WO2006046470A1 - バルブ保持部材 - Google Patents

Abstract

バルブステム２３を通すガイド穴３４を有するハブ部３３と、該ハブ部の周縁に周方向で間隔をあけて設けられ、該周縁からバルブステムの軸線方向で且つ半径方向外側に伸張する複数のアーム部３２と、を有する、一枚の板金から成形されたバルブ保持部材である。該バルブ保持部材は、少なくとも１つのアーム部の長さ方向に沿って半径方向外側及び内側の一方に隆起する第１隆起補強部３５該ガイド穴の周囲で該ハブ部から軸線方向に延びる筒状補強部３５ｃ、３５ｅ、該ハブ部に該軸線方向に隆起する第２湾曲補強部３５ｂのいずれか１つを有する。  

Description

明 細 書

バルブ保持部材

技術分野

[0001] 本発明は管継手の流体通路の開閉を行うためのバルブを保持するバルブ保持部 材に係り、特に、一枚の板金力も成形されるバルブ保持部材に関する。

背景技術

[0002] ポペットバルブにより流体通路の開閉を行うようにした管継手においては、バルブス テムを通すノヽブ部と、該ハブ部から半径方向外側に延びて流体通路の壁面に係止 され、ハブ部を流体通路中央に支持する複数のアーム部とからなるバルブ保持部材 が使用される。バルブはハブ部とバルブヘッドとの間でバルブステムの周りに設定さ れたコイルスプリングによって、バルブヘッドが流体通路の壁面に形成された弁座に 押圧されるようにして設定される。

[0003] 本出願人は、一枚の板金力 成形されることを特徴とするバルブ保持部材に関する 出願をしている（実公昭 55— 33091号)。このバルブ保持部材は低コストで製作でき るという利点を有する力 剛性が低ぐ従って、コイルスプリングによるバルブの付勢 力が小さくて済む低圧力で小口径の管継手に主に使用されている。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] しかし、この板金製のバルブ保持部材においても、高圧力かつ大口径の管継手に 対応すべく、強 、スプリング付勢力に耐え得る剛性の高 、バルブ保持部材が求めら れている。剛性を高めるためには、板金の厚さを増したり、アーム部の幅を増大したり する方法がある。しかし、厚い板金を使用すれば、アーム部の弾性が損なわれて継 手内部への挿入設定が困難となり、また、アーム部の幅を拡大すれば流路抵抗が増 大してしまう。

[0005] そこで、従来は、高圧力かつ大口径の管継手の高強度のバルブ保持部材として、 実開昭 59— 105683号公報に開示されるようなブロック型 (管継手の流路方向に厚 みを持つ）や、実開昭 51— 98825号公報に開示されるようなリング型 (アーム部同士 力 Sリングで連結されている型）が用いられてきた。しかし、これらの製作には、無垢材 力 の削り出し力卩ェゃ焼結材を用いた成形カ卩ェ等が必要となるため、プレス加工で 製作できる板金製のバルブ保持部材と比較すると、生産コストおよび重量が増大す るという課題があった。

[0006] 本発明の目的は、板金バルブ保持部材の任意の各所に剛性を高めるための補強 構造を設けることで、高圧力かつ大口径の管継手にも使用できるようにした板金製の バルブ保持部材を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0007] すなわち、本発明は、管継手の流体通路の開閉を行うためのバルブ (以下に示す 実施形態にお!、ては参照番号 20で示す)を該流体通路に沿って変位可能に保持 するため、一枚の板金力 成形されたバルブ保持部材（30a)であって、

バルブのバルブステム（22, 23)を通すガイド穴（34)を有するハブ部（33)と、 該ハブ部の周縁に周方向で間隔をあけて設けられ、該周縁からバルブステムの軸 線を基準として該軸線方向で且つ半径方向外側に伸張する複数のアーム部（32)と を有し、

少なくとも 1つのアーム部の長さ方向に沿って、該アーム部の半径方向外側及び内 側の一方に隆起するよう形成された第 1隆起補強部（35)、該ガイド穴の周囲で該ハ ブ部カも該軸線方向に延びるよう形成された筒状補強部（35c, 35d, 35e)、該ハブ 部に該軸線方向で隆起するよう形成された第 2隆起補強部（35b)のいずれか 1つを 有するバルブ保持部材を提供する。

すなわち、このバルブ保持部材では、その構造が補強されるので、プレスなどの簡 単な製造工程で作られるものでありながら、高圧力かつ大口径の管継手に使用する ことがでさるよう〖こなる。

[0008] 該第 1隆起補強部（35)及び第 2隆起補強部（35b)は、連続成形することができる

[0009] また、アーム部のすべてを、該ハブ部力 該軸線方向の一方の側に伸張するように し、 ハブ部の周縁における隣合うアーム部の間の部分には、アーム部とは軸線方向反 対側に伸張する複数のスプリング係止部（31)力形成されるよう〖こすることができる。

[0010] 更に、アーム部が、管継手の流体通路の内壁に形成された環状の係止段部に係 合可能とされた先端縁 (37)を有し、該先端縁の中間部分に係止段部に係合しな!/、 非係合部（37Ίを有するようにすることができる。

[0011] これは、加工工程によってアーム部の先端に反りや歪みが生じた場合でも、板金バ ルブ保持部材を安定して管継手の内部に固定することができるようにするためのもの である。

[0012] 具体的には、この非係合部は、先端縁中央部分の切欠きにより形成することができ る。

発明の効果

[0013] 本発明に係るバルブ保持部材は、その構造が補強されるので、プレスなどの簡単 な製造工程で作られるものでありながら、高圧力かつ大口径の管継手に使用すること ができるようになる。また、ハブ部やアーム部に形成される補強部は、流路抵抗を余り 増大させること無 、ように形成することが可能である。

図面の簡単な説明

[0014] [図 la]本発明の一実施形態に係るバルブ保持部材を適用した管継手の雄型継手の 縦断面図である。

[図 lb]図 laにおいてバルブ保持部材を矢印 a方向から見た端面図である。

[図 2a]本発明の第 1実施形態に係るバルブ保持部材の正面図である。

[図 2b]図 2aの lib - lib線断面図である。

[図 3a]本発明の第 2実施形態に係るバルブ保持部材の正面図である。

[図 3b]図 3aの Illb— Illb線断面図である。

[図 4a]本発明の第 3実施形態に係るバルブ保持部材の正面図である。

[図 4b]図 4aの IVb— IVb線断面図である。

[図 5a]本発明の第 4実施形態に係るバルブ保持部材の正面図である。

[図 5b]図 5aの Vb— Vb線断面図である。

[図 6a]本発明の第 5実施形態に係るバルブ保持部材の正面図である。 [図 6b]図 6aの VIb— VIb線断面図である。

[図 7a]本発明の第 6実施形態に係るバルブ保持部材の正面図である。

[図 7b]図 7aの Vllb— Vllb線断面図である。

[図 8a]従来のバルブ保持部材の正面図である。

[図 8b]図 8aの Vlllb—VIIIb線断面図である。

発明を実施するための最良の形態

[0015] 以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。

図 laは本発明の一実施形態に係る板金バルブ保持部材を採用した雄型継手 1の 断面構成図、図 lbは、図 laの矢印 Aの方向力も見た端面図である。

[0016] 使用時には、継手本体 10の図 1で見て右方向から導管 (不図示）が接続され、左方 向力も雌型継手 (不図示）が連結される。管状の継手本体 10には、ポペットバルブ 2 0と、該ポペットバルブ 20を付勢するコイルスプリング 40と、該コイルスプリング 40を 保持するバルブ保持部材 30aとが設定されて 、る。

[0017] この雄型継手 1の組み立ては、継手本体 10にポペットバルブ 20およびコイルスプリ ング 40を挿入した後、該コイルスプリング 40を縮めながらバルブ保持部材 30aを左 方向に押し込むことで行われる。該バルブ保持部材 30aは、アーム部 32が継手本体 10の内周面と係合して橈められながら左方向に押し込まれる。そして、該アーム部 3 2の先端が継手本体 10の内周面に形成されたアーム保持段部 12まで来ると、該先 端が該アーム保持段部 12に係合して、当該バルブ保持部材が固定される。ポペット ノ レブ 20は、コイルスプリング 40により付勢されて継手本体 10の弁座面 11に当接 することで、流体の出入口となる流通口 21を閉鎖して 、る。

[0018] ポペットバルブ 20のバルブステム大径部 22は、コイルスプリング 40の内周と摺動可 能に当接している。また、バルブ保持部材 30aのハブ部 33の中央には、バルブステ ム小径部 23が通されるガイド穴 34が設けられると共に、ハブ部の周縁には、コイルス プリング 40の一端部の外周面と係合するスプリング係止部 31が設けられている。ポ ペットバルブ 20は、このバルブ保持部材とコイルスプリングとにより、その軸線が流体 通路方向に延びるように維持され、正確なバルブ開閉動作を行うことができるようにさ れている。 [0019] 上記したバルブ構造は、雌型継手にぉ 、ても同様とされ、雄型継手が雌型継手に 挿入連結されるときには、ポペットバルブの先端同士が当接して、該雄型継手及び 雌型継手の筒状本体に対して相対的に変位し、それら筒状本体の流体通路を開く。

[0020] 次に、バルブ保持部材の第 1〜第 6実施形態を詳細に説明する。

[0021] 図 2aは本発明の第 1実施形態に係るバルブ保持部材 30aの正面図、図 2bは図 2a の lib— lib線断面図である。

[0022] バルブ保持部材 30aは、中央にバルブステムを通すガイド穴 34が形成されたハブ 部 33と、該ハブ部の周縁に等間隔に設けられ、バルブステムの軸線の方向（図 2bで 見て右方）且つ該軸線を基準にして半径方向外側に延びる 3本のアーム部 32と、該 アーム部 32間でハブプレートブ 33からアーム部 32と反対側に延びたスプリング係止 部 31と、を有している。

[0023] アーム部 32には、ハブ部 33との接続部分 36とアーム先端部 37との間に、該ァー ムプレートの長さ方向に沿って延びる隆起補強部 35が設けられている。この隆起補 強部 35は、アーム部 32の剛性を高める。該隆起補強部 35は、該バルブ保持部材が 管継手内に設定されたときには、ほぼ流路方向に沿って伸張するようになるので、流 路の抵抗増は非常に少なく抑えられる。また、該隆起補強部 35の形成は、アーム部 32やスプリング係止部 31と同様にプレス力卩ェで行うことができるため、コスト増をほと んど伴わずに強度を向上することができる。

[0024] 図 8aは、前述の従来の形式のもので、アームプレートの剛性をバルブ保持部材 30 aと同程度にしたバルブ保持部材 30fの正面図、図 8bは図 8aの Vlllb— Vlllb線断面 図である。この従来型のバルブ保持部材 30fと、本発明のノ レブ保持部材 30aを比 較すると、バルブ保持部材 30aのアーム部 32の幅 Waは、バルブ保持部材 30fのァ ーム部 32fの幅 Wfに対して狭く形成することが可能となり、かつ、ハブ部 33とアーム 部 32の成す内角の大きさを増すこともできるので、ハブ部 33の面積を従来型のハブ 部 33fに比して小さくすることができるようになる。したがって、バルブ保持部材 30aは 、その強度を従来型より高めつつ、流路抵抗の低減をも可能としている。また、従来 型のバルブ保持部材 30fでは、継手本体への設定時に必要な弾性力を得るために 、アーム部 32f全体を弾性体として使用していたのに対し、本発明に係るバルブ保持 部材 30aでは、その主な役割を屈曲した接続部 36に持たせて 、る。

[0025] 管継手の主なサイズには、 1/8インチ、 1/4インチ、 3/8インチ、 1/2インチ、 3/4インチ 、 1インチ等がある。従来型のバルブ保持部材は、強度が不足するために 3/8インチ までの使用に限られていた力 本発明に係るバルブ保持部材 30aでは、 3/8インチ以 下のものに加えて 1/2インチ以上の大口径への使用が可能とされる。

[0026] また、バルブ保持部材 30aのアーム先端部 37に設けられる V字型の切欠き 37Ίま 、万一、加工工程においてアーム先端部 37に反りや歪みが生じた際にも、アーム保 持段部 12内周へ複数の点または線で係合させることで、バルブ保持部材 30aを安 定してアーム保持段部 12に固定させるためのものである。

[0027] 図 3aは本発明の第 2実施形態に係るバルブ保持部材 30bの正面図、図 3bは図 3a の Illb— Illb線断面図である。このバルブ保持部材 30bは、隆起補強部 35を、屈曲し た接続部 36を超えてハブ部 33の周縁部分に形成された隆起補強部 35bまで延長し て設けた点に特徴がある。

[0028] このバルブ保持部材 30bでは、この特徴によりその全体の強度を、バルブ保持部 材 30aに比して約 5%高めることができる。バルブ保持部材 30bの他の構成は第 1実 施形態のものと実質的に同じであり、それにより得られる効果も実質的に同じである。 第 1実施形態のバルブ保持部材 30aと同じ構成エレメントには同じ参照番号を付して 示し、その説明は省略する（以下の実施形態にぉ 、ても同じ)。

[0029] 図 4aは本発明の第 3実施形態に係るバルブ保持部材 30cの正面図、図 4bは図 4a の IV— IV線断面図である。

[0030] バルブ保持部材 30cは、ガイド穴 34の周縁に、アーム部 32の伸張方向に延びる補 強構造としての筒状補強部 35cが設けられている。該筒状補強部 35cは、当該バル ブ保持部材が管継手に設定された場合、流路方向に沿って設定されるので、流路の 抵抗増は非常に少なく抑えられる。また、該筒状補強部 35cはプレス加工で形成す ることができるため、コスト増をほとんど伴わずに強度を向上することができる。具体的 には、アーム部 32の弾力性を維持したままノヽブ部 33の剛性を高めることができ、該 ハブ部 33の面積を従来型のハブ部 33fに比して小さくすることができるようになる。

[0031] 図 5aは本発明の第 4実施形態に係るバルブ保持部材 30dの正面図、図 5bは図 5a の Vb— Vb線断面図である。

[0032] バルブ保持部材 30dは、ガイド穴 34の周縁に、アーム部 32の伸張方向と反対の方 向に延びる補強構造としての筒状補強部 35dが設けられて ヽる。該筒状補強部 35d は、当該バルブ保持部材が管継手に設定された場合、流路方向に沿って設定され るので、流路の抵抗増は非常に少なく抑えられる。また、該筒状補強部 35dはプレス 加工で形成することができるため、コスト増をほとんど伴わずに強度を向上することが できる。具体的には、該筒状補強部 35dを設けることで、アーム部 32の弾力性を維 持したままノヽブ部 33の強度を高めることができるので、該ハブ部 33の面積を従来型 のハブ部 33fに比して小さくすることができるようになる。なお、該筒状補強部 35dは 、スプリング係止部 31の代わりに、コイルスプリング 40の内周を保持するスプリング係 止部として利用することもでき、この場合には、スプリング係止部 31は不要となるため 、流路抵抗をよりいっそう低減することができる。

[0033] 図 6aは本発明の第 5実施形態に係るバルブ保持部材 30eの正面図、図 6bは図 6a の VIb—VIb線断面図である。該バルブ保持部材 30eの特徴は、第 1実施形態に示し た隆起補強部と第 3実施形態に示した筒状補強部の両方、すなわち、アーム部 32の 隆起補強部 35と、ハブ部 33の筒状補強部 35eとを組み合わせて使用したことにある 。本実施形態のように、隆起補強部および筒状補強部を任意に組み合わせて使用 することによって、要求される強度に応じたバルブ保持部材が簡単に得られるように なる。

[0034] 図 7aは本発明の第 6実施形態に係るバルブ保持部材 30gの正面図、図 7bは図 7a の Vllb— Vllb線断面図である。該バルブ保持部材 30gの特徴は、ハブ部 33に隆起 補強部 35bを設けたことにある。

[0035] 上記したように、本発明によれば、バルブ保持部材の各所に補強構造を設けたの で、バルブ保持部材の強度を高めて、高圧力かつ大口径の管継手にも使用できるバ ルブ保持部材が得られるようになる。また、流路方向に沿って補強構造を形成するた め、流路抵抗を大きく増すことがなくバルブ保持部材の強度を高めることができる。ま た、各補強構造はプレス加工によって形成するので、コスト増をほとんど伴わずに強 度を向上することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 管継手の流体通路の開閉を行うためのバルブを該流体通路に沿って変位可能に 保持するため、一枚の板金カゝら成形されたバルブ保持部材であって、

バルブのバルブステムを通すガイド穴を有するハブ部と、

該ハブ部の周縁に周方向で間隔をあけて設けられ、該周縁からバルブステムの軸 線を基準として該軸線方向で且つ半径方向外側に伸張する複数のアーム部と、 を有し、

少なくとも 1つのアーム部の長さ方向に沿って、該アーム部の半径方向外側及び内 側の一方に隆起するよう形成された第 1隆起補強部、該ガイド穴の周囲で該ハブ部 力 該軸線方向に延びるよう形成された筒状補強部、該ハブ部に該軸線方向で隆 起するよう形成された第 2隆起補強部のいずれか 1つを有する

ことを特徴とするバルブ保持部材。

[2] 該第 1隆起補強部及び第 2隆起補強部が連続成形されていることを特徴とする請 求項 1に記載のバルブ保持部材。

[3] 該アーム部のすべてが、該ハブ部から該軸線方向の一方の側に伸張し、

該ハブ部の周縁における隣合う該アーム部の間の部分には、該アーム部とは該軸 線方向反対側に伸張する複数のスプリング係止部 31が形成されて!、る

ことを特徴とする請求項 1に記載のバルブ保持部材。

[4] 該アーム部が、管継手の流体通路の内壁に形成された環状の係止段部に係合可 能とされた先端縁を有し、該先端縁の中間部分に該係止段部に係合しな ヽ非係合 部を有することを特徴とする請求項 2に記載のバルブ保持部材。

[5] 該非係合部が、該先端縁中央部分の切欠きにより形成されていることを特徴とする 請求項 4に記載のバルブ保持部材。