JP2001169852A - 車両用シートバック - Google Patents

車両用シートバック

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JP2001169852A
JP2001169852A JP36426399A JP36426399A JP2001169852A JP 2001169852 A JP2001169852 A JP 2001169852A JP 36426399 A JP36426399 A JP 36426399A JP 36426399 A JP36426399 A JP 36426399A JP 2001169852 A JP2001169852 A JP 2001169852A
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seat back
hollow
back frame
molded body
peripheral
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JP36426399A
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English (en)
Inventor
Terumi Akazawa
輝美 赤澤
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Toyo Seat Co Ltd
Original Assignee
Toyo Seat Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂製シートバックフレームの利点を維持し
つつ、その厚さ寸法の増大を招来することなく、シート
バックフレームの中央部における高い弾性支持性能を確
保する。 【解決手段】 中空成形体11の周縁中空部11a内に
樹脂充填体12を充填配置してなるシートバックフレー
ム1と、その表面を覆うトリム2とで構成される車両用
シートバックにおいて、上記シートバックフレーム1の
前面1a側で且つ上記中空成形体11の上記周縁中空部
11aの内側に対応する部位に、上記前面1a側にかか
る背凭れ荷重を受けて弾性変形する弾性支持部Xを設け
る。かかる構成とすることで、上記周縁中空部11aの
内側部位、即ち、乗員の背中に対応し背凭れ荷重を支持
する部位の弾性支持性能が上記弾性支持部Xによって確
保され、軽量化と強度性能及び弾性支持性能の並立によ
り理想に近い車両用シートバックが提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、樹脂製のシート
バックフレームを備えた車両用シートバックに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両用シートバックにおいて
は、その軽量化と強度性能の確保との両立を図るという
要請あり、これに応えるものとして、例えば特開平8ー
98737号公報には、シートバックを構成するシート
バックフレームとして、熱可塑性樹脂のブロー成形によ
り得られる中空成形体の内部に熱可塑性発泡樹脂でなる
発泡体を形成して構成される樹脂製シートバックフレー
ムを用いることが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、シートバッ
クを構成するシートバックフレームには、上述の如き軽
量化と強度性能の確保の両立という、主として車両構成
部品としての車両サイドからの要求の外に、該シートバ
ックの用途及び機能からは、シートに着座した車両乗員
の背凭れ荷重を弾性的に支持して乗員の疲労感を軽減す
るとともに快適な着座感を与えるという要求があり、こ
れら双方の要求が満たされて初めて理想的なシートバッ
クが得られるものである。従って、理想的なシートバッ
クと言い得るためには、シートバックフレームにおいて
は、その軽量化と強度性能を適正に維持しつつ、特に乗
員の背中部分に対応する部位、具体的にはシートバック
フレームの略中央部においては適度の弾性支持性能が得
られるような構成であることが望まれる。
【0004】ところが、上掲公知例の如き従来の樹脂製
シートバックフレームにおいては、該シートバックフレ
ームの全体が、上記中空成形体と該中空成形体の内部に
形成された発泡体で構成されていたため、該シートバッ
クフレームの軽量化と強度性能とは確保されるものの、
該シートバックフレームそれ自身の機能によって適度の
弾性支持性能を得ることは困難である。従って、かかる
弾性支持性能は、シートバックフレームとその表面を被
包するトリムとの間にパッドを介在配置し該パッドの弾
性によって確保せざるを得ず、またパッドによって所要
の弾性支持性能を得るためには該パッドの厚さを比較的
大きくしなければならず、その結果、シートバックの厚
さが増大し、それだけ車室内の居住スペースの狭小化と
いう新たな問題が発生することになる。
【0005】そこで本願発明では、樹脂製シートバック
フレームを備えた車両用シートバックにおいて、該シー
トバックフレームを樹脂製としたことによる利点を維持
しつつ、シートバックの厚さ寸法の増大を招来すること
なく、特に乗員の背中に対応するシートバックフレーム
の中央部における良好な弾性支持性能を確保し得るよう
にした車両用シートバックを提供することを目的として
なされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
【0007】本願の第1の発明では、熱可塑性樹脂のブ
ロー成形により得られ且つその周縁部1cを周縁中空部
11aとした中空成形体11の該周縁中空部11a内に
樹脂充填体12を充填配置してなるシートバックフレー
ム1と、該シートバックフレーム1の表面を覆うトリム
2とで構成される車両用シートバックにおいて、上記シ
ートバックフレーム1の前面1a側で且つ上記中空成形
体11の上記周縁中空部11aの内側に対応する部位
に、上記前面1a側にかかる背凭れ荷重を受けて弾性変
形する弾性支持部Xを設けたことを特徴としている。
【0008】本願の第2の発明では、上記第1の発明に
かかる車両用シートバックにおいて、上記弾性支持部X
を、上記中空成形体11の上記周縁中空部11aの内側
において上記シートバックフレーム1の前面1a側から
凹入する凹部13と、上記トリム2の上記凹部13に対
応する部位において上記シートバックフレーム1の前面
1aの形状に沿って設けられたネット状弾性表皮材22
とで構成したことを特徴としている。
【0009】本願の第3の発明では、上記第2の発明に
かかる車両用シートバックにおいて、上記凹部13の底
面側に、上記中空成形体11と一体的に形成された中空
部11c,11dを設けたことを特徴としている。
【0010】本願の第4の発明では、上記第3の発明に
かかる車両用シートバックにおいて、上記中空部11d
を上記シートバックフレーム1の幅方向又は高さ方向に
複数個設けたことを特徴としている。
【0011】本願の第5の発明では、上記第1の発明に
かかる車両用シートバックにおいて、上記弾性支持部X
を、上記中空成形体11の上記周縁中空部11aの内側
部位においてその表面が上記周縁中空部11aの表面と
滑らかにつながるように該中空成形体11と一体的に形
成された中空部11eで構成したことを特徴としてい
る。 本願の第6の発明では、上記第1、第2、第3、
第4又は第5の発明にかかる車両用シートバックにおい
て、上記シートバックフレーム1の背面1bに、該背面
1bを覆うマット4を、上記中空成形体11のブロー成
形時に該中空成形体11に融着された状態で取り付けた
ことを特徴としている。
【0012】本願の第7の発明では、上記第6の発明に
かかる車両用シートバックにおいて、上記マット4の周
縁部4aに対して上記トリム2の周縁部2aを固定部材
5を介して着脱自在に固定したことを特徴としている。
【0013】
【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることによ
り次のような効果が得られる。
【0014】 本願の第1の発明にかかる車両用シー
トバックによれば、熱可塑性樹脂のブロー成形により得
られ且つその周縁部1cを周縁中空部11aとした中空
成形体11の該周縁中空部11a内に樹脂充填体12を
充填配置してなるシートバックフレーム1と、該シート
バックフレーム1の表面を覆うトリム2とで構成される
車両用シートバックにおいて、上記シートバックフレー
ム1の前面1a側で且つ上記中空成形体11の上記周縁
中空部11aの内側に対応する部位に、上記前面1a側
にかかる背凭れ荷重を受けて弾性変形する弾性支持部X
を設けているので、上記シートバックフレーム1の軽量
化は該シートバックフレーム1を樹脂製としたことで実
現され、またその強度性能は上記中空成形体11の周縁
中空部11aの内部に樹脂充填体12を充填配置したこ
とによって確保される一方、該周縁中空部11aの内側
部位、即ち、乗員の背中に対応し背凭れ荷重を支持する
部位の弾性支持性能は、該部位に設けた上記弾性支持部
Xによって確保されることとなり、軽量化と強度性能及
び弾性支持性能の並立によって、理想に近い車両用シー
トバックを提供することができるものである。
【0015】 本願の第2の発明にかかる車両用シー
トバックによれば、上記に記載の効果に加えて、次の
ような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上
記第1の発明にかかる車両用シートバックにおいて、上
記弾性支持部Xを、上記中空成形体11の上記周縁中空
部11aの内側において上記シートバックフレーム1の
前面1a側から凹入する凹部13と、上記トリム2の上
記凹部13に対応する部位において上記シートバックフ
レーム1の前面1aの形状に沿って設けられたネット状
弾性表皮材22とで構成しているので、該ネット状弾性
表皮材22にかかる背凭れ荷重は該ネット状弾性表皮材
22が上記中空成形体11の上記凹部13側に適度に撓
み変形することで支持される。従って、シートに着座し
その背中部分を上記シートバックに凭せかけた乗員は、
上記ネット状弾性表皮材22によってその背中部分が自
然な上体姿勢のまま適度の弾性をもって支持されること
で、その疲労感が軽減され且つ快適な着座感が得られる
ものである。
【0016】また、上記ネット状弾性表皮材22が比較
的薄く、且つこれが上記シートバックフレーム1の前面
1aの形状に沿って設けられていることで、該ネット状
弾性表皮材22を設けたことによる上記シートバックの
厚さ寸法の増大が可及的に抑制され、その結果、上記シ
ートバックの厚さが薄い分だけ車室内の居住スペースが
拡大され、車室内での居住性が良好となる。
【0017】 本願の第3の発明にかかる車両用シー
トバックによれば、上記に記載の効果に加えて、次の
ような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上
記第2の発明にかかる車両用シートバックにおいて、上
記凹部13の底面側に、上記中空成形体11と一体的に
形成された中空部11c,11dを設けているので、上
記ネット状弾性表皮材22が背凭れ荷重を受けて撓み変
形し、その撓み量が所定以上になると、換言すれば、背
凭れ荷重が所定以上になると、該ネット状弾性表皮材2
2が上記中空部11c,11dに当接し、それ以上の背
凭れ荷重は該中空部11c,11dが撓み変形すること
で支持される。従って、上記中空部11c,11dによ
って所定以上の背凭れ荷重が支持されることで、例えば
背凭れ荷重の全てを上記ネット状弾性表皮材22によっ
て支持する場合に比して、該ネット状弾性表皮材22の
弾性係数を小さくすることができ、特に背凭れ荷重が比
較的小さい通常の着座状態におけるクッション性が向上
しその快適性がさらに良好となるものである。
【0018】 本願の第4の発明にかかる車両用シー
トバックによれば、上記に記載の効果に加えて、次の
ような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上
記第3の発明にかかる車両用シートバックにおいて、上
記中空部11dを上記シートバックフレーム1の幅方向
又は高さ方向に複数個設けているので、例えば該中空部
11dを単一構成とした場合に比して、該中空部11d
の縦壁、即ち、シートバックフレーム1の厚さ方向に延
びる壁の数が増加し該シートバックフレーム1の厚さ方
向における剛性が向上することとなり、その結果、シー
トバックフレーム1のクッション性の確保と強度性能の
確保との両立が可能となるものである。
【0019】 本願の第5の発明にかかる車両用シー
トバックによれば、上記に記載の効果に加えて、次の
ような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上
記第1の発明にかかる車両用シートバックにおいて、上
記弾性支持部Xを、上記中空成形体11の上記周縁中空
部11aの内側部位においてその表面が上記周縁中空部
11aの表面と滑らかにつながるように該中空成形体1
1と一体的に形成された中空部11eで構成しているの
で、上記中空成形体11の上記周縁中空部11aの内側
部位にかかる背凭れ荷重は、該部位に設けられた上記中
空部11eが適度に撓み変形することで弾性的に支持さ
れる。従って、シートに着座しその背中部分を上記シー
トバックに凭せかけた乗員は、上記中空部11eによっ
てその背中部分が自然な上体姿勢のまま適度の弾性をも
って支持されることで、その疲労感が軽減され且つ快適
な着座感が得られるものである。
【0020】また、上記中空部11eは、その表面が上
記周縁中空部11aの表面と滑らかにつながるように形
成されていることから、該中空部11eを設けたことに
よる上記シートバックフレーム1の厚さ寸法の増大が防
止されるとともに、該中空部11eそのものが弾性支持
性能をもつことから従来のようにパッドを配置する必要
もなく、その結果、上記シートバックの厚さを薄くして
車室内の居住スペースの拡大を図ることが可能となるも
のである。
【0021】 本願の第6の発明にかかる車両用シー
トバックによれば、上記、、、又はに記載の
効果に加えて、次のような特有の効果が得られる。即
ち、この発明では、上記第1、第2、第3、第4又は第
5の発明にかかる車両用シートバックにおいて、上記シ
ートバックフレーム1の背面1bに、該背面1bを覆う
マット4を、上記中空成形体11のブロー成形時に該中
空成形体11に融着された状態で取り付けているので、
該マット4が上記シートバックフレーム1の補強部材と
して機能し、それだけ該シートバックフレーム1の強度
性能が向上することになる。また一方、例えば、強度性
能を一定とすれば、上記マット4による強度性能の向上
分だけ上記シートバックフレーム1側の強度性能を、例
えば上記中空成形体11の肉厚を減少させる等の手段に
よって、低く設定することができ、かかる場合には肉厚
減少分だけシートバックフレーム1の軽量化が促進され
ることになる。
【0022】さらに、上記マット4を上記シートバック
フレーム1の成形時に上記中空成形体11に融着させる
ことで、例えば、該中空成形体11の成形後において事
後的に上記マット4を取り付ける場合に比して、製造作
業の簡略化が図れ、延いてはシートバックの低コスト化
が促進されることになる。
【0023】 本願の第7の発明にかかる車両用シー
トバックによれば、上記に記載の効果に加えて、次の
ような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上
記第6の発明にかかる車両用シートバックにおいて、上
記マット4の周縁部4aに対して上記トリム2の周縁部
2aを固定部材5を介して着脱自在に固定しているの
で、例えば、上記トリム2の周縁部2aをシートバック
フレーム1側に接着固定する場合等に比して、シートバ
ックの解体時における上記トリム2の取り外しが容易と
なり、それだけ解体容易性の高いシートバックを提供で
きる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本願発明にかかる車両用シ
ートバックを好適な実施形態に基づいて具体的に説明す
る。
【0025】第1の実施形態 図1には、本願発明の第1の実施形態にかかるシートバ
ックZ1を示している。このシートバックZ1は、次述の
シートバックフレーム1と該シートバックフレーム1の
表面を被包するトリム2とで構成される。
【0026】上記シートバックフレーム1は、次述の中
空成形体11と該中空成形体11の内部に充填された樹
脂充填体12とで構成される。
【0027】上記中空成形体11は、熱可塑性樹脂をブ
ロー成形して得られるもであって、略長矩形の平面形状
をもち、且つその周縁部1cはその全周にわたって周縁
中空部11aとされる一方、該周縁中空部11aの内側
部分、即ち、該中空成形体11の中央部1dは、該中空
成形体11の背面1b側において上記周縁中空部11a
と連続する板状部11bとされており、従って該板状部
11bに対応する部位は中空成形体11の前面1aから
背面1b側に向かって凹入する略長矩形の凹部13とさ
れている。
【0028】上記樹脂充填体12は、上記中空成形体1
1の成形完了後に、該中空成形体11をブロー成形用の
成形型内に残留させたまま、該中空成形体11の上記周
縁中空部11a内に熱可塑性予備発泡粒子を充填し、こ
れを蒸気によって加熱し、さらに発泡させて該周縁中空
部11aの内面に融着させて得るものである。このよう
に、上記中空成形体11の周縁中空部11a内に樹脂充
填体12を充填しこれらを一体化させることで、例えば
該周縁中空部11aが中空状態のままとされている場合
に比して、該周縁中空部11a部分の強度性能、延いて
は上記シートバックフレーム1の強度性能が大きく向上
するものである。しかも、この場合、上記樹脂充填体1
2は極めて軽量であることから、該樹脂充填体12を設
けたことによる上記シートバックフレーム1全体として
の重量増加は可及的に小さく抑えられる。従って、上記
シートバックフレーム1は、その軽量化と強度性能の向
上とが両立されることになる。
【0029】尚、上記樹脂充填体12としては、この実
施形態のように熱可塑性予備発泡粒子を発泡させて形成
する他に、例えば上記中空成形体11の周縁中空部11
a内に、熱可塑性の短繊維材をバインダーと共に充填
し、これを加熱成形して得ることも可能であり、かかる
構成とした場合にも発泡成形による樹脂充填体12の場
合と同様の効果が得られるものである。
【0030】一方、上記シートバックフレーム1の背面
1b、即ち、中空成形体11の背面には、これを覆うよ
うにしてマット4が取り付けられている。このマット4
は、例えば不織布シートで構成されるものであって、ブ
ロー成形用の成形型(図示省略)の内面(成形面)に予
め装着される。この状態で上記成形型内で熱可塑性樹脂
でなるパリソンをブロー成形して上記中空成形体11を
形成した後、該中空成形体11の周縁中空部11a内に
熱可塑性予備発泡粒子を充填しこれを加熱発泡させる際
に、上記マット4は上記中空成形体11の背面側に融着
されて該中空成形体11と一体化されるものである。従
って、このマット4は、上記中空成形体11の背面の目
隠し部材としての本来の機能の外に、該中空成形体11
の補強部材としても機能し、該中空成形体11の剛性、
延いては上記シートバックフレーム1の剛性が高められ
るものである。
【0031】上述の如く構成されたシートバックフレー
ム1は、その表面に次述のトリム2が、パッド3を介し
て又は該パッド3を介することなく直接的に、被包され
ることで、上記シートバックZ1とされるが、その場
合、上記シートバックフレーム1の上記凹部13部分
は、シートに着座した乗員の背中部分に対応し、該乗員
からの背凭れ荷重を支持する部位となるものである。従
って、この部位は、適度の弾性支持性能をもつことが要
求され、そのため、この実施形態のシートバックZ 1
おいては、上記シートバックフレーム1の凹部13と次
述のトリム2の一部とによって特許請求の範囲の「弾性
支持部X」を構成し、該弾性支持部Xによって上記要求
に対処するようにしている。
【0032】上記トリム2は、上記シートバックフレー
ム1の全表面のうち、上記マット4に対応する背面1b
側の部位を除いた部分(即ち、上記周縁中空部11aと
凹部13の部分)を被包するものであって、この実施形
態においては、このトリム2を布状表皮材21とネット
状弾性表皮材22の二つの性状の異なる表皮材からなる
複合構造としている。
【0033】即ち、上記トリム2は、上記シートバック
フレーム1の上記周縁中空部11aの部分を被包する布
状表皮材21と、上記凹部13の部分を被包するネット
状弾性表皮材22との複合構造とされている。上記布状
表皮材21は、通常、シート用表皮材として用いられる
織布とかビニールレザー等で構成される。これに対し
て、上記ネット状弾性表皮材22は、三次元構造メッシ
ュを利用したものであって、図3に示すように二枚の二
次元メッシュ22a,22aを、ソフトなバネ定数をも
つパイル層22bで連結して三次元化することで得られ
るものである。そして、このネット状弾性表皮材22
は、軽く且つ簡単な構造でありながら、乗員の体の形状
に対応して三次元で撓み、高い弾性支持性能とともに良
好なフィット感が得られるという特性をもつことから、
シートバックZ1における背凭れ荷重の支持部位に適用
されるに好適な表皮材である。
【0034】また、上記トリム2は、図1及び図2に示
すように、該トリム2の周縁部2aを固定部材5を介し
て上記マット4の周縁部4aに着脱自在に固定すること
で上記シートバックフレーム1の表面に取り付けられ
る。上記固定部材5としては、例えば、相互係止構造を
もつものが好適であるが、その場合、図2に示すよう
に、一対の固着片5A,5Bのうち、一方の固着片5A
を上記マット4側に予め取り付けておくと、事後的な取
付作業が不要となって好都合である。
【0035】このように、上記トリム2を上記シートバ
ックフレーム1に対して固定部材5を介して着脱自在に
取り付ける構成とすると、例えば、上記トリム2の周縁
部2aをシートバックフレーム1側にタッカー等により
固定する場合等に比して、シートバックの解体時におけ
る上記トリム2の取り外しが容易となり、それだけ解体
容易性の高いシートバックを提供できることになる。
【0036】尚、この実施形態においては、上記シート
バックフレーム1の周縁中空部11aに対応する部分の
みにパッド3を介在させて上記トリム2を取り付けるこ
とで該周縁中空部11aに対応する部位にも適度の弾性
をもたせているが、他の実施形態においては該パッド3
を設けることなく直接上記トリム2を取り付ける構成と
することもできる。さらに、この実施形態においては、
上記トリム2を上記布状表皮材21とネット状弾性表皮
材22の複合構造とし該ネット状弾性表皮材22を上記
シートバックフレーム1の凹部13に対応させるように
しているが、他の実施形態においては、トリム2の全体
をネット状弾性表皮材22のみで構成することもでき、
かかる構成とした場合には上記パッド3の配置は不要と
なる。
【0037】このように構成されたシートバックZ1
おいては、次のような特有の効果が得られるものであ
る。
【0038】即ち、この実施形態のシートバックZ1
よれば、上記シートバックフレーム1の軽量化は該シー
トバックフレーム1を樹脂製としたことで実現され、ま
たその強度性能は上記中空成形体11の周縁中空部11
aの内部に樹脂充填体12を充填配置したことによって
確保される。一方、上記周縁中空部11aの内側部位、
即ち、乗員の背中に対応し背凭れ荷重を支持する部位の
弾性支持性能は、上記シートバックフレーム1の上記凹
部13に対応する部位に該上記シートバックフレーム1
の前面1aの形状に沿って設けられたネット状弾性表皮
材22が、該ネット状弾性表皮材22にかかる乗員の背
凭れ荷重を受けて、上記凹部13の内部側へ向けて三次
元の撓み変形をすることで実現される。これらの相乗効
果として、軽量化と強度性能及び弾性支持性能を共に満
足させた理想に近い車両用シートバックを提供すること
ができることになる。
【0039】また、上記ネット状弾性表皮材22が比較
的薄く、且つこれが上記シートバックフレーム1の前面
1aの形状に沿って設けられていることで、該ネット状
弾性表皮材22を設けたことによる上記シートバックの
厚さ寸法の増大が可及的に抑制され、その結果、上記シ
ートバックの厚さが薄い分だけ車室内の居住スペースが
拡大され、車室内での居住性が良好となる。
【0040】さらに、上記ネット状弾性表皮材22はメ
ッシュ構造をもつことから、その通気性が高く、従って
このネット状弾性表皮材22を上記シートバックフレー
ム1の凹部13に対応する部位、即ち、乗員の背中に対
応する部位に配置することで、例えば夏季において着座
状態が長時間続くような場合であっても、背中の熱蒸れ
を生じることが少なく、それだけより快適な着座感が得
られることになる。
【0041】第2の実施形態 図4には本願発明の第2の実施形態にかかるシートバッ
クZ2を示している。このシートバックZ2は、上記第1
の実施形態にかかるシートバックZ1とその基本構成を
同じにするものであって、これと異なる点は、上記第1
の実施形態のシートバックZ1においては上記シートバ
ックフレーム1の凹部13部分を板状部11bのみで構
成していたのに対して、この実施形態のシートバックZ
2においては、該凹部13の内に中空部11cを、該凹
部13の略全域を覆うようにして且つその上面11c1
が上記シートバックフレーム1の前面1aよりも所定寸
法だけ奥側に位置するようにして、上記シートバックフ
レーム1と一体的に形成した点である。
【0042】尚、この実施形態においては、上記中空部
11cは、上記凹部13及び上記ネット状弾性表皮材2
2と共に特許請求の範囲の「弾性支持部X」を構成して
いる。
【0043】このように構成されたシートバックZ2
おいては、上記凹部13の底面側に、その上面11c1
が上記ネット状弾性表皮材22と所定間隔をもつように
して上記中空部11cが設けられているので、上記ネッ
ト状弾性表皮材22が乗員からの背凭れ荷重を受けて撓
み変形する場合、該ネット状弾性表皮材22の撓み量が
所定以上になると、換言すれば、背凭れ荷重が所定以上
になると、該ネット状弾性表皮材22が上記中空部11
cの上面11c1に当接し、それ以上の背凭れ荷重は該
ネット状弾性表皮材22とともに上記中空部11cが撓
み変形することで支持される。従って、上記中空部11
cによって所定以上の背凭れ荷重が支持されることで、
例えば上記第1の実施形態のように、背凭れ荷重の全て
を上記ネット状弾性表皮材22によって支持する場合に
比して、該ネット状弾性表皮材22の弾性係数を小さく
することができる。この結果、特に背凭れ荷重が比較的
小さい通常の着座状態におけるクッション性が向上し、
その快適性がさらに良好となるものである。即ち、この
実施形態のシートバックZ2は、上記第1の実施形態に
かかるシートバックZ1よりも、クッション性を重視し
たものと言える。
【0044】尚、上記以外の構成及び作用効果について
は、全て上記第1の実施形態の場合と同様であるため、
該第1の実施形態における該当説明を援用することで、
ここでの説明は省略する。
【0045】第3の実施形態 図5には本願発明の第3の実施形態にかかるシートバッ
クZ3を示している。このシートバックZ3は、上記第2
の実施形態にかかるシートバックZ2の展開例として位
置づけられるものであって、該第2の実施形態のシート
バックZ2とその基本構成を同じにし、これと異なる点
は、該第2の実施形態のシートバックZ 2においては上
記シートバックフレーム1の上記凹部13部分に単一構
成の中空部11cを設けていたのに対して、この実施形
態のシートバックZ3においては、該凹部13の内に、
その幅方向に延びる中空部11dを複数(この実施形態
では三個)並設している点である。
【0046】かかる構成とすることで、上記第2の実施
形態の場合と同様に、高いクッション性が得られるのに
加えて、例えば上記中空部11dを単一構成とした場合
(即ち、第2の実施形態の如き構成)に比して、該中空
部11dの縦壁、即ち、シートバックフレーム1の厚さ
方向に延びる壁の数が増加し、該シートバックフレーム
1の厚さ方向における剛性が向上することとなる。即
ち、この実施形態のシートバックZ3においては、クッ
ション性と強度性能の両立が可能となるものである。
【0047】尚、この実施形態においては、上記各中空
部11d,11d,11dは、上記凹部13及び上記ネ
ット状弾性表皮材22と共に特許請求の範囲の「弾性支
持部X」を構成している。また、この実施形態において
は、上記各中空部11dをシートバックフレーム1の幅
方向に三個設けているが、他の実施形態においては該中
空部11dをシートバックフレーム1の高さ方向に設け
たり、その設置個数を増減設定し得ることは勿論であ
る。
【0048】上記以外の構成及び作用効果については、
全て上記第1の実施形態の場合と同様であるため、該第
1の実施形態における該当説明を援用することで、ここ
での説明は省略する。
【0049】第4の実施形態 図6には本願発明の第4の実施形態にかかるシートバッ
クZ4を示している。このシートバックZ4は、上記第2
の実施形態にかかるシートバックZ2とその基本構成を
同じにし、これと異なる点は、該第2の実施形態のシー
トバックZ2においては上記シートバックフレーム1の
上記凹部13部分に、その上面11c1の高さが上記シ
ートバックフレーム1の前面1a、即ち、上記中空成形
体11における上記周縁中空部11aの表面よりも低く
なるようにして(換言すれば、上記凹部13が存在し得
るようにして)上記中空部11cを設けていたのに対し
て、この実施形態のシートバックZ4においては、該凹
部13に対応する位置に、その上面11e1が上記シー
トバックフレーム1の前面1aと滑らかにつながるよう
にして中空部11eを設けた点である。
【0050】尚、この実施形態においては、上記各実施
形態のシートバックZ1〜Z3と同様に、上記トリム2を
布状表皮材21とネット状弾性表皮材22とからなる複
合構造とし、且つ上記ネット状弾性表皮材22を上記中
空部11eに対応させているが、この実施形態のシート
バックZ4においては次述のように上記中空部11eの
みによって特許請求の範囲の「弾性支持部X」が構成さ
れるものであって、上記ネット状弾性表皮材22の設置
は必ずしも必要ではなく、従って、上記トリム2を上記
布状表皮材21のみの単一構成とすることもできるもの
である。
【0051】この実施形態のシートバックZ4において
は、次のような特有の効果が得られる。
【0052】即ち、この実施形態のシートバックZ4
は、上記中空部11eを、その表面が、上記中空成形体
11の上記周縁中空部11aの表面と滑らかにつながる
ように該中空成形体11と一体的に形成された中空部1
1eで構成しているので、上記周縁中空部11aの内側
部位にかかる背凭れ荷重は、上記中空部11eが適度に
撓み変形することで弾性的に支持されることになる。従
って、シートに着座しその背中部分を上記シートバック
4に凭せかけた乗員は、上記中空部11eによってそ
の背中部分が自然な上体姿勢のまま適度の弾性をもって
支持されることで、その疲労感が軽減され且つ快適な着
座感が得られるものである。
【0053】また、上記中空部11eは、その表面が上
記周縁中空部11aの表面と滑らかにつながるように形
成されていることから、該中空部11eを設けたことに
よる上記シートバックフレーム1の厚さ寸法の増大が防
止されるとともに、該中空部11eそのものが弾性支持
性能をもつことから従来のようにパッドを配置する必要
もなく、その結果、シートバックZ4の厚さを薄くして
車室内の居住スペースの拡大を図ることが可能となるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施形態にかかる車両用シー
トバックの一部断面斜視図である。
【図2】図1のII部の拡大図である。
【図3】図1のIII部の拡大図である。
【図4】本願発明の第2の実施形態にかかる車両用シー
トバックの一部断面斜視図である。
【図5】本願発明の第3の実施形態にかかる車両用シー
トバックの一部断面斜視図である。
【図6】本願発明の第4の実施形態にかかる車両用シー
トバックの一部断面斜視図である。
【符号の説明】
1はシートバックフレーム、2はトリム、3はパッド、
4はマット、5は固定部材、11は中空成形体、12は
樹脂充填体、13は凹部、21は布状表皮材、22はネ
ット状弾性表皮材、Z1〜Z4はシートバックである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂のブロー成形により得られ
    且つその周縁部(1c)を周縁中空部(11a)とした
    中空成形体(11)の該周縁中空部(11a)内に樹脂
    充填体(12)を充填配置してなるシートバックフレー
    ム(1)と、該シートバックフレーム(1)の表面を覆
    うトリム(2)とで構成される車両用シートバックであ
    って、 上記シートバックフレーム(1)の前面(1a)側で且
    つ上記中空成形体(11)の上記周縁中空部(11a)
    の内側に対応する部位に、上記前面(1a)側にかかる
    背凭れ荷重を受けて弾性変形する弾性支持部(X)が設
    けられていることを特徴とする車両用シートバック。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記弾性支持部(X)が、 上記中空成形体(11)の上記周縁中空部(11a)の
    内側において上記シートバックフレーム(1)の前面
    (1a)側から凹入する凹部(13)と、 上記トリム(2)の上記凹部(13)に対応する部位に
    おいて上記シートバックフレーム(1)の前面(1a)
    の形状に沿って設けられたネット状弾性表皮材(22)
    とで構成されていることを特徴とする車両用シートバッ
    ク。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 上記凹部(13)の底面側には、上記中空成形体(1
    1)と一体的に形成された中空部(11c,11d)が
    設けられていることを特徴とする車両用シートバック。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 上記中空部(11d)が上記シートバックフレーム
    (1)の幅方向又は高さ方向に複数個設けられているこ
    とを特徴とする車両用シートバック。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 上記弾性支持部(X)が、 上記中空成形体(11)の上記周縁中空部(11a)の
    内側部位においてその表面が上記周縁中空部(11a)
    の表面と滑らかにつながるように該中空成形体(11)
    と一体的に形成された中空部(11e)で構成されてい
    ることを特徴とする車両用シートバック。
  6. 【請求項6】 請求項1,2,3,4又は5において、 上記シートバックフレーム(1)の背面(1b)には、
    該背面(1b)を覆うマット(4)が、上記中空成形体
    (11)のブロー成形時に該中空成形体(11)に融着
    された状態で取り付けられていることを特徴とする車両
    用シートバック。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 上記マット(4)の周縁部(4a)に対して上記トリム
    (2)の周縁部(2a)が固定部材(5)を介して着脱
    自在に固定されていることを特徴とする車両用シートバ
    ック。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003094667A1 (fr) * 2002-05-14 2003-11-20 Ts Tech Co., Ltd. Siege de vehicule

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