WO2006080095A1 - 股部を有する衣類 - Google Patents

Abstract

本発明は、少ない部品数と接合箇所により、極めて箇単に仕上げることができて安価に供給できる、股部を有する衣類を提供することを目的とする。この股部を有する衣類は、股部に伸縮性の差異を附与し、臀部の凹凸に良くフィットして立体的な着用感が得られる。しかも、肌当りも良く履き心地が良い。本発明の股部を有する衣類は、２枚の略三角形状の伸縮性生地からなる股部を有する衣類であって、前身頃２と後身頃１の各頂点部１ａ、１ｂ、１ｃ、２ａ、２ｂ、２ｃを重合し接合してある。

Description

明 細 書 股部を有する衣類 技術分野

本発明は、 ショーツ、 パンティ、 ブリーフ、 トランクス、 ガードル、 ボディスーツ、 水 着などの股部を有する衣類に関するもので、 特に女性用ショーツに適し、 少ない部品点数 と接合箇所による臀部にブイットする着け心地の良い股部を有する衣類に関するものであ る。 背景技術

従来から女性用ショーツとしては、 素材、 色、 形など多種多様のものがあり、 各自の好 みのものを購入しているが、 一般的なショーツとしては、 下腹部を覆う前身頃布と、 臀部 を覆う後身頃布と、 股布とからなり、 前身頃布と後身頃布の互いに対応する両側縁部を縫 着すると共に、 股布の前後両端を前身頃布と後身頃布に縫い合せ、 ウェスト部の履き口や 脚部の裾口に線テープを縫着することによって形成されており、 運動時などに適応するた め、 通常、 伸縮性ナイロンやポリウレタンなどを用いて編織した伸縮性を有する編地また は織地によって作られている。

しかしながら、 前記の女性用ショーツは、 前身頃布と後身頃布の両側縁部や股布の前後 両端部、 ウェスト部の履き口、 脚部の裾口など鏠着箇所が多くなり、 ミシンによる縫製作 業に多くの時間と労力を要するばかりでなく、 臀部の凹凸にフィットさせるには、 「イセ込 み J や 「立体成形」 などが必要であった。 また、 縫製すると縫着部が硬くなつたり、 凹凸 になったりして肌当りや着用感が悪くなるといった問題点があった。

そこで、 最近では前身頃と後身頃とを鏠製せずに筒状に周回編成した立体形状の無縫製 ニットパンツが提案されている （例えば、 下記特許文献 1〜3参照）。

特許文献 1 ：特許第 3 4 0 3 7 2 0号公報

特許文献 2 ：特許第 3 4 0 3 7 2 1号公報

特許文献 3 ：特開 2 0 0 2— 3 2 7 3 0 3号公報

すなわち、 この無縫製ニットパンツは、 編み機の前後一対のニードルヘッドに編み糸が 周回状に供給されて、 下腹を覆う前身頃と臀部を覆う後身頃とが筒状に編成されたもので ある。 編み機は、 リブ編みされるウェスト部から編み出し、 次いでメリヤス編の胴部を周 回編成したのち、 連続して左右の股下部をメリヤス編によって編成し、 最後に伏せ目処理 を行って一枚のニットパンツに仕上げている。 発明の開示

発明が解決しようとする課題 しかしながら、 上記の無縫製ニットパンツは、 縫製部分がないため、 ニット特有の伸縮 性や柔軟性があり、 また鏠着部のゴロつきがないことから肌当りが優れているといった利 点があるものの、 臀部に形成した膨らみが一律であるため、 使用者によっては身体の形状 に膨らみがフィットしないおそれがあった。

本発明は、 上記のような問題点を解決することを課題として開発されたもので、 少ない 部品数と接合箇所により極めて簡単に仕上げることができて安価に供給できると共に、 股 部に伸縮性の差異を付与し臀部の凹凸に良くフィットして立体的な着用感が得られ、 肌あ たりも良くて履き心地の良い股部を有する衣類を提供することを目的とするものである。 課題を解決するための手段

上記の課題を解決し、 その目的を達成する手段として、 本発明は、 2枚の略三角形状の 伸縮性生地からなる股部を有する衣類であって、 前身頃と後身頃の各頂点部を重合し接合 してなる股部を有する衣類を開発し、 採用した。

また、 上記のように構成した股部を有する衣類において、 股部の內面に前身頃から後身 頃になるほど細くなる略三角形状の当て布を接合してある股部を有する衣類、 および前身 頃と後身頃の各頂点部の接合は接着剤または熱溶着である股部を有する衣類を開発し、 採 用した。 発明の効果

本発明は、 前身頃と後身頃を略三角形の生地を使用するため、 従来の生地に比べて裁断 した時のロスが少なくてすむ。 前身頃生地と後身頃生地との 2枚のみで衣類が出来上がつ ており、 縁テープやゴムなどの部品を一切必要としないから安価になる。 股部を意図的に 伸びないようにし、 かつ当て布の接合部を後方に行くほど細くしてあるから、 臀部の凹凸 にフィットして履き心地が良くなる。 また、 ウェスト部や脚部に段部となるようなテープ がないので、 突出することがなく、 パンツを着用した時にショーツのラインが出ないので 体裁がよくなる。 図面の簡単な説明

図 1は本癸明の実施の形態を示すショーツの正面図である。

図 2はその背面図である。

図 3はその平面図である。

図 4は図 1の A— A線断面図である。

図 5は図 1の B— B線断面図である。

図 6は後身頃の正面図である。

図 7は前身頃の正面図である。

図 8は当て布の正面図である。 図 9は股部の簡略底面図である。

図 1 0は着用状態の説明図である。 発明を実施するための最良の形態

以下に、 本発明の実施の形態を説明すれば、 図 1 ~ 3は女性用ショーツの 1例を示して おり、 この女性用ショーツは、 臀部を覆う後身頃 1と、 下腹部を覆う前身頃 2を接合する ことで構成されている。

上記の後身頃 1、 前身頃 2はともに縦横両方向に伸縮性を有するポリエステルゃポリァ ミ ド、 ポリウレタンなどで編成した編生地からなっていて、 臀部を覆う後身頃 1は面積の 大きい三角形状に形成されている。 その三角形状は図 6に示すように、 上片が長く、 斜辺 の方が短い逆三角形状に裁断されており、 上辺の中央部が僅か内方に窪んだ形状に形成さ れている。

一方、 下腹部を覆う前身頃 2は比較的面積が小さい三角形状に形成されており、 その三 角形状は図 7に示すように、 ウェスト部となる上辺が短く、 斜辺の方が長い概略逆三角形 状に裁断されており、 上辺は中央部が僅か内方に窪んだ形状に形成されていると共に、 斜 辺も内方に僅か窪んだ形状に形成されてあり、 下部頂点部を三角形状の切り込み部に形成 してある。

後身頃 1の左側頂点部 1 a、 右側頂点部 l b、 下部頂点 1 cは、 それぞれ折り返し線 3 で前身頃 2側に折り返し、 その折り返し片 4を、 前身頃 2の左右各頂点部 2 a、 2 bおよ び下部項点部 2 cと重ね合わせ、 その重合部に接着剤 5を塗着して一体的に接合またはそ の重合部を高周波溶接機や超音波溶着機によつて熱接着してある。

6は股部で、 図 9に示すように、 後身頃 1の下部頂点部 1 cの折り返し片 4と前身頃 2 の下部頂点 2 cとを接合して構成されており、 その股部 6の内面側に図 8に示すように、 前身頃 2側に貼着される方を幅広 7 aに、 後身頃 1側に貼着される方を幅狭 7 bにした概 略三角形状の綿の当て布 7の周縁を接着剤 5で接合または熱溶着で接合してある。 すなわ ち、 後身頃 1の折り返し片 4と前身頃 2の下部頂点 2 cを接合して伸縮性を規制してあり、 その内面側に綿の当て布 7を当ててさらに伸縮性を規制してある。.つまり、 折り^し片 4 と下部頂点 2 cと綿の当て布 7の三重部が一番伸縮性に劣り、 後身頃 1と綿の当て布 7お ょぴ前身頃 2と綿の当て布 7の二重部がその次に劣っている。

このように構成した女性用ショーツの着用状態を作用、 効果と共に説明すると、 ウェス トの履き口部や脚部の裾口などにゴムなどの伸縮テープがないので履きやすくて脱ぎやす くなる。 ショーツの正面両側上部に、 後身頃 1の折り返し片 3と前身頃 2の下部頂点 2 c との重合部があり、 この重合部は接着剤 5や熱溶着で一体的に接合されているから、 伸縮 性が規制され腰部前身頃 2と後身頃 1の位置がずれることがない。 また、 前身頃 2と後身 頃 1だけで構成されているから、 装着時の肌あたりが柔らかくて非常に良くフイツト感が 良好になる。 さらに、 股部 6においては、 後身頃 1の折り返し片 4と、 前身頃 2の下部頂点 2 cと、 綿の当て布 7との接合により伸縮性が規制されているとともに、 当て布 7を後身頃の方に 行くほど細くしてあるから、 図 1 0に示すように、 臀部の凸部 8や割れ目 9に良く沿いフ イットし、 美しいヒップラインになる。

以上、 本発明の主要な実施の形態では、 女性用のショーツの例で説明し、 接合方法は接 着剤、 熱溶着で説明したが、 本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、 例 えば、 パンティガ一ドルでもよく、 また、 接合も縫着でもよく、 要するに、 発明の目的を 達成でき、 かつ発明の要旨を逸脱しない範囲內で種々の設計変更が可能であることは言う までもない。 産業上の利用可能性

女性用ショーツに限ることはなく、 パンティ、 ブリーフ、 トランクス、 ガードル、 ボデ ィスーツ、 水着などの股部を有する衣類全般に適用できるものである。

Claims

請求の範囲

1 . 2枚の略三角形状の伸縮性生地からなる股部を有する衣類であって、 前身頃と後身 頃の各頂点部を重合し接合してなる股部を有する衣類。

2 . 股部の内面に前身頃から後身頃になるほど細くなる略三角形状の当て布を接合して ある請求項 1に記載の股部を有する衣類。

3 . 前身頃と後身頃の各頂点部の接合は接着剤または熱溶着である請求項 1または 2に 記載の股部を有する衣類。