WO2005011924A1

WO2005011924A1 - ガス燃焼式衝撃工具

Info

Publication number: WO2005011924A1
Application number: PCT/JP2004/011280
Authority: WO
Inventors: Hiroshi Tanaka; Satoshi Osuga; Yasushi Yokochi
Original assignee: Max Co., Ltd.
Priority date: 2003-07-31
Filing date: 2004-07-30
Publication date: 2005-02-10
Also published as: US7308996B2; TW200513355A; US20060237513A1; EP1649982A1; KR20060052894A; TWI267429B; DE602004023206D1; CA2532025A1; CA2532025C; JP4147403B2; EP1649982A4; JP2005046977A; CN1822923A; CN100410023C; ATE442939T1; EP1649982B1; KR100804894B1; AU2004260754B2; AU2004260754A1

Abstract

打撃シリンダ4の上方に形成した環状の燃焼室10内に、可燃性ガスを噴出させる噴射ノズル21が燃焼室10内に臨ませて形成され、燃焼室10内に供給された燃焼ガスと空気とを燃焼室内で混合させる回転ファン24が設けられる。前記回転ファン24によって燃焼室10内に生成される気流の前記噴射ノズル21の上流側に、渦流発生器33が形成される。該渦流発生手段33によって燃焼室10内の噴射ノズル21の近くで渦流が発生し、このため、燃焼ガスと空気との混合が促進される。

Description

ガス燃焼式衝撃工具技術分野

本発明は、打撃シリンダの上方に形成した燃焼室内で可燃性ガスと空気とを混合させて混合ガスを生成し、この混合ガスを燃焼室内で燃焼させることによって生成される燃焼ガスの圧力で打擊シリンダ内に収容された打撃ビストンを明

駆動させて、該打撃ビストンに一体に結合されたドライバによって釘打ち等の作田

業を行うガス燃焼式衝撃工具に関する。背景技術

ガス燃焼式衝撃工具の一例として、密閉された燃焼室内へ可燃性ガスを注入して燃焼室内で可燃性ガスと空気との混合ガスを生成し、この混合ガスを燃焼室内で燃焼させることによつて燃焼室内に高圧の燃焼ガスを発生させ、この高圧の燃焼ガスを打擊シリンダ内に収容されている打擊ピストンに作用させて打撃ビストンを打撃シリンダ内で衝撃的に駆動させ、この打擊ピストンの下面側に結合されているドライバによって釘を鋼板やコンクリートへ打ち込むようにした燃焼ガス駆動釘打機が知られている。このような燃焼ガス駆動釘打機では可燃性ガスを充填したガスボンベ等の容器を工具内に装着するとともに、可燃性ガスに着火するための電力源であるバッテリ一を工具に装着することによって携帯が可能な工具として形成されている。このため、電力や圧縮空気等の動力供給源に拘束されることなく釘やピンの打ち込み作業を行うことが可能にされている。

上記燃焼ガス駆動釘打機では、打撃ビストンを摺動自在に収容した打撃シリンダがハウジング内に配置されている。前記打撃ビストンの下面側には釘を打撃するためのドライバが結合される。該ドライバが前記ハゥジングの下部に結合されているノーズ部に形成された射出口内に収容されて案内されている。前記打撃ビストンが打撃シリンダ内で駆動されることによって打擊ピストンに結合されたドライバがこの射出口内を衝擊的に駆動される。このため、ノーズ部の射出口内に供給された釘は、射出ロカゝらノーズ部の先端に配置された被打込材へ向けて打ち出される。

打擊シリンダの上部には環状の燃焼室が形成されている。この燃焼室は、燃焼室の周壁を形成している環状のスリーブと、上部ハウジングによって形成された上壁と、前記打擊ピストンの上端面によって画成されている。この燃焼室内で生成される燃焼ガスが打擊ピストンに作用して、打擊ピストンは打擊シリンダ内で駆動される。該燃焼室内には、カートリッジ等のガス容器に充填されている可燃性ガスを燃焼室内へ噴射させるための噴射ノズルが臨ませて形成されている。さらに、燃焼室内に噴射された可燃性ガスを燃焼室内の空気と混合させて所定の空燃比の混合ガスを生成させるための回転ファンが形成されている。回転ファンは電動モータによって回転され、燃焼室内へ噴射された可燃性ガスと燃焼室内に予め存在している空気とを撹拌して、燃焼室内に混合ガスを生成する。

さらに、燃焼室内には、燃焼室内で生成された混合ガスに点火して混合ガスを燃焼室内で爆宪的に燃焼させるための点火装置が形成されている。点火装置は通常高電圧を放電させることによって火花を発生させる点火プラグ等によつて形成されている。作業者がハゥジングの後方に向けて一体に形成されているグリップ部の基部に形成されているトリガを操作することによって、点火装置は作動されて燃焼室内に火花を発生させる。これによつて燃焼室内の混合ガスが着火され、釘打機が駆動される。（特公平 0 3— 0 2 5 3 0 7 参照。）

上記のように、従来のガス燃焼式衝撃工具では、電動モータによって回転されるファンによつて燃焼室内に大きな空気の流れが発生され、この空気流の中に可燃性ガスが噴射ノズルを介して噴射され、可燃性ガスと燃焼室内の空気とが燃焼室内の全域で撹拌されて混合ガスが生成される。このため、燃焼室内での可燃性ガスと空気との混合が効率的に行われ難く、燃焼室内全域の混合ガスの空燃比が点火装置の火花によって着火可能な状態になるまでに時間がかかってしまう。結果として、可燃性ガスを燃焼室内へ供給して混合ガスの生成を開始した直後にトリガを操作して点火装置によって火花を発生させた時に、燃焼が行われないことが発生していた。このように、混合ガスの生成に時間がかかると釘打機の操作レスポンスが悪く、作業性が損なわれてしまうという問題が発生していた。発明の開示

本発明は、燃焼室内へ噴射された可燃性ガスと燃焼室内の空気との撹拌が効率よく行えて、燃焼室内での混合ガスへの着火が確実に行えるガス燃焼式衝撃工具を提供することを課題とする。

上記課題を達成するため、本願発明のガス燃焼式衝撃工具は、打擊ピストンを収容した打擊シリンダの上方に環状の燃焼室を形成するとともに、該燃焼室内へ可燃性ガスを供給して燃焼室内で空気と燃焼ガスの混合ガスを生成して、燃焼室内で前記混合ガスに点火して燃焼させることによって生成される燃焼ガス圧力で前記打撃ビストンに作用させて駆動させるようにしたガス燃焼式衝撃工具において、可燃性ガスを燃焼室内に噴出させる噴射ノズルを燃焼室内に臨ませて形成し、燃焼室内に供給された可燃性ガスと空気とを燃焼室内で混合させる回転ファンを設けるとともに、前記回転ファンによって燃焼室内に生成される気流の前記嘖射ノズルの上流側に渦流発生手段を形成し、該渦流発生手段によつて燃焼室内の噴射ノズルの近くで渦流を発生させて、可燃性ガスと空気との混合を促進させるようにしたことを特徴とする。

また、打撃ビストンを収容した打撃シリンダの上方に環状の燃焼室を形成するとともに、該燃焼室内へ可燃性ガスを供給して燃焼室内で空気と燃焼ガスの混合ガスを生成して、燃焼室内で前記混合ガスに点火して燃焼させることによつて生成される燃焼ガス圧力を前記打撃ビストンに作用させて駆動させるようにしたガス燃焼式衝撃工具において、前記燃焼室内に供給された可燃性ガスと空気とを燃焼室内で混合させる回転ファンを設けるとともに、燃焼室内で生成された混合ガスに点火する点火装置を燃焼室内に形成し、前記回転フアンによつて燃焼室内に生成される気流の点火装置の下流側に溜まり発生手段を形成し、該溜まり発生手段によって回転ファンにより生成された混合ガスを点火装置の近くに溜まりやすくさせたことを特徴とする。また、打撃ビストンを収容した打撃シリンダの上方に環状の燃焼室を形成するとともに、該燃焼室内へ可燃性ガスを供給して燃焼室内で空気と燃焼ガスの混合ガスを生成して、燃焼室内で前記混合ガスに点火して燃焼させることによつて生成される燃焼ガス圧力を前記打撃ビストンに作用させて駆動させるようにしたガス燃焼式衝撃工具において、前記燃焼室内に可燃性ガスを噴出させる噴射ノズルと燃焼室内で生成された混合ガスに点火する点火装置とを各々燃焼室内に臨ませて形成するとともに、燃焼室内に供給された可燃性ガスと空気とを燃焼室內で混合させる回転ファンを設け、前記回転フアンによつて燃焼室内に生成される気流の前記嘖射ノズルの上流側に渦流発生手段を形成し該渦流発生手段によつて燃焼室内の噴射ノズルの近くで渦流を発生させて、燃焼ガスと空気との混合を促進させるようにし、前記回転ファンによって燃焼室内に生成される気流の点火装置の下流側に溜まり発生手段を形成し、該溜まり発生手段によって回転ファンによって生成された混合ガスを点火装置の近くに溜まりやすくさせたことを特徴とする。

また、前記噴射ノズルの上流側に設けられた渦流発生手段と点火装置の下流側に設けられた溜まり発生手段とを、燃焼室内に形成された共通の渦流 ·溜まり発生手段によって構成してもよい。回転ファンによって燃焼室内に生成される気流の前記噴射ノズルの上流側に渦流発生手段を形成し、渦流発生手段によって燃焼室内の噴射ノズルの近くで渦流を発生させて、この渦流によつて燃焼室内に噴射された燃焼ガスと空気との撹拌を促進させるようにしているので、燃焼室内での可燃ガスと空気との撹拌が効率よく行え、燃焼室内での所定空燃比の混合ガスの生成が素早く行え、混合ガスの点火可能なタイミングを早めることが可能となる。

また、回転ファンによって燃焼室内に生成される混合ガスの流れに沿つた点火装置の下流側に溜まり発生手段を形成し、該溜まり発生手段によって回転ファンによって生成された混合ガスを点火装置の近くに溜まりやすくさせているので、点火装置の周辺の混合ガスの空燃比を早く着火可能な空燃比の状態にさせて混合ガスへの点火が早くできるようにしているので、燃焼室内への可燃性ガスの供給開始から短時間でトリガ操作による混合ガスに着火させることが可能となる。

また、噴射ノズルの上流側に渦流発生手段を形成し、渦流発生手段によつて燃焼室内の噴射ノズルの近くで渦流を発生させて、この渦流によって燃焼室内に噴射された可燃性ガスと空気との撹拌を促進させるとともに、点火装置の下流側に溜まり発生手段を形成し、該溜まり発生手段によって回転ファンによって生成された混合ガスを点火装置の近くに溜まりやすくさせているので、燃焼室内での可燃ガスと空気との撹拌が効率よく行えるとともに、点火装置の周辺の混合ガスの空燃比が早く着火可能となり混合ガスへの点火が更に早くできるようになる。

更に、噴射ノズルの上流側に設けられた渦流発生手段と点火装置の下流側に設けられた溜まり発生手段とが燃焼室内に形成された共通の渦流 ·溜まり発生手段によって形成されているので、構造が簡単となりコストの低減が可能となる。図面の簡単な説明

図 1は、本発明のガス燃焼式衝擊工具の実施例にかかる燃焼ガス駆動釘打機の縦断側面図。

図 2は、図 1における Π— Π線での断面図。

図 3は、図 1の燃焼ガス駆動釘打機の要部を拡大した縦断側面図。図 4は、図 3における IV— IV線での断面図。

図 5は、上部ハウジングに形成されている燃焼室の上壁部を示す斜視図図 6は、障壁体による作用を説明するための燃焼室の展開図。なお、図中の符号、 1は燃焼ガス駆動釘打機（ガス燃焼式衝撃工具）、 4は打撃シリンダ、 5は打撃ピストン、 1 0は燃焼室、 1 1は上部ハウジング、 1 2は上壁、 1 3は可動スリーブ、 2 1は噴射ノズル、 2 4は回転ファン、 2 9は点火装置、 3 3は障壁体（渦流発生器）、および、 3 4は障壁体（溜まり発生器）、を示す。発明を実施するための最良の形態

図 1は本発明にかかるガス燃焼式衝擊工具の一実施例を示す燃焼ガス駆動釘打機を示す。図 1に示すように、燃焼ガス駆動釘打機 1においては、後方に向けてグリップ部 3がー体に形成されているハウジング 2内に打撃シリンダ 4が収容されている。この打撃シリンダ 4内には、釘を打撃するドライバ 6を下面側に結合した打撃ビストン 5が摺動可能に収容されている。前記ハウジング 2の下部には、釘を被打込材へ向けて打込み案内する射出口 8を形成しているノーズ部 7が取り付けられている。前記打撃ピストン 5に結合されたドライバ 6が、このノーズ部 7の射出口 8内に摺動可能に収容されて案内されている。このノーズ部 7の後方側には、多数の釘が装填されたマガジン 9が連設されており、マガジン 9内の釘がノーズ部 7の射出口 8内へ順次供給される。射出口 8内へ供給された釘は、前記ドライバ 6によって打撃されて、射出口 8から被打込材へ打ち出される。

前記打撃シリンダ 4の上方には、可燃性ガスと空気との混合ガスが生成されるとともにこの混合ガスを燃焼させるための燃焼室 1 0が形成されている。燃焼室 1 0は、打擊ピストン 5の上端面が晒されている打撃シリンダ 4の上端と上部ハウジング 1 1の内部に形成された上壁 1 2との間に配置されている環状の可動スリーブ 1 3によって形成されている。この燃焼室 1 0内で可燃性ガスと空気との混合ガスを生成して燃焼させることによって生じる燃焼ガスの圧力を、前記打擊ピストン 5に作用させて、打擊ピストン 5を打擊シリンダ 4内の下死点位置に配置されているパンパ 1 4まで駆動させる。

燃焼室 1 0を形成している可動スリーブ 1 3は、打撃ビストン 5の作動方向に沿って摺動可能に配置されている。釘打機 1が起動される以前には、可動スリーブ 1 3は下方位置に配置されており、燃焼室 1 0内を上部ハウジング 1 1 に形成された通気口 1 5および打擊シリンダ 4の外周面とハウジング 2の内周面との間に形成された通路 1 6を介して大気と連通させている。また、釘打機を起動させる際には、可動スリーブ 1 3は上方位置へ作動され、可動スリーブ 1 3の上端部が上壁に配置された Oリング 1 7と密着されるとともに可動スリーブ 1 3 の下端部が打擊シリンダ 4の外周に配置された Oリング 1 8と密着され、このため、燃焼室 1 0内は大気と遮断される。

図 2に示すように、可動スリーブ 1 3の下端は、ハウジング 2の内周面と打撃シリンダ 4の外周面との間に形成されている空間に配置されているリンク部材 1 9に連結されている。このリンク部材 1 9が上方へ作動されると、前記可動スリープ 1 3が上方へ作動されて、燃焼室 1 0内が通気口 1 5及び通路 1 6と遮断される。前記リンク部材 1 9の下端部 1 9 aは、打撃シリンダ 4の下部で前記ノーズ部 7の上方に配置されている。このリンク部材 1 9の下端部 1 9 aは、前記ノーズ部 7の射出口 8の先端方向に突出させて配置されているコンタクト部材 2 0の上端部 2 0 aと連結されている。このため、釘打機 1のノーズ部 7を被打込材に押し当てる操作によって、コンタクト部材 2 0が操作されて、前記リンク部材 1 9を介して可動スリーブ 1 3が上方へ作動され、燃焼室 1 0内は大気と遮断される。

前記燃焼室 1 0の上壁 1 2を形成している上部ハウジング 1 1には、可燃性ガスを燃焼室 1 0内に噴射するように先端部が燃焼室内に臨まされた噴射ノズル 2 1が形成されている。該噴射ノズル 2 1に連結されたガス供給路 2 2が可燃性ガスが装填されたガスボンベのようなガス容器 2 3に接続されている。釘打機 1を起動させるためにノーズ部 7を被打込材に押し当てることによって、可動スリーブ 1 3を上方へ作動させて燃焼室 1 0内を大気と遮断させた後に、前記ガス容器 2 3からガス供給路 2 2を介して燃焼室 1 0内へ一定量の可燃性ガスが供給される。

また、前記上部ハウジング 1 1には、燃焼室 1 0内に噴射された可燃性ガスを燃焼室 1 0内の空気と撹拌させて燃焼室 1 0内で所定の空燃比の混合ガスを生成するための回転ファン 2 4が形成されている。回転ファン 2 4は、上部ハウジング 1 1に形成された凹部内に収容された電動モータ 2 5によって燃焼室 1 Qの周壁に沿って回転される放射状に配置された羽 2 6を有している。この回転ファン 2 4によって燃焼室 1 0内の空気が燃焼室 1 0の環状の周壁に沿って動かされ、燃焼室 1 0内に周方向の空気の流れが生成される。この回転ファン 2 4は、前記可動スリーブ 1 3が上方へ作動される動きに伴って作動されるスィッチ 2 7により、グリップ部 3の内部に配置された制御基板 2 8により駆動制御される更に、上部ハウジング 1 1には、燃焼室 1 0内で生成された混合ガスを着火させて燃焼させるための点火装置 2 9が、形成されている。点火装置 2 9は、ダリップ部 3の後端部に装着されているバッテリー 3 0の電圧を高電圧に昇圧させてこの高電圧を放電させることによって、火花を発生させるようにした一般的な点火プラグによって構成されている。混合ガスが生成された燃焼室 1 0内で火花を発生させることによって、混合ガスが着火して燃焼され、高圧の燃焼ガスが燃焼室 1 0内で生成される。この点火装置 2 9は、グリップ 3の基部に形成されているトリガ 3 1の操作により作動されるスィッチ 3 2に基づいて、前記制御基板 2 8を介して駆動される。

図 3〜図 5に示すように、燃焼室 1 0を形成している上部ハウジング 1 1の上壁 1 2には、回転ファン 2 4によって燃焼室 1 0内に生成される周方向の空気の流れを阻止するように、燃焼室の中心から外側半径方向に延びた渦流発生手段（渦流発生器）としての障壁体 3 3が、前記噴射ノズル 2 1の上流側に、上部ハウジング 1 1の上壁 1 2から燃焼室 1 0内に突出して形成されている。この障壁体 3 3によって、障壁体 3 3の下流側の燃焼室 1 0内の噴射ノズル 2 1が形成されている部分に、気流の乱れによる渦流が発生され、この部分へ噴射ノズル 2 1によって、可燃性ガスが噴射される。この可燃性ガスは、細かい渦流によつて効率よく空気と撹拌されて、この結果、混合ガスの生成が効率よく短時間で行われる。

更に、上部ハウジング 1 1の上壁 1 2には、燃焼室 1 0内で回転ファン 2 4によって生成される周方向の気流に沿った点火装置 2 9の下流側に、燃焼室 1 0内での混合ガスの流れを阻止するように燃焼室 1 0の中心から外側半径方向へ延びた溜まり発生手段（溜まり発生器）としての障壁体 3 4が、上部ハウジング 1 1の上壁 1 2面から燃焼室 1 0内に突出させて形成されている。この障壁体 3 4によって、燃焼室 1 0内に噴射されて空気と撹拌された直後の混合ガスは点火装置 2 9の周辺に溜められ、点火装置 2 9の周辺での混合ガスは点火させやすい空燃比にされる。この結果、点火装置 2 9による燃焼室 1 0内の混合ガスへの点火が確実に行われる。

図 6は、説明の便宜上環状の燃焼室 1 0を展開して示したものであり、この図に基づいて回転ファン 2 4によって燃焼室 1 0内に生成される気流による本発明の作用を説明する。回転ファン 2 4によって、燃焼室 1 0内には図中の矢印で示すように環状の燃焼室 1 0内を巡回する空気の流れが生成される。可燃性ガスを燃焼室 1 0内へ噴射させる噴射ノズル 2 1の上流側に形成された障壁体 3 3によって、上記空気の流れの一部が邪魔されて、障壁体 3 3の下流側に気流の乱れが発生して、細かい複数の渦流を発生する。可燃性ガスは、噴射ノズル 2 1 から燃焼室 1 0内の上記障壁体 3 3の下流側の渦流中に噴射される。この空気の渦流によって、可燃性ガスは効率よく撹拌されて、結果として、着火可能な混合ガスの生成が素早く行われる。

また、燃焼室 1 0内の空気の流れ方向に沿って点火装置 2 9の下流側に形成された障壁体 3 4によって、前述のように嘖射ノズル 2 1によつて燃焼室 1 0内へ噴射されて渦流によって空気と撹拌された直後の混合ガスの流れが阻止される。障壁体 3 4の上流側には、可燃性ガス濃度の高い空燃比の混合ガスが溜められ、点火装置周辺の混合ガスの空燃比は、早く着火可能な状態にされる。この結果、点火装置 2 9による混合ガスへの点火が早くできる。

上記のように本発明の実施例によれば、燃焼室 1 0内の空気の流れを邪魔する障壁体 3 3が、噴射ノズル 2 1の上流側に形成されるため、障壁体 3 3の下流側に細かい複数の渦流が発生する。この渦流中に噴射ノズル 2 1を介して可燃性ガスが噴射されることによって、燃焼室 1 0内での着火可能な混合ガスの生成が素早く行われる。また、混合ガスの流れを邪魔する障壁体 3 4が点火装置 2 9の下流側に形成されるため、燃焼室 1 0内へ噴射されて空気と撹拌された直後の混合ガスが点火装置 2 9の周辺に溜められ、このため、点火装置 2 9の周辺の混合ガスの空燃比は、早く着火可能な状態にされる。この結果、燃焼室 1 0内への可燃性ガスの供給開始から短時間で、トリガ 3 1操作による混合ガスへの着火が可能となり、このため、釘打機の操作レスポンスが改善され、迅速な作業が実現する。

なお、上記実施例では、噴射ノズル 2 1の上流側に形成した渦流発生手段（渦流発生器）としての障壁体 3 3と、点火装置 2 9の下流側に形成した溜まり発生手段（溜まり発生器）としての障壁体 3 4とを、何れも空気や混合ガスの流れの方向と直交する方向の面を形成した障壁体によって形成している。しかしながら、噴射ノズル 2 1の上流側に形成する渦流発生手段（渦流発生器）としては、燃焼室 1 0内に噴射される可燃性ガスの周囲に渦流を発生させることができれば障壁体以外の構造（例えば、穴や、柱状体や、混合ガスの流れを変えるためのエアー吹き出しノズル等）を噴射ノズル 2 1の上流に形成することによつても実施することが可能である。更に、点火装置 2 9の下流側に形成する溜まり発生手段（溜まり発生器）は、前述の障壁体 3 4の構造に代えて、混合ガスの流れを誘導する仕切り板を、可燃性ガスと撹拌された着後の混合ガスを点火装置 2 9の周辺へ誘導させるように形成することによつても、同一の効果が得られる。

また、障壁体を、回転ファンによって燃焼室内に生成される気流の、点火装置の下流側であって、かつ、噴射ノズルの上流側である位置に形成することによって、この障壁体を、渦流発生手段（渦流発生器）および溜まり発生手段（溜まり発生器）としての双方の機能を有するように構成してもよい。産業上の利用可能性

燃焼室内での可燃性ガスと空気とを撹拌して所定の空燃比の混合ガスを効率よく生成させて、点火装置による混合ガスへの着火が早くできるようにするという目的を、回転ファンによって燃焼室内に気流を発生させ、噴射ノズルの上流側に渦流発生手段を形成して渦流発生手段の下流側に生起される渦流によって燃焼室内に噴射される可燃性ガスと燃焼室内の空気との撹拌を行わせることによ

0 つて実現した。また、混合ガスを点火装置の近傍に溜まりやすくするための溜まり発生手段を点火装置の下流側に形成することによつて実現した。

Claims

請求の範囲

1. 燃焼室と、

打撃シリンダと、

前記打擊シリンダ内に収容され、前記燃焼室の内部で可燃性ガスと空気とからなる混合ガスが燃焼する際の燃焼ガス圧力の作用により駆動される、打撃ピストンと、

前記燃焼室内に臨んで形成され、前記燃焼室内に可燃性ガスを噴出する、噴射ノズルと、

前記燃焼室内に供給された可燃性ガスと空気とを前記燃焼室内で混合する、回転ファンと、

前記燃焼室内に配置され、前記燃焼室内の混合ガスに点火する、点火装置と、

前記回転ファンによって燃焼室内に生成される気流の前記噴射ノズルの上流側に形成され、燃焼室内の噴射ノズルの近くで渦流を発生させて可燃性ガスと空気との混合を促進させるための、渦流発生器と、

を具備する、ガス燃焼式衝撃工具。

2. 前記渦流発生器は、前記燃焼室内に突出して形成された障壁体を、有する、請求項 1に記載の燃焼式衝撃工具。

3. 更に、前記回転ファンによって燃焼室内に生成される気流の前記点火装置の下流側に形成され、前記回転ファンによって混合された混合ガスが点火装置の近くに溜まりやすくするための、溜まり発生器、

を具備する、請求項 1のガス燃焼式衝撃工具。

4. 前記溜まり発生器は、前記燃焼室内に突出して形成された障壁体を、有する、請求項 3に記載の燃焼式衝撃工具。

5. 前記渦流発生器と、前記溜まり発生器とが、共通の部材により構成されている、請求項 3のガス燃焼式衝撃工具。

6. 燃焼室と、

打擊シリンダと、

前記打撃シリンダ内に収容され、前記燃焼室の内部で可燃性ガスと空気とからなる混合ガスが燃焼する際の燃焼ガス圧力の作用により駆動される、打撃ピストンと、

前記燃焼室内に臨んで形成され、前記燃焼室内に可燃性ガスを噴出する

、噴射ノズルと、

前記回転フアンによつて燃焼室内に生成される気流の前記点火装置の下流側に形成され、前記回転ファンによって混合された混合ガスが点火装置の近くに溜まりやすくするための、溜まり発生器と、

を具備する、ガス燃焼式衝撃工具

7. 前記溜まり発生器は、前記燃焼室内に突出して形成された障壁体を、有する、請求項 6に記載の燃焼式衝撃工具。

8. 更に、前記回転ファンによって燃焼室内に生成される気流の前記噴射ノズルの上流側に形成され、燃焼室内の噴射ノズルの近くで渦流を発生させて可燃性ガスと空気との混合を促進させるための、渦流発生器、

を具備する、請求項 6のガス燃焼式衝撃工具。

9. 前記渦流発生器は、前記燃焼室内に突出して形成された障壁体を、有する、請求項 8に記載の燃焼式衝撃工具。

10. 前記渦流発生器と、前記溜まり発生器とが、共通の部材により構成されている、請求項 8のガス燃焼式衝撃工具。

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