WO2005049119A1

WO2005049119A1 - 注射針

Info

Publication number: WO2005049119A1
Application number: PCT/JP2004/017188
Authority: WO
Inventors: Yukio Kawashima
Original assignee: Tsk Laboratory Japan
Priority date: 2003-11-21
Filing date: 2004-11-18
Publication date: 2005-06-02
Also published as: JP2005152541A; US20090118678A1; EP1690562A1

Abstract

　本発明は、針曲がりや針折れを防止することができるとともに、低コストで容易に製造することのできる注射針を提供する。　本発明によれば、針本体３の軸方向に移動自在に設けられた針カバー４を備え、針本体３を覆うキャップ５をハブ２から取外すと、キャップ５に設けた係止部５ｃが針カバー４の第１の係止部４ａに係止して針カバー４がキャップ５と共に針本体３の先端側に移動し、針カバー４によって針本体３の先端側が覆われるようにしたので、キャップ５の取外時または取外後に針本体３に曲げ方向の外力が直接加わることがない。また、キャップ５と針カバー４との係止により針カバー４を針本体３の先端側に移動させることができるので、針カバー４を針本体３の先端側に移動させるためのスプリングを用いたり、或いは針カバー４を伸縮自在な複雑な形状にする必要がない。

Description

明細書

注射針

技術分野

[0001] 本発明は、薬液の注入、採血、透析等に用いられる注射針に関するものである。

背景技術

[0002] 一般に、注射針を患者に穿刺する場合には、患者の皮膚が針先によつて切り裂かれて針管の太さ分だけ押し広げられるため、患者に苦痛を与える場合が多い。そこで、針管の外径を小さくすれば患者の痛みを軽減することができるが、針管は細くなるほど折れやす！/、ため、例えばインスリン等の薬液を患者自身で穿刺する場合など、医療行為に不慣れな者による場合には、注射針のキャップを取外す際などに針に曲げ方向の無用な外力が加わり、針曲がりや針折れを生ずるおそれがある。

[0003] そこで、針曲がりや針折れを防止するようにした注射針として、針本体に軸方向に移動自在な筒状の針カバーを取付け、針カバーをスプリングによって針先方向に付勢するようにしたものが知られている（例えば、特許文献 1参照。 ) oまた、他の注射針として、針本体の軸方向に伸縮自在な蛇腹状の針カバーを備え、針カバーを伸長させることによって針本体を覆うようにしたものも知られている（例えば、特許文献 2参照。）。

[0004] し力しながら、前者の場合はスプリングを用いている分だけ部品点数が多くなり、製造コストが高くつくという問題点があった。また、後者の場合は、針カバー自体を伸縮させるために、針カバーが蛇腹状の複雑な形状となり、製造時の加工が容易でないという問題点があった。

特許文献 1：特開平 3— 139363号公報

特許文献 2：特開平 6—16295号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] 本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、針曲力 Sりや針折れを防止することができるとともに、低コストで容易に製造することのできる注射針を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0006] 本発明は前記課題を達成するために、注射器本体の注射液吐出口に装着される装着部材と、装着部材に保持された針本体と、針本体を覆うように装着部材に着脱自在に取付けられるキャップとを備え、キャップを取付けた装着部材を注射器本体に装着し、キャップを装着部材力取外して使用する注射針において、前記針本体の軸方向に移動自在に設けられ、針本体の基端側に移動することにより針本体の先端側を露出させ、針本体の先端側に移動することにより針本体の先端側を覆うカバー部材を備え、前記キャップにはカバー部材に係止してキャップと共にカバー部材を針本体の先端側に移動させる係止部を設けて、る。

[0007] これにより、キャップを装着部材から取外すと、キャップの係止部がカバー部材に係止してカバー部材がキャップと共に針本体の先端側に移動し、カバー部材によって針本体の先端側が覆われることから、キャップの取外時または取外後に針本体に曲げ方向の外力が直接加わることがない。また、カバー部材を針本体の先端側に移動させるためのスプリングを用いたり、或いはカバー部材を伸縮自在な複雑な形状にする必要がない。

発明の効果

[0008] 本発明の注射針によれば、キャップを取外すと、カバー部材によって針本体の先端側が覆われるようにしたので、キャップの取外時または取外後に針本体に曲げ方向の外力が直接加わることがなぐ針曲がりや針折れを確実に防止することができる。この場合、キャップとカバー部材との係止によりカバー部材を針本体の先端側に移動させることができるので、カバー部材を針本体の先端側に移動させるためのスプリングを用いたり、或いはカバー部材を伸縮自在な複雑な形状にする必要がなぐ低コストで容易に製造することができる。

図面の簡単な説明

[0009] [図 1]本発明の注射針が装着される注射器の斜視図

[図 2]針カバー及びハブの側面断面図

[図 3]キャップの側面断面図 [図 4]注射針の装着工程を示す斜視図

[図 5]注射針の装着工程を示す側面断面図

[図 6]注射針の装着工程を示す側面断面図

[図 7]人体への穿刺動作を示す側面断面図

[図 8]キャップの装着工程を示す斜視図

符号の説明

[0010] 1…注射器本体、 la…注射液吐出口、 2…ハブ、 2a…延出部、 3…針本体、 4…針カノ一、 4a…第 1の係止部、 5· "キャップ、 5c…係止部。

発明を実施するための最良の形態

[0011] 図 1乃至図 8に示す注射針は、注射器本体 1に装着される装着部材としてのハブ 2 と、ハブ 2に保持された針本体 3と、針本体 3の軸方向に移動自在に設けられたカバ一部材としての針カバー 4と、針本体 3を覆うようにハブ 2に着脱自在に取付けられるキャップ 5とを備えて!/、る。

[0012] 注射器本体 1は一端に注射液吐出口 laを有し、その内部にはインスリン等の注射液 Aが充填されている。注射液吐出口 laは針本体 3を貫通可能なゴム部材 lbによつて閉塞され、注射液吐出口 laの外周面にはハブ 2を装着するためのネジ部 lcが形成されている。

[0013] ハブ 2は一端面を閉塞した円筒状の合成樹脂の成型品力なり、その一端面中央には軸方向に延びる延出部 2aが設けられて、る。延出部 2aはハブ 2の一端面から針本体 3を覆うように針先方向に向力つて延び、延出部 2aによって針本体 3が保持されている。延出部 2aの先端側には針カバー 4に係止する係止部 2bが設けられ、係止部 2bは径方向外側に拡大するように形成されている。また、ハブ 2の外周面には軸方向に延びる複数のリブ 2cが互いに周方向に間隔をおいて突設され、ハブ 2の内周面には注射器本体 1のネジ部 1 cに螺合可能なネジ部 2d (図示簡略）が形成されている。

[0014] 針本体 3は先端を鋭利に形成された金属管カゝらなり、その先端側及び基端側をそれぞれノ、ブ 2の延出部 2aから外部に突出させている。

[0015] 針カバー 4は両端を開口した円筒状の合成樹脂の成型品からなり、ハブ 2の延出部 2aに軸方向に移動自在に係合して、る。針カバー 4の軸方向一端側 (針本体 3の先端側）にはキャップ 5に係止する第 1の係止部 4aが設けられ、第 1の係止部 4aは径方向外側に突出するようにフランジ状に形成されている。針カバー 4はその内径を延出部 2aの外径よりも大きく形成されるとともに、その軸方向他端側 (針本体 3の基端側）には延出部 2aの係止部 2cに係止する第 2の係止部 4bが設けられ、第 2の係止部 4b は径方向内側に突出するように形成されている。即ち、針カバー 4は、延出部 2aに沿つて針本体 3の基端側に移動することにより針本体 3の先端側を露出させ、針本体 3 の先端側に移動することにより針本体 3の先端側を覆うようになっている。また、針力バー 4が針本体 3の先端側に移動すると、第 2の係止部 4bが延出部 2aの係止部 2b に軸方向に係止し、針カバー 4の針先方向への移動が規制されるようになって、る。

[0016] キャップ 5は一端を開口した合成樹脂の成型品からなり、その一端開口縁にはフランジ部 5aが設けられている。キャップ 5の内周面一端側には軸方向に延びる複数のリブ 5bが互いに周方向に間隔をお!/、て突設され、各リブ 5bはハブ 2のリブ 2cに周方向に係止可能に形成されている。また、キャップ 5の内周面他端側には針カバー 4の第 1の係止部 4aに係止可能な係止部 5cが周方向計 4箇所に等間隔で突設されている。この場合、互いにキャップ 5の径方向に対向する係止部 5c同士の間隔は針カバ一 4の第 1の係止部 4aの外径よりも若干小さく形成されており、キャップ 5を軸方向に強制的に移動させることにより、各係止部 5cが径方向に弾性変形して針カバー 4の第 1の係止部 4aを乗り越えるようになつている。また、キャップ 5の外周面には軸方向に延びる複数のリブ 5dが互、に周方向に間隔をお!/、て突設されて!/、る。

[0017] 以上の構成力なる注射針は、図 5(a)に示すようにハブ 2、針本体 3及び針カバー 4を互いに糸且付けた状態でキャップ 5内に収容され、キャップ 5は開口部を覆う図示しない蓋によって密封される。この場合、針カバー 4の第 1の係止部 4aはキャップ 5の各係止部 5cに対して針本体 3の基端側に位置して、る。

[0018] ここで、前記注射針を使用する場合は、図示しな!ヽ蓋を除去してキャップ 5の開口部を開放し、図 5(b)に示すようにキャップ 5を付けた状態でハブ 2を注射器本体 1の注射液吐出口 laに装着する。この場合、キャップ 5を軸回りに回転させてハブ 2のネジ部 2dを注射器本体 1のネジ部 lcに螺合することにより、ハブ 2が注射器本体 1に装着される。その際、キャップ 5のリブ 5bがハブ 2のリブ 2cに周方向に係止することによりキャップ 5とハブ 2がー体に回転し、キャップ 5の外周面の各リブ 5dはキャップ 5を把持する指先の滑り止めとなる。

[0019] 次に、図 6(a)に示すようにキャップ 5を針先方向に移動させると、キャップ 5の各係止部 5cが針カバー 4の第 1の係止部 4aに針本体 3の基端側から係止しているため、針カバー 4がキャップ 5と共に針先方向に移動し、針カバー 4によって針本体 3の先端側が覆われる。そして、更にキャップ 5に針先方向への力を加えると、図 6(b)に示すようにキャップ 5の各係止部 5cが針カバー 4の第 1の係止部 4aを乗り越え、キャップ 5が取外される。その際、針本体 3の先端側は針カバー 4によって覆われているため、誤ってキャップ 5を取外時に接触させても、キャップ 5が針本体 3に直接接触することがなぐ針本体 3に曲げ方向の外力が加わることがない。また、針本体 3が針カバー 4 によって覆われているため、指先が針本体 3に直接接触することもない。

[0020] キャップ 5を取外した後、図 7に示すように針本体 3の先端を患者の人体 Bに穿刺すると、針カバー 4が人体 Bとの当接により人体 B側への移動を阻止されながら延出部 2 aに対して相対移動し、針本体 3が人体 B内に挿入される。これにより、注射器本体 1 内の薬液 Aが針本体 3から人体 B内に吐出可能となる。また、注射が完了した後は、針カバー 4を針先方向に移動して針本体 3の先端側を覆っておけば安全である。

[0021] 使用後にキャップ 5を取付ける場合は、図 8(a)に示すようにキャップ 5を針本体 3側に被せると、キャップ 5の各係止部 5cが針カバー 4の第 1の係止部 4aに針本体 3の先端側から係止し、図 8(b)に示すように針カバー 4がキャップ 5と共に針本体 3の基端方向に移動してハブ 2の一端面に当接する。そして、更にキャップ 5に針本体 3の基端方向への力をカ卩えると、図 8(c)に示すようにキャップ 5の各係止部 5cがキャップ 5 の径方向外側に向力つて弾性変形して針カバー 4の第 1の係止部 4aを乗り越え、キヤップ 5が取付けられる。

[0022] また、使用済みの注射針を廃棄する場合には、キャップ 5を装着時の反対方向に回転させてハブ 2と注射器本体 1との螺合を解除することにより、ハブ 2、針本体 3及び針カバー 4がキャップ 5内に収容された状態で取外される。その際、針カバー 4の第 1の係止部 4aはキャップ 5の各係止部 5cに対して針本体 3の基端側に位置していることから、第 1の係止部 4aと各係止部 5cとの係止により、ハブ 2、針本体 3及び針力バー 4がキャップ 5から脱落することがな、。

[0023] このように、本実施形態の注射針によれば、針本体 3の軸方向に移動自在に設けられた針カバー 4を備え、針本体 3を覆うキャップ 5をハブ 2から取外すと、キャップ 5に設けた係止部 5cが針カバー 4の第 1の係止部 4aに係止して針カバー 4がキャップ 5と共に針本体 3の先端側に移動し、針カバー 4によって針本体 3の先端側が覆われるようにしたので、キャップ 5の取外時または取外後に針本体 3に曲げ方向の外力が直接加わることがなぐ針曲がりや針折れを確実に防止することができる。また、キャップ 5 と針カバー 4との係止により針カバー 4を針本体 3の先端側に移動させることができるので、針カバー 4を針本体 3の先端側に移動させるためのスプリングを用いたり、或いは針カバー 4を伸縮自在な複雑な形状にする必要がなく、低コストで容易に製造することができる。

[0024] 更に、針カバー 4を筒状に形成してハブ 2に設けた延出部 2aに軸方向に移動自在に係合したので、針カバー 4を簡単な構造により確実に針本体 3の軸方向に移動させることができ、製造時の加工を極めて容易に行うことができる。

[0025] また、キャップ 5の係止部 5cを弾性変形により針カバー 4の第 1の係止部 4aを軸方向に乗り越えるように形成したので、キャップ 5と針カバー 4との係止操作及び係止解除操作を容易に行うことができ、操作性の向上を図ることができる。

[0026] この場合、針カバー 4の第 1の係止部 4aを針カバー 4の径方向に突出するようにフランジ状に形成するとともに、キャップ 5の係止部 5cをキャップ 5の内周面の複数箇所に互いに周方向に間隔をおいて突設したので、針カバー 4の第 1の係止部 4aに周方向何れの位置においてもキャップ 5の係止部 5cを係止することができ、キャップ 5と針カバー 4を確実に係止させることができる。

Claims

請求の範囲

[1] 注射器本体の注射液吐出口に装着される装着部材と、装着部材に保持された針本体と、針本体を覆うように装着部材に着脱自在に取付けられるキャップとを備え、キヤップを取付けた装着部材を注射器本体に装着し、キャップを装着部材力取外して使用する注射針において、

前記針本体の軸方向に移動自在に設けられ、針本体の基端側に移動することにより針本体の先端側を露出させ、針本体の先端側に移動することにより針本体の先端側を覆うカバー部材を備え、

前記キャップにはカバー部材に係止してキャップと共にカバー部材を針本体の先端側に移動させる係止部を設けた

ことを特徴とする注射針。

[2] 前記装着部材に針本体の先端側に向力つて軸方向に延びる延出部を設けるとともに、

前記カバー部材を筒状に形成して延出部に軸方向に移動自在に係合したことを特徴とする請求項 1記載の注射針。

[3] 前記カバー部材の軸方向所定位置にキャップの係止部を係止する係止部を設けるとともに、

キャップの係止部を弾性変形によりカバー部材の係止部を軸方向に乗り越えるように形成した

ことを特徴とする請求項 1または 2記載の注射針。

[4] 前記カバー部材の係止部をカバー部材の径方向に突出するようにフランジ状に形成するとともに、

前記キャップの係止部をキャップの内周面の複数箇所に互いに周方向に間隔をおいて突設した

ことを特徴とする請求項 3記載の注射針。