JP7217171B2 - 読取システム - Google Patents

読取システム Download PDF

Info

Publication number
JP7217171B2
JP7217171B2 JP2019032072A JP2019032072A JP7217171B2 JP 7217171 B2 JP7217171 B2 JP 7217171B2 JP 2019032072 A JP2019032072 A JP 2019032072A JP 2019032072 A JP2019032072 A JP 2019032072A JP 7217171 B2 JP7217171 B2 JP 7217171B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radio wave
antenna
electric field
dipole antenna
radiation surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019032072A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020137074A (ja
Inventor
毅人 根岸
正知 時枝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP2019032072A priority Critical patent/JP7217171B2/ja
Publication of JP2020137074A publication Critical patent/JP2020137074A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7217171B2 publication Critical patent/JP7217171B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Waveguide Aerials (AREA)
  • Near-Field Transmission Systems (AREA)

Description

本発明は、読取システムに関する。
現在、平面アンテナと読取装置とを用いて、パッシブタグからタグ情報を読み取る読取システムが知られている。平面アンテナは、2次元に広がる放射面を有する平板状のアンテナである。平面アンテナとしては、パッチアンテナと呼ばれるマイクロストリップアンテナの他、2次元通信を実現するための通信シートが知られている。このような通信シートとして、例えば、特許文献1には、導電部と非導電部とを有する上層と、繊維構造体もしくは発泡樹脂シートからなる中層と、全面に導電性を有する下層との3つの層から構成される通信用シート構造体が記載されている。
ところで、パッシブタグは、平面アンテナから効率的に電波を受信できるように、平面アンテナの放射面とパッシブタグが備えるタグ側アンテナの放射面とが対向するように配置されることが一般的である。例えば、上述した通信用シート構造体を用いる場合、通信シート用構造体が備える上層の表面に形成される放射面とタグ用アンテナの放射面とが平行であり、通信シート用構造体を平面視したときにこの2つの放射面が重なるように、パッシブタグが配置されることが一般的である。
特許第4908187号公報
しかしながら、パッシブタグの配置が、種々の条件により制限されることがある。例えば、パッシブタグが付される物品の形状、平面アンテナの設置角度などによっては、上記2つの放射面が平行且つ平面視で重なるようにパッシブタグを配置することが困難である場合がある。このため、パッシブタグの配置に特定の制約がある場合においても、タグ情報の読み取りが可能である読取システムが望まれている。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、パッシブタグの配置に特定の制約がある場合においても、タグ情報の読み取りが可能である読取システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る読取システムは、
電力供給用の電波である第1の電波を放射し、タグ情報を示す電波である第2の電波を受信する放射面を備える平面アンテナと、
前記平面アンテナを介して前記タグ情報を読み取る読取装置と、
給電点を中心に互いに反対方向に延びる2つのエレメントを備えるダイポールアンテナと、前記ダイポールアンテナが前記第1の電波を受信したことに応答して、前記第2の電波を前記ダイポールアンテナに放射させる制御回路と、を備えるパッシブタグと、を備え、
前記第1の電波の放射時において、前記ダイポールアンテナの一端における電界強度と前記ダイポールアンテナの他端における電界強度との差である電界強度差は、前記ダイポールアンテナの受信感度に応じた強度差閾値よりも大きい。
前記放射面と前記2つのエレメントが延びる方向である第1の方向とが直交し、
前記放射面から前記ダイポールアンテナの一端までの距離は、前記第1の電波の放射のための送信電力に応じた距離閾値よりも短く、前記放射面から前記ダイポールアンテナの他端までの距離は、前記距離閾値よりも長くてもよい。
前記平面アンテナは、
導電性を有し、開孔部がメッシュ状に形成された第1の導体層と、
導電性を有する第2の導体層と、
絶縁性を有し、前記第1の導体層と前記第2の導体層との間に設けられた絶縁体層と、を備え、
前記読取装置から供給される交流信号に応じた前記第1の電波を前記開孔部から浸出させることにより前記第1の導体層の表面に前記距離閾値分の厚さを有する浸出領域を形成する、通信シートであり、
前記ダイポールアンテナの一端は、前記浸出領域の内部に配置され、前記ダイポールアンテナの他端は、前記浸出領域の外部に配置されてもよい。
前記放射面は鉛直方向と直交し、
前記パッシブタグの少なくとも一部は、前記第1の方向が鉛直方向になるように、鉛直方向に延びる物品の側面に貼付されてもよい。
前記平面アンテナを平面視したときに、前記放射面と前記ダイポールアンテナの一端とが重なり、前記放射面と前記ダイポールアンテナの他端とが重ならず、
前記放射面から前記ダイポールアンテナの一端までの距離は、前記第1の電波の放射のための送信電力に応じた距離閾値よりも短くてもよい。
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係る読取システムは、
電力供給用の電波である第1の電波を放射し、タグ情報を示す電波である第2の電波を受信する放射面を備える平面アンテナと、
前記平面アンテナを介して前記タグ情報を読み取る読取装置と、
給電点を基準として互いに反対側に配置される、エレメントと接地用導体とを備えるモノポールアンテナと、前記モノポールアンテナが前記第1の電波を受信したことに応答して、前記第2の電波を前記モノポールアンテナに放射させる制御回路と、を備えるパッシブタグと、を備え、
前記エレメントは、前記給電点から前記モノポールアンテナの一端に向けて延びており、
前記第1の電波の放射時において、前記モノポールアンテナの一端における電界強度と前記モノポールアンテナの他端における電界強度との差である電界強度差は、前記モノポールアンテナの受信感度に応じた強度差閾値よりも大きい。
前記放射面と前記エレメントが延びる方向である第1の方向とが直交し、
前記放射面から前記モノポールアンテナの一端までの距離は、前記第1の電波の放射のための送信電力に応じた距離閾値よりも短く、前記放射面から前記モノポールアンテナの他端までの距離は、前記距離閾値よりも長くてもよい。
前記平面アンテナを平面視したときに、前記放射面と前記モノポールアンテナの一端とが重なり、前記放射面と前記モノポールアンテナの他端とが重ならず、
前記放射面から前記モノポールアンテナの一端までの距離は、前記第1の電波の放射のための送信電力に応じた距離閾値よりも短くてもよい。
前記読取装置は、前記第1の電波の放射のための送信電力を周期的に変化させ、
前記読取装置は、前記電界強度差が前記強度差閾値よりも大きいときに、前記タグ情報を読み取ってもよい。
本発明によれば、パッシブタグの配置に特定の制約がある場合においても、タグ情報の読み取りが可能である。
本発明の実施形態1に係る読取システムの構成図 本発明の実施形態1に係る通信シートの平面図 図2におけるA-A線の断面図 本発明の実施形態1に係るパッシブタグの平面図 本発明の実施形態1に係る読取システムが適用される保管庫の斜視図 本発明の実施形態1に係る読取システムが適用される保管庫の正面図 本発明の実施形態1に係る読取システムの機能構成図 パッシブタグの角度と読取可否との対応関係の説明図 パッシブタグの位置と読取可否との対応関係の説明図 パッシブタグの位置に応じて電界強度差が変化することの説明図 送信電力に応じて電界強度差が変化することの説明図 本発明の実施形態2に係る読取システムが実行するタグ情報読取処理を示すフローチャート 本発明の実施形態3に係るパッシブタグの平面図 本発明の実施形態4に係るパッシブタグの配置の説明図 本発明の実施形態5に係るパッシブタグの配置の説明図
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図中において、同一又は対応する部分には、同一の符号を付す。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る読取システム1000の構成図である。読取システム1000は、制御装置10により制御されるリーダライタ20が、通信シート100を介して、パッシブタグ300からタグ情報を読み取るシステムである。読取システム1000は、パッシブタグ300の設置角度及び設置位置に主な特徴があるが、この特徴に関しては後述する。本実施形態では、鉛直方向下向きに延びる軸をZ軸、Z軸と直交する軸をX軸、Z軸とX軸とに直交する軸をY軸とする。
図1に示すように、読取システム1000は、制御装置10と、リーダライタ20と、通信シート100と、パッシブタグ300とを備える。リーダライタ20と通信シート100とは、通信ケーブル30により接続される。通信シート100は、電波インターフェース40と電波吸収部60とを備える。パッシブタグ300は、物品210を収納する収納袋200に付される。
制御装置10は、リーダライタ20によるタグ情報の読み取り又は書き込みを制御する。制御装置10は、タグ情報の読み取りをリーダライタ20に指示し、読み出されたタグ情報をリーダライタ20から受信する。また、制御装置10は、タグ情報の書き込みをリーダライタ20に指示する。制御装置10は、例えば、ノートパソコン、タブレット端末、スマートフォンなどの端末装置である。制御装置10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、RTC(Real Time Clock)、タッチスクリーン、通信インターフェースを備える。
リーダライタ20は、制御装置10による制御に従って、パッシブタグ300からタグ情報を読み取る。また、リーダライタ20は、制御装置10による制御に従って、パッシブタグ300にタグ情報を書き込む。なお、本実施形態では、タグ情報の読み取りについて説明し、タグ情報の書き込みについては説明を省略する。リーダライタ20は、通信ケーブル30を介して、電波インターフェース40と接続される。
リーダライタ20は、制御装置10からタグ情報の読み取りを指示する情報を受信した場合、電力供給のための電波(以下、適宜「第1の電波」という。)に応じた交流信号を電波インターフェース40に送信する。そして、リーダライタ20は、通信シート100がタグ情報を含む電波(以下、適宜「第2の電波」という。)を受信した場合、第2の電波に応じた交流信号を電波インターフェース40から受信する。リーダライタ20は、受信した交流信号により示されるタグ情報を制御装置10に送信する。リーダライタ20は、読取装置である。
次に、図2と図3とを参照して、本実施形態において平面アンテナとして採用される通信シート100の構成について説明する。なお、平面アンテナは、2次元に広がる放射面を有する平板状のアンテナであり、放射される電波に応じた電界強度が、放射面からの距離に大きく依存することが望ましい。図2は、通信シート100の平面図である。図3は、図2のA-A線における断面図である。通信シート100は、2次元通信で用いられる電波を伝搬するシート状の媒体である。つまり、通信シート100は、2次元通信用のシート構造体である。シート状とは、2次元の面としての広がりを持ち、厚さが薄い形状をいう。
つまり、通信シート100の形状は、通信シート100の長手方向(X軸方向)の長さが通信シート100の幅方向(Y軸方向)の長さ(幅)よりも長く、幅方向の長さが通信シート100の厚さ方向(Z軸方向)の長さ(厚さ)よりも十分に長い帯状である。通信シート100のサイズは、適宜、調整することができる。本実施形態では、通信シート100の長さは160センチメートルであり、通信シート100の幅は30センチメートルである。通信シート100は、リーダライタ20から供給された第1の電波を、通信シート100の幅方向と通信シートの長手方向とに伝播しつつ、通信シート100の表面から漏れさせる機能を有する。
図3に示すように、通信シート100は、基本的に、カバー層104と、導体層101と、絶縁体層103と、導体層102と、カバー層105とが、順に重ねられて構成される。通信シート100が備える各層は、蒸着、スパッタリング、スプレー塗布などにより積層されてもよい。或いは、通信シート100が備える各層は、別個に形成された後、接着により積層されてもよい。
導体層101は、導電性を有し、開孔部がメッシュ状に形成された層である。第1の導体層は、例えば、導体層101に対応する。導体層101は、通信シート100の内部を伝搬する電波を開孔部から漏れ出させて、浸出領域107を形成する機能を有する。開孔部は、絶縁性を有する部分であり、例えば、空気である。開孔部の形状は、例えば、正三角形である。正三角形の一辺の長さは、電波の波長よりも短いことが好適であり、例えば、数ミリメートルから数センチメートルである。本実施形態では、正三角形の一辺の長さは、7mmであるものとする。
導体層101は、例えば、第1の方向に延びる複数の第1の線状導体と、第2の方向に延びる複数の第2の線状導体と、第3の方向に延びる複数の第3の線状導体とが、相互に交差することにより形成される。第1の方向は、例えば、X軸方向である。第2の方向は、例えば、XY平面に対して平行な方向であり、第1の方向に対して60度の角度を有する方向である。第3の方向は、例えば、XY平面に対して平行な方向であり、第1の方向と第2の方向とに対して60度の角度を有する方向である。
導体層101は、導電性を有する素材を含んでいれば、どのような素材により構成されてもよい。例えば、導体層101は、銅、銀、アルミニウム、ステンレス、ニッケルなどの金属、各種の合金、導電糸が編み込み又は織り込まれた繊維構造体により構成されてもよい。導体層101は、例えば、蒸着、スパッタリング、スクリーン印刷などにより、絶縁体層103の一方の面に形成される。
導体層102は、導電性を有し、開孔部を有しない平板状の層である。第2の導体層は、例えば、導体層102に対応する。導体層102は、通信シート100の内部を伝搬する電波が通信シート100の裏面から漏れることを抑制する機能を有する。なお、通信シート100の裏面は、通信シート100が備える2つの面のうち、カバー層105が設けられた方の面である。一方、通信シート100の表面は、通信シート100が備える2つの面のうち、カバー層104が設けられた方の面である。通信シート100の表面を、適宜、放射面という。
導体層102は、導電性を有する素材を含んでいれば、どのような素材により構成されてもよい。例えば、導体層102は、銅、銀、アルミニウム、ステンレス、ニッケルなどの金属、各種の合金、導電糸が編み込み又は織り込まれた繊維構造体により構成されてもよい。導体層102は、例えば、蒸着、スパッタリング、スクリーン印刷などにより、絶縁体層103の他方の面に形成される。
絶縁体層103は、絶縁性を有する層である。絶縁体層は、例えば、絶縁体層103に対応する。絶縁体層103は、導体層101と導体層102との間に設けられる層である。絶縁体層103は、電波を伝搬する誘電体層を構成するシート状の絶縁体である。絶縁体層103は電波インターフェース40から供給された電波を、通信シート100が広がる方向、つまり、X-Y平面方向に伝搬する機能を有する。絶縁体層103は、電波の減衰が小さく、電波の伝送効率がよいことが望まれる。伝送効率をよくするためには、通信シート100の表面の近傍の領域に適切に電波を閉じ込めることが好適である。
また、伝送効率をよくするためには、通信に用いられる電波の周波数において、比誘電率と誘電正接とが小さい絶縁体を採用することが好適である。本実施形態では、電波の周波数が、UHF(Ultra High Frequency)帯の周波数、つまり、300MHzから3GHzの間の周波数(例えば、920MHz)であるものとする。例えば、絶縁体層103は、800MHzから5GHzでの比誘電率が、1.0から15であることが望ましく、1.0から5.0であることがより望ましく、1.0から3.0であることがさらに望ましい。また、絶縁体層103は、800MHzから5GHzでの誘電正接が、0.01以下であることが望ましく、0.001から0.01であることがより望ましい。
絶縁体層103の構成は、例えば、空気層を含んだ不織布などの繊維構造体、樹脂板、発泡樹脂などである。絶縁体層103の素材は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)である。なお、絶縁体層103は、空気により構成されてもよい。本実施形態では、絶縁体層103は、発泡ポリオレフィンにより構成される。
カバー層104は、導体層101の表面を覆う層である。カバー層104は、導体層101を保護する機能を有する。つまり、カバー層104は、例えば、水などの液体が導体層101の表面に付着すること、過度な圧力が導体層101の表面に加わること、導体層101の表面が傷つけられること、導体層101の表面に外部の導体と接触すること、導体層101が絶縁体層103から剥がれ落ちることなどを抑制する。絶縁体層103と導体層101とカバー層104とは、互いに密着するように固定される。カバー層104は、絶縁体により構成される。
カバー層104は、例えば、各種のフィルム、各種の樹脂により構成される。フィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP)などのポリオレフィンフィルム、ポリイミドフィルム、エチレン-ビニルアルコールフィルムである。樹脂は、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂である。
カバー層105は、導体層102の表面を覆う層である。カバー層105は、導体層102を保護する機能を有する。カバー層105は、例えば、各種のフィルム、各種の樹脂により構成される。本実施形態では、カバー層105の素材はカバー層104の素材と同様であり、カバー層105のサイズはカバー層104の形状と同様である。
また、図2に示すように、通信シート100は、長手方向における一端に通信シート100に電波(交流信号)を供給するための電波インターフェース40を有する。電波インターフェース40は、通信ケーブル30によりリーダライタ20と接続される。また、通信シート100は、長手方向における他端に、電波を吸収するための電波吸収部60を有する。
通信ケーブル30は、リーダライタ20と電波インターフェース40とを接続するためのケーブルである。つまり、通信ケーブル30の一端にはリーダライタ20が接続され、通信ケーブル30の他端には電波インターフェース40が接続される。通信ケーブル30は、内部導体31と、外部導体32と、を備える同軸ケーブルである。内部導体31は、信号電位が印加される導体であり、例えば、銅線により構成される。外部導体32は、接地電位が印加される導体であり、例えば、網組み銅線により構成される。内部導体31と外部導体32とは絶縁される。
電波インターフェース40は、導体層41と、導体層42と、絶縁体層43と、電極44と、電極45と、コネクタ46と、を備える。導体層41は、絶縁体層43の一方の表面に形成された層であり、導体により構成された層である。導体層42は、絶縁体層43の他方の表面に形成された層であり、導体により構成された層である。絶縁体層43は、導体層41と導体層42とに挟まれた層であり、絶縁体により構成された層である。
電極44は、導体層41とカバー層104とを跨ぐように配置された平板状の電極である。電極45は、導体層42とカバー層105とを跨ぐように配置された平板状の電極である。コネクタ46は、導体層41の一方の表面上に設けられ、通信ケーブル30が差し込まれるコネクタである。コネクタ46は、導体により構成される。
内部導体31は、導体層41と導体層42と絶縁体層43とにより構成される基板に設けられた貫通孔を通り、導体層42と接続される。一方、外部導体32は、コネクタ46と接続される。従って、内部導体31と導体層42と電極45とが電気的に接続され、外部導体32とコネクタ46と導体層41と電極44とが電気的に接続される。つまり、電極45には、信号電位が印加され、電極44には、接地電位が印加される。そして、電極45と電極44との間に供給された電波(交流信号)が、通信シート100を伝搬する。
電波吸収部60は、供給された電波を吸収する。電波吸収部60は、通信シート100を伝搬した電波が通信シート100の他端で反射することを抑制する。電波吸収部60は、電波吸収体61と、導体板62と、を備える。電波吸収体61は、供給された電波を吸収して、熱エネルギーに変換する。導体板62は、断面の形状がコの字型の板状の導体である。
ここで、リーダライタ20から通信シート100に交流信号が供給されると、交流信号に応じた電波が通信シート100の内部を伝達する。そして、通信シート100の内部を伝達する電波が通信シート100の表面から浸出することによって、近接場が生じる。より詳細に説明すると、通信シート100に供給された電波は、導体層101と導体層102との間の絶縁体層103内を、コネクタ46から電波吸収部60まで伝播する。
そして、絶縁体層103内を伝播する電波は、導体層101に形成されたメッシュ状の開孔部120から浸出することによって、導体層101のごく近傍の浸出領域107に漏れ出す。この浸出した電波(エバネッセント波)は、遠方へは伝搬されず、導体層101のごく近傍の浸出領域107内において近接場を形成する。
浸出領域107は、通信シート100内を伝搬する電波が通信シート100の一方の面から漏れ出る領域である。一般的には、パッシブタグ300が、浸出領域107内において通信シート100と平行に配置されるときに、リーダライタ20とパッシブタグ300との通信が可能となる。ここで、安定した通信を実現するために、浸出領域107のZ軸方向における長さ、つまり、浸出領域107の厚さであるD1は、X軸の座標とY軸の座標とに依存せず、一定であることが好適である。浸出領域107の厚さは、第1の電波を放射するための送信電力の大きさに依存する。浸出領域107の厚さは、この送信電力が大きいほど、厚い。浸出領域107の厚さは、例えば、5センチメートルから10センチメートルである。
本実施形態では、通信シート100が備える導体層101は、三角格子状のメッシュパターンを有する。従って、通信シート100の表面の近傍における電波の強度が非常に高く、一方、通信シート100の表面からの距離が離れた場所における電波の強度が非常に低い。つまり、浸出領域107の厚さは非常に薄く、浸出領域107の内部における電波の強度が非常に強く、浸出領域107の外部における電波の強度が非常に弱い。
収納袋200は、管理対象の物品である物品210を収納する袋である。収納袋200の形状及び大きさは、物品210の形状及び大きさに応じたものである。本実施形態では、収納袋200は、物品210を収納した状態において、薄くて平たくて細長い形状である。収納袋200には、物品210を識別するためのタグ情報を記憶するパッシブタグ300が貼付される。
物品210は、管理対象の物品であり、どのような種類の物品であってもよい。物品210は、例えば、医療機関において用いられる医療品、店舗において販売される商品、図書館で管理される書籍である。本実施形態では、物品210は、医療現場で用いられるカテーテルであるものとする。
次に、図4を参照して、パッシブタグ300の構成について説明する。図4に示すように、パッシブタグ300は、シート状のタグである。パッシブタグ300は、例えば、両面テープにより、物品210を収納する収納袋200の表面に貼り付けられる。パッシブタグ300は、RFID(Radio Frequency Identification)システムにおける無線IC(Integrated Circuit)タグのうち、電池を内蔵しないタグである。
パッシブタグ300は、リーダライタ20から第1の電波を受信すると、第1の電波を動力源として、タグ情報を含む第2の電波を放射する。タグ情報は、例えば、パッシブタグ300を識別するための識別情報であり、数値やアルファベットにより構成される文字列を示す情報である。この識別情報は、パッシブタグ300が付される収納袋200に収納された物品210を識別するための情報でもある。
本実施形態では、リーダライタ20は、920MHzの周波数の電波を用いた電波方式により、パッシブタグ300からタグ情報を読み取るものとする。このため、パッシブタグ300は、ダイポールタイプのアンテナを備える。図4に示すように、パッシブタグ300は、基材310と、給電点320と、ダイポールアンテナ330と、ICチップ340とを備える。
基材310は、ダイポールアンテナ330やICチップ340を支持するシート状の部材である。基材310は、例えば、透明な絶縁体により構成される。給電点320は、第1の電波に対応する交流信号をICチップ340からダイポールアンテナ330に供給し、第2の電波に対応する交流信号をダイポールアンテナ330からICチップ340に供給するための端子対である。
ダイポールアンテナ330は、2つの導体、つまり、2つのエレメントが、左右対称に設けられた線状アンテナである。ダイポールアンテナ330は、給電点320を中心にして互いに反対方向に延びる、エレメント331とエレメント332とを備える。エレメント331は、パッシブタグ300の幅方向に蛇行しながら、パッシブタグ300の長手方向に延びた形状であり、パッシブタグ300の厚さ方向における長さが短い形状である。エレメント331は、エレメント332と同様の形状である。エレメント331とエレメント332とは、給電点320を中心にして、左右対称に配置される。
ダイポールアンテナ330は、第1の電波を受信するときに、エレメント331とエレメント332との間に発生する電位差により生じた電流を、給電点320を介してICチップ340に供給する。また、ダイポールアンテナ330は、第2の電波を放射するときに、給電点320を介してICチップ340から供給された電流に従って、エレメント331とエレメント332との間に電位差を発生させる。
パッシブタグ300の長手方向におけるエレメント331の長さと、パッシブタグ300の長手方向におけるエレメント332の長さとは、放射及び受信する電波の波長の約1/4である。つまり、パッシブタグ300の長手方向におけるダイポールアンテナ330の長さは、放射及び受信する電波の波長の約1/2である。ここで、パッシブタグ300の長手方向におけるエレメント331の2つの端部のうち、給電点320から遠い方の端部を端部350とする。また、パッシブタグ300の長手方向におけるエレメント332の2つの端部のうち、給電点320から遠い方の端部を端部360とする。この場合、端部350から端部360までの長さは、放射及び受信する電波の波長の約1/2である。
ICチップ340は、第1の電波から電力を得る機能、タグ情報を記憶する機能、タグ情報を含む第2の電波を放射する機能などを有する。ICチップ340の機能に関しては、パッシブタグ300の機能とともに後述する。
次に、図5と図6とを参照して、読取システム1000が適用される保管庫400について説明する。図5に、保管庫400の斜視図を示す。図6に、保管庫400の正面図を示す。なお、図5と図6において、同一種類の構成要素に対する符号の表示を、適宜、省略している。
保管庫400は、少なくとも1つの物品210を収納及び保管する。物品210は、保管庫400の内部で吊り下げられる収納袋200の内部で保管される。読取システム1000は、パッシブタグ300からのタグ情報の読み取り結果を判別することにより、保管庫400の内部に物品210が存在するか否かを判別する。
保管庫400は、天井板410と、棚板420と、側壁板430と、側壁板440と、側壁板450と、複数の吊り下げ棒460とを備える。天井板410と棚板420とは、側壁板430と側壁板430と側壁板440とにより水平に支持される。棚板420は、天井板410の下方に配置される。棚板420は、例えば、ガラス又は樹脂により構成される絶縁体の板である。本実施形態では、通信シート100は、放射面が下向きになるように棚板420の上に設置される。なお、理解を容易にするため、図5において、通信シート100と天井板410とは、背景が透けて見えるように示している。吊り下げ棒460は、収納袋200を吊り下げるための棒である。
ここで、一般的には、タグ情報の良好な読み取りを実現するために、パッシブタグ300は、通信シート100の放射面とパッシブタグ300の厚さ方向とが直交する角度で設置される。しかしながら、収納袋200は薄くて平たくて細長い形状である。このため、基本的に、パッシブタグ300は、パッシブタグ300の厚さ方向と収納袋200の厚さ方向とが平行になるように収納袋200に貼り付けられる。この場合、収納袋200が、収納袋200の長手方向が鉛直方向になるように吊り下げられると、パッシブタグ300の厚さ方向は、鉛直方向にはならない。一方、通信シート100は水平に設置される。このため、通信シート100とパッシブタグ300とが平行にならず、タグ情報の読み取りには工夫が必要である。
本実施形態では、通信シート100の放射面から放射される電波により、放射面のごく近傍のみに浸出領域107が形成される性質を利用して、タグ情報の良好な読み取りを実現する。この浸出領域107は、電波が到達可能な領域である。放射面のごく近傍のみに浸出領域107が形成されることは、放射された電波は、放射面からの距離がある閾値を超えた位置で大きく減衰することを意味する。
そこで、本実施形態では、パッシブタグ300は、パッシブタグ300の長手方向が通信シート100の放射面に対して直交する角度で設置される。また、パッシブタグ300は、ダイポールアンテナ330の一端である端部350が浸出領域107の内部に配置され、ダイポールアンテナ330の他端である端部360が浸出領域107の外部に配置されるように設置される。かかる構成によれば、通信シート100とパッシブタグ300とが平行でなくても、タグ情報の良好な読取を実現することが可能である。この理由については後述する。
次に、図7を参照して、読取システム1000が備える各部の機能について説明する。制御装置10は、制御部11と、通信部12と、表示部13と、記憶部14とを備える。リーダライタ20は、制御回路21と、第1通信回路22と、電源回路23と、発振回路24と、記憶回路25と、第2通信回路26と、変調回路27と、復調回路28とを備える。パッシブタグ300は、制御回路301と、ダイポールアンテナ330と、整流回路303と、記憶回路304と、変調回路305と、復調回路306とを備える。
制御部11は、制御装置10の全体の動作を制御する。例えば、制御部11は、リーダライタ20を制御してタグ情報を読み取る処理を実行する。通信部12は、リーダライタ20が備える第1通信回路22と通信する。例えば、通信部12は、タグ情報の読み取りを指示する指示情報を、第1通信回路22に送信する。また、通信部12は、タグ情報を第1通信回路22から受信する。表示部13は、制御部11による制御に従って、各種の情報を表示する。例えば、表示部13は、保管庫400に存在する物品210の種類や個数を表示する。記憶部14は、各種の情報を記憶する。例えば、記憶部14は、保管庫400に存在する物品210の識別情報を記憶する。
制御回路21は、リーダライタ20の全体の動作を制御する。例えば、制御回路21は、制御装置10による制御に従って、タグ情報を読み取る処理を実行する。第1通信回路22は、制御装置10が備える通信部12と通信する。例えば、第1通信回路22は、タグ情報の読み取りを指示する指示情報を、通信部12から受信する。また、第1通信回路22は、タグ情報を通信部12に送信する。電源回路23は、リーダライタ20が動作するための電力を供給する。例えば、電源回路23は、第1の電波の放射に用いる送信電力を供給する。発振回路24は、リーダライタ20が用いる周波数の信号を生成する。例えば、発振回路24は、第1の電波の周波数を有する搬送波を生成する。
記憶回路25は、第1の電波に含まれる情報や第2の電波に含まれる情報を記憶する。第2通信回路26は、通信シート100と通信する。例えば、第2通信回路26は、第1の電波に対応する交流信号を通信シート100に供給する。また、第2通信回路26は、第2の電波に対応する交流信号を通信シート100から受信する。変調回路27は、発振回路24が生成した搬送波を各種の情報で変調し、第1の電波に対応する交流信号を生成する。復調回路28は、第2の電波に対応する交流信号を復調し、第2の電波に含まれるタグ情報を取得する。
制御回路301は、パッシブタグ300の全体の動作を制御する。例えば、制御回路301は、タグ情報を含む第2の電波をダイポールアンテナ330に放射させる。ダイポールアンテナ330は、第1の電波を受信し、第2の電波を放射する。整流回路303は、ダイポールアンテナ330が受信した第1の電波を整流し、パッシブタグ300が動作するための電力を取得する。記憶回路304は、タグ情報を記憶する。変調回路305は、第1の電波から生成される搬送波をタグ情報で変調することにより、第2の電波に対応する交流信号を生成する。復調回路306は、ダイポールアンテナ330が受信した第1の電波に対応する交流信号を復調し、第1の電波に含まれる情報を取得する。
次に、図8と図9と図10とを参照して、タグ情報の良好な読み取りが実現される理由について説明する。まず、図8を参照して、パッシブタグ300の角度とタグ情報の読み取りの可否との対応関係について説明する。
図8には、放射面108に対するパッシブタグ300の配置角度を6つ示している。放射面108は、第1の電波が放射される面であり、平面である。具体的には、放射面108は、通信シート100が備える2つの面のうち、絶縁体層103から見て導体層101が配置される方の面である。つまり、放射面108は、カバー層104が備える2つの面のうち、Z軸の座標が大きい方の面である。なお、通信シート100が放射する第1の電波は、基本的に、電界の振動方向が通信シート100の長手方向(X軸方向)である直線偏波であるものとする。
角度Aは、第1の電波の偏波方向とパッシブタグ300の長手方向とが一致し、放射面108とパッシブタグ300とが平行な配置角度である。角度Aでは、第1の電波の偏波方向とダイポールアンテナ330の長手方向とが一致する。このため、角度Aでは、第1の電波の放射時において、端部350の電位と端部360の電位とに大きな電位差が生じる。従って、角度Aでは、パッシブタグ300は、第1の電波の受信が可能となる。なお、角度Aでは、放射面108とパッシブタグ300とが平行であるため、第1の電波の受信面積が広く、第1の電波を受信しやすい。
なお、パッシブタグ300が第1の電波を受信可能であることは、パッシブタグ300が電力を得ることと、パッシブタグ300が第2の電波を放射可能であることとを意味する。また、通信シート100の受信感度はパッシブタグ300の受信感度に比べて十分に高く、パッシブタグ300により第2の電波が放射された場合、通信シート100は、第2の電波を受信可能であるものとする。また、パッシブタグ300は、両面において電波の受信及び放射が可能であり、端部350の位置と端部360の位置とを入れ替えても、第1の電波の受信可否の結果は変わらないものとする。
角度Bは、第1の電波の偏波方向とパッシブタグ300の長手方向とが一致し、放射面108とパッシブタグ300とが直交する配置角度である。角度Bでは、第1の電波の偏波方向とダイポールアンテナ330の長手方向とが一致する。このため、角度Bでは、第1の電波の放射時において、端部350の電位と端部360の電位とに電位差が生じる。従って、角度Bでは、パッシブタグ300は、第1の電波の受信が可能となる。
なお、角度Bでは、放射面108とパッシブタグ300とが直交するため、第1の電波の受信面積が狭く、角度Aに比べると第1の電波を受信しにくい。しかしながら、第1の電波の全てがZ軸の正の方向に進行するのではなく、第1の電波の一部はZ軸の正の方向に対して、Y軸の正又は負の方向にずれた方向に進行すると考えられる。このため、角度Bにおいても、第1の電波の受信面積がある程度確保されると考えられる。
角度Cは、第1の電波の偏波方向とパッシブタグ300の長手方向とが直交し、放射面108とパッシブタグ300の長手方向とが直交し、第1の電波の偏波方向とパッシブタグ300の厚さ方向とが一致する配置角度である。角度Cでは、第1の電波の偏波方向とダイポールアンテナ330の長手方向とが一致しない。このため、角度Cでは、第1の電波の放射時において、端部350の電位と端部360の電位とに電位差が生じるか否か不明であるとも考えられる。しかしながら、端部350における電界強度と端部360における電界強度とに差異がある場合、端部350の電位と端部360の電位とに電位差が生じ、パッシブタグ300は第1の電波の受信が可能となると考えられる。
以下、図9を参照して、パッシブタグ300の配置角度が角度Cである場合において、パッシブタグ300のZ軸方向における配置位置に応じて、第1の電波の受信可否が異なる理由について説明する。図9に、境界面109に対するパッシブタグ300のZ軸方向における配置位置を3つ示している。境界面109は、放射面108と平行な面であり、第1の電波の強度が大幅に変化する境界の面である。つまり、境界面109は、第1の電波が進行する方向と直交する面であり、浸出領域107の内部と外部との境界の面である。
位置Aは、端部350が、放射面108から見て境界面109の手前側に配置され、端部360が、放射面108から見て境界面109の向こう側に配置される配置位置である。位置Aでは、第1の電波の放射時において、端部350における電界強度が大きく、端部360における電界強度が小さい。このため、位置Aでは、第1の電波の放射時において、端部350における電界の向きと端部360における電界の向きとの関係に拘わらず、端部350の電位と端部360の電位とに大きな電位差が生じると考えられる。従って、位置Aでは、パッシブタグ300は、第1の電波の受信が可能となると考えられる。なお、電界強度は、基本的に、第1の電波の放射時において周期的に変化する電界強度の瞬時値のうちの最大値を意味する。
位置Bは、端部350と端部360とが、放射面108から見て境界面109の手前側に配置される配置位置である。位置Bでは、第1の電波の放射時において、端部350における電界強度が大きく、端部360における電界強度が大きい。このため、位置Bでは、第1の電波の放射時において、端部350における電界の向きと端部360における電界の向きとの関係によっては、端部350の電位と端部360の電位とに電位差が生じないと考えられる。従って、位置Bでは、パッシブタグ300は、第1の電波の受信ができない可能性があると考えられる。
位置Cは、端部350と端部360とが、放射面108から見て境界面109の向こう側に配置される配置位置である。位置Cでは、第1の電波の放射時において、端部350における電界強度が小さく、端部360における電界強度が小さい。このため、位置Bでは、第1の電波の放射時において、端部350における電界の向きと端部360における電界の向きとの関係に拘わらず、端部350の電位と端部360の電位とに電位差が極めて小さいと考えられる。従って、位置Cでは、パッシブタグ300は、第1の電波の受信が可能でないと考えられる。
なお、角度Cでは、放射面108とパッシブタグ300とが直交するため、第1の電波の受信面積が狭く、第1の電波を受信しにくいと考えられる。しかしながら、第1の電波の全てがZ軸の正の方向に進行するのではなく、第1の電波の一部はZ軸の正の方向に対して、X軸の正又は負の方向にずれた方向に進行すると考えられる。このため、角度Cにおいても、第1の電波の受信面積がある程度確保されると考えられる。
次に、図10を参照して、パッシブタグ300の位置と電界強度との対応関係について説明する。図10に、放射面108からの距離と電界強度との対応関係を示すグラフを示す。
パッシブタグ300が位置Aに配置された場合において、放射面108から端部350までの距離をD11、放射面108から端部360までの距離をD12とする。D11とD12との差は、ダイポールアンテナ330の長さであるL1である。また、第1の電波が放射されている場合において、端部350の電界強度をE11、端部360の電界強度をE12とする。ここで、端部350は、浸出領域107の内部に配置されるため、E11は大きい値である。一方、端部360は、浸出領域107の外部に配置されるため、E12は小さい値である。このため、E11とE12との差(電界強度差)であるΔE1は、比較的大きい値である。つまり、位置Aでは、端部350における電界の向きと端部360における電界の向きとの関係に拘わらず、端部350の電位と端部360の電位とに大きな電位差が生じ、第1の電波の受信が可能であると考えられる。
ここで、端部350における電界強度と端部360における電界強度との差である電界強度差が大きいことは、端部350における電位と端部360における電位との差である電位差が大きいことを意味する。そして、電位差が大きいことは、タグ情報の読み取りが可能であることを意味する。例えば、端部350における電界強度が極めて大きく、端部360における電界強度が極めて小さいものとする。この場合、端部350の電位は大きく変化し、端部360の電位はほとんど変化しないため、電位差の変動が大きくなる。電位差の変動が大きいことは、第1の電波の受信が可能であること、及び、パッシブタグ300が電力を取得可能であることを意味する。
ここで、電界強度差が、電界強度差の閾値である強度差閾値よりも大きい場合、タグ情報の読み取りが可能であり、電界強度差が、強度差閾値以下である場合、タグ情報の読み取りが可能でないものとする。強度差閾値は、例えば、ダイポールアンテナ330の受信感度に応じた閾値である。強度差閾値は、この受信感度が高いほど小さい値となる。本実施形態では、電界強度差を強度差閾値よりも大きくするために、パッシブタグ300の配置角度を角度Cに設定し、パッシブタグ300の配置位置を位置Aに設定する。
具体的には、放射面108と、エレメント331とエレメント332とが延びる方向である第1の方向とが直交するように、パッシブタグ300を配置する。そして、放射面108からダイポールアンテナ330の一端である端部350までの距離を、第1の電波の放射のための送信電力に応じた距離閾値よりも短くする。一方、放射面108からダイポールアンテナ330の他端である端部360までの距離を、この距離閾値よりも長くする。この距離閾値は、放射面108から境界面109までの距離、つまり、浸出領域107の厚みに相当する。従って、この距離閾値は、第1の電波の放射のための送信電力が大きいほど大きくなる。
次に、パッシブタグ300が位置Bに配置された場合において、放射面108から端部350までの距離をD21、放射面108から端部360までの距離をD22とする。D21とD22との差は、ダイポールアンテナ330の長さであるL1である。また、第1の電波が放射されている場合において、端部350の電界強度をE21、端部360の電界強度をE22とする。ここで、端部350と端部360とは、浸出領域107の内部に配置されるため、E21とE22とはいずれも大きい値である。このため、E21とE22との差(電界強度差)であるΔE2は比較的小さい値である。つまり、位置Bでは、端部350における電界の向きと端部360における電界の向きとの関係によっては、端部350の電位と端部360の電位とに大きな電位差が生じず、第1の電波の受信ができない可能性があると考えられる。
パッシブタグ300が位置Cに配置された場合において、放射面108から端部350までの距離をD31、放射面108から端部360までの距離をD32とする。D31とD32との差は、ダイポールアンテナ330の長さであるL1である。また、第1の電波が放射されている場合において、端部350の電界強度をE31、端部360の電界強度をE32とする。ここで、端部350と端部360とは、浸出領域107の外部に配置されるため、E31とE32とはいずれも小さい値である。このため、E31とE32との差(電界強度差)であるΔE3は比較的小さい値である。つまり、位置Cでは、端部350における電界の向きと端部360における電界の向きとの関係に拘わらず、端部350の電位と端部360の電位とに大きな電位差が生じず、第1の電波の受信ができないと考えられる。
次に、角度Dは、第1の電波の偏波方向とパッシブタグ300の長手方向とが直交し、放射面108とパッシブタグ300の長手方向とが直交し、第1の電波の偏波方向とパッシブタグ300の厚さ方向とが直交する配置角度である。角度Dでは、第1の電波の偏波方向とダイポールアンテナ330の長手方向とが一致しない。このため、角度Dでは、第1の電波の放射時において、端部350の電位と端部360の電位とに電位差が生じるか否か不明であるように思える。しかしながら、角度Dでは、角度Cと同様に、端部350における電界強度と端部360における電界強度とに差異がある場合、端部350の電位と端部360の電位とに電位差が生じ、パッシブタグ300は第1の電波の受信が可能となると考えられる。
つまり、角度Dの場合において、端部350が浸出領域107の内部に配置され、端部360が浸出領域107の外部に配置される場合、パッシブタグ300は第1の電波の受信が可能であると考えられる。一方、角度Dの場合において、端部350と端部360とが浸出領域107の内部に配置される場合、又は、端部350と端部360とが浸出領域107の外部に配置される場合、パッシブタグ300は第1の電波の受信が可能でないと考えられる。
なお、角度Dでは、放射面108とパッシブタグ300とが直交するため、第1の電波の受信面積が狭く、第1の電波を受信しにくいと考えられる。しかしながら、第1の電波の全てがZ軸の正の方向に進行するのではなく、第1の電波の一部はZ軸の正の方向に対して、Y軸の正又は負の方向にずれた方向に進行すると考えられる。このため、角度Dにおいても、第1の電波の受信面積がある程度確保されると考えられる。
角度Eは、第1の電波の偏波方向とパッシブタグ300の長手方向とが直交し、放射面108とパッシブタグ300の長手方向とが平行であり、第1の電波の偏波方向とパッシブタグ300の厚さ方向とが一致する配置角度である。角度Eでは、第1の電波の偏波方向とダイポールアンテナ330の長手方向とが一致しない。このため、角度Eでは、第1の電波の放射時において、端部350の電位と端部360の電位とに電位差が生じるか否か不明である。ここで、角度Eでは、端部350における電界強度と端部360における電界強度とは、同程度であると考えられる。このため、角度Eでは、端部350の電位と端部360の電位とに電位差が生じず、パッシブタグ300は第1の電波の受信が可能でないと考えられる。
角度Fは、第1の電波の偏波方向とパッシブタグ300の長手方向とが直交し、放射面108とパッシブタグ300の長手方向とが平行であり、第1の電波の偏波方向とパッシブタグ300の厚さ方向とが直交する配置角度である。角度Fでは、第1の電波の偏波方向とダイポールアンテナ330の長手方向とが一致しない。このため、角度Fでは、第1の電波の放射時において、端部350の電位と端部360の電位とに電位差が生じるか否か不明である。ここで、角度Fでは、端部350における電界強度と端部360における電界強度とは、同程度であると考えられる。このため、角度Fでは、端部350の電位と端部360の電位とに電位差が生じず、パッシブタグ300は第1の電波の受信が可能でないと考えられる。
本実施形態では、第1の電波の放射時において、ダイポールアンテナ330の両端間の電界強度差が、ダイポールアンテナ330の受信感度に応じた強度差閾値よりも大きくなるように、パッシブタグ300が配置される。具体的には、放射面108からダイポールアンテナ330の一端からまでの距離が距離閾値よりも短く、放射面108からダイポールアンテナ330の他端からまでの距離が距離閾値よりも長くなるように、パッシブタグ300が配置される。言い換えれば、ダイポールアンテナ330の一端が距離閾値分の厚さを有する浸出領域107の内部に配置され、ダイポールアンテナ330の他端が浸出領域107の外部に配置される。従って、本実施形態によれば、パッシブタグ300が付される収納袋200の形状や通信シート100の設置角度などによって、パッシブタグ300の設置位置や設置角度に一定の制約がある場合においても、タグ情報の良好な読み取りの実現が期待できる。
(実施形態2)
実施形態1では、放射面108とダイポールアンテナ330の長手方向とが直交し、ダイポールアンテナ330の両端が浸出領域107の境界面109を跨ぐようにパッシブタグ300が配置される例について説明した。しかしながら、境界面109の位置を特定することが困難である場合がある。また、境界面109に歪みが生じ、複数のパッシブタグ300のうち特定のパッシブタグ300からタグ情報を読み込むことができない可能性がある。また、複数のパッシブタグ300の位置にばらつきがある場合、特定のパッシブタグ300からタグ情報を読み込むことができない可能性がある。そこで、本実施形態では、第1の電波の放射のための送信電力を周期的に変化させることにより、浸出領域107の境界面109の位置をシフトさせることにより、タグ情報の読み取りこぼしを抑制する方法について説明する。
まず、図11を参照して、送信電力の大きさと境界面109の位置との対応関係について説明する。図11に、送信電力の大きさと放射面108からの距離と電界強度との対応関係を示すグラフを示す。
図11において、太線は、送信電力を最大値にした場合における、放射面108からの距離と電界強度との対応関係を示す。また、中程度の太さの線は、送信電力を標準値にした場合における、放射面108からの距離と電界強度との対応関係を示す。また、細線は、送信電力を最小値にした場合における、放射面108からの距離と電界強度との対応関係を示す。図11に示すように、送信電力が大きいほど、各地点における電界強度が大きい。また、送信電力が大きいほど、浸出領域107の厚みが大きく、放射面108から境界面109までの距離が大きい。
ここで、実施形態1と同様に、パッシブタグ300が位置Aに配置された場合において、放射面108から端部350までの距離をD11、放射面108から端部360までの距離をD12とする。ここで、送信電力を標準値にして第1の電波が放射されている場合において、端部350の電界強度をE11、端部360の電界強度をE12とする。また、送信電力を最大値にして第1の電波が放射されている場合において、端部350の電界強度をE41、端部360の電界強度をE42とする。また、送信電力を最小値にして第1の電波が放射されている場合において、端部350の電界強度をE51、端部360の電界強度をE52とする。
ここで、E11とE12との電界強度差をΔE1、E41とE42との電界強度差をΔE4、E51とE52との電界強度差をΔE5とする。図11は、ΔE1とΔE4とΔE5とでは、ΔE1が最も大きいことを示している。つまり、図11は、パッシブタグ300が位置Aに配置された場合、送信電力が標準値であるときが最も電界強度差が大きく、タグ情報の読み取りがし易いことを示している。そして、図11は、パッシブタグ300の位置が放射面108から遠いほど、送信電力を大きくして放射面108から境界面109を遠ざけることが望ましいことを示している。
次に、図12を参照して、読取システム1000が実行するタグ情報読取処理について説明する。タグ情報読取処理は、主に、制御装置10が、リーダライタ20と通信シート100とを制御して、パッシブタグ300からタグ情報を読み取る処理である。
まず、制御装置10が備える制御部11は、送信電力を最小値に設定する(ステップS101)。なお、本実施形態では、送信電力は、最小値、標準値、最大値の3段階であり、1分毎に1段階上げられ、3分毎に最小値に設定されるものとする。制御部11は、ステップS101の処理を完了すると、カウンタを起動する(ステップS102)。このカウンタは、予め定められた時間(例えば、1秒)が経過する毎に、自動的にカウント値を1増加させるカウンタである。
制御部11は、ステップS102の処理を完了すると、カウント値をクリアする(ステップS103)。カウント値をクリアすることは、例えば、カウント値を0にすることである。制御部11は、ステップS103の処理を完了すると、設定された送信電力で第1の電波を放射する(ステップS104)。例えば、制御部11は、送信電力を最小値として第1の電波を放射することを指示する情報を、通信部12を介してリーダライタ20に送信する。一方、リーダライタ20は、制御装置10による制御に従って、第1の電波を通信シート100に放射させる。
通信シート100は、ステップS104の処理が完了した後、第2の電波を受信する(ステップS105)。具体的には、通信シート100は、全てのパッシブタグ300のうち、第2の電波を放射したパッシブタグ300から、順次、第2の電波を受信する。制御部11は、ステップS105の処理が完了した後、タグ情報を取得する(ステップS106)。例えば、制御部11は、通信シート100が受信した全ての第2の電波に含まれる全てのタグ情報を、リーダライタ20を介して取得する。制御部11は、例えば、取得したタグ情報を、タグ情報の取得時間を示す時刻情報と対応付けて、記憶部14に記憶する。
制御部11は、ステップS106の処理を完了すると、カウント値が閾値以上であるか否かを判別する(ステップS107)。閾値は、例えば、60である。制御部11は、カウント値が閾値以上でないと判別すると(ステップS107:NO)、ステップS104に処理を戻す。一方、制御部11は、カウント値が閾値以上であると判別すると(ステップS107:YES)、設定された送信電力が最大値に到達したか否かを判別する(ステップS108)。
制御部11は、設定された送信電力が最大値に到達していないと判別すると(ステップS108:NO)、送信電力を1段階増加させる(ステップS109)。一方、制御部11は、設定された送信電力が最大値に到達したと判別すると(ステップS108:YES)、送信電力を最小値に設定する(ステップS110)。制御部11は、ステップS109又はステップS110の処理を完了すると、ステップS103に処理を戻す。
本実施形態では、第1の電波の放射のための送信電力が周期的に変化し、電界強度差が強度差閾値よりも大きいときに、タグ情報が読み取られる。従って、本実施形態によれば、いずれかの送信電力で確実にタグ情報が読み取られ、タグ情報の読み取りこぼしが低減されることが期待できる。なお、物品210の保管庫400への出し入れが頻繁でない場合、タグ情報が読み取り可能となる周期をそれほど短くする必要はないと考えられる。このような場合、送信電力を周期的に変化させ、タグ情報が読み取り可能となる周期を長くしても、特段のデメリットはないと考えられる。
(実施形態3)
実施形態1では、ダイポールアンテナ330を備えるパッシブタグ300からタグ情報を読み取る例について説明した。本実施形態では、モノポールアンテナ370を備えるパッシブタグ380からタグ情報を読み取る例について説明する。なお、本実施形態は、アンテナの両端間の電界強度差が強度差閾値になるようにパッシブタグを配置する点において、実施形態1と同様である。
まず、図13を参照して、パッシブタグ380の構成について説明する。図13に示すように、パッシブタグ380は、シート状のタグであり、例えば、両面テープにより収納袋200の表面に貼り付けられる。パッシブタグ380は、電池を内蔵しないタグであり、リーダライタ20から第1の電波を受信すると、第1の電波を動力源として、タグ情報を含む第2の電波を放射する。タグ情報は、例えば、パッシブタグ380を識別するための識別情報であり、物品210を識別するための情報でもある。パッシブタグ380は、920MHzの周波数の電波を用いた電波方式に対応したタグである。図13に示すように、パッシブタグ380は、基材310と、給電点320と、モノポールアンテナ370と、ICチップ340とを備える。
基材310は、モノポールアンテナ370やICチップ340を支持するシート状の部材である。給電点320は、第1の電波に対応する交流信号をICチップ340からモノポールアンテナ370に供給し、第2の電波に対応する交流信号をモノポールアンテナ370からICチップ340に供給するための端子対である。
モノポールアンテナ370は、エレメント371と接地用導体372とを備える線状アンテナである。エレメント371と接地用導体372とは、給電点320を中心にして互いに反対側に配置される。エレメント371は、パッシブタグ380の幅方向に蛇行しながら、パッシブタグ380の長手方向に延びた形状であり、パッシブタグ380の厚さ方向における長さが短い形状である。エレメント381は、エレメント331と同様の形状である。接地用導体372は、接地電位に設定するための導体である。ただし、本実施形態では、接地用導体372は、接地されてもよいし、接地されなくてもよい。
モノポールアンテナ370は、第1の電波を受信するときに、エレメント371と接地用導体372との間に発生する電位差により生じた電流を、給電点320を介してICチップ340に供給する。また、モノポールアンテナ370は、第2の電波を放射するときに、給電点320を介してICチップ340から供給された電流に従って、エレメント371と接地用導体372との間に電位差を発生させる。
パッシブタグ380の長手方向におけるエレメント371の長さは、放射及び受信する電波の波長の約1/4である。ここで、パッシブタグ380の長手方向におけるエレメント371の2つの端部のうち、給電点320から遠い方の端部を端部351とする。また、パッシブタグ380の長手方向における接地用導体372の2つの端部のうち、給電点320から遠い方の端部を端部361とする。ICチップ340は、第1の電波から電力を得る機能、タグ情報を記憶する機能、タグ情報を含む第2の電波を放射する機能などを有する。
ここで、第1の電波の放射時において、モノポールアンテナ370の一端である端部351における電界強度と、モノポールアンテナ370の他端である端部361における電界強度との電界強度差が、モノポールアンテナ370の受信感度に応じた強度差閾値よりも大きくなるように、パッシブタグ380が配置される。
具体的には、放射面108から端部351までの距離が距離閾値よりも短く、放射面108から端部361までの距離が距離閾値よりも長くなるように、パッシブタグ380が配置される。この距離閾値は、第1の電波の放射のための送信電力に応じた値である。より詳細には、端部351が、この距離閾値分の厚さを有する浸出領域107の内部に配置され、端部361が、浸出領域107の外部に配置されるように、パッシブタグ380が配置される。
本実施形態では、端部351における電界強度と端部361における電界強度との電界強度差が大きい。そして、端部361における電位変動は、端部351における電位変動に比べて小さい。従って、本実施形態では、接地用導体372を接地しなくても、接地用導体372の電位変動を抑えることができ、タグ情報の良好な読み取りが期待できる。
(実施形態4)
実施形態1では、ダイポールアンテナ330の両端間における電界強度差を確保するために、放射面108とダイポールアンテナ330の長手方向とが直交し、電界強度が大きく変化する境界面109を跨ぐようにパッシブタグ300が配置される例について説明した。ダイポールアンテナ330の両端間における電界強度差が確保されるのであれば、パッシブタグ300の配置はこの例に限定されない。
例えば、図14に示すように、通信シート100上に形成される浸出領域107が、平面視において、通信シート100と重なる板状であるものとする。この場合、平面視において通信シート100と重なる領域に関しては、放射面108からの距離が距離閾値以下の位置では電界強度が高く、放射面108からの距離が距離閾値を超える位置では電界強度が低い性質がある。この距離閾値は、浸出領域107の厚さに対応する。実施形態1では、この性質を利用して、電界強度差を発生させる手法であった。
本実施形態では、放射面108からの距離が距離閾値以下の領域に関して、平面視において通信シート100と重なる位置では電界強度が高く、平面視において通信シート100と重ならない位置では電界強度が低い性質を利用して、電界強度差を発生させる手法について説明する。
つまり、本実施形態では、通信シート100を平面視したときに、放射面108とダイポールアンテナ330の一端である端部350とが重なり、放射面108とダイポールアンテナ330の他端である端部360とが重ならないようにする。そして、放射面108から端部350までの距離が、第1の電波の放射のための送信電力に応じた距離閾値よりも短くなるように、パッシブタグ300を配置する。
ここで、放射面108とパッシブタグ300とが平行であると、第1の電波の受信面積が大きいため好ましい。また、パッシブタグ300を通信シート100の幅方向における端部に配置する場合、パッシブタグ300の長手方向と通信シート100の長手方向とが直交すると、端部350と端部360とにおける電界強度差が大きくなるため好ましい。或いは、パッシブタグ300を通信シート100の長手方向における端部に配置する場合、パッシブタグ300の長手方向と通信シート100の長手方向とが一致すると、端部350と端部360とにおける電界強度差が大きくなるため好ましい。
本実施形態では、ダイポールアンテナ330の両端間の電界強度差が大きく、ダイポールアンテナ330の両端間の電位差が大きい。従って、本実施形態によれば、タグ情報の良好な読み取りが期待できる。
(実施形態5)
実施形態4では、放射面108と、ダイポールアンテナ330を備えるパッシブタグ300の長手方向と、を直交させずに、パッシブタグ300からタグ情報を読み取る例について説明した。本実施形態では、放射面108と、モノポールアンテナ370を備えるパッシブタグ380の長手方向と、を直交させずに、パッシブタグ380からタグ情報を読み取る例について説明する。
本実施形態では、通信シート100を平面視したときに、放射面108とモノポールアンテナ370の一端である端部351とが重なり、放射面108とモノポールアンテナ370の他端である端部361とが重ならないようにする。そして、放射面108から端部351までの距離が、第1の電波の放射のための送信電力に応じた距離閾値よりも短くなるように、パッシブタグ380を配置する。図15には、放射面108とパッシブタグ380とが平行でない例を示している。
ただし、放射面108とパッシブタグ380とが平行であると、第1の電波の受信面積が大きいため好ましい。また、パッシブタグ380を通信シート100の幅方向における端部に配置する場合、パッシブタグ380の長手方向と通信シート100の長手方向とが直交すると、端部351と端部361とにおける電界強度差が大きくなるため好ましい。或いは、パッシブタグ380を通信シート100の長手方向における端部に配置する場合、パッシブタグ380の長手方向と通信シート100の長手方向とが一致すると、端部351と端部361とにおける電界強度差が大きくなるため好ましい。
本実施形態では、モノポールアンテナ370の両端間の電界強度差が大きく、モノポールアンテナ370の両端間の電位差が大きい。従って、本実施形態によれば、タグ情報の良好な読み取りが期待できる。
(変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能である。
本発明において、上記実施形態において説明した構成、機能、動作のどの部分を採用するのかは任意である。また、本発明において、上述した構成、機能、動作のほか、更なる構成、機能、動作が採用されてもよい。また、上述した実施形態は、適宜、自由に組み合わせることができる。また、上述した実施形態で説明した構成要素の個数は、適宜、調整することができる。また、本発明において採用可能な素材、サイズ、電気的特性などが、上記実施形態において示したものに限定されないことは勿論である。
実施形態1では、制御装置10がリーダライタ20を制御して、タグ情報を読み取る例について説明した。制御装置10の機能がリーダライタ20の機能として組み込まれていてもよい。また、実施形態2では、実施形態1におけるパッシブタグの種類及び配置を前提にして、送信電力を変化させる例について説明した。実施形態3、実施形態4、実施形態5におけるパッシブタグの種類及び配置を前提にして、送信電力を変化させてもよい。
実施形態1では、収納袋200の上部にパッシブタグ300がはみ出ないように貼付される例について説明した。パッシブタグ300が付される位置はこの例に限定されない。例えば、収納袋200の上部にパッシブタグ300がはみ出るように貼付されてもよい。また、パッシブタグ300は、管理対象である物品210を収納する、収納袋200以外の入れ物(例えば、箱)に付されてもよい。また、パッシブタグ300は、物品210に直接的に付されてもよい。なお、物品210がカテーテルに限定されないことは勿論である。
実施形態1では、タグ情報の片面読み取りが可能な通信シート100を用いてタグ情報を読み取る例について説明した。タグ情報の両面読み取りが可能な通信シートを用いてタグ情報を読み取ってもよい。このような通信シートは、例えば、通信シート100において、開孔部を有しない導体層102に代えて、開孔部を有する導体層101を採用することで生成可能である。この場合、通信シートの両面に浸出領域107が形成される。
実施形態1では、リーダライタ20に接続される平面アンテナとして、2次元通信が可能な通信シート100を採用する例に説明した。平面アンテナとして、通信シート100とは異なる種類の平面アンテナを採用することができる。例えば、平面アンテナとして、マイクロストリップアンテナ、つまり、パッチアンテナを採用することができる。なお、平面アンテナとしては、電波の放射面からの距離に応じて、電界強度が急激に変化するものが好ましい。
実施形態1では、メッシュ状の開孔部の形状が正三角形である例について説明した。メッシュ状の開孔部の形状は、正三角形に限定されないことは勿論である。メッシュ状の開孔部の形状は、例えば、正三角形以外の三角形、三角形以外の多角形(長方形、正方形、平行四辺形、菱形、五角形、六角形など)、円形、楕円形などであってもよい。
実施形態では、制御装置10が有する機能を多くがソフトウェア(又は、ファームウェア)により実現される例、つまり、制御装置10が有する機能を多くがプロセッサによるプログラムの実行により実現されるについて説明した。本発明において、このような機能は、ハードウェアにより実現されてもよい。この場合、例えば、制御装置10は、CPUに代えて、処理回路を備える。この処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はこれらの組合せにより構成される。
本発明に係る制御装置10の動作を規定する動作プログラムを既存のパーソナルコンピュータや情報端末装置に適用することで、当該パーソナルコンピュータを本発明に係る制御装置10として機能させることも可能である。また、このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD-ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、通信ネットワーク(例えば、インターネット)を介して配布してもよい。
10 制御装置、11 制御部、12 通信部、13 表示部、14 記憶部、20 リーダライタ、21,301 制御回路、22 第1通信回路、23 電源回路、24 発振回路、25,304 記憶回路、26 第2通信回路、27,305 変調回路、28,306 復調回路、30 通信ケーブル、31 内部導体、32 外部導体、40 電波インターフェース、41,42,101,102 導体層、43,103 絶縁体層、44,45 電極、46 コネクタ、60 電波吸収部、61 電波吸収体、62 導体板、100 通信シート、104,105 カバー層、107 浸出領域、108 放射面、109 境界面、120 開孔部、200 収納袋、210 物品、300,380 パッシブタグ、303 整流回路、310 基材、320 給電点、330 ダイポールアンテナ、331,332,371,381 エレメント、340 ICチップ、350,351,360,361 端部、370 モノポールアンテナ、372 接地用導体、400 保管庫、410 天井板、420 棚板、430,440,450 側壁板、460 吊り下げ棒、1000 読取システム

Claims (7)

  1. 電力供給用の電波である第1の電波を放射し、タグ情報を示す電波である第2の電波を受信する放射面を備える平面アンテナと、
    前記平面アンテナを介して前記タグ情報を読み取る読取装置と、
    給電点を中心に互いに反対方向に延びる2つのエレメントを備えるダイポールアンテナと、前記ダイポールアンテナが前記第1の電波を受信したことに応答して、前記第2の電波を前記ダイポールアンテナに放射させる制御回路と、を備えるパッシブタグと、を備え、
    前記第1の電波の放射時において、前記ダイポールアンテナの一端における電界強度と前記ダイポールアンテナの他端における電界強度との差である電界強度差は、前記ダイポールアンテナの受信感度に応じた強度差閾値よりも大き
    前記放射面と前記2つのエレメントが延びる方向である第1の方向とが直交し、
    前記放射面から前記ダイポールアンテナの一端までの距離は、前記第1の電波の放射のための送信電力に応じた距離閾値よりも短く、前記放射面から前記ダイポールアンテナの他端までの距離は、前記距離閾値よりも長い、
    読取システム。
  2. 前記平面アンテナは、
    導電性を有し、開孔部がメッシュ状に形成された第1の導体層と、
    導電性を有する第2の導体層と、
    絶縁性を有し、前記第1の導体層と前記第2の導体層との間に設けられた絶縁体層と、を備え、
    前記読取装置から供給される交流信号に応じた前記第1の電波を前記開孔部から浸出させることにより前記第1の導体層の表面に前記距離閾値分の厚さを有する浸出領域を形成する、通信シートであり、
    前記ダイポールアンテナの一端は、前記浸出領域の内部に配置され、前記ダイポールアンテナの他端は、前記浸出領域の外部に配置される、
    請求項に記載の読取システム。
  3. 前記放射面は鉛直方向と直交し、
    前記パッシブタグの少なくとも一部は、前記第1の方向が鉛直方向になるように、鉛直方向に延びる物品の側面に貼付される、
    請求項又はに記載の読取システム。
  4. 電力供給用の電波である第1の電波を放射し、タグ情報を示す電波である第2の電波を受信する放射面を備える平面アンテナと、
    前記平面アンテナを介して前記タグ情報を読み取る読取装置と、
    給電点を中心に互いに反対方向に延びる2つのエレメントを備えるダイポールアンテナと、前記ダイポールアンテナが前記第1の電波を受信したことに応答して、前記第2の電波を前記ダイポールアンテナに放射させる制御回路と、を備えるパッシブタグと、を備え、
    前記第1の電波の放射時において、前記ダイポールアンテナの一端における電界強度と前記ダイポールアンテナの他端における電界強度との差である電界強度差は、前記ダイポールアンテナの受信感度に応じた強度差閾値よりも大きく、
    前記平面アンテナを平面視したときに、前記放射面と前記ダイポールアンテナの一端とが重なり、前記放射面と前記ダイポールアンテナの他端とが重ならず、
    前記放射面から前記ダイポールアンテナの一端までの距離は、前記第1の電波の放射のための送信電力に応じた距離閾値よりも短い、
    取システム。
  5. 電力供給用の電波である第1の電波を放射し、タグ情報を示す電波である第2の電波を受信する放射面を備える平面アンテナと、
    前記平面アンテナを介して前記タグ情報を読み取る読取装置と、
    給電点を基準として互いに反対側に配置される、エレメントと接地用導体とを備えるモノポールアンテナと、前記モノポールアンテナが前記第1の電波を受信したことに応答して、前記第2の電波を前記モノポールアンテナに放射させる制御回路と、を備えるパッシブタグと、を備え、
    前記エレメントは、前記給電点から前記モノポールアンテナの一端に向けて延びており、
    前記第1の電波の放射時において、前記モノポールアンテナの一端における電界強度と前記モノポールアンテナの他端における電界強度との差である電界強度差は、前記モノポールアンテナの受信感度に応じた強度差閾値よりも大き
    前記放射面と前記エレメントが延びる方向である第1の方向とが直交し、
    前記放射面から前記モノポールアンテナの一端までの距離は、前記第1の電波の放射のための送信電力に応じた距離閾値よりも短く、前記放射面から前記モノポールアンテナの他端までの距離は、前記距離閾値よりも長い、
    読取システム。
  6. 電力供給用の電波である第1の電波を放射し、タグ情報を示す電波である第2の電波を受信する放射面を備える平面アンテナと、
    前記平面アンテナを介して前記タグ情報を読み取る読取装置と、
    給電点を基準として互いに反対側に配置される、エレメントと接地用導体とを備えるモノポールアンテナと、前記モノポールアンテナが前記第1の電波を受信したことに応答して、前記第2の電波を前記モノポールアンテナに放射させる制御回路と、を備えるパッシブタグと、を備え、
    前記エレメントは、前記給電点から前記モノポールアンテナの一端に向けて延びており、
    前記第1の電波の放射時において、前記モノポールアンテナの一端における電界強度と前記モノポールアンテナの他端における電界強度との差である電界強度差は、前記モノポールアンテナの受信感度に応じた強度差閾値よりも大きく、
    前記平面アンテナを平面視したときに、前記放射面と前記モノポールアンテナの一端とが重なり、前記放射面と前記モノポールアンテナの他端とが重ならず、
    前記放射面から前記モノポールアンテナの一端までの距離は、前記第1の電波の放射のための送信電力に応じた距離閾値よりも短い、
    取システム。
  7. 前記読取装置は、前記第1の電波の放射のための送信電力を周期的に変化させ、
    前記読取装置は、前記電界強度差が前記強度差閾値よりも大きいときに、前記タグ情報を読み取る、
    請求項1からのいずれか1項に記載の読取システム。
JP2019032072A 2019-02-25 2019-02-25 読取システム Active JP7217171B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019032072A JP7217171B2 (ja) 2019-02-25 2019-02-25 読取システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019032072A JP7217171B2 (ja) 2019-02-25 2019-02-25 読取システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020137074A JP2020137074A (ja) 2020-08-31
JP7217171B2 true JP7217171B2 (ja) 2023-02-02

Family

ID=72263804

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019032072A Active JP7217171B2 (ja) 2019-02-25 2019-02-25 読取システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7217171B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007032339A1 (ja) 2005-09-12 2007-03-22 Cell Cross Corporation 通信システム、インターフェース装置、および、信号伝達装置
JP2012023515A (ja) 2010-07-14 2012-02-02 Fujitsu Ltd アンテナ装置、rfidシステム
JP2016206838A (ja) 2015-04-20 2016-12-08 日本板硝子環境アメニティ株式会社 書籍管理システムおよび予約棚システム
JP2017021806A (ja) 2015-07-13 2017-01-26 帝人株式会社 医療品管理システム、医療品管理方法、及び、プログラム

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007032339A1 (ja) 2005-09-12 2007-03-22 Cell Cross Corporation 通信システム、インターフェース装置、および、信号伝達装置
JP2012023515A (ja) 2010-07-14 2012-02-02 Fujitsu Ltd アンテナ装置、rfidシステム
JP2016206838A (ja) 2015-04-20 2016-12-08 日本板硝子環境アメニティ株式会社 書籍管理システムおよび予約棚システム
JP2017021806A (ja) 2015-07-13 2017-01-26 帝人株式会社 医療品管理システム、医療品管理方法、及び、プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020137074A (ja) 2020-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100817649B1 (ko) 넓은 지향성과 낮은 통신 거리 저하를 갖는 무선 ic 태그
KR101196177B1 (ko) 안테나 장치, rfid 시스템
US8360328B2 (en) RFID tag
CN107004108B (zh) 通信装置、显示装置以及通信系统
JP2018085647A (ja) ループアンテナ及び電子機器
JP2007150654A (ja) センサ装置
JP2019003563A (ja) 情報出力システム
JP2007150652A (ja) 信号伝達装置用のインターフェース装置
US20220075966A1 (en) Communication sheet and electric power transmission method
JP7217171B2 (ja) 読取システム
JP2013055457A (ja) 非接触icラベル
JP6344528B2 (ja) Rfidタグのリーダ用のアンテナ付きトレイ及びrfidシステム
JP7225020B2 (ja) 読取システム
JP6909067B2 (ja) 情報出力システム
EP3965225A1 (en) Antenna structure and device for metal environment
JP2010062941A (ja) Rfidタグ、rfidシステム及びrfidタグ製造方法
JP2009225199A (ja) 小型無線装置におけるアンテナ構造およびその形成方法ならびに無線識別タグ
JP2010056683A (ja) 無線icタグおよび無線通信システム
JP2023163334A (ja) Rfidタグ
JP6998086B2 (ja) Rfタグアンテナ、rfタグおよび導電体付きrfタグ
JP2020123891A (ja) 通信シート
JP2020137061A (ja) 通信シート、及び、読取システム
JP2021047848A (ja) 読取システム
JP2023163335A (ja) Rfidタグ
JP2018163602A (ja) 物品管理システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220830

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221014

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230123

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7217171

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350