WO2006001276A1

WO2006001276A1 - 脳波検出用電極装置およびパッケージ

Info

Publication number: WO2006001276A1
Application number: PCT/JP2005/011359
Authority: WO
Inventors: Yoshiyuki Kumada; Toshimitsu Musha
Original assignee: Olympus Corporation; Brain Functions Laboratory, Inc.
Priority date: 2004-06-25
Filing date: 2005-06-21
Publication date: 2006-01-05
Also published as: EP1767147A4; EP1767147A1; US20080027345A1

Abstract

検査ごとに清掃する手間を省き、衛生的に検査を行い、かつ使い勝手を向上する。頭皮に接触配置され脳波信号を検出する脳波検出用電極装置であって、先端に電極を配置した棒状の電極装置本体と、該電極装置本体の先端に取り付けられ、電極を被覆するように密着配置される電解液を含んだ弾性部材を有するキャップとを備え、該キャップを電極装置本体に対して着脱可能に接続する接続手段が設けられている脳波検出用電極装置を提供する。

Description

明細書

脳波検出用電極装置およびパッケージ

技術分野

[0001] この発明は、脳波検出用電極装置およびパッケージに関するものである。

背景技術

[0002] 従来、アルツハイマー病の早期発見を目的として、脳機能状態の解析が行われており、種々の脳機能状態の解析手法が提案されている (例えば、非特許文献 1、非特許文献 2参照。 )₀この解析手法は、脳波信号を検出して、その空間的な伝達の滑ら力さと、標準偏差とに基づいて判定される。脳神経細胞の活動が正常な場合には、脳波信号は滑らかに伝達され、そのばらつきも少ないが、アルツハイマー病が進行して脳神経細胞の活動が低下すると、脳波信号の空間的な伝達の滑らかさが失われ、その標準偏差が増大して、く傾向にある。

[0003] このような解析を精度よく行うためには、脳波信号を精度よく検出することが不可欠である。脳波信号は、複数の電極を頭皮に接触させて検出するが、頭髪の存在や、頭の形状の不均一さから、電極と頭皮との確実な接触状態を実現するには、ペーストにより電極を頭皮に接着することが一般的である。

[0004] 一方、ペーストを使用しないペーストレスの脳波信号検出方法も提案されている（例えば、特許文献 1、特許文献 2参照。 ) ₀これらの検出方法は、導電性溶液を吸水した状態の繊維片または導電性を与えた含水ゲルを発泡材に含浸させたものをそれぞれ電極として頭皮に接触させる方式のものである。

[0005] 非特許文献 1 :株式会社脳機能研究所、「初期アルツハイマー病における脳皮質神経細胞の機能劣化を検出する新しい脳波解析法 DIMENSIONについて」、 [online], [ 平成 16年 3月 8日検索]、インターネットく URL: http://www.bfl.co.jp/abst-32.html >

非特許文献 2 :株式会社脳機能研究所、「脳皮質神経細胞機能劣化度推定法」、 [onl ine]、 [平成 16年 3月 8日検索]、インターネットく URL: http://www.bfl.co.jp/abst-3 l.html > 特許文献 1：特開平 10— 165386号公報 (第 2頁等）

特許文献 2 :実開平 2— 63811号公報（図 1等）

発明の開示

[0006] 脳波の検出は複数の電極を正確に配置して行う必要があり、電極は、被検査者の頭部に被せられる所定のホルダに位置決め固定されているのが一般的である。この場合、電極の先端部は、頭皮に接触状態に配置されるため、検査ごとに清掃する必要がある。

[0007] 本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、検査ごとに清掃する手間を省き、衛生的に検査を行うことが可能な脳波検出用電極装置およびパッケージを提供することを目的としている。

[0008] 上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。

本発明は、頭皮に接触配置され脳波信号を検出する脳波検出用電極装置であつて、先端に電極を配置した棒状の電極装置本体と、該電極装置本体の先端に取り付けられ、電極を被覆するように密着配置される電解液を含んだ弾性部材を有するキヤップとを備え、該キャップを電極装置本体に対して着脱可能に接続する接続手段が設けられている脳波検出用電極装置を提供する。

[0009] 本発明によれば、先端に電極を配置した棒状の電極装置本体にキャップを被せることにより、電極が被覆され、キャップに備えられた電解液を含んだ弾性部材が電極に密着配置される。これにより、頭皮にキャップ先端の弾性部材を接触させると、弾性部材に含まれている電解液が頭皮に浸透し、電極と頭皮とが電気的に接続されることになり、電極によって脳波信号が検出されることになる。

この場合において、接続手段の作動により、キャップが電極装置本体に着脱可能とされるので、使用時に接続手段の作動によりキャップを電極装置本体の先端に取り付けて電極を被覆し、非使用時にはキャップを電極装置本体の先端力取り外すことができる。すなわち、キャップを使い捨て部品とすることができる。その結果、電極装置本体を交換することなくキャップを交換するだけで、簡易に、衛生的かつ低コストで多数の被検査者に対する脳波の検出を行うことが可能となる。

[0010] また、本発明は、頭皮に接触配置され脳波信号を検出する脳波検出用電極装置であって、先端に第 1の接点を配置した棒状の電極装置本体と、該電極装置本体の先端を被覆するように取り付けられ、前記第 1の接点に接触させられる第 2の接点を有するキャップとを備え、該キャップを電極装置本体に対して着脱可能に接続する接続手段が設けられ、前記キャップが、前記第 2の接点に接続する電極と、該電極を被覆するように密着配置される電解液を含んだ弾性部材とを備える脳波検出用電極装置を提供する。

[0011] 本発明によれば、使用時に接続手段の作動により、キャップを電極装置本体の先端に取り付けると、第 1の接点と第 2の接点とが接続されて電極装置本体とキャップの電極との電気的な接続が行われる。キャップには、電解液を含んだ弾性部材が備えられているのでキャップの先端を頭皮に接触させると、弾性部材が弾性変形して頭皮に密着するとともに、弾性部材に含まれている電解液が頭皮に浸透して電極と頭皮とが電気的に接続された状態となる。これにより、頭皮からの脳波信号を電極により検出することができる。

[0012] 上記発明にお!/、ては、前記接続手段が、前記キャップと電極装置本体に取り付けられた状態で、前記第 1の接点と第 2の接点との接触部を水密状態にするシール部材が備えられて、ることが好ま、。

接続手段が、キャップと電極装置本体に取り付けられた状態で、シール部材の作動により第 1の接点と第 2の接点との接触部が水密状態とされるので、接点の接触部への水分や塵埃の進入が防止され、接触不良等の不都合の発生を未然に防止することがでさる。

[0013] また、本発明は、複数の前記キャップ部が連結部により一体的に連結されている脳波検出装置を提供する。

[0014] 本発明によれば、連結部により一体的に連結された複数のキャップ部を、脳波検出装置に備えられた複数の電極装置本体の先端に被せることにより、複数の脳波検出用電極装置を一括して構成することができる。キャップを脳波検出用電極装置の配置はある程度定まっているため、複数のキャップ部を連結部により一体ィ匕することで、部品点数を低減して管理を容易にすることができる。

[0015] 上記発明においては、前記連結部が、可撓性材料からなることが好ましい。連結部を可撓性材料とすることにより、被検査者の頭部の形状に合わせて位置調整された複数の脳波検出用電極装置の全ての電極装置本体の位置に合わせて連結部を変形させてキャップ部を被せることができる。

[0016] 上記発明においては、前記連結部に、取付方向を指示する指示表示が設けられていることとしてちよい。

複数の嵌合筒部を一体的に構成した場合には、複数の脳波検出用電極本体に被せる際に、その方向が示されていると便利である。すなわち、予め定められた脳波検出用電極本体の間隔は均一ではな、ので、指示表示によって取付方向を指示しておくことにより、取付作業を容易にすることができる。

[0017] また、上記発明においては、前記接続手段が、前記キャップと電極装置本体との嵌合部に、キャップまたは電極装置本体のいずれか一方に固定され、他方との間の摩擦力により接続状態を維持する弾性支持部材を備えることとしてもょヽ。

キャップを電極装置本体に嵌合させると、キャップまたは電極装置本体の、ずれかに設けられた弾性支持部材が弾性変形させられて他方との間に摩擦力を発生させ接続状態が維持される。これにより、キャップを電極装置本体に簡易に着脱することが可能となる。

[0018] また、上記発明にお、ては、前記弾性支持部材が、 Oリングまたは Yパッキン力もなることとしてちよい。

弾性支持部材を oリングまたは Yパッキンにより構成することで、キャップと電極装置本体との嵌合部を全周にわたって密封状態に閉塞でき、摩擦力によってキャップを電極装置本体に接続状態に維持できるとともに、接続部への塵埃や水分の進入を防止することができる。

[0019] さらに、上記発明においては、前記接続手段が、前記キャップまたは前記電極装置本体のいずれか一方に設けられた雌ねじと、他方に設けられ、雌ねじに締結される雄ねじとからなることとしてもよ!/、。

また、上記発明においては、前記接続手段が、前記キャップまたは前記電極装置本体のいずれか一方に設けられ、接続方向に直交する方向に突出する突起と、他方に設けられ、接続状態において前記突起を収容する凹部とからなることとしてもよい。雌ねじと雄ねじとを締結し、または緩めることにより、キャップを電極装置本体に簡易に着脱し、かつ、確実な締結状態を維持することが可能となる。また、突起と凹部との係合によっても簡易かつ確実に着脱することが可能となる。

[0020] 上記発明においては、頭皮に接触する前記キャップの先端面の面積力約 19mm 2以上約 314mm²以下である脳波検出用電極装置を提供する。

[0021] 本発明によれば、頭髪を有する頭皮に脳波検出用電極装置を押し当てると、電解液を含んだ弾性部材を有するキャップの先端面が頭髪を搔き分けて頭皮に接触する。キャップの先端面と頭皮との間の一部には頭髪が挟まれることになるが、キャップ先端面の面積を約 19mm²以上に設定することにより、頭髪を搔き分けられて露出した頭皮に十分な広さで接触することが可能となり、接触抵抗を低減させることができる。また、キャップ先端面の面積を大きくしていくほど、キャップ先端面と頭皮との間に挟まれる頭髪が多くなるため、キャップ先端面の面積を大きくしても接触抵抗が向上していくものではない。逆に、約 314mm²より大きく設定すると、隣接する電極装置と干渉する可能性があり好ましくない。そこで、約 314mm²以下に設定すれば、そのような不都合がない。

[0022] 上記発明においては、前記電極が金からなり、または金メッキを施されていることが好ましい。金属電極を金または金メッキにより構成することによって、電気抵抗値を低減することができるとともに、防鲭効果により、使用につれて電気抵抗値が増大することを防止することがでさる。

[0023] また、上記発明においては、前記電解液が、生理食塩水力もなることとしてもよい。

また、前記電解液を、生理食塩水とアルコールとの混合液カゝらなるものとしてもよい。これらの電解液によれば電気抵抗値が低ぐ検出される脳波信号を低下させることがない。また、アルコールを混入させることにより、頭皮における皮脂の洗浄効果があり、接触抵抗値をさらに低減することができる。

[0024] また、上記発明にお!/、ては、前記電極装置本体が複数の電極を備え、すべての電極を被覆するように密着配置した前記キャップの先端面の総面積力約 19mm²以上約 314mm²以下であることとしてもよい。

総面積として約 19mm²以上を確保すれば、接触抵抗値を低減することができる。また、複数の先端部に分けることにより、搔き分けられた頭髪を先端部間に配置して、先端部を頭皮に密着させることができる。

[0025] また、本発明は、電極装置本体に略櫛歯状の電極を備え、前記電極を被覆するように密着配置した前記キャップの先端面の総面積力約 19mm²以上約 314mm²以下であることとしてもよい。

一体の金属電極の複数の先端部が櫛歯のように機能して頭髪を搔き分けることができ、頭髪を搔き分けられて露出した頭皮に十分な広さで接触することが可能となり、接触抵抗を低減させることができる。

[0026] また、上記発明にお、ては、前記電極の先端部が略球面状に形成され、前記キヤップの先端面が電極の球面部に沿う略球面状に形成されていることとしてもよい。このようにすることで、頭部の形状が複雑な場合であって、頭皮に対して金属電極を垂直に接触させることができない場合においても、接触抵抗値を低減して、確実な接虫を図ることができる。

[0027] また、本発明は、上記記載のキャップと、該キャップを気密状態に収容する包装部材とを備えるパッケージを提供する。

本発明によれば、キャップを包装部材によって気密状態に収容することにより、弾性部材に含浸された電解液の揮発を防止して、即座に使用できる状態で提供することがでさる。

[0028] 上記発明にお、ては、前記キャップに、弾性部材表面を被覆するカバー部材をさらに備えることが好ましい。

このようにすることで、弾性部材表面をカバーによって被覆した状態で包装部材に収容されることにより、弾性部材力電解液が包装部材内にこぼれたりする不都合の発生を未然に防止し、弾性部材表面を保護することができる。

[0029] また、上記発明にお!/、ては、前記包装部材内部に、外部から視認可能な湿度センサが配置されて、ることとしてもよ!/、。

このようにすることで、湿度センサの作動により包装部材の内部の湿度を表示することができる。弾性部材の電解液が乾燥した場合には、そのキャップを使用しても脳波信号を精度よく検出することができないので、そのキャップが使用できない旨を湿度センサによって予め表示しておくことで、取付作業の無駄や、検査作業の無駄を防止することができる。

[0030] また、上記発明にお、ては、前記包装部材が、複数のキャップを収容して、ることとしてちよい。

同時に使用される複数のキャップを同一の包装部材に収容することにより包装部材の数を低減してコストを削減できるとともに、湿度の管理も容易になる。

[0031] また、上記発明においては、前記複数のキャップ力脳波検出時の配置に対応づけて包装部材に収容されて、ることが好ま U、。

脳波検出には複数の電極が同時に使用されるため、これに合わせて同時に使用される複数のキャップを脳波検出時の配置に対応づけて収容しておくことにより、キヤップの交換忘れによる使、回しや、付け忘れを防止することができる。

[0032] さらに、上記発明においては、キャップおよび包装部材に、同一の識別コードが付されていることが好ましい。

同時に使用されるキャップには同一の識別コードを付することにより、交換し忘れを防止することができる。

図面の簡単な説明

[0033] [図 1]本発明の第 1の実施形態に係る脳波検査装置を被検査者の頭部に装着した状態を示す模式図である。

[図 2]図 1の脳波検査装置に使用される脳波検出用電極装置の第 1の実施形態を示す縦断面図である。

[図 3]図 2の脳波検出用電極装置の電極装置本体力キャップを取り外した状態を示す縦断面図である。

[図 4]図 2の脳波検出用電極装置のキャップの変形例を示す部分的な縦断面図である。

[図 5]図 1の脳波検査装置に使用される脳波検出用電極装置の第 2の実施形態を示す縦断面図である。

[図 6]図 5の脳波検出用電極装置の変形例を示す縦断面図である。

[図 7]図 1の脳波検査装置に使用される脳波検出用電極装置の第 3の実施形態を示す縦断面図である。

圆 8]図 7の脳波検出用電極装置に装着されるキャップを示す平面図である。

圆 9]本発明の第 1の実施形態に係るキャップパッケージを示す図である。

[図 10]内部に収容するキャップとして図 5に示された脳波検出用電極装置のキャップを用いた場合を示す縦断面図である。

[図 11] (a)および (b)は複数のキャップを収容可能な包装部材の一例を示す (a)斜視図および (b)キャップの側面図である。

[図 12]内部に収容するキャップとして図 7に示された脳波検出用電極装置の電極を有しな、キャップを用いた場合を示す縦断面図である。

[図 13]内部に収容するキャップとして電極を有するキャップを用いた場合を示す縦断面図である。

圆 14]図 12のキャップを包装部材に収容した状態を示す斜視図である。

圆 15]本発明の第 4の実施形態に係る脳波検出用電極装置を備える脳機能解析システムを示す全体構成図である。

[図 16] (a)〜（c)は図 15の脳波検出用電極装置の配置を示す人体頭部の（a)側面図、（b)正面図および (c)平面図である。

圆 17]図 15の脳波検出用電極装置先端部の分解斜視図である。

圆 18]図 17の脳波検出用電極装置を頭皮に接触させた状態を示す縦断面図である圆 19]図 15の脳波検出用電極装置の先端部の外形寸法と接触抵抗値の平均値との関係を示すグラフである。

圆 20]本発明の第 5の実施形態に係る脳波検出用電極装置の先端部を示す斜視図である。

[図 21]図 20の脳波検出用電極装置の変形例を示す縦断面図である。

[図 22]図 21の脳波検出用電極装置を示す斜視図である。

圆 23]本発明の第 6の実施形態に係る脳波検出用電極装置の先端部を示す縦断面図である。

発明を実施するための最良の形態 [0034] 本発明の第 1の実施形態に係る脳波検査装置 1、脳波検出用電極装置 2およびキヤップ 3について図 1から図 3を参照して以下に説明する。

本実施形態に係る脳波検査装置 1は、図 1に示されるように、被検者 Aの頭皮 B〖こ接触配置される複数の脳波検出用電極装置 2を備えている。各脳波検出用電極装置 2は、被検査者 Aの頭部に被せられる帽子あるいはへルメット状の保持部材 4に固定されている。

[0035] 前記脳波検出用電極装置 2は、図 2に示されるように、電極装置本体 5と、該電極装置本体 5の先端に露出して設けられた電極 6と、電極装置本体 5の先端に、電極 6 を覆うように被せられるキャップ 3と、該キャップ 3を電極装置本体 5に対して着脱可能に取り付ける接続手段 7とを備えて、る。

電極装置本体 5は、略円柱状に形成され、保持部材 4に設けられた貫通孔 4aに嵌合された状態で固定されて、る。

[0036] 前記電極 6は、略円板状のプレートであって、電極装置本体 5の先端面に固定されている。電極 6には、電極装置本体 5内部を介してケーブル 8が接続されている。また、電極 6は金により構成され、あるいは金メッキを施されている。

ケーブル 8は、図示しない脳波計に接続され、検出された脳波信号に基づいて脳機能状態が解析されるようになって、る。

[0037] 前記キャップ 3は、図 3に示されるように、前記電極装置本体 5の先端部に被せられる略円筒状の円筒状部 9と、その一端に支持されたスポンジまたは不織布のような弾性部材 10とから構成されている。弾性部材 10は、前記キャップ 3が電極装置本体 5 に被せられたときに、前記電極 6表面全体に密着配置されるような形状、すなわち、電極 6との接触面が電極 6の面積以上の面積を有して、て、電極 6表面全体に密着し、電極との界面の接触抵抗をできるだけ低減するように形成されている。弾性部材 10〖こは、生理食塩水または生理食塩水とアルコールとの混合液カゝらなる電解液 11 が含浸されている。

[0038] 前記接続手段 7は、例えば、 Oリングまたは Yパッキンのような弾性のある弾性支持部材 (以下、弾性支持部材 7ともいう。）により構成されている。弾性支持部材 7は、例えば、電極装置本体 5の外周面に全周にわたって配置されている。キャップ 3が電極装置本体 5に被せられると、電極装置本体 5外周面の弾性支持部材 7がキャップ 3の内面との間に摩擦力を生じて、キャップ 3を電極装置本体 5に取付状態に保持することができるようになって!/、る。

[0039] このように構成された本実施形態に係る脳波検査装置 1によれば、脳波検出用電極装置 2が、保持部材 4に固定される電極装置本体 5と、該電極装置本体 5の先端に被せられるキャップ 3とから構成されてヽるので、キャップ 3を交換するだけで複数の被検査者 Aに同じ脳波検査装置 1を衛生的に使用することができる。また、キャップ 3 と電極装置本体 5との接続が、両者を摩擦力により取付状態に保持する弾性支持部材 7により構成されているので、電極装置本体 5へのキャップ 3の着脱が容易であり、交換作業に手間が力からないという利点がある。また、電極を金または金メッキにより構成しているので、導電性が良好であり、かつ、電解液による鲭びの発生を防止することができる。

[0040] また、電極装置本体 5とキャップ 3との間が弾性支持部材 7によって密封されるので、電極 6と弾性部材 10との間に塵埃等が侵入するおそれがない。また、電極装置本体 5にキャップ 3を被せるだけで、弾性部材 10が電極 6全体に密着させられるので、接触抵抗を低減し脳波信号を効率よく検出することができる。

[0041] また、キャップ 3が電極装置本体 5に取り付けられると、被検査者 Aの頭皮 Bに接触させられる電極装置本体 5の先端部に弾性部材 10が配されるので、該弹性部材 10 を弾性変形させることで頭皮 Bとの十分な接触面積を確保することができる。そして、弾性部材 10が弾性変形させられることにより、弾性部材 10に含浸されていた電解液 11がしみ出して頭皮 Bに浸透し、電極 6と頭皮 Bとの良好な導通状態を達成することができる。

その結果、ペーストレス方式を採用して、脳波検査装置の装着を容易にし、被検査者 Aに力かる負担を低減することができるとともに、ペーストを用いなくても、安定した脳波信号の検出を行うことができるという利点がある。

[0042] また、電極装置本体 5から切り離されるキャップ 3は、使用の都度交換可能な使い捨て (ディスポ部品）とすることが可能となり、使用の都度の保持部材 4や電極装置本体 5の清掃を不要として、衛生管理に要する手間とコストを低減することができる。 [0043] なお、電極装置本体 5の外周面に弾性支持部材 7を固定することとしたが、これに代えて、キャップ 3の内面に固定することにしてもよい。接続手段を全周にわたる弾性支持部材 7により構成した力これに代えて、周方向に部分的に配されるゴム等の弹性体により構成してもよい。

[0044] また、本実施形態においては、接続手段として、キャップ 3と電極装置本体 5とを摩擦力により接続状態に維持する弾性支持部材 7を採用したが、これに代えて、図 4に示されるように、電極装置本体 5の外周面に鍔状に突起 12を設け、キャップ 3の内面にこの突起 12を係合させる凹部 13を設けることにしてもよい。このようにすることで、さらに確実に接続状態を維持することができる。例えば、脳波検査装置 1を被検査者 Aの頭部に装着する際に、脳波検出用電極装置 2によって被検査者 Aの頭髪を搔き分ける場合があるが、この場合においても、電極装置本体 5へのキャップ 3の接続状態を維持させることができる。

[0045] なお、電極装置本体 5の外周面に凹部を設け、キャップ 3の内面に突起を設けることにしてもょ、ことは言うまでもな、。

また、突起 12と凹部 13とを係合させることに代えて、電極装置本体 5とキャップ 3とに相互に締結可能な雄ネジと雌ネジとを設けることにより、着脱可能としてもよい。

[0046] 次に、本発明の第 2の実施形態に係る脳波検出用電極装置 20およびキャップ 21 について図 5を参照して以下に説明する。

本実施形態に係る脳波検査装置は、脳波検出用電極装置 20およびキャップ 21において第 1の実施形態に係る脳波検査装置 1と相違している。なお、本実施形態の説明において、上述した第 1の実施形態に係る脳波検査装置 1、脳波検出用電極装置 2およびキャップ 3と共通する箇所に同一符号を付して説明を省略する。

[0047] 本実施形態における脳波検出用電極装置 20は、図 5に示されるように、キャップ 21 力円板状の電極 6と、該電極 6に密着配置される弾性部材 10と、電極 6に接続する配線 22と、電極装置本体 23に接続するための接続部 24を備えている。

電極 6および弾性部材 10は、第 1の実施形態における電極 6および弾性部材 10と同様である。接続部 24は、略円柱状の嵌合部 25と、該嵌合部 25の外周面に設けられた突起 26と、同じく外周面に設けられた Oリングのようなシール部材 27と、嵌合部 25の先端面に、前記配線 22の一端を露出させてなる接点（第 2の接点） 28とを備えている。

[0048] 電極 6と弾性部材 10とは、密着状態に配置されるとともに、その周囲を周壁 29によつて取り囲まれることにより、電極 6、および弾性部材 10の電極 6との界面が外部に露出しな、ように構成されて！、る。

[0049] また、前記電極装置本体 23には、前記キャップ 21の嵌合部 25を嵌合させる嵌合凹部 30と、該嵌合凹部 30の内周面に設けられ前記突起 26を係合させる凹部 31と、前記キャップ 21の接点 28に対応する位置に、前記ケーブル 8の一端を露出させてなる接点 (第 1の接点） 32とが備えられている。

[0050] このように構成された本実施形態に係る脳波検出用電極装置 20によれば、キヤップ 21の嵌合部 25を電極装置本体 23の嵌合凹部 30に嵌合させ、嵌合部 25外周面の突起 26を嵌合凹部 30内周面の凹部 31に係合させるだけで、キャップ 21を電極装置本体 23に取付状態に維持することができる。そして、このとき、第 1の接点 28と第 2 の接点 32とが接触状態とされ、ケーブル 8と電極 6とが導通させられることになる。すなわち、弾性部材 10を被検査者 Aの頭皮 Bに接触させ、電解液 11を頭皮 Bに浸透させて行われる脳波検出により得られた脳波信号が配線 22、第 1,第 2の接点 32, 28 およびケーブル 8を介して図示しない脳波計に送られることになる。

[0051] また、嵌合部 25に設けたシール部材 27が、嵌合凹部 30内周面との間で潰れることにより嵌合部 25と嵌合凹部 30との嵌合面を全周にわたって密封する。これにより、第 1の接点 28と第 2の接点 32との接触部が外部に対して密封状態に配され、塵埃ゃ電解液 11の侵入が防止されることになる。

[0052] このように、本実施形態に係る脳波検出用電極装置 20によれば、電極 6を備えたキヤップ 21を交換可能に取り付けることとしているので、キャップ 21をディスポ部品とすれば、衛生管理に力かる手間とコストを低減することができるという第 1の実施形態と同様の効果を奏する。また、第 1の実施形態とは異なり、電極 6を露出させずに済むので、電極 6と弾性部材 10との間に塵埃等が侵入することを防止できる。また、シール部材 27により第 1の接点 32と第 2の接点 28との接触部を密封状態に保護するので、塵埃や電解液 11等の侵入を防止して良好な導通状態を発生することができる。 [0053] なお、突起 26と凹部 31およびシール部材 27は、嵌合部 25、嵌合凹部 30のいずれに設けてもよい。また、キャップ 21に円柱状の嵌合部 25、電極装置本体 23に嵌合凹部 30を設けることとした力これに代えて、図 6に示されるように、キャップ 21に嵌合凹部 33、電極装置本体 23に嵌合部 34を設けることにしてもよいことは言うまでもない。

[0054] 次に、本発明の第 3の実施形態に係る脳波検査装置 40、脳波検出用電極装置 41 およびキャップ 42について、図 7および図 8を参照して以下に説明する。

なお、本実施形態の説明において、上述した各実施形態に係る脳波検査装置 1、脳波検出用電極装置 2, 20およびキャップ 3, 21と共通する箇所に同一符号を付して説明を省略する。

[0055] 本実施形態に係る脳波検査装置 40および脳波検出用電極装置 41は、キャップ 42 の構造において、第 1,第 2の実施形態と相違している。

本実施形態におけるキャップ 41は、図 7および図 8に示されるように、保持部材 4に固定された複数の電極装置本体 5に被せられる複数のキャップ部 43を備え、これらキャップ部 43を連結する連結部材 44を備えている。本実施形態において、電極装置本体 5およびこれらのキャップ部 43は、図 2および図 3に示された第 1の実施形態における電極装置本体 5およびキャップ 3とほぼ同様の構造を有している。

[0056] すなわち、本実施形態に係るキャップ 41のキャップ部 43は、各電極装置本体 5の先端に設けた電極 6に被せられる円筒状部 45と、該円筒状部 45の先端に支持された弾性部材 10とから構成されている。連結部材 44は、例えば、シリコーンゴムのような可撓性および伸縮性のある材料力もなるシート状の部材であって、複数のキャップ部 43を連結している。

また、連結部材 44には、図 8に示されるように、その取付方向を示すマーク（指示表示） 46が設けられている。

[0057] このように構成された本実施形態に係る脳波検査装置 40によれば、保持部材 4に固定された複数の電極装置本体 5の全ての先端部に、連結部材 44を湾曲および伸縮させて、図 7に示されるように、電極装置本体 5の先端部の電極 6を被覆するよう〖こキャップ部 43を被せて装着する。このとき、連結部材 44に設けられたマーク 46を目印にして、例えば、マーク 46が保持部材 4の前方中央部に配置されるように、キヤップ 42を装着する。これにより、複数の電極装置本体 5にキャップ 42を一括して取り付けることができる。

[0058] 本実施形態に係る脳波検査装置 40によれば、複数の電極装置本体 5に装着するキャップ部 43を連結部材 44により一体ィ匕して、るため、ディスポ部品の部品点数を減らすことができ、管理が容易である。また、ディスポ部品の装着の手間を省くことができるという効果がある。

なお、本実施形態の説明においては、キャップ部 43の構造として、第 1の実施形態におけるキャップ 3と同一の構造を採用した力これに代えて、電極装置本体およびキャップ部として図 5,図 6に示される構造のものを採用してもよい。

[0059] 次に、本発明の第 1の実施形態に係るキャップパッケージ 50について図 9を参照して以下に説明する。

本実施形態に係るキャップパッケージ 50は、第 1の実施形態に係るキャップ 3と、該キャップ 3に取り付けられるカバー部材 51, 52と、カバー部材 51, 52を取り付けたキヤップ 3を密封状態に包装する包装部材 53とから構成されている。キャップ 3の弾性部材 10には電解液 11が含浸されている。

[0060] 前記カバー部材 51, 52は、キャップ 3の弾性部材 10を気密状態に覆う保護フィルム 51と、電極装置本体 5の先端部とほぼ同形状を有し、キャップ 3の円筒状部 9の内側に嵌合される保護部品 52とを備えている。保護部品 52はキャップ 3の内側に嵌合されることにより、キャップ 3の内側に露出する弾性部材 10を覆うようになっている。これら保護フィルム 51および保護部品 52によって弾性部材 10が内外の露出部を覆われ、それによつて、弾性部材 10に含浸されている電解液 11の蒸発が抑制され、外部に漏れ出ないようになつている。そして、保護フィルム 51および保護部品 52をキヤップ 3から取り外すことにより、電極装置本体 5の先端部にそのまま取り付けて、脳波検查に使用することができる状態になっている。

[0061] また、前記包装部材 53は、カバー部材 51, 52を取り付けたキャップ 3を気密状態に密封可能な、例えば、ポリエチレン製の透明な小袋であってその内面に湿度センサ 54を備えている。湿度センサ 54は、例えば、湿度に応じてその色を変化させるものであり、包装部材 53の外部力その色の変化がわ力るように、内面に貼り付けられている。

[0062] このように構成されたキャップパッケージ 50によれば、包装部材 53の内部に湿度センサ 54が配置されているので、包装部材 53内に保管されているキャップ 3が使用可能か否かについて包装部材 53の外部力も確認することができる。また、使用に際して包装部材 53を破って内部からキャップ 3を取り出し、保護部品 52をキャップ 3から取り外して、キャップ 3の内側の弾性部材 10を露出させることにより、電極装置本体 5 への装着が可能になる。そして、電極装置本体 5に取り付けられた後に、保護フィルム 51を剥がすことにより、そのまま、脳波検査に使用することができる。このようにすることで、使用直前まで弾性部材 10を保護フィルム 51によって覆うので、電解液 11の蒸発等を抑制することができる。

[0063] したがって、本実施形態に係るキャップパッケージ 50によれば、電極装置本体 5の先端に着脱可能なキャップ 3を、ディスポ部品として提供する際に、弾性部材 10に含浸されている電解液 11を乾燥させることなぐそのまま電極装置本体 5に装着するだけで使用可能な状態で提供することができる。

[0064] なお、包装部材 53内に封入するキャップとしては、第 1の実施形態に係るキャップ 3 に限られるものではなぐ図 5〜図 8のいずれかに示されているキャップ 21, 42を封入してもよい。図 10は、図 5に示されるキャップ 21を有するキャップパッケージ 50を構成する際の保護フィルム 55およびカバー部材 56を取り付けた状態を示している。図 10のキャップ 21は電極 6および該電極 6に接続する接点 28を有しているので、嵌合部 25の外周面に配置されたシール部材 27が保護部品 56の嵌合穴 56a内面を封止することにより、万一電解液 11が漏れた場合においても、接点 28への電解液 11 の侵入を防止することができる。

[0065] また、図 11 (a)は、第 1の実施形態に係るキャップ 3を複数収容可能な包装部材 57 を有するキャップパッケージ 58の例を示している。キャップ 3は、同時に使用される個数分収容されている。図 11 (a)においては、包装部材 57における各キャップ 3の収容部は保持部材 4における脳波検出用電極装置 2の配置と対応して設けられている。また、包装部材 57の外面およびキャップ 3の外周面には、図 11 (b)に示すように、同一の識別コード 59、例えば、シリアルナンバーがプリントされている。

[0066] このように構成することで、 1回の脳波検出に必要な個数のキャップ 3が同一の包装部材 57に収納されているので、交換作業後に、包装部材 57内に残っているキャップ 3を確認することで、交換し忘れを防止することができる。また、保持部材 4における脳波検出用電極装置 2の配置と対応して収納されて、るので、交換途中にお!、て、どのキャップ 3が未交換であるのかを判断することができる。さらに、シリアルナンバー 59が異なるキャップ 3が同時に使用されることはないはずであるから、シリアルナンパ一 59を確認することで、複数の被検査者 Aに対するキャップ 3の使い回しを防止できる。

[0067] また、図 12は、図 7に示される第 3の実施形態に係るキャップ 42を有するキャップパッケージ 60を構成する際の保護フィルム 61および保護部品 62を装着した状態を示している。保護フィルム 61および保護部品 62も複数のキャップ部 43に対して単一のものを使用することができ、部品点数を減らすことができる。キャップ部 43としては、図 12に示されるような電極 6を有しないものでもよぐ図 13に示されるような電極 6を有するものでもよい。図中符号 63は、キャップ内の配線 22に接続するケーブルであつて、キャップ部 43,連結部材 44内を通して外部に引き出され、コネクタ 64に接続されている。

また、包装部材 65は、図 14に示されるように、図 12、図 13に示したカバー部材 61 , 62付のキャップ 42全体を収容可能な箱状のものでょ、。

[0068] 本発明の第 4の実施形態に係る脳波検出用電極装置について、図 15〜図 18を参照して以下に説明する。

本実施形態に係る脳波検出用電極装置 101 (以下、単に電極装置 101という。）は、図 15に示される脳機能検出システム 102において使用される。脳機能検出システム 102は、頭皮 Bに接触配置される複数の電極装置 101を有する脳波検出装置 103 と、脳機能解析装置 104と、解析結果を表示するモニタ 105とを備えている。

[0069] 脳波検出装置 103は、脳波計であって、頭皮 Bに接触配置される複数の電極装置 101 (図 15は、図示の容易のために 5個の電極装置 101が示されている力通常は図 16 (a)、図 16 (b)および図 16 (c)に示されるように、 21個である。）からなる脳波信号検出部 106と、該電極装置 101により検出された電気信号 SIを脳波信号 S2として出力する脳波計本体 107とを備えている。

[0070] 脳波信号検出部 106は、図 2 (a)〜図 2 (c)に示されるように、頭皮に対して、基準位置を基準として所定の比率で複数の電極装置 101を配置して、る。電極装置 101 は、図 17に示されるように、円柱状の電極装置本体 108の先端に配置される金属電極 109と、この金属電極 109を被覆するように配置される弾性部材 110と、該弹性部材 110を金属電極 109に被覆状態に保持するために電極装置本体 108に取り付けられるキャップ 111とを備えて、る。

[0071] 前記金属電極 109は、例えば、金製または、表面に金メッキを施してなる円板状のプレートである。金属電極 109には、電極装置本体 108内部を貫通して配線 112が施され、金属電極 109により検出した電気信号 S1を脳波計本体 107に伝達するようになっている。

前記弾性部材 110は、例えば、略円盤状のスポンジ部材であって、電解液が含浸されている。電解液としては、生理食塩水が好ましぐまたは、生理食塩水とアルコールとの混合液力なることとしてもよ、。

[0072] 前記キャップ 111は、前記電極装置本体 108の先端の外面に嵌合する円筒状に形成された嵌合部 11 laと、電極装置本体 108の先端に配置された金属電極 109との間に前記弾性部材 110の周縁を挟む内鍔部 11 lbとを備え、内鍔部 11 lbの内側に円形の開口部 111cが形成されている。

これら金属電極 109と弾性部材 110とキャップ 111とを電極装置本体 108の先端に組み立てた状態の電極装置 101を頭髪 Cを有する頭皮 Bに接触させた状態を図 18 に示す。キャップ 111の内鍔部 11 lbと金属電極 109との間で潰された弾性部材 110 の周縁の内側には、キャップ 111の開口部 111cから先端面よりも前方に弾性部材 1 10が突出している。

[0073] この開口部 111cの面積は、約 19mm²以上に設定されている。

表 1および図 19は、上記面積を選定するに当たり、頭皮 Bに複数接触配置された各電極装置 101における接触抵抗値の測定結果を示す。開口部 111cは円形であり、その直径寸法を変化させて接触抵抗値を測定した。表 1は各測定点における接触抵抗値とその平均値、図 19は、開口部 111cの直径寸法と接触抵抗値の平均値との関係を示すグラフである。この測定結果によれば、開口部 111cの直径寸法が 5mm より小さいときには接触抵抗値が大きいが、 5以上の場合、すなわち、その面積が約 1 9mm²以上の場合に、接触抵抗値の平均値が 10k Ω以下となる。

[表 1]

接触抵抗値 [kQ]

外径平均 Fp1 Fp2 F3 F4 C3 C4 P3 P4 01 02 F7 F8 T3 T4 T5 T6 Fpz Fz Cz Pz Oz

3 17.9 11 8 5 9 16 16 17 15 29 17 22 38 22 27 19 19 13 14 24 21 13

4 21.3 21 21 1フ 16 52 2 21 2 18 21 19 21 28 34 36 28 14 17 23 18 19

5 7.2 2 2 2 2 2 2 2 2 16 8 21 13 19 25 10 10 2 2 5 2 2

6 6.0 2 2 2 2 2 2 2 2 15 5 2 2 38 35 2 2 2 2 2 2 2

8 3.4 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 6 10 14 7 2 2 2 2 2 2 2

10 7.1 2 2 2 2 20 11 2 2 2 34 7 13 30 2 2 2 2 2 7 2 2

12 8.4 2 2 2 2 11 2 11 2 5 2 3 22 51 36 8 2 2 2 6 2 2

15 7.2 2 2 2 2 6 12 2 3 2 3 19 38 30 9 3 2 2 2 7 2 2

18 5.0 2 2 2 2 2 12 2 2 2 2 18 7 12 19 8 2 2 2 2 2 2

[0075] したがって、開口部 111cの面積を約 19mm²以上とすることにより、接触抵抗値を低く抑えることができる。一方、表 1および図 19に示されるように、開口部 111cの直径寸法が 5mm以上であれば、接触抵抗値は、あまり変化しない。したがって、開口部 111cの面積が約 19mm²以上であれば足り、過度に大きくする必要はない。電極装置 101は、頭皮 Bに複数接触配置されるため、隣接する他の電極装置 101との間隔を十分に確保する必要がある。機械的な干渉および電気的な短絡等の問題を考慮すれば、開口部 111cの直径寸法は 20mm以下、すなわち、開口部 111cの面積力 S314mm²以下であることが好ましい。

また、脳機能解析装置 104は、脳波計本体 107から出力された脳波信号 S2を入力され、該脳波信号 S2に基づいて脳機能状態を判定し、判定信号 S3を出力するようになっている。

[0076] このように構成された本実施形態に係る電極装置 101によれば、開口部 111cの面積が 19mm²以上に設定されているので、頭髪 Cが存在する場合においても、頭皮 B との間の接触抵抗値を十分に低い値に保持することができ、安定した脳波信号 S2を得ることにより、精度よく脳機能状態を解析して表示することができる。また、開口部 1 11cの面積を 314mm²以下に設定することにより、隣接する他の電極装置 101との機械的および電気的な干渉を回避して、さらに精度のよい脳機能状態の判定を行うことができる。

[0077] また、本実施形態に係る電極装置 101においては、金属電極 109が金製または表面に金メッキを施したものにより構成されているので、金属電極 109における抵抗値の増大を防止し、かつ、金の防鲭効果により、使用につれて抵抗値が増大することを未然に防止することができると!/、う効果がある。

[0078] また、電解液を生理食塩水により構成することによって、接触抵抗値の増大を防止することができる。さら〖こ、生理食塩水とアルコールとの混合液により電解液を構成することにより、アルコールによる頭皮の皮脂の洗浄効果を高め、皮脂による接触抵抗の増大を防止することができるという効果がある。

なお、弾性部材 110として、電解液を含浸可能なスポンジ部材を例に挙げて説明した力これに代えて、不織布を採用することにしてもよい。また、弾性部材 110とキヤップ 111とは一体的に固定されて、てもよ!/、。

[0079] 次に、本発明の第 5の実施形態に係る電極装置について、図 20を参照して以下に説明する。

本実施形態に係る電極装置 120は、図 20に示されるように、相互に間隔をあけて配される複数の先端部 121を備えている。各先端部 121の構造は、第 4の実施形態と同様に、円柱状の電極本体 122と、該電極本体 122の先端に配置される金属電極 123と、弾性部材 124と、キャップ 125と力も構成されている。複数の金属電極 123に接続された配線 126は全て接続されている。

また、複数のキャップ 125の開口部 125a、すなわち、開口部 125aから先端側に突出する弾性部材 124の総面積は 19mm²以上である。

[0080] このように構成された本実施形態に係る電極装置 120によれば、電解液を含浸した弾性部材 124の総面積が 19mm²以上に設定されているので、第 4の実施形態と同様に、十分に低い接触抵抗値を達成することができる。

さらに、本実施形態に係る電極装置 120によれば、複数の先端部 121が間隔をあけて配されることにより、先端部 121が頭皮 Bに接触させられる際に、頭髪 Cが先端部 121間の隙間に配置され、搔き分けられた頭髪 C間に露出した頭皮 Bに先端部 121 が接触され易くなる。すなわち、本実施形態に係る電極装置 120によれば、複数の先端部 121が櫛歯のように機能して頭髪 Cを搔き分けるので、より確実に頭皮 Bに接触して、安定した低ヽ接触抵抗値を達成することができるとヽぅ効果がある。

[0081] なお、上記実施形態のように複数の金属電極 123、弾性部材 124およびキャップ 1 25を有する電極装置 120に代えて、図 21および図 22に示されるように、金属電極 1 23' 自体を複数の尖った先端部 123aを有する構造とし、弾性部材 124' として、全ての先端部 123aを被覆する形態のものを採用してもょヽ。このように構成された電極装置 120' によれば、一体となった弾性部材 124' 〖こ、金属電極 123' の尖った先端部 123aが差し込まれ、弾性部材 124' の弾力によって、弾性部材 124' が金属電極 123^ を締め付けるようにして固定される。そして、複数に分かれた先端部 123 aが櫛歯のように機能して頭髪を力き分けることにより、金属電極 12 と頭皮 Bとの接触をより確実に行って、安定した低!ヽ接触抵抗値を達成することができる。 [0082] 次に、本発明の第 6の実施形態に係る電極装置 130について、図 21を参照して以下に説明する。

本実施形態に係る電極装置 130は、図 21に示されるように、金属電極 131が半径 r の球面状に形成されており、金属電極 131を覆う弾性部材 132も、金属電極 131の形状に倣って球面状に形成されている。電極本体 133,キャップ 134および配線 13 5は、第 4、第 5の実施形態と同様のものである。

[0083] このように構成することにより、図 21に示されるように、頭部の形状によって、電極装置 130が頭皮 Bに対して直角に配置できず、傾斜角度 Θをなして配置されるような場所においても、球面状の弾性部材 132を頭皮 Bに密着させることができる。曲率半径 rを大きく設定することにより、頭皮 Bと弾性部材 132との接触面積を広げ、 19mm²以上となるように構成することができ、第 4および第 5の実施形態と同様に、接触抵抗値を低減することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 頭皮に接触配置され脳波信号を検出する脳波検出用電極装置であって、

先端に電極を配置した棒状の電極装置本体と、

該電極装置本体の先端に取り付けられ、電極を被覆するように密着配置される電解液を含んだ弾性部材を有するキャップとを備え、

該キャップを電極装置本体に対して着脱可能に接続する接続手段が設けられている脳波検出用電極装置。

[2] 頭皮に接触配置され脳波信号を検出する脳波検出用電極装置であって、

先端に第 1の接点を配置した棒状の電極装置本体と、

該電極装置本体の先端を被覆するように取り付けられ、前記第 1の接点に接触させられる第 2の接点を有するキャップとを備え、

該キャップを電極装置本体に対して着脱可能に接続する接続手段が設けられ、前記キャップが、前記第 2の接点に接続する電極と、該電極を被覆するように密着配置される電解液を含んだ弾性部材とを備える脳波検出用電極装置。

[3] 前記接続手段が、前記キャップと電極装置本体に取り付けられた状態で、前記第 1 の接点と第 2の接点との接触部を水密状態にするシール部材が備えられている請求項 2に記載の脳波検出用電極装置。

[4] 複数の前記キャップが、連結部により一体的に連結されている請求項 1または 2に記載の脳波検出装置。

[5] 前記連結部が、可撓性材料からなる請求項 4に記載の脳波検出装置。

[6] 前記連結部に、取付方向を指示する指示表示が設けられている請求項 4に記載のキャップ。

[7] 前記接続手段が、前記キャップと電極装置本体との嵌合部に、キャップまたは電極装置本体のいずれか一方に固定され、他方との間の摩擦力により接続状態を維持する弾性支持部材を備える請求項 1または 2に記載の脳波検出用電極装置。

[8] 前記弾性支持部材が、 Oリングまたは Yパッキン力もなる請求項 7に記載の脳波検出用電極装置。

[9] 前記接続手段が、前記キャップまたは前記電極装置本体の!/、ずれか一方に設けられた雌ねじと、他方に設けられ、雌ねじに締結される雄ねじとからなる請求項 1または 2に記載の脳波検出用電極装置。

[10] 前記接続手段が、前記キャップまたは前記電極装置本体のいずれか一方に設けられ、接続方向に直交する方向に突出する突起と、他方に設けられ、接続状態において前記突起を収容する凹部とからなる請求項 1または 2に記載の脳波検出用電極装置。

[11] 頭皮に接触する前記キャップの先端面の面積力約 19mm²以上約 314mm²以下である請求項 1または 2に記載の脳波検出用電極装置。

[12] 前記電極が金からなり、または金メッキを施されている請求項 1または 2に記載の脳波検出用電極装置。

[13] 前記電解液が、生理食塩水からなる請求項 1または 2に記載の脳波検出用電極装置。

[14] 前記電解液が、生理食塩水とアルコールとの混合液力なる請求項 1または 2に記載の脳波検出用電極装置。

[15] 前記電極装置本体が複数の電極を備え、すべての電極を被覆するように密着配置した前記キャップの先端面の総面積が、約 19mm²以上約 314mm²以下である請求項 1または 2に記載の脳波検出用電極装置。

[16] 電極装置本体に略櫛歯状の電極を備え、前記電極を被覆するように密着配置した前記キャップの先端面の総面積力約 19mm²以上約 314mm²以下である請求項 1 または 2に記載の脳波検出用電極装置。

[17] 前記電極の先端部が略球面状に形成され、前記キャップの先端面が電極の球面部に沿う略球面状に形成されている請求項 1または 2に記載の脳波検出用電極装置

[18] 請求項 1から 17のいずれか一項に記載のキャップと、該キャップを気密状態に収容する包装部材とを備えるパッケージ。

[19] 前記キャップに、弾性部材表面を被覆するカバー部材をさらに備える請求項 18に記載のパッケージ。

[20] 前記包装部材内部に、外部から視認可能な湿度センサが配置されている請求項 1 8に記載のパッケージ。

[21] 前記包装部材が、複数のキャップを収容している請求項 18に記載のパッケージ。

[22] 前記複数のキャップが、脳波検出時の配置に対応づけて包装部材に収容されている請求項 21に記載のパッケージ。

[23] キャップおよび包装部材に、同一の識別コードが付されている請求項 21に記載のノ、ソケ■ ~"シ。