WO2005040624A1 - 二軸ヒンジの回転機構およびこれを備えた携帯電話 - Google Patents

Abstract

　より小型化、軽量化が要求される携帯電話やノート型パソコンにおいて、耐久性、良好なフィーリング、小型化、軽量化を実現する回転機構を有する二軸ヒンジを提供する。　回転軸部材９が回転支持部材１０に固定して設けられ、回転側部材７が回転軸部材９の外周に挿通して取り付けられ、回転側部材７に開閉動作を行うための開閉トルクユニット機構１２を配置した二軸ヒンジで、回転軸部材９に取り付けた摺動部材３または回転軸支持部材１０と圧接部材４間でコイルばね６による荷重で摺動摩擦トルク及びクリックトルクを発生する。本発明の二軸ヒンジの回転機構により耐久性、良好なフィーリング、小型化、軽量化を実現している。又、このような回転機構を携帯電話に適用したものである。

Description

明細書

ニ軸ヒンジの回転機構およびこれを備えた携帯電話 技術分野

本発明は、 携帯電話、 ノート型パソコン、 電子手帳、 D V Dモニター、 リモコ ン等の電子機器の、 折り畳み ·回転機構部に使用される二軸ヒンジ部品に関する。 背景技術

従来のニ軸ヒンジの回転軸の摺動摩擦トルクゃクリックトルクの発生機構は、 波形ばねを摺動部材に直接押さえつけるもの、 皿ばね等の板ばねでカムを押さえ つけた構造でトルクを発生させていたものが殆どである。 （特開 2 0 0 2— 1 5 5 9 2 3号公報参照）

図 1 0は、 従来の二軸ヒンジ構造の例を示す。 プレス加工された開閉軸 1 0 1 に貫通して配置した回転軸 1 0 2の一端に波状に加工された板ばね 1 0 3を取り 付け、 開閉軸の両端に固定部材 1 0 4が回転自在に取り付けられ、 回転トルクは 板ばね 1 0 3と開閉軸に取り付けられた摩擦部材 1 0 5を圧接する方法で発生し ている。

従来品ヒンジは、 トルクの発生が板ばねの反発力を利用して摩擦部材を圧接す る方法のため、 摩擦部材 1 0 5の摩耗、 板ばね 1 0 3の変形 （へたり） によるゆ るみやガタ、 あるいは耐久性が悪いなどの問題があった。 経時変化に伴う トルク 変動や耐久の劣化は、 機器の品位を損なうばかり力、 故障を引き起こす原因にな る。 最近の二軸ヒンジは、 従来品と比べ、 操作性や回転 ·開閉時のフィーリング を重視し、 トルク値の維持、 高耐久、 更には小型軽量化が強く求められてきてい る。

また従来品ヒンジは回転軸中心近傍に板ばねや摩擦部材を配置するので、 回転 軸中心に二軸ヒンジが連結する部材間を電気的に接続する電線等を通す穴を設け ることが困難なので回転軸の外側に電線を通過させ、 これにより結果的に電線を 含めた大きさが増大する結果となっている。 発明の開示

本発明が解決しょうとする課題は、 より小型化、 軽量化が要求される携帯電話 やノート型パソコンにおいて、 耐久性、 良好なフィーリング、 小型化、 軽量化、 配線の簡単化を実現するヒンジ部品を提供することである。

図 1 1には最近の携帯電話の一例を示す。 同図の （a ) は開放状態の斜視図、 ( b ) は同平面図、 （c ) は 9 0 ° 展開平面図、 （d ) は待受け状態の平面図をそ れぞれ示す。 かかる携帯電話においては、 図 1 1 ( a ) に示すように旋回動作さ せる機構を付加し、 図 1 1 ( d ) に示すようにモニター 1 0 6を設けてある方の 面を表に向けて筐体を閉じる （これを待受け状態と呼ぶ） ことで、 着信メール等 の情報を目視で確認できるようにしたものである。 このような携帯電話では相手 からの通話に応答する場合、 モニター筐体を旋回させて （b ) に示す開放状態に する必要がある。

回転トルクの大きい従来品ヒンジを備えた携帯電話では， 旋回に要する操作力 が大きく、 素早く通話に応答することが難しい。 従来品ヒンジにおいて旋回操作 力を低減させる場合、 板ばね 1 0 3 (図 1 0参照） のばね力を下げる必要がある 力 S、 これではクリック トルクが低下するため、 待受け状態 （d ) · 開放状態 ( b ) の資性が不安定になるといつた問題があつた。 本発明は下記の構成よりなる。

請求の範囲 1に記載の発明は、 回転および開閉軸を有する二軸構成で、 回転軸 部材を回転支持部材に固定して設け、 回転側部材は該回転軸部材の外周に揷通し て取り付け、 該回転側部材の左右何れかの一方に開閉動作を行う開閉トルクュニ ット機構を配置した二軸ヒンジにおいて、 回転側部材には埋設構造の弾性体に先 端部が略球形の圧接部材を組み込んだ圧接部が 2組以上構成され、 また回転軸部 材と同期して回転するよう配置した摺動部材の片面には圧接部と当接しクリック を発生するために 1つ以上の径方向に伸びた溝を形成し、 該圧接部材と該擠動部 材を弾性的に圧接させる構造にしたことで回転時に摺動摩擦トルクおよびクリッ ク （引き込みおよび保持） トルクを発生させることを特徴とした二軸ヒンジが得 られる。 請求の範囲 2に記載の発明は、 回転および開閉軸を有する二軸構成で、 回転軸 部材に回転支持部材および摺動部材を密着固定し、 さらに該回転軸部材の外周に 揷通して回転側部材が取り付けられ、 該回転側部材の左右何れかの一方に開閉動 作を行う開閉トルクュニット機構を配置した二軸ヒンジにおいて、 回転側部材に は埋設構造の弾性体に先端部が略球形の圧接部材を組み込んだ圧接部が 2組以上 構成され、 回転支持部材に密着固定された摺動部材の片面には圧接部と当接しク リックを発生するために 1つ以上の径方向に伸びた溝を形成し、 該圧接部材と該 摺動部材を弾性的に圧接させることで回転時の摺動摩擦トルクおよびクリックト ルクを発生させることを特徴とした二軸ヒンジが得られる。

請求の範囲 3に記載の発明は、 回転および開閉軸を有する二軸構成で、 回転軸 部材に回転支持部材を密着固定し、 さらに該回転軸部材の外周に揷通して回転側 部材が取り付けられ、 該回転側部材の左右何れかの一方に開閉動作を行う開閉ト ルクュニット機構を配置した二軸ヒンジにおいて、 回転側部材には埋設構造の弾 性体に先端部が略球形の圧接部材を組み込んだ圧接部が 2組以上構成され、 回転 軸支持部材の圧接部材と当接する側の平面に圧接部と当接しクリックを発生する ために 1つ以上の径方向に伸びた溝を形成し、 該圧接部材と回転支持部材を弾性 的に圧接させることで回転時の摺動摩擦トルクおよびタリックトルクを発生させ ることを特徴とした二軸ヒンジが得られる。 この宪明では、 圧接部材と弹性的に 当接し回転摺動トルクおよびクリックを発生するための摺動部材を省略し、 回転 軸支持部材の圧接部材と当接する側の平面にクリックを発生するための溝を構成 したことで部品の省略、 小型化が可能になる。

請求の範囲 4に記載の発明は、 請求の範囲 1〜 3の何れかの二軸ヒンジにおい て、 回転軸の摺動トルクおよびタリックを発生させるための弾性体としてコイル ばね、 皿ばね、 波板ばね及び薄板ばねの何れか 1つを採用したことを特徴とする。 特に、 コイルばねの替わりに皿ばね、 波板ばね、 薄板ばねを採用するとより小型 化された二軸ヒンジが実現可能になる。

請求の範囲 5に記載の発明は、 請求の範囲 1〜4の何れかの二軸ヒンジにおい て、 回転軸部材の中心に貫通穴を設けたことでニ軸ヒンジの両端に接続する機器 間に渡って電気的接続を行う配線用電線を通すことが可能になる。 請求の範囲 6に記載の発明は、 請求の範囲 1〜 5の何れかの二軸ヒンジにおい て、 回転軸支持部材もしくは回転軸部材と回率云側部材との間で回転範囲を規制す る回転ストッパ機構を設けることで回転範囲を制限することが可能になる。

請求の範囲 7に記載の発明は、 請求の範囲 1〜 6の何れかのニ軸ヒンジにおい て、 開閉動作を行う開閉トルクユニット機構が独立したユニットとして組み立て られ、 かつ、 該開閉トルクュニット機構に予め開閉角度制限のストツバやカムを 組み合わせたクリック発生機構が設置されており、 該開閉トルクュニット機構を 回転側部材に嵌合装着することを特徴とする。 このことにより、 組立の簡単化と、 より複雑な機能を有する開閉機構への対応が可能になる。

請求の範囲 8の携帯電話は、 請求の範囲 1〜 7の何れかに記載の二軸ヒンジを 備えたことを特徴としている。 この構成により、 小型化を図りながら筐体を回転 展開させるときの操作力を低減できるニ軸ヒンジを備えた携帯電話が実現できる。 図面の簡単な説明

図 1は請求の範囲 1および請求の範囲 5の実施の形態に関わる部品の構成図で ある。

図 2は請求の範囲 1の実施の形態を示す完成品の正面図である。

図 3は請求の範囲 2の実施の形態に関わる部品の構成図である。

図 4は請求の範囲 3の実施の形態に関わる部品の構成図である。

図 5は請求の範囲 5の実施の形態に関わるき P品図である。

図 6は請求の範囲 6の実施の形態に関わる部品図である。

図 7は請求の範囲 4の実施の形態に関わる部品の構成図である。

図 8は請求の範囲 1および請求の範囲 2の実施の形態に関わる部品図である。 図 9は請求の範囲 7の実施の形態に関わるき 品図である。

図 1 0は従来の二軸ヒンジ構造の例を示す糸且み立て図である。

図 1 1は本発明の二軸ヒンジを適用する携薛電話の説明図である。 発明を実施するための最良の形態

以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 図 1は本発明の二軸ヒンジについて請求の範囲 1の実施の形態に関わる部品の 構成を示している。 回転系は、 図の上から止め輪 1、 ばね座金 2、 摺動部材 3、 片側が略球形状の二組の圧接部材 4、 スリーブ 5、 弾性体としてコイルばね 6、 回転側部材 7、 潤滑プレート 8、 回転軸部材 9、 回転軸支持部材 1 0の部品から 構成されている。 開閉動作を行う機構である開閉トルクユニット機構 1 2は、 回 転側部材 7に挿入固定して取り付ける構造を示している。

摺動部材 3は金属プレス加工により外径が円形形状に形成され、 中心部に四角 形穴 3— 1が設けてある。 摺動咅 15材 3の四角形穴 3 _ 1は、 回転軸部材 9の端部 9一 2に嵌合挿入され、 摺動部材 3と回転軸部材 9は同期して回転する。 摺動部 材 3の嵌合穴 3— 1の形状は、 回転軸部材 9の端部 9一 2に揷入され、 ガタ、 滑 り、 空転が出来難い円形以外の四角、 楕円、 六角形等が採用できる。 摺動部材 3 の下面には径方向に伸びた二力所の V形状の溝 3— 2がある。 図では、 クリック を発生するための溝 3— 2が 2力所設置された様子を示す。 溝 3— 2の形状は、 圧接部材 4の形状によりもしくはトルク、 発音、 耐久特性などから箱形、 U字型、 段構造のものが選択し採用できる。 また溝 3 _ 2の形状は、 径方向に伸びた溝に 限定されるものでなく半球状、 楕円形、 四角形の凹み、 抜き穴構造でも良い。

クリックを発生させるための溝、 凹み、 穴等は、 必要なクリック特性 （トルク の強弱、 発音、 耐久性、 数） により摺動部材 3の円周に沿って複数組み合わせて 設置することも可能であり、 結果として回転時の位置によりクリック感の異なる ヒンジが得られる。 例えば円周に沿って 6 0 ° 毎に溝を設置した摺動部材 3を採 用すれば、 3 6 0 ° 回転時に 6力所でクリックを発生可能である。

尚、 摺動部材 3の摺動面には、 クリック溝 3 _ 2の他に図示されていないが安 定した摺動トルクを確保するために圧接部材 4が円周方向に沿って当接移動する 軌跡部が溝構造になっていても良い。 摺動部材 3は、 金属、 プラスチックなどの 成形、 焼結品が使用でき、 摩耗および耐久性に合わせて熱処理で硬度を調整し、 さらにメツキ、 窒化処理等の表面硬化処理を行っても良い。

圧接部材 4は先端を球形に加工した円筒状で、 球形の反対側はコイルばね 6を ガイドする凸部 4— 1が設けてある。 圧接部材 4、 コイルばね 6、 スリープ 5の 組み合わせで圧接部が構成され、 圧接部は回転側部材 7に埋没する構造となって いる。

図 1には、 圧接部を 2組設置した例を示すが、 前項の摺動部材 3の説明で示し た如く必要なクリック特性により 2組以上設置しても良い。 複数個設置するケー スでは回転側部材の軸心からの距離がそれぞれ異なる円周部に設置しても良い。 圧接部材 4も摺動部材 3と同様な摩耗および耐久性が必要であり熱処理による硬 度調整、 メツキ、 窒化処理等の表面硬化処理を行ったものが使用される。

スリーブ 5は、 金属製の円筒であり、 回転側部材 7に取り付けて圧接部材 4が 上下方向に滑らかに動作できるためのガイドを行うためのものである。 回転側部 材 7の材質や加工精度から圧接部材 4が滑らかに動作できる場合は樹脂製にした りあるいは省略もできる。

回転側部材 Ίは、 樹脂もしくは金属のダイキャスト成形品であり、 中心に回転 軸部材 9を回転自在に揷通する穴 7— 1、 圧接部材 4をスリーブ 5を介して配置 しかつコイルばね 6を収納する穴 7— 2、 開閉トルクユニット機構 1 2を取り付 ける穴 7— 3がある。

潤滑プレート 8は、 樹脂製の薄板であり中心に回転軸部材を揷通するための穴

8 _ 1があり、 回転側部材 7と回転軸支持部材 1 0が直接摩擦しないために配置 する。 材質は二軸ヒンジに必要な耐久性に応じて適宜選択可能であり、 必ずしも 榭脂である必要は無く、 場合によっては省略しても良い。

回転軸部材 9は金属製の円柱开状で、 上端部には止め輪 1を固定するための溝 9一 1、 摺動部材 3の内側穴 3— 1と嵌合する部位 9一 2、 摺動部材 3の下面と 突き当てる段差 9一 3および回転軸支持部材と回転軸部材を密着固定するための 略四角形のフランジ部 9一 4がある。

回転軸支持部材 1 0は、 ヒンジを外部機器筐体に固定するためブラケットであ り、 支持部材 1 0にはネジ穴 1 O— 1、 回転軸部材 9を揷通するための穴 1 0— 2及び回転軸部材 9のフランジ部 9— 4と契合させる略四角形状の回み 1 0— 3 がある。

二軸ヒンジの組み立ては、 図 1の下側から説明すると、 回転軸支持部材 1 0に 回転軸部材 9を揷入し、 回転軸支持部材の凹み 1 0— 3に回転軸部材のフランジ 部 9一 4を嵌合固定し、 回転軸部材 9に潤滑プレート 8、 回転側部材 7を挿入す る。 次に回転側部林の穴 7— 2にコイルばね 6、 スリーブ 5、 圧接部材 4を揷入 する。 さらに、 回転軸部材 9に摺動部材 3を揷入し回転軸部材の段差 9一 2に突 き当て嵌合固定する。 最終的にばね座金 2を揷入して止め輪 1を回転軸部材の溝 7— 1にばね座金 2を圧縮した状態にて固定する。 ばね座金 2と止め輪 1は摺動 部材 3が上方に抜けること無く固定するための 1つの方法であり、 摺動部材 3を 回転軸部材 9と力シメ、 溶接するもしくはピン等で固定しても良い。 摺動部材 3 の上下方向の位置決めは、 本実施例では回転軸部材 9の段差 9 _ 3と止め輪 1で 摺動部材 3を回転軸部材 9の段差 9— 3に突き当てて押さえつける構成にし、 摺 動部材と圧接部材 4との間で発生する摺動トルクゃクリックトルクの安定化を図 つている。 但し突き当てまでの段差 9— 3を省略し止め輪 1によって上下方向の 位置決めを行う構成に簡略化しても良い。 最後に回転側部材の穴 7— 3に開閉ト ルクュエツト機構丄 2を揷入固定する。

図 2は図 1で示された部品を組み立て得られるニ軸ヒンジで請求の範囲 1の完 成品の正面図を示す。 図 1では、 コイルばね 6の荷重 （反発力） で摺動部材 3と 圧接部材 4が押され、 摺動抵抗トルクが発生し、 回転側部材の回転に伴い、 摺動 部材 3の溝 3— 2と圧接部材 4が係合した際にクリックトルクが発生する。 本実 施の形態では 2組の圧接部材 4と 2力所溝部を有する摺動部材 3を組み合わせた 例である。 尚、 実施 で示した 2組の圧接部材 4及び溝 3— 2の例では、 1 8 0 ° 毎にクリックを発生する構成を示している。 回転方向におけるクリ ックの位 置及びヒンジが必要とする回転方向の摺動トルクゃクリックトノレクの強さは、 摺 動部材 3に設置する溝 3 - 2の数、 圧接部材 4の数及び先端部形状更にはコイル ばね 6のばね力を調整することで容易に回転動作の異なるヒンジが実現可能であ る。

本実施の形態の圧接-部材 4は先端部が略球形状であるため、 摺動部材 3に微少 な面積で当接することで滑らかな摺動摩擦トルクの回転感触を得ている。 ばね定 数が小さいコイルばね 6は、 圧接部材 4が摺動部材の平坦部 3— 3に当接してい る場合と摺動部材の溝 3— 2に契合している場合の荷重差が小さいことで、 強い クリックトルクを発生させることができる。 さらに摺動摩擦により摺動部材 3ま たは圧接部材が摩耗した場合でもコイルばね 6の荷重減少が少なく、 摺動摩耗に よるトルク変化の少ない耐久性に優れた二軸ヒンジを得ることができる。

図 3は、 本発明のニ軸ヒンジについて請求の範囲 2の実施の形態に関わる部品 の構成を示している。 摺動部材 3は回転軸部材 9に密着固定され、 溝 3— 2が上 側を向いて配置してある。 圧接部材 4、 スリープ 5及びコイルばね 6は回転側部 材の下側に酉己置し、 潤滑プレート 8を介して固定リング 1 1と止め輪 1で固定す る。 潤滑プレート 8は固定リング 1 1と回転側部材 7の摩擦を考慮して設けた部 材であり、 二軸ヒンジが必要とする耐久性、 トルク及び回転フィーリング等に応 じて、 潤滑プレート 8を省略することも可能である。

本発明によれば、 請求の範囲 1の実施の形態を示す図 1および請求の範囲 2の 実施の形態を示す図 3で示した例の、 回転側部材 7の上面および下面それぞれの 構造、 すなわち回転トルクを発生する部分を 1つの回転側部材 7の上下面に設け ることもできる。 回転トルク発生部を回転軸側部材 7の上下に設置したヒンジは、 ヒンジの小型化、 大きな回転摺動トルクあるいは耐久性の要求、 クリック発生部 の多数箇所の設定に対して有効である。

図 4は、 図 3で示した請求の範囲 2の実施の形態を示す例に対して、 摺動部材 3を省略し、 回転軸支持部材 1 0の圧接部材 4と当接する側の平面にクリックを 発生するための溝 1 0— 1を構成した請求の範囲 3の例を示している。 回転軸支 持部材 1 0の上面に 2力所の溝 1 0— 1があり、 この溝 1 0— 1と圧接部材 4で 摺動摩擦トノレクとクリックトルクを発生することができる。 回転軸支持部材 1 0 は、 二軸ヒンジが必要とする耐久性に合わせ、 熱処理で硬度を調整またはメツキ、 窒化処理等の表面硬化処理を行っても良い。 摺動部材 4を省略することで、 部品 点数を減らして組み立て容易な簡便な構造とすることができる。

図 5は、 請求の範囲 5の回転軸部材 9の例を示す。 請求の範囲 1及び 2の実施 例で使用する回転軸部材 9の中心に穴を設けたものである。 この穴は、 二軸ヒン ジが使用される機器において、 例えばキーボード側からモニター側への音声 -映 像用配線、 あるいはァンテナ線などを通過させることが可能であることを示す。 図 6は、 請求の範囲 6で二軸ヒンジの回転側のストッパ機構を示す例である。 図は、 回転側部材 7の側面及び底面と回転軸支持部材 1 0の側面及び上面を示し ている。 回転側部材 Ίの回転より回転側部材 7の突起状ストッパ 7— 4と回転軸 支持部材 1 0の 2力所の突起状ストツバ 1 0— 4が接触し、 これ以上の回転が出 来ない構造を示している。 本実施例では、 突起状ストッパ 7— 4および 1 0— 4 により回窣云範囲が 1 8 0 ° の場合のストッパ構造を示している。 二軸ヒンジが必 要とする回転範囲は、 回転側部材の突起状ストツノ、° 7— 4と回転側部材のストッ パ 1 0— 4の数、 位置、 形状により変更可能である。 回転側部材 7と回転軸支持 部材 1 0へのストッパ部の設置は、 部品の成型と同時に加工するため、 特別なス トッパ部ネオを追加することなく、 回転ストッパ機構を得ることができる。

図 7は、 請求の範囲 4の発明であり、 二軸ヒンジの回転時の摺動トルクおよび クリックを発生させるための弾性体としてコイルばねの替わりに皿ばね、 波板ば ね、 薄板 fま、ねを採用し小型化を図る例を示す。 図は、 圧接部材 4に円錐型の板ば ね 6で反発力を与えている状態を示す。 皿ばね、 波板ばね、 薄板ばね形状は、 図 に示したような単品の場合あるいは回転軸部材 9の外周に沿い摺動部材 3の形状 に合わせこ半月型、 ドーナツ型も使用可能である。 板ばね 6および圧接部材 4の 形状を吟味することで、 回転側部材 7の回転軸方向の厚さは薄型化が可能になる。 図 8は、 本発明で使用される圧接部材の形状を示す。 図の （1 ) は、 図 1およ び図 3の実施例で示したもの、 （2 ) は先端が球状で突起付き、 （3 ) は円筒の先 端が球状の簡易型、 （4 ) は半球体である。 図に示していないがポールべアリン グのような球体も当然使用可能である。

図 9は、 請求の範囲 7の発明において、 二軸ヒンジの開閉トルクユエット機構 が独立したュニットとして組み立てられた後、 回転側部材 7に嵌合装着される例 を示す。 さ らに、 この図 9では、 開閉トルクユニット機構 1 2に予め開閉角度制 限のストツノ、° 1 2— 1、 1 2 - 2やカム 1 2— 3および筐体接続用ソケット 1 2 一 4を組み合わせたクリック発生機構を設置し、 この開閉トルクュニット機構を 用いている。 開閉トルクュ -ット機構 1 2を独立したユニットとして組み立てた 後、 回転 J部材 7に嵌合装着することで、 組立が簡単で開閉角度制限ゃクリック が発生できる二軸ヒンジを得ることが出来る。

本発明の二軸ヒンジを備えた携帯電話は、 図 1 1に示す携帯電話に、 本発明の 開閉トルクュ-ット機構 1 2他を組み込んで、 クリックトルクを下げずに摺動ト ルクを低减できるため軽い操作感で旋回動作が可能な携帯電話を実現できる。 産業上の利用可能性

請求の範囲 1の発明は、 二軸ヒンジの回転側のトルク発生機構において、 摺動 トルクとタリックトルクを確実かつ高い耐久性で発生させるための効果を示す。 請求の範囲 2の発明は、 請求の範囲 1で使用した部品の組立構成を変えた場合、 請求の範囲 1と同じように回転側のトルク発生機構において、 摺動トルクとクリ ックトルクを確実かつ高 、耐久性で発生させるための効果を示す。

請求の範囲 3の発明は、 請求の範囲 1および請求の範囲 2の摺動部材を省略し、 圧接部材と溝を追加した回転軸支持部材を直接当接させる構成にし、 部品の省略 をした場合でも高いヒンジ特性を維持し、 組立が容易になる効果を示す。

請求の範囲 4の発明は、 弾性体として、 コイルばね、 皿ばね、 波板ばねおよび 薄板ばねの何れか一つを用いる。 このとき、 コイルばねの替わりに皿ばね、 波板 ばね、 薄板ばねを採用すると小型化が可能になる効果を示す。

請求の範囲 5の発明は、 回転軸部材中心に穴を設けることで、 ヒンジの両端に 接続する機器部間に渡って電気的接続を行う配線用電線等を通過させることが可 能となる効果を示す。

請求の範囲 6の発明は、 回転側部材と回転軸支持部材に直接ストッパを設ける ことで、 回転角度範囲を規制したニ軸ヒンジを得ることができる効果がある。

請求の範囲 7の発明は、 開閉動作を行うユニットを回転側部材に嵌合装着する ことで、 新たに開閉角度制限やストッパ機構の追加、 組立の簡略化が得られる効 果を示す。

請求の範囲 8の発明は、 待受け状態 ·開放状態においてモニター側筐体■操作 キー側筐体のロック力を低下させることなく、 旋回に要する操作力を低減できる ので軽い操作感を得ることができ、 クリックトルクを発生させる領域も広く取れ るため、 動作品位の高い携帯電話が実現できる。

Claims

請求の範囲

1 . 回転おょぴ開閉軸を有する二軸構成で、 回転軸部材を回転支持部材に固定 して設け、 回転側部材は該回転軸部材の外周に揷通して取り付け、 該回転側部材 の左右何れかの一方に開閉動作を行う開閉トルクュニット機構を配置したニ軸ヒ ンジにおいて、 回転側部材には埋設構造の弾性体に先端部が略球形の圧接部材を 組み込んだ圧接部が 2組以上構成され、 また回転軸部材と同期して回転するよう 配置した摺動部材の片面には圧接部と当接しクリックを発生するために 1つ以上 の径方向に伸びた溝を形成し、 該圧接部材と該摺動部材を弾性的に圧接させる構 造にしたことで回転時に摺動摩擦トルクおよびクリックトルクを発生させること を特徴とした二軸ヒンジ。

2 . 回転および開閉軸を有する二軸構成で、 回転軸部材に回転支持部材および 摺動部材を密着固定し、 さらに該回転軸部材の外周に揷通して回転側部材が取り 付けられ、 該回転側部材の左右何れかの一方に開閉動作を行う開閉トルクュニッ ト機構を配置したニ軸ヒンジにおいて、 回転側部材には埋設構造の弾性体に先端 部が略球形の圧接部材を組み込んだ圧接部が 2組以上構成され、 回転支持部材に 密着固定された摺動部材の片面には圧接部と当接しクリックを発生するために 1 つ以上の径方向に伸びた溝を形成し、 該圧接部材と該摺動部材を弹性的に圧接さ せることで回転時の摺動摩擦トルクおよびクリックトルクを発生させることを特 ί敷とした二軸ヒンジ。

3 . 回転および開閉軸を有する二軸構成で、 回転軸部材に回転支持部材を密着 固定し、 さらに該回転軸部材の外周に揷通して回転側部材が取り付けられ、 該回 転側部材の左右何れかの一方に開閉動作を行う開閉トルクュニット機構を配置し たニ軸ヒンジにおいて、 回転側部材には埋設構造の弾性体に先端部が略球形の圧 接部材を組み込んだ圧接部が 2組以上構成され、 回転軸支持部材の圧接部材と当 接する側の平面に圧接部と当接しクリックを発生するために 1つ以上の径方向に 伸びた溝を形成し、 該圧接部材と回転支持部材を弹性的に圧接させることで回転 時の摺動摩擦トルクおよびクリックトルクを発生させることを特徴としたニ軸ヒ

4 . 上記弾性体としてコィルばね、 皿ばね、 波板ばね及び薄板ばねの何れか 1 つを採用したことを特徴とする請求の範囲 1〜 3のいずれかに記載の二軸ヒンジ。

5 . 回転軸部材の中心に貫通穴を設けたことを特徴とする請求の範囲 1〜4の いずれかに記載のニ軸ヒンジ。

6 . 回転軸支持部材もしくは回転軸部材と回転側部材との間で回転範囲を規制 する回転ストッパ機構を設けることを特徴とする請求の範囲 1〜 5のいずれかに 記載の二軸ヒンジ。

7 . 開閉動作を行う開閉トルクュニット機構が独立したュニットとして組み立 てられ、 かつ、 該開閉トルクュニット機構に予め開閉角度制限のストツパゃカム を組み合わせたクリック発生機構が設置されており、 該開閉トルクュュット機構 を回転側部材に嵌合装着することを特徴とする請求の範囲 1〜 6のいずれかに記 載の二軸ヒンジ。

8 . 請求の範囲 1〜 7のいずれかに記載の二軸ヒンジを備えたことを特徴とす