WO2006095786A1

WO2006095786A1 - 回転プラグを備えた機器

Info

Publication number: WO2006095786A1
Application number: PCT/JP2006/304501
Authority: WO
Inventors: Shoichi Sakurai
Original assignee: Gs Yuasa Corporation
Priority date: 2005-03-11
Filing date: 2006-03-08
Publication date: 2006-09-14
Also published as: JPWO2006095786A1

Abstract

　ケースと、ケース内の受け端子と、並びに、側面、第１端面、第２端面、側面から突出した栓刃、第１端面から突出した第１回転軸部、第２端面から突出した第２回転軸部、及び第１回転軸部の表面に露出した接点を備えた回転プラグと、を備えた機器であって、回転プラグは、ケースに栓刃が収納された状態とケースから栓刃が突出した状態との間で回転できるように、第１回転軸部及び第２回転軸部によってケースに軸支され、受け端子は、ケースから栓刃が突出した状態の時に接点を回転プラグの回転軸の方向に圧接する。

Description

明細書

回転プラグを備えた機器

技術分野

[0001] 本願発明は、回転プラグ力突出する栓刃をコンセントに差し込むことにより AC電源等の供給を受ける回転プラグを備えた機器に関する。

背景技術

[0002] 携帯電話機やデジタルカメラ等の電池を充電する充電器や、その充電器に付属する ACアダプタ一としては、持ち運びの邪魔にならないものが好まれる。そのため、できるだけ小型で、突出した部分のない形状の製品の開発が進められている。

[0003] このような状況のもと、充電を行う場合にのみ、回転プラグを 90° 回転させて栓刃を引き出す機構を備えた ACアダプターが提案されている。この ACアダプタ一は、たとえば日本国特許第 3329258号 (以下、特許文献 1と称する。）の特許公報に開示されている。これによれば、栓刃の引き出し Z押し込みが自在であるため、充電をしな、場合には栓刃が邪魔にならな、ように ACアダプタ一本体内に押し込んでおくことがでさる。

[0004] 特許文献 1 :特許第 3329258号公報

特許文献 2 :実開平 6— 80271号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] ところが、このような ACアダプターでは、栓刃を備えるプラグを回転させることができるようにしなければならないため、 ACアダプターの機構が複雑ィ匕する。そのため、つぎのような問題があった。

[0006] (A)前記文献 1の図 3に示された ACアダプターを参照しながら、問題点を説明する。

この ACアダプターでは、回転プラグ（30)の一方の端面にのみ回転軸部（31)を突出させており、他方の端面には突出した回転軸部が存在しない。そのため、回転ブラグ（30)の回転が円滑に行われな、と!/、う問題があった。

[0007] (B)前記文献 1の図 1及び図 2に示された ACアダプターを参照しながら、問題点を説明する。この ACアダプターでは、栓刃（20)を引き出すために回転プラグ（30)を回転させた場合、他方の回転軸部（35)の端面力突出した一対の接点（22)がー対の受け端子 (60)を内側から押し広げることによって、一対の接点（22)と一対の受け端子 (60)との接続が行われる（図 2 (c) )。すなわち、栓刃（20)がケースから引き出されるとき、受け端子 (60)の圧迫力に逆らって、受け端子 (60)の間を押し広げている。したがって、栓刃（20)が引き出された状態が不安定であるので、栓刃に僅かな力が加わるだけで再び反対側に回転して栓刃（20)がケースに収納された状態にまで戻るという問題があった。

[0008] (C)また、前記文献 1の図 1で示される ACアダプターでは、受け端子（60)が接点（2 2)を圧接する方向が、回転プラグ（30)の回転軸の方向に対して垂直である。そして、第 2回転軸（35)とケース（10)が接触する環状の「曲面」と、受け端子 (60)が接点（ 22)を圧接する面とが、非常に近接している。そのため、栓刃（20)の出し入れによつて第 2回転軸 (35)とケース（10)とが擦り合わされて生じた磨耗粉が、次第に拡散して受け端子 (60)と接点（22)との間にまで達するという問題、さらには、接触不良を生じるという問題があった。

[0009] (D)さらに、前記文献 1の図 1及び図 2で示される ACアダプタ一は、使用されるたびに、栓刃（20)及び回転プラグ（30)が何度も回転し、一対の接点（22)がー対の受け端子 (60)を押し広げる。そのため、ピン状に突出した接点（22)及び受け端子 (60) が次第に曲がり得るという問題、すなわち、ピン状に突出した接点（22)や受け端子（ 60)として機能する部品の耐久性が低、と、う問題があった。

[0010] (E)日本国の公開実用新案公報である実開平 6— 80271号 (以下、特許文献 2と称する。）の図 4に示された ACアダプターを参照しながら、問題点を説明する。文献 2 の図 4に示された ACアダプターでは、回転プラグの 2つの端面のそれぞれにホイ一ル形状をした端子が露出している。そして、それぞれのホイール形状の端子が、それぞれ受け端子に接続している。このような機構が採用された場合、ケース内部での配線が複雑ィ匕する。すなわち、無駄な配線が多くなるという問題があった。

[0011] 本願発明は、上記問題に鑑みなされたものである。すなわち、本願発明は、栓刃の回転動作の安定性を確保しつつ、発生した磨耗粉により接触不良を生じず、受け端子及び接点の耐久性に優れた回転プラグを備えた機器を実現することを目的とする

課題を解決するための手段

[0012] 本願発明は、ケースと、ケース内の受け端子と、並びに、側面、第 1端面、第 2端面、側面力突出した栓刃、第 1端面力突出した第 1回転軸部、第 2端面力突出した第 2回転軸部、及び第 1回転軸部の表面に露出した接点を備えた回転プラグと、を備えた機器であって、回転プラグは、ケースに栓刃が収納された状態とケースカも栓刃が突出した状態との間で回転できるように、第 1回転軸部及び第 2回転軸部によつてケースに軸支され、受け端子は、ケース力栓刃が突出した状態の時に、接点を回転プラグの回転軸の方向に圧接することを特徴とする。

[0013] 本願発明の機器は、ケース、そのケース内の受け端子、及び回転プラグを備える。

そして、その回転プラグは、側面、側面にほぼ直交して互いに対向する第 1端面及び第 2端面、側面力突出した栓刃、栓刃が突出する方向とほぼ直交する方向に向けて第 1端面力突出した第 1回転軸部、第 1回転軸部が突出する方向とはほぼ逆の方向に向けて第 2端面力突出した第 2回転軸部、及び第 1回転軸部の表面に露出した接^;を備える。

[0014] さらに、その回転プラグは、ケースに栓刃が収納された状態 (ケースカも栓刃が突出しない状態）とケースカも栓刃が突出した状態との間で回転できるように、第 1回転軸部及び第 2回転軸部によってケースに軸支される。また、受け端子は、ケースから栓刃が突出した状態の時に、接点を回転プラグの回転軸の方向に圧接する。ここで、受け端子が回転プラグの回転軸の方向に接点を圧接するとは、受け端子が接点をおおよそ回転軸の方向に向けて圧接していることを意味する。すなわち、受け端子が接点を圧接する方向が回転軸力も 40° 程度ずれていたとしても、それは、本願の請求の範囲でいう「受け端子が接点を回転プラグの回転軸の方向に圧接する」に含まれるものとする。

[0015] 一方で、受け端子は、ケースに栓刃が収納された状態の時に、接点を圧接しない。

ケースに栓刃が収納された状態の時には、受け端子は、第 1回転軸部を圧接することになる。 [0016] 本願発明の機器においては、栓刃がケース力も突出した状態の安定性が、栓刃がケースに収納された状態のそれとくらべて、違わない。そのため、栓刃がケースから突出した状態において栓刃にわずかな力が加えられたとしても、回転プラグが回転して栓刃がすぐにケースに収納された状態に戻るという問題 (前述の（B)の問題）がない。

[0017] また、本願発明の機器では、受け端子が接点を回転プラグの回転軸の方向に圧接している。し力も、第 1回転軸部とケースが接触する環状の「曲面」と、受け端子が接点を圧接する「面」とが近接していない。したがって、第 1回転軸部とケースとが擦り合わさることによって磨耗粉が生じても、この磨耗粉が受け端子と接点との間まで達することがない。そのため、接触不良を生じるという問題 (前述の（C)の問題)がない。

[0018] また、本願発明の機器では、回転プラグが第 1回転軸部及び第 2回転軸部によってケースに軸支されるので、回転プラグの動作が円滑である。つまり、前述の（A)の問題は生じない。

[0019] ここで、回転プラグを構成する材料としては、耐摩耗性や滑性の高いものが好ましい。榭脂の磨耗粉が生じに《なるからである。また、回転プラグは絶縁体であればよ V、ので、榭脂に代えて耐摩耗性や滑性の高、セラミックス等の他の材料を用いてもよい。また、回転プラグを構成する側面、第 1端面、又は第 2端面だけに、このようなセラミックス等の他の材料を使用してもよい。さら〖こ、これらの表面に、耐摩耗性や滑性を備えさせる公知の表面処理をおこなってもよ、。

[0020] 本願発明は、接点が第 1回転軸部力突出しないことを特徴とする。

本願発明の機器においては、回転プラグの回転が繰り返されたとしても、接点が、次第に曲がるようなおそれがない。なぜなら、接点が、回転軸部に埋め込まれている力もである。すなわち、本願発明により、接点の耐久性が向上する。したがって、前述の（D)の問題が解消される。なお、本願発明は、第 1回転軸部は第 1の接点及び第 2 の接点を備え、第 1の接点と第 2の接点との間に榭脂を備えることを特徴としてもよい。このような特徴によっても、第 1の接点及び第 2の接点をその樹脂が支持することができる。したがって、回転プラグの回転が繰り返されたとしても、接点が、次第に曲がるようなおそれを低減でき、接点に関する部品の耐久性が向上する。したがって、前述の（D)の問題が解消される。

[0021] 本願発明は、第 1回転軸部は、第 1の接点及び第 2の接点を備え、回転プラグは、第 1の栓刃及び第 2の栓刃を備え、ケース内には、第 1の受け端子及び第 2の受け端子が備えられ、そして、第 1の受け端子は第 1の接点及び第 1の栓刃と電気的につながり、第 2の受け端子は第 2の接点及び前記第 2の栓刃と電気的につながつていることを特徴とする。本願発明の機器においては、無駄な配線が少なくなる。したがって、前述の (E)の問題が解消される。

[0022] 本願発明は、第 1回転軸部が樹脂からなる。これによつて、回転プラグの製造が容易となる。

本願発明は、側面力栓刃が突出する方向とほぼ直交する方向に向いて、第 2回転軸部から更なる突出部を備え、その突出部が角柱の形状であることを特徴とする。また、ケースは、角柱を挟持する部材を備えることを特徴とする。

本願発明は、受け端子が、ケースに収納された回路基板に備えられることを特徴とする。ここで、回路基板が、充電回路であることを特徴とする。

[0023] 本願発明は、回転プラグの両端面カゝらそれぞれ突設された回転軸部を機器本体で軸支することにより、この回転プラグの側面力突出する栓刃をこの機器本体に引き出し Z押し込み自在とし、この回転プラグの一方又は双方の回転軸部の端面の一部に、栓刃に接続された接点を露出させると共に、この接点が露出した回転軸部の端面に、機器本体に支持された受け端子が圧接していることを特徴とする。

[0024] これによれば、機器本体の受け端子が回転プラグの回転軸部の端面に圧接するので、少なくとも栓刃が引き出されたときに、この受け端子が回転軸部の端面に露出する接点に接触するようにすれば、この栓刃と受け端子とを接続することができるようになる。し力も、これら受け端子と接点とは、回転軸部の端面で接触するので、この回転軸部の周側面が軸支によって磨耗粉を生じたとしても、この磨耗粉が受け端子と接点との間に入り込む可能性はほとんどなくなり、接触不良を起こすおそれもなくなる。また、回転プラグは、両端面力も突出させた回転軸部をそれぞれ軸支されるので、回転が円滑に行われないようになるということもなくなる。さらに、受け端子は回転軸部の端面に常に摺接しているので、回転プラグの回転位置によって回転状態が不安定になるということもなくなる。

[0025] また、本願発明は、前記回転プラグの側面力突出する一対の栓刃に接続された 2 つの接点が一方の回転軸部の端面における回転軸中心の対称位置に露出すると共に、機器本体に支持された一対の受け端子が、この回転軸部の端面における回転軸中心の対称位置に圧接していることを特徴とする。

[0026] これによれば、一対の栓刃が 2つの接点を介して一対の受け端子に接続されるので、 AC電源のコンセントから電源の供給を受けるための回転プラグを備えた機器に好適に使用することができる。し力も、 2つの接点は、一方の回転軸部の端面に露出するので、一対の受け端子もこの端面の面する位置に並べて配置することができ、これらの受け端子への配線の引き回しに無駄を生じない。

図面の簡単な説明

[0027] [図 1]本願発明の一実施形態を示すものであって、受け端子が第 1回転軸部の端面を圧接する状態を示す拡大斜視図である。

[図 2]本願発明の一実施形態を示すものであって、回転プラグの構造を示す拡大斜視図である。

[図 3]本願発明の一実施形態を示すものであって、充電器の構造を示す分解斜視図である。

[図 4]本願発明の一実施形態を示すものであって、栓刃をケースに押し込んだときに、受け端子が、回転プラグの第 1回転軸部の端面を圧接する状態を示す拡大正面図である。

[図 5]本願発明の一実施形態を示すものであって、栓刃をケースから引き出したときに、受け端子が、回転プラグの第 1回転軸部の接点を圧接する状態を示す拡大図である。

符号の説明

[0028] 1 上ケース

2 下ケース

2a 軸受部

4 回転プラグ 4a 第 1回転軸部

4b 第 2回転軸部

4c 軸支部 (第 1回転軸部 4aの基部）

4d 軸支部（第 2回転軸部 4bの基部）

5 栓刃

5a 接点

7 受け端子

発明を実施するための最良の形態

[0029] 本願発明は、たとえば、 ACアダプター、リチウムイオン電池等の小型電池を充電する充電器、及び電源以外の何らかの信号などをやり取りするためのコネクタなどに、具体化される。すなわち、回転プラグの機構を備えた機器であれば、どのような機器に対しても本願発明は具体化されうる。

[0030] 以下の説明においては、本願発明が充電器に具体ィ匕された場合における好ましい実施形態について、図 1〜図 5を参照しながら説明する。

本実施形態の充電器では、 AC電源カゝら DC電源への変換の機能、及び小型電池を充電する機能が果たされる。

[0031] 本実施形態の充電器のケースは、図 3に示すように方形箱型である。これは、榭脂製の上ケース 1と下ケース 2とを、上下力も重ね合わせることにより構成される。下ケース 2内には、充電回路の各素子 (この各素子は図示されていない。）が実装された回路基板 3が取り付けられる。また、この下ケース 2内の右側端部には、円弧状に窪んだ軸受部 2a、 2bが形成される。そして、これらの軸受部 2a、 2bの間の下方は開口している。

[0032] 上ケース 1は、上面の左側に図示しない電池パックを装着する凹状の装着部 laが形成される。回路基板 3に取り付けられた複数の電池端子 3aは、この装着部 la内に突出する。これにより、装着した電池パックとこの回路基板 3の充電回路とが接続される。また、この上ケース 1内の右側端部には、下ケース 2の軸受部 2a、 2bに対応する円弧状に窪んだ図示しない軸受部（この軸受部は、図 3では隠れている。）が形成されている。 [0033] 上記下ケース 2の軸受部 2a、 2bの間には、回転プラグ 4が取り付けられる。回転プラグ 4は、榭脂成形品である。図 3における前側の側面から、一対の栓刃 5、 5がそれぞれ突出する。そして、左右方向の端面から、第 1回転軸部 4a (第 1回転軸部 4aは、図 3では隠れている。 )と第 2回転軸部 4bが突出する。

[0034] 第 1回転軸部 4aとは、図 1及び図 2に示されるように、回転プラグ 4の左側の端面からさらに左方向に突設したほぼ円柱状の成形部である。その基部は円柱状となって軸支部 4cを構成する。左側を向く端面においては、その上下端において接点 5a、 5 aが露出する。これら接点 5a、 5aは、回転プラグ 4の内部でそれぞれ一対の栓刃 5、 5 に電気的につながっている。

[0035] 1枚の金属板を加工することにより、栓刃 5と接点 5aとなる部分が形成される。すなわち、 1枚の金属板の前側に栓刃 5となる部分が形成されると共に、この後方が左側に折り曲げられることにより接点 5aの部分が形成される。そして、これらの金属板を 2 枚用いてインサート成形することによって、一対の栓刃 5、 5が埋め込まれた回転ブラグ 4が加工される。

[0036] なお、第 1回転軸部 4aの端面に露出する接点 5a、 5aは、上記のように栓刃 5、 5とそれぞれ一体となってつながっていなくても良い。すなわち、他の導電性の部材を介する等何らかの方法により、電気的につながっていればよい。また、本実施形態では、第 1回転軸部 4aにおける基部の軸支部 4cを除いた周側面にも接点 5a、 5aが露出する形態（図 2)を示した。しかし、この形態は、インサート成形時の接点 5a、 5aの位置決めをするため、及び榭脂の薄い層が形成されるのを避けるためになされたに過ぎない。本願発明を具体ィ匕するにあたっては、接点 5a、 5aが、第 1回転軸部 4aの周側面に露出する必要はない。また、当然のことであるが、一対の栓刃同士は、電気的につながっていない。すなわち、第 1の栓刃と第 2の栓刃とは、電気的につながっていない。

[0037] 上記第 2回転軸部 4bは、図 3に示されるように、回転プラグ 4の右側の端面力さらに右方向に突設した成形部である。その基部は円柱状となって軸支部 4dを構成する。さらに右方向に突出した部分に、正四角柱部 4eが形成される。そして、上記第 1回転軸部 4aの基部の軸支部 4cと第 2回転軸部 4bの基部の軸支部 4dとが、下ケース 2 の軸受部 2a、 2bに嵌め込まれると共に、この上に上ケース 1の軸受部を覆いかぶせることにより、回転プラグ 4が外装ケース 1、 2内で軸支されて回転可能となる。

[0038] ただし、本実施形態の充電器においては、この回転プラグ 4は、栓刃 5、 5が手前を向いた押し込み状態 (ケースに栓刃が収納された状態)から、下ケース 2の開口部を通してこれらの栓刃 5、 5が下方に引き出された状態 (ケースカも栓刃が突出した状態 )までの 90° の回転角度の範囲でのみ回転するようにした。

[0039] 上記回転プラグ 4の第 2回転軸部 4bの正四角柱部 4eには、ロッカー 6が取り付けられる。ロッカー 6は、図 3に示される形状を有し、弾性の強い榭脂板力なる。このロッカー 6の間に正四角柱部 4eが挟み込まれた状態で、回転プラグ 4及びロッカー 6が下ケース 2に嵌め込まれる。

[0040] 栓刃 5、 5が手前を向いた押し込み状態、及び下方を向いた引き出し状態の時には、正四角柱部 4eの平らな周側面が、ロッカー 6により適度な付勢力で挟持される。一方、栓刃 5、 5がこれらの状態の間に位置する時には、ロッカー 6が正四角柱部 4eの角部に押し広げられるので、正四角柱部 4eの角部が強い付勢力で挟持される。そのため、栓刃 5、 5の押し込み状態、及び引き出し状態でそれぞれ安定し、これらの間を回転プラグ 4が回転して移行する間にクリック感が生じる。

[0041] 上記回路基板 3の右端部には、図 3に示すように、一対の受け端子 7、 7が並んで取り付けられる。受け端子 7、 7は、回路基板 3上の充電回路の AC電源供給部（図示せず）に接続される。受け端子 7、 7は、いずれも導電性の金属板力なり、その先端部が共に右斜め下方に折り曲げられた端子である。そして、図 1に示すように、これらの受け端子 7、 7の右側への突出端が、第 1回転軸部 4aの端面の前後位置に並んで適度な押圧力で圧接する。

[0042] 受け端子 7、 7は、栓刃 5、 5が前方を向いた押し込み状態のときには、図 4に示すように、第 1回転軸部 4aの端面における榭脂のみが露出している部分 Aを圧接する。一方、これら栓刃 5、 5が下方を向いた引き出し状態のときには、図 5に示すように、第 1回転軸部 4aの端面における接点 5a、 5aが露出した部分 Bを圧接する。

[0043] 充電器を使用しないとき、すなわち電池の充電をしないときには、栓刃 5、 5を前方に向けて外装ケース 1、 2内に押し込むことができる。これにより、栓刃 5, 5が邪魔にならない。一方、電池を充電するときには、栓刃 5、 5を下方に向けて引き出す。これにより、回転プラグ 4が 90° 回転し、受け端子 7、 7が、第 1回転軸部 4aの端面に備えられた接点 5a、 5aを圧接し、栓刃 5、 5が回路基板 3上の充電回路と接続される。そして、電池を装着部 laに装着し、充電器の底面から引き出された栓刃 5、 5を外部の A C電源のコンセントに差し込むことにより、電池が充電される。

[0044] 本実施形態の充電器においては、受け端子 7、 7が接点 5a、 5aを回転プラグ 4の回転軸の方向に圧接している。し力も、第 1回転軸部 4aとケースが接触する環状の「曲面」と、受け端子が接点を圧接する「面」とが近接していない。そのため、第 1回転軸部 4aの基部の軸支部 4cが軸受部 2aと摩擦することによって磨耗粉が生じたとしても、この磨耗粉が受け端子 7と接点 5aとの間に入り込む可能性はほとんどない。したがつて、受け端子 7と接点 5aとの接触が不良となるおそれがない。

[0045] また、両端面力も突出した第 1回転軸部 4aの軸支部 4cと第 2回転軸部 4bの軸支部 4dと力それぞれ、軸受部 2a、 2b等に軸支されるので、回転プラグ 4の回転は常に円滑となる。

[0046] さらに、受け端子 7、 7は、第 1回転軸部 4aの端面に常に摺接しているので、回転プラグ 4の位置によって安定性に違いが生じない。例えば、文献 1で示した ACアダプタ一のように、受け端子が接点に圧接している状態が不安定であるようなことにならない。し力も、ロッカー 6が第 2回転軸部 4bの正四角柱部 4eを挟み込んでいるので、栓刃 5、 5が前方を向いた押し込み状態のとき及び下方を向いた引き出し状態のときに、回転状態が安定することになる。

[0047] 最後に、上記実施形態以外の他の実施形態について例示する。

上記実施形態では、第 1回転軸部 4aの軸支部 4c、及び第 2回転軸部 4bの軸支部 4dを円柱状にし、外装ケース 1、 2の軸受部 2a、 2b等を円弧状の窪みとしている。しかし、第 1回転軸部 4a及び第 2回転軸部 4bが軸支されればよいので、これらの形状は必ずしも限定されない。即ち、例えば軸支部 4c、 4dが円柱状であれば軸受部 2a、 2b等はどのような形状の窪みでもよいし、また、軸受部 2a、 2b等が円弧状であれば軸支部 4c、 4dは正多角柱状であってもよい。

[0048] 上記実施形態では、第 2回転軸部 4bに正四角柱部 4eを形成して、これをロッカー 6で挟み込む場合を示した力これと共に、又はこれに代えて、第 1回転軸部 4aに正四角柱部を形成し、これをロッカーで挟み込んでクリック感を得るようにしてもよい。さらに、回転プラグ 4の回転時にクリック感を得る構成であれば、このような正四角柱部とロッカーの組み合わせによる構成に限定されない。さらに、回転プラグ 4の回転時にクリック感が必要とされなければ、正四角柱部とロッカーの組み合わせ等の構成は不要である。

[0049] 上記実施形態では、金属板を折り曲げた受け端子 7、 7を用いる場合を示したが、第 1回転軸部 4aの端面に露出する接点 5a、 5aに圧接する導電体であれば、材質、形状、及び構造は任意に決定され得る。ただし、第 1回転軸部 4aの端面の榭脂を削り落とすようなものや、この第 1回転軸部 4aの端面の回転に伴って円滑な摺接ができないようなものは、好ましくない。

[0050] 上記実施形態では、一対の栓刃 5、 5に接続された 2つの接点 5a、 5aに一対の受け端子 7、 7を圧接する場合を示した。しかし、単一の栓刃に接続された単一の接点に単一の受け端子を圧接したり、又は 3本以上の栓刃に接続された 3つ以上の接点に 3つ以上の受け端子をそれぞれ圧接したりする場合であっても、本願発明は同様に適用され得る。し力も、これらの接点は、第 1回転軸部 4aの端面に代えて、第 2回転軸部 4bの端面に露出させるようにしてもよい。また、第 1回転軸部 4aと第 2回転軸部 4bの双方の端面に露出させるようにしてもよい。そして、これらの場合には、受け端子が、それぞれ圧接する接点に対応した位置に配置されるようにすればよい。

[0051] 上記実施形態では、 AC電源のコンセントから電源の供給を受けて、携帯電話機等の電池パックの充電を行う充電器について説明した。しかし、コンセントから供給される電源の種類は任意である。また、充電を行う二次電池の種類や用途は限定されない。

[0052] なお、本出願は、 2005年 3月 11日出願の日本特許出願（特願 2005— 68319)に基づくものであり、それらの内容はここに参照として取り込まれる。

産業上の利用可能性

[0053] 本願発明は、たとえば、 ACアダプター、リチウムイオン電池等の小型電池を充電する充電器、及び電源以外の何らかの信号などをやり取りするためのコネクタなどに、具体化される。すなわち、回転プラグの機構を備えた機器であれば、どのような機器に対しても本願発明は具体化されうる。

本願発明は、回転プラグを備えた機器に広く適用されうるものであるので、本願発明は産業上利用することができる発明である。

Claims

請求の範囲

[1] ケースと、

前記ケース内の受け端子と、並びに、

側面、第 1端面、第 2端面、前記側面から突出した栓刃、前記第 1端面から突出した第 1回転軸部、前記第 2端面力突出した第 2回転軸部、及び前記第 1回転軸部の表面に露出した接点を備えた回転プラグと、

を備えた機器であって、

前記回転プラグは、前記ケースに前記栓刃が収納された状態と前記ケースから前記栓刃が突出した状態との間で回転できるように、前記第 1回転軸部及び前記第 2 回転軸部によって前記ケースに軸支され、

前記受け端子は、前記ケースから前記栓刃が突出した状態の時に、前記接点を前記回転プラグの回転軸の方向に圧接する。

[2] 請求項 1に記載された機器において、前記接点が、前記第 1回転軸部から突出しない。

[3] 請求項 1に記載された機器において、

前記第 1回転軸部は、第 1の接点及び第 2の接点を備え、

前記回転プラグは、第 1の栓刃及び第 2の栓刃を備え、

前記ケース内には、第 1の受け端子及び第 2の受け端子が備えられ、

前記第 1の受け端子は、前記第 1の接点及び前記第 1の栓刃と電気的につながり、前記第 2の受け端子は、前記第 2の接点及び前記第 2の栓刃と電気的につながつている。

[4] 請求項 1に記載された機器にお!ヽて、前記第 1回転軸部が樹脂からなる。

[5] 回転プラグの両端面力それぞれ突設された回転軸部を機器本体で軸支することにより、この回転プラグの側面力突出する栓刃をこの機器本体に引き出し Z押し込み自在とし、この回転プラグの一方又は双方の回転軸部の端面の一部に、栓刃に接続された接点を露出させると共に、この接点が露出した回転軸部の端面に、機器本体に支持された受け端子が圧接していることを特徴とする回転プラグを備えた機器。

[6] 前記回転プラグの側面から突出する一対の栓刃に接続された 2つの接点が一方の回転軸部の端面における回転軸中心の対称位置に露出すると共に、機器本体に支持された一対の受け端子が、この回転軸部の端面における回転軸中心の対称位置に圧接して、ることを特徴とする請求項 5に記載の回転プラグを備えた機器。