WO2006013619A1

WO2006013619A1 - パワーショベル又はクレーン装着用の旋回型把持装置

Info

Publication number: WO2006013619A1
Application number: PCT/JP2004/011066
Authority: WO
Inventors: Hiroshi Hayashi
Original assignee: Solve Corporation Co., Ltd.
Priority date: 2004-08-02
Filing date: 2004-08-02
Publication date: 2006-02-09

Abstract

　パワーショベル又はクレーンのアーム先端に装着されている把持機構と、前記把持機構を旋回させるための把持機構旋回モータと、前記把持機構側に備えられ、把持動作用又は旋回動作用の作動油の供給先を前記把持機構及び前記把持機構旋回モータのいずれかに選択するための把持機構側電磁バルブと、パワーショベル又はクレーンの本体側の運転室に備えられ、作動油の供給先を、パワーショベル又はクレーン本体の操作のために使用される油圧配管側から、前記把持機構の把持動作用又は旋回動作用のために使用される油圧配管側に切り替えるためのアタッチメント・ペダルと、前記本体の運転室に備えられ、前記把持機構側電磁バルブの状態を把持動作用及び旋回動作用のいずれかに選択するための電磁バルブ切替スイッチと、を備えたパワーショベル又はクレーンへの装着用の旋回型把持装置である。

Description

明細書

パワーショベル又はクレーン装着用の旋回型把持装置

技術分野

[0001] 本発明は、パワーショベル又はクレーンにその附属品として装着される旋回型把持装置に関する。

背景技術

[0002] 従来より、把持及び旋回機能を備えた回転型パケット装置を装着したパワーショべルが提案されている（例えば、特許文献 1参照）。この回転型パケット装置は、油圧シリンダで作動する把持機構を備えたパケットと、このパケットを回動させることができる油圧モータと、を備えている。この回転型バケツト装置は、コンクリートブロックなどの建築資材の把持及び運搬などの用途に有用である。前記回転型パケット装置の回転中心又はその近傍位置には、スィベルジョイントが備えられている。このスィベルジョイントは、前記把持機構の駆動用の油圧シリンダに油圧を供給するためなどの目的で使用されている。

特許文献 1 :日本国特許第 2899802号公報

[0003] 図 6は特許文献 1に開示されたパワーショベルに装着される回転型パケット装置を示す平面図である。この図 6に示す回転型パケット装置は、上部旋回部分と下部旋回部分 (図示せず）とから成る。前記上部旋回部分は、（1)原動機、（2)油圧ポンプ、油圧モーター、油圧シリンダー等の油圧装置、（3)旋回装置、（4)操作装置、（5)その他の付属装置、を含んでいる。前記下部旋回部分は、走行装置を含んでいる。

[0004] 図 6の回転型パケット装置においては、本体操作油圧バルブ 1及び本体操作油圧バルブ 2と、これらの各バルブ 1及び 2とそれぞれ接続されたマグネットバルブ 1 '及びマグネットバルブ 2'と、を備えている。これらのマグネットバルブ 1 '及び 2'と、本体操作レバー 4及び 5に配設したワークスィッチ 4'及びワークスィッチ 5 'とは、配電盤 11 を介して電送線 3により電気的に接続されている。

[0005] また、図 6において、ワーク旋回モーター 7'及びワークバケツト開閉シリンダー 8 'は、配管ボックス 10及びスィベルジョイント 9を介して、油圧配管 6により、マグネットバルブ 1 '及び 2'と接続されている。更に、本体旋回モータ 7とマグネットバルブ 1 'の間、及び、本体バケツトシリンダ一 8とマグネットバノレブ 2'との間は、それぞれ、前記油圧配管 6とは別個の油圧配管で接続されている。これらの油圧回路は、前記上部旋回部分に備えられている。

[0006] また、図 6の回転型バケツト装置においては、前記マグネットバルブ 1 '及び 2'などを介して適時適所に圧力油を供給することにより、前記パワーショベル本体側の油圧機器としての前記本体旋回モーター 7、前記パケット側の油圧機器としての前記ヮーク旋回モーター 7'、前記パワーショベル本体側の油圧機器としての前記本体バケツトシリンダ一 8、及び、前記パケット側の油圧機器としての前記ワークパケット開閉シリンダー 8 'などの被動体が動かされる。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0007] 図 6に示す回転型パケット装置は、従来の掘削 ·運搬機能だけを有するパワーショベルに比較すると、前記パケットによる把持及びその旋回を可能にした点で画期的なものではある。し力ながら、図 6に示す回転型バケツト装置は、次のような問題点を有している。

[0008] 第 1に、図 6に示す回転型パケット装置においては、一人の運転者が、自分の手で操作レバーを動かすことにより、前記パワーショベル本体と前記バケツトとの双方を、操作していた。そのため、図 6に示す回転型パケット装置の操作方法が全体として複雑になり、その結果、熟練していない運転者にとっては操作が難しかった。また、図 6 に示す回転型パケット装置においては、その操作方法が、ブレーカー、フォーク、グラップル、破碎機、鋼材切断カッターなどの従来のパワーショベル用の汎用的なァタツチメントの操作方法と根本的に異なっているため、運転者がその操作方法に習熟するために長期間の練習を必要としてレ、た。

[0009] 第 2に、図 6に示す回転型パケット装置においては、パケットの把持用駆動機構に作動油を供給するための油圧配管と、パケット旋回モータに作動油を供給するための油圧配管とを、前記パケットの掘削用駆動機構に作動油を供給するための油圧配管とは別個の油圧配管として構成していたので、装置全体における油圧配管の構成が複雑化 ·高コストィ匕してしまってレ、た。

[0010] 第 3に、図 6に示す回転型パケット装置は、油圧モータにより旋回させるとき、ブレーキ機構が存在していないため、フリー旋回の状態となり、運転者が望む方向で停止させることが難しいという問題があった。また、図 6に示す回転型パケット装置は、油圧モータにより旋回させるとき、減速機能が存在していないため、必要以上に高速で旋回してしまうという問題があった。また、図 6に示す回転型バケツト装置は、硬質の地面を掘削する場合や、重量物をつかんだまま水平以外の角度のある動きをさせる場合に、パケットの回転部分に加重が掛かってパケットが勝手に左右どちらかにタルクルと回転してしまうという問題があった。また前記のようにバケツトが勝手にクルクルと回転してしまったとき、その後にパケットを以前の位置に戻すための作業が大変に面周到であった。

[0011] 本発明はこのような従来技術の問題点に着目してなされたものであって、運転者が

、従来からパワーショベル又はクレーンに装着されてレ、る「掘削機能だけを有してレヽる（把持及び旋回機能を有しない）通常のパケット」の操作と似た操作感覚'操作方法で、簡単に、旋回型把持機構の把持及び旋回のための操作を行うことができ、その結果、運転者が前記把持及び旋回のための操作方法を習得するための時間を短縮化することができる、パワーショベル又はクレーン装着用の旋回型把持装置を提供することを目的とする。

[0012] また、本発明は、旋回型把持装置のための油圧配管の構成を簡素化'低コスト化することができる、パワーショベル又はクレーン装着用の旋回型把持装置を提供することを目的とする。

[0013] また、本発明は、旋回型把持装置を旋回させるとき、運転者が望む方向に容易に停止させることができる、パワーショベル又はクレーン装着用の旋回型把持装置を提供することを目的とする。また、本発明は、旋回型把持装置を旋回させるとき、必要以上に高速で回転しないようにすることができる、パワーショベル又はクレーン装着用の旋回型把持装置を提供することを目的とする。さらに、本発明は、硬質の地面を掘削する場合や重量物をつかんだまま水平以外の角度のある動きをする場合でもバケツトが勝手にクルクルと回転しないようにすることができる、パワーショベル又はクレーン装着用の旋回型把持装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0014] 本発明は、パワーショベル又はクレーンへの装着用の旋回型把持装置であって、パワーショベル又はクレーンのアーム先端に装着された、対象物を把持するための把持機構と、前記把持機構に取り付けられ、前記把持機構を旋回させるための把持機構旋回モータと、前記把持機構側に備えられ、把持動作用又は旋回動作用の作動油の供給先を前記把持機構及び前記把持機構旋回モータのいずれかに選択するための把持機構側電磁バルブと、パワーショベル又はクレーンの本体側の運転室内に備えられ、作動油の供給先を、パワーショベル又はクレーン本体側の操作のために使用される油圧配管側 (掘削用のパケットの駆動機構に作動油を供給するための油圧配管側を含む）から、前記把持機構の把持動作用又は旋回動作用のために使用される油圧配管側に切り替えるためのアタッチメント 'ペダルと、パワーショベル又はクレーン本体の運転室に備えられ、前記把持機構側電磁バルブの状態を把持動作用及び旋回動作用のいずれかに選択するための電磁バルブ切替スィッチと、を備えたことを特徴とするものである。

[0015] 前記電磁バルブ切替スィッチは、例えば、前記アタッチメント 'ペダルの操作により、作動油の供給先として、前記把持機構の把持動作又は旋回動作のために使用される油圧配管側が選択された場合などに使用される。

[0016] また、本発明においては、前記把持機構の把持動作用又は旋回動作用のために使用される油圧配管は、パワーショベル又はクレーンの本体側に、前記本体側とアツタチメント側とを接続するために従来より汎用的に予め備えられているアタッチメント用の往復共用配管である、ことが望ましい。前記アタッチメント用の往復共用配管は、従来より、例えば、ブレーカー配管、回転フォーク配管などと呼ばれているものである

[0017] また、本発明においては、前記把持機構旋回モータの回転速度を調節するための油圧流量制御バルブと、前記パワーショベル又はクレーン本体の運転室内に備えられ、前記油圧流量制御バルブを制御するための旋回速度切替スィッチと、を備えることが望ましい。 [0018] また、本発明においては、前記電磁バルブ切替スィッチは、前記アタッチメント'ぺダルに備えられており、運転者により前記アタッチメント 'ペダルの踏み込み動作が行われたときに前記把持機構側電磁バルブの状態を把持動作用及び旋回動作用のいずれかに選択するように構成されてレ、る、ことが望ましレ、。

[0019] また、本発明においては、前記アタッチメント 'ペダルは、運転者がそれを右方向又は左方向へ踏み込むことにより、前記把持機構側電磁バルブを介して前記把持機構旋回モータに供給される作動油の流れ方向が切り替えられ、その結果、前記把持機構旋回モータの旋回方向が右方向又は左方向へ切り替えられるように構成されている、ことが望ましい。

[0020] また、本発明のパワーショベル又はクレーン装着用の旋回型把持装置においては、前記アタッチメント 'ペダルは、運転者がそれを前方向及び後方向のいずれかに踏み込むことにより前記把持機構側電磁バルブの状態を「閉及び開のいずれかの把持動作用」に切り替えて前記把持機構側に前記把持動作用の作動油を供給すると共に、運転者がそれを右方向及び左方向のいずれかに踏み込むことにより前記把持機構側電磁バルブの状態を「右旋回及び左旋回のいずれかの旋回動作用」に切り替えて前記把持機構旋回モータ側に前記旋回動作用の作動油を供給するように構成されていることが望ましい。これにより、運転者は、前記アタッチメント 'ペダルを前方向、後方向、右方向、及び左方向のいずれかに踏み込む動作を行うだけで、前記把持機構による開又は閉の把持動作、及び前記把持機構旋回モータによる右方向又は左方向の旋回動作のための操作を行うことができるようになる。

[0021] また、本発明においては、前記電磁バルブ切替スィッチは、前記把持機構側電磁バルブの状態を、（a)把持動作用、（b)旋回動作用、及び (c)把持動作でも旋回動作でもない状態、のいずれかに切り替えるためのものである、ことが望ましい。

発明の効果

[0022] 以上のように、本発明によれば、前記把持機構及び前記把持機構旋回モータのいずれかに対して把持用及び旋回用のいずれかの作動油を選択的に切替え供給するための把持機構側電磁バルブを把持機構側に備え、前記把持機構側電磁バルブを把持動作用及び旋回動作用のいずれかに選択するための電磁バルブ切替スィッチをパワーショベル又はクレーン本体の運転室内に備え、さらに、前記パワーショベル又はクレーン本体側に作動油を供給するか前記把持機構側（前記把持機構旋回モータを含む）に作動油を供給するかを選択するためのアタッチメント 'ペダルを前記本体の運転室に備えるようにしている。以上のように構成されたパワーショベル又はタレーンに装着される旋回型把持装置においては、運転者は、前記旋回型把持装置の把持動作及び旋回動作のための操作を、ブレーカー'フォーク ·グラップル '破砕機 · 鋼材切断カッターなどの従来のパワーショベル用の汎用的なアタッチメントの操作と似た操作感覚 ·操作方法で行うことができる。よって、本発明によれば、図 6に示す従来の回転型パケット装置と比べて、運転者による旋回型把持装置の把持及び旋回のための操作方法を簡単にすることができ、運転者が前記操作方法に習得するための時間を短縮化することができる、というメリットがある。

[0023] また、本発明によれば、前記把持機構及び前記把持機構旋回モータのいずれかに対して把持動作用及び旋回動作用のいずれかの作動油を選択的に切替え供給するための把持機構側電磁バルブを把持機構側に備えると共に、前記把持機構側電磁バルブを把持動作用及び旋回動作用のいずれかに選択するための電磁バルブ切替スィッチをパワーショベル又はクレーン本体の運転室内に備えるようにしている。これにより、本発明においては、前記旋回型把持装置の駆動のための油圧配管の全体の構成を簡素化 ·低コストィ匕することが可能になる（これに対して、図 6に示す従来の回転型パケット装置においては、パケットの把持用駆動機構及びパケット旋回モータのいずれかに作動油を選択的に切替え供給するためのバルブをパワーショベルの本体側に備えて、パケットの把持用駆動機構に作動油を供給するための油圧配管と、パケット旋回モータに作動油を供給するための油圧配管とを、それぞれ、パケットの掘削用の駆動機構に作動油を供給するための油圧配管とは別個に備え付けるようにしていたので、装置全体における油圧配管の構成が複雑化し、高コスト化してしまつていた)。

[0024] また、本発明によれば、前記把持機構旋回モータ及び前記把持機構側電磁バルブへの作動油の供給を、パワーショベル又はクレーンの本体側に従来より汎用的に予め備えられているアタッチメント用の油圧配管である往復共用配管を使用して行うようにしているので、前記旋回型把持装置のために特別の油圧配管を設置する必要がなくなり、油圧配管の構成を従来と比べて大幅に簡素化し、低コストィ匕させること力 S 可能になる。

[0025] また、本発明において、前記把持機構旋回モータの回転速度を調節するための油圧流量制御バルブと、前記本体の運転室内に備えられ、前記油圧流量制御バルブを制御するための旋回速度切替スィッチとを備えるようにしたときは、前記把持機構を旋回させる場合に、運転者が望む方向に容易に停止させることができ、また、必要以上に高速で回転しないようにすることができ、さらに、硬質の地面を掘削する場合や重量物をつかんだまま水平以外の角度のある動きをする場合に前記把持機構が勝手にクルクルと回転しなレ、ようにすることができる。

[0026] また、本発明おいて、電磁バルブ切替スィッチを運転室内のアタッチメント 'ペダルに備えるようにしたときは、前記アタッチメント 'ペダルを運転者が踏み込むだけで、前記旋回型把持装置の操作を開始できるようになる。

[0027] また、本発明において、前記アタッチメント 'ペダルを、運転者がそれを右方向又は左方向へ踏み込むことにより、前記把持機構側電磁バルブを介して前記把持機構旋回モータに供給される作動油の流れ方向が切り替えられるように構成したときは、運転者が前記アタッチメント 'ペダルを右方向又は左方向へ踏み込むだけで、前記把持機構の旋回方向を右方向又は左方向へ切り替えられるようになる。

[0028] さらに、本発明において、（a)運転者が前記アタッチメント 'ペダルを前方向及び後方向のレ、ずれかに踏み込んだときは、前記把持機構側電磁バルブの状態を閉及び開のいずれかの把持動作用に切り替えて、前記把持動作用の作動油を前記把持機構側電磁バルブ側に供給すると共に、 (b)運転者が前記アタッチメント 'ペダルを右方向及び左方向のいずれかに踏み込んだときは、前記把持機構側電磁バルブの状態を右旋回及び左旋回のいずれかの旋回動作用に切り替えて、前記旋回動作用の作動油を前記把持機構側電磁バルブ側に供給するように構成することができる。この場合は、運転者は、前記アタッチメント 'ペダルを、その前方向、後方向、右方向、及び左方向のいずれかに踏み込み動作をすることだけで、前記把持機構の把持（開と閉）動作及び旋回（右旋回と左旋回）動作のいずれかのための操作を行えるようになる。よって、本発明によれば、従来のパワーショベルのアタッチメントの操作の経験がない運転者でも、前記旋回型把持装置の把持及び旋回動作のための操作を、極めて容易に習得できるようになる。

図面の簡単な説明

[0029] [図 1]図 1は本発明の実施例 1による回転型パケット装置を装着したパワーショベルを示す概略図である。

[図 2]図 2は図 1の回転型バケツト装置を示す平面図である。

[図 3]図 3は図 1の回転型パケット装置を示す斜視図である。

[図 4]図 4は本発明の実施例 2による回転型パケット装置を装着したパワーショベルを示す概略図である。

[図 5]図 5は図 2の回転型バケツト装置を示す平面図である。

[図 6]図 6は従来の回転型バケツト装置を装着したパワーショベルを示す平面図である。

符号の説明

[0030] 21 パワーショベル

22 運転室

23 ブーム

24 ブームシリンダ

25 アーム

26 アームシリンダ

27 固定側パケット

28 可動側バケツト

29 回転基台

30 バケツトシリンダ

31 右側操作レバー

32 パケット開閉旋回切替スィッチ

33 パケット旋回速度切替スィッチ

34 パケット開閉旋回切替用電磁バルブ 35 バケツト旋回モータ

36 電気配線

37 アタッチメント'ぺダノレ

38 往復共用配管 (ブレーカー配管）

39 取り付け金具

発明を実施するための最良の形態

[0031] 運転者の把持及び旋回のための操作方法を簡単にし、運転者が操作方法に習得するための時間を短縮化するために、前記把持機構及び前記把持機構旋回モータのいずれかに対して把持用及び旋回用のいずれかの作動油を選択的に切替え供給するための把持機構側電磁バルブを前記把持機構側に備え、前記把持機構側電磁バルブを把持動作用及び旋回動作用のいずれかに切り替えるための電磁バルブ切替スィッチをパワーショベル又はクレーン本体の運転室内に備え、さらに、作動油の供給先をパワーショベル又はクレーン本体の操作のために使用される油圧配管側から前記把持機構の把持動作用又は旋回動作用のために使用される油圧配管側に切り替えるためのアタッチメント ·ペダルを前記本体の運転室内に備えるようにした。実施例 1

[0032] 図 1は本実施例 1によるアタッチメントとしての回転型バケツト装置を装着したパワーショベルを示す概略図、図 2は図 1の回転型パケット装置を単独で示す平面図、図 3 は図 2の斜視図である。

[0033] 図 1—3において、 21はパワーショベル、 22はパワーショベル 21の運転室、 23はブーム、 24はブーム 23駆動用のブームシリンダ、 25はアーム、 26はアーム 25駆動用のアームシリンダ、 27は掘削用の固定側バケツト、 28は把持用の可動側バケツト、 29 は前記固定側パケット 27及び可動側パケット 28を旋回可能に支持するための回転基台、 30は前記固定側バケツト 27を駆動するためのバケツトシリンダ、である。

[0034] 本実施例 1において、前記ブームシリンダ 24、アームシリンダ 26、及びバケツトシリンダ 30は、運停者が運転室 22内で操作レバー（後述の右側操作レバー 31又は左側操作レバー）を操作することにより、パワーショベル 21本体から配設された油圧配管により作動油が送られて、駆動されるようになっている。 [0035] また、図 1_3において、 31は、運転室 22内に備えられた右側操作レバーである（左側操作レバーは図示を省略している）。また、 32は、前記右側操作レバー 31に備えられ、回転型パケット装置の動作を把持及び旋回のいずれかに選択するためのバケット開閉旋回切替スィッチである。また、 33は、前記右側操作レバー 31に備えられ、回転型パケット装置の旋回速度を高速及び低速のレ、ずれか一方から他方に切り替えるためのパケット旋回速度切替スィッチである。また、 34は、前記回転基台 29に取り付けられ、回転型パケット装置の動作を開閉及び旋回のいずれかに選択するためのパケット開閉旋回切替用電磁バルブである。前記パケット開閉旋回切替用電磁バルブ 34は防水施工されている。また、 35は、前記回転基台 29に取り付けられ、前記回転基台 29を介して前記 2つのパケット 27， 28 (回転型パケット装置）を旋回させるためのバケツト旋回モータである。

[0036] 図 1—3において、バケツト開閉旋回切替用電磁バルブ 34とバケツト旋回モータ 35とは、前記回転基台 29の上の所定位置に、互いに近接して、取り付けられている（図 2 及び図 3参照）。

[0037] また、図 1_3において、 36は、前記運転室 22内のバケツト開閉旋回切替スィッチ 3 2と前記回転型パケット装置側のパケット開閉旋回切替用電磁バルブ 34とを電気的に接続するための電気配線である。また、 37は、前記運転室 22内に備えられたァタツチメント 'ペダルである。このアタッチメント 'ペダル 37は、作動油の供給先を、パヮ一ショベル本体の操作（前記固定側バケツト 27を使用した掘削操作をも含む）のために使用される油圧配管側から、後述の往復共用配管（ブレーカー配管） 38側に、切り替えるためのものである。このアタッチメント 'ペダル 37による作動油の供給先の切り替えにより、前記パワーショベル 21の本体の操作から、前記回転型バケツト装置の把持又は旋回の操作に移行することが可能になる。

[0038] また、図 1—3において、 38は、パワーショベル 21の本体に予め備え付けられているアタッチメント用の往復共用配管である。なお、ここで「アタッチメント用の往復共用配管」とは、パワーショベル 21の本体側とアタッチメント側（本実施例 1では把持機構側 )との間を結ぶためにパワーショベル 21の本体側に汎用的に予め備え付けられている油圧配管（ブレーカー配管）である。前記往復共用配管には油圧バルブも備えられている。前記往復共用配管 38は、金属製の配管により構成されている。前記往復共用配管 38は、前記ブーム 23及びアーム 25などの中に収容されている力図 1の符号 38で示す部分はホースで被覆されて外部に露出している。

[0039] また、図 1—3において、 39は、前記回転型バケツト装置を図 1のアーム 25及びバケットシリンダ 30に取り付けるための取り付け金具である。

[0040] また、本実施例 1において、運転者が前記アタッチメント 'ペダル 37を操作したときは、その操作に対応して、作動油が、前記パケット開閉旋回切替用電磁バルブ 34を介して、前記可動側パケット 28の駆動機構 (シリンダ)及び前記パケット旋回モータ 3 5のいずれかに送られる。また、本実施例 1において、運転者が前記運転室 22内のパケット開閉旋回切替スィッチ 32を操作したときは、その操作に対応する電気信号が、前記電気配線 36を介して、前記回転型パケット装置側のパケット開閉旋回切替用電磁バルブ 34に伝送される。

[0041] また、図 1-3には図示していないが、本実施例 1では、前記バケツト旋回モータ 35 に供給される作動油の流量を制御するための流量制御バルブ（電磁バルブ）が備えられている。前記流量制御バルブは、前記回転型パケット装置側に備えられており、パケット旋回モータ 35の旋回速度を調節するために使用される。また、本実施例 1では、図 1-3には図示していないが、前記回転型パケット装置に送られる作動油の油圧を制御する（減圧する）ための圧力制御バルブ（電磁バルブ)も備えられている。

[0042] 次に、本実施例 1の動作を説明する。まず、本実施例 1の回転型パケット装置による掘肖 I」、すくい込み、及び搔き寄せの動作を説明する。

[0043] これらの動作を行う場合は、運転者は、まず、図 1の前記右側操作レバー 31を手前に引いて、ブーム 23を上げる。次に、前記左側操作レバーを前方向に倒して、前記アーム 25の先端を前方向に移動させる。次に、前記右側操作レバー 31を右に倒して、前記固定側パケット 27の先端を前方向に上げる。なお、このとき、前記可動側バケット 28は、その先端ができるだけ図 1の図示右方向に来るように移動させた状態で停止させておく。次に、前記左側操作レバーを手前に引いて、前記アーム 25の先端を手前方向に移動させる。さらに次に、前記右側操作レバー 31を左に倒して、前記固定側パケット 27の先端を手前方向に移動させる。以上の単独操作もしくはこれらの同時混合操作により、掘肖 ij、すくい込み、及び搔き寄せの動作が行われる。なお、この場合は、前記パケット開閉旋回切替用電磁バルブ 34は、作動していない状態（喩えて言うと、自動車の変則ギアにおける"ニュートラル"のような状態）にある。

[0044] 次に、本実施例 1の回転型パケット装置による把持動作を説明する。

この動作を行う場合は、運転者は、まず、前記ァタチメント 'ペダル 37を踏み込んで、作動油の供給先を、パワーショベル本体の操作のために使用される油圧配管側から、前記回転型パケット装置の把持又は旋回の操作のために使用される前記往復共用配管 38側に、切り替える。また、これに続いて（又は、これと同時に）、運転者は、前記右側操作レバー 31に備えられた前記パケット開閉旋回切替スィッチ 32を 1回押すことにより、前記パケット開閉旋回切替用電磁バルブ 34を、前記の作動していない状態 (前記の掘削動作の場合の状態)から、把持動作用の状態に切り替える。これにより、前記パケット開閉旋回切替用電磁バルブ 34が把持（開閉）動作用に切り替えられ、作動油が、前記パケット開閉旋回切替用電磁バルブ 34を介して、前記可動側バケット 28の駆動用シリンダ（前記可動側パケット 28の内側に備えられている）に送られる。次に、運転者が、前記運転室 22内の足元の前記アタッチメント 'ペダル 37を手前に踏み込むと、前記可動側パケット 28の先端が前方向（図 1の矢印 _α方向）に移動して、前記可動側パケット 28が前記固定側パケット 27を閉じる。その後、運転者が、右側操作レバー 31を手前に引くと、ブーム 23が上がる。以上の単独操作もしくはこれらの同時混合操作により、前記回転型パケット装置による把持動作が行われる。

[0045] 次に、本実施例 1の前記の回転型パケット装置の把持動作に続ぐ前記回転型バケット装置の旋回動作について、説明する。

[0046] この動作を行う場合は、運転者は、まず、前記左側操作レバーを右方向（又は左方向）に倒して、前記パワーショベル 21本体を右方向（又は左方向）に旋回させる。さらに、運転者は、前記左側操作レバーを前方向に倒して前記アーム 25の先端が前方向に移動するように前記アーム 25を動かす。次に、前記左側操作レバーを後方向に引いて、前記アーム 25の先端を後方向に動かし、さらに前記右側操作レバー 31を後方向（又は前方向）に動かし、前記回転型パケット装置を上方向（又は下方向）に移動させる。次に、運転者は、前記右側操作レバー 31に備えられている前記パケット開閉旋回切替スィッチ 32を押して（2回目のスィッチ操作）、前記パケット開閉旋回切替用電磁バルブ 34の状態を把持動作用から旋回動作用に切り替える。さらに次に、運転者は、前記運転室 22内の足元の前記アタッチメント 'ペダル 37を右方向（又は左方向）に踏み込む。すると、前記パケット旋回モータ 35に前記パケット開閉旋回切替用電磁バルブ 34を介して右方向（又は左方向）への旋回用の作動油が供給され、その結果、前記回転型パケット装置全体が、右方向（又は左方向）に旋回させられる。

[0047] このように、本実施例 1では、運転者が前記アタッチメント 'ペダル 37の踏み込み方向を右方向（又は左方向）に切り替えることにより、前記往復共用配管 38及び前記バケット開閉旋回切替用電磁バルブ 34を介して前記パケット旋回モータ 35に供給される作動油の流れ方向が切り替えられ、その結果、前記パケット旋回モータ 35の回転方向が右方向（又は左方向）に切り替えられるようになつている。以上の単独操作もしくはこれらの同時混合操作により、前記回転型パケット装置の旋回動作が行われる。

[0048] なお、前記の回転型パケット装置の旋回動作にぉレ、て、運転者は、前記右側操作レバー 31に配置されている前記パケット旋回速度切替スィッチ 33を操作することにより、前記回転型パケット装置の前記パケット旋回モータ 35による旋回速度を、高速及び低速のいずれか一方から他方に切り替えることができる。

[0049] すなわち、本実施例 1では、前記パケット開閉旋回切替用電磁バルブ 34とは別に、前記パケット旋回モータ 35に供給される作動油の流量を制御するための流量制御バルブ（図示せず）を、前記回転型パケット装置側に備えている。運転者が前記右側操作レバー 31に配置されている前記パケット旋回速度切替スィッチ 33を操作すると、その操作に対応する電気信号が電気配線（図示せず）を介して前記流量制御バルブ（電磁バルブ）に送信される。その結果、前記パケット旋回モータ 35に供給される作動油の流量が制御されて、前記パケット旋回モータ 35の速度が高速及び低速のレ、ずれか一方から他方に切り替えられる。

実施例 2

[0050] 次に、図 4-5に基づいて本発明の実施例 2を説明する。図 4一 5において、図 1_3と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。本実施例 2の回転型バケツト装置は、図 4一 5に示すように、パケット開閉旋回切替用電磁バルブ 34とバケツト旋回モータ 35と力回転基台 29の上の取り付け金具 39を介して互いに離れた位置に、それぞれ取り付けられている点で、前記の実施例 1の回転型パケット装置と異なつている。しかし、この点以外については、本実施例 2の構成は、実施例 1と同様である

[0051] 以上、本発明の実施例 1 , 2について説明したが、本発明はこれに限られることなく、様々な変更が可能である。

例えば、前記の実施例 1， 2では、前記パケット開閉旋回切替スィッチ 32 (電磁バルブ切替スィッチ）を前記運転室 22内の前記右側操作レバー 31に取り付けているが、本発明では、前記パケット開閉旋回切替スィッチ 32 (電磁バルブ切替スィッチ）を、前記運転室 22内の前記アタッチメント 'ペダル 37に取り付けるように構成してもよい。このように構成したときは、運転者は、前記パケット開閉旋回切替スィッチ 32 (電磁バルブ切替スィッチ）を取り付けたアタッチメント 'ペダル 37を踏み込むだけで、作動油を、前記往復共用配管 38から前記パケット開閉旋回切替用電磁バルブ 34 (把持機構側電磁バルブ）に供給して、前記回転型パケット装置の把持又は旋回のための操作を開始することが可能になる。

[0052] さらに、本発明では、（a)運転者が前記アタッチメント 'ペダル 37を前方向（又は後方向）に踏み込んだとき、前記パケット開閉旋回切替用電磁バルブ 34 (把持機構側電磁バルブ）が前記可動側パケット 28の把持動作の中の「開」動作用（又は「閉」動作用）に切り替えられ、前記把持動作用の作動油が、前記往復共用配管 38及び前記パケット側電磁バルブ 34を介して、前記可動側パケット 28駆動用シリンダに供給されると共に、（b)運転者が前記アタッチメント 'ペダル 37を右方向（又は左方向）に踏み込んだとき、前記パケット開閉旋回切替用電磁バルブ 34 (把持機構側電磁バルブ )が前記可動側パケット 28の旋回動作の中の右旋回用（又は左旋回用）に切り替えられ、前記旋回動作用の作動油が、前記往復共用配管 38及び前記パケット側電磁バルブ 34を介して、前記パケット旋回モータ 35に供給される、というように構成することあでさる。

[0053] このように構成した場合は、運転者が、前記アタッチメント 'ペダル 27を前方向、後方向、右方向、及び左方向のいずれかに踏み込み動作をすることだけで、前記バケット 27, 28の把持（開又は閉）及び旋回（右旋回又は左旋回）のための操作を行えるようになる。よって、この場合は、従来のパワーショベルのアタッチメントの操作の経験力 Sない運転者でも、回転型パケット装置の把持 ·旋回動作をきわめて容易に行えるようになる。

[0054] また、以上の実施例 1， 2においては、いずれも、把持機構として、固定側パケット 2 7とこの固定側パケット 27に対して開閉動作可能に構成された可動側パケット 28とから成る回転型パケット装置を例示しているが、本発明における把持機構は、これに限られるものではない。

[0055] 本発明における把持機構は、例えば、互いに対向する 2つのパケットが共に開閉動作可能に構成された回転型パケット装置、固定側フォークとこの固定側フォークに対して開閉動作可能に構成された可動側フォークとから成る回転型フォーク装置、互いに対向する 2つのフォークが共に開閉動作可能に構成された回転型フォーク装置、などでもよい。

産業上の利用可能性

[0056] パワーショベル又はクレーンに附属品として装着される旋回型把持装置の運転者による把持及び旋回のための操作方法を簡単にすることができ、さらに運転者が前記操作方法に習得するための時間を短縮化することができる。

Claims

請求の範囲

[1] パワーショベル又はクレーンへの装着用の旋回型把持装置であって、

パワーショベル又はクレーンのアーム先端に装着された、対象物を把持するための把持機構と、

前記把持機構に取り付けられ、前記把持機構を旋回させるための把持機構旋回モータと、

前記把持機構側に備えられ、把持動作用又は旋回動作用の作動油の供給先を前記把持機構及び前記把持機構旋回モータのいずれかに選択するための把持機構側電磁バルブと、

パワーショベル又はクレーンの本体側の運転室に備えられ、作動油の供給先を、パヮーショベル又はクレーン本体の操作のために使用される油圧配管側から、前記把持機構の把持動作用又は旋回動作用のために使用される油圧配管側に切り替えるためのアタッチメント 'ペダルと、

パワーショベル又はクレーン本体の運転室に備えられ、前記把持機構側電磁バルブの状態を把持動作用及び旋回動作用のいずれかに選択するための電磁バルブ切替スィッチと、

を備えたことを特徴とするパワーショベル又はクレーン装着用の旋回型把持装置。

[2] 請求項 1において、前記把持機構の把持動作用又は旋回動作用のために使用される油圧配管は、パワーショベル又はクレーンの本体側に汎用的に予め備えられている、ブレーカーや回転フォークなどのアタッチメント用の往復共用配管である、ことを特徴とするパワーショベル又はクレーン装着用の旋回型把持装置。

[3] 請求項 1において、前記把持機構旋回モータの回転速度を調節するための油圧流量制御バルブと、前記パワーショベル又はクレーン本体の運転室内に備えられ、前記油圧流量制御バルブを制御するための旋回速度切替スィッチと、を備えたことを特徴とするパワーショベル又はクレーン装着用の旋回型把持装置。

[4] 請求項 1において、前記電磁バルブ切替スィッチは、前記アタッチメント 'ペダルに備えられており、運転者により前記アタッチメント 'ペダルの踏み込み動作が行われたときに前記把持機構側電磁バルブの状態を把持動作用及び旋回動作用のいずれかを選択するように構成されている、ことを特徴とするパワーショベル又はクレーン装着用の旋回型把持装置。

[5] 請求項 1において、前記アタッチメント 'ペダルは、運転者がそれを右方向又は左方向へ踏み込むことにより、前記把持機構側電磁バルブを介して前記把持機構旋回モータに供給される作動油の流れ方向が切り替えられ、その結果、前記把持機構旋回モータの旋回方向が右方向又は左方向へ切り替えられるように構成されている、ことを特徴とするパワーショベル又はクレーン装着用の旋回型把持装置。

[6] 請求項 1において、前記アタッチメント 'ペダルは、運転者がそれを前方向又は後方向に踏み込むことにより前記把持機構側電磁バルブの状態を「開及び閉のいずれかの把持動作用」に切り替えて前記把持機構側電磁バルブに前記把持動作用の作動油を供給すると共に、運転者がそれを右方向又は左方向に踏み込むことにより前記把持機構側電磁バルブの状態を「右旋回及び左旋回のいずれかの旋回動作用」に切り替えて前記把持機構側電磁バルブに前記旋回動作用の作動油を供給するように構成されており、これにより、運転者が前記アタッチメント 'ペダルを前方向、後方向、右方向、及び左方向のいずれかに踏み込む動作を行うだけで、前記把持機構の把持動作又は旋回動作のための操作を行えるようにした、ことを特徴とするパワーショベル又はクレーン装着用の旋回型把持装置。

[7] 請求項 1におレ、て、前記電磁バルブ切替スィッチは、前記把持機構側電磁バルブの状態を、（a)把持動作用、（b)旋回動作用、及び (c)把持動作でも旋回動作でもない状態のいずれかに切り替えるためのものである、ことを特徴とするパワーショベル又はクレーン装着用の旋回型把持装置。