WO2005094929A1

WO2005094929A1 - カテーテル包装体

Info

Publication number: WO2005094929A1
Application number: PCT/JP2005/006145
Authority: WO
Inventors: Yasushi Itou; Jun Iwami; Shigeki Numata
Original assignee: Terumo Kabushiki Kaisha
Priority date: 2004-03-31
Filing date: 2005-03-30
Publication date: 2005-10-13
Also published as: EP1731189B1; KR20070003994A; JPWO2005094929A1; DE602005014219D1; CN1933867B; CN1933867A; US20070197998A1; EP1731189A1; US7743918B2; ATE429946T1; JP4863869B2; EP1731189A4

Abstract

【課題】一つのカテーテル手術に使用される複数の医療器具類と血管造影カテーテル等を大型化せずに同封したカテーテル包装体を提供する。【解決手段】管壁内に埋め込まれた金属製の補強部材を有するカテーテル本体と、前記カテーテル本体の基端部に固定されたコネクタ部とを有するカテーテル１００を包装したカテーテル包装体１において、カテーテル１００の先端１０ｃｍ以上５０ｃｍ以下は自然状態となる形状のまま保持され、カテーテル１００の基端側残部は、直径１０ｃｍ以上５０ｃｍ以下の湾曲状態で保持されてなることを特徴とするカテーテル包装体１。

Description

明細書

カテーテル包装体

技術分野

[0001] 本発明は、カテーテルを用いた診断や治療などの手術に利用するための力テーテルを収納する包装体に関するものである。

背景技術

[0002] カテーテルを用いた診断や治療などの手術は、全身麻酔による大掛力りな手術に比べて患者に対する負担が少ないことから、近年普及が進んでいる。このような低侵襲手術は、患者の腕や脚等に形成した動脈へ貫通する穿刺孔に、カテーテルを始めとする各種器具を導入して行われるものである。また、手術中、患者の血管内の様子は、 X線による造影画像で観察される。具体的には、 X線を受けて画像を表示する造影装置の上に患者を横たわらせ、その上方より X線を照射して行われる。

[0003] このような手術においては、造影装置上に敷く使い捨ての不織布（ドレープ)や、患者に抗血栓薬であるへパリンを点滴するための針やチューブの集合力なる点滴のためのセットなどの手術前の準備段階に使用する器具や消毒薬などの薬剤、医師の手術衣、手袋、足袋、マスク、消毒薬を塗布するための脱脂綿類等やピンセット、鉗子、はさみ類、手術の開始後に用いる切皮メス、留置針、イントロデューサシースとダィレータ、イントロデューサ用ガイドワイヤ、シリンジ、血管造影カテーテル、血管造影カテーテル用ガイドワイヤ、血管造影剤、マイクロカテーテル等の診断や治療に用いる器具、 PTCA (経皮的血管拡張術)用ガイディングカテーテル (心臓右側冠状動脈用形状、左側冠状動脈用形状他）、 PTCA用ガイドワイヤ、 PTCA用バルーンカテーテル、バルーン拡張用器具 (インデフレ一タ）、ステントデリバリーカテーテル、手術後に用いる止血用デバイス、各種薬剤を一次保管するためのビーカー、カップ類等、非常に多種多様に渡った数十種類もの医療器具および薬剤が使用される。また、感染予防のため、これらの器具類は使、捨てのものとされることが多、。

[0004] 従来、このような器具類は、看護師により事前にテーブルやキャスター付のワゴン上に配置されるなどの準備が行われて、るが、医師のように入念な消毒を行わなヽ看護師は、これらの器具の外気に露呈された包装材表面に触れることが許される代わりに、直接患者の血液に触れ得る包装内の器具には触ることを許されない。逆に、直接手術に携わる医師は、器具に直接触れることが許される代わりに、外気に露呈された包装表面に触れることは許されな、。

従って、準備段階では、看護士が鉗子類を用いるなどして遠隔的に包装から器具を取り出すなど、非常に煩雑な作業が行われていた。また、これらのような多くの器具類を購入準備する用度作業も非常に煩雑なものであった。

[0005] このような状況下において、カテーテル手術の準備段階までに使用される器具をひとつのトレイに同封してキットィ匕し、購入や配置の手間を簡略ィ匕するとともに、誤使用や誤準備を防止しょうとする動きがある。し力しながら、 70cmを越える長尺なカテーテルをこのようなトレイに同封するためには、丸めるしか方法が無いが、血管造影カテ一テルや PTCA用ガイディングカテーテルには内部にステンレス線の編組が埋め込まれているため、ステンレス線の塑性変形により丸まった形状の癖が付き、手術による血管導入の際に使用できないものとなってしまう。そのため、キットに同封されるのはこれらのカテーテルを除、た小さく梱包可能な器具に制限されて、た。

[0006] 長尺、もしくは大型の医療器具を梱包するには、トレイもしくは梱包材自体を大型化することも考えられるが、それでは病院内に在庫をストックする際に場所を取ったり、手術後に廃棄する際、ごみ箱に収納しきれない等の不便が生じる。特許文献 1に記載された方法はカテーテル全体を長、状態のまま包装して、るため、大型化しており、また一緒に包装されて、るのは厚みのな、薄、器具に限られて、る。

特許文献 1 :特開平 11 130132号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0007] 本発明は、このような問題点に鑑みてなされ、一つのカテーテル手術に使用される複数の医療器具類と血管造影カテーテル等を大型化せずに同封したカテーテル包装体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008] このような目的は、下記（1)から（5)の本発明により達成される。 [0009] (1)先端部と基端部とを有し、該先端部から該基端部まで貫通する管腔を定義する管壁と、該管壁内に埋め込まれた金属製の補強部材を有するカテーテル本体と、前記カテーテル本体の基端部に固定されたコネクタ部とを有するカテーテルを包装したカテーテル包装体にぉ、て、前記カテーテルの先端 10cm以上 50cm以下は外力を加えない自然状態の形状となるように保持され、前記カテーテルの基端側残部は、直径 10cm以上 50cm以下の湾曲状態で保持されてなることを特徴とする力テーテル包装体。

[0010] (2)前記カテーテルが、血管造影カテーテルまたは PTCA用ガイディンダカテーテルである上記（1)に記載のカテーテル包装体。

[0011] (3)前記補強部材が、ステンレス線材である上記（2)に記載のカテーテル包装体。

[0012] (4)前記カテーテルの先端部が、自然状態で予め定められた湾曲形状を有することを特徴とする請求項 2または 3に記載のカテーテル包装体。

[0013] (5)前記カテーテルが、分離可能に一体ィ匕された 2つのトレイにまたがって保持されてなる上記（1)な、し (4)の、ずれかに記載のカテーテル包装体。

発明の効果

[0014] 以上述べたごとぐ本発明のカテーテル包装体によれば、カテーテル手術を行う際に、事前の準備が容易で医療従事者の負担を軽減すると共に、器具の誤使用等を防止することが可能となる。

図面の簡単な説明

[0015] [図 1]本発明の医療用器具封入用トレイ 1の実施形態を示す全体図である。

[図 2]図 1に示すトレィ 10, 20の接合のバリエーションを示す図である。

[図 3]図 1に示すトレィ 10, 20の接合のバリエーションを示す図である。

[図 4]図 1に示すトレィ 10, 20の接合のバリエーションを示す図である。

[図 5]図 1に示すトレィ 10, 20の接合のバリエーションを示す図である。

[図 6]血管造影カテーテル 100を示す図である。

[図 7]図 1に示すトレィ 1に、血管造影カテーテル 100を配置する様子を示す図である [図 8]図 1に示すトレィ 1に、カテーテル保護カバー 40および小トレイ 50を設置した様子を示す図である。

圆 9]小トレイ 50を上下反転させた様子を示す図である。

[図 10]トレイ 20内に配置される仕切り板 60を示す図である。

符号の説明

1 卜レイ

2 壁

3 底板

10 第 1のトレイ

20 第 2のトレイ

30 固定部材

40 力テーテノレ保護カノ

50 小トレイ

60 仕切り板

100 力テーテノレ

発明を実施するための最良の形態

[0017] 以下、本発明のカテーテル包装体を添付図面に示す好適構成例に基づいて詳細に説明する。図 1は、本発明のカテーテル包装体を構成する医療用器具封入用トレィ 1の実施形態を示す全体図である。

[0018] 図 1において、トレイ 1は、第 1のトレイ 10と第 2のトレイ 20の長辺同士を接合した状態となつている。各トレイ 10, 20は、長辺 30cm〜70cm、短辺 20cm〜60cm程度の長方形の底板 3の四方を、底板 3から略垂直に形成された高さ 3cm〜20cmの 4枚の壁 2により囲まれた構造となっている。使用するカテーテルやシース、ガイドワイヤ等の血管内へ導入する器具は、血管内への気泡の混入を防ぐため使用前に生理食塩水に浸す必要があるが、本発明においては各トレイ 10, 20がこのような寸法や構造を取っているため、トレィを適切な量の生理食塩水で満たすことができる。すなわち、トレイの壁 2が無ければ生理食塩水を貯留することはできな、し、トレイの寸法 (底板 3の面積）が大きすぎれば大量の生理食塩水が必要となり、不経済である。また、トレィの寸法が大きすぎた場合には、使用後にトレィを廃棄する際に不便でもある。 [0019] トレイ 20は底部に円形に配置された複数の突起 21を有している。突起 21には、包装時にガイドワイヤ等円形状に包装された器具を動かないように抑える効果がある。ガイドワイヤは超弾性合金の細長、線材を榭脂で被覆した形態のものであるため、変形させても癖がつきにくぐ丸めて包装することができる。また、トレイ 20は、手術時に生理食塩水を注がれ、血管造影カテーテルやガイドワイヤを生理食塩水に浸すのに使用される。突起 21はその際にガイドワイヤとカテーテルの混在による取り出しにくさを防ぐための区画分けの役割も持っている。更に、突起 21は円の内側（中心側）をほぼ垂直の壁とし、外側をなだらかな斜面とすることによって、弾性の高いガイドワイャが突起 21の外側へ飛び出すことを防ぐと共に、取り出しの際に容易に術者の指で掴むことができる効果を有している。また、突起 21が形成する円の外側に置かれる力テーテルを取り出す際には、突起 21の外側のなだらかな斜面を引き上げるようにすることで、容易に取り出せる効果も有している。また、円の内側（中心側）には、ほぼ垂直な面の下部に、円の内側へ下る傾斜面を設けてあるため、一般的に親水性の外表面を有し、非常に潤滑性の高いガイドワイヤを円の内側力取り出す際に、まず傾斜の部分に引き上げて底板 3から浮力せることによって、各突起 21の間から容易に取り出すことができる。

[0020] 仮に、突起 21が上記のような複数のものでなぐ単独で円形をなす突起の場合、ガイドワイヤを円の内側に配置すると、内周側に張り付いて取り出しにくい。突起 21は、円周上の一部に切り欠きを有するので、切り欠き部分より指をかけて用意にガイドワイャを取り出すことができる。

[0021] また、トレイ内部に突起 21を設けた為、生理食塩水を注ぐ場合、突起の部分の体積により一般的な平らな底面とした場合よりも少ない生理食塩水で器具を生理食塩水に浸すことができる。

[0022] また、トレイ 20の周囲を囲む壁 2の縁部分には、複数の窪み 22が設けられている。

窪み 22は、手術の際に、カテーテルの基端部のハブを取り付けることができるように構成されている。これにより、手術の際に複数のカテーテル 100を使用する順番に事前に設置しておくことができ、また、容易に取り出すことが可能となる。なお、窪み 24 は、後述するようにカテーテルを梱包する際に、トレイ 10, 20間をまたがらせるためのものであり、複数の壁 2の内、 2つのトレイの接続面の端部の高さを部分的に低くしたもので、カテーテルの外径よりも深く窪んでいる。具体的には 4mm以上窪んでいることが望ましい。

[0023] また、トレイ 20の壁 2の中央部分には、複数の突起 23が設けられている。突起 23は、指で押し込むことによってトレイ 20の内側と外側、いずれの方向にも突出させることが可能であり、カテーテル 100をトレイ 20内で生理食塩水に浸す際にはトレイ 20の内側へ突出させ、カテーテル 100のトレイ外部への飛び出しを防止し、手術の終了後に生理食塩水や使用済みの器具を廃棄する際にはトレイ 20の外側へ突出させ、廃棄の妨げとならないよう機能を変更することができる。

[0024] トレイ 10, 20は、 ABS、 AES、 PC、 PP、 PE、 PS、 HIPS, PET、 PVC等の所望の強度を有する榭脂材料により、真空成形や圧空成形プレス成形等の製造方法で形成されている。

[0025] 図 2〜図 6は、図 1に示すトレィ 10, 20の接合の様子のバリエーションを示す図である。図 2〜図 6に示すいずれの実施形態においても、トレイ 10, 20は固定部材 30 (a 〜； f)により固定されている。固定部材 30は、単独でも良いが、複数設けることによつて、より強固に 2つのトレィ同士を固定できる。

[0026] 図 2 (a)に示す実施形態においては、固定部材 30aは、隣接させた 2つのトレィ 10, 20の底面と側面に密着する L字状の板材力なり、金属又は硬質のプラスチック材料力もなる。固定部材 30aはトレイ側面と底面に対し、粘着テープ等によってトレイ 10 , 20に貼り付けられており、トレイ 10, 20が輸送中に分離しないよう強固に固定されている。なお、固定部材 30aの内側に両面テープ等の粘着材が貼り付けられたものであっても良い。

[0027] 図 2 (b)に示す実施形態においては、固定部材 30bの幅がトレィ 10, 20の短辺の合計の幅を略覆う大きさとなつている点のみが図 2 (a)のものと異なる。

[0028] 図 3は、トレイ 10, 20と固定部材 30cとの関係を断面図で示すものである。図 3の実施形態において、固定部材 30cは、中央の突起 31cと左右の突起 32c, 33cの 3つの突起を有する。中央の突起 31cは、トレイ 10, 20の間に挿入される。トレイ 10, 20 は、使い勝手や成形上の都合で、壁 2に傾斜が付いている。具体的には、底板 3よりも上面の方が面積が広いように、外側に広がる傾斜となっている。また、壁 2の頂部には、強度付与や手で保持する際の安全性を考慮して、外側へ折り返し部 (縁)が形成されている。従って、トレイ 10, 20を長辺同士が接するように並べると、壁 2の折り返し部分が接することとなるので、両者の間には、上部で折り返し部 2つ分の隙間、下部でそれにカ卩えて壁 2の傾斜 2つ分の隙間が生じる。固定部材 30cの突起 31cは、この隙間に係合する形状に形成されている。

[0029] また、左右の突起 32c, 33cは、それぞれトレイ 10, 20の壁 2に形成された凹部 11 , 12に係合する形状に形成されている。トレイ 10, 20を並べた状態で、両側から固定部材 30cを 2つ差し込むことによって、 2つのトレィは固定され、輸送時や使用時に一体化された状態を維持することができる。なお、図示しない粘着テープ等を使用して固定部材 30cを各トレイの壁 2により強固に固定することもできる。なお、トレイ 10, 20の壁を完全に垂直なものとすれば、中央の突起 31cを省略することもできる。

[0030] 図 4は、 2つのトレイの固定方法に関する他の実施形態を説明するものである。図 4 aは、トレイに本実施形態の固定部材 30dを装着した状態を説明する図であり、図 4b は固定部材 30dを単独で示す図であり、図 4cは、固定部材 30dをトレイに装着した状態の断面図である。固定部材 30dは、上述したトレイの壁 2の上部の折り返し部分にスライド自在に嵌合したものである。固定部材 30dは、 4つの面を有し、この内の一部が切り欠き部となっており、切り欠き部からトレイの壁 2を内側に受け入れ、嵌合することが可能となるように構成されている。固定部材 30dは、図 4cに断面図で示す通り、トレイの内側（窪み 24内）、壁 2の上面、壁 2の折り返し部外側の 3面を押えるように嵌合するため、壁 2上を図 4a中に矢印で示す方向にスライド可能であり、かつ容易に外れることなくしつ力りと装着される。また、固定部材 30dは同じものが左右 2箇所設置される。それに合わせて、トレイの壁 2の窪み 24も 2箇所設けられる。

[0031] 図 4の実施形態によれば、 2つのトレィを一体ィ匕する際には、固定部材 30dが両トレィの境界部（窪み 24部）にわたつて設置されることで、両トレイをしつ力りと固定し、使用時や廃棄時に両トレイを分離する際には固定部材 30dを一方のトレイ側にスライド移動させれば良いため、非常に使い勝手に優れた構成となる。

[0032] 図 5の実施形態においては、トレイ 10, 20の長辺における壁 2の縁同士が 2つの回動部 2eにおいて回動可能に一体ィ匕されている。一体ィ匕の手段としては、蝶番状の回動部 2fを設ける他に、トレイの縁に筒状の部分を互い違いに設け、中央に金属軸等を通すことによってヒンジを形成したり、粘着テープで回動可能に縁を接続したりする方法を用いることができる。本実施形態においては、トレイ 10, 20が予め一体ィ匕されているため、固定部材 30eとしては、高い保持力が要求されず、粘着テープ状のものを用いることができる。図中、 31e、 32eで示す部分が粘着部である。本実施形態においては、トレイ 10, 20の廃棄時には回動部 2eを回動させて、 2つのトレイの縁同士を重ね合わせることで小型化できる。このため、手術中にトレィ内に放置された使用済みの医療器具を 2つのトレイの内側に密封して廃棄することもできる。

[0033] 図 6は、本発明において包装される血管造影カテーテル 100の構成を示すものである。カテーテル 100は、先端部 110から基端部 114まで貫通する管腔 115を有する管状体の本体の基端に、コネクタ部 112が設けられた構造であり、コネクタ部 112 の先端側にはカテーテルの潰れ (キンク）を防ぐための耐キンクプロテクタ 113が備えられている。

[0034] 先端部 110は、血管に導入される先端部が、導入時に血管の分岐部において選択性を高める目的や、 X線透視下で血管の影像を得るための血管造影剤を効率的に分布する目的などによって、先端にいわゆるビッグテール形状等の湾曲形状部を有する。また、カテーテル 100の最先端には、血管内壁面保護の目的で、非常に柔軟な先端チップ 111が設けられて、る。

[0035] 図 6の下方に円で囲んで示すのは、カテーテル 100本体を構成する管壁の拡大断面図である。管壁は、内層 115と、外層 116の 2層構造であり、内部にはステンレス等の金属線材カもなる補強部材として、編組 117が 2本 1組で編まれ、計 32本埋め込まれている。編組 117は、血管内でカテーテル 100を基端部 114側から操作する際に、回転トルクの伝達性を高めると共に、耐キンク性を高めるためのものである。このような編組に用いられる金属線はステンレス等の安価な材料が用いられる力ステンレスは塑性変形しゃすぐ曲がり癖が付きやすいため、従来、包装の際には台紙に真つ直ぐに保持されていた。

[0036] 図 7は、図 1に示すトレィ 1に、血管造影カテーテル 100を配置する様子を示す図である。図 7においては、一本のカテーテル 100を配置した様子を示している力カテ一テル手術の際には、造影する血管に応じて適した形状が異なるため、一回の手術において先端形状の異なる 2〜3本程度の複数のカテーテルが使用される場合や、治療用カテーテル用のガイデイングカテーテルが封入される場合もあるので、本発明においては、トレイ 1内に複数の長尺なカテーテル 100が封入されることもある。複数のカテーテルを封入する際には、複数本を近接させた状態で平行に設置するか、束ねることができる。

トレイ上に配置する際には、カテーテル 100の先端 10cm以上 50cm以下は、先端形状の保持およびトルク伝達性等の操作性を維持するため、外力を加えない自然状態 (先端の湾曲形状部は湾曲形状のまま、その他の部分は直線状態)の形状で保持されるのが望ましい。そのため、直線保持部分は、トレイ 10の短辺の壁に沿った形で配置されるのが好ましい。また、カテーテル 100の基端側の残部、特に 10cm以上 100 cm以下は、トレイ 20内に収まるように、湾曲状態で配置される。この湾曲の直径は、 10cm以上 50cm以下の範囲内であることが好ましぐ 15cm以上 35cm以下の範囲内であることがより好ましい。湾曲の直径が 50cmより大きいとトレイのサイズが大きくなりすぎて好ましくなく、 10cm未満だと曲がり癖が許容以上のものとなり、好ましくない。 15cm以上 35cm以下の範囲内であれば、より確実にこれらの懸念が回避される。カテーテル 100におけるトレイ 10、 20間をまたがる部分は、トレイの壁 2に設けられた窪み 24に配置される。

図 8は、トレイ 1に、カテーテル 100の先端部を保護するためのカテーテル保護カバ一 40および小トレイ 50を設置した様子を示すものである。カテーテル 100は、血管内に挿入可能なほどに細径であり、かつ柔軟なものであるため、潰れや曲がりに弱く、輸送中にトレィ 1内に同封されて、る他の器具によって押し潰されたりすることの無いよう、保護を行うことが必要である。本実施形態においては、カテーテル 100は 2つのトレイ 10, 20間をまたがるように配置されるため、このまたがる部分についての保護も重要である。また、カテーテル 100の先端に立体的な形状が形成されている場合には、先端部の保護も重要である。そこで、カテーテル保護カバー 40は、箱状、若しくは筒状のカバーとしてカテーテルの一部を覆い、保護するための立体的なカバーである。

[0038] カテーテル保護カバー 40は、カテーテル 100の先端形状部を覆うための比較的内部空間の広い箱状の部分 41と、 2つのトレィ 10, 20間をまたがる比較的内部空間の小さな箱状の部分 42とからなる。箱状の部分 41, 42には、カテーテル 100が挿通することの可能な連通した内部通路を有しており、内部にカテーテル 100の先端部を設置した状態でトレイ 10, 20間にセットされる。ここで、カテーテルをより保護するために、カテーテル保護カバー内部に設置するカテーテル 100を、予め図示しない台紙等にセットして力も設置してもよ、。

[0039] 小トレイ 50は、長方形の底面 51とその四方を囲む壁 52からなり、搬送時には、シリンジゃ針などの比較的小型の医療器具が荷崩れを起こさないよう設けられている。

[0040] 小トレイ 50の底面 51には、大小複数の穴 53が設けられている。小トレイ 50は、手術が始まる際に、天地逆転させることで底面 51を天板とすることによって、図 9に示すように穴 53にビーカー 101や針 102、シリンジ等を入れ、転倒し難いように立てておく部材として利用することができる。

[0041] 図 10は、トレイ 20内に配置される仕切り板 60を示す図である。仕切り板 60は、搬送時にトレィ 20の底面に配置されるカテーテル 100やガイドワイヤ力その上に包装されるその他の器具類によって潰されることの無、ように設けられて、る。

[0042] 仕切り板 60は、榭脂製のシートを立体的に成形したもので、表面に複数の窪みが設けられている。このように成形されることによって、仕切り板 60にも医療器具を固定することができる。具体的には、仕切り板 60には、カテーテル 100やガイドワイヤを使用する前に手術に用いられる複数のイントロデューサシースや、ダイレータ、留置針、イントロデューサ用ガイドワイヤ等がセットされる。このように構成することにより、仕切り板 60の上部には、手術衣や手袋、ドレープ、点滴用器具類等の手術の前段階で使用する器具、仕切り板 60自体には手術の最初に使用されるイントロデューサ等の器具、仕切り板 60の下部には手術後半で使用されるガイドワイヤやカテーテル 100 を配置し、使用する順序にしたがって各器具を取り出すことが可能となり、非常に利便性の高いものとなる。

Claims

請求の範囲

[1] 先端部と基端部とを有し、該先端部から該基端部まで貫通する管腔を定義する管壁と、該管壁内に埋め込まれた金属製の補強部材を有するカテーテル本体と、前記力テーテル本体の基端部に固定されたコネクタ部とを有するカテーテルを包装したカテ一テル包装体にお!、て、前記カテーテルの先端 10cm以上 50cm以下は外力をカロえない自然状態の形状となるように保持され、前記カテーテルの基端側残部は、直径 10cm以上 50cm以下の湾曲状態で保持されてなることを特徴とするカテーテル包装体。

[2] 前記カテーテルが、血管造影カテーテルまたは PTCA用ガイデイングカテーテルである請求項 1に記載のカテーテル包装体。

[3] 前記補強部材が、ステンレス線材である請求項 2に記載のカテーテル包装体。

[4] 前記カテーテルの先端部が、自然状態で予め定められた湾曲形状を有することを特徴とする請求項 2または 3に記載のカテーテル包装体。

[5] 前記カテーテルが、分離可能に一体ィ匕された 2つのトレイにまたがって保持されてなる請求項 1な、し 4の、ずれかに記載のカテーテル包装体。