JP3212682U - 体液受入れ構造体およびそれを有する体液分析装置 - Google Patents

体液受入れ構造体およびそれを有する体液分析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】生体から流出した体液に好ましく接触し得る電極部を備えた体液受入れ構造体を提供し、かつ、該体液受入れ構造体を用いた生体表面に装着可能な体液分析装置を提供すること。【解決手段】本考案の体液受入れ構造体は、生体表面A1に接触するための接触面1と、該接触面に設けられた開口部2と、該開口部に接続され、該開口部を通して体液A2を受け入れかつ該体液を流すための流路3と、該流路内に露出するように設けられた、体液分析用の電極部4とを有する。本考案の体液分析装置は、本考案の体液受入れ構造体と分析部とを有する、ウェアラブルな好ましい分析装置となり得る。【選択図】図1

Description

本考案は、生体から排出された体液を分析する体液分析装置のための、該生体表面に装着可能な体液受入れ構造体に関する。また、本考案は、前記体液受入れ構造体を有することによって生体表面に装着した状態のままで体液を分析することが可能な体液分析装置に関する。
汗、唾液、尿などの体液を分析するための種々の体液分析装置が知られている。そのような体液分析装置の多くは、携帯可能な小型であっても、使用者が自ら体液を適量だけ採取して、該装置の検体受け入れ部に提供しなければならない構成となっている(例えば、特許文献1,2)。よって、使用者が体液を経時的に測定したい場合には、意図した時間毎に体液の採取を行って、該体液分析装置に繰り返し分析させる必要がある。また、体表面に張り付けることで使用者の体液を経時的に測定しようとする装置も提案されている(例えば、特許文献3)。しかし、その構成は分析に使用する電極部位がむき出しであることから、目的部位以外の体液の流入や体液の滞留による成分濃度の変化が起こり、正確な分析を行うことができない。
特開2005−087117号公報 特開2016−11943号公報 国際公開第2014/025430号
運動時の汗など、生体外に流出し続ける体液を連続的に分析するためには、体液分析装置を小型化することのみならず、該装置のセンサーヘッドである分析用の電極部を生体表面上に配置して、生体から流出し続ける体液を常に分析し続けることが必要である。しかしながら、本考案者らの検討によれば、従来の体液分析装置は、次の条件を十分に満たすようには構成されていない:
(i)電極部が生体から流出する体液の流れを妨げないこと、および、
(ii)体外に流出した体液が次々と電極部に接触すること。
例えば、運動時に皮膚の表面に出る汗の成分を測定し続けるために、電極部を皮膚の表面上に配置するといった構造では、皮膚の表面に出ようとする汗の流れを該電極部が妨げ、しかも、同じ汗が該電極部に接触した状態でその位置に停滞する可能性が高くなる。また、そのような構造では、汗の滞留や水分の蒸発による汗成分の濃度変化や、皮膚常在菌による汗成分の代謝による成分組成の変化が生じ、運動時の皮膚表面に排出された汗成分を正確に経時分析できない。さらに、滞留と水分蒸発による成分濃縮によって生じる塩は、使用者の皮膚荒れや酵素電極部の酵素の劣化、電極の腐食や被覆を引き起こし、装置の劣化を加速し、正確な成分測定を妨げてしまうなどの問題も生じる。
本考案の目的は、前記の問題を解消し、生体から流出した体液に好ましく接触し得る電極部を備えた体液受入れ構造体を提供し、かつ、該体液受入れ構造体を用いた生体表面に装着可能な体液分析装置を提供することにある。
本考案の主たる構成は、次のとおりである。
〔1〕生体から排出された体液を分析する体液分析装置のための、生体表面に装着可能な体液受入れ構造体であって、
生体表面に接触するための接触面と、
該接触面に設けられた開口部と、
該開口部に接続され、該開口部を通して前記体液を受け入れかつ該体液を移動させるための流路と、
該流路内に露出するようにまたは該流路に接触するように設けられた、体液分析用の電極部と
を有する、前記体液受入れ構造体。
〔2〕前記流路内には、前記体液が流路の進行方向に進むように、該体液が浸透する材料が配置されている、前記〔1〕に記載の体液受入れ構造体。
〔3〕当該体液受入れ構造体が、
前記接触面と、前記開口部としての第1貫通孔とを有する生体接触層と、
該生体接触層上に前記流路を定める体液浸透層と、
少なくとも前記体液浸透層を覆うカバー層とが、
順に積層された積層構造を有し、
前記体液浸透層は、前記体液が浸透する材料からなる層である、
前記〔1〕に記載の体液受入れ構造体。
〔4〕前記電極部が、前記カバー層の両面のうち、前記体液浸透層側の面に設けられており、該電極部の少なくとも一部が、該体液浸透層に接触している、前記〔3〕に記載の体液受入れ構造体。
〔5〕当該体液受入れ構造体が、
前記接触面と、前記開口部としての第1貫通孔とを有する生体接触層と、
該生体接触層上に前記流路を定める第2貫通孔を有するスペーサー層と、
少なくとも前記第2貫通孔を覆うカバー層とが、
順に積層された積層構造を有する、前記〔1〕に記載の体液受入れ構造体。
〔6〕前記電極部が、前記カバー層の両面のうち、スペーサー層側の面に設けられており、該電極部の少なくとも一部が、前記流路を定める第2貫通孔内に露出している、前記〔5〕に記載の体液受入れ構造体。
〔7〕前記流路に受け入れられた体液を該流路から排出するための排出口をさらに有する、前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の体液受入れ構造体。
〔8〕前記流路に受け入れられた体液を該流路から排出するための排出口をさらに有し、該排出口が、前記カバー層を層厚方向に貫通する第3貫通孔として設けられている、前記〔3〕〜〔6〕のいずれかに記載の体液受入れ構造体。
〔9〕前記流路に受け入れられた体液を前記排出口から受け入れる体液回収層をさらに有し、該体液回収層は、体液を吸収する材料からなり、かつ、前記排出口に接続されている、前記〔7〕または〔8〕に記載の体液受入れ構造体。
〔10〕前記体液回収層の外面が、防水性を有するフィルムで覆われており、該フィルムには、空気抜き用の第4貫通孔が設けられている、前記〔9〕に記載の体液受入れ構造体。
〔11〕前記生体表面が生体の皮膚表面であり、前記体液が汗である、前記〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の体液受入れ構造体。
〔12〕生体表面に装着可能な体液分析装置であって、
前記〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の体液受入れ構造体と、該体液受入れ構造体の電極部に接続される分析部とを有し、
前記分析部は、前記体液受入れ構造体内に受け入れられた体液が前記電極部に接触したときに生じる電気信号に基づいて、該体液の成分を分析するように構成されている、
前記体液分析装置。
〔13〕前記体液受入れ構造体が、分析部に対して交換可能に接続される使い捨て可能な部分である、前記〔12〕に記載の体液分析装置。
〔14〕携帯可能な表示装置をさらに有し、
前記分析部は、前記体液の分析結果のデータを、有線または無線の通信経路を通じて前記表示装置に送信する送信部を有する、
前記〔12〕または〔13〕に記載の体液分析装置。
〔15〕前記表示装置が、表示画面を持ったスマートフォンであるかまたは表示画面を持ったコンピューターであって、該スマートフォンまたは該コンピューターでは、前記分析部から受信した体液の分析結果を前記表示画面に表示させるように構成されたソフトウェアが実行される、前記〔12〕〜〔14〕のいずれかに記載の体液分析装置。
〔16〕前記体液受入れ構造体の接触面を生体表面に接触させた状態にて、少なくとも、該体液受入れ構造体と、前記分析部とを、生体に固定する保持具をさらに有する、前記〔12〕〜〔15〕のいずれかに記載の体液分析装置。
本考案の体液受入れ構造体では、電極部が生体表面に直接的に接触しないので、汗など生体外に出ようとする体液の流れが電極部によって妨害されることはない。本考案の体液受入れ構造体は、開口部から体液を流路に好ましく受け入れる。該体液は流路を流れながら電極部に接触し、停滞することなく電極部から流れ去ることができる。これにより、電極部は、生体から次々と流れ出る体液に応じた信号を出力し続けることができる。
また、本考案の体液分析装置は、本考案の体液受入れ構造体を体液受入れ部として有するので、該体液受入れ構造体の生体表面への装着性に基づいて、当該体液分析装置もまた、生体表面に好ましく装着することができる。よって、当該体液分析装置は、生体表面に装着された状態で、生体から次々と流れ出る体液を連続的に分析し続けることができ、成分の変化などを経時的に示すことができる。
図1は、本考案の体液受入れ構造体の構成の一例を示す断面図である。同図では、説明のために、各部の寸法を誇張して描いており、各部の寸法の比率(とりわけ厚さの比率)は実際のものとは異なっている。 図2は、体液が浸透し得る材料を流路内に配置し、かつ、本考案の体液受入れ構造体を積層構造として構成した場合の態様の一例を示す断面図である。図2(a)、図2(b)は、流路の流れ方向に垂直に切断した断面図であり、図2(c)、図2(d)は、流路の流れ方向に沿って切断した断面図である。図2(d)における各部の符号は、図2(c)と同様であり、図2(d)では、生体接触層、体液浸透層、カバー層以外は、符号は省略している。 図3は、図2の積層構造の組立て分解図(図3(a))、および、図3(a)の各層を積層した場合の各部の位置関係を示す図(図3(b))である。図3では、各層の厚さを省略している。図3(a)では、生体接触層10が最も手前側に位置し、カバー層30が最も奥側に位置し、体液浸透層20Aがこれらの中間に位置する。また、図3では、各層の主面を見せており、接触面である生体接触層の下面11は、手前側を向いている。 図4は、流路を空洞とし、かつ、本考案の体液受入れ構造体を積層構造として構成した場合の態様の一例を示す断面図である。 図5は、本考案の体液受入れ構造体を構成する積層構造(図4に例示)の組立て分解図(図5(a))、および、図5(a)の各層を積層した場合の各部の位置関係を示す図(図5(b))である。図5では、各層の厚さを省略している。図5(a)では、生体接触層10が最も手前側に位置し、カバー層30が最も奥側に位置し、スペーサー層20がこれらの中間に位置する。また、図5では、各層の主面を見せており、接触面である生体接触層10の下面11は、手前側を向いている。 図6は、本考案の体液受入れ構造体の好ましい態様として、体液回収層およびそれを覆うフィルムが付与された構成例を示す断面図である。図では、説明のために、細部の符号を適宜省略している。 図7は、本考案の体液受入れ構造体を積層構造として形成し、かつ、体液回収層をさらに付与した場合の構造を示す組立て分解図(図7(a))、および、図7(a)の各層を積層した場合の体液回収層の位置を示す図(図7(b))である。図7でも、図5と同様、各層の厚さを省略している。図7(a)の各層の配置状態は、図5(a)と同様であるが、追加された体液回収層40が最も奥側に位置する。図7(b)では、体液回収層40を分かり易いように破線で描いている。 図8は、本考案の体液分析装置の構成を概略的に示す図である。図8(a)は、当該体液分析装置の構成の概要および使用状態を示す断面図であり、図8(b)は、体液受入れ構造体と分析部と表示装置との接続関係を示した図である。 図9は、本考案の体液分析装置において、体液受入れ構造体の電極部と表示装置とが接続された分析部の回路構成の一例を示したブロック図である。 図10は、本考案の実施例1において製作した体液受入れ構造体を評価するための部材の配置構成を模式的に示す断面図である。同図では、体液受入れ構造体内の電極は、図示を省略している。 図11は、本考案の実施例1において、流路における液体(水)の流量を調べた結果を示すグラフ図である。 図12は、本考案の実施例2において、流路を流れる液体のグルコース濃度をある時点でステップ状に上昇させた場合の当該体液分析装置の分析能力を調べた結果を示すグラフ図である。 図13は、本考案の実施例3において、流路を流れる液体のグルコース濃度をある時点でステップ状に降下させた場合の当該体液分析装置の分析能力を調べた結果を示すグラフ図である。
以下、本考案を具体的な構造例を挙げて詳細に説明する。以下、生体表面の一例として皮膚を挙げ、かつ、該生体から排出された体液の一例として汗を挙げて、本考案を説明する。
本考案の体液受入れ構造体は、図1に構造の一例を模式的に示すように、生体Aの表面(皮膚面)A1に装着可能な構造体であって、該生体Aから排出された体液(汗)A2を分析する体液分析装置の体液受入れ部として用いられる。図1では、体液A2の流れを太い矢印で示している。また図1では、体液分析装置を構成する分析部などは図示を省略している。当該体液受入れ構造体は、接触面1と、開口部2と、流路3と、体液分析用の電極部4とを少なくとも有する。図1の例では、好ましい態様として排出口5が設けられている。接触面1は、当該体液受入れ構造体を生体表面A1に装着する場合に、該生体表面A1に接触する面である。開口部2は、体液の取り入れ口として、接触面1に設けられ、流路3に接続されている。換言すると、流路3が接触面1に開口している。生体Aから生体表面A1に流れ出た体液A2は、開口部2を通って流路3に入る。流路3は、体液A2を移動させるためのものである。図1の例では、流路3を空洞のように描いているが、体液を好ましく移動させる点からは、該流路内に、体液が浸透し得る材料(以下、体液浸透材ともいう)を配置し、体液が該体液浸透材中に浸透することによって、該体液が流路を進行する態様が好ましい。体液浸透材や流路の構成については後述する。図1の例では、体液分析用の電極部4が流路3内に露出している。流路内に体液浸透材を配置した態様では、電極部4は該流路内の体液浸透材に接触するよう配置されることが好ましい。いずれの態様でも、電極部は、流路内を移動する体液に接触するように設けられる。図1の例では、電極部4として3つの電極41、42、43が設けられている。図では、分かり易く示すために、各電極41〜43が流路3の壁面よりも突き出しているように描いているが、そのような態様に限定されることはなく、例えば、各電極は、壁面と同一の面にあってもよいし、壁面に対して窪んだ位置にあってもよい。電極部4を分析部に接続する配線は、図示を省略している。
電極部4は、流路3を流れる体液A2が該電極部自体に接触すると、該体液の成分に応じた電気信号を発生するように構成されている。該電極部4は、後述の分析部に接続され、該電極部4に生じた電気信号が該分析部において分析される。
以上のように、本考案の体液受入れ構造体では、電極部4は生体表面に直接的には接触せず、接触面1が生体表面A1に接触する。開口部2は、生体から生体外に出る体液A2の流れを妨害せず、該体液は、開口部2から流路3内に好ましく入ることができる。流路3は、体液を好ましく移動させる。これらの構成により、生体表面に出た体液A2は、開口部2から流路3内に好ましく入ることができ、かつ、流路3内を流れながらまたは移動しながら、電極部4に次々と接触し、該電極部4から流れ去ることができる。よって、該電極部4は、生体Aから出た体液A2を次々と連続的に感知し続け、該体液の成分に応じた電気信号を連続的に出力することができる。
図1では、説明のために、生体表面A1を水平方向の面として描いているが、当該体液受入れ構造体の実際の使用状態では、該生体表面A1は、例えば、人間の額、首、腕部、胸、背中、脚部のそれぞれの表面など、人間が立っている場合には垂直面に近い面である場合が多い。よって、図1における体液A2の流れも、図のように紙面の上方に向かって流れ出ることだけを意味するものではない。
体液浸透材は、体液が該材料に浸み込んで、該材料中に広がっていくことができる材料である。体液浸透材を流路内に配置することによって、体液は該体液浸透材に浸み込んで流路を進行するので、体液の進行が促進され、よって、体液の好ましい流量を確保することができる。体液浸透材は、流路内に隙間なく配置されることが好ましいが、例えば、図2(a)に示すように、流路を構成する壁面と体液浸透層20Aとの間に隙間e1があってもよい。
体液浸透材としては、例えば、繊維集合体(ろ紙、ろ紙以外の紙、不織布、布帛など)や多孔質材が挙げられる。繊維集合体を構成する繊維としては、セルロース、ニトロセルロース、アクリル繊維、ナイロン繊維、親水性ポリエチレン繊維、ガラス繊維などが挙げられ、これらを混合して用いてもよい。多孔質材としては、スポンジ、メソポーラスシリカ、ゼオライト、ゲル材料(アガロースゲル、アルギン酸ゲルなど)などが挙げられる。これらの体液浸透材のなかでも、ろ紙、とりわけ、ペーパークロマトグラフィーに利用可能であるような親水性のろ紙は、体液(とりわけ汗)をより大量に浸み込ませてより速く移動させることができる好ましい材料である。ろ紙を構成する繊維は、親水性であれば、セルロースに限定されることはなく、上記した種々の繊維またはそれらの混合であってもよい。ろ紙を構成する繊維の材料、繊維の親水性、ろ紙の密度(空隙率)などは、体液が目的の流量にて該ろ紙を移動するよう、適宜選択することができる。
当該体液受入れ構造体は、接触面1、開口部2、流路3、電極部4を有するものであればよいが、以下に述べる積層構造が好ましい態様として挙げられる。該積層構造によって、当該体液受入れ構造体の各部を、適切な材料で、高い寸法精度で、かつ、容易に安価に製造することができる。以下の説明では、該積層構造を図を参照して分かり易く説明するために、接触面を最下面として、かつ、該積層構造の積層方向を上下方向として、「上面」や「下面」など、上下の方向を示す文言を用いる。しかし、これら上下の方向を示す文言は、あくまでも図における積層構造中の各部の位置関係をわかりやすく説明するためのものであり、当該体液受入れ構造体の使用時の姿勢や方向を限定するものではない。
図2は、流路内に体液浸透材を配置し、かつ、当該体液受入れ構造体を積層構造として構成した場合の態様の一例を示す断面図である。図2(a)、図2(b)は、流路の流れ方向に垂直に切断した断面図であり、図2(c)、図2(d)は、流路の流れ方向に沿って切断した断面図である。また、図3は、図2の積層構造の組み立て分解図であり、かつ、該積層構造における各部の位置関係を示す図である。図2(a)、図2(c)、図3に示すように、当該体液受入れ構造体は、生体接触層10と、流路として機能する体液浸透層20Aと、カバー層30とが順に積層された積層構造を有する。体液浸透層20Aは、体液浸透材からなる層である。体液浸透層20Aは、生体接触層10上に流路を定めており、例えば、体液浸透層20Aが生体接触層10上で蛇行する形状であれば、体液も該形状に沿って蛇行して進行する。図2、図3の例では、体液浸透層20Aは、直線的に延びる形状(長方形)である。生体接触層10は、生体表面に接触するための層であって、該生体接触層の下面11が接触面1である。カバー層30は、少なくとも体液浸透層20Aを覆い、生体接触層10と協働して、体液浸透層20Aを管路内に閉じ込めている。即ち、生体接触層10の上面の一部と、カバー層30の下面の一部が、流路の内壁面となっている。
図2(c)、図2(d)に示すように、生体接触層10には、該層10を層厚方向に貫通する第1貫通孔12が設けられており、該第1貫通孔12は、下面(接触面)11に開口し、図1における開口部2となっている。
体液浸透層20Aは、体液を移動させるための主要部分である。図2(a)に示すように、体液浸透層20Aの周囲には、微小な隙間(空洞部分)e1があってもよい。該隙間e1は、フィルムとしての生体接触層10とフィルムとしてのカバー層30とで体液浸透層20Aを挟み込む場合に生じる可能性がある。
体液浸透層20Aは、第1貫通孔12に接続されるように位置決めされている。
体液浸透層20Aの層厚、幅(図3(a)に示す、流路の流れ方向に垂直な方向の寸法W1)、および、長さ(図3(a)に示す、流路の流れ方向の寸法L1)を選択することによって、好ましい断面寸法と進行経路を持った流路を、シート状の体液浸透材に対する裁断や打ち抜き等によって、より正確な寸法でかつ容易に形成することができる。上記した第1貫通孔12についても同様に、生体接触層10の層厚と、第1貫通孔12の開口形状とを選択することによって、好ましい開口形状と、接触面から流路までの好ましい長さとを持った開口部を、生体接触層となるシート材に対する打ち抜き等によって、より正確な寸法でかつ容易に形成することができる。
カバー層30は、少なくとも体液浸透層20Aを覆っている。図2(a)、図2(d)の例では、カバー層30は、体液浸透層20Aの周囲の生体接触層10の上面をも覆っている。体液浸透層20Aが、生体接触層10の上面と、カバー層30の下面とによってそ挟まれることによって、体液浸透層20Aは管路内を実質的に充填する好ましい流路となっている。
図2(b)に示すように、体液浸透層20Aの横方向の両側には、体液が浸透しない材料からなるスペーサー層20Bが設けられていてもよい。スペーサー層20Bは、体液浸透層20Aと実質的に同じ厚さを持った層である。スペーサー層20Bを設けることによって、カバー層30がより平坦になる。スペーサー層の材料は後述する。
他の態様として、目的の流路全体を包含するより大きい外形(例えば、生体接触層と同じ外形)を持ったシート状の体液浸透材を用意し、該シート材の主面に対して流路が残るように、該流路の外側の領域全体にまたは流路に沿った帯状の領域に、目止め剤(浸透防止剤)を塗布して体液浸透層としてもよい。該シート状の体液浸透材の外形は、生体接触層の外形と同じまたはそれ以上であってもよい。その場合、スペーサー層は省略してよい。また、該シート状の体液浸透材の外形を生体接触層の外形よりも小さくし、スペーサー層を併用してもよい。
前記の目止め剤としては、体液浸透材に浸透することができる液状の材料であって、かつ、体液浸透材に浸透した後に固化し得、かつ、固化した後は体液が接触しても溶解しない性質(例えば、耐水性)を有するものが好ましく、従来公知の紙用の目止め剤(例えば、アクリルエマルジョンなどの合成樹脂エマルジョン)、国際公開第2012/160857号に記載された紫外線硬化性インクなどが挙げられる。また、目止め剤の塗布と固化には、公知の塗装法、固化法のみならず、種々の印刷法、固化法を用いてもよい。
体液浸透層20Aの流れ方向の両端面は、図2(c)に示すように、積層構造の側面に達して外界に露出していてもよいし、図2(d)、図3に示すように、生体接触層10とカバー層30との密着によって、外界から密閉されていてもよい。また、体液浸透層20Aの流れ方向の両端面に隣接して、図2(b)に示すようなスペーサー層20Bが設けられていてもよい。
体液浸透層20Aに用いられる体液浸透材は、上記したとおりである。
体液浸透層20Aの層厚、幅、長さは、後述の流路の寸法を参照することができる。
図4は、流路を空洞とし、かつ、当該体液受入れ構造体を積層構造にて構成した場合の態様の一例を示している。また、図5は、図4の積層構造の組み立て分解図であり、かつ、積層構造における各部の位置関係を示す図である。図4、図5に示すように、この態様は、生体接触層10と、スペーサー層20と、カバー層30とが順に積層された積層構造を有する。生体接触層10は、生体表面に接触するための層であって、該生体接触層の下面11が接触面である。
生体接触層10には、図2の態様と同様、該層10を層厚方向に貫通する第1貫通孔12が設けられており、該第1貫通孔12は、下面(接触面)11に開口し、図1における開口部2となっている。
スペーサー層20には、該層20を層厚方向に貫通する第2貫通孔21が設けられており、第2貫通孔21が図1における流路3となっている。第2貫通孔21は、第1貫通孔12に接続されるように位置決めされている。該第2貫通孔21は、図5(a)に示すように、流路の進行経路を定めており、スペーサー層20の材料部分が該流路の側壁となっている。
スペーサー層20の層厚と、第2貫通孔21の開口形状とを選択することによって、好ましい断面寸法と進行経路を持った流路を、より正確な寸法でかつ容易に形成することができる。上記した第1貫通孔12についても同様に、生体接触層10の層厚と、第1貫通孔12の開口形状とを選択することによって、好ましい開口形状と、接触面から流路までの好ましい長さとを持った開口部を、より正確な寸法でかつ容易に形成することができる。
カバー層30は、少なくともスペーサー層20の第2貫通孔の上側の開口端を覆っている。図4に示すように、スペーサー層20の第2貫通孔21の上下の開口端が、生体接触層10の上面と、カバー層30の下面とによってそれぞれ塞がれることによって、第2貫通孔21は管路となり、好ましい空洞の流路となっている。
次に、図2〜図5に示した態様の各部を説明する。
〔生体接触層〕
生体接触層10の外周形状(即ち、接触面1の外周形状)は、特に限定はされないが、皮膚に接触して当該を支持する面の形状として、四角形(正方形や長方形など)、多角形、円形、楕円形などが好ましい基本形状として挙げられる。生体接触層上に構築される流路の経路や電極部の配置パターンに応じて、外周形状の一部が適宜変形されてもよい。四角形や多角形の角部には、面取りや丸みが付与されてもよい。
生体接触層10の下面11(即ち、接触面1)の面積は、特に限定はされないが、該生体接触層の上面に流路を形成しかつ該流路内に必要な電極部を設ける点、および、体液を分析するのに必要な量回収できる点、接触による皮膚への影響や装着による違和感を軽減する点からは、1mm〜100000mm程度が好ましく、25mm〜40000mm程度がより好ましい。生体接触層10の外周形状が正方形または長方形の場合には、その1辺の長さは、5mm〜300mm程度が例示される。
生体接触層10の層厚は、特に限定はされないが、体液を好ましく流路に受け入れることができるような開口部の層厚方向の長さ、および、生体になめらかに接触する点、生体の運動を妨げないという点からは、0.01mm〜5mm程度が好ましく、0.05mm〜1mm程度がより好ましい。実施品における層厚の一例としては、0.1mmが例示される。生体接触層10の層厚が前記の範囲未満であると、使用中の生体接触層の破断や、歪みにより体液が流路に入り難くなるといった問題が生じ、また、生体接触層10の層厚が前記の範囲を超えると、開口部の層厚方向の長さが過度に長くなって、体液が流路に入り難くなる。
生体接触層10の材料は、特に限定はされないが、接触面が生体表面に好ましく沿って全面的に接触するように可撓性を有する柔軟な材料であることが好ましい。また、該材料は、使用時において生体表面に比較的長い時間接触する点からは、皮膚などの生体表面に悪影響を与え難い生体適合性を持っていることが好ましい。そのような材料としては、コットン、セルロース、ポリアミノ酸、ポリ乳酸、ポリロタキサン、ポリウレタン、シリコーンゴム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコールなどが例示される。生体接触層は、これらの材料が薄く広がったシート状物、これらの材料からなる繊維によって構成された繊維集合体(例えば、織物、編み物、不織布、紙など)の態様であってもよい。
生体接触層10は、その下面が接触面として生体表面に接触し、他方、その上面の一部は、流路の底面を構成する。よって、該生体接触層は、生体表面と好ましく接触し得る上記材料からなる下層と、流路の好ましい底面となり得る材料からなる上層とを有する2層構造または多層構造を有することが好ましい。
該生体接触層を多層構造とする場合、流路の底面となる上層の材料は、体液が浸み込まず好ましく流れることができる材料が好ましく、例えば、セルロース、ポリアミノ酸、ポリ乳酸、ポリロタキサン、ポリウレタン、シリコーンゴム、ポリビニルアルコール、酸化アルミニウム、酸化チタンなどが挙げられる。
生体接触層を多層構造とする場合、下層と上層とは樹脂成型や熱圧着などにより直接的に積層されてもよいし、接着剤層や粘着剤層がそれらの間に介在してもよい。また、上層は、下層の上面に該上層の材料がコーティングされてなる層であってもよい。生体接触層10の全体としての層厚に占める上層の厚さの割合は、特に限定はされないが、1%〜90%程度であれば上層として好ましく機能し、また、下層が過度に薄くなることもない。
〔生体接触層の第1貫通孔(開口部)〕
生体接触層10に開口部2として設けられる第1貫通孔12の開口形状(接触面における開口部の形状)は、特に限定はされないが、体液を好ましく受け入れる形状であり、流路に好ましく接続され、プレスによる抜きや成形による形成が容易であるという点からは、円形や四角形(正方形や長方形など)が好ましい基本形状として挙げられる。
第1貫通孔の開口面積(接触面における開口部の面積)は、特に限定はされず、生体の部位や体液に応じて該体液を好ましく受け入れることができるように選択すればよく、例えば、0.1mm〜80mm程度、好ましくは0.2mm〜20mm程度が例示される。
第1貫通孔の開口形状が円形である場合、その直径は、0.1mm〜10mm程度、好ましくは、0.5mm〜5mm程度である。第1貫通孔の開口形状が正方形である場合、その一辺の長さは、0.9mm〜9mm程度、好ましくは、0.4mm〜5mm程度である。
開口部(第1貫通孔12)の開口形状および開口面積を小さくし、毛管現象によって体液が開口部内に入っていくようにしてもよい。また、流路側の開口面積よりも、接触面側の開口面積をより大きくして、体液が開口部内に入り易いようにしてもよい。
〔図2(b)、図4および図5の態様におけるスペーサー層〕
図2(b)の態様では、スペーサー層20Bは、生体接触層10とカバー層30との間にあって、体液浸透層20Aの横方向の両端面を封止する層である。図4および図5の態様では、スペーサー層20は、生体接触層10とカバー層30との間にあって、第2貫通孔21によって流路3を定める層である。スペーサー層20、20Bの外周形状は、特に限定はされず、流路を包含し得る大きさを有するように選択することができる。スペーサー層を生体接触層上に積層した後で、外周形状を裁断する場合には、スペーサー層20の外周形状は、上記した生体接触層の外周形状と同じであってよい。図2(b)の態様におけるスペーサー層20の外周形状も、上記した生体接触層の外周形状と同じであってよい。
第2貫通孔21内には、体液浸透材が配置されてもよい。その場合には、図2(b)に示す態様と同様の構成となる。
スペーサー層の層厚は、流路の断面形状に関係する寸法として後述する。
〔流路〕
流路は、図2〜図3の態様では実質的に体液浸透材からなり、図4〜図5の態様ではスペーサー層に設けられた第2貫通孔である。
流路の断面形状(流れ方向に垂直な断面の形状:図3(a)の寸法W1,図5(a)の寸法W2)と断面積(流れ方向に垂直な断面の面積)は、特に限定はされないが、微量な体液であっても流路の断面を充填しながら流れる断面形状および断面積が好ましく、それにより、該体液は電極部に必ず接触することができる。また、体液を、重力や外部ポンプ等による吸引力によって流路を進行させてもよいが、毛管現象によって流路を進行させる態様が好ましい。
以上の点から、流路の断面積は、0.1mm〜80mm程度が好ましく、0.2mm〜20mm程度がより好ましい。流路の断面積が前記の範囲未満であると、目詰まりや電極部に充分な体液が接触せず分析ができないといった問題が生じ、また、流路の断面積が前記の範囲を上回ると、体液が微量である場合には、該体液が電極部に接触しない場合が生じる、また、毛管現象も得られ難くなる。
当該体液受入れ構造体を図2〜図5に示すような積層構造として形成する場合、流路の断面形状は、通常、正方形または長方形となる。この場合、体液浸透層20Aの層厚またはスペーサー層20の層厚は、流路の層厚方向の寸法である。スペーサー層20Bの層厚は、体液浸透層20Aの層厚と同じであることが好ましい。上記した流路の断面積を考慮すると、体液浸透層20Aの層厚またはスペーサー層20の層厚は、0.01mm〜5mm程度が好ましく、0.02mm〜1mm程度がより好ましい。図2(b)の態様におけるスペーサー層20Bの層厚も同様であってよい。体液浸透層20Aの層厚またはスペーサー層20の層厚が前記の範囲であれば、生体接触層10とカバー層30との間に作用する毛管現象によって、体液が流路を好ましく進行し得る。また、体液浸透層20Aの幅W1または第2貫通孔21の幅W2は、上記した開口部の開口面積や外形寸法を考慮して、0.001mm〜50mm程度が好ましく、0.01mm〜20mm程度がより好ましい。
体液浸透層20Aの層厚と幅、または、スペーサー層20の層厚と第2貫通孔21の幅は、流路の断面積が上記した範囲内となるように、適宜選択してよい。流路内に体液浸透材を配置する態様では、空洞の流路に比べて、流路の断面積が大きい場合でも、毛管現象を利用しながら体液を好ましく進行させることができる。
流路の進行経路は、直線的であることが好ましいが、開口部2(第1貫通孔12)と電極部4と排出口5(第3貫通孔31)の配置などに応じて屈曲したものでもよい。流路の進行経路や接触面1に対する進行方向(進行の角度)は、特に限定はされないが、当該体液受入れ構造体を積層構造として形成する場合には、流路の進行経路は、図3(a)、図5(a)に現れているように、体液浸透層の外形または第2貫通孔の開口形状によって決定され、接触面1と平行に延びる。図3(a)に示す流路の長さL1、図5(a)に示す流路の長さL2は、特に限定はされないが、当該体液受け入れ構造体の設計難易度を下げつつも、使用者が容易に当該構造体を身に付けられるという点からは、3mm〜150mm程度が好ましく、5mm〜50mm程度がより好ましい。
当該体液受入れ構造体を、例えば、装着者(人間)の額、首、腕部、胸、背中、脚部のそれぞれの表面など、装着者が立っている場合に垂直面に近い面に装着する場合、体液流入用の開口部がより上に位置し、排出口がより下に位置し、流路が下り方向に延びるように、当該体液受入れ構造体を前記表面に装着することが好ましい。このような流路の方向付けにより、重力を利用して体液を進行させることができる。
図4〜図5の態様では、スペーサー層20に設けられる第2貫通孔(流路)の流れ方向の両端部のうちの一方または両方が、スペーサー層20の側面に到達して、該側面に開口していてもよい。
第2貫通孔の流れ方向の両端部が共に該側面に開口する場合、スペーサー層20は、第2貫通孔によって2つの片に分断されるが、そのような構造も、1つのスペーサー層に流路となる1つの第2貫通孔が設けられた構造に含まれる。
第2貫通孔の流れ方向の端部がスペーサー層20の側面に到達して、該側面に開口している場合、該開口を体液の排出口または空気抜き穴として利用してもよい。
体液受け入れ構造体のデザイン上、開口部2(第1貫通孔12)から流路内に入ろうとする体液と、第2貫通孔の流れ方向の端部から排出された体液とが混合される可能性がある場合には、流路の流れ方向の端部がスペーサー層20の側面に到達しない態様が好ましい。
図2(b)、図4〜図5の態様では、スペーサー層20B、20の材料は、特に限定はされないが、生体接触層10の可撓性を妨げないように、スペーサー層の材料もまた、可撓性を有する柔軟な材料であることが好ましい。図2〜3の態様における体液浸透層20Aに用いられる体液浸透材も同様に、生体接触層10の可撓性を妨げないように、可撓性を有する柔軟な材料であることが好ましい。
生体接触層とスペーサー層との間、および、スペーサー層とカバー層との間には、それぞれ接着材層が介在してもよいが、スペーサー層自体が接着材層(粘着剤層を含む)であれば、生体接触層とカバー層との間に介在して、これらの2層を貼り合わせる作用を示すので好ましい。そのような接着材層となり得るスペーサー層の材料としては、基材フィルムを持たず粘着剤のみからなるフィルムが挙げられ、例えば、スリーエムジャパン株式会社製の粘着剤転写テープ「9969」(アクリル系の粘着剤からなるフィルム)などが挙げられる。
〔カバー層〕
図2、図3の態様では、カバー層30は体液浸透層20Aを覆い、生体接触層10と共に管路の壁部を構成する層であり、図4、図5の態様では、カバー層30は少なくともスペーサー層20の第2貫通孔21を覆い、それにより第2貫通孔21を管路にする層である。好ましい態様では、図2(c)、図2(d)、図3〜図5に示すように、カバー層30の下面には、電極部のための導体部分と接続端子(分析部との接続用の端子)とを含んだ導体回路パターンが設けられる。その場合には、カバー層30は回路基板であるということができる。
カバー層30の材料は、特に限定はされないが、生体接触層10の接触面が生体表面に好ましく沿って全面的に接触するように、即ち生体接触層10の可撓性を妨げないように、可撓性を有する柔軟な材料であることが好ましい。電極を蒸着やスパッタリングで形成する際の熱に耐え、寸法安定性を維持できる点からは、該カバー層30の好ましい材料は、ポリイミドなど種々の有機高分子材料が挙げられ、具体的なフィルム素材としては、帝人デュポンフィルム株式会社製PENフィルム「テオネックス(登録商標)Q51」、宇部興産(株)製ポリイミドフィルム「ユーピレックス(登録商標)−S」、東レ・デュポン(株)製ポリイミドフィルム「カプトン(登録商標)」、鐘淵化学工業(株)製ポリイミドフィルム「アピカル(登録商標)」、(株)クラレ製液晶ポリマーフィルム「ベクスター(登録商標)」、東レ(株)製ポリフェニレンサルファイドフィルム「トレリナ(登録商標)」、アラミドフィルム「ミクトロン(登録商標)」、ビクトレックスジャパン(株)製ポリエーテルエーテルケトンフィルム「APTIV(登録商標) Films」などが挙げられる。
カバー層30の外周形状は、特に限定はされず、生体接触層10の外周形状と同様に、四角形(正方形や長方形など)、多角形、円形、楕円形などが好ましい基本形状として挙げられる。
該カバー層の下面に電極部を含んだ回路パターンが設けられる場合には、該カバー層は、該回路パターンを考慮して、生体接触層やスペーサー層の外周縁から側方に貼り出した、より大きい外周形状を有するものであってよい。
カバー層の外周形状が正方形または長方形の場合には、その1辺の長さは、10mm〜100mm程度が例示される。
カバー層の層厚は、特に限定はされないが、身体との追従性と装着時に動作を阻害しないという点からは、0.001mm〜10mm程度が好ましく、0.01mm〜2mm程度がより好ましい。
〔体液分析用の電極部〕
図1〜図5の態様において、体液分析用の電極部4は、体液を分析するためのセンサーヘッドであって、体液に接触し、該体液の成分に応じた電気信号が発生するように構成される。電極部は、電気信号が発生する原理に応じて、電気信号が発生する物質が導電性材料上に設けられた態様であってもよいし、金属製の端子であってもよい。流路内の電極部の数は、電気信号が発生する原理に応じて、単一であっても、複数であってもよい。さらに、電極部は、体液分析に供するものであれば、pH測定を行うことなどの種々の目的に応じて、必要な数だけ設けられてもよい。
電極部の態様としては、酵素電極法を実施し得るように構成された酵素電極と参照電極(比較電極ともいう)とのペア、イオン電極法(イオン選択性電極法ともいう)を実施し得るように構成されたイオン電極と参照電極とのペア、FET(電界効果トランジスター)型のバイオセンサーにおける電極上に設けられた各種のイオン感応膜、EIS構造(溶液(Electrolyte)−絶縁膜(Insulator)−半導体(Semiconductor)構造)を有する化学センサーにおけるセンサー面などが例示される。
例えば、酵素電極は、金属導体の表面に、酵素、架橋剤、導電性ポリマー、糖などからなる層を形成した電極である。汗に含まれる生体物質の濃度を感知する場合、対象の生体物質に作用する酵素を有する酵素電極と参照電極が汗に浸漬されると、参照電極に対し酵素電極が汗中の生体物質の濃度によって異なった起電力を生じ、これにより、汗に含まれる対象の生体物質の濃度に応じた電気信号が得られる。
上記した種々の電極部の構造自体については、公知のバイオセンサーのセンサーヘッド部を参照することができる。酵素電極と参照電極とのペアは、製造方法が簡易な一方で測定対象物質を広く選択できる観点からは、本考案にとっては好ましい電極部の態様である。図1〜図7の態様では、電極部4は、酵素電極43、参照電極42、および、pH電極などへの転用をするための電極41を含んでいる。
電極部は、流路内のどの部分に露出していてもよいが、分析部との電気的な接続の点や、体液中の分析対象外の物質の堆積を防止する観点からは、接触面から遠い側の面(即ち、図1では、流路3の内面のうちの上側の面)に露出するのが好ましい。
図1では、電極部4は、流路3内に突き出ているように描いているが、該電極部の表面は、流路の内面と同一面であってもよいし、流路の内面からさらに凹状に引き込んだ位置にある面であってもよい。図2〜図5の態様では、電極部は、カバー層30の下面(スペーサー層側の面)に設けられており、図2、図3の態様では、該電極部の表面の少なくとも一部が生体接触層10に接触し、図4、図5の態様では、該電極部の表面の少なくとも一部が第2貫通孔の内に露出している。図2(c)、図2(d)では、各電極部41〜43同士の間には隙間が生じているように描いているが、実際の電極部の厚さは微小であり、薄く柔軟なカバー層30であれば各電極部41〜43同士の間に部分的に入り込むことができる。また、図5の例のように、電極部4の外形が第2貫通孔内にはまり込むことができない形状である場合には、電極部4は流路3内には突き出ない。
電極部の導体部分と接続端子とを含んだ導体回路パターンは、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)など好ましい導電性を持った金属材料を用い、公知の回路パターン形成技術によって形成することができる。該導体回路パターンは、必要に応じて、表層Au/下層Cu、表層Au/下層Tiなどの多層構造であってもよい。
導体回路パターン上に、FET(電界効果トランジスター)型のバイオセンサーなどの素子を実装し、そのセンサー面を、電極部として、流路内に露出させてもよい。また、そのような素子の一部または全部が流路内に突き出していてもよい。
電極部と外部回路との接続は、公知技術を参照してもよい。例えば、カバー層の上面にさらに外部との接続用の導体回路パターンを設け、層厚方向の導通路などを通じて、カバー層の下面に設けられた前記の導体回路パターンと接続してもよいし、一方の端部に電極部を有する導体回路パターンの他方の端部に、分析部などの外部回路への接続端子を設けてもよい。
外部回路への接続端子は、着脱が容易なコネクターなどを採用することが好ましい。これにより、当該体液受入れ構造体は使い捨ての際の着脱の操作が容易になる。
〔排出口〕
図1に示すように、当該体液受入れ構造体では、流路3の終端には、開口部2から該流路に入った体液A2を排出するための排出口5を設けることが好ましい。該排出口は、最初に該流路に体液が入るときの空気抜き穴としても作用する。これにより、体液は、開口部から流路に入り、電極部に接触し、排出口から出て行くことができ、電極部は、流れる体液を連続的に感知することができる。
排出口の位置は限定はされないが、当該体液受入れ構造体を積層構造として形成する場合には、カバー層に設ける態様が好ましい。これにより、次に述べる体液回収層との接続が容易になる。図2(c)、図2(d)、図3〜図5の態様では、流路3(生体接触層10または第2貫通孔21)の終端に対応する位置に、カバー層30を層厚方向に貫通する第3貫通孔31が設けられ、排出口5となっている。
排出口5(第3貫通孔31)の開口形状は、特に限定はされないが、開口部2(第1貫通孔12)と同様、円形や四角形が好ましい形状である。排出口の開口面積は、流路の断面積と同じであってよく、それより大きい開口面積であってもよい。
排出口は、体液に毛管現象が作用するような開口形状、開口面積を有していてもよい。これにより、体液回収層に対して体液が好ましく送り込まれる。
〔体液回収層〕
当該体液受入れ構造体の好ましい態様では、流路3を流れる体液A2を、前記排出口から受け入れる体液回収層がさらに設けられる。該体液回収層は、体液を吸収する材料からなり、該排出口に接続される。
当該体液受入れ構造体を積層構造として形成する場合には、図6、図7に示すように、カバー層30の上に体液回収層40が積層される態様が好ましい。図6は、流路が空洞である場合の積層構造を示しているが、図2に示すような、体液浸透層を有する積層構造であってもよい。また、図7は、流路が体液浸透層である場合の構成例を示しているが、図5に示すような、第2貫通孔を持ったスペーサー層を有する積層構造であってもよい。
体液回収層を積層構造として付与することにより、生体表面に対する占有面積が大きくならず、コンパクトな体液受入れ構造体が得られる。
体液回収層は、体液を吸収することができる材料または部材からなる。また、体液回収層は、上記した生体接触層の可撓性を妨げないように、可撓性を有する柔軟な層であることが好ましい。
体液回収層の好ましい態様としては、例えば、次のものが例示される。
(i)体液を吸収し得る材料からなる固形状またはゲル状の層。
(ii)体液を吸収し得る材料からなる粉体や粒状物からなる層。粉体や粒状物の散逸を防止し、取扱い性を良くするために、粉体や粒状物が体液透過性のシートで包まれていてもよく、例えば、紙おむつ等に見られるような高分子吸収層の構造であってもよい。
(iii)材料の間に多量の隙間が存在し、その隙間に体液が吸収されるように構成された層。例えば、スポンジのような多孔性材料からなる層や、繊維集合体(脱脂綿、不織布、紙など)からなる層。多孔性材料自体や繊維の材料自体は、体液を吸収するものであってもなくてもよいが、体液を吸収する材料である方が好ましい。
前記(i)〜(iii)の態様における、体液を吸収し得る材料としては、ポリアクリル酸塩、ポリスルホン酸塩、無水マレイン酸塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリアスパラギン酸塩、ポリグルタミン酸塩、ポリアルギン酸塩、デンプン、セルロースなどが例示される。これらの材料は、吸収しようとする体液に応じて選択してよく、複数の材料を混合して用いてもよく、別個の部材の組合せとして複合的に用いてもよい。
多孔性材料や繊維集合体は、単位体積当たりの体液の吸収量がより高くなるように、多孔性材料の場合には、孔径と空隙率、繊維集合体の場合には、孔径、繊維径、空隙率が決定されたものが好ましく利用可能である。
体液回収層の外周形状は、特に限定はされないが、当該体液受入れ構造体をコンパクトにする点からは、カバー層の外周形状から外側にはみ出さない形状が好ましい。体液回収層の層厚は、材料の体液吸収性や、回収しようとする体液の量(体積)に応じて決定することができる。例えば、体液回収層が、脱脂綿のようなセルロース製の繊維からなる繊維集合体である場合には、層厚は、0.1mm〜80mm程度が好ましく、0.5mm〜10mm程度がより好ましい。
〔体液回収層を覆うフィルム〕
当該体液受入れ構造体の好ましい態様では、図6に示すように、体液回収層40の外面が防水性を有するフィルム50で覆われる。これにより、体液回収層内に吸収された体液が、後述の分析部の回路や再び人体などに接触することが防止される。
該フィルムの材料は、防水性を有し、かつ、上記した接触面が生体表面に好ましく沿って全面的に接触するように可撓性を有する柔軟な材料であることが好ましい。そのような材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)などが例示される。
該フィルム50の厚さは、特に限定はされないが、0.01mm〜50mm程度が例示される。
体液回収層を覆うフィルム50には、図6に示すように、空気抜き用の第4貫通孔51が設けられることが好ましい。図6の例では、第4貫通孔51は、積層構造の最上面の中央に設けられているが、排出口(第3貫通孔31)からより離れた位置や、分析部に体液を接触させない位置など、適切な位置に設けてよい。空気抜き用の第4貫通孔の数は、通常、1つでよいが、必要に応じた数だけ設けてもよい。
第4貫通孔51の開口面積は、外部汚染を防止する点からは、0.01mm〜50mm程度が例示される。
図6(a)の例では、体液回収層を覆うフィルム50は、体液回収層のみならず、積層構造全体を覆っている。これにより、該フィルム50は、積層構造の各層を互いに固定する層としても機能する。図6(b)の例では、生体接触層10のが外周形状が上層よりも大きく、該生体接触層10とフィルム50とによって、スペーサー層20、カバー層30、体液回収層40を挟みこんで、これらの層を覆っている。
上記した積層構造の各層を積層するためには、例えば、溶出性の少ないアクリル系の粘着剤からなるスリーエムジャパン株式会社製「9969」(粘着剤転写テープ)などを用いた接着層を間に挟んだ構成を採用してもよい。
当該体液受入れ構造体の全体の厚さは、特に限定はされないが、装着時の運動を出来るだけ阻害しない観点からは、1mm〜100mm程度が好ましい。
以上、当該体液受入れ構造体の好ましい態様として積層構造を説明したが、当該体液受入れ構造体の態様は、該積層構造には限定されず、接触面、開口部、流路、電極部を有するものであればよい。例えば、接触面を持った塊状の部材中に流路と電極部とを設けた構造や、管状の部材中に電極部を設け胴体に開口部としての貫通孔を設けた構造、などであってもよい。
上記の積層構造において示した接触面、開口部、流路、電極部などの各部の詳細は、積層構造以外の構造にも適用することができる。
前記体液としては、汗、唾液、尿など、生体から体外に排出される液体が挙げられる。
該体液の分析項目としては、例えば、汗であれば、グルコース、乳酸、アンモニア、酢酸、尿酸、キサンチンの濃度変化などが挙げられ、唾液であれば、グルコース、尿酸、プロゲステロン、エストラジオール、コルチゾール、乳酸、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アミラーゼ、ペルオキシダーゼの濃度変化などが挙げられ、尿であれば、グルコース、アンモニア、尿酸、キサンチンの濃度変化などが挙げられる。
体液受入れ構造体を配置すべき生体表面は、前記体液を好ましく受けることができる皮膚表面であればよい。生体は、人間であっても他の動物であってもよい。
体液の中でも、人間の汗は、本考案の有用性が顕著になる体液である。人間がスポーツやトレーニングなどの種々の運動を行うときに、流れ出る汗の成分を分析することにより、運動を行う者の疲労度などを判定することができる。
体液が人間の汗である場合、当該体液受入れ構造体を配置すべき生体表面(皮膚表面)としては、額、首、腕部、胸、背中、脚部などにおけるそれぞれの皮膚表面が挙げられる。腕部は、当該体液受入れ構造体の着脱が容易な位置であり、とりわけ上腕部の皮膚表面は、着脱が容易かつ着用しても動作を阻害しにくい点から、当該体液受入れ構造体を配置すべき生体表面として好ましい。
〔体液分析装置〕
本考案の体液分析装置は、図8(a)に構成の一例を示すように、上記した本考案の体液受入れ構造体100を有して構成され、該体液受入れ構造体100の電極部(図1、図2(c)、図2(d)、図3〜図5における電極部4)に接続される分析部200をさらに有する。当該体液分析装置は、本考案の体液受入れ構造体を有しているので、生体表面に装着した状態で体液の分析を行い続けるウェアラブルな好ましい体液分析装置である。
体液受入れ構造体100は、分析部200に対して交換可能に接続される使い捨て可能な部分であることが好ましい。これにより、分析部200を使用し続けることができ、当該体液分析装置の維持費用が安価になる。分析部200は、体液受入れ構造体100に受け入れられた体液A2が、電極部4に接触したときの電気信号に基づいて、該体液の成分またはその変化を分析するように構成される。分析部の回路構成自体は、公知の体液分析装置を参照することができる。
体液受入れ構造体100と分析部200とを互いに着脱可能にするための保持部材は、適宜付与されてよい。また、体液受入れ構造体100の回路と分析部200の回路とを接続するためのコネクターが前記保持部材を兼ねていてもよい。
図8(b)は、電極部4と分析部200との接続関係、および、分析部の内部の概略的な構成の一例を示したブロック図である。同図の例では、好ましい態様として、携帯可能な小型の表示装置300が更に加えられている。図8(b)の例では、分析部200は、電極部4からの電気信号を受入れるインターフェイス部210と、該電気信号を処理し体液を分析する中央処理装置220を有している。また、同図の分析部200は、さらに送信部230を有している。該送信部230は、中央処理装置から出力される分析結果のデータを、有線または無線の通信経路240を通じて表示装置300に送信するように構成されている。該送信部230は、表示装置300とのインターフェイスということもできる。
中央処理装置220の好ましい態様としてはコンピューターが挙げられ、1チップ化されたマイクロコンピューターがより好ましい態様である。該コンピューターで実行されるプログラムは、電極部4からの電気信号を処理し、該体液の成分またはその変化を分析するように構成される。該プログラムの更新などに用いるためのインターフェイスは適宜設けられてよい。
図9は、分析部のより詳細な構成例を示すブロック図である。
同図の例では、体液受入れ構造体100の電極部は、グルコースを感知する酵素電極43と参照電極42である。同図の例では、酵素電極43は、ノイズを除去するフィルター211を通してオペレーショナルアンプ(以下、OPアンプ)212の非反転入力部に入力される。他方、参照電極42は、電圧バッファとして機能するアンプ214および抵抗250等を介して、OPアンプ212の非反転入力部に接続されている。OPアンプ212は、酵素電極と参照電極間の電圧差を増幅し出力する。VDD/2は、電源(図示せず)から印加される基準電圧であり、例えば、0.1V〜5V程度である。
OPアンプから出力された電気信号は、アナログ/デジタル変換器213を通してデジタル信号化され、中央処理装置であるマイクロコンピューター(MCU)220に入力される。MCU220では、入力された信号を処理し、体液中の検知対象の濃度に応じた信号を出力する。
MCU220からの出力信号は、送信部230を通じて表示装置300に送信される。同図の例では、MCU220からの出力信号を外部のコンピューターでモニターするためのインターフェース(USB)231も加えられている。
分析部は、電源として乾電池や二次電池などのバッテリーを有してもよいし、生体に携帯する外部電源から無線で電力が供給されるように構成されてもよい。
分析部における分析は、連続的な分析であってもよく、また、測定間隔を0.1秒〜5分程度とする間欠的な分析であってもよい。分析のトータルの時間は、特に限定されないが、人間の運動時の汗のモニターに使用する場合には、0.05時間〜5時間程度が好ましい時間として例示される。
分析部には、温度計や、生体の運動を検出する3軸加速度計など、種々の計測用の素子が加えられてもよい。
表示装置300は、特に限定はされないが、表示画面を持った携帯電話(とりわけ、タブレット型のコンピューターと同様の機能を持ったスマートフォンと呼ばれる携帯電話)や、該スマートフォンと同程度の大きさでありかつ表示画面を持ったタブレット型のコンピューターが好ましいものとして挙げられる。これらの携帯電話(とりわけ、スマートフォン)やコンピューターでは、分析部200から受信した体液の分析結果を表示画面に表示させるように構成されたソフトウェアが実行される。表示画面には、例えば、時間の経過に伴う体液の特定成分の濃度の変化が、グラフによって表示されてもよい。
〔当該体液分析装置を生体に装着するための保持具〕
図8(a)に示すように、当該体液分析装置は、好ましい態様として、該体液分析装置を生体に装着するための保持具400をさらに有する。該保持具400は、体液受入れ構造体100の接触面を生体表面A1に接触させた状態にて、少なくとも体液受入れ構造体100と分析部200とを、生体表面A1に固定するように構成される。生体が人間である場合、該保持具400としては、頭部、首、腕、胴体、脚部に巻き付けて固定することが可能な着脱自在のベルトや、着衣に設けられたポケットなどが例示される。
図8(a)の例では、人間の腕に巻き付けて固定することが可能な着脱自在のベルト400が例示され、該ベルト400の内側(生体側)の面に当該体液分析装置の分析部200が固定されている。該分析部200の内側に体液受入れ構造体100が取り付けられ、接触面は、生体表面に接触した状態とされる。体液受入れ構造体100の接触面には、開口部を除く一部または全部の領域に、粘着剤層が付与されていてもよい。
また、図8(a)の例では、スマートフォンなどの表示装置300を固定するポケット410も該ベルト400に備えられている。
体液受入れ構造体100と分析部200とを含んだ当該体液分析装置の全体のサイズは、特に限定はされないが、(縦30mm、横30mm、厚さ10mm)〜(縦150mm、横200mm、厚さ50mm)程度が好ましい。
実施例1
本実施例では、流路としてろ紙を用い、本考案の体液受入れ構造体を、図2(a)および図2(c)に示す積層構造として作製し、液体(水)を連続的に受け入れることができるかどうか、また、該液体が流路を好ましく流れて出て行くかどうかを評価した。
(1−1)体液受入れ構造体の作製
〔体液浸透層〕
アドバンテック株式会社製「定性ろ紙No.2」(厚さが0.26mm、JIS P3801「ろ紙(化学分析用)」に規定される2種に相当する)を、流路の形状である長方形(幅W1が1mm、長さL1が30mm)に裁断し、体液浸透層20Aを得た。
〔生体接触層〕
スリーエムジャパン株式会社製ポリエステルフィルムテープ(粘着テープ)「9964」を長方形(20mm×30mm)に裁断し、開口部のための貫通孔となる直径1mmの円形の穴開け加工を施し生体接触層10を得た。
〔カバー層〕
帝人デュポンフィルム株式会社製「テオネックスQ51」(厚さ125μm)を長方形(35mm×30mm)に切断し、スパッタ装置(キャノンアネルバ(株)製「E−400S」)を用い、図3(a)に示す回路パターン(金(Au)製の厚さ50nmの導電層)を形成し、所定の位置に排出口のための貫通孔となる直径1mmの穴開け加工を施し、金からなる回路パターンを持ったカバー層30を得た。
〔組み立て〕
上記で得られた生体接触層10の保護フィルムを剥離し、粘着面上に生体接触層10を積層し、その上に、カバー層30を回路パターンを下側に向けて貼り合わせることで、本考案の体液受入れ構造体を得た。
(1−2)体液受入れ構造体の評価
図10に示すように、実験用の水平なベース面500の上に、2枚のガラス板510、520を10mmの間隔をあけて互いに隣り合うように上に配置し、両方のガラス板上にほぼ同じ厚さの脱脂綿(イワツキ株式会社製、厚さ約2mm、外周形状(50×50mm)にカットしたもの)530、540を配置し、一方の脱脂綿(第一の脱脂綿)530に水を十分に含ませた。
上記(1−1)で得られた体液受入れ構造体100の開口部が、水を含んだ前記第一の脱脂綿530に接するよう、該体液受入れ構造体100を、2つの脱脂綿530、540上に配置した。他方の脱脂綿は、体液受入れ構造体100の流路をほぼ水平に保つためのものである。
〔流路における水の流量についての評価〕
流路である体液浸透層20A全体に水が十分に浸み込んだ後、出口の外周囲にあふれた水を除去し該排出口上に、液体回収用の第二の脱脂綿(イワツキ株式会社製、厚さ約20mm、長方形の外周形状(3cm×5cm)にカットしたもの)550を配置して、該排出口から流れ出る水が第二の脱脂綿550に浸み込むようにし、該第二の脱脂綿550の重量の増加の様子を測定することにより、流路を移動する水の流量を調べた。
排出口上に第二の脱脂綿を配置した時点から、1分後、2分後、10分後、15分後、20分後、30分後、60分後、120分後、240分後における、各時点の第二の脱脂綿の重量を測定し、第2の脱脂綿の重量がどのように増加するかを調べた。重量の測定は、前記の各経過時間においてそれぞれ2回ずつ測定した。各経過時間において1回測定するごとに、重量測定した第二の脱脂綿を廃棄し、新しい第2の脱脂綿を排出口上に配置した。第二の脱脂綿の重量の測定結果を図11のグラフに示す。
図11のグラフから明らかなとおり、本考案の体液受入れ構造体によれば、開口部から受け入れた水が、流路(体液浸透層)をほぼ一定にちかい流量にて移動し得、排出口から出て行くことがわかった。これにより、当該体液受入れ構造体が体液を好ましく連続的に取り入れ、該体液が流路を流れ、出て行くことがわかった。
実施例2
本実施例では、上記実施例1におけるカバー層を、以下に示すカバー層に変更したこと以外は、実施例1と同様にして体液受入れ構造体を作製し、これに分析回路を加えて本考案の体液分析装置を構成し、その分析能力を評価した。尚、本実施例では、グルコース濃度の増加に対する分析能力を評価した。
(2−1)体液受入れ構造体の作製
〔カバー層〕
帝人デュポンフィルム株式会社製「テオネックスQ51」(厚さ125μm)を長方形(35mm×30mm)に切断し、スパッタ装置(キャノンアネルバ(株)製「E−400S」)を用い、図3(a)に示す回路パターン(金(Au)製の厚さ50nmの導電層)を形成した。
図3(a)に示す電極42の該金製の導電層上へ、BAS(株)製の参照電極用銀塩化銀インクを塗布し、ボックスオーブンにて120℃、5分間乾燥させ、参照電極とした。
その後、図3(a)に示す電極43の該金製の導電層上へ、Osポリマー(ビー・エー・エス株式会社製)を5μL(Lはリットルを示す)滴下し、遮光および低温(5℃)の条件下で、24時間乾燥させた。
Aspergillus niger由来のグルコースオキシダーゼ(Sigma-Aldrich社製)1.0mg(=128.2units)を256.4μLのDulbecco’s Phosphate Buffered Saline(Sigma-Aldrich社製)に溶解し、更に、5.128μLのグルタールアルデヒド(約50%水溶液、約5.6mol/L)(東京化成工業株式会社製)を加えて撹拌し、溶液を調製した。
調製した溶液を、上記の乾燥したOsポリマー層の上へ5μL滴下し、遮光および室温(23℃)の条件下で2時間乾燥させた。
さらに、図3(a)に示す所定の位置に、排出口のための貫通孔となる直径1mmの穴開け加工を施し、参照電極42と酵素電極43とを備えたカバー層30を得た。
〔組み立て〕
上記で得た電極部を備えたカバー層を用いたこと以外は実施例1と同様にして、本考案の体液受入れ構造体を得た。
(2−2)体液分析装置の評価
上記実施例1と同様、図10に示すように、実験用の水平なベース面500の上に、2枚のガラス板510、520を10mmの間隔をあけて互いに隣り合うように上に配置し、両方のガラス板上にほぼ同じ厚さの脱脂綿(イワツキ株式会社製、厚さ約2mm、外周形状(50×50mm)にカットしたもの)530、540を配置し、一方の脱脂綿(第一の脱脂綿)530に、下記表1に示したリン酸緩衝液含有の0μmol/Lグルコース水溶液を十分に含ませた。
上記(2−1)で得られた体液受入れ構造体の開口部が前記グルコース水溶液を含んだ第一の脱脂綿530に接するよう、該体液受入れ構造体を2つの脱脂綿530、540上に配置した。
Figure 0003212682
〔グルコースセンシング〕
グルコースセンシングは、図9に概略的に示した分析回路を用いて行った。
体液受入れ構造体の流路が、上記表1の0μmol/Lグルコース水溶液で十分に満たされるように、1時間静置した後、排出口の外周囲の水溶液を除去し、該排出口上に、第二の脱脂綿(イワツキ株式会社製、厚さ約10mm、長方形の外周形状(3cm×5cm)にカットしたもの)550を配置した。
分析回路に酵素電極43と参照電極42をそれぞれ接続し、連続して両電極間の電位を測定することでグルコースセンシングを行った。
電圧(両電極間の電位)の測定開始から10分後に、第一の脱脂綿を、上記表1の100μmol/Lグルコース水溶液を含んだ脱脂綿に交換し、該交換の時点からさらに10分間測定を行った。
計20分間に計測された電圧を図12(a)のグラフとして示す。
また、1秒間当たりの電圧変化の割合ΔV/V(%)を、次式
ΔV/V(%)=〔{V(t+1)−V(t)}/V(t)〕×100
にて計算した結果を、図12(b)のグラフとして示す。
図12(a)のグラフのとおり、100μmol/Lグルコース水溶液に置き換えた時点(液体変更時点)から23秒後には、グルコース濃度が上昇したことに起因する電圧の上昇を確認することができた。これにより、本考案によれば、流路内を流れ続ける汗などの体液の成分の濃度が上昇すれば、それに応じて変化する信号を検出し得ることがわかった。
また、図12(b)のグラフからは、電圧変化の割合ΔV/V(%)が、(液体変更時点)から23秒後に微量だけピークが発生している。これにより、グルコース濃度の変化由来で電圧変化が起きていることがわかった。
尚、図12(a)のとおり、(液体変更時点)から23秒後には、グルコース濃度が変化したことに起因して生じたパルス状の電圧変動が現れている。このような成分濃度の変化に起因して生じる局所的な電圧変動を、成分濃度の変化の境界時点として採用し使用者に表示してもよい。
〔実施例3〕
本実施例では、上記実施例2におけるカバー層を、以下に示すカバー層に変更したこと以外は、実施例2と同様にして体液受入れ構造体を作製し、これに分析回路を加えて本考案の体液分析装置を構成し、その分析能力を評価した。
(3−1)体液受入れ構造体の作製
〔カバー層〕
帝人デュポンフィルム株式会社製「テオネックスQ51」(厚さ125μm)を長方形(35mm×30mm)に切断し、スパッタ装置(キャノンアネルバ(株)製「E−400S」)を用い、図3(a)に示す回路パターン(金(Au)製の厚さ50nmの導電層)を形成した。
図3(a)に示す電極41の該金製の導電層上へ、BAS(株)製の参照電極用銀塩化銀インクを塗布し、ボックスオーブンにて120℃、5分間乾燥させ、参照電極とした。
その後、図3(a)に示す電極43の該金製の導電層上へ、FeCl(純正化学株式会社製)を、0.1mol/Lとなるように、10mmol/L HCLにて希釈した溶液を10μL滴下した。
滴下した溶液の上へ、KFe(CN)(和光純薬工業株式会社製)を、0.1mol/Lとなるように、10mmol/L HClにて希釈した溶液をさらに10μL滴下した。
滴下してから1分後、4分後、7分後に、滴下溶液を10μL吸い、戻すピペッティングを各々2回行った。
滴下から10分後、滴下溶液を捨て、10mmol/L HClで洗浄し、ボックスオーブンにて100℃、1時間乾燥させ、プルシアンブルー層を形成した。
その後、Aspergillus niger由来のグルコースオキシダーゼ(Sigma-Aldrich社製)1.0mg(=128.2units)を256.4μLのDulbecco’s Phosphate Buffered Saline(Sigma-Aldrich社製)に溶解し、更に5.128μLのグルタールアルデヒド(約50%水溶液、約5.6mol/L)(東京化成工業株式会社製)を加えて撹拌し溶液を調製した。
調製した溶液を、上記の乾燥したプルシアンブルー層の上へ5μL滴下し、遮光および室温(23℃)の条件下で2時間乾燥させた。
さらに、図3(a)に示す所定の位置に、排出口のための貫通孔となる直径1mmの穴開け加工を施し、参照電極42と酵素電極43とを備えたカバー層30を得た。
〔組み立て〕
上記で得た電極部を備えたカバー層を用いたこと以外は実施例1と同様にして、本考案の体液受入れ構造体を得た。
(3−2)体液分析装置の評価
実施例1、2と同様、図10に示すように、実験用の水平なベース面500の上に、2枚のガラス板510、520を10mmの間隔をあけて互いに隣り合うように上に配置し、両方のガラス板上にほぼ同じ厚さの脱脂綿(イワツキ株式会社製、厚さ約2mm、外周形状(50×50mm)にカットしたもの)530、540を配置し、一方の脱脂綿(第一の脱脂綿)530に、上記表1に示したリン酸緩衝液含有の200μmol/Lグルコース水溶液を十分に含ませた。
上記(3−1)で得られた体液受入れ構造体の開口部が前記グルコース水溶液を含んだ第一の脱脂綿530に接するよう、該体液受入れ構造体を2つの脱脂綿530、540上に配置した。
〔グルコースセンシング〕
グルコースセンシングは、実施例2と同様、図9に概略的に示した分析回路を用いて行った。
体液受入れ構造体の流路が、上記表1の200μmol/Lグルコース水溶液で十分に満たされるように、1時間静置した後、排出口の外周囲にあふれた水溶液を除去し、該排出口上に、第二の脱脂綿(イワツキ株式会社製、厚さ約10mm、長方形の外周形状(3cm×5cm)にカットしたもの)550を配置した。
分析回路に酵素電極43と参照電極42をそれぞれ接続し、連続して両電極間の電位を測定することでグルコースセンシングを行った。
電圧(両電極間の電位)の測定開始から10分後に、第一の脱脂綿を、上記表1の100μmol/Lグルコース水溶液を含んだ脱脂綿に交換し、該交換の時点からさらに10分間測定を行った。
計20分間に計測された電圧を図13(a)のグラフとして示す。
また、1秒間当たりの電圧変化の割合ΔV/V(%)を、次式
ΔV/V(%)=〔{V(t+1)−V(t)}/V(t)〕×100
にて計算した結果を、図13(b)のグラフとして示す。
図13(a)のグラフのとおり、200μmol/Lグルコース水溶液から100μmol/Lグルコース水溶液に置き換えた時点(液体変更時点)から54秒後には、グルコース濃度が下降したことに起因する電圧の下降を確認することができた。尚、測定初期からの電圧の下降は、測定時のドリフトに由来するものと考えられ、上記式△V/Vにより、ドリフトと濃度変化の識別が可能である。
以上の結果より、本考案によれば、流路内を流れ続ける汗などの体液の成分の濃度が下降すれば、それに応じて変化する信号を検出し得ることがわかった。
また、図13(b)のグラフには顕著には現れていないが、電圧変化の割合ΔV/V(%)が、(液体変更時点)から54秒後に微量だけピークが発生している。これにより、グルコース濃度の変化由来で電圧変化が起きていることがわかった。
尚、図13(a)のとおり、(液体変更時点)から54秒後には、実施例2と同様に、グルコース濃度が変化したことに起因して生じたパルス状の電圧変動が現れている。実施例2で述べたように、このような成分濃度の変化に起因して生じる局所的な電圧変動を、成分濃度の変化の境界時点として採用し使用者に表示してもよい。
本考案の体液受入れ構造体によって、生体からの体液の流出を妨げることなく受け入れ、該体液を連続的に流路内の電極部に接触させることが可能になる。これにより、ウェアラブルな体液分析装置を構成することが可能になる。また、本考案の体液分析装置は、本考案の体液受入れ構造体の特徴により、生体に装着した状態で、体液の成分についての分析を連続的に行うことが可能になる。これにより、当該体液分析装置は、生体の疲労度などを判定し続けることができ、適切な休憩の時期、水分や栄養補給の指針(水分や栄養補給の時期や、補給すべき物質など)を使用者に示すことも可能である。
A 生体
A1 生体表面
A2 体液
1 接触面
2 開口部
3 流路
4 電極部
5 排出口

Claims (16)

  1. 生体から排出された体液を分析する体液分析装置のための、生体表面に装着可能な体液受入れ構造体であって、
    生体表面に接触するための接触面と、
    該接触面に設けられた開口部と、
    該開口部に接続され、該開口部を通して前記体液を受け入れかつ該体液を移動させるための流路と、
    該流路内に露出するようにまたは該流路に接触するように設けられた、体液分析用の電極部と
    を有する、前記体液受入れ構造体。
  2. 前記流路内には、前記体液が流路の進行方向に進むように、該体液が浸透する材料が配置されている、請求項1に記載の体液受入れ構造体。
  3. 当該体液受入れ構造体が、
    前記接触面と、前記開口部としての第1貫通孔とを有する生体接触層と、
    該生体接触層上に前記流路を定める体液浸透層と、
    少なくとも前記体液浸透層を覆うカバー層とが、
    順に積層された積層構造を有し、
    前記体液浸透層は、前記体液が浸透する材料からなる層である、
    請求項1に記載の体液受入れ構造体。
  4. 前記電極部が、前記カバー層の両面のうち、前記体液浸透層側の面に設けられており、該電極部の少なくとも一部が、該体液浸透層に接触している、請求項3に記載の体液受入れ構造体。
  5. 当該体液受入れ構造体が、
    前記接触面と、前記開口部としての第1貫通孔とを有する生体接触層と、
    該生体接触層上に前記流路を定める第2貫通孔を有するスペーサー層と、
    少なくとも前記第2貫通孔を覆うカバー層とが、
    順に積層された積層構造を有する、請求項1に記載の体液受入れ構造体。
  6. 前記電極部が、前記カバー層の両面のうち、スペーサー層側の面に設けられており、該電極部の少なくとも一部が、前記流路を定める第2貫通孔内に露出している、請求項5に記載の体液受入れ構造体。
  7. 前記流路に受け入れられた体液を該流路から排出するための排出口をさらに有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の体液受入れ構造体。
  8. 前記流路に受け入れられた体液を該流路から排出するための排出口をさらに有し、該排出口が、前記カバー層を層厚方向に貫通する第3貫通孔として設けられている、請求項3〜6のいずれか1項に記載の体液受入れ構造体。
  9. 前記流路に受け入れられた体液を前記排出口から受け入れる体液回収層をさらに有し、該体液回収層は、体液を吸収する材料からなり、かつ、前記排出口に接続されている、請求項7または8に記載の体液受入れ構造体。
  10. 前記体液回収層の外面が、防水性を有するフィルムで覆われており、該フィルムには、空気抜き用の第4貫通孔が設けられている、請求項9に記載の体液受入れ構造体。
  11. 前記生体表面が生体の皮膚表面であり、前記体液が汗である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の体液受入れ構造体。
  12. 生体表面に装着可能な体液分析装置であって、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の体液受入れ構造体と、該体液受入れ構造体の電極部に接続される分析部とを有し、
    前記分析部は、前記体液受入れ構造体内に受け入れられた体液が前記電極部に接触したときに生じる電気信号に基づいて、該体液の成分を分析するように構成されている、
    前記体液分析装置。
  13. 前記体液受入れ構造体が、分析部に対して交換可能に接続される使い捨て可能な部分である、請求項12に記載の体液分析装置。
  14. 携帯可能な表示装置をさらに有し、
    前記分析部は、前記体液の分析結果のデータを、有線または無線の通信経路を通じて前記表示装置に送信する送信部を有する、
    請求項12または13に記載の体液分析装置。
  15. 前記表示装置が、表示画面を持ったスマートフォンであるかまたは表示画面を持ったコンピューターであって、該スマートフォンまたは該コンピューターでは、前記分析部から受信した体液の分析結果を前記表示画面に表示させるように構成されたソフトウェアが実行される、請求項12〜14のいずれか1項に記載の体液分析装置。
  16. 前記体液受入れ構造体の接触面を生体表面に接触させた状態にて、少なくとも、該体液受入れ構造体と、前記分析部とを、生体に固定する保持具をさらに有する、請求項12〜15のいずれか1項に記載の体液分析装置。
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