明 細 書
通信装置およびァウタ一ループ電力制御方法 技術分野
本発明はアウターループ電力制御機能を備えた通信装置およびァゥタール一プ 電力制御方法に係わり 、特に、ブロ ック誤り観測区間内に誤り を検出すれば目標 SIR を増加させ、 ブロ ック誤り観測区間内に誤り を一つも検出しなければ目標 SIR を減少させるァゥタ一ループ電力制御機能を備えた通信装置およびそのァゥ ターループ電力制御方法に関する。
背景技術
CDMA移動通信では、 各チャネルに割り 当てる拡散コー ドによってチャネルを 区別するこ とによ り、複数のチャネルが一つの周波数帯域を共有して通信を行う。 しかし、 実際の移動通信環境においては、 マルチパスフェージングによる遅延波 や他セルからの電波によ り、 受信信号は自チャネル及び他チャネルから干渉を受 け、 該干渉がチャネル分離に悪影響を与える。 また、 マルチパスフェージングに よる受信電力の瞬時変動や、 同時に通話しているユーザ数の変化によって、 受信 信号が受ける干渉量は時間的に変化する。 このよ うに、 時間的に変動する干渉を 受けるよ う な環境下では、 基地局に接続した移動局における受信信号の品質を、 所望の品質に安定して保つことは困難である。
このよ う な干渉ユーザ数の変化やマルチパスフェージングによる瞬時値変動に 追従するために、 受信側で信号対干渉電力比 (SIR) を測定し、 その測定値と 目 標 SIR を比較することによ り、 受信側の SIRが目標 SIR に近づく よ う に制御す るイン ^ "一ノレープ送信電力制御 (innerloop Transmission Power Control) が行 われる。
図 3 7はィンナーループ送信電力制御の説明図であり、 1 チャネル分のみ示し ている。基地局 1 の拡散変調部 1 a は指定されたチャネルに応じた拡散コー ドを 用いて送信データを拡散変調し、電力増幅器 1 bは、 拡散変調後に直交変調、周波 数変換などの処理を施されて入力した信号を増幅してアンテナより移動局 2に向 けて送信する。移動局の受信部の逆拡散部 2 aは受信信号に逆拡散処理を施し、復 調部 2 b は受信データを復調する。 SIR 測定部 2 cは受信信号と干渉信号との電
力比を測定する。比較部 2 dは目標 SIRと測定 SIRを比較し、測定 SIRが目標 SIR よ り大きければ TPC Transmission Power Control)ビッ 卜で送信電力を下げるコ マン ドを作成し、測定 SIRが目標 SIRよ り小さければ TPCビッ 卜で送信電力をあ げるコマン ドを作成する。 目標 SIRは例えば、 10-3(1000回に 1 回の割合でエラー 発生)を得るために必要な SIR値であり、目標 SIR設定部 2 e よ り比較部 2 dに入 力される。拡散変調部 2 ί は送信データ及び TPCビッ トを拡散変調する。拡散変調 後、移動局 2は DA変換、直交変調、周波数変換、電力増幅などの処理を施してアン テナよ り基地局 1 に向けて送信する。基地局側の逆拡散部 1 cは、移動局 2から受 信した信号に逆拡散処理を施し、復調部 1 dは受信データ、 TPC ビッ トを復調し、 該 TPC ビッ トで指示されたコマン ドにしたがって電力増幅器 1 の送信電力を制 御する。
図 3 8 は 3rd Generation Partnership Project (以下 3GPP と称す) で標準化 されている上 り リ ンク のフ レーム構成図で、 送信データのみが送信される DPDCHデータチャネル (Dedicated Physical Data Channel)と、 Pilotや図 3 7 で説明した TPCビッ ト情報等の制御データが多重されて送信される DPCCH制御 チャネル(Dedicated Physical Control Channel)を有し、 それぞれ直交符号によ り拡散されたあと、 実数軸および虚数軸にマッピングされて多重される。 上り リ ンクの 1 フレームは 10msecで、 15 スロ ッ ト ( slot#0〜 slot#14)で構成されてい る。 DPDCHデータチャネルは QPSK変調の直交する Iチャンネルにマッピング され、 DPCCH制御チャネルは QPSK変調の直交する Qチャンネルにマッビング される。 DPDCHデータチヤネル(Iチャンネル)の各スロッ トは nビッ トで構成さ れ、 nはシンボル速度に応じて変化する。 制御データを送信する DPCCH制御チ ャネル(Q チャンネル)の各スロ ッ トは 10 ビッ トで構成され、 シンボル速度は 15ksps—定であり、 パイ ロッ ト PILOT, 送信電力制御データ TPC、 トランスポ 一ト 'フォーマツ 卜 'コンビネーシヨ ン'インジケータ TFCI、 フィー ドパック情報 FBI を送信する。 .
ところで、 通信中の移動速度の変化や移動による伝搬環境の変化によ り、 所望 の品質 (ブロックエラーレー ト = BLER : Block Error Rate) を得るために必要 な SIRは一定ではない。これらの変化に対応するために、プロ ク誤り を観測し、
観測値が目標 BLER より も悪ければ目標 SIRを增加させ、 良ければ目標 SIR を 減少させる制御が行われる。 このよ うに所望品質を実現するために目標 SIRを適 応的に変更する制御は、 アウターループ送信電力制御 (outerloop TPC) と して 周知である。 アウターループ制御方式と しては、 [1] 2001年電子情報通信学会総 合大会 B -5- 56, [2] 信学技報 RCS98- 18 pp. 51-57, [3] 1999年電子情報通信学 会総合大会 B-5- 145 , [4] 2000年電子情報通信学会総合大会 B- 5-72などに示さ れた方式がある。
図 3 9 は文献 [1]で提案されているアウターループ制御のブロ ック図である。こ の方式では、 基地局 3から送信された信号は復調器 4 aで復調されたあと、 誤り 訂正復号器 4 bで復号される。 そのあと CRC 検出器 4 c において、 トランスポ ー トブロ ック TrBkに分割された後、 各 TrBk毎に CRC誤り検出が行われる。 各 トランスポー トブロ ック TrBkの誤り検出結果は目標 SIR制御部 4 dへ伝えられ る。
現在標準化が行われている W-CDMA では送信側において図 4 0に示すよ うに 符号化を行っている。すなわち、 単位伝送時間 (Transmission Time Interval : TTI) 内に ト ランスポー トブロ ック TrBkが複数個 (N個) 存在すれば、 CRC付 加回路は トランスポー トブロ ック TrBk毎に CRC ( Cyclic Redundancy Code) 誤 り検出符号を生成して送信データに付加し、 符号器は N個の CRC付きの トラン スポー トブロ ック TrBk を結合して畳み込み符号やターボ符号などの誤り訂正符 号によ り符号化する。 受信側では、 誤り訂正復号器 4 bが受信データに誤り訂正 復号化処理を施して復号結果を CRC検出器 4 c に入力する。 CRC検出器 4 cは、 復号結果を構成する N個の トランスポー トブロ ック TrBk毎に CRC誤り検出を 行って誤り検出結果を目標 SIR制御部 4dに入力する。
目標 SIR制御部 4 dは図 4 1 に示すよ う な手順で目標 SIRの制御を行う。すな わち、 目標 SIR制御部 4 dは、 目標 SIRの制御開始時、 パラメータ変換テーブル 4 eから 目標 BLERに応じたパラメータ (観測区間 T, 増加ステップ Sine, 減少 ステップ Sdec)を読み込んで内蔵の格納レジスタ 5aに格納すると共に、受信ブロ ック数力ゥンタ 5b の内容 (受信ブロ ック数 N ) をリセッ 卜する(ステップ S01, S02)。 なお、 観測区間 T , 増加ステップ Sine, 減少ステップ Sdecは種々の目標
BLER に応じて予めパラメータ変換テーブル 4 e に多数記憶されているから、 現 在設定されている 目標 BLER に応じたパラメータを読み取って格納レジスタ 5a に格納する。
かかる状態において、 CRC検出器 4 c は誤り訂正復号器 4 b よ り復号結果(1以 上の トランスポー トブロ ック TrBk で構成されている)を受信すれば(ステツプ S03)、該復号結果を トランスポー トブロ ック TrBk毎に CRC誤り検出を行い、 CRC 誤り検出結果を目標 SIR制御部 4 dに入力する(ステップ S04)。目標 SIR制御部 4 dは、 CRC 誤り検出結果を受信すれば、 誤り検出の有無を判定する(ステップ S05)。
CRC 検出における誤りブロック数が 1以上であれば、目標 SIR 制御部 4 dは、 目標 SIR增減制御部 5 cによ り 目標 SIRを Sine分だけ増加させる(ステップ S06)c 以後、目標 SIR制御部 4 dはステップ S02に戻って受信ブロ ック数をリセッ 卜 し、 ステップ S03以降の処理を繰り返す。
ステップ S05 において、 CRC検出における誤り数が 0であれば、 目標 SIR制 御部 4 dは現単位伝送時間 TTI における TrBk数 NBLKを受信プロック数 N (初 期値は 0) に加算する(ステップ S07)。 ついで、 目標 SIR制御部 4 dは、 受信ブ 口 ック数が観測区間 Tに相当するブロ ック数以上になったかどうかを判定する (ステップ S08)。
受信プロック数 N が観測区間 Tに相当するプロ ック数以上になった場合には、 その観測区間の間、 誤りが一つも検出されなかったこ とになるので、 目標 SIR制 御部 4 dは、 目標 SIR増減制御部 5 c によ り 目標 SIRを Sdec分だけ減少させ(ス テップ S09)、 ステップ S02に戻って受信プロック数をリセッ トし、 以後、ステツ プ S03以降の処理を行う。 一方、ステップ S08において、 受信ブロック数が観測 区間に満たない場合にはステップ S03以降の処理を行う。
目標 SIR制御部 4 dは、 ステツプ S06、 s09で更新した目標 SIRを比較器 4 f に出力する。 比較器 4 f は SIR測定部 4 gで測定された測定 SIR と 目標 SIR を 比較し、 その比較結果をもとに基地局 3に送信する TPCコマンドを作成する。 この従来のァゥターループ電力制御方法において、 TTI の TrBk数が 1であれ ば図 4 2 ( A ) に示すよ う に目標 SIRの増減が行われ、 目標 BLERを達成するこ
とができる。 しかし、 TTI の TrBk数が 2 以上で、 複数の TrBk に誤りが発生す る と 目標 BLER を達成できなく なる。 以下にその理由を説明する。図 4 0に従つ て説明したよ う に、 TTIの TrBk数が複数個 (N個) の場合、 CRC検出器 4 cは復 号結果を TrBk毎に分離し、各 TrBk の GRC誤り検出を行う。 このとき誤り訂正 符号の性質上、 復号データに誤りが存在する と、 N個全ての トランスポー トブロ ック TrBkに誤りが含まれる場合が多い。 これは、
① 符号化を行った後にデータにィンタ リーブをしているため、伝送路での誤 りが符号ブロック全体に散らばるため、
② ターボ符号を用いている場合は、ターボ復号器内部にもィンタ リーブが有 るため、である。
以上のよう に誤りが発生した場合、 TTI 内のほぼ全ての トランスポー トブロッ ク TrBk で誤り が検出される。 そのため、 従来のアウターループ電力制御方法を そのまま適用したのでは、 図 4 2 ( B ) に示すよ うに、 TTI 内の N ( = 4 ) 個の TrBkで誤りが発生しても、 1つの TrBkで誤りが発生した場合 (図 4 2 (A )参照) と全く 同様に目標 SIR の更新制御が行われる。 このため、結果と して得られる BLERは目標 BLER と比較して悪化し、目標 BLERの約 N倍になってしまう。 以上のよう に、従来の方式では単位伝送時間 (TTI) 内に複数の誤り検出用プロ ック ( ト ランスポー トブロ ック : TrBk) が含まれる場合には目標 BLERを達成で きない問題があった。
以上から本発明の目的は、単位伝送時間 (TTI) 内に複数の誤り検出用ブロ ック が含まれる場合であっても、 目標 BLERを達成できるよう にすることである。 発明の開示 '
本発明の第 1 は、プロ ック誤り観測区間内に誤り を検出すれば目標 SIR を増加 させ、 ブロ ック誤り観測区間内に誤り を一つも検出しなければ目標 SIRを減少さ せるァウタ一ループ電力制御方法及ぴァゥタ一ループ電力制御機能を備えた通信 装置であり、 単位伝送時間 TTI内に含まれる誤り検出用ブロックのうち誤ってい るブロ ックの数に基いて、 ブロック誤り の観測区間 T、 目標 SIRを増加させる時 の增加ステツプ Sinc、 目標 SIRを減少させる時の減少ステツプ Sdecの少なく と も 1つを可変制御する。
本発明の第 2は、プロ ック誤り観測区間内に誤り を検出すれば目標 SIR を増加 させ、 プロ ック誤り観測区間内に誤り を一つも検出しなければ目標 SIRを減少さ せるァウタ一ループ電力制御方法及ぴァゥターループ電力制御機能を備えた通信 装置であり、 単位伝送時間 TTI 内に含まれる誤り検出用プロック TrBkの数に基 いて、ブロ ック誤り の観測区間 T、目標 SIRを增加させる時の増加ステップ Sinc、 目標 SIRを減少させる時の減少ステップ S decの少なく とも 1つを可変制御する。 第 1、第 2 の発明によれば、単位伝送時間 (TTI) 内に複数の誤り検出用ブロッ クが含まれる場合であっても、 目標 BLERを正しく達成できるようになる。
図面の簡単な説明
図 1 は本発明の第 1実施例の構成図ある。
図 2は第 1実施例の目標 SIR制御処理フローである。
図 3は下り信号のフレームフォーマツ ト説明図である。
図 4は第 1実施例の動作説明図である。
図 5は第 1実施例の変形例である。
図 6は該変形例の目標 SIR制御処理フローである。
図 7は TFIテーブル、 TFIの組合わせなどの説明図である。
図 8は T F I の計算フローである。
図 9は本発明の第 2実施例の構成図である。
図 1 0は第 2実施例の目標 SIR制御処理フローである。
図 1 1 は第 2実施例の動作説明図である。
図 1 2は第 2実施例の変形例である。
図 1 3は該変形例の目標 SIR制御処理フローである。
図 1 4は本発明の第 3実施例の構成図である。
図 1 5は第 3実施例の目標 SIR制御処理フローである。
図 1 6 は第 3実施例の動作説明図である。
図 1 7は第 3実施例の変形例である。
図 1 8 は該変形例の目標 SIR制御処理フローである。
図 1 9は本発明の第 4実施例の構 図である。
図 2 0は第 4実施例の目標 SIR制御処理フローである。
図 2 1 は第 4実施例の動作説明図である。
図 2 2は第 4実施例の変形例である。
図 2 3は該変形例の目標 SIR制御処理フローである。
図 2 4は本発明の第 5実施例の構成図である。
図 2 5は第 5実施例の目標 SIR制御処理フローである。
図 2 6は第 5実施例の動作説明図である。
図 2 7は第 5実施例の変形例である。
図 2 8は該変形例の目標 SIR制御処理フローはである。
図 2 9は本発明の第 6実施例の構成図である。
図 3 0は第 6実施例の目標 SIR制御処理フローである。
図 3 1 は第 6実施例の動作説明図である。
図 3 2は第 6実施例の変形例である。
図 3 3は該変形例の目標 SIR制御処理フローはである。
図 3 4は第 7実施例の構成図である。
図 3 5は第 7実施例の目標 SIR制御処理フローである。
図 3 6 は第 7実施例の動作説明図である。
図 3 7はイ ンナーループ送信電力制御の説明図である。
図 3 8は上り リ ンクのフレーム構成図である。
図 3 9は従来のアウターループ制御のプロ ック図である。
図 4 0は伝送データの処理説明図である。
図 4 1 は従来例における目標 SIR制御の処理フローである。
図 4 2は目標 SIRの増減説明図である。
発明を実施するための最良の形態
( A ) 第 1実施例
図 1 は本発明の第 1 実施例の構成図で、移動局のァゥタ一ループ電力制御部分 を詳細に示している。図 2 は第 1実施例の目標 SIR制御処理フローである。 第 1 実施例では、 誤り を検出した場合、 次の誤り を検出するまでの観測区間と して初 期設定値 T の代わり に a X Nerr X Tを用いる。すなわち、観測区間と して、 誤り数 Nerrに応じた係数(= a X Nerr) を設定値 Tに乗算した a X Nerr X Tを用いる。
図 1 において、基地局 1 0から送信された信号(下り信号)は、 移動局 2 0の復調 器 2 1 で復調されて誤り訂正復号器 2 2、TFCI復号器 2 3に入力する。図 3 ( a ) は基地局 1 0から移動局 2 0への下り信号のフレームフォーマツ 卜説明図であり、 1 フレームは 10m secで、 15 スロ ッ ト S 。〜 S i 4で構成されている。 各スロ ッ ト は k ビッ トで構成され、 kはシンボル速度に応じて変化する。又、各スロ ッ トは、 第 1 データ部 DATA1、 第 2 データ部 DATA2、 パイ ロ ッ ト PILOT、 TPC
( Transmission Power Control Bit)、 TFCI (Transport Format Combination Indicator) , フィー ドバック情報 FBI を送信する。 PILOT, TPC, TFCI , FBI の ビッ ト数は図 3 ( b ) に示すよう にシンボル速度に応じて変化し、 又、 同一シン ボル速度であ.つても必要に応じて変化する。 W- CDMAにおいて伝送時間間隔 TTI (Transmission Time Interval)は、 10ms, 20ms, 40ms, 80msに規定され、それぞ れ 1, 2, 4, 8 フ レ一ムで 1 TTI となり、 この TTI単位でデータが符号化される。 た とえば、 TTI=40m sであれば 4フレームが 1単位となって符号化される。なお、 ト ランスポー トチャネル TrCHにおける TTIは通信に先立ってネッ トワークよ り通 知される。 TFCIは各 トランスポー トチャネル TrCHにおけるフ レーム毎のブロッ ク数 NBLK及びブロ ック ビッ ト長 LBLKを示すもので、符号化されている。
TFCI復号器 23は 1 フレーム分の TFCI ビッ トを蓄積、復号して TTIの トータ ルのビッ ト長 L ΤΤΙ、ブロ ック数 NBLK、ブロ ックビッ ト長 L BLK を求めそれぞれ誤 り訂正復号器 22、CRC検出器 24、目標 SIR制御部 2 5に入力する。誤り訂正復号 器 2 2はビッ ト長 L TT I毎に復号処理を施し、復号結果を CRC検出器 24に入力す る。 CRC 検出器 24 はプロ ックビッ ト長 L BLKに基いて復号結果を トランスポー トブロ ック TrBkに分離して トランスポー トブロック TrBk毎に CRC誤り検出を 行い、各 TrBkの誤り検出結果を目標 SIR制御部 2 5に入力する。
目標 SIR制御部 2 5は図 2に示すフ口一に従って目標 SIRの制御を行う。すな わち、 目標 SIR制御部 2 5は目標 SIRの制御開始時、 パラメータ変換テーブル 2 6から 目標 BLEI に応じたパラメータ (観測区間 T , 増加ステップ Sine, 減少ス テツプ Sdec) を.読み込んで内蔵の格納レジスタ 3 1 に格納すると共に、受信プロ ック数カウンタ 3 2の内容 (受信ブロ ック数 N) をリセッ トする(ステップ 101 , 102)。 なお、 観測区間 T , 増加ステップ Sine, 減少ステップ Sdecは種々の目標
B LE Rに応じて予めパラメータ変換テーブル 2 6に多数記憶されているから、 設 定されている 自標 BLE Rに応じたパラメータを読み取って格納レジスタ 3 1 に格 納する。
かかる状態にぉレ、て、 CRC検出器 2 4は誤り訂正復号器 2 2 よ り復号結果(1以 上の ト ランスポー 卜プロ ック TrBk で構成されている)を受信すれば(ステップ 103)、該復号結果を トランスポー トブロ ック TrBk毎に CRC誤り検出を行レ、、 CRC 誤り検出結果を目標 SIR 制御部 2 5に入力する(ステップ 104)。目標 SIR制御部 2 5は、 CRC誤り検出結果を受信すれば、 TTI毎の誤りブロ ック数 Nerrを判定 する(ステップ 105)。
目標 SIR制御部 2 5の目標 SIR増減制御部 3 3は、 1 TTIにおける誤りブ口ッ ク数 Nerrが 1以上であれば、目標 SIRを Sine分だけ增加する(ステップ 106)。又、 目標 SIR制御部 2 5 の観測区間計算部 3 4は次式
観測区間 = a X Nerr X T ( 1)
によ り観測区間を更新する(ステップ 107)。ここで αは定数で例えば 1、 Τは初期 設定の観測区間である。 図 4 (Α) は、 α = 1 、 Nerr = 4 と した場合の動作説明 図であり、 観測区間は Tから 4 X Tに延長される。
観測区間更新後、目標 SIR制御部 2 5は、ステップ 102 に戻り、受信ブロック数 を 0にリセッ トする。以後、ステップ 103以降の処理が繰り返される。
' 一方、ステップ 1 0 5において、 CRC 検出における誤り数が 0の場合には受信 ブロ ック数 Nに現 TTI において受信した TrBk数 NBLKを加算する(N=N+NBLK、 ステップ 108)。 ついで、 目標 SIR制御部 2 5は、 受信ブロ ック数 Nが観測区間に 応じたブロ ック数 NOBS以上になったかどうかを判定する(ステップ 109)。
受信ブロ ック数 Nが観測区間に応じたプロック数 NOB S 以上になった場合には、 その観測区間の間、 誤りが一つも検出されなかったことになるので、 目標 SIR增 減制御部 3 3は目標 SIRを Sdec分減少する (ステップ 110)。 しかる後、 目標 SIR 制御部 2 5はステップ 102 に戻り、受信プロック数 Nを 0 にリセッ 卜する。以後、 ステップ 103以降の処理が繰り返される。又、ステップ 109において、受信ブロッ ク数 Nが観測区間 NOBSに満たない場合には、ステツプ 103に戻り以降の処理を行 う 0
目標 SIR制御部 25 は、 ステップ 106、 110で更新した目標 SIRを比較器 2 7 に出力する。 比較器 2 7は SIR測定部 2 8で測定された測定 SIR と 目標 SIRを 比較し、 その比較結果をもとに基地局 1 0 に送信する TPC コマン ドを作成する。 第 1実施例によれば、 TTIにおいて誤りを検出した場合、次の誤りを検出するま での観測区間と して T の代わり に、 誤り数に応じた係数(= a X Nerr)を T に乗算 したものを用いることによ り、 目標 SIRを減少させる _までに観測しなければなら ないブロック数が大きく なり 、 目標 SIRを減少させるまでの時間が長く なる。 す なわち、 目標 SIRが大きく なつている時間が長く なる。 このため、 誤りが発生す る間隔を長くすることができ、 結果と して目標 BLERを達成することができる。 図 5 は第 1実施例の変形例、図 6は該変形例の目標 SIR制御処理フローで、それ ぞれ図 1、図 2の第 1実施例と同一部分に同一符号を付している。異なる点は、第 1 実施例において T に乗算する係数を a X Nerr と していたのを、変形例では該係数 を誤り数 Nerr の関数 f(Nerr)と した点である(観測区間計算部 34a及びステツプ 107a参照)。 Tに乗算する係数は必ずしも誤り数に比例した値である必要はなく、 誤り数に応じて重み付けされたものであっても良い。 図 4 ( B ) は、 変形例の動 作説明図であり 、 観測区間は Tから f(Nerr) X Tに延長される。
( B) TFCI よ り TTIの トランスポー トブロック数 NBLK及ぴブロックビッ ト長 LBLKが求まる仕組み
送信側において、各 トランスポー トチャネル TrCH の符号化データを多重して 送信する時に、受信側で正しく分離できるよ うに、どのよう に各 トランスポー トチ ャネル TrCH の符号化データを多重したかを示すパラメ一タを作成して送信する。 このノ ラメータ力 S TFCKTransmission Format Combination Indicator)である。 TFCIは各 トランスポー トチャネル TrCHで送信するデータの 1TTI当たり のビッ ト長 (ブロ ック数 NBLKとブロックビッ ト長 LBLK) を特定する トランスポー トフ ォーマツ 卜の組み合わせによ り一意に決定される。
ト ラ ンス ポー トフォーマッ トには番号がつけられてお り 、 TFI ( Transport Format Indicator) と記す。 例えば 3GPPで標準化されている下り 384kbpsのパ ケッ トを トランスポー トチャネル T r CH # 1で、 制御 CH用の DCCHデータを トランスポー 卜チャネル T r CH # 2で多重して送信する場合における TFI テー
ブルの一例を図 7 (A) ,(B)に示す。 384kbps (TrCH#l) の トランスポー ト フォ 一マツ トは 6種類あり、それぞれの 1TTI 当たりのビッ ト長は、 0X336 ビッ ト、 1 X336 ビッ ト、 2X 336 ビッ ト、 4X336 ビッ ト、 8 X336 ビッ 卜、 1 2 X336 ビッ 卜であり 、 TFIは 0 , 1 , 2 , 3 , 4 , 5である。 また、 制御 CH用の DCCHデ 一タ ( Tr CH# 2 ) の トランスポー トフォーマッ トは 2種類あり、 1TTI当たり のビ ッ 卜長は 0 X 148 ビッ ト、 1 X 148 ビッ トであり、 TFIはそれぞれ 0, 1である。
トランスポー 卜チャネルが TrCH#l, TrCH# 2の 2種類のみとすれば、 TrCH#l, TrCH# 2 の TFIの組み合わせは図 7 (C) に示すよ うに全部で 1 2個あり、それぞ れの組み合わせに対して GTFC (Calculated Transport Format Combination) が CTFC演算式(後述)を用いて計算される。 尚、図 7 (C) の右側に CTFCを付し ている。送信側おょぴ受信側は、 図 7 (D) に示す TFCI と CTFCの対応表を持つ ているから、 送信侧は算出された CTFC を、 該対応表を用いて TFCI に変換し、 符号化して送信する。たとえば、 TrCH#lから 1TTI当たりのビッ ト数が 2X336bit のデータを 20ms分と 1TTI当たり のビッ 卜数が lX 336bitのデータを 20ms分連 続して送信し、 TrCH#2から 1TTI当たり のビッ ト数が IX 148bitの 40ms分送信 するものとすれば、 10ms 毎の 4 フ レーム分の多重データは、 図 7 ( E ) に示す よ うな TFIの組み合わせとなる。そこで、各組み合わせにおける CTFCを計算し、 図 7(D)の対応表を用いて該 CTFC を TFCI に変換し、該 TFCI に符号化処理を施 して TFCI Code Word ( 32 ビッ トデータ) を作成し、 この TFCI Code Wordを送 信する。
受信側では、 まず、 TFCI Code Wordを復号して TFCI を求める。 求めた TFCI から変換テーブルを参照して CTFCを求め、該 CTFC より各 TrCHの トランスポ ー トフォーマッ ト (TFI) を箅出し、 ついで、 TFIテーブルよ り各 TrCH毎に 1TTI 当たり のブロ ック数、ブロック ビッ ト長を求めると共に TTI のビッ ト長を求めて 復号処理を行なう。
なお、 送信側では各 TrCHの TFIの組み合わせから、 CTFCを次式
CTFC(TFIi,TFI2,- .. , TFIi)=∑ i TFI i - P ; ( i = 1〜 I )
伹し、 P i =Π j L 5 (j=0〜 i -1) , i =1,2··· I , L o= 1
を用いて算出する。 また TFI i は TrCHiの TFI、 Iは多重される TrCHの数、 .
L jは TrCH jの トランスポー トフォーマッ ト数である。 上記の例では, Ti'CH 数 は 2、 TrCH#l (384kbpsノ ケッ ト) の TF数は 6、 TrCH#2 (DCCH) の TF数は 2であるから 1=2、
となる。 ちなみに、 上式によ り CTFCを計算す る と以下のよ う になる。 すなわち、
CTFC (0,0) =0X 1+0X6=0, CTFC (0,1) =0X1+ 1X6 = 6
CTFC (1,0) =1X 1 + 0X6=1 CTFC (1,1) = 1X1+1X6=7
CTFC (2,0) =2X 1+0X6=2 CTFC (2,1) =2X1+ 1X6 = 8
CTFC (3,0) =3X1+0X6=3 CTFC (3,1) =3X1+ 1X6=9
CTFC (4,0) =4X1+0X6=4 CTFC (4,1) =4X1+ 1X6=10
CTFC (5,0) =5X1+0X6=5 CTFC (5,1) =5X1+ 1X6=11
となり 、 図 7(C)の右側に示す CTFC値が得られる。
受信側における CTFC力 ら各 TrCHの TFIの計算は図 8に示すフローに従って 行われる。例えば CTFC=9の時の TFIを求めるものとする と、
m = CFTC=9、 i =多重 トランスポー トチャネル数 =2 となる(ステップ 151)。 ついで、 次式
TFI i =floor(m/Pi),
m=m %P j , によ り TFIi, m, i を計算する(ステップ 152)。ただし、 floor(m/P i )は mを P i で割ったときの商(小数点以下切り捨て)、 m=m°/0Piは mを で割ったときの余 りである。最初、 i = 2であるからステップ 152において
が求まる。ついで、 i > 0であるかチェック し(ステップ 153)、yesであればステッ プ 152 の処理を繰り返す。例では、 i =1であるため yesとなり、 ステップ 152に おいて
が求まる。ついで、 i 〉 0であるかチェック し(ステップ 153)、 i =0であるため no となり と なり 、 TFI 組み合わせ算出処理が終了し、 CTFC(3,1)が得られる。この
CTFC(3, 1)の CTFC 値は図 7 ( C) よ り 9 であり、図 8 のフローによ り得られる TFI の組合わせは図 7 ( C) の対応関係と一致する。 これは、 CTFC 値から正し く TFIの組み合わせが求まったことを意味する。
( C) 第 2実施例
図 9は本発明の第 2実施例の構成図で、移動局のァゥターループ電力制御部分 を詳細に示し、第 1実施例と同一部分には同一符号を付している。図 1 0は第 2実 施例の目標 SIR制御処理フロ一である。 この第 2実施例では、 誤りが検出された 場合、 目標 SIR の増加ステップ(増加量)と して初期設定値 Sineの代わり に、 誤り 数 Nerrに応じた係数(= α X Nerr)を該初期設定値 Sineに乗算して得られた値(= X Nerr X Sinc) を用いる。
図 9 において、 CRC検出器 24力 S トランスポー トブロック TrBk毎に CRC誤り 検出を行い、各 TrBk の誤り検出結果を目標 SIR制御部 2 5に入力するまでの動 作は第 1実施例と同様である。
目標 SIR制御部 2 5は図 1 0 に示すフローに従って目標 SIRの制御を行う。す なわち、 目標 SIR制御部 2 5は、 目標 SIR の制御開始時、 パラメータ変換テープ ル 2 6 から 目標 BLERに応じたパラメータ (観測区間 T , 増加ステップ Sine, 減 少ステツプ Sdec) を読み込んで内蔵の格納レジスタ 3 1 に格納すると共に、受信 ブロ ック数カウンタ 3 2の内容 (受信ブロ ック数 N ) をリ セッ トする(ステップ 201 , 202)。
かかる状態において、 CRC検出器 2 4は誤り訂正復号器 2 2よ り復号結果(1以 上の ト ランスポー トブロ ック TrBk で構成されている)を受信すれば(ステップ 203)、該復号結果を トランスポー トプロ ック TrBk毎に CRC誤り検出を行い、 CRC 誤り検出結果を目標 SIR制御部 2 5に入力する(ステップ 204)。目標 SIR制御部 2 5は、 CRC誤り検出結果を受信すれば、 TTI毎の誤りブロック数 Neri 'を判定 する(ステップ 205)。
目標 SIR制御部 2 5 の増加ステップ計算部 35は、 1TTI における誤りブロ ック 数 Nerrが 1以上であれば増加ステップを次式
増加ステップ = a X Nerr X S inc (2)
によ り計算し、目標 SIR増減制御部 33に入力する。 目標 SIR增減制御部 33 は入
力された增加ステップ分目標 SIRを增加する(ステツプ 2 0 6 )。尚、(2)式において、 αは定数で例えば 1 、 Sine は初期設定された増加ステップである。 図 1 1 (A) は、 a = 1、 Nerr = 4 と した場合の動作説明図であり、 目標 SIRはエラー発生に よ り 4 X Sine一気に大き く なる。
目標 SIR増加後、目標 SIR制御部 2 5は、 ステップ 202 に戻り、受信プロック 数 Nを 0にリセッ 卜する。以後、ステップ 2 03以降の処理が繰り返される。
一方、ステップ 2 0 5において、 CRC 検出における誤り数が 0の場合には受信 ブロ ック数 Nにその TTIにおいて受信した TrBk数 NBLKを加算する(N=N+NBLK、 ステップ 2 0 7 )。 次に受信ブロ ック数 Nが観測区間 Tに応じたブロ ック数 NOBS 以上になったかどうかを判定する(ステップ 208)。
受信ブロ ック数 Nが観測区間 Tに応じたブロック数 NOBS以上になれば、 その 観測区間 Tの間誤り が一つも検出されなかったこ とになるので、 目標 SIR制御部 2 5の目.標 SIR增減制御部 3 3は目標 SIR を Sdec分減少する(ステップ 209)。 ついで、 目標 SIR制御部 2 5はステップ 202に戻り、受信ブロ ック数 Nを 0にリ セッ トする。以後、ステップ 203以降の処理が繰り返される。又、ステップ 208にお いて、 受信プロ ック数 Nが観測区間 NOBSに満たない場合には、ステップ 203に戻 り以降の処理を行う。
目標 SIR制,御部 25は、 ステツプ 206、 209で更新した目標 SIRを比較器 2 7 に出力する。 比較器 2 7は SIR測定部 2 8で測定された測定 SIR と 目標 SIR を 比較し、 その比較結果をもとに基地局 1 0に送信する TPCコマン ドを作成する。 第 2実施例によれば、誤りを検出した場合に、目標 SIRの増加ステツプ(増加量) と して初期設定されている Sine の代わり に、 誤り数に応じた係数(= a X Nei'r)を Sineに乗算したものを用いることによ り、 従来よ り も大きなステップで目標 SIR の增加が行われるため、 誤りが発生する レベルまで目標 SIRが減少するまでの時 間が長く なるため、 誤り が発生する間隔を長くすることができ、 結果と して目標 BLERを達成することができる。
図 1 2は第 2実施例の変形例、図 1 3は該変形例の目標 SIR制御処理フローで、 それぞれ図 9、図 1 0の第 2実施例と同一部分に同一符号を付している。異なる点 は、第 2実施例において増加ステップ Sineに乗算する係数を α X Nerrと していた
のを、 変形例では誤り数 Nerr の関数 f(Nerr)と した点である(増加ステップ計算 部 35 a及びステップ 206 a参照)。
増加ステップ Sineに乗算する係数は必ずしも誤り数 Nerrに比例した値である 必要はなく、 誤り数に応じて重み付けされたものであっても良い。 図 1 1 ( B ) は、 変形例の動作説明図であり、 増加ステップは f(Nei'r) X Sincになっている。
(D)第 3実施例
図 1 4は本発明の第 3実施例の構成図で、移動局のァゥターループ電力制御部 分を詳細に示し、第 1実施例と同一部分には同一符号を付している。図 1 5は第 3 実施例の目標 SIR 制御処理フローである。 この第 3実施例では、 観測区間の間、 一つも誤り を検出しなかった場合の目標 SIRの減少ステップ(減少量)と して初期 設定されている S decの代わりに、最後に誤りが検出された際の誤り数 Nerrに応 じた係数(= a X Nerr)で Sdecを除算したものを用いる。
図 1 4において、 CRC検出器 24力 S トランスポー トブロ ック TrBk毎に CRC誤 り検出を行レ、、各 TrBk の誤り検出結果を目標 SIR制御部 2 5に入力するまでの 動作は第 1実施例と同様である。
目標 SIR制御部 2 5は図 1 5 に示すフローに従って目標 SIRの制御を行う。す なわち、 目標 SIR制御部 2 5は、 目標 SIRの制御開始時、 パラメータ変換テープ ル 2 6から 目標 BLERに応じたパラメータ (観測区間 T , 増加ステップ Sine, 減 少ステップ S dec) を読み込んで内蔵の格納レジスタ 3 1に格納する と共に、受信 ブロ ック数カウンタ 3 2の内容 (受信プロ ック数 N ) をリセッ トする(ステップ 301 , 302)。
かかる状態において、 CRC検出器 2 4は誤り訂正復号器 2 2よ り復号結果(1以 上の トランスポー トブロ ック TrBk で構成されている)を受信すれば(ステップ 303)、該復号結果を トランスポー トブロ ック TrBk毎に分離して CRC誤り検出を 行レ、、 CRC 誤り検出結果を目標 SIR 制御部 2 5に入力する(ステップ 304)。 目標 SIR 制御部 2 5は、 CRC 誤り検出結果を受信すれば、 TTI 毎の誤りブロ ック数 Nerrを判定する(ステップ 305)。
目標 SIR制御部 2 5の目標 SIR増減制御部 3 3は、 1 TTIにおける誤りプロッ ク数 Nerrが 1以上であれば、目標 SIRを Sine分だけ増加する(ステツプ 306)。又、
目標 SIR制御部 2 5の減少ステップ計算部 3 6は次式
減少ステップ- Sdec/ [ a X Nerr] (3)
によ り減少ステップを更新する(ステップ 307)。尚、(3)式において、 αは定数で例 えば 1 、 Sdecは初期設定された減少ステップである。
減少ステップ更新後、目標 SIR制御部 2 5は、ステップ 302に戻り、受信ブロッ ク数 Nを 0にリセッ 卜する。以後、ステップ 2 03以降の処理が繰り返される。 一方、ステップ 305において、 1 TTIにおける誤り数 Nerrが 0の場合には受信 ブロ ッ ク数 Nにその TTI において受信した TrBk 数 ( = NBLK) を加算する
ステップ 308)。 次に受信プロ ック数 Nが観測区間 Tに応じたブ口 ック数 NOB S以上になったかどうかを判定する(ステップ 309)。
受信ブロック数 Nが観測区間 Tに応じたブロック数 NOB S以上になれば、 その 観測区間 Tの'間、 誤りが一つも検出されなかったことになるので、 目標 SIR制御 部 2 5の目標 SIR増減制御部 3 3は、 目標 SIR を(3)式を用いて求めてある減少 ステップ分減少する(ステップ 310)。図 1 6 ( A) は、 a = l、 Neri' = 4 と した場 合の動作説明図であり、目標 SIRは観測区間の間エラーが発生しなければ Sdec/4 だけ小さく なる。
しかる後、 目標 SIR制御部 2 5はステップ 302 に戻り、受信プロック数 Nを 0 にリセッ トする。以後、ステップ 303以降の処理が繰り返される。又、ステップ 309 において、 受信プロ ック数 Nが観測区間 NOB Sに満たない場合には、ステップ 303 に戻り以降の処理を行う。
目標 SIR制御部 25は、 ステップ 306、 310で更新した目標 SIRを比較器 2 7 に出力する。 比較器 2 7は SIR測定部 2 8で測定された測定 SIR と 目標 SIR を 比較し、 その比較結果をもとに基地局 1 0に送信する TPG コマンドを作成する。 第 3実施例によれば、 目標 SIRの減少ステップ(減少量)と して、 初期設定され た Sdecの代わり に、 最後に誤りが検出された時の誤り数 Nerrに応じた係数(= α X Nerr)で Sdecを除算したものを用いる。 このよ うにすれば、 エラーが発生する ことなく観測区間が満了した時の 1 回当たり の目標 SIR の減少量が小さく なり、 誤りが発生する レベルまで目標 SIRが減少するまでの時間が長く なるため、 誤り が発生する間隔を長くすることができ、 結果と して目標 BLERを達成することが
できる。
図 1 7は第 3実施例の変形例、図 1 8は該変形例の目標 SIR制御処理フローで、 それぞれ図 1 4、図 1 5の第 3実施例と同一部分に同一符号を付している。異なる 点は、第 3実施例において減少ステップ Sdecを除算する係数を [ a X Nei'r] と し ていたのを、誤り数 Nerrの関数 f(Nerr)と した点である(減少ステツプ計算部 36a 及ぴステップ 307a参照)。
減少ステップ Sdecを除算する係数は必ずしも誤り数 Nerrに比例した値である 必要はなく 、 誤り数に応じて重み付けされたものであっても良い。 図 1 6 ( B ) は、 変形例の動作説明図であり、 減少ステップは Sine /f(Nerr)になっている。
( E ) 第 4実施例
図 1 9 は本発明の第 4実施例の構成図で、移動局のァゥターループ電力制御部 分を詳細に示し、第 1実施例と同一部分には同一符号を付している。図 2 0は第 4 実施例の目標 SIR制御処理フロ一である。
第 1実施例では、 誤り を検出した場合、 次の誤り を検出するまでの観測区間と して初期設定されている T の代わり に、 1 TTI における誤り数 Nerr に応じた係 数(= α X Nerr)を Tに乗算した [ α X Nerr X Τ]を用いる。 一方、第 4実施例では、 誤 り を検出した場合、 次の誤り を検出するまでの観測区間と して、 初期設定されて いる T の代わり に、 1 TTI に含まれる TrBk数に応じた係数(= a TrBk数)を T に乗算した値 [ a X TrBk 数 X T]を用いる。 これは、 1 つの トランスポー トブロ ッ ク TrBk で誤り が検出される と、 TTI 内の全トランスポー トブロック TrBk に誤 りが含まれることが多いためである。
以上よ り 、第 4実施例は第 1実施例と類似しており、第 4実施例の図 1 9、図 2 0において第 1 実施例の図 1、図 2 と異なる点は、 1TTI における誤りブロ ック数 Nerrが 1 以上の場合、 目標 SIR制御部 2 5の観測区間計算部 3 4 bが次式
観測区間 = α X (TTIに含まれる TrBk数) X T (4)
によ り観測区間を更新する点である(ステップ 107b)。
目標 SIR制御部 2 5は図 2 0 に示すフローに従って目標 SIRの制御を行う。す なわち、 目標 SIR制御部 2 5は、 目標 SIRの制御開始時、 パラメータ変換テープ ル 2 6から 目標 BLERに応じたパラメータ (観測区間 T, 増加ステツプ Sine, 減
少ステップ S dec) を読み込んで内蔵の格納レジスタ 3 1 に格納すると共に、受信 ブロ ック数カウンタ 3 2の内容 (受信ブロ ック数 N ) をリセッ トする(ステップ 10 Γ, 102)。
かかる状態において、 CRC検出器 2 4は誤り訂正復号器 2 2 よ り復号結果(1以 上の ト ランスポー トブロ ック TrBk で構成されている)を受信すれば(ステップ 103)、該復号結果を トランスポー トブロ ック TrBk毎に分離して CRC誤り検出を 行レ、、 CRC 誤り検出結果を目標 SIR 制御部 2 5に入力する(ステップ 104)。目標 SIR 制御部 2 5は、 CRC 誤り検出結果を受信すれば、 TTI 毎の誤りブロック数 Nerrを判定する(ステツプ 105)。
目標 SIR制御部 2 5 の目標 SIR增減制御部 3 3は、 1 TTIにおける誤りブ口 ッ ク数 Nerrが 1以上であれば、目標 SIRを Sine分だけ増加する(ステップ 106)。又、 目標 SIR 制御部 2 5の観測区間計算部 3 4 b は(4)式によ り観測区間を更新する (ステップ 107b)。図 2 1 (A) は、 α = 1 、 TTIに含まれる TrBk数 = 4 と した場 合の動作説明図であり、 観測区間は丁から 4 X Tに延長される。
観測区間更新後、目標 SIR制御部 2 5は、ステップ 102に戻り、受信プロック数 を 0にリセッ 卜する。以後、ステップ 103以降の処理が繰り返される。
一方、ステップ 105において、 CRC検出における誤り数が 0 の場合には受信ブ ロ ック数 Nにその TTI において受信した TrBk数 NBLKを加算する(N=N+NBLK、 ステップ 108)。 ついで、 目標 SIR制御部 2 5は、 受信ブロック数 Nが観測区間に 応じたブロ ック数 NOB S以上になったかどうかを判定する(ステップ 109)。
受信プロ ック数 Nが観測区間に応じたプロック数 NOB S 以上になった場合には、 その観測区間の間、 誤りが一つも検出されなかったことになるので、 目標 SIR增 減制御部 3 3は目標 SIRを S dec分減少する (ステップ 110)。 しかる後、 目標 SIR 制御部 2 5はステップ 102 に戻り、受信プロック数 Nを 0 にリセッ トする。以後、 ステップ 103以降の処理が繰り返される。又、ステップ 109において、受信ブロッ ク数 Nが観測区間 NO B Sに満たない場合には、ステップ 103に戻り以降の処理を行 う。
目標 SIR制御部 25 は、 ステップ 106、 110で更新した目標 SIRを比較器 2 7 に出力する。 比較器 2 7は SIR測定部 2 8で測定された測定 SIR と 目標 SIR を
比較し、 その比較結果をも とに基地局 1 0 に送信する TPC コマン ドを作成する。 第 4実施例によれば、 TTI において 1以上の誤り を検出した場合、次の誤り を検 出するまでの観測区間と して Tの代わり に、 TTI に含まれる TrBk数 ( = M ) に 応じた係数(= α X M )を T に乗算したもの (= α Χ Μ Χ Τ) を用いることにより、 目標 SIR を減少させるまでに観測しなければならないブロ ック数が大きく なり、 目標 SIRを減少させるまでの時間が長く なる。 すなわち、 目標 SIRが大き くなつ ている時間が長く なる。 このため、 誤りが発生する間隔を長くすることができ、 結果と して目標 BLERを達成することができる。
図 2 2は第 4実施例の変形例、図 2 3は該変形例の目標 SIR制御処理フローで、 それぞれ図 1 9、図 2 0 の第 4実施例と同一部分に同一符号を付している。異なる 点は、第 4実施例において Tに乗算する係数を [ α X TTIに含まれる TrBk数] と していたのを、 TrBk数 ( = M ) の関数 f(M)と した点である(観測区間計算部 34c 及びステップ 107c参照)。 T に乗算する係数は必ずしも TrBk数に比例した値で ある必要はなく、 TrBk 数に応じて重み付けされたものであっても良い。 図 2 1 ( B ) は、 変形例の動作説明図であり、 観測区間は丁から f(M) X Tに延長される。 (F)第 5実施例
図 2 4は本発明の第 5実施例の構成図で、移動局のァゥターループ電力制御部 分を詳細に示し、第 2実施例と同一部分には同一符号を付している。図 2 5は第 5 実施例の目標 SIR制御処理フローである。
第 2実施例では、 誤りが検出された場合、 目標 SIRの増加ステップ(増加量)と して初期設定値 Sine の代わり に、 誤り数 Nerrに応じた係数(= α X Nerr)を Sine に乗算して得られた値 (= a X Nerr X Sinc) を用いる。 一方、第 5実施例では、 誤り を検出した場合、 目標 SIR の増加ステップと して初期設定値 Sine の代わり に、 1 TTI に含まれる TrBk数に応じた係数(= a X TrBk数)を Sine に乗算した値 [ a X TrBk数 X Sine]を用いる。 これは、 1 つの トランスポー トブロック TrBkで 誤りが検出されると、 TTI 内の全 トランスポー トプロ ック TrBk に誤りが含まれ ることが多いためである。
以上より 、第 5 実施例は第 2実施例に類似しており、第 5実施例の図 2 4、図 2 5 において第 2実施例の図 9、図 1 0 と異なる点は、 1TTI における誤りブロ ック
数 Nerr が 1以上の場合、 目標 SIR制御部 2 5の増加ステップ計算部 3 5 bが次 式
増加ステップ = α Χ (ΤΤΙに含まれる TrBk数) X Sinc (5)
によ り増加ステップを更新する点である(ステップ 206 b )0
目標 SIR制御部 2 5は図 2 5に示すフローに従って目標 SIRの制御を行う。す なわち、 目標 SIR制御部 2 5は、 目標 SIR の制御開始時、 パラメータ変換テープ ル 2 6から目標 BLERに応じたパラメータ (観測区間 T , 増加ステップ Sine, 減 少ステップ S dec) を読み込んで内蔵の格納レジスタ 3 1 に格納する と共に、受信 ブロ ッ ク数カウンタ 3 2 の内容 (受信ブロ ック数 N ) をリセッ トする(ステップ 201 , 202)。
かかる状態において、 CRC検出器 2 4は誤り訂正復号器 2 2 よ り復号結果(1以 上の トランスポー トブロ ック TrBk で構成されている)を受信すれば(ステップ 203)、該復号結果を トランスポー トプロ ック TrBk毎に分離して CRC誤り検出を 行レ、、 CRC 誤り検出結果を目標 SIR 制御部 2 5に入力する(ステップ 204)。 目標 SIR 制御部 2 5は、 CRC 誤り検出結果を受信すれば、 TTI 毎の誤りブロック数 Nerrを判定する(ステップ 205)。
目標 SIR制御部 2 5 の増加ステップ計算部 35bは、 1TTI における誤りプロ ッ ク数 Nerr が 1 以上であれば増加ステップを(5)式によ り計算し、目標 SIR增減制 御部 33 に入力する。 目標 SIR増減制御部 33 は入力された増加ステップ分目標 SIR を増加する(ステップ 206b)。図 2 6 ( A) は、 α = 1、 TTI に含まれる TrBk 数 = 4 と した場合の動作説明図であり、 目標 SIR はエラー発生によ り 4 X Sine 一気に大きく なる。
目標 SIR増加後、目標 SIR制御部 2 5は、 ステップ 202 に戻り、受信プロック 数 Nを 0にリセッ トする。以後、ステップ 2 03以降の処理が繰り返される。
—方、ステップ 2 0 5において、 CRC 検出における誤り数が 0の場合には受信 ブロック数 Nにその TTIにおいて受信した TrBk数 NBLKを加算する(N=N+NBLK、 ステップ 2 0 7 )。 次に受信ブロ ック数 Nが観測区間 Tに応じたプロック数 NOB S 以上になったかどうかを判定する(ステップ 208)。
受信ブロ ック数 Nが観測区間 Tに応じたブロ ック数 NOBS以上になれば、 その
観測区間 Tの間誤り がーつも検出されなかったことになるので、 目標 SIR制御部 2 5 の目標 SIR増減制御部 3 3は目標 SIRを Sdec分減少する(ステップ 209)。 しかる後、 目標 SIR制御部 2 5はステップ 202に戻り、受信ブロック数 Nを 0に リセッ トする。以後、ステップ 203以降の処理が繰り返される。又、ステップ 208に おいて、受信プロック数 Nが観測区間 NOBSに満たない場合には、ステップ 203に 戻り以降の処理を行う。
目標 SIR制御部 25は、 ステツプ 206b、 209で更新した目標 SIRを比較器 2 7 に出力する。 比較器 2 7は SIR測定部 2 8で測定された測定 SIR と 目標 SIR を 比較し、 その比較結果をもとに基地局 1 0に送信する TPCコマン ドを作成する。 以上、第 5実施例によれば、誤り を検出した場合、 目標 SIRの增加ステップと し て Sineの代わり に、 1 TTIに含まれる TrBk数に応じた係数(= a X TrBk数)を Sine に乗算した値(= α X TrBk 数 X Sine)を用いることにより、 従来よ り も大きなステ ップで目標 SIRの増加が行われるため、誤りが発生する レベルまで目標 SIRが減 少するのに要する時間が長く なるため、 誤りが発生する間隔を長くすることがで き、 結果と して目標 BLERを達成することができる。
図 2 7は第 5実施例の変形例、図 2 8は該変形例の目標 SIR制御処理フローで、 それぞれ図 2 4、図 2 5の第 5実施例と同一部分に同一符号を付している。異なる 点は、第 5実施例において增加ステップ Sineに乗算する係数を [ α Χ ΤΤΙ に含ま れる TrBk数 ( = M ) ] と していたのを、 TrBk数 ( = M ) の関数 f(M)と した点で ある(増加ステップ計算部 35c及ぴステップ 206c参照)。
増加ステップ S incに乗算する係数は必ずしも TrB k数に比例した値である必要 はなく 、 TrBk数に応じて重み付けされたものであっても良い。 図 2 6 ( B ) は、 変形例の動作説明図であり 、 増加ステップは f(M) x Sincになっている。
(G)第 6実施例
図 2 9は本発明の第 6実施例の構成図で、移動局のァウタ一ループ電力制御部 分を詳細に示し、第 3実施例と同一部分には同一符号を付している。図 3 0は第 6 実施例の目標 SIR制御処理フローである。
第 3実施例では、 観測区間の間、 一つも誤り を検出しなかった場合の目標 SIR の減少ステツプ(減少量)と して初期設定されている Sdecの代わり に、最後に誤り
が検出された際の誤り数 Nerrに応じた係数 (= a X Nerr) で S decを除算した値 Sdec/ ( a X Nerr ) を用いる。 一方、第 6実施例では、 誤りを検出した場合、 目 標 SIR の減少ステップと して初期設定値 Sdec の代わり に、 1 TTI に含まれる TrBk数に応じた係数(= a X TrBk数)で S de cを除算した値 Sdec/ ( a X TrBk数) を用いる。 これは、 1つの ト ランスポー 卜ブロック TrBkで誤りが検出されると、 TTI 内の全 トランスポー トブロ ック TrBk に誤りが含まれることが多いためであ る。
以上よ り 、第 6 実施例は第 3実施例に類似しており、第 6 実施例の図 2 9、図 3 0において第 3実施例の図 1 4、図 1 5 と異なる点は、 1TTI における誤りブロッ ク数 Nerrが 1以上の場合、 減少ステツプ計算部 3 6 bが次式
減少ステップ= 8(160/ ( 0; X TTI に含まれる TrBk数) (6)
によ り減少ステップを更新する点である(ステップ 307b)。
目標 SIR制御部 2 5は図 3 0に示すフローに従って目標 SIRの制御を行う。す なわち、 目標 SIR制御部 2 5は、 目標 SIRの制御開始時、 パラメータ変換テープ ル 2 6 から 目標 BLERに応じたパラメータ (観測区間 T , 增加ステップ Sine , 減 少ステップ Sdec) を読み込んで内蔵の格納レジスタ 3 1 に格納すると共に、受信 ブロ ッ ク数カウンタ 3 2の内容 (受信ブロ ック数 N ) をリセッ トする(ステップ 301 , 302)0
かかる状態において、 CRC検出器 2 4は誤り訂正復号器 2 2 よ り復号結果(1以 上の ト ラ ンスポ一 トブロ ック TrBk で構成されている)を受信すれば(ステップ 303)、該復号結果を 卜ランスポー 卜プロ ック TrBk毎に分離して CRC誤り検出を 行い、 CRC 誤り検出結果を目標 SIR 制御部 2 5に入力する(ステップ 304)。目標 SIR 制御部 2 5 は、 GRC 誤り検出結果を受信すれば、 TTI 毎の誤りプロック数 Nerrを判定する(ステツプ 305)。
目標 SIR制御部 2 5の目標 SIR増減制御部 3 3は、 1 TTIにおける誤りプロ ック数 Nerrが 1以上であれば、目標 SIRを Sine分だけ増加する(ステツプ 306)。 又、目標 SIR制御部 2 5 の減少ステップ計算部 3 6 b は(6)式によ り減少ステップ を更新する(ステップ 307b)。
減少ステップ更新後、目標 SIR制御部 2 5は、ステップ 302に戻り、受信プロ V
ク数 Nを 0にリセッ 卜する。以後、ステップ 303以降の処理が繰り返される。
—方、ステップ 305において、 1 TTIにおける誤り数 Nerrが 0の場合には受信 ブロ ッ ク数 Nにその TTI において受信した TrBk 数 ( = NBLK ) を加算する (N=N+NBLK、 ステップ 308)。 次に受信ブロ ック数 Nが観測区間 Tに応じたプロ ック数 NOBS以上になったかどうかを判定する(ステップ 309)。
受信ブロ ック数 Nが観測区間 Tに応じたブロック数 NOBS以上になれば、 その 観測区間 Tの間、 誤りが一つも検出されなかったことになるので、 目標 SIR制御 部 2 5 の目標 SIR増減制御部 3 3は、 目標 SIR を(6)式を用いて求まつている減 少ステップ分減少する(ステップ 310)。図 3 1 (A) は、 α = 1、 TTI に含まれる TrBk数 = 4 と した場合の動作説明図であり、 目標 SIR は観測区間の間エラーが 発生しなければ Sdec/4だけ小さ く なる。
しかる後、 目標 SIR制御部 2 5はステップ 302に戻り、受信プロック数 Nを 0 にリセッ トする。以後、ステップ 303以降の処理が繰り返される。又、ステップ 309 において、 受信プロ ック数 Nが観測区間 NOBSに満たない場合には、ステップ 303 に戻り以降の処理を行う。
目標 SIR制御部 25は、 ステップ 306、 310で更新した目標 SIRを比較器 2 7 に出力する。 比較器 2 7は SIR測定部 2 8で測定された測定 SIR と 目標 SIR を 比較し、 その比較結果をもとに基地局 1 0に送信する TPC コマン ドを作成する。 第 6実施例によれば、目標 SIRの減少ステップと して Sdecの代わり に、最後に 誤り が検出された時の TTI に含まれる TrBk 数に応じた係数(= a X TrBk 数)で Sdecを除算したものを用いることにより、観測区間が満了した時の 1回当たりの 目標 SIR の減少量が小さく なり 、誤りが発生する レベルまで目標 SIRが減少する までの時間が長く なる。 このため、 誤りが発生する間隔を長くすることができ、 結果と して目標 BLERを達成することができる。
図 3 2は第 6実施例の変形例、図 3 3は該変形例の目標 SIR制御処理フローで、 それぞれ図 2 9、図 3 0 の第 6実施例と同一部分に同一符号を付している。異なる 点は、第 6実施例において減少ステップ Sdec を除算する係数を [ a X TrBk 数] と していたのを、 変形例では 1 TTI に含まれる TrBk数 ( = M ) の関数 f(M)と し た点である(減少ステップ計算部 36cおよびステップ 307 c参照)。
減少ステップ Sdecを除算する係数は必ずしも TrBk数に比例した値である必要 はなく 、 TrBk数に応じて重み付けされたものであっても良い。 図 3 1 ( B ) は、 変形例の動作説明図であり 、 減少ステップは Sdec/ f(M)になっている。
(H)第 7実施例
第 1〜第 6 実施例を組み合せて目標 SIR を制御することができる。第 7実施例 では、誤り数 Nerrに基いて観測区間および目標 SIRの増加ステツプ Sineの両方 に補正を加えて目標 SIRを制御する。図 3 4はかかる第 7実施例の構成図であり、 移動局のアウターループ電力制御部分を詳細に示し、第 1 実施例と同一部分には 同一符号を付している。図 3 5は第 7実施例の目標 SIR制御処理フローである。 第 7実施例では誤り を検出した場合、 次の誤り を検出するまでの観測区間と し て初期設定されている Tの代わり に、 誤り数 Nerrに応じた係数(= γ X Nei'r)を T に乗算した [ y X Nerr X T]を用い、又、 目標 SIRの増加ステップと して Sine の代 わり に、 誤り数に応じた係数(= ]3 X Nerr)を Sineに乗算した β X Nerr X Sineを用 レヽる。
目標 SIR制御部 2 5は図 3 5に示すフローに従って目標 SIRの制御を行う。す なわち、 目標 SIR制御部 2 5は、 目標 SIRの制御開始時、 パラメータ変換テープ ル 2 6から 目標 BLERに応じたパラメータ (観測区間 T, 増加ステップ Sine, 減 少ステップ Sdec) を読み込んで内蔵の格納レジスタ 3 1 に格納する と共に、受信 ブロ ック数カウンタ 3 2の内容 (受信ブロ ック数 N ) をリセッ トする(ステップ 401 , 402)。
かかる状態において、 CRC検出器 2 4は誤り訂正復号器 2 2 よ り復号結果(1以 上の ト ラ ンスポー トブロ ック TrBk で構成されている)を受信すれば(ステップ 403)、該復号結果を トランスポー トブロ ック TrBk毎に分離して CRC誤り検出を 行レ、、 CRC 誤り検出結果を目標 SIR 制御部 2 5に入力する(ステップ 404)。目標 SIR 制御部 2 5は、 CRC 誤り検出結果を受信すれば、 TTI 毎の誤りプロ ック数 Nerrを判定する(ステップ 405)。
1TTI における誤り ブロ ック数 Nerrが 1以上であれば、 目標 SIR制御部 2 5の 増加ステップ計算部 35は、 増加ステップを次式
増加ステップ = X Nei'r X S inc (7)
によ り計算し、目標 SIR増減制御部 33に入力する。 目標 SIR増減制御部 33 は入 力された增加ステップ分、 目標 SIRを增加する(ステップ 406)。
ついで、 目標 SIR制御部 2 5 の観測区間計算部 3 4は次式
観測区間 = γ X Nerr X T (8)
によ り観測区間を更新する(ステップ 407)。図 3 6は、 i3 = y =l/2, Nerr = 4 と し た場合の動作説明図であり、 増加ステップは 2 X Sinc となり、 観測区間は 2 X T になる。
観測区間更新後、目標 SIR制御部 2 5は、ステツプ 402に戻り、受信プロック数 Nを 0にリセッ 卜する。以後、ステップ 403以降の処理が繰り返される。
一方、ステップ 405において、 CRC検出における誤り数が 0の場合には受信ブ ロ ック数 Nにその TTI において受信した TrBk数 NBLKを加算する(N=N+NBLK、 ステップ 408)。 ついで、 目標 SIR制御部 2 5は、 受信ブロ ック数 Nが観測区間に 応じたブロ ック数 NOBS以上になったかどうかを判定する(ステップ 409)。
受信プロ ック数 Nが観測区間に応じたプロ ック数 NOBS 以上になった場合には、 その観測区間の間、 誤りがーつも検出されなかったことになるので、 目標 SIR增 減制御部 3 3は目標 SIRを Sdec分減少する (ステップ 410)。 しかる後、 目標 SIR 制御部 2 5はステップ 402 に戻り、受信プロック数 Nを 0 にリセッ 卜する。以後、 ステップ 403以降の処理が繰り返される。又、ステップ 409において、受信ブロッ ク数 Nが観測区間 NOBSに満たない場合には、ステップ 403に戻り以降の処理を行 う
目標 SIR制御部 25は、 ステップ 406、 410で更新した目標 SIRを比較器 2 7 に出力する。 比較器 2 7は SIR測定部 2 8で測定された測定 SIR と 目標 SIR を 比較し、 その比較結果をもとに基地局 1 0に送信する TPCコマン ドを作成する。 以上、 第 7実施例によれば、第 1実施例、及び第 2実施例における効果と同様の 作用効果を奏することができ、 TTI において複数の誤りが発生しても目標 BLER を達成できるよ う になる。
なお、第 7実施例では、誤り数 Nerrに基いて観測区間および目標 SIRの増加ス テツプ Sineの両方に補正を加えて目標 SIRを制御したが、 誤りプロック数 Nerr あるいは誤り検出用プロ ック数 NBLK に基いて、 ブロック誤り の観測区間、 目標
IRを増加させる時の増加ステップ、 目標 SIRを減少させる時の減少ステップの うち少なく とも 2つを可変制御するよ うに構成することができる。