WO2005068006A1

WO2005068006A1 - 留置針

Info

Publication number: WO2005068006A1
Application number: PCT/JP2004/000268
Authority: WO
Inventors: Hiroshi Oshima
Original assignee: Kabushiki Kaisha Top
Priority date: 2004-01-16
Filing date: 2004-01-16
Publication date: 2005-07-28
Also published as: EP1704889A1; JPWO2005068006A1; EP1704889B1; DE602004026114D1; EP1704889A4; JP4250169B2

Abstract

本発明の留置針は誤って手指により内針に触れてしまうことを確実に防止する。この留置針は内針と内針ハブと外針と外針ハブとプロテクタとを備え、内針ハブの外側に外針ハブの後退を阻止するスリーブを設け、スリーブの外側にプロテクタを移動自在に設けて、スリーブとプロテクタとの間にプロテクタを前進端位置に係止可能な第１係止機構とプロテクタを後退端位置に係止可能な第２係止機構とを設けると共に、外針ハブに張出部を設けて張出部に挿通部を形成し、外針ハブとプロテクタとの間にプロテクタが挿通部から抜け出ることを阻止可能な抜止機構を設け、内針ハブをスリーブに対し後退自在として、内針ハブとスリーブとの間にプロテクタ内に刃先が入り込む所定位置までスリーブに対し内針ハブを後退させたときに内針ハブのそれ以上の後退を阻止するストッパ機構を設け、内針ハブを所定位置から更に後退させたときプロテクタが挿通部から抜け出るようにする。

Description

留置釙技術分野

本発明は、薬液注入の際に用いられる留置針に関する。背景技術明

従来、先端に刃先を備える内針と、内針の尾端に連設された内釙八ブと、内針を摺動自在に揷通する中空の外書針と、外針の尾端に連設された外針八ブと、内針の刃先が外針の先端から突出する穿刺前の状態において外針の周囲を内針の刃先の露出部分に亘つて囲う筒状のプロテク夕とを備える留置針が知られている（例えば、特開平 1 0— 2 0 1 8 5 2号公報）。

この留置針では、プロテク夕に外針ハブと内針ハブとを摺動自在に挿入し、内針ハブの先端を外針ハブの尾端に当接させている。また、この留置釙では、プロテク夕の先端に、内釙ハブがプロテク夕の先方に突出することを規制する係止機構を設け、穿刺後にプロテク夕を把持して軸方向尾方に後退させたとき、係止機構により内針ハブもプロテク夕と一緒に後退して、内針が外針から引き抜かれるようにしている。

この留置針では、プロテク夕の先端に係止機構が存在するため、プロテク夕の先端を患者の穿刺箇所に突き当てたまま穿刺を行うことはできない。そのため、医療行為者は、穿剌前に、内針ハブを押して、内釙ハブと外針八ブとをプロテク夕に対し軸方向先方に前進させ、内針を揷通させた状態で外針をプロテク夕の先方に突出させる必要がある。

また、この留置針では、医療行為者は、留置針を患者に穿刺した後、外針を患者に刺したままの状態で、内針だけを引き抜き、その後、内針ハブをプロテク夕に対し軸方向尾方に後退させて、内釙をプロテク夕内に収める。

しかしながら、このような従来の留置針では、プロテク夕から内針及び外針を露出させた後、穿刺を行うまでの間に、また、穿刺後においては、内針を患者から引き抜いて、プロテク夕内に内針を収めるまでの間に、医療行為者が誤って自己の手指等により内針に触れてしまう虞がある。発明の開示

本発明は、かかる不都合を解消して、医療行為者が誤って自己の手指等により内針に触れてしまうことを確実に防止することができる留置釙を提供することを目的とする。

かかる目的を達成するために、本発明の留置針では、先端に刃先を有する内針と、内針の尾端に連設された内釙ハブと、内針を摺動自在に挿通する中空の外針と、外針の尾端に連設された外針ハブと、内針の刃先が外針の先端から突出する穿刺前の状態において外針の周囲を内針の刃先の露出部分に亘つて囲う筒状のプロテク夕とを備える留置針を以下の如く改良している。

即ち、本発明は、内針ハブの外側に、外針ハブに当接して、内釙ハブに対し外針ハブが軸方向尾方に後退することを阻止するスリーブを設け、スリーブの外側にプロテク夕を軸方向に移動自在に設けて、スリーブとプロテク夕との間に、プロテクタをスリーブに対する軸方向先方の前進端位置に弾力的に係止可能な第 1係止機構と、プロテクタをスリーブに対する軸方向尾方の後退端位置に係止可能な第 2係止機構とを設けると共に、外針ハブに、プロテク夕よりも外方に張り出す張出部を設けて、張出部にプロテク夕を軸方向に挿通する揷通部を形成している。

そして、プロテク夕の前記前進端位置ではプロテク夕の先端が外針の先端に突出する内針の刃先より先方に位置し、プロテク夕の前記後退端位置ではプロテク夕の先端が張出部と略同一位置に位置するようにし、外針ハブとプロテク夕との間に、プロテク夕が挿通部から軸方向尾方に抜け出ることを弾力的に阻止可能な抜止機構を設け、更に、内針ハブをスリーブに対し軸方向尾方に後退自在として、内針八ブとスリーブとの間に、前記後退端位置に存するプロテク夕内に内針の刃先が入り込む所定位置までスリーブに対し内針ハブを後退させたときに、スリーブに対する内針ハブのそれ以上の後退を阻止するストッパ機構を設け、前記張出部を押さえた状態で内針ハブを前記所定位置から更に軸方向尾方に後退させたとき、ストツパ機構とスリーブと第 2係止機構とを介してプロテク夕に作用する軸方向尾方への牽引力によりプロテク夕が抜止機構による係止力に抗して揷通部から軸方向尾方に抜け出るようにしたことを特徴とする。

本発明によれば、プロテク夕の先端に上記従来の係止機構のような邪魔物が存在しないため、プロテク夕の先端を患者の穿刺箇所に当接させることができる。そして、プロテク夕を前進端位置に係止したままプロテクタの先端を患者の穿刺箇所に当接し、この状態で内針八ブを軸方向先方に押せば、スリーブを介して外針ハブも内針ハブと一体に軸方向先方に前進する。一方、プロテク夕は、穿剌箇所の皮膚の抗カを受けるため、第 1係止機構による係止が解かれて、内針ハブ及び外針ハブに対し後退する。その結果、内針及び外針がプロテク夕の先方に突出して、患者に穿刺される。穿刺完了状態では、プロテク夕が後退端位置に到達して、外針ハブの張出部が穿刺箇所の周囲に着座する。その後、張出部を押さえた状態で内釙ハブを軸方向尾方に後退させて内針を引き抜くが、内針八ブが所定位置に後退するまでは、抜止機構の働きでプロテクタは後退せず、内針の刃先がプロテク夕内に入り込む所定位置まで内針が引き戻される。所定位置までスリーブに対し内釙ハブを後退させると、ス卜ッパ機構の働きにより、スリーブに対する内釙八ブのそれ以上の後退が阻止される。内釙ハブを所定位置から更に後退させれば、ストッパ機構とスリーブと第 2係止機構とを介してプロテク夕に作用する軸方向尾方への牽引力により、プロテク夕が外釙ハブの揷通部から軸方向尾方に抜け出る。そして、内釙はプロテク夕に収められた状態になる。

このように、留置針を穿剌する際に、プロテク夕から内針及び外針を露出させる操作を行うことなく、常にプロテク夕により内針及び外針を囲った状態で、穿刺を行うことができる。これにより、留置針の穿刺前に、医療行為者が誤って自己の手指等により内針又は外針に触れてしまうことを確実に防止することができる。

また、穿刺後に内針を引き抜く際には、内釙はそのままプロテク夕に収納されるため、留置針の穿刺後に、医療行為者が誤って自己の手指等により内針に触れてしまうことを確実に防止することができる。

ところで、スリーブは、内針ハブに対し、外針ハブの軸方向尾方への後退を阻止する初期位置からストッパ機構で規制される位置まで軸方向先方に移動自在であり、このままでは、内針ハブを把持して持ち上げたとき、ストッパ機構で規制される位置までスリーブが自重で落下して、留置針が伸び、操作し難くなる。この場合、スリーブと内針ハブとの間に、スリーブを上記初期位置に弾力的に係止可能な第 3係止機構を設けておけば、内針ハブを持ち上げてもスリーブは初期位置に保持され、留置針が伸びることはなく、有利である。

ここで、前記スリーブに、径方向に貫通する先端側の第 1係合孔と尾端側の第 2係合孔とを形成し、前記プロテク夕の尾端部に、プロテクタがスリーブに対する前進端位置に存するときに第 1係合孔に係合し、プロテク夕がスリーブに対する後退端位置に存するときに第 2係合孔に係合する第 1係止片を形成して、第 1係止片と第 1係合孔とで前記第 1係止機構を形成すると共に、第 1係止片と第 2係合孔とで前記第 2係止機構を構成し、さらに、前記内釙ハブの先端部に、スリーブが前記初期位置に存するときに第 1係合孔に係合し、内針八ブが前記所定位置に後退したときに第 2係合孔に係合する第 2係止片を形成して、第 2係止片と第 1係合孔とで前記第 3係止機構を構成すると共に、第 2係止片と第 2 係合孔とで前記ストッパ機構を構成すれば、第 1乃至第 3係止機構及びストッパ機構を簡易な構造にでき、コストダウンを図る上で有利である。

この場合、前記スリーブの外周に、前記プロテク夕がスリーブに対して前記前進端位置から前記後退端位置まで軸方向尾方に移動する際に、前記第 1係止片を案内するように、第 1 と第 2の両係合孔を結ぶ軸方向の溝を形成すれば、プロテク夕がスリーブ 7に対する前進端位置から後退端位置に移動する際に、第 1係止片が外周側の溝に係合して、スリ一ブに対するプロテク夕の位相ずれが防止され、後退端位置で第 1係止片が第 2係合孔に確実に係合する。

また、スリーブの内周に、内針ハブがスリーブに対して前記初期位置から前記所定位置まで軸方向尾方に移動する際に、前記第 2係止片を案内するように、第 1 と第 2の両係合孔を結ぶ軸方向の溝を形成すれば、内針ハブをスリーブに対する前記初期位置から前記所定位置に後退させる際、第 2係止片が内周側の溝に係合して、スリーブに対する内釙ハブの位相ずれが防止され、所定位置で第 2係止片が第 2係合孔に確実に係合する。

また、前記内針ハブの尾端にフランジ部を形成すると共に、フランジ部の外周部に軸方向先方に延びる、内径が前記プロテク夕の外径より大きな略筒状の把持部を形成すれば、この把持部を把持することにより、内針ハブの軸方向の押し引き操作がし易くなる。なお、穿刺時には、内針八ブに対しプロテク夕が軸方向尾方に後退するが、把持部の内径はプロテク夕の外形よりも大きいため、プロテク夕の後退が把持部によつて邪魔されることはない。図面の簡単な説明

図 1は、本発明の実施形態の留置針を示す断面図である。図 2は、実施形態の留置針の分解状態の斜視図である。図 3 ( a ) は、実施形態の留置針の穿刺完了状態を示す断面図である。図 3 ( b ) は、実施形態の留置針の内針の刃先がプロテク夕内に入り込む位置まで引き戻された状態を示す断面図である。図 3 ( c ) は、実施形態の留置針のプロテク夕に対する外針八ブの抜け止めが解除された状態を示す断面図である。発明を実施するための最良の形態

図 1及び図 2に示すように、本発明の実施形態の留置針 1には、先端に刃先 2 aを備える内針 2と、内針 2の尾端に建設された内針ハブ 3 と、内針 2を摺動自在に揷通する中空の外針 4と、外針 4の尾端に連設された略円筒状の外釙ハブ 5と、内針 2の刃先 2 aが外針 4の先端から突出する穿刺前の状態において外釙 4の周囲を内針 2の刃先 2 aの露出部分に亘つて囲う筒状のプロテク夕 6とが設けられている。

また、内針ハブ 3の外側にはスリーブ 7が設けられている。スリーブ 7 は、内針ハブ 3の尾端に形成したフランジ部 3 0に当接する尾端のフランジ部 7 0を有する。そして、スリーブ 7の先端を外針ハブ 5に当接させ、内針ハブ 3に対し外釙ハブ 5が軸方向尾方に後退することを阻止できるようにしている。なお、外針ハブ 5の尾端には、薬液注入用のチュ一ブ 8を接続するジョイン卜部 9 aを有するカバー 9が嵌着されており、スリーブ 7は、このカバ一 9を介して外針ハブ 5に当接する。また、カバ一 9の尾端面には、内針 2を揷通自在な孔部 9 bが形成されている。また、フランジ部 3 0の外周部には、軸方向先方に延びる略筒状の把持部 3 1が形成されている。なお、把持部 3 1の内径は、プロテクタ 6 の外径より大きい。

スリープ 7の周囲両側には、それぞれ径方向に貫通する先端側の第 1 係合孔 7 1 と尾端側の第 2係合孔 7 2とが形成されている。そして、スリーブ 7の外周と内周とに第 1 ·第 2係合孔 7 1， 7 2を結ぶ軸方向の溝 7 3， 7 4を、外周側の溝 7 3と内周側の溝 7 4との間に肉薄の板部 7 5が残るように形成している。

スリーブ 7の外側には、プロテク夕 6が軸方向に移動自在に設けられている。プロテク夕 6の周囲両側には、先端から軸方向尾方に延びる一対の幅広なスリット 6 0が形成されている。カバー 9のジョイント部 9 aは、一方のスリット 6 0を通してプロテク夕 6の外方に突出する。

外針ハブ 5の先端部には、プロテク夕 6よりも外方に張り出す円盤状の張出部 5 0が形成されている。張出部 5 0には、略半月状の孔からなる一対の揷通部 5 1が設けられている。そして、スリット 6 0で分断されたプロテク夕 6の半割り筒状の部分が揷通部 5 1に揷通されている。

プロテク夕 6の尾端部には、周囲両側に位置する一対の第 1係止片 6 1が形成されている。各第 1係止片 6 1は、径方向外方に弹カ的に擦むことができる。また、各第 1係止片 6 1の軸方向尾方（図 1の上方）の端部には、径方向内方に突出する突部 6 1 aが形成されている。突部 6 l aの軸方向先方側の面（図 1の下側の面）は、軸方向に対して直交する平坦面 6 1 bに形成されている。また、突部 6 1 aの軸方向尾方側の面（図 1の上側の面）には、軸方向に対して傾斜する斜面 6 1 cが形成されている。

第 1係止片 6 1は、プロテク夕 6がスリ一ブ 7に対する軸方向先方の前進端位置に存するときに、突部 6 1 aにおいてスリーブ 7の先端側の第 1係合孔 7 1に係合する。プロテク夕 6を前進端位置から軸方向尾方に押すと、突部 6 1 aの斜面 6 1 cが板部 7 5の先端に当接し、第 1係止片 6 1が斜面 6 1 cを介して作用する分力で外方に撓み、突部 6 1 a が第 1係合孔 7 1から離脱して、前進端位置での係止が解かれる。かくして、第 1係合孔 7 1 と第 1係止片 6 1 とにより、プロテク夕 6を前進端位置に弾力的に係止可能な第 1係止機構が構成される。ここで、プロテク夕 6が前進端位置に存するときは、プロテク夕 6の先端が外針 4の先端に突出する内針 2の刃先 2 aより先方に位置する。

また、第 1係止片 6 1は、プロテク夕 6がスリーブ 7に対する軸方向尾方の後退端位置に存するときに、突部 6 1 aにおいてスリーブ 7の尾端側の第 2係合孔 7 2に係合する。

この状態では、突部 6 1 aの平坦面 6 1 bが板部 7 3の尾端に当接し、プロテク夕 6はスリーブ 7に対し軸方向先方に移動不能になる。かくして、第 2係合孔 7 2と第 1係止片 6 1 とにより、プロテク夕 6を後退端位置に係止可能な第 2係止機構が構成される。ここで、プロテク夕 6が後退端位置に存するときは、プロテク夕 6の先端が張出部 5 aと略同一位置に位置する。

なお、プロテク夕 6がスリーブ 7に対する前進端位置から後退端位置に移動する際には、第 1係止片 6 1がスリーブ 7の外周側の溝 7 3に係合して案内され、スリーブ 7に対するプロテク夕 6の位相ずれ（回転）が防止されて、後退端位置で第 1係止片 6 1が第 2係合孔 7 2に確実に係合する。

また、外針ハブ 5には、一対の揷通部 5 1の径方向外方の周縁部に位置させて、軸方向尾方に延びる一対の第 3係止片 5 2が形成されている。各第 3係止片 5 2は、径方向外方に弹カ的に撓むことができる。また、各第 3係止片 5 2の軸方向尾方（図 1の上方）の端部には、径方向内方に突出する突部 5 2 aが形成されている。突部 5 2 aの軸方向先方側の面（図 1の下側の面）には、軸方向に対して傾斜する斜面 5 2 bが形成されている。また、プロテク夕 6の先端部には、径方向外方に突出するように拡径部 6 2が形成されている。

拡径部 6 2は、プロテク夕 6が後退端位置に存するときに、第 3係止片 5 2の突部 5 2 aに係合する。プロテク夕 6をこの状態から軸方向尾方に牽引すると、突部 5 2 aの斜面 5 2 bを介して作用する分力で第 3 係止片 5 2が外方に撓み、プロテク夕 6の抜け止めが解除される。かくして、第 3係止片 5 2と拡径部 6 2 とにより、プロテク夕 6が揷通部 5 1から軸方向尾方に抜け出ることを弹カ的に阻止可能な抜止機構が構成される。

内針ハブ 3は、スリーブ 7に対し軸方向尾方に後退自在である。また、内針ハブ 3の先端には、周囲両側に位置する一対の第 2係止片 3 2が形成されている。各第 2係止片 3 2は、径方向内方に弾力的に撓むことができる。また、各第 2係止片 3 2の軸方向先方（図 1の下方）の端部には、径方向外方に突出する突部 3 2 aが形成されている。突部 3 2 aの軸方向先方側の面（図 1の下側の面）は、軸方向に対して直交する平坦面 3 2 bに形成されている。また、突部 3 2の軸方向尾方側の面（図 1 の上側の面）は、径方向内方に位置し、軸方向に対して直交する平坦面 3 2 c と、径方向外方に位置し、軸方向に対して傾斜する斜面 3 2 dとで構成されている。

第 2係止片 3 2は、スリーブ 7の尾端のフランジ部 7 0 が内針ハブ 3 の尾端のフランジ部 3 0に当接して、内針ハブ 3に対する外針ハブ 5の軸方向尾方への後退を阻止する初期位置にスリーブ 7が存在するときに、突部 3 2 aにおいてスリーブ 7の先端側の第 1係合孔 7 1に係合する。この状態から内針八ブ 3に対しスリーブ 7を軸方向先方に牽引すると、板部 7 dの先端が突部 3 2 aの斜面 3 2 dに当接し、第 2係止片 3 2が斜面 3 2 dを介して作用する分力で内方に橈み、初期位置での係止が解かれる。かくして、第 1係合孔 7 1 と第 2係止片 3 2 とにより、スリ一ブ 7を内針八ブ 3に対する上記初期位置に弾力的に係止する第 3係止機構が構成される。

また、第 2係止片 3 2は、上記後退端位置に存するプロテクタ 6内に内釙 2の刃先 2 aが入り込む所定位置まで、スリーブ 7に対し内釙ハブ 3を後退させたときに、突部 3 2 aにおいてスリーブ 7の尾端側の第 2 係合孔 7 2に係合する。

この状態では、突部 3 2 aの平坦面 3 2 cが第 2係合孔 7 2の尾端側の面（図 1の上側の面）に当接し、内針ハブ 3はスリーブ 7に対し軸方向尾方に移動不能になる。かくして、第 2係合孔 7 2 と第 2係止片 3 2 とにより、スリーブ 7に対する内針ハブ 3の上記所定位置以上の後退を阻止するストッパ機構が構成される。

なお、内針八ブ 3をスリーブ 7に対する初期位置から所定位置に後退させる際には、第 2係止片 3 2がスリーブ 7の内周側の溝 7 4に係合して案内され、スリーブに対する内釙八ブ 3 の位相ずれ（回転）が防止されて、所定位置で第 2係止片 3 2が第 2係止孔 7 2に確実に係合する。次に、本実施形態の留置針 1の使用方法を図 1、図 3を参照して詳細に説明する。

本実施形態の留置針 1を使用する際には、まず、図 1に示すように、プロテク夕 6を前進端位置に係止したまま、プロテク夕 6の先端を患者の穿刺箇所に当接させる。この状態で内針ハブ 3を軸方向先方に押せば、スリーブ 7とカバ一 9とを介して外針ハブ 5も内針ハブ 3 と一体に軸方向先方に前進する。

一方、プロテク夕 6は穿刺箇所の皮膚 aの抗カを受けるため、第 1係止片 6 1の突部 6 1 aの斜面 6 1 cに板部 7 5の先端が当接する。そして、第 1係止片 6 1が斜面 6 1 cを介して作用する分力で外方に撓み、第 1係止機構による係止が解除される。このため、プロテクタ 6は、内針ハブ 3及び外針ハブ 5に対し後退する。その結果、内針 2及び外針 4 がプロテクタ 6の先方に突出して、患者に穿刺される。

なお、把持部 3 1の内径はプロテク夕 6 の外形よりも大きいため、プロテク夕 6の後退が把持部 3 1 によって邪魔されることはない。また、穿刺する際に、第 1係止機構によるプロテク夕 6の前進端位置での係止が解除されるまでの間、プロテク夕 6は患者の穿刺箇所の周囲の皮膚 a を押圧するため、穿刺の際の患者の痛みを軽減することができる。

穿刺完了状態では、図 3 ( a ) に示すように、プロテク夕 6がスリーブ 7に対する後退端位置に後退され、第 1 係止片 6 1がスリーブ 7の尾端側の第 2係合孔 7 2に係合し、第 2係止機構によりプロテク夕 6が後退端位置に係止される。また、このとき、外針ハブ 5の張出部 5 0が穿剌箇所の周囲に着座する。

その後、張出部 5 0を押さえた状態で内釙ハブ 3を軸方向尾方に後退させて内針 2を引き抜く。ここで、第 3係止機構による係止力、すなわち、第 2係止片 3 2の突部 3 2 aの斜面 3 2 dと板部 7 5の先端との当接により発生する係止力よりも、抜止機構による係止力、すなわち、拡径部 6 2と第 3係止片 5 2の突部 5 2 aの斜面 5 2 bとの当接により発生する係止力の方が強く設定されている。

このため、内針 2の刃先 2 aがプロテク夕 6内に入り込む所定位置に内針ハブ 3が後退するまでは、抜止機構による係止力によりプロテクタ 6は後退しない。

また、スリーブ 7も第 2係止機構によりプロテク夕 6に対し係止されているので後退しない。このため、第 2係止片 3 2の突部 3 2 aの斜面 3 2 cが板部 7 3に当接し、第 2係止片 3 2が斜面 3 2 cを介して作用する分力で内方に撓み、第 3係止機構による係止が解除されて、内釙ハブ 3は、図 3 ( b ) に示すように、内針 2の刃先 2 aがプロテク夕 6内に入り込む所定位置まで引き戻される。

そして、内針ハブ 3が上記所定位置まで引き戻されると、第 2係止片 3 2がスリーブ 7の尾端側の第 2係合孔 7 2に係合し、ストッパ機構によりスリーブ 7に対する内針ハブ 3のそれ以上の後退が阻止される。その後、さらに内針ハブ 3を軸方向尾方に後退させると、ストッパ機構を介してスリーブ 7も内針ハブ 3 と一体に後退し、さらに、第 2係止機構を介してプロテクタ 6にも牽引力が伝達される。そして、第 3係止片 5 2の突部 5 2 aの斜面 5 2 bにプロテク夕 6の拡径部 6 2を介して作用する分力により、第 3係止片 5 2が外方に撓み、抜止機構による抜け止めが解除される。そして、内針 2は、図 3 ( c ) に示すように、プロテク夕 6に囲われたままの状態で引き抜かれ、そのまま廃棄される。なお、この状態では、板部 7 5の尾端と、第 2係止片 3 2の突部 3 2 aの平坦面 3 2 bとが当接しているため、スリーブ 7は内針ハブ 3に対して軸方向尾方に後退することができない。また、プロテク夕 6も、尾端がスリーブ 7のフランジ部 7 0 に当接しているため、スリーブ 7に対して軸方向尾方に後退することができない。よって、プロテク夕 6内から内釙 2が再び軸方向先方に突出することはない。

ところで、カバー 9の尾端面には、孔部 9 bが開口しているが、この孔部 9 bは、内針 2を抜いた後、医療用テープ（図示省略）により封鎖するか、または、予め孔部 9 bに弁部材（図示省略）を設け、内釙 2が引き抜かれると自動的に孔部 9 bの開口が封鎖されるようにする。そして、チューブ 8を介して供給される薬液をカバ一 9と外針ハブ 5 と外針 4とを介して患者に注入する。

本実施形態の留置釙 1によれば、常にプロテク夕 6により内針 2及び外針 4を囲った状態で、穿刺を行うことができるため、留置針 1の穿刺前に、医療行為者が誤って自己の手指等により内針又は外針に触れてしまうことを確実に防止することができる。

また、穿刺後に内針 2を引き抜く際には、内釙 2は、外釙 4から引き抜くと同時にそのままプロテク夕 6に収納されるため、留置針 1の穿刺後に、医療行為者が誤って自己の手指等により内針に触れてしまうことを確実に防止することができる。

また、図 1に示す初期状態においては、第 2係止片 3 2が第 1係止孔 7 1に係合して、第 3係止機構によりスリーブ 7が内針ハブ 3に対する初期位置に係止されるため、内釙ハブ 3を持ち上げても、スリーブ 7が自重で落下して留置針 1が伸びるようなことはなく、穿刺の操作性を向上させることができる。

また、内釙ハブ 3のフランジ部 3 0の外周部に軸方向先方に延びる略筒状の把持部 3 1を形成しているため、この把持部 3 1を把持することにより、内針ハブ 3の軸方向の押し引き操作がし易くなる。

Claims

請求の範囲

1 . 先端に刃先を有する内針と、内針の尾端に連設された内針ハブと、内釙を摺動自在に揷通する中空の外針と、外針の尾端に連設された外針八ブと、内針の刃先が外針の先端から突出する穿刺前の状態において外針の周囲を内針の刃先の露出部分に亘つて囲う筒状のプロテク夕とを備える留置針において、

内針ハブの外側に、外釙ハブに当接して、内針ハブに対し外針ハブが軸方向尾方に後退することを阻止するスリーブを設け、スリーブの外側にプロテクタを軸方向に移動自在に設けて、スリーブとプロテク夕との間に、プロテクタをスリーブに対する軸方向先方の前進端位置に弹カ的に係止可能な第 1係止機構と、プロテクタをスリーブに対する軸方向尾方の後退端位置に係止可能な第 2係止機構とを設けると共に、

外針八ブに、プロテク夕よりも外方に張り出す張出部を設けて、張出部にプロテク夕を軸方向に挿通する揷通部を形成し、プロテク夕の前記前進端位置ではプロテク夕の先端が外針の先端に突出する内針の刃先より先方に位置し、プロテク夕の前記後退端位置ではプロテク夕の先端が張出部と略同一位置に位置するようにし、外針ハブとプロテク夕との間に、プロテク夕が揷通き 15から軸方向尾方に抜け出ることを弾力的に阻止可能な抜止機構を設け、

更に、内針ハブをスリーブに対し軸方向尾方に後退自在として、内針ハブとスリーブとの間に、前記後退端位置に存するプロテク夕内に内針の刃先が入り込む所定位置までスリーブに対し内針ハブを後退させたときに、スリーブに対する内釙ハブのそれ以上の後退を阻止するストッパ機構を設け、前記張出咅 βを押さえた状態で内針八ブを前記所定位置から更に軸方向尾方に後退させたとき、ストッパ機構とスリーブと第 2係止機構とを介してプロテク夕に作用する軸方向尾方への牽引力によりプロテク夕が抜止機構による係止力に抗して挿通部から軸方向尾方に抜け出るようにしたことを特徴とする留置針。

2 . 前記スリーブと前記内針八ブとの間に、スリーブを、内針ハブに対する外針八ブの軸方向尾方への後退を阻止する初期位置に弹カ的に係止可能な第 3係止機構を設けることを特徴とする請求項 1記載の留置針。

3 . 前記スリーブに、径方向に貫通する先端側の第 1係合孔と尾端側の第 2係合孔とを形成し、前記プロテクタの尾端部に、プロテク夕がスリーブに対する前進端位置に存するときに第 1係合孔に係合し、プロテク夕がスリーブに対する後退端位置に存するときに第 2係合孔に係合する第 1係止片を形成して、第 1係止片と第 1係合孔とで前記第 1係止機構を形成すると共に、第 1係止片と第 2係合孔とで前記第 2係止機構を構成し、さらに、前記内針八ブの先端部に、スリーブが前記初期位置に存するときに第 1係合孔に係合し、内針ハブが前記所定位置に後退したときに第 2係合孔に係合する第 2係止片を形成して、第 2係止片と第 1係合孔とで前記第 3係止機構を構成すると共に、第 2係止片と第 2係合孔とで前記ストッパ機構を構成することを特徴とする請求項 2記載の留置針。

4 . 前記スリーブの外周に、前記プロテク夕がスリーブに対して前記前進端位置から前記後退端位置まで軸方向尾方に移動する際に、前記第 1 係止片を案内するように、第 1 と第 2の両係合孔を結ぶ軸方向の溝を形成し、

スリ一ブの内周に、内針八ブがスリーブに対して前記初期位置から前記所定位置まで軸方向尾方に移動する際に、前記第 2係止片を案内するように、第 1 と第 2の両係合孔を結ぶ軸方向の溝を形成することを特徴とする請求項 3記載の留置針。

5 . 前記内針ハブの尾端にフランジ部を形成すると共に、フランジ部の外周部に軸方向先方に延び、内径が前記プロテク夕の外径より大きな略筒状の把持部を形成することを特徴とする請求項 1乃至 4記載の留置針。