WO2006061946A1

WO2006061946A1 - 転写方法、液体塗布装置

Info

Publication number: WO2006061946A1
Application number: PCT/JP2005/018801
Authority: WO
Inventors: Tamao Kojima; Hiroki Nunose
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2004-12-09
Filing date: 2005-10-12
Publication date: 2006-06-15
Also published as: CN101072690A; US20070298181A1; JP2006159126A; CN101072690B

Abstract

転写塗膜の密着性および写像性が高く、ブツ不良、表面の破断、絵柄の切れ、歪などの外観不良のない塗膜を得る。転写シート１０１を転写槽１１の水面に浮かべ、前記転写シート１０１に活性剤１４を塗布し、被転写体１５を転写シート１０１の上から転写槽に浸漬して転写シート１０１を転写し、さらに基材１０２を水洗除去した後、塗膜１０５を転写した被転写体１５を乾燥し、塗膜１０５を硬化する工程とからなる転写方法であって、前記転写シート１０１に活性剤１４を塗布して活性化する工程において、ノズルを複数個備えるノズルヘッド３に０.００８ＭＰａ以上、０.０４０ＭＰａ以下の圧力をかけて前記活性剤を吐出し、転写シート１０１上方で前記ノズルヘッド３を移動させる。

Description

明細書

転写方法、液体塗布装置

技術分野

[0001] 本発明は、各種の成形体等の表面に対して、液圧を利用して塗膜層を転写形成する転写方法、これに用いられる液体塗布装置に関するものである。

背景技術

[0002] 従来の転写方法の技術としては、水溶性フィルムに塗膜層が形成されている転写シートを水面に浮かべて水溶性フィルムを溶解または膨潤する工程と、転写シート〖こ活性剤を塗布して活性ィ匕する工程と、被転写体を転写シートの上力転写槽に浸漬して転写シートを転写する工程と、水溶性フィルムを水洗除去する工程と、塗膜を転写した被転写体を乾燥する工程と、被転写体に転写した塗膜を硬化する工程とからなる液圧による転写方法が提案されている (例えば、特許文献 1参照)。

[0003] また、活性剤の塗布方法として、複数個のノズルを備えるノズルヘッドから、 0.05〜 0.2MPaの空気圧をかけて、活性剤を刷毛状に垂れ流しつつ、転写シート上方でノズルヘッドを移動させることで、活性剤を転写シートに塗布する方法が提案されてヽる（例えば、特許文献 2参照)。このような活性剤の塗布方法は、スプレーノズルや超音波ノズルなどの活性剤を霧状にして塗布する方法に比較して、塗膜層への活性剤の浸透性が高い。このため、塗膜層の厚み方向にも、均一に溶解が行なわれ、写像性の高、転写塗膜が得られる。

[0004] また、活性剤塗布後に、塗膜層が溶解して、水面で転写シートが拡がることによつて発生する絵柄の切れや歪に対しては、水面に浮かべた転写シートの外周に枠体を設けることで、転写シートの拡がりを抑制する方法が提案されている（例えば、特許文献 2参照)。

[0005] 一方、活性剤を塗布するには活性剤に気泡が含まれて、な、ことが望ましぐ活性剤の消費量をできる限り抑制したいという要求がある。

[0006] 従来の気泡を含まずに液体 (活性剤）を塗布する方法、また塗布以外の液体の消費を少なくする方法としては、ノズルヘッドに加圧された液体を送りパージすることにより、ノズルヘッドや吐出口内の気泡を液体とともに排出する方法や、液体の供給回路に含まれる気泡をノズルヘッドを通らない排出回路力液体とともに保管タンクへ戻す方法があった。

[0007] この種の従来技術としては、特許文献 3に記載された技術がある。図 1は、特許文献 3に記載された従来の塗布装置を示す構成図であり、 11, 12, 13, 14はヘッドュニット、 21, 22, 23, 24は各ヘッドユニット 11乃至 14にそれぞれ対応する供給路、 3 1, 32, 33, 34は^出路と、 41は第 1ノノレブ、 42は第 2バノレブ、 51は循環往路、 52 は循環復路、 53は活性剤タンク、 54はサブタンク、 55は空気ポンプである。

[0008] 特許文献 3に開示される活性剤ジェットノズルなどのように、液体を供給する供給タンク（活性剤タンク 53)、供給タンクとノズルヘッド（ヘッドユニット 11, 12, 13, 14)を連結する供給回路、ノズルヘッドと保管タンク (サブタンク 54)を連結する排出回路、排出回路と保管タンクの間に切換弁 (第 2バルブ 42)などを設けるとともに、ノズルへッドを通らない供給回路と排出回路力なる直結回路をさらに設け、その直結回路の間に切換弁 (第 1バルブ 41)を設ける。

[0009] このようにしておいて、まず直結回路の切換弁を閉じ、排出回路の切換弁を開放して、供給タンク力液体を供給することにより、ノズルヘッドの気泡を液体とともに保管タンクへ回収する。その後、直結回路の切換弁の開放により直結回路の気泡を液体とともに保管タンクへ回収する。更に、直結回路の切換弁と排出回路の切換弁の閉鎖により、ノズルヘッド力も活性剤をパージしてノズルヘッド内の気泡を排出する。

[0010] 図 1において、供給タンクはインキをノズルヘッドや直結回路に圧送していた。保管タンクは、圧送されてきたノズルヘッドや直結回路力ものインキを保管していた。供給タンク、直結回路、供給タンクと保管タンク間などに設けられた切換弁は、開閉動作の組合せにより、供給タンク力ゝら圧送された活性剤を、ノズルヘッド、排出回路、直結回路などを通過させ、含まれる空気を排出したり、ノズルヘッドからパージしていた。特許文献 1：特開平 1― 22378号公報

特許文献 2：特開 2003 - 236422号公報

特許文献 3：特開平 11― 342634号公報

発明の開示発明が解決しょうとする課題

[0011] し力しながら、前記前段の従来の構成の液圧による転写方法では、水溶性フィルムを溶解または膨潤する工程で、転写シートが長時間曝露状態で放置されるため、その間に埃や塵が転写シート上に堆積してブッ不良の原因となる。また、転写シートに活性剤を塗布して活性化する工程にお!、ても、転写シートが長時間曝露状態で放置されるため、その間に埃や塵が転写シート上に堆積し、ブッ不良の原因となる。このブッ不良の抑制方法として、大規模なクリーンルーム内で転写作業することも考えられるが、建設費用や管理維持の点で課題となる。

[0012] また、活性剤を塗布後に転写シート上に、クリーンエアー等をダウンブローすると、転写シート表面の活性剤が揮発して転写シート表面が乾燥状態になり、転写塗膜の密着性と写像性が低下する。さらに、未硬化状態の塗膜層は、弾性率が低ぐ水溶性フィルムを洗浄除去する際にシャワーノズルを用いると、噴出量のバラツキによって発生する高水圧部分で塗膜層の表面が損傷し、写像性低下の原因となるという課題かあつた。

[0013] さらに、前述した従来の構成による活性剤の塗布方法では、活性剤への付加圧力が高ぐ転写シートが部分的に破断するため、塗装法などにより表面保護層を修復する必要がある。また、従来の構成による絵柄の切れや歪の抑制方法では、転写シートの外周に設けた枠体に転写シートが付着するため、連続使用に際しては、毎回、枠体のメンテナンス作業が必要となるという課題があった。

[0014] 一方、前記後段の従来の構成では、直結回路の切換弁を閉口し、排出回路の切換弁を開口した状態で、供給タンクから活性剤を圧送してノズルヘッド内の気泡を排出した後、直結回路の切換弁を開放して直結回路内の活性剤を排出した場合、ノズルヘッドの流動抵抗は直結回路の流動抵抗よりも大きヽことから、ノズルヘッド回路には減圧に伴なう気泡が発生してくる。

[0015] また、前記従来のパージまでの気泡発生防止方法では、ノズルヘッド内の気泡をパージにより排出した後に、改めて液体を塗布する場合、空気ポンプの停止に伴う減圧やノズル開口部の流速が大であり減圧していことから、空気ポンプ停止にともない、ノズル開口部力も空気を吸い気泡が発生する。 [0016] このように、気泡をなくすことができないという問題点を有していた。

[0017] さらに、従来の気泡発生防止方法では必ずパージが必要であり、実際に印刷に使う活性剤以外の量を必要とする問題点を有して、た。

[0018] 本発明は、前記従来技術の課題を解決することに指向するものであり、転写塗膜の密着性および写像性が高ぐブッ不良、表面の破断、絵柄の切れ、絵柄の歪などの外観不良のない、意匠性の高い塗膜を得ることができ、塗装法などによる表面保護層の修復工程がなぐまた転写シートを活性ィ匕する工程で枠体を必要としない液圧による転写方法を提供することを第 1の目的とする。

[0019] また本発明は、ノズルヘッド内の気泡排出開始力塗布完了までノズル内圧を下げな、ようにすることによりノズルヘッド内の気泡発生を防止し、気泡を含まな、液体の塗布を提供すること、およびパージ動作をなくし、塗布に供される液体以外の液体を必要としないようにすることを第 2の目的とする。

課題を解決するための手段

[0020] 上記目的を達成するために、本発明に係る転写方法は、基材層ど塗膜層を備えた転写シートを転写槽の水面に浮かべて膨潤する工程と、前記転写シートに活性剤を塗布して活性化する工程と、被転写体を転写シートの上から転写槽に浸漬して転写シートを転写する工程と、前記基材層を水洗除去する工程と、前記塗膜を転写した被転写体を乾燥する工程と、被転写体に転写した塗膜を硬化する工程とからなる転写方法であって、前記転写シートに活性剤を塗布して活性ィ匕する工程において、ノズルを複数個備えるノズルヘッドから、 0.008MPa以上、 0.040MPa以下の圧力で圧送された前記活性剤を吐出し、転写シート上方で前記ノズルヘッドを移動させて前記転写シートに活性剤を塗布する工程を含むことを特徴とする。

[0021] これによつて、表面破断のない液圧による転写塗膜が、塗装法などによる修正工程なしで得ることがでさる。

[0022] また、前記転写シートを転写槽の水面に浮かべて膨潤する工程において、前記転写シートを転写槽の水面に浮かべた後、転写シートの上方に覆いを配置してもよい。これによつて、埃や塵が転写シート上に堆積することを抑制でき、ブッ不良を防止でき、絵柄の歪の発生を抑制できる。 [0023] さらに、前記活性剤を塗布する工程の前に、前記塗布工程の圧力よりも小さい圧力で活性剤を圧送し、前記ノズルヘッド内の空気を排出する工程と、前記空気を排出する工程にぉヽて用いられた活性剤を回収し、前記供給タンクに前記活性剤を移送する工程とを含んでもよい。

[0024] これにより、塗布する活性剤への気泡の混入を抑制することができ、ブッ不良などの発生を抑えた良好な転写を行うことが可能となる。また、活性剤の消費を抑制することち可會となる。

[0025] 前記転写シートに活性剤を塗布する工程において、前記活性剤を前記転写シートの外周端を除いた内部に塗布することが望ましい。

[0026] これによつて、活性剤の塗布後に塗膜層が溶解して、水面で転写シートが拡がる現象を抑制でき、転写シートの活性化工程で枠体を使用せず、絵柄の切れや歪の発生を抑制できる。

[0027] また、上記目的を達成するために、本発明に係る転写方法に用いる液体塗布装置は、複数のノズルが設けられるノズルヘッドと、前記ノズルヘッドの内部に設けられ、液体を通過させる貫通路と、圧送される液体を保持する供給タンクと、前記貫通路を通過した液体を保持する保管タンクと、前記供給タンクと前記ノズルとを結ぶ第 1流路に設けられる第 1開閉弁と、前記保管タンクと前記ノズルとを結ぶ第 2流路に設けられる第 2開閉弁と、前記保管タンクと前記供給タンクとを結ぶ第 3流路に設けられる第 3 開閉弁を備え、前記ノズル、前記供給タンクおよび前記保管タンクのユニットが連結して 1つの閉流路を形成する液体塗布装置であって、孔の深さが 0.05mm以上、 0.3 mm以下、孔直径が 0.02mm以上、 0.15mm以下のノズルが複数個設けられるノズルヘッドを備えることを特徴とする。

[0028] これにより、液だれを可及的に抑えた塗布を実現することができ、転写方法に用いられることでブッ不良などの転写不良の抑制に大きく寄与することが可能となる。また、前記ノズルヘッドは、前記ノズルと連通し、ノズル以外の吐出口が設けられる貫通路を備えることが望ましい。

[0029] 前記貫通路を用いてノズルヘッド内の空気を排出することができ、気泡の含有を抑えた活性剤を塗布することが可能となる。 [0030] また、圧送される液体を保持する供給タンクと、前記貫通路の吐出口を通過した液体を保持する保管タンクと前記供給タンクから保管タンクに液体を移送する連結路を備えてもよい。

[0031] これにより、ノズルヘッド内の空気を排出しても活性剤の消費を抑えることが可能となる。

[0032] さらに、前記ノズルヘッドと転写シートを相対的に移動させる移動機構を備えてもよい。

[0033] これにより、均一な塗布を安定して行うことが可能となる。

発明の効果

[0034] 以上説明したように、本発明によれば、転写塗膜の密着性および写像性が高ぐブッ不良、表面の破断、絵柄の切れ、絵柄の歪などの外観不良のない、意匠性の高い塗膜を得ることができ、塗装法などによる表面保護層の修復工程がなぐ転写シートを活性化する工程で枠体を必要とせずに、絵柄の切れや歪の発生を抑制できるとヽう効果を奏する。

図面の簡単な説明

[0035] [図 1]従来の塗布装置を示す構成図である。

[図 2]液体塗布装置の液体循環回路図である。

[図 3]液体塗布装置のノズルヘッド 3を転写槽と共に示す断面図である。

[図 4]転写シートの断面図である。

[図 5]転写方法の処理手順を示すフローチャートである。

[図 6]液体塗布装置を用いて活性剤を塗布する第 1の工程を示す図である。

[図 7]液体塗布装置を用いて活性剤を塗布する第 2の工程を示す図である。

[図 8]前記第 2工程につづく第 3の工程を示す図である。

[図 9]転写方法の処理手順を概念的に示す図である。

[図 10]比較例としての転写方法の処理手順を概念的に示す図である。

符号の説明

[0036] 1 供給タンク

2 第 1開閉弁ノズルヘッド、第 2開閉弁保管タンク第 3開閉弁連結チューブ第 1チューブ第 2チューブ転写槽覆い

スプレーノス'ノレ活性剤被転写物スリットノズル清水

液圧転写板貫通路貫通孔ノス、ノレプレートノズル

/ ッキング液体塗布装置レール加圧回路第 1空気弁第 2空気弁圧縮空気供給源転写シート基材 103 表面保護層

104 着色層

105 塗膜

W 水

発明を実施するための最良の形態

[0037] 以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。

[0038] まず、本発明に係る転写方法に用いられる液体塗布装置 30を説明する。

[0039] 図 2は、液体塗布装置 30の液体循環回路図である。

[0040] 同図に示すように、液体塗布装置 30は、供給タンク 1と、第 1の開閉弁 2と、ノズルヘッド 3と、第 2の開閉弁 4と、保管タンク 5と、第 3の開閉弁 6と、これらを連結する連結チューブ 7とを備えている。そして、前記各要素は、液体を供給タンク 1から移送し、保管タンク 5から回送する閉回路の液体循環回路を構成するように連結されている

[0041] また、液体塗布装置 30はさらに、圧縮空気供給源 35と、第 1チューブ 9と、第 2チューブ 10と、第 1空気弁 33と第 2空気弁 34とを備えている。そしてこれらの要素は、供給タンクや 1や保管タンク 5に圧縮空気を供給する加圧回路を構成している。

[0042] ノズルヘッド 3には、液体の通る貫通路 22 (図 3参照）とその貫通路 22に連結する 2 個以上の微細穴（ノズル 25)を有するノズルプレート 24とを備えている。そして、ノズルヘッド 3は、液体を塗布するノズルユニットを構成して、る。

[0043] 供給タンク 1は、圧縮空気が供給される第 1のチューブ 9が連結されており、連結チユーブ 7を介して液体を圧送することができるようになって、る。

[0044] 保管タンク 5は、圧縮空気が供給される第 2のチューブ 10が連結されており、連結チューブ 7を介して液体を圧送することができるようになって、る。

[0045] 図 3は、液体塗布装置 30のノズルヘッド 3を転写槽と共に示す断面図である。

[0046] 同図に示すように、ノズルヘッド 3は、内面凹状に貫通路 22が設けられるノズルブロック 21と、複数個の微細孔であるノズル 25が開けられたノズルプレート 24と、ノズルブロック 21の貫通路 22とノズルプレート 24のノズル 25とが連通するように、ノズルブロック 21とノズルプレート 24を重ね合わせて固着したとき、固着部から液体が漏れないようにノズルブロック 21とノズルプレート 24の外周部間を封止するパッキング 26とを備えている。

[0047] ノズルブロック 21には、当該ノズルブロック 21を上下方向に貫通し、貫通路 22と連通する貫通孔 23が設けられている。更にノズルブロック 21には、図示しない吐出孔が設けられている。この吐出孔は、貫通孔 23から貫通路 22に圧送されてきた活性剤を多量に吐出できる孔である。当該吐出孔は連結チューブ 7を介し保管タンク 5と連結している。

[0048] また、ノズルヘッド 3は、レール 31上に載置された状態で摺動可能に保持されており、転写槽 11の上方を位置決め可能な 1軸スライドにより移動することが可能となっている。

[0049] より具体的には、ノズル 25、すなわちノズルプレート 24に貫通状態で設けられている孔の深さは、 0.05mm以上、 0.3mm以下、孔直径は 0.02mm以上、 0.15mm以下の範囲に設定されている。孔の深さが 0.05mmよりも小さくなると、活性剤の垂れが発生し、 0.3mmよりも大きくなると、噴出量バラツキが大きくなるからである。また、孔直径が 0.02mm小さくなると、噴出量バラツキが大きくなり、 0.15mmよりも大きいと、活性剤の垂れが発生するからである。

[0050] また、ノズルプレート 24には、一直線上にノズル 25が約 600個設けられており、ノズル 25の間隔は約 0. 5mmに設定されている。これにより、約 300mmの幅に活性剤を塗布することが可能となる。

[0051] 一方、転写槽 11は、水をためることのできる槽であり、内部には水 Wが貯留されている。

[0052] 図 4は、本実施形態に係る転写方法で用いられる転写シート 101の断面図である。

[0053] 同図に示すように、転写シート 101は、水溶性または水膨潤性フィルム力なる基材 102と、塗膜層 105とを備え、基材 102ど塗膜層 105とは層状に接合されている。また、塗膜層 105はさらに、表面保護層 103と着色層 104とを備え、着色層 104が転写シート 101の表面に露出するように表面保護層 103と着色層 104とが層状に接合されている。

[0054] 次いで、表面保護層 103の表面に、抽象柄の着色層 104を印刷することにより、塗膜層 105を形成し、この塗膜層 105が電離放射線硬化型榭脂からなる転写シート 10 1を得た。

[0055] 塗膜層 105は、着色層 104と表面保護層 103とからなることが好ましい。このような構成にすることで、着色層 104と表面保護層 103がー括で転写でき、表面保護層 10 3を形成するための塗装工程が不要となる。

[0056] (実施の形態 1)

次に、本発明に係る転写方法の実施形態 1につ、て説明する。

[0057] 図 5は、転写方法の処理手順を示すフローチャートである。

[0058] 本実施形態における液圧による第 1の転写方法は、概説すると以下のようになる。

すなわち、基材 102と塗膜層 105とからなる転写シート 101を転写槽 11の水面に浮かべ（S401)、基材 102を溶解または膨潤させ (S402)、転写シート 101に対し活性剤を塗布して転写シート 101を活性ィ匕させ (S403)、被転写体を転写シート 101の上力も転写槽に浸漬して塗膜層 105を被転写体に転写させ (S404)、基材 102を水洗除去し (S405)、塗膜層 105を転写した被転写体を乾燥させて、被転写体に転写した塗膜を硬化する（S406)。以上で転写処理は終了する。

[0059] 本実施形態では、転写シート 101を転写槽 11の水面に浮かべる処理 (S401)後で、転写シート 101を保護するために転写槽 11に覆い 12 (図 9参照）をしている。

[0060] この覆い 12を転写槽 11に配置する方法として、手作業や水平ロボットなどにより覆 Vヽ 12を移動する方法のほかに、あら力じめ転写槽上方の任意の一部に覆ヽ 12を設けておき、転写シートを転写槽の水面に浮かべた後、水流などによって転写槽 11の一部を覆う覆い 12の下方に移動させても良い。

[0061] 覆い 12の形状は、特に限定されるものではなく板状、フィルム状、ブロック状のいずれでも良い。また、覆い 12に使用する材質も、特に限定されるものではなく金属、榭脂、セラミックス、紙やそれらを少なくとも 1種類は含む複合体でも良い。

[0062] 転写シート 101と覆い 12との距離は、 3mm以上、 50mm以下であることが好ましい。転写シート 101と覆い 12との距離が 3mmより小さくなると転写シート 101と覆い 12 との接触が懸念されるからである。また、 50mmよりも大きくなると、ブッ不良防止の効果が低減するからである。 [0063] また、本実施形態では、転写シート 101に活性剤を塗布して活性ィ匕する工程 (S40 3)で、転写シート 101に活性剤を塗布した後にも、転写シート 101の上方であって転写槽 11の開口部に覆、 12を配置して、る。

[0064] この覆い 12を配置する方法や、覆い 12の形状、材質は、前記転写シート 101を転写槽 11の水面に浮かべた後に行う覆い 12を配置する方法や、覆い 12の形状、材質と同一であっても、同一でなくてもかまわない。

[0065] そして、転写シート 101と覆い 12との距離は、 3mmより小さくなると転写シートと覆い 12との接触が懸念され、また、 50mmよりも大きくなると、ブッ不良防止の効果が低減する点は同様である。なお、転写シート 101と覆い 12との距離が 10mmよりも大きくなると、溶剤の揮発を抑制する効果が低減するため、転写シート 101と覆い 12との距離は、 3mm以上、 50mm以下が好ましぐ 3mm以上、 10mm以下がさらに好ましい。

[0066] また、本実施形態では、基材 102を水洗除去する工程 (S405)において、被転写体の表面に当たる水の運動エネルギーが 0.68kg'm²Zs²以下としている。被転写体の表面に当たる水の運動エネルギーが 0.68kg'm²/s²よりも大きくなると、水圧による塗膜層 105表面の損傷が発生し、写像性が低下する。

[0067] また、基材 102を水洗除去する工程 (S405)は、スリットノズルより水を噴出することにより行っている。スリットノズルのスリット幅は、 O.lmm以上、 1.0mm以下が好ましい。スリット幅が O.lmmよりも小さくなると、水の噴出量バラツキが発生しやすくなり、 1 .Ommより大きくなると、水量が大きくなり、塗膜表面を損傷しやすくなる。

[0068] 以上のような転写方法を採用し、所定の工程で以上のような液体塗布装置 30を用いることで、転写塗膜の密着性および写像性が高ぐブッ不良、表面の破断、絵柄の切れ、絵柄の歪などの外観不良の発生を可及的に抑制することが可能となる。したがつて、意匠性の高い被転写物を得ることができる。

[0069] また、塗装法などによる表面保護層の修復工程がなぐ転写シートを活性化するェ程で枠体を必要とせずに、絵柄の切れや歪の発生を抑制できると!、う効果を奏する。

[0070] また、転写シート 101を転写槽 11の水面に浮かべ、基材 102を溶解または膨潤除去する工程 (S402)で、転写シートの上方に覆い 12を配置することによる、ブッ不良の防止と、塗膜層 105が備える表面保護層 103とにより、塗装工程なしで被転写体表面に着色層と表面保護層を形成して!/ヽる。

[0071] なお、塗膜層 105は、電離放射線硬化型榭脂からなることが好ましい。一般的に熱硬化型榭脂では、硬化温度が塗膜の軟化温度以上に設定されており、硬化工程で塗膜が軟化するため、塗膜表面に埃や塵が付着し、ブッ不良が発生する。これに対して電離放射線硬化型榭脂では、硬化工程での塗膜の軟ィ匕がほとんどなぐ硬化時間も短時間であるため、ブッ不良は発生しにくい。

[0072] また、本実施形態では、転写シート 101を覆うために、転写槽 11の開口部を覆い 1 2で覆ったが、前記距離の制限範囲内であれば、転写シート 101を覆う覆い 12の位置は限定されない。

[0073] (実施の形態 2)

次に、他の実施形態に係る転写方法について説明する。

[0074] 本実施形態の転写方法の概略工程は、前記実施形態と同様であり、図 5に示すように、基材 102と塗膜層 105とからなる転写シート 101を転写槽 11の水面に浮かべ（ S401)、基材 102を溶解または膨潤させ (S402)、転写シート 101に対し活性剤を塗布して転写シート 101を活性ィ匕させ (S403)、被転写体を転写シート 101の上力も転写槽に浸漬して塗膜層 105を被転写体に転写させ (S404)、基材 102を水洗除去し (S405)、塗膜層 105を転写した被転写体を乾燥させて、被転写体に転写した塗膜を硬化する（S406)。以上で転写処理は終了する。

[0075] ここで、本実施形態における転写シート 101の活性ィ匕工程 (S403)を詳細に説明する。

[0076] 図 6〜図 8は、転写シート 101の活性ィ匕工程 (S403)に用いられる液体塗布装置 3 0における活性剤の塗布工程を示すものである。なお、同図において、第 1開閉弁 2 、第 2開閉弁 4、第 3開閉弁 6については、開放状態の弁は白色とし、閉じた状態の弁は黒色として示している。

[0077] 図 6は、液体塗布装置 30を用いて活性剤を塗布する第 1の工程を示す図である。

同図に示すように、第 1開閉弁 2と第 2開閉弁 4とは開放されている。この状態において圧縮空気供給源 35から開放された第 1空気弁 33および第 1チューブ 9を介して供給タンク 1に低圧の圧縮空気が移送されて、る。

[0078] 以上により、供給タンク 1内の活性剤は、連結チューブ 7、第 1開閉弁 2、ノズルへッド 3内の貫通路 22、連結チューブ 7をこの順で経て、保管タンク 5へ移送される。この結果、連結チューブ 7、ノズルヘッド 3の貫通路 22などの内に含まれる気泡が一緒に保管タンク 5へ移送され、連結チューブ 7およびノズルヘッド 3内を気泡の無い活性剤で満たした状態を作り出すことができる。

[0079] なお、この第 1工程においては、圧縮空気は低圧であるためノズル 25からの活性剤の流出は抑制されている。

[0080] 図 7は、液体塗布装置 30を用いて活性剤を塗布する第 2の工程を示す図である。

第 1の工程につづいて、第 2開閉弁 4が閉口されるとともに、圧縮空気供給源 35から第 1チューブ 9を介して供給タンク 1に高圧の圧縮空気が移送される。

[0081] これにより、供給タンク 1内の活性剤は、連結チューブ 7、ノズルヘッド 3へ圧送され、ノズルプレート 24のノズル 25から活性剤が噴出する。

[0082] 具体的には、圧縮空気の圧力は、 0.008MPa以上、 0.040MPa以下の空気圧が望ましい。空気圧が 0.008MPaより小さいと噴出量バラツキが大きくなり、 0.040MP aより大きいと、塗布圧力による塗膜表面の損傷が発生しやすくなる力もである。

[0083] 上記条件の下、転写シート 101の一端力も他端に至るまでノズルヘッド 3から刷毛状に活性剤を垂れ流しつつノズルヘッド 3を移動させることにより、活性剤が転写シート 101に塗布され、転写シート 101の活性ィ匕が図られる。

[0084] また、本実施形態では、転写シート 101に活性剤を塗布して活性ィ匕する工程 (S40 3)において、転写シート 101の外周端を除いた内部にのみ活性剤を塗布している。

[0085] 具体的に転写シート 101の外周端を除いた内部に活性剤を塗布する方法としては、ノズルヘッド 3のノズル 25が並ぶ長さを転写シート 101の幅よりも小さくすると共に、転写シート 101上を移動するノズルヘッド 3の位置と活性剤の噴出タイミングを制御することにより実現している。このような方法にすることで、シャッターや遮蔽板なしで、転写シートの外周端における、活性剤の未塗布状態が実現できる。

[0086] なお、上記は、ノズルヘッドの下部にシャッターを設けて、噴出された活性剤の遮断タイミングを制御する方法、または活性剤の塗布前に転写シートの外周端の上方に遮蔽板を設ける方法を除外するものではな、。

[0087] 活性剤を塗布しない外周端の幅については、幅が狭すぎると、活性剤の塗布後に

、塗膜層が溶解して、水面で転写シートが拡がる現象を抑制する効果力 S小さくなるため、活性剤を塗布しな、外周端の幅は 5mm以上が好まヽ。

[0088] また、第 2の転写方法にぉヽては、活性化する工程の活性剤を塗布する方法以外は、前述した第 1の転写方法において説明した各工程を同様に行っている。

[0089] 以上により、気泡を含まない活性剤を転写シート 101に塗布することができ、転写の不具合を抑止することができる。

[0090] なお、塗布の停止は、第 1開閉弁 2を閉口することにより行なう。

[0091] 図 8は、前記第 2工程につづく第 3の工程を示す図である。

[0092] 第 2工程後すなわち活性剤の塗布終了後は、前記の通り第 1開閉弁 2は閉口した状態となっている。そして、供給タンク 1への圧縮空気の供給を停止するとともに、第 3開閉弁 6を開口し、圧縮空気供給源 35から第 2空気弁 34および第 2チューブ 10を介して保管タンク 5に圧縮空気を移送する。

[0093] この第 3工程により、保管タンク 5の活性剤は、連結チューブ 7、第 3開閉弁 6を経て供給タンク 1へ移送されることとなり、第 1工程で保管タンク 5へ移送された液体を回収することができる。

[0094] このようにすることで、気泡を含まな!/、活性剤で転写シート 101に塗布できるとともに、活性剤の使用量を低く抑えることが可能となる。

なお、加圧回路の第 1チューブ 9には第 1空気弁、第 2チューブ 10には第 2空気弁が設けられている。

実施例

[0095] (実施例 1)

本発明に係る転写方法のより具体的な実施例を説明する。

[0096] まず、転写シート 101としては、厚さ 40 μ mのポリビュルアルコール榭脂フィルムからなる基材 102の片面に、アクリルウレタン系オリゴマー 100重量部とアクリル系モノマー 15重量部とイソプロピルアルコール 20重量部との混合物によるコーティング剤をロールコート法によって塗工し、 80°Cの熱風で乾燥して、電離放射線硬化型榭脂による約 30 μ mの表面保護層 103を形成したシートを準備した。

[0097] 次に、転写工程を説明する。

[0098] まず、図 9 (a)に示すように、水温 30°Cの水 Wを転写槽 11に満たした。

[0099] 次に、図 9 (b)に示すように、転写槽 11の水面に、前記準備した転写シート 101を着色層 104が上面となるようにして浮かべた。

[0100] その直後に、図 9 (c)〖こ示すように、板厚約 lmmのアルミニウムからなる覆い 12を転写槽 11の枠の上に設置することで、転写シート 101の上方を覆った。なお、このときの覆い 12と転写シート 101の距離が 5〜10mmの範囲内になるように、転写槽 11 の水 Wの量をあらかじめ調整してお!ヽた。

[0101] 転写シート 101を水面に浮かべ、 120秒経過後に、図 9 (d)に示すように覆い 12を除去し、次に図 9 (e)に示すように、実施形態 2での記載に従いノズルヘッド 3から、酢酸ブチルとイソプロピルアルコールとブチルカルビトールアセテートとェチルセ口ソルブとトルエンとの混合溶剤力もなる活性剤 14を噴出し、転写シート 101の着色層 104 に約 28g/m²の活性剤 14を塗布した。

[0102] 活性剤 14を塗布した直後に、図 9 (f)に示すように、板厚約 lmmの覆い 12を覆いとして転写槽 11の枠の上に設置することで、転写シート 101の上方を覆った。なお、図 3 (c)と同様に覆い 12と転写シート 101の距離力 5〜： LOmmになるように、転写槽

11の水\^の量は、あらかじめ調整しておいた。

[0103] 次!、で、図 9 (g)に示すように、板厚 5mmの ABS (アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン)榭脂板からなる被転写物 15を覆、 12の上方に配置し、 5mmZ秒の速度で降下させた。

[0104] 次に、図 9 (h)に示すように、被転写物 15と覆い 12が接触しないように、被転写物 1 5と覆ヽ 12の距離が 10mmになったときに覆ヽ 12を除去した。

次に、図 9 (i)に示すように、さらに被転写物 15を降下させ、転写シート 101を被転写物 15の表面に延展、密着させた。

[0105] 次いで、水中から、表面に転写シート 101が延展、密着している被転写物 15を引き出し、図 9 (j)に示すように、スリット幅 0.6mm、長さ 200mmのスリットノス、ノレ 16より 25 °Cの清水 17を噴出し、転写シート 101におけるポリビュルアルコール榭脂フィルムからなる基材 102を液圧により水洗除去した。

[0106] 下記表 1は、スリットノズル 16から噴出する清水 17の流水量と、スリットノズル 16と被転写物 15の距離を任意に設定したときの、被転写物 15の表面に当たる清水 17の運動エネルギーの計算値と、水圧による塗膜表面の損傷状態の観察結果である。

[0107] [表 1]

表中の上段)清水の運動エネルギー

下段 )0:表面損傷ナシ、 X：表面損傷ァリなお、運動エネルギーは計算式 (数 1)

[0108] [数 1] 運動エネルギー =—_{m v} 2+ _{m g} h ( k g - m²/ s ²)

2 m: 1秒間の噴出流水量 (kgZs) v:流速 (mZ s)

g :重力加速度 (mZs²)

h:スリットノズルと ABS榭脂板の距離 (m)により算出した。

[0109] また、流速 Vは、ノズル開口面積： 0.6 X 200 X 10— ⁶ (m²)、および 1秒間の噴出体積: m X lO— ³ (m³Zs)力も以下の計算式 (数 2)

[0110] [数 2]

1秒間の噴出体積一 m X I 0—³ _m l Ο ³

ノズル開口面積 0.6 X 2 0 0 X I 0—⁶ "οΤθ ~~ X 2 0 0

= 1 0 0 O m/ 0 .6 / 2 0 0 により算出した。

[0111] 清水 17の運動エネルギーが、 0.68kg'm²/s²より大きくなると、塗膜の表面に損傷が発生し写像性が低下したため、 0.68kg'm²/s²以下の条件で洗浄したサンプルを次工程に用いた。

[0112] 洗浄後に被転写物 15を乾燥させることにより、電離放射線硬化型榭脂からなる塗膜層 105を表面に備えた液圧転写板 18を得た。

[0113] 次いで、出力 80mW/cmのオゾン有タイプの高圧水銀灯の下を、液圧転写板 18における電離放射線硬化型榭脂の塗膜層が照射面となるようにして通過させ、 10秒間の電離放射線の照射を行ない、塗膜層を硬化させた。

[0114] 得られた液圧転写板 18の表面の写像性をスガ試験機株式会社製の写像性測定機 ICM— 1T (光学クシ lmm幅、 45° 反射)で測定した。今回測定した写像性測定機では、写像性の測定結果が 0から 100までの数値で表示され、写像性が高いほどこの数値が大きくなる。測定結果の数値は 63を示した。

[0115] また、大きさ 150 X 200mmの液圧転写板 18の 10枚について、ブッ不良の発生状況につ、て確認した結果、ブッ不良の発生はなかった。

[0116] ここで、本実施の形態 1の液圧による転写方法に対する比較例として、図 10に示す従来の転写方法を参照しながら説明する。図 10 (a)〜 (g)は従来の液圧による転写方法を示す工程の断面図である。

[0117] 図 10 (a)は、水温 30°Cの水 Wを満たした転写槽 11を示しており、図 10 (b)に示すように転写槽 11の水面に、転写シート 101における着色層 104が上面となるようにして浮かべた。

[0118] 転写シート 101を水面に浮かべ、 120秒経過後に、図 10 (c)に示すように、スプレ一ノズル 13力ら、酢酸ブチルとイソプロピルアルコールとブチルカルビトールァセテートとェチルセ口ソルブとトルエンとの混合溶剤カゝらなる活性剤 14を噴出し、転写シート 101の着色層 104に約 28g/m²の活性剤を塗布した。

[0119] 次いで、図 10 (d) , (e)に示すように、同材質で板厚 5mmの被転写物 15を転写シート 101の上方に配置し、 5mm/秒の速度で降下させることにより、転写シート 101 を被転写物 15の表面に延展、密着させた。

[0120] 次いで、水中から、表面に転写シート 101が延展、密着している被転写物 15を引き出し、図 10 (f)に示すように、シャワーノズル 19により 25°Cの清水 17を噴出し、転写シート 101におけるポリビュルアルコール榭脂フィルム力もなる転写シート基材 102を除去した。

[0121] さらに乾燥することにより、塗膜層 105が電離放射線硬化型榭脂からなる液圧転写板 18を得た。

[0122] 次いで、出力 80mW/cmのオゾン有タイプの高圧水銀灯の下を、液圧転写板 18における電離放射線硬化型榭脂の塗膜層が照射面となるようにして通過させ、 10秒間の電離放射線の照射を行ない、塗膜層を硬化させた。

[0123] 得られた液圧転写板 18の表面の写像性をスガ試験機株式会社製の写像性測定機 ICM— 1T (光学クシ lmm幅、 45° 反射)で測定した結果、数値は 32を示した。

[0124] また、大きさ 150 X 200mmの液圧転写板 18の 10枚について、ブッ不良の発生状況につ、て確認した結果、 25点のブッ不良が発生して、た。

[0125] (実施例 2)

次に、活性剤 14の塗布条件の違いによる性能差を検証した。

[0126] 本実施例 2において、前述の実施の実施例 1と同様の転写シート 101を用い、また液圧による転写方法については、活性剤 14の塗布方法以外は、前述の実施例 1と同様であるため、ここでは活性剤の塗布方法以外の工程にっヽては説明を省略する [0127] 水温 30°Cの水 Wを満たした転写槽 11の水面に着色層 104が上面となるようにして転写シート 101が浮かべてある。

[0128] 液体塗布装置 30の供給タンク 1に空気圧をかけて、活性剤 14を圧送し、複数個のノズル 25から活性剤 14を刷毛状に垂れ流しつつ、ノズルヘッド 3を転写シート 101上で移動させることにより、 30gZm²の活性剤 14を転写シート 101上に塗布した。

[0129] ノズルプレート 24の孔の深さ、ノズル 25の孔直径と活性剤 14に付加する空気圧を変動させて、活性剤 14の液垂れの有無、活性剤 14の噴出量バラツキの有無および塗膜表面の損傷の有無を目？見観察した結果を表 2および表 3に示した。

[0130] [表 2]

[0131] 表 2は、活性剤 14に付加する空気圧を一定にして（0.03MPa—定）、孔の深さとノズル 25の孔直径を変動させたときの結果である。孔の深さが 0.05mmよりも小さくなると、活性剤の液垂れが発生し、 0.3mmよりも大きくなると、噴出量バラツキが大きくなった。また、孔直径が 0.02mmよりの小さくなると、噴出量バラツキが大きくなり、 0. 15mmよりも大きいと、活性剤の液垂れが発生した。

[0132] [表 3] 孑 Lの長さ mm

塗布力圧 MPa

0.05 0.1 0.2 0.3 布塗布塗布

0.005 塗布

バラツキバラツキバラツキバラツキ

0.008 良好良好良好良好

0.015 良好良好良好良好

0.02 良好良好良好良好

0.03 良好良好良好良好

0.04 良好良好良好良好

0.05 表面損傷表面損傷表面損表面損傷

[0133] 表 3は、ノズル 25の孔直径を一定にして（ φ : 0.07mm—定）、孔の深さと活性剤 14 に付加する空気圧を変動させたときの結果である。空気圧が 0.008MPaより小さ、と噴出量バラツキが発生し、 0.02MPaより大きいと、塗布圧力による塗膜表面の損傷が発生した。

[0134] 孔の深さが 0.1mm、孔直径が 0.07mmのノズルプレート 24を用いて、活性剤 14に 0.03MPaの空気圧をかけて、液圧転写板 18を作製した。その際、転写シート 101の外周端の 10mm以上に活性剤 14が塗布されないよう、活性剤 14の塗布タイミングを制御した。

[0135] この液圧による転写方法での転写板表面の写像性を、スガ試験機株式会社製の写像性測定機 ICM— 1T (光学クシ lmm幅、 45° 反射)で測定した結果、数値は 69を示した。

[0136] また、大きさ 150 X 200mmの液圧転写板 18の 10枚について、ブッ不良および塗膜層の表面破断および絵柄の切れや歪みの発生状況を確認した結果、ブッ不良および塗膜層の表面破断および絵柄の切れや歪みの発生はな力つた。

産業上の利用可能性

[0137] 本発明に係る転写方法は、転写塗膜の密着性および写像性が高ぐブッ不良、表面の破断、絵柄の切れ、絵柄の歪などの外観不良のない、意匠性の高い塗膜を得られ、各種の成形体等の表面に対して、塗膜層を転写形成する方法として有用である

Claims

請求の範囲

[1] 基材層と塗膜層を備えた転写シートを転写槽の水面に浮かべて膨潤する工程と、前記転写シートに活性剤を塗布して活性ィ匕する工程と、

被転写体を転写シートの上力転写槽に浸漬して転写シートを転写する工程と、前記基材層を水洗除去する工程と、

前記塗膜を転写した被転写体を乾燥する工程と、

被転写体に転写した塗膜を硬化する工程とからなる転写方法であって、前記転写シートに活性剤を塗布して活性ィ匕する工程において、

ノズルを複数個備えるノズルヘッドから、 0.008MPa以上、 0.040MPa以下の圧力で圧送された前記活性剤を吐出し、転写シート上方で前記ノズルヘッドを移動させて前記転写シートに活性剤を塗布する工程を含むことを特徴とする転写方法。

[2] 前記転写シートを転写槽の水面に浮かべて膨潤する工程において、

前記転写シートを転写槽の水面に浮かべた後、転写シートの上方に覆いを配置することを特徴とする請求項 1に記載の転写方法。

[3] さらに、

前記活性剤を塗布する工程の前に、前記塗布工程の圧力よりも小さ!ヽ圧力で活性剤を圧送し、前記ノズルヘッド内の空気を排出する工程と、

前記空気を排出する工程において用いられた活性剤を回収し、前記供給タンクに前記活性剤を移送する工程とを含むことを特徴とする請求項 1または請求項 2に記載の転写方法。

[4] 前記転写シートに活性剤を塗布する工程にぉ、て、

前記活性剤を前記転写シートの外周端を除いた内部に塗布することを特徴とする請求項 1〜請求項 3のいずれか 1項に記載の転写方法。

[5] 複数のノズルが設けられるノズルヘッドと、

前記ノズルヘッドの内部に設けられ、液体を通過させる貫通路と、

圧送される液体を保持する供給タンクと、

前記貫通路を通過した液体を保持する保管タンクと、

前記供給タンクと前記ノズルとを結ぶ第 1流路に設けられる第 1開閉弁と、前記保管タンクと前記ノズルとを結ぶ第 2流路に設けられる第 2開閉弁と、前記保管タンクと前記供給タンクとを結ぶ第 3流路に設けられる第 3開閉弁を備え、前記ノズル、前記供給タンクおよび前記保管タンクのユニットが連結して 1つの閉流路を形成する液体塗布装置であって、

孔の深さが 0.05mm以上、 0.3mm以下、孔直径力〇.02mm以上、 0.15mm以下のノズルが複数個設けられるノズルヘッドを備えることを特徴とする転写方法に用いる液体塗布装置。

[6] 前記ノズルヘッドは、前記ノズルと連通し、ノズル以外の吐出口が設けられる貫通路を備える請求項 5に記載の転写方法に用いる液体塗布装置。

[7] 圧送される液体を保持する供給タンクと、

前記貫通路の吐出口を通過した液体を保持する保管タンクと、

前記供給タンク力保管タンクに液体を移送する連結路とを備える請求項 6に記載の転写方法に用いる液体塗布装置。

[8] さらに、前記ノズルヘッドと転写シートを相対的に移動させる移動機構を備える請求項 5〜請求項 7のいずれか 1項に記載の転写方法に用いる液体塗布装置。