明 細 書 医療用器具 技術分野
本発明は医療用器具に関し、 例えば、 単針透析 (single needle dialy sis : S N D ) その他の医療的処置を行う ための器具に用いて好適なもの である。 背景技術
従来 、 急性や慢性の腎不全症に対する治療と して、 血液透析が広 <行 われている。 血液透析は、 血液中の老廃物および余分な水分を、 人ェ腎 臓と呼ばれる血液透析装置を用いて除去する治療法を言う。
図 1 は、 一般的な血液透析システムの構成を示す図である。 図 1 に 7TC すよう に 、 透析者から体外に導かれた血液は、 ダィ ァライザ 1 0 0 と呼 ばれる透析器を通って透析者の体内に戻される。 のダイ ァライザ 1 0
0の中には、 半透性の膜で作られた極細の中空糸 1 0 1が 1 万本程度充 填されている。 血液は この中空糸 1 0 1 の内側を約 2 0 0 m 1 /分の 流速で通る。 一方、 中 糸 1 0 1 の外側には、 血液の流れとは反対方向 に透析液が約 5 0 0 m 1 Z分の流速で流されている 。 血液は、 中空糸 1
0 1 の内側を流れる とさに、 中空糸 1 0 1 の外側を流れる透析液と半 性の膜を介して間接的に接触する。 そして、 血液と透析液との圧力差に よって、 血液中に過剰に含まれる水分が中空糸 1 0 1 の膜を介して透析 液側へ浸透して除去される o よた、 血液と透析液との濃度差に起因する 拡散によつて、 血液中に過剰に含まれる老廃物が除去される。
通常、 透析者から血液を体外に取り 出すためには 、 穿刺針を透析者に
穿刺する必要がある。 その穿刺を容易とするために、 動静脈シャ ン 卜 ( ブラ ッ ドアクセス) と呼ばれる処置が透析者の手首にあ らかじめ施され る。 シャ ン トは、 図 2 に示すよ に、 左前腕または右前腕の手首で橈骨 動脈と橈側皮静脈とを吻合する処置を言う。 2 0 0 m 1 /分の血流量を 得るには本来は動脈から血液を取 り出す必要があるが、 動脈に穿剌針を 直接刺すのは無理である。 また 、 静脈は血管が細いため、 そこに太い穿 刺針を刺すこ とは非常に困難である。 そこで 、 シャ ン 卜(こよつて動脈と 静脈とをバイパスする ことによ り 、 勢いのある動脈の血流で静脈の血管 を膨張させて、 そこに穿刺するの ある。
実際に血液透析を行う際は、 図 3 に示すよう に、 シャ ン 卜によ て肥 大化された静脈の 2 箇所に穿刺針 1 1 1, 1 1 2 を刺す。 一方の穿刺針
1 1 1 は透析者か ら血液を取り出すために使用 し、 図 2 中の黒矢印 1 1
1 a に示す方向に刺入する。 この穿剌針 1 1 1 から取り 出された血液は
、 塩ビ製の医療用チューブ 1 1 3 を介して図 1 のダイ ァライザ 1 0 0 に 送 り込まれる。 他方の穿刺針 1 1 2 は、 透析された血液を透析者に戻す ために使用 し、 図 2 中の白矢印 1 1 2 a に示す方向に刺入する。 図 1 の ダイ ァライザ 1 0 0 で過剰老廃物ゃ過剩水分を除去された血液は 、 塩ビ 製の医療用チューブ 1 1 4 を介して穿刺針 1 1 2 から透析者の体内に戻 される。 穿刺針 1 1 1 , 1 1 2 の穿刺の部位についてはシャ ン 卜の流出 静脈の形態にもよるが、 原則的には、 透析を受けて他方の穿刺針 1 1 2 よ り還る血液が再び一方の穿刺針 1 1 1 よ り吸われないよ うな位置に し なければならない。
以上のような従来の血液透析システムでは 、 透析者に 2 本もの穿刺針
1 1 1 , 1 1 2 を刺す必要があ り 、 透析者に大きな負担を与えてしまう
。 このような不都合を回避するために、 1 本の穿刺針だけで血液透析を 行えるよう にした単針透析と呼ばれる手法が開発された。 この単針 &析
の実施方法と しては、 2 つの方法が考えられている。 第 1 の方法は、 Y 字の単腔針と回路の切換 とを用いて、 透析前の血液の人体からの流 入と透析後の血液の人体への流出とを適宜切り換えながら、 血流を断続 的に得て透祈する方法である 第 2 の方法は 2腔針を穿刺してこれに 動 . 静脈回路を接続し、 通常の透析と同様に持続的に透析する方法であ
-S) 第 2 の方法に関しては 2腔針を使用 して透析を行う システムが、 例えば特開 2 0 0 3 - 1 9 1 9 9 号公報に開示されている。
しかしながら、 第 1 の方法では、 切換装置などの大掛かりな装置が必 要になるとい 問題や 、 断続的に しか透析ができないため効率が悪く な る という問 力 あつた ο
また 、 第 1 の方法および第 2 の方法の双方ともに 、 人体から血液を流 入するための穿刺針と人体に血液を流出するための穿刺針とが共用され て 1 本となつているため、 血液の流入部位と流出部位とを図 2 、 図 3 の よう に離すことができない。 そのため 、 人体から取り 出される血液と人 体に戻る血液との間に混流が生じ 、 透折の効果が著し く 低下してしまう こ とがあるという問題があった
また 、 第 2 の方法で 2腔針を使用する場合は、 2 つの管がある分だけ 穿刺針が太 < なつてしまい、 これを穿刺する透析者に大きな苦痛を与え てしまう とい Ό問題ちあった。
発明の開示
本発明は、 このよ うな問题を解決するために成されたものであ り、 血 液透析に伴う透析者の苦痛を軽減するために単針透析を実施する場合に おいて 、 単針から流出入される血液に混流が起きないよう にして 2 針 析と同等程度に透析を効率的に行えるよう にする こ とを巨的とする。 また 本発明は、 穿刺針ができるだけ太く ならないよう にして これを
穿刺する透析者への負担を軽減できるよう にする ことも 目的と している このような課題を解決するために 、 本発明の医療用器具は、 略 Y字状 に形成した中空管と、 当該中空管内に抜き差し自在に挿通する穿刺針お よびチュ —ブとを備え、 チューブには中空管よ り も長い充分な長さ を持 たせている。 そして、 Y字状に三方向に分岐している 3本の管部のうち
、 第 1 の管部および第 2 の管部との組で第 1 の導通路を形成し、 第 1 の 管部および第 3 の管部の中に挿通したチューブで第 2 の導通路を形成し ている
例えば 、 血液透析を行う際は、 第 1 の管部に穿刺針を挿入して穿刺す る ことによって第 1 の管部を血管内に挿入する と ともに、 血管内に挿入 された第 1 の管部の内部を通してチュ —ブも血管内に挿入する ことによ
Ό 、 穿刺する部位は一箇所で済む しかも、 人体から血液を取り出すた めの管と人体に血液を戻すための管とが並列に設けられる従来の 2腔針 と異な Ό 、 単腔針で血液の流出入を行う こ とができるので、 穿刺する部 分を細 < 形成する こ とができる。 しれによ り 、 人体に与える負担を大幅 に軽減する ことができる . ノ <«_ 、 チューブに充分な長さを持たせている ので、 第 1 の管部の端部 (穿刺針の穿刺部位) よ り も先の血管内にチュ 一ブを送る ことによって 、 ^析前の血液を透析者の体内から流入する部 位 (穽刺針の穿刺部位) と、 透析後の血液を透析者の体内に戻す部位と の距離を離すことができ 、 透析を受けて還る血液が再び流入されてしま とい た混流を防ぐこ とができる 図面の簡単な説明
図 1 は、 一般的な血液透析システムの構成を示す図である。
図 2 は、 動静脈シャ ン ト (ブラ ッ ドアクセス) と、 穿刺針の穿刺の部
位および刺入の方向とを説明するための図である。
図 3 は、 穿刺針の穿刺の部位を説明するための図である。
図 4 は、 第 1 の実施形態による医療用器具の構成例を示す図である。 図 5 は、 第 1 の実施形態による医療用器具の使用状態の一例を示す図 である。
図 6 は、 第 1 の実施形態による医療用器具の使用状態の一例を示す図 である。
図 7 は、 第 1 および第 2 の実施形態に関して穿刺針の穿刺の部位およ び方向を説明するための図である。
図 8 は、 第 2 の実施形態による医療用器具の構成例を示す図である。 発明を実施するための最良の形態
<第 1 の実施形態 >
以下、 本発明に.よる医療用器具の第 1 の実施形態を図面に基づいて §兌 明する。 図 4 は、 第 1 の実施形態による医療用器具の構成例を示す図で ある。
図 4 に示すよう に、 第 1 の実施形態による医療用器具は 、 中空の管が 一点で三方向に分岐している略 Y字状の単腔中空管 1 と 、 金厲製の穿剌 針 2 と、 柔軟性を有するチューブ 3 とを備えて構成されている
単腔中空管 1 は、 三方向に分岐した第 1 の管部 1 1 と第 2 の管部 1 2 と第 3 の管部 1 3 とを含む。 第 1 の管部 1 1 および第 2 の管部 1 2 は 、 透析前の血液を人体から流入するために使用する。 最初は 、 第 1 の管部 1 1 および第 2 の管部 1 2 の中に穿刺針 2 を揷通した状 で人体に刺し て、 第 1 の管部 1 1 の先端側の一部を血管内に刺入する その後、 第 1 の管部 1 1 および第 2 の管部 1 2 から穿刺針 2 を引き抜いて 、 第 1 の管 部 1 1 および第 2 の管部 1 2 を人体からの血液の流入に使用する。 また
、 第 1 の管部 1 1および第 3 の管部 1 3 は、 その中にチューブ 3 を揷通 して 、 当該チューブ 3 によつて透析後の血液を人体に流出するために使 用する
第 1 の管部 1 1 の先端側には、 複数個 (例えば 6個) のサイ ドホール
1 4がスけられている。 第 1 の管部 1 1 の先 側は、 人体から血液を流 入するために血管内に挿入されるが 、 その際 、 血圧によって管の先端の 穴が塞がつてしまう ことがあ ■ό 。 そ で 、 ネ复数個のサイ ドホール 1 4を 設ける とにより、 サイ ドホール 1 4から 1 の管部 1 1 内に血液を効 率よ <導く ことがでさるよ に成されている o
また 、 第 1 の管部 1 1 の先端側は 、 先 mから徐々に径が大きくなるよ うに形成されている 。 例えば 、 取先 の径は 1 4ゲージ、 そこから徐々 に太 <なつて最も径が大き <なつたと ろが 1 3ゲージである。 なお、 穿刺針 2の径は、 第 1 の管部 1 1 の最先顺における内径とほぼ同じか、 それよ Ό若干小さい程度である。
第 2の管部 1 2の先端側 (第 1 の 部 1 1 の先端側とは逆の方) は、 メス螺子 1 5の構造を有している の第 2の管部 1 2の先端側から第
1 の B部 1 1 の先端側に向けて、 第 1 の管部 1 1および第 2 の管部 1 2 の内部を穿刺針 2が抜き差し可能に揷通される 。 穿刺針 2の末端には、 オペレ ―夕が把持するための把持部 2 1 が けられていて、 その把持部
2 1 の内面はォス螺 ; it
子の構 になつている (図示せず) 。 これにより、 第 1 の管部 1 1および第 2 の管部 1 2 の中に穿刺針 2 を完全に揷通した 状態で (図 5参照) 、 第 2の管部 1 2のメス螺子 1 5 と把持部 2 1 の図 示しないォス螺子とを螺合させる. とが可能となっている。 穿刺針 2 を 抜いた後は、 このメス螺子 1 5には図示しない継手のォス螺子が螺合さ れ、 そ から先は医療用チ ーブ (図不せず) を介して図 1 のダイァラ ィザ 1 0 0 (動脈側血液流入 □) に接 される
第 3 の管部 1 3 の先端側 (第 1 の管部 1 1 の先端側とは逆の方) も、 メス螺子 1 6 の構造を有している この第 3 の管部 1 3 の先端側から第
1 の管部 1 1 の先端側に向けて、 第 1 の管部 1 1 および第 2 の管部 1 2 の内部をチュ一ブ 3 が抜さ差し可能に揷通される 。 チューブ 3 の末 に は継手 3 1 が設けられていて、 その 手 3 1 の内面はォス螺子の構造に なっている (図示せず) これによ Ό 、 第 3 の管部 1 3 の中にチュ一ブ
3 を挿通した状態で (図 5参照) 、 第 3 の管部 1 3 のメス螺子 1 6 と 手 3 1 の図示しないォス蟝子とを螺 させる ことが可能となっている 継手 3 1 の外面にはメス螺子 3 2 が形成されている。 このメス螺子 3
2 には 、 図示しない他の継手のォス螺子が螺合され、 そこから先は 用チュ一ブ (図示せず) を介して図 1 のダイ ァラィザ 1 0 0 (静脈側血 液流出 □ ) に接続される
第 3 の管部 1 3 の一部には、 第 3 の管部 1 3 を伸縮自在とするための 蛇腹構 1 7 が設けられている。 チュ —ブ 3 は 、 初期状態では図 5 のよ う に第 3 の管部 1 3 の中にのみ挿入された状態となっている。 しかし 、 実際の透析時には、 第 3 の管部 1 3 か ら第 1 の B部 1 1 を通してその先 端から先までチユーブ 3 を伸ばして使用する。 そこで、 チューブ 3 を第
1 の管部 1 1 に向けて押し込むことが可能なよう に、 伸縮自在な蛇腹構 造 1 Ί を δ又けているのである。
なお 、 チュ―ブ 3 は、 第 1 の管部 1 1 の先端の穴から所定の長さだけ
(好ま し < は 1 0 c m程度 ) 先まで出るのが好ま しい。 第 1 の管部 1 1 の長さが 5 c m程度で、 その先端から 1 0 c m程度先までチューブ 3 を 伸ばして使用する場合を相定する と 、 蛇腹構造 1 7 の長さは 1 5 c m程 度必要である
チュ一ブ 3 は 、 第 1 の 部 1 1 と第 3 の管部 1 3 とを合わせた全体の 長さよ 0 も長く 形成されている。 れによ り、 蛇腹構造 1 7 を縮めた状
態において、 第 1 の管部 1 1 の先端の穴からチューブ 3 が所定の長さだ け先に出るよう になつている。 第 1 の管部 1 1 の先端よ り も先に出た部 分は、 静脈内に挿入される。 このときチューブ 3 は、 穿刺針 2 を穿刺した 部位から静脈内を迪るよう に挿入されるため 、 血管の形に沿って屈曲する とが可能な程度の 軟性を有している。 また 、 血管の内壁を損慯しないよう に、 チ .ーブ 3 の先端部はゴムなどの柔軟な材料で構成されている
このよう に、 チューブ 3 は、 静脈内に挿入して使用されるため あらか じめ滅菌されている 。 そして、 この滅菌状態を保つため 、 チューブ 3 を で触る とは絶対に避けなければならない。 上述した蛇腹構造 1 7 は オペ レー夕がチューブ 3 を間違って触つてしまう こ とを防止するための役割も有 している 。 すなわち 、 蛇腹構造 1 7 を設けずにチュ―ブ 3 を剥き出しに して おく と ォペレ 夕がこれを誤って触れてしまう危険性がある。 析の実行 時にォぺレー夕が滅菌されたゴム手袋を装着すれば良いのだが、 透析の都度 ゴム手 を一々装 するのは面倒でめる。 また、 空気中には多く の が存在 するので 、 才ぺレ 夕が素手でチュ —ブ 3 を触れる ことがなく てち チュ ブ 3 を剥さ出しの状態にしておく のは好ましく ない。
第 1 の管部 1 1 および第 2 の管部 1 2 はもちろんの こと、 上述した蛇腹構 造 1 7 を含む第 3 の管部 1 3 の内部はあ らかじめ滅菌されている の蛇腹 構造 1 7 を有する とによ り、 オペレー夕がチューブ 3 を素手で触 たり ゴ ム手袋を一々装卷したりする こ となく 、 滅菌状態を維持したままチュ ブ 3 を体内に挿入する とが可能となる
また、 第 3 の管部 1 3 の一部には、 第 1 の管部 1 1 か b 2 の管部 1
2 に向けて流入する血液が第 3 の管部 1 3 の中に逆流して < るのを防止 するために、 逆止弁 1 8 が設けられている。 逆止弁 1 8 は 第 3 の管部
1 3 の形状に合わせて円筒形状となつている。 その断面中央部には、 チ ブ 3 がち ょ う ど通る程度の径を有する貫通孔 (図示せず) が設けら
れ、 その 通孔にチューブ 3 が揷通される
なお 、 チュ―ブ 3 の径は第 1 の管部 1 1 および第 3 の管部 1 3 の径に 比ベて小さ < 、 例えば 1 7 ゲ一ジ程度である また 、 チューブ 3 には、 れを血管内にどの程度挿入したかを一巨瞭然とするために、 一定の間 隔ごとに 盛 3 3 が付されている。 単腔中空管 1 は透光性を有するプラ スナッ クやァク U ルなどで構成されてお 、 チュ一ブ 3 に付された目盛
3 3が単腔中空管 1 の外から けて見えるよ にな •0ている
次に、 上記のよつ に構成した本実施形態による医療用器具の使用方法 を説明する
図 5 に示すよ う に 、 初期状態では、 第 1 の管部 1 1 および第 2 の管部
1 2 の中に穿刺針 2 が挿通され、 第 2 の管部 1 2 のメス螺子 1 5 と把持 部 2 1 の図示しないォス螺子とが螺合した状態にセッ 卜 されている ま た 、 第 3 の管部 1 3 のメス螺子 1 6 とチュ一ブ 3 の継手 3 1 の図示しな いォス螺子とが螺 α され、 第 3 の管部 1 3 内にチ 一ブ 3 が挿入された 状態 (チユーブ 3 が逆止弁 1 8 の貫通孔に揷通され 、 かつ 、 チューブ 3 の先端が第 1 の管部 1 1 には届いていない状能 ) にセ ッ 卜 されている。 このとき蛇腹構造 1 7 は、 ほぼ最大に伸びた状態となっている。
しの状態で 、 第 1 の管部 1 1 に挿通した穿刺針 2 を人体に刺して、 第
1 の 部 1 1 の先端側の一部 (少なく と もサイ ドホ —ル 1 4が存在する 部分まで) を血管内に挿入する。 その後、 第 1 の管部 1 1 および第 2 の 管部 1 2 から穿刺針 2 を引き抜いて (第 1 の管部 1 1 の先端側は血管内 に残されたまま) 、 第 2 の管部 1 2 に医療用チ 一ブ (図 3 の医療用チ 一ブ 1 1 3 に相当) を接続する。 この医療用チューブ 1 1 3 は、 ダイ ァラィザ 1 0 0 の動脈側血液流入口に接続される
次に、 図 6 に示すよう に、 第 1 の管部 1 1 の先端側の一部が血管内に 挿入されている状態で、 継手 3 1 を持って第 1 の管部 1 1 の中にチュー ブ 3 を押し込んでいく 。 このとき蛇腹構造 1 7 は、 チューブ 3 を押し込む に従って徐々に縮んでいく 。 これによ り 、 第 1 の管部 1 1 の先端から所定 の長さだけ先までチュ ブ 3 を伸ばした状態 (穿刺針 2 の穿刺部位から 所定の長さだけ先まで血管内にチューブ 3 を揷入した状 ) セッ 卜す の状態で、 第 3 の管部 1 3 に医療用チューブ (図 3 の医療用チ ブ 1 1 4 に相当) を接続する の医療用チ ブ 1 1 4 は ダイ ァ ライザ 1 0 0 の静脈側血液流出 □に接続される
本実施形態の医療用器具は単針透析を行うための器具であ り 第 1 の 管部 1 1 に挿通した穿刺針 2 を人体に穿刺する部位は 箇所である す なわち 、 図 7 に示すように、 シャン 卜によつて肥大化された静脈の白矢 印 5 1 で示す一箇所に 第 1 の管部 1 1 に揷通した穿刺針 2 を穿刺する
。 矢印は剌入の方向を している。 この穿刺した部位にある第 1 の管部
1 1 の先端から透析者の血液が取り 出され、 第 2の管部 1 2 に接続され た医療用チューブ 1 1 3 を介して図 1 のダイ ァライザ 1 0 0 に送り込ま れる。
ダイ ァラィ.ザ 1 0 0 で過剰老廃物や過剰水分を除去された血液は、 医 療用チューブ 1 1 4 を介して、 第 3 の管部 1 3 および第 1 の管部 1 1 の 中に揷通されているチュ —ブ 3 に戻される。 チューブ 3 の先端は、 穿刺 針 2 が穿刺された部位から所定の長さだけ先の静脈内 (図 7 中の黒丸 5
2 で示す位置) にあ り、 そこ力 ^ら透析者の体内に戻される
透析前の血液を透析者の体内から流入する部位 5 1 (穿刺針 2 の穿刺 部位) と、 透析後の血液を透析者の体内に戻す部位 5 2 とが所定の長さ だけ離れている ことカゝら 、 透析を受けて人体に還る血液が再び人体から 流入されてしま う といつた混流を防ぐこ とができる
以上 §4"しく 説明したよう に、 第 1 の実施形態によれば 血液透祈に伴 う透析者の苦痛を軽減するために単針透析 ¾:実施する場 A α において、 流 出入される血液に混流が起さないよう にして 、 通常の 2針透析と同等程 度に透析を効率的に行う ことがでさるよう になる。 また 第 1 の実施形 態によれば、 第 1 の管部 1 1 とチュ ブ 3 とで同心状に 2腔を形成して いるので、 従来の 2腔針に比ベて細く 形成する こ とがでさる これによ り、 透析者に与える苦痛を 層軽減する こ とができる。
<第 2 の実施形 >
次に 、 本発明による医療用器具の第 2 の実施形態を図面に基づいて 明する 。 図 8 は 第 2 の実施形態による医療用器具の構成例を示す図で ある なお、 この図 8 において、 図 5 に不した符号と同 ―の符号を付し たものは同一の機能を有するものであるので 、 こ こでは 複する説明を 省略する
図 8 に示すよう 1に、 第 2 の実施形態では、 第 2 の管部 1 2 の中ほどに 例えば塩ビ樹脂などで形成された柔軟性を有するチューブ部 6 1 が形成され ている。 また、 第 3 の管部 1 3 の蛇腹構造 1 7 とメス螺子 1 6 (図 8 では 継手 3 1 に螺合されて見えていない) との間に 例 ばァク リルまたはプラ スチックなどで形成された把持部 6 2 と、 例えは塩ビ樹脂などで形成された 柔軟性を有するチューブ部 6 3 とが形成されている
ペアンなどの挟持部材 (図示せず) を用いてチュ ブ部 6 1 を挟む とに よ り 第 2 の管部 1 2 における血液の導通路を ぐ とが可能である また ペアンなどの挾持部材 (図示せず) を用いてチュ ―ブ部 6 3 を挟む とに よ り 第 3 の管部 1 3 の中に挿入されているチュ ―ブ 3 における血液の導通 路を塞ぐこ とが可能 0sある。
把持部 6 2 は、 チ ブ 3 を第 3 の管部 1 3 から第 1 の管部 1 1 に向けて 更にその先の静脈内に押し込んでいく 際に 、 ォぺレ ―夕が把持する部分であ
る。 次に 、 上記のよ う に構成した第 2 の実施形態による医療用器具の使用 方法を説明する。
第 2 の実施形態の場合も、 図 8 に示すよう に、 初期状態では、 第 1 の 管部 1 1 および第 2 の管部 1 2 の中に穿刺針 2 が挿通され、 第 2 の管部
1 2 のメス螺子 1 5 と把持部 2 1 の図示しないォス螺子とが螺合した状 態にセッ トされている。 また、 第 3 の管部 1 3 のメス螺子 1 6 とチュー ブ 3 の継手 3 1 の図示しないォス螺子とが螺合され、 第 3 の管部 1 3 内 にチューブ 3 が挿入された状態 (チューブ 3 が逆止弁 1 8 の貫通孔に挿 通され、 かつ、 チューブ 3 の先端が第 1 の管部 1 1 には届いていない状 態) にセッ ト されている。 このとき蛇腹構造 1 7 は、 ほぼ最大に伸びた状 態となつている。
この状態で、 人体に穿刺針 2 を穿刺する。 第 2 の実施形態においても図
7 に示したのと同様に、 人体に穿刺針 2 を穿刺する部位は一箇所である すなわち、 図 7 に示すよう に、 シャ ン 卜によ て肥大化された静脈の 白矢印 5 1 で示す一箇所に、 第 1 の管部 1 1 に挿通した穿刺針 2 を穿刺 する。 矢印は刺入の方向を示している この穿剌によ り 、 第 1 の管部 1
1 の先端側の一部 (少なく と もサイ ホール 1 4が存在する部分まで) を血管内に挿入する
その後、 第 1 の管部 1 1 および第 2 の管部 1 2 から穿刺針 2 を引き抜
< のであるが、 完全に引き抜く 前に 、 穿刺針 2 がチューブ部 6 1 を抜け た状態で一旦引き抜きを停止し、 チュ一ブ部 6 1 をペアンで挟持する。 チュ一ブ部 6 1 をペアンで挟むこ とによつて血液の導通路を塞いだ後に
、 穿刺針 2 を第 2 の管部 1 2 から完全に引さ抜 < 。 そして 、 第 2 の管部
1 2 に医療用チューブ (図 3 の医療用チュ一ブ 1 1 3 に相当) を接続す
る この医療用チューブ 1 1 3 は、 ダイ ァラィザ 1 0 0 の動脈側血液流 入口に接続される。 医療用チュ ―ブを接続したら、 チューブ部 6 1 を挟 んでいるぺァンを取り外す。
このよ Ό に 、 穿刺針 2 を第 2 の管部 1 2 から完全に引き抜く 肯 に、 チ 一ブ部 6 1 をペアンで挟む とによって血液の導通路を塞ぐ とによ り 、 第 2 の管部 1 2 に医療用チュ一ブを接 する際に血液が第 2 の管部
1 2 から漏れ出てしまう不都 を防止する こ とがでさる
次に、 第 1 の管部 1 1 の先 側の一部が血管内に挿入されている状態 で、 把持部 6 2 を持つて第 1 の 部 1 1 の中にチュ一ブ 3 を押し込んで いく 。 このとき蛇腹構造 1 7 は、 チューブ 3 を押し込むに従って徐々 に縮 んでいく。 これによ り、 第 1 の管部 1 1 の先端から所定の長さだけ先まで チュ一ブ 3 を伸ばした状態 (穿刺針 2 の穿刺部位から所定の長さだけ先 まで血管内にチューブ 3 を挿入した状態 ) にセッ 卜する
の状態で、 チューブ 3 の先端に形成されている継手 3 1 にシ ンン
(図示せず) を接続する。 そして、 このシ リ ンジを利用 して、 チュ一ブ 部 3 内に入っている空気を引き抜く 。 のとさ 、 静脈からチューブ部 3 内に血液が流入され、 その血液がチュ ―ブ部 3 を通ってシリ ンジに多少 入る程度まで空気の引き抜きを行う のが好ま しい。
チューブ部 3 内の空気を完全に引き抜いた ら 、 第 3 の管部 1 3 のチ 一ブ部 6 3 をペアンで挟持する。 チュ一ブ部 6 3 をペアンで挟む とに よつて 、 内部に挿入されているチューブ部 3 の血液の導通路を塞ぐ と がでさる。 チューブ部 3 の血液の導通路を塞いだ後に、 手 3 1 から シ
U ンンを取り外して、 代わ り に医療用チューブ (図 3 の医療用チュ一ブ
1 1 4 に相当) を接続する。 この医療用チュ―ブ 1 1 4 は 、 ダイ ァラィ ザ 1 0 0 の静脈側血液流出口に接続される 。 医療用テュ一ブを接 した ら チュ一ブ部 6 3 を挟んでいるペアンを取り外す。
このよ に、 継手 3 1 に医療用チュ ブを接続す HUに、 シ U ンジを 接続してチューブ部 3 内の空気を引き抜 < ことによ り 、 血管内に空気が 入つてしまう不都合を防止して 、 透析を安全に行 こ とができる 。 この とさ、 チュ ―ブ部 6 3 をペアンで挟む とによつて血液の導通路を塞ぐ
< _とによ Ό チューブ 3 の継手 3 1 に医療用チュ ブを接続する際に空 気がチュ ブ部 3 内に再び混入してしま Ό不都合を防止する こ とができ る。
なお、 上記第 1 および第 2 の実施形態では 、 単腔中空管 1 とチューブ
3 とを別体と し、 第 3 の管部 1 3 のメス螺子 1 6 と継手 3 1 の図示しな いォス螺子とで両者を螺合させる構成と したが、 その螺合部分を当初か ら一体的に形成するよう にしても良い
また、 上記第 1 および第 2 の実施形態では 、 第 3 の管部 1 3 の内部に 挿通されるチューブ 3 を第 1 の管部 1 1 の方向に送り 出し可能なよう に
、 伸縮自在な蛇腹構造 1 7 を Θ又り る例に いて説明しているが 、 必ずし も蛇腹でなく ても良い。 例えば、 ビニ ルを用いた袋構造や、 比較的柔 軟性の強いゴムなどの弹性体で作つた筒構造などであつても良い。 要は
、 伸縮自在なものであれば適用可能である
また、 上記第 1 および第 2 の実施形 において穿刺針 2 を穿刺する部 位と方向とを図 7 に示したが れは単なる例示であつて れに限定 される ものではない。
また、 上記第 1 および第 2 の実施形態では 、 本発明の医療用器具を透 析者の腕に穿刺して血液透析を行う場 α について説明したが、 これに限 定されない。 例えば シャ ン 卜の施術を してから間もなく まだ静脈が充 分に肥大化していないときに行う臨時透析時や、 緊急透析時に、 本発明 の医療用器具を大腿静脈に穿刺して血液透析を行う こ とも可能である。 従来、 臨時透析時ゃ緊急透析時にはショル ド ンと呼ばれる器具が用い ら
れていたが、 これに比べて本発明の医療用器具は細く 、 透析者に与える 負担を大幅に軽減する こ とができる。
また、 上記第 1 および第 2 の実施形態では、 本発明の医療用器具を血 液透析に用いる場合について説明 したが、 この適用例に限定されない。 例えば、 中心静脈栄養法 ( I V H ) や点滴静脈内注射法などにおいて、 種類の異なる液体を体内に投与する際に、 それら液体の混注を避けるた めに本発明の医療用器具を利用する こ とが可能である。 その他、 輸血時 に他の栄養剤や補液剤などを同時に点滴する場合、 レン トゲン撮影時に 点滴を しながら造影剤を同時に投与する場合などにも本発明の医療用器 具を利用する ことが可能である o さ に、 体内の異なる 2 Pi?から血液 やその他の体液を注入したい場 □ にも本発明の医療用器具を利用する こ とが可能である。
その他、 上記第 1 および第 2 の実施形態は 、 何れも本発明を実施する にあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、 これによつて本発明 の技術的範囲が限定的に解釈されてはな らないものである o すなわち、 本発明はその精神、 またはその主要な特徴から逸脱する ことなく 、 様々 な形で実施する ことがでさる。 産業上の利用可能性
本発明は、 血管の異な •3 2 箇所を使って医療的処置を行う際に使用す る単針の医療用器具に有用である。