E S I用スプレーニードル及びその製造方法
技術分野
本発明は、 微量物質、 就中、 生体物質の分析に使用される質量分析用 明
の E S I用スプレーユードル及びその製造方法に関するものである。
背景技術 書 液体ク口マトグラフィ一は、 流体の成分の分離により、 分析 · 同定が 優れている分析方法である。
その利用法の一つとして、 特にペプチド、 タンパク質同定の基本装置 として、 E S I — MS ^eiectrospray ionization mass spectrometry) 所謂エレク トロスプレーイオン化 (E S I ) 質量分析法がある。
この方法は、 キヤビラリ一に高電圧を印加することにより、 キヤビラ リ一に導入された試料溶液への高電圧印加の結果、 キヤビラリ一先端に 電荷を帯びた液滴を発生させ、 該帯電液滴はキヤビラリ一先端に形成し たノズルより引出され、 液体コーンとなり、 次いで蒸発によりイオンを 放出する、 このイオンを取り出し、 質量分析計で分析するものである。 これらは、 特開 2 0 0 3— 3 3 1 7 7 6号公報、 特表 2 0 0 2— 5 3 8 4 6 1号公報及び U S P第 5 5 7 2 0 2 3号明細書に開示されている。 この手法は、 多くの電荷を同時に持つ多価イオンを生成することが出 来、 蛋白質のような高分子分析には有効な場合がある。
この方法に於いては、 従来キヤビラリ一力ラムを用い、 直径 3 /z mか ら 1 0 mの粒子を、 直径 1 2 ~ 1 0 0 /i mのキヤビラリ一力ラムに充
填してカラムを形成する例が多くあり、 このカラム先端から試料を吐出 させてスプレーする先端部が形成されるものである。
この場合、 キヤビラリーに充填する粒子を保持するために先端に粒子 の排出を阻止するフリ ッ トを入れたり、 粒子自体をフリ ッ トと したりす る 事 が 行 わ れ て い る 。 こ れ ら は 、 Naturo Bio Technology 19(2001)242,247 又 は JOURNAL OF CHROMATOGRAPHY A979(2002)233-239に開示されている。
然し、 このフリ ッ トは作製や配置が難しく、 その上ピーク拡張原因と もなつている。
例えば、 テーパーカラムに於いては、 充填剤の粒径が大きく、 クロマ トの分離効率が悪いことと、カラムの先端開口部の内口径が大きいため、 試料の吐出量が多くなり、 スプレーによって形成される帯電流滴の粒径 も大きく、 この結果、 溶媒が乾燥蒸発される過程で、 そこに荷電してい た電子の試料分子への移行効率、 即ちイオン化効率が悪かったとされて いる。 その対応として、 開発した石英ガラスに微小口径の開口部を形成 したカラムゃ、 キヤピラリーカラム先端を先細に形成したカラムが使用 されている。 又、 カラムをフリ ッ トレスに構成し、 カラムの先端開口部 内口径を 0. 5 m以下とし、 カラムの充填剤の粒径を 0. 5 πιより 大きく 5 μ πι以下としたスプレーカラムが提案されている。 これは特開 2 0 0 3— 1 5 1 48 6号公報に開示されている。
しかし、 粒子と内口径やテーパーとの関係は非常に難しく、 又先端開 口の mの微小径は目詰まりを起こすことが多い。 これらは特表 2 0 0 2 - 5 3 8 4 6 1号公報、 特開 2 0 0 3— 1 5 1 4 8 6号公報及び Analytical Chemistry Vol.74.No.l8,Septemberl5 2002.4725に開示さ れている。
L C分析に於いて、 スループッ トを高めるには、 L Cカラム寸法を短
く且つ内径を小さく形成し、 充填する粒径を小さく しなければならない ことは常識である。
然し、 小さな粒径を使用する場合、 例えば 「 1 mの粒子が詰め込ま れた 5 c mのカラムは、 5 μ mの粒子が詰め込まれた 2 5 c mのカラム の 5倍高い背圧を生成する。 大部分の市販の L Cポンプは、 動作圧が 4 0 0パール未満に制御されており、 したがって、 このような小さな粒子 を有する L Cカラムの使用は実現不能である。」 と U S P第 5 5 7 2 0 2 3号明細書に記載されるように、 粒径の微小化には問題がある。
近年、 急速に発展しているプロテオミ クス分野に於いて、 迅速分離、 分析が求められ、 これに対応してカラムの圧密化、 小型化が始まってい る。
このカラムの小型化に対応するものと して、 試料流量を小さく し、 ィ オン形成率を高めるためにキヤビラリ一先端をマイク口チップ化したス プレーチップが開発され、 又一方ではキヤピラリー内にポリマー、 例え ば P S—D V Bのモノ リス構造を形成させる方法がある。 このスプレー 先端部は、 試料溶液の流量が低いほど、 イオン生成効率が高くなるが、 又、 1 μ 1 /m i n以下ではイオン生成効率は低下してしまう。 そこで、 先端を数 μ〜 1 0 μ mの小型化した石英製のスプレーチップが開発され、 溶媒の蒸発効果低減のため、 1 μ 1 /m i nから 1 n 1 /m i nの低容 量で安定したイオン生成が出来るようにしている。
又一方モノリス構造は従来 P S— D V B粒子が逆相モードにおける蛋 白質分析に効果があつたところから、 これを連続層とする構成に至った ものである。これは U S P第 5 5 7 2 0 2 3号明細書に開示されている。 又、 キヤピラリーカラム内に 0. 5〜 5 μ ιηサイズの細孔 (スノレーポ ァ) と 2〜 5 0 n mサイズの細孔 (メソポア) を有する骨格が絡み合つ た構造を持つ二重細孔構造のシリ力ゲルを形成したキヤビラリーカラム
が提案されている。 これは、 特表 2 0 0 3— 5 3 4 9 0 5号公報に記載 されている。
然しこれらは何れもキヤビラリ一力ラムの構成であって、 然も分離力 ラムとしての作用、 即ち溶質を液相の該カラム内の移動中の相互作用の 繰り返しによる分離効率を追求されるものである。
これらのキヤビラリ一力ラムはカラムからダイレク トに質量分析器ィ ンレツ トにスプレーする構成は全くなく、 所謂スプレーユードルとして 使用することはできない。
一方スプレーニードルとしてカラム先端をテーパー状に形成した構成 のものが提案され、 使用されている。 例えば広く使用されている素管内 部中空のェミッタ一 P i c o T i p (登録商標) がある。 これを使用し た実験では、 トータルイオンクロマトグラム (T I C ) のピーク巾が広 がり、 マススペク トルの S / Nが低く、 これはイオン化が不十分である ことが判明している。 発明の開示
このように所謂スプレーニードルとしてキヤビラリ一力ラムを加工し たものは、 先端内径を数// ; m以下にしている場合があり、 この場合目詰 まりを起こしゃすく、 しばしば使用できなくなる欠点がある。
又、 充填物、 粒子を充填していないスプレーチップではキヤビラリ一 内部での溶質の拡散が大きく、 ピークがプロ一ド化することになる。 一方粒子状の充填物を充填するスプレー-一ドルでは、 先ず粒子の充 填に困難性があり、 再現性のよい、 ニー ドルの調製が出来ない。
又、 充填した状態が構造変化を起こしやすく、 性能変化及び劣化を来 たすことが多い。
更にカラム先端をテーパー状に形成した素管ではピーク巾が広がり、
5 イオン化が充分に行われない。
そこで本発明に於いては、 キヤビラリースプレーニー ドルのテーパー と粒子の間の困難な形状を調整する必要もなく、 粒子の充填の必要もな く、 従って粒子の充填構造の変化も起こることなく、 更に構造変化によ る性能低下もなく、 又使用耐久性も向上し、 性能的にもピークのシヤー プ化ができる他、 ェミッダ一としての用途と共に、 分離濃縮カラムとし ても機能するスプレーニー ドル及びその製造方法を提案するものである。 本発明の目的は、 レク トロスプレーイオン化法 (E S I ) 又別に補 助的に噴霧ガスを使用するエレク トロスプレーイオン法 ( E S I ) に於 いて、 試料溶液が流速 1 1 i n以下の低容量で安定したイオン生 成が可能となるように、 或は高速検出が可能であるように高流速にも対 応できるようにしょう とするものである。 又、 イオン生成効率を高める ためにスプレーチップを低流量に形成すれば定められた流速を使用する しかなく、 その使用範囲は限られていたのに対し、 キヤビラリ一中に一 体構造のゲルを調製し、 E S Iスプレーニードルとしてそのまま使用で きるように構成し、 然も試料溶液の広い流量領域に対応して使用でき、 イオン生成効率を高めることが可能であり、 更に先端加工なしにスプレ 一機能を発揮できるエードルを提供することである。
又、 キヤビラリ一中に入出口に貫通する連続孔を有するモノ リス構造 体を形成し、 キヤビラリ一の先端をニードル状に加工してスプレーエー ドルと して構成した-一ドルを提供する。
特にこの際、 フューズドシリカキヤピラリーを用い、 その内にゲルの モノ リス構造体を構成し、 先端を一体的に牽引加工してスプレーニード ルを形成し、 ナノ E S Iェミッタ一として使用することも目的の一つで ある。
更に別の目的は、 キヤビラリ一中に一体構造のゲルを調製し、 ゲルの
モノ リス構造体通孔表面に化学処理を施し、 分離カラム、 濃縮カラムと して機能させることである。
又、 これに加えて先端をそのまま或は加工してスプレーニードルと し て分離カラム兼エミ ッターと して使用することもできる。
勿論、 これらェミ ッタ一は分離カラムに接続して使用することが可能 である。
本発明に於いては、キヤビラリ一はフューズドシリカキヤビラリ一(溶 融シリカキヤビラリ一) を使用し、 そのキヤビラリ一中にモノ リス構造' 体を構成し、 先端部加工により E S I用のナノスプレーと して利用でき るキヤビラリーを提案するものである。
又、他の一^ 3は、モノ リス構造体の通孔の表面処理を行う ことにより、 キヤピラリーを分離、 濃縮カラムの作用を有し、 且つェミ ッタ一と して 利用可能なキヤビラリ一力ラムを提案する。
本発明は、 これらの目的を達成するため、 第 1に内部にモノ リ ス構造 体を形成させたキヤビラリ一力ラムで構成し、 該モノ リス構造体は該モ ノ リス構造体を貫通する連続孔を有することを特徴と し、 第 2に前記モ ノ リス構造体は前記キヤビラリ一力ラムの先端まで形成されると共に、 該キヤビラリ一力ラムの先端開口まで貫通する連続孔を有することを特 徴と し、 第 3に前記キヤビラリ一力ラムは先端をテーパー状に構成した ことを特徴と し、 第 4にキヤビラリ一力ラム内に先端まで貫通する連続 孔を有するモノ リス構造体を形成し、 キヤビラリ一力ラムを牽く ことに より、 同時にキヤビラリ一力ラム先端まで形成されているモノ リス構造 体を牽き、 先端部をテーパー状に構成したことを特徴と し、 第 5に前記 キヤビラリ一力ラム内のモノ リス構造体に設けられた先端まで貫通する 連続孔に対し、 所望の表面修飾を行ったことを特徴と し、 第 6にキヤピ ラリーカラム内にモノ リス構造体を形成すると共に、 キヤピラリーカラ
ムを両端から牽引することにより、 キヤビラリ一力ラム内に形成された モノ リス構造体を共に牽き、 加工部位を順次細く形成し、 切断すること を特徴とする。
本発明の最も特徴的な点は、 キヤビラリー中にシリ力等の無機質或は 無機質を中心とするモノ リ ス構造体を形成する工程を経て、 このキヤピ ラリ一をその内部に固定形成したモノ リス構造体と共に加工する部位を 加熱し、 両端部を牽引し、 加工する部位にて切断することにより、 二つ のキヤビラリ一がその内部にモノ リス構造体を形成したまま、 その先端 がテーパー状に牽引、 形成され、 極めて狭い開口部が出来、 液体の流量 が低下し、 イオン生成効率が高く、 然も内部のモノ リス構造体によって 溶出ピークがシャープになるスプレー-一ドルとなる処である。
又、 本発明に'於いて、 前述のキヤビラリ一中に構成したモノ リス構造 体に対して、 その通孔表面処理を行うことにより、 スプレー-一ドルと しての機能の他に、 同時に分離 ·濃縮機能を有するカラムと して使用で きるスプレーニー ドルを提供できる。
本発明によれば、 キヤビラリ一力ラムの内径にモノ リス構造体を形成 させたこと、テーパー状の先端開口までモノリス構造体を形成したこと、 又、 キヤビラリ一力ラム内にモノ リス構造体を形成し、 キヤビラリ一力 ラムを牽く ことにより、 キヤビラリ一力ラム先端をその内部にモノ リス 構造体が形成されたテーパー状と為したので、 試料溶液が流速 1 μ 1 / m i n以下の低容量でも安定したイオン生成が可能であり、 又高速検出 が可能であるように、 高流速にも対応できる E S I用のスプレーニード ルを提供することが出来る。
従って、 低容量から高流速の広い範囲に亘つて対応できるスプレー二 一ドルを調製形成して提供することが出来る。
然もその製法は容易であり、 困難な工程を必要とすることなく、 キヤ
ビラリー中にゲルを形成して先端機能を形成させる工程にてスプレー二 一ドルを得ることが出来る。
然も得られたスプレーニー ドルは粒体を充填する場合と異なり、 使用 による形態変化や先端部の目詰まりがなく、 常に安定したイオン生成が 達成できる。 図面の簡単な説明
図 1は、 本発明一実施例縦断側面図であり、 図 2は、 本発明他実施例 縦断側面図であり、図 3は、本発明製作工程一実施例作動態様図であり、 図 4は、 本発明製作工程一実施例作動態様図であり、 図 5は、 本発明一 使用例部分説明図であり、 図 6は、 本発明一使用例部分断面側面図であ り、 図 7は、 本発明一使用例概略説明図であり、 図 8は、 本発明一実施 例顕微鏡写真拡大側面図であり、 図 9は、 本発明一実施例顕微鏡写真拡 大正面図であり、 図 1 0は、 本発明一実施例顕微鏡写真拡大正面図であ り、 図 1 1は、 本発明使用実施例ク口マトグラムであり、 図 1 2は、 本 発明使用実施例ク口マトグラムであり、 図 1 3は、 本発明使用実施例ク 口マトグラムであり、 図 1 4は、 本発明使用実施例クロマトグラムであ り、 図 1 5は、 本発明使用実施例クロマ トグラムであり、 図 1 6は、 本 発明使用実施例クロマトグラムであり、 図 1 7は、 本発明使用実施例ク 口マトグラムであり、 図 1 8は、 本発明使用実施例クロマトグラムであ り、 図 1 9は、 本発明使用実施例ク口マトグラムであり、 図 2 0は、 本 発明使用実施例ク口マトグラムであり、 図 2 1は、 本発明使用実施例ク 口マトグラムであり、 図 2 2は、 本発明使用実施例クロマトグラムであ り、 図 2 3は、 本発明使用実施例クロマトグラムであり、 図 2 4は、 本 発明使用実施例クロマトグラムであり、 図 2 5は、 本発明使用実施例ク ロマトグラムであり、 図 2 6は、 本発明と素管使用による性能比較図で
あり、 図 2 7は、 本発明と素管使用による性能比較図であり、 図 2 8は、 本発明と素管使用による性能比較図であり、 図 2 9は、 本発明と素管使 用による性能比較図であり、 図 3 0は、 本発明一実施例クロマトグラム であり、 図 3 1は、 本発明一実施例ク口マトグラムであり、 図 3 2は本 発明他実施例クロマトグラムであり、 図 3 3は、 本発明他実施例クロマ トグラムであり、 図 3 4は、 本発明他実施例クロマトグラムであり、 図 3 5は、 本発明他実施例ク口マトグラムであり、 図 3 6は、 本発明他実 施例クロマトグラムである。
発明を実施する為の最良の形態
先ず、 キヤビラリ一と しては、 フューズドシリカキヤピラ リーを使用 する。 フューズドシリカキヤビラリ一は通常外径 1 5 0 μ πιから 3 7 5 I mが使用され、 又内径は 5 0 μ mから 2 0 0 μ mが使用に便である。 外径と内径の組合せについては、 外径 3 7 5 111で内径が 5 0 111、 外径 3 7 5 /z mで内径が 1 Ο Ο μ ιη、 外径 3 7 5 // mで内径が
mと云うように夫々適性に応じて選択できる。
このフューズドシリカキヤビラリ一中にモノ リス構造体を形成させる モノ リス構造体の構成は、 溶媒に溶ける高分子、 例えばポリエチレンォ キシドのような水溶性高分子に熱分解性の化合物、 例えば尿素等を酸性 水溶液を加えて溶解させ、 この溶解液にテトラメ トキシシランのような 調整物を加え撹拌する。 この撹拌下加水分解反応を行い、 得られた溶液 をフューズドシリ力キヤビラリーに注入する。 これを恒温槽下材質に応 じ所望時間、 温度に保持した処ゲル化する。
この固化したゲルを所望時間熟成させる。その後ゲルを洗浄乾燥させ、 更に 3 0 0 °C以上加熱し、 シリカモノ リスキヤピラリーを得る。 このモ ノ リス構造体の調製物としては、 4官能性アルコキシシラン (S i (O
R) 4)、 3官能性アルコキシシラン (S i (O R) 3)、 (Rは CH3、 C 2H5) が挙げられる。 又、 4官能性アルコキシシランと 3官能性ァ ルコキシシランの混合アルコキシシランから調製される。
フューズドシリカキヤビラリ一中で H P L C等に使用されるカラムの 調製を行うためには、 キヤピラリー壁と一体となったモノ リスゲルが理 想とされる。 然し、 反応が縮合重合反応により進行を行うためゲル自体 が収縮し、 壁と一体となったゲルの調製は非常に困難である。 そのため フューズドシリ力キヤビラ リ一壁のシラノール基の活性化を行って化学 的にキヤビラリ一壁とゲルを結合させることで一体となったシリ力モノ リスキヤビラリ一力ラムの調製を行うのがよい。
又このモノリス構造体通孔には、 分離試料に適したコーティング剤及 ぴノ又は化学的修飾剤を適用して通孔の表面を修飾■ 改質し得る。 例え ば、 コーティング剤と しては、 ポリエチレングリ コール、 シリ コンオイ ルなどが挙げられる。
化学的修飾剤と しては、 ト リ メチルクロロシラン (TMS ), ジメチ ノレ一 n -クチノレクロロシラン, ジメチノレ _ n—ォクタデシノレクロロシラ ン (OD S) などのアルキルクロロシラン, 又は トリメチルメ トキシシ ラン、 ジメチ /レー n—ォクチノレメ トキシシラン、 ジメチノレー n—ォクタ デシルメ トキシシラン (OD S) などのアルキルアルコキシシラン、 ァ ミノプロピルト リエトキシシランなどのアミノアルコキシシラン、 フエ ニノレト リメ トキシシランなどのフエニルアルコキシシラン、 ェポキ含有 シラン (グリシドォキシプロビルトリ メ トキシシラン)、 ビニル基含有 シラン (ァリルト リ メ トキシシラン)、 チタンイソプロポキシド、 チタ ンプトキシドなど各種シラン処理剤が挙げられる。
コーティング剤としては、 尿素樹脂、 ポリアミン、 フエニルシリ コン オイル、 メチルシリ コンオイル、 ビュルシリ コンオイル、 ポリエチレン
グリ コーノレ、 ブタジエンポリマー、 ポリスチレン、 ポリジビ-ノレべンゼ ン、 ポリメタク リ レートなどのポリマーをコーティングしたり、 コポリ マーなどをコーティング後、 熱重合や光重合などで高分子化し、 ポリマ 一相を得る事ができる。 また、 ブタジエン、 スチレン、 ジビエルべンゼ ン、 メタタ リ レート、 メチルメタク リ レー ト、 ヒ ドロキシメタク リ レー ト、 グリシジノレメタクリ レート、 エチレングリ コールジメタク リ レー小 などのモノマーに開始剤ゃ重合触媒などを添加された溶液をコーティン グ後に、 熱や光などでポリマー相を作成できる。
また、 化学的修飾剤を結合後に上記のコーティングを行い、 ビュル基 などの開環重合ゃァミノ基などの縮重合やエステル化などにより、 強固 なポリマー相を形成させることができる。
〔具体例 1〕
ジメチルー n—ォクタデシルクロロシランの トルエン溶液 ( 1 0 % V / V ) をモノ リスキヤビラリ一力ラムに送液する。 (このときの温度 8 0 °C以上、 送液はシリ ンジポンプ、 ガス圧などで行う。) 数時間モノ リ スキヤビラリ一力ラムに送液を行う。 その後にトルェン、 テ トラヒ ドロ フランで洗浄を行う。 以上の操作を行い、 モノ リスキヤビラリ一力ラム のォクタデシ /レ化を行う。
〔具体例 2〕
3—ァミノプロピルトリエトキシシランの トルェン溶液 ( 1 0 % V / V ) をモノ リスキヤビラリ一力ラムに送液する。 (このときの温度 8 0 °C 以上、 送液はシリンジポンプ、 ガス圧などで行う。) 数時間モノ リスキ ャビラリ一力ラムに送液を行う。 その後にトルエン、 テ トラヒ ドロフラ ンで洗浄を行う。 以上の操作を行い、 モノ リスキヤビラリ一力ラムのァ ミノ化を行う。
〔具体例 3〕
3一グリシドォキシプロピルト リエトキシシランの トルェン溶液 ( 1 0 % V / V ) をモノ リスキヤビラ リ一力ラムに送液する。 (このときの 温度 8 0°C以上、 送液はシリ ンジポンプ、 ガス圧などで行う。) 数時間 モノ リスキヤビラリ一力ラムに送液を行う。 その後に トルエン、 テ トラ ヒ ドロフランで洗浄を行う。 以上の操作を行い、 モノ リスキヤビラリ一 力ラムへのエポキシ基の修飾を行う。
〔具体例 4〕
ァゾビスイソプチ口- トリル ( 0. 0 1 w t % ) を添加したブタジェ ンコポリマーのへキサン溶液 (2 % vZv) をモノ リスキヤビラリ一力 ラムに送液する。 ガスを流して溶液を除去する。 次に、 8 0°C以上で数 時間熱重合する。 その後に トルエン、 テ トラヒ ドロフランで洗浄を行う。 以上の操作を行い、 モノ リスキヤビラリ一力ラムへポリマー相を形成さ せる。
その他試薬を変更することにより、 化学修飾は同一操作で行え、 表面 官能基が変わってく ることになる。
また、 これらの表面官能基を結合後に、 更にモノマーゃコポリマーや ポリマーなどをコーティングゃ重合させることで、 ポリマー相を形成で さる。
〔具体例 5〕
3—ァリルト リエトキシシランの トルエン溶液 ( 1 0 % vZv) をモ ノ リスキヤビラ リ一力ラムに送液する。 (このときの温度 6 0 °C以下、 送液はシリ ンジポンプ、 ガス圧などで行う。) 数時間モノ リスキヤビラ リーカラムに送液を行う。 次に、 過酸化ベンゾィル (0. 0 1 w t %) を添加したジビュルベンゼンのベンゼン溶液 (S o/o vZv) でキヤビラ リー内を満たす。 8 0 °C以上で熱重合を行い、 その後に トルエン、 テ ト ラヒ ドロフランで洗浄を行う。 以上の操作を行い、 モノ リスキヤビラリ
一力ラムにポリマー相を形成させる。
使用できるシリ力モノリス構造体の原料についてさらに詳述する。 4官能性シリカで作製する場合の原料 (アルコキシシラン) は基本的 には
S i (O CnH2 n + 1) 4 n = l〜; L O
の式で得られるものが 1種類のみで使用可能である。
その一例として
S i (O C H3) 4 : テ トラメ トキシシラン
S i (O C 2H5) 4 : テ トラエトキシシラン
S i (O C 3H7) 4 : テトラプロボキシシラン
S i (O C 4H9) 4 : テトラブトキシシラン
等がある。 そのいずれか 1種類のみで合成可能である。
3官能性シリカで作製する場合の原料 (アルコキシシラン) は基本的 には
R S i (O CnH2 n+ 1) 4 n = l〜: L 0
の式で得られるものが使用可能である。
その一例として
R S i (O C H 3) 3 : トリメ トキシシラン
R S i (O C 2H5) 3 : ト リエトキシシラン
R S i (O C 3 H 7) 3 : トリプロポキシシラン
R S i (O C4H9) 3 : トリブトキシシラン
等はいずれか 1種類のみで合成可能である。
Rで示した部分に入るものとして
■ アルキル基- C nH 2 n+!で表されるもの (n = l〜: L 0 )
例えば
CH3 S i (O CH3) 。 (メチルトリメ トキシシラン)
C H 3 S i (O C 2H5) a (メチルト リエトキシシラン)
C 2H5 S i (O C 2H5) a (ェチルトリエトキシシラン) などの組合せによって種々得られる。
• エポキシ基 = CHO CH2を含むもの
例えば
CH2 O CHCH20 (CH2) 3 S i (O CH3) 3 (グリ シドォ キシプロビルト リ メ トキシシラン)
• ァリル基 = ~〜CH2 CHCH2
例えば
CH2 CHCH2 S i (O CH3) 3 (ァリルトリメ トキシシラン) その他にもアミ'ノ基、 チオール基、 力ルポキシル基を含むものなど多 数あり、 上記のものに限定されない。
ハイブリ ッ ド系シリ力ゲルに使用されるアルコキシシラン
4官能性アルコキシシラン (一般的には S i (O C H3) 4 : テ トラ メ トキシシラン、 S i (O C 2H5) 4 : テ トラエトキシシランのどちら 力 と、 3官能性アルコキシシランのどれか 1つを混合したアルコキシ シランを原料とする。
混合アルコキシシランのアルコキサイ ドは同一種を使用する。
例えば
S i (O C H3) a + S i (OHC 3) 3C H3 (実施例 1に示す。)
S i (O C H3) 4 + CH2 CHCH2 S i (O C H3) 3 (ァリルト リメ トキシシラン (ァリル基))
S i (O CH3) 4 + CH2O CHCH20 (C H2) 3 S i (O CH
3) a (グリシドォキシブロビルト リメ トキシシラン (エポキシ基)) 混合比は 4 : 1, 3 : 1、 2 : 1, 1 : 1で調製可能である。
上記の方法で或は他のゾルゲル法により上面から下面まで貫通してい
る通孔を有する連続構造体或はその内部に開放構造を持ち、 ミクロ細孔 を持つ多孔質体を形成する。 このスプレーニー ドル 1 0のモノ リ スは、 シングルポア、 ダブルポア共に使用可能である。
使用できる範囲としては、 スルーポア一 3 0 m〜 0. 1 ιη、 メソ ポアサイズ 2 n m〜 5 0 n m、 骨格サイズ (スケルトンサイズ) 5〜0. 1 μ mが適当である。
【実施例 1】
先ず、 スプレーニー ドルの製造例について説明する。
フューズドシリカキヤビラリ一 (外径 0. 3 7 5 mm、 内径 0. 1 m m、 長さ 1 0 c m) に I NN a OHを満たし、 4 0°Cで数時間放置しす る。 次に 1 NHC 1 に置換を行い、 室温で数時間放置する。 その後、 水 で洗浄し、 乾燥を行う。
メチルトリ メ トキシシラン、 硝酸水溶液 ( 1規定)、 メタノールをモ ル比 1 : 1. 9 : 2の割合で混合し、 ポリオキシエチレンノユルフェ- ルエーテルを加え、 数分間混合する。 得られた反応溶液をキヤビラリ一 中に導入し、 4 0°Cにて数時間ゲル化を行う。 その後ゲルを乾燥、 洗浄 し、 シリカモノ リスキヤビラ リ一力ラムを得た。
得られたモノ リス構造体は中心径 2 β m程度の揃った貫通孔が 3次元 的に絡み合った構造で存在していることが電子顕微鏡により確認された。 【実施例 2】
実施例 1の如く処理したフューズドシリカキヤビラリ一 (外径 0. 3 7 5 mm、 内径 0. 1 mm、 長さ 1 0 c m) を用い、 水溶性高分子であ るポリエチレンォキシド 0 · 8 8 §、 尿素0. 9 §を 0. 0 1規定酢酸 水溶液 1 0m l に溶解した。 この溶液にテトラメ トキシシラン 4m l を 撹拌下で加水分解反応を行った。 数分間撹拌した後、 得られた溶液を内 面処理、 即ちシラノール基の活性化を行ったフューズドシリ力キヤビラ
リーに注入し、 4 0 °Cの恒温槽中で保持したところ、 固化した。 固化し たゲルを更に数時間熟成を行った。 更に 1 0 0 °C以上で数時間熟成を行 つた。 その後、 ゲルを洗浄、 乾燥させ、 3 0 0 °C以上に加熱し、 シリカ モノ リスキヤビラリ一力ラムを得た。
得られた多孔質体中には、 中心孔径 2 . 0 μ m程度の揃った貫通孔が 3次元的に絡み合った構造で存在していることが電子顕微鏡により確認 された。 その貫通孔の内壁には直径 1 0 n m程度の孔が存在している。 上記のように得られたモノ リス構造多孔質体 1 を形成したキヤビラリ 一力ラム 2をテーパー部 3先端から適宜長さに切断してスプレー-一ド ル 1 0を形成する。 このスプレーニードル 1 0は M S 1 1に連通するィ オン取入口 (図示せず) に液滴を噴射する構成をとつてある。 一方この スプレーニードル 1 0は L Cポンプ 1 2に接続するキヤピラ リー 1 3に 連結部 1 4を介して連通してある。 この連結部 1 4は導電性で電圧印加 装置 1 6に接続してあり、 該連結部 1 4を介して溶出溶液に電圧を印加 する構造である。 ' このスプレーニードル 1 0は M S 1 1等にイオンを供給するための一 つのスプレー構成であり、 イオンの捕捉、 検出には種々の構成が利用さ れること当然である。
上記のように形成したモノリスキヤビラリ一力ラム 2を所望長さに形 成して、 両端或は一端を牽引してニードル部を形成させる。 この具体的 方法としてキヤビラリ一力ラム 2両端を固定器具 2 1, 2 1により固定 し、 加工する部位、 例えば中央部であれば、 中央部 2 2を加熱する。 こ の加熱は、 ガスバーナー、 レーザー等を使用し、 キヤビラリ一力ラム 2 のガラス転位温度以上に加熱する。 この際、 内部に形成されているモノ リス構造多孔質体 1 も加熱される。 次いで、 キヤビラリ一力ラム両端か ら外方への張力を加える。 これにより、 中央部がテーパー状に細くなり、
最後に両端から軸力により切断され、 夫々の先端がテーパー部 3 , 3 と なる。
' この結果、 ニー ドル状の先端までモノ リ ス構造多孔質体が形成された ニードル 1 0が形成される。
更に、 必要に応じてニードル先端部のエッチング、 切断乃至研磨等の 作業を行う。
尚、 この牽引加工操作は既存のプーラ一によつても行われる。
【実施例 3】
上記実施例 1により得られたシリカモノリスキヤピラリー 1 5 c mを レーザープーラ一 (Sutter Instrument Co.米国) に力 け、 温度 1 2 0 0で、 張カ 0. 5 k g f にて引張した。
その結果、 内径 0. 0 5 mm、 外径 0. 3 7 5 mmの先端テーパー部 は外径 9 0 μ ΐη、 内径 3 0 /i m、 テーパー状部 1. 5 mmのェミッタ一 を得た。
図 8〜 1 0はその先端径状の S EM写真である。
S EM写真で先端の状態を見ると、 モノリス骨格はキヤビラリーに保 持され、 モノ リ ス骨格自体は引伸ばされることにより、 縮小されている 構造となっている。メソポアの構造については測定方法なく判明しない。
このよ うに形成されたニードル 1 0の顕微鏡写真図 8、 図 9、 図 1 0 を示す。
写真は内径 0. 0 5 mm、 外径 0. 3 7 m mのキヤビラ リ一で調製し、 長さ 5 0 mmと したモノリス構造のスプレーニードル 1 0で、 図 8は外 側斜面図、 図 9は外径 1 7 0 mの正面図、 図 1 0は内径約 2 5 mの 正面図であり、 牽引加工を行ってもモノ リス構造体とキヤビラリーとの 一体構造の維持が示されている。
上記先端の形成に於いて、 先端径状は、 内径 2 0 0 μ πι、 外径 3 7 0
/i mのキヤビラ リーカラムについては、 内径 1 0 0 μ πι、 外径 1 5 0 m以下である。 内径 7 5 μ 外径 3 7 5 /z mのキヤビラリ一力ラムは、 内径 4 0 μ ms 外径 1 5 0 μ πι以下とする。 内径 1 0 0 μ ΐη、 外径 3 7 5 /x mのキヤビラリ一力ラムは、 先端径内径 5 0 m、 外径 1 5 0 m 以下とする。 又、 内径 5 0 πι、 外径 3 7 のキヤビラリ一力ラム は、 先端径 3 0 m、 外径 1 5 0 / m以下に加工を行うが、 これに限定 されるものではない。
一般に E S I用のスプレーニー ドルはイオン化が可能な、 使用できる 流速を定めている。 例えば広く使用されている P i c o T i p (登録商 標) は、 素管のスプレーニー ドルであるが、 チップ内径に対し、 使用レ ンジを次のように推奨している。
【表 1 】
このように P i c o T i p (登録商標) では最大でも 1 μ 1 /m i n までにしか対応できない。 例示例で云えば、 先端内径 3 0 /X mのもので は 0. 3 0 μ 1 /m i n〜 : L μ 1 / m. i nである。
【実施例 4】
これに対し、 上記により得られた本発明スプレーニードルを使用して 実験したク口マ トグラムを図 1 1〜図 2 5に示す。
本発明スプレーニー ドルは内径 0. 1 mm X長さ 5 0 mmを使用 溶液: Me OH
流速: 1 0 1〜 0. 5 ju l / m i n
実験例に於いて示すように、 本発明スプレーニー ドルでは 0. 5 1 /m i n〜 1 0 1 /m i nと広い流領域に適応し、 イオン化できるこ とを示している。 この実験例に於いて本発明のモノ リ ス型スプレーニー ドルは内径 0. 1 mm X長さ 5 0 mmを使用し、 L Cに連通したキヤピ ラリ一に設けてイオン源から発生させた帯電粒子をイオンと共にィンタ 一フェースを経て送り、 M Sにて分析するものである。
これにより、 高流速の試料にも対応が可能であり、 高速検出が出来、 このことは分析時間の短縮を意味し、 イオン化効率のよいことを示して いる。
【実施例 5】
素管のスプレーユードノレ、 P i c o T i p (F S 3 6 0— 5 0— 3 0 一 C E) と本発明スプレーニードルの使用例の比較を行った。 (図 2 6, 2 7 , 2 8, 2 9 )
ェミ ッタ一のサイズ
P i c o T i 内径 5 0 μ πι、 外径 3 6 0 μ πι T i p内径 3 0 μ
本発明スプレーニー ドル 内径 5 0 /X m、 外径 3 6 0 μ m T i p 内径 1 5 μ m
L C条件
溶液 A H20 ( 0. 1 %H C O OH)
B C H3 C N ( 0. 1 % H C O O H )
A/B = 5 0 5 0
F l o w r a t e : 0. 5 μ 1 / m i n
試料: Au g i o t e n s i n II ( 1 n g / μ 1 )
Mw = 1 046
I n j e c t . V o l : 1 00 n l
MS条件
ニードル電圧: 200 0 V
検出器電圧 : 2 6 00 V
素管のエミッターでは (図 26、 図 2 7図示) T I Cのピーク巾が広 がり (約 2 0秒) マススぺク トルでの SZNが低い ( S /N = 1 1 6)。 これではイオン化が不充分、 本発明スプレーニー ドルの使用により (図 2 8、 図 2 9図示) イオン化が促進され、 T I Cのピーク巾の減少 (約 1 0秒) マススペク トルの SZNの上昇が得られた。 イオン化が促進さ れている。
T I Cを比較すると、 本発明スプレーユードル使用のものの方がピー ク巾が小さくシャープであると共に、 強度が強い。
マススペク トルに於いては、 M/Zは一致しているが、 強度、 SZN は本発明のものがよい。
【実施例 6】
本発明スプレーニードルを使用した図 7に示す装置使用による実験結 果を示す。
該実験により得たクロマトグラムを図 3 0に示す。
L C条件
溶媒 A H2 O (0. 1 %HC OOH)
B C H3 C N ( 0. 1 % H C O O H )
A/B = 8 0/ 2 0 - l O m i n— 4 0/ 6 0
F l o w r a t e - 0. 5 β 1 / m i n
a m l e : 1 A n g i o t e n s i n III
2 A n g i o t e n s i n II
3 A n g i o t e n s i n I
4 I n s u 1 i n c h a i n B ( 1 n g /i 1 )
I n j e c t i o n • V o 1 • 1 0 0 n 1
S条件
ニードル電圧 - 2 5 0 0 V
検出器電圧 : 2 8 0 0 V
ーク巾の小さいシャ ―プなク nマ卜が得られた
【実施例 7】
本発明スプレーエードルのモノ リス表面処理の有無による分析結果の 比較を行った。 モノ リス表面処理を施していない本発明スプレーエード ルのみを用い、 質量分析によ り得られた T I C (トータルイオンク口マ トグラム) を図 3 1に、 モノリス表面をォクタデシル基にて処理した本 発明スプレーニードルのみを使用し得られた T I Cを図 3 2に、 分離力 ラムの下流に表面処理を施していない本発明スプレーニードルを接続し て使用し得られた T I Cを図 3 3に示す。
L C条件
溶液 A H 2 O ( 0. 1 %H C O OH)
B C H3 C N ( 0. 1 % H C O O H )
A/B = 1 0 0/0 - ( 1 5 m i n ) 一 5 0/ 5 0 F l o w r a t e 2 μ 1 / m i n
試料 1. An g i o t e n s i n III 2. A n g i o t e n s i n II 3. An g i o t e n s i n ! 4. I n s u l i n c h a i n B
図 3 1に示すようにモノ リス表面処理を施していない本発明スプレー ニードルでは、 イオン化は良好に行われているが、 分離能が低く、 試料 1. An g i o t e n s i n III と 2. An g i o t e n s i n II は分 離されていない。 '
図 3 2に示すようにモノ リス表面をォクタデシル基処理した本発明ス プレーニードルでは、 イオン化能、 分離能ともに良好であった。
図 3 3に示すように、 分離力ラムの下流に未処理の本発明スプレー二 一ドルを接続したものでは、 分離カラムによる分離を低下させることな く、 良好にイオン化されている。
【実施例 8】
本発明の表面処理済スプレーニー ドルを使用した実験に於いて、 モノ リス構造体の表面加工の加工形態の差異によるクロマトグラムを示す。 (図 3 4、 図 3 5 )
図 3 4は実施例 2に示す如く、 レーザープーラ一により牽引加工して スプレー-一ドル 1 0を形成した後に、 表面処理加工を行って得たスプ レーニードル 1 0によるものである。
図 3 5はモノ リス構造体の表面処理加工を施した後、 レーザープーラ 一により牽引加工してスプレーエードル 1 0を得たものを使用したクロ マトグラムである。
何れもスプレー-一ドル分離カラムと して使用できる結果を得た。 L C条件
溶液 A H 2 O ( 0. 1 % H C O O H )
B CH3 CN (0. l %HCOOH)
A/ B = 1 0 0 /0 - ( 1 5 m i n ) 一 5 0/ 5 0 F l o w r a t e 2 1 / m i n
試料 1. An g i o t e n s i n III 2. A n g i o t e n s i n II
3. A n g i o t e n s i n l 4. I n s u l i n c h a i n B 【実施例 9】
本発明スプレー-一ドルを使用し、 試料としてゥシ血清アルブミンを トリプシンにより消化して得られたぺプチド断片の質量分析を行った。 同一試料を用いて、 流速を 1 0 1 /m i n、 5 μ 1 /m i η、 1 μ 1 /m i n , 0. 5 1 Zm i nのそれぞれに設定し、 分析を行った。 本 実験では、 分離カラムを使用せず、 本発明スプレーニードルのみによる 分離及びイオン化により質量分析を行った。 質量分析によって得られた T I Cを図 3 6に示す。
使用した本発明スプレー-一ドル
内径 0. 1 mm、 外径 0. 3 7 5111111、 丁 1 1)内径2 0 111、 長さ 4 5 mmモノリス表面にオタタデシル基を修飾したものを使用
L C条件
溶媒 A H20 ( 0. 1 % H C O O H )
B C H3 C N ( 0. 1 % H C O O H )
F 1 o w r a t e r l O l / m i ri s 5 μ 1 / m i n
1 μ \ / i n N 0. o μ \ / i n
F 1 o w r a t e毎に、以下の条件のグラジェント分析を行った。 1 0 μ 1 /m i n : A/B = 9 0 / 1 0 - 1 0 m i n - 5 0 / 5 0 5 μ 1 /m i n : A/B = 9 0/ l 0 - 1 0 m i n - 5 0 / 5 0
1 μ 1 /m i n : A/B = 9 0 / l 0 - 3 0 m i n - 5 0 / 5 0
0. 5 μ 1 /m i n : A/B = 9 0 / l 0 - 4 0 m i n - 5 0 / 5 0 試料: ゥシ血清アルブミ ン トリプシン消化物 ( 1 5 0 f m o 1 ) MS条件 ニードル電圧 3 0 0 0 V
検出器電圧 2 8 0 0 V
0. 5 μ 1 /m i n〜 1 0 μ 1 /m i nの流速範囲において、 分離さ
れたピークが検出された。 このことは、 試料であるペプチド断片が本発 明スプレーニー ドル内において分離され、 その分離されたぺプチド断片 が随時イオン化されることにより、 質量分析計によって検出されたこと を示す。 流速の上昇に伴い、 分析時間の短縮が見られ、 流速の低下に伴 い、 検出強度の上昇が見られた。
以上のことから、 本発明スプレー-一ドルは、 高速分離に対応した高 流速から、 高感度分析を目的とした低流側まで、 広範囲の流速を同一の スプレーニー ドルで分離及ぴィオン化が可能であった。 産業上の利用可能性
本発明によれば、 キヤビラリ一力ラムの内径にモノ リス構造体を形 成させたこと、 テーパー状の先端開口までモノ リス構造体を形成したこ と、 又、 キヤビラ リ一力ラム内にモノ リ ス構造体を形成し、 キヤビラ リ 一力ラムを牽く ことにより、 キヤビラリ一力ラム先端をその内部にモノ リス構造体が形成されたテーパー状と為したので、 試料溶液が流速 1 μ 1 / m i n以下の低容量でも安定したイオン生成が可能であり、 又高速 検出が可能であるように、 高流速にも対応できる E S I用のスプレー- 一ドルを提供することが出来る。
従って、 低容量から高流速の広い範囲に亘つて対応できるスプレー二 — ドルを調製形成して提供することが出来る。
然もその製法は容易であり、 困難な工程を必要とすることなく、 キヤ ビラリー中にゲルを形成して先端機能を形成させる工程にてスプレー二 一ドルを得るこ とが出来る。
然も得られたスプレー-一ドルは粒体を充填する場合と異なり、 使用 による形態変化や先端部の目詰まりがなく、 常に安定したイオン生成が 達成できる。