WO2006016421A1 - 濾過装置及び濾過方法 - Google Patents

Abstract

第一の容器１に充填された液体を濾過処理するフィルター２と、フィルター２で濾過された液体を貯留する第二の容器３と、第三の容器７と、第一の容器１とフィルター２とを接続する第一のライン４と、フィルター２と第二の容器３とを接続する第二のライン５と、第二のラインから５分岐し、第三の容器７に接続される第三のライン６とを有する濾過装置を用いる。また、第三の容器７は、第三のライン６に接続された部分が下方を向いた状態で、第二の容器３の上方に配置する。第二の容器３は、第一の容器１の下方に配置し、更に外力による変形と、外力の除去による復元とが可能となるように形成する。

Description

明 細 書 濾過装置及び濾過方法 技術分野

本発明は、 濾過装置及び濾過方法に関し、 特には全血、 全血に含まれ る血液成分から得られた各種製剤、 又は生体液を濾過対象とする濾過装 置及び濾過方法に関する。 背景技術

近年、 ドナ一から採血された全血をそのまま輸血に用いることは少な く、 多くの場合、 成分輸血が行われている。 このため、 一般に、 ドナ一 から採血された全血は、 血球成分、 血小板成分、 血漿成分といった各成 分に分離され、 各種の血液製剤とされる。

また、 これらの血液製剤に白血球が含まれていると、 輸血療法を施し た患者において、 種々の副作用が生じることが知られている。 このため、 近年においては、 採血された全血に対して、 白血球除去フィルタ一 （例 えば、 米国特許第 6 0 8 6 7 7 0号明細書） を用いた濾過処理が行われ ている。

更に、 濾過処理後の血液に空気が混入していると、 血液成分の凝集等 'が生じるため、 白血球除去のための濾過処理においては、 種々の方法に よって、 濾過処理後の血液から余分な空気を除去することが行われてい る。

ここで、 従来からの白血球除去のための濾過処理 （白血球除去処理） について図面を用いて説明する。 図 5〜図 7は、 従来の白血球除去処理 の一例を示す模式図である。 なお、 図 5 ( a ) と図 5 ( b ) 、 図 6 ( a ) と図 6 ( b ) は一連の処理を示している。 以下、 図ごとに説明す る。

図 5の例においては、 白血球除去処理は、 図 5 ( a ) に示すように、 第一の血液バッグ 2 1に充填された全血を、 白血球除去フィルター 2 2 へと送ることによって行われる。 処理後の血液は、 第二の血液バッグ 2 3に貯留される。

図 5において、 2 4は、 第一の血液バッグ 2 1と第二の血液バッグ 2 3とを接続する血液ラインである。 白血球除去フィルター 2 2は血液ラ イン 2 4上に設けられている。 また、 第一の血液バッグ 2 1は第二の血 液バッグ 2 3よりも高い位置に置かれており、 全血は重力による落下に よって白血球除去フィルター 2 2に送られる。

図 5の例では、 空気の除去処理を行うため、 血液ライン 2 4に平行し てバイパスライン 2 5が設けられている。 バイパスライン 2 5には、 空 気のみを一方向 （図中上方向） に通過させる逆止弁 2 6が設けられてい る。

図 5の例において、 空気の除去処理は次のように行われる。 先ず、 図 5 ( b ) に示すように、 第二の血液バッグ 2 3に貯留された処理後の血 液が血液除去フィルター 2 2に流れ込まないように血液ライン 2 4をク ランプする。 次に、 第二の血液バッグ 2 3を押圧して、 バイパスライン 2 5へと処理後の血液を送り、 逆止弁 2 6によって血液中の空気を除去 する。

図 6の例においても、 白血球除去処理は、 図 6 ( a ) に示すように白 血球除去フィルター 2 2を用いて行われる。 伹し、 図 6の例では、 空気 の除去処理は、 空気除去用容器 2 8を用いて行われる。 空気除去用容器 2 8は、 空気抜きライン 2 7を介して、 第二の血液バッグ 2 3に接続さ れている。 具体的には、 血液ライン 2 4をクランプした状態で、 第二の 血液バッグ 2 3を押圧することによって、 余分な空気を空気除去用容器 2 8へと送る。

図 7の例においても、 白血球除去処理は、 白血球除去フィルター 2 2 を用いて行われる。 伹し、 図 7の例では、 血液ライン 2 4における、 第 一の血液バッグ 2 1と白血球除去フィルタ一 2 2との間、 及び白血球除 去フィルター 2 2と第二の血液バッグ 2 3との間それぞれに、 空気除去 フィルター 2 9が設けられている。

空気除去フィルタ一 2 9は、 ベントフィル夕一であり、 気体のみを通 過させ、 液体を通過させない性質を備えている。 このため、 図 7の例で は、 第 1の血液バッグ 2 1から第 2の血液バッグ 2 3へと血液を送れば 、 血液中の空気は空気除去フィル夕一 2 9の排出口 (図示せず) から排 出される。 つまり、 白血球除去処理を行うと同時に、 空気の除去処理も 行うことができる。

また、 使用時以外においては、 空気除去フィルター 2 9の排出口 （図 示せず) には、 キャップが取り付けられる。 これは、 空気除去フィルタ 一の構造上、 排出口から塵等が侵入し易いため、 それを防止する目的か らである。

このように、 図 5〜図 7のいずれかに示す白血球除去処理を行えば、 白血球に加え、 余分な空気も除去された血液を得ることができる。

しかしながら、 図 5に示す例では、 空気を除去するためには第二の血 液バッグ 2 3を相当な力で押圧する必要があり、 これにより、 度々、 空 気と一緒に血液の一部も逆止弁 2 6に流れ込んでしまう。 また、 流れ込 んだ血液は逆止弁 2 6を逆流できない。 このため、 血液の損失を生じさ せてしまうという問題がある。 更に、 図 5に示す例では、 逆止弁 2 6が 機能できなくなったときに、 濾過されていない血液によって、 濾過後の 血液が汚染される恐れもある。 また、 図 6に示す例でも、 空気だけを除去するのは難しく、 血液の一 部が空気と一緒に空気除去用容器 2 8へと送られてしまう。 よって、 図 6の例でも、 血液の損失を生じさせてしまうという問題がある。

なお、 図 6の例では、 空気除去用容器 2 8を押圧することによって、 又は空気除去用容器 2 8を逆さまにすることによって、 空気除去用容器 2 8に送られてしまった血液を第二の血液バッグ 2 3に返送することが できる。 しかし、 この場合は、 空気も一緒に返送されてしまい、 再度空 気を除去する必要性が生じるため、 結局のところ、 図 6の例を用いても 上記問題の解決は困難である。

更に、 図 7に示す例では、 排出口からの塵等の侵入による血液の汚染 を防ぐため、 排出口のキヤップの取り外しや取り付けをこまめに行う必 要があり、 使用者において煩わしいという問題がある。 また、 未使用時 にキヤップを取り付けていても、 白血球除去処理時にキャップを取り外 したときに、 排出口から塵等が侵入するという問題もある。 更に、 空気 除去を十分に行うためには、 空気除去フィルター 2 9を複数個取り付け る必要があり、 コストが高いという問題もある。 発明の開示

本発明の目的は、 上記問題を解決し、 液体が汚染されたり、 液体に損 失が発生したりするのを抑制しつつ、 液体から簡単に気体を除去し得る 濾過装置及び濾過方法を提供することにある。

上記目的を達成するため、 本発明の濾過装置は、 第一の容器に充填さ れた液体を濾過するための濾過装置であって、 前記第一の容器に充填さ れた液体を濾過処理するフィルタ一と、 前記フィルターで濾過された濾 過後の液体を貯留する第二の容器と、 第三の容器と、 前記第一の容器と 前記フィルターとを接続する第一のラインと、 前記フィルターと前記第 二の容器とを接続する第二のラインと、 前記第二のラインから分岐し、 且つ、 前記第三の容器に接続される第三のラインとを有し、 前記第三の 容器は、 前記第三のラインに接続された部分が下方を向いた状態で、 前 記第二の容器の上方に配置され、 前記第二の容器は、 前記第一の容器の 下方に配置され、 且つ、 外力による変形と前記外力の除去による復元と が可能となるように形成されていることを特徴とする。

また、 上記目的を達成するため、 本発明の濾過方法は、 第一の容器に 充填された液体を濾過処理するフィルターと、 前記フィルターで濾過さ れた濾過後の液体を貯留する第二の容器と、 第三の容器と、 前記第一の 容器と前記フィルタ一とを接続する第一のラインと、 前記フィルタ一と 前記第二の容器とを接続する第二のラインと、 前記第二のラインから分 岐し、 且つ、 前記第三の容器に接続される第三のラインとを有し、 前記 第三の容器は、 前記第三のラインに接続された部分が下方を向いた状態 で、 前記第二の容器の上方に配置され、 前記第二の容器は、 前記第一の 容器の下方に配置され、 且つ、 外力による変形と前記外力の除去による 復元とが可能となるように形成されている濾過装置を用いた濾過方法で あって、 （a ) 前記第一の容器に充填された液体を、 前記フィルターを 介して、 前記第二の容器へと送る工程と、 （b ) 前記第二のラインにお ける、 前記第三のラインの分岐点と前記フィルターとの間を閉塞し、 前 記第二の容器に貯留された前記濾過後の液体を前記第三の容器へと送り 出す工程と、 （c ) 前記第三の容器において、 前記第三の容器へと送り 出された前記濾過後の液体から、 前記濾過後の液体に含まれる気体を分 離する工程と、 （d ) 前記第三の容器へと送り出された前記濾過後の液 体を、 前記第二の容器に戻す工程とを少なくとも有することを特徴とす る。 図面の簡単な説明

図 1は、 本発明の濾過装置の一例を示す構成図である。

図 2は、 本発明の濾過方法の一例における一工程を示す図である。 図 3は、 図 2に示す工程の次工程を示す図である。

図 4は、 図 3に示す工程の次工程を示す図である。

図 5は、 従来の白血球除去処理の一例を示す模式図であり、 図 5 ( a ) と図 5 ( b ) は一連の処理を示している。

図 6は、 従来の白血球除去処理の一例を示す模式図であり、 図 6 ( a ) と図 6 ( b ) は一連の処理を示している。

図 7は、 従来の白血球除去処理の一例を示す模式図である。 発明を実施するための最良の形態

上記本発明における濾過装置においては、 前記第二のラインを閉塞さ せる第一の閉塞器具及び第二の閉塞器具を更に有し、 前記第一の閉塞器 具は、 前記第二のラインにおける、 前記第三のラインの分岐点と前記フ ィルターとの間に設けられ、 前記第二の閉塞器具は、 前記第二のライン における、 前記分岐点と前記第二の容器との間に設けられている態様と するのが好ましい。 この構成によれば、 本発明の濾過装置における空気 の除去処理が容易なものとなる。

上記本発明における濾過方法においては、 前記 （b ) の工程において、 前記第二の容器を外部から押圧して、 変形させることによって、 前記濾 過後の液体を前記第三の容器へと送り出し、 前記 （d ) の工程において、 前記押圧を解除することによって、 前記濾過後の液体を前記第二の容器 へと戻す態様である態様であるのが好ましい。 この態様によれば、 本発 明の濾過方法の実施が容易なものとなる。

また、 上記本発明における濾過装置及び濾過方法においては、 前記濾 過処理の対象となる液体が、 人体から採取された全血、 前記全血に含ま れる血液成分から得られた製剤、 又は生体液であるのが好ましい。 更に、 このとき、 前記フィルターが前記全血、 前記製剤、 又は前記生体液中の 白血球の除去を行う白血球除去フィルターであるのが好ましい。

以下、 本発明の濾過装置及び濾過方法について図 1〜図 4を用いて説 明する。 最初に、 図 1を用いて、 本発明の濾過装置の一例について説明 する。 図 1に示す濾過装置は、 人体から採取された全血を濾過処理対象 とする装置であり、 濾過処理として全血中の白血球の除去処理を行って いる。 また、 本例では、 全血は第一の容器 1に充填されている。

なお、 以下においては、 濾過処理対象が全血である場合について説明 するが、 図 1〜図 4の例では、 全血の他、 血液成分から得られた製剤 (血液成分製剤、 血漿分画製剤等） や、 生体液を濾過処理対象とするこ ともできる。

図 1に示すように、 濾過装置は、 フィルター 2と、 濾過後の液体が貯 留される第二の容器 3と、 第三の容器 7とを備えている。 本例では、 フ ィル夕一 2は、 全血、 血液成分から得られた製剤、 又は生体液から、 白 血球の除去が可能な白血球除去フィルターである。

また、 濾過装置は、 第一のライン 4と、 第二のライン 5と、 第三のラ イン 6も備えている。 第一のライン 4は、 第一の容器 1とフィルター 2 とを接続している。 第二のライン 5は、 フィルター 2と第二の容器 3と を接続している。 第三のライン 6は、 第二のライン 5から分岐したライ ンであり、 第三の容器 7に接続されている。 本例では、 第一のライン 4、 第二のライン 5及び第三のライン 6は、 可撓性のチューブで構成されて いる。

また、 図 1に示すように、 第二の容器 3は、 第一の容器 1の下方に配 置されている。 このため、 第一の容器 1に充填された全血は、 重力によ る落下によって、 フィルター 2、 更には第二の容器 3へと送られる。 な お、 本例では、 フィルタ一 2は第二の容器の上方に配置されている。 更に、 図 1に示すように、 第三の容器 7は、 第三のラインに接続され た部分が下方を向いた状態で、 第二の容器 3の上方に配置されている。 本例では、 第三の容器 7は、 フィルター 2と同じ高さとなるように、 第 一のライン 4に取り付けられている。

また、 本例では、 濾過装置は、 第一の閉塞器具 9、 第二の閉塞器具 1 0及び第三の閉塞器具 8を備えている。 第三の閉塞器具 8は、 第一のラ イン 4に設けられている。 第一の閉塞器具 9は、 第二のライン 5におけ る、 第三のライン 6の分岐点とフィルタ一 2との間に設けられている。 更に、 第二の閉塞器具 1 0は、 第二のライン 5における、 分岐点と第二 の容器 3との間に設けられている。

第一の閉塞器具 9、 第二の閉塞器具 1 0及び第三の閉塞器具 8は、 医 療用のクランプであり、 ラインを構成するチューブを押し潰して、 これ を閉塞させる。 なお、 これらの閉塞器具は、 ラインを閉塞可能なもので あれば良く、 クランプ以外の例えば任意に開閉が可能な弁であっても良 い。

また、 本例では、 第二の容器 3は、 樹脂フィルムで形成された医療用 バッグである。 このため、 第二の容器 3は、 人の手の力といった外力に よって変形でき、 更にこの外力の除去によって復元することができる。 更に、 本例では、 第一の容器 1及び第三の容器 7も樹脂フィルムで形 成された医療用バッグである。 なお、 本発明において、 第一の容器 1及 び第三の容器 7は、 人の手の力で容易に変形しない材料によって形成さ れた医療用のポトル等であっても良い。

次に、 図 2〜図 4を用いて、 本発明の濾過方法の一例について説明す る。 図 2〜図 4は、 本発明の濾過方法の一例における連続した工程を示 している。 但し、 図 2〜図 4に示す濾過方法は、 図 1に示す濾過装置を 用いて実施されている。 また、 図 2〜図 4において、 濾過装置は簡略化 して示されている。 以下の説明においては適宜図 1を参酌する。

先ず、 図 2に示すように、 第三の閉塞器具 8、 第一の閉塞器具 9、 及 び第二の閉塞器具 1 0 (図 1参照） を全て開き、 第一の容器 1に充填さ れた全血を、 フィルター 2、 更には第二の容器 3へと送る。 この結果、 第一の容器 1に充填されていた全血は、 フィルター 2によって白血球が 除去され、 その後、 第二の容器 3に貯留される。

次に、 図 3に示すように、 第一の閉塞器具 9によって、 第二のライン 5 (図 1参照) におけるフィル夕一 2と分岐点との間を閉塞し、 この状 態で、 第二の容器 3を押圧し、 これを変形させる。 これにより、 第二の 容器 3に貯留された濾過後の全血は、 第三のライン 6を介して、 第三の 容器 7へと送り出される。

更に、 図 3に示す第二の容器 3が押圧された状態を維持すると、 濾過 後の全血に含まれていた空気や、 第二の容器 3に溜まっていた空気は、 徐々に、 第三の容器 7内部の上方へと集まる。 この結果、 濾過後の全血 から空気が分離される。

次に、 図 4に示すように、 第二の容器 3への押圧を解除して、 第二の 容器 3に作用する外力を除去する。 これにより、 第三の容器 7は第二の 容器 3の上方に位置するため、 第三の容器 7に送り出されていた濾過後 の全血は、 自重によって第二の容器 3へと戻り始める。 これにより、 第 二の容器 3の形状は徐々に復元されていく。

次に、 濾過後の全血と空気との界面が、 分岐点と第二の容器 3との間 に到達したときに、 第二の閉塞器具 1 0 (図 1参照） によって、 第二の ライン 5における分岐点と第二の容器 3との間を閉塞する。 このとき、 第二の閉塞器具 1 0による閉塞は、 空気が第二の容器 3へと戻らないよ うに、 また第二のライン 5に濾過後の全血が出来るだけ残置されないよ うに行う。 その後、 第二の容器 3を第二のライン 5から取り外す。

このように、 本例における濾過装置及び濾過方法によれば、 全血の損 失を抑制しつつ、 濾過処理後の全血から簡単に空気を除去できる。 更に 、 ベントフィルターを用いないため全血が汚染されるのも抑制されてい る。

なお、 別の第二の容器 3を用いて、 更に濾過処理を続けるのであれば、 第二の閉塞器具 1 0 (図 1参照） による閉塞は、 空気が第二の容器 3に 戻らないようにする点のみを考慮して行えば良い。 この場合、 第二のラ イン 5に残置した濾過後の全血は、 別の第二の容器 3に貯留されるので、 血液が無駄にならない。 また、 濾過後の全血について評価を行う場合は、 評価用サンプルとして必要な量の血液を残置させた状態で、 第二の閉塞 器具 1 0 (図 1参照） による閉塞を行えば良い。

また、 本発明の濾過装置及び濾過方法は、 白血球除去処理以外の、 液 体中の空気の除去が必要とされる処理に対しても適用できる。 このよう な処理としては、 血液製'剤や生体液の製造工程で実施される各種の処理 が挙げられる。 また、 これらの処理には、 病原体の不活性化処理、 浄化 処理、 生物学的製剤や薬物を用いた組み換え処理等も含まれる。 更に、 本発明の濾過装置及び濾過方法は、 全血や、 血液成分から得られた製剤 、 生体液以外の液体、 例えば薬液等を処理対象として用いることもでき る。 産業上の利用可能性

以上のように、 本発明における濾過装置及び濾過方法によれば、 液体 が汚染されたり、 液体に損失が発生したりするのを抑制しつつ、 液体か ら簡単に気体を除去することができる。 例えば、 本発明における濾過装 置及び濾過方法を、 全血、 血液成分から得られた製剤又は生体液の白血 球除去処理に用いれば、 これらの濾過処理液の汚染や損失を抑制しつつ、 空気を除去できる。 このため、 輸血用の血液製剤等の不足の解消に貢献 できる。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 第一の容器に充填された液体を濾過するための濾過装置であって、 前記第一の容器に充填された液体を濾過処理するフィルタ一と、 前記フ ィルターで濾過された濾過後の液体を貯留する第二の容器と、 第三の容 器と、 前記第一の容器と前記フィルターとを接続する第一のラインと、 前記フィルタ一と前記第二の容器とを接続する第二のラインと、 前記第 二のラインから分岐し、 且つ、 前記第三の容器に接続される第三のライ ンとを有し、

前記第二の容器は、 前記第三のラインに接続された部分が下方を向い た状態で、 前記第二の容器の上方に配置され、

前記第二の容器は、 前記第一の容器の下方に配置され、 且つ、 外力に よる変形と前記外力の除去による復元とが可能となるように形成されて いる濾過装置。

2 . 前記第二のラインを閉塞させる第一の閉塞器具及び第二の閉塞器具 を更に有し、 前記第一の閉塞器具は、 前記第二のラインにおける、 前記 第三のラインの分岐点と前記フィルターとの間に設けられ、 前記第二の 閉塞器具は、 前記第二のラインにおける、 前記分岐点と前記第二の容器 との間に設けられている請求の範囲 1に記載の濾過装置。

3 . 前記第一の容器に充填された液体が、 人体から採取された全血、 前 記全血に含まれる血液成分から得られた製剤、 又は生体液であり、 前記 フィルターが、 前記全血、 前記製剤、 又は前記生体液中の白血球の除去 を行う白血球除去フィルターである請求の範囲 1または 2に記載の濾過 装置。

4 . 第一の容器に充填された液体を濾過処理するフィルターと、 前記フ ィルターで濾過された濾過後の液体を貯留する第二の容器と、 第三の容 器と、 前記第一の容器と前記フィルターとを接続する第一のラインと、 前記フィルターと前記第二の容器とを接続する第二のラインと、 前記第 二のラインから分岐し、 且つ、 前記第三の容器に接続される第三のライ ンとを有し、 前記第三の容器は、 前記第三のラインに接続された部分が 下方を向いた状態で、 前記第二の容器の上方に配置され、 前記第二の容 器は、 前記第一の容器の下方に配置され、 且つ、 外力による変形と前記 外力の除去による復元とが可能となるように形成されている濾過装置を 用いた濾過方法であって、

( a ) 前記第一の容器に充填された液体を、 前記フィル夕一を介して、 前記第二の容器へと送る工程と、

( b ) 前記第二のラインにおける、 前記第三のラインの分岐点と前記フ ィルターとの間を閉塞し、 前記第二の容器に貯留された前記濾過後の液 体を前記第三の容器へと送り出す工程と、

( c ) 前記第三の容器において、 前記第三の容器へと送り出された前記 濾過後の液体から、 前記濾過後の液体に含まれる気体を分離する工程と、

( d ) 前記第三の容器へと送り出された前記濾過後の液体を、 前記第二 の容器に戻す工程とを少なくとも有する濾過方法。

5 . 前記 （b ) の工程において、 前記第二の容器を外部から押圧して、 変形させることによって、 前記濾過後の液体を前記第三の容器へと送り 出し、

前記 （d ) の工程において、 前記押圧を解除することによって、 前記 濾過後の液体を前記第二の容器へと戻す請求の範囲 4に記載の濾過方法。