JP2019129965A - 発汗量測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で、容易な操作により、低コストで、正確に発汗量を繰り返し測定することができる発汗量測定装置を提供する。【解決手段】被験者の身体の一部に密着し発汗量を測定する発汗センサ装置18を有し、発汗センサ装置18は、収納スペースを有するケース部24と、ケース部24の一部に形成され内外に連通し水分が通過する開口部34を備える。ケース部24の収納スペースに着脱可能に入れられ開口部34を覆う吸着材48を備える。ケース部24内で吸着材48に接して位置し、吸着材48が吸着した水分の量を電気的に測定するための一対の電極42,44を備える。一対の電極42,44は、発汗量を演算する測定部本体14に接続され、一対の電極42,44間の電気的な値を測定し演算して発汗量を測定する。開口部34の外側の周縁部に、環状の凸部36を備える。【選択図】図1

Description

この発明は、人や動物の皮膚表面からの水分蒸散量を測定する発汗量測定装置に関する。
従来、人や動物の皮膚表面からは、常時水分が蒸散している。例えば人は気温が高い時や運動した時には、気体又は液体の汗として大量の温熱性発汗が伴うが、過剰な発汗による体液の損失は、体温調節反応や循環調節系など生体への負担を大きくし、運動能力の低下だけでなく、体温が上昇して熱中症発生の誘因となる。近年、地球温暖化の影響などにより、異常高温の発生頻度が多くなり、これに伴って各種の作業や運動の際に熱中症を発症して医療機関に搬送される事例が急増している。その発生は、年間数万件を超えて、年々増加傾向を示している。このため、熱中症の発生を事前に察知して未然に防止するような装置が望まれている。
一方、ストレス等の精神的な刺激により、交感神経の働きによって手の平や足の裏から精神性発汗が分泌されることが知られている。この精神性発汗は運動による汗である温熱性発汗と異なり、きわめて微量で数mg/cm/hrから数10mg/cm/hrの範囲であり、皮膚の汗腺から蒸発する。この精神性発汗は、その発生量を測定することにより、ストレス等を調べることができる。また、汗以外に体内から無自覚のうちに気散する皮膚蒸散水分があり、この皮膚蒸散水分を測定することにより、皮膚のバリア機能やきめの細かさ等の状態を調べることができる。
従来、発汗量を測定する装置は、いろいろなものが提案されている。例えば、本願出願人他による特許文献1の発汗量測定装置は、発汗量測定用パッチと、本体と、これらを電気的に接続するコードと、本体に取り付けられ本体を身体に装着するバンド部が設けられている。発汗量測定用パッチには、粘着剤により測定対象面に貼付されるフィルムと、前記フィルムに形成され水分が通過する開口部と、前記フィルムの前記粘着剤と反対側の面に取り付けられ前記開口部を覆う水分吸着層と、前記水分吸着層を覆う支持体が設けられ、前記フィルムの前記支持体側には、前記水分吸着層が吸着した水分の量を電気的に測定するための一対の電極が設けられている。
また、本願出願人他による特許文献2の発汗監視装置は、皮膚に密着するセンサ部と、コイルスプリング等の接続部と、身体に装着するバンド部とから構成されている。センサ部には、汗を吸着する吸着層と、この吸着層に設けられた電極とを有する発汗量検知手段とを備え、この吸着層における電極間の電気抵抗または電流値を測定することにより人の累積発汗量を推定する。バンド部には、体温検知手段と、脈拍数検知手段、演算手段、警報手段、電池、表示手段が設けられている。この発汗監視装置は、検知された体温、脈拍数、及び累積発汗量に基づいて、人の発汗状態を監視するものである。
特開2017−23408号公報 特開2016−15996号公報
上記背景技術の、特許文献1の場合、発汗量測定用パッチは粘着剤により人の皮膚に粘着させて発汗量を測定するものであり、粘着させる作業が面倒であり、また皮膚に水分や汚れがあると粘着力が弱くなり、正確に発汗量を測定することができない恐れがある。一方、特許文献2の場合は、センサ部は接続部の弾性で皮膚に密着させて発汗量を測定するものであり、密着性が十分に高いものではなく、正確に測定できない恐れがある。また、センサ部をバンドの内側面に設け、センサ部をバンドより装着する方法も開示されており、この場合、取り付け強度は高いが、発汗量検知手段をバンドの内側に取り付ける手間がかかり、またバンドに取り付ける位置がずれると正確に測定することができない。
この発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な構造で、容易な操作により、低コストで、正確に発汗量を繰り返し測定することができる発汗量測定装置を提供することを目的とする。
本発明は、被験者の身体の一部に密着し発汗量を測定する発汗センサ装置を備え、前記発汗センサ装置は、収納スペースを有するケース部と、前記ケース部の一部に形成され内外に連通し水分が通過する開口部と、前記ケース部の前記収納スペースに着脱可能に入れられ前記開口部を覆う吸着材と、前記ケース部内で前記吸着材に接して位置し、前記吸着材が吸着した汗の量を電気的に測定する電極が設けられ、前記電極は、発汗量を演算する測定部本体に電気的に接続され、前記測定部本体は、前記電極間の電気的な値を測定して、前記吸着材が吸着した汗を基に前記被験者の発汗量を測定する発汗量測定装置である。
前記開口部は、前記ケース部の外側に向かって突出して形成された環状の凸部により囲まれているものである。前記凸部は、先端面と側面との間の角部が面取りされ、曲面となっていると良い。
前記ケース部内には、前記開口部に向かって突出し、前記吸着材を前記開口部の外側方向に突出させる突起部が設けられている。前記突起部は、前記ケース部内の前記電極の表面側に設けられているものである。
前記吸着材は、前記突起部に対応して中央部が凸形状に形成されたものであると良い。特に、前記吸着材は、親水性繊維と吸水性繊維の混紡体であると良い。
前記ケース部は、ケース部本体と、前記ケース部本体に対して開閉可能に取り付けられた蓋部を有し、前記ケース部本体内に前記電極が設けられ、前記吸着材は、前記ケース部本体に入れられて、前記蓋部を閉じた状態で前記電極に接触し、前記吸着材に吸着された汗の量から前記被験者の発汗量を測定可能となる発汗量測定装置である。
前記蓋部は、使用状態で前記被験者の身体側に位置し、前記蓋部に前記開口部が設けられている。前記電極は、絶縁性被膜で覆われて絶縁され、前記発汗センサ装置は静電容量を測定するものである。特に、前記電極は、絶縁基板上に形成された一対の櫛形状の電極を用いると良い。
前記電極は、前記ケース部内に設けられた一方の電極と、前記吸着材を挟んで前記一方の電極と対向した他方の電極とからなるものでも良い。前記電極は、前記ケース部内で前記吸着材に接触する板状の電極である。
さらに、前記発汗センサ装置を保持して前記被験者の身体の一部に装着するバンド部材が設けられ、前記発汗センサ装置の前記ケース部は、前記ケース部本体が前記バンド部材に固定されているものでる。さらに、演算された前記発汗量を表示する表示装置が、前記ケース部の前記開口部とは反対側に設けられていると良い。
本発明の発汗量測定装置は、簡単な構造で、容易な操作により、正確に発汗量を繰り返し測定することができる。発汗センサ装置は、吸着材が交換可能且つ交換が容易であり、低コストで、くり返し発汗量を測定することができる。吸着材は、ケース部に収容される形状であり、交換する際に位置決め作業が不要で、操作が簡単である。さらに、発汗量を測定する発汗センサ装置を、被験者の身体に取り付けるバンド部材と一体に構成することで、発汗センサ装置を簡単に被験者にバンド部材で巻き回して密着させ、発汗量を正確に測定することが可能になる。
この発明の一実施形態の発汗量測定装置の、発汗センサ装置のケース部を開いた状態を示す斜視図(a)と、ケース部を閉じた状態を示す斜視図(b)である。 この実施形態の発汗量測定装置の発汗センサ装置の縦断面図(a)と、他の実施形態の縦断面図(b)である。 この実施形態の発汗量測定装置の斜視図である。 この実施形態の発汗量測定装置の使用状態を示す斜視図である。 この発明の実施例の発汗量測定装置による、加水量と測定値の周期変化量を示すグラフである。
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1〜図4はこの発明の一実施形態を示すもので、この実施形態の発汗量測定装置10は、矩形のハウジング12を有した測定部本体14と、測定部本体14に取り付けられ測定部本体14を被験者の身体に装着する柔軟なゴムや樹脂製のバンド部材16が設けられている。バンド部材16は、ここでは被験者の手首に巻き回すものであり、発汗量測定装置10は腕時計形である。バンド部材16は、手首に巻き回す帯状のベルト部16aと、ハウジング12を包んで保持する幅広のホルダー部16bが一体になだらかな曲線で連結するように成形され、ホルダー部16bの中央にはハウジング12が嵌合される開口部が表裏面を貫通して形成されている。ホルダー部16bの開口部からは、ハウジング12の、被験者の身体側に位置する裏面12aと、被験者の身体と反対側に位置する表面12bとが露出している。ハウジング12には、発汗センサ装置18と脈拍センサ20が設けられ、ハウジング12の裏面12aに発汗センサ装置18と脈拍センサ20外側面が露出して設けられている。ハウジング12の表面12bには、表示手段である液晶画面22が露出して設けられている。
次に、発汗センサ装置18について説明する。発汗センサ装置18は、合成樹脂製のケース部24が設けられ、ケース部24は、収納スペースを有するケース部本体26と、ケース部本体26に連続し開閉可能な蓋部28から成る。
ケース部本体26は矩形の底部26aを有し、底部26aの周縁部には4つの側面26bが連続して設けられている。蓋部28は、底部26aと同じ形状の上面28aを有し、上面28aの周縁部には端縁部28bが設けられている。ケース部本体26の側面26bの1つと、蓋部28の端縁部28bの1つがヒンジ部30で回転可能に連結され、蓋部28が閉じられると、ケース部24は閉鎖され、ケース部本体26の底部26aと蓋部28の上面28aが、平行に位置する。ケース部本体26の他の側面26bの側縁部には、蓋部28が閉じられた状態で液密となるパッキン32が設けられている。パッキン32は、ケース部本体26の側面26bではなく、蓋部28の端縁部28bに設けてもよく、両方に設けても良い。
蓋部28の上面28aには、図1、図2(a)に示すように、中心に細長い長方形の開口部34が設けられ、ケース部24の内外を連通している。開口部34の周縁部全周には、凸部36がケース部24の外側に向かって突出して形成されている。凸部36は、蓋部28を形成したプラスチック等の合成樹脂やシリコーン樹脂で形成され、凸部36の先端面と側面との間の角部が面取りされ、曲面38となっている。
ケース部本体26の底部26aの、ケース部24の内側面には、表面が絶縁された薄形の電極基板40が設けられている。電極基板40は、底部26aよりも少し小さい矩形である。電極基板40には、表面に櫛形状の一対の電極42,44が設けられ、外表面が絶縁性被膜45で被覆されている。一対の電極42,44は、電極間の静電容量を基に発汗量を測定するものであり、発汗量が増加するにつれて静電容量が大きくなることを利用したものである。電極基板40の端部には、リード線50が接続されて延出して、リード線50の先端は、ケース部本体26の側面26bを貫通して外側に引き出されている。
電極基板40の厚さは、例えば0.5mm〜3.0mmである。また一対の電極42,44の材質は、各対の素材を「/」で区切ると、Cu/Cu、Cu/Zn、Al/Al、ステンレス/ステンレス、C(炭素粉末)/C、Au/Au、Ag/Ag等であり、絶縁性被膜45で覆われ表面が絶縁されている。
電極基板40の電極42,44の表面側には、吸着材48が設けられる。吸着材48は、ろ紙や和紙、レーヨンその他のセルロース系の親水性材料、吸水性材料のシート材等、吸水・吸湿性を有する薄い材料が好ましく、ケース部24の内側に嵌合され電極基板40の電極42,44を確実に覆うような矩形に裁断したものである。吸着材48の材質は、特に親水性繊維と吸水性繊維の混紡体であると、吸水量を多くすることができ、吸水が速やかに行われ、大量の保水が可能となる。また、親水性繊維を多くすると、後述する実験結果の通り、吸水に対する感度を高くすることができる。吸着材48は、ケース部24内で係止されておらず、ケース部24の中で電極基板40と蓋部28により挟持されており、ケース部24を開けると取り出し可能となる。
ケース部24内の電極基板40の表面には、蓋部28の開口部34に向かって突出した突起部46が設けられている。突起部46は、電極基板40の表面の電極42,44が設けられた側の、絶縁性被膜45上に固定されている。突起部46は、長方形の板状であり、電極基板40の表面から垂直に起立し、開口部34に達する高さで、開口部34の開口内に、所定の隙間を有して収まり、凸部36の内側に位置する程度の長さ及び幅を有している。突起部46は、吸着材48を開口部34の外側に確実に露出させるもので、後述するように、被験者の皮膚に吸着材48が確実に接触し、正確且つ効果的に汗を吸い取ることができるようにする。従って、突起部46の先端縁は、曲面状に形成されていると良く、吸着材48は、突起部46に対応して中央部が凸形状に予め膨出させた形状に成形されたものでも良い。
ケース部24と電極基板40、吸着材48を収容した発汗センサ装置18は、矩形のハウジング12に収容され、測定部本体14の、被験者の身体側に位置する裏面12a側に、裏面12aと蓋部28の上面28aが面一になるように埋め込まれて取り付けられている。ケース部24から引き出された一対のリード線50は、測定部本体14内に接続され、図示しない変換回路等が設けられた図示しない回路部に接続されている。回路部は、一対の電極42,44により検出した静電容量を周波数等の形の電気データとして送信する。測定部本体14内部には、さらに回路部から送られてくるデータを演算するCPUを有したマイクロチップ等の演算装置が設けられ、演算した測定値を液晶画面22で表示する。液晶画面22は、ハウジング12の表面12bに設けられているため、発汗量測定装置10を被験者に装着した状態で見ることができる。
なお、電極構造は、図2(b)に示すように、蓋部28の上面28aの、ケース部24の内側面にも、絶縁された薄形の電極42,44の電極基板43を設け、吸着材48を挟持するように設けても良い。この場合、蓋部28側の電極基板43には、開口部34に対応した透孔43aが形成され、電極42,44にも透孔43aに合わせて開口している。さらに、一対の電極を板状に形成して、吸着材48を挟持する構造でも良い。
ハウジング12の裏面12aには、脈拍センサ20や図示しない温度センサ等が設けられ、脈拍や体温等を測定して発汗量とともに身体の状態の傾向を察知する。また、発汗量と体温、脈拍数の変化に基づいて異常な発汗状態、例えば熱中症に起因する発汗を検知するようにしてもよい。これは、例えば体温が38℃以上、発汗量の増加が減少するか停止する傾向、脈拍数の上昇が上限で停止する傾向の3つの条件を満たしたときに、異常な発汗状態を通知するように条件設定する。
さらに測定部本体14に警報手段を設け、音や振動を出して警報を発するようにするとよい。また、被験者の体温が38℃を検知し、かつ脈拍数の上昇が上限で変化しなくなると、警報手段が警報音や振動を発するとともに、液晶画面22は体温と脈拍の数値を点滅させ、さらに発汗量の増加が一定時間停止すると、警報手段はさらに長い音や振動を発するとともに液晶画面22は体温と脈拍と発汗量の数値を点滅させて注意を促すようにしてもよい。特に、工事現場等の騒音のある環境では、振動による警報が有効であり、液晶画面22による文字表示とともに具体的な警報を発することも有効である。
次に、この実施形態の発汗量測定装置10の使用方法について説明する。まず、図4に示すように、バンド部材16のベルト部16aを、被験者の手首に巻き回して装着する。この時、発汗量測定装置10を装着する前に、皮膚52の汗54等の水分を予めふき取っておく。装着の際は、バンド部材16から露出する発汗センサ装置18を被験者の皮膚52に当接させる。装着後、その状態で所定時間放置し発汗量の測定を行う。測定時間は、数分から24時間であり、例えば3分間でもよい。
この間に、図2に示すように、皮膚52から発生する汗が発汗センサ装置18の開口部34を通過して吸着材48に吸着される。吸着材48に吸着される汗の量が増加すると、電極42,44間の静電容量が大きくなり、演算装置により吸着材48に吸着される発汗量を周波数の変化として演算する。測定水分の範囲は、例えば開口部34の面積が20〜500mmの場合、0〜200μlであり、全身温熱性発汗量に換算すると0〜2000mlまで測定可能である。発汗量の推定と同時に、脈拍センサ20で脈拍数を測定し、また図示しない温度センサで体温を測定する。演算された発汗量と体温、脈拍数は液晶画面22に表示される。また、発汗量と体温、脈拍数の変化に基づいて異常な発汗状態、例えば熱中症に起因する発汗を検知したとき、異常な発汗状態を通報するように警報手段を作動させる。また、発汗量、体温、脈拍数を、通信モジュールで監視センターや管理者、家族等に送信することにより、離れた場所で管理可能にしても良い。また、被験者の携帯用端末機器等に送信することにより、データの管理やグラフ化を行い、自分でチェックしても良い。
測定終了後、発汗量測定装置10を手首から外し、発汗センサ装置18のケース部24の蓋部28を、ヒンジ部30を中心に回転させて開き、汗を吸着した吸着材48を取り外し、次回の測定のため新しい吸着材48を入れて、蓋部28を閉じる。
この実施形態の発汗量測定装置10によれば、軽量で簡単に装着することができ、発汗量を電気的に正確に測定することができる。発汗量測定装置10は、小型で軽量なため携帯可能であり、適用範囲を広くすることができる。各種の作業や運動の支障とならず、あらゆる状況下での作業や運動の際の発汗量を連続的に測定して熱中症の発生を事前に察知して未然に防止することができる。例えば、工事現場の作業員や、高温環境下での運転員や保守作業員の熱中症予防管理を容易に行うことができる。発汗量測定装置10は、皮膚52に直接貼付することにより発汗量を確実に定量することが可能であり、低コストで、手軽に測定することができる。また、吸着材48に吸着される汗54により変化する静電容量に基づいて電気的に発汗量を検知するため、正確に測定することができる。体温、脈拍数、及び発汗量の変化に基づいて人の異常な発汗状態を監視することができるため、多くの生体値変化の検出が必要な症例(例えば熱中症)でも、事前に発生を察知することができる。しかも、身体を傷つけることがなく、非侵襲によって発汗量を測定することができる。発汗量測定装置10は腕時計形であり、装着感が良好で違和感がなく、被験者の動作や心理に影響を与えることが無く快適に測定することができる。
発汗センサ装置18のケース部24の蓋部28に形成された開口部34は、周囲に凸部36が形成され、開口部34に対面する所定の面積の皮膚52のみで発生する汗54の量を測定することができるので、正確な測定が可能である。凸部36の先端面は、側面との間の角部が面取りされ、曲面38となっているため、皮膚に刺激がなく、痛くない。また、ケース部24のケース部本体26と蓋部28は、パッキン32で液密に閉じられるため、開口部34に対面する皮膚52以外から発生した汗や、雨水や洗浄水等が入ることが無い。
発汗センサ装置18は、ケース部24の蓋部28を開けて簡単に吸着材48を交換することができ、発汗量の測定後は、汗を吸着した吸着材48のみを取り替えて、常に新しい吸着材48を用いて測定することができる。吸着材48は安価であり、コストを抑えて繰り返して測定することができる。吸着材48は、ケース部24に嵌合される矩形であり、ケース部24内で位置がずれることが無く、簡単にセットすることができる。ケース部24の蓋部28を閉めるだけで吸着材48が保持され、交換する工程が簡単である。吸着材48は、親水性及び吸水性の材料を使用しているため、発汗による含水量が簡単に飽和せず、多量の水分を吸着することができ、長時間の作業や運動の際にも、多量の発汗を測定することができる。一対の電極42,44は、絶縁性被膜45で覆われているため、確実に絶縁され、なおかつ構造がシンプルで、吸着材48の交換作業の支障とならない。電極基板40は固定されたもので、使い捨てではないので環境に与える影響が少ないものとなり、またコストを抑えることができる。
また、気体状の微量な精神性発汗を測定することもできるので、ストレス・興奮・痛み等の精神的な刺激を数量化することが可能となる。例えば、発汗量測定装置10を装着して、自動車運転や日常の作業、危険作業等に従事するときに、発汗量を定量することによりストレスの度合いを数値化することが可能となる。さらに、発汗量測定装置10を装着して種々の作業や生活等個々の行動の、所定の単位当たりの発刊量を調べることにより、どの作業や生活等からどれだけの精神的ストレスを受けているか容易に分析することが可能になる。その他、長時間の積算水分量を測定することもできる。
発汗量測定装置10は、医療機関で、治療や検査の時に感じる患者の痛みや不安から生じるストレスを、治療中の長時間連続的に測定することができる。これにより例えば、学校や職場での生徒や社員間の人間関係、いじめによるストレス等を数値化することが可能であり、また一般の人が自分の心の状態をセルフチェックすることが可能となるので、QOL(生活の質)向上に役立つ。また睡眠時の精神性発汗量は覚醒時に比較して低くなることを利用して、熟睡の度合いを測定することもできる。これにより、被介護者、入院患者の熟睡状況を簡単に確認することができる。その他、自律神経失調症や睡眠時無呼吸症候群等、睡眠障害が存在する疾患の治療に用いることができる。
さらに、精神性発汗の他に、不感蒸散水分(TEWL)を測定して皮膚のバリア機能、スキンケアの効果、保湿力肌荒れのチェックを行うことができる。また、バンド部材16の幅や長さを変更し、足や背中、腹部等にも装着し、全身の温熱性発汗を測定して、不汗症や、寝汗等のチェックを行うことができる。これは、皮膚科の医師や美容の専門家による診断に使用でき、また、一般の人が自分の皮膚の状態を自宅や職場等いつでも定量測定することができる。
なお、この実施形態の発汗量測定装置10は、上記実施の形態に限定されるものではなく静電容量以外の電気抵抗又は電流値、電圧値等から発汗量を演算するものでもよい。これは、発汗量が増加するにつれて電気抵抗と電圧が小さくなり、電流が大きくなることを利用するものである。電気抵抗又は電流値等から発汗量を演算する場合は、電極を覆う絶縁性被膜45が不要である。また電極の構造も、櫛形電極以外に、電極基板を用いずに金属板を電極にしても良く、電極基板上に面状に形成した金属膜を電極にしても良い。さらに、電極は、一方の電極を吸着材に接触させ、他方を人体に繋いで接地させるものでも良い。この場合、ケース部内には1枚の電極を設けるだけで良い。
この他、本発明の発汗量測定装置の電極は、吸着材と一体に設けられた金属箔であっても良く、この場合吸着材と電極が消耗品となるが、電極と吸着材との接触が確実となり、電極と装置側の接続も容易であるので、正確な発汗量の測定が可能となる。
また測定部位は、被験者の手首以外の部位でもよい。本体やバンド部材の形状は、取り付ける部位に合わせて大きさや形状等を適宜変更することが可能である。測定する対象は、温熱性発汗や精神性発汗の他に、皮膚蒸散水分等を測定することができる。人以外に、動物や植物の水分蒸散量を測定してもよい。発汗センサ装置以外の脈拍センサ等の位置は自由に変更可能であり、なくてもよい。発汗センサ装置のケース部の形状は自由に変更可能であり、電極や吸着材の形状も、ケース部の形状に合うものであれば良い。
この実施形態の発汗量測定装置について、水分の吸着量と一対の電極の静電容量の関係について実験を行った。実験では、汗の代わりに所定量の水分を加え、静電容量による測定装置の周波数変化による周期変化量を測定した。ここでは、吸着材として、親水性繊維のみと、吸水性繊維のみ、及び親水性繊維と吸水性繊維の混紡による吸着材の3種類について実験した。これによれば、図5のグラフに示すように、3種類の吸着材ともに、加水量と測定値の周期の増加に相関関係が見られた。特に、親水性繊維と吸水性繊維の混紡による吸着材を用いると、より多くの吸水が可能であり、親水繊維のみを用いる場合は、吸水に対してより高い感度が得られることが分かった。
10 発汗量測定装置
14 測定部本体
16 バンド部材
18 発汗センサ装置
20 脈拍センサ
22 液晶画面
24 ケース部
26 ケース部本体
28 蓋部
30 ヒンジ部
32 パッキン
34 開口部
36 凸部
38 曲面
40 電極基板
42,44 電極
45 絶縁性被膜
46 突起部
48 吸着材

Claims (15)

  1. 被験者の身体の一部に密着し発汗量を測定する発汗センサ装置を備え、
    前記発汗センサ装置は、収納スペースを有するケース部と、前記ケース部の一部に形成され内外に連通し水分が通過する開口部と、前記ケース部の前記収納スペースに着脱可能に入れられ前記開口部を覆う吸着材と、前記ケース部内で前記吸着材に接して位置し、前記吸着材が吸着した汗の量を電気的に測定する電極が設けられ、
    前記電極は、発汗量を演算する測定部本体に電気的に接続され、
    前記測定部本体は、前記電極により得られる電気的な値を測定して、前記吸着材が吸着した汗を基に前記被験者の発汗量を測定することを特徴とする発汗量測定装置。
  2. 前記開口部の周縁部は、前記ケース部の外側に向かって突出して形成された環状の凸部により囲まれている請求項1記載の発汗量測定装置。
  3. 前記凸部は、先端面と側面との間の角部が面取りされ、曲面となっている請求項2記載の発汗量測定装置。
  4. 前記ケース部内には、前記開口部に向かって突出し、前記吸着材を前記開口部の外側方向に突出させる突起部が設けられている請求項1記載の発汗量測定装置。
  5. 前記突起部は、前記ケース部内の前記電極の表面側に設けられている請求項4記載の発汗量測定装置。
  6. 前記吸着材は、前記突起部に対応して中央部が凸形状に形成されたものである請求項4又は5記載の発汗量測定装置。
  7. 前記吸着材は、親水性繊維と吸水性繊維の混紡体である請求項1,4又は6記載の発汗量測定装置。
  8. 前記ケース部は、ケース部本体と、前記ケース部本体に対して開閉可能に取り付けられた蓋部を有し、前記ケース部本体内に前記電極が設けられ、
    前記吸着材は、前記ケース部本体に入れられて、前記蓋部を閉じた状態で前記電極に接触し、前記吸着材に吸着された汗の量から前記被験者の発汗量を測定可能となる請求項1記載の発汗量測定装置。
  9. 前記蓋部は、使用状態で前記被験者の身体側に位置し、前記蓋部に前記開口部が設けられている請求項8記載の発汗量測定装置。
  10. 前記電極は、絶縁性被膜で覆われて絶縁され、前記発汗センサ装置は静電容量を測定するものである請求項1又は8記載の発汗量測定装置。
  11. 前記電極は、絶縁基板上に形成された一対の櫛形状の電極である請求項1,8又は10記載の発汗量測定装置。
  12. 前記電極は、前記ケース部内に設けられた一方の電極と、前記吸着材を挟んで前記一方の電極と対向した他方の電極とからなる請求項1,8又は10記載の発汗量測定装置。
  13. 前記電極は、前記ケース部内で前記吸着材に接触する板状の電極である請求項12記載の発汗量測定装置。
  14. 前記発汗センサ装置を保持して前記被験者の身体の一部に装着するバンド部材が設けられ、前記発汗センサ装置の前記ケース部は、前記ケース部本体が前記バンド部材に固定されている請求項1,2又は8記載の発汗量測定装置。
  15. 演算された前記発汗量を表示する表示装置が、前記ケース部の前記開口部とは反対側に設けられている請求項14記載の発汗量測定装置。
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