる誘電体板8 と導体材料からなるパッチ7 とを順次積層して構成される。そして各パッチアンテナは、図2 〜4 に示すように、前記信号線4 上に配置されて信号線4 と電気的に結合されている。そして、図1 に示すように、各パッチアンテナ6a〜6cは、前記信号線4 上に間隔L などの所定の間隔で複数設けられている。ここにおいて、パッチアンテナを設ける個数は自由であり、1 個以上、用途に応じて適宜選択される。
【0039】
なお信号線4 は、図2 の高周波線路1aに示すように、誘電体層2 内に埋設して高周波線路1aの長手方向に配設しても良く、図3 の高周波線路1bに示すように、誘電体層2 上に突設乃至載置して、高周波線路1bの長手方向に配設しても良い。
【0040】
ここにおいて、誘電体層2 は、信号線4 側の誘電体層2 表面にグランド層を設けず、この表面側を全面的に開口しても、高周波の損失が生じないような条件が適宜選択される。一般的に、高周波線路からの高周波の損失は、放射損、導体損、誘電損に大別される。この内、放射損を小さくするためには、誘電体層2 の誘電率を高くすることが好ましい。この誘電率は、誘電体層2 を構成する誘電材料自体の誘電率と誘電体層2 の厚みから定まる。このため、誘電率が高くなるように誘電材料と誘電体層の厚みを選択することが好ましい。但し、誘電率が高い材料や誘電体層の厚みが厚くなるほど可撓性がなくなるので、可撓性が必要な場合には、これを考慮して、最適な材料と誘電体層の厚みとを選択する。また、前記導体損は信号線4 の電気伝導度が高いほど小さくなるため、高周波線路に必要な電気伝導度から、信号線4 の最適電気伝導度を決定することが好ましい。更に、誘電損は誘電体層2 を構成する誘電材料自体によって定まるので、低誘電損材料を選択することが好ましい。
【0041】
ただ、誘電体層2 の幅と厚みは、無線LAN システムに必要な信号の周波数と高周波の損失との関係で、ある程度の幅と厚みは必要である。この点、例えば、オフィスなどの標準的な屋内の無線LAN システムを基準とすると、0.1 〜2.0mm の厚み、幅は10〜50mm程度とすることが好ましい。
【0042】
したがって、誘電体層2 の誘電材料は、上記好適範囲から選択される誘電体層2 の幅と厚みを前提に、高周波の放射損が生じず、誘電損失が低い材料を選択することが好ましい。誘電材料自体は、テフロン (登録商標) 、ポリイミド、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ビニール、マイラなどの樹脂誘電体材料から、例えば誘電損失の目安 (パラメーター) となる誘電正接が0.02以下と低い材料を単独の組成乃至複数混合した組成として選択、使用することが好ましい。これらの樹脂誘電材料は、組成などの条件設定により、本発明高周波線路に必要な所望の可撓性を保持しうる。
【0043】
本発明高周波線路の全体の厚みは、高周波線路の断面積や体積を少なくする目的からして、2mm 以下のできるだけ薄い方が好ましい。したがって前記グランド層3 や信号線4 の厚みも、この目的からして、できるだけ薄い方が好ましい。グランド層3 の厚みは、必要薄板強度を保証できれば、0.2mm 以下の厚みとすることが好ましい。また、グランド層3 の幅は、誘電体層2 を被覆して高周波の損失を抑制するために、上記誘電体層2 の幅に対応したものとする。
【0044】
グランド層3 を構成する導電性材料は、銅、アルミニウム、錫、金、ニッケル、ハンダなどの金属、合金や、これらの金属、合金が各々複合、積層、あるいは樹脂基体などにメッキされた種々の態様が良導電性金属材料として、適宜選択される。これらの中でも、薄板に加工容易で、かつ薄板が、上記誘電材料に見合った可撓性を有し、更に必要薄板強度を有する金属材料が好ましい。
【0045】
高周波誘導用の信号線4 も、上記良導電性金属材料の、細線や薄板が選択される。
【0046】
以上のように、本発明高周波線路1aは、薄く可撓性を有するため、長尺の板状だけではなく、高周波線路を巻き取った長尺のコイル状などとして、製造、運搬、施工などの取り扱いが容易である。しかも、伝搬される高周波が低損失であるなど、高周波線路としての基本特性に優れている。
【0047】
図4 の高周波線路1cは他の実施態様を示し、図2 の高周波線路1aのグランド層3 の下面 (表面) に両面接着テープや接着シートなど、公知の粘着性材料からなる粘着層5 を設けた例である。この粘着層5 を設ける場合、粘着層5 自体は、接着必要箇所に応じて、グランド層3 の長手方向や幅方向の全域や部分的に適宜設ける。この粘着層5 により、高周波線路を、区域内の設置条件に応じて、自由に、かつ任意乃至所望の場所に、より簡便に設置および撤去することができるようになる。
【0048】
前記図1 で高周波線路に配置された、本発明に係るパッチアンテナ6a〜6cは、図5 に示すように、高周波を放射する導電性の金属材料からなる放射板 (パッチ)7a と、この放射板7 と前記誘電体層2 との間に介在する誘電体 (板)8a とで構成される。なお、パッチアンテナと信号線との電気的な結合の手段は、前記図1 のように信号線上にパッチアンテナを配置する以外に適宜の手段が採用可能である。例えば、後述する図13のように、信号線4 の脇にパッチアンテナを配置し、給電線を配設して電気的に結合することでもできる。
【0049】
この放射板7 の平面的な形状は、図1 〜図4 で示した正方形の形状以外に、図6(a)〜図6(e)に放射板の平面図で例示するように、区域内の子機や端末の配置や受信条件に応じたアンテナ形状が選択できる。図6(a)は円形の放射板7b、図6(b)は一部を切り欠いた略円形の放射板7c、図6(c)は隅角部を一部切り欠いた略四角形の放射板7d、図6(d)は長方形の放射板7eを示す。
【0050】
放射板 (パッチ)7a を構成する導電性材料は高周波線路のグランド層を構成する前記導電性材料と同じ金属材料が適用できる。また、誘電体8aを構成する誘電材料は、前記高周波線路の誘電体を構成する低損失な樹脂誘電体材料と同じ材料が選択される。
【0051】
上記パッチアンテナの構成によって、高周波線路へのアンテナの取り付けや取り外しが容易となる。したがって、オフィスのレイアウトの変更など、無線LAN システムのアンテナ配置の変更が生じた場合でも、本発明高周波線路でエリア全体をカバーできている場合には、基本的には、新しいレイアウトに応じて、パッチアンテナの取り付けや取り外しだけで済み、高周波線路自体の設置工事をやり直す必要がない。
【0052】
また、アンテナの結合度、利得等の主要特性に対し、使用する無線周波数の補正が必要な場合なども、パッチアンテナの側の放射板と誘電体の材質や厚さなどの条件を調節する、乃至適応する条件に調節したパッチアンテナを使用することにより簡便に補正できる。
【0053】
図1 の本発明高周波線路1aを、屋内用の無線LAN システムに適用した例を図7 に正面図で示す。図7 において、高周波線路1aは、建屋10の屋内天井 (区域の上方) に沿って設けられており、この高周波線路1aの一方の端部は無反射終端器13とされ、他方の端部に、同軸ケーブル12を介して、無線LAN 親機11が接続されている。また屋内には、前記無線LAN 親機と交信する複数の無線LAN 子機群 (端末機群)9a 、9b、9cが配置されている。
【0054】
そして、これら無線LAN 子機群9a、9b、9cのレイアウト (図7 では不等間隔に配置) に応じて、各無線LAN 子機群の (領域内の) 良好な通信が確保できるよう、パッチアンテナ6aが子機群9aに、パッチアンテナ6bが子機群9bに、パッチアンテナ6cが子機群9cに各々対応して良好な通信を確保すべく、L2、L3の不等間隔で高周波線路1aに配置されている。
【0055】
なお、本発明高周波線路を無線LAN システムに適用するに際し、区域内や屋内の塗装や装飾に応じて、あるいは耐食性などのために、高周波線路表面に塗装やパウチを付加する態様も可能である。
【0056】
ただ、本発明高周波線路においても、パッチアンテナを高周波線路に取り付ける位置 (場所) により、高周波線路で伝送される高周波の減衰量が異なることが必然的に生じる。したがって、これに対応して、各子機との良好な通信性を確保するために、パッチアンテナを高周波線路に取り付ける場所 (高周波の減衰量) により、当該パッチアンテナと高周波線路との結合度を調節して、最適結合度とすることが必要となる。
【0057】
より具体的に、図7 において、パッチアンテナ6aから高周波無線を放射して、周辺の子機群9aと通信する場合のパッチアンテナ6aと高周波線路1aとの必要結合度を計算する。今、無線LAN 親機11の出力パワーをP(dB/m) 、同軸ケーブル12の長さをLc(m) 、高周波の減衰量をAc(dB/m)、パッチアンテナ6aと高周波線路1aの片端14との距離をL1とすると、子機群9aまでの最大距離により、パッチアンテナ6aから放射すべき電力Pa(dB/m)は、次式で計算される。
Pa=(P ーLc×AcーL1×Am) ×C1 [但し、Amは高周波線路の減衰量(dB/m)、C1はパッチアンテナ6aの地点で必要なパッチアンテナ6aと高周波線路1aとの結合度]
【0058】
この必要結合度C1に対し、実際に取り付けたパッチアンテナ6aと高周波線路1aとの結合度が必要以上に大きい場合、パッチアンテナからの放射電力が無駄になる。逆に、必要結合度C1に対し実際の結合度が小さ過ぎる場合、放射電力が不足し、通信エリアが狭まり、子機によっては通信不良となる可能性がある。このため、前記パッチアンテナと高周波線路との結合度を調節して、最適結合度とすることが必要となる。
【0059】
パッチアンテナと高周波線路との結合度の調節は、▲1▼高周波線路の信号線の中心軸に対する前記パッチアンテナの中心軸の相対位置を変える、▲2▼前記したパッチアンテナの放射板と誘電体の材質や厚さなどの条件を調節することにより可能である
【0060】
記相対位置の変化を行う具体的な方法を図8 、9 に高周波線路1aの斜視図で示す。図8 、9 において、A は信号線4 の乃至高周波線路1a長手方向の中心軸 (長手方向) 、B はパッチアンテナ6aの高周波線路1a長手方向の中心軸である。そして、図8 は信号線4 の中心軸A に対しパッチアンテナ6aの中心軸B を平行に距離t だけずらして、前記相対位置を変化させた場合である。また、図9 は信号線4 の中心軸A に対しパッチアンテナ6aの中心軸B を水平に角度αだけ回転させてずらし、前記相対位置を変化させた場合である。
【0061】
ただ、図8 の平行移動方法では、高周波線路1aや信号線4 の幅の制約から、前記距離t や前記相対位置の変化に制約があり、パッチアンテナと高周波線路との結合度の調節に限界がある。これに比して、図9 の回転方法ではこのような制約がなく、比較的結合度の調節が大きな範囲でできる。
【0062】
図10に、図9 の回転方法により、信号線4 乃至高周波線路1aの中心軸A に対するパッチアンテナ6aの中心点の距離を変化させた場合の、パッチアンテナと高周波線路との結合度の変化を示す。図10の通り、中心軸A に対するパッチアンテナ6aの中心点の距離が大きくなるほど、結合度は小さくなっており、結合度の調節が可能であることが裏付けられる。
【0063】
また、前記図7 において、無線LAN 子機群のレイアウトによっては、隣り合うパッチアンテナ6a、6b、6c同士の高周波の混信が生じる場合がある。このような場合には、図11に示すように、逆円偏波アンテナ6d、6e、6fを交互に配置する。即ち、図11の例ではパッチアンテナ6eを左円偏波アンテナ、これと隣り合うパッチアンテナ6d、6fを右円偏波アンテナとし、パッチアンテナ6eに対応する左円偏波用端末機9dへのパッチアンテナ6d、6fからの混信を防止する。
【0064】
次に、前記パッチアンテナへ給電される高周波に位相差を設け、所定パッチアンテナの指向性を制御することにより、区域内の目的子機や端末に対し、最良の通信感度で接続する方法について説明する。
【0065】
前記図12を例にとると、通常は、パッチアンテナ6a、6bの正面方向に電波が放射される。しかし、子機群乃至端末が高周波線路1aの真正面 (真下) にない場合や、高周波線路1a自体が壁際に設置されており、結果として子機群乃至端末が高周波線路1aの真正面にない場合には、子機群乃至端末のない無駄な方向に電波を放射することとなり、効率が悪くなる。このため、所定パッチアンテナの指向性を制御することにより、子機群乃至端末方向などに電波の放射方向を制御することが必要となる。
【0066】
所定パッチアンテナの指向性制御はパッチアンテナへの給電位相の調整で可能である。この給電位相の調整方法として、先ず、高周波線路内の実効波長とパッチアンテナ設置間隔との関係を調整する方法がある。今、パッチアンテナに給電される高周波信号の位相差は、高周波線路のパッチアンテナ設置間隔に対応する位相差となる。例えば、前記図12において、高周波線路1a内の実効波長をλ、パッチアンテナ6a、6bの設置間隔L を等しく1.25x λとすると、各パッチアンテナから放射される電波は1.25波長の位相差となるので、1 周期が2 πであることから、位相差はパッチアンテナ6aで0 とすると、パッチアンテナ6bで0.5 π(2.5π) となる。
【0067】
この時のパッチアンテナ6a、6bから放射される高周波の様子を図12に示す。図12は、図7 の高周波線路1aを部分的に示す正面図であって、パッチアンテナ6a、6bから放射される高周波が合成された合成波(矢印)は、アンテナ正面ではなく、位相差に応じたオフセット(矢印)方向に放射される。つまり、パッチアンテナ設置間隔を高周波線路内の実効波長との関係で調整することで、任意に方向に所定パッチアンテナの指向性を制御することが可能である。ただ。この方法は、高周波線路の設置方向にのみアンテナ指向性を制御できる。また、この方法はパッチアンテナ6a、6b間の距離L2が波長の数倍以内である場合に適用が可能である。
【0068】
次に、前記給電位相の他の調整方法として、高周波線路の設置方向にかかわらず、任意の方向にアンテナ指向性を制御できる方法を以下に説明する。図13に高周波線路の平面図を示すように、パッチアンテナ6gと6hとを、各々信号線4 を挟んだ両側 (信号線4 の近傍) に設ける。パッチアンテナ6g、6hと前記信号線4 とは給電線15a 、15b により各々電気的に結合されている。そして、これら給電線15a と15b 同士の長さを互いに違えるように( 図では給電線15a を長く、給電線15b を短く) 調整することで、各パッチアンテナ6g、6hの給電位相を調整し、これら各パッチアンテナの指向性を自由に制御することができる。
【0069】
図14は、図13における複数のパッチアンテナを所望のオフセット角度に合わせて、予め組み合わせて作成したパッチアンテナを平面図で示す。即ち、パッチアンテナ6iと6jを各々信号線4 を挟んだ両側に、位置をずらして設けるとともに、これらのパッチアンテナへの給電線15c と15d 同士の長さ、あるいは給電線15c の分岐給電線同士や、給電線15d の分岐給電線同士の長さを調整することで、各パッチアンテナ6i、6jの給電位相を調整し、これら各パッチアンテナの指向性を自由に制御することができる。つまり、これらパッチアンテナ6g、6h、6i、6jなどを予め準備しておき、所望のアンテナ指向方向の制御に (必要に応じて) 組み合わせて取り付けることで、各高周波放射位置でのアンテナの指向性を自由に制御することができる。
【0070】
更に、本発明高周波線路同士の好ましい接続態様について、以下に説明する。本発明高周波線路は、前記した通り、2 〜5m以上の長さのものが製造できる。即ち、本発明高周波線路は、無線LAN システム用として区域内の奥行きを1 本の単一線路でカバーする長さのものが製造できる。しかし、区域内の条件によっては、各室内同士や各フロアー (各階) 同士など、どうしても本発明高周波線路同士を互いに長手方向に接続する必要性が生じる。この際には、接続部での高周波の漏洩やロス、あるいは接続施工自体の煩雑さを解決する必要性がある。
【0071】
例えば、図15に、高周波線路同士の長手方向の接続の一例を平面図で示す。図15において、前記した高周波線路1a同士は、接続部16において、平面的な端部形状が高周波線路1aの長手方向に対して平面的な傾き角のない直角なものとなっている。4aは、銅箔などの導電性金属薄板からなる、高周波線路1a同士の信号線4 接続用の短尺な信号線である。このような接続方式の場合、一方の高周波線路1aから信号線4 を介して伝搬される高周波信号が、高周波線路1aが不連続となっている接続部16において、一部の反射波を生じやすい。この反射波は、反射波の量にもよるが、無線LAN システム上マルチパス成分となって、通信されるデータのエラー率を増加させる原因となる。
【0072】
この接続部16における反射波発生量を低減するための好ましい接続部の例を、図16にで示す。図16(a) は高周波線路同士の接続を表面から示す斜視図であり、図16(b) は図16(a) を裏面から示す斜視図である。図16の接続例は、図16(a) 、(b) のように、高周波線路1a同士の信号線4 を短尺な信号線4aで接続している点は前記図15と同じである。ただ、図16(a) の例では、高周波線路1aの平面的な端部形状を所定の傾き角を持ったものとし、この傾き角を持たせた端部同士で、高周波線路1aの長手方向に対して平面的な傾き角を持った接続部16を構成する。
【0073】
このように、平面的な傾き角を持った接続部16とすることで、傾斜した接続部16の不連続面に伴い、反射する高周波信号は発生するものの、反射する場所が異なるので、全く同位相の反射波ではなくなり、位相の異なるものに分散する。この結果、位相の異なる反射波が互いに打ち消し合う効果で、全体の反射波量は軽減される。なお、接続用の前記信号線4a (導体) に平面的な傾き角を持たせる必要はないが、信号線4aと高周波線路1aの信号線4 とは、はんだ付けや機械的な圧着により電気的に接続させる。
【0074】
更に、本発明高周波線路によれば、壁や柱、あるいはスチール棚等の遮蔽物により、親機から見通しの利かないエリアへの設置が容易に実施可能となる効果も有する。本発明高周波マイクロストリップ線路を、使用エリア形状に合わせて、曲げ部を有する( 曲げて乃至屈曲させて使用する) ことで、親機から見通しが利かないエリアにも良好な通信品質を提供でき、エリア全体に良好な通信品質を提供することが可能となる。
【0075】
従来の無線LAN アンテナでは、同じフロアであっても、前記見通しが利かないエリアでは、通信品質が悪化し、通信速度の低下が生じる可能性が高い。これに対し、本発明高周波線路は、可撓性を有するため、直線状の高周波線路だけではなく、エリア形状や前記見通しが利かないエリア形状に合わせて、高周波線路自体を、水平方向や垂直方向など、所望の方向に曲げて (高周波線路に曲げた部分を持たせて) 使用することができ、前記親機から見通しが利かないエリアにも良好な通信品質を提供でき、エリア全体に良好な通信品質を提供することが可能となる。
【0076】
以下、この効果をより具体的に説明する。従来、図17や図18に示すような、L字型やコの字型の間取り (エリア) を有するオフィス等の部屋10a 、10b に対して、無線LAN の親局を設置する場合に、(1) 乃至(3) の位置に設置する時には、(2) あるいは(4) (5) の斜線領域では、親局までの見通しが悪いので、通信できないか、あるいは通信速度が低下する場合があった。したがって、図17や図18に示すような親局までの見通しが悪いエリアを有するオフィス等の部屋10a 、10b に対して、エリア全体に良好な通信品質を提供するためには、1 台の親局でカバーするのは困難であり、親局までの見通しが悪いエリアをカバーするために、複数台の親局が必要となる。
【0077】
これに対し、本発明高周波線路は可撓性を有するため、L字型やコの字型のエリアを有するオフィス等の部屋10a 、10b に対して、図19、図20のように、高周波線路自体を曲げて、使用することができる。即ち、前記見通しが利かない(2) あるいは(4) (5) の斜線領域の形状に合わせ、高周波線路自体を水平方向に例えば90度曲げた(90 度曲げた部分を持たせた) 、図19のL字型1fや図20のコの字型1gなどの本発明高周波線路を用い、これら(2) あるいは(4) (5) の斜線領域の通信をカバーすることができる。したがって、本発明高周波線路をオフィスの間取りや形状に合わせて、適当な方向や角度に曲げて (折り曲げて) 配置することにより、1台の親局のみで通信したいオフィス全領域をカバーすることができるようになる。
【0078】
この図19のL字型オフィス10a を図21に立体的に示す。図21において、高周波線路1fは、建屋10a の天井裏或いは天井面などの区域の上方に沿って設けられており、この高周波線路1aの一方の端部は無反射終端器とされ、他方の端部に、同軸ケーブル12を介して、無線LAN 親機11が接続されている。そして、これら無線LAN 子機群9a、9bのレイアウトに応じて、パッチアンテナ6a等が各子機群9a等に各々対応して高周波線路1fに配置されている。
【0079】
ここにおいて、高周波線路1fは、前記見通しが利かない(2) の斜線領域のエリア形状に合わせて、L字型に曲げて配置されている。このため、無線LAN 親機11から見通しが利く無線LAN 子機群 (端末機群)9a だけではなく、無線LAN 親機11から見通しが利かない(2) の斜線領域のエリアに配置された無線LAN 子機群9bに対しても、高い通信品質が確保できる。
【0080】
図22(a) 、(b) に別の態様を示す。図22は四角い断面を持つ大きな柱17が、エリア内に有る場合を示す。この場合、柱17により、直接電波がエリア内に届かない所謂陰となる場所が生じる。これに対して、図22(a) 、(b) のように、この柱17の四周囲に高周波線路1hを巻き付けるよう、90度ずつ屈曲させた部分を4 箇所持たせて、各方向 (柱17の各辺) に1個のパッチアンテナ6a、6b、6c、6dを設置し、1台の親機11と接続する。このようにすれば、柱17を中心として360 度全方向をカバーでき、エリア内に陰となる場所を生じさせない。
【0081】
このように、ストリップ線路とパッチ型アンテナを組合せた本発明高周波線路は、構造上可撓性が高く、容易に変形できるので、通信したいエリアの間取りに応じて、線路を変形する事ができ、全領域にて高いスループットが均一に実現できると共に、最小台数の親局で済む利点を持つ。また、これにより、無線周波数チャネルを効率的に使用でき、より広い範囲のエリアに対して、同じ周波数チャネルによる干渉の影響度(混信)を少なくして、繰り返して使用することが可能となる。
【0082】
このチャネル配置例を図23、24に示す。従来の高周波線路を使用する場合は、図23に示す通り、フロア全体が幾つかの壁23で仕切られているので、壁23等で仕切られた間取り10c に対しては、各部屋毎に1つの周波数チャネルを必要とした。このため、同一のチャネルを近隣で使用し、しかも同じチャネルを繰り返して使用する必要があり、この同一のチャネルを使用する部屋(1) 同士、(2) 同士、(3) 同士で混信を生じ易く、近くに存在する同一チャネルの無線が干渉雑音となり易い、という問題があった。したがって、これを防止するためには、各部屋毎に無線LAN の親局11を設置する必要があった。
【0083】
これに対し、本発明高周波線路を利用すると、図24に示す通り、天井裏などに間取りに沿って、直線状の高周波線路1aやコの字型などの曲げ部を有する高周波線路1gを自由に組み合わせて設置できるので、少ないチャネル数で、かつ混信や干渉の影響を生じることなく、間取り10c 全体をカバーでき、高い通信品質が確保できる。
【0084】
なお、以上説明した通り、本発明高周波線路は、エリアに応じて、天井や天井裏などへの取付工事が容易である。ただ、オフィスに多く見られる石膏製などの天井材の場合、2.45GHz 帯の高周波は、減衰が小さく、かなり透過してしまう。このような場合には、本発明高周波線路表面乃至パッチアンテナ表面と、高周波線路設置面 (天井や天井裏の表面) との間に、一定間隔を設け、更にパッチアンテナの放射部周囲を絶縁することが好ましい。これにより、天井材などの異質の材料からの高周波反射量を軽減することができる。
【0085】
これらの本発明高周波線路の実施態様を、図25(a) 、(b) に、平面図と断面図で各々示す。図25の本発明高周波線路は、パッチアンテナ6aの放射部周囲に絶縁体18を設け、パッチアンテナ6a表面と天井材20の表面間に隙間19を設けるためのスペーサをも構成させている。これによって、直接天井面や天井裏面に接触するよりも、天井材20を透過する高周波電力量を大きくすることが可能である。これは、パッチアンテナ形状の設計で、アンテナから空中に高周波を放射するように設計しているので、アンテナから空中、空中から天井材への伝搬パスの方が、アンテナから天井材への伝搬パスに比べて、高周波反射量を少なくできるからである。その結果、送受信信号のレベルを増やし、通信のS/N を向上し、安定な品質を保つ事が可能となる。
【0086】
以上、主として1種類の高周波に対する本発明高周波線路の実施態様を説明してきたが、本発明高周波線路は、異なる周波数の2種類以上の高周波に対しても適用できる。以下に、2種類以上の高周波に適用する本発明高周波線路の実施態様を説明する。
【0087】
本発明高周波線路では、2.45GHz 帯の高周波1 種類だけの使用だけではなく、例えば、他の5.2GHz帯などの高周波など、周波数が異なる複数の高周波を同時に併用 (伝送、送受信) することも可能である。また、無線通信網を形成する無線LAN システムの社会での使用が広がれば、当然、異なる周波数帯の併用や、併用する周波数やチャンネルの数も増してくる。このような場合には、一つの高周波線路の信号線に結合されるパッチアンテナを、このような異なる周波数の高周波に各々対応できる (送受信できる) ものとすることが好ましい。
【0088】
図26に、周波数が異なる複数の高周波を同時に併用する上記態様を、屋内無線LAN システムの正面図で示す。同図において、高周波線路1aは、前記図7 と同様に設けられている。ここにおいて、高周波線路1aに対し、2.45GHz 帯と5.2GHz帯の2 種類の高周波を伝送 (送受信) するために、2.45GHz 帯無線LAN アクセスポイント22a と5.2GHz帯無線LAN アクセスポイント22b とが、上記2 種類の高周波を合成/ 分配する、合成/ 分配器親機21 (図示しない親機内に設置) に接続されている。
【0089】
このような構成により、前記合成/ 分配器21によって合成された2.45GHz 帯と5.2GHz帯の2 種類の無線LAN 信号 (高周波) は、同じ高周波線路1aを、点線の矢印で示す通り、双方向に伝送される。そして、前記図7 の態様などと同様に、高周波線路1aに電気的結合度を調整して設置されたパッチアンテナ6a、6b、6c、6dより、両周波数の信号を、ユーザーのパソコンに接続された子機 (図示せず) との間で送受信して通信する。
【0090】
この周波数が異なる複数の高周波を同時に併用する図26の態様において、高周波線路1aに電気的結合度を調整して設置されたパッチアンテナ6a、6b、6c、6dは、この周波数が異なる複数の高周波に各々対応して良好な通信を確保すべく、図27、28のように構成される。
【0091】
即ち、図27、28は高周波線路1aの斜視図を示す。図27、28における高周波線路1aの基本的な構成は前記図7 、8 と同様である。先ず、図27において、パッチアンテナ6aは、例えば2.45GHz 帯などの低周波数用であり、パッチアンテナ6bは、例えば5.2GHz帯などの高周波数用である。したがって、図27は、2 種類のパッチアンテナ、低周波数用パッチアンテナ6aと、高周波数用パッチアンテナ6bとを交互に配置した例を示している。この2 種類のパッチアンテナの配置の仕方は、各パッチアンテナの対応する子機などの使用する高周波の周波数により、適宜決定乃至選択される。
【0092】
低周波数用パッチアンテナ6aと高周波数用パッチアンテナ6bとは、高周波を放射する導電性の金属材料からなる放射板 (パッチ)7と、誘電体 (板)8とで構成される点と、平面的に正方形形状を有している点は、前記図7 、8 などにおけるパッチアンテナと同様である。但し、高周波数用パッチアンテナ6bは、5.2GHz帯などの高周波に見合った面積 (大きさ) とされ、2.45GHz 帯などの低周波数用パッチアンテナ6aに対し、小さな面積に構成されている。
【0093】
なお、伝送される高周波が高周波数であれ低周波数であれ、各高周波の高周波線路1a内の実効波長をλとすると、これら各正方形パッチアンテナ一辺の寸法 (長さ) をλの1/2 に設定すると、アンテナの利得が増え、高いレベルで高周波の送受信ができる。
【0094】
ここで、大きな面積の低周波数用パッチアンテナ6aは、5.2GHz帯などの高周波に反応せず、高周波数用パッチアンテナ6bに対し影響を与えない。また、高周波数用パッチアンテナ6bも、2.45GHz 帯などの低周波に反応せず、低周波数用パッチアンテナ6aに対し影響を与えない。したがって、2 種類のパッチアンテナ6a、6bは、互いに独立して、結合度を調整することが可能である。結合度の調整は、前記した通り、パッチアンテナの誘電体8 の厚みを変えたり、信号線4(高周波線路1a) 長手方向中心軸A からのズレ量や、パッチアンテナの水平方向の回転角度などにより、前記相対位置を変化させて調整することが可能である。
【0095】
以上、2 種類のパッチアンテナを用いる例について示したが、次に、1 種類のパッチアンテナを用いる例について図28に示す。図28のパッチアンテナ6gは、低周波数用と高周波数用とを兼ねるものである。図28のパッチアンテナ6gは、その平面的な形状が長方形をしている他は、これまでのパッチアンテナと構成は同じである。即ち、パッチアンテナ6gは、誘電体8 が長辺a と短辺b とを有する長方形をしており、放射板 (パッチ)7も、これに対応する長辺と短辺とを有する長方形をしている。
【0096】
この態様では、パッチアンテナ6gの長辺a は、低周波側の周波数に対して決まり、短辺b は、高周波数側の周波数に対して決まる。即ち、パッチアンテナ6gの、長辺a は低周波数用、短辺b は高周波数用である。この際、長辺a は高周波に影響せず、短辺b も低周波に影響を与えない。したがって、例えば、短辺b が約18mm、長辺a が約40mmの長方形形状のパッチアンテナ6gを用いれば、短辺b によって5.2GHz帯の高周波、長辺a によって2.45GHz 帯の低周波の、両方の周波数の送受信が、1 個のパッチアンテナ6gによって可能となる。即ち、1 個のパッチアンテナ6gによって2 周波をカバーでき、2 つの異なる周波数の高周波を伝送する高周波線路において、1 種類の長方形形状のパッチアンテナによって、2 つの異なる周波数の高周波を各々送受信することができる。
【0097】
なお、これらパッチアンテナ6gは、高周波線路1aに対し、前記した各パッチアンテナa 、b などと適宜組み合わせて設置してもよく、単独で設置しても良い。また、結合度の調整は、前記した通り、パッチアンテナの誘電体8 の厚みを変えたり、信号線4(高周波線路1a) 長手方向中心軸A からのズレ量や、パッチアンテナの水平方向の回転角度などにより、前記相対位置を変化させて調整することが可能である。
【0098】
また、前記パッチアンテナの組み合わせにおいて、これら図27のパッチアンテナa 、b や、図28のパッチアンテナ6gは共通して四角 (矩形) 形状をしており、直線偏波の無線を送受信する。これに対し、偏波の向きの影響を受け難い通信を実現するために、前記した、図6(a)の円形の放射板7bのような円偏波アンテナを単独で乃至他のタイプと組み合わせて設置することも可能である。また、垂直方向と水平方向の両偏波成分をもたせるために、四角いパッチの対向する2 角の角を落とした、前記した、図6(c)の放射板7dのようなアンテナを、単独で乃至他のタイプと組み合わせて設置することも可能である。
【0099】
次に、本発明高周波線路 (マイクロストリップ線路) を、同軸ケーブルにおける高周波線路型アンテナとした実施態様を以下に説明する。
【0100】
これまで説明した、本発明高周波線路の態様では、システム天井等、天井が平坦な場合は施工が容易であるが、天井に梁が張り出している場合などで、施工が困難な場合も生じる。
【0101】
例えば、図29に示す屋内10c のように、天井が平坦でなく、梁50等が出っ張っていて段差がある場合、本発明高周波線路を固定するには、前記図22などに示した通り、線路を梁50の壁面に沿って曲げる必要がある。前記図22などで説明した通り、可撓性を有する高周波線路は壁面に沿って曲げることができる。この際、低い高さの梁を越える際には、高周波線路を壁面に沿って曲げることは、容易に対応可能である。しかし、高さが高い梁を越える場合には、外観や美観上、天井と梁の形状に出来る限り沿った形に、高周波線路を曲げて取り付ける必要がある。このような場合には、高周波線路の曲げ半径が必然的に小さくなり、この曲げ半径が小さい曲げ部にて、伝搬する高周波損失量や高周波反射量が使用上問題となる程度に増大するという問題がある。高周波線路の場合、信号線の全周をグランド面で囲う同軸ケーブルとは異なり、信号線に対して1面のみにグランド面があるため、上記曲げに対して、特性の影響を受け易い性質がある。
【0102】
このような場合には、本発明高周波線路と同軸ケーブルとを組合せた態様とすることにより対応できる。即ち、高周波線路自体には同軸ケーブルを用い、本発明高周波線路を、同軸ケーブルにおけるアンテナとして用いることで、上記特性上の劣化を過大に増やすことなく対応が可能となる。
【0103】
無線通信するデータを含む高周波信号を送受信するアンテナユニットとしての高周波線路と、その高周波を伝送する同軸ケーブルとは、同軸コネクタを介して、容易に接続可能な構成である。このため、アンテナシステムの保守性にも富む利点ががある。すなわち、各部の高周波信号を同軸コネクタより容易に引き出す事ができ、スペクトルアナライザや電力計等の計測器に接続可能なので、その正常性を確認できる。また、異常が見つかった場合でも、アンテナユニット或いは同軸ケーブルのみ交換することにより対応が可能である。
【0104】
したがって、無線LAN の親機(アクセスポイント)の外部アンテナ端子に、同軸ケーブルを介して、オフィスの天井に配置した、アンテナとしての高周波線路を接続することにより、高さが高い梁があるなどの起伏に富む屋内天井や壁であっても、これまで説明した本発明高周波線路と同様に、オフィス内のどの場所でも高速での無線通信が可能となり、通信品質のムラが無い通信環境が実現できる。
【0105】
図29に、本発明高周波線路と同軸ケーブルとを組合せた態様を、屋内の斜視図で示す。図29において、無線LAN の親機(アクセスポイント)11の外部アンテナ端子に、同軸ケーブル40を介して、複数台のアンテナユニット25が接続されている。より具体的には、梁50の壁面に沿って曲げられながら、オフィス (屋内10c)の天井に配置された同軸ケーブル30上には、複数台のアンテナユニット25が接続されている。このアンテナユニット25は、同軸ケーブル30との接続用に用いられる同軸コネクタ24と、これに接続された、アンテナとしての高周波線路1iとから構成され、屋内に向けて、無線LAN の高周波信号を送受信する。
【0106】
この同軸ケーブルとしては、特別乃至特殊なものは必要なく、例えば、3D 或いは5D と、インピーダンスが50Ωであり、ケーブル直径が概ね10mm以下の、標準的なケーブルを使用できる。
【0107】
図30に、図29における高周波信号を送受信するアンテナユニット25の構造の一態様を示す。図30(a) は正面図、図30(b) は側面図である。アンテナユニット25を構成する高周波線路1iの構成は、パッチアンテナ6eを含め、これまで説明した高周波線路と基本的に同じである。即ち、高周波線路1iは、断面 (厚み) 方向に導体材料からなるグランド層3 、誘電材料からなる誘電体層2 、導体材料からなる高周波誘導用の信号線4 とを順次積層した可撓性構造を有してなる。また、高周波線路1iに電気的に結合配置された、パッチアンテナ6eは、高周波を放射する導電性の金属材料からなる放射板 (パッチ)7と、この放射板7 と前記誘電体層2 との間に介在する誘電体 (板)8とで構成される。
【0108】
同軸型コネクタ24は、例えば、外表面に、図示しない同軸ケーブル30の螺溝と係合する螺溝29を設けた管状体27の中空部28中に、中心導体26を延在、配置した構造を有する。同軸型コネクタ24と高周波線路1i両端との接続は、同軸型コネクタ24の中心導体26の端部26a と、高周波線路1iの信号線4 端部とを、例えば半田付け30にて接続し、更に同軸型コネクタ24の端部に設けた絶縁材18と高周波線路1iのグランド層3 とを、例えば半田付け30にて接続する。なお、通常は、アンテナユニット25アンテナを保護するためのプラスチック製収納ケースが設けられるが、この図30では図示を省略している。
【0109】
高周波線路1iと同軸コネクタ24の中心導体26がコンタクトする地点間の長さL は、互いの接続により生じる高周波反射成分が打ち消し合い、悪影響を及ぼさないように、下記の関係を満足するように決めることが好ましい。
2 ×L=(n−1/2 )×λg (但し、n=1 、2 、3 ──、λg :高周波線路内を伝搬する時の波長)
【0110】
図31は、図29における高周波信号を送受信するアンテナユニット25の別の態様として、円偏波を送受信するパッチアンテナを用いたアンテナユニット構造を示す。図31(a) は正面図、図31(b) は側面図である。アンテナユニット25の構成は、前記図30の場合と基本的に同じであるが、円偏波を送受信するために、パッチアンテナ6eを、前記図6 (c) に示したように、隅角部を一部切り欠いた略四角形の放射板7dの形状としている。そして、前記図29に示すように、同軸ケーブル30と接続する場合は、右回り円偏波と左回り円偏波のパッチアンテナ6eを、各々交互に接続する。
【0111】
これにより、加入者が使用する無線LAN 用端末で受信する高周波信号において、隣接するアンテナユニット25から送信される高周波( 図29に同心状の円弧線で示す) が互いに完全に打ち消し合うことが無くなるため、通信エラーが発生し難く、どの場所に居ても高速なデータ通信が可能となる。
【0112】
更に、図32には、図29における本発明高周波線路 (同軸ケーブル30) の終端に使用するアンテナユニット25a の一態様を示す。図32(a) は正面図、図32(b) は側面図である。図32において、アンテナユニット25a は、同軸ケーブル30の最終端に接続するので、前記図30、31のアンテナユニット25との違いは、同軸コネクタ24は高周波線路1jの片端のみに接続されている点である。また、本アンテナユニット25a に入力した高周波を全て屋内に放射できるよう、隅角部を一部切り欠いた略四角形の放射板7dの形状としたパッチアンテナを、直接高周波線路1jの誘電体層2 上に設けるとともに、前記図13や14などの態様のように、高周波線路1jの信号線4 と、給電線15を介して、電気的に結合し、インピーダンス整合を取るよう設計している。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によって、無線LAN システム用であって、製造が容易で長尺化が可能であり、伝搬される高周波が低損失であるなど、高周波線路としての基本特性に優れた高周波線路を提供することができる。したがって、従来の高周波線路構造からくる無線LAN システム自体の制約を無くすことができるため、無線LAN システムの適用を大きく拡大することができるなど、その工業的な価値が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明高周波線路の1 実施態様を示す平面図である。
【図2】図1のA-A 線断面図である。
【図3】本発明高周波線路の別の実施態様を示す断面図である。
【図4】本発明高周波線路の別の実施態様を示す断面図である。
【図5】本発明におけるパッチアンテナの1実施態様を示し、図5(a )はアンテナの平面図、図5(b) はアンテナの正面図を各々示す。
【図6】図6(a )から図6(e )はパッチアンテナの他の実施態様を各々示す平面図である。
【図7】本発明高周波線路を屋内無線LAN システムに適用した1態様を示す正面図である。
【図8】本発明高周波線路のパッチアンテナ結合度の1制御態様を示す斜視図である。
【図9】本発明高周波線路のパッチアンテナ結合度の他の制御態様を示す斜視図である。
【図10】図9によるパッチアンテナ結合度の制御結果を示す説明図である。
【図11】本発明高周波線路を、屋内用の無線LAN システムに適用した他の態様を示す正面図である。
【図12】図7 の本発明高周波線路を部分的に示す正面図である。
【図13】本発明高周波線路におけるアンテナ指向性を制御する1態様を示す平面図である。
【図14】本発明高周波線路におけるアンテナ指向性を制御する他の態様を示す平面図である。
【図15】本発明高周波線路同士の接続部の1態様を示す平面図である。
【図16】本発明高周波線路同士の接続部の他の態様を示し、図16(a)は平面図、図16(b)は断面図である。
【図17】L字型の間取りを有するオフィスを示す平面図である。
【図18】コの字型の間取りを有するオフィスを示す平面図である。
【図19】L字型の間取りを有するオフィスに本発明高周波線路を適用した1態様を示す平面図である。
【図20】コの字型の間取りを有するオフィスに本発明高周波線路を適用した1態様を示す平面図である。
【図21】図19の立体図である。
【図22】柱を有するオフィスに本発明高周波線路を適用した1態様を示し、図22(a)は斜視図、図22(b)は平面図である。
【図23】部屋割りされたオフィスに従来の高周波線路を適用した1態様を示す説明図である。
【図24】部屋割りされたオフィスに本発明高周波線路を適用した1態様を示す説明図である。
【図25】本発明高周波線路の他の態様を示し、図25(a)は平面図、図25(b)は断面図である。
【図26】本発明高周波線路の他の態様を示す正面図である。
【図27】図26の高周波線路の1態様を示す斜視図である。
【図28】図26の高周波線路の別の態様を示す斜視図である。
【図29】本発明高周波線路と同軸ケーブルとを組合せた1態様を示す斜視図である。
【図30】図29のアンテナユニット25の一態様を示し、図30(a) は正面図、図30(b) は側面図である。
【図31】図29のアンテナユニット25の他の態様を示し、図31(a) は正面図、図31(b) は側面図である。
【図32】図29のアンテナユニット25a の1態様を示し、図32(a) は正面図、図32(b) は側面図である。
【符号の説明】
1:高周波線路 (マイクロストリップ線路) 、2:誘電体層、3:グランド層、4:信号線、5:粘着層、6:パッチアンテナ、7:パッチ、8 :誘電体層
9:子機、10:屋内 (建屋) 、11:親機、12:同軸ケーブル、
13:無反射終端器、14:高周波線路の片端、15:給電線、16:接続部、
17:柱、18:絶縁体、19:間隙、20:天井材、21: 合成/ 分配器、
22:無線LAN アクセスポイント、23: 壁、24: 同軸コネクタ、
25: アンテナユニット、26: 中心導体、27: 、27: 管状体、28: 中空部、
29: 螺溝、30: 半田付け、40: 同軸ケーブル、50: 梁

Claims (17)

  1. 無線LAN システム用の高周波を伝送する高周波マイクロストリップ線路であって、導体材料からなるグランド層に誘電材料からなる誘電体層と導体材料からなる信号線とを順次積層した構造を有する高周波線路と、誘電材料からなる誘電体板と導体材料からなるパッチとを順次積層したパッチアンテナとからなり、前記高周波線路に前記パッチアンテナを着脱自在に配置させるとともに、前記信号線と電気的に結合させたことを特徴とする高周波マイクロストリップ線路。
  2. 前記パッチアンテナを前記信号線直上に設けた請求項1に記載の高周波マイクロストリップ線路。
  3. 前記パッチアンテナを前記信号線近傍に設けるとともに、このパッチアンテナと前記信号線とを給電線により結合した請求項1に記載の高周波マイクロストリップ線路。
  4. 前記信号線の中心軸に対するパッチアンテナの中心軸の相対位置を変えて、所定パッチアンテナの前記信号線との結合度を調節した請求項1乃至3のいずれか1項に記載の高周波マイクロストリップ線路。
  5. 前記相対位置を、前記信号線の中心軸に対し、前記パッチアンテナの中心軸を平行にずらせることにより変化させたことを特徴とする請求項4に記載の高周波マイクロストリップ線路。
  6. 前記相対位置を、前記信号線の中心軸に対し、前記パッチアンテナの中心軸を回転させてずらせることにより変化させたことを特徴とする請求項4に記載の高周波マイクロストリップ線路。
  7. 前記パッチアンテナへ給電される高周波に位相差を設け、所定パッチアンテナの指向性を制御した請求項1乃至6のいずれか1項に記載の高周波マイクロストリップ線路。
  8. 前記位相差を所定パッチアンテナの間隔調整により設ける請求項7に記載の高周波マイクロストリップ線路。
  9. 前記位相差を所定パッチアンテナの前記給電線長さの調整により設ける請求項7または8に記載の高周波マイクロストリップ線路。
  10. 前記高周波マイクロストリップ線路の平面的な端部形状を所定の傾き角を持ったものとし、この傾き角を持たせた端部同士で高周波マイクロストリップ線路同士を互いに接続した請求項1乃至9のいずれか1項に記載の高周波マイクロストリップ線路。
  11. 前記高周波マイクロストリップ線路が使用エリア形状に合わせた曲げ部を有する請求項1乃至10のいずれか1項に記載の高周波マイクロストリップ線路。
  12. 前記パッチアンテナ表面と高周波マイクロストリップ線路の設置面との間に、一定間隔を設けるとともに、前記パッチアンテナの放射部周囲を絶縁した請求項1乃至11のいずれか1項に記載の高周波マイクロストリップ線路。
  13. 前記高周波マイクロストリップ線路が異なる周波数の高周波を伝送するものであり、前記パッチアンテナとして、前記異なる周波数の高周波を各々送受信する 2 種類以上のパッチアンテナを設けた請求項1乃至12のいずれか1項に記載の高周波マイクロストリップ線路。
  14. 前記高周波マイクロストリップ線路が異なる周波数の高周波を伝送するものであり、前記パッチアンテナとして、前記異なる周波数の高周波を各々送受信する長方形形状のパッチアンテナを設けた請求項1乃至12のいずれか1項に記載の高周波マイクロストリップ線路。
  15. 前記パッチアンテナを電気的に結合した高周波マイクロストリップ線路の両端を、同軸コネクタを介して、同軸ケーブルと接続し、この接続された高周波マイクロストリップ線路を同軸ケーブルにおける高周波マイクロストリップ線路型アンテナとした請求項1乃至14のいずれか1項に記載の高周波マイクロストリップ線路。
  16. 前記高周波マイクロストリップ線路型アンテナと前記同軸ケーブル を複数個、交互に接続し,その終端に、高周波終端器またはパッチアンテナを接続した請求項15に記載の高周波マイクロストリップ線路。
  17. 前記高周波マイクロストリップ線路型アンテナを構成するパッチアンテナとして、円偏波を発生するパッチを使用し、右回り円偏波と左回り円偏波のパッチを交互に接続する請求項15または16に記載の高周波マイクロストリップ線路。
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