JP4785899B2 - 送信電力制御方法 - Google Patents
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Description
このような干渉ユーザ数の変化やマルチパスフェージングによる瞬時値変動に追従するために、受信側で信号対干渉電力比(SIR)を測定し、その測定SIRと目標SIRを比較することにより、受信側のSIRが目標SIRに近づくように制御するインナーループ送信電力制御(inner-loop Transmission Power Control)が行われる。
図9はインナーループ送信電力制御の説明図であり、1チャネル分のみ示している。基地局1の拡散変調部1aは指定されたチャネルに応じた拡散コードを用いて送信データを拡散変調し、電力増幅器1bは、拡散変調後に直交変調、周波数変換などの処理を施されて入力した信号を増幅してアンテナより移動局2に向けて送信する。移動局の受信部の逆拡散部2aは受信信号に逆拡散処理を施し、復調部2bは受信データを復調する。SIR測定部2cは受信信号と干渉信号との電力比を測定する。比較部2dは目標SIRと測定SIRを比較し、測定SIRが目標SIRより大きければTPC(Transmission Power Control)ビットで送信電力を下げるコマンドを作成し、測定SIRが目標SIRより小さければTPCビットで送信電力をあげるコマンドを作成する。目標SIRは例えば、10-3(1000回に1回の割合でエラー発生)を得るために必要なSIR値であり、目標SIR設定部2eより比較部2dに入力される。拡散変調部2fは送信データ及びTPCビットを拡散変調する。拡散変調後、移動局2はDA変換、直交変調、周波数変換、電力増幅などの処理を施してアンテナより基地局1に向けて送信する。基地局側の逆拡散部1cは、移動局2から受信した信号に逆拡散処理を施し、復調部1dは受信データ、TPCビットを復調し、該TPCビットで指示されたコマンドにしたがって電力増幅器1の送信電力を制御する。
ところで、通信中の移動速度の変化や移動による伝搬環境の変化により、所望の品質(ブロックエラーレート=BLER:Block Error Rate)を得るために必要なSIRは一定ではない。なお、BLERとは一定期間におけるトランスポートブロック(TrBk)の総数とCRCエラーとなったTrBk数の比率である。
これらの変化に対応するために、BLERを観測し、観測値が目標BLERよりも悪ければ目標SIRを増加させ、良ければ目標SIRを減少させる制御が行われる。このように所望品質を実現するために目標SIRを適応的に変更する制御は、アウターループ送信電力制御(outer-loop TPC)として周知である。
現在標準化が行われているW-CDMAでは送信側において図12に示すように符号化を行っている。すなわち、単位伝送時間(Transmission Time Interval:TTI)内にトランスポートブロックTrBkが複数個(N個)存在すれば、送信側のCRC付加回路はトランスポートブロックTrBk毎にCRC(Cyclic Redundancy Code)誤り検出符号を生成して送信データに付加し、符号器はN個のCRC付きのトランスポートブロックTrBkを結合して畳み込み符号やターボ符号などの誤り訂正符号により符号化する。受信側では、誤り訂正復号器4aが受信データに誤り訂正復号化処理を施して復号結果をCRC検出器4bに入力する。CRC検出器4bは、復号結果を構成するトランスポートブロックTrBk毎にCRC誤り検出を行って誤り検出結果を目標SIR制御部4cに入力する。
(1−BLERquality)Tmax×Sdec=(1−(1−BLERquality)Tmax )×Sinc (1)
を満たすように、Sinc,Sdec,Tmax値を決定する。なお、(1−BLERquality)Tmaxは、Tmax回連続でCRCチェックが正しい確率を示し、(1−(1−BLERquality)Tmax )は、Tmax回のうちにCRCチェックの誤りが一つでもある確率を示す。
Tmax = log(1/(1+(Sdec/Sinc))) / log(1−BLERquality ) (2)
が成り立つ。
BLERquality値は0<BLERquality<1であり、式(2)より、右辺の分子は常に負の値であり、右辺の分母も常に負の値となるため、BLERの所要品質が高品質、つまり、BLERquality値が小さいほどTmax値が大きくなる。例えば、Sinc=0.1dB、Sdec=-0.3dBと仮定した場合、BLERquality=5×10-2の時はTmax=270となり、BLERquality=5×10-5の時はTmax=277224となり、BLERの所要品質が高品質ほどTmax値が大きくなる。
目標SIRの初期値は全ベアラ(全サービス)共通で、図13に示すように収束ポイント(収束目標SIR)よりも確実に上になるポイントを初期目標SIRとして設定しておき、呼接続後、受信信号のCRC結果が出た時点で、その結果に基づいて更新を行なう。すなわち、CRCチェック毎に誤りが検出されなければ初期目標SIRから始めて目標SIRを所定値づつ減少し、誤りが検出された時、以後、サービスに応じた目標SIR更新周期Tでエラーレートを測定し、該測定エラーレートと所要エラーレートを比較して目標SIRを更新する。例えば、TTI=10ms(Transmission Time Interval)のTrCHの場合、10ms毎にCRC結果が分かり、目標SIR更新周期は10msとなる。更新幅は早めにCRC NGを検出するように大き目の例えば通常の10倍程度の値である−1dB程度の値にする。以上の目標SIR初期値からCRC NG検出するまでのOuter Loop電力制御を初期状態と呼ぶ。
拡散した受信シンボルデータのうち、自局のDPCH(Dedicated Physical Cannel)の電力が希望波電力であり、DPCH_RSCP(RSCP:Received Signal Code Power(dBm))と定義する。また自局のDPCHと直交しない他局の共通パイロットチャネル(CPICH:Common Pilot Channel)及び他局のDPCH#RSCPなどの干渉波をISCP(ISCP:Interference Signal Code Power(dBm))と定義する。さらに、自局/他局の共通パイロットチャネル(CPICH)及び個別物理チャネル(DPCH)を逆拡散して得られるすべての受信信号に対するトータルの電力(総受信電力という)をRSSI(Received Signal Strength Indicator)と定義する。
測定SIRは次式
SIR=(DPCH_RSCP−ISCP)×SF(dB) (3)
により計算する。ここで、SFはSpreading Factor:コードの拡散率のことであり4〜512の値である。尚、(3)式は対数表現であるから、
SIR=(DPCH_RSCP/ISCP)×SF(dB) (3)′
と表現することもできる。
Tslot=10×2k bits (k=0,1,2…,7) (4)
また、拡散率SFとkとは以下の関係になる。
SF=512/2k (5)
単位時間10ms当りに高ビットレートで信号を受信する場合には(kは大)、1ビット当りのチップ数が少なくなり、拡散率SFが小さくなり、逆に低いビットレートで信号を受信する場合は、1ビットあたりのチップ数が多くなり拡散率SFが大きくなる。
この測定SIR値と目標SIR値とを比較し、測定SIRが目標SIRより高い場合は、移動局から基地局へのDPCCHの所定位置(TPCビット)に送信電力を下げる旨の送信電力制御情報を挿入、逆に、測定SIRが目標SIRより低い場合は送信電力を上げる旨の送信電力制御情報を挿入し、下り方向の送信電力制御を行なう。
送信電力制御では、受信信号のSIRを正しく測定する必要がある。このため、パス毎の干渉電力に重み付けを行うことによって、精度良く干渉波電力を測定して高精度なSIR測定を行う技術(特許文献1)が提案されている。
また、伝搬環境の変動に応じて目標値の更新量を適応的に変化させ、これにより伝搬環境の変動の大きさにかかわらず受信品質を所望の品質に保つ技術(特許文献2)が提案されている。
また、ダウンリンク送信電力制御が行われたときに、送信電力開始後収束するまでの時間を短くする技術(特許文献3)が提案されている。
式(3)の演算で使用するDPCH_RSCP値は自局受信信号DPCH Pilotビット部分の電力値であり、ISCP値は他局などの干渉電力値を示す。他局干渉が少なくISCP値が比較的低い伝播環境を考えると、SIR測定値はDPCH#RSCP値が支配的になる。
図15はDownlink DPCHのスロットフォーマット説明図表であり、スロットフォーマット番号で特定されるスロットフォーマット毎に、拡散率SFとスロットあたりのData,TPC,TFCI,Pilot bit数、Pilot bit数の占める割合の関係を示している。拡散率SFが小さいほど1スロット中に占めるPilot bitの比率が小さくなり、例えば、SF=32を境にそれまでPilot比率が10〜40%だったものが、SF=32以下になると5%以下になる。
例えば、1スロットの電力をPslotとおくと、SF=512の場合Pilot比率が40%なので、Pilot bit電力は0.4×Pslotとなるが、SF=4の場合Pilot比率が1.25%なので0.0125×Pslotとなる。
この場合、SF=4のPilot bit電力は、SF=512に比べて10log10(0.0125×Pt)−10log10(0.4×Pt) = −15dBの差分が生じる。
測定期間をTとおき、その期間での所要BLERをBLERquality、測定期間Tでの+側更新値総計をSinc_total、−側更新値総計をSdec_totalとおくと、Sinc,Sdecはそれぞれ1回あたりの更新量、(1−BLERquality)Tは期間Tの間にCRC NGが全く出ない確率、1−(1−BLERquality)Tは期間Tの間に1回以上CRC NGが出る確率であるから、(6)式が成り立つ。(−側更新値のSdecは実際の下げ幅の絶対値を表す。例えば、−0.1dBの場合はSdec=|−0.1|=0.1となる。)
Sdec_total/Sinc_total
= [((1−BLERquality)T)×Sdec]/[((1−(1−BLERquality)T))×Sinc] (6)
測定期間TにおいてBLER測定値を所要BLER(=BLERquality)に一致させる制御を行ない、BLERqualityは0<BLERquality<1の値をとる。このため、(6)式の(1−BLERquality)Tのベキ乗の中身は1より小さい値となるため、Tが大きくなるほど(1−BLERquality)Tは小さくなる。
よって、Tが大きいとSdec_total/Sinc_total値は小さくなり、逆にTが小さいとSdec_total/Sinc_total値は大きくなる。すなわち、パイロットビットに割り当てる電力が小さくなってSIRの分散が発生すると、Tが小さいほどSdec_totalが大きくなる。
以上より、SIR測定誤差による分散(SIR分散)が多くなると、downkinkパワー(送信電力)が大きくなりすぎて過剰品質になる問題がある。この傾向は、(6)式より、BLERquality値が小さいベアラ(サービス)、つまり、高品質なベアラ(サービス)ほど顕著になる。……第1の問題点
呼接続直後、ユーザが通信を行なうために移動局と基地局間で必要な制御データの送受が頻繁に行なわれる。具体的には、呼接続を行なう旨の制御情報がDCCH(Dedicated Control Channel)にて基地局側から移動局側に送信される。このDCCHは呼接続のための情報量にもよるが複数TTI(TTI=40ms)に渡る。
環境変化が激しく、まれにシャドーウィング状態などで測定SIRが低下し、測定BLERが急激に劣化する状態が発生する環境下で通信を行なった場合を考察する。図16(A)示すようにビルBLにより電波が遮断されたシャドーウィング状態では、目標SIRが急激に大きくなり、ビルを通過すると理想的には目標SIRが急激に小さくなる。しかし、実際には、目標SIRは定常時、更新期間T毎に更新されるため、Tが短い低品質ベアラ(サービス)では比較的短時間で目標SIRが小さくなるが、Tが長い高品質サービスでは図16(B)の斜線で示すように目標SIRが小さくなるのに長時間を要し、この間、過剰にdownlink電力(送信電力)の要求を行なう問題がある。……第3の問題点
DPCCH Pilotビット数比率が小さい場合、その測定誤差のためにSIR測定値に誤差(分散)が生じる(第1の問題点)。第1実施例はこれを防止するために、Pilotビット数比率が小さい時、SIR演算方法において(3)式のISCP値を使用せず、次式のRSSI値を使用する。すなわち、次式
SIR=(DPCH_RSCP−RSSI)×SF (dB) (7)
に基づいて測定SIRを算出する。RSSI値は、自局/他局のCPICH(共通パイロットチャネル)及びDPCH(個別物理チャネル)を逆拡散して得られるすべての受信信号に対するトータルの電力(総受信電力)である。
RSSI値と(3)式のISCP値を比較すると、RSSI値はCPICH電力、DPCH_RSCP、干渉電力が重畳されたトータルの電力となるため、ある一因子の値の変動が大きくても変動量が少ない。たとえば、パイロットビットに割り当てた電力が小さくなってDPCH_RSCPの測定誤差が発生してもRSSI値の変動はわずかである。また、RSSI値が(7)式において分母となっているため、(3)式と比較して分母の絶対値が大きくなり、DPCH_RSCPの変動が大きくてもSIR値の変動は小さくなる。
なお、(3)式を採用する理由は、(3)式の方が(7)式に比べてDPCH_RSCP、ISCPの変化に対して敏感であり、これらの値の誤差が小さければ(3)式により正確にSIRを測定できるからである。
移動局の無線部11は基地局からの信号を受信し、周波数変換、直交復調してべースバンド信号にして逆拡散部12に入力する。逆拡散部12は受信信号に逆拡散処理を施して拡散を解き、シンボルデータにする。すなわち、逆拡散部12は、CPICH、DPCHに対して基地局毎に違うスクランブリングコード(Scrambling Code)とユーザ毎に違うチャネライゼーションコード(Channelization Code)を用いて逆拡散してI/Q複素シンボルデータを出力する。逆拡散する受信データは自局/他局のCPICH、自局のDPCHである。同期検波部13は、逆拡散されたシンボルデータより各スロットにおけるData,TPC,TFCI,Pilotを抽出するとともに、各スロット内でのパイロットシンボルの平均化処理及び複素乗算による電力値演算を行ないCPICH_RSCP値、DPCH_RSCP値及びISCP値を算出してSIR測定部14に入力する。
CRC検出器22は、復号結果を構成するトランスポートブロックTrBk毎にCRC誤り検出を行って誤り検出結果をBLER測定部23に入力する。BLER測定部23は、所定時間T内におけるエラーレート(測定BLER=誤りブロック数/総ブロック数)を測定して目標SIR更新制御部24に入力する。
アウター制御により、目標SIRが更新されれば、比較部16は更新後の目標SIR(=SIRTGT)と測定SIRを比較し、その大小に基づいてTPCビット作成部17はTPCビットを作成する。
以上により、第1実施例によれば、第1、第2の測定SIR算出法を用意し、パイロットビットに割り当てる電力が小さくなって第1測定SIR算出法におけるSIRの測定誤差が大きくなる場合には、第2の測定SIR算出法を用いて測定誤差を小さくしたから、基地局からの下り送信電力が過剰に供給されるのを防止することができる。
なお、以上では拡散率SFの大小に基づいて(3)、(7)式に従って測定SIRを算出しているが、パイロットビットに割り当てる電力の大小に基づいて(3)、(7)式に従って測定SIRを算出するように構成することができる。
従来技術(図13参照)では、呼接続時に初期状態で必ずCRC NGを検出するまで目標SIRの更新制御を行なうため、初期状態時に制御データ(DPCCH制御データ)を取りこぼす可能性が高くなる。そこで、第2実施例では図3に示すように、予めSIR収束点を実験データにて取得しておき、個別制御チャネルDPCCHを正しく復号できる値(=Lc)より大き目に目標SIRの初期値を設定し、ベアラ(サービス)に応じた目標SIR更新周期(=T)でエラーレートを測定し、該測定エラーレートと所要エラーレートを比較して目標SIRを更新する。このように、呼接続時に最初から更新周期が長い緩やかな制御を行なうことにより(初期状態制御を行なわない)、呼接続時にCRC NGを検出することはなくなり、DCCH制御データ受信精度が向上する。
そこで、第2実施例では、低品質なベアラに関しては従来の初期状態をなくして更新周期が緩やかな定常状態からアウターループ制御を行ない(図3)、高品質なベアラに関しては従来どおりの初期状態から定常状態に移行する制御を行なう(図13)。
制御の概略は、呼接続後のアウターループ制御開始時における状態フラグ初期値をオフとし(ステップ101)、アウターループ制御中、定期的にステップ102以降の処理を実行し、呼切断(ステップ106)などを契機に処理からブレークする。以下、詳細に説明する。
目標SIR更新制御部24は、アウターループ制御開始が指示されると、状態フラグがオフかチェックする(ステップ102)。初期時、状態フラグ=オフであるから、次に、所要品質が高いか、あるいは、高品質サービスであるかチェックする(ステップ103)。所要品質が高品質であれば、図13に従った目標SIRの制御を実行し、所要品質が低品質であれば、図3に従った目標SIRの制御を実行する。
そして、ステップ105においてCRCNGが発生すれば、初期状態制御を終了し、状態フラグをオンする(ステップ107)。ついで、呼が切断したかチェックし(ステップ106)、呼切断してなければ、ステップ102に戻る。今度は、状態フラグがオンしている、以後、定常状態制御により目標SIRを制御する(ステップ108)。ついで、呼が切断したかチェックし(ステップ106)、呼が切断してなければ、ステップ102→ステップ108により目標SIRの定常状態制御を継続する。
ステップ106により呼が切断すれば、目標SIRの更新制御を終了し、次の呼接続の発生を待つ。
要約すれば、第2実施例は、所要品質の高低分別により、高品質と判断された場合、従来通り初期状態から制御を開始する。また、低品質と判断された場合は、従来の技術とは異なり定常状態から制御を開始する。
第2実施例によれば、図3に従って目標SIRの制御をすることにより低品質サービス呼について、呼接続後のDPCH制御データの取りこぼしをなくせ、かつ、図13に示す目標SIRの制御をすることにより高品質サービス呼について、下り過剰送信電力を小さくできる。すなわち、送信電力を過剰に要求するのを防止することができる。
第3実施例は、測定BLERに基づいて品質を常に監視し、下り電力過剰要求を検知したら再度初期状態に遷移させて急速にSIR収束点まで落とす制御を行なって下り送信電力が過剰になるのを、すなわち、下り送信電力の過剰要求を防止する。具体的には、高品質ベアラ通信中に、シャドーイングを抜けたことを速やかに検知して目標SIRを低下させる。
まず一定期間のBLER測定を行い、品質劣化が連続しているかどうかを判断する(ステップ201)。すなわち、シャドーウィング環境に入ったか監視する。
信号受信時、常にある一定区間のBLERを測定し、その間での測定BLERが所定の条件にあてはまったら品質劣化していると判断する。例えば、高品質ベアラであるUDIに適用するものとすれば、一定区間値を1秒間、CRC NG数カウントを50 TrBkとする。
UDIはTTI=40msで1TTIに4TrBk存在するので、50TrBkでCRC NGがある場合の1秒間でのBLERは(50/((1000ms/40ms)×4))×100=50%となる。このようなBLERは通常使用時は発生しないが、急激なシャドーウィング環境に入った場合に発生する可能性があり、その際、目標SIRの急激な+側更新を行い、基地局からの下り電力が増大する。
一方、品質劣化が連続して発生すれば、次に高品質が連続して発生しているかどうかを判断する(ステップ202)。すなわち、シャドーイングから抜けたか監視する。ステップ201で品質劣化が判断された後、同様に一定区間BLERを測定し、受信信号がその間全てCRC OKならば高品質が連続していると判断する。
ステップ201で連続品質劣化を検知し、ついで、ステップ202において、連続高品質を検知したら初期状態に遷移させ、図13に示す目標SIRの更新制御を行って急激に目標SIRを低下させる(ステップ203)。
図8(A)に従来技術による目標SIRの変動例を示し、図8(B)に第3実施例による目標SIRの変動例を示す。(A),(B)において点線は理想的な目標SIRを示し、実線は従来技術による実際の目標SIR(図8(A))及び第3実施例による実際の目標SIR(図8(B))を示す。
図8(B)において、(A)と同一環境変化により、目標SIRが急激に上昇し、目標SIRは大きくなる。しかし、図7の制御で初期状態遷移が行なわれ、目標SIRが急激に−側に更新され、結果的に下り方向パワーが急激に減少する。(A),(B)を比べると、第3実施例によれば、下り過剰送信電力を従来技術に比べて小さくできる。すなわち、下り過剰電力要求を小さくできる。
12 逆拡散部
13 同期検波部
14 SIR測定部
15 上位レイヤアプリケーション部
16 比較部
17 TPCビット生成部
18 拡散変調部
19 符号部
20 無線部
21 復号部
22 CRC検出器
23 BLER測定部
24 目標SIR更新制御部
Claims (2)
- 測定受信品質が目標受信品質と一致するように送信側の送信電力を制御する無線通信システムの送信電力制御方法において、
パイロット信号への割当て電力が大きい時、受信パイロット信号の電力とその干渉信号の電力との比に該拡散率を乗算して得られる値に基づいて受信品質を測定し、
パイロット信号への割当て電力が小さい時、受信パイロット信号の電力と総受信電力との比に該拡散率を乗算して得られる値に基づいて受信品質を測定し、
測定受信品質が目標受信品質と一致するように送信側に送信電力制御信号を送出する、
ことを特徴とする送信電力制御方法。 - 測定受信品質が目標受信品質と一致するように送信側の送信電力を制御する無線通信システムの送信電力制御方法において、
受信信号の拡散率が大きい時、受信パイロット信号の電力と干渉信号の電力との比に該拡散率を乗算して得られる値に基づいて受信品質を測定し、
受信信号の拡散率が小さい時、受信パイロット信号の電力と総受信電力との比に該拡散率を乗算して得られる値に基づいて受信品質を測定し、
測定受信品質が目標受信品質と一致するように送信側に送信電力制御信号を送出する、
ことを特徴とする送信電力制御方法。
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