外用剤
技術分野
[0001] 本発明は、 7— [2— (3, 5 ジクロロ一 4 ピリジル) 1—ォキソェチル]— 4—メト キシースピロ [1, 3 ベンゾジォキソールー 2, 1,ーシクロペンタン]またはその薬理 学的に許容される塩を含有する外用剤に関する。
背景技術
[0002] 従来より、式(I )
[0003] [化 1]
[0004] で表される 7— [2— (3, 5 ジクロロ一 4 ピリジノレ)一 1—ォキソェチノレ]— 4—メトキ シースピロ [1, 3 ベンゾジォキソールー 2, 1,ーシクロペンタン]またはその薬理学 的に許容される塩をホスホジエステラーゼ IV (PDE— IV)阻害剤として用いることが 知られて!/ヽる (特許文献 1参照)。
また、 7— [2— (3, 5 ジクロロ一 4 ピリジル) 1—ォキソェチル ]—4—メトキシ ースピロ [1, 3 ベンゾジォキソールー 2, 1,ーシクロペンタン]またはその薬理学的 に許容される塩を有効成分として含有する慢性皮膚疾患 (例えば、接触性皮膚炎、 アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、貨幣状湿疹、ビダール (Vidal)苔癬、自家感作 性皮膚炎、うっ滞性皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹、乾癬など)の治療および Zまたは予 防剤、および該有効成分を含有する外用剤が知られている (特許文献 2参照)。
[0005] 一方、外用剤がその機能を有効に発揮するためには、必要量の有効成分を皮膚に
浸透させることが必要である。そのためには、外用剤中に十分量の有効成分を保持 し、かつ皮膚組織中への有効成分の高い放出性を有することが必要である。外用剤 中に有効成分の高 ヽ濃度を保持する方法としては、外用剤中に有効成分の溶解度 が高い溶媒を含有させることにより、有効成分の外用剤への溶解度を上昇させる方 法が効果的である (非特許文献 1参照)。しかしながら、含有させる溶媒量が多すぎる と、 (I )有効成分の皮膚組織への放出が低下する、(ii)溶媒成分による皮膚への刺激 が生じるなどの問題を生じることがある。また、外用剤の品質を保持するために、外用 剤中に有効成分が均一に含有されて!、る必要がある。
特許文献 1:国際公開第 96Z36624号パンフレット
特許文献 2:国際公開第 2004Z082683号パンフレット
非特許文献 1:「インターナショナノレ ·ジャーナノレ ·ォブ ·ファーマシューテイクス (Inter national Journal of Pharmaceutics)」、 1988年、第 43卷、 p. 31
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0006] 本発明の目的は、 7— [2— (3, 5 ジクロロ一 4 ピリジル) 1—ォキソェチル]— 4ーメトキシースピロ [1, 3 ベンゾジォキソールー 2, 1 '—シクロペンタン]またはそ の薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する外用剤において、該有効成分 の均一性および放出性に優れる該外用剤を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0007] 本発明は、以下の(1)〜 (43)に関する。
(1) 式 ( I )
[0008] [化 2]
で表される 7— [2— (3, 5—ジクロロ一 4—ピリジノレ)一 1—ォキソェチノレ]— 4—メトキ シースピロ [1, 3—ベンゾジォキソールー 2, 1,ーシクロペンタン]またはその薬理学 的に許容される塩を有効成分として含有する外用剤において、該有効成分の溶解度 力 mgZmL以上である溶媒成分を 0. 5〜 15質量%含有する該外用剤。
(2) 溶媒成分が、該有効成分の溶解度が 5mgZmL以上である溶媒成分である(1 )記載の外用剤。
(3) 溶媒成分が、炭酸プロピレン、ジプロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル 、パルミチン酸イソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジェチル、ベン ジルアルコール、エタノールおよびクロタミトン力 なる群力 選ばれる溶媒成分であ る(1)または(2)記載の外用剤。
(4) 溶媒成分が炭酸プロピレン、ミリスチン酸イソプロピルまたは炭酸プロピレンおよ びミリスチン酸イソプロピルの混合溶媒である(1)または(2)記載の外用剤。
(5) 溶媒成分の含有量が 2〜 10質量%である(1)〜 (4)のいずれかに記載の外用 剤。
(6) 有効成分の含有量が 0. 1〜3質量%である(1)〜(5)のいずれかに記載の外 用剤。
(7) ステロイド剤を含有する(1)〜(6)のいずれかに記載の外用剤。
(8) ステロイド剤が、プロピオン酸クロべタゾール、酢酸ジフロラゾン、酪酸プロピオ ン酸ベタメタゾン、フランカルボン酸モメタゾン、ジフルプレドナート、プロピオン酸デ キサメタゾン、ジプロピオン酸デキサメタゾン、吉草酸ジフルコルトロン、フルオシノ- ド、アムシノ -ド、ハルシノ -ド、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、プロピオン酸デプ
ロドン、吉草酸デキサメタゾン、吉草酸酢酸プレドニゾロン、フルオシノロンァセトニド 、酪酸ヒドロコルチゾン、プロピオン酸アルクロメタゾン、トリアムシノロンァセト -ド、ピ バル酸フルメタゾン、酪酸クロベタゾン、酢酸ヒドロコルチゾンおよびプレドニゾロンか らなる群力 選ばれる化合物またはその薬理学的に許容される塩である(7)記載の 外用剤。
(9) ホスホジエステラーゼ IVの機能亢進に起因する疾患の治療および Zまたは予 防剤である(1)〜(8)のいずれかに記載の外用剤。
(10) ホスホジエステラーゼ IVの機能亢進に起因する疾患が慢性皮膚疾患である( 9)記載の外用剤。
(11) 慢性皮膚疾患が接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、貨幣状 湿疹、 Vidal苔癬、自家感作性皮膚炎、うっ滞性皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹および乾 癬カ なる群力 選ばれる疾患である(10)記載の外用剤。
(12) 式 ( I )
[0010] [化 3]
[0011] で表される 7— [2— (3, 5—ジクロロ一 4—ピリジノレ)一 1—ォキソェチノレ]— 4—メトキ シースピロ [1, 3—ベンゾジォキソールー 2, 1,ーシクロペンタン]またはその薬理学 的に許容される塩を有効成分として含有する外用剤において、該有効成分の溶解度 力 mgZmL以上である溶媒成分を 0. 5〜 15質量%含有させることを特徴とする該 外用剤における該有効成分の均一化方法。
(13) 溶媒成分が、該有効成分の溶解度が 5mgZmL以上である溶媒成分である( 12)記載の方法。
(14) 溶媒成分が、炭酸プロピレン、ジプロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピ ル、パルミチン酸イソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジェチル、ベ ンジルアルコール、エタノールおよびクロタミトン力 なる群力 選ばれる溶媒成分で ある( 12)または( 13)記載の方法。
(15) 溶媒成分が炭酸プロピレン、ミリスチン酸イソプロピルまたは炭酸プロピレンお よびミリスチン酸イソプロピルの混合溶媒である(12)または(13)記載の方法。
(16) 外用剤中における溶媒成分の含有量を 2〜10質量%とすることを特徴とする ( 12)〜( 15)の 、ずれかに記載の方法。
(17) 外用剤が該有効成分を 0. 1〜3質量%含有する外用剤である(12)〜(16) のいずれかに記載の方法。
(18) 外用剤がステロイド剤を含有する外用剤である(12)〜(17)のいずれかに記 載の方法。
(19) ステロイド剤が、プロピオン酸クロべタゾール、酢酸ジフロラゾン、酪酸プロピオ ン酸ベタメタゾン、フランカルボン酸モメタゾン、ジフルプレドナート、プロピオン酸デ キサメタゾン、ジプロピオン酸デキサメタゾン、吉草酸ジフルコルトロン、フルオシノ- ド、アムシノ -ド、ハルシノ -ド、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、プロピオン酸デプ ロドン、吉草酸デキサメタゾン、吉草酸酢酸プレドニゾロン、フルオシノロンァセトニド
、酪酸ヒドロコルチゾン、プロピオン酸アルクロメタゾン、トリアムシノロンァセト -ド、ピ バル酸フルメタゾン、酪酸クロベタゾン、酢酸ヒドロコルチゾンおよびプレドニゾロンか らなる群力 選ばれる化合物またはその薬理学的に許容される塩である(18)記載の 方法。
(20) 式 ( I )
[化 4]
で表される 7— [2— (3, 5—ジクロロ一 4—ピリジノレ)一 1—ォキソェチノレ]— 4—メトキ シースピロ [1, 3—ベンゾジォキソールー 2, 1,ーシクロペンタン]またはその薬理学 的に許容される塩を有効成分として含有する外用剤において、該有効成分の溶解度 力 mgZmL以上である溶媒成分を 0. 5〜 15質量%含有させることを特徴とする該 外用剤からの該有効成分の放出を増強させる方法。
(21) 溶媒成分が、該有効成分の溶解度が 5mgZmL以上である溶媒成分である( 20)記載の方法。
(22) 溶媒成分が、炭酸プロピレン、ジプロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピ ル、パルミチン酸イソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジェチル、ベ ンジルアルコール、エタノールおよびクロタミトン力 なる群力 選ばれる溶媒成分で ある(20)または(21)記載の方法。
(23) 溶媒成分が炭酸プロピレン、ミリスチン酸イソプロピルまたは炭酸プロピレンお よびミリスチン酸イソプロピルの混合溶媒である(20)または(21)記載の方法。
(24) 外用剤中における溶媒成分の含有量を 2〜10質量%とすることを特徴とする (20)〜(23)の!、ずれかに記載の方法。
(25) 外用剤が該有効成分を 0. 1〜3質量%含有する外用剤である(20)〜(24) のいずれかに記載の方法。
(26) 外用剤がステロイド剤を含有する外用剤である(20)〜(25)の 、ずれかに記 載の方法。
(27) ステロイド剤が、プロピオン酸クロべタゾール、酢酸ジフロラゾン、酪酸プロピオ ン酸ベタメタゾン、フランカルボン酸モメタゾン、ジフルプレドナート、プロピオン酸デ
キサメタゾン、ジプロピオン酸デキサメタゾン、吉草酸ジフルコルトロン、フルオシノ- ド、アムシノ -ド、ハルシノ -ド、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、プロピオン酸デプ ロドン、吉草酸デキサメタゾン、吉草酸酢酸プレドニゾロン、フルオシノロンァセトニド 、酪酸ヒドロコルチゾン、プロピオン酸アルクロメタゾン、トリアムシノロンァセト -ド、ピ バル酸フルメタゾン、酪酸クロベタゾン、酢酸ヒドロコルチゾンおよびプレドニゾロンか らなる群力 選ばれる化合物またはその薬理学的に許容される塩である(26)記載の 方法。
(28) 式 ( I )
[0014] [化 5]
[0015] で表される 7— [2— (3, 5—ジクロロ一 4—ピリジノレ)一 1—ォキソェチノレ]— 4—メトキ シースピロ [1, 3—ベンゾジォキソールー 2, 1,ーシクロペンタン]またはその薬理学 的に許容される塩を有効成分として含有する外用剤の使用であって、該有効成分を 均一化するための、該有効成分の溶解度が 4mgZmL以上である溶媒成分を 0. 5 〜 15質量%含有させることを特徴とする該外用剤の使用。
(29) 溶媒成分が、該有効成分の溶解度が 5mgZmL以上である溶媒成分である( 28)記載の使用。
(30) 溶媒成分が、炭酸プロピレン、ジプロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピ ル、パルミチン酸イソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジェチル、ベ ンジルアルコール、エタノールおよびクロタミトン力 なる群力 選ばれる溶媒成分で ある(28)または(29)記載の使用。
(31) 溶媒成分が炭酸プロピレン、ミリスチン酸イソプロピルまたは炭酸プロピレンお
よびミリスチン酸イソプロピルの混合溶媒である(28)または(29)記載の使用。
(32) 外用剤中における溶媒成分の含有量を 2〜10質量%とすることを特徴とする (28)〜(31)の 、ずれかに記載の使用。
(33) 外用剤が該有効成分を 0. 1〜3質量%含有する外用剤である(28)〜 (32) のいずれかに記載の使用。
(34) 外用剤がステロイド剤を含有する外用剤である(28)〜(33)の 、ずれかに記 載の使用。
(35) ステロイド剤が、プロピオン酸クロべタゾール、酢酸ジフロラゾン、酪酸プロピオ ン酸ベタメタゾン、フランカルボン酸モメタゾン、ジフルプレドナート、プロピオン酸デ キサメタゾン、ジプロピオン酸デキサメタゾン、吉草酸ジフルコルトロン、フルオシノ- ド、アムシノ -ド、ハルシノ -ド、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、プロピオン酸デプ ロドン、吉草酸デキサメタゾン、吉草酸酢酸プレドニゾロン、フルオシノロンァセトニド
、酪酸ヒドロコルチゾン、プロピオン酸アルクロメタゾン、トリアムシノロンァセト -ド、ピ バル酸フルメタゾン、酪酸クロベタゾン、酢酸ヒドロコルチゾンおよびプレドニゾロンか らなる群力 選ばれる化合物またはその薬理学的に許容される塩である(34)記載の 使用。
(36) 式 ( I )
[化 6]
で表される 7— [2- (3, 5 ジクロロ一 4 ピリジル) 1—ォキソェチル]—4—メトキ シースピロ [1, 3 ベンゾジォキソールー 2, 1,ーシクロペンタン]またはその薬理学 的に許容される塩を有効成分として含有する外用剤の使用であって、該外用剤から
の該有効成分の放出を増強させるための、該有効成分の溶解度力
s4mgZmL以上 である溶媒成分を 0. 5〜 15質量%含有させることを特徴とする該外用剤の使用。
(37) 溶媒成分が、該有効成分の溶解度が 5mgZmL以上である溶媒成分である( 36)記載の使用。
(38) 溶媒成分が、炭酸プロピレン、ジプロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピ ル、パルミチン酸イソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジェチル、ベ ンジルアルコール、エタノールおよびクロタミトン力 なる群力 選ばれる溶媒成分で ある(36)または(37)記載の使用。
(39) 溶媒成分が炭酸プロピレン、ミリスチン酸イソプロピルまたは炭酸プロピレンお よびミリスチン酸イソプロピルの混合溶媒である(36)または(37)記載の使用。
(40) 外用剤中における溶媒成分の含有量を 2〜10質量%とすることを特徴とする (36)〜(39)の 、ずれかに記載の使用。
(41) 外用剤が該有効成分を 0. 1〜3質量%含有する外用剤である(36)〜 (40) のいずれかに記載の使用。
(42) 外用剤がステロイド剤を含有する外用剤である(36)〜 (41)のいずれかに記 載の使用。
(43) ステロイド剤が、プロピオン酸クロべタゾール、酢酸ジフロラゾン、酪酸プロピオ ン酸ベタメタゾン、フランカルボン酸モメタゾン、ジフルプレドナート、プロピオン酸デ キサメタゾン、ジプロピオン酸デキサメタゾン、吉草酸ジフルコルトロン、フルオシノ- ド、アムシノ -ド、ハルシノ -ド、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、プロピオン酸デプ ロドン、吉草酸デキサメタゾン、吉草酸酢酸プレドニゾロン、フルオシノロンァセトニド
、酪酸ヒドロコルチゾン、プロピオン酸アルクロメタゾン、トリアムシノロンァセト -ド、ピ バル酸フルメタゾン、酪酸クロベタゾン、酢酸ヒドロコルチゾンおよびプレドニゾロンか らなる群力 選ばれる化合物またはその薬理学的に許容される塩である (42)記載の 使用。
発明の効果
本発明により、 PDE— IVの機能亢進に起因する各種疾患 [例えば、慢性皮膚疾患 (例えば、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、貨幣状湿疹、 Vidal苔
癬、自家感作性皮膚炎、うっ滞性皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹、乾癬など)、喘息、 CO PD、アレルギー疾患など]に有効な 7— [2— (3, 5 ジクロロ— 4 ピリジル)—1— ォキソェチル ]ー4ーメトキシースピロ [1, 3 ベンゾジォキソールー 2, 1 '—シクロべ ンタン]またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する外用剤にお V、て、該有効成分の均一性および放出性に優れる該外用剤などを提供することがで きる。
発明を実施するための最良の形態
[0019] 以下、式( I )で表される 7—[2— (3, 5 ジクロロー 4 ピリジル) 1ーォキソェチ ル]— 4—メトキシースピロ [1, 3 ベンゾジォキソールー 2, 1 '—シクロペンタン]を化 合物 (I )という。
化合物( I )の薬理学的に許容される塩は、薬理学的に許容される酸付加塩、金属 塩、アンモ-ゥム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩などを包含する。
[0020] 化合物( I )の薬理学的に許容される酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝 酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クェン酸塩など の有機酸塩があげられ、薬理学的に許容される金属塩としては、例えばナトリウム塩 、カリウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ土 類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩などがあげられ、薬理学的に許容されるアンモ- ゥム塩としては、例えばアンモ-ゥム、テトラメチルアンモ -ゥムなどの塩があげられ、 薬理学的に許容される有機アミン付加塩としては、例えばモルホリン、ピぺリジンなど の付加塩があげられ、薬理学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、例えばグリシ ン、フエ-ルァラニン、リジン、ァスパラギン酸、グルタミン酸などの付加塩があげられ る。
[0021] 次に、化合物( I )の製造方法について説明する。
化合物( I )は、 W096Z36624号に記載の方法により製造することができる。 化合物( I )には、互変異性体などが存在し得るが、本発明の外用剤には、これらを 含め、全ての可能な異性体およびそれらの混合物を使用することができる。
化合物( I )の塩を取得したいとき、化合物( I )が塩の形で得られるときはそのまま精 製すればよぐまた、遊離の形で得られるときは、化合物( I )を適当な溶媒に溶解ま
たは懸濁し、酸または塩基を加えて単離、精製すればよい。
[0022] また、化合物( I )およびその薬理学的に許容される塩は、水または各種溶媒との付 加物の形で存在することもある力 これらの付加物も本発明の外用剤に使用すること ができる。
本発明の外用剤は、化合物( I )またはその薬理学的に許容される塩、および溶媒 成分を含有する医薬製剤であり、化合物( I )またはその薬理学的に許容される塩お よび溶媒成分を薬理学的に許容される一種もしくはそれ以上の担体と一緒に混合し 、製剤学の技術分野にぉ 、てよく知られて 、る任意の方法により製造される。
[0023] 本発明の外用剤における化合物( I )またはその薬理学的に許容される塩の含有量 は、外用剤 lgあたり好ましくは 1〜: LOOmg (0. 1〜10質量%)、より好ましくは 1〜50 mg (0. 1〜5質量%)、さらに好ましくは l〜30mg (0. 1〜3質量%)、さらにより好ま しくは 3〜: LOmg (0. 3〜1重量0 /0)である。
溶媒成分としては、化合物( I )またはその薬理学的に許容される塩の溶解度が、 4 mgZmL以上、好ましくは 5mgZmL以上、より好ましくは lOmgZmL以上であり、 薬理学的に外用剤に使用可能な溶媒であれば特に限定されないが、具体的には、 例えば炭酸プロピレン、ジプロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン 酸イソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジェチル、ベンジルアルコー ル、エタノール、クロタミトンなどがあげられ、好ましくは炭酸プロピレン、パルミチン酸 イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピルなどがあげられ、これらは、単独でまたは混合 して用いられる。
[0024] 本発明の外用剤における上記溶媒成分の含有量は、 0. 5〜15質量%、好ましくは 1〜10質量%、より好ましくは 2〜10質量%、さらに好ましくは 2〜5重量%である。上 記溶媒成分の含有量が少なすぎる場合、化合物 (I )またはその薬理学的に許容され る塩を製剤中に十分に溶解することができず、所望量の化合物( I )またはその薬理 学的に許容される塩を外用剤中に均一に分散 ·保持することが難 ヽ。また上記溶 媒成分の含有量が多すぎる場合、化合物 (I )またはその薬理学的に許容される塩の 十分な放出性が得られないことや溶媒成分由来の皮膚刺激性を生じることがある。
[0025] 本発明の外用剤に適当な剤型としては、特に限定されるものではなぐクリーム状、
ペースト状、ゼリー状、ゲル状、乳液状、液状などの形状になされたもの (軟膏剤、タリ ーム剤、リニメント剤、ローション剤など)、有効成分および経皮吸収促進剤を溶解ま たは混合分散させたものを支持体上に展延したもの (パップ剤など)、粘着剤中に有 効成分および経皮吸収促進剤を溶解または混合分散させたものを支持体上に展延 したもの(プラスター剤、テープ剤など)などがあげられる。軟膏剤、クリーム剤または ローション剤が好ましぐ軟膏剤がより好ましい。上記各剤型の基剤としては、薬理学 的に許容しうるものであればいずれでもよぐ軟膏剤、クリーム剤、リニメント剤、ローシ ヨン剤などの基剤として従来公知のものを用いることができ、例えばアルギン酸ナトリ ゥム;ゼラチン;コーンスターチ;トラガントガム;メチルセルロース;ヒドロキシェチルセ ルロース;カルボキシメチルセルロース;キサンタンガム;デキストリン;カルボキシメチ ルデンプン;ポリビュルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、メトキシエチレン—無水 マレイン酸共重合体、ポリビュルエーテル、ポリビュルピロリドンなどのポリマー;ミッロ ゥ、サラシミツロウ、ォリーブ油、カカオ油、ゴマ油、ダイズ油、ツバキ油、ラッカセィ油 、牛油、豚油、ラノリンなどの油脂類;白色ワセリン;黄色ワセリン;パラフィン;ゲルィ匕 炭化水素;ステアリン酸などの高級脂肪酸;セチルアルコール、ステアリルアルコール などの高級アルコール;ポリエチレングリコール;水などがあげられ、好ましくは白色ヮ セリンなどがあげられる。さらに必要に応じて、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、酸 化チタンなどの無機充填剤;粘度調節剤;酸ィ匕防止剤; pH調節剤;グリセリン、プロピ レンダリコールなどの保湿剤;炭酸エチレンなどの溶解補助剤;ポリオキシエチレン硬 化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアル キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、グリセリン脂肪 酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸セッケン、ァ ルキルスルホコハク酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルアミン塩、アルキル四級アンモ ニゥム塩、アルキルピリジ-ゥム塩などの界面活性剤などを添加してもよ!/、。
また、上記外用剤は、希釈剤、フレーバー類、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、 可塑剤、防腐剤などから選択される 1種もしくはそれ以上の補助成分を含有すること ちでさる。
本発明の外用剤は、有効成分として化合物( I )またはその薬理学的に許容される
塩の他に任意の他の治療のための有効成分を含有することもできる。
[0027] 任意の他の治療のための有効成分としては、例えばステロイド剤、免疫抑制剤、シ クロォキシゲナーゼ阻害剤などの抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、ロイコトリェン拮抗剤な どの抗アレルギー剤、ビタミン D誘導体、レチノイド外用薬、抗菌剤、抗生物質などが あげられ、好ましくはステロイド剤、免疫抑制剤、ビタミン D誘導体があげられる。 ステロイド剤としては、炎症起因物質であるサイト力イン、マスト細胞、好酸球などの 減少作用、炎症細胞の遊走または活性ィ匕の抑制作用などを有するステロイド誘導体 またはその薬理学的に許容される塩であればいずれでもよいが、例えば、吉草酸べ タメタゾン、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸べタメタゾンなどのベタメタ ゾン類、プロピオン酸デキサメタゾン、吉草酸デキサメタゾン、ジプロピオン酸デキサメ タゾンなどのデキサメタゾン類、ヒドロコルチゾン、吉草酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロ コルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾンなどのヒドロコ ルチゾン類、プレド-ゾロン、吉草酸酢酸プレド-ゾロンなどのプレド-ゾロン類、プロ ピオン酸クロべタゾール、酢酸ジフロラゾン、フランカルボン酸モメタゾン、ジフルプレ ドナート、吉草酸ジフルコルトロン、フルオシノ-ド、アムシノ -ド、ハルシノ -ド、プロ ピオン酸デプロドン、フルオシノロンァセトニド、トリアムシノロンァセト -ド、プロピオン 酸アルクロメタゾン、ピバル酸フルメタゾン、酪酸クロベタゾン、プロピオン酸ハ口ベタ ゾール、デスォキシメタゾン、プロピオン酸フルチ力ゾン、フルランドレノリド、デソ-ド 、ジプロピオン酸アルクロメタゾン、フルメタゾンビボレートなどがあげられ、好ましくは 酪酸プロピオン酸ベタメタゾン、プロピオン酸デキサメタゾン、吉草酸デキサメタゾン、 ジプロピオン酸デキサメタゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸プ 口ピオン酸ヒドロコルチゾン、プロピオン酸クロべタゾール、酢酸ジフロラゾン、フランカ ルボン酸モメタゾン、ジフルプレドナート、吉草酸ジフルコルトロン、フルオシノ-ド、ァ ムシノ -ド、ハルシノ -ド、プロピオン酸デプロドン、プレドニゾロン、吉草酸酢酸プレ ド-ゾロン、フルオシノロンァセトニド、トリアムシノロンァセト -ド、プロピオン酸アルタ 口メタゾン、ピバル酸フルメタゾン、酪酸クロべタゾンなどがあげられる。また、これらは 単独でも組み合わされて 、てもよ!/、。
[0028] 化合物( I )またはその薬理学的に許容される塩とこれらステロイド剤との用量比(重
量 z重量)は、使用するステロイド剤の種類、効力などに応じて適宜調整すればよい 力 具体的には例えば 1Z50 (ィ匕合物 (I )またはその薬理学的に許容される塩 Zステ ロイド剤)〜 50000Zl、好まし <は 1Z30〜: LOOOOZl、より好まし <は 1Z20〜50
00/1,さらに好ましくは ΐΖΐο〜ιοοοΖΐの間の比である。
[0029] 免疫抑制剤としては、炎症起因物質であるサイト力イン、マスト細胞、好酸球などの 減少作用、炎症細胞の遊走または活性ィ匕の抑制作用などを有するものであれば 、 ずれでもよいが、例えば、タクロリムス(Tacrolimus)、ピメクロリムス(Pimecrolimus )、ァスコマイシン(Ascomycin)、ラパマイシン(Rapamycin)、 FTY720、ァザチォ プリン(Azathioprine)、シクロホスフアミド(Cyclophosphamide)、ミゾリビン(Mizo ribin)、メソトレキセート(Methotrexate)、シクロスポリン A (Cyclosporin A)、ミコ フエノール酸モフエチル(mofetil mycophenolate)、ブレキナルナトリウム、デォキ シスベルグアリン、レフルノマイド(Leflunomide)などがあげられ、好ましくはタクロリ ムス、ピメクロリムス、ァスコマイシン、ラパマイシン、 FTY720、ァザチォプリン、シクロ ホスフアミド、ミゾリビン、メソトレキセート、シクロスポリン Aなどがあげられる。また、こ れらは単独でも組み合わされて 、てもよ 、。
[0030] 化合物( I )またはその薬理学的に許容される塩とこれら免疫抑制剤との用量比 (重 量 Z重量)は、使用する免疫抑制剤の種類、効力などに応じて適宜調整すればよい 力 具体的には例えば 1Z50 (ィ匕合物 (I )またはその薬理学的に許容される塩 Z免 疫抑制剤)〜 50000,1、好ましくは 1Z30〜: L0000Zl、より好ましくは 1Z20〜5
000/1,さらに好ましくは ΐΖΐο〜ιοοοΖΐの間の比である。
[0031] ビタミン D誘導体としては、例えばビタミン D2 (Vitamin D2)、ビタミン D3 (Vitami n D3)、カルシトリオール(Calcitriol)、カルシポトリオール(Calcipotriol)、タカル シトール(Tacalcitol)、 MC01288、 CB1093、ファレカルシトリオール(Falecalcitr iol)、レクサカルシトリオール(Lexacalcitriol)、マキサカルシトリオール(Maxacalci triol)、セォカルシトリオール(Seocalcitriol)、 EB— 1213、 EL— 715、 GS— 150 0、 KH— 1230、 KH— 1266、 LR— 103、ノ リカルシトリオール(Paricalcitriol)な どがあげられる。
[0032] 化合物( I )またはその薬理学的に許容される塩とビタミン D誘導体との用量比(重
量 Z重量)は、使用するビタミン D誘導体の種類、効力などに応じて適宜調整すれば よいが、具体的には例えば 1Z50 (ィ匕合物 (I )またはその薬理学的に許容される塩 Z ビタミン D誘導体)〜 50000,1、好まし <は 1Z30〜: LOOOOZl、より好まし <は lZ 20〜5000Zl、さらに好ましくは ΐΖΐο〜ιοοοΖΐの間の比である。
[0033] 本発明の有効成分の均一化方法における均一とは、化合物( I )またはその薬理学 的に許容される塩が外用剤中で析出または分離することなぐ均一に保持されている ことである。本発明の有効成分の均一化方法により、化合物 (I )またはその薬理学的 に許容される塩を、例えば薬効を示す十分な濃度で、好ましくは 0. 1〜10質量%、 より好ましくは 0. 1〜5質量%、さらに好ましくは 0. 1〜3質量%、さらにより好ましくは 0. 3〜1質量%の濃度で、外用剤中に均一に保持することができる。
[0034] また、本発明の外用剤力 の有効成分の放出を増強させる方法における増強とは 、化合物( I )またはその薬理学的に許容される塩を含有する外用剤を皮膚上に塗布 した際に、化合物 0 )またはその薬理学的に許容される塩の該外用剤から皮膚上へ の放出量を増カロさせることである。本発明の有効成分の放出を増強させる方法により 、化合物( I )またはその薬理学的に許容される塩の皮膚上への放出量を増加させる ことができる。例えば、皮膚上に化合物 (I )またはその薬理学的に許容される塩を含 有する外用剤を塗布した場合、本発明の外用剤は有効成分の薬効を示す十分な量 を放出させることができる。
[0035] 化合物( I )またはその薬理学的に許容される塩の投与量および投与回数は、患者 の年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度などにより異なるが、通常、一 日 1回ないし数回、塗布により投与する。化合物 (I )またはその薬理学的に許容され る塩の 1回投与量は、好ましくは 0. 01〜30mg、より好ましくは 0. 03〜: LOmgである 。し力しながら、これら投与量および投与回数には、前述の種々の条件により変動す る。
[0036] 以下に、本発明の態様を比較例、実施例および試験例で説明するが、本発明の範 囲はこれら実施例により限定されることはない。
比較例 1
常法により、次の組成からなる外用剤を調製した。白色ワセリン 1940mgを加温、撹
拌しながら化合物( I )60mgを添加し、連続撹拌しながら加温し分散させた。次いで、 室温 (約 25°C)に放置し、外用軟膏剤を得た。
[0037] [表 1] 処方 化合物 (I ) .6 0 m g
白色ヮセリン 1 9 4 0 m g
2 0 0 0 m g
[0038] 得られた軟膏剤の顕微鏡観察の結果、溶媒成分を含有しな!ヽ上記製剤は、化合 物( I )の析出が認められ、均一性が保持されていな力つた。
比較例 2
常法により、次の組成からなる外用剤を調製した。白色ワセリン 1535mgを加温、撹 拌しながらサラシミツロウ 350mg、炭酸プロピレン (ィ匕合物( I )の溶解度:約 33mgZ mL) 1000mg、炭酸エチレン 150mg、ミリスチン酸イソプロピル (ィ匕合物 (I )の溶解度 :約 10mg/mL) 1750mg、ステアリルアルコール lOOmgおよびモノステアリン酸ソ ルビタン lOOmgを添加、分散させ、これに化合物( I)15mgを添加し、連続撹拌しな がら加温した。次いで、加温したまま高速ホモジナイザーにより分散させ、室温 (約 25 °C)に放置し、外用軟膏剤を得た。
[0039] [表 2] 化合物 ( I ) 1 5 m g
白色ヮセリン 1 5 3 5 m g
サラシミツロウ 3 5 0 m g
炭酸プロピレン 1 0 0 0 m g
炭酸エチレン 1 5 0 m g
ミリスチン酸イソプロビル 1 7 5 0 m g
ステアリルアルコール 1 0 0 m g
モノステアリン酸ソルビタン 1 0 0 m g
5 0 0 0 m g
[0040] 得られた軟膏剤の顕微鏡観察の結果、溶媒成分を 15質量%より多く含有する上記 製剤は、化合物( I )の析出は認められず、均一性が保持されていた。
比較例 3
常法により、次の組成からなる外用剤を調製した。白色ワセリン 1500mgを加温、撹
拌しながらサラシミツロウ 350mg、炭酸プロピレン (ィ匕合物( I )の溶解度:約 33mgZ mL) 1000mg、炭酸エチレン 150mg、ミリスチン酸イソプロピル (ィ匕合物 (I )の溶解度 :約 10mg/mL) 1750mg、ステアリルアルコール lOOmgおよびモノステアリン酸ソ ルビタン lOOmgを添加、分散させ、これに化合物( I)50mgを添加し、連続撹拌しな がら加温した。次いで、加温したまま高速ホモジナイザーにより分散させ、室温 (約 25 °C)に放置し、外用軟膏剤を得た。
[0041] [表 3] 処方 化合物 (I) 50 mg
白色ヮセリン 1500 mg
サラシミツロウ 350 mg
炭酸プロピレン 1000 mg
炭酸エチレン 150 mg
ミリスチン酸イソプロピル 1750 mg
ステアリルアルコール 100 mg
モノステアリン酸ソルビ夕ン 100
5000 mg
[0042] 得られた軟膏剤の顕微鏡観察の結果、溶媒成分を 15質量%より多く含有する上記 製剤は、化合物( I )の析出は認められず、均一性が保持されていた。
比較例 4
常法により、次の組成からなる外用剤を調製した。白色ワセリン 1400mgを加温、撹 拌しながらサラシミツロウ 350mg、炭酸プロピレン (ィ匕合物( I )の溶解度:約 33mgZ mL) 1000mg、炭酸エチレン 150mg、ミリスチン酸イソプロピル (ィ匕合物 (I )の溶解度 :約 10mg/mL) 1750mg、ステアリルアルコール lOOmgおよびモノステアリン酸ソ ルビタン lOOmgを添加、分散させ、これに化合物( I)150mgを添加し、連続撹拌しな がら加温した。次いで、加温したまま高速ホモジナイザーにより分散させ、室温 (約 25 °C)に放置し、外用軟膏剤を得た。
[0043] [表 4]
化合物 ( I ) 150 mg
白色ヮセリン 1400 mg サラシミツロウ 350 mg 炭酸プロピレン 1000 mg 炭酸エチレン 150 mg ミリスチン酸ィソプロピル 1750 mg ステアリルアルコール 100 mg モノステアリン酸ソルビタン 100
5000 mg
[0044] 得られた軟膏剤の顕微鏡観察の結果、溶媒成分を 15質量%より多く含有する上記 製剤は、化合物( I )の析出は認められず、均一性が保持されていた。
比較例 5
常法により、次の組成からなる外用剤を調製した。白色ワセリン 1440mgを加温、撹 拌しながらサラシミツロウ 160mgおよびミリスチン酸イソプロピル (ィ匕合物 (I )の溶解度 :約 10mgZmL)380mgを添加、分散させ、これに化合物( I )20mgを添カ卩し、連続 撹拌しながら加温した。次いで、室温 (約 25°C)に放置し、外用軟膏剤を得た。
[0045] [表 5] 処方 化合物 (I) 20 mg
白色ワセリン 1440 mg サラシミツロウ 160 mg ミリスチン酸イソプロビル 380 mg
2000 mg
[0046] 得られた軟膏剤の顕微鏡観察の結果、溶媒成分を 15質量%より多く含有する上記 製剤は、化合物( I )の析出は認められず、均一性が保持されていた。
比較例 6
常法により、次の組成からなる外用剤を調製した。白色ワセリン 1340mgを加温、撹 拌しながらプロピレングリコール (ィ匕合物( I )の溶解度:約 3mgZmL)500mgおよび オクタン酸セシル lOOmgを添加、分散させ、これに化合物 (I )60mgを添加し、連続 撹拌しながら加温した。次いで、室温 (約 25°C)に放置し、外用軟膏剤を得た。
[0047] [表 6]
処方 化合物 ( I ) 6 0
白色ヮセリン 1 3 4 0
プロピレングリコール 5 0 0
オクタン酸セシル — 1 0 0
2 0 0 0
[0048] 得られた軟膏剤の顕微鏡観察の結果、溶解度が 4mgZmLに満たな ヽ溶媒成分 を含有する上記製剤は、化合物( I )の析出が認められ、均一性が保持されていなか つた o
実施例 1
[0049] 常法により、次の組成からなる外用剤を調製した。白色ワセリン 1454mgを加温、撹 拌しながらサラシミツロウ 160mg、流動パラフィン 340mgおよび炭酸プロピレン (ィ匕 合物 (I )の溶解度:約 33mgZmL)40mgを添加、分散させ、これに化合物( I )6mg を添加し、連続撹拌しながら加温した。次いで、室温 (約 25°C)に放置し、外用軟膏 剤を得た。
[0050] [表 7]
処方 化合物 (I ) 6 m g
[0051] 得られた軟膏剤の顕微鏡観察の結果、化合物( I )の析出は認められず、均一性が 保持されていた。
実施例 2
常法により、次の組成からなる外用剤を調製した。白色ワセリン 1454mgを加温、撹 拌しながらサラシミツロウ 160mg、流動パラフィン 280mgおよび炭酸プロピレン (ィ匕 合物 (I )の溶解度:約 33mgZmL) lOOmgを添加、分散させ、これに化合物( I )6mg を添加し、連続撹拌しながら加温した。次いで、室温 (約 25°C)に放置し、外用軟膏 剤を得た。
[0053] [表 8] 処方 化合物 ( I ) 6 m g
白色ヮセリン 4 5 4 m g
サラシミツロウ 1 6 0 m g
流動パラフィン 2 8 0 m g
炭酸プロピレン 1 0 0
2 0 0 0 m g
[0054] 得られた軟膏剤の顕微鏡観察の結果、化合物( I )の析出は認められず、均一性が 保持されていた。
実施例 3
[0055] 常法により、次の組成からなる外用剤を調製した。白色ワセリン 1440mgを加温、撹 拌しながらサラシミツロウ 160mg、流動パラフィン 280mgおよび炭酸プロピレン (ィ匕 合物 (I )の溶解度:約 33mgZmL) lOOmgを添加、分散させ、これに化合物( I )20m gを添加し、連続撹拌しながら加温した。次いで、室温 (約 25°C)に放置し、外用軟膏 剤を得た。
[0056] [表 9] 処方 化合物 ( I ) 2 0 m g
白色ヮセリン 4 4 0 m g サラシミツロウ 1 6 0 m g 流動パラフィン 2 8 0 m g 炭酸プロピレン 1 0 0
2 0 0 0 m g
[0057] 得られた軟膏剤の顕微鏡観察の結果、化合物( I )の析出は認められず、均一性が 保持されていた。
実施例 4
[0058] 常法により、次の組成からなる外用剤を調製した。白色ワセリン 1454mgを加温、撹 拌しながらサラシミツロウ 160mg、流動パラフィン 340mgおよびべンジルアルコール (ィ匕合物 (I )の溶解度:約 100mgZmL)40mgを添加、分散させ、これに化合物( I )6 mgを添加し、連続撹拌しながら加温した。次いで、室温 (約 25°C)に放置し、外用軟
膏剤を得た
[0059] [表 10] 処方 化合物 ( I ) m g
白色ヮセリン 4 5 4 m g
サラシミツロウ 1 6 0 m g
流動パラフィン 3 4 0 m g
ベンジルアルコール 4 0 nLgl
2 0 0 0 m g
[0060] 得られた軟膏剤の顕微鏡観察の結果、化合物( I )の析出は認められず、均一性が 保持されていた。
実施例 5
[0061] 常法により、次の組成からなる外用剤を調製した。白色ワセリン 1440mgを加温、撹 拌しながらサラシミツロウ 160mg、流動パラフィン 340mgおよびべンジルアルコール 40mg (ィ匕合物 (I )の溶解度:約 lOOmgZmL)を添加、分散させ、これに化合物( I )2 Omgを添加し、連続撹拌しながら加温した。次いで、室温 (約 25°C)に放置し、外用 軟膏剤を得た。
[0062] [表 11] 処方 化合物 ( I ) 2 0 m g
白色ヮセリン 4 4 0 m g
サラシミツロウ 1 6 0 mg
流動パラフィン 3 4 0 m g
ベンジルアルコ 4 0
2 0 0 0 m g
[0063] 得られた軟膏剤の顕微鏡観察の結果、化合物( I )の析出は認められず、均一性が 保持されていた。
実施例 6
[0064] 常法により、次の組成からなる外用剤を調製した。白色ワセリン 1954mgを加温、撹 拌しながらミリスチン酸イソプロピル (ィ匕合物( I )の溶解度:約 10mgZmL)40mgを 添加、分散させ、これに化合物 (I )6mgを添加し、連続撹拌しながら加温した。次いで
、室温 (約 25°C)に放置し、外用軟膏剤を得た。
[0065] [表 12] 処方 化合物 (I ) 6 m g
白色ヮセリン 1 9 5 4 m g
ミリスチン酸ィソプロピル 4 0 m g
2 0 0 0 m g
[0066] 得られた軟膏剤の顕微鏡観察の結果、化合物( I )の析出は認められず、均一性が 保持されていた。
実施例 7
[0067] 常法により、次の組成からなる外用剤を調製した。白色ワセリン 1894mgを加温、撹 拌しながらミリスチン酸イソプロピル (ィ匕合物( I )の溶解度:約 lOmgZmL) lOOmgを 添加、分散させ、これに化合物 (I )6mgを添加し、連続撹拌しながら加温した。次いで 、室温 (約 25°C)に放置し、外用軟膏剤を得た。
[0068] [表 13] 処方 化合物 (I ) 6 m g
白色ヮセリン 1 8 9 4 m g
ミリスチン酸イソプロピル 1 0 0 m g
2 0 0 0 m g
[0069] 得られた軟膏剤の顕微鏡観察の結果、化合物( I )の析出は認められず、均一性が 保持されていた。
実施例 8
[0070] 常法により、次の組成からなる外用剤を調製した。白色ワセリン 1514mgを加温、撹 拌しながらサラシミツロウ 160mg、流動パラフィン 240mg、炭酸プロピレン (ィ匕合物 (I )の溶解度:約 33mgZmL)40mgおよびミリスチン酸イソプロピル (ィ匕合物( I )の溶解 度:約 10mgZmL)40mgを添加、分散させ、これに化合物 (I )6mgを添加し、連続 撹拌しながら加温した。次いで、室温 (約 25°C)に放置し、外用軟膏剤を得た。
[0071] [表 14]
化合物 ( I ) 6 mg 白色ヮセリン 1 5 1 4 mg
サラシミツロウ 1 6 0 mg
流動パラフィン 240 mg
炭酸プロピレン 40 mg
ミリスチン酸イソプロピ,ル 40 mg
2 0 0 0 mg
[0072] 得られた軟膏剤の顕微鏡観察の結果、化合物( I )の析出は認められず、均一性が 保持されていた。
実施例 9
[0073] 常法により、次の組成からなる外用剤を調製した。 白色ワセリン 1454mgを加温、撹 拌しながらサラシミツロウ 160mg、流動パラフィン 240mg、炭酸プロピレン (ィ匕合物 (I )の溶解度:約 33mgZmL)40mgおよびミリスチン酸イソプロピル (ィ匕合物( I )の溶解 度:約 lOmgZmL) lOOmgを添加、分散させ、これに化合物 (I )6mgを添カ卩し、連続 撹拌しながら加温した。次いで、室温 (約 25°C)に放置し、外用軟膏剤を得た。
[0074] [表 15] 処方 化合物 ( I ) 6 mg
白色ワセリン 1 4 5 4 mg
サラシミツロウ 1 6 0 mg
流動パラフィン 240 mg
炭酸プロピレン 40 mg
ミリスチン酸ィソブロピル 1 0 0 mg
2 0 00 mg
[0075] 得られた軟膏剤の顕微鏡観察の結果、化合物( I )の析出は認められず、均一性が 保持されていた。
実施例 10
[0076] 常法により、次の組成からなる外用剤を調製した。 白色ワセリン 1454mgを加温、撹 拌しながらサラシミツロウ 160mg、流動パラフィン 240mg、炭酸プロピレン (ィ匕合物 (I )の溶解度:約 33mgZmL) lOOmgおよびミリスチン酸イソプロピル (ィ匕合物( I )の溶
解度:約 10mgZmL)40mgを添加、分散させ、これに化合物 (I )6mgを添カ卩し、連 続撹拌しながら加温した。次いで、室温 (約 25°C)に放置し、外用軟膏剤を得た。
[0077] [表 16] 化合物 ( I ) 6 m g
白色ヮセリン 1 4 5 4 m g
サラシミツロウ 1 6 0 m g
流動パラフィン 2 4 0 m g
炭酸プロピレン 1 0 0 m g
ミリスチン酸イソプロピル 4 0 m g
2 0 0 0 m g
[0078] 得られた軟膏剤の顕微鏡観察の結果、化合物( I )の析出は認められず、均一性が 保持されていた。
実施例 11
[0079] 常法により、次の組成からなる外用剤を調製した。白色ワセリン 1440mgを加温、撹 拌しながらサラシミツロウ 160mg、流動パラフィン 240mg、炭酸プロピレン (ィ匕合物 (I )の溶解度:約 33mgZmL) lOOmgおよびミリスチン酸イソプロピル (ィ匕合物( I )の溶 解度:約 10mgZmL)40mgを添加、分散させ、これに化合物 (I )20mgを添カ卩し、連 続撹拌しながら加温した。次いで、室温 (約 25°C)に放置し、外用軟膏剤を得た。
[0080] [表 17] 化合物 ( I ) 2 0 m g
白色ヮセリン 1 4 4 0 m g
サラシミツロウ 1 6 0 m g
流動パラフィン 2 4 0 m g
炭酸プロピレン 1 0 0 m g
ミリスチン酸ィソプロピル 4 0 m g
2 0 0 0 m g
[0081] 得られた軟膏剤の顕微鏡観察の結果、化合物( I )の析出は認められず、均一性が 保持されていた。
実施例 12
[0082] 常法により、次の組成からなる外用剤を調製した。白色ワセリン 1454mgを加温、撹
拌しながらサラシミツロウ 160mg、流動パラフィン 180mg、炭酸プロピレン (ィ匕合物 (I )の溶解度:約 33mgZmL) lOOmgおよびミリスチン酸イソプロピル (ィ匕合物( I )の溶 解度:約 lOmgZmL) lOOmgを添加、分散させ、これに化合物 (I )6mgを添カ卩し、連 続撹拌しながら加温した。次いで、室温 (約 25°C)に放置し、外用軟膏剤を得た。
[0083] [表 18] 化合物 ( I ) 6 m g
白色ヮセリン 1 4 5 4 m g
サラシミツロウ 1 6 0 m g
流動パラフィン 1 8 0 m g
炭酸プロピレン 1 0 0 m g
ミリスチン酸ィソプロピル 1 0 0
2 0 0 0 m g
[0084] 得られた軟膏剤の顕微鏡観察の結果、化合物( I )の析出は認められず、均一性が 保持されていた。
実施例 13
[0085] 常法により、次の組成からなる外用剤を調製した。 白色ワセリン 1440mgを加温、撹 拌しながらサラシミツロウ 160mg、流動パラフィン 180mg、炭酸プロピレン (ィ匕合物 (I )の溶解度:約 33mgZmL) lOOmgおよびミリスチン酸イソプロピル (ィ匕合物( I )の溶 解度:約 lOmgZmL) lOOmgを添加、分散させ、これに化合物 (I )20mgを添カロし、 連続撹拌しながら加温した。次いで、室温 (約 25°C)に放置し、外用軟膏剤を得た。
[0086] [表 19] 化合物 ( I ) 2 0 m g
白色ヮセリン 1 4 4 0 m g
サラシミツロウ 1 6 0 m g
流動パラフィン 1 8 0 m g
炭酸プロピレン 1 0 0 m g
ミ リスチン酸ィソプロピル 1 0 0 m g
2 0 0 0 m g
[0087] 得られた軟膏剤の顕微鏡観察の結果、化合物( I )の析出は認められず、均一性が 保持されていた。
実施例 14
[0088] 常法により、次の組成からなる外用剤を調製した。 白色ワセリン 1454mgを加温、撹 拌しながらサラシミツロウ 160mg、流動パラフィン 320mg、ベンジルアルコール(ィ匕 合物 (I )の溶解度:約 lOOmgZmL) 20mgおよびミリスチン酸イソプロピル (ィ匕合物( I )の溶解度:約 10mgZmL)40mgを添加、分散させ、これに化合物 (I )6mgを添カロ し、連続撹拌しながら加温した。次いで、室温 (約 25°C)に放置し、外用軟膏剤を得 た。
[0089] [表 20] 化合物 ( I ) 6 m g
白色ヮセリン 1 4 5 4 m g
サラシミツロウ 1 6 0 m g
流動パラフィン 3 2 0 m g
ベンジルアルコール 2 0 m g
ミリスチン酸イソプロビル 4 0 m g-
2 0 0 0 m g
[0090] 得られた軟膏剤の顕微鏡観察の結果、化合物( I )の析出は認められず、均一性が 保持されていた。
実施例 15
[0091] 常法により、次の組成からなる外用剤を調製した。 白色ワセリン 1440mgを加温、撹 拌しながらサラシミツロウ 160mg、流動パラフィン 320mg、ベンジルアルコール(ィ匕 合物 (I )の溶解度:約 lOOmgZmL) 20mgおよびミリスチン酸イソプロピル (ィ匕合物( I )の溶解度:約 10mgZmL)40mgを添加、分散させ、これに化合物 (I )20mgを添カロ し、連続撹拌しながら加温した。次いで、室温 (約 25°C)に放置し、外用軟膏剤を得 た。
[0092] [表 21]
化合物 ( I ) 20 mg
白色ヮセリン 1440 mg
サラシミヅロウ 160 mg
流動パラフィン 320 mg
ベンジルアルコール 20 mg
ミリスチン酸ィソプロピル 40
2000 mg
[0093] 得られた軟膏剤の顕微鏡観察の結果、化合物( I )の析出は認められず、均一性が 保持されていた。
実施例 16
[0094] 常法により、次の組成からなる外用剤を調製した。 白色ワセリン 1454mgを加温、撹 拌しながらサラシミツロウ 160mg、流動パラフィン 260mg、ベンジルアルコール(ィ匕 合物 (I )の溶解度:約 lOOmgZmL) 20mgおよびミリスチン酸イソプロピル (ィ匕合物( I )の溶解度:約 lOmgZmL) lOOmgを添加、分散させ、これに化合物 (I )6mgを添カロ し、連続撹拌しながら加温した。次いで、室温 (約 25°C)に放置し、外用軟膏剤を得 た。
[0095] [表 22] 化合物 ( I ) 6 mg 白色ヮセリン 1454 mg サラシミツロウ 160 mg 流動パラフィン 260 mg ベンジルアルコール 20 mg ミリスチン酸イソプロビル 100 mg
2000 mg
[0096] 得られた軟膏剤の顕微鏡観察の結果、化合物( I )の析出は認められず、均一性が 保持されていた。
実施例 17
[0097] 常法により、次の組成からなる外用剤を調製した。 白色ワセリン 1440mgを加温、撹 拌しながらサラシミツロウ 160mg、流動パラフィン 260mg、ベンジルアルコール(ィ匕
合物 (I )の溶解度:約 lOOmgZmL) 20mgおよびミリスチン酸イソプロピル (ィ匕合物( I )の溶解度:約 lOmgZmL) lOOmgを添加、分散させ、これに化合物 (I )20mgを添 加し、連続撹拌しながら加温した。次いで、室温 (約 25°C)に放置し、外用軟膏剤を 得た。
[0098] [表 23] 化合物 ( I ) 2 0 m g
白色ヮセリン 1 4 4 0 m g
サラシミツロウ 1 6 0 m g
流動パラフィン 2 6 0 m g
ベンジルアルコール 2 0 m g
ミリスチン酸ィソプロピル 1 0 0
2 0 0 0 m g
[0099] 得られた軟膏剤の顕微鏡観察の結果、化合物( I )の析出は認められず、均一性が 保持されていた。
実施例 18
[0100] 常法により、次の組成からなる外用剤を調製する。白色ワセリン 1877.6mgを加温、 撹拌しながらミリスチン酸イソプロピル (ィ匕合物( I )の溶解度:約 10mg/mL) lOOmg を添加、分散させ、これに化合物 (I )20mgおよび吉草酸べタメタゾン 2.4mgを添加し 、連続撹拌しながら加温する。次いで、室温 (約 25°C)に放置し、外用軟膏剤を得る
[0101] [表 24] 処方 化合物 (I ) 2 0 m g 吉草酸べタメ夕ゾン 2 . 4 白色ヮセリン 1 8 7 7 . 6
実施例 19
[0102] 常法により、次の組成からなる外用剤を調製する。白色ワセリン 1878mgを加温、 撹拌しながらミリスチン酸イソプロピル (ィ匕合物( I )の溶解度:約 10mg/mL) lOOmg
を添加、分散させ、これに化合物 (I )20mgおよびタクロリムス 2mgを添加し、連続撹 拌しながら加温する。次いで、室温 (約 25°C)に放置し、外用軟膏剤を得る。
[0103] [表 25] 処方 化合物 (I) 20 mg
夕クロリムス 2 mg
白色ヮセリン 1878 mg
ミリスチン酸イソプロピル 100 mg
2000 mg 実施例 20
[0104] 常法により、次の組成からなる外用剤を調製する。白色ワセリン 1879.98mgを加 温、撹拌しながらミリスチン酸イソプロピル (ィ匕合物( I )の溶解度:約 lOmgZmL) 10 Omgを添加、分散させ、これに化合物 (I )10mgおよびタカルシトール 0.02mgを添 加し、連続撹拌しながら加温する。次いで、室温 (約 25°C)に放置し、外用軟膏剤を 得る。
[0105] [表 26] 処方 化合物 (I) 20 mg 夕カルシトール 0. 02 mg 白色ヮセリン 1879. 98 mg
ミリスチン酸ィソプロピル 100 mg
2000 mg
[0106] 試験例 1:放出試験
34°Cに保ったフランツセル (拡散面積 0.5cm2)に、実施例 1および比較例 2で得ら れた外用剤それぞれ lOmgを均一に塗布したポリカーボネート製の合成膜をのせ、 レセプター液として 50部マクロゴール水溶液を入れ、経時的に水溶液をサンプリング し、外用剤より放出された薬物量を高速液体クロマトグラフにより測定した。
[0107] 結果を表 27に示した。
[0108] [表 27]
表 2 7
[0109] 実施例 1で得られた外用剤は、比較例 2で得られた外用剤と比較し、有効成分 (ィ匕 合物( I ))の放出速度が大きいことが示された。即ち、化合物( I )の溶解度力 mgZ mL以上である溶媒成分 (炭酸プロピレン)を 2質量%含有する外用剤は、有効成分 の良好な放出を示した。
試験例 2:マウスォキサゾロン誘発耳介浮腫反応に対する抑制作用
BALBZcマウス (雄性、 日本チヤ一ルス ·リバ一社供給)を 6週齢で購入し実験に 用いた。少なくとも 1週間の検疫'馴化の後、体重増加が順調、かつ外見上に異常が 認められない個体を用い、 7週齢で試験を開始した。動物は室温 19〜25°C、湿度 3 0〜70%、一日 12時間照明(午前 7時〜午後 7時)の飼育室にて、プラスチックゲー ジに 6匹ずつ収容し、市販の固形飼料と水を自由に摂取させて飼育した。
[0110] 抗原溶液として、ォキサゾロン (シグマ ·アルドリッチ社製)をアセトン(関東ィ匕学社製 )に溶解し、 0. 5wZv%ォキサゾロン—アセトン溶液を調製した。抗原溶液 100 L を BALBZcマウスの剃毛した腹部に塗布することにより感作した。腹部の剃毛は感 作前日に行った。感作後 5日目に抗原溶液 10 Lを耳介の内側に塗布することで反 応を惹起した。
[0111] 実施例および比較例で得られた各種外用剤は反応惹起 3時間前および 2時間後 に耳介の内側と外側へそれぞれ lOmgずつ、計 20mgを塗布投与した。本群を試験 外用剤投与群とした。また、感作と反応惹起を行い反応惹起 3時間前および 2時間
後にプラセボ外用剤を塗布投与する群を陽性対照群、感作を行わず反応惹起を行 V、反応惹起 3時間前および 2時間後に化合物 (I )を含まな!/、プラセボ外用剤を塗布 投与する群を陰性対照群とした。塗布により反応を惹起する直前と惹起 24時間後に 、ダイアルシックネスゲージ (尾崎製作所社製)を用いて耳介の厚さを測定し、その差 を耳介浮腫とした。耳介浮腫の抑制率 (%)は下記にしたがって計算した。
[0112] [数 1] / 、 陽性対照群の値-試験外用剤投与群の値
抑制率 (%) : X 1 0 0
P昜性対照群の値一 P雲性対照群の値
[0113] 表 28に結果を示す。
[0114] [表 28] 表 2 8
[0115] 化合物( I )を含有する外用剤において、化合物( I )の溶解度が 4mgZmL以上で ある溶媒成分を 0. 5〜 15質量%含有する外用剤(実施例 1、 11、 13)は、ォキサゾロ ン誘発耳介浮腫反応に対する抑制作用を示した。一方、化合物 (I )の溶解度が 4mg ZmL以上である溶媒成分を 20質量%以上含有する外用剤 (比較例 2〜5)は、溶媒 成分の影響が強く外用剤としては不適であることが示された。即ち、化合物 (I )を含有 し、化合物( I )の溶解度が 4mgZmL以上である溶媒成分を 0. 5〜15質量%含有 する本発明の外用剤は、慢性皮膚疾患の治療および Zまたは予防剤として有効で あることが示された。
[0116] 比較例 1および 6に示す顕微鏡観察の結果、ならびに試験例 1および 2の結果から 、化合物( I )を有効成分として含有する外用剤において、化合物( I )の溶解度が 4m
gZmL以上である溶媒成分を 0. 5〜15質量%含有する該外用剤は、有効成分を 均一に含有しており、良好な薬物放出能力を有し、優れた薬効を発現する外用剤で あることが示された。
産業上の利用可能性
本発明により、 PDE— IVの機能亢進に起因する各種疾患 [例えば、慢性皮膚疾患 (例えば、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、貨幣状湿疹、 Vidal苔 癬、自家感作性皮膚炎、うっ滞性皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹、乾癬など)、喘息、 CO PD、アレルギー疾患など]に有効な 7— [2— (3, 5—ジクロロ— 4—ピリジル)—1— ォキソェチル ]ー4ーメトキシースピロ [1, 3—ベンゾジォキソールー 2, 1 '—シクロべ ンタン]またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する外用剤にお V、て、該有効成分の均一性および放出性に優れた該外用剤などを提供することがで きる。