WO2006001068A1

WO2006001068A1 - 焼入方法およびこれに用いられる装置

Info

Publication number: WO2006001068A1
Application number: PCT/JP2004/009223
Authority: WO
Inventors: Amane Matsubara; Hiroyuki Hashimoto; Kazuyoshi Yamaguchi; Tadashi Yamamura
Original assignee: Koyo Thermo Systems Co., Ltd.
Priority date: 2004-06-23
Filing date: 2004-06-23
Publication date: 2006-01-05
Also published as: JPWO2006001068A1; CN100532586C; CN1886523A; JP4577310B2

Description

明細書焼入方法およびこれに用いられる装置技術分野

この発明は、例えば、歯車やベア U ング等の鉄部品に浸灰焼入を施すための焼入方法およびしれに用いられる焼入装に関する背景技術

従来、焼入装 m こしては、冷却剤を入れた油槽と、油槽内の冷却剤に上向さの流れが生じるように冷却剤を拌する攙拌機とを備たものが知られている ,

冷却剤は、鋼材部品の-質量、形状、焼入性等によ Ό 、適切な油種が選択されかつ適切な油温が選択される o また、適切な流速で攪拌することにより、冷却能力の調整が行われる。

攪拌される冷却剤中に処理品を浸漬させた場合、冷却剤の流れの直撃を受ける処理品の日向と、これと反対側の日陰では、冷却速度がばらつき、結果として、浸炭品質（表面硬さ、有効硬化層深さ、内部硬さ等）や熱処理ひずみのばらつきを生じる原因となる。

また、処理品は、トレ一、治具等によって数十倆が一まとめとして処理される。そのため、処理品自身に加えて、トレ一、治具等によって冷却剤の流れが遮られ、トレー内でも流速のばらつきが生じ、このことも、熱処理ひずみのばらつきを生じさせる原因であった。の'発明は、上記の課題を全て解決し、 '処理品に対する冷却剤の冷却速度のばらつきを低減し、浸炭品質や熱処理ひずみのばらつきを抑制することのできる焼入方法および.これに用いられる焼入'装置を提供することを目的とするものである o 発明の開示

この発明による焼入方法は、油槽内の焼入油を攪拌して油温を均一化した後、攪拌を停止し、油槽内の焼入油に処理品を浸潰させて、 2 〜 1 0 秒の周期で、処理品を縦およびノまたは横方向に揺動させるものである。

この発明による焼入方法では、攪拌を停止した焼入油中で処理ロロ ¾動させることにより、処理品に対する焼入油の流速を均一することができる。もし仮に、攪拌中の焼入油に処理品を浸漬すると、処理品の日向と、これと反対側の日陰では、冷却速にばらつきが生じるが、その点、この発明では心配が無い o したがって、処理品に対する冷却剤の冷.却速度のばらつきを低減し、浸炭品質や熱処理ひずみのばらっきを抑制することができる。しかも、揺動周期が、 2 〜 1 0 秒であるため、最適な冷却とすることができる。

この発明による他の焼入方法は、油槽内の焼入油を攪拌して油温を均 ―化した後、攪拌を停止し、油槽内の焼入油に処理品を浸漬させて、処理品の縦方向の大きさよりち横方向の大きさが大である場合に、処理品を縦方向に揺動させ、処理

PPの縦方向の '大きさよりも横方向の大きさが小である場合に、処理品を横方向に揺動させるものである。の発明による他の焼入方法では、処理品の形状によて縦または横の揺動方向が選択されるため、最適な焼入を行うとができる。

の発明による焼入装置は、油槽内の焼入油に処理品を浸漬させた状態で、処理品を縦方向に揺動させる縦揺動手段と油槽内の焼入油に処理品を浸潰させた状態で、処理 π

ΡΠを横方向に揺動させる横揺動手段とを備えているものである o の発明による焼入装置では、縦揺動手段および横揺動手段のいずれか一方を用いて、焼入油中で処理品を揺動させるとにより、処理品に対する焼入油の流速を均一するとができる。したがって、処理品に対する冷却剤の冷却速度のばらつきを低減し、浸炭品質や熱処理ひずみのばらつきを抑制することができる。

さらに、焼入装置に、縦および横の揺動周期を 2 1 0 秒とするように縦揺動手段および横揺動手段を制御する制御手が備わっていると、最適な冷却とすることができる , さらに、焼入装置には、縦揺動手段が、処理品を積載した卜レをまたがらせる一対の昇降レールと、昇降レ一ルを昇降させる流体圧シリンダとを備えていると、昇降レールの昇降速度およびストロ一クを変更することにより、縦方向の揺動周期およびストローク等を簡単に変更することがでさる o また、横揺動手段が、複数の並列状ローラよりなりかつ卜レを受けるローラ列と、ローラ列で受けられたトレを押動させる押動機構とを備えていると、簡単な機構でもて処理品を横方向に揺動させることができる。

また、押動機構が、ピストンロッドの先端をトレーの m に当接させつるように配置されている流体圧シリンダと、卜レーの他端を弹性支持するばねとを備えていると、ピス卜ンロッドの動作速度およびス卜 d一クを変更することによ Ό、横方向の揺動周期およびス卜 o一ク等を簡単に変更することができる。

また、昇降レー 'レの昇降経路とローラ列が交差させられ、昇降経路と交差す ) 力所において、ローラ列の隣り合うローラ間に、昇降レールを通過させうる間隙が形成されていると、同間隙を通過；せるように昇降レールを昇降させることにより、昇降レーリレおよびローラ列間でトレーの受け渡しをすることができる。

図面の簡単な説明

図 1 は、何姿が平置きである処理品の説明図である図 2 は、荷姿が刀掛けで.ある処理品の説明図である図 3 は、焼入装置の垂直縦断面図でめる

図 4 は、焼入装置の水平横断面図でめる

図 5 は、揺動焼入のサイクル線図で Ό。

図 6 は、焼入品の内部硬さの関係を示す表であ動速度と

ス図 7 は、焼入品の揺動周期と内部硬さのばらつさの関係を示す表である

図 8 は、荷姿の相違に基づく歯車の焼入結果を示す表である

発明を実施するための最良の形態の発明の実施の形態を図面を参照してつぎに説明する図 1 および図 2 に、歯車のようなリング状処理品 S の荷姿が示されている。図 1 では、トレ一 T 1 の上面には複数の垂直棒状治具 J 1 が立てられている（紙面と直交する方向にもある ) 。各治具 J 1 には複数の処理品 Sが所定間隔ではめ被せられている。これを、平置きの荷姿と称する。図 2 では卜レ T 2の上面の両端に一対のポスト P が立てられている両ポスト P には上下に間隔をおいて水平棒状治具 J 2が渡し止められている（紙面と直交する方向にもある）。各治具 J 2 には複数の処理品 S が所定間隔ではめ被せられているれを、刀掛けの荷姿と称する。

平置きの荷姿の場合、処理品 S の厚み、すなわち、処理ロロ

S の縦方向（上下方向）の大きさよりも、処理品 S の外径、すなわち、処理品 s の横方向（左右または前後などの方向）. の大きさが大である。刀掛けの荷姿の場合、大小の関係が平置さの姿の場合の逆である。

以下双方の荷姿の処理品 S を、トレ T 1 T 2および治具 J 1 J 2等を含めて、ワーク Wと称することとする図 3 および図 4 を参照すると、焼入装置は、焼入油〇を貯めている油槽 11 と、油槽 11 内の焼入油 oに上向きの流れが生じるように焼入油 0を攪拌する攪拌機 12 と、油槽 11 内の焼入油 oにワーク Wを浸漬させた状態で、ワーク Wを縦方向に揺動させる縦揺動手段 13 と、油槽 11 内の焼入油 Oにヮク Wを浸漬させた状態で、ワーク Wを横方向に揺動させる横揺動手段 14 (図 3 , 4 では左右方向として例示している）と備えている。油槽 11 内は、垂直隔壁 21 によって左処理室 22および右攪拌室 23 に仕切られている。処理室 22の左側壁上部には出入口 24.が設けられている。

攪拌機 12は、攪拌室 23 内において焼入油〇の液面を上下に貫通するようにのびた垂直回転軸 31 と、回転軸 31 の上端に連結されているモー夕 32 と、回転軸 31 の下端に取付られているスクリユー 33 と、隔壁 21 を貫通するように設けられている整流ダクト 34とを備えている。

整流ダクト 34 は、スクリュー 33 を取囲む位置から下向きにのびて、処理室 22の底面中央近くで上向きに開口させられている。スクリュー 33 の回転によって攪拌室 23 内には、焼入油〇の下向きの流れが生じるが、これが、整流ダクト 34 によて、処理室 22内において上向きの流れとなるようにに導か

縦揺動手段 13 は、油槽 11 の後側壁に設けられている垂直ガィド、レール 41 と、ガイドレール 41 にそって昇降させられる昇降体 42 と、昇降体 42から前向きに突き出し互いに平行にのびた左右一対の昇降レール 43 と、昇降体 42 に連結されたピストンロッド'を有しかつ油槽 11頂壁に垂直下向きに装備されている縦揺動用流体圧シリンダ 44 とを備えている。

横揺動手段 14 は、焼入油 O中において、昇降レ- -ル 43 の昇降経路と交差させられるように互いに平行にのびかつ左右方向に並んだ複数の並列状ローラ 51 よりなる前後一対の口

―ラ列 52 と、ピストンロッドの先端をローラ列 52の左端に臨ませかつ油槽 11 の左側壁に貫通させられている. ピストン

Π V を有する横揺動用流体圧シリンダ 53 と、両ローラ列 52間を左右方向にのびかつ右端を隔壁 21 に固定されている圧縮コイルばね 54とを備えている。

口ーラ列 52のローラ 51 のうち、昇降レール 43 の昇降経路と交差させられる部分のローラ 51 は、隣り合うの士間に昇降レール 43を通過させうる間隙 Cを有している

山ヮーク Wは、図示しない加熱室で、必要に応じて浸灰や浸灰窒化等が行われる。

焼入油 Oは、攪拌機 12 によって攪拌されかつ処理される鋼種に適した温度に保たれている。油温が均一化された後、攪拌は停止する。油温の均一化のために必要な攪拌時間は予め実験的に求めておく。

昇降レール 43 は、その昇降ストロークの上限で待機させられている。図示しない搬送手段によって処理室 22内に搬入されたワーク Wは、昇降レール 43 にまたがつてのせられる縦揺動用流体圧シリンダ 44のピストンロッド、を進出させると、昇降レール 43が下降させられる。ヮーク Wは、焼入油 Oに浸漬される。

油槽 11 内の焼入油〇にワーク Wを浸漬させた状態で、ヮク Wを縦または横方向に揺動させることになるが、一ク

Wの荷姿によって、縦および横の揺動方向が選択される。平置きの荷姿の場合、揺動方向は、縦とする。刀掛けの荷姿の場合、揺動方向は、横が選択される。

揺動方向が縦の場合、昇降レール 43 の下降は、 Π 一ラ列

52 の上方までとする。縦揺動用流体圧シリンダ 44のピス卜ン Π ッドの伸縮を繰り返すことにより、昇降レ - -ル 43 ととにワーク Wを縦方向に揺動させる。方向が横の場合、昇降レール 43 をローラ列 52の下方まで下降させる。昇降レール 43がローラ 51 間の間隙 C を通過する際に、ヮ一ク Wは昇降レール 43からローラ列 52 に移し替えられる。

ヮク Wを移し替える際、横揺動用流体圧シリンダ 53 のピス卜ンロッドは、退入させておく。移し替えられたヮーク

Wは、両ローラ列 52にまたがった状態で受けられる。

両口ーラ列 52でワーク Wが受けられると、横揺動用流体圧シンダ 53 のピストンロッドを進出させて、その先端を、ヮーク Wの左端に当接させる。ばね 54 の左端はヮーク

Wの右端に当接させられる。

今は、横揺動用流体圧シリンダ 53 のピストンロッドを伸縮.させる。そうすると、ばね 54 を伸縮させながら、ヮ一ク Wは横方向に揺動させられる。この揺動を所定時間経過した後、横揺動用流体圧シリンダ 53 のビストンロッドの伸縮を止し、そのピストンロッドを退入させる。

縦揺動用流体圧シリンダ 44のビストンロッドを退入させて昇降レール 43 を上昇させる。昇降レール， 43 がローラ 51 間の間隙 C を通過する際に、ワーク Wは、ローラ列 52から昇降レ一ル 43 に乗り移り、昇降レール 43 とともに上昇させられ、焼入油 o中から引上げられる。

なお、上記縦または横揺動用のピストンロッドの進退速度は、スピードコントローラにより調整可能とされている。

つぎに、好ましい揺動条件を設定するためにテストを行つたのでこれを説明する。径 2 5 m m、長さ 1 0 m mのテストピースを用い、 8 5 0 °Cから焼入を行った。図 5 に、揺動焼入のサイクル線図が示されている。図 5 は、縦揺動の場合を示しているが、横揺動の場 D ゝ図 5 における上下を左右と読み替えるしととす O o

図 5 において、上昇ス卜 □ クを開始してから、つの下降ストロークを開始するまでに経過する時間 T Z 2 と、下降ストロ一クを開始してから、次の上昇ス卜ロークを開始するまでに経過する時間 Τ / 2 とは等しい。上昇ス卜 □ クを開始してから、次の上昇ス卜口一クを開始するまでに経過する時間 Τを、揺動時間と定義する o 揺動時間 Tには、ス卜 P― クの停止時間が含まれている o

図 6 は、揺動速度 V とテス卜ピ ―ス内部硬さのばらつさの関係を示すものである度 Vが速くなる程、テス卜ピス内部硬さは硬くなつてい <

図 7 に、揺動周期 Τ とテス卜ピ一ス内部硬さのばらつさの m係が示されている。図 7 から、揺動周期 Tは 1 0秒以下が好ましいことが分かる o J>.た、図から、好まし < は、揺動周期 Τは 2秒以上であ O

図 8 は、歯車部品に揺動焼入を適用した例を示すものである。歯車部品の材質は、 S C r と S C Mの 2 種とした o 2 種の材質の歯車のいずれにおいても、荷姿が刀掛けの場合、横揺動が好ましく、荷姿が平置さの場合、縦揺動が好ましいことが分かる。

以上は、揺動方向を縦または横として説明した。と < に、横方向に関しては、図 3 よび図 4 に示す左右に限定されるしとなく、前後であつてもよいし、後および左右の中間方向であって良いことは勿論である産業上の利用可能性

この発明による焼入方法は、例えば、歯車やベアリング等の鉄鋼部品に浸炭焼入を施すために焼入するのに適している。

Claims

求の範囲

1 . 油槽内の焼入油を攪拌して油温を均化した後攙拌を停止し油槽内の焼入油に処理品を浸漬させて 2 1 0 秒の周期で処理品を縦および Zまたは横方向にさせる焼 m

入方法 o

2 . 油槽内の焼入油を攪拌して油温を均化した後携拌を停止し油槽内の焼入油に処理品を浸漬させて処理の縦方向の大きさよりも横方向の大きさが大である場に処理品を縦方向に揺動させ、処理品の縦方向の大ささよりも横方向の大きさが小である場 Π に処理品を横方向に揺動させる焼入方法 o

3 . 油槽内の焼入油に処理品を浸させた状態で、処理品を縦方向に揺動させる縦揺動手段と油槽内 ( 焼入油に処理品を浸漬させた状態で、処理 □ を横方向に揺動させる横摇手段とを備えている焼入装置

4 . 縦および横の揺動周期を 2 1 0 秒とするように縦揺動手段および横揺動手段を制御する制御手段を備えている請求項 3 に記載の焼入装 id

5 . 縦揺動手段が、理 D

PRをしたトレ一をまたがらせる一対の昇降レルと、昇降レールを昇降させる流体圧シンダとを備えてい求項 3 または 4 に記載の焼入装置,

6 . 横揺動手段が、複数の並列状口ラよりなりかつ卜レを受けるラ列と P ―ラ列で受けられた卜レーを押動させる押動機構とを備えている請求項 3 5 のいずれか 1 つに記載の焼入装置

7 . 押動機 1βが. 、ピス卜ン P ッドの先端 ¾ 卜レーの ) , 'に当接させうるように配置されている流体圧シリンダと、トレ一の他端を弹性支持するばねとを備えている請求項 6 に記載の焼入装置。

8 . 昇降レールの昇降経路とローラ列が交差させられ、昇降経路と交差する力所において、ローラ列の隣り合う口一ラ間に、昇降レールを通過させうる間隙が形成されている請求項 5 〜 7 のいずれか 1 つに記載の焼入装置。

CZZ600/l700Zdf/X3d 890Ϊ00/900Ζ OAV

位置のクヮ—

41 42 41

Ω

硬部つき内のばさら硬咅内さ 38 36 34 32

28 26

0.0 0.1 0.2 0.3 0.4

揺動速度 (m/s)

Fig-6

5 4

3

2

(最大-最小)

0

(HRC) 0 4 8 12 16 20 揺動周期 (秒）

Fig.7

4/5 条件結果

内部硬さ有効硬化層深さ熱処理ひすみ処理品荷姿焼入れ最大-最小値最大-最小値ダレ変化量 6 σ 従来 26.4 HRC 0.18 mm 18.2 刀掛け縦揺動 17.4 HRC 0.15 mm 14.9

SCr製歯車横揺動 12.7 HRC 0.14 mm 12.6 従来 26.0 HRC 0.16 mm 16.2 平置き縦揺動 18.7 HRC 0.09 mm 12.6 横揺動 25.2 HRC 0.15 mm 16.5 従来 33.1 HRC 0.22 mm 18.2 刀掛け縦揺動 33.8 HRC 0.19 mm 14.9 横揺動 29.1 HRC 0.15 mm 14.6

SCM製歯車

従来 33.3 HRC 0.20 mm 16.6 平置き縦揺動 32.0 HRC 0.13 mm 12.4 横揺動 35.0 HRC 0.16 mm 14.6

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