WO2006104288A1

WO2006104288A1 - 自動車用シ－トの高さ調整装置

Info

Publication number: WO2006104288A1
Application number: PCT/JP2006/307416
Authority: WO
Inventors: Masayuki Hoshi; Shinji Sugiyama; Masami Yoshida
Original assignee: Ts Tech Co., Ltd.
Priority date: 2005-03-31
Filing date: 2006-03-31
Publication date: 2006-10-05
Also published as: EP1894769A1; US20090127907A1; EP1894769A4; EP1894769B1; US7984950B2

Description

明細書

自動車用シートの高さ調整装置

技術分野

本発明は、自動車用シートの高さ調整装置に関するものである。背景技術

従来、自動車用シートの高さを調整するための高さ調整装置を備えた自動車用シートが提案されている。また、そのような高さ調製装置は、車内の前後方向にスライド移動可能に構成された自動車用スライドシートにも適用されている（国際公開公報： WO 2 0 0 4 / 0 9 4 1 8 0 A 1 , 日本特許出願公開公報：特開 2 0 0 0— 1 0 8 7 3 4，日本特許出願公開公報：特開 2 0 0 0— 1 2 7 3 1 3，日本特許出願公開公報：特開 2 0 0 1 - 1 3 8 7 8 9 )。

茲で、本発明の理解を容易にするべく、図 1を参照して、従来の高さ調整装置を備えた自動車用シートについて説明する。この高さ調製装置は、スライドレール機構 Sのアツパ —レール A上に設置された左右の立付けブラケット 1 a , 1 bと、シートクッションのサイドフレーム 2との間に備え付けられている。より詳述すると、この高さ調整装置は、リンク 3 , 4を左右対にシートの前後に備え、各リンク 3 , 4を立付けブラケット 1 a , 1 bとサイドフレーム 2との間に、支軸 3 a、 3 b、 4 a、 4 bを介して掛け渡し、リンク 3， 4の左右相互を連結シャフト 5 , 6で一体に保持させて組み立てたリンク基枠 1 5をベースに構成されている。

このリンク基枠 1 5を動作させるために、更に、サイドフレーム 2の片側部に備え付けられる操作ノブ 7と、操作ノブ 7の回転軸 7 aと同軸上でサイドフレーム 2の内側に取り付けられるピニオンギヤ 8と、ピニオンギヤ 8と嚙み合ってサイドフレーム 2に支軸 9 a で回動自在に取り付けられるセクタギヤ 9と、セクタギヤ 9と後側リンク 4との間に連結されるリンクロッド 1 0とを備えている。また、ピニオンギヤ 8，セクタギヤ 9を内側から覆うギヤカバ一 1 2がサイドフレーム 2の内側に取付け固定されており、ピニオンギヤ 8の回転軸 7 a及びセクタギヤ 9の支軸 9 aはシートサイドフレーム 2とギヤカバ一 1 2 とで両持ち保持されている。 '

この自動車用シートの高さ調整装置では、シートが最下位位置で、前後のリンク 3 , 4 が後倒しに保たれている。この状態から、操作ノブ 7を回転操作すると、ピニオンギヤ 8 が回転し、セクタギヤ 9が支軸 9 aを中心として回転することにより、リンクロッド 1 0 が支軸 9 bを支点として前方方向に引張られて移動する。これに伴って、後側リンク 4が枢軸ピン 1 1を支点として立ち上る方向に引っ張られると共に、前側リンク 3が立上り揺動することにより、シートの高さを高く調整することができる。シートの高さを再び低い位置に調整するには、操作ノブ 7を逆方向に操作することにより行うことができる。し力、し、このような高さ調整装置では、シートの高さを下降させた際、最下位位置では、サイドフレーム 2側がブラケット 1 a , 1 bの設置されているアツパ一レール Aに当接することにより停止するようになっている。そのため、着座者がシートの高さを過剰に下降させようと操作する場合や、シートの高さが最下位位置にある状態でシートに過大な荷重が付加された場合などに、サイドフレーム 2がブラケット 1 a， l bの設置されているァッパ一レール Aの面と接触して、接触部位に変形又は損傷が生じることがあった。特に、サイドフレーム 2の変形に伴ってセクタギヤ 9ゃピニオンギヤ 8が煽られると、ピニオンギヤ 8とセクタギヤ 9との嚙み合いが悪くなるという問題があった。

また、ポジションセンサ一やその配線類（ポジションセンサ一の配線やその他の付随する電装品等）がアツパ一レールの上部板面又は近傍に配置されているポジションセンサ一付き自動車用スライドシートに、このような自動車用シートの高さ調整装置を適用させると、着座者がシートの高さを過剰に下降させようと操作する場合や、シートの高さが最下位位置にある状態でシートに過大な荷重が付加された場合などに、ポジションセンサ一やその配線類にサイドフレームが接触して、それらに損傷等が生じる虞もあった。

更に、このような自動車用シートの高さ調整装置では、サイドフレーム 2に前後のリンク 3、 4、操作ノブ 7、セクタギヤ 9、及びリンクロッド 1 0等の多数の部品が装着されているため、サイドフレーム 2の構造やその周りの配置が複雑になり易い。特に、前後のリンク 3、 4を枢支するための各支軸 3 b、 4 bやセクタギヤ 9の支軸 9 a等には、シ一ト自体の荷重や乗員の体重などの大きな荷重が付加され、サイドフレーム 2に直接支持させる場合には、配置関係を設定し難く、自動車用シートの高さ調整装置の構成が複雑になり易かった。

また、このような自動車用シートの高さ調整装置では、リンク基枠 1 5の剛性が不足すると、大きな荷重が付加された際、前後のリンク 3、 4やその周囲の部材に撓みが生じ、自動車用シートを安定して保持し難くなり、或いは、シートの高さ調整操作が行い難くなる。そのため、リンク基枠 1 5の剛性を確保することが望まれるが、操作ノブ 7が配置されている前側リンク 3では、セクタギヤ 9やリンクロッド 1 0等の他の部材の動作を確保する必要があるため、前側リンク 3の配置や形状に制約が多く、リンク基枠 1 5の十分な剛性を確保することは容易でない。

更に、このような自動車用シートの高さ調整装置では、リンク基枠の前後のリンク 3、 4に自動車用シートの全荷重が付加されており、乗員が着座状態では、更に、乗員の体重も付加されることとなる。操作ノブ 7を操作して自動車用シ一トの高さを高く調整する際には、操作ノブ 7の操作だけでこれらの全ての荷重に抗してリンク基枠を立ち上げなければならず、操作ノブ 7を操作するのに大きな力が必要となり、操作し難かった。

そのため、リンク基枠を立上げ方向に付勢する付勢手段を設けることにより操作荷重を低減したものが提案されている（例えば、特開 2 0 0 0— 1 0 8 7 3 4 , 特開 2 0 0 0— 1 2 7 3 1 3 )。し力 ^し、自動車用シートの全荷重や乗員の体重からなる負荷に対して十分な付勢力を得るためには、大型の付勢手段を用いなければならない。また、特開 2 0 0 0 - 1 0 8 7 3 4に記載の自動車用シートでは、偏心シャフトを用いて付勢手段の小形化が図られているものの、偏心シャフトの動作を確保しなければならない。そのため、高さ調整装置が大型化して、シートの最下位位置が高く設定されるという問題点があつた。また、このような自動車用シートの高さ調整装置では、サイドフレーム 2の内側にピニオンギヤ 8，セクタギヤ 9、リンクロッド 1 0が配置されると共に、これらの近傍に前リンク 3が配置されているため、それぞれが動作時に互いに干渉しないように配置しなければならず、構成が複雑で、各部の動作の制限が多くなり易い。その結果、それぞれが十分に円滑に動作できるようにするためには、装置の構成が複雑になり易かつた。発明の開示

本発明は、簡単な構成により、サイドフレームとシート設置ブラケットの設置面との接触を防止して、これらの損傷等を防止できる自動車用シートの高さ調整装置を提供することを目的とする。

また、本発明の別の目的は、自動車用シートの高さ調整装置にポジションセンサ一を備えた自動車用スライドシートにおいて、サイドフレームによりポジションセンサーやその配線類に損傷が生じることを確実に防止できる自動車用シートの高さ調整装置を提供するしとにあ^。

更に、本発明の別の目的は、サイドフレームに支持される支軸を少なくできて、構成を簡単にできる自動車用シートの高さ調整装置を提供することにある。

本発明の更に別の目的は、簡単な構成により、リンク基枠の剛性を確保し易く、リンク基枠によりシートを安定して保持し易い自動車用シートの高さ調整装置を提供することにある。

また、本発明の別の目的は、簡単な構成により、操作ノブの操作荷重を低減し易く、しかもシートの最下位位置を低く抑え易い自動車用シートの高さ調整装置を提供することにある。

更に、本発明の別の目的は、ギヤ間の嚙合いを安定させることができて円滑な動作を確保し易く、しかも構成の簡単な自動車用シートの高さ調整装置を提供することにある。本発明に依れば、シートの高さ調整用のリンクを左右対にシートの前後に配置して、各リンクを左右のシート設置ブラケッ卜と左右のサイドフレームとに掛け渡すと共に、左右のリンクを連結シャフトで一体に保持したリンク基枠を備え、シートの片側部に操作ノブを備え付けて、操作ノブとリンク基枠との間を操作伝達部により接続し、操作ノブの操作に対応してリンク基枠を上下に揺動可能に構成された自動車用シートの高さ調整装置において、リンク基枠の揺動範囲の最下位置を、シート設置ブラケットの設置面とサイドフレ —ムとが離間する位置に制限するストッパ手段が設けられた自動車用シートの高さ調整装置が得られる。

ストッパ手段は、リンク基枠の少なくとも 1つのリンクの揺動下降側に突出して形成された突起部を備え、突起部がシート設置ブラケットの設置面と当接することでリンク基枠の揺動範囲の最下位置が制限されるようになっている。自動車用シートは、車体フロアに取り付けられたロアレ一ルと、ロアレールにスライド可能に組付けられたアッパーレールとにより成るスライドレール機構を介して車内で前後動可能に構成され、ロアレールとアッパーレールとの相対位置を検出するポジションセンサ一がアツパ一レールに配設されると共に、このアッパーレールとサイドフレームとの間にリンク基枠が設けられ、ストッパ手段がポジションセンサ一とサイドフレームとが離間した位置に制限するよう構成されている。

操作伝達部が、操作ノブの操作に対応して回動可能にサイドフレームに枢支された回動伝達部材と、回動伝達部材の回動中心と偏心する位置とリンク基枠の後側リンクとを接続するリンクロッドとを有し、リンク基枠の前側リンクのサイドフレームに対する回動中心と回動伝達部材の回動中心とが同軸に設けられている。回動伝達部材及び前側リンクの回動中心となる支軸は、サイドフレームを貫通して配置され、サイドフレームの一側面側に回動伝達部材が配置されると共に他側面側に前側リンクが配置されている。

リンク基枠の前側リンクが、シ一ト設置ブラケットとシートサイドフレームとの間のリンク本体から延びる延長部を一体に有し、この延長部に回動伝達部材の偏心位置とリンクロッドとが連結されている。前側リンクの本体部と回動伝達部材とが同軸にシートサイドフレームに枢支されている。回動伝達部材と前側リンクとが相対回動可能に設けられると共に、回動伝達部材の偏心位置とリンクロッドとが連結ピンにより連結され、この連結ピンが前側リンクの延長部に弧状に形成された長孔に支持されている。

サイドフレームの側面側にスパイラルスプリングを配置し、サイドフレームにリンクを枢支する支軸にスパイラルスプリングの内側端部を固定して、外側端部によりリンク基枠を立上り方向に付勢するようになっている。スパイラルスプリングの外側端部は、内側端部を固定した支軸により枢支されるリンクに係止されている。

シートサイドフレームに回動伝達部材を枢支する支軸にスパイラルスプリングの内側端部を固定して、外側端部によりリンクロッドと回動伝達部材とを連結する連結ピンをリンク基枠の立上り方向に付勢するよう構成することができる。

回転伝達手段が、操作ノブの回転軸に取り付けられたピニオンギヤと、ピニオンギヤと嚙み合って回転可能にサイドフレームに枢支されたセクタギヤと、セクタギヤの回動中心と偏心する位置とリンク基枠の後側リンクとの間を連結するリンク口ッドにより構成されている。サイドフレームの内側にリンク基枠を配置し、サイドフレームの外側にギヤケ一スを固定し、ギヤケースに操作ノブが装着すると共に、ギヤケースとシートサイドフレームとの間にピニオンギヤ及びセクタギヤを配置するよう構成してもよい。

操作ノブに所定回動角毎に回転軸の回動を解除可能に係止できるラチエツト機構を設けるよう構成することもできる。

サイドフレームの内側にリンクロッドを配置すると共に、このリンクロッドとセクタギャとを、サイドフレームの貫通孔を貫通する連結ピンにより連結し、この連結ピンより前方側にピニオンギヤを配置するよう構成することができる。ピニオンギヤが取り付けられた操作ノブの回転軸は、サイドフレームに支持されている。セクタギヤ及び/又はピニォンギヤが、サイドフレームとギヤケースとに回動可能に挟持されている図面の簡単な説明

本発明の上述した目的及びその他の目的並びに付随する多くの利点については、後述する詳細な説明と添付図面とを参照することにより、より明確に理解できるであろう。図中において、同じ部品は図面を通して同じ参照符号を付した。

図 1は、従来の自動車用シートの高さ調整装置を低位の設定位置で示す側面図である。図 2は、本発明に係る自動車用シートの高さ調整装置を低位の設定状態で示す側面図である。

図 3は、本発明に係る自動車用シートの高さ調整装置の前側リンクの回りに配置した機構の分解斜視図である。

図 4は、図 2の B— B線断面図である。

図 5は、図 2の C一 C線断面図である。

図 6は、本発明に係る自動車用シートの高さ調整装置にスパイラルスプリングを装着した状態をサイドフレームの内側から示す側面図である。

図 7は、本発明に係る自動車用シートの高さ調整装置の操作ノプが設けられていない側のサイドフレーム周りを示す図 2の B— B線断面図である。

図 8は、本発明に係る自動車用シートの高さ調整装置を高位の設定状態で示した側面図である。好ましい具体例の詳細な説明

以下、本発明に係る自動車用シートの高さ調整装置の好ましい具体例について、添付図面を参照して説明する。図示自動車用シートの高さ調整装置は、図 2で示すようにスライドレール機構 Sを介して車内の前後方向ヘスライド移動可能に構成されたスライド式シ一ト全体の高さを調整するものとして備え付けられている。このスライドレール機構 Sは、車体フロアに設置された一対のロアレール R (片側のみ図示）と、そのロアレ一ル Rにスライド自在に支持された一対のアッパーレール A (片側のみ図示）とにより構成されている。

その自動車用シートにおいては、高さ調整装置は、アッパーレール Aのレ一ル上に設置される左右のシート設置ブラケットとしての立付けブラケット 1 a , 1 bとサイドフレーム 2との間に備え付けられたリンク基枠 1 5をべ一スに組み立てられている。このリンク基枠 1 5は、サイドフレーム 2間の内側に配置されており、リンク 3 , 4を左右対にシ一トの前後に備え、各リンク 3， 4を立付けブラケット 1 a, 1 bとサイドフレーム 2との間に掛け渡し、リンク 3， 4の左右相互を連結シャフト 5， 6で一体に保持させて組み立てられている。

前側リンク 3は、左右のサイドフレーム 2の内面側に配置されている。各前側リンク 3 は、左右対称に形成され、サイドフレ一ム 2と立付けブラケット 1 aとの間に掛け渡される本体部 3 cと、本体部 3 c力ら外側に略くの字状となるように延長された延長部 3 dとを有するプレート部材からなる。本体部 3 cは前側リンク 3の折曲り中腹部となる本体部 3 cの上端寄りが支軸 3 bでサイドフレーム 2に軸承枢支されると共に、下端寄りが支軸 3 aで立付けブラケット 1 aに軸承枢支されることにより、立付けブラケット 1 aとサイドフレーム 2とに挂ト渡し装着されている。

後側リンク 4は、左右のサイドフレーム 2の内面側に配置されており、片側の後側リンク 4はサイドフレーム 2と立付けブラケット 1 bとの間に掛け渡される本体部 4 cと、本体部 4 cから外側に延長された延長部 4 dとを有する略くの字状のプレート部材からなると共に、他片側の後側リンク 4が延長部 4 dのない本体部 4 cに対応する略直線状に形成されたプレート部材（図示せず）からなる。

この後側リンク 4では、左右相互を一方の本体部 4 cの上端寄りと他方の上端寄りとで連結シャフト 6により一体に保持されている。詳細な図示は省略されているが、この連結シャフト 6の両端部から車幅方向外側に突出した支軸 4 bによりサイドフレーム 2の板面に軸承枢支され、下端寄りが支軸 4 aで立付けブラケット 1 bに軸承枢支されることにより、立付けブラケット 1 bとサイドフレーム 2とに掛渡し装着されている。

この実施の形態では、後側リンク 4の支軸 4 a、 4 b間の距離は、前側リンク 3の支軸 3 a、 3 b間の距離より長く形成されている。

左右の前側リンク 3の本体部 3 cの揺動下降側である下側縁部と、左右の後側リンク 4 の支軸 4 a、 4 b間の揺動下降側である下側縁部とには、それぞれ突起状のストッパ部 3 e、 4 eが設けられている。このストッパ部 3 e、 4 eは、シート高の下降側にリンク基枠 1 5が揺動した際、その揺動範囲の最下位置に達すると、アッパーレール Aの所定の当接部位に当接して、揺動が制限されるように構成されている。ここではストッパ部 3 e、 4 eが当接部位 A iに当接した状態では、図 2に示すように、シート設置ブラケットの設置面となるァッパ一レール Aとサイドフレームとが離間した状態に保たれる。

図 3乃至は図 5に示すように、この高さ調整装置ではこのようなリンク基枠 1 5を上下に揺動させるための操作ノブ 7がシートの片側部に備え付けられ、操作ノブ 7とリンク基枠 1 5との間が操作伝達部 2 0により接続されて組み立てられている。

操作ノブ 7は、レバ一形状を有し、サイドフレーム 2の一方の前側リンク 3付近の外側に沿って固定されたギヤケース 2 2に装着されている。詳細な図示は省略されているが、操作ノブ 7は、回転軸 7 aと、この回転軸 7 aの回動を所定回動角毎に解除可能に係止できるラチエツト機構 7 cとを有しており、回転軸 7 aの先端部をギヤケース 2 2の板面内側に揷通して、サイドフレーム 2に支持させた状態で、軸受けフレーム 7 bをギヤケース 2 2の板面外側に取付け固定することにより、装着されている。

この操作ノブ 7は、図 2に示すサイドフレーム 2の側面側の中立位置 Pから上向き r 1 及び下向き r 2の両方向に所定量だけ回動操作が可能で、開放することにより中立位置 P に自動復帰可能となっている。この操作ノブ 7の回動及び復帰を繰り返すことで、ラチェット機構 7 cにより回転軸 7 aの回動量を所定量毎に増加又は減少可能である。操作伝達部 2 0は、サイドフレーム 2の外面とギヤケース 2 2の内面との間に形成された収容空間 2 2 a内に回動可能に配置されて操作ノブ 7の回転軸 7 aに固定されたピニォンギヤ 8と、同じく収容空間 2 2 a内に回動可能に配置されてピニオンギヤ 8と嚙み合わされた回動伝達部材としてのセクタギヤ 9と、サイドフレーム 2の内面側に配置されて、セクタギヤ 9と後側リンク 4の延長部 4 dとの間を連結するリンクロッド 1 0とを備えて組み立てられている。

セクタギヤ 9は、サイドフレーム 2を貫通して配置される前側リンク 3の支軸 3 bに支持されている。

この支軸 3 bは、側周面に一対の平行面 3 gを有し、この側周面に対応した形状のサイドフレーム 2の貫通孔 2 gに嵌合することにより、サイドフレーム 2に対して回動不能に固定されている。

セクタギヤ 9は、この支軸 3 bの端部に回動可能に枢支されており、支軸 3 bを回動中心としてサイドフレーム 2に対して回動可能である。この支軸 3 bの他端部には前側リンク 3が回動可能に枢支されているため、セクタ一ギヤ 9は、前側リンク 3と同軸に相対回動可能となっている。

このセクタギヤ 9が支軸 3 b側から広がる略扇形を呈し、その弧状部位でピニオンギヤ 8と嚙み合わされているため、操作ノブ 7の操作によるピニオンギヤ 8の回動に応じて、略扇形の弧状部位の範囲内で回動可能である。

これらのピニオンギヤ 8及びセクタギヤ 9は、収容空間 2 2 a内で回動可能とされることで、サイドフレーム 2の外面とギヤケース 2 2の内面との間で変位が規制されている。この実施の形態では、ギヤケース 2 2の内面側に変形された変形部 2 2 bとサイドフレ一ム 2との間でピニオンギヤ 8及びセクタギヤ 9を摺動可能に挟持することにより、ピニォンギヤ 8とセクタギヤ 9との嚙み合わせ部位近傍の変位がより確実に規制されている。セクタギヤ 9の支軸 3 bとは偏心したピニオンギヤ 8の後方側となる位置には、図 3及び図 5に示すように、内側に向けて突出する連結ピン 9 bが回動不能に固定して設けられている。一方、サイドフレーム 2の連結ピン 9 bに対応する位置には、支軸 3 bを中心に弧状の貫通孔としての長孔 2 4 aが設けられており、連結ピン 9 bは、この長孔 2 4 aを貫通してサイドフレーム 2の内側に突出して配置されている。この長孔 2 4 aの長さはセクタギヤ 9の最大の回動量を許容する長さとなっている。

更に、前側リンク 3の延長部 3 dの連結ピン 9 bに対応する位置にも、支軸 3 bを中心に弧状の長孔 2 4 bが設けられており、連結ピン 9 bは長孔 2 4 bを通して前側リンク 3 の内側に突出して配置されている。延長部 3 dの長孔 2 4 bの長さは、前側リンク 3の本体部 3 cと後側リンク 4の本体部 4 cとの長さの差などに起因して生じる前側リンク 3の回動量とセクタギヤ 9の回動量との差を許容する長さとなっている。なお、この長孔 2 4 bの幅は、連結ピン 9 bが摺動可能な狭い幅とすることにより、連結ピン 9 bの幅方向の変位を阻止するように構成してもよい。

この前側リンク 3の内側に突出した連結ピン 9 bの内側端部がリンクロッド 1 0に回動可能に枢支されることにより、セクタギヤ 9の支軸 3 bから偏心した位置とリンクロッド 1 0とが連結されている。

リンクロッド 1 0は、このような連結ピン 9 bの内側端部と後側リンク 4の延長部 4 d に固定された連結ピン 9 cとの間を連結することにより、セクタギヤ 9の前後方向の回動をリンク基枠 1 5に伝達するようになっている。

図 3乃至は図 5示すように、前側リンク 3とセクタギヤ 9との間のサイドフレーム 2の内側となる位置には、スパイラルスプリング 2 5が配置されている。このスパイラルスプリング 2 5は、図 6に示すように、内側端部がセクタギヤ 9及び前側リンク 3を支持する支軸 3 bの一対の平行面 3 gに回動不能に固定されている。

このスパイラルスプリング 2 5は、前側リンク 3の倒れ方向周りに拡径するように支軸 3 b周囲に巻回され、外側端部がセクタギヤ 9とリンクロッド 1 0とを連結する連結ピン 9 bに係止されることにより、セクタギヤ 9がリンク基枠 1 5の前側リンク 3及び後側リンク 4の立上り方向となる回動方向に付勢されている。

一方、操作ノブ 7が配置されていない側のサイドフレーム 2では、操作伝達部 2 0が設けられておらず、図 7に示すように、サイドフレーム 2の外側に、前側リンク 3の延長部 3 dに対応する形状の補強プレート 2 6が配置されている。この補強プレート 2 6は、サィドフレーム 2を貫通して配置されている支軸 3 bから偏心した位置に設けられた連結ピン 3 f により、前側リンク 3の延長部 3 dに移動不能に固定されている。また、サイドフレーム 2の連結ピン 3 f に対応する位置には、支軸 3 bを中心に弧状の長孔 2 4 aが設けられており、連結ピン 3 fは長孔 2 4 aを貫通した状態で配置されている。この補強プレ —ト 2 6は前側リンク 3と一体に支軸 3 bを中心に回動可能である。

補強プレート 2 6と前側リンク 3との間のサイドフレーム 2の内側となる位置には、上述と同様のスパイラルスプリング 2 5が配置されている。このスパイラルスプリング 2 5 は、内側端が支軸 3 bに回動不能に係止されると共に、外側端が連結ピン 3 f に係止されており、リンク基枠 1 5の前側リンク 3を、直接、立上り方向に付勢している。

また、この実施の形態の高さ調整装置には、図 5 , 図 7に示すように、スライドレール Sのロアレール Rとアッパーレール Aとの相対位置を検出して、自動車用シ一トのスライド位置を示す位置信号を発するするポジションセンサ一 Pが装着されている。

このポジションセンサ一 Pは、ロアレ一ル Rに被検出体 2 7等が装着され、スライドレ —ル Sのアッパーレール Aには、検出体 2 8や端子部 2 9等が装着されて上面部から上方に突出した状態で固定されている。さらに、端子 2 9には配線 P iが接続されている。ここでは、配線 P iを介して図示しない各種の電気 ·電子機器と接続されており、例えば、ポジションセンサ一 Pが発した位置信号を衝突時のエア一バッグの制御等に利用できるように構成されている。

このポジションセンサ一 Pでは、アッパーレール Aに装着された検出体 2 8、端子部 2 9、配線 P iが、何れも、ストッパ部 3 e、 4 eと当接する当接部位八ェとは異なる位置に配置されている。そして、シート高の下降側にリンク基枠 1 5が揺動して、ストッパ部 3 e、 4 eが当接部位 A iに当接すると、サイドフレーム 2がポジションセンサ一 Pやその配線 P ₁類から離間した位置に保たれるように構成されている。

このように構成された自動車用シートの高さ調整装置では、図 2に示すように、シート全体の高さが最下位に配置されていると、セクタギヤ 9がピニオンギヤ 8と嚙み合った状態で回動範囲の一端側に配置され、これによりリンクロッド 1 0がセクタギヤ 9で後に押し込められた状態で、前後のリンク 3 , 4が後倒しに保たれている。このとさ、各リンク 3、 4のストッパ部 3 e、 4 eが、立付けブラケット l a、 1 bが設置されたアツパ一レ —ル Aの当接部 A iに当接した状態となっている。

その状態から、操作ノブ 7を図 2の矢印 r 1方向に回動操作すると、ラチエツト機構 7 を介してピニオンギヤ 8が回転し、サイドフレーム 2とギヤケ一ス 2 2との間で支持された状態でピニオンギヤ 8の回転がセクタギヤ 9に伝達され、スパイラルスプリング 2 5により付勢されつつ、支軸 3 bを中心としてセクタギヤ 9が回動範囲の他端側に回動する。これにより、セクタギヤ 9に連結ピン 9 bで連結されたリンクロッド 1 0が前方に引張られて移動し、後側リンク 4が支軸 4 aを支点として立ち上る方向に引っ張られる。このとり立上り方向に付勢されている。そして、この操作ノブ 7の回動操作により、リンク基枠 1 5が上方に揺動し、図 8に示すようにシート全体の高さが上昇する。操作ノブ 7の回動操作の終了後には、ラチェット機構 7 cにより回転軸 7 aが係止されて、上昇後のシ一ト全体の高さが保持される。

再び、シート全体の高さを下降させるには、操作ノブ 7を前記と反対方向に回転操作することにより、シート重量などが負荷された状態で、リンク基枠 1 5を下方に揺動させることにより行う。そして、シート全体の高さが最下位置に達すると、図 2に示したように、各リンク 3、 4のストッパ部 3 e、 4 eが、立付けブラケット l a、 1 bが設けられたァッパ一レール Aの当接部に当接し、リンク基枠 1 5の揺動が制限される。

以上のような自動車用シートの高さ調整装置によれば、立付けブラケット l a、 l bの設置面であるアッパーレール Aとサイドフレーム 2とを離間した位置に保持できるように、リンク 3、 4にストッパ部 3 e、 4 eが設けられているので、着座者がシートの高さを過剰に下降させようと操作したり、シートの高さが最下位置にある状態でシ一トに過大な荷重が負荷されても、ス卜ッパ部 3 e、 4 eによりリンク基枠 1 5の揺動範囲の最下位置が制限されて、アッパーレ一ル Aとサイドフレーム 2とが接触することを確実に防止することができる。

そのため、リンク 3、 4やリンク基枠 1 5、或いはサイドフレーム 2、更にはアッパーレール A等に損傷や変形を生じることがなく、変形に伴ってピニオンギヤ 8とセクタギヤ 9との嚙み合いが悪くなるようなことを防止することができる。

しかも、ストッパ部 3 e、 4 eは、リンク基枠 1 5の揺動を、その最下位置で当接して制限できればよいため、構成が極めて簡単である。

また、この自動車用シートの高さ調整装置では、ロアレール Rとアッパーレール Aとの相対位置を検出するポジションセンサ一 Pがアッパーレール Aに配設され、ストッパ部 3 e、 4 eがポジションセンサ一 Pとサイドフレーム 2とを離間した位置に制限するように構成されているので、着座者がシートの高さを過剰に下降させようと操作したり、シートの高さが最下位置にある状態でシートに過大な荷重が負荷されても、ストッパ部 3 e、 4 eがアッパーレール Aの当接部 A iに当接しているためリンク基枠 1 5の揺動を物理的に制限でき、サイドフレーム 2とポジションセンサー Pやその配線 P i類との間を確実に離間した状態で維持することができる。そのため、ポジションセンサー Pやその配線 P i類がサイドフレーム 2により損傷されたり、破断されることを確実に防止することが可能である。

更に、自動車用シートの高さ調整装置によれば、操作伝達部 2 0が、シートサイドフレ —ム 2に枢支されたセクタギヤ 9と、セクタギヤ 9とリンク基枠 1 5の後側リンク 4との間を接続するリンクロッド 1 0とを有し、このセクタギヤ 9と前側リンク 3とが同一の軸体からなる支軸 3 bにより支持されているので、前側リンク 3の支軸とセクタギヤ 9の支軸とを別々に配設する必要がない。そのため軸体を少なくでき、自動車用シートの高さ調整装置の構成を簡単にすることができる。

ここでは、セクタギヤ 9及び前側リンク 3の支軸 3 aがシートサイドフレーム 2を貫通して配置され、シートサイドフレーム 2の外側にセクタギヤ 9が配置されると共に内側に前側リンク 3が配置されているので、セクタギヤ 9から支軸 3 bに作用する応力と前側リンク 3から支軸 3 aに作用する応力とが、それぞれサイドフレーム 3に狭い幅で支持されている支軸 3 bの両側に負荷される。そのため、シートサイドフレーム 3の一方側にセク夕ギヤ 9及び前側リンク 3の両方が配置される場合に比べ、両者からの応力が支軸 3 bに同時に作用しても、支軸 3 bのシートサイドフレーム 3への取付部分を支点とするモ一メントを小さくすることができて、強度等を確保し易く、自動車用シートの高さ調整装置の確実な動作を得易い。

また、セクタギヤ 9を一方向に付勢するスパイラルスプリング 2 5がシートサイドフレ —ム 2を介してセクタギヤ 9とは反対側に配置されているので、セクタギヤをシ一トサイドフレーム 2に近接させることにより安定して配置し易い。そのため、セクタギヤ 9の支軸 3 bと連結ピン 9 bとの間に、スパイラルスプリング 2 5の付勢力やリンクロッド 1 0 からの応力が作用しても、セクタギヤ 9の橈み等を防止し易く、セクタギヤ 9とピニオンギヤ 8との安定した嚙合いを確保することができ、自動車用シートの高さ調整装置の確実な動作を得易い。

また、本発明による自動車用シートの高さ調整装置によれば、前側リンク 3がシ一トサィドフレーム 2側の支軸 3 bより外側に延びる延長部 3 dを一体に有し、この前側リンク 3の延長部 3 dに、セクタギヤ 9とリンクロッド 1 0とを連結する連結ピン 9 bが連結されているので、前側リンク 3が立付けブラケッ卜 1 a側の支軸 3 a、シートサイドフレ一ム 2側の支軸 3 b、及びセクタギヤ 9の連結ピン 9 bの 3箇所において支持されて橈み難い。しかも、大きな荷重が負荷され易い前側リンク 3、セクタギヤ 9、及びリンクロッド 1 0が、一点で互いに連結されているため、夫々が別々に撓むことが防止できる。そのため、リンク基枠 1 5の剛性を確保することができ、シートを上昇させた状態でシートの荷重や乗員の体重等の大きな荷重が負荷されてもシートを安定して保持し易い。

ここでは、セクタギヤ 9と前側リンク 3の本体部 3 cとが、シートサイドフレーム 2に回動可能に支軸 3 bに同軸に枢支されて、互いに連結されているので、前側リンク 3の延長部 3 dとセクタギヤ 9とが同軸に回動するため、セクタギヤ 9の連結ピン 3 f を前側リンク 3の延長部 3 dに容易に連結でき、構成を簡単にすることができる。同時に、撓み等によりシ一ト高の調整操作が行い難くなることも防止できる。

また、セクタギヤ 9と前側リンク 3とが相対回動可能に設けられ、セクタギヤ 9とリンクロッド 1 0とを連結する連結ピン 9 bが、前側リンク 3の延長部 3 dに回動方向に形成された長孔 2 4 bに支持されているので、セクタギヤ 9と前側リンク 3の延長部 3 dとを連結ピン 9 bで連結していても、それぞれの回動量を異ならせることができる。そのため、セクタギヤ 9にリンクロッド 1 0を介して連結された後側リンク 4の回動量と前側リンク 3の回動量とを異ならせることが可能で、リンク基枠 1 5をより適切に揺動させることが可能である。

そのシート全体の高さ調整に伴っては、リンク基枠 1 5の後側リンク 4が、セクタギヤ 9及びリンクロッド 1 0を介してスパイラルスプリング 2 5によりリンク基枠 1 5の立上り方向に付勢され、また、セクタギヤ 9及びリンクロッド 1 0が設けられていない側の前側リンク 3がスパイラルスプリング 2 5により直接立上り方向に付勢されているので、リンク基枠 1 5にシートの荷重や乗員の荷重が負荷されていても、操作ノブを操作してリンク基枠 1 5を上方に揺動させる際の操作ノブ 7の操作荷重は低減され、スパイラルスプリング 2 5を設けない場合に比べて簡単に少ない力で操作することができる。

ここでは、スパイラルスプリング 2 5の内側端部がシ一トサイドフレーム 2に支持された支軸 3 に回動不能に固定されると共に、外側端部が支軸 3 に回動可能に枢支されたセクタギヤ 9又は前側リンク 3の延長部 3 dに連結ピン 9 b、 3 f を介して固定されているので、スパイラルスプリング 2 5を支持するための部材が不要で、部品点数を少なくでき、高さ調整装置の構造を簡単にすることができる。

しかも、操作ノブ 7が設けられていないシートサイドフレーム 2側では、スパイラルスプリング 2 5により、前側リンク 3の回動中心である支軸 3 bに対して、前側リンク 3を回動方向に付勢するため、直線的に付勢する場合などに比べ、リンク基枠 1 5の揺動量や前側リンク 3の回動量に関わらず、前側リンク 3への安定した付勢力が得られる。一方、操作ノブ 7が設けられているシ一トサイドフレーム 2側では、スパイラルスプリング 2 5 によりセクタギヤ 9の回動中心である支軸 3 bに対して、セクタギヤを回動方向に付勢するため、直線的に付勢する場合などに比べ、リンク基枠 1 5の揺動量やセクタギヤ 9の回動量に関わらず、セクタギヤ 9への安定した付勢力が得られる。

その際、操作ノブ 7が設けられていない側では、スパイラルスプリング 2 5により、他の部材を介することなく、前側リンク 3を直接付勢することができるため、スパイラルスプリング 2 5の付勢力のロスが少なく、効率よく付勢することができ、スパイラルスプリング 2 5の小形化を図ることができる。

一方、操作ノブ 7が設けられている側では、リンクロッド 1 0とセクタギヤ 9とを連結する連結ピン 9 f に、スパイラルスプリング 2 5を固定しているので、セクタギヤ 2 5に回動方向の付勢力を直接付与することができ、他の部材を介してセクタギヤ 2 5を付勢する場合に比べて、セクタギヤ 2 5の円滑な動作を確保し易く、操作性を向上することができる。

この高さ調整装置では、スパイラルスプリング 2 5をシ一トサイドフレーム 2の側面側に配置しているため、シートサイドフレーム 2の縦方向の幅により、スパイラルスプリング 2 5の外径形状分の配置スペースを確保することができ、大型のスパイラルスプリング 2 5を容易に配置することが可能である。そのため、十分な付勢力を確保すると同時に、大型のスパイラルスプリング 2 5を配置しても、シート及び高さ調整装置の縦方向の幅を十分に抑えることができ、シー卜の最低高を低く抑えることが可能である。

また、本発明に係る自動車用シートの高さ調整装置によれば、シートサイドフレーム 1 の内側にリンク基枠 1 5が配置され、シ一トサイドフレーム 2の外側に固定されたギヤケ —ス 2 2に操作ノブ 7が装着されると共に、ギヤケース 2 2内にピニオンギヤ 8及びセク夕ギヤ 9が配置されているので、リンク基枠 1 5の前側リンク 3のシートサイドフレーム 2への連結位置に拘らず、操作ノブ 7、ピニオンギヤ 8及びセクタギヤ 9を配置することができる。そのため、適切な大きさのピニオンギヤ 8及びセクタギヤ 9をシートサイドフレーム 2に近接して配置することができ、リンクロッド 1 0からの荷重が負荷されても、シートサイドフレーム 2の外面やギヤケ一ス 2 2の内面でピニオンギヤ 8とセクタギヤ 9 との橈み等を防止して嚙合いを安定に保つことが可能であり、簡単な構成で、円滑な動作を確保し易い。

ここでは、シートサイドフレーム 2に枢支されたセクタギヤ 9がシートサイドフレーム 2を介してリンクロッド 1 0と反対側に配置されて連結ピン 9 bにより連結され、この連結ピン 9 bより前方側にピニオンギヤ 8が配置されているので、リンクロッド 1 0から負荷される荷重によりセクタギヤ 9に倒れ方向の力が作用しても、その方向が常にピニオンギヤ 8側となるため、よりピニオンギヤ 8とセクタギヤ 9との嚙合いを安定ィ匕できる。また、ピニオンギヤ 8が取り付けられた操作ノブ 7の回転軸 7 aがシートサイドフレーム 2に支持されているので、ピニオンギヤ 8をシートサイドフレーム 2とギヤケース 2 2 とで両持ち状態で保持することができ、ピニオンギヤ 8の倒れを防止して、より嚙合いを安定化できる。

しかも、セクタギヤ 9とピニオンギヤ 8が、シートサイドフレーム 2とギヤケース 2 2 の変形部 2 2 bとの間に回動可能に挟持されているので、セクタギヤ 9とピニオンギヤ 8 の幅方向の変位や変形を防止でき、よりピニオンギヤとセクタギヤとの嚙合いを安定化できる。

なお、上記実施の形態では、リンク 3、 4にストッパ部 3 e、 4 eを設けた例について説明したが、ストッパ部を他の部位に設けることも可能である。例えば、アッパーレール

Aの当接部に、突起部を設けて、リンク基枠 1 5の揺動最下降位置においてリンク 3、 4に当接するように構成することも可能である。更に、上記では、全てのリンク 3、 4にストッノ咅 B 3 e、 4 eを設けたが、一部のリンクにだけ設けるようにしてもよい。また、上記実施の形態では、リンク基枠 1 5の前側リンク 3の支軸 3 bにスパイラルスプリング 2 5を装着した例について説明したが、スパイラルスプリング 2 5を後側リンク 4の支軸 4 bに装着して前側リンク 3を間接的に立上げ方向に付勢したり、後側リンク 4を直接的に立上げ方向に付勢することも可能である。更に、上記実施の形態では、操作伝達部 2 0 にピニオンギヤ 8及びセクタギヤ 9を用いた例について説明したが、限定されるものではなく、操作ノブ 7の操作に応じて回動可能なアームやプレート部材等を配置して、前側リンク 3の延長部 3 dと連結するようにしてもよい。

本明細書中で使用した用語及び表現は、本発明を説明するために便宜的に使用したに過ぎないものであって、本発明の内容を何等限定するものではない。そのような用語及び表現を用いたからと言って、そのことに、上述した本発明の構成要素及び特徴と均等なもの又はその一部を排除することを意図するものではない。権利が要求されている本発明の範圏内で種々の変更を加えることが可能であることは明らかである。

Claims

請求の範囲

1 . シート高さ調整用のリンクを左右対にシートの前後に配置して、各リンクを左右のシート設置ブラケットと左右のサイドフレームとに掛け渡すと共に、左右のリンクを連結シャフトで一体に保持したリンク基枠を備え、シートの片側部に操作ノブを備え付けて、操作ノブとリンク基枠との間を操作伝達部により接続し、操作ノブの操作に対応してリンク基枠を上下に揺動可能に構成された自動車用シートの高さ調整装置において、

リンク基枠の揺動範囲の最下位置を、シ一ト設置ブラケットの設置面とサイドフレームとが離間する位置に制限するストッパ手段が設けられていることを特徴とする自動車用シ一卜の高さ調整装置。

2 . ストッパ手段が、リンク基枠の少なくとも 1つのリンクの揺動下降側に突出して形成された突起部を備え、突起部がシート設置ブラケッ卜の設置面と当接することで前記リンク基枠の揺動範囲の最下位置が制限されることを特徴とする請求項 1に記載の自動車用シ一卜の高さ調整装置。

3 . 車体フロアに取り付けられたロアレールと、ロアレールにスライド可能に組付けられたァッパーレールとを備え、口ァレールとアツパーレールとの相対位置を検出するポジションセンサーがアッパーレールに配設されると共に、このアッパーレールとサイドフレ —ムとの間にリンク基枠が設けられ、ストッパ手段がポジションセンサーとサイドフレ一ムとを離間した位置に制限するものであることを特徴とする請求項 1又は 2に記載の自動車用シートの高さ調整装置。

4. シート高さ調整用のリンクを左右対にシートの前後に配置して、各リンクを左右のシート設置ブラケットと左右のシートサイドフレームとに掛け渡すと共に、左右のリンクを連結シャフトで一体に保持したリンク基枠を備え、シートの片 ffl部に操作ノブを備え付けて、操作ノブとリンク基枠との間を操作伝達部により接続し、操作ノブの操作に対応してリンク基枠を上下に揺動可能に組み立てられてなり、操作伝達部が、操作ノブの操作に対応して回動可能にシートサイドフレームに枢支された回動伝達部材と、回動伝達部材の回動中心と偏心した偏心位置とリンク基枠の後側リンクとを接続するリンクロッドとを有する自動車用シートの高さ調整装置において、

リンク基枠の前側リンクのシ一トサイドフレームに対する回動中心と回動伝達部材の回動中心とを同軸に設けたことを特徴とする自動車用シートの高さ調整装置。

5 . 回動伝達部材及び前側リンクの回動中心となる支軸がシ一トサイドフレームを貫通して配置され、シートサイドフレームの一側面側に回動伝達部材が配置されると共に他側面側に前側リンクが配置されていることを特徴とする請求項 4に記載の自動車用シ一卜の高さ調整装置。

6 . シート高さ調整用のリンクを左右対にシートの前後に配置して、各リンクを左右のシート設置ブラケットと左右のシ一トサイドフレームとに掛け渡すと共に、左右のリンクを連結シャフトで一体に保持したリンク基枠を備え、シートの片側部に操作ノブを備え付けると共に、操作ノブとリンク基枠との間を操作伝達部により接続し、操作ノブの操作に対応してリンク基枠を上下に揺動可能に組み立てられてなり、操作伝達部が、操作ノブの操作に対応して回動可能にシートサイドフレームに枢支された回動伝達部材と、回動伝達部材の回動中心から偏心した偏心位置とリンク基枠の後側リンクとを接続するリンクロッドとを備える自動車用シートの高さ調整装置において、

リンク基枠の前側リンクが、シート設置ブラケットとシートサイドフレームとの間のリンクの本体部から延びる延長部を一体に有し、この延長部に回動伝達部材の偏心位置とリンクロッドとが連結されていることを特徴とする自動車用シートの高さ調整装置。

7. 前側リンクの本体部と回動伝達部材とが同軸にシ一トサイドフレームに枢支されていることを特徴とする請求項 6に記載の自動車用シ一卜の高さ調整装置。

8. 回動伝達部材と前側リンクとが相対回動可能に設けられると共に、回動伝達部材の偏心位置とリンクロッドとが連結ピンにより連結され、この連結ピンが前側リンクの延長部に弧状に形成された長孔に支持されていることを特徴とする請求項 7に記載の自動車用シートの高さ調整装置。

9. シート高さ調整用のリンクを左右対にシートの前後に配置して、各リンクを左右のシート設置ブラケットと左右のシートサイドフレームとに掛け渡すと共に、左右のリンクを連結シャフ卜で一体に保持したリンク基枠を備え、シートの片側部に操作ノブを備え付けると共に、操作ノブとリンク基枠との間を操作伝達部により接続し、操作ノブの操作に対応してリンク基枠を上下に揺動可能に組み立てられてなる自動車用シ一卜の高さ調整装置において、

シートサイドフレームの側面側にスパイラルスプリングを配置し、シートサイドフレームにリンクを枢支する支軸にスパイラルスプリングの内側端部を固定して、外側端部によりリンク基枠を立上り方向に付勢したことを特徴とする自動車用シートの高さ調整装置。

1 0 . スパイラルスプリングの外側端部が、内側端部を固定した支軸により枢支されるリンクに係止されていることを特徴とする請求項 9に記載の自動車用シートの高さ調整装置。

1 1 . シート高さ調整用のリンクを左右対にシートの前後に配置して、各リンクを左右のシート設置ブラケッ卜と左右のシートサイドフレームとに掛け渡すと共に、左右のリンクを連結シャフトで一体に保持したリンク基枠を備え、シートの片側部に操作ノブを備え付けると共に、操作ノブとリンク基枠との間を操作伝達部により接続し、操作ノブの操作に対応してリンク基枠を上下に揺動可能に組み立てられてなる自動車用シートの高さ調整装置において、

操作伝達部が、操作ノブの操作に対応して回動可能な回動伝達部材と、回動伝達部材の回動中心から偏心した位置とリンク基枠とを接続するリンクロッドとを有し、

シ一トサイドフレームの側面側にスパイラルスプリングを配置し、シートサイドフレ一ムに回動伝達部材を枢支する支軸にスパイラルスプリングの内側端部を固定して、外側端部によりリンクロッドと回動伝達部材とを連結する連結ピンをリンク基枠の立上り方向に付勢したことを特徴とする自動車用シートの高さ調整装置。

1 2 . シート高さ調整用のリンクを左右対にシートの前後に配置して、各リンクを左右のシート設置ブラケットと左右のシートサイドフレームとに掛け渡すと共に、左右のリンクを連結シャフトで一体に保持したリンク基枠を備え、シートの片側部に操作ノブを備え付けて、操作ノブとリンク基枠との間を操作伝達部により接続し、操作ノブの操作に対応してリンク基枠を上下に揺動可能に組み立てられてなり、操作伝達部が、操作ノブの回転軸に取り付けられたピニオンギヤと、ピニオンギヤと嚙み合って回動可能にシートサイドフレームに枢支されたセクタギヤと、セクタギヤの回動中心と偏心する位置とリンク基枠の後側リンクとの間を連結するリンクロッドとを有する自動車用シー卜の高さ調整装置において、

シ一トサイドフレームの内側にリンク基枠が配置され、

シートサイドフレームの外側にギヤケースが固定されて、ギヤケースに操作ノブが装着されると共に、ギヤケースとシートサイドフレームとの間にピニオンギヤ及びセクタギヤが配置されていることを特徴とする自動車用シートの高さ調整装置。

1 3 . 操作ノブに所定回動角毎に回転軸の回動を解除可能に係止できるラチエツト機構を備えたことを特徴とする請求項 1 2に記載の自動車用シ一トの高さ調整装置。

1 4. シートサイドフレームの内側にリンクロッドが配置されると共に、このリンク口ッドとセクタギヤとが、シートサイドフレームの貫通孔を貫通する連結ピンにより連結され、この連結ピンより前方側にピニオンギヤが配置されていることを特徴とする請求項 1 2又は 1 3に記載の自動車用シートの高さ調整装置。

1 5 . ピニオンギヤが取り付けられた操作ノブの回転軸が、シ一トサイドフレームに支持されていることを特徴とする請求項 1 2乃至は 1 4の何れか一つに記載の自動車用シ一卜の高さ調整装置。

1 6 . セクタギヤ及び/又はピニオンギヤが、シートサイドフレームとギヤケースとに回動可能に挟持されていることを特徴とする請求項 1 2乃至は 1 5の何れか一つに記載の自動車用シートの高さ調整装置。