インドール誘導体及びその用途
技術分野
[0001] 本発明は、インドール誘導体及びその用途、特に骨粗鬆症治療薬、骨芽細胞活性 ィ匕剤及び破骨細胞抑制剤に関する。
背景技術
[0002] 骨粗鬆症は骨の形成を担う骨芽細胞と骨の吸収を司る破骨細胞の働きのバランス が崩れて発症する。骨芽細胞を活性化させる化合物及び破骨細胞を抑制する化合 物は骨組鬆症の治療に有効であると考えられるが、単独の機能を持つ化合物では十 分な効果は得られない。エストロゲンは、骨芽細胞を活性ィ匕させ、破骨細胞を抑制す ると考えられ骨糸且鬆症の治療に用いられている力 骨以外の細胞、特に生殖器官に 対する作用を併せもっため、子宮癌、乳癌の危険性が増加する等の副作用が懸念さ れており、また、厚生労働省は、 2004年 1月 29日付で、エストロゲンを長期間服用す ると、乳癌や痴呆症の発症を高める可能性があるとして、注意を呼びかける安全性情 報を発している。更に、エストロゲンは、分子構造が複雑であるため、合成は煩雑か つ困難である。
[0003] 式(I) :
[化 1]
において、 Xが水素原子、 R
1が水素原子、 R
2カ チル基、 R
3、 R
5及び R。が水素原子 、 R
4カ チル基を表すインドール誘導体であるメラトニン (N—ァセチルー 5—メトキシトリ プタミン)は骨芽細胞及び破骨細胞の両者に対して抑制的に作用することが報告さ
れている (非特許文献 1)。
[0005] また、前記式 (I)にお 、て、 Xが臭素原子、 R1が水素原子、 R2カ チル基、 R3、 R5 及び R6が水素原子、 R4カ^チル基である化合物、 X及び が臭素原子、 R1が水素 原子、 R2力メチル基、 R3及び R6が水素原子、 R4力メチル基である化合物、 X及び R3 が臭素原子、 R1が水素原子、 R2力 Sメチル基、 R5及び R6が水素原子、 R4カ チル基 である化合物、並びに X、 R3及び が臭素原子、 R1が水素原子、 R2カ チル基、 R6 が水素原子、 R4カ^チル基である化合物が、メラトニンを臭素化することにより得られ ることが報告されているが、骨芽細胞及び破骨細胞に対する作用については検討さ れていない (非特許文献 2)。
非特許文献 1 :N. Suzuki, and A. Hattori, J. Pineal Res., 33, 253-258 (2002) 非特許文献 2 : M. Somei, Y. Fukui, M. Hasegawa, N. Oshikiri, and T. Hayashi, Heterocycles, 53, 1725-1736 (2000)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0006] 本発明は、骨芽細胞を活性化させ、かつ破骨細胞を抑制するインドール誘導体及 びこれを用いた骨粗鬆症治療薬、骨芽細胞活性化剤及び破骨細胞抑制剤を提供 することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0007] 本発明は、以下の発明を包含する。
[0008] (1)次式(1):
[化 2]
NHCO-R2
[0009] (式中、 Xはハロゲン原子を表し; R
1は水素原子、置換又は非置換の C アルキル
1-6 基、置換又は非置換の C ーァルケ-ル基、置換又は非置換の C アルキ-ル基
2—6 2—6
、置換又は非置換の芳香族基、置換又は非置換のァラルキル基、置換又は非置換 のァシル基、置換又は非置換のァリールスルホ-ル基、置換又は非置換の C ーァ
1-6 ルキルスルホ -ル基、又は水酸基を表し; R2は置換又は非置換の C -アルキル基
1-21
を表し; R3、 R5及び R6は、同一又は異なり、水素原子又はハロゲン原子を表し; R4は 水素原子、又は置換又は非置換の C -アルキル基を表す。 )
1-6
で示される化合物又はその薬学的に許容される塩を含有する骨粗鬆症治療薬。
[0010] (2)前記(1)に記載の式 (I)で示される化合物又はその塩を含有する骨芽細胞活性 化剤 Q
[0011] (3)前記(1)に記載の式 (I)で示される化合物又はその塩を含有する破骨細胞抑制 剤。
[0012] (4)次式 (1' ) :
[化 3]
[0013] (式中、 Xはハロゲン原子又は水素原子を表し; R1は水素原子、置換又は非置換の C アルキル基、置換又は非置換の C ーァルケ-ル基、置換又は非置換の C
1—6 2—6 2—6 アルキニル基、置換又は非置換の芳香族基、置換又は非置換のァラルキル基、置 換又は非置換のァシル基、置換又は非置換のァリールスルホニル基、置換又は非置 換の C アルキルスルホ-ル基、又は水酸基を表し; R2は置換又は非置換の C
1-6 1-21 アルキル基を表し; R3、 R5及び R6は、同一又は異なり、水素原子又はハロゲン原子 を表すが、 Xが水素原子を表す場合、 R3、 R5及び R6の少なくとも 1つは塩素原子を
表し; R4は水素原子、又は置換又は非置換の C アルキル基を表す。 )
1-6
で示される化合物又はその塩 (但し、前記式 ( )にお 、て、 Xが臭素原子、 R1が水 素原子、 R2カ チル基、 R3、 R5及び R6が水素原子、 R4カ チル基である化合物、 X 及び R5が臭素原子、 R1が水素原子、 R2カ^チル基、 R3及び R6が水素原子、 R4がメ チル基である化合物、 X及び R3が臭素原子、 R1が水素原子、 R2がメチル基、 R5及び R6が水素原子、 R4カ^チル基である化合物、並びに X、 R3及び R5が臭素原子、 R1が 水素原子、 R2力 Sメチル基、 R6が水素原子、 R4力 Sメチル基である化合物を除く。 ) o [0014] (5)前記 (4)に記載の式 )にお 、て、 Xが臭素原子、 R1が置換又は非置換の C
-アルキル基、置換又は非置換の C -アルケニル基、置換又は非置換の C -ァ
6 2-6 2-6 ルキニル基、置換又は非置換の芳香族基、置換又は非置換のァラルキル基、置換 又は非置換のァシル基、置換又は非置換のァリールスルホニル基、又は置換又は非 置換の C アルキルスルホ-ル基、 R2がメチル基、 R3、 R5及び R6は、同一又は異
1-6
なり、水素原子又は臭素原子、 R4はメチル基である化合物又はその塩。
[0015] (6)前記 (4)又は(5)に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分と して含有する医薬組成物。
発明の効果
[0016] 本発明によれば、骨芽細胞を活性化させ、かつ破骨細胞を抑制するインドール誘 導体及びこれを用いた骨粗鬆症治療薬、骨芽細胞活性化剤及び破骨細胞抑制剤 を提供することができる。また、本発明のインドール誘導体は、エストロゲンよりも容易 に合成でき、大量生産が可能である。
図面の簡単な説明
[0017] [図 1A]各種インドール誘導体の破骨細胞に対する影響を示す。
[図 1B]各種インドール誘導体の破骨細胞に対する影響を示す。
[図 2A]各種インドール誘導体の骨芽細胞に対する影響を示す。
[図 2B]各種インドール誘導体の骨芽細胞に対する影響を示す。
符号の説明
[0018] pNP パラ-トロフエノール
* pく 0. 05
** pく 0. 01
*** pく 0. 001
No.4 2—ブロモメラトニン
No.7 2, 4, 6—トリブロモメラトニン(lc) (実施例 6)
No.9 1—ァリルー 2, 4, 6—トリブロモメラトニン(実施例 2)
No.10 2, 4, 6—トリブロモ—1—プロパルギルメラトニン(実施例 1)
No.11 1—ベンジルー 2, 4, 6—トリブロモメラトニン(実施例 3)
No.29 2, 4, 6, 7—テトラブロモメラトニン(le) (実施例 6)
発明を実施するための最良の形態
[0019] 以下、本発明を詳細に説明する。
[0020] 本発明において、 C アルキル基、及び各置換基中の「C アルキル」としては
1-6 1-6
、例えばメチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基
、 sec ブチル基、 tert ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、へキシル基、シクロ プロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基が挙げられる。
[0021] C アルキル基としては、例えばメチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル
1- 21
基、ブチル基、イソブチル基、 sec ブチル基、 tert ブチル基、ペンチル基、イソペン チル基、へキシル基、ヘプチル基、ォクチル基、ノニル基、デシル基、ゥンデシル基、 ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、へキサデシル基、ヘプ タデシル基、ォクタデシル基、ノナデシル基、ィコシル基、ヘンィコシル基、シクロプロ ピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基が挙げられる。
[0022] 前記式 (I)及び^ )において R2で表される C アルキル基としては、 C アル
1-21 1-6 キル基が好ましい。
[0023] C ーァルケ-ル基としては、例えばビュル基、 1 プロべ-ル基、ァリル基、 1ーブ
2— 6
テニル基、 2—ブテュル基、ペンテ-ル基、へキセニル基が挙げられる。
[0024] C アルキ-ル基としては、例えばェチュル基、 1 プロピ-ル基、 2 プロピ-ル(
2—6
プロパルギル)基、 3—ブチュル基、ペンチ-ル基、へキシュル基が挙げられる。
[0025] 芳香族基としては、例えばフ ニル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素 基;フリル基、チェニル基、ピロリル基、ォキサゾリル基、イソォキサゾリル基、チアゾリ
ル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピ リダジニル基、ビラジニル基、キノリル基、イソキノリル基等の芳香族複素環基が挙げ られる。
[0026] ァラルキル基としては、例えばべンジル基、フエネチル基が挙げられる。
[0027] ァシル基としては、例えばホルミル基、ァセチル基、プロピオ-ル基 (プロパノィル基 )、プチリル基 (ブタノィル基)、バレリル基 (ペンタノィル基)、へキサノィル基等の C
1—6
-脂肪族ァシル基;ベンゾィル基、トルオイル基等の芳香族ァシル基 (ァロイル基)が 挙げられる。
[0028] ァリールスルホ-ル基としては、例えばフエ-ルスルホ -ル基(ベンゼンスルホ-ル 基)、 P トルエンスルホ-ル(トシル)基、ナフタレンスルホ -ル基等の芳香族炭化水 素ースルホ-ル基;フランスルホ-ル基、チオフェンスルホ-ル基、ピロ一ルスルホ- ル基、ォキサゾールスルホ -ル基、イソォキサゾールスルホ -ル基、チアゾールスル ホ-ル基、イソチアゾールスルホ -ル基、イミダゾールスルホ -ル基、ピラゾールスル ホ-ル基、ピリジンスルホ-ル基、ピリミジンスルホ-ル基、ピリダジンスルホ-ル基、 ピラジンスルホ-ル基、キノリンスルホ-ル基、イソキノリンスルホ -ル基等の芳香族 複素環ースルホ-ル基が挙げられる。
[0029] C アルキルスルホ-ル基としては、例えば、メタンスルホ-ル(メシル)基、ェタン
1—6
スルホ-ル基が挙げられる。
[0030] ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙 げられる。
[0031] 前記式 (I)及び^ )において R1 R2又は R4で表される C アルキル基及び C
1-6 1-2 アルキル基、 R1で表される C ーァルケ-ル基、 C アルキ-ル基及び C ーァ
1 2—6 2—6 1—6 ルキルスルホ -ル基は、芳香族基、ァシル基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原 子、 C アルコキシ基 (例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基)等から選ばれ
1—6
る 1以上の置換基で置換されて 、てもよ!/、。
[0032] 前記式 (I)及び ( )にお 、て R1で表される芳香族基、ァラルキル基、ァシル基及 びァリールスルホ -ル基は、 C アルキル基、 C ーァルケ-ル基、 C アルキ-
1—6 2—6 2—6 ル基、芳香族基、ァシル基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、 C アルコキ
シ基 (例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基)等力も選ばれる 1以上の置換基で 置換されていてもよい。
[0033] 前記式 (I)で示される化合物の薬学的に許容される塩としては、例えば、塩酸、硫 酸、リン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、ピロ硫酸、メタリン酸等の無機酸、又 はクェン酸、安息香酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、スルホン酸(例 えば、メタンスルホン酸、 p—トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸)等の有機酸と の塩が挙げられる。また、フエノール性水酸基又はカルボキシル基を有する場合には 、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩として用いることもできる。
[0034] 前記式 (I)で示される化合物のうち、 R1が水素原子である化合物は、例えば、前記 式 (I)において Xが水素原子である化合物(例えば、メラトニン)を、 M. Somei, Y. FU UI, M. Hasegawa, N. Oshikin, and T. Hayashi, Heterocycles, 53, 1725— 173o (2000) (非特許文献 2)に記載の方法に従って、ノ、ロゲン化することにより製造すること ができる。また、前記式 (I)において R1が水酸基、 Xが水素原子である化合物 (例え ば、 1ーヒドロキシメラトニン)をハロゲンィ匕することによつても、前記式 (I)において R1 が水素原子、 Xがハロゲン原子である化合物を製造することができる。
[0035] 前記式 (I)で示される化合物のうち、 R1が置換又は非置換の C アルキル基、置
1-6
換又は非置換の C -アルケニル基、置換又は非置換の c -アルキニル基、置換
2-6 2-6
又は非置換の芳香族基、置換又は非置換のァラルキル基、置換又は非置換のァシ ル基、置換又は非置換のァリールスルホ-ル基、又は置換又は非置換の C -アル
1-6 キルスルホニル基である化合物は、例えば、前記のようにして得られた前記式 (I)に おいて Xがハロゲン原子である化合物を、 N, N—ジメチルホルムアミド(以下「DMF」 という。)等の有機溶媒中、塩基触媒の存在下、式: Ι^-Χ(式中、 R1は前記と同義で あり、 Xはハロゲン原子を表す。)で示される化合物と反応させることにより製造するこ とがでさる。
[0036] また、前記式 (I)で示される化合物のうち、 R1が水酸基である化合物は、例えば、前 記のようにして得られた前記式 (I)において Xがハロゲン原子である化合物を、過酸 化水素及びタングステン酸ナトリウムで処理することにより製造することができる。
[0037] 前記式 (I)で示される化合物のうち、 R4が水素原子である化合物は、例えば、前記
式 (I)において X及び R4が水素原子である化合物(例えば、 R R3、 R5、 R6が水素原 子である)をハロゲン化 (例えば、酢酸、クロ口ホルム等を溶媒として、臭素又は N—ブ ロモコハク酸イミド等の臭素化剤で処理)することにより製造することができる。
[0038] 前記式 (I)で示される化合物は、塩基触媒の存在下、加水分解して、ァシル基 (- C O— R2)を脱離させた後、酸無水物 (R2^ CO-0-COR2 )等で処理し、別のァシル 基を導入することにより、ァシル基を変換することができる。この際、中間体である脱 ァシルイ匕体は、一般に空気中で酸ィ匕されやすいため、精製することなぐ次のァシル 化工程に用いることが好ま 、。
[0039] 前記式 (1^ )で示される化合物のうち、 Xが水素原子であり、 R3、 R5及び R6の少なく とも 1つが塩素原子である化合物は、新規化合物であり、骨粗鬆症治療薬として、又 は前記式 (1' )において、 Xがハロゲン原子であり、 R3、 R5及び R6の少なくとも 1つが 塩素原子である化合物の合成中間体として有用である。
[0040] 前記式 (1^ )で示される化合物のうち、 Xが水素原子であり、 R3、 R5及び R6の少なく とも 1つが塩素原子である化合物は、後述する実施例 10— 13に例示されるように、 4 位、 6位及び 7位の少なくとも 1つが水素原子である N—ァシルー 2, 3—ジヒドロトリプタ ミン誘導体 (例えば、 2, 3—ジヒドロメラトニン)の 1位を tert—ブトキシカルボ-ル基等 で保護した後、 N-クロロコハク酸イミド等で塩素化し、その後、脱保護した後、活性 二酸ィ匕マンガン等で処理し、脱水素することにより製造することができる。
[0041] 前記のようにして得られる生成物を精製するには、通常用いられる手法、例えばシ リカゲル等を担体として用いたカラムクロマトグラフィーやメタノール、エタノール、クロ 口ホルム、ジメチルスルホキシド、水等を用いた再結晶法によればよい。カラムクロマト グラフィ一の溶出溶媒としては、メタノール、エタノール、クロ口ホルム、アセトン、へキ サン、ジクロロメタン、酢酸ェチル、及びこれらの混合溶媒等が挙げられる。
[0042] 前記式 (I)で示される化合物及びその薬学的に許容される塩 (以下「2—ハロインド ール誘導体 (1)」という。)は、骨芽細胞を活性化させ、かつ破骨細胞を抑制する作用 を有し、骨に関する種々の疾患、例えば骨粗鬆症の予防又は治療のための医薬組 成物として、また、骨芽細胞活性化剤及び破骨細胞抑制剤として、各種分野、例え ば再生医療、歯科分野、魚類の生育、家畜の健康な生育による食肉生産、卵生産に
有用である。また、ラジカルスキヤベンジャー作用を有し、不眠症、生活習慣病の予 防又は治療のための医薬組成物としても有用である。
[0043] 本発明の骨粗鬆症治療薬は、他の骨粗鬆症治療薬、例えばカルシウム製剤、ビタ ミン D系製剤、ホルモン系製剤、カルシトニン系製剤、ビスフォスホネート製剤、ィプリ フラボン製剤などと併用することができる。この場合には、必要に応じて、後述の投与 量を適宜増減することができる。
[0044] 以下、 2-ハロインドール誘導体 (I)の投与量及び製剤化につ!、て説明する。
[0045] 2—ハロインドール誘導体 (I)はそのまま、あるいは慣用の製剤担体と共に動物及び ヒトに投与することができる。投与形態としては、特に限定がなぐ必要に応じ適宜選 択して使用され、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、徐放性製剤、懸濁液、 ェマルジヨン剤、シロップ剤、エリキシル剤等の経口剤、注射剤、坐剤、塗布剤、貼付 剤等の非経口剤が挙げられる。
[0046] 経口剤は、例えばデンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、 コーンスターチ、無機塩類等を用いて常法に従って製造される。
[0047] この種の製剤には、適宜前記賦形剤の他に、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢 剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料等を使用することができる。
[0048] 結合剤としては、例えばデンプン、デキストリン、アラビアゴム末、ゼラチン、ヒドロキ シプロピノレスターチ、メチノレセノレロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロ キシプロピノレセルロース、結晶セルロース、ェチノレセルロース、ポリビュルピロリドン、 マクロゴールが挙げられる。
[0049] 崩壊剤としては、例えばデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセ ルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセル口 ース、低置換ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。
[0050] 界面活性剤としては、例えばラウリル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸ェ ステル、ポリソルベート 80が挙げられる。
[0051] 滑沢剤としては、例えばタルク、ロウ類、水素添加植物油、ショ糖脂肪酸エステル、 ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ポリエ チレングリコールが挙げられる。
[0052] 流動性促進剤としては、例えば軽質無水ケィ酸、乾燥水酸ィ匕アルミニウムゲル、合 成ケィ酸アルミニウム、ケィ酸マグネシウムが挙げられる。
[0053] 注射剤は常法に従って製造され、希釈剤として一般に注射用蒸留水、生理食塩水
、ブドウ糖水溶液、オリブ油、ゴマ油、ラッカセィ油、ダイズ油、トウモロコシ油、プロピ レンダリコール、ポリエチレングリコール等を用いることができる。更に必要に応じて、 殺菌剤、防腐剤、安定剤を加えてもよい。また、注射剤は安定性の点から、バイアル 等に充填後冷凍し、通常の凍結乾燥技術により水分を除去し、使用直前に凍結乾燥 物から液剤を再調製することもできる。更に、必要に応じて適宜、等張化剤、安定剤
、防腐剤、無痛化剤等を加えてもよい。
[0054] その他の非経口剤としては、外用液剤、軟膏等の塗布剤、貼付剤、直腸内投与の ための坐剤等が挙げられ、常法に従って製造される。
[0055] 本発明の製剤は、剤形、投与経路等により異なるが、 1日 1一数回から 1一数回 Z 週一月の投与が可能である。
[0056] 経口剤として所期の効果を発揮するためには、患者の年令、体重、疾患の程度に より異なるが、通常成人で 2—ノヽロインドール誘導体 (I)の重量として 1一 200mgを、 1 日数回に分けての服用が適当である。
[0057] 非経口剤として所期の効果を発揮するためには、患者の年令、体重、疾患の程度 により異なる力 通常成人で 2—ハロインドール誘導体 (I)の重量として 1日 1一 50mg の静注、点滴静注、皮下注射、筋肉注射が適当である。
[0058] 本明細書は、本願の優先権の基礎である特願 2004— 64408の明細書及び Z又 は図面に記載される内容を包含する。
実施例
[0059] 以下、実施例をあげて本発明を更に具体的に説明する力 本発明の範囲はこれら に限定されるものではない。
[0060] [実施例 1]
2, 4, 6—トリブロモメラトニンカら 2, 4, 6—トリブロモ 1—プロパルギルメラトニン(N— ァセチルー 2, 4, 6—トリブロモ—5—メトキシー 1 プロパルギルインドールー 3—エタナミ ン)の合成
[化 4]
[0061] 30. lmg (0. 064mmol)の 2, 4, 6—トリブロモメラト-ン(N—ァセチル— 2, 4, 6—ト リブ口モー 5—メトキシインドールー 3—エタナミン)(M. Somei, Y. Fukui, M. Hasegawa, N. Oshikiri, and T. Hayashi, Heterocycles, 53, 1725-1736 (2000))を 2. OmLの DM Fに溶解した溶液に、 31. 9mg (0. 22mmol)の炭酸カリウムをカ卩えて室温下 5分撹 拌した。この溶液に、 0. 09mL (l. 28mmol)のプロパルギルクロリドをカ卩えて室温下 4時間撹拌した。反応液に水及び酢酸ェチルエステル メタノール(95 : 5, vZv)混 合溶媒を加えて撹拌後、有機相を分離した。水相を更に酢酸ェチルエステルーメタノ ール (95 : 5, vZv)混合溶媒で 3回抽出した。有機相と抽出液を合し、飽和食塩水で 洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去して黄色油状物を得た。シリカゲ ルを担体とし、酢酸ェチルエステルを溶出溶媒とするカラムクロマトグラフィーで精製 すると 31. 6mg (97%)の収率で目的物が得られた。酢酸ェチルエステル一へキサン 力も再結晶して、無色の針状晶を得た。
[0062] mp 199-200°C.
IR (KBr): 3286, 1628, 1558, 1456, 1435, 1410, 1294, 1018 cm"1.
'H-NMR (CDCl ) δ: 1.93 (3H, s), 2.34 (1H, t, J = 2.4 Hz), 3.23 (2H, t, J = 6.6
3
Hz), 3.58 (2H, dt, J = 2.9, 6.6 Hz,重水添カ卩により t, J = 6.6 Hzに変ィ匕), 3.89 (3H, s), 4.91 (2H, d, J = 2.4 Hz), 5.54 (1H, br t, J = 6.6 Hz,重水添加により消失), 7.58 (1H, s).
Anal. Calcd for C H Br N O : C, 37.90; H, 2.98; N, 5.53. Found: C, 37.78; H,
16 15 3 2 2
3.00; N, 5.44.
[実施例 2]
2, 4, 6—トリブロモメラトニンから 1ーァリノレー 2, 4, 6—トリブロモメラトニン(N—ァセチ
ルー 1ーァリル 2, 4, 6—トリブロモ—5—メトキシインドールー 3 エタナミン)の合成
[化 5]
[0063] 30. 2mg (0. 064mmol)の 2, 4, 6—トリブロモメラトニン(N ァセチルー 2, 4, 6—トリ ブロモ—5—メトキシインドールー 3—エタナミン)を 2. OmLの DMFに溶解した溶液に、 31. lmg (0. 22mmol)の炭酸カリウムをカ卩えて室温下 5分撹拌した。この溶液に、 0 . l lmL (l. 28mmol)のァリルブロミドをカ卩えて室温下 1. 5時間撹拌した。反応液に 水及び酢酸ェチルエステル メタノール(95 : 5, vZv)混合溶媒をカ卩えて撹拌後、有 機相を分離した。水相を更に酢酸ェチルエステル メタノール(95 : 5, vZv)混合溶 媒で 3回抽出した。有機相と抽出液を合し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで 乾燥後、溶媒を減圧留去して黄色油状物を得た。シリカゲルを担体とし、酢酸ェチル エステルを溶出溶媒とするカラムクロマトグラフィーで精製すると 31. Omg (95%)の 収率で目的物が得られた。酢酸ェチルエステル一へキサン力 再結晶して、無色の 針状晶を得た。
[0064] mp 142-143°C.
IR (KBr): 3284, 1633, 1562, 1456, 1412, 1298, 1018 cm"1.
1H-NMR (CDC1 ) δ : 1.93 (3H, s), 3.24 (2H, t, J=6.6 Hz), 3.58 (2H, q, J=6.6 Hz),
3
3.89 (3H, s), 4.76 (2H, dt, J=4.9, 1.7 Hz), 4.89 (1H, d, J=16.6 Hz), 5.20 (1H, d, J=10.3 Hz), 5.55 (1H, br t,重水添加により消失), 5.87 (1H, ddt, J=16.6, 10.3, 4.9 Hz), 7.4 (1H, s).
Anal. Calcd for C H Br N O : C, 37.75; H, 3.37; N, 5.50. Found: C, 37.75; H,
16 17 3 2 2
3.37; N, 5.42.
[実施例 3]
2, 4, 6—トリブロモメラトニンから 1 ベンジル一 2, 4, 6—トリブロモメラトニン(N—ァセ
チルー 1—ベンジルー 2, 4, 6—トリブロモ—5—メトキシインドールー 3—エタナミン)の合成 [化 6]
[0065] 40. lmg (0. 086mmol)の 2, 4, 6—トリブロモメラト-ン(N—ァセチル— 2, 4, 6—ト リブロモ— 5—メトキシインドールー 3 エタナミン)を 2. OmLの DMFに溶解した溶液に 、 41. 4mg (0. 30mmol)の炭酸カリウムをカロえて室温下 5分撹拌した。この溶液に、 0. 20mL (l. 72mmol)のベンジルブ口ミドを加えて室温下 1時間撹拌した。反応液 に水及び酢酸ェチルエステル メタノール(95 : 5, v/v)混合溶媒を加えて撹拌後、 有機相を分離した。水相を更に酢酸ェチルエステル メタノール(95 : 5, vZv)混合 溶媒で 3回抽出した。有機相と抽出液を合し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム で乾燥後、溶媒を減圧留去して黄色油状物を得た。シリカゲルを担体とし、酢酸ェチ ルエステルを溶出溶媒とするカラムクロマトグラフィーで精製すると 40. 3mg (83%) の収率で目的物が得られた。酢酸ェチルエステル一へキサン力 再結晶して、無色 の針状晶を得た。
[0066] mp 218-219°C.
IR (KBr): 3280, 1630, 1547, 1454, 1414, 1360, 1298, 1014 cm"1.
1H-NMR (CDC1 ) δ: 1.91 (3H, s), 3.26 (2H, t, J=6.6 Hz), 3.61 (2H, td, J=12.7, 6.6
3
Hz), 3.88 (3H, s), 5.36 (2H, s), 5.54 (1H, br t, J=6.6 Hz,重水添カ卩により消失), 7.01 (2H, d, J=6.6 Hz), 7.27-7.33 (3H, m), 7.39 (1H, s).
Anal. Calcd for C H Br N O : C, 42.97; H, 3.43; N, 5.01. Found: C, 42.76; H,
20 19 3 2 2
3.40; N, 4.86.
[実施例 4]
2, 4, 6—トリブロモメラトニンから 2, 4, 6—トリブロモ—1—トシルメラトニン(N—ァセチル -2, 4, 6—トリブロモ—5—メトキシー 1—トシルインドールー 3—エタナミン)の合成
[化 7]
[0067] 40. 5mg (0. 086mmol)の 2, 4, 6—トリブロモメラトニン(N ァセチルー 2, 4, 6—トリ ブロモ—5—メトキシインドールー 3—エタナミン)を 2. OmLの DMFに溶解した溶液に、 4. lmg (0. lOmmol)の水素化ナトリウムをカ卩えて窒素雰囲気下室温で 10分撹拌し た。この溶液に、 348. Omg (l. 30mmol)のトシルク口リドを加え、室温下 1時間撹拌 した。反応液に食塩水を加え、クロ口ホルム メタノール(95 : 5, vZv)混合溶媒で 3 回抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留 去して油状物を得た。シリカゲルを担体とし、クロ口ホルム メタノール(98 : 2, v/v) 混合溶媒を溶出溶媒とするカラムクロマトグラフィーで精製すると 40. 4mg (75%)の 収率で目的物が得られた。クロ口ホルム一へキサン力も再結晶して、無色の針状晶を 得た。
[0068] mp 215-216°C.
IR (KBr): 3305, 1628, 1541, 1454, 1392, 1200, 1174 cm"1.
'H-NMR (CDCl ) δ : 1.88 (3H, s), 2.40 (3H, s), 3.18 (2H, t, J=6.6 Hz), 3.49 (2H, q,
3
J=6.6 Hz), 3.90 (3H, s), 5.42 (1H, br t,重水添加により消失), 7.27 (2H, d, J=7.5 Hz), 7.74 (2H, d, J=7.5 Hz), 8.59 (1H, s).
Anal. Calcd for C H Br N O S: C, 38.55; H, 3.07; N, 4.50. Found: C, 38.28; H,
20 19 3 2 4
3.15; N, 4.30.
[実施例 5]
1ーヒドロキシメラトニンから 2, 7 ジブロモメラトニン(la)、 2, 4 ジブロモメラトニン(1 b)、 7—ブロモメラトニン(2a)及び 4, 7 ジブロモメラトニン(2b)の合成
[化 8]
= CH2CH2NHAc
[0069] 101. Omg (0. 41mmol)の 1—ヒドロキシメラト-ン(M. Somei, N. Oshikiri, M.
Hasegawa, and F. Yamada, Heterocycles, 51, 1237—1242 (1999))を 5. OmLの酢酸 に溶力した溶液に、 0. 57モル濃度の臭素酢酸溶液を 0. 68mL (0. 39mmol)加え 、室温下 5時間撹拌した。反応液に 10%チォ硫酸ナトリウム水溶液を加えた後、氷冷 下 20%水酸ィ匕ナトリウム水溶液をカ卩えて中性にした。全体をクロ口ホルム メタノール (95 : 5, vZv)混合溶媒で 3回抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリ ゥムで乾燥後、溶媒を減圧留去して油状物を得た。シリカゲルを担体とし、クロ口ホル ム メタノール(98: 2, v/v)混合溶媒を溶出溶媒とするカラムクロマトグラフィーで精 製すると、溶出順に 12. Omgの 2, 7 ジブロモメラトニン(la) (8%)、 20. Omgの 2, 4 ジブロモメラトニン(lb) (13%)、 7. lmgの 7—ブロモメラトニン(2a) (6%)、 18. 4 mgの 4, 7 ジブロモメラトニン(2b) (12%)及び 8. 8mg (9%)の未反応原料を得た
[0070] [7—ブロモメラトニン(2a) ]
性状:無色油状物。
[0071] IR (KBr): 3209, 1653, 1541, 1489, 1043, 829 cm"1.
JH-NMR (CDC1 ) δ: 1.93 (3Η, s), 2.92 (2H, t, J=6.7 Hz), 3.57 (2H, q, J=6.7 Hz,重
3
水添加により t, J=6.7 Hzに変化), 3.85 (3H, s), 5.51 (1H, br s,重水添加により消失 ), 7.00 (1H, d, J=1.7 Hz), 7.06 (1H, d, J=1.7 Hz), 7.07 (1H, d, J=2.0 Hz,重水添カロ により sに変化), 8.09 (1H, br s,重水添カ卩により消失).
高分解能質量分析 m/z: Calcd for C H BrN O: 310.0316, 312.0297. Found:
310.0320, 312.0304.
[4, 7 ジブロモメラトニン(2b) ]
mp 212-213°C (分解点、クロ口ホルム一へキサン力 再結晶して無色の粉状晶となる ).
IR (KBr): 3269, 1635, 1618, 1558, 1301, 607 cm"1.
1H-NMR (DMSO-d ) δ: 1.79 (3Η, s), 2.89 (2H, t, J=6.6 Hz), 3.51 (2H, q, J=6.6 Hz,
6
重水添カロにより t, J=6.6 Hzに変ィ匕), 3.84 (3H, s), 5.45 (IH, br s,重水添カロにより消 失), 7.02 (IH, d, J=2.2 Hz,重水添カ卩により sに変化), 6.95 (IH, d, J=2.1 Hz), 7.03 (IH, d, J=2.1 Hz), 8.05 (IH, br s,重水添カ卩により消失).
質量分析 m/z: 388 (M+), 390 (M), 392 (M+).
Anal. Calcd for C H Br N O - 1/8H O: C, 39.80; H, 3.66; N, 7.14. Found: C,
13 14 2 2 2 2
39.62; H, 3.63; N, 7.06.
[2, 7 ジブロモメラトニン(la) ]
mp 211-213°C (分解点、クロ口ホルム一へキサン力 再結晶して無色の粉状晶となる ).
IR (KBr): 3114, 1643, 1626, 1568, 1487, 1078, 825 cm"1.
JH-NMR (CDC1 ) δ: 1.93 (3Η, s), 2.89 (2H, t, J=6.6 Hz), 3.51 (2H, q, J=6.6 Hz,重
3
水添加により t, J=6.6 Hzに変化), 3.84 (3H, s), 5.45 (IH, br s,重水添加により消失 ), 7.02 (IH, d, J=2.2 Hz,重水添カ卩により sに変化), 6.95 (IH, d, J=2.1 Hz), 7.03 (IH, d, J=2.1 Hz), 8.05 (IH, br s,重水添カ卩により消失).
質量分析 m/z: 388, 390, 392 (M+).
Anal. Calcd for C H Br N O - 1/4H O: C, 39.57; H, 3.70; N, 7.10. Found: C,
13 14 2 2 2 2
39.57; H, 3.61; N, 6.94.
[2, 4 ジブロモメラトニン(lb) ]
M. Somei, Y. Fukui, M. Hasegawa, N. Oshikin, and T. Hayashi, Heterocycles, 53, 1725-1736 (2000)に記載の化合物 11の物性と一致した。
[実施例 6]
1ーヒドロキシメラトニンから 2, 4, 7—トリブロモメラトニン(Id)、 2, 4, 6, 7—テトラブロ
モメラトニン(le)、 2, 4, 6—トリプロモメラトニン(lc)及び 3— (2—ァセトアミドエチル) -3, 4, 7—トリブロモ—5—メトキシー 2—ォキソインドリン(2c)の合成
[化 9]
R - CH2CH2NHAc
[0073] 54. lmg (0. 22mmol)の 1—ヒドロキシメラトニンを 3. OmLの酢酸に溶かした溶液に 、 0. 57モル濃度の臭素酢酸溶液を 1. 14mL (0. 65mmol)加え、室温下 2時間撹 拌した。実施例 5と同じ後処理とカラムクロマトグラフィーで精製すると、溶出順に 22. 6mgの 2, 4, 7—卜リブロモメラ卜-ン(Id) (22%)、 21. Omgの 2, 4, 6, 7—テ卜ラブロ モメラトニン(le) (18%)、 2. 7mgの 2, 4, 6—トリブロモメラトニン(lc) (3%)及び 10 . 3mgの 3— (2—ァセトアミドエチル)—3, 4, 7—トリブロモ—5—メトキシー 2—ォキソイン ドリン(2c) (9%)を得た。
[0074] [2, 4, 7—トリブロモメラトニン(Id) ]
mp 220-221°C (分解点、クロ口ホルム キサン力 再結晶して無色の粉状晶となる ).
IR (KBr): 3140, 1674, 1550, 1527, 1300, 1107, 1066 cm"1.
JH-NMR (CDCl ) δ: 1.93 (3Η, s), 3.19 (2H, t, J=6.6 Hz), 3.59 (2H, q, J=6.6 Hz,重
3
水添加により t, J=6.6 Hzに変化), 3.91 (3H, s), 5.55 (1H, br s,重水添加により消失 ), 7.05 (1H, s), 8.25 (1H, br s,重水添加により消失).
Anal. Calcd for C H Br N O : C, 33.29; H, 2.79; N, 5.97. Found: C, 33.27; H,
13 13 3 2 2
2.87; N, 5.94.
[2, 4, 6, 7—テトラブロモメラトニン(le) ]
mp 232-234°C (分解点、クロ口ホルム キサン力 再結晶して無色の柱状晶となる
).
IR (KBr): 3095, 1624, 1576, 1433, 1288, 1039 cm"1.
1H-NMR (DMSO-d ) δ: 1.77 (3H, s), 2.99 (2H, t, J=7.0 Hz), 3.27 (2H, q, J=7.0
6
Hz), 3.79 (3H, s), 7.88 (IH, br t, J=7.0 Hz), 12.33 (IH, br s,重水添加により消失). Anal. Calcd for C H Br N O : C, 28.50; H, 2.21; N, 5.11. Found: C, 28.25; H,
13 12 4 2 2
2.29; N, 4.84.
[3— (2 ァセトアミドエチル)—3, 4, 7—トリブロモ—5—メトキシー 2 ォキソインドリン(2 c) ]
性状:黄色油状物.
IR (film): 3261, 1734, 1653, 1466, 1435, 1298, 754 cm"1.
'H-NMR (CDCl ) δ: 1.83 (3Η, s), 2.70-2.76 (IH, m), 3.10-3.19 (3H, m), 3.88 (3H,
3
s), 5.53 (IH, br s,重水添加により消失), 6.95 (IH, s), 8.04 (IH, br s,重水添加によ り消失).
高分解能質量分析 m/z: Calcd for C H Br N O : 482.8554, 484.8534, 486.8513,
13 14 3 2 3
488.8493. Found: 482.8508, 484.8505, 486.8502, 488.8497.
2, 4, 6—トリブロモメラトニン(lc)
M. Somei, Y. Fukui, M. Hasegawa, N. Oshikiri, and T. Hayashi, Heterocycles, 53. 1725-1736 (2000)に記載の化合物 12の物性と一致した。
[実施例 7]
1ーメトキシメラトニンから 4, 7 ジブロモメラトニン(2b)、 2, 4, 7 トリブロモメラトニン( Id)及び 3— (2 ァセトアミドエチル) 4, 7 ジブロモ— 5—メトキシー 2 ォキソインドリン (2d)の合成
[化 10]
R = CH2CH2NHAc
[0076] 107. 9mg (0. 41mmol)の 1ーメトキシメラトニンを 5. OmLの酢酸に溶かした溶液に 、 0. 57モル濃度の臭素酢酸溶液を 0. 70mL (0. 40mmol)加え、室温下 2時間撹 拌した。実施例 5と同じ後処理とカラムクロマトグラフィーで精製すると、溶出順に 71. 4mgの 2, 4, 7—トリブロモメラトニン(Id) (37%)、 18. 4mgの 4, 7—ジブロモメラト- ン(2b) (11%)及び 26. lmgの 3— (2—ァセトアミドエチル) 4, 7 ジブロモ— 5—メト キシー 2—ォキソインドリン(2d) (16%)を得た。
[0077] [3— (2 ァセトアミドエチル) 4, 7—ジブロモ— 5—メトキシー 2 ォキソインドリン(2d) ] mp 224-225°C (分解点、クロ口ホルム メタノール一へキサンから再結晶して無色の粉 状晶となる).
IR (KBr): 3296, 1712, 1625, 1545, 1460, 1431, 1306, 1286 cm"1.
'H-NMR (CDCl ) δ: 1.93 (3Η, s), 2.26 (IH, dqd, J=13.4, 8.1, 2.4 Hz), 2.54 (IH,
3
dtd, J=13.4, 6.6, 3.2 Hz), 3.37 (2H, qd, J=6.6, 2.4 Hz,重水添カロにより td, J=6.6 Hz, 2.4 Hz,に変化), 3.65 (IH, dd, J=8.1, 3.2 Hz), 3.86 (3H, s), 5.99 (IH, br s,重水添 カロにより消失), 6.88 (IH, s), 7.52 (IH, br s,重水添カ卩により消失).
質量分析 m/z: 404, 406, 408 (M+).
Anal. Calcd for C H Br N O - 1/2H O: C, 37.62; H, 3.64; N, 6.75. Found: C,
13 14 2 2 3 2
37.84; H, 3.47; N, 6.75.
[実施例 8]
2, 4, 6—トリブロモメラトニン(lc)力も 2, 4, 6—トリブロモ—5—メトキシトリプタミン(2e) の合成
[0078] 103. 6mg (0. 22mmol)の 2, 4, 6—トリブロムメラトニン(lc)を 2. OmLのメタノール に溶解した溶液に、 2. OmL (33. 4mmol)の 40%水酸化ナトリウム水溶液をカ卩え、 5 時間還流、撹拌した。反応液に水を加え、クロ口ホルム メタノール混合溶媒(9 : 1, V Zv)で抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留 去した。得られた残渣を、シリカゲルを担体とし、クロ口ホルム メタノール 28%アン モ-ァ水 (46 : 3 : 0. 3, vZv)の混合溶媒を溶出溶媒とするカラムクロマトグラフィー で精製すると、 71. 3 mg (76%)の收率で目的物が得られた。空気中で酸化され着 色する不安定な無色の結晶。
[0079] mp 70°C (分解)。
[0080] IR (KBr): 2931, 2868, 1583, 1552, 1452, 1403, 1300 cm"1.
1H-NMR (DMSO-d ) δ: 2.77 (2Η, t, J=7.6 Hz), 2.95 (2H, t, J=7.6 Hz), 3.31 (3H, br
6
s), 3.77 (3H, s), 7.50 (1H, s).
高分解能質量分析(FAB+) m/z: Calcd for C H Br N O: 424.8500, 426.8479,
11 12 3 2
428.8459, 430.8439. Found: 424.8524, 426.8507, 428.8474, 430.8463.
[実施例 9]
[化 12]
valeryl
nonanoyl
palmitoyl
(1) 2, 4, 6—トリブロムメラトニン(lc)から 2, 4, 6—トリブロモ 5—メトキシー N パレリ ルトリプタミン(3a)の合成
104. 5mg (0. 22mmol)の 2, 4, 6 トリブロムメラト-ン(lc)を 2. OmLのメタノー
ルに溶解した溶液に、 2. OmL (33. 4mmol)の 40%水酸化ナトリウム水溶液をカロえ 、 5時間還流、撹拌した。反応液に水を加え、クロ口ホルム メタノール(9 : 1, v/v) 混合溶媒で抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶 媒を留去した。得られた 2, 4, 6—トリプロモー 5—メトキシトリプタミン(2e)を精製するこ となぐ 3. OmLの無水クロ口ホルムに溶解した。この溶液に、 3. OmLのクロ口ホルム 中で、 23. Omg (0. 23mmol)のトリェチルァミン、 21. 2mg (0. 22mmol)のクロル 炭酸メチル、 23. Omg (0. 22mmol)の吉草酸力 調製した酸無水物溶液をカ卩えて 、室温下 1時間撹拌した。反応液に水を加え、クロ口ホルム メタノール混合溶媒(95 : 5, vZv)で抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶 媒を留去した。得られた残渣を、シリカゲルを担体とし、クロ口ホルムを溶出溶媒とす るカラムクロマトグラフィーで精製すると、 77. 9mg (68%)の收率で目的物が得られ た。クロ口ホルム一へキサン力 再結晶して、無色の板状晶を得た。
[0082] mp 74-79°C.
IR (KBr): 2960, 1624, 1520, 1404, 1300 cm"1.
JH-NMR (CDC1 ) δ: 0.88 (3H, t, J=7.3 Hz), 1.29 (2H, sex, J=7.3 Hz), 1.56 (2H,
3
quint, J=7.3 Hz), 2.13 (2H, t, J=7.3 Hz), 3.18 (2H, t, J=6.6 Hz), 3.61 (2H, q, J=6.6 Hz,重水添カ卩により t, J=6.6 Hzに変化), 3.88 (3H, s), 5.63 (1H, br t, J=6.6 Hz,重水 添加により消失), 7.44 (1H, s), 8.69 (1H, br s,重水添カ卩により消失).
高分解能質量分析 m/z: Calcd for C H Br N O : 507.8996, 509.8976, 511.8956,
16 19 3 2 2
513.8935. Found: 507.8969, 509.8982, 511.8975, 513.8917.
(2) 2, 4, 6—トリブロムメラトニン(lc)から 2, 4, 6—トリブロモ 5—メトキシー N—ノナノ ィルトリプタミン(3b)の合成
(1)の 2, 4, 6—トリブロモ—5—メトキシー N バレリルトリプタミン(3a)の合成法におけ る吉草酸の代わりに、ノナン酸を用いて、同様の反応、後処理を行って、 目的物(3b) を 72%で合成した。クロ口ホルム一へキサン力も再結晶して、無色の粉状晶を得た。
[0083] mp 58-62°C.
IR (KBr): 2922, 1606, 1550, 1414, 1302 cm"1.
'H-NMR (CDCl ) δ 0.87 (3H, t, J=6.9 Hz), 1.21—1.31 (10H, m), 1.52—1.60 (2H,
m), 2.12 (2H, t, J=7.7 Hz), 3.18 (2H, t, J=6.6 Hz), 3.60 (2H, q, J=6.6 Hz,重水添加 により t, J=6.6 Hzに変化), 3.88 (3H, s), 5.58 (1H, br t, J=6.6 Hz,重水添加により消 失), 7.45 (1H, s), 8.41 (1H, s,重水添カ卩により消失).
質量分析 m/z: 564, 566, 568, 570 (M+).
Anal. Calcd for C H Br N O -H O: C, 41.05; H, 5.00; N, 4.79. Found: C, 40.93;
20 27 3 2 2 2
H, 5.05; N, 4.95.
(3) 2, 4, 6—トリブロムメラトニン(lc)から 2, 4, 6—トリブロモ—5—メトキシー N パルミ トイルトリプタミン(3c)の合成
(1)の 2, 4, 6—トリブロモ—5—メトキシー N バレリルトリプタミン(3a)の合成法におけ る吉草酸の代わりに、パルミチン酸を用いて、同様の反応、後処理を行って、 目的物 (3c)を 72%で合成した。クロ口ホルム一へキサン力も再結晶して、無色の粉状晶を得 た。
[0084] mp 107-108°C.
IR (KBr): 2918, 2850, 1618, 1550, 1410, 1298 cm"1.
'H-NMR (CDCl ) δ: 0.88 (3H, t, J=6.9 Hz), 1.22-1.27 (24H, m), 1.53—1.59 (2H,
3
m), 2.12 (2H, t, J=7.7 Hz), 3.18 (2H, t, J=6.6 Hz), 3.61 (2H, q, J=6.6 Hz,重水添加 により t, J=6.6 Hzに変化), 3.88 (3H, s), 5.61 (1H, br t, J=6.6 Hz,重水添加により消 失), 7.44 (1H, s), 8.62 (1H, br s,重水添カ卩により消失).
質量分析 m/z: 662, 664, 666, 668 (M+).
Anal. Calcd for C H Br N O - 1/2H O: C, 48.09; H, 6.28; N, 4.15. Found: C,
27 41 3 2 2 2
48.15; H, 6.34; N, 4.17.
(4) 2, 4, 6—トリブロムメラトニン(lc)から 2, 4, 6—トリブロモ 5—メトキシー N—シクロ プロピルカルボ-ルトリプタミン(3d)の合成
(1)の 2, 4, 6—トリブロモ—5—メトキシー N バレリルトリプタミン(3a)の合成法におけ る吉草酸の代わりに、シクロプロパンカルボン酸を用いて、同様の反応、後処理を行 つて、 目的物(3d)を 67%で合成した。クロ口ホルム一へキサン力 再結晶して、無色 のプリズム晶を得た。
[0085] mp 84-84.5°C.
IR (KBr): 3421, 1628, 1527, 1404, 1300 cm .
1H-NMR (CDCl ) δ: 0.70 (2H, td, J=7.4, 4.4 Hz), 0.93 (2H, dt, J=7.4, 4.4 Hz), 1.29
3
(1H, tt, J=7.4, 4.4 Hz), 3.19 (2H, t, J=6.5 Hz), 3.61 (2H, q, J=6.5 Hz,重水添加に より t, J=6.5 Hzに変化), 3.88 (3H, s), 5.81 (1H, br t, J=6.5 Hz,重水添加により消失 ), 7.43 (1H, s), 8.60 (1H, br s,重水添加により消失).
高分解能質量分析 m/z: Calcd for C H Br N O : 491.8683, 493.8663, 495.8643,
15 15 3 2 2
497.8622. Found: 491.8698, 493.8634, 495.8635, 497.8594.
Anal. Calcd for C H Br N O -H O: C, 35.12; H, 3.34; N, 5.46. Found: C, 34.77;
15 15 3 2 2 2
H, 3.00; N, 5.34.
[実施例 10]
2, 3 ジヒドロメラトニン(4)から N ァセチルー 1 tert ブトキシカルボ-ルー 2, 3—ジ ヒドロ— 5—メトキシトリプタミン(5)の合成
[化 13]
[0086] 172. 5mg (0. 737mmol)の 2, 3—ジヒドロメラト-ン (M. Somei, Y. Fukui, M.
Hasegawa, N. Oshikiri, T. Hayashi, Heterocycles, 53(8), 1725-1736 (2000)に報告さ れた方法に従い合成)と 17. 9mg (0. 15mmol)の 4ージメチルァミノピリジンを 7. Om Lのクロ口ホルムに溶解した溶液に、 207. 8mg (0. 952mmol)のジー tert ブチル ジカーボナートを 2. OmLのクロ口ホルムに溶解した溶液を加え、室温下 10時間撹拌 した。溶媒を留去し、得られた残渣を、シリカゲルを担体とし、クロ口ホルム メタノー ル(97 : 3, vZv)混合溶媒を溶出溶媒とするカラムクロマトグラフィーで精製すると、 2 34. 2mg (95%)の收率で目的物が得られた。
[0087] 性状:無色油状物質.
IR (KBr): 3278, 1701, 1635 cm"1.
'H-NMR (DMSO-d , 90°C) δ: 1.50 (9Η, s), 1.56-1.66 (1H, m), 1.80 (3H, s),
1.82-1.91 (IH, m), 3.13 (2H, q, J=6.4 Hz), 3.22-3.32 (IH, m), 3.56 (IH, dd, J=10.7, 6.4 Hz), 3.71 (3H, s), 4.03 (IH, t, J=10.7 Hz), 6.70 (IH, dd, J=8.5, 2.4 Hz), 6.80 (IH, d, J=2.4 Hz), 7.47 (IH, br d, J=8.5 Hz), 7.55 (IH, br s).
高分解能質量分析(FAB+) m/z: Calcd for C H N O (MH+): 335.1971. Found:
18 27 2 4
335.1966.
[実施例 11]
N—ァセチルー 1 tert ブトキシカルボ二ルー 2, 3—ジヒドロ— 5—メトキシトリプタミン(5 )から N ァセチルー 2, 3—ジヒドロー 4, 6, 7—トリクロ口— 5—メトキシトリプタミン(8)及び N—ァセチルー 4, 6—ジクロ口— 2, 3—ジヒドロ— 5—メトキシトリプタミン(9)の合成
[化 14]
76. 5mg (0. 23mmol)の N—ァセチルー 1 tert ブトキシカルボ-ルー 2, 3 ジヒド 口— 5—メトキシトリプタミン(5)を 4. OmLのクロ口ホルムに溶解した溶液に、 92. Omg ( 0. 69mmol)の N クロロコハク酸イミドを加え、 3時間還流した。反応液にクロ口ホル ムを加え、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した 。得られた残渣を、シリカゲルを担体とし、酢酸ェチルエステルを溶出溶媒とするカラ ムクロマトグラフィーで精製すると、 44. 8mgの Rf値の同じ N ァセチルー 1 tert—ブ トキシカルボ-ルー 2, 3—ジヒドロー 4, 6, 7—トリクロ口一 5—メトキシトリプタミン(6)と N— ァセチルー l—tert ブトキシカルボ二ルー 4, 6—ジクロ口— 2, 3—ジヒドロ— 5—メトキシト リプタミン(7)の混合物を得た。この混合物を、 2. OmLのクロ口ホルム—トリフルォロ酢 酸 (4 : 1, vZv)混合溶媒に溶解し、室温下 3時間撹拌した。溶媒を留去し、得られた
残渣に 8%水酸ィ匕ナトリウム水溶液をカ卩えてアルカリ性にした後、クロ口ホルムで抽出 した。有機層を飽和食塩水で洗浄し,硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。得 られた残渣を、シリカゲルを担体とし、クロ口ホルム メタノール(97 : 3, vZv)混合溶 媒を溶出溶媒とするカラムクロマトグラフィーで分離精製すると、溶出順に、 10. lmg (13%)の化合物 8と 7. 3mg (11%)の化合物 9を得た。
[0089] 化合物 8: 'H-NMR (CDC1 ) δ: 1.83-2.01 (2Η, m), 1.97 (3H, s), 3.24-3.41 (2H, m),
3
3.46-3.56 (2H, m), 3.74 (1H, t, J=9.4 Hz), 3.82 (3H, s), 4.03 (1H, br s), 5.60 (1H, br s).
化合物 9: 'H-NMR (CDCl ) δ: 1.58 (1H, br s), 1.82-1.95 (2H, m), 1.96 (3H, s),
3
3.25-3.35 (2H, m), 3.38—3.47 (2H, m), 3.69 (1H, t, J=8.9 Hz), 3.81 (3H, s), 5.64 (1H, br s), 6.53 (1H, s).
[実施例 12]
N—ァセチルー 2, 3—ジヒドロー 4, 6, 7—トリクロ口— 5—メトキシトリプタミン(8)から 4, 6, 7 トリクロロメラトニン(10)の合成
[化 15]
[0090] 10. lmg (0. O3mmol)の N—ァセチルー 2, 3—ジヒドロー 4, 6, 7—トリクロ口一 5—メト キシトリプタミン(8)を 2. OmLのクロ口ホルムに溶解した溶液に、 41. Omg (0. 47m mol)の活性二酸ィ匕マンガンを加え、室温下 24時間撹拌した。溶媒を留去後、得ら れた残渣を、シリカゲルを担体とし、クロ口ホルム メタノール(97 : 3, vZv)を溶出溶 媒とするカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、 9. 5mg (95%)の目的物を得た。 酢酸ェチルエステル力ゝら再結晶して、無色の針状晶を得た。
[0091] mp 199-201°C.
IR (KBr): 3273, 1624 cm"1.
JH-NMR (CDCl ) δ: 1.96 (3H, s), 3.18 (2H, t, J=6.8 Hz), 3.60 (2H, q, J=6.8 Hz,重
水添カ卩により t, J=6.8 Hzに変化), 5.57 (1H, br s,重水添加により消失), 7.13 (1H, br d, J=2.4 Hz,重水添加により sに変化), 8.35 (1H, br s,重水添カ卩により消失). 高分解能質量分析(FAB+) m/z: Calcd for C H CI N O (MH+): 335.0121 ,
13 14 3 2 2
337.0091 , 339.0062, 341.0032. Found: 335.0112, 337.0098, 335.0092, 341.0058.
[実施例 13]
N—ァセチルー 4, 6—ジクロ口— 2, 3—ジヒドロ— 5—メトキシトリプタミン(9)から 4, 6—ジ クロロメラトニン(11)の合成
[化 16]
[0092] 7. 3mg (0. 024mmol)の N—ァセチルー 4, 6—ジクロ口一 2, 3—ジヒドロ一 5—メトキシ 卜リプタミン(9)を 2. Om のク口口ホノレム【こ溶解した溶液【こ、 15. Omg (0. 17mmol) の活性二酸ィ匕マンガンを加え、室温下 24時間撹拌した。溶媒を留去後、得られた残 渣をシリカゲルを担体とし、クロ口ホルム メタノール(97 : 3, vZv)を溶出溶媒とする カラムクロマトグラフィーで精製して、 6. 2mg (85%)の目的物を得た。
[0093] 性状:無色油状物質。
[0094] IR (film): 3278, 1653 cm"1.
1H-NMR (CDC1 ) δ: 1.96 (3Η, s), 3.18 (2H, t, J=6.7 Hz), 3.60 (2H, q, J=6.7 Hz,重
3
水添カ卩により t, J=6.7 Hzに変化), 5.58 (1H, br s,重水添加により消失), 7.05 (1H, br d, J=2.0 Hz,重水添加により sに変化), 7.28 (1H, s), 8.17 (1H, br s,重水添加によ り消失).
高分解能質量分析(FAB+) m/z: Calcd for C H 35C1 N O (MH): 301.0511 ,
13 15 2 2 2
303.0451 , 305.0452. Found: 301.0520, 303.0478, 305.0444.
[実施例 14]
4, 6—ジクロロメラトニン(11)から 2—ブロモー 4, 6—ジクロロメラトニン(12)の合成
[化 17]
11 12
[0095] 6. 2mg (0. 021mmol)の 4, 6—ジクロロメラト-ン(11)を 1. OmLのクロ口ホルム一 ジェチルエーテル(1 : 1 , vZv)混合溶媒に溶解した溶液に、 5. 9mg (0. 018mmol )のブロミドー過臭化ピリジ-ゥムをカ卩え、室温下 36時間撹拌した。反応液にクロロホ ルムを加え、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し た。得られた残渣をシリカゲルを担体とし、クロ口ホルム メタノール(97 : 3, vZv)を 展開溶媒とする薄層クロマトグラフィーを行い、 Rf値 0. 36-0. 28のバンドをクロロホ ルムーメタノール(95: 5, v/v)で抽出し、 2. Omg (26%)の目的物を得た。酢酸ェ チルエステル力 再結晶して、無色プリズム晶を得た。
[0096] mp 227-229°C (分解)。
[0097] IR (KBr): 3361 , 1653 cm"1.
JH-NMR (CDC1 ) δ: 1.93 (3H, s), 3.15 (2H, t, J=6.6 Hz), 3.58 (2H, q, J=6.6 Hz,重
3
水添カ卩により t, J=6.6 Hzに変化), 5.55 (1H, br s,重水添加により消失), 7.25 (1H, s), 8.28 (1H, br s,重水添カ卩により消失).
高分解能質量分析 m/z: Calcd for C H BrCl N O (MH): 378.9615, 380.9586,
13 14 2 2 2
380.9595, 382.9557, 382.9566, 384.9536. Found: 378.9614, 380.9565, 380.9565, 382.9547, 382.9547, 384.9557.
[実施例 15]インドール誘導体の骨細胞に対する影響試験
N. Suzuki, and A. Hattori, J. Pineal Res., 33, 253-258 (2002)に記載の方法に従つ て、インドール誘導体の骨細胞に対する影響にっ 、て試験した。
[0098] キンギヨのメス(体重 30g前後)を MS222 (3—ァミノ安息香酸ェチルエステルメタン スルホン酸 、ethyl 3-aminobenzoate, methane sulfonic acid salt) XAldrich)で脉酔し 、ゥロコを所要枚数剥離した。そのゥロコを 1 %の抗生物質 (ペニシリン ストレプトマイ シン混合物)を含むイーグルスの最少培地 (大日本製薬)で 2度洗浄した。同様の培
地を 24穴のプレートにそれぞれ lmlずつ入れ、前記ゥロコを複数枚ずつ(通常 8枚) それぞれ入れるとともに、各穴に 10— 4、 10— 6、 10— 8Mのインドール誘導体をそれぞれ 添加した。次いで、これらを 15°Cで 6時間培養した。なお、インドール誘導体無添カロ の群 (コントロール)も作成し、骨細胞に対する作用を比較した。この時、破骨細胞用 と骨芽細胞用の 2群を設けた。即ち、コントロール、 10— 4、 10—6、 10— 8Mのインドール 誘導体 (それぞれ 2穴)の合計 8穴作成した。したがって、 24穴のプレートでは 3種類 のインドール誘導体を調べることができる。
[0099] 培養後、培地を取り除き、 10%ホルマリンの入った 0. 05M力コジル酸緩衝液(pH 7. 4)を加え、固定した。このゥロコは、酵素活性の測定まで、 0. 05M力コジル酸緩 衝液中に 4°Cで保管した。
[0100] 本試験に供した 2—プロモメラトニン (式 (I)にお 、て Xが臭素原子、 R1が水素原子、 R2がメチル基、 R3、 R5及び R6が水素原子、 R4力メチル基である化合物)は公知化合 物であり、 M. Somei, Y. Fukui, M. Hasegawa, N. Oshikiri, and T. Hayashi,
Heterocycles, 53, 1725-1736 (2000)記載の方法により合成した。
[0101] (1)破骨細胞の受ける影響:酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ (TRAP)の活性測定 前記固定処理を施したゥロコを取り出し、ゥロコの重量を測定した。測定後、ゥロコを 96穴のマイクロプレートに入れ、それぞれの穴に 20mM酒石酸及び 10mMパラ-ト 口フエノールリン酸(基質)の入った lOOmM酢酸緩衝液を 200 μ 1加え、 25°Cで 1時 間反応させ、次いで 2N水酸ィ匕ナトリウム水溶液(50 1)をカ卩えて反応を止めた。そ の後、反応終了液 150 μ 1を別のマイクロプレートに移し、 TRAPにより生じたパラ-ト 口フ ノール (PNP)の量を分光光度計 (405nm)により測定した。破骨細胞の活性 は、ゥロコ lmg当り、 1時間にパラ-トロフエノールリン酸を分解し、 pNPを産生させた 量として表示した。
[0102] 結果を図 1A、図 IB及び表 1に示す。
[表 1]
T R A P活性
* ρ < 0 . 0 5
** ρ < 0 . 0 1
*** ρ < 0 . 0 0 1
[0103] (2)骨芽細胞の受ける影響:アルカリホスファターゼ (ALP)活性測定
前記固定処理を施したゥロコを取り出し、ゥロコの重量を測定した。測定後、ゥロコを 96穴のマイクロプレートに入れ、それぞれの穴に 10mMパラ-トロフエノールリン酸( 基質)、 ImM塩化マグネシウム及び 0. ImM塩化亜鉛の入った lOOmMトリスー塩酸 緩衝液 (PH9. 5)を 200 1カ卩えて 25°Cで 1時間反応させ、 2N水酸化ナトリウム水溶 液(50 1)をカ卩えて反応を止めた。その後、反応終了液 150 1を別のマイクロプレ ートに移し、 ALPにより生じた pNPの量を分光光度計 (405nm)により測定し、活性 を求めた。
[0104] 結果を図 2A、図 2B及び表 2A—表 2Gに示す。
[表 2A]
A L P活性
濃度 ' ラ二,トロフエノ一ル産牛量 ィンドール誘導体
(M) (nmol/m ゥ口:コ /時間)
1 0— 8 5. 4 5 ± 0. 2 7 * メラトニン 1 0 5. 42丄 0. 2 5*
1 0 -4 5. 1 9 ± 0. 3 6 ** ン卜 —ル (無添加) Θ . 1 7 ± 0. 34
* p < 0. 0 5
p < 0. 0 1
[表 2B]
AL P活性
** ρ < 0. 0 1
[表 2D]
AL Ρ活性
ρ < 0. 0
[表 2Ε]
パラ /レ産生量
ィンドール誘導体 濃度 二トロフエノ一
( ) (nmol/mgゥココ," '時間)
, 10 - a 7. 07±0. 75
2 4, 5-卜リブロモ -1-プ σバルギ
10"6 8. 66±0. 47*
レメラ ト ン
1 ϋ_4 7. 55 ± 0. 76
コン ト 一ル (無添加) 6. 00 ± 0. 1 3
p < 0. 05
[表 2F]
AL P活性
Ρ< 0.
ρ < 0.
[表 2G]
AL Ρ活性
*Φ ρ < 0. 0 図 1Α、図 IB及び表 1、並びに図 2A、図 2B及び表 2A—表 2Gから、メラトニンが破 骨細胞及び骨芽細胞の両者に対して抑制的に作用するのに対し、本発明のインドー ル誘導体は破骨細胞を抑制し、骨芽細胞を活性ィ匕する作用を有することがわかる。 また、本発明のインドール誘導体の破骨細胞抑制作用は、高濃度(10— 4M)の方が 強ぐ骨芽細胞活性化作用は低濃度(10— 8M)の方が強い傾向を示した。この結果 から、本発明のインドール誘導体は低濃度でも効果を発揮し、優れた骨粗鬆症治療 薬となりうることが示された。
本明細書中で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本 明細書中にとり入れるものとする。
産業上の利用可能性
本発明は骨粗鬆症治療薬、骨芽細胞活性化剤及び破骨細胞抑制剤等の医薬の 分野で利用される。