JP5070050B2 - トリプトファン誘導体及びその用途 - Google Patents

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Description

本発明は、トリプトファン誘導体及びその用途、特に骨粗鬆症治療薬、骨芽細胞活性化剤に関する。
骨粗鬆症は骨の形成を担う骨芽細胞と骨の吸収を司る破骨細胞の働きのバランスが崩れて発症する。骨芽細胞を活性化させる化合物及び破骨細胞を抑制する化合物は骨組鬆症の治療に有効であると考えられる。エストロゲンは、骨芽細胞を活性化させ、破骨細胞を抑制すると考えられ骨組鬆症の治療に用いられているが、骨以外の細胞、特に生殖器官に対する作用を併せもつため、子宮癌、乳癌の危険性が増加する等の副作用が懸念されており、また、厚生労働省は、2004年1月29日付で、エストロゲンを長期間服用すると、乳癌や痴呆症の発症を高める可能性があるとして、注意を呼びかける安全性情報を発している。更に、エストロゲンは、分子構造が複雑であるため、合成は煩雑かつ困難である。
インドール骨格を有するメラトニン(N−アセチル−5−メトキシトリプタミン)は骨芽細胞及び破骨細胞の両者に対して抑制的に作用することが報告されている(非特許文献1)が、トリプトファン誘導体と骨芽細胞及び破骨細胞に対する作用との関係については何ら報告されていない。
N. Suzuki, and A. Hattori, J. Pineal Res., 33, 253-258 (2002)
本発明は、医薬として有用なトリプトファン誘導体、特に骨芽細胞を活性化させるトリプトファン誘導体及びこれを用いた骨粗鬆症治療薬、骨芽細胞活性化剤を提供することを目的とする。
本発明は、以下の発明を包含する。
(1)次式(I):
Figure 0005070050
(式中、Xはハロゲン原子を表し;Rは水素原子、置換又は非置換のC1−6−アルキル基、置換又は非置換のC2−6−アルケニル基、置換又は非置換のC2−6−アルキニル基、置換又は非置換の芳香族基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換のアシル基、置換又は非置換のアリールスルホニル基、置換又は非置換のC1−6−アルキルスルホニル基、置換又は非置換のC2−7−アルコキシカルボニル基、又は水酸基を表し;Rは置換又は非置換のC1−21−アルキル基を表し;R、R及びRは、同一又は異なり、水素原子又はハロゲン原子を表し;Rは水素原子、又は置換又は非置換のC1−6−アルキル基を表し;Rは水素原子、又は、置換又は非置換のC1−21−炭化水素基を表す。)
で示される化合物又はその塩。
(2)前記(1)に記載の式(I)において、Xが臭素原子、Rが水素原子、置換又は非置換のC1−6−アルキル基、置換又は非置換のC2−6−アルケニル基、置換又は非置換のC2−6−アルキニル基、置換又は非置換の芳香族基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換のアシル基、置換又は非置換のアリールスルホニル基、置換又は非置換のC1−6−アルキルスルホニル基、又は置換又は非置換のC2−7−アルコキシカルボニル基、Rがメチル基、R、R及びRが、同一又は異なり、水素原子又は臭素原子、Rがメチル基、RがC1−6−アルキル基である化合物又はその塩。
(3)前記(1)又は(2)に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
(4)前記(1)又は(2)に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する骨粗鬆症治療薬。
(5)前記(1)又は(2)に記載の化合物又はその塩を含有する骨芽細胞活性化剤。
本発明によれば、骨芽細胞を活性化させるトリプトファン誘導体及びこれを用いた骨粗鬆症治療薬、骨芽細胞活性化剤を提供することができる。また、本発明のトリプトファン誘導体は、エストロゲンよりも容易に合成でき、大量生産が可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、C1−6−アルキル基、及び各置換基中の「C1−6−アルキル基」としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
1−21−アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
前記式(I)においてRで表されるC1−21−アルキル基としては、C1−6−アルキル基が好ましく、メチル基が更に好ましい。
2−6−アルケニル基としては、例えばビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基が挙げられる。
2−6−アルキニル基としては、例えばエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル(プロパルギル)基、3−ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基が挙げられる。
芳香族基としては、例えばフェニル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基;フリル基、チエニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、キノリル基、イソキノリル基等の芳香族複素環基が挙げられる。
アラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基が挙げられる。
1−21−炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基等の直鎖状又は分岐状のC1−21−アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のC3−21−シクロアルキル基;ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オレイル基等のC2−21−アルケニル基;エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル(プロパルギル)基、3−ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等のC2−21−アルキニル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;アダマンチル基等の橋かけ環炭化水素基;スピロ環炭化水素基;縮合環炭化水素基が挙げられる。
アシル基としては、例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基(プロパノイル基)、ブチリル基(ブタノイル基)、バレリル基(ペンタノイル基)、ヘキサノイル基等のC1−6−脂肪族アシル基;ベンゾイル基、トルオイル基等の芳香族アシル基(アロイル基)が挙げられる。
アリールスルホニル基としては、例えばフェニルスルホニル基(ベンゼンスルホニル基)、p−トルエンスルホニル(トシル)基、ナフタレンスルホニル基等の芳香族炭化水素−スルホニル基;フランスルホニル基、チオフェンスルホニル基、ピロールスルホニル基、オキサゾールスルホニル基、イソオキサゾールスルホニル基、チアゾールスルホニル基、イソチアゾールスルホニル基、イミダゾールスルホニル基、ピラゾールスルホニル基、ピリジンスルホニル基、ピリミジンスルホニル基、ピリダジンスルホニル基、ピラジンスルホニル基、キノリンスルホニル基、イソキノリンスルホニル基等の芳香族複素環−スルホニル基が挙げられる。
1−6−アルキルスルホニル基としては、例えばメタンスルホニル(メシル)基、エタンスルホニル基が挙げられる。
2−7−アルコキシカルボニル基とは、C1−6−アルコキシ基で置換されたカルボニル基をいい、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
前記式(I)においてR、R又はRで表されるC1−6−アルキル基及びC1−21−アルキル基、Rで表されるC2−6−アルケニル基、C2−6−アルキニル基、C1−6−アルキルスルホニル基及びC2−7−アルコキシカルボニル基並びにRで表されるC1−21−炭化水素基は、芳香族基、アシル基、水酸基、カルボキシ基、ハロゲン原子、C1−6−アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基)等から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよい。
前記式(I)においてRで表される芳香族基、アラルキル基、アシル基及びアリールスルホニル基は、C1−6−アルキル基、C2−6−アルケニル基、C2−6−アルキニル基、芳香族基、アシル基、水酸基、カルボキシ基、ハロゲン原子、C1−6−アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基)等から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよい。
前記式(I)で示される化合物の塩としては、薬学的に許容される塩が好ましく、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、ピロ硫酸、メタリン酸等の無機酸、又はクエン酸、安息香酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、スルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸)等の有機酸との塩が挙げられる。また、フェノール性水酸基又はカルボキシル基を有する場合には、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩として用いることもできる。
前記式(I)で示される化合物のうち、Rが水素原子である化合物は、例えば、前記式(I)においてXが水素原子である化合物(例えば、N−アセチル−5−メトキシトリプトファンメチルエステル)をハロゲン化することにより製造することができる。また、前記式(I)においてRが水酸基、Xが水素原子である化合物(例えば、N−アセチル−1−ヒドロキシ−5−メトキシトリプトファンメチルエステル)をハロゲン化することによっても、前記式(I)においてRが水酸基、Xがハロゲン原子である化合物を製造することができる。
前記式(I)で示される化合物のうち、Rが置換又は非置換のC1−6−アルキル基、置換又は非置換のC2−6−アルケニル基、置換又は非置換のC2−6−アルキニル基、置換又は非置換の芳香族基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換のアシル基、置換又は非置換のアリールスルホニル基、又は置換又は非置換のC1−6−アルキルスルホニル基である化合物は、例えば、前記のようにして得られた前記式(I)においてRが水素原子、Xがハロゲン原子である化合物を、N,N−ジメチルホルムアミド等の有機溶媒中、塩基触媒の存在下、式:R−X(式中、Rは置換又は非置換のC1−6−アルキル基、置換又は非置換のC2−6−アルケニル基、置換又は非置換のC2−6−アルキニル基、置換又は非置換の芳香族基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換のアシル基、置換又は非置換のアリールスルホニル基、又は置換又は非置換のC1−6−アルキルスルホニル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で示される化合物と反応させることにより製造することができる。
前記式(I)で示される化合物のうち、Rが置換又は非置換のC2−7−アルコキシカルボニル基である化合物は、例えば、前記式(I)においてRが水素原子、Xがハロゲン原子である化合物を、クロロホルム等の有機溶媒中、塩基触媒の存在下、式:(RO(式中、Rは置換又は非置換のC2−7−アルコキシカルボニル基を表す。)で示される化合物と反応させることにより製造することができる。
前記式(I)で示される化合物のうち、Rが水酸基である化合物は、例えば、前記式(I)においてR及びXが水素原子である化合物を、過酸化水素及びタングステン酸ナトリウムで処理した後、ハロゲン化することにより製造することができる。
前記式(I)で示される化合物のうち、Rが水素原子である化合物は、例えば、前記式(I)においてX及びRが水素原子である化合物(例えば、R、R、R、Rが水素原子である化合物)をハロゲン化(例えば、酢酸、クロロホルム等を溶媒として、臭素又はN−ブロモコハク酸イミド等の臭素化剤で処理)することにより製造することができる。
前記式(I)で示される化合物は、塩基触媒の存在下、加水分解して、アシル基(−CO−R)を脱離させた後、酸無水物(R′CO−O−COR′)等で処理し、別のアシル基を導入することにより、アシル基を変換することができる。この際、中間体である脱アシル化体は、一般に空気中で酸化されやすいため、精製することなく、次のアシル化工程に用いることが好ましい。
前記式(I)で示される化合物のうち、Rが水素原子である化合物は、例えば、Rがメチル基である化合物を、水酸化ナトリウム水溶液と加熱して加水分解することにより製造することができる。
前記のようにして得られる生成物を精製するには、通常用いられる手法、例えばシリカゲル等を担体として用いたカラムクロマトグラフィーやメタノール、エタノール、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、水等を用いた再結晶法によればよい。カラムクロマトグラフィーの溶出溶媒としては、メタノール、エタノール、クロロホルム、アセトン、ヘキサン、ジクロロメタン、酢酸エチル、及びこれらの混合溶媒等が挙げられる。
前記式(I)で示される化合物及びその塩(以下「トリプトファン誘導体(I)」という。)は、骨芽細胞を活性化させる作用を有し、骨に関する種々の疾患、例えば骨粗鬆症の予防又は治療のための医薬組成物として、また、骨芽細胞活性化剤として、各種分野、例えば再生医療、歯科分野、魚類の生育、家畜の健康な生育による食肉生産、卵生産に有用である。また、ラジカルスキャベンジャー作用を有し、不眠症、生活習慣病の予防又は治療のための医薬組成物としても有用である。更に、本発明のトリプトファン誘導体は、前記以外の医薬として、例えば、血管拡張剤、降圧剤、アミノ酸補給剤、抗がん剤、血小板凝集抑制剤などとしての可能性も期待できる。
本発明のトリプトファン誘導体を有効成分とする骨粗鬆症治療薬は、他の骨粗鬆症治療薬、例えばカルシウム製剤、ビタミンD系製剤、ホルモン系製剤、カルシトニン系製剤、ビスフォスホネート製剤、イプリフラボン製剤などと併用することができる。この場合には、必要に応じて、後述の投与量を適宜増減することができる。
以下、トリプトファン誘導体(I)の投与量及び製剤化について説明する。
トリプトファン誘導体(I)はそのまま、あるいは慣用の製剤担体と共に動物及びヒトに投与することができる。投与形態としては、特に限定がなく、必要に応じ適宜選択して使用され、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、徐放性製剤、懸濁液、エマルジョン剤、シロップ剤、エリキシル剤等の経口剤、注射剤、坐剤、塗布剤、貼付剤等の非経口剤が挙げられる。
経口剤は、例えばデンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等を用いて常法に従って製造される。
この種の製剤には、適宜前記賦形剤の他に、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料等を使用することができる。
結合剤としては、例えばデンプン、デキストリン、アラビアゴム末、ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴールが挙げられる。
崩壊剤としては、例えばデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。
界面活性剤としては、例えばラウリル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート80が挙げられる。
滑沢剤としては、例えばタルク、ロウ類、水素添加植物油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ポリエチレングリコールが挙げられる。
流動性促進剤としては、例えば軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムが挙げられる。
注射剤は常法に従って製造され、希釈剤として一般に注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、オリーブ油、ゴマ油、ラッカセイ油、ダイズ油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等を用いることができる。更に必要に応じて、殺菌剤、防腐剤、安定剤を加えてもよい。また、注射剤は安定性の点から、バイアル等に充填後冷凍し、通常の凍結乾燥技術により水分を除去し、使用直前に凍結乾燥物から液剤を再調製することもできる。更に、必要に応じて適宜、等張化剤、安定剤、防腐剤、無痛化剤等を加えてもよい。
その他の非経口剤としては、外用液剤、軟膏等の塗布剤、貼付剤、直腸内投与のための坐剤等が挙げられ、常法に従って製造される。
本発明の製剤は、剤形、投与経路等により異なるが、1日1〜数回から1〜数回/週〜月の投与が可能である。
経口剤として所期の効果を発揮するためには、患者の年令、体重、疾患の程度により異なるが、通常成人でトリプトファン誘導体(I)の重量として1〜200mgを、1日数回に分けての服用が適当である。
非経口剤として所期の効果を発揮するためには、患者の年令、体重、疾患の程度により異なるが、通常成人でトリプトファン誘導体(I)の重量として1日1〜50mgの静注、点滴静注、皮下注射、筋肉注射が適当である。
本明細書は、本願の優先権の基礎である特願2005−209753の明細書に記載された内容を包含する。
以下、実施例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
(S)−(+)−N−アセチル−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(1)から(S)−(+)−N−アセチル−2,6−ジブロモ−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(2),(S)−(+)−N−アセチル−2,4,7−トリブロモ−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(3),(S)−(+)−N−アセチル−2,4,6−トリブロモ−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(4)の合成
Figure 0005070050
56.6mg(0.20mmol)の(S)−(+)−N−アセチル−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(1)(M. Somei and Y. Fukui, Heterocycles, 36, 1859 (1993) に記載の方法に従い合成した。高価ではあるが、市販品もある。)を4.5mLの酢酸に溶解した溶液に、別途に458.0mgの臭素及び41.8mgの酢酸ナトリウムを5.0mLの酢酸に溶解して調製した臭素溶液を1.0mL(0.59mmol)加え、室温下30分間撹拌した。反応液に1.0mLの10%ハイポ水溶液を加えて、クロロホルム−メタノール(95:5,v/v)混合溶媒を加えた後、40%水酸化ナトリウム水溶液を加えて全体をアルカリ性にした。次いで、クロロホルム−メタノール(95:5,v/v)混合溶媒で抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去して黄色固形物を得た。シリカゲルを担体とし、クロロホルム−メタノール(99.5:0.5,v/v)混合溶媒を溶出溶媒とするカラムクロマトグラフィーを行い、溶出順に28.4mgの分離困難な(S)−(+)−N−アセチル−2,6−ジブロモ−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(2)及び(S)−(+)−N−アセチル−2,4,7−トリブロモ−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(3)の混合物、次いで53.7mg(52%)の(S)−(+)−N−アセチル−2,4,6−トリブロモ−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(4)を得た。
[化合物(4)]
mp 198-199 ℃ (無色粒状晶、酢酸エチルエステルから再結晶).
IR (KBr): 3307, 1730, 1647, 1556, 1300, 1232, 1028 cm-1.
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.88 (3H, s), 3.29 (1H, dd, J=9.8, 14.6 Hz), 3.58 (1H, dd, J=5.2, 14.6 Hz), 3.77 (3H, s), 3.88 (3H, s), 5.01 (1H, ddd, J=5.2, 8.6, 9.8 Hz, D2O添加によりdd, J=5.2, 9.8 Hzに変化), 6.17 (1H, br d, J=8.6 Hz, D2O添加により消失), 7.37 (1H, s), 8.70 (1H, br s, D2O添加により消失).
質量分析 m/z: 530 (M+), 528 (M+), 526 (M+), 524 (M+).
Anal. Calcd for: C15H15Br3N2O4: C, 34.19; H, 2.87; N, 5.32. Found: C, 34.24; H, 2.89; N, 5.18.
旋光度[α]D 26 +14.8°(DMSO, c=0.200). [α]D 27 +1.47°(MeOH, c=0.204).
[α]D 28 +4.4°(CHCl3, c=0.203).
[実施例2]
(S)−(+)−N−アセチル−2,4,6−トリブロモ−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(4)から(S)−(+)−N−アセチル−2,4,6−トリブロモ−1−t−ブトキシカルボニル−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(5)の合成
Figure 0005070050
49.3mg(0.09mmol)の(S)−(+)−N−アセチル−2,4,6−トリブロモ−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(4)をクロロホルム10.0mLに溶解した溶液に、3.4mg(0.03mmol)のジメチルアミノピリジン及び30.6mg(0.14mmol)のジt−ブチルジカルボナートを1.0mLのクロロホルムに溶かした溶液を加えて室温下30分間攪拌した。反応液を減圧下に留去し、黄色油状物を得た。シリカゲルを担体とし、クロロホルム−メタノール(99:1,v/v)混合溶媒を溶出溶媒とするカラムクロマトグラフィーで精製すると57.5mg(98%)の収率で目的物(5)が得られた。
mp 126-128 ℃(無色針状晶、クロロホルム−ヘキサンから再結晶).
IR (KBr): 3435, 1759, 1732, 1651, 1396, 1275, 1159, 1111cm-1.
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.69 (9H, s), 1.89 (3H, s), 3.38 (1H, dd, J=10.1, 14.3 Hz), 3.65 (1H, dd, J=5.2, 14.3 Hz), 3.75 (3H, s), 3.90 (3H, s), 5.07 (1H, ddd, J=5.2, 8.5, 10.1 Hz, D2O添加によりdd, J=5.2, 10.1 Hz,に変化), 6.14 (1H, br d, J=8.5 Hz, D2O添加により消失), 8.39 (1H, s).
質量分析 m/z: 630 (M+), 628 (M+), 626 (M+), 624 (M+).
Anal. Calcd for: C20H23Br3N2O6: C, 38.30; H, 3.70; N, 4.47. Found: C, 38.18; H, 3.74; N, 4.45.
旋光度[α]D 24 +3.3°(CHCl3, c=0.200).
[実施例3]
(S)−(+)−N−アセチル−2,4,6−トリブロモ−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(4)から(S)−(+)−N−アセチル−1−アリル−2,4,6−トリブロモ−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(6)の合成
Figure 0005070050
39.8mg(0.08mmol)の(S)−(+)−N−アセチル−2,4,6−トリブロモ−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(4)を2.5mLのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解した溶液に、36.5mg(0.26mmol)の炭酸カリウムを加え、次いで0.13mL(d=1.398,1.51mmol)のアリルブロミドを加えて、室温下30分間撹拌した。反応液に水を加えて、酢酸エチルエステル抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去して黄色油状物を得た。シリカゲルを担体とし、クロロホルムを溶出溶媒とするカラムクロマトグラフィーで精製すると42.4mg(99%)の収率で目的物(6)が得られた。
mp 191-192 ℃ (無色針状晶、酢酸エチルエステルから再結晶).
IR (KBr): 3303, 1732, 1645, 1547, 1228, 1016 cm-1.
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.86 (3H, s), 3.34 (1H, dd, J=9.8, 14.7 Hz), 3.62 (1H, dd, J=5.4, 14.7 Hz), 3.74 (3H, s), 3.89 (3H, s), 4.75 (2H, m), 4.83 (1H, d, J=17.1 Hz), 5.01 (1H, ddd, J=5.4, 8.7, 9.8 Hz, D2O添加によりdd, J=5.4, 9.8 Hz,に変化), 5.19 (1H, d, J=10.3 Hz), 5.86 (1H, tdd, J=4.8, 10.3, 17.1 Hz), 6.12 (1H, br d, J=8.7 Hz, D2O添加により消失), 7.41 (1H, s).
質量分析 m/z: 570 (M+) , 568 (M+), 566 (M+), 564 (M+).
Anal. Calcd for: C18H19Br3N2O4: C, 38.12; H, 3.38; N, 4.94. Found: C, 37.97; H, 3.43; N, 4.86.
旋光度[α]D 26 +13.8°(CHCl3, c=0.203).
[実施例4]
(S)−(+)−N−アセチル−2,4,6−トリブロモ−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(4)から(S)−(+)−N−アセチル−2,4,6−トリブロモ−5−メトキシ−1−プロパルギルトリプトファンメチルエステル(7)の合成
Figure 0005070050
23.6mg(0.04mmol)の(S)−(+)−N−アセチル−2,4,6−トリブロモ−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(4)を2.0mLのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解した溶液に、21.6mg(0.16mmol)の炭酸カリウムを加え、次いで0.08mL(d=1.335,0.9mmol)のプロパルギルブロミドを加えて、室温下30分間撹拌した。反応液に水を加えて、酢酸エチルエステル抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去してピンク色油状物を得た。シリカゲルを担体とし、クロロホルムを溶出溶媒とするカラムクロマトグラフィーで精製すると23.9mg(94%)の収率で目的物(7)が得られた。
mp 284-285 ℃ (分解点、封管測定、無色針状晶、クロロホルム−メタノールから再結晶).
IR (KBr): 3284, 3224, 2114, 1724, 1647, 1552, 1230, 1016 cm-1.
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.82 (3H, s), 3.28 (1H, dd, J=7.1, 14.9 Hz), 3.33 (1H, dd, J=8.7, 14.9 Hz), 3.33 (1H, t, J=2.4 Hz), 3.48 (3H, s), 3.80 (3H, s), 4.47 (1H, ddd, J=7.1, 7.1, 8.7 Hz, D2O添加によりdd, J=7.1, 8.7 Hzに変化), 5.13 (2H, dt, J=2.4, 4.2 Hz), 8.02 (1H, s), 8.44 (1H, br d, J=7.1 Hz, D2O添加により消失).
質量分析 m/z: 568 (M+), 566 (M+), 564 (M+), 562 (M+).
Anal. Calcd for: C18H17Br3N2O4: C, 38.26; H, 3.03; N, 4.96. Found: C, 38.11; H, 3.12; N, 4.83.
旋光度[α]D 24 +7.7°(DMSO, c=0.202).
[実施例5]
(S)−(+)−N−アセチル−2,4,6−トリブロモ−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(4)から(S)−(+)−N−アセチル−1−ベンジル−2,4,6−トリブロモ−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(8)の合成
Figure 0005070050
19.6mg(0.04mmol)の(S)−(+)−N−アセチル−2,4,6−トリブロモ−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(4)を1.5mLのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解した溶液に、18.0mg(0.13mmol)の炭酸カリウムを加え、次いで0.09mL(d=1.44,0.7mmol)のベンジルブロミドを加えて、室温下30分間撹拌した。反応液に水を加えて、酢酸エチルエステル−メタノール(95:5,v/v)混合溶媒で抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去して黄色油状物を得た。シリカゲルを担体とし、クロロホルム−メタノール(99:1,v/v)混合溶媒を展開溶媒とする薄層クロマトグラフィーを行い、Rf値0.18〜0.29の帯をクロロホルム−メタノール(95:5,v/v)混合溶媒で抽出すると、22.0mg(96%)の収率で目的物(8)が得られた。
mp 226-227 ℃ (無色針状晶、メタノールから再結晶).
IR (KBr): 3298, 1732, 1643, 1550, 1414, 1230, 1018 cm-1.
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.80 (3H, s), 3.28 (1H, dd, J=7.1, 14.4 Hz), 3.40 (1H, dd, J=8.5, 14.7 Hz, D2O添加により現れた。), 3.47 (3H, s), 3.79 (3H, s), 4.55 (1H, ddd, J=7.1, 7.1, 8.5 Hz, D2O添加によりdd, J=7.1, 8.5 Hzに変化), 5.53 (2H, s), 6.96 (2H, d, J=7.1 Hz), 7.25 (1H, t, J=7.1 Hz), 7.31 (2H, t, J=7.1 Hz), 7.90 (1H, s) 8.45 (1H, d, J=7.1 Hz, D2O添加により消失).
質量分析 m/z: 620 (M+), 618 (M+), 616 (M+), 614 (M+).
Anal. Calcd for: C22H21Br3N2O4: C, 42.82; H, 3.43; N, 4.54. Found: C, 42.69; H, 3.47; N, 4.56.
旋光度[α]D 24 +8.3°(CHCl3, c=0.204).
[実施例6]
(S)−(+)−N−アセチル−2,6−ジブロモ−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(2),(S)−(+)−N−アセチル−2,4,7−トリブロモ−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(3)の混合物から(S)−(+)−N−アセチル−2,6−ジブロモ−1−t−ブトキシカルボニル−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(9)の合成と化合物(3)の分離
Figure 0005070050
93.3mgの分離困難な化合物(2),(3)(NMRから1:2の存在比)の混合物を10.0mLのクロロホルムに溶解した溶液に、9.6mg(0.08mmol,混合物の全てがトリブロモ体と考えて0.5当量)のジメチルアミノピリジン及び68.9mg(0.31mmol,混合物の全てがトリブロモ体と考えて2.0当量)のジt−ブチルジカルボナートを1.0mLのクロロホルムに溶かした溶液を加え、室温下10時間攪拌した。反応液を減圧下に留去して黄色油状物を得た。シリカゲルを担体とし、クロロホルム−メタノール(99:1,v/v)混合溶媒を溶出溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い、溶出順に39.0mgの化合物(9)及び62.0mgの化合物(3)を得た。
[化合物(3)]
mp 218-220 ℃ (無色プリズム晶、クロロホルム−ヘキサンから再結晶).
IR (KBr): 3435, 3303, 1728, 1653, 1552 cm-1.
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.87 (3H, s), 3.31 (1H, dd, J=10.0, 14.6 Hz), 3.58 (1H, dd, J=5.1, 14.6 Hz), 3.75 (3H, s), 3.91 (3H, s), 5.00 (1H, ddd, J=5.1, 8.5, 10.0 Hz, D2O添加によりdd, J=5.1, 10.0 Hzに変化), 6.12 (1H, br d, J=8.5 Hz, D2O添加により消失), 7.05 (1H, s), 8.31 (1H, br s, D2O添加により消失).
質量分析m/z: 530 (M+), 528 (M+), 526 (M+), 524 (M+).
Anal. Calcd for: C15H15Br3N2O4: C, 34.19; H, 2.87; N, 5.32. Found: C, 34.00; H, 2.91; N, 5.22.
旋光度[α]D 24 +5.1°(CHCl3, c=0.207).
[化合物(9)]
無色オイル.
IR (film): 3286, 2981, 1743, 1735, 1654 cm-1.
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.70 (9H, s), 1.99 (3H, s), 3.21 (1H, dd, J=7.6, 15.0 Hz), 3.24 (1H, dd, J=5.7, 15.0 Hz), 3.69 (3H, s), 3.97 (3H, s), 4.85 (1H, dt, J=5.7, 7.6 Hz, D2O添加によりdd, J=5.7, 7.6 Hzに変化), 6.15 (1H, br d, J=7.6 Hz, D2O添加により消失), 7.17 (1H, s), 8.32 (1H, s).
高分解能質量分析m/z: Calcd for C20H24Br2N2O6: 549.9960 (M+), 547.9981 (M+), 546.0011 (M+). Found: 549.9932, 547.9963, 546.0003.
旋光度[α]D 24 +12.9°(CHCl3, c=0.210).
[実施例7]
(S)−(+)−N−アセチル−2,6−ジブロモ−1−t−ブトキシカルボニル−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(9)から(S)−(+)−N−アセチル−2,6−ジブロモ−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(2)の合成
Figure 0005070050
18.3mg(0.03mmol)の(S)−(+)−N−アセチル−2,6−ジブロモ−1−t−ブトキシカルボニル−5−メトキシトリプトファンメチルエステル(9)を3.2mLのクロロホルムに溶解した溶液に、10%溶液になるように0.8mLのトリフルオロ酢酸を氷冷下で加えた。更に室温下12時間攪拌した。反応液にクロロホルムを加え、有機相を飽和重曹水で洗浄した。更に飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去して無色油状物を得た。シリカゲルを担体とし、クロロホルム−メタノール(99:1,v/v)混合溶媒を溶出溶媒とするカラムクロマトグラフィーを行い、10.3mg(70%)の化合物(2)を得た。
mp 174-175 ℃ (無色プリズム晶、メタノール−水から再結晶).
IR (KBr): 3363, 1745, 1716, 1660, 1647 cm-1. IR (CHCl3): 1739, 1674 cm-1.
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.98 (3H, s), 3.21 (1H, dd, J=4.6, 14.0 Hz), 3.24 (1H, dd, J=4.6, 14.0 Hz), 3.70 (3H, s), 3.93 (3H, s), 4.90 (1H, dt, J=7.6, 4.6 Hz, D2O添加によりt, J=4.6 Hzに変化), 6.05 (1H, br d, J=7.6 Hz, D2O添加により消失), 7.07 (1H, s), 7.48 (1H, s), 8.01 (1H, br, D2O添加により消失).
質量分析 m/z: 450 (M+), 448 (M+), 446 (M+).
Anal. Calcd for: C15H16Br2N2O4 : C, 40.20; H, 3.60; N, 6.25. Found: C, 40.27; H, 3.71; N, 6.17.
旋光度[α]D 27 +12.0°(MeOH, c=0.217).
[実施例8]トリプトファン誘導体の骨細胞に対する影響試験
N. Suzuki, and A. Hattori, J. Pineal Res., 33, 253-258 (2002) に記載の方法に従って、トリプトファン誘導体の骨細胞に対する影響について試験した。
キンギョのメス(体重30g前後)をMS222(3−アミノ安息香酸エチルエステルメタンスルホン酸塩(ethyl 3-aminobenzoate, methane sulfonic acid salt))(Aldrich)で麻酔し、ウロコを所要枚数剥離した。そのウロコを1%の抗生物質(ペニシリン−ストレプトマイシン混合物)を含むイーグルスの最少培地(大日本製薬)で2度洗浄した。同様の培地を24穴のプレートにそれぞれ1mlずつ入れ、前記ウロコを複数枚ずつ(通常8枚)それぞれ入れるとともに、各穴に10−6Mのトリプトファン誘導体をそれぞれ添加した。次いで、これらを25℃で6時間培養した。なお、トリプトファン誘導体無添加の群(コントロール)も作成し、骨細胞に対する作用を比較した。この時、破骨細胞用と骨芽細胞用の2群を設けた。即ち、コントロール、10−6Mのトリプトファン誘導体(それぞれ2穴)の合計4穴作成した。したがって、24穴のプレートでは6種類のトリプトファン誘導体を調べることができる。
培養後、培地を取り除き、10%ホルマリンの入った0.05Mカコジル酸緩衝液(pH7.4)を加え、固定した。このウロコは、酵素活性の測定まで、0.05Mカコジル酸緩衝液中に4℃で保管した。
(1)破骨細胞の受ける影響:酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRAP)の活性測定
前記固定処理を施したウロコを取り出し、ウロコの重量を測定した。測定後、ウロコを96穴のマイクロプレートに入れ、それぞれの穴に20mM酒石酸及び10mMパラニトロフェノールリン酸(基質)の入った100mM酢酸緩衝液(pH5.3)を200μl加え、25℃で20分間反応させ、次いで3モル水酸化ナトリウム水溶液(50μl)を加えて反応を止めた。その後、反応終了液100μlを別のマイクロプレートに移し、TRAPにより生じたパラニトロフェノール(p−NP)の量を分光光度計(405nm)により測定した。破骨細胞の活性は、ウロコ1g当り、1分間にパラニトロフェノールリン酸を分解し、p−NPを産生させた量として表示した。
結果を表1に示す。
Figure 0005070050
(2)骨芽細胞の受ける影響:アルカリホスファターゼ(ALP)活性測定
前記固定処理を施したウロコを取り出し、ウロコの重量を測定した。測定後、ウロコを96穴のマイクロプレートに入れ、それぞれの穴に10mMパラニトロフェノールリン酸(基質)、1mM塩化マグネシウム及び0.1mM塩化亜鉛の入った100mMトリス−塩酸緩衝液(pH9.5)を200μl加えて25℃で15分間反応させ、3モル水酸化ナトリウム水溶液(50μl)を加えて反応を止めた。その後、反応終了液100μlを別のマイクロプレートに移し、ALPにより生じたp−NPの量を分光光度計(405nm)により測定し、活性を求めた。
結果を表2に示す。
Figure 0005070050
表1及び表2から、メラトニンが破骨細胞及び骨芽細胞の両者に対して抑制的に作用するのに対し、本発明のトリプトファン誘導体は骨芽細胞を活性化する作用を有することがわかる。この結果から、本発明のトリプトファン誘導体は優れた骨粗鬆症治療薬となりうることが示された。
本明細書中で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書中にとり入れるものとする。
本発明は骨粗鬆症治療薬、骨芽細胞活性化剤等の医薬の分野で利用される。

Claims (5)

  1. 次式(I):
    Figure 0005070050
    (式中、Xはハロゲン原子を表し;Rは水素原子、置換又は非置換のC1−6−アルキル基、置換又は非置換のC2−6−アルケニル基、置換又は非置換のC2−6−アルキニル基、置換又は非置換の芳香族基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換のアシル基、置換又は非置換のアリールスルホニル基、置換又は非置換のC1−6−アルキルスルホニル基、置換又は非置換のC2−7−アルコキシカルボニル基、又は水酸基を表し;Rは置換又は非置換のC1−21−アルキル基を表し;R、R及びRは、同一又は異なり、水素原子又はハロゲン原子を表し;Rは水素原子、又は置換又は非置換のC1−6−アルキル基を表し;Rは水素原子、又は、置換又は非置換のC1−21−炭化水素基を表す。但し、Xが臭素原子、R 、R 、R 、R 及びR が水素原子、R がトリフルオロメチル基、R が水素原子又はメチル基を表す化合物を除く。
    で示される化合物又はその塩。
  2. 請求項1記載の式(I)において、Xが臭素原子、Rが水素原子、置換又は非置換のC1−6−アルキル基、置換又は非置換のC2−6−アルケニル基、置換又は非置換のC2−6−アルキニル基、置換又は非置換の芳香族基、置換又は非置換のアラルキル基、置換又は非置換のアシル基、置換又は非置換のアリールスルホニル基、置換又は非置換のC1−6−アルキルスルホニル基、又は置換又は非置換のC2−7−アルコキシカルボニル基、Rがメチル基、R、R及びRが、同一又は異なり、水素原子又は臭素原子、Rがメチル基、RがC1−6−アルキル基である化合物又はその塩。
  3. 請求項1又は2記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
  4. 請求項1又は2記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する骨粗鬆症治療薬。
  5. 請求項1又は2記載の化合物又はその塩を含有する骨芽細胞活性化剤。
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