明 細 書
部品供給装置関連情報読取装置 技術分野
本発明は、 部品実装機等に配備されて回路部品を供給する部品供給システムに おいて、 その部品供給システムを構成する複数の部品供給装置についての情報を 取得するために使用される部品供給装置関連情報読取装置に関する。 背景技術
電子部品等の回路部品を回路基板等の回路基材に実装する部品実装機には、 そ の回路部品を供給する部品供給装置 (フィーダ, トレィ等) が設けられる。 1つ の部品実装機において多種の回路部品の実装が行われることが多く、 部品実装機 には複数の部品供給装置が配置され、 それら複数の部品供給装置を含んで部品供 給システムが構成される。 そのため、 例えば、 それぞれの部品供給装置が所定の 位置に配設されているか, それぞれの部品供給装置が所定の回路部品を供給する ものであるかといつた情報は、適切な部品実装作業を行う上で重要な情報となる。 それら部品供給装置に関する情報を取得するための装置として、 例えば、 特開平 8 - 7 8 8 8 1号公報、 特開平 5 - 2 1 9 9 3号公報に記載された装置が存在す る。 発明の開示
上記特許文献に記載の装置は、 フィーダあるいはトレイに付されたバーコ一ド を、 実装ヘッド (特許文献 1はロータリヘッド型の部品実装機の実装ヘッド) に 配設されたバーコードリーダにて読み取る形式の読取装置である。 そのため、 部 品供給装置の情報を読み取るために、 実装ヘッドに対して読取動作に応じた専用 の制御を行う必要があり、 また、 実装ヘッドを移動させる機構をも含んで読取装 置が構成されているため、 読取装置自体が大型のものとなっている。 さらに、 パ ーコードリーダを、 部品実装機ごとに備える必要があった。
そこで、 本発明は、 上記実情に鑑み、 簡便な部品供給装置関連情報読取装置を
得ることを課題としてなされたものであり、 本発明によって、 下記各態様の部品 供給装置関連情報読取装置が得られる。 各態様は請求項と同様に、 項に区分し、 各項に番号を付し、 必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記载する。 これ は、 あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、 本明細書に記載の技術的 特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記载のものに限定されると解釈され るべきではない。 また、 一つの項に複数の事項が記載されている場合、 それら複 数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではない。 一部の事項のみを 選択して採用することも可能である。
( 1 ) 整列して配置されてそれぞれが回路部品を供給する複数の部品供給装置を 含む部品供給システムに用いられ、 前記複数の部品供給装置の各々に関連する情 報である部品供給装置関連情報を、 前記複数の部品供給装置の各々に付された情 報表示子から読み取る部品供給装置関連情報読取装置であって、
前記部品供給システムにおいて前記複数の部品供給装置が並ぶ方向に延びる軌 道を形成する案内器と、 '
前記複数の部品供給装置のうちの 1つ以上のものの各々に付された前記情報表 示子から、 それら 1つ以上のものの各々についての前記部品供給装置関連情報を 読み取る情報読取部を備え、 前記案内器と係合することにより前記軌道に沿って 移動可能な読取器と
を含む部品供給装置関連情報読取装置。
本発明の部品供給装置関連情報読取装置は、 平たく言えば、 読取器と、 それを ガイドする案内器とを含んで構成される装置であり、 上記従来技術に記載された 装置と異なり、 実装ヘッドとともに読取器を移動させる必要がないことから、 簡 便な装置が実現される。
「部品供給装置」 は、 例えば、 電子部品がテーピングされた電子部品テーピン グを送出して電子部品を 1個ずつ供給するテープフィーダ, 電子部品がバラ状態 で収容された容器からその電子部品を整列させて 1個ずつ供給するバルクフィー ダ等のフィーダ装置が相当し、 それらフィーダ装置を複数並べるようにして配設 されることによって、 「部品供給システム」 が構成される。 また、 トレイ型部品 供給システムも、 本発明が適用可能な 「部品供給システム」 の一種と考えること
ができる。 トレィ型部品供給システムは、 複数の回路部品を整列して保持するト レイが複数積み重なった状態で配置され、 順次、 1つのトレイから部品を取り出 し可能とされたシステムであり、その場合複数のトレイの各々が「部品供給装置」 に相当する。 なお、 「複数の部品供給装置」 は、 必ずしも、 部品供給システムに 含まれるすべての部品供給装置である必要はない。例えば、部品供給システムは、 情報の読取対象とされない部品供給装置を含む態様であってもよいのである。 つ まり、 本発明における複数の部品供給装置の各々は、 情報の読取対象となる部品 供給装置であることを意味し、 本発明は、 情報の読取対象とされていない部品供 給装置についての適用に言及するものではない。
「部品供給装置関連情報」 は、 部品供給装置の形式, I D等部品供給装置自体 の情報の他、 回路部品の種類, 型式, 諸元等、 その部品供給装置が供給する回路 部品に関する情報であってもよい。 部品供給装置関連情報を表示する 「情報表示 子」 は、 その態様が特に限定されるものではなく、 上記情報を記録することが可 能であり、 かつ、 光学的手段, 磁気的手段等の各種手段によって読取可能な各種 の態様ものが含まれる。 例えば、 パーコード、 2 Dコード (Q Rコード, 2次元 バーコード等とも呼ばれる) 等が、 その典型的なものである。 ラベル等のような ものを部品供給装置の所定箇所に貼り付けることで情報表示子として機能させて もよく、 上記情報部品供給装置に直接記されるあるいは刻まれる等して部品供給 装置自体の一部分が情報表示子として機能するものであってもよい。
「案内器」 は、 いわゆるガイドと呼ぶことができるものであり、 例えば、 ガイ ドレール, 案内部材等の軌道形成部材によつて軌道が形成される態様のものが含 まれる。 部品供給装置が直線に沿って整列するものであれば、 形成される軌道は その直線に沿ったものとされ。 また、 一円周に沿って整列する等、 部品供給装置 が曲線に沿って整列するものであれば、軌道は、その曲線に沿ったものとされる。 「読取器」 は、 その軌道に沿って移動可能とされるものであり、 具体的には、 例 えば、 上記軌道形成部材と係合する係合部を備え、 それらが互いに係合すること によって、 上記軌道に沿った移動が担保される態様のものが含まれる。 読取器が 備える 「情報読取部」 は、 表示子に応じて種々の構成とすることができる。 例え ば、 バーコードリーダ, C C Dカメラ, ラインスキャンカメラといった光学的手
段によるもの, 電磁式ピックアップ等の磁気的な手段によるもの等、 種々の読取 手段を中心に構成することが可能である。
( 2 ) 前記読取器が、 前記案内器に対して脱着可能な(1)項に記载の部品供給装 置関連情報読取装置。
本発明において、 読取器は、 案内器と分離可能なものであってもよく、 また、 分離不可能なものであってもよい。 本項に記載の態様は、 読取器が、 案内器に対 して分離可能な態様であり、 本項記載の態様には、 例えば、 読取器が、 部品供給 装置関連情報を読み取るときに案内器に装着され、 それ以外のときにおいて離脱 させられるような態様が含まれる。 複数の部品供給システムが存在し、 例えば、 各部品供給システムに応じた案内器を設けた上で、 読取器を各部品供給システム に共通のもととすることも可能であり、 その場合は、 読取器を部品実装機ごとに 必要とせず、 利便性に優れた読取装置となる。 つまり、 汎用性に富む読取器を構 成要素とする読取装置を実現することが可能である。
( 3 ) 前記情報読取部が、 前記複数の部品供給装置のうちの 1つのものに付され た前記情報表示子のみから、 その 1つのものについての前記部品供給装置関連情 報を読み取るものである(1)項または (2)項に記載の部品供給装置関連情報読取装 置。
本発明の読取装置において、 情報読取部は、 複数の部品供給装置の部品供給装 置関連情報を一時期に読み取り可能なものであってもよい。 例えば、 隣り合う 2 以上の部品供給装置に関する情報を同時に読み取り可能な態様のものである。 本 項に記載の態様は、 一時期において、 1つの部品供給装置に関する情報しか読み 取ることのできない情報読取部を備えた態様であり、本項に記載の態様によれば、 読取器を、 簡便な, コンパクトなあるいは安価なものとすることができる。
( 4 ) 前記読取器が当該部品供給装置関連情報読取装置の外部からの駆動力によ つて前記軌道に沿つて移動させられるものである(1)項ないし(3)項のレ、ずれかに 記載の部品供給装置関連情報読取装置。
本発明の読取装置は、 読取器を駆動させる駆動源を含むものであってもよい。 例えば、 読取器自体が電動モータ等を有する態様のもの, 案内器が電動モータ等 を有する態様のもの等である。 これに対し本項に記載の態様は、 読取器を移動さ
せるための駆動源を当該読取装置内に含まずに構成された態様であり、 例えば、 読取装置をコンパクトにすることが可能である。 ·
( 5 )前記読取器が人力によつて前記軌道に沿って移動させられるものである (4) 項に記載の部品供給装置関連情報読取装置。
本発明は、 例えば、 読取器が手動で操作されて移動させられる態様である。 別 途、 モータ等の特別な駆動源を必要としないことから、 簡便な読取装置が実現す る。
( 6 ) 前記情報読取部が、 前記部品供給装置関連情報として、 少なくとも前記複 数の部品供給装置の各々の I D情報を読み取るものである(1)項ないし(5)項のい ずれかに記載の部品供給装置関情報読取装置。
部品供給装置関連情報は、 先に説明したような各種のものが含まれる。 本項に 記載の態様は、 少なくとも部品供給装置の I D情報を読み取る態様であり、 I D のみを読み取る態様が含まれる。 部品供給装置の I D情報は、 その装置固有のも のであり、 部品供給装置の各々を識別するために有益な情報となる。 また、 例え ば、各部品供給装置が供給する回路部品に関する情報(回路部品の種類,形式等) を取得したい場合、 予めその回路部品に関する情報とその部品供給装置の I D情 報とを関連付けて記憶しておき、 各部品供給装置の I D情報を読み取とることに より、 上記関連付けに基づいて間接的に各部品供給装置が供給する各回路部品に 関する情報を取得することも可能なのである。
( 7 ) 当該部品供給装置関連情報読取装置が、 前記読取器の前記軌道に沿った方 向への移動中において、 前記複数の部品供給装置の各々に付された前記情報表示 子からその各々についての前記部品関連情報を読み取り可能とされた(1)項ない し (6)項のいずれかに記載の部品供給装置関連情報読取装置。
本項に記載の態様は、 複数の部品供給装置に設けられた情報表示子の各々をそ れら部品供給装置が並ぶ方向に走査 (いわゆるスキャン) して、 各部品供給装置 に関する情報を読み取る態様が含まれる。 複数の部品供給装置に関する情報を効 率よく読み取ることができる態様である。
( 8 ) 当該部品供給装置関連情報読取装置が、 前記読取器の前記軌道に沿った正 逆方向のうち任意の一方向への移動中において、 前記複数の部品供給装置の各々
に付された前記情報表示子からその各々についての前記部品関連情報を読み取り 可能とされた(7)項に記載の部品供給装置関連情報読取装置。
本項に記載の態様は、 2方向の走查を可能とする態様であり、 一方向にしか走 查できない態様の読取装置と比較して、より利便性に優れた読取装置が実現する。 なお、 両方向の走査が可能とされた態様においては、 読取器の移動方向を認識す るための読取器移動方向認識装置を設けることが望ましい。 その読取器移動方向 認識装置は、 後に説明するように、 例えば、 それぞれの部品供給装置に関する情 報を読取器が読み取るためのそれぞれの位置である読取位置が設定され、 走査中 において読取器がそれら読取位置のいずれに位置するのかを把握する必要がある 場合等において、 特に有効的な装置となる。
( 9 ) 当該部品供給装置関連情報読取装置が、 前記複数の部品供給装置の各々に ついての前記部品供給装置関連情報を読み取るための前記読取器の前記軌道上の 位置である読取位置を決定する読取位置決定装置を含む(1)項ないし(8)項のいず れかに記載の部品供給装置関連情報読取装置。
複数の部品供給装置が並ぶ方向における部品供給装置の各々の位置に対応する 位置において情報表示子を読み取る必要がある場合、本項に記載の態様のように、 軌道上においてその読取位置が決定されれば便利である。 本項に記載の態様は、 例えば、 ストッパ手段等の何らかの位置規制手段を用いて、 上記読取位置におい て、 読取器の自由な移動を制限することにより読取位置が決定されるような態様 が含まれる。 いわゆる機械的に読取位置を規制するような態様である。 また、 各 部品供給装置に対応する位置を予め設定された位置として記憶する手段を設ける とともに、 読取器が案内器に係合している状態において読取器の軌道上の位置を 把握する手段を設け、 その把握した位置が上記設定された位置となる場合に、 そ の位置が読取位置として決定されるような態様も含まれる。 この態様には、 具体 的には例えば、 ポジションエンコーダ等の測定器と、 その測定器からの信号によ つて読取器の位置が設定された位置であるか否かを判断する機能を有する制御装 置とを含む態様が含まれる。 つまり、 いわゆる電気的な手段を利用する態様が含 まれるのである。なお、読取位置決定装置は、読取器と案内器とのいずれか一方、 あるいは両方に跨って存在するものでもよく、 あるいは、 読取器, 案内器とは
別の箇所に当該装置の一部分が存在するものであってもよい。なお、読取位置は、 軌道上の点に限られず、 ある程度幅のある区間, すなわち, 所定長さの線分とし て規定される位置であってもよい。
( 1 0 ) 前記読取位置決定装置が、 前記複数の部品供給装置のうちのいずれのも のに対応する前記読取位置であるかを認識可能なものである(9)項に記載の部品 供給装置関連情報読取装置。
本項に記載の態様によれば、 読取位置とその読取位置で読み取られた部品供給 装置関連情報とを関連付けることが可能である。 具体的には、 例えば、 読取器が 複数ある読取位置のうち何番目の位置に位置しているかを認識可能な態様とする ことができるのである。 例えば、 部品供給装置が複数の所定の配置位置のいずれ かに配置されるような部品供給システムにおいては、 その配置位置にどのあるい はどういった部品供給装置が配置されているかの情報を取得したい場合があり、 本項に記載の態様は、 そのような場合に便利な態様である。
( 1 1 ) 前記読取位置決定装置が、 前記軌道上の読取器の位置を特定する読取器 位置特定部と、 その特定された読取器の位置に基づいて前記読取位置を決定する 読取位置決定部とを備えた(9)項または(10)項に記載の部品供給装置関連情報読 取装置。
本項に記載の態様には、 例えば、 先に説明したように、 読取位置に対応する読 取器の軌道上の位置を予め設定しておくとともに、 読取器の軌道上の位置を把握 し、 その把握した位置と上記設定された位置とを比較することによって、 読取位 置を決定するような態様が含まれる。
( 1 2 ) 前記読取位置特定部が、 前記複数の部品供給装置の各々の配置位置に対 応して前記軌道に沿って前記案内器に設けられた複数の位置指標と、 前記読取器 に設けられてその読取器が前記位置指標のいずれかに対して予め設定された位置 関係にあることを検出する位置指標関係位置検出部とを有し、 その検出結果に基 づいて前記読取器の位置を特定するものである(11)項に記载の部品供給位置関連 情報読取装置。
本項にいう 「位置指標」 は、 その具体的態様が特に限定されるものではない。 例えば、 印 (例えばマーク)、 形状的特徴が他の部分とは異なる点 (例えば、 突
起, 溝, 穴等)、 物理的特性の相違が認識されるような特異点 (例えば、 発光点, 磁気を帯びた点等) といった種々の態様のものが位置指標となり得る。 本項の態 様には、 平たく言えば、 それらの位置指標を読取器に設けられた認識手段によつ て認識し、 その認識結果から読取器の位置を特定する態様が含まれる。 具体的に は、 例えば、 位置指標の存在を検出して信号を発する位置指標検出器 (光学的な 手段によるもの, 磁気的な手段によるもの等、 種々のものを含む) を設け、 その 検出器からの信号に基づいて、 位置指標と読取器との相対位置を検出し、 その検 出結果から読取位置を特定する態様が含まれる。 '
なお、 本項に記載の態様ではないが、 読取位置特定部は、 案内器の軌道に沿つ た複数の基準箇所の各々に、 読取器の一部分を検出して信号を発信する検出器を 設け、 それらの検出器のいずれかからの信号に基づいて、 いずれかの基準箇所に 対する読取器の相対位置を検出し、 その検出結果から読取位置を特定する態様の ものであってもよい。 先に説明した本項に記載の態様のように位置指標関係位置 検出部が読取器に設けられる場合は、 位置指標検出器が少なくすることができ、 比較的構造が単純なである, 比較的安価であるといった利点を有する読取装置が 実現される。
( 1 3 ) 前記位置指標関係位置検出部が、 前記複数の位置指標のうちのいずれが 前記複数の部品供給装置のうちのいずれのものに対応するかを認識可能とされ、 そのことによって、 前記読取位置決定装置が、 前記複数の部品供給装置のうちの いずれのものに対応する前記読取位置であるかを認識可能とされた(12)項に記載 の部品供給位置関連情報読取装置。
本項に記載の態様によれば、 例えば、 指標位置とその指標位置に対応する読取 位置で読み取った情報とを関連付けることができる。 指標位置は部品供給装置の 配設位置に対応するものであることから、本項に記載の態様は、前述したように、 例えば、 部品供給装置が複数の所定の配設位置のいずれかに配設されるような部 品供給システムにおいて、 その配設位置にどのあるいはどういった部品供給装置 が配設されているかの情報を取得したい場合に便利な態様である。
( 1 4 ) 当該部品供給装置関連情報読取装置が、 前記読取位置決定装置によって 決定された位置において、 前記情報読取部に前記複数の部品供給装置の各々につ
いての部品供給装置関連情報を読み取らせる読取制御装置を含む(9)項ないし (13)項のいずれかに記載の部品供給装置関連情報読取装置。
本項に記載の態様には、 例えば、 読取器が読取位置に位置するときに、 自動的 に情報読取部に情報を読み取らせる態様が含まれる。 そのような態様は、 上述し たところの、 各部品供給装置の情報表示子を走査して情報を読み取る態様におい て、 特に好適である。 読取制御装置は、 読取位置決定装置と同様、 その中心的な 部分が、案内器あるいは読取器のいずれに設けられるものであってもよく、また、 それらとは別の箇所に設けられるものであってもよい。
( 1 5 ) 前記読取器が、 読み取った前記部品供給装置関連情報を無線にて送信す る無線送信装置を備えた(1)項ないし(14)項のいずれかに記載の部品供給位置関 連情報読取装置。
情報読取部に読み取られた情報は、 通常電気的な信号とされる。 その電気的信 号は、 例えば、 部品供給システムを管理するシステム管理装置に送られる。 本発 明の読取装置では、 その場合における信号は読取器から電線 (ワイヤ) を介して 送ることもできる。 本項に記載の態様には、 赤外線, 可視光線, あるいはそれら より波長の短い電磁波を媒体とする通信手段を利用して、 読み取った情報を送信 する態様が含まれる。 本項に記載の態様は、 ワイヤを必要としないことから、 読 取器の操作性が良好であり、 特に、 先に説明したところの人力で読取器を移動さ せる態様の読取装置に対して好適である。
( 1 6 ) 当該部品供給装置関連情報読取装置が、
前記軌道が、 少なくとも前記部品供給装置関連情報の読み取りを行うときの位 置と読み取りを行わないときの位置とに変更されることを許容する軌道位置変更 許容装置を含む(1)項ないし(15)項のいずれかに記載の部品供給位置関連情報読 取装置。
部品供給装置関連情報の読み取りは、 実装作業中ではなく、 生産対象を変更す る際の段取替えの等の際に行われることが多い。 情報表示子の付されている箇所 にもよるが、 実装作業中には、 案内器の軌道を形成する部分が実装作業における 実装へッドの動作に干渉する位置に位置させられることもある。 そのような場合 に好適な態様として、 本項に記載の態様は、 例えば、 実装作業中には、 案内器の
軌道を形成する部分が実装作業を阻害しない退避位置に位置し、 読取を行う際に その退避位置から読取のための定位置に位置するような態様とすることができ る。
軌道位置変更許容装置は、 案内器に設けられ、 案内器の軌道を形成する部分の 位置の変更を許容する態様であってもよく、 また、 案内器と部品供給システムと の間 (例えば、 案内器と部品供給装置が配設する基台部との間) に設けられ、 案 内器自体の位置の変更を許容するものであってもよレ、。軌道位置変更許容装置は、 例えば、 案内器の軌道を形成する部分あるいは案内器自体が一定の経路に沿って 移動することを許容する移動許容部と、 その一定の経路の設定された位置あるレ、 は任意の位置において、 案内器の軌道を形成する部分あるいは案内器自体の位置 を固定する位置固定部とを有する態様のものとすることができる。 また、 その経 路は、 直線的なものであってもよく、 曲線的な (一円周に沿った経路等が含まれ る) 経路であってもよい。 なお、 本項に記載の態様は、 案内器によって形成され る軌道が上記 2つの位置のみに位置することを許容する態様に限定されるもので はなく、さらに別の 1以上の位置に位置することを許容する態様であってもよレ、。 ( 1 7 ) 前記案内器が、 前記部品供給システムとは別体をなすとともに、 前記部 品供給情報の読み取りを行うときに前記部品供給システムに取り付けられるもの である(1)項ないし(16)項のいずれかに記載の部品供給位置情報読取装置。
本項に記載の態様は、 平たく言えば、 案内器が、 部品供給システムに対して脱 着可能に設けられた態様である。 本項に記載の態様の読取装置は、 例えば、 同じ あるいは類似した構成の部品供給システムが複数存在する場合、 1つの部品供給 システムに装着されていた案内器を取り外し、 他の別の部品供給システムに装着 して用いるような態様のものとすることも可能であり、 複数の部品供給システム における当該読取装置の共用化が図れる。 つまり、 汎用性の高い読取装置が実現 可能なのである。 本項に記載の態様の読取装置は、 具体的には、 部品供給システ ム側に被取付部が設けられ、案内器にその被取付部と係合する取付部が設けられ、 被取付部と取付部とが係合状態にあるときに、 案内器によつて形成される軌道が 所定の位置となるような態様のものとすることができる。 つまり、 位置決め機構 を有するような態様である。 脱着の機構は、 例えば、 マグネット等を利用したヮ
ことが望ましレ 図面の簡単な説明
図 1は部品供給システムが配備されている部品実装機の全体を示す斜視図であ る。
図 2は部品実装機を構成する実装モジュールの内部構造を示す斜視図である。 図 3は部品供給システムを示す側面図である。
図 4は実装モジュールを制御するモジュール制御装置のブロック図である。 図 5は整列するフィーダを斜め上方から見たところを示す部分斜視図である。 図 6は部品供給システムに部品供給装置関連情報読取装置が配備された状態を 示す斜視図である。
図 7は読取装置の一部分を示す図であって、 案内器のガイド部に読取器が係合 している状態を示す斜視図である。
図 8は読取装置を構成する読取器の内部構造を示す図である。
図 9は読取装置の一部分を示す図であって、 案内器の支持部を示す斜視図であ る。
図 1 0は読取器の軌道上の移動位置と、 フィーダのバーコードを読み取るため の読取位置との関係を示す模式図である。
図 1 1は読取走査の開始時期あるいは終了時期における読取器の移動位置を示 す模式図である。
図 1 2は読取器が備える制御ュニットが実行する読取走查制御プログラムのフ ローチャートである。
発明を実施するための最良の形態
以下に、 本発明の一実施形態を、 図を参照しつつ説明する。 説明の都合上、 ま ず、部品供給装置関連情報読取装置(以下、 単に「読取装置」 と略す場合がある) が適用される部品供給システムについて説明し、その後に、読取装置を説明する。 なお、 本発明は、 以下の実施形態に限定されるものではなく、 以下の実施形態の 他、 前記 〔発明の開示〕 の項に記載された態様を始めとして、 当業者の知識に基
づいて種々の変更、 改良を施した形態で実施することができる。
<部品供給システム >
図 1に、 部品供給システムが配備されている部品実装機の全体斜視図を示す。 部品実装機 1 0は、 ベースモジュール 1 2と、 ベースモジュール 1 2上に、 回路 基板搬送方向に並んで配設された 6つの実装モジュール 1 4とを含んで構成され ている。図 2に、実装モジュール 1 4の内部構造を説明するための斜視図を示す。 図には、 2つの実装モジュール 1 4のみが示されている。 実装モジュール 1 4の 各々には、 その各々についての部品供給システム 1 6が配備されている。 図に示 す部品供給システム 1 6は、 それぞれが部品供給装置である複数のテープフィー ダ 1 8 (以下、 単に 「フィーダ 1 8」 と略す場合がある) と、 それらが配設され る基台部としてのフィーダテーブル 2 0とを含んで構成されている。
図 3に、部品供給システム 2 0を側面(図 2おける左後方)から見た図を示す。 部品供給装置であるフィーダ 1 8は、 電子部品テーピング 2 2 (以下、 単に 「テ 一ビング 2 2」 と略す場合がある) が卷回されたリール 2 4を保持するリール保 持部 2 6と、 リール 2 4から延ぴ出すテーピング 2 2をテーピング送り方向 (図 における左に向かう方向) に送るフィード部 2 8とを含んで構成される。 テーピ ング 2 2は、 よく知られたものであるため、 詳しい説明は省略するが、 キャリア テープ 3 0に一定のピッチで設けられた部品収容凹部に電子部品が 1つずつ収容 され、 それらの上部をカバーテープ 3 2で覆う構造とされている。 フィーダ 1 8 も既によく知られているため、 詳しい説明は省略するが、 フィード部 2 8は、 テ 一ビング 1 8を部品収容ピッチずつ送り出すとともに、 部品供給位置 3 4におい て、 カバーテープ 3 2を剥がすことで、 電子部品を 1つずつ供給可能なものとさ れている。 なお、 フィーダ 1 8は、 駆動源として電動モータ (図示を省略) を備 えており、 その電動モータが制御駆動されることによって、 テ ビング 2 2の送 りおよびカバーテープ 3 2の剥離が行われるようにされている。
図示は省略するが、 フィーダテーブル 2 0のフィーダ 1 8を支承する支承面 3 6には、 テーピング送り方向に平行な方向 (図における左右方向) に延びる複数 のスロットが形成されており、 それらのスロットの 1つにフィーダ 1 8が係合す ることで、 フィーダ 1 8が整列して配置されるようになっている。 複数のスロッ
トは、 等ピッチに形成されており、 同じ幅のフィーダ 1 8であれば、 等ピッチで 並ばせるととができる。 フィーダテーブル 2 0には、 電子部品の種類に応じて幅 等の異なる種々の形式のフィーダ 1 8を取り付けることが可能である (本実施形 態では、 説明を単純化させるために、 配置されるフィーダ 1 8は互いに同じ幅の ものとする)。 また、 いずれのフィーダ 1 8も、 いずれのスロットに取り付ける ことが可能とされている。
リール保持部 2 6は、 規格化された各種のリール 2 4を保持することが可能で あり、 各種のリール 2 4には、 各種のテーピング 2 2が卷回される。 供給させる 電子部品種を変更する場合には、 保持させるリール 2 4を変更することによって 行う。 実装対象となる回路基板の種類に応じて、 種々の電子部品が実装されるた め、 通常の実装作業においては、 各種のテーピング 2 2がそれぞれに卷回された 複数のリール 2 4が用いられ、 それぞれのリール 2 4をそれぞれに保持する複数 のフィーダ 1 8が、 1つの部品供給システム 1 6に配置されることになる。 部品 供給システム 1 6におけるフィーダ 1 8およびそのフィーダ 1 8が供給する電子 部品の管理については、 後に詳しく述べる。
実装モジュール 1 4において、 複数のフィーダ 1 8から供給される複数種の電 子部品は、 回路基板に実装される。 図 2に示すように、 部品実装モジュール 1 4 は、 部品供給システム 1 6の他に、 基板搬送 ·保持装置 5 0、 実装装置 5 2等を 含んで構成されている。 本発明とは関係が薄いため詳しい説明は省略するが、 基 板搬送 ·保持装置 5 0は、 コンベアを主体とする装置であり、 隣接する他の実装 モジュール 1 4の基板搬送 ·保持装置 5 0と協働して回路基板 5 4の搬送を行う とともに、 所定の作業位置に回路基板 5 4を固定保持するものである。 実装装置 5 2は、 実装へッド 5 6と、 実装へッド 5 6を回路基板 5 4に沿った平面内で移 動させる X Yロボット型移動装置 5 8とを含んで構成されている。 実装へッド 5 6は、 昇降可能な実装ュニットを複数備え、 それぞれの実装ユニットはその下部 に部品保持する吸着ノズルを有する。実装へッド 5 6は、移動装置 5 8によって、 部品供給システム 1 6と作業位置に固定保持された回路基板 5 4との間を繰り返 し移動させられ、 部品供給システム 1 6において所定のフィーダ 1 8から電子部 品を取り出して保持し、 その保持した電子部品を保持された回路基板 5 4の所定
の実装位置に载置する。
実装モジュール 14は、 自身が備えるモジュール制御装置 60によって制御さ れる。 図 4に、 モジュール制御装置 60のプロック図を示す。 モジュール制御装 置 60は、 CPU62, ROM 64, RAM 66, 入出力インターフェース 68, それらを綮ぐバス 70等を含んで構成されるコンピュータ 72を主体とする装置 である。 その入出力ィンターフェース 68には、 それぞれの駆動回路 74を介し て、 各フィーダ 18, 基板搬送 ·保持装置 50, 実装装置 52等が接続されてい る。 つまり、 各フィーダ 1 8のフィード部 28の動作は、 このモジュール制御装 置 60によって行われており、 厳密には、 部品供給システム 16は、 モジュール 制御装置 60のフィーダ 1 8の動作を制御する部分を含んで構成されているので ある。 さらに、 入出力インターフェース 68には、 外部記憶装置としてのハード ディスク 76が接続され、 通信回路 78を介して、 他の実装モジュール 14, コ ンピュータを主体してホストコンピュータ的な役割を果たす管理装置 80等が、 それぞれ接続 (LAN接続) されている。 他に接続されているものについては、 後に詳しく説明する。
実装モジュール 14による実装作業は、 実装対象となる回路基板に応じた実装 プログラムに従って行われる。 実装プログラムは、 管理装置 80から送信されて ハードディスク 76に格納されており、 作業を行うにあたって RAM 66に読み 込まれる。 実装プログラムは、 実装モジュール 14が備える各装置の動作に関係 する動作プログラムと、 フィーダ 18に関係する各種データであるフィーダデー タとを含んで構成されている。 本発明に関係の深いところについて説明すれば、 動作プログラムは、 動作指令を含むものとされている。 具体的には、 例えば、 あ る配置位置 (以下、 フィーダ 1 8の配置位置を 「スロッ ト No.」 と呼ぶことが ある) に配置されたフィーダ 1 8に送り動作を行わせるといった動作指令や、 あ るスロッ ト No. のスロッ トの箇所に配置されたフィーダ 1 8から電子部品を取 り出させ、 その部品を回路基板のある実装位置に载置させるといつた動作指令で ある。 また、 フィーダデータは、 スロット No. に対応付けられたデータであつ て、 そのスロッ ト No. のスロッ トの箇所に配置されるべきフィーダ 1 8の形式 についてのデータ (スロッ ト一フィーダ対応データ)、 および、 配置されたブイ
ーダ 1 8から供給されるべき電子部品についてのデータ (スロット一部品対応デ ータ) を含むものとされている。
上記のような実装プログラムに従って実装作業が行われることから、 予定され たスロット N o .の位置に適切な形式のフィーダ 1 8が配置されていない場合や、 配置されていてもそのフィーダ 1 8が適切な種別の電子部品を供給するものでな い場合は、 不都合な事態を生じさせる。 つまり、 実装動作を行い得なかったり、 実装された回路基板が不良品となってしまうのである。 したがって、 部品供給シ ステム 1 6におけるフィーダ 1 8の管理, 供給される電子部品の管理は、 重要で ある。
本部品供給システム 1 6では、 フィーダ 1 8の管理およぴ供給される電子部品 の管理は、 各々のフィーダ 1 8の個別識別情報であるフィーダ I Dに基づいて行 われる。図 5に、整列しているフィーダ 1 8の斜め上方からの部分斜視図を示す。 各フィーダ 1 8には、 フィード部 2 8の上面部材 9 0 (図 3参照) に、 バーコ一 ドが記されたバーコードラベル 9 2 (以下単に、 「バーコード 9 2」 と呼ぶこと がある) が貼り付けられている。 パーコード 9 2は、 部品供給装置関連情報であ るそれぞれのフィーダ I Dを表示する情報表示子として機能している。 後に詳し く説明するが、 配置された各フィーダ 1 8のパーコード 9 2は読取装置によって 読み取られ、 読み取られた際に、 スロット N o . と関連付けられてフィーダ I D 力 配置フィーダ情報として、 モジュール制御装置 6 0の R AM 6 6に記憶され る。 つまり、 部品供給装置関連情報を含む配置フィーダ情報が、 モジュール制御 装置 6 0によって取得されるのである。
フィーダ I Dは、 その一部にフィーダの形式を表す部分を有しており、 モジュ ール制御装置 6ひによって、 取得された配置フィーダ情報と、 先に説明した実装 プログラムの中のスロットーフィーダ対応データとが比較され、 適切なスロット に適切な形式のフィーダ 1 8が配置されていることが確認される。
フィーダ 1 8のリール保持部 2 6へのリール 2 4のセッ ト作業は、 部品実装機 1 0とは別の場所で行われる (説明を単純化するために、 本実施形態では、 リー ノレ 2 4のセットは部品実装機 1 0において行わないことにする)。 そのセット作 業の際、 に電子部品とフィーダ 1 8との関連付けが行われる。 リール 2 4には、
そのリール 2 4に巻回されたテーピング 2 2に収容されている電子部品の種別を 示すリールバーコ一ド 9 4が付されており (ラベルとして貼着されている (図 3 参照))、 このリールバーコード 9 4と、 そのリール 2 4がセットされるフィー ダ 1 8のバーコ一ド 9 2とが、 セット作業時に、 パーコードリーダによって読み 取られ、 その読取結果が、 先に説明した管理装 g 8 0に記憶されるのである。 部品実装機 1 0において、 上記配置フィーダ情報としてフィーダ I Dが読み取 られた際には、 モジュール制御装置 6 0は、 管理装置 8 0と交信し、 フィーダ I Dをキーにして配置された各フィーダ 1 8が実際に供給する電子部品の種別を認 識する。 つまり、 スロッ ト N o . に関連付けて、 そのスロッ ト N o . のスロッ ト の箇所に配置されたフィーダ 1 8から実際に供給される電子部品の種別が認識さ れるのである。 そして、 モジュール制御装置 6 0によって、 その認識結果と実装 プログラム中のスロットー部品対応データとが比較され、 各スロットの箇所に配 置されたフィーダ 1 8から適切な種別の電子部品が供給されることが確認される のである。
以上説明したように、 配置されているフィーダ 1 8の管理および供給される電 子部品の管理は、 モジュール制御装置 6 0によって行われる。 つまり、 モジユー ル制御装置 6 0は、 部品供給システム 1 6におけるシステム管理装置としての機 能をも果たしているのである。
<部品関連情報読取装置の構成 >
先に説明したように、 配置フィーダ情報すなわち配置されている各フィーダ 1 8のフィーダ I Dは、 各フィーダ 1 8に付された情報表示子としてのバーコード 9 2を読み取ることによって取得される。 以下に、 このバーコード 9 2を読み取 るための読取装置の構成について説明する。
図 6に、 部品供給システムに読取装置が配備された状態の斜視を示す。 読取装 置 1 0 0は、 バーコ一ドリーダを備える読取器 1 0 2と、 読取器 1 0 2をフィー ダ 1 8が並ぶ方向に沿って案内するための案内器 1 0 4とを含んで構成されてレ、 る。 案内器 1 0 4は、 概ね、 読取器 1 0 2が移動する軌道を形成するガイド部 1 0 6と、 2つのアーム 1 0 8 a , 1 0 8 b (「アーム 1 0 8」 と総称することが ある) を有してガイド部 1 0 6を支持するガイド支持部 1 1 0とに区分される。
案内器 1 0 4は、 支持部 1 1 0において部品実装機 1 0のコラム 1 1 2に取り付 けられることによって、部品実装機 1 0に装着される。つまり、案内器 1 1 0は、 部品供給システム 1 6に取り付けられるのである。 図 6は、 ガイド部 1 0 6が、 読取器 1 0 2によってフィーダ 1 8のバーコ一ド 9 2の読み取り作業を行う際の 定位置である読取作業定位置にあり、 かつ、 読取器 1 0 2 、 案内器 1 0 6に装 着された状態を示しており、 その状態において、 読取器 1 0 2は、 フィーダ 1 8 の並ぶ方向に移動可能とされ、 かつ、 その移動範囲は、 すべてのスロットの箇所 に配置されたフィーダ 1 8のいずれのバーコード 9 2をも読取可能な範囲(以下、 「必要読取移動範囲」 と呼ぶことがある) を超えるものとされている。
図 7に、 案内器 1 0 4のガイド部 1 0 6に読取器 1 0 2が係合している状態に おける読取装置 1 0 0の一部分の斜視図を示す。 また、 図 8に、 読取器 1 0 2の 内部構造を示す。 図 8は、 図 7における左後方からみた場合の断面図である。 読 取器 1 0 2は、概して箱型をなし、案内器 1 0 4に対して脱着可能とされている。 通常は、 案内器 1 0 4から離脱させられており、 パーコード 9 2の読み取りの際 に、ガイド部 1 0 6に係合させられることによって、案内器 1 0 4に装着される。 ガイド部 1 0 6は、 概して 3つの部分に区分けできる。 その 1つは、 主に読取器 1 0 2を支承する役割を果たす支承部 1 2 0であり、 もう 1つは、 主に読取器 1 0 2の移動方向を規制する役割を果たすレール部 1 2 2であり、 さらにもう 1つ は、 主に読取器 1 0 2が読み取り中にガイド部 1 0 6との係合を解かれることを 防止する役割を果たす掛合部 1 2 4である。 支承部 1 2 0およびレール部は一体 として形成されており、 レール部 1 2 2は、 支承部 1 2 0に対して直角に立設さ れている。 なお、 支承部 1 2 0のレール部 1 2 2とは反対側の端部には、 補強の ためのフランジ 1 2 6が形成されている。 掛合部 1 2 4は、 断面が概ね J字状と され、 幅広のフランジの部分において支承部 1 2 0に固着されている。 幅の狭い フランジの部分 (「リップ 1 2 8」 と呼ぶ) が読取器 1 0 2に掛合するようにな つている。
読取器 1 0 2は、 ケーシング 1 3 0の内部に各種の機器が組み込まれた構造の ものである。 ケーシング 1 3 0の下面は平らに形成されており、 この下面が、 被 支承面 1 3 2とされて支承部 1 2 0の上面である支承面 1 3 4と触れ合う。 読取
器 1 0 2は、 被支承面 1 3 2と支承面 1 3 4とが触れ合った状態で、 支承部 1 2 0の上を移動する。 ケーシング 1 3 0の下部にはレール部 1 2 2が嵌る主溝 1 3 6が形成され、 レール部 1 2 2がこの主溝 1 3 6に嵌入する状態において、 読取 器 1 0 2の移動方向が規制されるとともに、 読取器 1 0 2の支承面 1 3 4に平行 な平面方向における姿勢変化 (回転) が規制される。 また、 ケーシング 1 3 0に は、 幅の狭い側面に補助溝 1 3 8が形成されており、 掛合部 1 2 4のリップ 1 2 8がその補助溝 1 3 8に引っ掛かるようになっている。 リップ 1 2 8が掛合する 状態では、 読取器 1 0 2のガイド部 1 0 6からの離脱が防止される。 支承部 1 2 0 , レール部 1 2 2 ,掛合部 1 2 4の各部は、軌道形成部材としての機能を有し、 それらの機能が奏合することによって、 読取器 1 0 2の軌道が形成され、 また、 読取器 1 0 2は、 それら軌道形成部材と係合する係合部を有するものとされるこ とで、 その軌道に沿った正逆両方の移動のみが許容されるのである。
読取器 1 0 2のガイド部 1 0 6に対する脱着は、 所定の位置において可能とさ れている。 掛合部 1 2 4には、 軌道方向の両端部の各々の付近に切欠 1 4 0が形 成されており、 この切欠 1 4 0の部分には、 リップ 1 2 8が存在しない。 切欠 1 4 0の幅は、 読取器 1 0 2の幅、 詳しくはケーシング 1 3 0の幅よりやや大きく されており、読取器 1 0 2は、その切欠 1 4 0の存在する箇所に位置する場合に、 上方に向かって離脱、 あるいは、 下方に向かって装着することが可能とされてい るのである。 つまり、 その脱着可能とされる位置が読取器 1 0 2の脱着位置であ る。
読取器 1 0 2は、 ケーシング 1 3 0の内部に種々の機器を備えている。 その 1 つが、 当該読取器 1 0 2の情報読取部として機能するバーコ一ドリーダ 1 5 0で ある。 バーコードリーダ 1 5 0は、 ケーシング 1 3 0の下部に設けられた読取窓 1 5 2を通して、 支承部 1 2 0の下方に位置するバーコード 9 2を読み取る。 支 承部 1 2 0には、 軌道に沿った開口 1 5 4が設けられており、 必要読取移動範囲 におけるいずれの位置においても読取が可能とされている。
読取器 1 0 2は、 また、 パーコードリーダ 1 5 0の軌道に沿った移動範囲にお ける読取位置の決定および移動方向を認識すベく自身の位置を検出するための読 取器位置検出器 1 5 6を備えている。 読取器位置検出器 1 5 6は、 一列に並ぶ 3
つのフォトスィッチを有している。 各フォトスィッチは、 光源としての L E D 1
5 8と、 主溝 1 3 6を挟んでそれと向かい合ってそれの光を検知するフォトトラ ンジスタ 1 6 0とを含んで構成されるものであり、 それらの並ぶ方向は、 読取器 1 0 2がガイド部 1 0 6と係合する状態において、 軌道平行な方向である。 レー ル部 1 2 2には、 軌道に沿って、 L E D 1 5 8の光を透過させるための透過孔 1
6 2, 1 6 4が複数設けられており、 読取器 1 0 2が所定の移動位置に位置する ときに、 いずれか 1以上のフォトスィツチが、 透過孔 1 6 2, 1 6 4からの透過 光が検知される状態である O N状態とされる。 透過孔は 2種のものがあり、 その 1種は、 フィーダ 1 8の配置ピッチに等しいピッチに設けられて、 各フィーダ 1 8の配置位置の指標となる位置指標透過孔 1 6 2である。 位置指標透過孔 1 6 2 は、 一時期において 3つのフォトスイッチのうちの 1つのものしか O N状態とし ないものとされている。 もう 1種の透過孔は、 読取器 1 0 2の移動範囲における 両端付近の各々に設けられて、 読取器 1 0 2が読取走查を開始あるいは終了する 位置を決めるための始終位置透過孔 1 6 4である。 始終位置透過孔 1 6 4は、 読 取器 1 0 2がある位置に位置する状態において、 同時に 3つのフォトスイッチが O N状態となるように長孔とされている。 読取器位置検出器 1 5 6は、 位置指標 を検出するものとも言えることから、 位置指標検出器と観念することもできる。 読取位置の決定および読取方向の認識については、 後に詳しく説明する。 なお、 以下の説明において、位置指標透過孔 1 6 2 ,始終位置透過孔 1 6 4については、 単に 「透過孔 1 6 2」, 「透過孔 1 6 4」 と略す場合がある。
読取器 1 0 2は、 他の装備機器として、 2つのスィッチを備えている。 その 1 つは、 読取器 1 0 2のガイド部 1 0 6への係合が適切な状態であることを検知す るための適正係合状態検知スィツチ 1 7 0である。 この検知スィツチ 1 7 0は、 ケーシング 1 3 0の下部に設けられたスィッチ孔 1 7 2から、 検知端部 1 7 4を 被支承面 1 3 2を超えて突出させた状態で配設されている。 被支承面 1 3 2が支 承面 1 3 4と適切な状態で接触する場合に、 検知端部 1 7 4が押し込まれて O N 状態となる。 もう 1つのスィッチは、 走查開始スィッチ 1 7 6であり、 読取器 1 0 2の上部に設けられた押しボタン型のスィッチである。 このスィツチの使用方 法は後に説明する。
さらに、 読取器 1 0 2は、 バーコードリーダ 1 5 0によって読み取られたフィ ーダ 1 8のフィーダ I D情報を送信する無線送信装置としての赤外線送信器 1 8 0を備えている。 赤外線送信器 1 8 0は、 ケーシング 1 3 0の側面に設けられた 送信窓 1 8 2を通して送信を行う。 ちなみに、 フィーダ I D情報の受信は、 赤外 線受信器によつて行われる。 図 6に示すように、 赤外線受信器 1 8 4は、 部品供 給システム 1 6が備えるフィーダテーブル 2 0の側面から立設するブラケット 1 8 6に支持されて、 ガイド部 1 0 6が読取作業定位置にある状態において、 ガイ ド部 1 0 6に係合する読取器 1 0 2の送信窓 1 8 2と自身が備える受信部とが向 かい合う状態となる位置に配設されている。 赤外線受信器 1 8 4は、 図 4のプロ ック図に示すように、モジュール制御装置 6 0が備える受信回路 1 8 8を介して、 その制御装置 6 0のコンピュータ 7 2の入出力インターフェース 6 8に接続され ている。
また、 読取器 1 0 2は、 ケーシング 1 3 0の側面に、 上下方向に 1列に並ぶ 3 つの表示ランプを備えている。 上段の表示ランプは、 電¾¾ランプ 1 9 0であり、 図示を省略する当該読取器 1 0 2の電源スィツチが O Nとされた状態において点 灯する。 中段の表示ランプは、 スタンパイランプ 1 9 2であり、 先に説明した適 正係合状態検知スィッチ 1 7 0が O Nの状態のとき、 すなわち、 当該読取器 1 0 2が適正係合状態である場合に、 読取走査の準備ができている旨を表示すべく点 灯する。 下段の表示ランプは、 読取走査ランプ 1 9 4であり、 走查開始スィッチ 1 7 6が押された時点から読取走査が終了する時点までの間点灯する。
さらに、 読取器 1 0 2は、 上記種々の機器の制御を行う制御ュニット 2 0 0を 備えている。 制御ユニット 2 0 0は、 マイコンを主体とするものであり、 各機器 が接続されており、 自身が備えるメモリに記憶された制御プログラムに従って、 それらの機器の制御を行うことで、 読取器 1 0 2の作動を制御する。 また、 読取 器 1 0 2は、 それらの機器のための電源として、 充電可能なバッテリ 2 0 2を備 えている。読取器 1 0 2は、部品供給システム 1 6とは接続されておらず、また、 案内器 1 0 4に対しても分離可能であることから、 コンパクトかつポータブルな ものとされている。
図 9に、 案内器 1 0 4の支持部 1 1 0の斜視を示す。 支持部 1 1 0は、 2本の
アーム 108 a, 108 bを有し、 それらアーム 108 a , 108 bの各々の一 端部は、 ガイド部 1 06の支承部 1 20の下部に固着されている (図 6〜図 9参 照)。 詳しい機構については説明を省略するが、 アーム 1 08 a, 1 08 bの各 々の他端部は、 アーム支持軸 210によって、 そのアーム支持軸 210に対して 回転可能にかつそれの軸方向に移動不能に支持されている。 アーム支持軸 210 の両端部の各々は、 軸固定部材 21 2を介して、 2つのマグネットブロック 21 4の各々に固定されている。
案内器 1 04は、 2つのマグネットブロック 214の各々において、 部品実装 機 10の 2つのコラム 1 1 2の各々に取り付けられる。 詳しく説明すれば、 2つ のコラム 1 12の各々には、 マグネットブロック 214の各々をそれの取付位置 を規制しつつ支承するブラケット 21 6 a, 21 6 bが、 固定的に設けられてお り、 マグネットブロック 214の各々はそれらブラケット 216 a, 21 6 bの 各々に係合して取り付けられる。 マグネットブロック 214は、 レバー 2 1 8を 回転操作することによって、 磁力の発生をコントロールすることが可能とされて おり、 案内器 104は、 レバー 218の操作によって、 図 9に示すように、 コラ ム 1 1 2に対しての離脱状態と装着状態とを切り替えられるようになっている。 すなわち、 マグネットブロック 214が当該案内器 104における取付部を構成. するともに、 コラム 1 1 2の一部おょぴプラケット 216 a , 216 bを含んで 部品供給システム 16側の被取付部が構成されているのである。 なお、 ブラケッ ト 2 1 6 a, 216 bは、 他の実装モジュール 14にも同じものが設けられてお り、 1つの実装モジュール 14から取り外した案内器 214は、 他の実装モジュ ール 14にも同じ状態で取り付けることが可能である。
案内器 104は、 部品実装機 1 0に取り付けられた状態において、 ガイド部 1 06の位置、 つまり、 形成される軌道の部品供給システム 1 6内における存在位 置を変更可能とされている。 案内器 104は、 アーム 108 a、 108 bの各々 とアーム支持軸 210との係合部分に、 軌道変更許容装置としてのガイド部位置 変更許容装置 230を備えている。 ガイド部位置変更許容装置 230は、 アーム 108 a, 108 bの各々についての部分 232 a, 232 bに分けることがで きる。 詳しい機構の説明は省略するが、 それぞれの部分 232 a, 232 bは、
アーム支持軸 2 1 0に固定して設けらた固定円板 2 3 4と、 アーム支持軸 2 1 0 を中心とする一円周上において固定円版 2 3 4に設けられた 2つのボールプラン ジャ 2 3 6とを含んで構成されている。 ボールプランジャ 2 3 6は、 パネ力によ つて先端部に設けられたボールにおいてアーム 1 0 8の側面を押え付ける構造の ものとされており、 アーム 1 0 8の側面部に形成された係合孔にボールが係合す ることによって、 軽い力ではアーム 1 0 8を回転させ得ない状態となる。 図 9に 示す状態でのガイド部 1 0 6の位置 (図 6をも参照のこと) は、 読取作業定位置 であり、 一方のボールプランジャ 2 3 6が係合孔に係合した状態であり、 この状 態から、 ある程度の力でアーム 1 0 8をアーム支持軸 2 1 0の回りに上方に向か つて回転させることによって、 もう一方のポールプランジャ 2 3 6が係合孔に係 合する状態となり、 ガイド部 1 0 6は、 もう 1つの位置に位置させられることに なる。 つまり、 その位置は、 読取作業定位置から跳ね上げられた位置であり、 実 装作業において実装へッド 5 6の移動に対して干渉しない位置としての退避位置 とされている。 なお、 図示は省略するが、 ガイド部 1 0 6が読取作業定位置を超 えて下降することを防止すべく、 ガイド部位置変更許容装置 2 3 0の各部 2 3 2 a , 2 3 2 bの各々には、 限界位置ストツバが設けられている。 以上のような構 成から、 ガイド部位置変更許容装置 2 3 0は、 アーム 1 0 8の揺動を許容するこ とで軌道の位置が移動することを許容する移動許容部と、 アーム 1 0 8の揺動位 置を固定することで軌道の位置を固定する位置固定部とを含むもととされている のである。
以上、 読取装置 1 0 0の構成を説明したが、 図 6を参照して、 部品供給システ ム 1 6のもう 1つの構成要素である、 フィーダ情報表示器ついて説明する。 フィ 一ダデープル 2 0は、 テーピング送り方向の端部に、 フィーダ 1 8を保持する機 能を果たす前方壁部 2 5 0を有しており (図 3参照)、 フィーダ情報表示器 2 5 2は、 この前方壁部 2 5 0の上部の位置に設けられている。 フィーダ情報表示器 2 5 2は、 フィーダ 1 8が配置位置、 すなわち、 スロットの位置に対応して、 一 線上に並ぶ表示ランプとしての L E D 2 5 4を複数有している。 L E D 2 5 4の 数は、 配置位置の数と同じ数とされている。 フィーダ情報表示器 2 5 2は、 各フ ィーダに関する種々のステータス情報を表示可能であり、 本発明に関係の深い機
能について説明すれば、 適正なフィーダ 1 8が配置されかつ適正な電子部品が供 給される状態のときには、 そのフィーダ 1 8の配置位置に対応する LED 2 5 4 が緑色に発光し、 適正なフィーダが配置されていない場合、 あるいは、 適正な電 子部品が供給されない状態の場合には、 赤色に発光するようにされている。 図 4 にプロック図で示すように、 ブイ一ダ情報表示器 2 5 2は、 モジュール制御装置 6 0が備える制御回路 2 5 6を介して、 その制御装置 6 0のコンピュータ 7 2の 入出力ィンターフェース 6 8に接続されている。
<読取位置の決定, 読取方向の認識 >
図 1 0に、 読取器 1 0 2の軌道上の移動位置と、 フィーダ 1 8のパーコード 9 2を読み取るための読取位置との関係を模式的に示す。 読取器 1 0 2が、 支承面 1 3 4に支承されつつ、 レール部 1 2 2によって規制される軌道に沿って、 いず れかの方向 (図における右方向あるいは左方向) に移動する場合、 例えば、 左方 向に移動する場合は、 図 1 0 (a ) から順に図 1 0 (d) の状態に移行する。 逆 に右方向に移動する場合は、 図 1 0 (d) から順に図 1 0 (a) の状態に移行す る。 レール部 1 2 2には、 先に説明したように、 複数の位置指標透過孔 1 6 2が 設けられている (図 7参照)。 透過孔 1 6 2の配設ピッチは、 フィーダ 1 8の配 置ピッチに等しく、 また、 透過孔 1 6 2は、 隣接するフィーダ 1 8間の真中の位 置の上方に位置するように設けられている。 先に説明したように、 読取器 1 0 2 は、 読取位置検出器 1 5 6を備え (図 8参照)、 その読取位置検出器 1 5 6は 3 つのフォトスィツチを有している。図では、それぞれのフォトスイッチ 2 6 0が、 左から順に、 [A], [B], [C] と符号付けられている。 フォトスィッチ 2 6 0 の配設ピッチは、 透過孔 1 6 2の配設ピッチの 1 /3とされ、 フォトスィッチ [B] が読取器 1 0 2の幅方向の中央に位置するように、 読取位置検出器 1 5 6 が配置されている。 また、 バーコードリーダ 1 5 0も読取器 1 0 2の幅方向の中 央に位置するように配置されている。
図 1 0 (a ) および図 1 0 (d) では、 中央のフォトスィツチ [B] のみが O Nの状態にあり、 図 1 0 (b) では、 右側のフォ トスイッチ [C] のみが、 図 1 0 ( c ) では、 左側のフォトスィツチ [A] のみが、 ONの状態にある。 フォト スィッチ [B] のみが ON状態のときには、 バーコードリーダ 1 5 0は、 いずれ
のフィーダ 1 8のバーコード 92をも読み取ることができない位置に位置する。 いずれかの方向に読取器 1 02が移動する場合、 フォトスィッチ [B] が ON状 態とされ、 次にフォトスィッチ [B] が ON状態とされる区間のうちの一部の区 間においてのみ、 バーコードリーダ 1 50での読取が可能とされている。 そのよ うな位置関係にあることから、 本実施形態では、 フォトスィッチ [B] が隣接す る 2つの透過孔 162の間を移動する区間が、 それら 2つの透過孔 162の間に 配設されたフィーダ 18についての読取位置と設定されており、 読取走査におい て、 制御ュニット 200は、 その設定に基づく制御を行う
また、 読取器 102が一方向に移動する場合、 3つのフォトスィッチ 1 62の それぞれは、 所定の順に ON状態とされる。 左方向に移動する場合は、 [B] → [C] → [A] → [B] → · · ·の順に繰り返し ON状態とされる。 逆に、 右方 向に移動する場合は、 [B] → [A] → [C] → [B] → · · ·の順に繰り返し ON状態とされる。 このように ON状態を検知するフォトスィツチ 260の順序 によって読取器 102の移動方向を認識することが可能であり、 制御ュニット 2 00は、 そのようにして読取器 102の移動方向を認識する機能を備えている。 図 1 1に、 読取走査の開始時期あるいは終了時期における読取器 102の移動 位置を模式的に示す。詳しく言えば、左方向に移動させて読取走査を行う場合は、 図 1 1 (a) から順に図 1 1 (d) に移行して開始し、 右方向に移動させて読取 走查を行う場合は、 図 1 1 (d) から順に図 1 1 (a) に移行して終了する。 開 始時期について説明すれば、前述の脱着位置から左方向に移動させた場合、まず、 図 1 1 (a) に示す状態となる。 前述したように、 レール部 122には、 左右両 側の脱着位置の中央寄りの部分のそれぞれに、 始終位置透過孔 164が設けられ ている (図 7参照)。 図 1 1 (a) の状態は、 3つのフォトスィッチ 260が、 その透過孔 1 64を同時に検知して、その 3つともが ON状態となる状態である。 次いで、 図 1 1 (b) に示すように、 読取器 102は、 3つのフォトスィツチ 2 60のうちのいずれのものも ON状態とならない位置に位置する。 この状態を経 て、 図 1 1 (c) に示すように、 最初にいずれかのフォトスィツチ 260が ON 状態となる。 この場合、 読取器 102が左方向に移動しているため、 フォトスィ ツチ [A] 力 最初に ON状態となる。 次に、 図 1 1 (d) に示すように、 中央
のフォトスィッチ [ B ] が O N状態となる。 この状態は、 整列するフィーダ 1 8 のうちの最も端のスロットの箇所に配置されたものの端の位置に読取器 1 0 2が 位置する状態であり、 ここからの読み取りによって得られるフィーダ 1 8のブイ ーダ I Dは、 最端部の配置位置に位置するフィーダ 1 8のものとなる。 次いで、 図 1 0に示すような読取動作が繰り返されるのであるが、 フォトスィツチ [ B ] が O N状態となった数をカウントすることにより、 配置位置と関連付けてその配 置位置に配置されたフィーダ 1 8のフィーダ I Dを取得することができるのであ る。 なお、 詳しい説明は省略するが、 読取走査の終了は、 読み取りを開始してか ら、 図 1 1 ( a ) に示すところの 3つのフォトスィッチ 2 6 0が同時に O N状態 となる状態を再び検知することによって決定される。
以上、 読取位置の決定および読取方向の認識について説明したが、 それらの決 定処理および認識処理は、 読取器 1 0 2が備える制御ュニット 2 0 0によって行 われる。 本実施形態において、 読取装置 1 0 0は、 読取位置を決定する読取位置 決定装置と、 その位置においてバーコードリーダ 1 5 0にバーコード 9 2を読み 取らせる読取制御装置とを含んで構成されているといえる。読取位置決定装置は、 位置指標としての透過孔 1 6 2, 1 6 4、 フォトスィッチ 2 6 0を有する読取位 置検出器 1 5 6、 読取位置の決定の処理を行う制御ュニット 2 0 0の部分等を含 んで構成され、 また、 読取制御装置は、 制御ユニット 2 0 0の読取指令を発する 部分等を含んで構成されているといえる。 また、 その読取位置決定装置は、 読取 器 1 0 2の軌道上の位置を特定し、 その特定した位置に基づいて読取位置を決定 するものであることから、 読取器位置特定部と読取位置決定部とを含むものであ り、 さらに、 その読取器位置特定部は、 読取器 1 0 2の移動位置を、 位置指標で ある透過孔 1 6 2との関係位置によって特定することから、 位置指標関係位置検 出部を含むものである。 また、 前記の読取走查開始時の処理等において説明した ように、 本実施形態では、 どの位置に設けられた透過孔 1 6 2かを認識可能であ り、 上記読取位置決定装置は、 どの配置位置に配置されたフィーダ 1 8であるか を認識可能なものであるといえる。さらにまた、本実施形態の読取装置 1 0 0は、 3つのフォトスィツチ 2 6 0の O N状態となる順序に基づいて読取器 1 0 2の移 動方向を認識できることから、 その認識処理を行う制御ユエット 2 0 0を含んで
読取器移動方向認識装置が構成されているといえる。
<フィーダ I Dの読取作業 >
上記部品実装機 1 0において段取替え時に行われるところの、 上記読取装置 1 0 0を用いたフィーダ I Dの読取作業を簡単に説明する。 例えば、 部品実装作業 中においては、 既にいずれかの実装モジュール 1 4に案内器 1 0 4が配設されて おり、 読取器 1 0 2は、 オペレータが携帯しているものとする。 その場合、 案内 器 1 0 4のガイド部 1 0 6は、 前述の退避位置に位置させられている。 回路基板 の 1つのロットに対する実装作業が終了した場合、 次のロットに対する回路基板 の実装作業を開始するため、 オペレータは、 各実装モジュール 1 4に配備された 部品供給システム 1 6の段取替えを行う。 各実装モジュール 1 4の部品供給シス テム 1 6から供給される電子部品は、 前述のように、 実装プログラムによって定 められており、 各実装モジュール 1 4の操作 ·表示パネルに表示される指示にし たがって、 各実装モジュールについて、 所定の電子部品が保持されたリール 2 4 を保持するフィーダ 1 8を、 所定のスロット N o . のスロットに装着して配置す る。
すべての実装モジュール 1 4の各々においてすべてのフィーダ 1 8が配置され た後に、 フィーダ I Dの読取作業が行われる。 最初に、 案内器 1 0 4が取り付け られている実装モジュール 1 4についての読取作業が行われる。 まず、 オペレー タは、 その案内器 1 0 4のガイド部を押し下げて、 ガイド部 1 0 6を読取作業定 位置に位置させる。 次いで、 携帯している読取器 1 0 2を、 左右いずれかの脱着 位置においてガイド部 1 0 6に装着する。 次に、 実装モジュール 1 4の操作 ·表 示パネルを操作して、 モジュール制御装置 6 0が読取器 1 0 2からの情報を受信 可能な状態とする。 これらの作業によって、 その実装モジュール 1 4に関しての 読み取りのための準備が整う。 準備が整った後、 読取器 1 0 2の電源スィッチを 操作し、 電源を投入する。 電源投入は、 電源ランプ 1 9 0の点灯により確認でき る。 このとき、 スタンパイランプ 1 9 2の点灯をも確認する。 スタンバイランプ 1 9 2が点灯している場合、 読取器 1 0 2は正しく装着されており、 読取器 1 0 2の制御ュニット 2 0 0は読取走査を実行する準備が整った状態であると判断 し、 以下の、 読取走査の実行が許容される。
読取走査におけるオペレータの作業は、 走查開始スィッチ 1 76を一度押し、 一方の脱着位置から他方の脱着位置まで読取器 102を手で移動させるだけであ り、 極めて簡単な操作を行うだけで済む。 読取走査中における読取器 1 02の作 動は、 制御ユニット 200が、 自身が有する読取走査プログラムを実行すること によって、 自動で行われる。 図 12に、 制御ユエット 200が実行する読取走査 プログラムのフローチャートを示す。 以下、 読取走査における読取器 1 02の作 動および制御ュニット 200の処理を、 そのフローチャートに従って説明する。 走査開始スィツチ 1 76が押されることにより、 読取走査プログラムの実行が 開始する。 まず、 ステップ 1 (以下、 「S 1」 と略す。 他のステップも同様とす る。) において、 初期処理として、 カウンタ, メモリ等が初期化される。 {N]は、 フィーダ 1 8が配置されるスロットのスロット No. を示すカウンタであり、 {M D} は、 読取器 1 02の移動方向すなわち走査方向を示すフラグ、 { I D} は、 バーコード 92から読み取られたフィーダ 18のフィーダ I D (I D read) が格 納される I Dメモリの記憶データである。 次いで、 S 2において、 読取走査ラン プ 1 94が点灯させられる。
次いで、 S 3において、 読取器 102が開始位置に位置するのが待たれ、 3つ のフォトスィッチ 260 (フォトスィッチ [A], [B], [C]) がともに始終位置 透過孔 164の位置に位置してそれらが同時に ON状態となった場合に (図 1 1 (a) 参照)、 次の S 4が実行される。 S 4においては、 3つのフォトスィッチ 260が同時に OF F状態となるのが待たれ、 3つが OF F状態となった場合に (図 1 1 (b) 参照)、 次の S 5が実行される。 S 5では、 始終位置透過孔 1 6 4の隣に位置する位置指標透過孔 1 62の検知が待たれる。 S 5において、 その 透過孔 16 2がフォトスィツチ [A]または [C]によって検知された場合に (図 1 1 (c) 参照)、 次の S 6が実行される。
S 6では、 S 5において検知したフォトスィッチ 260力 S[A]である力 [C]で あるかが判定される。 フォトスイッチ [A]によって検知された場合は、 右から左 に向かって走査されると判断し、 S 7において、 フラグ {MD} が "L" とされ、 カウンタ {N} の値が "0" とされる。 フィーダ 18の配置位置であるスロット は n個設けられており、 スロット No. は右から左に向かって、 1, 2, · · · ,
nとされている。 左方向の走查は、 正方向の走查である。 フォトスィッチ [C]に よって検知された場合は、 左から右に向かって走査されると判断し、 S 8におレ、 て、 フラグ {MD} が "R" とされ、 カウンタ {N} の値が " 11 + 1" とされる。 右方向の走查は、 逆方向の走査である。
次に S 9において、 フオトスイッチ [B]による透過孔 1 62の検出が待たれ、 S 1 0において、 フォトスィツチ [A], [B], [C]が、 同時に ON状態とされる のが待たれる。 S 10は、 つまり、 走査方向の終端部にある始終位置透過孔 1 6 4の位置まで読取器 102が到達したことを判定するステップである。 読取走査 の終端に達するまでにいくつかの読取位置が存在するため、終端に達するまでに、 S 9の判定において、 フォトスィッチ [B]によって透過孔 1 62が何回か検知さ れる。 S 9の判定において、 フォトスィッチ [B]によって透過孔 162が検知さ れた場合は、 S 1 1が実行される。
S 1 1では、 フォトスィツチ [B]が透過孔 162を通過することが待たれる。 そして、 通過したときに、 S 1 2において、 カウンタ {N} の値とフィーダ I D が格納される I Dメモリに記憶されていたデータ { I D} 、 赤外線送信器 1 8 0から送信される。 つまり、 配置位置を示すスロット N o . と関連付けて、 その スロット N o . のスロットの箇所に配置されたフィーダ 1 8のフィーダ I Dが送 信されるのである。 送信されたフィーダ I Dは、 モジュール制御装置 60にある RAM6 6に記憶される。 なお、 第 1回目の送信においては、 {N} の値は、 " 0" あるいは "n+ 1" であり、 読み取られたフィーダ I Dは存在せず、 モジュ ール制御装置 60側において、 無視される。
続いて、 S 13において、 走査方向を示すフラグ {MD} の値が判定され、 左 方向の走査の場合は、 S 14において、 カウンタ {N} の値が 1だけ増加させら れ、 逆に、 右方向の走査の場合は、 S 1 5において、 カウンタ {N} の値が 1だ け減少させられる。 S 14および S 1 5は、 カウンタ {N} の値を、 次に読み取 るバーコード 92が付されたフィーダ 18の配置位置であるスロット No. とす るための処理である。 カウンタ {N} が更新された後、 S 1 6において読取を開 始する。 パーコードリーダ 1 50は、 きわめて短い時間的サイクルで繰り返して 読取を行っており、 S 16の処理は、 厳密には、 読み取られているフィーダ I D
( I D read) の値を { I D } として I Dメモリに格納する処理である。 フィーダ I Dの格納処理が 1度行われた時点で、 S 1 6は終了する。 なお、 S 1 1〜S 1 5までの処理は、 高速で行われるため、 本実施形態においては、 手動操作での読 取器 1 0 2の移動によって、 読み取りのタイミングが失われることを考慮してい ない。
1つのフィーダ 1 8のバーコ一ド 9 2が読み取られた後、 S 9に戻って、 次の 送信処理, カウンタ更新処理, 読取処理が繰り返される。 これら一連の処理の何 回かの繰り返しによって、 部品供給システム 1 6に配置されているすべてのフィ ーダ 1 8のフィーダ I Dが読み取られ、 それらがモジュール制御装置 6 0に送信 される。すべてのフィーダ 1 8のフィーダ I Dが取得された後、 S 1 0において、 読取器 1 0 2が読取走査の終了位置まで到達したと判定された場合には、 S 1 7 において、 読取走査ランプ 1 9 4が消灯させられ、 読取走查制御プログラムの実 行が終了する。
配置されているすべてのフィーダ 1 8のフィーダ I Dが、 それが配置されてい るスロットのスロット N o . に関連付けられて、 モジュール制御装置 6 0に取得 された場合、 モジュール制御装置 6 0は、 各スロットの箇所に適正な形式のフィ ーダ 1 8が配置されているか、 および、 各スロットの箇所に配置されたフィーダ 1 8から適切な種別の電子部品が供給されるかを確認する。 この確認の処理は、 詳しく説明したため省略する。 確認の結果は、 フィーダ情報表示器 2 5 2に表示 される。 前述したように、 適切なフィーダ 1 8が配置されており、 かつ、 適切な 電子部品が供給される場合は、 そのフィーダ 1 8の配置箇所に対応する L E D 2 5 4が緑色に点灯し、 そうでない場合は、 不適切であるとして L E D 2 5 4が赤 色に点灯する。 赤色に点灯する L E D 2 5 4が存在する場合、 オペレータは、 そ の原因を調査し、 適切なフィーダ 1 8をその配置箇所に配置し直す。 そして、 先 の読取走查をもう一度行う。 すべての配置箇所が適切である場合は、 その実装モ ジュール 1 4についての作業を終了し、 次の実装モジュール 1 4についての作業 を行う。
作業される実装モジュール 1 4を変更するにあたって、 まず、 オペレータは、 読取器 1 0 2を所定の脱着箇所から離脱させる。 次いで、 案内器 1 0 4を、 作業
が終了した実装モジュール 1 4から取り外す。 そして、 次に作業を行う実装モジ ユール 1 4に、 案内器 1 0 4を取り付け、 以上説明した配置フィーダ情報の読取 に関する一連の作業を行う。 すべての実装モジュール 1 4について作業を終了さ せて、 部品実装機 1 0についての配置フィーダ情報の読取に関する作業を終了す る。 なお、 最後の実装モジュール 1 4について作業を行った際、 案内器 1 0 4を 実装モジュール 1 4から取り外さない場合は、 ガイド部 1 0 6は、 実装作業に先 立って、 退避位置に移動させることが望ましい。
以上説明した読取作業は、 一例であり、 特に、 読取走查制御プログラムについ ては、説明を単純化させるために、典型的な態様のものを例にとって説明してた。 しかし、 実際には、 例えば、 1つの部品供給システム 1 6において、 すべてのス ロットの箇所にフィーダ 1 8が配置されるとは限らない。 その点まで考慮する場 合には、 先の読取走查制御プログラムにおいて、 フィーダ 1 8が配置されていな い箇所に関する読取処理をスキップさせるように変更すればよい。 また、 上記実 施形態においては、 1回の読取走査において、 オペレータが読取器 1 0 2を途中 で止め、 逆に移動させるようなことも考えられる。 このような場合を想定し、 先 に説明したような移動方向の違いによるフォトスイッチ 2 6 0の検知順序の違い を利用し、 途中から逆移動させた場合でも読取が円滑に行えるように、 読取走查 制御プログラムを変更することも可能である。 さらに、 あるフィーダ 1 8につい ての読み取りがなんらかの原因によりエラーとなった場合、 上記フィーダ情報表 示器 2 5 2を利用して、 そのエラーとなったフィーダ 1 8の配置位置に対応する L E D 2 5 4を点灯させるように、 読取走查制御プログラムを変更してもよい。