明 細 書
ブリッジ及び送信装置、並びに情報システム
技術分野
[0001] 本発明は、例えば IEEE1394に準拠するネットワークに適用されるブリッジ及び送信 装置、並びに、該ブリッジを備えたネットワークを含んで構成される情報システムの技 術分野に関する。
背景技術
[0002] 高速な接続規格として知られる IEEE (米国電子電気技術者協会) 1394では、機器 の接続を自動的に認識することで、ネットワーク稼動中に機器の追加又は削除 (ホッ トプラグ)が可能である。 IEEE1394ネットワークは、ノード、バス及びネットの階層構造 を有する。このうち、バスとバスを接続する特別なノードはブリッジと呼ばれ、ブリッジ がネット層のマネジメントを行う。
[0003] この種のネットワークでは、コネクション(即ち、ネットワーク内における情報の伝送 経路)を動的に確立することが可能であり、全てのノードがマネジメント機能を有する 。そのため、ネットワーク構成や、どのノードがマネジメントを行うかは、予め確定され ないことがある。
[0004] その際に生じる不具合を解消する技術として、例えば特許文献 1に、 IEEE1394ネッ トワーク、 ATM (Asynchronous Transfer Mode :非同期転送モード)ネットワークを中 継する情報システムにおける帯域管理方法が記載されている。この方法によれば、コ ネクシヨンを確立する際に、各ネットワーク上で必要な帯域が最大要求帯域で確保で きな力つた場合に仮押さえ帯域を確保しておき、仮押さえ帯域で伝送可能力否かを 判断した上でコネクションが確立される。
[0005] 特許文献 1:特開 2000— 244524号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0006] し力しながら、特許文献 1に記載された技術は、コネクションを確立する際の帯域管 理方法に関するものであるため、既に確立されたコネクション上の使用帯域を更新す
る場合には適用できないという問題がある。例えば IEEE1394の 1つであり、 1394TAで 規格化作業が進められているブリッジ仕様" P1394.1 Draft Standard for High Perform ance Serial Bus Bridges 2.0" (以下、 P1394.1と称す)においては、既に確立されたコ ネクシヨンの帯域情報のみを更新するための仕組みはな 、ため、ブリッジを介したコ ネクシヨン上の帯域情報の更新を行うには、既に確立したコネクションを一度破棄し て力も新たなコネクションとして再確立しなければならない。
[0007] 本発明は、例えば上記問題点に鑑みなされたものであり、コネクションが確立された 状態で使用帯域を更新することが可能なブリッジ及び送信装置、並びに情報システ ムを提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
[0008] (ブリッジ)
本発明の第 1のブリッジは上記課題を解決するために、ネットワークにおける中継用 のノードとして機能するブリッジであって、前記ネットワークの一部をなす第 1通信路 に接続されており該第 1通信路を介して情報を送受信する第 1ポータルと、前記ネット ワークの他部をなす第 2通信路に接続されており該第 2通信路を介して情報を送受 信する第 2ポータルとを備えており、前記第 1及び第 2ポータルは、相互に前記受信 された情報を転送可能であり、当該ブリッジを含む前記ネットワーク上でコネクション が既に確立されている場合において、前記第 1及び第 2ポータルの一方が、前記情 報の一つであって前記コネクションの使用環境を更新するための環境更新情報を前 記第 1及び第 2通信路の一方を介して受信した場合、前記第 1及び第 2ポータルの一 方は、前記受信された環境更新情報を前記第 1及び第 2ポータルの他方へ転送し、 該第 1及び第 2ポータルの他方は、前記転送された環境更新情報に応じて前記第 1 及び第 2通信路の他方の使用環境を更新する。
[0009] 本発明の第 1のブリッジによれば、互いに受信した情報を転送可能な 2つのポータ ル、即ち第 1及び第 2のポータルが第 1及び第 2通信路の夫々に接続されることによ つて、その動作時には、ネットワーク上の第 1通信路と第 2通信路との間で情報の送 受が可能となる。第 1及び第 2のポータルの夫々は、自身力も他のノードまでの通信 路における使用環境を設定したり更新したりすることが可能である。ここで、「使用環
境」とは、情報伝送に際したネットワークの総合的な動作条件を意味し、例えばコネク シヨン毎の占有帯域や、各ノードの動作条件等を含んで 、る。
[0010] このようなブリッジを含むネットワーク上でコネクションが確立された場合に、コネクシ ヨンにおける使用環境を更新する際には、ブリッジは、受信した環境更新情報に応じ て第 1及び第 2通信路のいずれかの使用環境を更新する。このとき、環境更新情報 は、例えば更新の起点となるノード等の、使用環境の更新を認識可能な装置からネ ットワーク上に送出される。ブリッジ内では、環境更新情報は一方のポータルで受信 され、他方のポータル (コポータル)へと転送される。他方のポータルは、環境更新情 報を受け取ると、この情報に応じて自身が接続された通信路 (つまり、このブリッジに 接続された通信路のうち、環境更新情報の受信側とは反対側の通信路)の使用環境 の更新処理を行う。
[0011] このように、環境更新情報は他の情報と同様に、ブリッジを経由してネットワーク上 に伝送され、ブリッジは、中継する第 1及び第 2通信路の一方から環境更新情報を受 け取ると、他方の通信路のうち自身力 他のノードまでの部分の使用環境を更新する ように動作するので、コネクションを確立した状態のままで使用環境を更新することが 可能となる。従って、このブリッジを用いてネットワークを構築すれば、コネクションを 確立したままで、その使用環境を好適な状態に管理することができる。
[0012] 本発明の第 2のブリッジは上記課題を解決するために、ネットワークにおける中継用 のノードとして機能するブリッジであって、前記ネットワークの一部をなす第 1通信路 に接続されており該第 1通信路を介して情報を送受信する第 1ポータルと、前記ネット ワークの他部をなす第 2通信路に接続されており該第 2通信路を介して情報を送受 信する第 2ポータルとを備えており、前記第 1及び第 2ポータルは、相互に前記受信 された情報を転送可能であり、当該ブリッジを含む前記ネットワーク上でコネクション が既に確立されている場合において、前記第 1及び第 2ポータルの一方が、前記第 1 及び第 2通信路の一方の使用環境を監視し、前記第 1及び第 2通信路の一方の使用 環境が更新されたことを検知した場合、前記第 1及び第 2ポータルの一方は、前記情 報の一つであって前記コネクションの使用環境を更新するための環境更新情報を生 成して前記第 1及び第 2ポータルの他方へ送出し、該前記第 1及び第 2ポータルの他
方は、前記送出された環境更新情報に応じて前記第 1及び第 2通信路の他方の使 用環境を更新する。
[0013] 本発明の第 2のブリッジによれば、環境更新情報を受信するのではなぐこのブリツ ジ自身が生成し、出力する。即ち、ブリッジ内のポータルは、その動作時には、自身 が接続された通信路の使用環境を監視するように構成されて ヽる。監視中に通信路 の使用環境が更新されたことを検知すると、環境更新情報を生成し、他方のポータル に送出する。
[0014] このように、ブリッジは、中継する通信路を監視し、一方の通信路で使用環境の更 新が検知されると自発的に他方の通信路の使用環境を更新するので、コネクション 上のノードに環境更新情報を送出する機能がない場合でもコネクションを確立した状 態のままで使用環境の更新が可能である。従って、コネクションを確立したまま、コネ クシヨンにおける使用環境を好適な状態に管理することができる。
[0015] 本発明のブリッジの一態様では、前記第 1及び第 2ポータルの他方は、前記第 1及 び第 2通信路の他方の使用環境を更新すると共に、前記第 1及び第 2通信路の他方 を介して前記環境更新情報を他のブリッジへ送信する。
[0016] この態様によれば、ブリッジの 2つのポータルのうち、環境更新情報を受信又は生 成したポータルカゝら環境更新情報を転送されたポータルは、自身が接続された通信 路における使用環境を更新するだけでなぐその通信路を介して接続された他のプリ ッジに環境更新情報を送信する。そして、他のブリッジも上記と同様に動作することで 、ネットワーク内のコネクションが確立された経路に沿って使用環境が次々と更新され る。即ち、環境更新情報は、このコネクションを使って伝送されるデータ情報と同様、 ブリッジを経由してコネクション内を伝送され、各ブリッジは、環境更新情報を出力す る側の通信路の使用環境を更新する。
[0017] 従って、コネクション内の通信路が複数のブリッジに中継された場合も、コネクション を確立した状態での使用環境を更新することができ、好適な状態に管理することが可 能である。
[0018] この態様では、前記第 1及び第 2ポータルの他方が前記第 1及び第 2通信路の他方 の使用環境の更新に成功した場合に、前記第 1及び第 2ポータルの他方は、前記第
1及び第 2通信路の他方を介して前記環境更新情報を前記他のブリッジへ送信する ようにしてもよい。
[0019] この場合、ブリッジは、使用環境の更新に成功すると、コネクション上の次のブリッジ
(即ち、通信路を介して接続されたブリッジのうち、環境更新情報の送り手ではない方 のブリッジ)に環境更新情報を送信する。コネクション上に存在するブリッジのいずれ かが使用環境の更新に失敗したとすると、それは、更新対象であるコネクション全体 での更新がその試行において失敗したことを意味する。これに対し、ここでは更新に 失敗したブリッジ力も環境更新情報は送出されな 、ので、その試行における他のプリ ッジでの更新処理はキャンセルされる。従って、更新処理を一元的に管理することが でき、効率のよい動作を行うことが可能である。
[0020] 本発明のブリッジの他の態様では、前記第 1及び第 2ポータルの他方が前記第 1及 び第 2通信路の他方の使用環境の更新に失敗した場合に、前記第 1及び第 2ポータ ルの他方は、前記更新が失敗したことを示す更新失敗情報を前記第 1及び第 2ポー タルの一方に送出し、該第 1及び第 2ポータルの一方は、前記送出された更新失敗 情報を前記第 1及び第 2通信路の一方に送信する。
[0021] この態様によれば、ブリッジは、使用環境の更新に失敗すると、コネクション上の一 つ前のブリッジ (即ち、通信路を介して接続されたブリッジのうち、環境更新情報の送 り手となったブリッジ)に更新失敗情報を送信する。ここで「更新失敗情報」は、使用 環境の更新処理が失敗したことをコネクション上のノードが識別可能に構成され、更 新の失敗に伴う所定の処理を行うような、制御情報が付加されていてもよい。
[0022] 更新失敗情報は、環境更新情報とは逆方向に伝送され、環境更新情報を送出す るノード (ブリッジを含む)、即ちリクエスタに送られる。そのため、リクエスタは、自身が 要求した使用環境の更新が失敗したことを認知でき、環境更新情報を再度出力する など、失敗に対応して処理を行うことが可能である。よって、この場合には、使用環境 の更新をより確実に行うことが可能となる。また、使用環境のより的確な管理が可能と なる。
[0023] 本発明のブリッジの他の態様では、前記第 1及び第 2ポータルの他方が前記コネク シヨンの終端のノードに前記他のノードを介さずに接続されている場合に、前記第 1
及び第 2ポータルの他方は、前記使用環境の更新の成否を示す更新成否情報を前 記第 1及び第 2ポータルの一方に送出し、該第 1及び第 2ポータルの一方は、前記送 出された更新成否情報を前記第 1及び第 2通信路の一方に送信する。
[0024] この態様によれば、コネクション上の最後の中継用ノードであるブリッジは、自身とコ ネクシヨンの終端のノードとの間の通信路における使用環境を更新する処理を行った 後に、処理の結果、使用環境が更新されたか否かを示す更新成否情報を、コネクシ ヨン上の一つ前のブリッジに送信する。この更新成否情報についても、更新の成否の いずれかに伴う処理を実行させるような、制御情報が付加されていてもよい。更新成 否情報もまた、環境更新情報とは逆方向に伝送され、リクエスタに送られる。そのため 、リクエスタは、自身が要求した使用環境の更新が最終的に成功したの力否かを認 知でき、新たな使用環境に対応したストリームをコネクション上に送出する、或いは環 境更新情報を再度出力するなどの、更新の成否に応じた処理を行うことが可能であ る。また、使用環境の管理をより的確に行うことが可能である。
[0025] 本発明のブリッジの他の態様では、前記環境更新情報は、前記コネクション上の使 用帯域を更新するための情報を含み、前記使用環境は、前記コネクション上の使用 帯域を含む。
[0026] この態様によれば、確立されたコネクションにおける使用帯域が更新される。コネク シヨン内の通信路に送出されるストリームの占有帯域が変わると、不要な帯域が確保 されている状態となったり、占有帯域が増カロしたストリームを伝送することができなくな つたりする。そこで、環境更新情報に使用帯域の更新情報を含めておけば、この環 境更新情報を受信したブリッジは、これに応じて、自身が接続された通信路の使用帯 域を更新するため、最適な帯域管理を実現することができる。尚、この場合の環境更 新情報は、使用帯域の更新情報以外の付加情報を含んでいてもよい。
[0027] (送信装置)
本発明の送信装置では上記課題を解決するために、ネットワーク内に情報を送信 する送信装置であって、前記ネットワークにおける中継用ノードとして機能するブリツ ジに、前記ネットワークの一部をなす通信路を介して接続されており、前記通信路の 使用環境を更新する更新手段と、前記送信される情報の前記ネットワーク上の使用
環境が変化に応じて、前記情報の一つであって前記コネクションの使用環境を更新 するための環境更新情報を生成する更新情報生成手段とを備え、前記ネットワーク 上でコネクションが既に確立されて 、る場合にぉ 、て、前記送信される情報の前記ネ ットワーク上の使用環境が変化した場合に、前記更新手段が前記通信路の使用環 境を更新すると共に、前記更新情報生成手段に生成された前記環境更新情報を前 記ブリッジに送信する。
[0028] 本発明の送信装置によれば、自身が送出する情報に対するネットワーク上の使用 環境が変化すると、自身が接続されているネットワーク上の通信路の使用環境を更 新する。但し、それだけでは、ブリッジより先の経路上で使用環境の更新がなされるこ とはない。そこで、本発明における送信装置は、環境更新情報を生成し、通信路を介 して接続されたブリッジに送信するように構成されて ヽる。ここで環境更新操作と環境 更新情報の生成、出力工程とは、相前後してもよいし並行して行われてもよい。例え ば、環境更新操作が成功したことを確認して力 環境更新情報を生成出力するよう に構成されていてもよい。
[0029] 環境更新情報を受信するブリッジが本発明の構成であれば、上述のように動作し、 コネクションパス上のバスの使用環境は次々と更新される。よって、この送信装置を用 いれば、自身が送信しょうとする情報の環境更新時には環境更新情報を発報するこ とから、コネクションを確立した状態のまま、コネクションにおける使用環境を更新する ことが可能である。
[0030] (情報システム)
本発明の情報システムでは上記課題を解決するために、上述した本発明のブリッジ (但し、その各種態様も含む)を中継用のノードとして備え、当該ブリッジを含む前記 ネットワーク上でコネクションが既に確立された状態において、前記第 1及び第 2通信 路の一方に前記環境更新情報を送出すると共に、前記ブリッジが前記第 1及び第 2 通信路の一方を介して前記第 1及び第 2ポータルの一方で前記環境更新情報を受 信すると前記第 1及び第 2通信路の他方の使用環境を更新することにより、前記コネ クシヨンの使用環境を動的に更新する。
[0031] 本発明の情報システムによれば、本発明のブリッジで中継されたネットワークで構築
されていることから、コネクションを確立した状態のまま (即ち、動的に)、環境更新情 報に応じて、コネクションにおける使用環境を更新することが可能である。環境更新 情報は、ブリッジ以外の機器力 発報されてもよいし、ブリッジが、自身が接続されて いる機器を監視し、その使用環境が更新されたときに発報してもよい。従って、コネク シヨンを確立したままで、その使用環境を更新できると共に、好適な状態に管理する ことができる。
[0032] (送信方法)
本発明の第 1の送信方法は上記課題を解決するために、ネットワークにおける中継 用のノードとして機能するブリッジであって、前記ネットワークの一部をなす第 1通信 路に接続されており該第 1通信路を介して情報を送受信する第 1ポータルと、前記ネ ットワークの他部をなす第 2通信路に接続されており該第 2通信路を介して情報を送 受信する第 2ポータルとを備えており、前記第 1及び第 2ポータルは、相互に前記受 信された情報を転送可能であるところの前記ブリッジにお!/、て、前記情報を送信する 送信方法であって、前記ブリッジを含む前記ネットワーク上でコネクションが既に確立 されている場合において、前記第 1及び第 2ポータルの一方が、前記情報の一つで あって前記コネクションの使用環境を更新するための環境更新情報を前記第 1及び 第 2通信路の一方を介して受信した場合、前記第 1及び第 2ポータルの一方は、前記 受信された環境更新情報を前記第 1及び第 2ポータルの他方へ転送し、該第 1及び 第 2ポータルの他方は、前記転送された環境更新情報に応じて前記第 1及び第 2通 信路の他方の使用環境を更新する。
[0033] 本発明の第 1の送信方法によれば、上述した本発明の第 1のブリッジの場合と同様 に、コネクションを確立したままで、その使用環境を好適な状態に管理することができ る。
[0034] 本発明の第 2の送信方法は上記課題を解決するために、ネットワークにおける中継 用のノードとして機能するブリッジであって、前記ネットワークの一部をなす第 1通信 路に接続されており該第 1通信路を介して情報を送受信する第 1ポータルと、前記ネ ットワークの他部をなす第 2通信路に接続されており該第 2通信路を介して情報を送 受信する第 2ポータルとを備えており、前記第 1及び第 2ポータルは、相互に前記受
信された情報を転送可能であるところの前記ブリッジにお!/、て、前記情報を送信する 送信方法であって、当該ブリッジを含む前記ネットワーク上でコネクションが既に確立 されている場合において、前記第 1及び第 2ポータルの一方が、前記第 1及び第 2通 信路の一方の使用環境を監視し、前記第 1及び第 2通信路の一方の使用環境が更 新されたことを検知した場合、前記第 1及び第 2ポータルの一方は、前記情報の一つ であって前記コネクションの使用環境を更新するための環境更新情報を生成して前 記第 1及び第 2ポータルの他方へ送出し、該前記第 1及び第 2ポータルの他方は、前 記送出された環境更新情報に応じて前記第 1及び第 2通信路の他方の使用環境を 更新する。
[0035] 本発明の第 2の送信方法によれば、上述した本発明の第 2のブリッジの場合と同様 に、コネクションを確立したまま、コネクションにおける使用環境を好適な状態に管理 することができる。
[0036] 本発明の第 3の送信方法は上記課題を解決するために、ネットワーク内に情報を送 信する送信装置であって、前記ネットワークにおける中継用ノードとして機能するプリ ッジに、前記ネットワークの一部をなす通信路を介して接続されており、前記通信路 の使用環境を更新する更新手段と、前記送信される情報の前記ネットワーク上の使 用環境が変化に応じて、前記情報の一つであって前記コネクションの使用環境を更 新するための環境更新情報を生成する更新情報生成手段とを備えた前記送信装置 において、前記情報を送信する送信方法であって、前記ネットワーク上でコネクション が既に確立されている場合において、前記送信される情報の前記ネットワーク上の 使用環境が変化した場合に、前記更新手段が前記通信路の使用環境を更新し、前 記更新情報生成手段に生成された前記環境更新情報を前記ブリッジに送信する。
[0037] 本発明の第 3の送信方法によれば、上述した本発明の送信装置の場合と同様に、 コネクションを確立した状態のまま、コネクションにおける使用環境を更新することが 可能である。
[0038] 以上説明したように、本発明のブリッジによれば、上述したように機能する第 1及び 第 2ポータルを備えて 、るので、コネクションを確立した状態で使用環境を更新する ことが可能であり、このブリッジを用いてネットワークを構築すれば、コネクションを確
立したまま、その使用環境を好適な状態に管理することができる。
[0039] また、本発明の送信装置によれば、更新手段及び更新情報生成手段を備えて 、る ので、使用環境が更新されると共に、環境更新情報がブリッジに発報されることから、 この送信装置が適用されたネットワークでは、コネクションを確立したまま、その使用 環境を好適な状態に管理することができる。
[0040] また、本発明の情報システムによれば、本発明のブリッジを備えて 、るので、コネク シヨンを確立したままの状態で使用環境の更新が可能であり、使用環境を好適な状 態に管理することができる。
[0041] また、本発明の送信方法によれば、更新する工程及び更新情報を生成する工程を 備えているので、コネクションを確立したまま、その使用環境を好適な状態に管理す ることがでさる。
[0042] 本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から明らかにされる。
図面の簡単な説明
[0043] [図 1]本発明の実施例に係る情報システムの構成を示すブロック図である。
[図 2]実施例に係る情報システムにおけるブリッジの構成を示すブロック図である。
[図 3]実施例に係る情報システムに伝送されるメッセージの構成を示すデータフォー マットである。
[図 4]比較例に係る情報システムの基本動作を示す図である。
[図 5]実施例に係る情報システムの基本動作を示す図である。
[図 6]実施例に係るブリッジの動作手順を示すフローチャートである。
[図 7]実施例に係る情報システムの、更新操作に成功した場合の動作手順を示すシ 一ケンスである。
[図 8]実施例に係る情報システムの、更新操作に失敗した場合の動作手順を示すシ 一ケンスである。
[図 9]実施例に係る情報システムの、更新操作に失敗した場合の動作手順を示すシ 一ケンスである。
[図 10]実施例に対する変形例に係る情報システムの構成及び動作手順を示す図で ある。
符号の説明
[0044] 1、 2、 3…ネットワーク、 4、 9· ··ディジタル TV、 5- DVDプレーヤ、 6、 7· ··ブリッジ、 61、 62· ·· (ブリッジ 6の)ポータノレ、 71、 72· ·· (ブリッジ 7の)ポータノレ、 8- --AV-HD
Dレコーダ。
発明を実施するための最良の形態
[0045] 以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例毎に順に図面に基づ いて説明する。
[0046] 以下、本発明の実施例について、図 1から図 9を参照して説明する。
[0047] <情報システムの構成 >
先ず、実施例に係る情報システム及びブリッジの構成を、図 1から図 3を参照して説 明する。図 1は、本実施例における情報システムの構成を示す。図 2は、この情報シ ステムに適用されるブリッジの構成を、ブリッジ 6に代表させて示している。図 3は、情 報システム内の使用環境の更新に際して発報されるメッセージのメッセージデータフ ォーマットの一例を示して 、る。
[0048] 図 1において、本実施例における情報システムは、ネットワーク 2によってディジタル TV (以下、 DTVと称す) 4及び DVDプレーヤ 5を含むネットワーク 1と、 AV— HDD レコーダ 8及び DTV9を含むネットワーク 3とが接続されて構築されている。このような 情報システムは、例えば、ホームネットワークやその他の AVネットワークとして具現化 される。ここで、ネットワーク 1とネットワーク 2はブリッジ 6に、ネットワーク 2とネットヮー ク 3はブリッジ 7に夫々中継されている。そのため、ネットワーク 1及び 3は互いに、一 方のネットワーク上のサービスを他方のネットワークにまで提供することが可能である
[0049] このような情報システムにおいては、ブリッジを介して複数のネットワークに分割する ことによって、他のネットワークへ転送の必要のあるパケットのみをフィルタリングする ことができ、結果として全体のトラフィックを軽減することができる。また、ァイソクロナス データ転送時に必要なァイソクロナスリソース (即ち、伝送帯域やチャンネル等)は各 ネットワーク上で管理されるため、他のネットワークに影響を与えない等の利点がある 。例えば、ネットワーク 1上で DVDプレーヤ 5の映像を DTV4で視聴する場合には、
ネットワーク 1上のアイソクロナスリソースが確保され、 DVDプレーヤ 5と DTV4との間 にコネクションを確立してァイソクロナス伝送が行われる。ここで使用されるァイソクロ ナスリソースは、ネットワーク 2、 3には影響を与えない。
[0050] ネットワーク 1、 2及び 3は、夫々ァイソクロナスデータを転送可能なネットワークを示 す。例えば、ネットワーク 1及び 3は、有線の IEEE1394ネットワークであり、ネットワーク 2は、有線の IEEE1394bと呼ばれる長距離の 1394規格に準拠したネットワークであつ てもよいし IEEE802.11eのような無線 LAN (Local Area Network)ネットワークであつ てもよい。
[0051] ブリッジ 6は、ネットワーク 1に接続されるポータル 61及びネットワーク 2に接続される ポータル 62から構成される。ブリッジ 7は、ネットワーク 2に接続されるポータル 71及 びネットワーク 3に接続されるポータル 72から構成される。ブリッジ 6及び 7の夫々を構 成する二つのポータルは、ブリッジ内部で相互に情報の送受が可能である。
[0052] 図 2は、ブリッジ 6を例にとり、これらブリッジの構成を示している。図 2において、ブリ ッジ 6のポータル 61及び 62は夫々に、物理層、データリンク層等の階層力も構築さ れ、ルートマップ(route maps) 66、コンフィギュレーション ROM67、及びサイクルタイ マ 68を備えている。そして、これら全体が制御部(Portal Control) 69によって一体的 に制御されている。ポータル 61及び 62はまた、一組の FIF063を介して、双方向に 通信が可能なようにブリッジ 6内で相互接続されている。尚、ブリッジ 7もブリッジ 6と同 様に構成されている。
[0053] 本実施例におけるブリッジ 6及び 7は、 UPDATE BANDWIDTHメッセージを受信す ると、自身を含む経路上でコネクションが確立された状態のまま、受信した UPDATE BANDWIDTHメッセージに応じて使用帯域を更新するように構成されている。即ち、 二つのポータノレのうち一方で UPDATE BANDWIDTHメッセージを受信すると、 UPD ATE BANDWIDTHメッセージを他方のポータルに転送し、他方のポータルが、自身 が接続された通信路 (受信側とは反対側の通信路)における使用帯域を更新するよう に構成されている。
[0054] UPDATE BANDWIDTHメッセージは、リアルタイムデータを転送するためのコネク シヨンを確立して 、る経路にぉ 、て、送信機器力も送出されるストリームのバス上での
占有帯域が変化した場合に、その帯域変化を、コネクションの確立された経路上に 通知するためのデータである。 UPDATE BANDWIDTHメッセージは、例えば、更新 の起点となるノード(ここでは、 DTV4、 DVDプレーヤ 5、 AV— HDDレコーダ 8及び DTV9)等の、この情報システム上に送出されるァイソクロナスデータの帯域変更が 検知可能な機器力 ネットワーク上に送出される。
[0055] 図 3にお!/、て、 UPDATE BANDWIDTHメッセージの opcode- dependentフィールド は、ァイソクロナスデータを送信する機器の IDを示す talker_EUI_64、 talker_EUI_64が 示す機器の送信プラグの IDを示す talker index,及び、送信されるァイソクロナスデ ータのペイロード値を示す payloadから構成される。 talker_EUI_64は、より具体的には 、確立されたコネクション上にてァイソクロナスデータを送信する機器の Configuration ROM上に記述される EUL64を示し、 talker indexにより、送信されるストリームが一意 に判別される。即ち、 talker_EUI_64と talker indexとの組み合わせ力 情報システム内 におけるァイソクロナスデータフロー (ストリーム)の各々を一意に識別可能なストリー ム IDとなる。
[0056] 尚、 UPDATE BANDWIDTHメッセージのうち、上記の opcode-dependent以外のフ ィールドは、 P1394.1のネットマネージメントメッセージデータフォーマットに準拠してい る。ネットマネージメントメッセージは、ァシンクロナスパケットを使用して通信すること になる。要求メッセージの通信には、 IEEE1212で定義される CSR (Control and Statu s Register)空間の MESSAGE_REQUESTレジスタへの Writeトランザクション(Transact ion)が利用され、応答メッセージの通信には、同じく MESSAGE_RESPONSEレジスタ への Writeトランザクションが利用される。即ち、 UPDATE BANDWIDTHメッセージ は、 MESSAGE— REQUESTレジスタ及び MESSAGE— RESPONSEレジスタの!/、ずれのレ ジスタにアクセスするのかによつて、要求メッセージと応答メッセージとは区別され、そ の別に応じてポータル内の要求用及び応答用のいずれかに書き込まれることによつ て通信がなされる。尚、 resultフィールドには、応答メッセージであれば、更新処理の 成功又は失敗を示すデータが書き込まれる。
[0057] このような情報システムにおける帯域更新時の動作について、図 4から図 9を参照し て説明する。
[0058] <情報システムの基本動作 >
先ず、情報システムとしての基本動作について、図 4及び図 5を参照して説明する。 図 4は、比較例としての情報システムの動作例を示しており、図 5は、本実施例の情 報システムの動作例を示している。尚、実施例及び比較例の初期状態は、共に、図 1 のようなシステム構成において DVDプレーヤ 5と DTV9との間でブリッジ 6及び 7を介 してコネクションが確立されて 、るものとする。
[0059] 比較例は、本実施例の構成において、既に確立されたコネクション上の使用帯域を 更新する仕組みを取り除き、代わりにブリッジ環境においてストリームを伝送するコネ クシヨンを確立'破棄するための仕組みを有するように構成されている。例えば、 P139 4.1では、 4.6 Stream connection management に己载される、ブリツン において ストリームを伝送するコネクションを確立'破棄するための仕組みを有する。そのため に、比較例では、使用されるネットマネージメントメッセージは、 "6.6 Netmanagement messages 、及び、 D.6.3 Stream management messages に gci載 れる jOIN, LISTEN メッセージを使用してコネクションを確立し、 LEAVEメッセージを利用して破棄を行う 。即ち、 P1394.1では、本実施例の情報システムのように、既に確立されたコネクショ ンの帯域情報のみを更新するための仕組みがな 、ため、ブリッジを介したコネクショ ン上の帯域情報の更新を行うには、既に確立したコネクションを一度破棄して力 新 たなコネクションとして再確立する必要がある。
[0060] このように、既に確立されたコネクション上の使用帯域を更新する仕組みがない場 合、図 4に示すように、 DVDプレーヤ 5が送出するストリームの占有するネットワーク 1 上の帯域 bandwidthlカ^1^から BW,へ減少した場合、 DVDプレーヤ 5による使用 帯域の更新はネットワーク 1上でしか実行できず、ネットワーク 2及び 3上での占有帯 域 bandwidth2及び bandwidth3は BW力 変更することができない。通常使用される ブリッジであるブリッジ 106及び 107は、単独で帯域変化を検知することも、帯域更新 操作をすることもないからである。よって、占有帯域が小さくなつた場合 (BW>BW' ) には、不要な帯域がネットワーク 2及び 3上で確保されたままの状態となり、コネクショ ンを確立した状態では最適な帯域管理を実現することができない。そのため、この場 合は一度確立されたコネクションを破棄し、新たに更新された帯域 BW'を有するコネ
クシヨンを再確立しなければならない。また、占有帯域が大きくなつた場合 (BW< B W' )は、ネットワーク 2及び 3上で増分の帯域を確保することができないので、占有 する帯域が増加した後のストリームを伝送することができない。
[0061] これに対し、本実施例では、図 5に示すように DVDプレーヤ 5が送出するストリーム の占有するネットワーク 1上の帯域 bandwidthlカ^1^から BW'へ減少した場合、 DV Dプレーヤ 5による使用帯域の更新はネットワーク 1上でしか実行できないが、その変 ィ匕は、 DVDプレーヤ 5から UPDATE BANDWIDTH要求メッセージとして各ネットヮ ーク上へ通知される。即ち、 DVDプレーヤ 5が、本発明の「送信装置」の一例に対応 している。
[0062] UPDATE BANDWIDTH要求メッセージは、本発明における「環境更新情報」の一 例であり、コネクション上のネットワークを経由して伝送される。そして、この要求メッセ ージを受け取ったブリッジ 6及び 7によって、ネットワーク 2及び 3上での占有帯域 band width2及び bandwidth3が夫々、 BWから BW,へ更新される。つまり、コネクションを 確立した状態で、動的に、最適な帯域管理を行うことができる。
[0063] <ブリッジの基本動作 >
本実施例における情報システムのシステムとしての動作は、主にブリッジによって実 現される。そこで、次にブリッジの基本動作について、図 6を参照して説明する。図 6 は、各ポータル上で使用帯域更新メッセージ(UPDATE BANDWIDTHメッセージ)を 受信した際の処理手順を示して!/ヽる。
[0064] 図 6にお!/、て、ブリッジ 6及び 7のポータルの!/、ずれかが UPDATE BANDWIDTHメ ッセージを受信すると(ステップ SI)、そのポータルは、 UPDATE BANDWIDTHメッ セージが要求メッセージなのか応答メッセージなのかを判別する(ステップ S2)。
[0065] UPDATE BANDWIDTHメッセージが要求メッセージであれば(ステップ S2: YES)、 次に、この UPADATE BANDWIDTH要求メッセージを受信したポータルが送信ポー タルである力否かを判別する (ステップ S3)。送信ポータルとは、そのポータルが接続 されるネットワーク(ローカルバス)上にストリームを送出するポータルである。即ち、送 信ポータルは、ストリームの向きによって決まる相対的なものである。例えば、図 1に 点線で示したコネクションパス上であれば、ポータル 62或いはポータル 72が送信ポ
一タルに該当する。
[0066] メッセージを受信したポータルカ、送信ポータルでなかった場合には(ステップ S3: NO)、このポータルは、コポータルへ UPDATEBANDWIDTH要求メッセージを転送 する(ステップ Sl l)。例えば図 1のコネクションパス上では、ポータル 61或いはポー タル 71力ら、送信ポータルであるポータル 62或いはポータル 72へとメッセージが転 送される。
[0067] 一方、メッセージを受信したポータルが送信ポータルであった場合には (ステップ S 3 :YES)、更に、メッセージを参照して、使用帯域の更新がなされている力否かが判 別される(ステップ S4)。即ち、コネクションが既に確立された状態にあり、且つ、 UPD ATEBANDWIDTH要求メッセージの送信に使用されて 、る帯域が指定帯域と異なる 、つまり更新されていることが判明すれば (ステップ S4 : YES)、メッセージを受信した ポータルは、そのローカルバス上の使用帯域の更新操作を行う(ステップ S5)。ここで 行う帯域操作とは、 1394ネットワークの場合にはローカルバス上の IRM (Isochronous Resource Manager)カゝら必要な帯域増加分を確保する、又は、帯域減少分を返却す ることである。例えば図 1のコネクションパス上では、ネットワーク 2上の使用帯域がポ 一タル 62によって(或いは、ネットワーク 3上の使用帯域がポータル 72によって)更新 される。
[0068] これに対し、伝送路が確立されて!、な 、、又は帯域情報の更新がな 、場合には (ス テツプ S4 :NO)、帯域更新の要求を拒否する応答メッセージをコポータルへ転送する (ステップ S10)。上述した例では、このような場合、送信ポータルであるポータル 62 或いはポータル 72から、応答メッセージがポータル 61或いはポータル 71に転送され る。また、帯域更新操作が、帯域の残量が不足しているなどの理由で失敗した場合( ステップ S6 : NO)も同様に、帯域更新の要求を拒否する応答メッセージを、コポータ ルへ転送する(ステップ S 10)。
[0069] 帯域更新操作が成功した場合には (ステップ S6: YES)、要求メッセージを受信した ポータルが最終送信ポータルカ、否かを判定する (ステップ S7)。最終送信ポータルと は、コネクションを確立した伝送路上において、受信機器の存在するネットワーク上で 受信機器に対してストリームを送出するポータルである。例えば図 1のコネクションパ
ス上では、最終送信ポータルはポータル 72であり、ポータル 62は最終送信ポータル ではない。
[0070] 送信ポータルが最終送信ポータルであった場合 (ステップ S7: YES)には、要求を承 諾する旨の UPDATE BANDWIDTH応答メッセージを、そのコポータルへ送信する( ステップ S8)。送信ポータルが最終送信ポータルでな力つた場合には、次の伝送路 上のポータルへ UPDATE BANDWIDTH要求メッセージを送信する(ステップ S9)。 例えば図 1のコネクションパス上では、ポータル 62が送信ポータルであれば、ネットヮ ーク 2を介してポータル 71にメッセージを送信する。このため、複数のブリッジで中継 された経路上に確立されたコネクションにおいては、帯域更新操作が成功している限 り、 UPDATE BANDWIDTH要求メッセージが次々にブリッジを経由して伝送され、そ れに伴って次々とローカルバス上の使用帯域が更新される。そして、 UPDATE BAN D WIDTH要求メッセージが最終送信ポータルまで伝搬されるか (ステップ S8)、伝送 路の途中のポータルで要求が拒否されると (ステップ S10)、その要求メッセージに対 する応答メッセージ力 要求メッセージとは逆向きの経路で伝搬される。
[0071] 尚、当初受信されたメッセージが応答メッセージだった場合には (ステップ S2 :NO) 、これを受信したポータルが、 UPDATE BANDWIDTH要求メッセージを始めに送信 したポータル (リクエスタ)であれば、再びメッセージを受信する状態に戻る (ステップ S D oリクエスタでな力つた場合には、応答メッセージをリクエスタの方向に存在するポ 一タルへ転送し、再びメッセージを受信する状態に戻る (ステップ S1)へ戻る。
[0072] <情報システム内のメッセージ伝送 >
以上に説明したブリッジの基本動作をふまえて、更新操作に関するメッセージの伝 送に伴う情報システムの動作について、図 7から図 9を参照しつつ、帯域更新に成功 した場合と失敗した場合とに分けて説明する。ここに、図 7は、帯域更新に成功した 場合のコネクション上の各ノードの動作を示し、図 8及び図 9は夫々、帯域更新処理 が失敗した場合の各ノードの動作を示して 、る。
[0073] 初期状態においては、情報システムのうち、 DVDプレーヤ 5と DTV9との間でブリツ ジ 6及び 7を介してコネクションが確立されている。コネクションを確立する際には、例 えば P1394.1に則って、その確立すべきコネクションの経路に沿って、コネクションを
確立するためのネットマネージメントメッセージがブリッジを介して送信機器 (talker)、 受信機器 (listener)の間の経路を伝搬する。その際に、経路上の各機器及びポータ ルでは、そのコネクションに関する送信機器、受信機器、送信機器が送出するストリ ームのストリーム ID、必要な帯域情報が共有されている。また、各ポータルはネットヮ ーク全体のルーティングマップを保持して 、るため、所望のメッセージをコネクション の経路に沿って伝搬させていくことが可能である。
[0074] (帯域更新に成功した場合の動作)
こうしてコネクションが確立した状態で帯域更新操作を行 、、成功した場合につ!ヽ て、図 7を参照して説明する。
[0075] (1)図 7において、送信機器である DVDプレーヤ 5は、自身がネットワーク 1に出力 すべき映像又は音声データを保持しており、そのデータがネットワーク 1上でどれだ けの帯域を占有するかを判断することが可能である。例えば、 CDが再生されている 状態で、ディスクが DVD— Audioディスクに切り替わった場合に、その音声データを ネットワーク上に送出する前にネットワーク上で占有すべき帯域の変化を検出するこ とが可能である。 DVDプレーヤ 5は、ネットワーク上で占有すべき帯域が増加するこ とを検出すると、 DVDプレーヤ 5が接続されているローカルバス上のネットワーク 1で 増分の帯域を追加で確保する。この増分帯域の確保に成功すると、 DVDプレーヤ 5 は、送出しているストリームのローカルバス上での受信ポータル 61に対して、 UPDAT E BANDWIDTH要求メッセージを送信する。
[0076] (2) DVDプレーヤ 5から発報された UPDATE BANDWIDTH要求メッセージが、ネッ トワーク 1上の受信ポータル 61で受信されると、受信ポータル 61は、受信した UPDAT EBANDWIDTH要求メッセージをブリッジ 6内の内部メッセージとしてコポータルであ る送信ポータル 62へ転送する。 BANDWIDTH要求メッセージを受信した送信ポータ ル 62は、ネットワーク 2上で必要な増分の帯域を確保するための操作を行う。確保に 成功すると、送信ポータル 62は、次の経路上の受信ポータル 71に対して BANDWID TH要求メッセージを送信する。
[0077] (3)送信ポータル 62から発報された UPDATE BANDWIDTH要求メッセージが、ネ ットワーク 2上の受信ポータル 71で受信されると、受信ポータル 71は受信した UPDA
TEBANDWIDTH要求メッセージをブリッジ 7内の内部メッセージとして、コポータノレで ある送信ポータル 72へ転送する。 BANDWIDTH要求メッセージを受信した送信ポー タル 72は、ネットワーク 3上で必要な増分の帯域を確保するための操作を行う。確保 に成功すると、送信ポータル 72は、経路上の最終送信ポータルであるため、本発明 における「更新成否情報」の一例たる BANDWIDTH応答メッセージを生成し、ブリツ ジ 7内の内部メッセージとしてコポータルである受信ポータル 71に転送する。この BA NDWIDTH応答メッセージを受信した受信ポータル 71は、(2)において BANDWIDTH 要求メッセージを転送してきた送信ポータル 62へ BANDWIDTH応答メッセージを 転送する。
[0078] (4) BANDWIDTH応答メッセージを受信した送信ポータル 62は、コポータルである 受信ポータル 61にブリッジ 5の内部メッセージとして転送する。受信ポータル 61は、 BANDWIDTH応答メッセージを BANDWIDTH要求メッセージのリクエスタである DV Dプレーヤ 5へ転送する。以上で図 7のシーケンスが終了する。
[0079] 尚、この例では、コネクションパス全体での帯域更新に成功した場合に、リクエスタ に BANDWIDTH応答メッセージを返信するようにした力 成功の応答メッセージを送 出しないように構成しても、ブリッジに接続されたネットワークの夫々について更新操 作を行うという、最低限の機能を備えることはできる。また、後述するように、更新操作 に失敗した場合にのみ、その旨をリクエスタに通知するようにしてもょ 、。
[0080] (帯域更新に失敗した場合の動作: 1)
次に、 UPDATE BANDWIDTH要求メッセージの失敗判定がポータル 62における 帯域更新操作の失敗によって行われた場合にっ 、て、図 8を参照して説明する。
[0081] (1)図 8において、 DVDプレーヤ 5は、自身が接続されているローカルバス上のネッ トワーク 1で増分の帯域を追加で確保する。この増分帯域の確保に成功すると、 DV Dプレーヤ 5は、送出しているストリームのローカルバス上での受信ポータル 61に対 して UPDATE BANDWIDTH要求メッセージを送信する。
[0082] (2) DVDプレーヤ 4から発報された UPDATE BANDWIDTH要求メッセージが、ネッ トワーク 1上の受信ポータル 61で受信されると、受信ポータル 61は、受信した PDATE BANDWIDTH要求メッセージをブリッジ 6内の内部メッセージとして、コポータノレであ
る送信ポータル 62へ転送する。
[0083] UPDATE BANDWIDTH要求メッセージを受信した送信ポータル 62は、ネットヮー ク 2上で必要な増分の帯域を確保するための操作を行う。確保に失敗すると、送信ポ 一タル 62は、本発明における「更新失敗情報」の一例たる UPDATE BANDWIDTH 応答メッセージを生成する。
[0084] (3)送信ポータル 5.2からコポータルである受信ポータル 5.1 へ、 PDATE BANDWI DTH応答メッセージをブリッジ 6の内部メッセージとして転送する。受信ポータル 61 は、 UPDATE BANDWIDTH応答メッセージを UPDATE BANDWIDTH要求メッセ一 ジのリクエスタである DVDプレーヤ 5へ転送する。以上で図 8のシーケンスが終了す る。
[0085] (帯域更新に失敗した場合の動作: 2)
次に、 UPDATE BANDWIDTH要求メッセージの失敗判定がポータル 72における 帯域更新操作の失敗によって行われた場合について、図 9を参照して説明する。
[0086] この場合の動作は、上記 2例のシーケンスと殆ど同様である。(1)、 (2)図 9において
、ブリッジ 6では、ポータル 61から BANDWIDTH要求メッセージを転送されたポータ ル 62が更新操作に成功して、ポータル 71に BAND WIDTH要求メッセージを送信す る。
[0087] (3)ポータル 71は、受信したポータル 72に BAND WIDTH要求メッセージを転送す る。ところが、ここでポータル 72は、帯域更新操作に失敗する。そして、本発明におけ る「更新失敗情報」の一例たる UPDATE BANDWIDTH応答メッセージを生成して、 ポータル 71に転送する。
[0088] (4)ポータル 62は、 UPDATE BANDWIDTH応答メッセージを受信すると、この応答 メッセージを要求メッセージのリクエスタ(この場合は DVDプレーヤ 5)へ送り出すべく 、ポータル 61に転送する。ポータル 61は、転送された応答メッセージを DVDプレー ャ 5に送信する。以上で図 9のシーケンスが終了する。
[0089] このように本実施例では、ブリッジを介して画像'音声等のリアルタイムデータを伝 送する情報システムにお 、て、コネクションが確立された経路上で送信機器力も送出 されるストリームの占有帯域が変化した場合に、(1)その変化を UPDATE BANDWID
TH要求メッセージとしてコネクションの確立された経路上に通知すると共に、(2)この 経路上のブリッジの夫々力 UPDATE BANDWIDTH要求メッセージに応じて自身が 接続されたノ ス上の帯域更新操作を行うようにしたので、コネクションをー且破棄して 新たに再確立する手順を踏まずに、コネクションが確立したままの状態で使用帯域を 更新することができる。従って、各バス上 (即ち、コネクションが確立された経路全体) で最適な帯域管理を動的に実現することができる。
[0090] (変形例)
上記実施例では、 UPDATE BANDWIDTH要求メッセージのリクエスタを DVDプレ ーャ 5として説明した力 それ以外の機器又はブリッジ等のノードであっても構わない 。例えば、ネットワーク 1が IEEE1394である場合には、図 10に示すように、ポータル 6 1は、コネクションが確立された後から DVDプレーヤ 5の出力プラグ oPCR(output plu g control register)を、ァシンクロナス通信を使用して定期的に監視し、その oPCR上 の payload値の変化を検出し、 payloadの変化を検出した場合にポータル 61 (送信機 器の存在するネットワーク上でストリームの伝送路上に存在する受信ポータル) 1S U PDATE BANDWIDTH要求メッセージのリクエスタとなるように構成してもよい。
[0091] この構成例では、 DVDプレーヤ 5が UPDATE BANDWIDTH要求メッセージのリク エスタとなりえない機器であっても、ネットワーク上のブリッジ 6及び 7さえ対応してい れば、上記実施例と同様の効果を得ることが可能となる。また、 UPDATE BANDWID TH要求メッセージのリクエスタとなる機器は、送信機器には限定されないため、 UPD ATE BANDWIDTH要求メッセージのリクエスタとなりえない送信機器が存在するネッ トワークにおいても、上記実施例と同様の効果を得ることが可能となる。
[0092] 本発明は、上述した実施例に限られるものではなぐ請求の範囲及び明細書全体 力 読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、その ような変更を伴うブリッジ及び送信装置、並びに情報システムもまた本発明の技術思 想に含まれる。
[0093] 例えば、本発明の適用対象となる情報システムは、ァイソクロナスデータ伝送に際し て必要な帯域を確保して通信路を確立するようなネットワークであればよく、 IEEE139 4に限定されるものではない。 UPDATE BANDWIDTHメッセージを伝搬させることが
可能であり、各ネットワークが UPDATE BANDWIDTHメッセージに応じて必要な変化 分の帯域を確保 ·返却操作が可能な情報システムであればよい。
[0094] また、ブリッジを介した情報システム全体の構成も、 UPDATE BANDWIDTHメッセ ージを伝搬させることが可能であり、各ネットワークが UPDATE BANDWIDTHメッセ ージに応じて必要な変化分の帯域を確保 ·返却操作が可能な情報システムであれば よぐ実施例の構成ではなくともよい。例えば、二台以上のブリッジがスター型に配置 されて 、てもよ 、し、ディジーチェーン接続されて 、てもよ 、。
産業上の利用可能性
[0095] 本発明に係るブリッジ及び送信装置、並びに情報システムは、例えば、 IEEE1394に 準拠するネットワークに適用されるブリッジ及び送信装置、並びに、該ブリッジを備え たネットワークを含んで構成される情報システムに利用可能である。