WO2003094667A1

WO2003094667A1 - Siege de vehicule

Info

Publication number: WO2003094667A1
Application number: PCT/JP2003/005841
Authority: WO
Inventors: Mitsumasa Nakamura; Takako Fukuda
Original assignee: Ts Tech Co., Ltd.; Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha
Priority date: 2002-05-14
Filing date: 2003-05-09
Publication date: 2003-11-20
Also published as: EP1532898A1; US20060061190A1; CN1652709A; CN100434304C; EP1532898A4

Description

明細書

車両用シート技術分野

本発明は車両用シートに係り、特に軽量で、組み付けが容易であると共に、製造コストの低減を図ることができ、且つリサイクル性に優れた車両用シートに関する。背景技術

一般に車両用シートは、着座部と背もたれ部とを有しており、これら着座部と背もたれ部は、それぞれ所定形状の車両用シートフレームと、このフレームに支持されると共にフレームを覆って着座者の臀部及び背中を支持するためのクッション材（例えば、ウレタンフォームクッション材）と、これらを被覆するための表皮材と、を備えて構成されている。

そして、上記車両用シートの組付けでは、着座部と背もたれ部の各部位において、車両用シートフレームにクッション材を被せ、その後、それらを表皮材で被覆している。

上記のように、車両用シートの組付けは、着座部及び背もたれ部のそれぞれに対して行う必要があり、表皮材をクッション材に被覆する作業においては、作業の困難性及び品質の不均一性を伴うという問題があった。

具体的には、クッション材は、比較的軽量ではあるものの弾力性を有するため取り扱いが難しく、また、表皮材とクッション材との間の滑りが悪いという問題があった。

例えば、人手を用いてクッション材に表皮材を被覆させる場合、表皮材とクッシヨン材との間の滑りが悪いため、比較的大きな力でクッション材を抑えて圧縮し、クッション材をサポートしながら被覆させる必要があり、作業性が悪い。また、機械を用いてクッション材に表皮材を被覆させる場合であっても、両者の滑りが悪いために、被覆された状態でクッション材が部分的に変形してしまし、、製品後の品質にバラツキが生じてしまうという問題があった。

例えば、被覆作業でクッション材が部分的に変形してしまうことにより肩部にダレ等が生じると、被覆させた表皮材の下部部分に余りが生じてしまうことになり、これによりしわやたるみが発生し、製品の外観不良の原因となる。

また、一旦、車両用シートが組み付けられると、表皮材ゃクッション材等をシ一トフレームから容易に取り外すことができないものとなっている。そして、皁両用シート、特に着座部及び背もたれ部のクッション材は、車両フロア内で大きな容積が占めるため、車両フロア内に荷物等を搭載するためのスペースを確保する妨げになることがある。

このような不都合を回避するため、車両フロア内に十分な搭載スペースを確保するための技術として、車両用シートの背もたれ部を伏倒可能として、背もたれ部後面を車両フロアに対してフラットとなるようにして車両用シート上にスペースを確保する技術や、車両用シートを車両フロアから着脱可能として、車両フロアにスペースを確保する技術が知られている。

しかし、車両用シートを伏倒等させて所定の空間を形成する技術の場合、前記したように車両用シート自体の容積が大きいため、十分な搭載スペースを確保することに限界があった。

また、車両用シートを車両フロアから取り外して搭載スペースを確保する技術の場合、車両用シートの脱着作業において車両用シートが重量物であるため、作業性が悪いという問題があった。

さらに、車両用シート廃棄時、異なる材質でできている車両用シートフレーム、クッション材、表皮材等を分別作業するとき、表皮材で完全に被覆されたクッシヨン材を表皮材から分離する作業、及びクッション材等を車両用フレームから分離する作業は不便であり、分別に手間がかかるため、リサイクル性において不都合があるという問題があった。

本発明の目的は、車両用シートの組付け作業が容易、且つ軽量で、リサイクル性に優れた車両用シートを提供することにある。

本発明の別の目的は、荷物等を車内に搭載する場合に車内に広いスぺ一スを確保することができる車両用シートを提供することにある。発明の開示

本発明に係る車両用シート Sは、着座フレーム 42に着脱可能に取り付けられたベースプレー卜 1 2と、該ベースプレート 1 2上に配置されたブロック 1 3と、該ブロック 1 3上に配置されたスプリングプレート 1 4と、該スプリングプレート 1 4を被覆する表皮カバー 1 6と、を備える着座部 1 0を有し、前記ブロック 1 3は、前記ベースプレート 1 2と前記スプリングプレー卜 1 4間に所定の空間を形成するように配置され、前記スプリングプレート 1 4は、弾性を有する発泡体で成形され、前記スプリングプレート 1 4は、前記スプリングプレート 1 4に前記べ一スプレート 1 2方向への力が加えられたときに前記空間内へ撓むことを特徴とする。

また、本発明に係る車両用シート Sは、着座部 1 0と、背もたれ部 20とを有する車両用シート Sにおいて、前記着座部 1 0及び背もたれ部 20は、着座フレーム 42, 背もたれフレーム 44に着脱可能に取り付けられたベースプレート 1 2, 22と、該ベースプレート 1 2, 22上に配置されたブロック 1 3， 23と、該ブロック 1 3， 23上に配置されたスプリングプレート 1 4， 24と、該スプリングプレート 1 4, 24を被覆する表皮カバー 1 6， 26と、を備え、前記ブロック 1 3, 23は、前記べ —スプレート 1 2， 22と前記スプリングプレート 1 4， 24間に所定の空間を形成するように配置され、前記スプリングプレート 1 4， 24は、弾性を有する発泡体で成形され、前記スプリングプレート 1 4, 24は、前記スプリングプレート 1 4， 2 4に前記ベースプレート 1 2, 22方向への力が加えられたときに前記空間内へ撓むことを特徴とする。

上記のように本発明に係る車両用シート Sは、クッション材を用いる替わりに, スプリングプレート 1 4, 24を複数のブロック 1 3, 23によってベースプレート 1 2 , 22から離間させて配置する構成としている。そして、スプリングプレート 1 4， 2 4の弾性による板ばね効果を利用してクッション性を確保している。

このため、従来のようにクッション材を表皮材によって被覆する作業が必要なくなるので、組付け作業が容易となると共に、軽量化及びコンパクト化を図ることができる。

また、前記発泡体としては、 PP (ポリプロピレン）ビーズ発泡体、 PE (ポリェチレン）ビーズ発泡体、 PP発泡体、 PE発泡体、 AS樹脂（アクリロニトリル Zスチレン樹脂）発泡体、 EVA (エチレン酢酸ビニル共重合樹脂）及びウレタンフォーム材のいずれかを用いることが可能である。 PPビーズ発泡体は耐候性に優れており、 PEビーズ発泡体は安価であり、 EVA及びウレタンフォーム材は柔軟性に富んでおり、このような異なる材質を、車両用シート Sの用途に応じて選択することが可能となる。

また、前記ブロック 1 3， 23は、前記ベースプレート 1 2， 22又はスプリングプレート 1 4, 24に脱着可能に取り付けられていれば好適である。このような構成とすることにより、着座者の体格等に適合させて、着座感の調節が可能となる。具体的には、異なる高さ及び幅のブロック 1 3， 23を選択することにより、着座時にスプリングプレート 1 4， 24が沈み込む度合いを調節することが可能となり、着座者に応じた良好な着座感を提供することができる。

また、前記表皮カバー 1 6， 26は、前記着座フレーム 42, 背もたれフレーム 44に着脱可能に取り付けられていれば好適である。前記表皮カバ一 1 6, 26、前記着座フレーム 42，背もたれフレーム 44に、それぞれ取付部、係止部を設け、これらを係止することにより、表皮カバー 1 6, 26を着座フレーム 42，背もたれフレーム 44に取り付ければ、表皮カバー 1 6, 26の交換が容易となり、個人の好みに応じて異なるデザインの表皮カバー 1 6， 26を使用することができる。また、リサイクル時の分別作業も容易となるので好適である。

また、本発明に係る車両用シート Sは、着座フレーム 42に着脱可能に取り付けられたベースプレート 1 2と、該ベースプレート 1 2上に配置されたブロック 1 3 と、前記べ一スプレー M 2及び前記ブロック 1 3を被覆する表皮カバー 1 6と、を備える着座部 1 0を有し、前記ベースプレート 1 2と前記表皮カバー 1 6間には、前記ブロック 1 3によって所定の空間が形成されたことを特徴とする。

また、本発明に係る車両用シート Sは、着座部 1 0と、背もたれ部 20とを有する車両用シート Sにおいて、前記着座部 1 0及び背もたれ部 20は、着座フレー厶 42，背もたれフレーム 44に着脱可能に取り付けられたベースプレート 1 2， 22と、該ベースプレー卜 1 2， 22上に酉己置されたブロック 1 3， 23と、前記べ一スプレー卜 1 2， 22及び前言己ブロック 1 3， 23を被覆する表皮カノく一 1 6, 26と、を備え、前記べ一スプレート 1 2， 22と前記表皮カバー 1 6, 26間には、前記ブロック 1 3， 23によって所定の空間が形成されたことを特徴とする。

上記のように本発明に係る車両用シート Sは、クッション材を用いる替わりに、表皮カバー 1 6, 26を複数のブロック 1 3, 23によってベースプレート 1 2, 22 から離間させて配置する構成としている。そして、表皮カバー 1 6, 26及びプロック 1 3， 23による弾性を利用してクッション性を確保している。

また、前記表皮カバー 1 6， 26は、面状弾性体、本革、合成皮革、フアブリツクを含む表皮材料でできていることにより、面状弾性体のように伸縮性を有する表皮材料ものから、伸縮性を殆ど有しない表皮材料まで、適宜の表皮材料を選択すれば、車両用シート Sの着座感を様々に変えることが容易となるので好適である。また、前記ブロック 1 3 , 23は、前記べ一スプレー卜 1 2, 22に脱着可能に取リ付けられていれば好適である。このような構成とすることにより、着座者の体格等に適合させて、着座感の調節が可能となる。具体的には、異なる高さ及び幅のブロック 1 3, 23を選択することにより、着座時の表皮カバー 1 6. 26の伸張及び沈み込み度合いを調節することが可能となり、着座者に応じた良好な着座感を提供することができる。

また、前記表皮カバー 1 6， 26は、前記着座フレーム 42，背もたれフレーム 44に着脱可能に取り付けられていれば好適である。前記表皮カバー 1 6， 26、前記着座フレーム 42，背もたれフレーム 44に、それぞれ取付部、係止部を設け、これらを係止することにより、表皮カバー 1 6, 26をベースプレート 1 2, 22 上に張設すれば、表皮カバー 1 6 , 26の交換が容易となり、個人の好みに応じて異なるデザインの表皮カバー 1 6， 26を使用することができる。また、リサィクル時の分別作業も容易となるので好適である。

また、本発明に係る車両用シートは、枠状の着座フレーム 42と、該着座フレーム 42に着脱可能に取り付けられたプレート部（ベースプレート 1 2とスプリングプレー卜 1 4、またはベースプレート 1 2)と、該プレート部を覆うと共に前記着座フレーム 42に着脱可能に取り付けられた表皮カバー 1 6と、を備える着座部 1 0を有することを特徴とする。

このように、着座部 1 0の構成部材は、枠状の着座フレーム 42から着脱可能に構成されているので、前記構成部材を取り外して車両用シート Sの枠状の着座フレーム 42のみを露出させることができる。このため、車両フロアに背の高い搭載物を立てた状態で積み込むときに、前記構成部材を取り外して枠状の着座フレーム 42内に前記搭載物を配置することができる。

したがって、従来は、車両用シートの座面から天井までの高さの搭載物しか積み込めなかったが、上記構成としたことにより、車両フロアの床面から天井までの高さの搭載物の積み込みが可能となる。また、前記課題は、本発明に係る車両用シート Sによれば、着座部 1 0と、背もたれ部 20とを有する車両用シート Sにおいて、前記着座部 1 0及び背もたれ部 20は、枠状の着座フレーム 42，背もたれフレーム 44と、該着座フレーム 4 2, 背もたれフレーム 44に着脱可能に取り付けられたプレート部（ベースプレ一卜 1 2， 22とスプリングプレー卜 1 4， 24、またはベースプレー卜 1 2， 22)と、該プレート部を覆うと共に前記着座フレーム 42，背もたれフレーム 44に着脱可能に取り付けられた表皮カバー 1 6， 26と、を備えることにより解決される。このような構成としたことにより、着座部 1 0及び背もたれ部 20の構成部材を取り外して枠状の着座フレーム 42，背もたれフレーム 44のみを露出させることができるので、前記枠状の着座フレーム 42，背もたれフレーム 44内に搭載物を配置することが可能となる。このとき、搭載物を枠状の着座フレーム 42，背もたれフレーム 44に固定することが容易であるので、安定的に運搬することが可能となるので好適である。

また、前後方向の 2つの車両用シート Sにおいて、背もたれ部 20の構成部材を取り外せば、両背もたれフレーム 44内に長い形状の搭載物を揷通させて配置することが可能となるので好適である。

また、前記車両用シートは、前記背もたれ部 20の上部に位置するヘッドレスト部 30を有し、該ヘッドレスト部 30は、枠状のヘッドレストフレーム 46と、該ヘッドレストフレーム 46に着脱可能に取り付けられるプレート部（ベースプレー卜 32)と、を備え、前記ヘッドレスト部 30のヘッドレストフレーム 46は、前記背もたれ部 20の背もたれフレーム 44に配設されたヘッドレストフレーム取付部 4 4bに着脱可能に取り付けられると共に、前記ヘッドレスト部 30のヘッドレストフレーム 46は、前記ヘッドレスト部 30のヘッドレストフレーム 46の略全体が前記背もたれ部 20の背もたれフレーム 44に囲まれた範囲内に位置するように前記ヘッドレス卜フレーム取付部 44bに取り付け可能であれば好適である。このように構成することにより、車両フロアに搭載物と積み込む際に、ヘッドレスト部 30を取り外せば車両用シート S上部に搭載スペースを容易に確保することができる。

また、背もたれ部 20の構成部材を取り外した状態で、ヘッドレスト部 30のへッドレストフレーム 46を背もたれ部 20の背もたれフレーム 44内に位置させれば、例えば、背もたれフレーム 44内に配置された搭載物をヘッドレスト部 30のヘッドレストフレーム 46で押さえる等することにより、さらに安定した状態で搭載物の積み込み'運搬が可能となる。さらに、ヘッドレス卜部 30のヘッドレストフレーム 46を反対方向に取り付けて、該ヘッドレストフレーム 46内に、細長い搭載物を揷通させて配置することも可能となるので好適である。

また、前記着座部 1 0は、跳ね上げ可能であれば、着座部 1 0を跳ね上げた状態で、背の高い搭載物を車両用シート sの前部に立てた状態で配置することができるので好適である。

また、前記プレート部は、 PP (ポリプロピレン）ビーズ発泡体、 PE (ポリェチレン）ビーズ発泡体、 PP発泡体、 PE発泡体、 AS樹脂（アクリロニトリル Zスチレン樹脂）発泡体、 EVA (エチレン酢酸ビニル共重合樹脂）及びウレタンフォーム材のいずれか又は組合せを用いることが可能である。 P Pビーズ発泡体は耐候性に優れておリ、 PEビーズ発泡体は安価であり、 EVA及びウレタンフォーム材は柔軟性に富んでおり、このような異なる材質を、車両用シート Sの用途に応じて選択することが可能であると共に、車両用シート Sの軽量化を図ることができるので好適である。図面の簡単な説明

図 1乃至図 1 1は第 1の実施の形態の車両用シートに関するものであり、図 1 は車両用シートの前方斜視図、図 2は車両用シートの後方斜視図、図 3は車両用シートのフレームの斜視図、図 4は車両用シートの着座部を跳ね上げた状態の斜視図、図 5は車両用シートのフレームの説明図、図 6は車両用シートのベースプレートの説明図、図 7は車両用シートのベースプレートの部分断面図、図 8は車両用シートのベースプレートの別実施例の説明図、図 9は車両用シートのスプリングプレートの説明図、図 1 0は車両用シートの表皮カバーの説明図、図 1 1は車両用シートの着座部の断面図である。

また図 1 2乃至図 1 8は第 2の実施の形態の車両用シートに関するものであり、図 1 2は車両用シートの前方斜視図、図 1 3は車両用シートの後方斜視図, 図 1 4は車両用シートのフレームの斜視図、図 1 5は車両用シートのベースプレ一卜の説明図、図 1 6は車両用シートのベ一スプレー卜の別実施例の説明図、図 1 7は車両用シートの表皮カバーの説明図、図 1 8は車両用シートの着座部の断面図である。発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。

本発明の第 1の実施の形態の車両用シート Sは、図 1及び図 2に示すように、着座部 1 0と、背もたれ部 20と、ヘッドレスト部 30と、を備えており、これらは、金属製のフレーム 40に取り付けられている。なお、図 1に示す車両用シート S は、右座席用であり、左座席用の車両用シート Sは、図 1及び図 2とは対称に構成される。

フレーム 40は、図 3に示すように、着座フレーム 42と、背もたれフレーム 44 と、ヘッドレストフレーム 46と、サイドフレーム 48と、を備えている。

サイドフレーム 48は、左右の構成部からなり、図 1に示す車両用シート Sにおいて、着座者の右側に位置する構成部にはリクライニング機構が備えられ、左側の構成部には着座部スライド機構のロック機構が備えられている。そして、これらは、合成樹脂製のサイドカバ一 48aで覆われている。また、車両用シート Sは、サイドフレーム 48の下部に配設された 4箇所の取付けマウントによって、車輛フロアに取り付けられる。

上記リクライニング機構は、サイドカバー 48 aから臨むリクライニングストラップ 49aが引かれるとフレーム支持板 49bのロックが外れ、フレーム支持板 49 bを介して、背もたれ部 20のリクライニング調整が可能となる。また、着座部スライド機構は、スライドレバ一 49cを操作することにより、ロックが外れ、着座部 1 0の前後方向の位置調整が可能となる。

着座フレーム 42は、金属パイプの略矩形環状枠であり、両サイドフレーム 4 8間に軸架された取付支軸 43を支軸として、跳ね上げ可能に取り付けられており、着座位置ではサイドフレーム 48に取り付けられた係止部 49eによって支持される。

そして、図 4に示すように車両用シート Sは、フレーム 40に他の構成部材を組付けた状態においても着座部 1 0を跳ね上げた状態に維持することが可能となっている。

また、本例では図 3及び図 4に示すように表皮カバー取付用の取付用突起 4

2aが、着座フレーム 42の下側 8箇所に配設されている。なお、取付用突起 4

2aは、着座フレーム 42の外側若しくは内側に配設されていても良い。

背もたれフレーム 44は、着座フレーム 42と同様に金属パイプの略矩形環状枠であり、図中左側下部分でフレーム支持板 49bと螺子留めされ結合されている。背もたれフレーム 44の図中右側下端部は、サイドカバ一 48a内の不図示の支軸に取り付けられている。

また、本例では表皮カバー取付用の取付用突起 44aが背もたれフレーム 44 の外側 6箇所に配設されている。なお、取付用突起 44aは、背もたれフレーム

44の後側若しくは内側に配設されていても良い。

ヘッドレストフレーム 46は、金属製の U字型枠であり、背もたれフレーム 44 の上部に配設されているヘッドレストフレーム取付部 44bに揷し込まれて締め付け固定される。また、ヘッドレストフレーム 46は、差し込まれる長さによって、高さ調整ができるようになつている。

また、図 5に示すようにヘッドレストフレーム 46は、後述するベースプレート 2 2が取り付けられていない状態では、ヘッドレストフレーム取付部 44bに反対方向から差し込んで固定することができ、このようにすれば、背もたれフレーム 44上に荷物積み込み用のスペースを確保することができる。

また、本例ではヘッドレストフレーム 46は、上下方向途中で僅かにくの字形状に屈曲させて形成されているが、これに限らず、上下方向途中で屈曲させなくても良い。この場合、ヘッドレストフレーム 46を背もたれフレーム 44に対し、ヘッドレストフレーム 46の水平部分近傍まで押し組むことが可能となり、車両用シート Sの上部にスペースを確保することが容易となるので好適である。次に、上記フレーム 40に配設される着座部 1 0、背もたれ部 20、ヘッドレスト部 30について説明する。着座部 1 0は、図 6乃至図 1 0に示すプレート部としてのベースプレート 1 2及びスプリングプレート 1 4と、表皮カバー 1 6が着座フレーム 42に取り付けられて構成されている。

また、背もたれ部 20は、同様にプレート部としてのベースプレート 22及びスプリングプレート 24と、表皮カバー 26が、背もたれフレーム 44に取り付けられて構成されている。また、ヘッドレスト部 30は、プレート部としてのベースプレート 32と、表皮カバー 36が、ヘッドレストフレーム 46に取り付けられて構成されている。

ベースプレー卜 1 2， 22, 32及びスプリング、プレー卜 1 4， 24は、 PP (,ポリプロピレン）ビーズ発泡体、 PE (ポリエチレン）ビーズ発泡体、 PP発泡体、 PE発泡体、 AS樹脂（アクリロニトリル Zスチレン樹脂）発泡体、 EVA (エチレン酢酸ビニル共重合樹脂）及びウレタンフォーム材などの発泡体によって形成されている。

図 6に示すように、ベースプレート 1 2， 22, 32は、略矩形の板状発泡体である。ベースプレート 12, 22の表面左右両端部には、同じく発泡体で成形された断面略半円状の凸条のブロック 13， 23が配設されている。また、ベースプレート 12， 22の裏面には、それぞれ着座フレーム 42、背もたれフレーム 44のフレーム枠内側に嵌め込むための段部 12b， 22bが形成されている。

また、ベースプレート 32の下部には、取付用孔 32aが開口しており、取付用孔 32aにヘッドレストフレーム 46の U字型部分を揷入することにより、ベースプレー卜 32はヘッドレストフレーム 46に取り付けられる。

本例のベースプレート 12, 22では、ブロック 13, 23が、それぞれ脱着可能となっている。図 7(A)にべ一スプレート 12の部分断面図を示す。図示するように、ベースプレート 12の表面には取付用溝 12aが形成されておリ、ブロック 1 3の取付用突起 13aを取付用溝 12aに嵌合させることにより、ブロック 13は、ベースプレート 12に容易に取り付けられる。これは、ブロック 23及びベースプレート 22についても同様である。

ベースプレート 12, 22、ブロック 13， 23等は、金型内に発泡樹脂を注入することにより成形される力発泡樹脂の弾性を利用して、上記取付用溝 12a 及び取付用突起 13aには、 1度〜数度程度の逆抜き角成形がされている。すなわち、取付用溝 12aは、底面程断面が拡がっており、取付用突起 13aは、先端程断面が拡がるように成形されている。

このように取付用溝 12a及び取付用突起 13aを成形することにより、ベースプレート 12とブロック 13を一体に組付けたときに、両者が容易に分離しなくなるので好適である。

また、図 7(B)乃至（D)に例示するようにブロック 13, 23は、高さ及び幅が異なるものを適宜選択することができる。このように、高さ及び幅が異なっていても取付用突起 13aの形状が共通であるため、着座者の体格に応じてブロック 13, 23を交換することが可能である。なお、本例ではブロック 13， 23を脱着可能としたが、ベースプレート 12, 22と一体に成形することもできる。また、本例ではブロック 13， 23は、発泡体で成形されているが、これに限らず、後述するようにべ一スプレート 12, 22と、スプリングプレート 14， 24とを離間することができれば、硬質樹脂製、ゴム製、金属製等であっても良い。

また、本例では、半円柱状のブロック 13, 23が、ベースプレート 12, 22の左右両端部に沿って配設されているが、これに限らず、図 8(A)又は（B)に例示するように、各種形状のブロック 13， 23力《、ベースプレート 12， 22の表面数箇所に配設されるようにしてもよい。すなわち、後述するように着座者に良好な着座感を与えることができるようなクッション性が得られれば良い。

図 9に示すように、スプリングプレート 14， 24は、外形略矩形の板状発泡体である。スプリングプレート 14, 24の表面側には、横方向に複数の溝が形成されており、これにより、通気性と共にクッション性が得られ、着座感を高めている。

また、スプリングプレート 14, 24の裏面側には、ベースプレート 12， 22との位置合わせのための、不図示の凹部が形成されている。この凹部とブロック 1 3, 23とを合わせることにより、両者の位置合わせを容易に行うことができると共に、両者がずれ難くなつている。

図 10に示す表皮カバー 16， 26， 36は、ベースプレート 12, 22, 32及ぴスプリングプレー卜 14， 24を覆うように取リイ寸けられる。表皮カノく一 16， 26, 36 は、ファブリック，本革，合成皮革等の公知の表皮材でできている。

表皮カバー 16， 26には、それぞれ被覆部 16b， 26bが形成されている。被覆部 16b， 26bは、一方が開放された袋状になっており、スプリングプレート 1 4, 24の一端側を嵌め込むように構成されている。これにより、表皮カバ一 16, 26と、スプリングプレート 14， 24が一体になり、両考がずれ難くなる。

また、表皮カバー 16， 26には、取付孔を有する金属製の取付用リング 16a， 26aがそれぞれ数箇所に形成されている。この取付用リング 16a， 26aを、着座フレーム 42及び背もたれフレーム 44に配設されている取付用突起 42a， 4 4aに嵌め込むことにより、表皮カバー 1 6 , 26を前記フレームに固定することができる。

これら取付用突起 42a， 44a及び取付用リング 1 6a， 26aは、公知のファスナにより構成されている。また、本例の実施例に限らず、ファスナとして、ボタン状、バックル状、クリップ状等の各種タイプのものを使用することが可能である。

また、表皮カバー 36は、ベースプレート 32に面状ファスナ等の接合手段で取り付けられている。なお、表皮カバーを詰め物ができる座布団状として、クッシヨン性を高めるようにしても良い。

次に、第 1の実施の形態の車両用シート Sの組付けについて説明する。先ず、フレーム 40の着座フレーム 42、背もたれフレーム 44に、それぞれべ一スプレ一卜 1 2， 22を配置する。このとき、ベースプレート 1 2， 22の裏面の段部 1 2b， 22 b力《、着座フレーム 42、背もたれフレーム 44のフレーム枠内側に嵌り込むようにする。

これにより、ベースプレート 1 2， 22は、着座フレーム 42、背もたれフレーム 4 4に対して位置が固定され、ずれないようになつている。また、ベースプレート 3 2を、ヘッドレストフレーム 46に取り付ける。

そして、スプリングプレート 1 4, 24の一端側を被覆部 1 6 b， 26 bに挿入して、表皮カバー 1 6， 26にスプリングプレート 1 4, 24を取り付ける。

次に、一体に取り付けられたスプリングプレート 1 4と表皮カバー 1 6、及びスプリングプレート 24と表皮カバ一 26を、それぞれべ一スプレー卜 1 2 , 22上の所定位置に配置する。このとき、ベースプレート 1 2， 22のブロック 1 3， 23と、スプリングプレート 1 4， 24の裏面凹部とを嵌合させて配置する。

そして、表皮カバー 1 6， 26の取付用リング" I 6a， 26aを、それぞれ着座フレ —ム 42、背もたれフレーム 44の取付用突起 42a， 44aに嵌め込む。また、表皮カバー 36を、面状ファスナにてベースプレート 32に取り付ける。以上のように、第 1の実施の形態の車両用シート sでは、発泡体からなる着座部 1 0, 背もたれ部 20力、いわゆるクッションボード，バックボードであると共に、着座フレーム 42,背もたれフレーム 44と共に構造体をなしている。

そして、車両用シート Sは、着座部 1 0, 背もたれ部 20,ヘッドレス卜部 30をフレーム 40に嵌め込むことにより、製造工程においてはもとより車両用シート S の着座者によっても、容易に組付けを行うことができるものである。

したがって、従来のような車両用シートの組付け作業における作業性の悪さを大幅に改善することができ、作業時間の短縮、組付け後の製品品質のバラツキ防止、製品の外観不良の防止を図ることが可能となる。

また、車両用シート Sでは、表皮カバ一 1 6， 26, 36を容易に交換することができること力、ら、利用者は好みに応じて、様々なデザインの表皮カバー 1 6， 26, 36を利用することが可能となる。

また、車両用シート Sでは、図 4に示したように着座部 1 0を跳ね上げることができる。これにより、上下方向に背が高い形状の荷物を、着座部 1 0を跳ね上げた状態で車両用シート Sの前部に搭載することが可能となる。また、着座部 1 0の表皮カバ一 1 6,スプリングプレート 1 4，ベースプレート 1 2を取り外せば、着座フレーム 42に挿通させて前記上下方向に背が高い形状の荷物を搭載することもできる。

さらに、背もたれ部 20の構成部材である表皮カバー 26、スプリングプレート 24、ベ一スプレー卜 22を取り外せば、さらに背が高い形状の荷物を搭載することができる。つまり、上記構成部材を取り外し、当該荷物を背もたれフレーム 44内に揷通させるようにして搭載することができる。

この場合、前後の車両用シート Sの構成部材を取り外して、荷物を前後 2つの車両用シート Sの背もたれフレーム 44内に揷通させることにより、さらに背の高い荷物の搭載が可能となる。その際、ヘッドレストフレーム 46を図 5のように逆向きに取り付けて、その取り付け高さを調整すれば、ヘッドレストフレーム 4 6は背もたれフレーム 44内に揷通させた荷物を押さえるためのサポートとなる。

また、前後の車両用シート Sのヘッドレスト部 30の構成部材である表皮カバ一 36及びベースプレート 32を取り外し、前後 2つのヘッドレストフレーム 46内に揷通させて細長い搭載物を配置することも可能である。

その際、前後一方若しくは双方の車両用シート Sの背もたれ部 20の構成部材を取り外して、ヘッドレス卜フレーム 46を図 5に示すように反対に取付け直した状態として、前後 2つのヘッドレストフレーム 46内に揷通させて細長い搭載物を配置しても良い。

このように、第 1の実施の形態の車両用シートでは、着座部 1 0, 背もたれ部 20，ヘッドレスト部 30の構成部材等が脱着可能であるので、車両フロアが狭い場合であっても、荷物の搭載スペースを十分に確保することができる。その際、前記構成部材の脱着が容易、且つ軽量であるので、搭載スペースを確保する手間が掛からず好適である。また、当該搭載物をフレームに固定することができ、安定した状態で搭載物を運搬することが可能となる。

また、車両用シート Sの廃棄時には、表皮カバー、スプリングボード、ベースプレートを容易に取り外すことができ、これにより分別が容易となることから、リサイクル性にも優れるものである。

次に、図 1 1に基づき、第 1の実施の形態の車両用シート Sの着座時の状況について説明する。以下は、着座部 1 0について説明するが、背もたれ部 20においても同様である。

図 1 1 (A)に示すように、スプリングプレート 1 4は、ブロック 1 3上に載置され、さらに、表皮カバー 1 6によって覆われている。したがって、スプリングプレート 1 4と、ベースプレート 1 2は、ブロック 1 3の高さ分だけ離間した構成となっている。

そして、左右ブロック 1 3上に載置されたスプリングプレート 1 4は、弾性を有する板状発泡体である。したがって、上記のような構成となっている車両用シ一卜 Sに着座者が着座すると、図 1 1 ( B)に示すように、左右ブロック 1 3間のスプリングプレート 1 4は橈んで沈み込む。

このとき、着座者の臀部等に対してスプリングプレート 1 4の板ばね効果による所定の反撥弾性力、及びスプリングプレート 1 4自体の弾性力が加わり、着座者に良好な着座感を与える。

なお、着座時、スプリングプレート 1 4が沈み込むことにより、ブロック 1 3にはスプリングプレート 1 4との間に、横方向内向きの摩擦力が加わる。この摩擦力は、ブロック 1 3をべ一スプレー卜 1 2から引き抜く方向の力となる。

したがって、ブロック 1 3が引き抜かれてしまうのを防止するため、ブロック 1 3 はある程度横方向に幅を有するようにする力、、スプリングプレート 1 4との接触部分に滑りを良くするためのフィルム等を貼着することが望ましい。

また、車両用シート Sの利用者の体格に応じて、高さの異なるブロック 1 3を適宜選択することにより、個人毎に良好な着座感を得ることが可能となる。ブロック 1 3は、ベースプレート 1 2に簡単に脱着することができるので、個人毎の調整を容易に行うことができる。

また、スプリングプレート 1 4は、表面側に横方向の複数の溝が形成されているので、表皮カバー 1 6に通気性があるファブリック等を使用している場合には、適度な通気性を得ることができる。したがって、利用者と車両用シート Sとの接触部分に利用者からの体温がこもることがなく、長時間着座した場合であっても、着座者に不快感を与えることがなく好適である。

さらに、スプリングプレート 1 4は、断熱性を有する発泡体で形成されているので、たとえ表皮カバー 1 6が通気性の良い材質でできている場合であっても、利用者に不快感を与えることがなく好適である。

また、着座時に、スプリングプレート 1 4を沈み込み易くするため、ベースプレ -h i 2に通気孔を設けても良い。このようにすることにより、適度な沈み込み感を得ることができると共に、着座時に空気が抜ける際の騒音を防止することが'できる。

以上のように、第 1の実施の形態の車両用シート Sは、着座時のクッション性を確保するために、スプリングプレート 1 4， 24をそれぞれブロック 1 3， 1 4上に載置する構成とし、スプリングプレー卜 1 4， 24の板ばね効果を利用している。このため、クッション材を別途設ける必要がなぐ車両用シート Sの軽量化を図ることができると共に、車両用シート S自体をコンパクトにすることが可能となる。それと共に、発泡体としてビーズ発泡体を用いると、衝撃吸収性を向上させることができる。

なお、本例のヘッドレスト部 30は、ベ一スプレー卜 32及び表皮カバー 36から構成されているが、着座部 1 0及び背もたれ部 20と同様に、ベースプレート 32、表皮カバー 36に加え、両者間にスプリングプレートを配した構成としても良い。

この場合、ベースプレー卜 32にブロックを配設することにより、ヘッドレスト部 30においても、適度なクッション性が得られるので好適である。

また、第 1の実施の形態では、スプリングプレート 1 4, 24を直接、表皮カバ一 1 6， 26で覆う構成となっているが、これらの間に、別途クッションプレートを設けてもよい。この場合、さらにクッション性が高まるので、着座感の向上を図ることができる。

また、本例では、ベースプレート 1 2， 22にブロック 1 3， 23を設けているが、ブロック 1 3， 23をベースプレート 1 2, 22に設ける替わりに、スプリングプレー

M 4, 24の裏面に設けても良い。

また、第 1の実施の形態のベースプレート 1 2， 22は、発泡体で形成されている力これに限らず、硬質樹脂板等で形成することが可能である。

また、第 1の実施の形態では、ベースプレート 1 2, 22を用いているが、ベースプレート 1 2， 22を用いる替わりに、フレーム 40にブロック 1 3， 23を配置するための取付部を別途形成し、該取付部にブロック 1 3， 23を酉己置し、さらにその上にスプリングプレート 1 4， 24を載置する構成としても良い。

また、第 1の実施の形態の車両用シートは、着座部 1 0と、背もたれ部 20と, ヘッドレスト部 30と、を備えているが、着座部 1 0のみ、又は着座部 1 0と背もたれ部 20のみを備える構成であっても良い。

次に、本発明の第 2の実施の形態について説明する。なお、第 1の実施の形態と同一構成要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。第 1の実施の形態と同様に第 2の実施の形態の車両用シート Sは、図 1 2及び図 1 3に示すように、着座部 1 0と、背もたれ部 20と、ヘッドレスト部 30と、を備えており、これらは、金属製のフレーム 40に取り付けられている。

そして、第 2の実施の形態では図 1 4に示すように表皮カバー取付用のバックル 1 42 a力《、着座フレーム 42の下側 8箇所に配設されている。なお、バックル 1 42aは、着座フレーム 42の外側若しくは内側に配設されていても良い。また、表皮カバー取付用のバックル 1 44aが背もたれフレーム 44の外側 6箇所に配設されている。なお、バックル 1 44aは、背もたれフレーム 44の後側若しくは内側に配設されていても良い。

図 1 5乃至図 1 7に示すように、第 2の実施の形態の車両用シート Sの着座部 1 0、背もたれ部 20、ヘッドレス卜部 30 Iま、それぞれベースプレー卜 1 2 , 22， 3 2と、表皮カバ一 1 6， 26， 36とから構成されている。

そして、図 1 7に示す表皮カバー 1 6， 26 , 36は、第 1の実施の形態と同様にベースプレー卜 1 2， 22， 32を覆うように取り付けられる。表皮カノ《一 1 6 , 26， 36は、ファブリック，本革，合成皮革等の公知の表皮材でできている。

また、第 2の実施の形態では表皮カバー 1 6， 26, 36は、伸縮性のある布地の面状弾性体で形成されていても良い。この面状弾性体としては、例えば内装織物に使用される繊維状ヤーンからなる複数のストランドを交織した複数のエラストマ一モノフィラメントで形成したもの或いは 1 000〜4000デニールのェラストマーモノフィラメントを経糸又は緯糸に用いることにより伸縮性を付与した織物又は編物を用いるようにできる。

また、表皮カバー 16, 26には、金属製の係止孔 116a， 126aがそれぞれ数箇所に形成されている。この係止孔 116a, 126aを、着座フレーム 42及び背もたれフレーム 44に配設されている引き倒し式のバックル 142a， 144aで係止することにより、表皮カバ一 16， 26を前記フレームに所定のテンションで張設することができる。

なお、第 2の実施の形態では、表皮カバー 16, 26に所定のテンションを与えることを容易とするための、ノくックソレ 142a， 144a及び係止子 L116a, 126a を引き倒し式とした力これに限らず、嵌め込み式、ボタン式、クリップ式等の公知のファスナを用いることができる。

また、係止孔 116a， 126aは、表皮カノく一 16, 26に直接取り付けられたものに限らず、表皮カバー 16， 26に取り付けられた長さ調整バンドの先端部に設けられたものであってもよい。

このようにすると、後述するようにブロック 13, 23の高さ等を変更したときにも、長さ調整バンドを調節することにより、表皮カバー 16, 26を適度なテンションで張設することが可能となる。

次に、第 2の実施の形態の車両用シート Sの組付けについて説明する。先ず、フレーム 40の着座フレーム 42、背もたれフレーム 44に、それぞれベースプレ —卜 12， 22を配置する。このとき、第 1の実施の形態と同様にベースプレート 12， 22の裏面の段部 12b， 22b力《、着座フレーム 42、背もたれフレーム 44 のフレーム枠内側に嵌り込むようにする。

これにより、ベースプレー卜 12， 22は、着座フレーム 42、背もたれフレーム 4 4に対して位置が固定され、ずれないようになつている。また、ベースプレート 3 2を、ヘッドレストフレーム 46に取り付ける。

次に、表皮カバー 16， 26を、それぞれベースプレート 12， 22上に配置し、係止子い 1 6a, 1 26aと、バックル 1 42a， 1 44aとを係合させる。また、表皮力バ一 36を、面状ファスナにてベースプレート 32に取り付ける。

以上のように、第 2の実施の形態の車両用シート Sでは、発泡体からなる着座部 1 0，背もたれ部 20が、いわゆるクッションボード，バックボードであると共に、着座フレーム 42，背もたれフレーム 44と共に構造体をなしている。

そして、第 2の実施の形態においても車両用シート Sは、着座部 1 0，背もたれ部 20，ヘッドレスト部 30をフレーム 40に嵌め込むことにより容易に組付けを行うことができるものである。

また、第 2の実施の形態においても車両用シート Sは、表皮カバー 1 6 , 26 , 36を容易に交換することができることから、利用者は好みに応じて、様々なデザインの表皮カバー 1 6, 26, 36を利用することが可能となる。

また、第 2の実施の形態においても車両用シート Sの廃棄時には、表皮カバ一、ベースプレートを容易に取り外すことができ、これにより分別が容易となること力、ら、リサイクル性にも優れるものである。

次に、図 1 8に基づき、車両用シート Sの着座時の状況について説明する。図 1 8 (A)に示すように、表皮カバ一 1 6は、ベースプレー卜 1 2に配設されているブロック 1 3によって、ブロック 1 3の高さ分だけベースプレート 1 2と離間した構成となっている。そして、表皮カバー 1 6は、ノくックル 1 42aと係止孔 1 1 6aが係止されることにより、所定のテンションで張設されている。

上記のような構成となっているので、車両用シート Sに着座者が着座すると、図 1 8 ( B)に示すように、左右ブロック 1 3間の表皮カバー 1 6が材質に応じて横方向に延伸すると共に、左右ブロック 1 3上部が圧縮力を受けて可逆的に圧縮される。このとき、着座者の臀部等に対して表皮カバー 1 6のテンションにより、所定のクッション性が与えられ、着座者に良好な着座感を与える。

このクッション性は、表皮カバ一 1 6に使用する材質に応じて、種々に異なるものである。例えば、デニム地の表皮材のように伸縮性が殆どないものであれば、ハードな着座感となり、面状弾性体のように伸縮性が大きいものであれば, ソフトな着座感となる。

なお、着座時、表皮力パー 1 6が下方向に押し付けられつつ伸縮すると、プロック 1 3の表皮カバー 1 6との接触面には、横方向内向きの摩擦力が加わる。この摩擦力は、ブロック 1 3をベースプレー M 2から引き抜く方向の力となる。したがって、ブロック 1 3が引き抜かれてしまうのを防止するため、ブロック 1 3 はある程度横方向に幅を有するようにするか、表皮カバー 1 6との接触部分に滑りを良くするためのフィルム等を貼着することが望ましい。

また、ベースプレート 1 2は、断熱性を有する発泡体で形成されているので、たとえ表皮カバー 1 6が通気性の良い材質でできている場合であっても、利用者に不快感を与えることがなく好適である。

また、着座時、表皮カバー 1 6が伸縮したときに、ベ一スプレート 1 2と表皮力バー 1 6間から抜け出す空気による騒音を防止するため、第 1の実施の形態と同様にベースプレー M 2に通気孔を設けても良い。

以上のように、第 2の実施の形態の車両用シート Sは、着座時のクッション性を確保するために、表皮カバー 1 6 , 26をそれぞれブロック 1 3， 23上に載置する構成とし、表皮カバー 1 6, 26のテンションを利用している。

このため、クッション材を別途設ける必要がな車両用シート Sの軽量化を図ることができると共に、車両用シート S自体をコンパクトにすることが可能となる。

また、第 2の実施の形態の車両用シート Sは、着座部 1 0と、背もたれ部 20と、ヘッドレスト部 30と、を備えているが、着座部 1 0のみ、又は着座部 1 0と背もたれ部 20のみを備える構成であっても良い。産業上の利用性

以上のように、本発明の車両用シートによれば、金属製のフレームにベースプレート、スプリングプレートが載置され、これらを表皮カバーで上部から覆う構成、または、金属製のフレームにベースプレートが載置され、これらを表皮力バーで上部から覆う構成としたので、組み付け作業が容易となり、製造効率を向上させることが可能となる。

また、車両用シートの構成部材であるベースプレードスプリングプレード表皮カバーは、フレームからの取り外し及び分別が容易であることから、リサイクル性が向上し、資源の有効利用を図ることが可能となる。

また、着座部を跳ね上げ可能としたので、荷物搭載時に、着座部を跳ね上げることにより当該部位に背の高い搭載物を配置することができる。さらに、車両用シートの構成部材であるベースプレードスプリングプレート，表皮カバ一をフレームから脱着することにより、フレーム内を揷通させる状態で搭載物を配置することができ、車両フロアが狭い場合であっても、搭載スペースを確保することができる。

また、上記ベースプレート、スプリングプレー卜として、ビーズ発泡体等を用いると、耐衝撃性に優れると共に、軽量化を図ることができる。

さらに、車両用シートのクッション効果は、クッション材を使用する替わりに、複数のブロック上に載置されたスプリングプレートの板ばね効果、または、複数のブロック上に張設された表皮カバーの弾性を利用しているので、車両用シ一卜の軽量化を図ることができる。

Claims

請求の範囲

1 . シートフレームに着脱可能に取り付けられたベースプレートと、該ベースプレート上に配置されたブロックと、該ブロック上に配置されたスプリングプレートと、該スプリングプレートを被覆する表皮カバーと、を備える着座部を有し、前記ブロックは、前記ベースプレートと前記スプリングプレート間に所定の空間を形成するように配置され、

前記スプリングプレートは、弾性を有する発泡体で成形され、

前記スプリングプレートは、前記ベースプレート方向への力が加えられたときに前記空間内へ撓むことを特徴とする車両用シート。

2. 着座部と、背もたれ部とを有する車両用シートにおいて、

前記着座部及び背もたれ部は、シートフレームに着脱可能に取り付けられたベースプレートと、該ベースプレート上に配置されたブロックと、該ブロック上に配置されたスプリングプレートと、該スプリングプレートを被覆する表皮カバーと、を備え、

前記ブロックは、前記ベースプレートと前記スプリングプレート間に所定の空間を形成するように配置され、

前記スプリングプレー卜は、前記ベースプレート方向への力が加えられたときに前記空間内へ撓むことを特徴とする車両用シート。

3. 前記発泡体は、 PP (ポリプロピレン）ビーズ発泡体、 PE (ポリエチレン）ビーズ発泡体、 P P発泡体、 PE発泡体、 AS樹脂（アクリロニトリル Zスチレン樹月旨）発泡体、 EVA (エチレン酢酸ビニル共重合樹脂）及びウレタンフォーム材のいずれかで形成されていることを特徴とする請求項 1又は 2記載の車両用シート。

4. 前記ブロックは、前記ベースプレート又はスプリングプレートに着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項 1又は 2記載の車両用シート。

5. 前記表皮カバーは、前記フレームに着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項 1又は 2記載の車両用シート。

6. シートフレームに着脱可能に取り付けられたベースプレー卜と、該ベースプレート上に配置されたブロックと、前記ベースプレー卜及び前記ブロックを被覆する表皮カバーと、を備える着座部を有し、

前記ベースプレー卜と前記表皮カバー間には、前記ブロックによって所定の空間が形成されたことを特徴とする車両用シート。

7. 着座部と、背もたれ部とを有する車両用シートにおいて、

前記着座部及び背もたれ部は、シートフレームに着脱可能に取り付けられたベースプレートと、該ベースプレート上に配置されたブロックと、前記ベースプレ一ト及ぴ前記ブロックを被覆する表皮カバーと、を備え、

前記べ一スプレー卜と前記表皮カバー間には、前記ブロックによって所定の空間が形成されたことを特徴とする車両用シート。

8. 前記表皮カバーは、面状弾性体、本革、合成皮革、ファブリックを含む表皮材料でできていることを特徴とする請求項 6又は 7記載の車両用シート。

9. 前記ブロックは、前記ベースプレートに脱着可能に取り付けられていることを特徴とする請求項 6又は 7記載の車両用シート。

1 0. 前記表皮カバーは、前記フレームに着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項 6乃至 8いずれか記載の車両用シート。

1 1 . 枠状のフレームと、該フレームに着脱可能に取り付けられたプレー卜部と、該プレート部を覆うと共に前記フレームに着脱可能に取り付けられた表皮カバーと、を備える着座部を有することを特徴とする車両用シート。

1 2. 着座部と、背もたれ部とを有する車両用シートにおいて、

前記着座部及び背もたれ部は、枠状のフレームと、該フレームに着脱可能に取り付けられたプレート部と、該プレート部を覆うと共に前記フレームに着脱可能に取り付けられた表皮カバーと、を備えることを特徴とする車両用シート。

1 3. 前記車両用シートは、前記背もたれ部の上部に位置するヘッドレスト部を有し、

該ヘッドレス卜部は、枠状のフレームと、該フレームに着脱可能に取り付けられたプレート部と、を備え、

前記ヘッドレスト部のフレームは、前記背もたれ部のフレームに配設された取付部に着脱可能に取り付けられると共に、前記ヘッドレスト部のフレームは, 前記ヘッドレスト部のフレームの略全体が前記背もたれ部のフレームに囲まれた範囲内に位置するように前記取付部に取り付け可能であることを特徴とする請求項 1 2記載の車両用シート。

1 4. 前記着座部は、跳ね上げ可能であることを特徴とする請求項 1 1乃至 1 3いずれか記載の車両用シート。

1 5. 前記プレート部は、 PP (ポリプロピレン）ビーズ発泡体、 PE (ポリエチレン）ビーズ発泡体、 P P発泡体、 P E発泡体、 AS樹脂（アクリロニトリルノスチレン樹脂）発泡体、 EVA (エチレン酢酸ビニル共重合樹脂）及びウレタンフォーム材のいずれか又は組合せで形成されていることを特徴とする請求項 1 1又は 1 2記載の車両用シート。