明 細 書
軟質ポ リ ウ レタ ンフォーム
技術分野
本発明は、軟質ポ リ ウ レタ ンフォームに関する ものであ り 、 更に詳細には底付き感が少な く 、振動吸収性、耐久性に優れ、 車輛用シー ト、 航空機、 寝具用等のパッ ド材に好適な軟質ポ リ ウ レタ ンフォームに関する。
背景技術
軟質ポ リ ウ レタ ンフォーム(以下、ポ リ ウ レタ ンフォーム、 ウ レタ ンフォーム、 フォーム と 略記する こ と がある) は 自動 車用シー ト ク ッ ショ ン、 バ ッ ク等のパ ッ ド材と して広く 使用 されている。 従来、 自動車用シー ト の構造は、 金属ばねと ポ リ ウ レタ ンフォームの組み合わせと い う 構造が多く 採用 され ていた。 しかし、 最近はコ ス ト ダウ ンのため、 金属ばねを使 用せずゥ レタ ンフォーム と 金属パネノレ力 らなる フルフ ォーム タイ プと 呼ばれる シ一 ト構造が多く なってき た。 フルフ ォー ムタイ プのパ ッ ド材と して使用 される ウ レタ ンフォームは厚 さ も厚く 、 乗 り 心地向上のためにはポ リ ウ レタ ンフォーム 自 体の性能が重要視される。
近年、 自動車用シー ト に用い られるポ リ ウ レタ レフオームパ ッ ド材は特に軽量化、 コス ト ダウ ンを 目 的と して低密度化が要 求される。ゥ レタ ンフォームの硬度測定方法と して、 JI S K6400 ( 1999年、 プラスチッ ク 、 材料 ·製品編) が広く 知 られてお り 、 この方法にてフォーム厚さ に対して 2 5 %圧縮した時の ゥ レ タ ンフォームの硬さ ( 2 5 %硬さ) を ウ レタ ンフォーム硬度の
指標と して使われる こ とが多い。 この 2 5 %硬さ一定とい う条 件下にて発泡剤である水の量を増やしてウ レタ ンフォームの 低密度化を図る と、 一定体積当 り の樹脂の量が減り 硬く て脆い 尿素結合が多く 生成されるため、耐久性が悪い(へタ リ のある) ウ レタ ンフォーム と なる。 具体的には、 湿熱圧縮残留歪み (フ オーム厚さの 5 0 %まで圧縮し、 所定の温度及ぴ湿度の高温槽 中に所定時間保存した時における、 試験前後の厚さの変化率を 測定したと きの歪み)、 及び、 繰り 返し圧縮 2 5 %硬さの低下 率 (フォーム厚さの 5 0 %まで圧縮し、 連続して 8 万回圧縮し た時における、 試験前後の 2 5 %硬さの低下率) の数値が大き く なる。
また、 ポリ ゥレタ ンフォームを低密度化する と様々な乗 り 心 地が悪化する。 シー トの静的な乗 り 心地の代用数値と して、 フ オームのテス ト ピースサンプルを、 加圧板と して鉄研盤を用い て圧縮する荷重たわみ曲線のデータが使用 される こ とが多い。 後掲の表 2 に示されたデータ力 ら もわかる よ う に、 ポリ ウ レタ ンフォームを 2 5 %硬さ一定とい う 条件下にて低密度化する と、 4 9 0 〜 8 8 2 N加圧側たわみ差 (加圧板と して鉄研盤を 使用 して 8 8 2 Nまで圧縮し、 加圧を取り 除く 静荷重試験にお いて、 4 9 0 N加圧時の加圧側たわみ量と 8 8 2 N加圧時のた わみ量と の差) が小さ く なる傾向がある。 つま り 、 ノ ッ ド材と して使用 される フォームを低密度化する と、 ス ト ローク感が無 く 底付きを感じやすいシー ト と なる。
更に、 低密度化時には振動伝達性も高く なる。 人間の内臓 が共振する周波数は 4 〜 8 H z であ り 、 この周波数領域の振
動が伝達する と疲労や車酔いにつながる こ と が報告されて いる。 一般的には 6 H z 伝達率が振動伝達性の一つの指標と して使われる こ と が多い。 通常、 自動車用シー ト の場合 3 〜 5 H z ·間に共振振動数が存在し、 振動工学的には 6 H z 時の 振動伝達性を下げるためには共振振動数を下げる必要があ る。 しかしなが ら、 フォーム密度を下げる こ と によって共振 振動数が大き く な り 、 6 H Z 伝達率が上がるために振動特性 の悪いフォーム と なる。 このこ と は後掲の表 2 に示されたデ ータ にも現れている。
図 1 に説明図 と して示 したよ う に、 ポ リ ウ レタ ンフォーム の原料配合を変え反発率をア ップさせる こ と に よ り 、 共振振 動数は小さ く な り 、 6 H z 伝達率を さ げる こ と は可能であ る。 しか し、 その場合、 共振点での振動伝達性 (共振倍率) が大き く 共振点付近の振動伝達性は大き く な ら ざる を得ず
(例えば、 「乗 り 心地性の評価方法 (An App roach to
Evaluation of Riding and Seating Comfort J、 ホ リ ウ レタ ン E X P O ' 9 8 ( POLYURE THANE S EXPO'98 , ) p . 499、 表 1 0 、 参照。)、 車体の振動によ り 身体の安定感がな く なる と い う 問題点があった。
と こ ろで、 一般的に軟質ボ リ ゥ レタ ンフ ォームは大気中の 湿度が高 く なる と水素結合が分断され、 フォームの硬さが低 下する と い う 問題がある。 つま り 、 ウ レタ ンフォームのタ ツ シ ヨ ン材はその環境における湿度によ って硬さ が変化するた めにフィ ー リ ングも大き く 変わる と レ、 う 問題点があった。
一方、 一般的に 自動車において室内空間を確保するために
シー トパッ ドを薄く したいとい う要求があ り 、 かかる要求に 対応すべく 、 ポリ ウ レタ ンパッ ド厚さ と静荷重 · 振動特性の 関係についての報告がある (例えば、 特開平 1 1 一 3 2 2 8 7 5号公報参照。)。
発明の開示
上述したよ う に、 シー ト ク ッ ショ ン材と して使用 されるポ リ ゥ レタ ンフォームを低密度化した場合は、耐久性の悪化(へ タ リ )、 底つき感、 振動伝達性の増大は避け られなかった。 ま た、 ポリ ウ レ タ ン フ ォーム の硬さが湿度によって変化する こ と に起因するフ ィ ー リ ングの変化も避け られなかった。
本発明は、 上記問題点に鑑み、 高性能化、 低密度化及び薄 肉化の要求に対応し得る軟質ポリ ゥ レタ ンフ ォ ーム を提供す ベく 開発された も のであ り 、 底つき感が少な く 、 耐久性及び 振動遮断性に優れたポリ ゥ レ タ ンフ オームを提供する こ と を 目 的とする。 また、 本発明は更に、 湿度が変化しても硬さ変 ィ匕の少ないポ リ ウ レタ ン フ ォームを提供する こ と を 目的とす る。
本発明者らは上記目 的を達成するため、 ポ リ ウ レタ ンフ ォ 一ムの静荷重、 セル構造 · 組成に着目 し鋭意研究を重ねた結 果、 セル構造調整剤と して特殊な界面活性剤を添加する こ と によ り 上記目的を達成でき る こ と を見出 し、 本発明を完成す るに至った。
すなわち、 本発明は、 ポリ オールとイ ソシァネー ト を主成 分と して含有する軟質ポリ ウ レタ ンフォームにおいて、 セル 構造調整剤と してパーフルォロアルキル基構造を有するフ ッ
素系界面活性剤であって、 該界面活性剤を 0 . 1 質量%の濃 度で含有する トルエン溶液も しく は 6 0質量%エタ ノール水 溶液の撹拌 5分後における起泡高さが 3 m m以上であるフ ッ 素系界面活性剤を含有する こ と を特徴とする、 ク ッ シ ョ ン材 用軟質ポ リ ウ レタ ンフォームである。
本発明のポリ ウ レタ ンフォームは、 密度及び 2 5 %硬さが 同一であって、 前記フ ッ素系界面活性剤を含有しない軟質ポ リ ウ レタ ンフォーム との比較において、 温度 5 0 ± 1 °C ( 4 9 〜 5 1 °C )、 湿度 9 5 ± 5 % ( 9 0 〜 1 0 0 % ) における湿 熱圧縮残留歪み (以下において、 「湿熱圧縮残留歪み (50°C X 95% )」 と言 う。) および繰返し圧縮 2 5 %硬さの低下率が、 各々 5 %以上小さいこ と を特徴とする。
本発明のボ リ ウ レタ ンフォームは、 また、 密度及び 2 5 % 硬さが同一であって、 前記フ ッ素系界面活性剤を含有しない 軟質ポリ ウ レタ ンフォーム と の比較において、 静荷重試験に おける 4 9 0 〜 8 8 2 N加圧側たわみ差が 1 m m以上大きレ、 こ と を特徴とする。
本発明のポ リ ウ レタ ンフォームは、 また、 密度及び 2 5 % 硬さが同一であって、 前記フ ッ素系界面活性剤を含有しなレ、 軟質ポ リ ウ レタ ンフォーム と の比較において、 振動試験にお ける共振倍率および 6 H z 伝達率が、 各々 5 %以上低いこ と を特徴とする。
本発明のポ リ ウ レタ ンフォームは、 また、 密度及び 2 5 % 硬さが同一であって、 前記フ ッ素系界面活性剤を含有しない 軟質ポリ ウ レタ ンフォーム と の比較において、 湿度変化によ
る 2 5 %硬さ変化率が、 5 %以上小さいこ と を特徴とする。 本発明によ り 提供される軟質ポ リ ウ レタ ンフォームは、 上 記問題点を有する現状のシー トパッ ドに対して、 高性能化、 低密度化も しく は薄肉化等の要求に対応する こ とができ る も のである。
図面の簡単な説明
図 1 は、 従来のポ リ ウ レ タ ンフ ォームにおける反発率と 振動特性との関係を示す説明図である。
図 2 は、 本発明例のポリ ゥレタ ンフォーム と比較例のポ リ ゥ レタ ンフ ォームの振動特性の測定結果を示す図である。 発明を実施するための最良の形態
本発明に係る軟質ポリ ウ レ タ ンフ ォームは、 ポ リ オ一ルと ィ ソ シァネー ト を主成分と して含有し、 セル構造調整剤と し て、 パー フルォロ アルキル基構造を有するフ ッ素系界面活性 剤であって、 該界面活性剤を 0 . 1 質量%の濃度で含有する ト ルエ ン溶液も し く は 6 0質量%エタ ノ ール水溶液の撹拌 5 分後における起泡高さが 3 m m以上であるフ ッ素系界面活性 剤 (以下、 本発明の界面活性剤と も言う。) を含有する こ と を 特徵とする。 本発明においてフ ッ素系界面活性剤の起泡高さ は後述の試験方法を用いて測定される。
本発明の界面活性剤を添加してなる軟質ポリ ゥ レタ ンフ ォ ームは、 同一の密度及ぴ 2 5 %硬さ を有し、 本発明のフ ッ素 系界面活性剤を含有しない軟質ポ リ ゥ レタ ン フ ォーム と の比 較において、 以下の性能に優れる こ とが明 らかとなった。 な お、 本発明において 「同一の密度及び 2 5 %硬さ」 とは、 本
発明に係る軟質ポ リ ゥ レタ ンフ ォームが有する密度及び 2 5 %硬さ と、 本発明のフ ッ素系界面活性剤を含有しない軟質 ポリ ウ レタ ンフォームが有する密度及び 2 5 %硬さ(比較値) と の差が、 該比較値に対して密度が ± 2 . 5 %以内、 2 5 % 硬さが ± 4 %以内である こ と を意味する。
本発明のポ リ ウ レタ ンフォームは、 同一の密度及ぴ 2 5 % 硬さ を有し、 本発明のフ ッ素系界面活性剤を含有しない軟質 ポリ ウ レタ ンフォーム と の比較において、 湿熱圧縮残留歪み ( 50°C X 95 %)および繰返し圧縮 2 5 %硬さの低下率が、 各々 5 %以上小さい。 また、 本発明のポ リ ウ レタ ンフォームは、 同一の密度及ぴ 2 5 %硬さ を有し、 本発明のフ ッ素系界面活 性剤を含有しない軟質ポリ ゥ レ タ ンフ ォーム と の比較におい て、 静荷重試験における 4 9 0 〜 8 8 2 N加圧側たわみ差が 1 m m以上大きい。 さ らに、 本発明のポリ ウ レタ ンフ ォーム は、 同一の密度及ぴ 2 5 %硬さ を有し、 本発明のフ ッ素系界 面活性剤を含有しない軟質ポ リ ゥ レタ ンフ ォーム と の比較に おいて、 振動試験における共振振動数、 共振倍率おょぴ 6 H z伝達率が、 各々 2 %以上低い。 各物性値等の測定方法につ いては後述する。
以下、 本発明に係るポ リ ウ レ タ ンフ ォームの構成成分につ いて説明する。
本発明の軟質ポリ ウ レタ ンフォームは、 ポリ オール ( A )、 およびイ ソシァネー ト化合物 ( B ) を主成分と して含有し、 これに触媒 ( C )、 発泡剤 ( D )、 セル構造調整剤と して本発 明に係る フ ッ素系界面活性剤 ( E )、 および必要に応じて整泡
剤と して有機ケィ素系界面活性剤 ( F ) を、 更に必要に応 じ て架橋剤 ( G )、 発泡剤 ( H ) を反応させて得られる。
ポ リ オール ( A ) : 特に限定される も のではな く 、 当該分 野において通常使用 される あ ら ゆる タイ プのものを用いる こ と ができ る。 例えばポ リ エーテルポ リ オール、 ポ リ マーポ リ オールが挙げられ、 2種以上のポ リ オールを混合して用い て も よい。 その水酸基価は 1 5〜 6 0 [ mgKOH/g] の範囲の も のが適当であ り 、 ポ リ オールの総不飽和度は、 0 · 1
[ meq/g] 以下が望ま しい。
ィ ソ シァネー ト化合物 ( B ) : 特に限定される も のではな く 、例えばィ ソ シァネー ト基を 2 以上有する芳香族、脂環族、 も し く は脂肪族系のィ ソ シァネー ト化合物、その変性体また はこれ らの混合物を用いる こ と ができ る。 具体的には、 ト リ レンジイ ソ シァネー ト ( T D I )、 ジフ エ ニルメ タ ンジイ ソ シァネー ト (M D 1 )、 へキサメ チ レ ンジィ ソ シァネー ト ( H MD I ) の単体及び化合物が例示される。
触媒 ( C ) : 特に限定される も のではな く 、 当該分野にお いて公知であ る各種触媒を使用する こ と ができ る。 例えば ト リ エチ レンジァ ミ ン、 ビス 一 ( 2 — ジメ チノレ ア ミ ノ エチノレ) エーテル、 ト リ ェチルァ ミ ン、 N— メ チルモルホ リ ン、 N— ェチルモルホ リ ン、 ト リ プロ ピルァ ミ ン、 ト リ ブチルァ ミ ン、 ジメ チルベンジルァ ミ ン、 Ν,Ν,Ν',Ν'—テ ト ラ メ チルへキサ メ チ レ ンジア ミ ン、 Ν,Ν,Ν',Ν',Ν"—ペンタ メ チルジェチ レ ン ァ ミ ン、 1, 8 —ジァザー ビシク ロ ( 5 , 4, 0 ) ゥ ンデセ ンー 7 , 1, 2 —ジメ チノレイ ミ ダゾーノレ、 1 —プチルー 2 —
メ チルイ ミ ダゾール、 N, N—ジメ チルー N—へキサノールァ ミ ン、 ジメ チルエタ ノ ールァ ミ ン、 N— ト リ オキシエチレン — N,N—ジメ チルァ ミ ン等のァ ミ ン、 又はこれらの有機酸塩 及ぴス タ ナス ォク ト エー ト 、 ジブチノレチンジラ ウ レー ト 、 ナ フタ ン酸亜鉛等の有機金属化合物が挙げられる。
発泡剤 ( D ) : 水 ( H 2 O ) が挙げられ、 水を用いた場合、 ィ ソシァネー ト基と水 ( H 2 O ) の反応で発生する炭酸ガス が使用 される。 尚、 補助的に低沸点有機化合物の使用や C O 2ロ ーディ ング装置で原液中に炭酸ガス等を混入させて発泡 させる こ と も可能である。
フ ッ素系界面活性剤 ( E ) : セル構造調整剤と しては、 例 えば、 ダイ キン工業製の DS-101、 DS-102, DS-202, DS_301、 08-401、 08-403、。8-451、旭硝子社製の8-111、 8-112、 8-113、 S'121、 S-131、 S-132, S'141、 S_145、 S_393、 KH_40、 大 日 本イ ンキ化学工業製の F-110、 F-116、 F-120、 F-142D、 F-144D、 F-150、 F-160、F-171、 F-172、 F-173、 F-177、 F_178A、 F-178K, F-179、 F-183、 F-184、 F'191、 F_471、 F'477、 F_478、 F-812、 等が挙げられる。 本発明のフ ッ素系界面活性剤は、 パーフルォロ アルキル基構造を有する フ ッ素系界面活性剤 であって、 該界面活性剤を 0 . 1 質量%の濃度で含有する ト ルェン溶液も し く は 6 0質量%エ タ ノ ール水溶液の撹拌 5 分後における起泡高さが 3 m m以上である フ ッ素系界面活 性剤であ り 、 かかる観点から は特に大 日本ィ ンキ化学工業製 の F-177、 F_478、 旭硝子社製の S_393、 等を好適に用いる こ と ができ る。
有機ケィ素系界面活性剤 ( F ) : 整泡剤と して、 当該分野 において公知である有機ケィ素系界面活性剤も併用可能で あ り 、 例えば日本ュニカー社製の L-3601、 L-5309, L_5366、 SZ-1306, SZ-1311、 SZ-1313, SZ'1318, SZ_1323、 SZ-1340, SZ-1341、 SZ-1342, 東レ · ダウコエング · シリ コーン社製の PRX-607, SF-2969, SF-2964S SRX-274C, SF-2961, SF-2962, SF-2965 等が挙げられる。
架橋剤 ( G ) : 物性向上のために架橋剤を用いる こ とがで き、好ま しく は水酸基価 2 0 0 〜 1 8 0 0 mgKOH/gの化合物 が用いられる。 例えばジエタ ノ ールァ ミ ン、 卜 リ エタ ノール ァ ミ ン、 モ ノ エ タ ノ ーノレア ミ ン、 モ ノ プロ パ ノ ーノレア ミ ン、 ジプ ロ ノ ノ ールア ミ ン、 ト リ プロ パ ノ ールァ ミ ン、 N— メ チ ルー ジェタ ノ 一ノレア ミ ン、 N— フ エ ニノレ ー ジプ ロ ノ ノ ー ノレア ミ ン等のァ ミ ノ アル コ ール類、 ト リ レ ンジァ ミ ン、 ジェチル ト リ レ ンジァ ミ ン、 ジア ミ ノ ジフ エ 二ノレメ タ ン、 イ ソ ホ ロ ン ジァ ミ ン、 へキサメ チ レ ンジァ ミ ン、 エチ レ ン ジア ミ ン、 ジ エチ レン ト リ ジァ ミ ン等のポ リ ァ ミ ン類、 ポ リ ア ミ ンやア ミ ノ アル コ ール等にアルキ レ ンォキサイ ドを付加させた化合 物、 グリ セ リ ン等の脂肪族多値アル コ ール類な どが用いられ る。 その他、 従来公知の架橋剤を用いても よ く 、 これらは単 独でも 2種以上を併用 して用いてもよい。
破泡剤 ( H ) : 軟質ポリ ウ レタ ンフ ォーム の通気性及びク ラ ッ シングをコ ン ト ロールする 目的で破泡剤を用いる こ と もで き る。 破泡剤と しては特に限定される ものではなく 、 公知の セルオープナーを使用する こ とができ る。 例えば、 三井武田
ケミ カル社製 P-505s、 旭硝子社製 EL-985等が挙げられる。 本発明において上記構成成分の好ま しい配合比を、 ポリ オ ール (A) 1 0 0 に対する質量比率と して以下に示す。
なお、 イ ソ シァネー ト化合物 ( B ) の質量比率は各原料成 分の水酸基の当量と ポ リ イ ソ シァネー ト成分のィ ソ シァネー ト基との当量比を算出 し求める。(ィ ソ シァネー ト を除く 各原 料成分の水酸基当量と ポリ ィ ソ シァネー ト成分のィ ソシァネ 一 ト基の当量比率が同 じ場合は N C O Index 1 0 0 と なる ( A ) ボリ オール : 1 0 0
( B ) イ ソ シァネー ト化合物 : N C O Index 9 0 〜 : 1 1 0
( C ) ァ ミ ン触媒 : 0 . 1〜 1 . 0
( D ) 発泡剤 ( H 2 O ) : 2 . 0〜 5 · 0
( E ) フッ素系界面活性剤 (セル構造調整剤) : 0 . 0 0 0 1 〜 5 . 0
( F ) 有機ケィ素系界面活性剤 (整泡剤) : 0 . 1〜 3 . 0 ( G ) 架橋剤 : 0 . :!〜 5 . 0
( H ) 破泡剤 : 0 . 1〜 5 . 0
次いで、 本発明に係るポ リ ゥ レタ ンフ ォーム の製造方法に ついて説明する。
(実施例)
以下に実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、 本 発明はこれらに限定される も のではない。
[発泡方法]
各構成成分の合計質量が所定の量になる よ う 、 イ ソシァネ ー ト化合物 ( B ) 以外の原料成分を所定の配合比率で容積 3
リ ッ トルの手付き ビーカーに配合した。 これを ミ キサーを使 用 して 3 0秒間撹拌した後、 ィ ソ シァネー ト化合物を添加 し た。 5秒間撹拌 し、 直ちに 6 5 ± 2 °Cに温調 された 4 0 0 X 4 0 0 X I 0 O mmの金型に注入し、 型を閉 じた。 5分間硬 ィ匕させた後、 ウ レタ ンフォームを取 り 出 し、 人の手で十分に 圧縮しク ラ ッ シングした。
[使用原料]
本実施例において使用 した原料は以下の通 り である。
• EP-950: 三井武田ケ ミ カル社製 ポ リ オール
• POP 31/28: 三井武田ケ ミ カル社製 ポ リ マーポ リ オール
• DABCO 33LV: エアプロ ダク ツ社製 ァ ミ ン触媒
• NIAX A-1 : ク ロ ンプ ト ン社製 ァ ミ ン触媒
• KL-210: 三井武田ケ ミ カル社製 架橋剤
• SF2962: 束レ · ダウ コ一ニング社製 シ リ コ ン整泡剤
• L-3601 : 日本ュニカー社製 シ リ コ ン整泡剤
' TM-20 : 三井武田ケ ミ カル社製 ィ ソ シァネー ト
• EP-505S : 三井武田ケ ミ カル社製 破泡剤
• F-177, F'471、 F-477、 F-478 : 大 日本イ ンキ社製 フ ッ 素系界面活性剤。 ト ルエ ン : F-177, F-471、 F-478= 9 : 1 、 トルエ ン : F-478= 3 0 : 1 の質量比で混合し、 フ ッ素系界 面活性剤 (純分) の質量濃度が 1 0 % ト ルエ ン溶液を使用 し た。
- S-393, KH-40 : セィ ケ ミ カル ( SEIMI CHEMICAL) 社製 フ ッ素系界面活性剤。 ト ルエ ン : S-393、 KH-40 = 9 : 1 の 質量比で混合し、 フ ッ素系界面活性剤 (純分) の質量濃度が
1 0 %の トルエン溶液を使用 した。
[物性試験]
以上の方法にて作成したウ レタ ンフォームテス ト ピース サ ンプルの各物性、 静荷重、 振動試験を実施した。 各物性の 測定方法は JIS K6400に準拠して実施し、 サンプルサイ ズ等 異なる点に関しては以下に記載した。
• オーバーオール密度 : ス キン付き のテス ト ピースサンプル ( 4 0 0 X 4 0 0 X 1 0 0 mm) の縦、 横、 厚さ、 質量を測 定し、 密度を求めた。
• 2 5 %硬さ : サ ンプルサイズ 4 0 0 X 4 0 0 X 1 0 0 m m、 加圧速度 5 0 m m ,· 分。
• 湿熱圧縮残留歪み ( 5 0 °C X 9 5 % ) : 製品厚さ 4 0 ± 1 m mの試験片の厚さを測定し、 これを t 。 と した。 試験片をそ の厚さの 5 0 %まで圧縮して固定し、 温度 5 ◦ ± 1 °C、 湿度 9 5 ± 5 %の高温槽中に 2 2 時間入れた。試験片を取り 出 し、 3 0分放置後試験片の厚さを測定し、 t と した。 湿熱圧縮 残留歪み ( 5 0 °C X 9 5 % ) = { ( t 0 - t ! ) Z t o } X 1 0 0 と して求めた。
• 繰返し圧縮 2 5 %硬さ変化率 : サンプルサイズ 1 0 0 X 1 0 0 X 5 O mm (上面のみス キン付き) を使用 し、 試験前 2 5 %硬さ ( H。) を測定した。 試験片の厚さの 5 0 %に連続 80, 000回繰返し圧縮した後、 試験片を取り だし 2 4 時間放置 させた。 その後同様に試験後の 2 5 %硬さ (H i ) を測定し た。 2 5 %硬さ変化率 = { ( H。ー H 1 ) / H。 } X I 0 0 と し て求めた。
• 湿度硬さ低下率 : サンプルサイズ 1 0 0 X I 0 0 X 5 0 m m (上面のみス キ ン付き) を使用 し、 温度 2 3 °C湿度 3 0 % の環境に 2 4時間放置した。 その環境から取り だし、 直ちに 2 5 %硬さ ( H 3。) を測定した。 その後、 温度 2 3 °C湿度 5 0 %の環境下に 2 4 時間放置し、 同様に 2 5 %硬さ ( H 5。) を測定した。 その後、 温度 2 3 °C湿度 7 0%の環境下に 2 4 時間放置し、 同様に 2 5 %硬さ ( H 7。) を測定した。 湿度硬 さ変化率 = { ( H 3 0 - H 7 0 ) Z H 5。 / 4 0 } X 1 0 0 で湿度 1 %変化時の硬さ変化率を算出した。
[静荷重試験]
4 0 0 X 4 0 0 X I 0 O mraのテス ト ピースサ ンプルをカロ 圧板と して鉄研盤を使用 し、 加庄速度 1 5 O m m/分で 8 8 2 Nまで圧縮し、 直ちに荷重を取り 除いた。 1 分間放置後同 様の条件で試験を実施し、 4 9 0 〜 8 8 2 N加圧側たわみ差 を測定した。
[振動試験]
4 0 0 X 4 0 0 X 1 0 0 m mのテ ス ト ピース サ ンプルを使 用 し、 JASO B-407 に準拠して実施した。 5 0 k g の鉄研盤 を負荷し、 振幅 ± 2 . 5 m mで振動させ、 得られた振動伝達 率から共振振動数、 共振倍率、 6 H z伝達率を測定した。
[起泡性試験 ]
柏洋硝子株式会社製ガラス瓶 M— 140 (内容積 1 4 0 c c ) にフ ッ素系界面活性剤の純分が 0 . 1 質量濃度になる よ う に 混合した トルエ ン溶液も しく は 6 0質量%エタ ノ ール水溶液 を 5 0 g入れた。 2 0 ± 2 °Cに温調した後、 高分子計器株式
会社製 DYNAMIC FLEXING TESTERASKER DF-10 を使用 し、 振幅 ± 4 O m m、 3 H z の条件で上下方向に 1 分間振つ た。 撹拌から 5分後、 ガラス瓶の側壁に付着した泡の高さ を スケールで測定し、 これを起泡高さ (mm) と した。
表 1 及び表 2 に軟質ポリ ウ レタ ンフォームに関し同一硬さ で密度を変化させた場合の配合率と物性値等の測定結果を示 す。 表 1
表 2 の比較例 1〜 3 の結果よ り 、 2 5 %硬さ一定でオーバ 一オール密度を下げていく と湿熱圧縮残留歪み ( 50 °C X 95 % ) 及び繰返し圧縮 2 5 %硬さ低下率が大き く な り 、 いわゆる耐 久性が悪いウ レタ ンフ ォームになる と言える。 また、 静荷重 試験では低密度化する と 4 9 0〜 8 8 2加圧側たわみ差が小 さ く なっている。 こ の点からシー ト用ク ッシ ヨ ンパ ッ ド材と して使用 した場合、 低密度化する と ス ト ローク感が無く 底付 き しゃすいシー トになる と考え られる。 振動特性面では密度 を下げる と共振振動数が大き く な り 、 6 H z 伝達率は大き く なっている。 そのため、 上述したとお り 、 自動車用シー ト ク ッ シ ョ ンパ ッ ド材と して使用 した場合、 乗り 物酔いや疲労に つながる。
表 3 に各フッ素系界面活性剤の 0 . 1 質量% (純分) の濃
表 3
フッ素系界面活性剤 F-177 F - 471 F - 477 F-478 S - 393 KH-40
有効成分 (%) 100 100 100 30 100 100
トルエン溶液 気泡性 (mm) 5 0 0 14 6 0
60% エタノール水溶液 気泡性 (mm) 10 0 2 18 10 2
† ¾ ¾ ^ ^¾ ¾ N
表 3 に示した結果よ り 、フッ素系界面活性剤の種類によ り 、 起泡性に相違がある こ と がわかる。 これ らの う ち、 F-177 F-478および S-393が本発明に係るフ ッ素系界面活性剤であ る。
表 4および表 5 にこれらフ ッ素系界面活性剤を用いたポリ ウ レタ ンフォームの配合率並びに物性値等の測定結果を示す c
表 4
配合名 配合 4 配合 5 配合 6 配合 7 配合 8 配合 9 配合 1 0 配合 1 1
EP-950 40 55 55 55 55 55 55 55
P0P-3I/28 60 45 45 45 45 45 45 45
H20 4.0 4.0 4.0 4.0 4.0 4.0 4.0 4.0
DABCO 33LV 0.42 0.42 0.42 0.42 0.42 0.42 0.42 0.42
IAXA-I 0.09 0.09 0.09 0.09 0.09 0.09 0.09 0.09
KL-210 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0
L - 3601 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 CD
F - 177 トルエン溶液 0.3
F-471 トルエン溶液 0.3
F-477 トルエン溶液 0.3
F-478 トルエン溶液 0.3
S - 393 トルエン溶液 0.1
KH-40 トルエン溶液 0.3
TM-20 (NGO Index) (105) (105) (105) (105) (105) (105) (105) (105)
表 5
本発明 本発明 本発明
比較例 4 比較例 5 比較例 6 比較例 7 比較例 8
例 1 例 2 例 3
配合名 配合 4 配合 5 配合 6 配合 7 配合 8 配合 9 配合 10 配合 11 オーバーオール密度 (kg/m3) 42.2 41.8 41.9 41.2 41.5 41.8 41.7 41.6
25%硬さ (N) 264 233 262 234 235 255 261 233
50%湿熱圧縮歪み (》/0) b
21.7 18.3 18.2 17.5 18.1 17.6 17.7 18.2 ο 繰り返し圧縮 25 %硬さ低下率 (%) 11.1 10.4 8.8 10.2 9.9 8.9 8.7 9.1 湿度硬さ変化率 (« 0.28 0.27 0.24 0.26 0.26 0.24 0.23 0.26
490〜882N加圧側たわみ差 (mm) 22.0 21.6 25.2 22.3 22.8 24.5 25.0 22.7 共振振動数 (Hz) 3.78 3.85 3.68 3.92 3.81 3.60 3.61 3.77 共振倍率 5.30 5.06 4.72 5.09 5.10 4.38 4.58 5.23
6Hz伝達率 0.98 1.01 0.83 0.98 0.95 0.87 0.86 0.98
比較例 4 に対し、 本発明例 1 、 2 及び 3 は同一 2 5 %硬さ にな る よ う にポ リ オール と ポ リ マーポ リ オールの比率を 5 5 : 4 5 に変化させた。 その比率でフ ッ素系界面活性剤が入 つていない配合が比較例 5 であ り 、 本発明例 1 、 2及び 3 は フ ッ素系界面活性剤を添加する こ と によ り 2 5 %硬さ が上昇 している こ と がわかる。 比較例 6 — 8 の物性結果を見る と 、 比較例 5 と 2 5 %硬さがほぼ同一である こ と よ り 、 フ ッ素系 界面活性剤の種類によ り 2 5 %硬さ が変化する こ と がわかる 本発明例 1 、 2 及び 3 は比較例 4 と 比べ湿熱圧縮残留歪み ( 50 °C X 95 % )、 繰返し圧縮 2 5 %硬さ低下率、 湿度硬さ変化 は小さ く なつている。 また、 底つき感の一つの指標と なる 4 9 0 〜 8 8 2 N加圧側たわみ差も大きい。 図 2 に比較例 4 と 本発明例 2 の振動特性を示したが、 振動特性に関 して も共振 振動数、 共振倍率、 6 H z 伝達率共に小さ いこ と よ り 、 共振 振動数よ り 大き い周波数領域にて振動伝達性が低い と言える 比較例 6 — 8 は同一密度 · 2 5 %硬さ の比較例 5 と比べて大 き な差は見 られない。
上記結果よ り 、 本発明のフ ッ素系界面活性剤を添加する こ と によ り 、 ゥ レタ ンフ ォーム の特性を大き く 改善させる こ と ができ る こ と がわかった。 そのため、 各種乗 り 物のク ッ シ ョ ンパッ ド材と して本発明のポ リ ウ レタ ンフォームを使用 した 場合には、 以下のよ う な効果が期待でき る。
1 . 湿熱圧縮残留歪み ( 50 °C X 95 %)、 繰返し圧縮 2 5 %硬さ 低下率等の数値が小さ く な り 、 耐久性に優れる。
2 . 静荷重試験における 4 9 0 〜 8 8 2 N加圧側たわみ差が
大き く 、 その結果底つき感が少ない。
3 . 振動試験における共振振動数、 共振倍率、 6 H z伝達率 のすべてにおいて小さ く 、 共振振動数付近以上の振動伝達性 が小さ く 、 疲労やク ルマ酔いしにく い。
4 . 湿度変化時の 2 5 %硬さ変化が少ないため、 乗 り 心地フ ィーリ ングが環境に左右されない。
産業上の利用可能性
本発明によ り 、 高性能化、 低密度化も しく は薄肉化等の要 求に対応する こ とができ る新規なク ッショ ン材用軟質ポ リ ゥ レタ ンフ ォームの提供が可能となった。