WO2004097740A1

WO2004097740A1 - 指紋認識装置における辞書画像の更新方式

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Publication number: WO2004097740A1
Application number: PCT/JP1996/002377
Authority: WO
Inventors: Masahiko Yamaguchi; Mitsunobu Okazumi; Hiroyuki Souno; Koichi Narasaki; Takayuki Soga
Original assignee: Masahiko Yamaguchi; Mitsunobu Okazumi; Hiroyuki Souno; Koichi Narasaki; Takayuki Soga
Priority date: 1996-08-26
Filing date: 1996-08-26
Publication date: 2004-11-11
Also published as: US5995641A

Description

明細書指紋認識装置における辞書画像の更新方式本発明の背景

発明の分野

本発明は、指紋認識装置における辞書画像データの更新方式に関し、特に辞書認識時間の短縮を可能にした、指紋認識装置における辞書画像の更新方式に関するものである。

本発明は、指紋認識装置における辞書画像の更新方式に関し、特に辞書画像を常に最良の状態に維持することができるようにした、指紋認識装置における辞書画像の更新方式に関するものである。

本発明は、指紋認識装置における辞書登録認識方式に関し、特に複数辞書を登録して認識することによって、認識率を向上させるようにした、指紋認識装置における複数辞書登録認識方式に関するものである。

本発明は、指紋認識装置において指紋押捺の判定処理を行う方式に関し、特に連続して認識不合格となることを防止した、指紋認識装置の押捺判定処理方式に関するものである。

本発明は、指紋認識における誤判定を防止した指紋認識装置及び指紋押捺判定方法に関する。先行技術

指紋認識装置においては、辞書メモリに予め登録されている指紋の辞書データと、入力された指紋画像との認識を行なうことによって、入力指紋画像が、指紋, 認識装置内にその辞書データが予め登録されている、特定人の指に基づくものであるか否かの判定を行なう。

この場合、認識に使用する複数の.辞書データとの認識一致が迅速にとれるようにして、辞書認識に必要な時間を短縮できるようにすることが望まれている。指紋の辞書データは、センサにおいて押捺された指紋画像における複数の特徴的な部分、例えば端点，分岐点等の画像データを抽出してその座標データとともに登録したものであって、入力指紋画像との間で、これらの特徴点デ一クのいくつかについて一致が検出された時、認識合格とするものである。

一方、センサにおいて指紋押捺を行う際に、押捺面における指の位置や、押捺面に対する指の力の入れ方等によって、比較的容易に指紋が変形し、指紋認識装置に取り込まれる指紋画像が変化することカ、経験的に知られている。

そこで、同一人についてなるべく多数の辞書データを登録するようにすれば、このような指紋の変形が生じても、各種の場合を網羅することが可能なので、これらの辞書画像中のどれかとの一致によって、認識合格とする方式をとることによって、指紋認識装置における認識一致率（合格率）を向上させることができる第 1 4図は、従来の辞書データの構成を示したものてあって、（a ) は全辞書データを示し、（b ) は全辞書データ中における一人分の辞書データ、（c ) は. 一人分の辞書デ一タ中における一つの特徴点デ一夕である。

全辞書データは、例えば M人の被認識者（1〜M) の辞書データからなっている。一人分の辞書データは、例えば N個の特徴点（特徴点 1〜特徴点 N ) からなつている。更に、一つの特徴点データは、所定のウインドウ内における特徴点の画像データとその座標データとからなつている。

指紋認識装置においては、このような N個の特徴点デ一夕を登録した辞書デ一夕を用いて、指紋認識時に取り込んだ入力指紋画像に対して、特徴点 1から順にパターンマツチングを行なつて、例えば L個の特徴点データについてパタ一ンが一致した時、認識合格とするようにしている。

第 1 5図は特徴点の認識の例を示したものであって、（a ) は例 1を示し、 ( b ) は例 2を示している。 N個の特徴点のうち、パターンが一致したものを〇で示し、一致しないものを Xで示している。

例 1の場合は、特徴点 2がー致しないが、それ以外の特徴点が一致したので、 ( L + 1 ) 個の特徴点のパターンマッチングによって、認識合格となったことが示されている。又、例 2の場合は、特徴点 2，特徴点 3及び特徴点 5がー致しないが、それ以外の特徴点か一致したので、（L + 3 ) 個の特徴点のパターンマッチングによって、認識合格となったことが示されている。更に、指紋認識装置においては、辞書データとの認識処理を早く終わらせるため、 N個の特徴点中にパターンが一致しないものが、連続して K個存在した時、入力指紋画像と辞書データとが同一人のものでないと判断して、認識不合格の判定を行ない、それ以後の分の辞書データとの認識を打ち切る処理が行なわれている

第 1 6図は、認識処理の打切りを説明するものてあって、 N個の特徴点からなる辞書データを順に認識していった時、特徴点 5〜特徴点 7において K ( = 3 ) 個の連繞認識不一致が検出されたので、この時点で認識不合格として処理を終了することが示されている。この場合は、例えば特徴点 8〜特徴点 Nの間に、パタ —ンカ一致するものが存在する可能性があっても、以後の処理は行われない。第 1 5図に示された特徴点の認識において、入力指紋画像とパターンが一致しないことが多、特徴点デ一夕が、 L個未満の特徴点デ一夕中に多数含まれていた場合、 L個の特徴点デ一夕とのパターン一致がとれるまでに要する時間は、このような特徴点デ一夕が含まれていなし、場合と比較して長くなる。

又、第 1 6図に示された認識処理の打切りの場合において、入力指紋画像とパタ一ンがー致しなし、特徴点デ一クが連繞して K個以上、 N個の特徴点デ一夕列中の先頭に近い部分に含まれていた場合、認識一致率（合格率）が低下することになる。

第 1図は従来の及び本発明が適用される指紋認識装置の構成を示したものであつて、コア部 1 0と制御部 2 0とからなっている。コア部 1 0は、指紋画像に対する登録と認識の処理を行うものであり、制御部 2 0はコア部 1 0における処理を制御する。制御部 2 0の行う制御は、コア部 1 0に対してコマンドを送信し、コア部 1 0からコマンドに対する応答を受信することによって行われる。

コア部 1 0において、 1 1は指紋画像の登録と認識の処理を制御する中央処理装置（C P U ) てある。又、 1 2は指紋登録又は指紋認識を行おうとする指紋の画像を取り込むセンサ、 1 3はセンサ 1 2から取り込まれた画像を多値画像として格納するフレームメモリ、 1 4は多値画像の 2値化， 2値画像からの特徴点の抽出及び 2値画像と特徴点とのバタ一ンマツチング等の、各種の画像処理を行う画像処理回路、 1 5は 2値化された画像を格納する 2値メモリ、 1 6は 2値画像から抽出された特徴点を辞書画像として格納する辞書メモリ、 1 7は認識に使用する指紋の特徴点を保持する認識用メモリであって、これらは C P U 1 1のバス 1 8に接続されている。又、 1 9は制御インタフヱ一スであって、バス 1 8と制御部 2 0との間で、相互にコマンドと応答のィンタフヱ一スをとる。

このような指紋認識装置における、辞書登録認識方式として、従来、複数の辞書画像を用いることによって、認識率を向上させる方式が提案されている。辞書画像は、センサにおいて押捺された指紋画像の特徴部分、例えば端点，分岐点等を抽出したものであって、入力画像との間で、これらの特徴部分のいくつかについて一致が検出されたことによって、認識合格とするものである。

一方、センサにおいて指紋押捺を行う際の、押捺面における指の位置や、押捺面に対する指の力の入れ方等によって、比較的容易に指紋が変形し、指紋認識装置に取り込まれる指紋画像が変化することが、経験的に知られている。

そこで、同一人についてなるべく多くの辞書を登録するようにすれば、このような指紋の変形が生じても、各種の場合を網羅することが可能てあり、これらの辞書中のどれかとの一致によって、認識合格とする方式をとることによって、指紋認識装置における認識率を向上させることができる。

第 1 7図は、従来の複数辞書方式の場合の、登録処理と認識処理のフローチヤ —卜であって、（a ) は登録処理を示し、（b ) は認識処理を示している。複数辞書方式の場合の登録処理は、次のようにして行われる。

①指紋押捺によって、センサ 1 2から入力された指紋画像（第 1画像）、フレームメモリ 1 3を経て画像処理回路 1 4において 2値化されて、 2値メモリ 1 5に格納される。

② 2値メモリ 1 5に格納された 2値画像から、 C P U 1 1における特徴点抽出プログラムの実行によって、画像処理回路 1 4において特徴点を抽出して、辞書画像として認識用メモリ 1 7に仮登録する。

③再び指紋押捺によって、指紋画像（第 2画像）が、センサ 1 2からフレームメモリ 1 3を経て画像処理回路 1 4において 2値化されて、. 2値メモリ 1 5に格納される。

④ C P U 1 1の認識処理プログラムの実行によって、認識用メモリ 1 7に仮登録されている辞書画像（第 1画像）と、 2値メモリ 1 5に格納された 2値画像 (第 2画像）とから、画像処理回路 1 4においてパターンマッチングの処理を行ラ。

⑤認識結果、認識合格となった場合は、仮登録されている第 1画像の辞書画像を、辞書 1として辞書メモリ 1 6に本登録する。

⑥更に、 2値メモリ 1 5に格納されている第 2画像の 2値画像から、 C P U 1 1における特徴点抽出プログラムの実行によって、画像処理回路 1 4において特徵点を抽出して得られた辞書画像を、辞書 2として辞書メモリ 1 6に本登録する _c このようにして、第 1画像の本登録と、第 2画像の本登録とが行われた時、登録成功として、処理を終了する。一方、認識結果、認識不合格の場合は、登録失敗として、それまでの処理をクリアする。

複数辞書方式の場合の認識処理は、次のようにして行われる。

①指紋押捺によって、センサ 1 2から入力された指紋画像（認識用画像）、フレームメモリ 1 3を経て、画像処理回路 1 4において 2値化されて、 2値メモリ 1 5に格納される。

②制御部 2 0からのコマンドによって、辞書メモリ 1 6から指定された辞書番号の辞書 1の辞書画像を、認識用メモリ 1 7に転送し、 C P U 1 1の照含処理プログラムの実行によって、 2値メモリ 1 5の 2値画像と、認識用メモリ 1 7の辞書画像とによって、画像処理回路 1 4において、パターンマッチングの処理を行う。

③認識結果、認識不合格となった場合は、辞書 2の辞書画像を用いて、画像処理回路 1 4において、再び 2値メモリ 1 5の 2値画像とパターンマッチングの処理を行う。

④②の処理において辞書 1の辞書画像との間で認識合格となるか、又は③の処理において辞書 2の辞書画像との間で認識合格となつた場含は、認識成功として、その旨を制御部 2 0に通知する。

⑤②の処理と③の処理において、ともに認識不合格となった場合は、認識失敗として、その旨を制御部 2 0に通知する。

指紋認識装置において、複数辞書方式を採用することによって、指紋押捺時の指紋の変形に基づく認識不合格の発生を防止して、認識率を向上させることができる。

然しながら、指紋は常に一定不変ではなく、次のような種々の原因によって変化する。

( 1 ) 経年変化（年齢や指の外傷等）

( 2 ) 慣れによる指の置き方の変化

そこで、入力指紋画像が以前に登録された辞書画像に対して次第に変化し、その後、指紋押捺が行われた時、認識不合格となる場含が生じる。従って、登録された辞書画像を適当な機会に更新しないと高認識率を維持することが困難であるが、従来、このような辞書画像の更新を可能にする、辞書画像の更新方式は提案されていなかった。

尚、その他の辞書登録認識方式としては、例えば、特開平 7— 2 7 1 9 8 0号公報に記載されるものが知られている。

第 1 8図は、従来の、及び本発明が適用される指紋認識装置の概要を示したものであって、 6 1は透明体からなるプリズム型の指置台を示し、 6 l aはその上面、 6 1 bはその傾斜面、 6 1 cはその下面を示す。 6 2は指置台 6 1の上面に設けられた指を置くためのプリズム面、 6 3はプリズム面 6 2上に載せられた指を示す。 6 4はランプであって、指置台 6 1の下面 6 1 cの側から指 6 3を照明する。 6 5は撮像装置であって、指置台 6 1の傾斜面 6 1 bの側から指 6 3を撮像する。 6 6は指紋認識制御部であつて、ランプ 6 4及び撮像装置 6 5を制御して、 '指紋の認識処理を行う。指紋認識制御部 6 6において、 6 7は撮像装置 6 5 から取り込まれた指紋画像を処理する画像処理部、 6 8は採取した指紋画像を辞書として登録する指紋登録部、 6 9は撮像された指紋画像と登録された辞書画像とを認識して一致の判定を行う認識部である。

指置台 6 1のプリズム面 6 2は、ランプ 6 4によって、下面 6 1 c側から指置台 6 1を透して照明されている。プリズム面 6 2に指 6 3を載せて、指先を押しつけることによって、指紋隆線がプリズム面 6 2に接触する。この状態で指置台 6 1の斜面 6 1 b側からみると、指紋隆線の部分が他の部分と光の反射率が異なるため、テレビカメラ等の撮像装置 6 5によって、指置台 6 1の斜面 6 1 b側から、プリズム面 6 2に形成された指紋像を撮像することができる。

指紋認識制御部 6 6内の画像処理部 6 7によって、撮像された指紋像を処理して、特徴点の比較を行いやすいようにした後、認識部 6 9において、指紋登録部 6 8に辞書画像の形で登録されている指紋の特徴点と順次認識する。そして、所定数以上の特徴点について、入力指紋像との一致が検出された時、認識合格の判定を行う。指紋の特徴点は、指紋隆線の端点や分岐点等によって抽出される。指紋認識を行うに先立って、先ず、指置台 6 1上に指 6 3が置かれたことを確認することが必要てあり、そのため、指紋押捺の有無を判定する押捺判定処理が行われる。

第 1 9図は、指紋認識装置における従来の押捺判定処理を示すフローチャートである。指紋認識時、先ず装置は指紋の押捺要求を行う。第 1回目の指紋押捺が行われたことを判定した時、指紋画像が取り込まれ、登録されている指紋画像との認識処理が行われる。認識結果、認識合格となった場合は、認識成功の処理が行われて、例えば、所定の入室許可等の処理が実行される。

第 1回目の指紋押捺によって、認識不含格となった場合は、再び押捺要求が行われて、指紋画像が取り込まれ、認識処理が行われる。認識不合格の場合は、このような処理を繰り返して行い、認識 3回目で認識不合格となった時は、認識失敗の処理が行われて、例えば、入室拒否等の処理が実行される。

第 1 9図に示された従来の指紋押捺判定処理では、認識結果、認識不合格となり、再度、押捺要求が行われて、これに応じて指紋画像の取り込みが行われる場合でも、指置台に置かれた指の状態はそのままであって、 3回の認識を行う間、連続的に押捺面（プリズム面 2 ) に密着保持されていた。

第 1回目の認識で、認識不合格となり、指紋認識装置から再押捺要求が行われた際、第 1回目の指紋押捺から引き続いて、押捺面に指を密着保持していた場合には、再押捺要求によって取り込まれる指紋画像は、第 1回目に取り込まれた指紋画像とほぼ同じものとなる。そのため、第 1回目に取り込まれた指紋画像による認識結果、認識不合格となった場合は、第 2回目に取り込まれた指紋画像による認識結果も、同様に認識不合格となる可能性か大きい。

そこで、第 2回目の指紋押捺の際は、第 1回目の指紋押捺の後、一旦、指を押捺面から離して、新たに押捺面に載せ直して指紋押捺を行うように促すことによつて、第 2回目の指紋押捺によって取り込まれた指紋画像による認識結果は、認識合格となる可能性が大きくなると考えられる力、従来、このような方式は行われていなかった。

又、従来方式のように、第 1回目の指紋画像採取が行われる以前から、複数回の指紋画像採取の間、押捺面に指を載せたままにした場合は、押捺時間が長くなることによって、指の皮膚の伸び縮みが生じて指紋画像が変形し、認識率が低下することになる。更に、押捺面に載せた指の位置が偏っていた場合は、指紋の変形が部分的に生じるため、押捺時間が長くなることによって、指紋画像の歪みが大きくなつて、更に認識率が低下する。

指紋画像の取り込みは、装置が指紋押捺を確認した直後に行われるのて、感覚的には、指を指紋押捺面に載せた瞬間に指紋画像の採取が行われる。従って、本発明方式のように、指紋押捺ごとに押捺面から指を離すようにすれば、押捺後の指紋画像取り込みのタイミングを一定にし、且つ押捺後、短時間に行うことができるので、指紋採取時の条件を同じにして、第 1回目の指紋押捺時の認識率と、第 2回目の指紋押捺時の認識率とが、変化しないようにすることが可能になるが、従来、このような方式は提案されていなかった。

第 2 0図は指紋撮像部の説明図であり、 7 1はカメラ、 7 2は光源、 7 3はプリズム、 7 4は弾性膜、 7 5は指紋押捺のための指を示す。カメラ 7 1は、例えば、 C C Dカメラとすることができ、押捺面（弾性膜 7 4の面）に対して臨界角 0以 '下の角度に配置され、光源 7 2からプリズム 7 3を介して押捺面を照明した時、指 7 5が載置されていない場合は、カメラ 7 1に反射光が入射されない構成となり、押捺面の弾性膜 7 4上に指 7 5を載せると、その指 7 5の指紋を形成する隆線，谷線に対応した反射光がカメラ Ί 1に入射され、カメラ 7 1から指紋を撮像した信号が出力される。

又、弾性膜 7 4は、指 7 5との密着性を向上して、乾燥した指でも鮮明な指紋を撮像できるようにするためのものであり、或る程度の耐磨耗性が必要である。そのため、使用可能で無色透明な材料が存在しない。従って、強い光が外部から押捺面に入射されると、弾性膜 7 4自身による散乱光が発生してカメラ 7 1に入射されることがある。又、弾性膜 7 4に疵がついた場合や麈挨が付着した場合、光源 7 2からの照明により反射光が生じてカメラ 1 1に入射される。

指紋認識装置としては、指紋押捺面（弾性膜 7 4上）に指 7 5を載置し、カメラ 7 1により指紋を撮像して処理することになるカ^ カメラ 7 1からの画像信号が指紋撮像によるものであるか否かを判定する必要がある。そのために、従来例の指紋認識装置においては、例えば、（a ) 押捺面に指を載置した時に、その指からの反射光がカメラ 7 1に入射されるから、カメラ 7 1による撮像画面内の指紋認識等に用いる判定エリァ内の平均輝度を求め、この平均輝度が予め設定された閾値を超えた時に、指 7 5による反射光がカメラ 7 1に入射されたものと推定して、指紋押捺と判定し、その時の撮像画像信号を取込み、指紋登録や指紋認識を行う方式が知られている。

又、（b ) 判定エリア内を複数のブロックに分割し、各ブロック内の平均輝度が閾値を超えたプロックの数が所定値以上の時に、押捺状態と判定する方式も知られている。又、判定エリア内のブロック数を、ブロック内画素数を m、判定ェリァ内の画素の輝度を P _{Q n}とすると、或るブロックの平均輝度 A "ま、

A _q = (∑_n = i ^{n =m} P„n) /m … ( 1 )

と表すことができる。そして、或る閾値 aに対して前述の平均輝軍度が A _q > aとなるブロックの総数を求めて Nとし、この総数 Nが或る閾値 bに対して N > bの関係となった時に、指紋押捺と判定する方式も知られている。

前述の従来例の（a ) の判定エリア内の平均輝度が閾値を超えた時に、指紋押捺と判定する方^は、直射日光等のように、強い光が指紋押捺面に入射されると、弾性膜 7 4の散乱光がカメラ 7 1に入射されて、全面が全体的に白い画面となり、平均輝度が上昇する。即ち、押捺判定において誤りが生じることになる。

又、従来例（b ) の判定エリア内の各ブロックの平均輝度が閾値 aを超えた数 Nを求め、その数 Nが閾値 bを超えた時に、指紋押捺と判定する方式は、光源 7 2の照明むらを救済できるとしても、従来例の（a ) の場合と同様に、強い光が押捺面に入射されると、各ブロックの平均輝度が大きくなるから、押捺判定に誤りが生じることになる。本発明の概要

本発明の目的は、指紋認識装置において、辞書データ中における全ての特徴点データに対して、複数回の認識を行った時の一致データを記憶しておき、ある時点において一致データに応じて優先順位を定めて特徴点データの並べ替えを行うことによって、認識合格に至る時間を短縮し、従って、辞書認識が迅速に行れるようにするとともに、認識不一致の連続によつて認識打切りとなることに基づく認識一致率（合格率）の低下を防止できるようにすることにある。

本発明の別の目的は、指紋認識装置において、登録した辞書画像を更新して常に最良の辞書画像を確保することによって、高認識率を維持することを可能にする、辞書画像更新方式を提供することにある。

本発明の別の目的は、指紋認識装置において、複数辞書を登録して認識を行うとともに、この際、登録時においては、簡潔に、より安定した複数の辞書画像を得ることができ、また認識時においても、簡潔に、複数の辞書との認識処理を行うことができるようにすることにある。

本発明の別の目的は、指紋認識装置において、認識判定を行うべき指紋画像を取り込む際には、指紋押捺が行われていない状態から指紋押捺を行って、この時得られた指紋画像を指紋認識用の画像として取り込むようにするものであり、これによって、押捺状態が時間継続することによって生じる指紋の変形に基づヽて、押捺された指紋が認識不合格となる事態が繰り返されないようにするとともに、押捺後の指紋画像取り込みのタイミングを一定にし、且つ押捺後、短時間に行う-ことが可能な、指紋認識装置における押捺判定処理方式を提供することにある

本発明の別の目的は、このような押捺判定の誤りを防止した指紋認識装置及び指紋押捺判定方法を提供することにある。

本発明の指紋認識装置における辞書画像の更新方式は、指紋画像における特徴点デ一タを複数個配列してなる辞書デ一タを任意数有し、入力指紋画像と辞書デ一夕における複数個の特徴点デ一夕との間でそれぞれパタ一ンマッチングを行なつて所定数の特徴点デ一タの一致によつて入力指紋画像とこの辞書デ一夕との一致を検出する指紋認識装置における辞書画像の更新方式において、各特徴点デー夕に入力指紋画像との一致度数を示す一致データを設け、任意の期間、全特徴点データと入力指紋画像とのパターンマッチングを行った時の、一致データの大きい順に、辞書データを構成する各特徴点データを並べ替えるようにするものである。

本発明の指紋認識装置における辞書画像の更新方式においては、特徴点データを複数個配列した辞書データを有し、入力指紋画像と複数個の特徴点データとの間でそれぞれパタ一ンマッチングを行なつて、所定数の特徴点デ一夕の一致が得られた時、入力指紋画像とこの辞書データとがー致したことを検出するようにしている。

本発明の指紋認識装置における辞書画像の更新方式においては、この場合に、各特徴点デ一クに入力指紋画像との一致度数を示す一致デ一タを設ける。そして、ある期間、全特徴点データと入力指紋画像とのパタ一ンマツチングを行なつて、一致デ一夕の大きし、順に、各特徴点デー夕の順序を並べ替えるようにする。

このように並べ替えることによって、所定数の特徴点データとの一致が早くとれるようになるので、指紋画像の照含時間を短縮することができるようになる。又、認識中における連続する複数個の不一致によって、以後の認識を打ち切る方式の場合、認識打切りに基づく、認識一致率（合格率）の低下を防止することができるようになる。

本発明の指紋認識装置における第 1の辞書画像の更新方式は、相互に照含して認識合格となつた複数の指紋画像から抽出された辞書画像をそれぞれ辞書として登録し、この複数の辞書を用いて入力指紋画像の認識処理を行う指紋認識装置における辞書画像の更新方式において、入力指紋画像と複数の辞書に登録されている辞書画像とを順次認識して、いずれかの辞書と認識合格となった時、一方の辞書を他方の辞書に登録されている辞書画像に更新し、この他方の辞書を入力指紋画像から抽出された辞書画像に更新する。

本発明の指紋認識装置における第 2の辞書画像の更新方式は、相互に認識して認識合格となつた複数の指紋画像から抽出された辞書画像をそれぞれ辞書として登録し、この複数の辞書を用、て入力指紋画像の認識処理を行う指紋認識装置において、入力指紋画像と複数の辞書に登録されている辞書画像とを順次認識して、両辞書と認識合格となった時、一方の辞書を他方の辞書に登録されている辞書画像に更新し、この他方の辞書を入力指紋画像から抽出された辞書画像に更新するとともに、一方の辞書と認識合格となり他方の辞書と認識不合格となった時、この認識不合格となつた辞書を入力指紋画像から抽出された辞書画像に更新する。本発明の指紋認識装置における第 3の辞書画像の更新方式は、相互に認識して認識合格となつた複数の指紋画像から抽出された辞書画像をそれぞれ辞書として登録し、この複数の辞書を用いて入力指紋画像の認識処理を行う指紋認識装置における辞書画像の更新方式において、入力指紋画像と複数の辞書に登録されている辞書画像とを順次認識して、いずれかの辞書と認識合格となった時、最初に登録された辞書以外の辞書を入力指紋画像から抽出された辞書画像に更新する。本発明の指紋認識装置における第 4の辞書画像の更新方式は、相互に認識して認識合格となった複数の指紋画像から抽出された辞書画像をメィン辞書及びサブ辞書として登録し、このメイン辞書を用いて入力指紋画像の認識処理を行う指紋認識装置における辞書画像の更新方式において、入力指紋画像とメイン辞書との認識処理時、サブ辞書との認識も行って、各辞書の認識一致率を更新し、サブ辞書の認識一致率がメイン辞書の認識一致率より高くなつた時、このサブ辞書をメイン辞書に置き換える。

本発明の指紋認識装置における第 1の辞書画像の更新方式においては、相互に認識して認識合格となつた複数の指紋画像から抽出された辞書画像をそれぞれ辞書として辞書メモリに登録して、この複数の辞書を用いて入力指紋画像の認識処理を行う。

この場合に、入力指紋画像と複数の辞書に登録されている辞書画像とを順次認識して、いずれかの辞書と認識合格となった時、一方の辞書を他方の辞書に登録されている辞書画像に更新し、この他方の辞書を入力指紋画像から抽出された辞書画像に更新する。

本発明の指紋認識装置における第 1の辞書画像の更新方式においては、指紋認識装置において、辞書として常に最適の辞書画像を持つので、高認識率を維持することができ、従って、指紋認置における認識率を向上させることができる。本発明の指紋認識装置における第 2の辞書画像の更新方式においては、第 1の書画像の更新方式と同様の複数辞書方式の指紋認識装置において、入力指紋画像と複数の辞書に登録されている辞書画像とを順次認識して、両方の辞書と認識合格となった時は、第 1の辞書画像の更新方式と同様に、一方の辞書を他方の辞書に登録されている辞書画像に更新し、他方の辞書をこの入力指紋画像から抽出された辞書画像に更新する。

又、一方の辞書との認識結果、認識合格となり、他方の辞書との認識結果、認識不合格となった時は、認識不合格となった辞書を、入力指紋画像から抽出された辞書画像に更新する。

本発明の第 2の辞書画像の更新方式においては、辞書として常に最適の辞書画像を持つので、高認識率を維持することができ、従って、指紋認識装置における認識率を向上させることができる。

本発明の指紋認識装置における第 3の辞書画像の更新方式においては、第 1の辞書画像の更新方式と同様の複数辞書方式の指紋認識装置において、入力指紋画像と複数の辞書に登録されている辞書画像とを順次認識して、いずれかの辞書と認識合格となった時は、最初に登録された辞書以外の辞書を、入力指紋画像から抽出された辞書画像に更新する。

本発明の指紋認識装置における第 3の辞書画像の更新方式においては、指紋認識装置において、辞書として常に最適の辞書画像を持つので、高認識率を維持することができ、従って、指紋認識装置における認識率を向上させることができる本発明の指紋認識装置における第 4の辞書画像の更新方式は、指紋認識装置において、相互に認識して認識合格となつた複数の指紋画像から抽出された辞書画像をメィン辞書及びサブ辞書として登録し、このうちのメィン辞書を用いて入力指紋画像の認識処理を行う。

この場合に、指紋画像とメイン辞書との認識処理時、サブ辞書との認識も行つて、各辞書の認識一致率を H新する。そして、サブ辞書の認識一致率がメイン辞書の認識一致率より高くなつた時、このサブ辞書をメイン辞書に置き換える。本発明の指紋認識装置における第 4の辞書画像の更新方式によれば、指紋認識装置において、常に一致率が高くなるように辞書画像が更新されるので、更新されるごとに、より信頼性の高い辞書画像を得ることができるようになる。本発明の指紋認識装置における複数辞書登録認識方式は、入力指紋画像を 2値化して保持する 2値メモリと、この 2値化した指紋画像から特徴点を抽出する特徴点抽出手段と、抽出された特徴点を辞書画像として登録する辞書メモリと、照含すべき特徴点を保持する認識用メリと、 2値メモリに保持された 2値画像と認識用メモリに保持された特徴点とを認識する認識手段とを備えた指紋認識装置における複数辞書登録認識方式において、辞書画像の登録処理時、同一の指についての複数の指紋画像について相互に認識して、認識合格となった指紋画像の特徴点をそれぞれ辞書画像として辞書メモリに登録し、入力指紋の認識時、入力指紋画像をこの複数の辞書画像と認識して、いずれかの辞書画像と認識合格の時、入力指紋の認識成功を判定するものである。

本発明の指紋認識装置における複辛書登録認識方式においては、指紋認識装置は、 2値メモリを備えて、入力指紋画像を 2値化して保持し、特徴点抽出手段を備えて、この 2値化した指紋画像から特徴点を抽出し、辞書メモリを備えて、抽出された特徴点を辞書画像として登録し、認識用メモリを備えて、認識すべき特徴点を保持し、認識手段を備えて、 2値メモリに保持された 2値画像と認識用メモリに保持された特徴点とを認識するものてある。

この場合に、辞書画像の登録処理を行う時は、認識用メモリ 4に保持された第 1の指紋画像から特徴点抽出手段によって抽出された特徴点と、 2値メモリに保持された同一の指についての第 2の指紋画像の 2値画像とを、認識手段で認識して、認識合格の時、第 1の指紋画像の特徴点と、第 2の指紋画像から特徴点抽出手段によって抽出された特徴点とを、第 1及び第 2の辞書画像として辞書メモリに登録する。

そして、入力指紋の認識処理時、 2値メモリに保持された入力指紋画像の 2値画像と、認識用メモリに保持された第 1の辞書画像とを認識し、認識不合格の時は再び第 2の辞書画像と認識して、いずれかの辞書画像との間で認識合格が得られた時、入力指紋が指紋認識装置に予め登録されている指紋画像と認識がとれて、認識成功となったことを判定する。

更に、登録認識する辞書画像は、上述のように第 1，第 2の 2枚の場合に限らず、任意の複数枚であってもよい。本発明によれば、指紋認識装置において、複数辞書を登録して認識を行うことによって、認識率を向上させることがてきるようになる。

本発明の指紋認識装置における押捺判定処理方式は、押捺された指紋から採取した指紋画像を登録されている辞書画像と認識して、認識合否を判定する指紋照含装置における押捺判定処理方式において、認識処理の最初の段階て指紋押捺の有無を判定し、認識処理の最初の段階で指紋押捺が行われていた時は、指離し要求を行って、この指離し要求後の指紋押捺の有無を判定し、いずれの指紋押捺有無の判定結果においても、指紋押捺が行われていないことを確認した時、指紋押捺を要求し、この指紋押捺要求後、指紋押捺の有無を再度判定して、この指紋押捺再判定結果、指紋押捺を確認した時、指紋画像の取り込みを行うものである。本発明の指紋認識装置における押捺判定処理方式においては、押捺された指紋から採取した指紋画像を登録されている辞書画像と認識して、認識合否を判定する

本発明の指紋認識装置の押捺判定処理方式は、次の各押捺判定処理のステップを備えている。

( 1 ) 認識処理の最初の段階で指紋押捺の有無を判定する。

( 2 ) 認識処理の最初の段階で指紋押捺が行われていた時は、指離し要求を行う c

( 3 ) 指離し要求後、指紋押捺の有無を判定する。

( 4 ) ( 1 ) 又は（2 ) のいずれの押捺判定の結果でも、指紋押捺が行われていないことを確認した時、指紋押捺を要求する。

( 5 指紋押捺要求後、指紋押捺の有無を再度判定する。

( 6 ) ( 5 ) の指紋押捺要求後の指紋押捺再判定結果、指紋押捺を確認した時、指紋画像の取り込みを行う。

従って、本発明の指紋認識装置の押捺判定処理方式によれば、指紋認識装置において、指紋認識の判定結果、認識不合格となる状態が連続しないようにすることができる。

本発明の指紋認識装置は、光源からの照明による反射光を入射させて撮像する構成の指紋撮像部と、指紋判定エリア内を複数のブロックに分割し、指紋撮像部からの多値画像信号を基に、プロック内の平均輝度を算出するプロック内平均輝度算出部と、このプロック内平均輝度算出部からのプロック内平均輝度と判定ェリア内の各画素の輝度との偏差を求め、この偏差に対応する画素数を求める輝度偏差算出，配列化部と、この輝度偏差算出，配列化部からの偏差に対応する画素数について、偏差が零近傍の所定の範囲内の画素数が閾値を超えない時に、指紋撮像部に対して指紋押捺状態となつたと判定する押捺判定部と、この押捺判定部による指紋押捺状態を判定した時の指紋撮像部からの多値画像信号を基に指紋認識を行う指紋認識部とを備えている。

本発明の指紋認識装置における指紋押捺判定方法は、指紋撮像部によって撮像した多値画像信号を基に、指紋の判定エリア内の複数のブロック毎に平均輝度を求め、このプロック毎の平均輝度とそのプロック内の画素の輝度との偏差を求め、判定エリア全体について偏差に対応する画素数を求め、横軸を偏差、縦軸を画素数に配列した時に、偏差が零の点から横軸方向に所定の値をシフ卜した点を中心とした所定範囲内における画素数が閾値を超えたか否かを判定し、超えない時は指紋押捺状態であると判定する過程を含むものである。

本発明の指紋認識装置においては C C Dカメラ等を含む指紋撮像部からの多値画像信号は、インタフエース部を介してプロック内平均輝度算出部に加えられ、このプロック内平均輝度算出部は、撮像ェリァ内の判定ェリァを複数のプロックに分割して、各ブロック内の平均輝度を算出する。輝度偏差算出，配列化部は、プロック内平均輝度とそのプロック内の各画素の輝度との偏差を求め、判定ェリァの全画素について処理し、偏差と画素数との対応を求める。押捺判定部は、偏差が零近傍の所定範囲内の画素数が閾値を超えた時は、外光が指紋撮像部に入射したものと判定し、又超えない時は、指紋撮像部に対して指紋押捺状態となっていると判定し、その時の指紋撮像部からの多値画像信号を二値化部において二値化し、記憶部に登録された二値化登録指紋と指紋認識部において認識し、認識判定を出力する。

本発明の指紋認識装置における指紋押捺判定方法においては、指紋の判定ェリァ内の複数のプロック毎に平均輝度を求めて、このプロックの各画素の輝度とブロック内平均輝度との偏差を求め、次に、判定エリア全体について偏差と画素数との関係を求める。そして、横軸を偏差、縦軸を画素数とすると、外光入射の場合、或いはこれと反対に指紋撮像部へ入射光が僅かの反射光のみの場合、殆どの画素は、ブロック内平均輝度との偏差が零又はそれに近いものとなり、偏差零近傍の画素数は閾値を超える程度に多くなる。これに対して、指紋押捺状態の場合は、指紋に対応した反射光が指紋撮像部に入射されるから、偏差零近傍の画素数は少なくなり、この偏差零近傍を中心に双峰特性の画素数分布となって、偏差零近傍の画素数は閾値を超えないものとなる。又、指紋撮像部や各部の構成の電気的な特性に対応して、偏差に対する画素数分布特性は、偏差零を中心に対象性を有するものではないから、偏差零の点から横軸方向に所定の値をシフ卜した点を中心として、所定範囲内の画素数が閾値を超えたか否かを判定する。図面の簡単な説明

第 1図は、本発明が適用される指紋認識装置の構成例を示す図である。

第 2図は、本発明の指紋認識装置における辞書画像の更新方式の一実施例における辞書データの構成を示す図であって、（a ) は全辞書データを示し、（b ) は全辞書データ中における一入分の辞書データ、（c ) は一人分の辞書データ中における一つの特徴点データである。

第 3図は、特徴点の並べ替えを説明する図である。

第 4図は、本発明の指紋認識装置における辞書画像の更新方式の一実施例を示す図であって、（a ) はフローチャート、（b ) は各辞書の内容の更新を説明する図である。

第 5図は、本発明の指紋認識装置における辞書画像の更新方式の一実施例を示す図であって、（a ) はフロアチャート、（b ) は各辞書の内容の更新を説明する図である。

第 6図は、本発明の指紋認識装置における辞書画像の更新方式の一実施例を示す図であって、（a ) はフローチャート、（b ) は各辞書の内容の更新を説明する図である。

第 7図は、本発明の指紋認識装置における複数辞書登録認識方式の原理的構成を示す図である。

第 8図は、本発明の指紋認識装置における複数辞書登録認識方式の一実施例を示す図であって、（a ) は登録処理を示し、（b ) は認識処理を示す。

第 9図は、本発明の指紋認識装置における押捺判定処理方式の一実施例のフロ —チャートを示す図である。

第 1 0図は、本発明の指紋認識装置及び指紋押捺判定方式の一実施例の指紋認識装置の説明図である。

第 1 1図は、本発明の指紋押捺判定方式の一実施例のフローチャートである。第 1 2図は、判定エリアの説明図である。

第 1 3図は、本発明の実施例の押捺判定の説明図である。

第 1 4図は、従来の辞書データの構成を示す図であって、（a ) は全辞書デ一夕を示し、（b ) は全辞書データ中における一人分の辞書データ、（c ) は一人分の辞書デー夕中における一つの特徴点データである。

第 1 5図は、特徴点の認識の例を示す図であって、（a ) は例 1を示し、（b ) は例 2を示す。

第 1 6図は、認識処理の打切りを説明する図である。

第 1 7図は、従来の複数辞書方式の場合の、登録処理と認識処理のフローチヤ —トを示す図であって、（a ) は登録処理を示し、（b ) は認識処理を示す。第 1 8図は、従来の、及び本発明が適用される指紋認識装置の概要を示す図であ。

第 1 9図は、指紋認識装置における従来の押捺判定処理を示すフローチャートである。

第 2 0図は、指紋撮像部の説明図である。発明を実施するための最良の形態

〔実施例 1〕

第 1図は、本発明の指紋認識装置における辞書画像の更新方式の一実施例を示したものである。指紋認識装置は、指紋画像の登録と認識との処理を行なうコア部 1 0と、コア部 1 0における処理を制御する制御部 2 0とからなっている。制御部 2 0の行なう制御は、コア部 1 0に対するコマンドの送信と、コマンドに対するコア部 1 0からの応答の受信とによって行われる。コア部 1 0において、 1 1は中央処理装置（C P U ) であって、指紋画像の登録と認識の処理を制御する。 1 2はセンサであって、指紋登録又は指紋認識を行おうとする指紋の画像を取り込む。 1 3はフレームメモリであって、センサ 1 2 から取り込まれた指紋画像を多値画像として格納する。 1 4は画像処理回路であつて、フレームメモリ 1 3から読み出された多値画像の 2値化と、 2値画像からの特徴点の抽出、及び 2値画像と辞書データにおける特徴点デ一夕とのパターンマッチング等の、各種の画像処理を行う。 .

1 5は 2値メモリであって、 2値化された画像を格納する。 1 6は辞書メモリであって、 2植画像から抽出された特徴点デ一タを辞書デ一夕として格納内する c 1 7は認識用メモリであって、認識に使用する指紋の特徴点デ一クを保持する。 1 8は C P U 1 1のバスてあって、各部と C P U 1 1とを接続する。 1 9は制御インタフヱ一スであって、バス 1 8と制御部 2 0との間で、相互にコマンドと応答とのやり取りのィンタフエースを行う。

第 2図は、本発明における辞書データの構成を示したものであって、（a ) , ( b ) , ( c ) は、第 1 4図の場合に対応している。本発明方式においては、それぞれの特徴点デ一タ中に、入力指紋画像との一致を示す一致デ一夕か設けられている点が異なっている。

本発明方式における指紋画像の認識処理は、次のようにして行なわれる。最初、制御部 2 0から認識処理開始のコマンドが送出され、これをコア部 1 0が読み取る。次に、被認識者がセンサ 1 2上に指をおくと、指紋画像がセンサ 1 2から入力さ 'れるので、これをフレームメモリ 1 3に多値画像として取り込む。

画像処理回路 1 4は、フレームメモリ 1 3に取り込まれた多値画像を 2値化しこれを 2値メモリ 1 5に蓄えるとともに、制御部 2 0から指定された辞書番号の辞書データを、辞書メモリ 1 6から認識用メモリ 1 7に転送する。そして、 2値メモリ 1 5から読み出した 2値画像と、認識用メモリ 1 7から読み出した辞書デ —夕との間で、特徴点 1〜特徴点 Nの順にパタ一ンマッチングを行う。

コア部 1 0においては、このような認識処理を N個の特徴点デ一夕について順次行って、 L個の特徴点データとの一致がとれた時認識合格と判断して、認識処理終了の信号を制御部 2 0へ送る。コア部 1 0は更に、 N個の特徴点データの全てについて認識を行なって、パタ —ンがー致した時は、その一致データをインクリメントする。制御部 2 0は、ある時点において、各特徴点データに対する一致データの大きさをチェックして、一致データの大きい順に、各特徴点データの配列順序を変更する。このような処理を、例えば任意の認識処理回数ごとに繰り返して行う。

第 3図は、特徴点の並べ替えを説明するものであって、（a ) は並べ替え前を示し、（b ) は並べ替え後を示している。指紋認識装置に登録されている（a ) に示す辞書について複数回の認識を行い、全ての特徴点について優先順位をつけ、その優先順位に従って各特徴点を並べ替えた結果、（b ) のような順序に変更されたことが示されている。

このようにして、辞書データにおける特徴点データを並べ替えた後においては、辞書デ一夕中における特微点データの配列は最適な順番となり、並べ替え後における入力指紋画像との認識処理においては、辞書データ中の先頭に近いものほど、認識結果不一致となることが少なく、 L個目の特徴点デ一夕とのパターンマッチングによつて殆どの場合、認識合格が得られると考えられる。

又、このようにして並べ替えを行なった結果、辞書データ中の先頭に近いものほど、認識不一致が連続して発生する確率が低くなる。従って、 K個の特徴点デ —夕との認識不一致の連続発生によって、認識処理の打切りが行われるために、認識一致率（合格率）か低下することが少なくなる。

〔実施例 2〕

第 4図は、本発明の指紋認識装置における辞書画像の更新方式の一実施例を示したものであって、認識合格となつた最新の指紋画像によって辞書画像を更新する方法を示し、 ( a ) はフローチャート、（b ) は各辞書の内容の更新を説明する図である。 '

第 4図（a ) において、（1 ) 〜（7 ) .は辞書更新処理の各ステップを示す。以下においては、最初、辞書 1に辞書画像 Aを登録し、辞書 2に辞書画像 Bを登録しているものとする。

( 1 ) 認識処理時、指紋押捺によって指紋画像 Cが入力されたものとする。

( 2 ) 先ず、辞書 1の辞書画像 Aを用いて指紋画像 Cと認識処理を行う。 ( 3 )辞書 1による認識処理結果、認識不合格となった時は、辞書 2の辞書画像 Bを用いて指紋画像 Cと認識処理を行う。

( 4 ) 辞書 1及び辞書 2のいずれによる認識処理も、認識不合格となった時は、認識失敗として辞書画像の更新処理を行わない。

( 5 ) 辞書 1の辞書画像 Aによる認識処理と、辞書 2の辞書画像 Bによる認識処理 9いずれか一方で認識合格となった場合は、認識成功とする。

( 6 ) 指紋画像 Cから特徴点を抽出して辞書画像として登録できるようにする処理を行う。

( 7 ) 辞書画像の更新の処理を行う。

この場合の辞書画像の更新方法は、第 4図（b ) に示すように、辞書 1の内容を、先に登録されていた辞書画像 Aから、辞書 2に登録されていた辞書画像 Bに変更し、辞書 2の内容を先に登録されていた辞書画像 Bから、新たな辞書画像 C に変更する。

本実施例によれば、辞書 1及び辞書 2の内容は、常に最新の辞書画像となり、仮に指紋形状や指の置き方等が徐々に変化しても、辞書画像もそれに追従して変化するので、指紋認識装置は、常に高認識率を維持することができる。

〔実施例 3〕

第 5図は、本発明の指紋認識装置における辞書画像の更新方式の一実施例を示したものであって、認識合格となつた最新の指紋画像によつて辞書画像を更新する方法を示し、（a ) ばフローチャート、（b ) は各辞書の内容の更新を説明する図で'ある。

第 5図（a ) において、（1 ) 〜 ( 7 ) は辞書更新処理の各ステップを示す。第 5図（b ) において、〇は認識合格を示し、 Xは認識不合格を示している。以下においては、最初、辞書 1に辞書画像 Aを登録し、辞書 2に辞書画像 Bを登録しているものとする。

( 2 ) 先ず、辞書 1の辞書画像 Aを用いて指紋画像 Cと認識処理を行う。

( 3 )辞書 1による認識処理結果、認識合格となった時も、認識不合格となった時も、辞書 2の辞書画像 Bを用いて指紋画像 Cと認識処理を行う。 ( 4 ) 辞書 1及び辞書 2のいずれによる認識処理も、認識不合格となった時は、認識失敗として辞書画像の更新処理を行わない。

( 5 ) 辞書 1の辞書画像 Aによる認識処理と、辞書 2の辞書画像 Bによる認識処理の両方で認識合格となった場合、又は辞書 1の辞書画像 Aによる認識処理と、辞書 2の辞書画像 Bによる認識処理のいずれか一方で認識合格となった場合は、認識成功とする。

( 7 ) 辞書画像の更新の処理を行う。

この場合の辞書画像の更新方法は、第 5図（b ) に示すように、辞書 1の辞書画像 Aによる認識処理と、辞書 2の辞書画像 Bによる認識処理の両方で認識合格となった場合は、実施例 2と同様に、辞書 1の内容を、先に登録されていた辞書画像 Aから、辞書 2に登録されていた辞書画像 Bに変更し、辞書 2の内容を先に登録されていた辞書画像 Bから、新たな辞書画像 Cに変更する。

又、辞書 1の辞書画像 Aによる認識処理と、辞書 2の辞書画像 Bによる認識処理のいずれか一方で認識合格となつた場合は、認識不合格となつた辞書の内容を、新たな辞書画像 Cに変更する。

〔-実施例 4〕

第 6図は、本発明の指紋認識装置における辞書画像の更新方式の一実施例を示したものであって、第 1の辞書の内容を最初登録した辞書画像のままとし、第 2 の辞書の内容を認識合格した最新の指紋画像による辞書画像とする方法を示し、 ( a ) はフローチャート、（b ) は各辞書の内容の更新を説明する図である。第 6図（a ) において、（1 )〜（7 ) は辞書更新処理の各ステップを示す。以下においては、最初、辞書 1に辞書画像 Aを登録し、辞書 2に辞書画像 Bを登録しているものとする。

( 1 ) 認識処理時、指紋押捺によって指紋画像 Cが入力されたものとする。 ( 2 ) 先ず、辞書 1の辞書画像 Aを用いて指紋画像 Cと認識処理を行う。

( 3 ) 辞書 1による認識処理結果、認識不合格となった時は、辞書 2の辞書画像 Bを用いて指紋画像 Cと認識処理を行う。

( 5 ) 辞書 1の辞書画像 Aによる認識処理と、辞書 2の辞書画像 Bによる認識処理の、ずれか一方で認識合格となつた場合は、認識成功とする。

( 7 ) 辞書画像の更新の処理を行う。

この場合の辞書画像の更新方法は、第 6図（b ) に示すように、辞書 1の内容は、先に登録されていた辞書画像 Aのままとし、辞書 2の内容を先に登録されて、た辞書画像 Bから、新たな辞書画像 Cに変更する。

本実施例によれば、第 1の辞書の内容は常に変化しないが、第 2の辞書の内容は、常に最新の辞書画像となり、仮に外傷等によって指紋形状の突発的変化が生じても、 1度認識合格となれば、その内容が更新され、以後、外傷の回復につれて、順次更新され、以前の状態に戻るまで、指紋形状の変化に追従して辞書が更新される。従って、本実施例によれば、指紋の形状が変化する場合でも、追従して辞書画像が変化するので、常に高認識率を維持することができる。又、第 1の辞書の内容は変化しないので、指紋形状が完全に復旧した時は、第 1の辞書の方が高-認識率となる可能性が大きい。尚、本実施例の方法は、 .外傷の場合に限らず、年齢による経年変化や、指の置き方の変化に対しても有効である。

〔実施例 5〕

本発明の指紋認識装置における辞書画像の更新方式の一実施例として、メイン辞書とサブ辞書とを持つ場合に、認識合格となつた最新の指紋画像によつて辞書画像を更新する方法を、以下において説明する。

ここで、メイン辞書は認識処理に用いられる辞書であり、サブ辞書はメイン辞書と同時に管理されるが、認識処理には用いられない辞書である。

本実施例においては、認識処理ごとに、次の順序で辞書画像の更新を行う。 (1) 指紋押捺によって指紋画像を入力する。

(2) メイン辞書を用いて、入力された指紋画像と認識処理を行い、合格判定を行う。

(3) サブ辞書の全てと認識処理を行い、一致又は不一致を検出する。

(4) これまでのサブ辞書の認識一致率に、今回の一致結果を加えて更新して記録する。

(5) 数回の認識処理を経て、ある時点で、メイン辞書の一致率よりも高い一致率を持つサブ辞書があった時は、その内容をメイン辞書に更新する。

本実施例によれば、認識処理を行つ認識合格判定を行うメイン辞書を、常に最も一致率の高い辞書とすることができる。

なお、メイン辞書を複数（n) 個持つ場合でも、合格判定時は、メイン辞書のいずれかが一致すれば認識合格とし、辞書更新時は、メイン辞書の一致率より高い一致率を持つサブ辞書を全てメイン辞書とし、仮にその数が n個より多ければ、一致率の高いものから n個メイン辞書として選択するようにしてもよい。

又、メイン辞書を更新した際に、新たに認識処理ごとに取り込んだ画像からサブ辞書を生成することも可能である。このようにすることによって、随時、新しい画像をメィン辞書候補として用意することができるようになる。

本実施例によつて更新された辞書画像は、常に一致率が高くなる方向となり、更新されることによって、一致率が低くなることはあり得ない。従って、更新されるごとに、より信頼性の高、辞書画像が得られる。

〔'実施例 6〕

第 7図は本発明の指紋認識装置における複数辞書登録認識方式の原理的構成を示す。本発明が適用される指紋認識装置の構成は、第 1図に示されたものと同様てある。本発明の原理的構成に示された各構成要素は、第 1図と対比して、 2値メモリ 3 1は、 2値メモリ 1 5に対応し、特徴点抽出手段 32は画像処理回路 1 4と CPU 1 1と CPU 1 1の特徴点抽出プログラムに対応し、辞書メモリ 33 は辞書メモリ 1 6に対応し、認識用メモリ 34は認識用メモリ 17に対応し、認識手段 35は CPU1 1と CPU 1 1の認識処理プログラムに対応する。

第 8図は、本発明の一実施例を示したものであって、複数辞書を用いる場合の指紋認識装置における登録処理と認識処理のフローチャートを示している。（a ) は登録処理を示し、（b ) ば認識処理を示す。

本実施例における登録処理は、次のようにして行われる。

①第 1 7図に示す従来技術の（1 ) の場合と同様に、指紋押捺によって、指紋画像（第 1画像）が、センサ 1 2からフレームメモリ 1 3を経て画像処理回路 1 4において 2値化されて、 2値メモリ 1 5に格納される。

②第 1 7図に示す従来技術の（2 ) の場合と同様に、 2値メモリ 1 5に格納された 2値画像から、 C P U 1 1における特徴点抽出プログラムの実行によって、画像処理回路 1 4において特徴点を抽出して、辞書画像として認識用メモリ 1 7 に仮登録する。

③第 1 7図に示す従来技術の（3 ) の場合と同様に、再び指紋押捺によって、指紋画像（第 2画像）が、センサ 1 2からフレームメモリ 1 3を経て画像処理回路 1 4において 2値化されて、 2値メモリ 1 5に格納される。

④第 1 7図に示す従来技術の（4 ) の場合と同様に、 C P U 1 1の認識処理プログラムの実行によって、認識用メモリ 1 7に仮登録されている辞書画像（第 1 画像）と、 2値メモリ 1 5に格納された 2値画像（第 2画像）とから、画像処理回路 1 4においてパターンマッチングの処理を行う。

⑤認識結果、認識合格の場合は、仮登録されている第 1画像の辞書画像を、辞書 1として辞書メモリ 1 6に本登録する。

⑥更に、 2値メモリ 1 5に格納されている第 2画像の 2値画像から、 C P U 1 1における特徴点抽出プログラムの実行によって、画像処理回路 1 4において特徴点を抽出し、この辞書画像を辞書 2として辞書メモリ 1 6に本登録する。

⑦第 1画像の本登録と、第 2画像の本登録とによって、登録成功として、処理を終了する。 '

⑧認識結果、認識不合格の場合は、登録失敗として、それまでの処理をクリアする。

本実施例における認識処理は、次のようにして行われる。

①第 1 7図に示す従来技術の（1 ) の場合と同様に、指紋押捺によって、指紋画像（認識用画像）が、センサ 1 2からフレームメモリ 1 3を経て、画像処理回路 1 4において 2値化されて、 2値メモリ 1 5に格納される。

②第 1 7図に示す従来技術の（2 ) の場合と同様に、制御部 2 0からのコマンドによって、辞書メモリ 1 6から指定された辞書番号の辞書 1の辞書画像を、認識用メモリ 1 7に転送し、 C P U 1 1の認識処理プログラムの実行によって、 2 値メモリ 1 5の 2値画像と、認識用メモリ 1 7の辞書画像とによって、画像処理回路 1 4において、パターンマッチングの処理を行う。

④②の処理において辞書 1の辞書画像との間で認識合格となるか、又は③の処理において辞書 2の辞書画像との間で認識合格となつた場合は、認識成功として、その旨を制御部 2 0に通知する。

辞書画像は、センサにおいて押捺された指紋画像の特徴部分、例えば端点，分岐点等を抽出したものであって、入力画像との間で、これらの特徴部分のいくつかについて一致が検出されたことによて、認識合格とするものであるが、同一人の同一指の指紋であっても、センサの押捺面における微妙な位置のずれや、押捺時における力の入れ具合等によって、得られる辞書画像は変化し、同一のものになるとは限らない。従つ ΐ：、本発明の方式において認識合格となった第 2画像は、 '通常は、第 1画像と同一の辞書画像とはならない。

然しながら、第 2画像は、第 1画像との間で認識合格になったものであるから、第 1画像及び第 2画像は、ともにその指紋が押捺される時、常に得られるであろう画像の範囲內にあるものと考えられる。従って、第 1画像及び第 2画像から得られた辞書 1と辞書 2とは、ともに安定した辞書画像と考えられる。

そこで、このようにして得られた複数の辞書画像を用い、指紋認識時には、これらと認識を行って、どれかの辞書画像と認識合格になった時、指紋認識成功とすれば、認識率を向上することができる。本発明方式の場合、辞書画像は第 7図の実施例のように 2枚に限るものでなく、 3枚以上、何枚でもよいことはいうまでもない。

〔実施例 7〕

第 9図は、本発明の指紋認識装置の押捺判定処理方式の一実施例のフローチヤ —トを示す。尚、本実施例で用いた指紋認識装置の概要は第 1 8図に示すものと同様である。

(1) 認識処理の最初の段階で、先ず、指紋の押捺の有無を判定する。この場合における、指紋押捺の有無は、指紋押捺状態では指頭面の光の反射によって、撮像装置において検出される画像が明るく、非押捺状態では画像が暗いことによつて判断することができる。

(2) 認識処理の最初の段階で、指紋押捺が行われていると判定された場合は、指離し要求を発して、押捺面から指を離すように促す。

(3) (2) の指離し要求の発出後、連続的に指紋の押捺の有無を判定する。

(4) (1 ) において、最初から指紋押捺が行われていないことを確認した場合、又は（3) において、指離し要求発出後に、指紋押捺が行われていないことを確認した場合は、改めて指紋の押捺要求を発出する。

(5) (4) の指紋の押捺要求後、再度、連続的に指紋の押捺の有無の判定を行う。

(6) (5) の指紋押捺要求後の指紋押捺再判定結果、指紋押捺が行われたことを確認した時は、その時点で、指紋画像の取り込みを行う。

(7) (6) で取り込んだ指紋画像を用いて、辞書画像との間で認識をとる認識処理を行う。

(8) (7) の認識処理の結果、合格であった場合は、認識成功処理に移行する。認識結果、不合格であった時は、（1 ) に戻って再度、指紋押捺がない状態を確認してから指紋押捺を行つて認識処理を行う手順を操り返す。 3回目の認識処理で、認識結果、不合格であった時は、認識失敗処理に移行する。

本実施例によれば、指紋認識装置において、認識判定を行うべき指紋画像の取り込みを行う際に、指紋が最初から押捺保持されていた場合、又は認識不合格と判定された時点から連続的に押捺保持されていた場合には、押捺保持されていた指紋画像を、その後の認識処理用の指紋画像として取り込むことはない。従って、一旦、認識不合格となった後も、指紋が連繞的に同じ状態に押捺保持されているために、不合格と判定された指紋画像とほぼ同様の指紋画像が、次の認識用の指紋画像として採取され、次の認識時にも、不合格となる事態が繰り返して生じるのを防止することができる。

又、本実施例では、認識処理が行われる以前における指紋押捺の有無にかかわらず、指を離した状態から改めて指紋押捺を行って、その直後に指紋画像の取り込みを行うので、指紋画像の取り込みが、押捺後、一定のタイミングで、且つ短時間に行われる。従って、第 1回目の認識が行われる以前から指紋の押捺保持が行われていたような場合に生じる、皮膚の伸び縮みによる指紋画像の歪みに起因する認識率の低下を防止することができる。

〔実施例 8〕

第 1 0図は本発明の指紋認識装置の実施例の説明図であり、 4 1は指紋撮像部、 4 2はブロック内平均輝度算出部、 4 3は輝度偏差算出，配列化部、 4 4は押捺判定部、 4 5は指紋認識部、 4 6はインタフヱ一ス部、 4 7は二値化部、 4 8は記憶部である。指紋撮最像部 4 1は、第 2 0図に示すように、カメラ 7 1と光源 7 2とプリズム 7 3と弾性膜 7 4とを含む構成を有するものである。

この指紋撮像部 4 1による多値画像信号は、例えば、インタフヱ一ス部 4 6においてディジタル信号に変換されてブロック内平均輝度算出部 4 2に加えられる c このプロック内平均輝度算出部 4 2と輝度偏差算出，配列化部 4 3と押捺判定部 4 4とは、それぞれの機能の論理回路によって実現することもできる力^ マイク口プロセッサ等による演算処理機能によっても容易に実現することができる。第 1 1図は本発明の実施例のフローチャートであり、ステップ（a ) 〜（f ) によって指紋押捺判定の動作を示し、以下第 1 0図も参照して説明する。指紋撮像部 4 1により撮像した撮像多値画像をィン夕フ一ス部 4 6を介して取込み

( a ) 、ブロック内平均輝度算出部 4 2において判定エリア内の各ブロック内平均輝度を算出する（b ) 。

例えば、第 1 2図に示す撮像エリア 4 9を 5 1 2 X 5 1 2画素構成とすると、その中の判定エリア 5 0は、例えば、 4 0 0 x 3 2 0画素構成とすることができ、又、判定ェリア 5 0を複数のプロック 5 1に分割する。各プロック 5 1は、例えば、 1 6 x 1 6画素構成とすることができる。

前述と同様にして、判定ェリア 5 0内のプロック 5 1の数を j、プロック内画素数を m、判定エリア 5 0内の画素の輝度を P _{q n}とすると、ブロック内平均輝度は、（1 ) 式によって求めることができる。前述のように、判定エリア 5 0の画素数を 4 0 0 x 3 2 0、ブロック 5 1の画素数を 1 6 x 1 6とすると、 j = 5 0 0、 m = 2 5 6となる。

ブロック内平均輝度を求め（b ) 、更に、各画素の輝度と各ブロック内平均輝度との差を求め、この差が同一の画素数を求める（c ) 。即ち、輝度偏差算出，配列化部 4 3において、ブロック内平均輝度 A _qとこのブロック内の各画素の輝軍度 Ρ _πと偏差を求め、判定エリア 5 0内の全画素についてそれぞれ偏差を求めて、同一偏差の画素数を求める。 '

そして、横軸に偏差、縦軸に画素数となるように、偏差に対する画素数分布を求める。即ち、輝度偏差算出，配列化部 4 3において同一偏差の画素数を累算して、テーブル等を用いて偏差対応に画素数を配列する。第 1 3図は偏差に対する画素数分布の一例を示し、同図の曲線 Aは外光が入射した場合、曲線 Bは指紋押捺の場合を示す。即ち、外光が入射した場合には、判定エリア 1 2内の各ブロック 1 3は殆ど同一の輝度となるから、偏差 0近傍の画素数が多くなる。従って、単峰特性となる。理想的には、判定エリア 5 0内が均一輝度であれば、偏差 0の画素数は、前述の場合 1 2 8 0 0 0となり、他の偏差の画素数は 0となる。このように、指紋押捺状態でない場合は、閾値を σとすると、単峰特性となるから、閾値びを超えることになる。

又、指紋を撮像した場合は、指紋の隆線と谷線との徴小パターンに対応した輝度分布となるから、偏差 0近傍の画素数は比較的少なくなる。即ち、ブロック内平均輝度と同一の輝度の画素は少なくなり、偏差の比較的広い範囲にわたって偏差対応の画素数の分布となり、偏差 +又は偏差一の或る値で画素数が最大となる双峰特性となる。この場合の最大画素数は閾値 σを超えないものとなる。

実際には、偏差と画素数との関係は、指紋撮像部 4 1の特性、インタフ一ス部 4 6等における増幅特性、多値画像信号のディジタル化特性等によって、曲線 Αの最大値又は曲線 Bの谷部は偏差 0の位置と一致しないことになる。そこで、偏差 0の位置から特性に対応した所定値 αだけ横軸方向にシフトした点を中心に ± 3の範囲を定め、この範囲内の画素数が閾値びを超えているか否かを調べる (第 1 1図のステップ（d ) ) 。第 1 3図においては偏差 0の位置から一偏差方向にシフ卜した場合を示すが、各部の特性によっては +偏差方向にシフ卜するこどもある。又、 ± /3の値は、曲線 A , Bの形状等を考慮して選定するものであり、曲線 Bの偏差 0近傍の画素数の少な、範囲を含み、且つ曲線 Aの偏差 0近傍の画素数の多い範囲を合むように設定し、判定誤りを低減することができる。 · そして、 ± の範囲内に閾値びを超える画素数があるか否かを判定し（第 1 1 図のステップ（e ) ) 、閾値びを超えた画素数があれば、指紋押捺状態ではなく、外光等によるものであるから、ステップ（a ) に移行し、閾値びを超えた画素数がなければ、指紋押捺と判定し、指紋の登録，認識の処理を行う（f ) 。即ち、押捺判定部 4 4において、ステップ（e ) の処理を行い、指紋押捺状態と判定すると、二値化部 4 7において二値化し、指紋登録時は記憶部 4 8に登録し、指紋認識時は、記憶部 4 8から登録した指紋を読出して、指紋認識部 4 5において認識し、本入確認か否かの認識判定出力が得られる。産業上の利用可能性

本発明の指紋認識装置における辞書画像の更新方式によれば、辞書認識に必要な時間を短縮できるとともに、特徴点データとの不一致の連繞発生による、認識処理の打切りに基づく認識一致率の低下を防止することがてきる。

本発明の指紋認識装置における辞書画像の更新方式によれば、登録した辞書画像を更新して常に最良の辞書画像を確保することができるので、指紋認識装置において、高認識率を維持することが可能となる。従って本発明によれば、指紋認識装置の信頼性の向上に貢献するところが大きい。

• 本発明の指紋認識装置における複数辞書登録認識方式によれば、複数辞書を登録して認識を行うことによって、認識率を向上させるとともに、辞書画像の登録時には、簡潔に、より安定した複数の辞書画像を得ることがてき、又、認識時においても、簡潔に、複数の辞書との認識処理を行うことが可能となるので、指紋認識装置の性能向上に寄与するところが大きい。本発明の指紋認識装置の押捺判定処理方式によれば、指紋押捺が判定不合格となる状態が継続しないようにするとともに、押捺後の指紋画像取り込みのタイミングを一定にし、且つ押捺後、短時間に行うことが可能な、押捺判定処理方式を提供することができるので、指紋認識装置の認識率向上に寄与するところが大きい。

本発明の指紋認識装置及び指紋押捺判定処理方法によれば、指紋撮像部と、ブロック内平均輝度算出部と、輝度偏差算出，配列化部と、押捺判定部と、指紋認識部とを合み、判定ェリァの各プロック内平均輝度と各画素の輝度との偏差を求めて、同一偏差の画素数を求めて、その画素数が閾値を超えるか否かを判定し、超えない場合は指紋押捺状態と判定して、指紋認識を行うものであり、指紋押捺状態でなく、強い外光が入射した場合、又は反対に何も入射されない場合に、偏差 0近傍の画素数が多くなるから、指紋押捺状態を確実に判定するこどができる利点があり、指紋認識時は勿論、指紋登録時においても、指紋を正しく読取ったか否かを判定することができる。

又、指紋撮像部と、ブロック内平均輝度算出部と、輝度偏差算出，配列化部と、押捺判定部 4とを合む指紋認識装置において、判定ェリァ内の複数のプロック毎の平均輝度とブロック内の画素の輝度との偏差を求め、横軸に偏差、同一偏差の画素数を縦軸に表した時に、偏差 0の点から横軸方向に所定の値 CKシフ卜した点を中心に、 ± の範囲内における画素数が閾値びを超えない時に、指紋押捺状態ど判定するもので、各部の特性に対応してシフト値 α、判定範囲^を選定することにより、指紋押捺状態を正しく判定することができる利点がある。

Claims

請求の範囲

〔 1〕指紋画像における特徴点データを複数個配列してなる辞齊データを任意数有し、入力指紋画像と辞書デ一タにおける複数個の特徴点デ一夕との間でそれぞれノ、。夕一ンマッチングを行って、所定数の特徴点データとの一致によって入力指紋画像と該辞書デー夕との一致を検出する指紋認識装置における辞書画像の更新方式において、

前記各特徴点データに入力指紋画像との一致度数を示す一致データを設け、任意の期間、全特徴点データと入力指紋画像とのパタ一ンマッチングを行った時の、該一致データの大きい順に該辞書データを構成する各特徴点データを並べ替えることを特徴とする指紋認識装置における辞書画像の更新方式。

〔 2〕相互に認識して認識合格となつた複数の指紋画像から抽出された辞書画像をそれぞれ辞書として辞書メモリに登録し、該複数の辞書を用いて入力指紋画像の認識処理を行う指紋認識装置における辞書画像の更新方式において、入力指紋画像と前記複数の辞書に登録されている辞書画像とを順次認識して、いずれかの辞書と認識合格となった時、一方の辞書を他方の辞書に登録されている辞書画像に更新し、該他方の辞書を該入力指紋画像から抽出された辞書画像に更新する

ことを特徴とする指紋認識装置における辞書画像の更新方式。

C 3〕相互に認識して認識合格となつた複数の指紋画像から抽出された辞書画像をそれぞれ辞書として辞書メモリに登録し、該複数の辞書を用いて入力指紋画像の認識処理を行う指紋認識装置における辞書画像の更新方式において、入力指紋画像と前記複数の辞書に登録されて、る辞書画像とを順次認識して、両辞書と認識合格となった時、一方の辞書を他方の辞書に登録されている辞書画像に更新し、該他方の辞書を該入力指紋画像から抽出された辞書画像に更新するとともに、一方の辞書と認識合格となり他方の辞書と認識不合格となった時、該認識不合格となつた辞書を該入力指紋画像から抽出された辞書画像に更新することを特徴とする指紋認識装置における辞書画像の更新方式。〔 4〕相互に認識して認識合格となった複数の指紋画像から抽出された辞書画像をそれぞれ辞書として辞書メモリに登録し、該複数の辞書を用いて入力指紋画像の認識処理を行う指紋認識装置における辞書画像の更新方式において、入力指紋画像と前記複数の辞書に登録されている辞書画像とを順次認識して、いずれかの辞書と認識合格となった時、最初に登録された辞書以外の辞書を該入力指紋画像から抽出された辞書画像に更新する '

〔 5〕相互に認識して認識合格となった複数の指紋画像から抽出された辞書画像をメィン辞書及びサブ辞書として辞書メモリに登録し、該メィン辞書を用いて入力指紋画像の認識処理を行う指紋認識装置における辞書画像の更新方式において、

入力指紋画像と該メイン辞書との認識処理時、サブ辞書との認識も行って、各辞書の認識一致率を更新し、サブ辞書の認識一致率がメイン辞書の認識一致率より高くなつた時、該サブ辞書を前記メィン辞書に置き換える

〔 6〕入力指紋画像を 2値化して保持する 2値メモリと、該 2値化した指紋画像から特徴点を抽出する特徴点抽出手段と、該抽出された特徴点を辞書画像として登録する辞書メモリと、認識すべき特徴点を保持する認識用メモリと、前記 2値メモリに保持された 2値画像と認識用メモリに保持された特徴点とを認識する認識手段とを備えた指紋認識装置における複数辞書登録認識方式において、辞'書画像の登録処理時、同一の指についての複数の指紋画像について相互に認識して、認識合格となった指紋画像の特徴点をそれぞれ辞書画像として前記辞書メモリに登録し、入力指紋の認識時、入力指紋画像を前記複数の辞書画像と認識して、いずれかの辞書画像と認識合格の時、該入力指紋の認識成功を判定することを特徴とする指紋認識装置における複数辞書登録認識方式。

〔 7〕押捺された指紋から採取した指紋画像を登録されている辞書画像と認識して、認識合否を判定する指紋認識装置の押捺判定処理方式にお！、て、認識処理の最初の段階で指紋押捺の有無を判定し、認識処理の最初の段階で指紋押捺が行われていた時は、指離し要求を行って、該指離し要求後の指紋押捺の有無を判定し、前記いずれの指紋押捺有無の判定結果においても、指紋押捺が行われていないことを確認した時、指紋押捺を要求し、該指紋押捺要求後、指紋押捺の有無を再度判定し、該指紋押捺再判定結果、指紋押捺を確認した時、指紋画像の取り込みを行う

ことを特徴とする指紋認識装置の押捺判定処理方式。

〔 8〕光源からの照明による反射光を入射させて撮像する構成の指紋撮像部と、

指紋の判定ェリァ内を複数のプロックに分割し、前記指紋撮像部からの多値画像信号を基に、前記プロック内の平均輝度を算出するプロック内平均輝度算出部と、

該ブロック内平均輝度算出部からのプロック内平均輝度と前記判定ェリァ内の各画素の輝度との偏差を求め、該偏差に対応する画素数を求める輝度偏差算出，配列化部と、

該輝度偏差算出，配列化部からの偏差に対応する画素数について、偏差が零近傍の所定の範囲内の画素数が閾値を超えない時に、前記指紋撮像部に対して指紋押捺状態となつたと判定する押捺判定部と、

該押捺判定部による指紋押捺状態を判定した時の前記指紋撮像部からの前記多値画像信号を基に指紋認識を行う指紋認識部と

を備えたことを特徴とする指紋認識装置。

〔9〕指紋撮像部によって撮像した多値画像信号を基に、指紋の判定エリァ内'の複数のプロック毎に平均輝度を求め、該ブロック毎の平均輝度と該ブロック内の画素の輝度との偏差を求め、前記判定エリァ全体について前記偏差に対応する画素数を求め、横軸を前記偏差、縦軸を前記画素数に配列した時に、偏差が零の点から横軸方向に所定の値をシフトした点を中心とした所定範囲内における前記画素数が閾値を超えたか否かを判定し、超えなし、時は指紋押捺状態であると判定する過程を合むことを特徴とする指紋認識装置における指紋押捺判定方法。