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明 細 書 画像表示装置 技術分野
本発明は、 頭部に装着して使用可能な小型の画像表示装置に関する。 発明の背景
頭部に装着して使用され、 使用者の眼前に画像を表示するへッドマウントディ スプレイ (HMD) が、 バーチャルリアリティをはじめ種々の分野で利用されて いる。 HMDは、 通常、 外光を遮断して画像のみを表示するようにゴーグルある いは大型のメガネのフレーム形状に形成される。 HMDを使用すると、 使用者は どの方向を向いていても画像を見ることができる反面、 外界を見ることはできな くなる。
近年、 画像を視界の一部に表示し、 外界も、 画像も見られるようにした小型の 画像表示装置が提案されている。
このタイプの画像表示装置は、 例えば、 日本国公開特許公報 (平成 7年特許出 願公開第 2 0 9 6 0 0号) に開示されている。 この画像表示装置は、 液晶表示装 置(L C D)、反射ミラ一、 接眼レンズ等を 1つの筐体に収容するとともに、 その 筐体にクリップを取付けてなり、 クリップでメガネゃサングラスのフレームに装 着するように構成されている。 筐体はメガネの左右のレンズのいずれかの前方上 部に取付けられ、 L C Dに表示された画像が反射ミラ一と接眼レンズ、 さらにメ ガネのレンズを介して、使用者の一方の眼に斜め上方から与えられることになる。 このタイプの画像表示装置は、 視線の移動により、 外界を見るか、 画像を見る かの選択を行えるので、 日常生活の場面で使用でき、 使用の場面として室内外を 特に問わない点で価値が高い。
しかしながら、 この画像表示装置にも改良すべき点がある。
この画像表示装置では、 画像を見る場合に視線を上方向にずらさなければなら ないというのがその 1点目である。
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また、 この画像表示装置では、 画像を見るのが片目になるというのがその 2点 目である。
視線を上方向にずらして見ること、 画像を片目で見ることはいずれも、 画像を 見る使用者に大きな負担、 疲労を与えがちである。 したがって、 この画像表示装 置は、 長時間の使用には向かない。
そして、 かかる課題を解決して、 長時間の使用、 特には長時間画像を見ること を可能とした、 画像を視界の一部に表示するタイプの画像表示装置は、 未だ存在 しない。
本願発明は、 画像を視界の一部に表示するタイプの画像表示装置であって、 長 時間の使用を可能とするものを提供することを、 その課題とする。 発明の開示
以上のような本発明の課題を解決する画像表示装置は、 以下のようなものであ る。
本発明の画像表示装置は、 使用者の頭部に装着可能とされた本体と、 前記使用 者が前記本体を頭部に装着して正面を見たときに視界から外れるとともに、 前記 使用者が視線を下方に 2 0 ° 以上ずらしたときにのみ視界に入るようにして前 記本体に取付けられており、 且つ所定の画像を表示する表示手段と、 を備えてい る。 そして、 前記使用者が前記本体を頭部に装着して正面を見たときに視界を確 保できるようになつている。
使用者が前記本体を頭部に装着して正面を見たときに視界を確保できるように なっているのであるから、 この画像表示装置は、 日常生活の場面で使用でき、 使 用の場面として室内外を特に問わないものとなる。
また、 この画像表示装置の所定の画像を表示する表示手段は、 使用者が視線を 下方に 2 0 ° 以上ずらしたときにのみ視界に入る (表示手段が表示した画像が視 界に入る) ようにして前記本体に取付けられているから、 この画像表示装置は、 使用者に疲労を生じさせにくく、 長時間の使用に向くものとなる。
使用者が視線を下方に 2 0 ° 以上ずらしたときにのみ視界に入るようにして 表示手段を配することで、 使用者に疲労を生じさせにくくなる理由は、 以下のよ
うなものである。
人が伏し目に、 (顔を正面に向けて)正面から下の方を見た場合には、副交感神 経が働く。他方、人が上目遣いで、 (顔を正面に向けて)正面から上の方を見た場 合には、 交感神経が働く。
簡単にいうと、 副交感神経は、 睡眠中にはたらく神経であり、 体にエネルギー を蓄えるようにはたらき、 交感神経は覚醒中にはたらく神経であり、 エネルギー を発散するようにはたらく。したがって、副交感神経がはたらいている場合には、 血圧が下がる、 瞳孔が収縮する、 鼓動 '呼吸が遅くなる、 胃腸のはたらきが活発 になるといった作用が生じ、交感神経がはたらいている場合には、 これとは逆に、 血圧が上がる、 瞳孔が広がる、 鼓動 '呼吸が速くなる、 胃腸のはたらきが弱まる といった作用が生じる。
このことから明らかなように、 人は、 正面から下の方を見ることで副交感神経 をはたらかせることが可能であり、 それによりリラックスした状態を作ることが できる。
本発明の画像表示装置における表示手段は、 使用者が視線を下方に 2 0 ° 以上 ずらしたときにのみ視界に入るようになっているので、 それを見る際には、 自然 と伏し目がちになる。 したがって、 それによつてはたらく副交感神経のはたらき により、 画像を見るにあたってリラックスした状態を保つことが可能となり、 疲 労を溜めずに画像を見られることになる。
表示手段は、 使用者が視線を下方に 2 0 ° 以上ずらした場合にのみ使用者の視 界に入るようになつている。 これは、 副交感神経をはたらかせるためには、 この 程度伏し目にすることが必要であること、 及び正面を向いたときに表示手段が視 界に入るようでは外界に対する視野を確保できず、 日常生活に差支えること、 が その理由である。
表示手段は、 上述したように、 使用者が視線を下方に 2 0 ° 以上ずらした場合 にのみ使用者の視界に入るようになっていればよいが、 使用者が視線を下方に 2 0。 以上、 7 0 ° 以下ずらしたときにのみ視界に入るようにして前記本体に取付 けることができる。 7 0 ° を超えて下方を見るのは困難であり、 使用者にそれを あえて要求すると却って疲労を生じさせることになるからである。
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使用者が、 視線を下方に略 4 5 ° ずらしたときにのみ視界に入るようにして、 表示手段を本体に取付けることができる。 画像を見る際に要求される視線を下方 にずらす角度が略 4 5 ° の場合には、 使用者の疲労がもっとも少なくなる可能性 が大きい。
上述のように、 表示手段は、 使用者が視線を下方に 2 0 ° 以上ずらしたときに のみ視界に入るようにして本体に取付けられる。 ここでいう 「下方に 2 0 ° 以上 ずらしたときに視界に入る」 には、 使用者が視線を正面から真下にずらした場合 に画像が視界に入る場合と、 斜め下にずらした場合に画像が視界に入る場合の双 方を含むものとする。
本発明の表示手段は、 本体の上述の如き位置に取付けられていればよく、 また 画像を表示するものであればよい。 画像を表示するための具体的な構成は不問で あるが、 例えば、 画像を表示するディスプレイと、 このディスプレイに表示され た画像を、 前記使用者の目へ導くための光学系と、 を備えたものとして表示手段 を構成できる。 この塲合、 使用者が視線を下方に 2 0 ° 以上ずらして表示手段が 視界に入ったときに、 前記光学系の光軸と視線が略重なるようにして、 表示手段 を前記本体に取付けることができる。 このようにすれば、 表示手段に視線を落と したときに、 表示手段に表示された画像を見やすくなり、 疲労を抑えられる。 表示手段は、 一つでもよいが、 使用者の右目に対応する右目用表示手段と、 左 目に対応する左目用表示手段とを含んでいてもよい。 このような 2つの表示手段 を用いるようにすれば、 画像を見る場合に生じる使用者の疲労を、 より一層軽減 できるようになる。
右目用表示手段、 左目用表示手段はともに、 使用者力 S視線を下方に 2 0 °以上 ずらした場合にのみ使用者の視界に入るようにする。
右目用表示手段は、 前記使用者が、 右目の視線を下方に 2 0 ° 以上、 7 0 ° 以 下ずらしたときにのみお目の視界に入るようにして、 前記左目用表示手段は、 前 記使用者が、 左目の視線を下方に 2 0 ° 以上、 7 0 ° 以下ずらしたときにのみ左 目の視界に入るようにして、 それぞれ前記本体に取付けることができる。 7 0 ° を超えて下方を見ることを使用者に強いると、 画像を見るにあたって使用者に疲 労を生じさせることになるが、 この構成であればそれを防ぐことができる。
前記右目用表示手段は、 前記使用者が、 右目の視線を下方に略 4 5 ° ずらした ときにのみ右目の視界に入るようにして、前記左目用表示手段は、前記使用者が、 左目の視線を下方に略 4 5 ° ずらじたときにのみ左目の視界に入るようにして、 それぞれ前記本体に取付けることができる。 このようにすれば、 画像を見る際の 使用者の疲労をもつとも抑えられると思われる。
前記右目用表示手段は、 使用者が右目の視線を正面から下方にずらしたときに のみ右目の視界に入るようになっているが、 この場合の 「お目の視線を正面から 下方にずらしたとき」 には、 右目の視線を正面から真下にずらしたときと、 斜め 下にずらしたときの双方が含まれる。 左目用表示手段の場合も同様である。
前記右目用表示手段、 前記左目用表示手段はともに、 所定の画像の表示が可能 であれば、 その具体的な構成は不問であるが、 画像を表示するディスプレイと、 このディスプレイに表示された画像を、 前記使用者の目へ導くための光学系と、 を備えるものとすることができる。 この場合における右目用表示手段は、 前記使 用者が、 右目の視線を下方に 2 0。 以上ずらしてそれが右目の視界に入つたとき に、 前記光学系の光軸と右目の視線が略重なるようにして、 左目用表示手段は、 前記使用者が、 左目の視線を下方に 2 0 ° 以上ずらしてそれが左目の視界に入つ たときに、 前記光学系の光軸と左目の視線が略重なるようにして、 それぞれ前記 本体に取付けることができる。 このようにすることで、 右目用表示手段と、 左目 用表示手段は表示手段に視線を落としたときに、表示された画像を見やすくなり、 疲労を抑えられる。
本体の形状はどのようなものでも構わない。 表示手段を取付けることができ、 且つ前記使用者が前記本体を頭部に装着して正面を見たときに視界を確保できる ようになつていることを阻害しないのであれば、 それで足りる。
本体は、 例えば、 メガネ形状に形成することができる。 この場合のメガネ形状 には、 ゴーグル形状も含む。
メガネ形状である場合、 本体は、 下枠を有するメガネフレームを備えたものと することができる。 この場合には、 前記表示手段は、 前記メガネフレームの下枠 に取付けることができる。 表示手段が、 右目用表示手段、 及び左目用表示手段を 含むのであれば、 右目用表示手段は右目に対応した下枠に、 左目用表示手段は左
目に対応した下枠にそれぞれ取付けることができる。
メガネ形状である場合、 本体は、 メガネレンズを備えたものとすることができ る。 この場合には、 前記表示手段は、 メガネレンズの下端に取付けることができ る。 表示手段が、 右目用表示手段、 及び左目用表示手段を含むのであれば、 右目 用表示手段は右目に対応したメガネレンズの下端に、 左目用表示手段は左目に対 応したメガネレンズの下端にそれぞれ取付けることができる。 もっとも、 ここで いうメガネレンズは、 度入りであるか否かを問わない。 また、 メガネレンズは、 右目に対応したものと左目に対応したものが一連となっていても構わない。 図面の簡単な説明
図 1は、 第 1実施形態の画像表示装置を後方から見た場合の全体を示す斜視図 である。
図 2は、 図 1で示した画像表示装置の右目用ソケット、 及び左目用ソケットの 構造を示す側断面図である。
図 3は、 図 1で示した画像表示装置の右目用表示装置の構造を示す平面図であ る。
図 4は、 図 3で示した右目用表示装置内で用いられる結像レンズの固定構造を 示す斜視図である。
図 5は、 図 3で示した右目用表示装置内で用いられる結像レンズの固定構造の 他の例を示す斜視図である。
図 6は、 図 1で示した画像表示装置使用時の、 右目用表示装置と右目、 及び左 目用表示装置と左目の関係を概略で示す側面図である。
図 7は、 第 2実施形態の画像表示装置を前方から見た場合の全体を示す斜視図 である。 発明を実施するための最良の形態 。
以下に、 本発明の好ましい第 1、 及び第 2実施形態を、 図面を参照して詳細に 説明する。
尚、 両実施形態の説明において共通する対象には重複する符号を用いるものと
する。 また、 重複する説明は省略することがある。
<第 1実施形態》
図 1は、 本発明の第 1実施形態による画像表示装置 1を後方から見たときの全 体を示す斜視図である。
この画像表示装置 1は、 本体 10と、 画像を表示するための右目用表示装置 2 0R、 及び左目用表示装置 20Lを含んで構成されている。
この実施形態における本体 10は、 これには限られないが、 メガネのフレーム 形状をしており、 つる 11とフレーム枠 12を含んで構成されている。
画像表示装置 1は、 使用者の頭部に装着して使用される。 つる 11を使用者の 耳にかけることにより、使用者は、画像表示装置 1を頭部へ固定的に装着できる。 フレーム枠 12は、 右目用フレーム枠 12Rと、 左目用フレ一ム枠 12Lを含 んでいる。 右目用フレーム枠 12Rは、 画像表示装置 1の使用者の頭部への固定 的な装着をなしたときに、 使用者の右目の前方に位置するフレーム枠であり、 左 目用フレーム枠 12Lは、 画像表示装置 1の装着をなしたときに、 使用者の左目 の前方に位置するフレーム枠である。 かならずしもそうである必要はないが、 こ の実施形態では、 両フレーム枠 12 L、 Rともに、 環状に形成されている。 両フ レーム枠 12 L、 Rの下方の部分が、 本発明における下枠である。
この実施形態における右目用フレーム枠 12R、 左目用フレーム枠 12Lの内 側にはそれぞれ、 右目用レンズ 13R、 左目用レンズ 13 Lが嵌められている。 右目用レンズ 13R、 左目用レンズ 13 Lはともに、 度の入っていない緩やかな 曲面状に形成された無色透明のガラス板である。もっとも、右目用レンズ 13R、 及び左目用レンズ 13Lは、 度入りとされていても構わないし、 着色されていて も構わないし、 またガラス以外、 例えば樹脂で形成されていても構わない。 更に いえば、右目用レンズ 13R、及び左目用レンズ 13Lは、存在しなくてもよい。 右目用フレーム枠 12R、 左目用フレーム枠 12 Lの下方にはそれぞれ、 右目 用ソケット 14Rと、 左目用ソケット 14Lが設けられている。 右目用ソケット 14Rは、 使用者の右目の位置に合せて適当な位置に位置決めした状態で、 右目 用表示装置 2 ORを本体 10に対して固定するものである。 左目用ソケット 14 Lは、 使用者の左目の位置に合せて適当な位置に位置決めした状態で、 左目用表
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示装置 20Lを本体 10に対して固定するものである。
後述するように、 この実施形態における右目用ソケット 14R、 及び左目用ソ ケット 14Lは、 水平方向から所定の角度だけ上方向に傾けた状態で、 右目用表 示装置 2 OR又は、 左目用表示装置 20Lを支持できるようになつている。
この実施形態における右目用ソケット 14 R、左目用ソケット 14 Lはともに、 図 2に示したように、 一面が開口 15R, 15 Lとされた箱形状となっている。 右目用表示装置 2 ORは、 開口 15 Rから右目用ソケット 14Rの内部に嵌め込 まれた状態で右目用ソケット 14Rに固定される。 左目用表示装置 20Lは、 開 口 15 Lから左目用ソケット 14 Lの内部に嵌め込まれた状態で左目用ソケッ卜 14 Lに固定される。
なお、 水平方向から所定の角度だけ上方向に傾けた状態で、 右目用表示装置 2 OR又は、 左目用表示装置 20Lを支持できるようにするため、 この実施形態の 右目用ソケット 14R、 及び左目用ソケット 14Lの開口 15R、 15Lは、 水 平方向から所定の角度だけ上方向に傾いている。
右目用表示装置 2 ORの固定的な保持を可能とするため、 右目用ソケット 14 Rの開口 15Rの幅 (開口 15 Rの短手方向の長さ) は、 右目用表示装置 2 OR の縦方向(「右目用表示装置 2 ORの縦方向」 とは、固定時の縦横方向が予定され ている右目用表示装置 2 ORの縦方向の長さを意味する。 これについては、 後述 する。)の長さと略同じとされている。 したがって、右目用表示装置 2 ORを開口 15 Rから右目用ソケット 14 Rの内部に挿入する場合には、 多少の力が必要と なり、 その結果、 開口 15 Rから右目用ソケット 14Rの内部に挿入された右目 用表示装置 2 ORは、 右目用ソケット 14 Rの内部に固定的に保持されることに なる。 同様に、 左目用表示装置 20Lの固定的な保持を可能とするため、 左目用 ソケット 14Lの開口 15Lの幅 (開口 15 Lの短手方向の長さ) は、 左目用表 示装置 20 Lの縦方向(「左目用表示装置 20 Lの縦方向」 とは、 固定時の縦横方 向が予定されている左目用表示装置 20Lの縦方向の長さを意味する。 これにつ いては、後述する。) の長さと略同じにされている。 したがって、 左目用表示装置 20 Lを開口 15 Lから左目用ソケット 14 Lの内部に挿入する場合には、 多少 の力が必要となり、 その結果、 開口 15Lから左目用ソケット 14Lの内部に揷
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入された左目用表示装置 2 0 Lは、 左目用ソケット 1 4 Lの内部に固定的に保持 されることになる。
上述の場合、 右目用表示装置 2 O Rの固定は、 右目用ソケット 1 4 Rの上側及 び下側に位置する対向する 2枚の板による挟持によって行われ、 左目用表示装置 2 0 Lの固定は、 左目用ソケット 1 4 Lの上側及ぴ 側に位置する対向する 2枚 の板による挟持によって行われることになる。
右目用表示装置 2 0 R、 及び左目用表示装置 2 0 Lの固定をより確実なものと するため、 この実施形態における右目用ソケット 1 4 Rと左目用ソケット 1 4 L の内部には、 必ずしも必要ではないが、 図 2に示したような、 開口に向かって間 隔が狭くなるようにして断面略コの字形状に曲折された板バネ 1 6を配している。 曲折した板バネ 1 6の対向する部分にある隙間に、 右目用表示装置 2 0 R、 又は 左目用表示装置 2 0 Lを押し入れると、 板パネ 1 6の対向する部分により右目用 表示装置 2 0 R、 又は左目用表示装置 2 0 Lは押圧される。 これにより、 右目用 表示装置 2 0 Rの右目用ソケット 1 4 Rの内部での固定的な保持、 及び左目用表 示装置 2 0 Lの左目用ソケット 1 4 Lの内部での固定的な保持が、 確実に実現さ れる。
右目用ソケット 1 4 Rの長手方向の長さはそれぞれ、 お目用表示装置 2 0 の 横方向(「右目用表示装置 2 O Rの横方向」 とは、 固定時の縦横方向が予定されて いる右目用表示装置 2 O Rの横方向の長さを意味する。 これについては、 後述す る。) の長さよりも長くなつている。 したがって、右目用表示装置 2 O Rは、右目 用ソケット 1 4 Rの長手方向の適当な位置に位置決めした状態で、 右目用ソケッ ト 1 4 Rに固定できる。 この位置決めは、 右目用表示装置 2 O Rの位置と、 使用 者のお目の位置との相対的な位置関係を所定の位置関係にするようにして行われ る。 同様に、 左目用ソケット 1 4 Lの長手方向の長さはそれぞれ、 左目用表示装 置 2 0 Lの横方向(「左目用表示装置 2 0 Lの横方向」 とは、 固定時の縦横方向が 予定されている左目用表示装置 2 0 Lの横方向の長さを意味する。 これについて は、後述する。) の長さよりも長くなつている。 したがって、左目用表示装置 2 0 Lは、 左目用ソケット 1 4 Lの長手方向の適当な位置に位置決めした状態で、 左 目用ソケット 1 4 Lに固定できる。 この位置決めは、 左目用表示装置 2 0 Lの位
置と、 使用者の左目の位置との相対的な位置関係を所定の位置関係にするように して行われる。
右目用表示装置 2 O Rと、左目用表示装置 2 0 Lの位置決めを行うことにより、 右目用表示装置 2 O Rと、 左目用表示装置 2 0 Lは、 使用者の目幅に合せられる ことになる。
次に、 右目用表示装置 2 0 R、 左目用表示装置 2 0 Lの構成について、 主に図 3を参照して、 説明を行う。 なお、 この限りではないが、 この実施形態における 右目用表示装置 2 0 Rと左目用表示装置 2 0 Lは、 互いに左右対称の構成となつ ているため、 以下の説明では、 右目用表示装置 2 O Rの説明のみを行い、 左目用 表示装置 2 0 Lの構成の説明を省略することとする。
右目用表示装置 2 O Rは、 図 3に示すように、 ディスプレイ 2 1、 コント口一 ラ 2 2、 及び結像レンズ 2 3を含んでおり、 これらを、 必ずしもそうである必要 はないがこの実施形態では直方体形状とされている収納ケース 2 に収納した構 成となっている。 右目用表示装置 2 O Rは、 一体的なユニットとなっている。 な お、 図 3中の Lは、 ディスプレイ 2 1から使用者の目へ向かう光が進む光路を示 す。
ディスプレイ 2 1は、 画像を表示するものである。 この実施形態では、 小型化 を行い易い点を考慮して、ディスプレイ 2 1として液晶ディスプレイを採用した。 コントローラ 2 2は、ディスプレイ 2 1に表示する画像を制御するものである。 コントローラ 2 2は、 右目用表示装置 2 O Rの外部から、 ビデオ信号や R G B信 号などの画像信号を有線又は無線で受信して、 この画像信号に基づく画像をディ スプレイ 2 1に表示する。 もっともコントローラ 2 2は、 右目用表示装置 2 O R の内部に設けられている必要はなく、 そのすベて、 或いは一部が、 右目用表示装 置 2 O R外に設けられていても構わない。 コントローラ 2 2は、 また、 テレビチ ュ一ナを含んで構成されていてもよい。 この場合、 コントローラ 2 2は、 一般的 なテレビ放送用の電波を受信し、 これをデコードすることで、 テレビ放送の画像 をディスプレイ 2 1に表示する。 コントローラ 2 2がディスプレイ 2 1に表示す る画像は、 これにとどまらず、 D VDなどの記録媒体に記録されていた画像デー 夕に基づいて再生された画像や、 パーソナルコンピュータや、 ゲーム装置などの
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コンピュータにより生成された画像データに基づいて再生された画像など、 多岐 にわたる可能性がある。
結像レンズ 2 3は、ディスプレイ 2 1に表示された画像を、使用者の目へ導き、 使用者の目に結像させるものである。 収納ケース 2 4の前面 (収納ケースの面の うち、 使用時において、 使用者の目と対向する面) には孔が設けられており、 結 像レンズ 2 3は、 その孔から一面を露出させている。 この実施形態における結像 レンズ 2 3は、 単一のレンズとされているが、 複数のレンズの組合せにより構成 されていても構わない。
この実施形態の結像レンズ 2 3は、 必ずしもそうである必要はないが、 選択可 能となっている。 この選択は、 使用者の視力 (より詳細には、 右目の視力) に対 応して行われる。 結像レンズ 2 3を選択可能にするための機構はどのようなもの でも構わないが、 本実施形態では、 図 3、 及び図 4に示したような構成により、 結像レンズ 2 3を選択可能にしている。 図 3に示したように、 この実施形態にお ける収納ケース 2 4は、 その上面を、 例えばヒンジを用いることにより開閉自在 にされているとともに、 その内部底面に、 結像レンズ 2 3を下側から挟持するた めの間隙を備えたレンズホルダ一 2 5を備えている。 使用者の視力に対応できる ように予め複数準備しておいた結像レンズ 2 3を使用者の視力検査の結果にした がって選択し、 収納ケース 2 4の上面を開け、 レンズホルダー 2 5にその結像レ ンズ 2 3を挟持させることで、 結像レンズ 2 3の選択、 及び組み付けを行うこと ができる。
上述のレンズ選択は、 使用者の右目の網膜にディスプレイ 2 1に表示させた画 像を適切に結像させるためのものであるが、 網膜にディスプレイ 2 1に表示させ た画像を適切に結像させるために、 レンズ選択を可能とする構成に代えて、 結像 レンズ 2 3をディスプレイ 2 1から網膜までの光路上での位置を位置決めして固 定できるようにするという構成を採用することができる。 この構成は、 例えば、 以下のようなものとすることができる (図 5参照)。 この場合でも、収納ケース 2 4の上面は開閉自在にされ、 且つ収納ケース 2 4内部底面には、 結像レンズ 2 3 を挟持するレンズホルダー 2 6が設けられる。 また、 レンズホルダー 2 6の下部 には、 内部にネジ切りされた、 結像レンズ 2 3の光軸の方向に沿う孔が、 レンズ
ホルダー 2 6を貫通するようにして設けられる。 そして、 その孔には、 ポルト 2 7が、 その孔を貫通するようにして螺合させられている。 ポルト 2 7は、 収納ケ ース 2 4をも貫通しており、 十、 —などの切り込みが設けられたその頭部は収納 ケース 2 4外に露出している。 このような構成により、 この頭部にドライバ一の 先端を当ててポルト 2 7を適当な方向に回転させることで、レンズホルダー 2 6、 及び結像レンズ 2 3が光軸に沿う方向で前後動することになる。 ポルト 2 7の回 転の方向、 及び角度を適当に調節することで、 結像レンズ 2 3の光軸方向に沿つ た位置決めが行われる。
なお、 かかる位置決めを意味のあるものにすベく、 右目用表示装置 2 O Rは予 め定められた向きで右目用ソケット 1 4 Rに嵌められる。 そのときの凡その上下 向き、 即ち図 3の表裏方向の向きが右目用表示装置 2 O Rの縦方向となり、 その ときの左右向き、 即ち図 3の左右方向の向きが右目用表示装置 2 O Rの横方向と なる。 そして、 これら各方向の長さがそれぞれ、 右目用表示装置 2 O Rの縦方向 の長さ、 右目用表示装置 2 O Rの横方向の長さとなる。 左目用表示装置 2 0 Lの 場合も同様である。
右目用表示装置 2 O Rには、 また、ディスプレイ 2 1から目までの間に配され、 ディスプレイ' 2 1から出た光の進行方向を反射によって変化させる反射体が設け られていてもよい。反射体を用いることで、ディスプレイ 2 1、結像レンズ 2 3、 目の配置についての自由度が増す。 この実施形態における右目用表示装置 2 O R は、 反射体 2 8を備えている。 反射体 2 8は、 鏡、 プリズムなどによって構成す ることが可能であるが、 この実施形態の反射体 2 8は、 プリズムである。 この実 施形態における反射体 2 8は、 ディスプレイ 2 1と、 結像レンズ 2 3の間に配さ れ、 光の向きを 9 0 ° 変化させるものとなっている。 つまり、 この実施形態では、 ディスプレイ 2 1から出た光は、 反射体 2 8で反射された後、 結像レンズ 2 3を 通過して、 使用者の右目の網膜に結像される。
この画像表示装置 1の使用方法を説明する。
この画像表示装置 1を使用するにあたっては、 本体 1 0に対する右目用表示装 置 2 0 R、 左目用表示装置 2 0 Lの取付けを行うことが必要であるが、 それに先 立って右目用表示装置 2 0 R、 左目用表示装置 2 0 Lの結像レンズ 2 3の調整を
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行うことが必要である。
結像レンズ 2 3の調整は、 使用者の視力に合せて結像レンズ 2 3を選択する、 又は結像レンズ 2 3を移動させることなどによって行う。 この実施形態の結像レ ンズ 2 3は、 上述したように選択できるようになっているので、 結像レンズ 2 3 の調整は、 結像レンズ 2 3の選択によって行うことになる。
結像レンズ 2 3の調整は、 使用者の右目、 左目の視力測定を行い、 それに対応 した右目用の結像レンズ 2 3と左目用の結像レンズ 2 3の選択を行い、 そして右 目用の結像レンズ 2 3を右目用表示装置 2 O R内部のレンズホルダー 2 5へ、 左 目用の結像レンズを左目用表示装置 2 0 L内部のレンズホルダ一 2 5へそれぞれ 組み付けることによって行う。
結像レンズ 2 3が、 ディスプレイ 2 1から網膜までの光路上で適当に位置決め して固定できるようになつている上述の如き場合には、 右目用表示装置 2 O R内 部に存在する結像レンズ 2 3の光路上での位置を、 使用者の右目の視力に合せて 位置決めしてから固定する一方で、 左目用表示装置 2 0 L内部に存在する結像レ ンズ 2 3の光路上での位置を、 使用者の左目の視力に合せて位置決めしてから固 定する。 結像レンズ 2 3を、 ディスプレイ 2 1から網膜までの光路上で適当に位 置決めして固定できるようにするために採用された構成が上述の如きものなので あれば、 ボルト 2 7の回転の方向、 及び角度を適当に調節することで、 右目用表 示装置 2 0 R、 及び左目用表示装置 2 0 L内部の結像レンズ 2 3の位置決め及び 固定が実行される。
このようにして、 結像レンズ 2 3の調整が行われる。
次いで、 本体 1 0に対する右目用表示装置 2 0 R、 左目用表示装置 2 0 Lの取 付けを行う。
この取付けは、 使用者の目幅に合うように位置の調整を行いながら、 右目用表 示装置 2 O Rを右目用ソケット 1 4 Rへ、 左目用表示装置 2 0 Lを左目用ソケッ ト 1 4 Lへそれぞれ嵌め込むことによって行う。 使用者の目幅と、 右目用表示装 置 2 O Rと左目用表示装置 2 0 Lの位置合せを行う前に使用者の目幅を計測して おき、 それに基づいて上記嵌め込みの作業を行えば、 右目用表示装置 2 0 R及び 左目用表示装置 2 0 Lを、使用者の目幅に合せることを容易に行えるようになる。
お目用表示装置 2 0 R、 左目用表示装置 2 0 Lを本体 1 0に対して取付けた画 像表示装置 1は、 使用者がそれをメガネと同様の方法で頭部に固定的に装着した 状態で使用される。 画像表示装置 1を頭部へ固定的に装着するには、 本体 1 0の 2つのつる 1 1を使用者の両耳に係止すればよい。
この状態で、 使用者は、 右目用表示装置 2 O Rによって表示される画像を右目 で、 左目用表示装置 2 0 Lによって表示される画像を左目で、 それぞれ、 使用者 の意思により見ることができるようになる。
ただし、 右目用表示装置 2 0 R、 及び左目用表示装置 2 0 Lは、 メガネのフレ ーム形状とされた本体 1 0の右目用フレーム枠 1 2 R、 又は左目用フレーム枠 1 2 Lの下枠に取付けられているため、 使用者が正面を見ている限り、 使用者がそ の右目で右目用表示装置 2 O Rに表示される画像を見ることはできず、 また使用 者がその左目で左目用表示装置 2 0 Lに表示される画像を見ることはできない。 つまり、 この画像表示装置 1を頭部に装着していても、 使用者は、 通常のメガネ をかけている場合と同程度の視野を確保でき、 少なくとも正面を見ている限りそ の視野を確保できる。 つまり、 この画像表示装置 1を頭部に装着していたとして も、 使用者は日常生活を送るに支障がない。
他方、 画像表示装置 1を頭部に装着している使用者は、 視線を下方に落とすこ とで、 右目で右目用表示装置 2 O Rに表示される画像を、 左目で左目用表示装置 2 0 Lに表示される画像を見ることができる。 視線を落とす角度は、 右目用表示 装置 2 O Rから露出している結像レンズ 2 3と右目の瞳孔が、 左目用表示装置 2 0 Lから露出している結像レンズ 2 3と左目の瞳孔が、 それぞれ正対するような 角度である。
この実施形態では、 これには限らないが、 頭部が正面を向いた状態から、 視線 を 4 5 ° 落としたときに、 右目で右目用表示装置 2 O Rに表示される画像を、 左 目で左目用表示装置 2 0 Lに表示される画像を見ることができるようになつてい る (図 6参照)。 この角度は、右目用表示装置 2 0 R、 及び左目用表示装置 2 0 L に表示される画像を見ない場合における使用者の視野を確保するため、 少なくと も 2 0 ° 以上にするのがよい。 また、 余りにもこの角度が大きくなりすぎると、 右目用表示装置 2 0 R、 及び左目用表示装置 2 0 Lに表示される画像を見ること
が難しくなるから、 上記角度は、 7 0 ° 以下としておくのが好ましい。 そのよう な角度で、 右目用ソケット 1 4 Rと、 左目用ソケット 1 4 Lは、 右目用フレーム 枠 1 2 R、 又は左目用フレーム枠 1 2 Lの下枠に固定されている。
コントローラ 2 2の制御下でディスプレイ 2 1に画像が表示されることにより ディスプレイ 2 1から出た光は、 反射体 2 8で反射された後、 結像レンズ 2 3を 通過して、 使用者の右目、 又は左目の網膜に結像され、 これによつて使用者は、 画像を見られることになる。
《第 2実施形態》
図 Ίは、 本発明の第 2実施形態による画像表示装置 2を前方から見た場合の全 体を示す斜視図である。
この画像表示装置 2は、 第 1実施形態の画像表示装置 1の場合と同様に、 本体 1 0と、 画像を表示するための右目用表示装置 2 0 R、 及び左目用表示装置 2 0 Lを含んで構成されている。
この画像表示装置 2は、 第 1実施形態の画像表示装置 1とほぼ同様に構成され ており、 使用の仕方も変わらない。 特に、 右目用表示装置 2 O Rと左目用表示装 置 2 0 Lの構成に関しては、 第 1実施形態の画像表示装置 1の場合と完全に同一 である。
第 2実施形態の画像表示装置 2が第 1実施形態の画像表示装置 1と異なるのは、 その本体 1 0の構成と、 本体 1 0に対する右目用ソケット 1 4 Rと、 左目用ソケ ット 1 4 Lの取付け構造である。
画像表示装置 2の本体 1 0は、第 1実施形態の画像表示装置 1の場合と同様に、 つる 1 1と、 右目用フレーム枠 1 2 R、 及び左目用フレーム枠 1 2 Lを有するフ レーム枠 1 2と、 右目用レンズ 1 3 R、 左目用レンズ 1 3 Lを備えている。 しか しながら、 この右目用フレーム枠 1 2 R及び左目用フレーム枠 1 2 Lは、 第 1実 施形態の画像表示装置 1の場合と異なり、 環状とはなっておらず、 第 1実施形態 の画像表示装置 1が備えていたような下枠を備えていない。
したがって、 この画像表示装置 2では、 下枠に右目用ソケット 1 4 Rと、 左目 用ソケット 1 4 Lを取付けるという第 1実施形態の画像表示装置 1の如き構成を 採用することができない。 そこで、 この画像表示装置 2では、 右目用レンズ 1 3
Rの下端に右目用ソケット 14Rを、 左目用レンズ 13 Lの下端に左目用ソケッ ト 14 Lをそれぞれ取付けるという構成とされている。
なお、 右目用ソケット 14R、 及び左目用ソケット 14Lの構成、 及びその取 付け角度は、 第 1実施形態における画像表示装置 1の場合と同様である。