発泡体用組成物、その製造方法および発泡成形体
技術分野
[0001] 本発明は、ポリブタジエンを用いた、発泡の靴底などの成形体に用いられる発泡体 用組成物、その圧縮成形による製造方法、成形もしくは成形架橋してなる発泡成形 体に関する。
背景技術
[0002] 成形材料、例えば靴底材料は軽量ィ匕の傾向にあり、軽量化の目的から発泡体が多 く使用されている。現在、発泡体から靴底材料を製造する方法としては、発泡体を従 来力 用いられて 、る加硫プレス機を使用して、
(1)板状金型を使用して板状発泡体を生産し、靴底形状に打ち抜ぐ
(2)靴底形状の金型を使用して発泡し、その後にサイズ調整の目的カゝらさらに靴底 形状に打ち抜ぐ方法などが用いられている。
[0003] 靴底材料に用いられている架橋発泡体として、エチレン ビニルアセテート共重合 体 (EVA)、天然ゴム、合成ゴムなどを使用した架橋発泡体が知られている。
この中で、 EVAを使用した架橋発泡体は、使用中の変形 (へタリ)が大きぐ同時に 靴底材料として最も重要である耐ウエットスキッド性が十分でない。一方、天然ゴム、 スチレン ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴムなどの合成ゴムを使用したゴム系の架 橋発泡体は、へタリおよび耐ウエットスキッド性は EVA発泡体よりは良好である力 架 橋発泡後の製品の収縮が大きぐ製品のサイズバラツキによる不良率が高ぐ発泡体 (スポンジ)の剛性が不足し、実用上、問題がある。
[0004] ところで、ウエットスキッド性に優れ、架橋発泡後の製品の収縮率が小さい実用剛性 を有する靴底材料として好適な材料として、 1, 2—ポリブタジエンが使用されるように なっている。この 1, 2—ポリブタジエンは、ウエットスキッド性に優れ、架橋発泡後の 収縮率が小さいほか、機械的強度 (Τ , E )、層間引き裂き強度、永久圧縮歪みなど
B B
が良好であり、靴底材料として広く利用されるようになって 、る。
このような適度な結晶化度に制御した 1, 2—ポリブタジエンは、結晶性に富んだ領
域と非晶性部とからなる構造を有するため、熱可塑性エラストマ一としての機能だけ でなぐ分子中に化学反応性に富んだ炭素 炭素二重結合を有しているため、従来 の加硫物や架橋密度を高めた熱硬化性榭脂ゃゴムとしての機能も有する。また、こ の 1, 2—ポリブタジエンは、他の榭脂ゃ熱可塑性エラストマ一、熱硬化性エラストマ 一の改質材、医療用高分子材料としても応用されている。
ところが、この 1, 2—ポリブタジエンを多色成形靴底などの新たな種々の用途に使 用するに当たり、加工性、成形性が不十分であったり、成形時の混色などが指摘され るようになってきた。例えば、多色成形の場合、型内のポリマーの移動性 (流動性)が 大きぐ混色し易いという現象がある。
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] 本発明は、ポリブタジエンとして、同じ融点 (Tm)を有する従来の 1, 2 ポリブタジ ェンに較べて、ガラス転移温度 (Tg)が低ぐ耐寒性、耐寒衝撃性、耐摩耗性に優れ た 1, 2—ポリブタジエンを用い、あるいは、この 1, 2—ポリブタジエンとビニル ·シスブ タジェンゴム (VCR)とを併用するとともに、さらにこれらの重合体成分にフッ素系熱 可塑性榭脂を必要に応じ、配合することにより、厚み精度に優れ、適度な硬度を有し 、平滑性に優れ、さらに熱をかけても流れすぎることがなく(温度に対して鈍感であり 、混色することが少ない)加工性に優れる発泡成形体組成物、これを用いた靴底など の成形体を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0006] 本発明は、(A)ガラス転移温度 (Tg)が 60°C〜 + 10°Cである 1, 2 ポリブタジェ ン、(B)ビニル.シスブタジエンゴム (VCR)、(C)上記 (A)、(B)成分以外の熱可塑 性重合体、(D)発泡剤、および (E)架橋剤を含有し、これらの各成分の配合割合が、
(I) (A)成分が 10〜90重量%、(B)成分が 90〜10重量%、(C)成分が 0〜50重 量%〔ただし、 (A) + (B) + (C) = 100重量0 /0〕、さらに上記 (A) , (B)および (C)の 合計 100重量部に対し、(D)発泡剤 0. 5〜20重量部、および (E)架橋剤 0. 02〜2 0重量部であり、
(II) (C)成分として (C— 2)フッ素系熱可塑性榭脂を含み、(A)成分が 10〜100重
量%、(B)成分が 90〜0重量%、(C 1)成分が 0〜50重量%〔ただし、(C 1)は、 (C 2)を除く (C)成分であり、 (A) + (B) + (C— 1) = 100重量%〕、さらに上記 (A )、 (B)および (C—1)の合計 100重量部に対し、(C— 2)フッ素系熱可塑性榭脂 0. 01〜20重量部、(D)発泡剤 0. 5〜20重量部、および (E)架橋剤 0. 02〜20重量 部、
である発泡体用組成物に関する。
ここで、上記 (A)成分としては、結晶化度が 5%以上であるシンジォタクチック 1, 2 ポリブタジエンが好ま U、。
上記 (B)成分としては沸騰 n—へキサン不溶分 1〜25重量%,沸騰 n—へキサン可 溶分 99〜75重量%である VCRであることが好ましい。
上記 (C)成分としては、上記 (A)、(B)成分以外の、熱可塑性榭脂、熱可塑性エラ ストマー、天然ゴムおよび合成ゴムの群力も選ばれた少なくとも 1種であることが好ま しい。
さらに、上記 (C 2)フッ素系熱可塑性榭脂としては、特にポリテトラフルォロェチレ ンが好ましい。
さらに、上記 (D)発泡剤としては、ジニトロソペンタメチレンテトラミン (DNPT)、ァゾ ジカルボンアミド (ADCA)、および ρ,ρ' ォキシビスベンゼンスルホ-ルヒドラジン( OBSH)の群力 選ばれた少なくとも 1種、またはこれと尿素および Ζまたは尿素誘 導体力もなる発泡助剤の組み合わせが好ましい。
さらに、上記 (Ε)架橋剤としては、硫黄、加熱により硫黄を生成させる化合物、有機 過酸化物、多官能性モノマー、およびシラノールイ匕合物の群力も選ばれた少なくとも 1種が好ましい。
本発明の発泡体用組成物は、上記 (Α)、(Β)および (C)成分の合計量 100重量部 (上記 (Π)の場合は (Α)、(Β)および (C—1)成分の合計量 100重量部)に対し、さら に、(F)軟化剤 0〜300重量部、(G)無機充填剤 0〜300重量部、(H)難燃剤、酸ィ匕 防止剤、軟化剤、滑剤、着色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、熱安定剤、老化防止 剤、加工助剤、耐光 (候)剤および抗菌剤の群カゝら選ばれた少なくとも 1種の他の添 加剤 0〜20重量部を配合してなり、かつこれら (F)、(G)および (H)成分の合計量が
1〜600重量部を配合してもよ!/、。
次に、本発明は、上記記載の発泡体用組成物を圧縮成形する発泡成形体の製造 方法に関する。
ここで、上記圧縮成形としては、多色圧縮成形が好ましい。
この多色圧縮成形では、多色の各々の意匠ごとに仕込み材料である発泡体用組 成物が移動しない目的で堰きが設けられた金型を使用することが好ましい。
さらに、多色圧縮成形としては、金型が少なくとも上型、中間型、下型よりなる 3枚割 以上の型を有し、多色の生地の一つを下型と中間型との間で圧縮して 1分以内で予 備成形したのち、中間型を除き、未充填の意匠部に別の生地を投入し、下型と上型 とで圧縮成形する方法が挙げられる。
多色圧縮成形の場合、異なる色調の生地の投入量は、意匠容積に対し 120%以 内であり、予備成形時に意匠より溢れた部分を除去することが好ましい。
また、本発明の圧縮成形では、用いられる金型のキヤビティー面がフッ素樹脂加工 されていることが好ましい。
さらに、本発明の圧縮成形では、金型意匠と同形態の打ち抜き刃によりあらかじめ 打ち抜かれた生地を金型意匠に投入し圧縮成形することが好ましい。
一方、本発明の圧縮成形として、金型が少なくとも上段、下段よりなる 2枚割り型を 有し多色の生地の一つを下型の所定意匠に投入しノヽンドロールにて意匠部に押し 付け、はみ出し部分は除去し未充填の意匠部に別の生地を投入し、下型と上型とで 圧縮成形する方法もある。
次に、本発明は上記圧縮成形により得られる発泡成形体に関する。
次に、本発明は、上記記載の発泡体用組成物を射出成形またはトランスファ一成 形して得られる発泡成形体に関する。
さらに、上記記載の射出成形、トランスファー成形または圧縮成形により得られる発 泡成形体が靴底であることが好まし 、。
発明の効果
本発明の発泡体用組成物は、厚み精度に優れ、適度な硬度を有し、平滑性に優 れ、さらに熱をかけても流れすぎることのなく(温度に対して鈍感であり、多色成形時
に混色がない)、加工性に優れ、靴底材料や工業材料、装飾用剤、スポーツ保護材 料、プロテクタ材料、介護用材料、建材用材料、日常備品,雑貨用品用材料、玩具 材料、文具材料、電気用品材料などの用途に有用である。さらに、必要に応じ、フッ 素系熱可塑性榭脂を含有することにより、上記本発明の特徴に加え、熱溶融時の増 粘効果が向上して、より優れた力卩ェ性を得ることができる。
上記の本発明の発泡体用組成物は、発泡多色圧縮成形時に混色がなぐ発泡成 形時にエアーポケット (成形加工時脱気が不十分で架橋が十分に掛からず成形外観
•性能を損なう状態)、ェアースコーチ (部分的に過架橋で気泡が発生する状態)など のトラブルがなぐ組成物の混練り後の分出しシーティング肌が美麗なため、金型仕 込み時の生地計量精度が高ぐ混色がなぐさらに発泡サイズの安定した成形が可 能である。
図面の簡単な説明
[0008] [図 1]実施例 7で得られた多色発泡成形体 (多色靴底)の正面図である。
[図 2]比較例 9で得られた多色発泡成形体 (多色靴底)の正面図である。
[図 3]比較例 10で得られた多色発泡成形体 (多色靴底)の正面図である。
[図 4]実施例 7の抜き刃によるカット例で、靴底外側面部分の正面図である。
[図 5]実施例 7の多色発泡成形体 (多色靴底)の製造工程における正面図であり、図 5(ィ)は予備成形後、図 5 (口)はバリ取り後の状態、図 5 (ハ)は得られた成形体、それ ぞれの正面図である。
[図 6]比較例 8の多色発泡成形体 (多色靴底)の製造工程における正面図であり、図 6(ィ)は予備成形後、図 6 (口)はバリ取り後の状態、図 6 (ハ)は得られた成形体、それ ぞれの正面図である。
発明を実施するための最良の形態
[0009] <発泡体用組成物 >
本発明の発泡体用組成物は、上記のように、 (A) l, 2—ポリブタジエン、(B)ビ- ル-シスブタジエンゴム (VCR)、 (C)上記 (A)、 (B)成分以外の熱可塑性重合体、 (
D)発泡剤、および (E)架橋剤を含有する。
[0010] 本発明の発泡体用組成物は、
(I) (A)成分が 10〜90重量%、(B)成分が 90〜10重量%、(C)成分が 0〜50重量 %〔ただし、 (A) + (B) + (C) = 100重量0 /0〕、さらに上記 (A)、 (B)および (C)の合 計 100重量部に対し、(D)発泡剤 0. 5〜20重量部、および (E)架橋剤 0. 02〜20 重量部であり、
(II) (C)成分として、(C— 2)フッ素系熱可塑性榭脂を含み、(A)成分が 10〜: LOO 重量%、(B)成分が 90〜0重量%、(C 1)成分が 0〜50重量%〔ただし、 (C- 1) は (C— 2)を除く(C)成分であり、 (A) + (B) + (C— 1) = 100重量%〕、さらに上記( A)、(B)および (C—1)の合計 100重量部に対し、(C— 2)フッ素系熱可塑性榭脂が 0. 01〜20重量部、(D)発泡剤が 0. 5〜20重量部、および (E)架橋剤が 0. 02〜2 0重量部、
である。
[0011] (A) l. 2—ポリブタジエン
本発明の(A)成分に用いられる 1, 2—ポリブタジエンは、ブタジエン部分の 1, 2- ビュル結合含量が 70%以上のものをいう。ここで、本発明の(A) 1, 2 ポリブタジェ ンは、 60°C〜 + 10°C、好ましくは 50°C〜0°C、さらに好ましくは、 50°C〜一 1 0°Cのガラス転移温度を有する。
本発明の組成物において、(A)、 (B)成分の合計が 100重量%あるいは、(A)成 分が 100重量0 /0のように、(C)成分を含まないものは、ランニングシューズ、ジョッギン グシューズ、競技用シューズ、ゴルフシューズ、ベースボールシューズ底、サッカーシ ユーズ底、ヒールリフト、玩具、文具、建材、 日用雑貨、発泡成形用途、フィルム 'シ一 ト成形用途などに有用である。
また、本発明の組成物において、 (A) + (B) + (C)成分の合計あるいは (A) + (C) 成分の合計が 100重量0 /0である熱可塑性エラストマ一とのブレンド系のものは、イン ジェクシヨンシューズ底(発泡、非発泡)、ユニットノール、ヘップサンダル、スポーツシ ユーズ底、カジュアルシューズ底、玩具、保護具、文具、建材、 自動車部品、電気部 品、 日用雑貨、フィルム ·シート成形用途などに有用である。
[0012] 本発明の特定のガラス転移温度を有する (A) 1, 2—ポリブタジエンは、結晶化度 力 S5%以上であるシンジオタクチック 1, 2 ポリブタジエン(以下「シンジオタクチック 1
, 2 ポリブタジエン」ともいう)や、 1, 3 ブタジエンを水性媒体中でスラリー重合す ることによって得られるもの(以下「後者の (A) l, 2—ポリブタジエン」ともいう)が好ま しい。
[0013] このうち、前者の本発明に用いられる(Α)シンジオタクチック 1, 2 ポリブタジエン は、例えば、 1, 2 結合含有量が 70%以上のものであり、例えば、コバルト化合物 およびアルミノォキサンを含有する触媒の存在下に、ブタジエンを重合して得られる ものである力 この製造方法に限定されるものではない。
[0014] 本発明に用いられる(Α)シンジオタクチック 1, 2 ポリブタジエンのブタジエン結合 単位における 1, 2 結合含有量は、通常、 70%以上、好ましくは 80%以上、さらに 好ましくは 90%以上である。 1, 2 結合含有量が 70%以上であることにより、当該 1 , 2 ポリブタジエンが良好な熱可塑性エラストマ一としての性質が発揮される。
[0015] 本発明に用いられる(Α)シンジオタクチック 1, 2 ポリブタジエンは、ブタジエン以 外の共役ジェンが少量共重合して 、てもよ 、。ブタジエン以外の共役ジェンとしては 、 1, 3 ペンタジェン、高級アルキル基で置換された 1, 3 ブタジエン誘導体、 2- アルキル置換 1, 3 ブタジエンなどが挙げられる。
このうち、高級アルキル基で置換された 1, 3 ブタジエン誘導体としては、 1 ペン チルー 1, 3 ブタジエン、 1一へキシルー 1, 3 ブタジエン、 1一へプチルー 1, 3— ブタジエン、 1ーォクチル 1, 3 ブタジエンなどが挙げられる。
[0016] ここで、 2 アルキル置換 1, 3 ブタジエンの代表的なものは、 2—メチルー 1, 3 ブタジエン(イソプレン)、 2 ェチルー 1, 3 ブタジエン、 2 プロピル 1, 3 ブ タジェン、 2 イソプロピル 1, 3 ブタジエン、 2 ブチルー 1, 3 ブタジエン、 2 —イソブチル 1, 3 ブタジエン、 2 ァミル一 1, 3 ブタジエン、 2—イソァミル一 1 , 3 ブタジエン、 2 へキシル 1, 3 ブタジエン、 2 シクロへキシル 1, 3 ブ タジェン、 2 イソへキシルー 1, 3 ブタジエン、 2 へプチルー 1, 3 ブタジエン、 2 イソへプチルー 1, 3 ブタジエン、 2—ォクチルー 1, 3 ブタジエン、 2 イソォ クチルー 1, 3 ブタジエンなどが挙げられる。これらの共役ジェンのなかで、ブタジ ェンと共重合される好ましい共役ジェンとしては、イソプレン、 1, 3 ペンタジェンが 挙げられる。重合に供される単量体成分中のブタジエンの含有量は 50モル%以上、
特には 70モル%以上が好ましい。
[0017] 本発明で用いられる(A)シンジオタクチック 1, 2—ポリブタジエンは、上述したよう に、例えば、コバルト化合物およびアルミノォキサンを含有する触媒の存在下に、ブ タジェンを重合して得られる。上記コバルト化合物としては、好ましくは炭素数 4以上 のコバルトの有機酸塩を挙げることができる。このコバルトの有機酸塩の具体例として 、酪酸塩、へキサン酸塩、ヘプチル酸塩、 2—ェチルへキシル酸などのォクチル酸塩 、デカン酸塩や、ステアリン酸、ォレイン酸、エル力酸などの高級脂肪酸塩、安息香 酸塩、トリル酸塩、キシリル酸塩、ェチル安息香酸などのアルキル、ァラルキル、ァリ ル置換安息香酸塩やナフトェ酸塩、アルキル、ァラルキルもしくはァリル置換ナフトェ 酸塩を挙げることができる。これらのうち、 2—ェチルへキシル酸のいわゆるオタチル 酸塩や、ステアリン酸塩、安息香酸塩が、炭化水素溶媒への優れた溶解性のために 好ましい。
[0018] 上記アルミノォキサンとしては、例えば下記一般式 (I)または一般式 (Π)で表される ものを挙げることができる。
R
(Π)
(OAl)m+2 R
[0020] この一般式 (I)ある!/、は (II)で表されるアルミノォキサンにぉ 、て、 Rはメチル基、ェ チル基、プロピル基、ブチル基などの炭化水素基であり、好ましくはメチル基、ェチル
基であり、特に好ましくはメチル基である。また、 mは、 2以上、好ましくは 5以上、さら に好ましくは 10〜: L 00の整数である。アルミノォキサンの具体例としては、メチルアル ミノォキサン、ェチルアルミノォキサン、プロピルアルミノォキサン、ブチルアルミノォキ サンなどを挙げることができ、メチルアルミノォキサンが特に好まし!/、。
[0021] 重合触媒は、上記コバルト化合物とアルミノォキサン以外に、ホスフィン化合物を含 有することが極めて好ましい。ホスフィンィ匕合物は、重合触媒の活性化、ビニル結合 構造および結晶性の制御に有効な成分であり、好ましくは下記一般式 (ΠΙ)で表され る有機リンィ匕合物を挙げることができる。
[0022] P (Ar) (R,) ' · · ·(ΠΙ)
一般式 (III)中、 Arは下記で示される基を示す。
[0023]
[0024] (上記基において、 R1, R2, R3は、同一または異なって、水素原子、炭素数が好まし くは 1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数が好ましくは 1〜6のアルコキシ基また は炭素数が好ましくは 6〜 12のァリル基を表す。 )
また、一般式 (ΠΙ)中、 R'はシクロアルキル基、アルキル置換シクロアルキル基を示 し、 nは 0〜3の整数である。
[0025] 一般式 (ΠΙ)で表されるホスフィンィ匕合物としては、具体的に、トリ(3—メチルフ -
ル)ホスフィン、トリ(3—ェチルフエ-ル)ホスフィン、トリ(3, 5—ジメチルフエ-ル)ホ スフイン、トリ(3, 4—ジメチルフエ-ル)ホスフィン、トリ(3—イソプロピルフエ-ル)ホス フィン、トリ(3— t—ブチルフエ-ル)ホスフィン、トリ(3, 5—ジェチルフエ-ル)ホスフ イン、トリ(3—メチルー 5—ェチルフエ-ル)ホスフィン)、トリ(3—フエ-ルフエ-ル)ホ スフイン、トリ(3, 4, 5—トリメチルフエ-ル)ホスフィン、トリ(4—メトキシ一 3, 5—ジメ チルフエ-ル)ホスフィン、トリ(4—エトキシ一 3, 5—ジェチルフエ-ル)ホスフィン、ト リ(4—ブトキシ一 3, 5—ジブチルフエ-ル)ホスフィン、トリ(p—メトキシフエ-ルホスフ イン)、トリシクロへキシルホスフィン、ジシクロへキシルフェ-ルホスフィン、トリベンジ ルホスフィン、トリ(4—メチルフエ-ルホスフイン)、トリ(4—ェチルフエ-ルホスフィン) などを挙げることができる。これらのうち、特に好ましいものとしては、トリフエニルホス フィン、トリ(3—メチルフエ-ル)ホスフィン、トリ(4—メトキシ一 3, 5—ジメチルフエ- ル)ホスフィンなどが挙げられる。
[0026] また、コバルト化合物として、下記一般式 (IV)で表される化合物を用いることができ る。
[0027] [化 3]
[0028] 上記一般式 (IV)で表される化合物は、塩化コバルトに対し上記一般式 (III)にお 、 て nが 3であるホスフィン化合物を配位子に持つ錯体である。このコバルトィ匕合物の使 用に際しては、あら力じめ合成したものを使用してもよいし、あるいは重合系中に塩 化コバルトとホスフィンィ匕合物を接触させる方法で使用してもよい。錯体中のホスフィ ン化合物を種々選択することにより、得られるシンジオタクチック 1, 2—ポリブタジェ
ンの 1, 2—結合の量、結晶化度の制御を行なうことができる。
[0029] 上記一般式 (IV)で表されるコバルト化合物の具体例としては、コバルトビス(トリフエ -ルホスフィン)ジクロライド、コバルトビス〔トリス(3—メチルフエ-ルホスフィン)〕ジク 口ライド、コバルトビス〔トリス(3—ェチルフエ-ルホスフイン)〕ジクロライド、コバルトビ ス〔トリス(4—メチルフエ-ルホスフイン)〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス(3, 5—ジメ チルフエ-ルホスフイン)〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス(3, 4—ジメチルフエ-ルホ スフイン)〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス(3—イソプロピルフエ-ルホスフィン)〕ジク 口ライド、コバルトビス〔トリス(3— t—ブチルフエ-ルホスフイン)〕ジクロライド、コバルト ビス〔トリス(3, 5—ジェチルフエ-ルホスフイン)〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス(3 —メチルー 5—ェチルフエ-ルホスフィン)〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス(3—フエ -ルフエ-ルホスフイン)〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス(3, 4, 5—トリメチルフエ- ルホスフイン)〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス(4—メトキシ一 3, 5—ジメチルフエ- ルホスフイン)〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス(4—エトキシ一 3, 5—ジェチルフエ- ルホスフイン)〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス(4 ブトキシ 3, 5—ジブチルフエ- ルホスフィン)〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス(4—メトキシフエ-ルホスフィン)〕ジク 口ライド、コバルトビス〔トリス(3—メトキシフエ-ルホスフイン)〕ジクロライド、コバルトビ ス〔トリス(4—ドデシルフェ-ルホスフィン)〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス(4—ェチ ルフエ-ルホスフィン)〕ジクロライドなどを使用することができる。
[0030] これらのうち、特に好ましいものとしては、コバルトビス(トリフエ-ルホスフィン)ジクロ ライド、コバルトビス〔トリス(3—メチルフエ-ルホスフイン)〕ジクロライド、コバルトビス〔 トリス(3, 5—ジメチルフエ-ルホスフイン)〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス(4—メトキ シ 3, 5—ジメチルフエ-ルホスフイン)〕ジクロライドなどが挙げられる。
[0031] 触媒の使用量は、ブタジエン単独重合の場合は、ブタジエン 1モル当たり、共重合 する場合は、ブタジエンとブタジエン以外の共役ジェンとの合計量 1モル当たり、コバ ノレ卜ィ匕合物を、 =3ノ ノレ卜原子換算で 0. 001〜1ミジモノレ、好ましくは 0. 01〜0. 5ミジモ ル程度使用する。また、ホスフィンィ匕合物の使用量は、コバルト原子に対するリン原 子の比(PZCo)として、通常、 0. 1〜50、好ましくは 0. 5〜20、さらに好ましくは 1〜 20である。さらに、アルミノォキサンの使用量は、コバルトィ匕合物のコバルト原子に対
するアルミニウム原子の比(Al/Co)として、通常、 4〜107、好ましくは 10〜106であ る。なお、一般式 (IV)で表される錯体を用いる場合は、ホスフィンィ匕合物の使用量が コバルト原子に対するリン原子の比(PZCo)が 2であるとし、アルミノォキサンの使用 量は、上記の記載に従う。
[0032] 重合溶媒として用いられる不活性有機溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キ シレン、クメンなどの芳香族炭化水素溶媒、 n—ペンタン、 n—へキサン、 n—ブタンな どの脂肪族炭化水素溶媒、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロへキサンな どの脂環族炭化水素溶媒およびこれらの混合物が挙げられる。
[0033] 重合温度は、通常、—50〜120°Cで、好ましくは 20〜100°Cである。
重合反応は、回分式でも、連続式でもよい。なお、溶媒中の単量体濃度は、通常、 5〜50質量%、好ましくは 10〜35質量%である。
また、重合体を製造するために、本発明の触媒および重合体を失活させないため に、重合系内に酸素、水あるいは炭酸ガスなどの失活作用のある化合物の混入を極 力なくすような配慮が必要である。重合反応が所望の段階まで進行したら反応混合 物をアルコール、その他の重合停止剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤な どを添加し、次いで通常の方法に従って生成重合体を分離、洗浄、乾燥して本発明 に用 、られるシンジオタクチック 1, 2—ポリブタジエンを得ることができる。
[0034] 一方、後者の (A) 1, 2 ポリブタジエンは、例えば、特公平 3— 76326号公報〔製 造方法(1)〕記載の 1, 3 ブタジエンの水系重合によって得ることができる。
製造方法(1)によれば、あらかじめコバルト化合物 (ィ)と周期律表第 ΠΙ族の金属の 水素化金属化合物(口)とを、(ィ)に対し 1〜: L00倍モルの共役ジェンの存在下で接 触させて得られた触媒に、二硫化炭素、フエ-ルイソチアン酸およびキサントゲンィ匕 合物から選ばれた少なくとも 1種を共存させた触媒系の存在下で 1 , 3 ブタジエンな どの共役ジェンを水系にお 、て重合させる。
以上の製造方法(1)の詳細は、特公平 3— 76326号公報第 3欄第 41行〜第 7欄 第 29行に詳述されている。
[0035] また、本発明の後者の (A) 1, 2 ポリブタジエンは、例えば、特公平 5— 86411号 公報〔製造方法 (2)〕記載の懸濁重合法によって得ることができる。
この製造方法 (2)では、
工程 (I) :水中に、乳化剤の存在下において、第一の触媒成分溶液を乳化分散させ てェマルジヨンとし、この第一の触媒成分を溶液よりなる微小な油滴群を形成させ、 工程 (Π):工程 (I)において得られた系内に共役ジェン単量体(1, 3 ブタジエン) を加え、さらに第二の触媒成分を加えて重合を行なう。
ここで、第一の触媒成分溶液は、(ィ)コバルトィ匕合物と (口)周期律表第 Π族〜第 III 族の金属によって形成される有機金属化合物もしくは水素化合物とを、上記 (ィ)コバ ルト化合物に対して 1〜 1000倍モルの(ハ)共役ジェンィ匕合物の存在下において接 虫させること〖こよって得られる。
また、上記第二の触媒成分は、(二)二硫ィ匕炭素、フエ二ルイシチオシアン酸および キサントゲンィ匕合物より選択される少なくとも一種の化合物よりなる。
以上の製造方法 (2)の詳細は、特公平 5— 86411号公報第 3欄第 36行〜第 10欄 第 6行に詳述されている。
[0036] さらに、本発明の後者の (A) 1, 2 ポリブタジエンは、特開平 6— 25311号公報〔 製造方法(3)〕記載のシンジオタクチック 1 , 2 ポリブタジエンの懸濁重合法によつ てち得ることがでさる。
この懸濁重合法について、上記特許公開公報を準用して、以下に説明する。
[0037] すなわち、製造方法 (3)は、遷移金属化合物、 Ι〜ΠΙ族の有機金属化合物、ならび に、二硫化炭素、イソチォシアン酸フエ-ルおよびキサントゲン酸ィ匕合物力 なる群 から選ばれた化合物からなる触媒を用い、水性媒質中で 1, 3 ブタジエンを懸濁重 合することにより、シンジオタクチック 1, 2—ポリブタジエンの粒子を得る方法であ つて、(a)比重 1.1以上の高比重不活性有機溶媒を水性媒質中に共存させ、かつ、(b )高比重不活性有機溶媒の量の割合を、 1, 3 ブタジエン 100容量部に対し 10〜1 00容量部とし、かつ、(c)アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、および-トリルか らなる群より選ばれる 1種または 2種以上の化合物 (第 4成分)を上記水性媒質に共 存させて重合を行う、シンジオタクチック 1, 2—ポリブタジエンの懸濁重合法である (製造方法 (3)の特許請求の範囲第 1項)。 (ここで、懸濁重合法によるシンジオタク チック 1, 2—ポリブタジエンを、以下「SPB」ともいう。 )
[0038] 製造方法 (3)では、水性媒質中に塩化メチレンなどの高比重不活性有機溶媒を共 存させることにより、 1, 3—ブタジエンや触媒など力もなる有機相の比重を高くする。 さらに、第 4成分を共存させる。これにより、強力な機械的剪断力なしに、所望の融点 をもった小粒径の SPBを得ることができるようにする。
[0039] ここで、製造方法(3)において、水性媒質には、水に塩ィ匕カルシウムなどの無機塩 やポリビニルアルコールなどの分散剤、および必要に応じて界面活性剤を溶解もしく は分散させたものなど、通常、懸濁重合で使用されるものを用いることができる。分散 剤の割合は、水 100重量部に対して、 0.01〜1重量部の範囲が好ましい。また、水 の割合は、 1, 3—ブタジエン 1モルに対し 1〜30モルの範囲が好ましい。
[0040] 高比重不活性有機溶媒は、比重が 1.1以上の有機溶媒であって、重合温度にあつ ては 1, 3—ブタジエンや触媒成分と殆ど反応しないものをいう。このようなものとして は、塩化メチレン、四塩化炭素、クロ口ホルム、ブロモホルム、トリクレンなどのハロゲン ィ匕脂肪族炭化水素、クロ口ベンゼン、ブロモベンゼン、クロ口トルエン、ジクロロべンゼ ン、ジブロモベンゼン、へキサクロ口ベンゼン、へキサフノレオ口ベンゼンなどのハロゲ ン化芳香族炭化水素、クロ口フエノール、ブロモフエノール、ペンタクロロフエノール、 ペンタブロモフエノールなどのハロゲン化フエノール、ジメチルスルホキシドなどのス ルホキシド類、ジメチル硫酸ゃジェチル硫酸などの硫酸ジエステル類などが好ましく 用いられる。
[0041] 水性媒質中に共存させる高比重不活性有機溶媒は、重合系中の 1, 3—ブタジェ ン 100容量部に対して 10〜: LOO容量部、好ましくは 20〜80容量部、特に好ましくは 40〜60容量部の範囲である。 1, 3—ブタジエンに対する高比重不活性有機溶媒の 割合が 100容量部を超えると、ポリマーの生産性が低下する点で好ましくなぐ 10容 量部よりも少な 、と粒径の大きな SPB粒子が生成しやすくなるので好ましくな 、。
[0042] 製造方法 (3)においては、さらに、第 4成分を上記の水性媒質に添加する。第 4成 分としては、アルコールゃケトン、アルデヒド、エステル、および-トリルカ なる群から 選ばれた 1種または 2種以上の化合物を用いることができる。
第 4成分の添加量は、第 4成分として用いる化合物の種類に応じて適宜調節できる 。以下、各々の化合物について説明する。
[0043] アルコールとしては、 n—ブチルアルコール、 sec ブチルアルコール、 tert—ブチ ルアルコール、ペンチルアルコール、へキサノール、ォクタノールなどの脂肪族アル コール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロへキサノール、シクロドデカノー ルなどの脂環式アルコール、ベンジルアルコール、ジフエ-ルカルビノール、シンナミ ノレァノレコーノレ、 o ァニスァノレコーノレ、 m ァニスァノレコーノレ、 p ァニスァノレコーノレ などの芳香族アルコールなどが好ましく用いられる。
[0044] ケトンとしては、例えばアセトン、ァセチルアセトン、メチルェチルケトン、メチルプロ ピルケトン、イソプロピルメチルケトン、ブチルメチルケトン、イソブチルメチルケトン、ピ ナコロン、ジェチルケトン、プチロン、ジイソプロピルケトン、ジイソプチルケトンなどの 脂肪族ケトンや、シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロへキサノン、シクロドデカノン などの脂環式ケトン、ァセトフエノン、プロピオフエノン、ブチロフエノン、ノ レ口フエノン 、ベンゾフエノン、ジベンジルケトン、ァセトナフトンなどの芳香族ケトンなどが用いら れる。
[0045] アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、ァセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブ チルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、ピバ リンアルデヒド、カプロンアルデヒド、ヘプトアルデヒド、力プリルアルデヒド、ペラルゴン アルデヒド、力プリンアルデヒド、ゥンデシルアルデヒド、ラウリンアルデヒド、トリデシル アルデヒド、ミスチンアルデヒド、ペンタデシルアルデヒド、パルミチンアルデヒド、ステ ァリルアルデヒドなどの脂肪族アルデヒドや、ダリオキザール、スクシンアルデヒドなど の脂肪族ジアルデヒド、ベンズアルデヒド、 o トルアルデヒド、 m トルアルデヒド、 p トルアルデヒド、サリチルアルデヒド、 α ナフトェアルデヒド、 j8—ナフトェアルデ ヒド、 o ァニスアルデヒド、 m—ァニスアルデヒド、 p ァニスアルデヒド、シンナムァ ルデヒドなどの芳香族アルデヒドなどが用いられる。
[0046] エステルとしては、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、吉草酸ェ ステル、カプロン酸エステル、ェナント酸エステル、力プリル酸エステル、ペラルゴン 酸エステル、ゥンデシル酸エステルなどの飽和脂肪酸エステル、クロトン酸エステル、 イソクロトン酸エステル、ゥンデシレン酸エステル、ォレイン酸エステルなどの不飽和 脂肪酸エステル、安息香酸エステル、フエニル酢酸エステルなどの芳香族カルボン
酸エステル、およびァセト酢酸エステルなどのケト酸エステルなどが用いられる。
[0047] 二トリルとしては、ァセトニトリル、ベンゾ-トリル、アクリロニトリル、プロピオ-トリルな どが用いられる。
[0048] 製造方法 (3)では、触媒としては、遷移金属化合物、 Ι ΠΙ族の有機金属化合物、 ならびに、二硫化炭素、フエ-ルイソチオシアン酸およびキサントゲン力 なる群から 選ばれる化合物(以下「二硫化炭素等」と略す)力もなるものを用いることができる。遷 移金属化合物は、 1, 3 ブタジエン 1モルに対し、遷移金属原子が 0.01 0.0000
1モルの範囲になるようにすることが好ましい。遷移金属化合物と i m族の有機金 属化合物の割合は、 0.1 500 (モル7モル)の範囲が好ましぃ。二硫化炭素等の添 加量は、遷移金属原子に対し等モル以上の範囲が好ま
[0049] 遷移金属化合物としては、コバルト、チタニウム、ある 、はニッケルの塩ゃ錯体が好 ましく用いられる。特に好ましいものは、塩化コバルト、臭化コバルト、硝酸コバルト、 ォクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、酢酸コバルト、マロン酸コバルトなどのコバ ルト塩や、コバルトのビスァセチルァセトネートやトリスァセチルァセトネート、ァセト酢 酸ェチルエステルコバルト、ハロゲン化コバルトのトリアリールフォスフィン錯体ゃトリ アルキルフォスフィン錯体、もしくはピリジン錯体ゃピコリン錯体などの有機塩基錯体 、もしくはエチルアルコール錯体などが挙げられる。
[0050] Ι ΠΙ族の有機金属化合物としては、有機リチウムや有機マグネシウム、有機アルミ
-ゥムなどが用いられる。これらの化合物のうちで特に好ましいのは、トリアルキルァ ルミ-ゥムゃジアルキルアルミニウムクロライド、ジアルキルアルミニウムブロマイド、ァ ルキルアルミニウムセスキク口ライド、アルキルアルミニウムセスキブロマイドなどである
[0051] 製造方法(3)の懸濁重合法は、例えば以下の手順に従って行うことができる。
まず、 1, 3 ブタジエンと遷移金属化合物および有機金属化合物を接触させ、熟 成させる。熟成温度は 60 50°Cの範囲が好ましい。熟成の際、トルエンやべンゼ ン、キシレン、 n キサン、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、あるいはケロシンな どの炭化水素系溶媒や、塩化メチレンなどのハロゲンィ匕炭化水素系溶媒などが共存 していてもよい。ただし、これらの溶媒は、熟成温度において、 1, 3 ブタジエンゃ遷
移金属化合物、有機金属化合物と反応するものであってはならない。熟成工程で得 られた熟成液を、次に分散媒中に分散させる。
高比重不活性有機溶媒は、分散媒中に予め分散させておいてもよぐ熟成液を分 散媒中に添加してから加えてもよい。ただし、第 4成分は、予め分散媒中に共存させ ておく必要がある。最後に、二硫ィ匕炭素等を加え、懸濁重合を開始する。
二硫化炭素等は予め分散媒中に分散させてもよぐ高比重不活性有機溶媒ととも に加えてもよぐ最後にカロえてもよい。
[0052] なお、本発明では、 1, 3 ブタジエン以外の共役ジェンを 10重量%以下程度併用 することもできる。本発明で用いられる 1, 3 ブタジエン以外の共役ジェンとしては、 4 -アルキル置換— 1, 3 ブタジエン、 2 -アルキル置換— 1, 3 ブタジエンなどが 挙げられる。このうち、 4 アルキル置換一 1, 3 ブタジエンとしては、 1, 3 ペンタ ジェン、 1, 3 へキサジェン、 1, 3 へブタジエン、 1, 3—ォクタジェン、 1, 3 ノナ ジェン、 1, 3 デカジエンなどが挙げられる。また、 2 アルキル置換— 1, 3 ブタ ジェンの代表的なものは、 2—メチル 1, 3 ブタジエン(イソプレン)、 2 ェチルー 1, 3 ブタジエン、 2 プロピル 1, 3 ブタジエン、 2 イソプロピル 1, 3 ブタ ジェン、 2 ブチルー 1, 3 ブタジエン、 2 イソブチルー 1, 3 ブタジエン、 2 ァ ミノレー 1, 3 ブタジエン、 2—イソアミノレ一 1, 3 ブタジエン、 2 へキシル 1, 3- ブタジエン、 2 シクロへキシルー 1, 3 ブタジエン、 2 イソへキシルー 1, 3 ブタ ジェン、 2 へプチルー 1, 3 ブタジエン、 2 イソへプチルー 1, 3 ブタジエン、 2 ーォクチルー 1, 3 ブタジエン、 2 イソォクチルー 1, 3 ブタジエンなどが挙げら れる。これらの共役ジェンのなかで、 1, 3 ブタジエンと混合して用いられる好ましい 共役ジェンとしては、イソプレン、 1, 3 ペンタジェンが挙げられる。
[0053] 以上の製造方法によって得られる 1, 2 ポリブタジエンは、 1, 2 ビュル結合含量 力 S 70%以上、好ましくは 85%以上、さらに好ましくは 90%以上である。
また、本発明で得られる 1, 2 ポリブタジエンの結晶化度は、 5%以上、好ましくは 15〜40%、さらに好ましくは 20〜35%である。 5%未満では、軟質かつ耐摩耗性が 損なわれ実用性に乏しぐ一方、 40%を超えると、成形機を用いて加工する際、 180 °C以上の温度を必要とし、 1, 2—ポリブタジエンの熱安定性が損なわれるため好まし
くない。
結晶化度は、重合温度などにより調整することができる。
さらに、本発明で得られる 1, 2—ポリブタジエンの分子量は、ポリスチレン換算の重 量平均分子量で、通常、 10万〜 60万である。 10万未満では、強度的性質に劣り、 一方、 60万を超えるとカ卩ェ性が劣るようになる。分子量は、重合の温度やモノマー(1 , 3—ブタジエン)濃度により調整することができる。
[0054] このようにして得られる本発明の (A) 1, 2 ポリブタジエンは、ガラス転移温度 (Tg )が、— 60°C〜 + 10°C、好ましくは一 50〜0°C、さらに好ましくは、 50°C〜一 10°C である。 60°C未満では、力学強度が損なわれ、一方、 + 10°Cを超えると、耐寒性 が損なわれ好ましくない。
ここで、ガラス転移温度は、重合触媒、重合温度により調整することができる。
[0055] なお、本発明に用いられる (A) 1, 2 ポリブタジエンは、その融点 (Tm)とガラス転 移温度 (Tg)との関係が下記式(1)を満足することが好ましい。
120≤ (Tm— Tg)≤ 160 · · · · (1)
(Tm— Tg)は、さらに好ましくは 125〜155の範囲である。
(Tm—Tg)を上記範囲内とすることにより、成形加工性良好かつ、耐寒性、耐寒衝 撃性、耐摩耗性に優れるという効果が得られる。
上記式 (1)を満足させるには、重合条件 (触媒、融点調節剤、溶剤、重合温度)を 選ぶ必要がある。
[0056] なお、本発明に用いられる (A) 1, 2 ポリブタジエンは、単独で、架橋を行わない 状態でも十分な強度が得られるため、射出成形、押し出し成形など工業部品ゃフィ ルム用途などの非架橋成形用途に好適である。その際、加工方法としては特に制限 はなぐ通常の榭脂、ゴムカ卩ェ時に用いられるロール、ニーダー、バンバリ一ミキサー 、スクリュー押出機、フィーダ一ルーダー押出機などを用いた溶融混練りなどによる 混合が可能である。
[0057] (八')油展1. 2 ポリブタジエン
なお、本発明に用いられる(A) l, 2—ポリブタジエンは、あらかじめ油展して、(Α' ) 油展 1, 2—ポリブタジエンとして使用することもできる。
ここで、(Α' )油展 1, 2—ポリブタジエンを調製するために用いる伸展油としては、 ジェン系重合体に対して通常用いられる伸展油や軟化剤であれば特に制限はな 、 力 例えば、鉱物油系の伸展油を好適例として挙げることができる。
[0058] 鉱物油系の伸展油としては、好ましくは粘度比重恒数 (または粘度比重定数という 。以下、 V. G. C.と略す。)で 0. 790〜0. 999、さらに好ましくは V. G. C.力 0. 79 0〜0. 949、特に好ましく ίま V. G. C.力 0. 790〜0. 912のものである。
伸展油としては、一般にァロマティック系伸展油、ナフテン系伸展油、ノ フィン系 伸展油が知られている。
[0059] このうち、上記粘度比重恒数を満たすァロマティック系伸展油としては、出光興産 社製の、ダイアナプロセスオイル AC— 12, AC460, AH— 16, AH— 58、エツソ 'モ 一ビル社製の、モービルゾール K, 同 22,同 130、 日鉱共石社製の、共石プロセス X 50, X100, X140、シェルィ匕学社製の、レゾックス No. 3、デュートレックス 729UK、 新曰本石油社製の、コゥモレックス 200, 300, 500, 700、エツソ 'モービル社製の、 エツソプロセスオイル 110,同 120、新日本石油社製の三菱 34ヘビープロセス油、三 菱 44ヘビープロセス油、三菱 38ヘビープロセス油、三菱 39ヘビープロセス油などが 挙げられる。
[0060] また、上記粘度比重恒数を満たすナフテン系伸展油としては、出光興産社製の、ダ ィアナプロセスオイル NS— 24, NS- 100, NM- 26, NM— 280, NP— 24、エツ ソ 'モービル社製のナプレックス 38、富士興産社製の、フッコール FLEX# 1060N, # 1150N, # 1400N, # 2040N, # 2050N、 曰鉱共石社製の、共石プロセス R2 5, R50, R200, R1000、シェルィ匕学社製の、シェルフレックス 371JY,同 371N, 同 451,同 N— 40,同 22,同 22R,同 32R, 同 100R,同 100S,同 100SA,同 220 RS,同 220S,同 260,同 320R,同 680、新日本石油社製のコゥモレックス 2号プロ セスオイル、エツソ 'モービル社製の、エツソプロセスオイル L— 2,同 765、新日本石 油社製の三菱 20ライトプロセス油などが挙げられる。
[0061] さらに、上記粘度比重恒数を満たすパラフィン系伸展油としては、出光興産社製の 、ダイアナプロセスオイル PW— 90, PW- 380, PS - 32, PS - 90, PS-430,富 士興産社製の、フッコールプロセス P— 100, P- 200, P- 300, P400, P— 500、
日鉱共石社製の、共石プロセス P— 200, P- 300, P- 500,共石 EPT750,同 10 00,共石プロセス S90、シェルィ匕学社製の、ルブレックス 26,同 100,同 460、エツソ 'モービル社製の、エツソプロセスオイル 815, 同 845, 同 B— 1、エツソ 'モービル社 製のナブレックス 32、新日本石油社製の三菱 10ライトプロセス油などが挙げられる。
[0062] このように、 (A) l, 2—ポリブタジエンが伸展油によって油展されていることにより、 カーボンブラック、シリカなどの充填剤を (A) l, 2—ポリブタジエンに均一に微分散さ せることが可能になり、加工性や成形体である靴底の諸特性を著しく向上させること ができる。また、これにより、驚くべきことに、得られる (Α' )油展 1, 2—ポリブタジエン や成形体である靴底の機械的強度、特に耐摩耗性を向上させることができる。
[0063] 本発明に用いられる伸展油の配合量は、(A) l, 2—ポリブタジエン 100重量部に 対して、 1〜200重量部、好ましくは 10〜100重量部、さらに好ましくは 15〜80重量 部、特に好ましくは 20〜70重量部である。 1重量部未満では、耐摩耗性向上効果や 加工性に乏しぐ一方、 200重量部を超えると、著しく軟質化し加工性に劣る。
[0064] 油展方法としては特に制限はなぐ例えば、(A) 1, 2—ポリブタジエンの重合溶液 に伸展油を添加し、溶液状態で混合する方法を挙げることができる。この方法は、操 作上、 1, 2—ポリブタジエンと伸展油とを混合する過程を省略することができ、両者 の混合均一性に優れる点カゝら好ましい。重合体溶液に伸展油を添加する場合は、重 合の終了後、例えば、末端変性剤の添加後または重合停止剤の添加後が好ましい。 有機溶剤を含む重合体溶液中に、伸展油を必要量添加して、溶液状態でよく混合 する(第 1工程)。次に、(1)伸展油を含む重合体溶液中にスチームを吹き込むスチ 一ムストリツビング法によってクラムを得るか、ある 、は(2)伸展油を含む重合体溶液 をエタストルーダー、デボラチライザ一などの手段により、直接、脱溶剤を行なって、 油展 1, 2—ポリブタジエンと溶剤とを分離する(第 2工程)。得られた油展 1, 2—ポリ ブタジエンは、必要に応じて、真空乾燥機、熱風乾燥機やロールなどにより乾燥し( 第 3工程)、 目的とする (Α' )油展 1, 2—ポリブタジエンを単離することができる。 また、油展方法として、 (A) l, 2—ポリブタジエンと伸展油とを溶融状態でブレンド して、(Α' )油展 1, 2—ポリブタジエンを調製することもできる。この場合、ブレンド方 法としては、単軸押し出し機、二軸押し出し機、バンバリ一、ロール、ニーダー、ブラ
ストミルなどが採用され、溶融混練温度は 140〜160°Cが好適である。
[0065] このような (Α' )油展 1, 2 ポリブタジエンと、後記する(B)、 (C)成分とを組み合わ せることにより得られる組成物は、流動性に優れるので、圧縮成形、射出成形機また はトランスファー成形機を用いて、金型内に該組成物をスムーズに充填することが可 能である。しかも、金型を加熱することにより得られる (架橋)発泡体は、高発泡倍率 であって、均一で微細な泡構造を有する。このような成形体 (架橋体および Ζまたは 発泡体を含む)からなる靴底材料は、機械的強度 (Τ , Ε )、層間引き裂き強度、圧
Β Β
縮永久歪み、耐ウエットスキッド性に優れて 、る。
(Α)成分の市販品としては、 JSR社製 RB805、 RB810、 RB820、 RB830などが 知られている。
[0066] (B)ビニル ·シスブタジエンゴム
(B)成分であるビュル'シスブタジエンゴム(以下「VCR」ともいう)は、沸騰 n—へキ サン不溶分; 1〜25重量%で、沸騰 n—へキサン可溶分; 99〜75重量%であるビ- ル'シスブタジエンゴムであることが好ましい。沸騰 n—へキサン不溶分はシンジオタ クチック 1, 2 ポリブタジエンであり、沸騰 n—へキサン可溶分は高シス 1, 4 ポリ ブタジエンであり、ミクロ構造はシス 1, 4構造が 90重量%以上であることが好まし V、。ここで 、う沸騰 n—へキサン不溶分とは VCRを沸騰 n—へキサン中に還流したと きに不溶分として回収される部分をいい、沸騰 n—へキサン可溶分とは VCRを沸騰 n へキサン中で還流したときに溶解する部分である。沸騰 n—へキサン不溶分はテト ラリン溶液で測定した還元粘度(135°C,濃度 0. 20gZdlテトラリン溶液)が 0. 5〜4 であり,好ましくは 0. 8〜3の範囲である。沸騰 n—へキサン不溶分の還元粘度が 0. 5より小さいときには、配合物のダイスゥエルが十分改善されない。一方、沸騰 n—へ キサン不溶分の還元粘度が 4より大きい場合、重合時にシンジオタクチック 1, 2 ポ リブタジエンが高シス 1, 4 ポリブタジエン中で凝集塊を形成するようになり分散 不良を起こして加工性や耐久性が低下してこの発明の目的を達成できない。また、 沸騰 n—へキサン可溶分の重量平均分子量は 300, 000〜800, 000の範囲である ことが好ましく, 300, 000未満では加硫物の耐久性や反発弾性が低下するので好 ましくない。一方、 800, 000を超えると、配合物ム一-一粘度が高くなりすぎて加工
が困難になるので好ましくない。
[0067] 上記の(B) VCRの製造方法は、例えば特公昭 49— 17666号公報、特公昭 49— 1 7667号公報、特公昭 61— 57858号公報、特公昭 62— 171号公報、特公昭 63— 3 6324号公報、特公平 2— 37927号公報、特公平 2— 38081号公報、特公平 3— 63 566号公報などに記載された方法を用いることができる。ただし、この発明に用いる V CRの製造方法は、これらの方法に限定されるものではな!/、。
なお、(B)成分も、(A)成分と同様に、(Β' )油展 VCRとして用いることができる。
[0068] (C) (Α)、(Β)以外の熱可朔性重合体
ここで、本発明で用いられる (C)成分は、上記 (Α)、 (Β)以外の熱可塑性重合体で ある。
[0069] (C)上記 (A)、 (Β)成分以外の熱可塑性重合体としては、熱可塑性榭脂、熱可塑 性エラストマ一、天然ゴムおよび合成ゴムの群力 選ばれた少なくとも 1種が挙げられ る。また、上記 (Π)のように、(C)成分として (C— 2)フッ素系熱可塑性榭脂を含む場 合は、(C 1) + (C— 2) = (C)であり、(C 1)は (C 2)を除く(C)成分である。
[0070] このうち、上記 (A)、(B)成分以外の熱可塑性榭脂としては、可塑化する温度が 50 〜250°Cの熱可塑性榭脂であれば、特に制限無く使用でき、例えばスチレン系榭脂 (例えば、ポリスチレン、ブタジエン 'スチレン共重合体、アクリロニトリル 'スチレン共重 合体、アクリロニトリル 'ブタジエン 'スチレン共重合体など)、 ABS榭脂、 AES榭脂、 AAS榭脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン プロピレン榭脂、エチレンーェ チルアタリレート榭脂、ポリ塩化ビュル、ポリ塩ィ匕ビユリデン、ポリブテン、ポリカーボネ ート、ポリメチルメタタリレート、などの 1種または 2種以上の混合物が挙げられる。 熱可塑性榭脂の中で好ましいものは、ポリスチレン、ブタジエン 'スチレン共重合体 、アクリロニトリル 'スチレン共重合体、 ABS榭脂、 AES榭脂、 AAS榭脂、ポリエチレ ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビュルである。
[0071] また、熱可塑性エラストマ一としては、例えば、ハードセグメントの化学糸且成による分 類によれば、スチレン系熱可塑性エラストマ一(SBCと略記される。以下、括弧内は 略記号を表す)、ォレフィン系熱可塑性エラストマ一(TPO)、ウレタン系熱可塑性ェ ラストマー(TPU)、エステル系熱可塑性エラストマ一(TPEE)、アミド系熱可塑性ェ
ラストマー (TPAE)などが挙げられる。また、そのほか、塩ビ系熱可塑性エラストマ一 (TPVC)、イオンクラスター型熱可塑性エラストマ一(アイオノマー)、フッ素榭脂を拘 束ブロックとして含むフッ素系熱可塑性エラストマ一などがある。(なお、榭脂/ゴム ブレンドによる熱可塑性エラストマ一のうち、ソフトセグメントとなるゴム分を架橋させな 力 混練し、ゴム分散粒径を細力べすることにより性能を向上させる動的架橋による T POを TPVと言う場合がある。)これら熱可塑性エラストマ一は、 1種または 2種以上の 混合物が挙げられる。
[0072] SBCとして好ましいものは、スチレン一ブタジエン一スチレンブロックコポリマー(SB S)、スチレン一イソプレン一スチレンブロックコポリマー (SIS)、スチレン一エチレン' ブチレン スチレンブロックコポリマー(SEBS)、官能基付与型 SEBS (f-SEBS)、 スチレン一エチレン'プロピレン スチレンブロックコポリマー(SEPS)、ランダムタイ プの水素添加型スチレン 'ブタジエンポリマー(HSBR)である。
[0073] TPOとして好まし!/、ものは、 PP、 PEなどのポリオレフインに EP、 EPDM、 EBM、 E BDMなどのエラストマ一を混合しバンバリ一やプラストミルなどの混合機でコンパゥン ドした単純ブレンド型 TPO (s-TPO)、ハードセグメントであるォレフィンモノマーを 重合し、次いで同一のプラント又は同一の反応器でソフトセグメントであるォレフィン モノマーを重合する(順序は逆であってもよい)インプラント化 TPO (i—TPO)、バン ノ リーやプラストミルなどの混合機で、混合と同時にゴムを加硫して作った動的加硫 型 TPO (TPV)である。さらに、 TPVとして、好ましくはハードセグメントに PP、ソフトセ グメントに EPDMを組み合わせた PP— EPDM (以下、左側記載がハードセグメント、 右側記載がソフトセグメント)、 PP 二トリルゴム (NBR)、 PP アクリルゴム (ACM)、 PP 天然ゴム(NR)、 PP ブチルゴム(IIR)、 PE— EPDM、 PE— NR、ナイロン— NBR、ナイロン一 ACM、ポリエステル一クロ口プレン(CR)、 PVC— NBRである。
[0074] TPUとして好ましいものは、ハードセグメントに用いられるジイソシァネートがトルェ ンジイソシァネートであるもの、 4, 4'ージフエ-ノレメタンジイソシァネートであるもの、 1, 6 へキサメチレンジイソシァネートであるもの、 p—フエ-レンジイソシァネートで あるもの、 4, 4'ージシクロへキシノレメタンジイソシァネートであるもの、 3, 3,一ジメチ ノレジフエ-ノレ 4, 4'ージシソシァネートであるもの、 1, 5,一ナフタレンジイソシァネ
ートであるもの、トランス 1, 4ーシクロへキシノレジイソシァネートであるもの、リジンジ イソシァネートであるもの、およびこれらの 2種以上の混合物であるものである。
[0075] TPVCとして、好ましくはハードセグメントに高分子量のポリ塩ィ匕ビニル(以下、 PV Cと略す)を用いて微結晶部分で架橋点の働きを持たせソフトセグメントに可塑性剤 で可塑ィ匕された PVCを用いたもの、ハードセグメントに部分架橋または分岐構造を 導入した PVCを用いソフトセグメントに可塑剤で可塑ィ匕された PVCを用いたもの、ハ ードセグメントに PVCを用いソフトセグメントに部分架橋 NBRなどのゴムおよび Zまた は TPU、 TPEEなどの TPEを用いたもの単独で、あるいは 2種以上を混合したものが ある。
[0076] また、天然ゴムとしては、特に制限無く使用できるが、例えば、アラビアゴム、インド ゴムなどの 1種または 2種以上の混合物が挙げられる。
また、合成ゴムとしては、特に制限無く使用できるが、例えば、(A)、(B)成分以外 のポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、イソブチレン'イソプレンゴム、エチレン a—ォレフイン—(ジェン)共重合体(例えば、 EPM、 EBM、 EOM、 EPDM、 EBD Mなど)、芳香族ビニル化合物—共役ジェン化合物—( (X—ォレフイン)共重合体( 例えば、 SBR、 SBS、 SEBSなど)、アクリロニトリル一ブタジエンゴム、フッ素ゴム、シ リコーンゴム、ハロゲンィ匕ブチルゴム(例えば、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム など)などの 1種または 2種以上の混合物が挙げられる。
上記熱可塑性榭脂、熱可塑性エラストマ一、天然ゴム、合成ゴムなどは、 1種あるい は 2種以上の混合物として使用することもできる。
[0077] 本発明の組成物において、(A) l, 2 ポリブタジエン、(B) VCR、(C) (A)、(B) 成分以外の熱可塑性重合体の配合割合は、
上記 (I)の場合は、(A)成分が 10〜90重量%、好ましくは 15〜80重量%、 (B) VC Rが 90〜10重量%、好ましくは 85〜20重量%、 (C) (A)、(B)成分以外の熱可塑 性重合体が 0〜50重量%、好ましくは 0〜40重量%、〔ただし、(A) + (B) + (C) = 1 00重量%〕である。
(A)成分が 10重量%未満では、発泡形状が悪く(収縮やサイズバラツキ)、また Hs (実用硬度が不足し変形しやすい)、 WSR (濡れ面で滑りやすく危険)、 T (引張強
度が不足し耐久性がない)や TR—B (引裂強度が不足し耐久性がない)が満たされず 実用上問題であり、一方、 90重量%を超えると、熱可塑性が大となり、高温流動や混 色が生じる。また、(B)成分が 90重量%を超えると、発泡性が損なわれ、一方、 10重 量%未満では、熱成形時の流動性が大となり混色しやすくなる。さらに、(C)成分が 5 0重量%を超えると実用硬度が出ず、また発泡し難ぐさらに収縮が大きくなり好ましく ない。
[0078] 一方、上記 (Π)の場合は、下記 (C 2)フッ素系熱可塑性榭脂を含み、(A)成分が 10〜100重量。 /0、好ましくは 10〜90重量%、さらに好ましくは 15〜80重量%、(B) VCRが 90〜0重量%、好ましくは 90〜10重量%、さらに好ましくは 85〜20重量%、 (C- 1) (A)、(B)成分以外の熱可塑性重合体が 0〜50重量%、好ましくは 0〜40 重量%、さらに好ましくは 0〜30重量%〔ただし、(C— 1)は (C— 2)を除 C)成分で あり、 (A) + (B) + (C— 1) = 100重量0 /0〕である。
(A)成分が 10重量%未満では、発泡形状が悪く(収縮やサイズバラツキ)、また Hs (実用硬度が不足し変形しやすい)、 WSR (濡れ面で滑りやすく危険)、 T
B (引張強 度が不足し耐久性がない)や TR—B (引裂強度が不足し耐久性がない)が満たされず 実用上問題である。また、(B)成分が 90重量%を超えると、発泡性が損なわれる。さ らに、(C—1)成分が 50重量%を超えると実用硬度が出ず、また発泡し難ぐさらに 収縮が大きくなり好ましくな 、。
[0079] なお、(C) (A)、 (B)成分以外の熱可塑性重合体を上記の範囲で用いることにより 、ウエットスキッド性に優れ、(架橋)発泡後の収縮が小さいほか、機械強度 (Τ , E )
B B
、層間引裂強度、圧縮永久歪みなどが良好であり、良加工性、良成形性および良着 色性である本発明の組成物を得ることができる。
[0080] (C 2)フッ素系熱可朔性榭脂
(C— 2)フッ素系熱可塑性榭脂は、榭脂中にフッ素系原子を含有する榭脂である。 その具体例として、ポリモノフルォロエチレン、ポリジフルォロエチレン、ポリトリフルォ 口エチレン、ポリテトラフルォロエチレン、テトラフルォロエチレン/へキサフルォロプ ロピレン共重合体などを挙げることができる。また、必要に応じて、上記フッ素モノマ 一と共重合可能なモノマーとを併用して重合して得られた共重合体でもよ 、。これら
の(C— 2)フッ素系熱可塑性榭脂のうち、特に好ましくはポリテトラフルォロエチレン である。
[0081] これらのフッ素系熱可塑性榭脂の製造方法は、例えば米国特許第 2, 393, 697号 明細書および米国特許第 2, 534, 058号明細書に開示されている。例えば、テトラ フルォロエチレンを水性媒体中で過硫酸アンモ-ゥム、過硫酸カリウムなどのラジカ ル開始剤を用いて、 7〜70kgZcm2の加圧下、 0〜200°Cの温度で重合し、次いで 懸濁液、分散液または乳濁液力 凝析により、または沈澱により、ポリテトラフルォロ エチレンの水性分散体ある 、は粉末として得られる。
このポリテトラフルォロエチレンの平均粒径は、好ましくは 10〜500 /ζ πι、さらに好 ましくは 50〜300 μ mである。平均粒径が 10 μ m未満では、混練り時にポリテトラフ ルォロエチレン自身の配合物への分散が悪くなり架橋物の物性低下となる。一方、 5
00 mを超えると、配合物中に分散するポリテトラフルォロエチレンの繊維径が大き くなり、これも架橋物の物性低下となる。ここで、平均粒径は、一般に広く用いられて いるレーザー回析法、重力沈降法、遠心沈降法などを用いて求めた値である。
[0082] 本発明においては、(C— 2)成分を含む本発明の発泡体用組成物を、例えば (A) 1, 2—ポリブタジエンの溶融温度である 130〜 180°Cで圧縮成形などにより溶融さ せると、(C— 2)フッ素系熱可塑性榭脂が高度にフィブリルィ匕して繊維状ィ匕して、配 向結晶化する。その結果として、(C— 2)フッ素系熱可塑性榭脂が、三次元的に (A) 成分、(A) + (B)成分、(A) + (C— 1)成分あるいは (A) + (B) + (C— 1)成分から なる重合体成分と絡み合い、熱溶融時の溶融粘度を増大させることができ、結果とし て、多色成形時の混色を防止することができる。
[0083] (C— 2)フッ素系熱可塑性榭脂の配合量は、上記重合体成分 (A) + (B) + (C- 1 )の合計量 100重量部に対し、 0. 01〜20重量部、好ましくは 0. 1〜5重量部である 。 0. 01重量部未満では、本発明の目的とする配合物の熱溶融時の溶融粘度を増 大する効果が期待できず、一方、 20重量部を超えると、配合物の粘度が著しく上昇 し、一般のゴム用加工機、例えば密閉式混練機やオープンロール機での加工が不 可能となる。
[0084] (D)発泡剤
発泡剤としては、それ自体公知の無機発泡剤または有機発泡剤を用いることがで きる。発泡剤の具体例として、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニゥム、炭酸ナトリウム 、炭酸アンモ-ゥム、ァゾジカルボンアミド (ADCA)、ジニトロソペンタメチレンテトラミ ン(DNPT)、 ρ,ρ' ォキシビスベンゼンスルホ-ルヒドラジン(OBSH)、ジ-トロソテ レフタルアミド、ァゾビスイソブチ口-トリル、ァゾジカルボン酸バリウム、トルエンスルホ ニルヒドラジドなどのスルホニルヒドラジド類などを挙げることができる。
なかでも、 ADCA、 DNPT, OBSHがより好ましいものである。
これらの発泡剤は、尿素、尿素誘導体などの公知の発泡助剤と併用してもよい。尿 素誘導体としては、三協化成社製のセルトン NPや永和化成社製のセルペースト K5 などが挙げられる。
発泡剤の配合量は、成形材料のポリマーの種類、成形体の用途によって異なるが 、 (A) + (B) + (C)の合計量 100重量部(ここでいう(A) + (B) + (C)の合計量 100 重量部は、上記 (Π)の場合には (A) + (B) + (C—1)の合計量を指すものとする。ま た、(B)、(C)および (C—1) =0の場合も含まれるものとする。以下同様。)に対して 、 0. 5〜20重量部、好ましくは 1〜15重量部である。発泡剤の使用量が少ないと発 泡倍率が低い発泡体しか得られず、一方、 20重量部より多いと発泡剤の分解によつ て発生するガスが多くなり、ガス圧が異常に高くなり過ぎて、得られる発泡体に亀裂 が生ずることがある。なお、発泡助剤の使用量は、発泡剤の 10%量から 200%量ま で必要に応じ使い分けることができる。
また、組成物を発泡させる方法として、炭酸ガス、水などを所定量含有させ、種々の 成形方法により発泡成形体を得る方法がある。例えば、射出成形の場合、炭酸ガス を (A) + (B) + (C)の合計量 100重量部に対し、 0. 5重量部程度含有させた組成物 は、可塑化'溶融された状態で計量部にあるときは高温、高圧により発泡しないが、 射出成形により金型内に充填される際、圧力低下により含有されていた炭酸ガスが 気化し、成形体内部が発泡した成形体を得ることができる。
(E)架橋剤 (または架橋剤および架橋助剤)
本発明の組成物には、上記 (D)発泡剤とともに (E)架橋剤を配合する。
(E)成分としては、硫黄、加熱により硫黄を生成させる化合物、有機過酸化物、多
官能性モノマー、およびシラノールイ匕合物の群力 選ばれた少なくとも 1種が挙げら れる。なお、架橋に際しては、多官能性モノマーと電子線照射の組み合わせや、光 増感剤と紫外線照射の組み合わせを用いることもできる。
[0086] 硫黄としては、粉末硫黄,沈降性硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄などが使用で き、また加熱により硫黄を生成させる化合物としては、テトラメチルチウラムジスルフィ ド、テトラエチルチウラムジスルフイドなどが使用できる。
硫黄や加熱により硫黄を生成させる化合物に併用する加硫促進剤としては、例え ばテトラメチルチウラムジスルフイド(TMTD) N ォキシジエチレン 2—べンゾチア ゾリルスルフェンアミド(OBS)、 N シクロへキシル 2—ベンゾチアジルスルフェン アミド(CBS)、ジベンゾチアジルジスルフイド(MBTS)、 2—メルカプトべンゾチアゾ ール(MBT)、ジンクジー n ブチルジチォカーバイト(ZnBDC)、ジンクジメチルジ チォカーバイト (ZnMDC)などである。
[0087] 有機過酸化物架橋配合の場合、ジクミルパーオキサイド、ジー t ブチルパーォキ シ—3, 3, 5—トリメチルシクロへキサン、 at , α,ージ t—ブチルパーォキシージー ρ ジイソプロピルベンゼン、 1 , 3 ビス (t ブチルパーォキシイソプロピル)ベンゼ ン、 n—ブチルー 4, 4 ビス t ブチルパーォキシバレレート、 t ブチルパーォキ シベンゾエート、 t ブチルパーォキシイソプロピルカーボネート、 2, 5 ジメチルー 2 , 5—ジ (t—ブチルパーォキシ)へキサンなどが使用できる。これらのうち、ジクミルバ 一オキサイド、ジー t—ブチルパーォキシ 3, 3, 5—トリメチルシクロへキサン、 at , α,—ジ—t—ブチルパーォキシ—ジ— p ジイソプロピルベンゼン、 1 , 3 ビス(t— ブチルパーォキシイソプロピル)ベンゼンが好ましい。また、有機過酸化物の巿販品 としては、 日本油脂社製のパーへキサ 3M、パークミル D、ぺロキシモン F、 日本化薬 社製のトリゴノックス 29、カャクミル D、パー力ドックス 14などが挙げられる。
また、有機過酸化物架橋の場合は、同時に種々の多官能性モノマーなどを添加し てもよい。多官能性モノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリメタタリレー ト、エチレングリコールジメタタリレート、トリアリルイソシァネート、ジァリルフタレートな どである。この場合の有機過酸ィ匕物 Z多官能性モノマー(モル比)は、通常 1Z1〜1 Z50、好ましくは 1Z2〜: LZ40である。
[0088] これら多官能性モノマーは、本発明の組成物を得る手段の電子線架橋システムで も有効に活用できる。この場合に用いられる電子線装置としては、例えば走査型 (ス キャンタイプ)、カーテン型(リニア力ソードタイプ,イオンプラズマタイプ)が使用される 。また、電子線照射の条件としては、処理能力 1〜3, OOOMrad-m/min,加速電 圧 10kV〜3, OOOkVなどが挙げられる。
[0089] 紫外線架橋の場合、光増感剤を用いると効率良く架橋ができる。光増感剤としては 、高圧水銀灯の波長域である 260〜400nmで増感し、かつ (A)、(B)成分や、上記 (A)、(B)成分以外の(C)天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマ一、熱可塑性榭 脂などと親和性のょ 、ものが好ま 、。
光増感剤の具体例としては、ベンゾフエノン、 P, P,ージメトキシベンゾフエノン、 P, P'—ジクロルべンゾフエノン p, p'ージメチルベンゾフエノン、ァセトフエノン、ァセトナ フトンなどの芳香族ケトン類が良い結果を与え、そのほ力テレフタルアルデヒドなどの 芳香族アルデヒド、メチルアントラキノンなどのキノン系芳香族化合物も挙げられる。 添加量は、(八)+ )+ ( の合計量100重量部に対し、0. 1〜30重量部、好まし くは 0. 3〜20重量部である。また、スポンジ作製の場合の添カ卩量は、(A) + (B) + ( C)の合計量 100重量部に対し、 0. 1〜3. 0重量部、好ましくは 0. 3〜1. 0である。 紫外線照射の条件としては、 20cmの距離から lkWの高圧水銀灯にて紫外線を 20 分照射が挙げられる。
発泡の場合は予め発泡剤を所定処理した薄層シートに上記紫外線処理を施し、薄 層シートを 150〜250°Cの温度処理を行う。
[0090] シラノールイ匕合物と水系剤との組み合わせによれば、水架橋という作用効果がある 。ここで、シラノール化合物としては、ビュルメトキシシラン、ビュルエトキシシラン、ビ ニルトリァセトキシシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルジェトキシメチルシラ ン、ビュルメトキシジメチルシラン、ビュルエトキシジメチルシランなど力 また、水系剤 としては、水もしくは、水蒸気などが挙げられる。好ましい場合、シラノール化合物 Z 水系剤(モル比)は、通常、 lZO. 01〜lZlOO好ましくは lZO. 05〜lZ90である [0091] 以上の (E)成分の使用量は、例えば、硫黄、有機過酸化物などの化合物重量換算
で、(A) + (B) + (C)の合計量 100重量部に対し、 0. 02〜20重量部、好ましくは 0 . 05〜15重量部であり、加硫促進剤、多官能性モノマー、電子照射、もしくは紫外 線照射などとの組み合わせによって、この範囲内で適宜増減して使用される。 0. 02 重量部未満では、架橋が不十分で耐熱性,力学強度、圧縮永久歪 (コンプレツシヨン セット)が満足されない。一方、 20重量部を超えると、過剰架橋となり架橋物は脆く評 価不能で本発明の成形体は得られな ヽ。
なお、本発明の組成物は、さらに必要に応じて、下記 (F)、(G)および (H)成分を 酉己合してちょい。
[0092] (F)軟化剤
(F)軟化剤は、(Α' )油展 1, 2—ポリブタジエンに用いられる以外の伸展油であり、 本発明の組成物に、別途、配合することができる。この伸展油としては、(Α' )成分に おいて用いられる伸展油と同様の種類を挙げることができる。この場合、伸展油の配 合量は、 (Α) + (Β) + (C)の合計量 100重量部に対し、 0〜300重量部、好ましくは 1〜 100重量部程度である。
[0093] (G)無機充埴剤
本発明の組成物に配合される(G)無機充填剤としては、例えば、ガラス繊維、ガラ スビーズ、チタン酸カリウム、タルク、マイ力、硫酸バリウム、カーボンブラック、シリカ、 カーボン シリカデュアル'フェイズ'フィラー、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ ゥムなどを挙げることができる。(G)無機充填剤の配合量は、(A) + (B) + (C)の合 計量 100重量部に対し、通常、 0〜300重量部、好ましくは. 1〜200重量部である。
(G)無機充填剤としては、中でも、カーボンブラックとシリカとの併用、カーボンーシ リカデュアル 'フェイズ 'フイラ一の使用またはカーボン シリカデュアル'フェイズ'フィ ラーとカーボンブラックおよび Zまたはシリカとの併用が好ましい。
[0094] シリカとしては、例えば、湿式法シリカ、乾式法シリカ、合成ケィ酸塩系シリカなどを 挙げることができる。補強効果の高いのは粒子径の小さいシリカであり、小粒子'高凝 集タイプ (高表面積、高吸油性)のものが重合体への分散性が良好で、物性および 加工性の面で好ましい。シリカの平均粒径は、一次粒子径で、好ましくは、 5〜60 m、さらに好ましくは、 10-35 μ mである。また、その比表面積(BET法)は、好ましく
[0095] シランカップリング剤としては、分子中にアルコキシシリル基などのシリカ表面と反応 可能な官能基とポリスルフイド、メルカプト基、エポキシ基などの、重合体の炭素 炭 素二重結合と反応可能な官能基を併せ持ったものが好ましい。例えば、ビス(3—トリ エトキシシリルプロピル)テトラスルフイド、ビス (2-トリエトキシシリルェチル)テトラス ルフイド、 3—メルカプトプロピルトリメトキシシラン、 3—トリエトキシシリルプロピル一 N , N ジメチルチオ力ルバモイルテトラスルフイド、 3—トリエトキシシリルプロピルベン ゾチアゾールテトラスルフイドなどを挙げることができる。このようなシランカップリング 剤を用いることにより、カーボンブラックとシリカを併用して充填剤に使用した場合に、 またはカーボン シリカデュアル ·フェイズ ·フィラーを充填剤に使用した場合に、そ の補強効果を高めることができる。
[0096] (H)他の添加剤
本発明の組成物には、 目的を損なわない範囲で必要に応じて、難燃剤、酸化防止 剤、滑剤 (スリップ剤)、着色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、熱安定剤、老化防止 剤、加工助剤、耐光 (候)剤、抗菌剤などを添加することができる。
[0097] 本発明に使用可能な難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、無機系難 燃剤を挙げることができるが、ダイォキシン問題を考慮するとハロゲンを含まない無機 系難燃剤が好ましい。
無機系難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸ィ匕アルミニウム、硼酸亜鉛、硼 酸バリウム、カオリン'クレー、炭酸カルシウム、明ばん石、塩基性炭酸マグネシウム、 水酸ィ匕カルシウムなどを例示することができる。
上記難燃剤の中には、それ自身の難燃性発現効果は低いが、他の難燃剤と併用 することで相乗的により優れた効果を発揮する、いわゆる難燃助剤も含まれる。
[0098] 本発明の組成物は、酸ィ匕防止剤を使用することにより製品寿命を長くすることが可 能である。この場合に使用される酸ィ匕防止剤としては、フエノール系酸ィ匕防止剤、ィ ォゥ系酸化防止剤、アミン系酸ィ匕防止剤などが挙げられるが、フエノール系酸ィ匕防止 剤が特に好ましい。
上記のフエノール系酸化防止剤としては、具体的には、スチレン化フエノール、 2, 6
ージー tーブチルー 4 メチルフエノール、 2, 6 ジー tーブチルー p ェチルフエノ ール、 2, 4, 6 トリー t ブチルフエノール、ブチルヒドロキシァ二ノール、 1ーヒドロ キシ 3—メチノレー 4 イソプロピノレベンゼン、モノー tーブチノレー p クレゾール、モ ノー tーブチルー m クレゾール、 2, 4 ジメチルー 6 t ブチルフエノール、ブチ ル化ビスフエノール A、 2, 2' —メチレン一ビス(4—メチル 6— t—ブチルフエノー ル)、 2, 2' メチレン一ビス(4 ェチル 6— t—ブチルフエノール)、 2, 2' —メチレ ン一ビス(4ーメチルー 6—t—ノユルフェノール)、 2, 2' イソブチリデンービス(4, 6—ジメチルフエノール)、 4, 4' ーブチリデン—ビス(3—メチルー 6— t ブチルフエ ノール)、 4, 4' ーメチレン ビス(2, 6 ジー t ブチルフエノール)、 2, 2 チォー ビス(4ーメチルー 6— t—ブチルフエノール)、 4, 4' ーチオービス(3—メチルー 6— tーブチノレフエノーノレ)、 4, 4' ーチオービス(2—メチノレー 6 ブチノレフエノーノレ)、 4 , 4' —チオービス(6— t—ブチル 3—メチルフエノール)、ビス(3—メチル 4—ヒ ドロキシ— 5— t—ブチルベンゼン)スルフイド、 2, 2 チォ [ジェチル—ビス— 3— (3 , 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキシフエノール)プロピオネート]、ビス [3, 3—ビス(4 ' ーヒドロキシ 3' —t—ブチノレフエノーノレ)ブチリックアシッド]グリコーノレエステノレ 、ビス [2— (2 ヒドロキシ— 5—メチル—3— t—ブチルベンゼン)—4—メチル—6— t ブチルフエ-ル]テレフタレート、 1 , 3, 5 トリス(3' , 5' —ジ一 t ブチル 4 ' —ヒドロキシベンジル)イソシァヌレート、 N, N' —へキサメチレン一ビス(3, 5—ジ —t ブチル 4—ヒドロキシ一ヒドロキシアミド)、 N—ォクタデシルー 3— (4' —ヒド ロキシ 3' , 5' —ジー t—ブチルフエノール)プロピオネート、テトラキス [メチレン — (3' , 5' —ジ一 t—ブチル 4 ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]メタン、 1 , 1 ' —ビス(4—ヒドロキシフエ-ル)シクロへキサン、モノ( a—メチルベンゼン)フエノー ル、ジ( α—メチルベンジル)フエノール、トリ( α—メチルベンジル)フエノール、ビス( 2' ーヒドロキシ 3' —t ブチルー 5' —メチルベンジル) 4ーメチルーフエノール 、 2, 5 ジ一 t—ァミルハイドロキノン、 2, 6 ジブチル一 a—ジメチルァミノ一 p ク レゾール、 2, 5 ジー t ブチルハイドロキノン、 3, 5 ジ tーブチルー 4ーヒドロキ シベンジルリン酸のジェチルエステルなどが挙げられる。
これらの酸化防止剤は、単独で、あるいは 2種以上組み合わせて用いることができ
る。酸ィ匕防止剤の配合量は、 (A) + (B) + (C)の合計 100重量部当たり、 0. 1〜10 重量部が好ましぐ特に好ましくは 0. 2〜5重量部である。
[0099] 本発明に使用可能な滑剤としては、押出し安定性を付与するために一般的に使用 されるパラフィン系および炭化水素榭脂、金属石けん、脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪 酸エステル、脂肪族金属塩、シリコンオイルなどが挙げられる。
着色剤としては、無機顔料および有機顔料の中から、適宜選択して使用する。
[0100] 以上の (H)他の添加剤の配合割合は、特に限定されるものではないが、それぞれ
、上記 (A) + (B) + (C)の合計量 100重量部に対し、 0〜20重量部、好ましくは 1〜
15重量部である。
以上 (F)、 (G)および (H)成分の合計量は、 (A) + (B) + (C)の合計量 100重量 部に対し 1〜600重量部好ましくは 3〜500重量部である。 1重量部未満では添加剤 による改質効果力 、さすぎ、一方、 600重量部を超えると機械的強度および耐磨耗 性に劣る。
[0101] 本発明の上記 (A)、(B)、(C)、(D)、(E)成分およびその他の成分を混合して、熱 可塑性重合体組成物を調製する方法は、特に制限はなぐバンバリ一型ミキサー、加 圧-一ダー、オープンロールなどの一般のゴム配合に使用される混練装置を用いた 混合法でよぐ 70〜130°Cの範囲の温度で混合するのが好まし!/、。
[0102] 成形には、通常、圧縮成形、射出成形、押出成形、およびトランスファー成形が採 用され、圧縮成形、射出成形、トランスファー成形が好ましぐ中でも圧縮成形が好ま しい。上記 (C 2)成分を含有する場合は、特に圧縮成形が好ましい。圧縮成形機、 射出成形機、押出成形機またはトランスファー成形機に供給する組成物の形状には 、特に制限なぐ例えばシート状、リボン状、角ペレット状、丸ペレット状など使用する 成形機に適した形状でょ ヽ。
[0103] 成形機には特に制限はなぐ例えば熱可塑性榭脂用あるいはゴム用に使用されて いる、温度調節器を有している圧縮成形機、シリンダー,ノズル,金型各部に温度調 節器を有している射出成形機またはトランスファー成形機が用いられる。これら成形 機の温度条件は、組成物により異なる力 通常、圧縮成形機の場合 140〜200°Cに 設定、射出成形機またはトランスファー成形機の場合シリンダー部を 70〜100°Cに、
ノズル部を 80〜 120°Cに、金型部を 140〜200°Cに設定するのが好まし!/、。
[0104] また、本発明の発泡体用組成物は、インサート成形やカット成形などの圧縮成形に 特に有用である。
ここで、インサート成形とは、異なる色の配合物シートを所定金型形状のパターン( 意匠)に打ち抜いたものを、所定の金型の部位に収め、一気に加熱成形する方法で ある。
また、カット成形とは、色または材質が異なる二種以上のシート状ゴム素材を打ち抜 き型によって所定形状にそれぞれ打ち抜いたのち、金型に納め、予備成形し(3枚割 り金型中板を用いて意匠量以外をカットする、もしくは、 2枚割り金型においてハンド ローラーを用いて意匠量以外をカットする。要する成形時間は、 5秒〜 120秒)、金型 力も溢れたものを除去し、異なる色の配合物を同様に打ち抜いた (意匠に合わせて) ものを予備成形以外の意匠にセットし、熱圧縮成形する方法である。なお、打ち抜か れた各ゴム素材は、完成時の靴底裏面の凹凸とほぼ反転した凹凸を有する成形金 型により圧縮成形して靴底形状に一体化される。
本発明の組成物は、厚み精度に優れ、適度な硬度を有し、意匠転写性に優れ、混 練り生地の平滑性に優れ、さらに熱をかけても流れすぎることのなく(温度に対して鈍 感であり混色し難く)加工性に優れるので、多色圧縮成形に特に有用である。
[0105] 本発明の圧縮成形方法について、さらに具体的に説明する。
まず、上記のような発泡成形用組成物を混練りして、分出しし、シート化したのち、 あら力じめ、金型意匠と同形態の打ち抜き刃により打ち抜かれた生地を金型意匠に 投入し、圧縮成形する。例えば、多色意匠の発泡成形体を圧縮成形で得るには、多 色意匠に該当する部分意匠に合わせて上記シートを打ちぬき、この部分意匠 (生地) を多色金型に載置して、多色靴底などの多色発泡成形体を得る。
本発明の圧縮成形に用いられる組成物は、(B)VCRを配合している場合、 (B)VC R添加効果により、適度な溶融粘度と得られるシートに適度な剛性があり、この結果、 生地シート分だし性が良好であり、これにより、金型に投入する生地の重量管理精度 が向上し、多色意匠を製造する場合、混色の発生が少ない。
また、本発明に用いられる組成物は、圧縮成形時の温度依存性が緩和され、ゴム
に比較的似た挙動を発現し、圧縮成形時の混色がなぐエアー抜きが良好である。 本発明の発泡成形体を圧縮成形により製造する方法について、以下、二色靴底の 例を挙げて説明する。
[0106] 圧縮成形(1) (3枚割り金型使用によるカット成形法)
圧縮成形(1)では、金型として、下型、中間型、上型よりなる 3枚割の型を用いて、 二色靴底を製造する例について説明する。
まず、本発明の発泡体用組成物を混練りして、シート状のゴム素材を作成する。 すなわち、二色のシート状ゴム素材を各打ち抜き型 la, lb (図示せず)により所定 形状 (両者を接合することによりほぼ靴底形状をなす)のゴム素材 2a, 2b (図示せず) にそれぞれ打ち抜く。この打ち抜き型 la, lbにより打ち抜かれたゴム素材 2a, 2bは、 ほぼ均一な厚みの平坦面を有する。
[0107] 上記ゴム素材 2a, 2bの打ち抜き後、これら二つのゴム素材 2a, 2bのうち、一方の 2 a (例えば、靴底を平面視して、ほぼ中央部分)を下型の中央部分がその周囲と堰き で区切られた靴底中央部分からなる部分意匠 3a (図示せず)にセッティングする。な お、この堰きは、ゴム素材 2aが靴底中央部分の部分意匠 3a以外 (すなわち、部分意 匠 3a以外の部分意匠 3b)に移動しない目的で設けられている。また、ゴム素材 2aの 投入量は、部分意匠 3aの容積の 120%以内、好ましくは 102〜115%である。下型 は、ゴム素材 2a, 2bの載置面に完成時の靴底裏面の凹凸とほぼ反転した凹凸を形 成した靴底形状の凹部 (部分意匠 3a, 3b)を有する。そして、この下型に中間型およ び上型を合わせて、ゴム素材 2aを圧縮して、 140〜200°Cで、 1分以内、好ましくは 1 50〜170°Cで、 5〜30秒の間、ゴム素材 2aを予備成形すれば、このゴム素材 2aから なり、その裏面に凹凸が形成された部分靴底が得られる。次いで、上型、中間型を下 型から離隔させ、中間型を除いたのち、ゴム素材 2aのノ リを取り除き、次いで靴底の 周囲部分を形成するゴム素材 2bをゴム素材 2aの周囲の部分意匠 3bに載置し、下型 と上型とを合わせて、 140〜200°Cで、意匠深さ(mm)の数値の 0. 5掛け分(時間) 〜3掛け分(時間)の間、好ましくは 150〜170°Cで、意匠深さ(mm)の数値の 0. 6 掛け分 (時間)〜 2掛け分 (時間)の間,ゴム素材 (2a, 2b)を圧縮成形すると、二つの ゴム素材 2a, 2bが接合一体化されてその裏面に凹凸が形成された靴底が得られる。
なお、靴底の周囲部分を形成するゴム素材 2bに、ノ リが生じる場合は、取り除けば よい。
また、下型、中間型、上型とも、キヤビティー面は、得られる発泡成形体との離型性 の面力もポリテトラフルォロエチレンなどのフッ素榭脂による加工がされていることが 好ましい。
[0108] ここで、予備成形とは、多色成形において、混色を確実に防止するために予め一方 の 2aを意匠に充填する成形をいう。予備成形において、成形温度が 140°C未満で は、架橋バランスが損なわれ且つ成形加工に手間 (圧縮成形と同一温度が好ましい )がかかり、一方、 200°Cを超えると、過架橋、過発泡を生じ目的とする発泡成形体が 得られない。また、成形時間が 1分を超えると、過架橋、過発泡を生じ目的とする発泡 成形体が得られない。
また、圧縮成形とは、本発明の発泡成形体を完成させる中間型を除き下型と上型と を合わせておこなう成形をいう。圧縮成形において、成形温度が 140°C未満では、成 形時間を長く要し好ましくなぐ一方、 200°Cを超えると、過架橋、過発泡を生じ目的 とする発泡成形体が得られない。また、成形時間が意匠深さ (mm)の数値の 0. 5掛 け分 (時間)未満では、架橋が不十分でスポンジ特性が損なわれ、一方、意匠深さ (m m)の数値の 3掛け分 (時間)を超えると、過架橋、過発泡を生じ目的とする発泡成形 体が得られない。
[0109] 圧縮成形 (2) (2枚割り金型を使用したハンドローラーカット成形法)
2枚割り金型を用いて、上記三枚割り金型使用カット法と同等の成形が可能である 。すなわち、予備成形の代わりに上記ゴム素材 2a, 2bを打ち抜き後、これら二つのゴ ム素材 2a, 2bのうち、一方の 2a (例えば、靴底を平面視して、ほぼ中央部分)を下型 の中央部分がその周囲と堰きで区切られた靴底中央部分力もなる部分意匠 3a (図示 せず)にゴム素材 2aを投入する。その量は、部分意匠 3aの容積の 120%以内、好ま しくは 102〜115%である。ゴム素材 2aをセッティングし、ハンドローラーですばやく 1 40°C以上の加温意匠部に押し付け、ゴム素材 2aのノ リをとり除き次いで靴底の周囲 部分を形成するゴム素材 2bをゴム素材 2aの周囲の部分意匠 3bに載置し意匠 3bの 容積の 120%以内、好ましくは 102〜115%ゴム素材 2bを投入する。その後、素早く
下型と上型とを合わせて、 140〜200°Cで、意匠深さ(mm)の数値の 0. 5掛け分(時 間)〜 3掛け分(時間)の間、好ましくは 150〜170°Cで、意匠深さ(mm)の数値の 0. 6掛け分 (時間)〜 2掛け分 (時間)の間,ゴム素材 (2a, 2b)を圧縮成形すると、二つ のゴム素材 2a, 2bが接合一体化されてその裏面に凹凸が形成された靴底が得られ る。
この圧縮成形において、成形温度が 140°C未満では、成形時間を長く要し好ましく なぐ一方、 200°Cを超えると、過架橋、過発泡を生じ目的とする発泡成形体が得ら れない。また、成形時間が意匠深さ (mm)の数値の 0. 5掛け分 (時間)未満では、架 橋が不十分でスポンジ特性が損なわれ、一方、意匠深さ (mm)の数値の 3掛け分 (時 間)を超えると、過架橋、過発泡を生じ目的とする発泡成形体が得られない。なお、 靴底の周囲部分を形成するゴム素材 2bに、ノ リが生じる場合は、取り除けばよい。
[0110] 圧縮成形 (3) (インサート成形法)
圧縮成形 (3)では、金型として、下型および上型を用いて、二色靴底を製造する例 について説明する。
まず、本発明の発泡体用組成物を混練りして、シート状のゴム素材を作成する。 すなわち、二色のシート状ゴム素材を各打ち抜き型 la, lb (図示せず)により所定 形状 (両者を接合することによりほぼ靴底形状をなす)のゴム素材 2a, 2b (図示せず) にそれぞれ打ち抜く。この打ち抜き型 la, lbにより打ち抜かれたゴム素材 2a, 2bは、 ほぼ均一な厚みの平坦面を有する。
[0111] 前記ゴム素材 2a, 2bの打ち抜き後、これら二つのゴム素材 2a, 2bを下型意匠 3a, 3bの容積の 120%以内、好ましくは 102〜115%をセッティングする。この下型は、 ゴム素材 2a, 2bの載置面に完成時の靴底裏面の凹凸とほぼ反転した凹凸を形成し た靴底形状の凹部 (部分意匠 3a, 3b)を有する。そして、この下型に上型を合わせて 二つのゴム素材 2a, 2bを、 140〜200°Cで意匠深さ(mm)の数値の 0. 5掛け分〜 3 掛け分、好ましくは 150〜170°Cで意匠深さ(mm)の数値の 0. 5掛け分〜 3掛け分 の間、圧縮成形すれば、二つのゴム素材 2a, 2bが接合一体化されてその裏面に凹 凸が形成された靴底が得られる。
ここで、圧縮成形温度が 140°C未満では、成形時間を長く要し好ましくなぐ一方、
200°Cを超えると、過架橋、過発泡を生じ目的とする発泡成形体が得られない。また 、成形時間が意匠深さ (mm)の数値の 0. 5掛け分未満では、架橋が不十分でスポン ジ特性が損なわれ、一方、意匠深さ (mm)の数値の 3掛け分を超えると、過架橋、過 発泡を生じ目的とする発泡成形体が得られな 、。
その他の構成および作用は、圧縮成形 (1)と同様である。
[0112] 以上のような圧縮成形 (1)〜(3)によれば、強制的、かつ論理的に異なる色調のゴ ム素材の加工時の流動を制御することにより。圧縮成形時に混色がなぐまたゴム素 材の流動性が制御と組成の適正化によりエアーポケット、ェアースコーチの現象がな ぐさらにカ卩ェ条件の規定ィ匕により得られる発泡成形体にスポンジサイズのバラツキ が少な!/、と 、う効果を奏する。
[0113] 以上の成形方法において、架橋あるいは発泡させる場合には、金型部を上記温度 範囲に、意匠深さ(mm)の数値の 0. 5掛け分〜 3掛け分間、加熱、加圧することによ り、所定形状の金型内で発泡剤が分解してガスが発生し、かつ組成物が架橋するこ とにより進行する。圧縮成形機の金型圧着力は、発泡剤の分解によって発生するガ スの膨張圧に勝る圧力が必要であり、通常は金型のキヤビティーに力かる比圧は 7M pa以上とするのが好ましい。比圧が低いと成形体の気泡径が大きくなると共に、発泡 体にバリが発生し、外観が悪くなる。所定時間加熱、加圧した後、金型を開くことによ り製品である架橋発泡体が得られる。
なお、発泡成形体 (発泡靴底)の場合、その密度は、通常、 0. 1〜1. lMg/m3, 好ましくは 0. 1〜0. 9MgZm3である。
以上の圧縮成形方法は、本発明の発泡体用組成物が(C— 2)フッ素系熱可塑性 榭脂を含むとき、エアーポケット、ェアースコーチ、多色成形時の混色防止に優れる ため、特に好ましい。
[0114] このようにして製造された成形体 (架橋'発泡物)は、靴底材料、具体的には、紳士 靴、婦人靴、カジュアルシューズ、ランニングシューズ、ジョギングシューズ、トラツキン グシューズ、各種競技用シューズ、登山シューズ、ドレスシューズ、ゴルフシューズ、 屋内履きシューズ、スリッパ類、ビーチサンダル類などの履物全般の靴底材料として 有用である。また、本発明の組成物および成形体は、必要に応じて、自動車部品、
建材部品、工業部品、玩具'雑貨部品、スポーツ '健康部品などの各種成形品や、各 種シート、フィルム、そのほかの工業用品、緩衝材料、包装材料などに使用すること ができる。また、本発明の発泡成形体 (架橋物を含む)は、寸法精度に優れ,耐久性 、クッション性にも優れており、熱成形スポンジにも応用できる。ここで、熱成形スポン ジとは、発泡体を所要の形状に予備裁断し、発泡体に使用される (A)成分あるいは( A)、(B)成分の融点以上、好ましくは 100〜150°Cに加熱された金型内で加熱、加 圧し、発泡体の表層部に強固な融解皮膜を形成させた後、金型を冷却して発泡体を 取り出すことにより作製されるものである。
実施例
[0115] 以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実 施例によって何ら制限を受けるものではない。
なお、部数および%は、特に断らない限り、質量基準である。
[0116] 実施例 1〜5、比較例 1〜6
実施例中の各種の測定は下記の方法に拠った。
ガラス転移温度 (Tg) :
ASTM D3418 (DSC法)に準拠し求めた。
融点 (Tm) :
ASTM D3418 (DSC法)に準拠し求めた。
1, 2—ビニル結合含有量:
赤外吸収スペクトル法 (モレロ法)によって求めた。
1, 2—ポリブタジエンの結晶化度:
結晶化度 0%の 1, 2—ポリブタジエンの密度を 0. 889gZcm3、結晶化度 100%の 1, 2—ポリブタジエンの密度を 0. 963gZcm3として、水中置換法により測定した密 度から換算した。
メルトフローインデックス(Ml):
ASTM D1238に準拠した(条件: 150。C、 21. 2N)
[0117] 発泡形態
架橋発泡成形した際の形態保持性を目視観察した。
判定
〇:正常 (好ま 、発泡成形状態)
X:異常発泡 (発泡ガス力 sスキン力 吹き出し型通りの成形を留めない状態)、ォー バーキュア一 (架橋が強すぎて十分な発泡が出来な力つたり、スキンの伸びが不足し 発泡ガス圧により裂ける状態)、未発泡(目的とする発泡体が得られな!/ヽ状態)。 比重
浮力法で測定した。
判定
0 : 0. 4〜0. 8
X : 0. 4未満、または 0. 8を超える。
硬度:
SR1S0101〖こ準拠した。 ASKER C型 (スポンジ硬度計)で測定。
判定
〇:55〜75度
X : 55度未満 (柔らかすぎて少量の加重で変形する)、 75度を超える(硬すぎてタツ シヨン性に欠ける)
引張強度 (T ) :
B
JIS K6251 (2号ダンベル使用)に準拠して測定した。
判定
〇:35MPa以上
X : 35MPa未満
引張伸び (E ) :
B
JIS K6251 (2号ダンベル使用)に準拠し測定した。
判定
〇:300%以上
X: 300%未満
引裂強度 (TR— B) :
〇:15kNZm以上
X :15kNZm未満
[0119] 圧縮永久歪(CZS)
ISO815(50°C'25%圧縮 ·22時間、室温 24時間後)に準拠し測定した。 判定
〇:60%未満
Χ:60%以上
[0120] AKRON摩耗 (AKRON Ab(ml))
JIS K6264に準拠して評価した。
測定条件; 6 Lbs、 3,000回、アングル 15度
判定
0:0.4 ml未満
X :0.4 ml以上
[0121] 成形外観:
成形体表面外観の混色、エアースコーチ (成形品に気泡が入る状態)、エアーボケ ット (十分な架橋発泡が部分的に出来ない状態)、発泡性、状態を目視評価した。 判定
◎:混色なく金型転写良好、外観美麗
〇:殆ど混色なく実用性を備えた外観
X:混色あり外観不良
成形収縮
◎ :1%未満
〇:1〜1.9%
X:2%以上
[0122] 混練り:
表 1に示す配合処方で、配合物を、 3L加圧-一ダーを用い、 90°C、 10分間混練り し、 120°Cで排出した。
シート化:
10インチロールを用いて混練りされた混練り物を、 3.1〜3.9mm厚シートに分だ
しを行った。
テストピース作成:
200トンカ卩硫プレス機を使用し、物性評価ピースは 3mm厚 X 100mm X 150mm 金型を使用し 150°C X 10分架橋し各々の評価用ピースに供した。
外観評価は、複数の色を配置した多色専用 4mm厚靴金型を用い成形外観を評価 した。
以上の結果を表 1に示す。
表 1から明らかなように実施例 1〜5は、本発明の組成物であり、多色スポンジ成形 外観、スポンジ成形収縮、硬度、引張強度、引裂強度、密度、 CZSおよび AKRON
Ab (アクロン摩耗)特性が優れ、かつこれら評価項目の何れもが欠けることなく優れ ている。
これに対し、比較例 1は、本発明範囲外で (B)成分がない組成物であり、硬度、摩 耗および成形外観特性が満足できな ヽ。
比較例 2は、本発明範囲外で (A)成分がない組成物であり、硬度 (変形)、成形収 縮特性が満足できない。
比較例 3,4は、本発明の架橋剤成分が範囲外の組成物で、何れも良好な架橋発泡 体が得られず各評価ができな力つた。
比較例 5, 6は、本発明の発泡剤成分が範囲外の組成物で、比較例 5は目的とする 軽量スポンジが得られず、比較例 6は発泡ガス過剰でスポンジが破壊し、何れもスポ ンジ評価に供することができな力つた。
[0123] [表 1]
[0124] ※: 1)JSR社製、 RB830(1, 2—ポリブタジエン)、ガラス転移温度 =一 12°C、融点 = 110°C、 1, 2—結合 =93%、 η /c = 0. 8、結晶化度 = 28%、 MI = 3
sp
※2)宇部興産社製、 UBE SPB105(1, 2—ポリブタジエン)、融点 = 105。C、 η s
Zc = l. 1結晶化度 = 26%
※3)宇部興産社製、 UBE VCR412、 1, 2—結合 =12%、シス 1, 4一結合 =8 6%、トランス 1, 4一結合 =2%
※ 宇部興産社製、 UBE VCR617, 1, 2—結合 = 17%、シス 1, 4—結合 =8 1%、トランス 1, 4一結合 =2%
※5)天然ゴム、 RSS#1素練り品 ML (100°C)=60
※6)ジェイエスアールクレイトンエラストマ一社製、 TR2250、リニアタイプ SBS、ス チレン含量 52%、非油展タイプ
※ 7)亜鉛華:堺化学工業社製、二種使用
※8)ジンクステアレート:堺化学社製、比重 1. 07
※ ステアリン酸:旭電ィ匕社製、融点 71。C
※ 10)シリコーンゴム(高分子シリコーン):ダウコーユング社製、高分子シリコーンゴ ムコンノ ゥンド、 CF201U
※: L 1)炭酸マグネシウム:徳山ソーダ社製、トクシール TT
※ 12)軽質炭酸カルシウム:白石工業社製、シルバー W
※ 13)ィルガノックス 1076:チバ ·スペシャルティ ·ケミカルズ社製、老化防止剤 ※ 14)酸ィ匕チタン:堺ィ匕学社製、アナターゼ型
※ )顔料:山陽色素社製、群青 10%含有 RB830マスターバッチ
※!^;!丁八 一 60 :日本化成社製、トリアリルイソシァヌレート
※ 17) PEG # 4000 :山陽ィ匕成工業社製、ポリエチレングリコール
※18)発泡剤FE788 :永和化成社製、分解温度 139°C、ァゾ系
※19) DCP (98%):日本油脂社製、パークミル D (ジクミルパーオキサイド) ※20) MBTS:大内新興化学工業社製、ノクセラー DM (ジベンゾチアジルジスル ファイド)
[0125] 実施例 6、比較例 7 (単色発泡成形体の評価)
以下に示す、圧縮成形加工性の評価以外は、実施例 1〜5と同様に求めた。
<圧縮成形加工性の評価 >
〇:加工が容易
X:加工に手間が掛かり、実用性がない。
[0126] 混練り:
表 2に示す配合処方で、配合物を 3L加圧-一ダーを用い、 90°C、 10分間混練りし 、 120°Cで排出した。
物性測定シート化:
10インチロールを用いて混練りされた混練り物を、 3. 1〜3. 9mm厚シートに分だ しを行った。
テストピース作成:
200トンカ卩硫プレス機を使用し、物性評価ピースは 3mm厚 X 100mm X 150mm 金型を使用し、 150°C X 6分架橋し、各々の評価用ピースに供した。結果を表 2に示 す。
表 2から明らかなように、実施例 6の単色発泡成形体は、シートの平滑性、厚み精度 、シートの硬度が良好で圧縮成形加工性に優れることがわかる。一方、比較例 7の単 色発泡成形体は、シートの平滑性、厚み精度、シートの硬度が不良で圧縮成形加工 性に劣り著しく加工性が損なわれるものである。
[0128] [表 2]
[0129] ※ 尺社製、 RB830 (1, 2—ポリブタジエン)、ガラス転移温度 =— 12。C、融点
= 110。C、 1, 2 結合 =93%、 η /c = 0. 8、結晶ィ匕度 = 28%、 MI = 3
sp
※2)宇部興産社製、 UBE VCR412、 1, 2 結合 =12%、シス 1, 4 結合 =8 6%、トランス 1, 4 結合 =2%
※ )宇部興産社製、 UBE VCR617, 1, 2 結合 =17%、シス 1, 4 結合 =81 %、トランス 1, 4 結合 =2%
※ 天然ゴム、 RSS# 1素練り品、 ML (100°C) =60
1+ 4
※5)JSR社製、シス 1, 4 ポリブタジエン、シス 1, 4 結合 =96%
※6)亜鉛華:堺化学工業社製、二種使用
※ 7)ジンクステアレート:堺ィ匕学社製、比重 1. 07
※8)ステアリン酸:旭電ィ匕社製、融点 71°C
※^シリコーンゴム(高分子シリコーン):ダウコーユング社製、高分子シリコーンゴ ムコンノ ゥンド、 CF201U
※ 10)軽質炭酸カルシウム:白石工業社製、シルバー W
※ 11)老防 1076:チノく'スペシャルティ ·ケミカルズ社製、ィルガノックス 1076 ※ )酸ィ匕チタン:堺ィ匕学社製、アナターゼ型使用
※ェ )顔料:山陽色素社製、群青、オレンジ、あるいはイェローを 10%ブレンドした RB830マスターバッチ。なお、実施例 7、比較例 6は、単色発泡成形体であるため、 群青色のみを使用。
※ェ 丁八!じ一 60:日本化成社製、トリアリルイソシァヌレート
※ 15) PEG #4000:山陽ィ匕成工業社製、ポリエチレングリコール
※16)発泡剤FE788:永和化成社製、分解温度 139°C、ァゾ系
※17)DCP(98%):日本油脂社製、パークミル D (ジクミルパーオキサイド) ※ 18) AccDM:大内新興化学工業社製、ノクセラー DM (ジベンゾチアジルジスル ファイド
なお、物性ピース用スポンジは、 2mm厚にスライスし片面スキン付で所定のテスト サンプル形態とし、評価に供した。
実施例 7〜9、比較例 8〜10 (多色発泡成形体の評価)
<多色発泡成形体の評価 >
a.発泡成形体の混色
判定
〇:成形体に混色がない
X:成形体の混色が著しく実用に耐えない
b.成形体の変形 (金型意匠相似形態と異なる発泡成形形態)
判定
〇:成形体が金型意匠と相似形態で変形がな 、。
X:成形体の変形が著しく実用に耐えない。
cサイズバラツキ (成形毎に発泡成形体のサイズが異なる)
判定
〇:成形体サイズが安定しており ±0. 5%以内に入る。
X:成形体サイズが成形毎に著しく異なり(0. 5%を超える)実用に耐えない。
d.ェアースコーチ (十分な架橋発泡が部分的にできない状態)
判定
〇:成形体にエアースコーチトラブルが認められな 、。
X:成形体のエアースコーチトラブルが著しく実用に耐えない。
e.エアーポケット (成形体に気泡が入る状態)
判定
〇:成形体にエアーポケットトラブルが認められない。
X:成形体のエアーポケットトラブルが著しく実用に耐えない。
混練り:
いずれも、表 2の実施例 6に準拠した配合処方の配合物を 3L加圧ニーダーを用い 、 90°C、 10分間混練りし、 120°Cで排出した。なお、実施例 6では単色であるため、 顔料が群青のみを用いている力 これに対し、実施例 7〜9、比較例 8〜: LOでは、多 色発泡成形であるため、顔料として群青、オレンジ、あるいはイェローを 10%ブレンド した RB830マスターバッチを用いている以外、実施例 6と同様の配合処方である。 物性測定シート化:
10インチロールを用いて混練りされた混練り物を、 3. 1〜3. 9mm厚シートに分だ
しを行った。
多色発泡成形体の評価用シート化:
10インチロールを用いて混練りされた混練り物を、 4. 1〜5. 9mm厚シートに分だ しを行った。実施例シートは 80°Cのロール温度で平滑なシートを、比較例シートは分 だし時にロール温度を 50度にセットに凹凸なシートとした。
[0131] 以上の結果を表 3、 4に示す。
表 3、 4から明らかなように実施例 7〜9は、比較例 8〜10より、成形体混色、成形体 の変形、成形体のサイズバラツキ、成形体のエアーポケットおよび成形体のエアース コーチの何れにお 、ても著しく優れて 、ることが分かる。
実施例 7は、本発明の加工条件下に、本発明の要件を満たす金型を用いて成形し た。すなわち、本文で述べた、本発明の圧縮成形(1) 3枚割り金型使用カット成形法 を実施したもので評価結果カゝら明らかなように、優れた成形体を得ることができる。 なお、図 1に実施例 7で得られた多色発泡成形体の正面図を示す。また、図 4は、 実施例 7の抜き刃によるカット例で、靴底外側面部分の正面図である。さらに、図 5に 、実施例 7の多色発泡成形体の製造工程における正面図を示す。図 5の (ィ)は予備 成形後、図 5 (口)はバリ取り後の状態で外測部の汚れがない。図 5 (ハ)は成形体で、 混色がないことが分かる。
実施例 8は、本発明の加工条件下に、本発明の要件を満たす金型を用いて成形し た。すなわち、本文で述べた、本発明の圧縮成形 (2) 2枚割り金型を用いハンドロー ラーによるカット成形法を実施したもので評価結果から明らかなように、優れた成形体 を得ることができる。
実施例 9は、本発明の加工条件下に、本発明の要件を満たす金型を用いて成形し た。すなわち、本文で述べた、本発明の圧縮成形 (3) 2枚割り金型を用いインサート 成形法を実施したもので評価結果から明らかなように、優れた成形体を得ることがで きる。
[0132] 一方、比較例 8は、本発明の加工条件、金型を用いずに成形加工したもので、圧縮 成形(1) 3枚割り金型使用カット成形法に則らないために、評価結果は満足できるも のではない。
なお、図 6に、比較例 8の多色発泡成形体の製造工程における正面図を示す。図 6 の (ィ)は予備成形後、図 6 (口)はバリ取り後の状態で外測部の汚れが大である。図 5 ( ノ、)は成形体で、混色が大きいことが分力る。
比較例 9は、本発明の加工条件、金型を用いずに成形加工したもので、圧縮成形( 2) 2枚割り金型使用ハンドローラーカット成形法に則らないために、評価結果は満足 できるものではない。
なお、図 2に、比較例 9で得られた多色発泡成形体の正面図を示す。混色が認めら れ、不良品であることが分かる。
比較例 10は、本発明の加工条件、金型を用いずに成形加工したもので、圧縮成形 (3)インサート成形法に則らないために、評価結果は満足できるものではない。
なお、図 3に、比較例 10で得られた多色発泡成形体の正面図を示す。混色が認め られ、不良品であることが分かる。
3]
金型意匠平均深さは 3 mm
[0134] [表 4]
[0135] 実施例 10〜: L7、比較例 11、 12
実施例中の各種の測定は下記の方法に拠った。
ガラス転移温度 (Tg)、融点 (Tm)、 1, 2—ビュル結合含有量、 1, 2—ポリブタジェ ンの結晶化度は、実施例 1〜6と同様に求めた。
[0136] ロールカ卩ェ性:
10インチテストロール機使用
ロール回転数 F: B = 20 : 24rpm. ロール間隔 2. Omm
ロール表面温度 95〜105°C F ロールに巻き付け
◎:タイトに巻き付き作業性全く問題無し
〇:ロールに巻きつくが少し作業性が悪い程度
△:ロールには卷きつくが作業性は悪 、。
X:ロールに巻き付かず著しく作業性が悪い。
[0137] シート肌:
ロール回転数 F: B = 20 : 24rpm. ロール間隔 2. Omm
ロール表面温度 95〜105°C F ロールに巻き付けシート出ししたシート表面の 平滑性を評価
〇:シート表面が非常に平滑である。
△:シート表面に多少の凹凸があるがほぼ平滑である。
X:シート表面に凹凸、皺が多い。
[0138] ム一-一粘度:
JIS K 6300— 1に準拠して測定した。
フローテスト(153°C):
SHIMADZU FLOWTESTER CFT— 500を使用して測定した。 島津製作所社製
測定温度: 153°C 予熱時間: 3分 ダイ:直径 = lmm 長さ = 2mm
試験荷重: 40kgf プランジャー断面積: 1cm2
[0139] 多色成形時の混色:
多色成形時の混色を観察した。 (n= 3)
◎:混色なし
〇:部分的に混色有り。 面積として 0. 1〜0. 5cm2程度
△:混色がやや目立つ。 面積として 0. 6〜: L 0cm2程度
X:混色あり 面積として 1. lcm2以上
製品への気泡入り:
製品への気泡入りは、肉眼で確認できる気泡の数の平均値 (n= 5)で表示した。
◎:気泡なし
〇:気泡1〜2個ぁり
:気泡3〜10個ぁり
X:気泡多数あり
[0140] 発泡倍率:
架橋発泡後一昼夜放置し、製品の厚み、縦、横方向の発泡倍率 (倍)を表示 架橋温度: 153°C 架橋時間: 11分 使用金型: 4 X 120 X 220mm (厚み X縦 X 横)
密度:
JIS K 6268に準拠して測定した。
硬度:
SR1S0101〖こ準拠した ASKER C型 (スポンジ硬度計)で測定。
[0141] M300
JIS K6251 (2号ダンベル使用)に準拠して測定した。
引張強度 (T ) :
B
JIS K6251 (2号ダンベル使用)に準拠して測定した。
引張伸び (E ) :
B
JIS K6251 (2号ダンベル使用)に準拠し測定した。
引裂強度 (TR— B) :
JIS K6252 (切り込みなしアングル形使用)に準拠して測定した。
[0142] AKRON摩耗:
JIS K6264に準拠して評価した。
測定条件;荷重 =6 Lbs、傾斜角度 = 15度 予備刷り =なし試験刷り = 3, 000回 [0143] 混練り:
表 5に示す配合処方で、配合物を、 3L加圧-一ダーを用い、 90°C、 10分間混練り し、 140°Cで排出した。
シート化:
10インチロールを用いて混練りされた混練り物を、 3. 1〜3. 9mm厚シートに分だ
しを行った。
テストピース作成:
150トンカ卩硫プレス機を使用し、物性評価ピースは 4mm厚 X 120mm X 220mm 金型を使用し 153°C X 11分架橋し、各々の評価用ピースに供した。
外観評価は、複数の色を配置した多色専用 4mm厚靴金型を用い成形外観を評価 した。
以上の結果を表 6に示す。
表 5、 6から明らかなように、実施例 10〜17は、本発明の組成物であり、実施例 10 〜14はフッ素系熱可塑性榭脂を含む場合であり、実施例 15〜17は、フッ素系熱可 塑性榭脂を含まない場合である。実施例 10〜14はフッ素系熱可塑性榭脂を配合す ることにより、ム一-一粘度やフローテストによる粘度 (VI)が上昇し、ロールカ卩ェ性、 シート肌、多色成形時の混色がなぐ製品への気泡入りが少なぐ硬度、引張強度、 引裂強度、密度および AKRON Ab (アクロン摩耗)特性が優れ、かつこれら評価項 目の何れもが欠けることなく優れている。
これに対し、フッ素系熱可塑性榭脂を含まない実施例 15は、ム一-一粘度および フローテストでの粘度が上がらず、多色成型時の混色があり、製品への気泡入りが発 生するなど実施例 10〜14に比べ、若干成形性が満足できない。
実施例 16は、フッ素系熱可塑性榭脂の代わりにアクリル系高分子加工剤を添加し た例であり、ム一-一粘度およびフローテストによる粘度 (VI)の上昇は全く得られず 、多色成型時の混色があり、製品への気泡入りが発生するなど実施例 10〜14に比 ベ、若干成形性が満足できない。
実施例 17は、フッ素系熱可塑性榭脂の代わりにベントナイトを添加した例であり、ム 一-一粘度およびフローテストによる粘度 (VI)の上昇は全く得られず、多色成型時 の混色があり、製品への気泡入りが発生するなど実施例 10〜14に比べ、若干成形 性が満足できない。
比較例 11は、本発明の範囲外で、本発明の上記 (1)、(Π)いずれの場合にも相当 せず、ロール卷付性、シート肌が悪ぐ多色成形時の混色があり、製品への気泡入り が発生するなどの問題がある。
比較例 12は、本発明範囲外で、本発明の上記 (1)、 (Π)いずれの場合にも相当せ ず、フッ素系熱可塑性樹脂の代替として配合物の粘度を上昇させる手段としてゴム 配合で一般的に用いられるホワイトカーボン (シリカ)を添加した例であり、ム一-一粘 度およびフローテストによる粘度 (VI)の上昇があり、多色成型時の混色も少なぐ製 品への気泡入りも少な!/、が、同一配合のフッ素系熱可塑性樹脂を配合した本発明の 組成物である実施例 13, 14に比較して配合物のロール巻き付き性が悪ぐ製品の硬 さ上昇があり、耐摩耗'性の低下などの問題がある。
[表 5]
* 1)JSR社製、 RB830 (1, 2 ポリブタジエン)、ガラス転移温度 = 12°C、融点 = 110°C、 1, 2 結合 = 93%、 η Zc = 0. 8、結晶化度 = 28%、 MI = 3
sp
* 2) JSR社製、 BR01 (ブタジエンゴム)
* 3)宇部興産社製、 UBE VCR412、 1, 2 結合 = 12%、シス 1, 4 結合 =8 6%、トランス 1, 4 結合 = 2%
* 4)宇部興産社製、 UBE VCR617, 1, 2 結合 = 17%、シス 1, 4 結合 =81 %、トランス 1, 4 結合 = 2%
* 5)天然ゴム、1^3 # 1素練り品 ML (100。C) =60
1+4
* 6シリコーンゴム(高分子シリコーン):ダウコーニング社製、高分子シリコニンゴム コンパウンド、 CF201U
* 7)酸化亜鉛:堺化学工業社製、 2種使用
* 8)ステアリン酸亜鉛:堺化学工業社製、比重 1. 07
* 9)ステアリン酸:旭電ィ匕工業社製、融点 71°C
* 10)軽質炭酸カルシウム:白石工業社製、シルバー W
* 11)シリカ:東ソ一'シリカ社製、 -プシール
VN3
* 12)ィルガノックス 1076:チバ'スペシャルティ'ケミカルズ社製、老化防止剤 * 13)酸ィ匕チタン:堺ィ匕学工業社製、アナターゼ型
* I4)顔料:山陽色素社製、群青 10%含有 RB830マスターバッチ
*15)TAIC— 60:日本化成社製、トリアリルイソシァヌレート
* 16)PEG#4000:山陽ィ匕成工業社製、ポリエチレングリコーノレ
* 17)PTFE— 1:三井'デュポンポリケミカル社製、テフロン 6J
*18)PTFE— 2:ダイキン工業社製、 POLYFLON PTFE D— 1E
*19)METABLEN P— 531A:三菱レイヨン社製、アクリル系高分子加工剤 *20)KUNIGEL V— 1:クニミネ工業社製、ベントナイト(モンモリナイト +石英' aクリストバライト ·長石 ·方解石)
* 21)発泡剤 FE- 788:永和化成工業社製、
*22)DCP— (98%):日本油脂社製、
園
産業上の利用可能性
本発明の発泡体用組成物は、特定の (A) 1, 2—ポリブタジエン、あるいは、(A) 1
2 ポリブタジエンと(B) VCRとを組み合わせ、必要に応じてさらに(C)他の熱可塑 性重合体を配合しているので、厚み精度に優れ、適度な硬度を有し、平滑性に優れ 、さらに熱をかけても流れすぎることのなく(温度に対して鈍感であり混色がない)カロ ェ性に優れている。上記本発明の特徴は、重合体成分に (C— 2)フッ素系熱可塑性 榭脂を加えることにより、さらに顕著に発揮される。
したがって、この発泡体用組成物を用いて、圧縮成形すると、多色圧縮成形時に混 色がなぐ発泡成形時にエアーポケット (成形加工時脱気が不十分で架橋が十分に 掛からず成形外観 ·性能を損なう状態)、ェアースコーチ (部分的に過架橋で気泡が 発生する状態)などのトラブルがなぐ組成物の混練り後の分出しシーティング肌が美 麗なため、金型仕込み時の生地計量精度が高ぐ混色がなぐ発泡サイズの安定し た成形が可能である。
このため、本発明の組成物は、ランニングシューズ底、ジョギングシューズ底、ゴル フシューズ底、ベースボールシューズ底、サッカーシューズ底などのスポーツシユー ズ底、ヒールリフト、玩具、文具、建材、 日用雑貨、発泡成形用途、シート成形用途、 インジェクションシューズ底(発泡、非発泡)、ユニットノール、ヘップサンダル、カジュ アルシューズ底、紳士'婦人シューズ底、保護具、自動車部品、電気部品用途などに 有用である。
また、本発明の組成物から製造された成形体 (架橋 ·発泡物)は、具体的には、紳 士靴、婦人靴、カジュアルシューズ、ランニングシューズ、ジョギングシューズ、トラツキ ングシューズ、各種競技用シューズ、登山シューズ、ドレスシューズ、ゴルフシューズ 、屋内履きシューズ、スリッパ類、ビーチサンダル類などの履物全般の靴底材料とし て有用である。
また、本発明の組成物および成形体 (架橋 ·発泡物)は、必要に応じて、自動車部 品、建材部品、工業部品、玩具'雑貨部品、スポーツ '健康部品などの各種成形品や 、各種シート、フィルム、そのほかの工業用品、緩衝材料、包装材料などに使用する ことができる。また、本発明の発泡成形体 (架橋物を含む)は、寸法精度に優れ,耐 久性、クッション性にも優れており、熱成形スポンジにも応用できる。