WO2005057600A1 - ヒンジを用いた押釦式のスイッチ装置 - Google Patents

Description

明 細 書

ヒンジを用いた押釦式のスィツチ装置 技術分野

[0001] この発明は、カーオーディオ等の車載用音響機器におけるスィッチ装置に使用さ れるヒンジを用 、た押釦式のスィッチ装置に関するものである。

背景技術

[0002] 従来のこの種のスィッチ装置は、表面に文字や記号等が表示された透明合成樹脂 製の操作釦を揺動板の表面に接着し、揺動板の一側を弾性片カ なる薄肉ヒンジを 介してホルダに揺動自在に支持した組立体を、車載用音響機器の外装パネルに組 込んで、操作釦を外装パネルに形成された開口から車室内に露出させるとともに、揺 動板の他側裏面にスィッチ駆動用の突部を形成し、さらに操作釦の背面後方に操作 釦照明用の光源と、スィッチ駆動用の突部の押圧によって駆動されるスィッチとを配 置した構成となっている。

次に動作について説明する。

操作釦は常時光源力 直接照明されるようになっており、スィッチを駆動させるため に操作釦を押すと、揺動板は一側がヒンジ支持されて 、ることから多少傾きつつ揺動 し、他側に設けられた突部がスィッチを押圧して駆動する。

[0003] なお、関連技術を開示する特許文献 1には、壁面に少なくとも露出するよう取付けら れたキートップ部と、このキートップ部に密着され入射した光をキートップ部へ反射す る導光板と、キートップ部と導光板が壁面に対して常に並行に移動するよう支持する 緩衝機構と、導光板の側面部に対向して配置される導光板側面部へ光を照射する 発光部と、導光板が接離することにより発光部を点灯へと切替えるスィッチ本体と、こ のスィッチ本体や発光部および案内部材とを配置する回路基板とを具備し、導光板 は、スィッチ本体との接触面が発光部からの光をキートップ部側へ反射する反射面と なすエレベータ用押しボタンスィッチが示されて 、る。

[0004] 特許文献 1：特開 2003— 252538号公報

[0005] 従来のスィッチ装置においては、操作釦はその背面後方に配置された光源によつ て直接照明されるようになっているので、操作釦と光源との距離があまり小さいと、光 源からの光が広がらず操作釦の表面の明るさに明度のムラが生じてしまう。また、操 作釦の押圧時に光源に接触することがな ヽように、接触しな!ヽ程度の距離を確保す る必要がある。このように従来では上記 2つの制約条件により操作釦と光源との距離 をある程度確保する必要があり、このため装置全体が大型化するという課題があった また、特許文献 1に記載されたスィッチ装置では、導光板側面部に発光部を設けて いるため、操作釦としてのキートップを押すと、このキートップと一体の導光板と光源と の距離が変化するため、操作の度にキートップの明るさが変化するという課題があつ た。

この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、省スペース化によ る装置全体の小型化が図れるとともに、操作釦の押圧操作時に明るさが変化すること がなぐ操作釦の全面にわたってムラのない均一な明るさが得られるスィッチ装置を 得ることを目的とする。

発明の開示

[0006] この発明に係るスィッチ装置は、ヒンジを介して一側が揺動自在に支持された操作 釦を備え、上記発光部を上記ヒンジ周辺に配置し、上記発光部から発せられた光を 上記操作釦に反射拡散する光拡散プリズム部材を設けるものである。

[0007] このことによって、発光部を、操作釦の摇動方向の動作量が小さいヒンジ周辺に配 置したので、発光部と操作釦との距離を極力小さくすることができ、よって操作釦の背 面後方に発光部を配置する従来例に比べて省スペース化が図れ装置全体の小型 化が可能になるとともに、操作釦の押圧操作時においても発光部と操作釦との距離 がほとんど変化しな 、ので、操作釦の押圧操作時にぉ 、ても明るさが変化しな 、と ヽ う効果がある。

図面の簡単な説明

[0008] [図 1]この発明に係るスィッチ装置を正面方向力 見た分解斜視図である。

[図 2]スィッチ装置を背面方向から見た分解斜視図である。

[図 3]スィッチ装置の側面図である。 [図 4]図 3の平面図である。

[図 5]図 4の A— A線に沿う断面図である。

発明を実施するための最良の形態

[0009] 以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための最良の形 態について、添付の図面にしたがって説明する。

実施の形態 1.

図 1および図 2はこの発明に係るスィッチ装置の分解斜視図、図 3は側面図、図 4は 図 3の正面図、図 5は図 4の A— A線に沿う断面図である。

[0010] 操作釦 1は柱状、図示例では円柱状の透明な合成樹脂材から形成され、その正面 部には文字や記号等が表示されている。操作釦 1の背面には光が透過可能な合成 榭脂材力 なる揺動板 2の表面が接着されて 、る。揺動板 2の一側は弾性片カ なる 一対の薄肉ヒンジ 3を介してホルダ 4に揺動自在に連結されていて、薄肉ヒンジ 3の 弾性力に杭して操作釦 1を押すと、揺動板 2が薄肉ヒンジ 3を支点として僅かながら傾 きつつ揺動するようになって 、る。

[0011] 揺動板 2の裏面には板状の光拡散プリズム部材 5が接着されている。この光拡散プ リズム部材 5は後述の発光部 11が発する光を反射拡散して操作釦 1に導くためのも ので、光拡散プリズム部材 5の平面形状は、図 4に示すように操作釦 1の横断面形状 を表す円弧と曲率半径をほぼ等しくする半円弧 Xの両端を二等辺三角形 Yの底辺の 両端に接続した複合形状を呈し、操作釦 1の横断面はこの複合形状に包含されるよ うになつている。

[0012] 光拡散プリズム部材 5は、後述の発光部 11からの入射光を光拡散プリズム部材 5内 に導く第 1反射面 6と、第 1反射面 6で反射された光を操作釦 1に導く第 2反射面 7とを 有する。第 1反射面 6は、光拡散プリズム部材 5の二等辺三角形 Yの頂点部を切除す ることで形成された、半円弧 の中点 M方向に向けて傾斜する傾斜面で構成されて いる。

[0013] 一方、第 2傾斜面 7は、光拡散プリズム部材 5の二等辺三角形 Yの頂点から半円弧 X側に向かうにつれて厚さを漸次減少させることで形成された、第 1反射面 6方向に 向けて傾斜する傾斜面で構成されて ヽる。このような光拡散プリズム部材 5は揺動板 2に対して第 1反射面 6が揺動板 2の一側における薄肉ヒンジ 3の側方に位置するよう に配置されている。

[0014] 光拡散プリズム部材 5が接着された揺動板 2の裏面の他側、すなわち薄肉ヒンジ 3と 対向する側の側辺における一方の端部にはスィッチ駆動用の突部 8が形成されてい る。この突部 8は操作釦 1が押されると、図示しないスィッチに当接するようになつてい る。また、揺動板 2の任意の位置からは光拡散プリズム部材 5取付用の複数の取付軸 9が突設されていて、これらの取付軸 9は光拡散プリズム部材 5の周面力 突出する 取付部 10の孔に嵌合されるようになって 、る。

[0015] 光拡散プリズム部材 5を介して操作釦 1を照明する発光部 11は、操作釦 1が押圧操 作された際、揺動板 2の変位量が最も小さい薄肉ヒンジ 3の周辺に配置される。そうす ることにより発光部 11を揺動板 2に可及的に近接させることができるとともに、操作釦 1の押圧操作時においても発光部 11と操作釦 1との距離の変化量を小さくすることが でき、押圧操作による明るさの変化を極力抑制できるからである。

[0016] 具体的には発光部 11は揺動板 2の一側における薄肉ヒンジ 3の側方であって、操 作釦 1の押圧操作時においても光拡散プリズム部材 5と接触することがなぐかつ第 1 反射面 6に対して光を全反射可能に入射させることが可能な位置であるところの光拡 散プリズム部材 5と対向する位置に配置される。もちろん発光部 11の位置はこれに限 定されることなぐ例えば、薄肉ヒンジ 3の上記とは反対側の側方に配置することも可 能である。

[0017] 次に動作について説明する。

発光部 11から発せられた光は、図 5に示すように光拡散プリズム部材 5に対して垂 直に入射し、第 1反射面 6でほぼ直角に拡散反射された後、さらに第 2反射面 7でほ ぼ直角に拡散反射されて操作釦 1に入射する。このように発光部 11からの光は光拡 散プリズム部材 5を介して操作釦 1に導かれるため、図 4に斜線で示すように操作釦 1 の全面にわたって均一な照明が可能になる。

[0018] いま、図示しないスィッチを駆動するために操作釦 1を薄肉ヒンジ 3の弾性力に抗し て押圧すると、揺動板 2はわずかに傾きつつ揺動するが、その変位量は薄肉ヒンジ 3 から離れた部分程大きぐ逆に薄肉ヒンジ 3周辺の変位量はごく小さい。このため光 拡散プリズム部材 5と発光部 11との距離はほとんど変化しないため、操作釦の押圧 による明るさの変化が極力抑制される。このようにして操作釦 1を押圧操作すると、揺 動板 2に設けられた突部 8が図示しな ヽスィッチに当接してスィッチを駆動させる。

[0019] 以上のように、この実施の形態 1によれば、発光部を、操作釦のヒンジ周辺に配置し たので、発光部と操作釦との距離を極力小さくすることができ、省スペース化が図れ 装置全体の小型化が可能になるとともに、操作釦の押圧操作時においても発光部と 操作釦との距離がほとんど変化しないので、操作釦の押圧操作時においても明るさ が変化しない。また、光拡散プリズム部材を板体で形成したので、薄くでき、装置全 体の小型化により有効である。

[0020] また、光拡散プリズム部材は、発光部から発せられた光を操作釦に反射拡散する 第 1、第 2反射面を設けたので、操作釦に対してムラのない均一な照明が可能になる 。また、光拡散プリズム部材を接合した揺動板を揺動自在に支持するヒンジの一側に 発光部を配置構成したので、押圧操作時に発光部と操作釦との距離の変化を小さく することができ、押圧操作における明るさの変化を極力抑制できる。

産業上の利用可能性

[0021] 以上のように、この発明に係るスィッチ装置は、車載用機器に使用されるヒンジを用 Vヽた押釦式に適して!/、る。

Claims

請求の範囲

[1] ヒンジを介して一側が揺動自在に支持された操作釦に光を照射する発光部を備え たスィッチ装置において、上記発光部を上記ヒンジ周辺に配置するとともに、上記発 光部から発せられた光を上記操作釦に反射拡散する光拡散プリズム部材を設けたこ とを特徴とするスィッチ装置。

[2] 上記光拡散プリズム部材は板体力 形成され、かつ上記発光部は上記光拡散プリ ズム部材に光を垂直に入射可能な位置に配置されていることを特徴とする請求項 1 記載のスィッチ装置。

[3] 上記光拡散プリズム部材は上記発光部からの入射光を光拡散プリズム部材内に導 く第 1反射面と、該第 1反射面で反射された光を上記操作釦に導く第 2反射面とを有 することを特徴とする請求項 1記載のスィッチ装置。

[4] 上記操作釦は上記ヒンジを介して一側が揺動自在に支持された揺動板の 1つの面 に、かつ上記光拡散プリズム部材は上記揺動板の他の面に、それぞれ接合されてい るとともに、上記発光部は上記揺動板の一側の相対向する位置に配置されているこ とを特徴とする請求項 1記載のスィッチ装置。