WO2007015293A1

WO2007015293A1 - 温度スイッチの取付構造

Info

Publication number: WO2007015293A1
Application number: PCT/JP2005/014114
Authority: WO
Inventors: Teruyuki Takeda; Masahiro Inagaki
Original assignee: Ubukata Industries Co., Ltd.
Priority date: 2005-08-02
Filing date: 2005-08-02
Publication date: 2007-02-08
Also published as: CN101228604A; JPWO2007015293A1; US20100090793A1; JP4402719B2; CN101228604B; US7839259B2

Abstract

　本発明は、車両用エアコンディショナーの圧縮機に対する、有底円筒形の金属容器（７）及び前記金属容器の内部底面に配置された円形浅皿状の熱応動板（５）を有する温度スイッチの取付構造であって、前記圧縮機のハウジング（２）表面に設けられ前記温度スイッチ（４）が収容される収容凹部（３，１８）と、前記温度スイッチの側部に設けられた１ないし複数の爪部とを備え、前記温度スイッチを前記収容凹部に収容したときに前記爪部が前記収容凹部の内面に係止されることにより、前記温度スイッチが前記収容凹部内に固定されるように構成したものである。

Description

明細書

温度スィッチの取付構造

技術分野

[0001] 本発明は、車両用エアコンディショナーの圧縮機に対する温度スィッチの取付構造に関する。

背景技術

[0002] 車両用エアコンディショナー（以下、エアコン)の圧縮機には、過熱状態を検出するための温度スィッチが取り付けられているものがある。前記温度スィッチは、例えば金属製の円筒容器の内部底面に円板状の熱応動板が配置されて構成されている。このような温度スィッチは、例えば日本国特許第 2873357号公報に記載されている。

[0003] 前記温度スィッチは、圧縮機のハウジングに設けられた取付孔に挿入されるようになっている。前記取付孔には予め熱伝導性が良いシリコン系接着剤が注入されており、前記取付孔に押し込まれた温度スィッチと取付孔との間には前記接着剤が介在する。このような構成により、ハウジングの熱が効率良く温度スィッチに伝達される。

[0004] 前記温度スィッチは、前記接着剤が硬化するまでの間は位置がずれたり、浮き上がつたりして脱落するおそれがあるが、前記接着剤が硬化することにより十分な強度で取付孔に固定される。そこで、従来は、接着剤が硬化するまでの間に温度スィッチが取付孔カも脱落することを防止するために、圧縮機のハウジングに板ばねなどの弹性部材をねじで固定し、前記弾性部材で前記温度スィッチを取付孔に押え付けるようにしていた。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] ところが、上記方法では、部品点数が多くなると共に、板ばねをねじでノ、ウジングに固定する手間がかかり、作業性が悪いという問題があった。

本発明の目的は、車両用エアコンディショナーの圧縮機に対して温度スィッチを簡単且つ強固に取付けることができる温度スィッチの取付構造を提供することにある。課題を解決するための手段 [0006] 本発明は、車両用エアコンディショナーの圧縮機に対する、有底円筒形の金属容器及び前記金属容器の内部底面に配置された円形浅皿状の熱応動板を有する温度スィッチの取付構造を、前記圧縮機のハウジング表面に設けられ前記温度スイツチが収容される収容凹部と、前記温度スィッチの側部に設けられた 1ないし複数の爪部とから構成したものであり、前記温度スィッチは、前記収容凹部に収容されたときに前記爪部が前記収容凹部の内面に係止されることにより、前記収容凹部内に固定されるように構成されて、ることを特徴とする。

発明の効果

[0007] 本発明の温度スィッチの取付構造は、温度スィッチに設けられた爪部が収容凹部の内面に係止されることにより前記温度スィッチが収容凹部力脱落することを防止するものであるため、従来のものよりも簡単な構成で温度スィッチを収容凹部に取付けることができる。

図面の簡単な説明

[0008] [図 1]図 1は本発明の第 1の実施例を示すものであり、温度スィッチの取り付け部分を破断して示すコンプレッサの正面図である。

[図 2]図 2は温度スィッチの取付部分を拡大して示すコンプレッサの縦断面図である。

[図 3]図 3は温度スィッチの取付部分を拡大して示すコンプレッサの平面図である。

[図 4]図 4は固定カバーを取付けた状態で示す温度スィッチの斜視図である。

[図 5]図 5は温度スィッチの斜視図である。

[図 6]図 6は固定カバーの斜視図である。

[図 7]図 7は榭脂カバー部分を断面にて示す温度スィッチの側面図である。

[図 8]図 8は接点機構が閉状態のときの温度スィッチの縦断正面図である。

[図 9]図 9は接点機構が開状態のときの温度スィッチの縦断正面図である。

[図 10]図 10は本発明の第 2の実施例を示す図 4相当図である。

[図 11]図 11は図 5相当図である。

[図 12]図 12は図 6相当図である。

[図 13]図 13は本発明の第 3の実施例を示す図 4相当図である。

[図 14]図 14は図 6相当図である。 [図 15]図 15は本発明の第 4の実施例を示す図 5相当図である。

[図 16]図 16は本発明の第 5の実施例を示す図 4相当図である。

[図 17]図 17は図 2相当図である。

[図 18]図 18は本発明の第 6の実施例を示す図 5相当図である。

[図 19]図 19は本発明の第 7の実施例を示す図 4相当図である。

[図 20]図 20は図 6相当図である。

[図 21]図 21は固定カバーの上面図である。

[図 22]図 22は本発明の第 8の実施例を示す図 5相当図である。

[図 23]図 23は図 8相当図である。

[図 24]図 24は本発明の第 9の実施例を示す図 5相当図である。

[図 25]図 25は図 8相当図である。

符号の説明

[0009] 1は圧縮機、 3は取付孔 (収容凹部）、 4は温度スィッチ、 18は延長壁 (収容凹部）、 20は固定用カバー、 22は脚部、 26は爪部を示す。

発明を実施するための最良の形態

[0010] 本発明をより詳細に説述するために、添付の図面に従ってこれを説明する。

図 1ないし図 9は本発明の第 1の実施例を示している。図 1は、本実施例に係る車両用のエアコンディショナー（以下、エアコン)の冷媒圧縮機 1の全体構成を示している。前記圧縮機 1のハウジング 2の上部のうち高圧側冷媒通路（図示せず）に対応する部分には取付孔 3が設けられており、前記取付孔 3には冷媒の過熱状態を検知するための温度スィッチ 4が取付けられて!/、る。

[0011] 図 5及び図 7ないし図 9に示すように、前記温度スィッチ 4は、内部に熱応動板 5及び接点機構 6等が収容された有底円筒形の金属容器からなるスィッチ本体 7と、前記スィッチ本体 7の上部開口を覆う榭脂製のキャップ 8と、前記キャップ 8から引き出されたリード線 9とを備えて構成されて、る。

前記熱応動板 5はバイメタルのような材料を円形に打ち抜き浅皿状に絞り成形したものであり、スィッチ本体 7内の底部に配置されている。また、スィッチ本体 7内の底部には、ベリリウム銅やステンレス等のばね材で作られた保持板 10が前記熱応動板 5 の上力も配置されて、る。前記保持板 9のほぼ中央には受圧片 11が取付けられて、る。

[0012] 前記スィッチ本体 7の上部には 2個の貫通孔 12aを有する金属板 12が溶接などの方法で取付けられており、前記金属板 12の上に前記キャップ 8が取付けられている。前記貫通孔 12aには導電ピン 13がガラスなどの電気絶縁材料 14を介して挿通されている。電気絶縁材料 14により、貫通孔 12aと導電ピン 13との間は気密に塞がれていると共に導電ピン 13と金属板 12とが電気的に絶縁されている。

[0013] スィッチ本体 7内に位置する前記導電ピン 13の下端部には接点機構 6を構成する固定接触部材 15及び可動接触部材 16がそれぞれ接続されている。前記固定接触部材 15は固定接点 15aを有しており、前記可動接触部材 16は前記固定接点 15aと接離する可動接点 16aを有している。前記可動接触部材 16は、前記受圧片 11に取付けられている。

[0014] 一方、スィッチ本体 7の外部に位置する導電ピン 13の上端部には前記リード線 9がそれぞれ接続されている。前記キャップ 8は略半円形状を成しており、下面及び側面の一部が開口している。前記リード線 9の他端は榭脂カバーの側面の開口から引き出されて制御回路やコンプレッサの電源 (いずれも図示せず）に接続されている。前記キャップ 8内には電気絶縁性を有する充填材 17が充填されており、これにより導電ピン 13とリード線 9との接続部分は気密に固定されている。

[0015] 常温状態のとき、前記熱応動板 5は図 8に示すように下方に膨らんだ状態にあり、保持板 10の弾性力によってスィッチ本体 7の底部に当接している。このとき、固定接点 15aと可動接点 16aとは接触している。一方、温度が上昇して所定温度になると、前記熱応動板 5は反転して図 9に示すように上方に膨らんだ状態となり前記受圧片 1 1を押し上げる。これにより、可動接触部材 16が押し上げられて可動接点 16aが固定接点 15aから離間するように構成されて、る。

[0016] 図 2及び図 3に示すように、前記取付孔 3は、スィッチ本体 7の略全体が入り込む深さ寸法に設定されており、前記取付孔 3に収容された前記スィッチ本体 7の底面が略密着する底面を有している。また、前記ハウジング 2の外面のうち前記取付孔 3の周囲部には U字状の延長壁 18が設けられている。前記延長壁 18は、前記キャップ 8の側面形状に対応しており、前記取付孔 3に温度スィッチ 4を装着したときに前記キヤップ 8の側面の下半部に沿うようになっている。つまり、取付孔 3に温度スィッチ 4を取付けたときに前記キャップ 8の上半部は前記延長壁 18よりも上に突出するように構成されている。本実施例では、取付孔 3及び延長壁 18から収容凹部が構成される。

[0017] また、前記取付孔 3と前記温度スィッチ 4の間には、熱伝導性が良いシリコン系接着剤 19が充填されている。温度スィッチ 4は、適宜の量の前記接着剤 19が予め収容された取付孔 3に対して、その底面が取付孔 3の底面とほぼ密着するように押し込まれるようになっており、この結果、温度スィッチ 4と取付孔 3の間の一部或いは全部に前記接着剤 19が介在する。前記接着剤 19により温度スィッチ 4のスィッチ本体 7に対するハウジング 2の熱伝導性が向上し、前記温度スィッチ 4の応答性が向上する。また、前記接着剤 19が硬化することにより、前記温度スィッチ 4は通常の取り扱い時に加えられる引張り力によって取付孔 3から脱落することがな、ように固定される。

[0018] 一方、図 4及び図 6に示すように、前記取付孔 3に装着された温度スィッチ 4には固定用カバー 20が被せられている。前記固定用カバー 20は、キャップ 8の上面形状とほぼ同じ形状の上カバー部 21と、前記上カバー部 21の周縁部から温度スィッチ 4の側面に沿って延びる 3個の帯状の脚部 22とを有している。前記固定用カバー 20は、金属板を打ち抜ヽて形成された基材（図示せず)を折り曲げ成形することにより構成された板ばね力もなる。固定用カバー 20が被せられた温度スィッチ 4が取付孔 3に挿入されたとき、前記脚部 22は接着剤に埋設されるようになっている。

[0019] 3個の脚部 22は、下端部がキャップ 8の下端部よりもやや上部に位置する 2個の短い脚部と、下端部がキャップ 8の下端部よりも下方部に位置する 1個の長い脚部とから構成されて、る。短、脚部は上カバー部 21のほぼ円弧状をなす周縁部の両端部の直線状部分に設けられ、互いに対向している。また、長い脚部は上カバー部 21の円弧状の周縁部の中央付近に設けられている。

[0020] 前記脚部 22は、上カバー部 21と脚部 22との間の折曲部（以下、第 1の折曲部 23) に加えて上下 2個の折曲部（以下、第 2及び第 3の折曲部 24及び 25)で折り曲げ成形されている。具体的には、前記脚部 22は、第 1の折曲部 23において上カバー部 2 1との間の角度が約 90度となるように折り曲げられ、第 2の折曲部 24においてやや外方に広がるように折曲され、第 3の折曲部 25においてやや内方に窄まるように折曲されている。温度スィッチ 4に固定用カバー 20が被せられたとき、長い脚部 22の第 3の折曲部 25はキャップ 8の下端部よりもやや上部に位置し、長い脚部 22の下端部はスイッチ本体 7の側面に当接するようになつている。また、短い脚部 22の下端部はキヤップ 8の側面に当接するようになつている。

[0021] 更に、短い脚部 22の下端部の両側部及び長い脚部 22の両側部のうち第 3の折曲部 25の直ぐ下部には一対の爪部 26がそれぞれ設けられている。前記爪部 26は、脚部 22に一体的に設けられた先のとがった突起力も構成され、温度スィッチ 4と共に固定用カバー 20が取付孔 3に挿入されたときに取付孔 3と延長壁 18の境界付近の内面に接触するように外方に突出して、る。

[0022] さて、前記温度スィッチ 4は、上から固定用カバー 20が被せられた状態で取付孔 3 に押し込むことにより前記取付孔 3に装着される。このとき、固定用カバー 20の脚部 2 2は、その下端部が温度スィッチ 4の側面に当接しているため、温度スィッチ 4から固定用カバー 20が外れ難くなつている。また、温度スィッチ 4と取付孔 3及び延長壁 18 との間の僅かな隙間に脚部 22を簡単に挿入することができる。

[0023] 取付孔 3に温度スィッチ 4及び固定用カバー 20が挿入されると、取付孔 3及び延長壁 18の内面に爪部 26が接触する。特に、長い脚部 22は第 3の折曲部 25の直ぐ下に爪部 26が設けられており、その第 2の折曲部 24から第 3の折曲部 25に向力つて外方に傾斜して、るため、取付孔 3及び延長壁 18の内面に爪部 26が当接することにより脚部 22が温度スィッチ 4側に押される。また、長い脚部 22は、取付孔 3及び延長壁 18の内面であって大きく湾曲している部分と温度スィッチ 4との間に挿入されるため、その湾曲形状に沿って橈む。従って、長い脚部 22の爪部 26は、橈んだ脚部 22の復元力によって、また、温度スィッチ 4側に押された脚部 22の弾性力によって延長壁 1 8の内面に特に強く押し当てられる。

[0024] 更に、全ての爪部 26 (固定用カバー 20)はハウジング 2よりも硬い金属から構成されているため、取付孔 3及び延長壁 18の内面に当接したり押し当てられたりすることにより爪部 26は、前記取付孔 3及び延長壁 18の内面に食い込む。また、取付孔 3及び延長壁 18と爪部 26との間に摩擦力が作用したりすることによって、取付孔 3及び延長壁 18に係止される。この結果、取付孔 3に挿入された温度スィッチ 4が取付孔 3 力脱落することを防止できる。

[0025] 更にまた、長い脚部 22のうち爪部 26よりも下の部分は、温度スィッチ 4と取付孔 3との間に介在する接着剤 19に埋設される。従って、取付孔 3に挿入された温度スイツチ 4及び固定用カバー 20は、接着剤 19が硬化することにより十分な強度で取付孔 3 に固定される。

[0026] このように本実施例によれば、固定用カバー 20を温度スィッチ 4に取り付けて取付孔 3に押し込むだけで簡単に温度スィッチ 4を取付孔 3に取り付けることができる。特に、固定用カバー 20と温度スィッチ 4を同時に取付孔 3に押し込むように構成したため、温度スィッチ 4の取付作業性の向上、取付作業時間の短縮ィ匕を図ることができる

[0027] また、固定用カバー 20を温度スィッチ 4に取付けるための特別な部材が不要であるため、従来のものに比べて部品点数の削減を図ることができる。

更に、各脚部 22を帯状に構成すると共に前記脚部 22の幅方向に対向する部位に爪部 26を設けた。従って、取付孔 3に挿入された前記脚部 22は前記取付孔 3の内面形状に沿って周方向に橈むことになる。このため、爪部 26は、橈んだ脚部 22が元に戻ろうとする力によっても前記爪部 26を取付孔 3や延長壁 18の内面に押し当てることができるので、前記爪部 26をより強固に取付孔 3及び延長壁 18に係止させることができる。

[0028] 図 10ないし図 12は本発明の第 2の実施例を示すものであり、第 1の実施例と異なるところを説明する。尚、第 1の実施例と同一部分には同一符号を付している。第 2の実施例では、固定用カバー 20が温度スィッチ 4のキャップ 8に熱力しめにより固定されている。具体的には、固定用カバー 20の上カバー部 21の中央部には孔部 31が設けられており、温度スィッチ 4のキャップ 8の上面には前記孔部 31に対応する凸部 32が設けられている。そして、前記凸部 32を前記孔部 31に挿通させるようにして温度スィッチ 4に固定用カバー 20を被せた後、前記凸部 32を加熱して変形させることにより前記固定用カバー 20はキャップ 8に固定されるようになっている。図 10において符号 33は、熱により変形した凸部を示している。 [0029] 上記構成によれば、固定用カバー 20を温度スィッチ 4に対して一体的に取り付けることができるため、温度スィッチ 4を取付孔 3に挿入する際に温度スィッチ 4から固定用カバー 20が外れることがなぐ作業性が向上する。

[0030] 図 13及び図 14は本発明の第 3の実施例を示すものであり、第 1の実施例と異なるところを説明する。本実施例では、固定用カバー 20の 3個の脚部 22がいずれも温度スィッチ 4の下端部まで延びおり、更に、前記脚部 22の下端部にはスィッチ本体 7の下面に係止される係止片 41 (係止部に相当）がー体的に設けられている。また、各脚部 22は、第 1ないし第 3の折曲部 23ないし 25に加えて第 4の折曲部 42を有している。第 4の折曲部 42はスィッチ本体 7の側部の上下方向中央付近に位置するようになつており、前記第 4の折曲部 42において脚部 22は内方に窄まるように折曲されている。

[0031] 上記構成により、固定用カバー 20は、温度スィッチ 4を包み込むような状態で当該温度スィッチ 4に装着される。このため、温度スィッチ 4から固定用カバー 20が外れることを極力防止できる。また、各脚部 22は第 3及び第 4の折曲部 25及び 42において内方に窄まるように折曲されているため、温度スィッチ 4と共に固定用カバー 20を取付孔 3に挿入し易くなる。更に、取付孔 3に温度スィッチ 4及び固定用カバー 20を挿入したときに前記係止片 41がスィッチ本体 7の底面と取付孔 3の底面との間に挟まれた状態となる。しカゝも、全ての脚部 22の下部が接着剤 19に埋設されるため、温度スィツチ 4が取付孔 3から脱落することを確実に防止できる。

[0032] 図 15は本発明の第 4の実施例を示すものであり、第 1の実施例と異なるところを説明する。この第 4の実施例では、温度スィッチ 4のキャップ 8に 1個の長い脚部片 51 ( 帯状部材に相当）と 2個の短い脚部片 52 (帯状部材に相当）がそれぞれ一体的に取り付けられている。脚部片 51は、第 1の実施例に示した固定用カバー 20が有する長い脚 22に相当するものであり、対応する部位に第 1ないし第 3の折曲部 23ないし 25 及び爪部 26を有している。また、脚部 52は前記した短い脚部 22に相当するものであり、対応する部位に第 1な、し第 3の折曲部 23な、し 25及び爪部 26を有して、る。

[0033] このような構成においても第 1の実施例と同様の作用効果が得られる。また、温度スイッチ 4と脚部片 51, 52とを一体ィ匕したことにより、温度スィッチ 4とは別部材の固定カバーに脚部を設けた場合に比べて温度スィッチ 4の取扱が容易になる。

[0034] 図 16及び図 17は本発明の第 5の実施例を示すものであり、第 1の実施例と異なるところを説明する。尚、第 1の実施例と同一部分には同一符号を付している。この第 5 の実施例に係る固定用カバー 20は前記脚部 22に代えて 3個の帯状の脚部 61を有している。 3個の脚部 61は、第 1の実施例に示した脚部 22と同様に上カバー部 21の周縁部の三箇所にそれぞれ設けられている。また、前記脚部 61は、前記脚部 22のうち長い脚部と略同じ長さ寸法を有し且つほぼ同じ位置に設けられた第 1ないし第 3の折曲部 23な、し 25にお、て同様の折曲加工が施されて、る。

[0035] そして、前記脚部 61のうち第 3の折曲部 25と下端部との間には U字状の切欠部が形成され、その切欠部に囲まれた舌状部分がやや外方に引き起こされて爪部 62が構成されている。前記爪部 62は、その下端部において脚部 61と繋がっている。また、爪部 62の上端部は、固定用カバー 20が温度スィッチ 4に装着されたときにキャップ 8の下端部付近に位置するように構成されて、る。

これに対して、延長壁 18の内面には溝部 63 (係合部に相当）が形成されている。前記溝部 63は、温度スィッチ 4が取付孔 3の奥まで押し込まれたときに前記爪部 62 の上端部が位置する部位に設けられて、る。

[0036] 上記構成においては、前記固定用カバー 20が装着された温度スィッチ 3を取付孔 3に押し込むと、前記脚部 61は取付孔 3の内面力逃げる方向に押されながら温度スィッチ 4と共に取付孔 3に挿入される。そして、温度スィッチ 4が取付孔 3の奥まで挿入されると、前記爪部 62の先端が溝部 63に入り込む。また、全ての脚部 61の下部は接着剤 19に埋設される。このとき、爪部 62の略全体も接着剤 19に埋設される。従つて、取付孔 3から抜け出る方向の力が温度スィッチ 4及び固定用カバー 20に加わつても、前記爪部 62の先端部が溝部 63に係止されるため、温度スィッチ 4が取付孔 3 力脱落することを防止できる。

[0037] 図 18は本発明の第 6の実施例を示すものであり、第 5の実施例と異なるところを説明する。この第 6の実施例では、キャップ 8の下部に下方に延びる 3個の爪部 71を一体的に形成している。各爪部 71の下端部の外面には突部 72が設けられている。

[0038] 上記温度スィッチ 4は、第 5の実施例と同様の取付孔 3に装着されるようになっている。つまり、前記取付孔 3の上部に設けられた延長壁 18の内面には溝部 63が形成されており、前記温度スィッチ 4が取付孔 3の奥まで挿入されると、前記爪部 71の先端の突部 72が前記溝部 63に入り込むようになつている。従って、本実施例においても第 5の実施例と同様の作用効果が得られる。し力も、爪部 71をキャップ 8に一体的に設けたことにより、部品点数の低減を図ることができる。

[0039] 図 19ないし図 21は本発明の第 7の実施例を示すものであり、第 5の実施例と異なるところを説明する。この第 7の実施例に係る固定用カバー 20は前記脚部 61に代えて 3個の脚部 81を有している。前記脚部 81の上半部は、第 1の実施例に示した短い脚部 22と略同じ構成を有しており、前記短い脚部 22と略同じ位置に設けられた第 1ないし第 3の折曲部 23ないし 25において同様の折曲加工が施されている。また、前記脚部 81の下半部は三角形状の舌状部 82となっており、前記舌状部 82の上部両側の角部はそれぞれ爪部 83とされている。

[0040] 本実施例においては、前記固定用カバー 20が被せられた温度スィッチ 4を、第 5の実施例と同様の取付孔 3に押し込むことにより前記取付孔 3に温度スィッチ 4が装着されるようになつている。温度スィッチ 4及び固定用カバー 20が取付孔 3に挿入されると、前記舌状部 82が取付孔 3及び延長壁 18の内面形状に沿って橈む（図 21に破線で示す状態)。そして、温度スィッチ 4及び固定用カバー 20が取付孔 3の奥まで挿入されて前記爪部 83が溝部 63の高さ位置に達すると、前記爪部 83が溝部 63に入り込むことにより舌状部 82が元の状態に戻る。このため、取付孔 3から抜け出る方向の力が温度スィッチ 4及び固定用カバー 20に加わっても、前記爪部 83が溝部 63に係止されるため、温度スィッチ 4が取付孔 3から脱落することを防止できる。

[0041] 図 22及び図 23は本発明の第 8の実施例と示すものであり、第 1の実施例と異なるところを説明する。第 8の実施例に係る温度スィッチ 4は榭脂カバーを備えておらず、ノ、ウジングよりも硬い金属製の円筒容器力なるスィッチ本体 7内の下半部に熱応動板 5及び接点機構 6等が収容されており、前記スィッチ本体 4の上部の側部からリード線 9が引き出されて構成されている。

[0042] 具体的には、スィッチ本体 7は、下半部の径小部 91と上半部の径大部 92とから構成されており、前記径小部 91の内部に熱応動板 5等が収容されている。径小部 91と径大部 92との間の段部には 2個の貫通孔 12aを有する金属板 12が溶接などの方法で取付けられており、前記貫通孔 12aには導電ピン 13が揷通されている。前記スイツチ本体 7の径大部 92の側部には 2個の孔部（図示せず）が設けられており、前記孔部には前記導電ピン 13に接続されたリード線 9が挿通されてヽる。

[0043] スィッチ本体 7の径大部 92には電気絶縁性を有する充填材 17が充填されており、前記充填材 17により、貫通孔 12aと導電ピン 13との間及び導電ピン 13とリード線 9との接続部分は気密に固定されている。

また、スィッチ本体 7の径大部 92の側部には 3個の三角形状の爪部 93が設けられている。 1個の爪部 93はリード線 9が引出される孔部と略対向する部位に設けられ、 2 個の爪部 93は、孔部と対向する爪部 93と前記孔部との間の部位に対向するように設けられている。前記爪部 93は、取付孔 3に温度スィッチ 4が挿入されたときに接着剤 19に埋設される部位に設けられている。

前記爪部 93は、径大部 92の側面の一部を切り起こして形成されたものである。このため、前記爪部 93に対応する径大部 92の内面には、爪部 93から充填材 17が漏れ出ることを防止するための薄板 94が取付けられている。

[0044] 上記構成においては、温度スィッチ 4が取付孔 3に挿入されると、前記爪部 93は取付孔 3の内面力も逃げる方向に押圧され、元に戻ろうとする力（外に広がろうとする力 )によって爪部 93の先端は取付孔 3の内面に強く当接するようになつている。従って、取付孔 3の内面に当接した爪部 93は取付孔 3の内面に食い込み係止される。これにより、取付孔 3に挿入された温度スィッチ 4が脱落することを防止できる。

また、本実施例では、温度スィッチ 4のスィッチ本体 7の一部力も爪部 93を構成したため、部品点数の一層の削減を図ることができる。

[0045] 図 24及び図 25は本発明の第 9の実施例と示すものであり、第 8の実施例と異なるところを説明する。第 9の実施例に係る温度スィッチ 4は、導電ピン 13に接続されたリード線 9がスィッチ本体 7の上部開口から引き出されている。また、前記スィッチ本体 7の上端部には外方に突出する複数の凸部 101 (爪部に相当）が等間隔に設けられている。前記凸部 101は、スィッチ本体 7を絞り成形したものである。

[0046] また、前記径大部 92には充填材 19が充填されている。前記充填材 17は、その上面が前記凸部 101に達しな、ように径大部 92に充填されて、る。

上記構成においては、温度スィッチ 4が取付孔 3に挿入されると、前記凸部 101が取付孔 3の内面に当接し、これにより、径大部 92の上端部分が内方に押圧される。この結果、径大部 9の上端部分が元に戻ろうとする力（外に広がろうとする力）によって凸部 101の先端が取付孔 3の内面に食い込み、係止される。これにより、取付孔 3に挿入された温度スィッチ 4が脱落することを防止できる。

[0047] 尚、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなぐ例えば次のような変形が可能である。

固定カバーの脚部の数は 3個に限らず、 1個や 2個でも良い。また、 4個以上の脚部を設けても良い。

第 4の実施例に示すようなキャップ 8に埋め込まれた脚部片（図 15参照）に第 5の実施例に示す爪部 62と同様の爪部を設けると共に対応する収容凹部の内面に係合部としての溝部を設けても良い。また、第 5の実施例に示す爪部 62と同様の爪部を金属容器と一体的に設けても良い。

産業上の利用可能性

[0048] 以上のように、本発明に係る温度スィッチの取付構造は、車両用エアコンに用いられる圧縮機の過度な温度上昇に対する保護装置の取付構造として有用である。

Claims

請求の範囲

[1] 車両用エアコンディショナーの圧縮機に対する、有底円筒形の金属容器 (7)及び前記金属容器の内部底面に配置された円形浅皿状の熱応動板（5)を有する温度スイッチの取付構造にぉ、て、

前記圧縮機（1)のハウジング (2)表面に設けられ前記温度スィッチ (4)が収容される収容凹部（3, 18)と、

前記温度スィッチ (4)の側部に設けられた 1ないし複数の爪部（26, 62, 71, 83, 93, 101)とを備え、

前記温度スィッチ (4)を前記収容凹部（3, 18)に収容したときに前記爪部（26, 62 , 71, 83, 93, 101)が前記収容凹部（3, 18)の内面に係止されることにより、前記温度スィッチ (4)は前記収容凹部（3, 18)内に固定されるように構成されていることを特徴とする。

[2] 請求の範囲第 1項記載の温度スィッチの取付構造にぉ、て、

前記温度スィッチ (4)に上から被せられた状態で前記温度スィッチ (4)と共に前記収容凹部に収容される固定用カバー（20)を備え、

前記爪部は前記固定用カバー（20)に設けられている。

[3] 請求の範囲第 2項記載の温度スィッチの取付構造にぉ、て、

前記温度スィッチ (4)は、前記金属容器の上部を覆う榭脂製のキャップ (8)を備え前記固定カバー（20)は、前記キャップ (8)に熱力しめにより取付けられている。

[4] 請求の範囲第 2項記載の温度スィッチの取付構造にぉ、て、

前記固定用カバー（20)は、前記温度スィッチ (4)の上面部を覆う上カバー部（21) と、前記上カバー部（21)の周縁から前記温度スィッチ (4)の側部に沿って下方に延びる 1ないし複数の帯状脚部（22, 61)とから構成され、

前記爪部（26, 62, 83)は、前記帯状脚部（22, 61, 81)に設けられている。

[5] 請求の範囲第 4項記載の温度スィッチの取付構造にぉ、て、

前記固定用カバー（20)は、前記圧縮機（1)のハウジング (2)よりも硬、金属製部材を折り曲げ成形することにより前記上カバー部（21)及び前記帯状脚部（22)並びに前記爪部（26)を一体的に有するように構成され、前記爪部（26)は先のとがった突起カゝら構成されている。

[6] 請求の範囲第 5項記載の温度スィッチの取付構造にぉ、て、

前記爪部（26)は、前記前記帯状脚部（22)のうち幅方向に対向する 2箇所にそれぞれ設けられている。

[7] 請求の範囲第 5項記載の温度スィッチの取付構造にぉ、て、

前記収容凹部（3, 18)に前記温度スィッチ (4)及び前記固定用カバー（20)が収容されたとき、前記帯状脚部 (22)のうち前記爪部 (26)が設けられた部分は弾性力により前記収容凹部（3, 18)の内面に向かって付勢されるように構成されている。

[8] 請求の範囲第 4項記載の温度スィッチの取付構造にぉ、て、

前記帯状脚部（22)の下端部には前記温度スィッチ (4)の底面に係止される係止部 (41)が設けられている。

[9] 請求の範囲第 4項記載の温度スィッチの取付構造にぉ、て、

前記収容凹部（3, 18)には、前記収容凹部（3, 18)内に前記温度スィッチ (4)が収容されたときに前記温度スィッチ (4)の下部と前記収容凹部（3, 18)との間に介在する熱伝導性を有する接着剤（19)が収容され、

前記収容凹部（3, 18)に前記温度スィッチ (4)が収容されたとき、前記帯状脚部（2 2, 61)の一部は前記接着剤（19)に埋設されるように構成されている。

[10] 請求の範囲第 1項記載の温度スィッチの取付構造にぉ、て、

前記温度スィッチ (4)は、前記金属容器 (7)の上部に取付けられた榭脂製のキヤップ (8)を備え、

前記爪部（71)は、前記キャップ (8)に一体成形されて!、る。

[11] 請求の範囲第 1項記載の温度スィッチの取付構造において、

前記温度スィッチ (4)は、前記金属容器 (7)の上部を覆う榭脂製のキャップ (8)を備え、

前記キャップ (8)には、前記温度スィッチ (4)の外周面に沿って下方に延び前記爪部（26)を有する金属製の帯状部材 (51, 52)が埋め込まれて、る。

[12] 請求の範囲第 1項記載の温度スィッチの取付構造において、前記爪部（93, 101)は、前記温度スィッチ (4)の金属容器（7)の一部から構成されている。

[13] 請求の範囲第 1項記載の温度スィッチの取付構造において、

前記収容凹部（3, 18)内には熱伝導性を有する接着剤（19)が収容され、前記温度スィッチ (4)が前記収容凹部（3, 18)に収容されたとき前記温度スィッチ (4)と前記収容凹部（3, 18)との間には前記接着剤（19)が介在すると共に前記爪部（26, 6 2, 71, 83, 93)は前記接着剤（19)に埋設されるように構成されている。

[14] 請求の範囲第 13項記載の温度スィッチの取付構造において、

前記温度スィッチ (4)に上から被せられた状態で前記温度スィッチ (4)と共に前記収容凹部（3, 18)に収容される固定用カバー（20)を備え、

前記爪部（26, 62, 83)は前記固定用カバー（20)に設けられている。

[15] 請求の範囲第 14項記載の温度スィッチの取付構造にぉ、て、

前記固定用カバー（20)は、前記キャップ (8)に熱力しめにより取付けられている。

[16] 請求の範囲第 14項記載の温度スィッチの取付構造にぉ、て、

前記爪部（26, 62, 83)は、前記帯状脚部（22, 61)に設けられている。

[17] 請求の範囲第 16項記載の温度スィッチの取付構造において、

[18] 請求の範囲第 13項記載の温度スィッチの取付構造において、

[19] 請求の範囲第 13項記載の温度スィッチの取付構造において、前記温度スィッチ (4)は、前記金属容器 (7)の上部を覆う榭脂製のキャップ (8)を備え、

[20] 請求の範囲第 13項記載の温度スィッチの取付構造にぉ、て、

前記爪部（93)は、前記温度スィッチ (4)の金属容器 (7)の一部から構成されて！、る。

[21] 請求の範囲第 1項記載の温度スィッチの取付構造において、

前記収容凹部（3, 18)の内面には、前記爪部（61, 71)に対応する係合部（63)が設けられ、

前記収容凹部（3, 18)に前記温度スィッチ (4)が収容されたとき、前記係合部（63 )に前記爪部（61, 71, 83)が下方力係止されることにより前記温度スィッチ (4)は前記収容凹部（3, 18)内に抜け止め状態に保持されるように構成されている。

[22] 請求の範囲第 21項記載の温度スィッチの取付構造にぉ、て、

前記爪部（62, 83)は前記固定用カバー（20)に設けられて、る。

[23] 請求の範囲第 22項記載の温度スィッチの取付構造にぉ、て、

前記固定用カバー（20)は、前記温度スィッチ (4)の上面部を覆う上カバー部（21) と、前記上カバー部（21)の周縁から前記温度スィッチ (4)の側部に沿って下方に延びる 1な!ヽし複数の帯状脚部（61, 81)とから構成され、

前記爪部（62, 83)は、前記帯状脚部（61, 81)に設けられている。

[24] 請求の範囲第 23項記載の温度スィッチの取付構造にぉ、て、

前記爪部（83)は、前記前記帯状脚部（81)のうち幅方向に対向する 2箇所にそれぞれ設けられている。

[25] 請求の範囲第 21項記載の温度スィッチの取付構造にぉ、て、

前記温度スィッチ (4)は、前記金属容器 (7)の上部に取付けられた榭脂製のキヤップ (8)を備え、前記爪 (71)部は、前記キャップ (8)に一体成形されている。

[26] 請求の範囲第 21項記載の温度スィッチの取付構造にぉ、て、

前記温度スィッチは、前記金属容器の上部を覆う榭脂製のキャップを備え、前記キャップには、前記温度スィッチの外周面に沿って下方に延び前記爪部を有する金属製の帯状部材が埋め込まれて!/、る。

[27] 請求の範囲第 21項記載の温度スィッチの取付構造にぉ、て、

前記爪部は、前記温度スィッチの金属容器の一部力構成されて、る。

[28] 請求の範囲第 23項記載の温度スィッチの取付構造にぉ、て、

前記収容凹部（3, 18)に前記温度スィッチ (4)が収容されたとき、前記帯状脚部 (6 1, 81)の一部は前記接着剤（19)に埋設されるように構成されている。