WO2006100749A1

WO2006100749A1 - カールマイヤー生地

Info

Publication number: WO2006100749A1
Application number: PCT/JP2005/005086
Authority: WO
Inventors: Keizo Tsujikawa; Toshizo Tsujikawa
Original assignee: Tsujikawa Senko Co., Ltd.
Priority date: 2005-03-22
Filing date: 2005-03-22
Publication date: 2006-09-28

Abstract

　　本発明は、重ねて使用される羽毛布団などが滑り落ちにくく、通気性及び吸汗性に優れ、精緻な立体模様プリント等が実現され、さらに経済性にも優れたカールマイヤー生地を提供することを目的としており、カールマイヤー編機により、２枚の基布がパイル糸で連結されて編成された編地に対して、前記基布を連結しているパイル糸の中間でカットされ、前記編地が２つに分離されて構成された編地を生地とし、該生地の非パイル面に起毛処理を施さない。

Description

明細書

カーノレマイヤー生地

技術分野

[0001] 本発明は生地に関し、より詳細にはカールマイヤー生地に関する。

背景技術

[0002] ドイツ製のカールマイヤー編機（以下、マイヤー編機と称する）を用いて作られたマィヤー毛布及びニューマイヤー毛布は広く知られてレ、る。

[0003] 従来のマイヤー毛布は、原糸とパイル糸を使ってマイヤー編機により、 2枚の基布を編みながらこれらをパイル糸で連結する形態で編成された編地に対して、前記基布を連結しているパイル糸の中間をカット（センターカット）して前記編地を 2枚に分離し、さらに分離された 2枚の編地のパイル面にそれぞれプリント処理、立毛仕上げ、シヤーリング処理などを施した後、前記 2枚の編地のパイル面をそれぞれ外側にして貼り合わせることにより作られている。

[0004] 一方、ニューマイヤー毛布は、原糸とパイル糸を使ってマイヤー編機により、 2枚の基布を編みながらこれらをパイル糸で連結する形態で編成された編地に対して、前記基布を連結しているパイル糸の中間をカット（センターカット）して前記編地を 2枚に分離し、分離された編地のパイル面にプリント処理、立毛仕上げ、シャーリング処理、他面には起毛処理、シャーリング処理などを施すことにより作られている。

[0005] 上記した従来のマイヤー毛布は、その両面にあるパイル糸に対して立毛処理が施されてレ、ること力、ら、毛足が長ぐ保温性と触感に優れており、特に冬用毛布として広く使われている。また、ニューマイヤー毛布は、カットされた夂の編地しか使われていないので、軽く柔らかぐまた触感に優れるため、広く使われている。

[0006] し力、しながら、前記マイヤー毛布の場合、 2枚の編地を貼り合わせることにより作られているため、重く通気性に劣るという課題があった。また、前記マイヤー毛布に布団、特に軽量の羽毛布団などを重ねて使用すると、立毛処理されたしなやかなパイル糸と布団との間の摩擦力が小さいため、マイヤー毛布から布団がずれ易いといつた課題があった。さらには毛足の長いパイル面にプリントが施されるため、立体模様プリント等高品質な精緻なプリントが実現されにくいといった課題があった。

[0007] また、前記ニューマイヤー毛布の場合も、非パイル面に起毛処理が施されるため、布団、特に軽量の羽毛布団などが重ねて使用されると、起毛処理されたしなやかなパイル糸と布団との間の摩擦力が小さいため、ニューマイヤー毛布から布団がずれ易いといった課題があった。さらには非パイル面に起毛処理が施される際に、プリントが施されたパイル面の繊維が非パイル面に持ち込まれるため、前記パイル面のプリント模様が若干損なわれ、しかも、前記非パイル面の色柄が前記パイル面より薄くなつた色柄になってしまうので、立体模様プリント等高品質な精緻なプリントが実現されにくいといった課題があった。

発明の開示

[0008] 本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、重ねて使用される他の寝具などとのずれ防止効果を有し、しかも通気性及び吸汗性に優れ、その表面に精緻な立体模様プリント等を施すことが可能な、さらには経済性にも優れたカールマイヤー生地を提供することを目的としてレ、る。

[0009] 上記目的を達成するために、本発明に係るカールマイヤー生地（1)は、カールマイヤー編機により、 2枚の基布がパイル糸で連結されて編成された編地に対して、前記基布を連結しているパイル糸の中間でカットされ、前記編地が 2つに分離されて構成された編地を生地とし、該生地の非パイル面に起毛処理が施されていないことを特徴としている。

[0010] 上記カールマイヤー生地（1)によれば、前記編地が 2つに分離されて構成された編地の非パイル面に起毛処理が施されていないため、この非パイル面における滑り抵抗が極めて高くなつており、この非パイル面に接してたとえ軽量の羽毛布団が重ねて使用されても、羽毛布団がカールマイヤー生地からずれてしまうことを防止することができる。また生地の非パイル面に起毛処理が施されていないため、この表面はべとつ力ない爽やかな触感を出すことができ、通気性と吸汗性に優れた生地を提供することが可能である。

[0011] また、本発明に係るカールマイヤー生地（2)は、前記編地が 2つに分離されて構成された編地を生地とし、該生地の少なくとも非パイル面にプリント処理が施されていることを特徴としている。

[0012] 上記カールマイヤー生地（2)によれば、前記生地の非パイル面は起毛処理が施されていない平坦な表面となっており、この平坦な表面にプリント処理が施されているため、立体模様プリント等高品質な精緻なプリントを実現することが容易になり、しかもコストダウンを図ることができる。

[0013] また、本発明に係るカールマイヤー生地（3)は、上記したカールマイヤー生地（1) 又は（2)において、前記生地のパイル面に、立毛処理が施されていること特徴としている。

[0014] 上記カールマイヤー生地（3)によれば、前記生地のパイル面に、立毛処理が施されているため、ノィル面がきめ細力べなり、保温性と触感を向上させることができる。

[0015] また、本発明に係るカールマイヤー生地（4)は、上記したカールマイヤー生地（1) 一（3)のいずれかにおいて、前記生地の非パイル面に、立体模様プリントが施されてレ、ることを特徴としている。

[0016] 上記カールマイヤー生地 (4)によれば、起毛処理が施されていない平坦な表面となる前記生地の非パイル面に、立体模様プリントが施されるため、精緻な立体模様プリントを容易に実現することができる。

[0017] また、本発明に係るカールマイヤー生地（5)は、上記したカールマイヤー生地（1) 一（4)のいずれかにおいて、前記生地のパイル面にプリントが施されていることを特徴としている。

[0018] 上記カールマイヤー生地（5)によれば、前記生地のパイル面にプリントが施されるため、該パイル面が表側として使用可能な生地を提供することができる。

[0019] また、本発明に係るカールマイヤー生地（6)は、上記したカールマイヤー生地（2) 一（5)のいずれかにおいて、前記プリントが施される前に、無地染色及び Z又は染色スプレー処理が施されてレ、ることを特徴としてレヽる。

[0020] 上記カールマイヤー生地（6)によれば、前記プリントが施される前に、無地染色及び/又は染色スプレー処理が施されているため、さらに美観に優れた生地を提供すること力 Sできる。

[0021] また、本発明に係るカールマイヤー生地（7)は、上記したカールマイヤー生地（1) 一（6)のいずれかにおいて、前記パイル面におけるパイル糸の長さ力 0. 01mm—

30mmの範囲で設定されてレ、ることを特徴としてレ、る。

[0022] 上記カールマイヤー生地（7)によれば、生地の用途に応じて前記パイル面におけるパイル糸の長さを設定することにより、保温性と触感の異なる様々な用途に合わせた生地を提供することができる。

[0023] また、本発明に係るカールマイヤー生地（8)は、上記したカールマイヤー生地（1) 一（7)のいずれかにおいて、パイル糸として、綿、羊毛、麻、シルク、カシミヤ、アタリノレ、アンゴラ、ポリエステル、ナイロンのうちの 1種あるいはこれらが組み合された繊維が用いられてレ、ることを特徴としてレ、る。

[0024] 上記カールマイヤー生地（8)によれば、パイル糸として、綿、羊毛、麻、シノレク、力シミヤ、アクリル、アンゴラ、ポリエステル、ナイロンのうちの 1種あるいはこれらが組み合された繊維が用いられているため、生地の用途に応じて、望みの触感、通気性、吸汗性等を有する生地を製造することができる。

図面の簡単な説明

[0025] [図 1]マイヤー編機を用いて編成された編地の垂直断面を示す断面図である。

[図 2]本発明の実施の形態に係るカールマイヤー生地を構成する編地の垂直断面を示す断面図である。

[図 3]本発明の実施の形態に係るカールマイヤー生地の非パイル面に施されたプリントの 1例を示す図である。

[図 4]本発明の実施の形態に係るカールマイヤー生地のパイル面に施されたプリントの 1例を示す図である。

[図 5]パイル面に立毛処理が施されたカールマイヤー生地を構成する編地の垂直断面を示した断面図である。

発明を実施するための最良の形態

[0026] 以下、本発明に係るカールマイヤー生地の実施の形態を図面に基づいて説明する

[0027] 図 1は、マイヤー編機を用いて編成された編地の垂直断面を示す断面図であり、図中 10は編地を示しており、 11はポリエステルを用いて構成された基布を示しており、 12はアクリルを用いて構成されたパイル糸を示している。図 1に示したように、編地 1 0は、密なパイル糸 12により両基布 11が連結されて構成されている。このような編地 10力カールマイヤー編機により、原糸とパイル糸を使って編成される。

[0028] 図 2は、本発明の実施の形態に係るカールマイヤー生地を構成する編地の垂直断面を示す断面図である。図中 20は、図 1に示した編地 10が、パイル糸 12の中間で力ットされ、編地 10が 2つに分離されて構成された編地を示しており、 21は編地 20のパイル面（カット面）を示しており、 22は編地 20の非パイル面（非カット面）を示してレ、る。 23はパイル面 21におけるパイル糸を示しており、 24は基布を示している。図 2に示したように、パイル面 21は密なパイル糸が立ち並んでいるため、柔らかい触感と吸汗性を有する表面となっている。一方、非パイル面 22は、パイル糸 23が編み込まれた基布 24をベースとした起毛処理が施されていない平坦な布面となっており、滑り抵抗が極めて高い布面となっている。従って、この非パイル面 22にたとえ軽量の羽毛布団が重ねて使用されても、羽毛布団がこの非パイル面 22からずれてしまうことはなレ、。また、この非パイル面 22は、ベとつかない爽やかな触感を有しており、さらには立体模様プリント等精緻なプリント処理が容易に施される布面となっている。

[0029] かかる編地 20に対して、まず無地染色及びパイル面 21へのガラ模様プリント形成のためのスプレー染色処理が施され（図示せず）、それから非パイル面 22にプリント処理が施されることにより、図 3に示したようなカールマイヤー生地 1が作製される。図 3は、カールマイヤー生地 1の非パイル面 22に施されたプリントの 1例を示しており、非パイル面 22には立体感のあるプリント模様が施されている。また、図 4はカールマィヤー生地 1のパイル面 21に施されたガラ模様プリントの 1例を示しており、パイル面 21には立体模様ではなレ、通常のガラ模様がプリントされてレ、る。

[0030] このように、パイル面 21と非パイル面 22にそれぞれプリントが施されているため、例えば、夏には、爽やかな触感を有する非パイル面 22が肌に接する内面とされ、バズノレ模様のあるパイル面 21が外面とされ、春秋には、柔らかく温かい触感を有するパイル面 21が肌に接する内面とされ、立体模様がプリントされている非パイル面 22が外面とされるように、両面使い分けることが可能である。この非パイル面 22にたとえ軽量の羽毛布団が重ねて使用されても、非パイル面 22は基布 24をベースとした起毛処理が施されていない平坦な布面となっており、滑り抵抗が極めて高い布面となっており、羽毛布団がこの非パイル面 22からずれてしまうことはない。

[0031] パイル面 21におけるパイル糸 23の長さは、生地の用途に応じて設定される。例えば、薄く通気性の良い敷き布又は掛け布などを作る場合には、パイル糸 23の長さを短め、例えば 1一 3mmの範囲で設定する。また、保温性と吸汗性に優れた敷き布又は掛け布などを作る場合には、パイル糸 23を長め、例えば 5mm以上の範囲で設定する。

[0032] また、パイル糸 23の素材としては、綿、羊毛、麻、シノレク、カシミヤ、アクリル、アンゴラ、ポリエステル、ナイロンのうちの 1種あるいはこれらが組み合わされた繊維が用いられ、用途に合わせて選択される。例えば、春秋冬用の高級寝具を作る場合、素材中のカシミヤ、アンゴラの構成成分が高められ、高い保温性と優れた触感が実現される。また、夏用の高級寝具を作る場合、素材中のシノレクの構成成分が高められ、滑ら力な触感、高い通気性及び綺麗な光沢が実現される。また、綿、麻を主な構成成分とすれば、爽やかな触感、良好な吸汗性を備え、家庭で洗濯容易な、しかも安価な生地を実現することができる。また、ポリエステル、ナイロンを主な構成成分とすることにより、光沢と強度に優れ、家庭で洗濯容易な、しかも安価な生地を実現することができる。

[0033] 上記したカールマイヤー生地 1によれば、起毛処理されていない平坦な非パイル面 22は爽やかな触感を有し、パイル糸 23が立ち並んでレ、るパイル面 21は柔ら力べ温かい触感を有するため、両面使い分けが可能な生地を実現することができる。また、空気がパイル糸 23間の隙間及び基布 24を通り抜けしやすいため、通気性に優れ、パイル糸 23が水分を吸い込めるため吸汗性にも優れている。さらに、従来のニューマイヤー毛布を作る場合に行っていた起毛処理が意図的に施されていないため、非パイル面 22における滑り抵抗が極めて高くなつており、この非パイル面 22に接してたとえ軽量の羽毛布団が重ねて使用されても、羽毛布団がカールマイヤー生地からずれてしまうことを防止することができる。起毛処理されていない平坦な非パイル面 22 には立体模様プリント等精緻なプリントが容易に施されるだけではなぐパイル面 21 のガラ模様プリントも起毛処理により損なわれることがなぐし力、もコストダウンを図ることができる。

[0034] 上記した実施の形態では、編地 20のパイル面 21に対して、立毛処理が施されていないが、別の実施の形態では、編地 20のパイル面 21に対して、立毛処理が施される。図 5は、パイル面に立毛処理が施されたカールマイヤー生地を構成する編地の垂直断面を示した断面図である。図中 30は、図 2に示した編地 20に対して、パイル面 2 1に立毛処理が施された編地を示しており、 31は立毛処理が施されたパイル面を示しており、 32は非パイル面を示している。

[0035] 図 5に示したように、立毛処理が施されたパイル面 31におけるパイル糸 33は細力べ解かれているため、パイル面 31がきめ細力べフワフワとなり、保温性と触感がより一層向上されたカールマイヤー生地を実現することができる。

産業上の利用可能性

[0036] 本発明に係るカールマイヤー生地は、毛布製造業を始め、種々の繊維産業において利用可能である。

Claims

請求の範囲

[1] カールマイヤー編機により、 2枚の基布がパイル糸で連結されて編成された編地に対して、前記基布を連結しているパイル糸の中間でカットされ、前記編地が 2つに分離されて構成された編地を生地とし、該生地の非パイル面に起毛処理が施されていないことを特徴とするカールマイヤー生地。

[2] 前記編地が 2つに分離されて構成された編地を生地とし、該生地の少なくとも非パィル面にプリントが施されていることを特徴とするカールマイヤー生地。

[3] 前記生地のパイル面に、立毛処理が施されていることを特徴とする請求項 1又は請求項 2記載のカールマイヤー生地。

[4] 前記生地の非パイル面に、立体模様プリントが施されていることを特徴とする請求項 1一 3のいずれかの項に記載のカールマイヤー生地。

[5] 前記生地のパイル面に、プリントが施されていることを特徴とする請求項 1一 4のいずれかの項に記載のカールマイヤー生地。

[6] 前記プリントが施される前に、無地染色及び/又は染色スプレー処理が施されていることを特徴とする請求項 2— 5のいずれかの項に記載のカールマイヤー生地。

[7] 前記パイル面におけるパイル糸の長さ力 0. 01mm 30mmの範囲で設定されてレ、ることを特徴とする請求項 1一 6のいずれかの項に記載のカールマイヤー生地。

[8] パイル糸として、綿、羊毛、麻、シルク、カシミヤ、アクリル、アンゴラ、ポリエステル、ナイロンのうちの 1種あるいはこれらが組み合された繊維が用いられてレ、ることを特徴とする請求項 1一 7のいずれかの項に記載のカールマイヤー生地。