JP4226004B2 - 送信電力制御方法及び装置 - Google Patents
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Description
このような干渉ユーザ数の変化やマルチパスフェージングによる瞬時値変動に追従するために、受信側で信号対干渉電力比(SIR)を測定し、その測定SIRと目標SIRを比較することにより、受信側のSIRが目標SIRに近づくように制御するインナーループ送信電力制御(inner−loop Transmission Power Control)が行われる。
・インナーループ送信電力制御
図19はインナーループ送信電力制御の説明図であり、1チャネル分のみ示している。基地局1の拡散変調部1aは指定されたチャネルに応じた拡散コードを用いて送信データを拡散変調し、電力増幅器1bは、拡散変調後に直交変調、周波数変換などの処理を施されて入力した信号を増幅してアンテナより移動局2に向けて送信する。移動局の受信部の逆拡散部2aは受信信号に逆拡散処理を施し、復調部2bは受信データを復調する。SIR測定部2cは受信信号と干渉信号との電力比を測定する。比較部2dは目標SIRと測定SIRを比較し、測定SIRが目標SIRより大きければTPC(Transmission Power Control)ビットで送信電力を下げるコマンドを作成し、測定SIRが目標SIRより小さければTPCビットで送信電力をあげるコマンドを作成する。目標SIRは例えば、10−3(1000回に1回の割合でエラー発生)を得るために必要なSIR値であり、目標SIR設定部2eより比較部2dに入力される。拡散変調部2fは送信データ及びTPCビットを拡散変調する。拡散変調後、移動局2はDA変換、直交変調、周波数変換、電力増幅などの処理を施してアンテナより基地局1に向けて送信する。基地局側の逆拡散部1cは、移動局2から受信した信号に逆拡散処理を施し、復調部1dは受信データ、TPCビットを復調し、該TPCビットで指示されたコマンドにしたがって電力増幅器1の送信電力を制御する。
図20は3rdGeneration Partnership Project(以下3GPPと称す)で標準化されている上りリンク(uplink)の個別物理チャネルDPCH(Dedicated Physical Channel)フレームの構成図で、送信データのみが送信されるDPDCHチャネル(Dedicated Physical Data Channel)と、Pilotや図19で説明したTPCビット情報等の制御データが多重されて送信されるDPCCHチャネル(Dedicated Physical Control Channel)を有し、それぞれ直交符号により拡散されたあと、実数軸および虚数軸にマッピングされて多重される。上りリンクの1フレームは10msecで、15スロット(slot#0〜slot#14)で構成されている。DPDCHチャネルはQPSK変調の直交するIチャンネルにマッピングされ、DPCCHチャネルはQPSK変調の直交するQチャンネルにマッピングされる。DPDCHチャネルの各スロットはnビットで構成され、nはシンボル速度に応じて変化する。制御データを送信するDPCCHチャネルの各スロットは10ビットで構成され、シンボル速度は15ksps一定であり、パイロットPILOT、送信電力制御データTPC、トランスポート・フォーマット・コンビネーション・インジケータTFCI、フィードバック情報FBIを送信する。
・アウターループ送信電力制御
ところで、通信中の移動速度の変化や移動による伝搬環境の変化により、所望の品質(ブロックエラーレート=BLER:Block Error Rate)を得るために必要なSIRは一定ではない。なお、BLERとは一定期間におけるトランスポートブロック(TrBk)の総数とCRCエラーとなったTrBk数の比率である。
これらの変化に対応するために、BLERを観測し、観測値が目標BLERよりも悪ければ目標SIRを増加させ、良ければ目標SIRを減少させる制御が行われる。このように所望品質を実現するために目標SIRを適応的に変更する制御は、アウターループ送信電力制御(outer−loop TPC)として周知である。
図21は周知のアウターループ制御のブロック図である。この方式では、基地局3から送信された信号は復調器4aで復調されたあと、誤り訂正復号器4bで復号される。そのあとCRC検出器4cにおいて、トランスポートブロックTrBkに分割された後、各TrBk毎にCRC誤り検出が行われる。各トランスポートブロックTrBkの誤り検出結果は目標SIR制御部4dへ伝えられる。
現在標準化が行われているW−CDMAでは送信側において図22に示すように符号化を行っている。すなわち、単位伝送時間(Transmission Time Interval:TTI)内にトランスポートブロックTrBkが複数個(N個)存在すれば、送信側のCRC付加回路はトランスポートブロックTrBk毎にCRC(Cyclic Redundancy Code)誤り検出符号を生成して送信データに付加し、符号器はN個のCRC付きのトランスポートブロックTrBkを結合して畳み込み符号やターボ符号などの誤り訂正符号により符号化する。受信側では、誤り訂正復号器4bが受信データに誤り訂正復号化処理を施して復号結果をCRC検出器4cに入力する。CRC検出器4cは、復号結果を構成するトランスポートブロックTrBk毎にCRC誤り検出を行って誤り検出結果を目標SIR制御部4dに入力する。
目標SIR制御部4dには、個別チャネルDCH(DedicatedCH)呼が張られて直後、上位アプリケーションから、音声、パケット、非制限デジタルなどのDCHのサービス種別によって各サービスでの所要BLERが指定される。この所要BLERをBLERquality、BLERを測定するTrBk数をTmax、BLER測定後、測定BLERが所要BLERより悪い場合に目標SIRを上げる更新量をSinc(dB)、測定BLERが所要BLERよりよい場合に目標SIRを下げる更新量をSdec(dB)とした場合、TmaのBLER測定期間においてCRC NG(CRCエラー)が1つでもあれば、目標SIRの更新をSincで行い、全てCRC OKならば目標SIRの更新をSdecで行ない、トータルで見た場合に目標SIRが一定のレベルにおちつくことを基本概念とし、下式
を満たすように、Sinc,Sdec,Tmax値を決定する。なお、(1−BLERquality)Tmaxは、Tmax回連続で正しい確率を示し、(1−(1−BLERquality)Tmax)は、Tmax回のうちに誤りが一つでもある確率を示す。
すなわち、Tmax数のTrBkに対して、BLER測定を行い、全てのTrBkがCRC OKの場合は、目標SIRをSdecだけ更新し、CRC NG(CRCエラー)が1つでもあれば、目標SIRをSincだけ更新する処理を行う。
Sinc,Sdec,Tmax値は、各サービスの所要BLERで一意に決まる値である。従って、複数トランスポートチャネル(以後、TrCHと略)が1物理チャネル(以後、PhCHと略)にマッピングされている場合、各TrCHに対してSinc,Sdec,Tmax値が存在することになる。
・3GPPにおける規格
3GPP TS25.101に、基地局からのdownlink送信について、BLER所要品質BLERquality以上の電力で送信した場合に基地局からの送信パワーを下げる制御を行い、BLERの所要品質BLERquality以下の電力で送信した場合に基地局からの送信パワーを上げる制御を行なうことが規定されている。この際、BLER所要品質に引き込むまでの時間T1が規定されている。すなわち、T1区間=500msと規定されている。
▲1▼規格1
下りパワーコントロール制御を開始してからT1時間内に所要BLERを満たすためにDPCH SIRを−3dB〜+4dBの範囲に引き込む必要がある(初期引き込みという)。
▲2▼規格2
また、T2区間=500msという規定もあり、T1区間後、初期引き込みで決定したDPCH SIR値を500msの間に更に−3dB〜+1dBの範囲に収束させる必要もある(定常状態とという)。
従来の実装技術では、目標SIRを更新する周期がTmax数のBLER測定後と一意に決まっている。このため、もし、その測定周期が上記T1時間以内に入らないと、初期の目標SIRからT1時間以上目標SIRが更新されないために、規格1通りの初期引き込みができない可能性がある。
逆に目標SIRを更新する周期が短すぎる場合は、目標SIRの更新頻度が高いために、定常状態での引き込みが規定範囲をはずれてオーバシュート、アンダーシュートを発生する可能性がある。
▲3▼規格3
また、3GPP TS25.101に、測定BLERを所要BLERの±30%範囲に収める旨の規格の記載がある。
・解決しようとする問題点
▲1▼問題点1
従来の実装技術では、目標SIRの更新周期、目標SIRの更新値がサービス毎に指定される所要BLER毎に一意に決定されるために、あるサービス接続中、それらの値は一定である。
しかし、実際には、移動局の置かれている環境により、伝播環境は刻々と変化する。このため、例えば、非常に伝播環境の悪い走行状態などBLERが非常に劣化する環境においては、測定BLERが所要BLERの規格3に追従できない可能性がある。
▲2▼問題点2
さらに、装置全体で考えると、アンテナ部特性、高周波信号をベースバンド信号にダウンコンバートさせる受信部特性、ベースバンド信号に対して逆拡散処理を施す復調部特性、さらに逆拡散されたシンボル信号に対して誤り訂正を施す復号部の各部の特性は装置仕様等によって異なることがある。このため、ある装置での特性と別仕様の装置では特性が異なる。すなわち、BLER対SCR特性が装置仕様等によって異なる。例えば、ANT形状的にホイップアンテナの有無によって受信感度が変わり、あるいは誤り訂正部の軟判定ビット幅の相違で復号特性が変わり、ホイップアンテナの有無や軟判定ビット幅の相違によりBLER対SCR特性が異なってしまう。以上から所定のBLER対SCR特性に基づいて目標SIRを制御する従来方法では、装置によっては所要BLERを満足できない事態が発生する。
▲3▼問題点3
さらに、複数TrCHを1物理チャネル上にマッピングする場合、例えばTrCH1,2の2つのTrCHを多重する場合、各TrCHの所要BLERに対するSIR(BLER対SIR特性)が図23(A)、(B)に示すように違う。すなわち、TrCH1の所要BLERを満たすSIRはA、TrCH2の所要BLERを満たすSIRはBである。このため、そのままTrCH多重した場合、両方のTrCHの所要品質を同時に満たすことができない。
そこで、かかる問題点を解決するための3GPP規格がある。この3GPP規格は、各TrCHの所要品質を満たすよう、レートマッチングアトリビュートパラメータ(RM)に重みずけを行い、品質の良い特性をもつTrCHと品質の悪いTrCHの特性を互いに近づけることである。レートマッチングアトリビュートの重みずけ方法を図23の(A),(B)の2つの特性を重ね合わせた図24(A)を参照して説明する。TrCH1の所要BLERを満たすSIRがA(dB)、TrCH2の所要BLERを満たすSIRがB(dB)とおき、その2つのTrCH多重時の所要BLERを満たすSIRをα(dB)とおく。TrCH1の所要BLERに対するSIR A(dB)と2つのTrCH多重時の所要BLERを満たすSIR α(dB)との差分はα−A(dB)である。同様に、TrCH2の所要BLERに対するSIR B(dB)と2つのTrCH多重時の所要BLERを満たすSIRα(dB)との差分はB−α(dB)である。
これらの差分値のdB換算をはずした値は、新しいレートマッチングアトリビュートRM1′、RM2′と重み付け前のレートマッチングアトリビュートRM1、RM2との比率に相当するため次式
RM1′/RM1=10(α−A)/10
RM2′/RM2=10(B−α)/10
が成り立つ。上式を満たすように、TrCH1,2の新しいレートマッチングアトリビュートRM1′、RM2′を決定し、該レートマッチングアトリビュートにより重みずけを行なうことにより、異なる所要BLERをそれぞれ有する複数のTrCHを多重したときの所要BLERを満足させることができる。すなわち、複数TrCHを1物理チャネルにマッピングした場合、上記のレートマッチングアトリビュートの重み付けで各TrCHのSIR対BLER特性が図24(B)に示すように変化する。この図24(B)より多重時の各TrCH1,TrCH2の所要BLERをBLERxとすれば、該BLERxに対するSIR(=α)を目標SIRとすることにより、各TrCHの所要BLER(=BLERx)を満足することができる。
しかし、各TrCHのサービスに対して一意に決められているパラメータαを所要BLERに対する目標SIRとする従来技術では、低品質TrCH単独でデータ送信する場合、該TrCHの所要BLERを満足することができなくなる。すなわち、低品質TrCH2単独で送信する場合,α<Bとなって低品質TrCHの所要BLERを満足することができなくなる。なお、α>Aであるため、TrCH1については所要BLERを満たすことはできる。
▲4▼問題点4
さらに、複数TrCHを多重する場合、所要BLERの±30%範囲という規格(規格3)を満たせなくなる場合がある。例えば、あるサービスのTrCHの所要BLERが5×10−3の場合、そのTrCHの規格は3.5×10−3〜6.5×10−3となり、もう一方のサービスのTrCHの所要BLERが5×10−2の場合、そのTrCHの規格範囲は3.5×10−2〜6.5×10−2となり、両者の規格幅が重ならない。かかる場合には規格3を満足できなくなる。
ところで、移動通信システムにおける送信電力制御の従来技術がある(特許文献1)。この従来技術では、受信信号の受信誤り率を検出し、該受信誤り率と予め設定された目標受信誤り率とを比較し、比較結果に基づいて目標とする目標受信信号電力対干渉電力比(SIR)又は目標とする目標受信電力値を補正し、該補正されたSIR又目標受信電力値に基づいて、送信側の送信電力を制御する。
又、別の送信電力制御の従来技術がある(特許文献2)。この従来技術では、目標SIRを受信信号の誤り率を測定し、この誤り率により目標SIRを変更するものである。受信信号の誤り率は、CRC信号を用いてフレーム単位で検出し、あるいは、一定周期で挿入されている既知のパイロット信号の誤りを検出することで取得する。
しかし、これら従来技術は、特性の異なる各装置の所要BLERを満足するように目標SIRを制御できない。又、これら従来技術は、伝搬環境が変化しても、伝搬環境に応じて目標SIRを更新したり、更新周期を制御できず、結局、伝搬環境変動時に所要BLERを満足することができない。さらに、これら従来技術は、TrCH単独で使用する場合でも、複数TrCHを多重する場合にも所要のBLERを満足できるように目標SIRを更新することができない。また、規格を満足するように目標SIRを制御することもできない。
特許文献1 特開平2002−16545号
特許文献2 WO97/50197
本発明の目的は、伝搬環境が変化しても、伝搬環境に応じて目標SIRを更新したり、目標SIRの更新周期を制御して伝搬環境変動時に所要BLERを満足できるようにすることである。
本発明の別の目的は、装置に関係なく所要BLERを満足できるように目標SIRを設定することである。
本発明の別の目的は、TrCH単独で使用する場合でも、又、複数TrCHを多重する場合にも所要のBLERを満足できるように目標SIRを更新できるようにすることである。
本発明の別の目的は、規格を満足するように目標SIRを制御することである。
本発明の別の目的は、各TrCHが同時に規格3を満足できなければ、少なくても1つのTrCHの所要BLERを満足できるようにすることである。
本発明の第1の態様では、予めエラーレート(BLER)とSIRの対応特性を測定して保存しておき、目標エラーレートに対する第1のSIRと測定されたエラーレートに対する第2のSIRを前記特性より求め、前記第1のSIRと第2のSIRとの差分で前記目標SIRを増減して該目標SIRを更新する。第1の態様によれば、BLER対SIR特性を測定しておくことにより、装置特性に関係なく所要のBLERを満足する目標SIRを設定することができる。また、サービス品質に応じて前記特性を保存しておき、サービス品質に応じた特性を用いて前記目標SIRを更新する。このようにすれば、任意のサービスであっても所要BLERを満足することができる。
本発明の第2の態様では、複数トランスポートチャネルを多重して送信する場合のエラーレートとSIRの対応特性を、各トランスポートチャネル毎に、予め測定して保存しておき、複数トランスポートチャネルを多重して送信する場合、各トランスポートチャネルにおける目標エラーレートに対する第1のSIRと測定されたエラーレートに対する第2のSIRを該特性より求め、トランスポートチャネル毎に、前記第1のSIRと第2のSIRとの差分で前記目標SIRを増減して該目標SIRを更新する。第2の態様によれば、複数TrCHの多重送信時のBLER対SIR特性を測定しておくことにより、多重送信時にも所要のBLERを満足する目標SIRを設定することができる。
第2の態様において、各トランスポートチャネルにおける所要エラーレート範囲が重ならない場合、より高い品質が要求されるトランスポートチャネルの所要エラーレート値を満たすように目標SIRを更新する。このようにすれば、所要エラーレート範囲が重ならない場合であっても両方のTrCHで所要BLERを満足することができる。
又、第2の態様において、各トランスポートチャネルにおける所要エラーレート範囲が重ならない場合、より低い品質が要求されるトランスポートチャネルの所要エラーレート値を満たすように目標SIRを更新する。このようにすれば、所要エラーレート範囲が重ならない場合であっても少なくとも一方のTrCHで所要BLERを満足することができ、しかも、他方のTrCHで目標SIRを低いレベルに設定でき、基地局からのダウンリンク電力を最も低く制御することができる。
本発明の第3の態様では、第1の規定時間T1内にエラーレートを所要エラーレートの規定範囲内に引き込むために、第1の周期t1で前記目標SIRを更新し、引き込み後、第2の規定時間T2内にエラーレートを前記規定範囲内に収束させるために、第1周期より長い第2の周期t2で前記目標SIRを更新する。
具体的には、所要エラーレートと比較するための測定エラーレートを取得するために要する時間と前記第1の規定時間T1を比較して前記第1の周期t1を決定し、この第1の周期t1で引き込み時に目標SIRを更新する。又、第2の時間t2(>t1)、あるいは、t2=α・t1としたときのα(>1)を予め保存しておき、引き込み後にこの第2の周期t2で目標SIRを更新する。なお、所要エラーレートと比較するための前記測定エラーレートを取得するために要する時間が前記第1の規定時間T1より大きい場合には、初期設定の目標SIRを所要のエラーレートを満足するに足るほど高く設定し、前記第1の周期t1をエラー有無判定周期とし、該周期でエラー発生を調べ、エラーが発生しなければ目標SIRを所定量減少し、エラーが発生した時引き込み完了と判定する。
第3の態様によれば、規格を満足するように目標SIRを更新することができる。
本発明の第4の態様において、予め静的な環境における第2周期t2のSIRの変動幅を保存しておき、実際のSIRの変動幅が前記保存されている変動幅より設定値以上であれば、前記第2周期を短くする。
また、本発明の第5の態様において、前記第2周期t2より長いエラーレート測定期間を設け、その期間のエラーレートが所要エラーレートより設定値以上劣化している場合には目標SIRを所定量増加し、所要エラーレートより設定値以上良好の場合には目標SIRを所定量減少する。
第4、第5の態様によれば、伝搬環境が悪化しても伝搬環境の変化に追従して目標SIRを制御して所要のSIRを満足することができる。
図2はBLERqualityを1dBステップ刻みで可変した時の該エラーレートBLERqualityを達成できるSIRを実験的に取得してテーブル化した例である。
図3は各サービス毎に所要エラーレートBLERqualityを達成できるSIR(SIR−AMR,SIR−UDI,SIR−PKT)を実験的に取得してテーブル化した例である。
図4はBLER対SIR特性を取得するための構成図である。
図5は直線近似の説明図である。
図6は2種類のサービス例である。
図7は第1実施例の目標SIR更新処理フローである。
図8は第1実施例の第2の目標SIR更新処理フローである。
図9は第2実施例の送信電力制御装置の構成図である。
図10は第2実施例の処理フローである。
図11は2つのTrCHを多重して送信する場合における第3実施例の第1の説明図である。
図12は2つのTrCHを多重して送信する場合における第3実施例の第2の説明図である。
図13は2つのTrCHを多重して送信する場合における第3実施例の第3の説明図である。
図14は2つのTrCHを多重して送信する場合における第3実施例の第4の説明図である。
図15は2つのTrCHを多重して送信する場合における第3実施例の第5の説明図である。
図16は第6実施例に適用する場合の非制限デジタルデータの規格説明図である。
図17は第4実施例の送信電力制御装置の構成図である。
図18は第4実施例の処理フローである。
図19は従来のインナーループ送信電力制御の説明図である。
図20は上りリンクの個別物理チャネルDPCHフレームの構成図である。
図21は周知のアウターループ制御のブロック図である。
図22は符号化説明図である。
図23は各TrCHの所要BLERに対するSIR特性(BLER対SIR特性)である。
図24は2つの特性を重ね合わせた場合のBLER対SIR特性である。
図1は第1実施例の移動局における送信電力制御装置の構成図である。
移動局の無線部11は基地局からの信号を受信し、周波数変換、直交検波してベースバンド信号にして復調部12に入力する。復調部12の逆拡散部は受信信号に逆拡散処理を施して拡散を解き、シンボルデータにする。SIR測定部13は、逆拡散を行った受信信号の希望波電力レベルとその時の干渉波電力レベルの比率(SIR)を測定する。比較部14は目標SIR(=SIRTGT)と測定SIRを比較し、TPCビット生成部15は測定SIRが目標SIRより大きければTPCビットで送信電力を下げるコマンドを作成し、測定SIRが目標SIRより小さければTPCビットで送信電力をあげるコマンドを作成する。変調部16の拡散変調部は、符号部17で符号化された送信データ(音声,UDI,パケットデータなど)及びTPCビットを拡散変調する。無線部18は拡散変調された信号に直交変調、周波数変換、電力増幅などの処理を施してアンテナより基地局に向けて送信する。基地局は、移動局2から受信した信号に逆拡散処理を施し、受信データ、TPCビットを復調し、該TPCビットで指示されたコマンドにしたがって送信電力増幅器の送信電力を制御する。以上はインナー制御である。
インナー制御と並行して、復号部21は、復調データ(軟判定ビット幅を有するシンボルデータ)にデインタリーブ処理、ビタビ復号もしくはターボ復号による誤り訂正復号化処理を施し、さらにレートマッチング処理によりレピテションもしくはパンクチュアされているビットを元に戻し、復号結果をCRCチェッカー(CRC検出器)22に入力する。
CRC検出器22は、復号結果を構成するトランスポートブロックTrBk毎にCRC誤り検出を行って誤り検出結果をBLER測定部23に入力する。BLER測定部23は所定時間内におけるエラーレート(測定BLER=誤りブロック数/総ブロック数)を測定して目標SIR更新制御部24に入力する。目標SIR更新制御部24は所要BLERに対するSIR(=SIR2)と測定BLERに対するSIR(=SIR1)をROM25に予め登録されているBLER対SIR特性より求め、これらSIR2とSIR1との差分ΔSIRで目標SIR(=SIRTGT)を増減し(SIRTGT=SIRTGT+ΔSIR)、該目標SIRを比較部14に設定する。なお、規格では所要BLERの±30%に入れば良いので、測定BLERが所要BLERの±30%に入っていれば目標SIR(=SIRTGT)を増減しないように制御することもできる。
・BLER対SIR特性の保存
ROM25には、予め移動端末装置の所要エラーレートBLERqualityと該エラーレートBLERqualityを達成できるSIRの対応特性(BLER対SIR)が測定されて保存されている。図2は、BLERqualityを1dBステップ刻みで可変した時の該エラーレートBLERqualityを達成できるSIRを実験的に取得してテーブル化した例である。実際には、サービスとしてAMR音声サービス、UDIサービス、パケットサービスがあり、それぞれのサービスに対するBLER対SIRが異なるため、図3に示すように各サービス毎に所要エラーレートBLERqualityを達成できるSIR(SIR−AMR,SIR−UDI,SIR−PKT)を実験的に取得してテーブル化して保存する。
また、複数TrCHが1物理チャネル(PhCH)に多重されている場合、サービスが異なる各TrCHの所要BLERを同時に満足させるためにレートマッチングアトリビュートの重みずけ処理が行なわれる。この処理のために、各サービスのBLER対SIR特性が単独時と複数TrCH多重時とで異なる。そこで、予め複数のサービスの組み合わせ毎のBLER対目標SIR特性を測定し、テーブル化してROM25に保存する(図3のSIR−Multi参照)。現在、音声データとパケットを多重して伝送するサービスが行われているから、音声TrChとパケットTrCHを多重する場合について所要エラーレートBLERqualityを達成できるSIR(SIR_Multi)を実験的に取得してテーブル化して保存する。なお、前記重み付け処理した多重時における音声TrChとパケットTrCHの特性が異なる場合には、それぞれのTrChの特性を保存する。
以上より、目標SIR更新制御部24は、別途上位レイヤアプリケーション26より入力されているサービス種別に応じたBLER対SIR特性を用いて所要BLERに対するSIR(=SIR2)と測定BLERに対するSIR(=SIR1)を求め、これらSIR2とSIR1との差分ΔSIR(=SIR2−SIR1)で目標SIR(=SIRTGT)を増減して該目標SIRを更新して比較部14に設定する。
・BLER対SIR特性の取得法
図4はBLER対SIR特性を取得するための構成図であり、51は干渉波発生器、52は基地局シミュレータ(BTS)、53は移動局(MS)、54はパソコン(PC)、55、56はアッテネータ(レベル調整器)、57は合成器である。基地局シミュレータ52と移動局53間の上り/下り信号リンクを、他システムからの干渉を防ぐために有線で接続し、基地局シミュレータ52から移動局53への下り信号リンクにはアッテネータ56を接続して希望波信号レベルを調整可能な構成にする。また、干渉波発生器51からの出力にアッテネータ5を接続して干渉波信号レベルを調整可能な構成にし、合成器57で希望波と干渉波を合成して下り信号として移動局53に入力する構成にする。更に、移動局53は下り信号のBLER測定値、SIR測定値をそれぞれパソコン53に出力し、パソコン側でその値をモニタ可能な構成とする。
BLER対SIR特性を取得するに際して、希望波レベルをアッテネータ56で調整し、干渉波レベルをアッテネータ55で調整してSIRのレベルを調整する。また、基地局シミュレータ52の設定で基地局シミュレータと移動局間で送受信するサービス種別(AMR、UDI、パケット、マルチコールなど)の設定を行う。アッテネータ調整によるSIRレベルの確定、基地局シミュレータ設定によるサービス種別の確定後に、基地局シミュレータ・移動局間の起動を行い、あるサービスについてデータの送受信を行い、パソコン54で移動局53のBLER測定値、SIR測定値をモニタする。以上により、1つのポイントでのSIR測定値−BLER測定値を取得でき、以後、アッテネータ調整を段階的に行って複数ポイントでのSIR測定値−BLER測定値を取得する。これにより、所定サービスのBLER対SIR特性が取得できる。同様に他サービス、マルチコールのBLER対SIR特性を取得して図1のROM25に設定する。
・BLER対SIRの直線近似
以上では,BLER対SIR特性について、例えば、1dBステップ毎にBLERとその時のSIRとを保存した場合であるが、簡易的に直線近似してBLER対SIR特性を保存することもできる。図5は直線近似の説明図であり、BLER対SIR特性上の2点のデータのみ保持しておき、その傾きとSIR=0時のBLERの高さとから、所要BLERに対する目標SIRを算出する。例えば、1ポイント目のBLER対SIR(dB)データがa1,b1(dBm),とし、2ポイント目のデータがa2,b2(dBm),とした場合、傾きは
(a2−a1)/10(b2−b1)/10
となり、さらにSIR=0時の収束BLERをcとおくと、次式
BLER=(a2−a1)/10(b2−b1)10×SIR+c
が成り立つ。従って、上式により所要BLERqualityからSIR2を算出し、また測定BLERから同様にSIR1を算出し、この差分より目標SIR(=SIRTGT)を更新する。
・規格を満足するための目標SIR更新周期t1,t2の決定法
初期引き込み500msを満足するために、各サービスのBLER測定可能なTrBk総数になった時点で、BLER対SCR特性より所要BLERと測定BLERのSIRをそれぞれ求め、目標SIR更新処理を行なう。
もし、所要BLER測定可能時間が500msで間に合わなければ、その際は目標SIRの初期値を所要のBLERが満足できる(CRC OKになる)値より十分に高めに設定し、送信時間間隔TTI(Transmission Time Interval)周期でCRCチェックを行い、CRCエラーを検出したら初期引き込みが終了、定常状態に移行したとみなす。
例えば、図6に示す2種類のサービスを考える。
パケットの場合、規格の下限3.5E−02(=3.5×10−2)を測定するために1/3.5×10−2=29個以上のTrBk総数が必要である。初期状態において、パケットはTTI=10msであり、1TTI当たりのTrBk数は0,1,2,4,8,12個であるが、最大の12個で考えると、3TTI=30msで29個以上になる。この30msは、引き込みの規格時間500msに対して十分短い。そこで、30msを初期引き込み時における目標SIR更新周期t1とする。そして、30ms毎にBLERを測定し、パケットサービスのBLER対SIR特性から測定BLERに応じたSIR(=SIR1)と、所要BLER時のSIR(=SIR2)を求め、これらの差分ΔSIRを目標SIR(=SIRTGT)の更新値とし、SIRTGT=SIRTGT+ΔSIRを新目標SIRとして比較部14(図1)に入力する。
定常状態遷移後、目標SIR更新周期t2は30×αpktとする(t2=t1×αpkt)。周期t2あるいは係数αpkt(>1)は予め決定されてROMに保存されている。この係数αpktは、t2が30ms〜500ms内であり、静的状態における通常運用時で試験を行って3GPPの規格時間T2の規定が守られる値に決定されている。
更新周期t2毎にBLERを測定し、パケットサービスのBLER対SIR特性から測定BLERに応じたSIR(=SIR1)と、所要BLER時のSIR(=SIR2)を求め、これらの差分ΔSIRを目標SIR(=SIRTGT)の更新値とし、SIRTGT=SIRTGT+ΔSIRを新目標SIRとして比較部14(図1)に入力する。
AMRの場合、規格の下限3.5E−03(=3.5×10−2)を測定するために1/3.5×10−2=286個以上のTrBk総数が必要である。初期状態において、音声はTTI=20msであり、1TTI当たりのTrBk数は1個であるので、BLER測定時間は286×20ms=5720msとなり、初期引き込みの規格時間500ms以上になる。このため、目標SIRの初期値を充分高めから開始し、目標SIR更新期間t1をCRCチェック周期である20msとし、20ms毎にCRCチェックを行い、CRCエラーが発生したか否かを監視し、CRCエラーが発生しなければ、目標SIRを所定量減少し、CRCエラーが発生した時点を初期引き込みが終了したと判断する(初期状態)。
定常状態遷移後、更新周期t2は20×αamrとする(t2=t1×αamr)。t2あるいは係数αamr(>1)は予め決定されてROM25に保存されている。この係数αamrは、t2が20ms〜500ms内であり、静的状態における通常運用時で試験をこない、CRCエラーが発生すれば目標SIRを+側に更新、CRCエラーが発生しなければ−側に更新し、3GPPの規格T2時間の規定が守られる範囲で決定する。
・第1の処理フロー
図7は第1実施例の目標SIR更新処理フローであり、測定BLERを取得するに要する時間が3GPP規格1の規定時間T1以下の場合である。
目標SIR更新制御部24は、上位レイヤアプリケーション26から入力されるサービス種別情報に基づいてTrCH多重通信であるか、TrCH単独通信であるか、単独通信であればサービス内容を識別し、所要BLERに応じたSIRをサービス種別に応じたBLER対SIR特性を用いて求め、該SIRを目標SIRとして比較部14に設定する(ステップ101)。又、BLER測定部23は、上位レイヤアプリケーション26から入力されるTTI、1TTI当りのTrBk数(ブロック数)及び所要BLERに基づいて、BLERを測定するために必要とする測定時間を計算し、該測定時間が3GPP規格の引き込み規定時間T1(=500ms)以下であることを確認し、該測定時間を引き込み状態における目標SIR更新周期t1とする(ステップ102)。
そして、以後、更新周期t1毎にBLERを測定して目標SIR更新制御部24に入力する(ステップ103)。
目標SIR更新制御部24は、サービス種別に応じたBLER対SIR特性を用いて所要BLERに対するSIR(=SIR2)と測定BLERに対するSIR(=SIR1)を求める(ステップ104)。そして、測定BLERに対するSIR(=SIR1)が、3GPPの規格1の引き込み範囲(−3dB〜+4dB)に入ったかチェックし(ステップ105)、入っていなければ、SIR2とSIR1との差分ΔSIRを計算し、SIRTGT=SIRTGT+ΔSIRにより目標SIR(=SIRTGT)を増減して該目標SIRを更新して比較部14に設定し(ステップ106〜108)、ステップ103以降の処理を繰返す。
ステップ105において3GPPの規格1の引き込み範囲(−3dB〜+4dB)に入れば、定常状態に推移し,BLER測定部23は定常状態の目標SIR更新周期t2を次式
t2=t1×α
により計算する(ステップ109)。なお、αはパケットサービスの場合にはαpkt、AMR音声サービスの場合にはαamr、非制限デジタルサービスの場合にはαudiであり、ROM25に予め登録されている。
以後、BLER測定部23は更新周期t2毎にBLERを測定して目標SIR更新制御部24に入力する(ステップ110)。
目標SIR更新制御部24は、サービス種別に応じたBLER対SIR特性を用いて所要BLERに対するSIR(=SIR2)と測定BLERに対するSIR(=SIR1)を求め(ステップ111)、SIR2とSIR1との差分ΔSIRを計算し、SIRTGT=SIRTGT+ΔSIRにより目標SIR(=SIRTGT)を更新して比較部14に設定する(ステップ112〜114)。しかる後、通信が完了したかチェックし(ステップ115)、終了してなければステップ110以降の処理を繰返す。
・第2の処理フロー
図8は第1実施例の第2の目標SIR更新処理フローであり、測定BLERを取得するに要する時間が3GPP規格1の規定時間T1より大きくなる場合を考慮した処理フローである。
目標SIR更新制御部24は上位レイヤアプリケーション26から入力されるサービス種別情報に基づいてTrCH多重通信であるか、TrCH単独通信であるか、単独通信であればサービス内容を識別し、所要BLERに応じたSIRをサービス種別に応じたBLER対SIR特性を用いて求め、該SIRを目標SIRとして比較部14に設定する(ステップ201)。
又、BLER測定部23は、上位レイヤアプリケーション26から入力されるTTI、1TTI当りのTrBk数(ブロック数)及び所要BLERに基づいて、BLERを測定するために必要とする測定時間を計算し(ステップ202)、該測定時間が3GPP規格の引き込み規定時間T1(=500ms)以上であるか確認し(ステップ203)、測定時間が規定時間T1より小さければ、該測定時間を引き込み状態における目標SIR更新周期t1とし、図7のステップ103以降の処理を実行する(ステップ204)。
一方、ステップ203において、測定時間が規定時間T1より大きければ、目標SIRの初期値を充分高めから開始し、目標SIR更新期間t1をCRCチェック周期(=TTI周期)とし(ステップ205)、該周期毎にCRCチェックを行い(ステップ206)、CRCエラーが発生したか否かを監視し(ステップ207)、CRCエラーが発生しなければ、目標SIRを所定量減少し(ステップ208)、ステップ206に戻る。一方、CRCエラーが発生すれば、その時点を初期引き込みが終了したと判断し、以後、図7のステップ109以降の処理を実行する(ステップ209)。
(B)第2実施例
移動局の移動速度が速い場合、セル間干渉の頻度の多さ、及び、マルチパスフェージングなどの伝播環境の影響のために、SIRの変動によるBLER劣化が発生して所要BLERを満足できない可能性がある。このため、伝搬環境によりSIR変動が発生した場合、目標SIR更新制御により目標SIRを瞬時に該変動に追従させる必要がある。そこで、第2実施例では、ある一定時間あたりの受信信号のSIR測定結果の変動をモニターし、SIRの変動幅が設定値以上大きければ目標SIRの更新周期t2を短くし、逆に変動幅が小さければ目標SIRの更新周期を長目にする。
図9は第2実施例の送信電力制御装置の構成図であり、図1の第1実施例と同一部分には同一符号を付している。異なる点は、▲1▼SIR変動測定部31を設け、一定時間あたりの受信信号のSIR変動を測定している点、▲2▼ROM25にSIR変動幅の設定値を保存している点、▲3▼測定SIR変動と設定値の大小に基づいてSIR更新周期t1を可変制御している点である。
例えば、予め静的環境におけるパケットサービスにおいて、SIR更新周期t2(=30×αpkt(ms))でSIR変動測定を行い、その変動幅をΔSIRpkt_static(dB)とおき、ROM25に値を保持しておく。パケット呼確立後、定常状態に遷移してから、SIR変動測定部31は更新周期t2毎に定常状態時におけるSIR変動幅ΔSIRpkt(dB)を測定して目標SIR更新制御部24に入力する。
目標SIR更新制御部24は、静的状態におけるSIR変動幅ΔSIRpkt_static(dB)と実際に通信中のSIR変動幅ΔSIRpktとの差を計算し、該差(ΔSIRpkt−ΔSIRpkt_static)が例えば3dB程度以上の差があるかチェックする。3dB程度の差があれば、実際に通信中のSIR変動幅は静的状態より2倍程度大きいと判断し、そのSIR変動に対して目標SIRの更新を追従するために、更新周期t2を(30×αpkt)/2(ms)と半分にする。これにより、目標SIR更新が早まり伝搬環境の変化によるSIR変動に追従することが可能となる。
尚、変動幅が小さくなった時には元の更新期間(30×αpkt)に戻す。又、サービスによってはパッケトサービスなどバースト受信されて、受信データがない状態があるサービスがある。かかるサービスに関しては、受信データが無い状態ではBLER測定のTrBk総数、CRCエラーTrBk数はカウントしないようにし、実質的にデータ受信がある間でのBLER測定を行い、該測定BLERに応じたSIRを求めてSIR変動幅を求めて上記制御を行う。
又、第1実施例の目標SIRの更新制御と第2実施例の更新周期変動制御は伝播環境変化に瞬時に追従することを目的に併用して行なうものとする。
図10は第2実施例の処理フローであり、第1実施例の図7の処理フローと同一処理部分には同一符号を付している。第1の異なる点は、ステップ111の測定BLERに応じたSIR(=SIR1)を求めた時、更新期間t2におけるSIR変動幅を求め、該変動幅がROM25に設定されている設定範囲を超えているかチェックし(ステップ301)、越えていれば更新期間t2を1/2に短縮して(ステップ302)、ステップ112以降の処理を実行する点である。又、第2の異なる点は、ステップ301において測定SIR変動幅が設定範囲内であれば、それまで更新期間t2が短縮状態にあったかチェックし(ステップ303)、更新期間t2が短縮状態になければステップ112以降の処理を実行し、更新期間t2が短縮状態にあれば、更新期間t2を1段階元に戻し(ステップ304)、ステップ112以降の処理を実行する点である。
(C)第3実施例
複数TrCHが1物理チャネル(PhCH)に多重されている場合(マルチコール)、サービスが異なる各TrCHの所要BLERを同時に満足させるためにレートマッチングアトリビュートの重みずけ処理が行なわれる。この処理のために、各サービスのBLER対SIR特性が単独時と複数TrCH多重時では異なる。そこで、予め複数のサービスの組み合わせ毎のBLER対目標SIR特性を測定し、テーブル化してROM25に保存する(図3のSIR−Multi参照)。
ところで、レートマッチングアトリビュートの重みずけ処理により、多重する2つのサービスのそれぞれのBLER対SIR特性が一致する場合には一致したBLER対SIR特性を1つだけ保存するだけで良いが、図11に示すように完全には一致しないのが普通である。従って、通常はサービスの組み合せ種類毎に各サービスのBLER対SIR特性を別個に保存する。第3実施例は、異なるサービスの複数TrCHを多重して送信する場合の送信電力制御であり、第3実施例を実現する送信電力制御装置の構成は図1と同じである。
・多重TrCHの所要BLER範囲が重なる場合の制御
図11のようにあるサービスのTrCH1と別のサービスのTrCH2の所要BLER範囲a,bが重なる場合(斜線)には、重なる範囲内のBLER12をTrCH1,TrCH2の所要BLERとする。
BLER測定部23(図1)は多重TrCH(TrCH1,TrCH2)毎の測定BLERをSIR更新周期で目標SIR更新制御部24に入力する。
目標SIR更新制御部24は、TrCH1の測定BLERが入力されると、多重時における該TrCH1のサービスに応じたBLER対SIR特性A(図11参照)から測定BLERに応じたSIR(=SIR1)を求めると共に所要BLER(=BLER12)のSIR(=β)を求め、これらの差分ΔSIR(=β−SIR1)を用いて次式
SIRTGT=SIRTGT+ΔSIR
により新目標SIR(SIRTGT)を求めて比較部14に入力する。
又、目標SIR更新制御部24は、TrCH2の測定BLERが入力されると、多重時における該TrCH2のサービスに応じたBLER対SIR特性B(図11参照)から測定BLERに応じたSIR(=SIR1′)を求めると共に所要BLER(=BLER12)のSIR(=α)を求め、これらの差分ΔSIR′(=α−SIR1′)を用いて次式
SIRTGT=SIRTGT+ΔSIR′
により新目標SIR(SIRTGT)を求めて比較部14に入力する。なお、TrCH1の差分ΔSIR、TrCH2の差分ΔSIR′を合成した値(ΔSIR+ΔSIR′)を用いて次式
SIRTGT=SIRTGT+(ΔSIR+ΔSIR′)
により新目標SIRを求めて比較部14に入力するように構成することもできる。
・多重TrCHの所要BLER範囲が重ならない場合の第1の制御
図12、図13に示すようにあるサービスのTrCH1と別のサービスのTrCH2の所要BLER範囲a,bが重ならない場合には、TrCH1,TrCH2の所要BLERのうち小さい方(良い方)の所要BLERを多重通信における所要BLERとする。
▲1▼TrCH1,2の測定BLERが両方とも所要BLER規格よりも悪い場合(図12)。
TrCH1の測定BLERと所要BLERとの差をΔBLERTrCH1、TrCH2の測定BLERと所要BLERとの差をΔBLERTrCH2とする。
図12では、ΔBLERTrCH2>ΔBLERTrCH1なので、TrCH2を選択し、多重TrCHの場合のTrCH2のBLER対SIR特性データをROM25から読み出し、所要BLER時のSIR値と測定BLER時のSIR値との差分である、ΔSIRTrCH2値を+側のSIR更新値とする。
▲2▼TrCH1,2の測定BLERが両方とも所要BLER規格よりもよい場合(図13)。
TrCH1の測定BLERと所要BLERとの差をΔBLERTrCH1、TrCH2の測定BLERと所要BLERとの差をΔBLERTrCH2とする。
図13では、ΔBLERTrCH1>ΔBLERTrCH2なので、TrCH2を選択し、多重TrCHの場合のTrCH2のBLER対SIR特性データをROM25から読み出し、所要BLER時のSIR値と測定BLER時のSIR値との差分である、ΔSIRTrCH2値を−側のSIR更新値とする。
・多重TrCHの所要BLER範囲が重ならない場合の第2の制御
図14、図15に示すようにあるサービスのTrCH1と別のサービスのTrCH2の所要BLER範囲a,bが重ならない場合には、TrCH1,TrCH2の所要BLERのうち大きい方(悪い方)の所要BLERを多重通信における所要BLERとする。このようにすれば、1つのTrCHの測定BLERが所要BLER品質規格を満足し、そのTrCHのみ測定BLERが所要BLER規格になり、他のTrCHは規格外となるが、最も、目標SIRを低いレベルにすることが可能であり、規格4を満足しつつ基地局からのdownlink電力を最も低くできる。
▲1▼TrCH1,2の測定BLERが両方とも所要BLER規格よりも悪い場合(図14参照)。
TrCH1の測定BLERと所要BLERとの差をΔBLERTrCH1、TrCH2の測定BLERと所要BLERとの差をΔBLERTrCH2とする。
図14では、ΔBLERTrCH2>ΔBLERTrCH1なのでTrCH1を選択し、多重TrCHのTrCH1のBLER対SIR特性データをROM25から読み出し、所要BLER時のSIR値と測定BLER時のSIR値との差分であるΔSIRTrCH1値を+側のSIR更新値とする。
▲2▼TrCH1,2の測定BLERが両方とも所要BLER規格よりもよい場合(図15)。
TrCH1の測定BLERと所要BLERとの差をΔBLERTrCH1、TrCH2の測定BLERと所要BLERとの差をΔBLERTrCH2とする。
図15では、ΔBLERTrCH1>ΔBLERTrCH2なのでTrCH1を選択し、多重TrCHのTrCH1のBLER対SIR特性データをROM25から読み出し、所要BLER時のSIR値と測定BLER時のSIR値との差分であるΔSIRTrCH1値を−側のSIR更新値とする。
(D)第4実施例
第4実施例では、第1〜第3実施例の目標SIR更新制御に加えて、目標SIRの更新周期t1より長めのタイマを設け、その間のBLER測定を行い、その値が規格幅よりもかけ離れている場合、目標SIR更新制御を行い、走行時等、移動局の高速移動時における伝播環境変化に目標SIRが追従するように制御する。
例えば、SIR更新周期t2より長いある一定期間(Tconst)の間、BLER測定を行い、測定BLERが規格値よりオーダが1桁高い場合、目標SIRを一定量(Sinc_const)上げる方向に更新し、規格値よりオーダが1桁低い場合、目標SIRを一定量(Sdec_const)下げる方向に更新する。または、ある一定期間(Tconst)の間、BLER測定を行い、測定BLERが規格幅よりも劣化している場合、目標SIRを一定量(Sinc_const)上げる方向に更新し、逆に規格幅よりもよい場合、目標SIRを一定量(Sdec_const)下げる方向に更新する。パラメータTconst、Sinc_const、Sdec_constは外部で容易に変更可能な構成にしておく。
あるサービスの1TTI当りのTrBk数をTrBk_nとすれば、一定時間Tconst当りのトータルTrBk数(=Total_blk)は
Total_blk=(Tconst/TTI)×TrBk_n
となり、その間のCRCエラーブロック数をcrc_ngとすると、Tconst(ms)後のBLERは次式
BLER=crc_ng/Total_blk
により計算される。このBLER値が、規格値よりオーダレベルではずれているか、あるいは、規格幅をはずれているかどうかを判定し、判定結果に基づいて目標SIRを制御する。
例えば非制限デジタルデータ規格が図16の場合を考える。
この場合、一定期間Tconst(ms)の間の測定BLERが1.0E−04(=1.0×10−4)以上だった場合、規格幅に対して、オーダレベルで差が発生している。このため、かかる場合はSinc_const(dB)だけ目標SIRの更新を行う。また、もし、測定BLERが1.0E−05(=1.0×10−5)以下だった場合も、オーダレベルで差が発生しているため、Sdec_const(dB)だけ目標SIRの更新を行なう。
この補正処理は、例えば、移動機が高速走行をしている時など、単位時間あたりの目標SIRの変動幅が非常に大きいときなどに第1〜第3実施例と併用するなどして、さらに精度よくdownlink伝播環境の変動に目標SIRを追従させることが可能になる。
図17は第4実施例の送信電力制御装置の構成図であり、図1の第1実施例と同一部分には同一符号を付している。第1実施例と異なる点は、第2BLER測定部41、BLER比較部42、補正部43を設けた点である。第2BLER測定部41は、第1実施例における目標SIR更新期間t2より長いスパンTconstでBLER測定を行ない、BLER比較部42は第2BLER測定部41で測定された測定BLERと規格値を比較し、差が設定レベル以上であるか判定し、補正部43はBLER比較部42の比較結果に基づいて目標SIR(=SIRTGT)を増減する。増加量はSinc_const(>0)、減少量はSdec_const(<0)である。
図18は第4実施例の処理フローであり、処理401は第2BLER測定部41の処理、処理402はBLER比較部42の処理、処理403は補正部43の処理であり、第1実施例〜第3実施例の処理と並行して行われる。第1〜第3実施例による目標SIRの更新量を第1更新幅ΔSIR1とし、第4実施例による更新量を第2更新幅ΔSIR2として説明する。
アウターループ制御開始後(ステップ401a)、第2BLER測定部41はBLER測定を始め、一定期間Tconstが経過するまでBLER測定を継続する(ステップ401b,401c)。一定期間Tconstが経過すれば、BLER測定結果をBLER比較部42に入力する(ステップ401d)。
BLER比較部42は、BLER測定結果を受信すれば、該BLER測定値と上位レイヤアプリケーション26から設定されている規定BLERとを比較し、BLER測定値と規定BLERの差が規格幅以上であるか判定し(ステップ402a)、差が規格幅以内であれば第2更新幅ΔSIR2=0とする(ステップ402b)。しかし、差が規格幅以上であれば、BLERが劣化しているか、良好であるか判定し(ステップ402c),劣化している場合には第2更新幅ΔSIR2=Sinc_constとし(ステップ402d)、良好の場合には第2更新幅ΔSIR2=Sdec_constとする(ステップ402e)。
補正部43は、BLER比較部42より第2更新幅ΔSIR2を受信すれば(ステップ403a),次式
SIRTGT=SIRTGT+ΔSIR2
により目標SIR(=SIRTGT)を補正して比較部14に入力する(ステップ403b)。なお、呼切断などによりアウターループ制御が終了する場合は、図18の各部の処理は即時に終了する。
(E)本発明の効果
本発明によれば、初期引き込み時間の規格、及び、その後の初期引き込みで確定した目標SIRへの追従時間の規格を満足できる。また、本発明によれば、各サービスの所要BLER規格を意識して目標SIR更新制御を行なうため、より精度のよい下りパワーコントロール制御が可能となる。
又、本発明によれば、個別TrCH通信時でも多重TrCHの通信時でも下りパワーコントロール制御を精度よく行なうことが可能となる。
また、本発明によれば、複数TrCHが多重されている時、各TrCHの所要BLER範囲が重ならない場合、一つのTrCHに対してBLER測定値をBLER範囲内に入れ、他のTrCHに対して規格以上にBLER測定をよい状態にできるため、全てのTrCHの品質を規格以上に制御可能となる。
また、本発明によれば、複数TrCHが多重されている時、各TrCHの所要BLER範囲が重ならない場合、一つのTrCHに対してBLER測定値をBLER範囲内に入れ、他のTrCHに対して規格以下の品質となるが、目標SIRの更新を一番低く保てるため、基地局からの下り電力を最も低く抑えることが可能となる。
また、本発明によれば、伝搬環境の変動を監視し、変動が大きい場合、別個に並行して目標SIRの更新制御を行なうために、受信伝播環境が変動する環境において、より精度よく目標SIR更新制御を行なうことが可能となる。
Claims (20)
- 受信側で受信データのエラーレートと目標エラーレートとを比較して目標とする希望波/干渉波比率(SIR)を制御し、測定SIRが該目標SIRに一致するように送信側に送信電力制御を行わせる送信電力制御方法において、
予めエラーレートとSIRとの対応特性を測定して保存しておき、
目標エラーレートに対する第1のSIRと測定エラーレートに対する第2のSIRとを前記対応特性より求め、
前記第1のSIRと前記第2のSIRとの差分を変動量として前記目標SIRを増減して該目標SIRを更新する、
ことを特徴とする送信電力制御方法。 - 複数のサービスを多重して送信する場合の各サービスのエラーレートとSIRの対応特性を、多重するサービスの組み合わせ毎に予め測定して保存しておき、
所定の組み合わせの複数のサービスを多重して送信する場合、該組み合わせにおける各サービスの目標エラーレートに対する第1のSIRと測定されたエラーレートに対する第2のSIRとを該特性より求め、
前記サービス毎の前記第1のSIRと第2のSIRとの差分に基づいて前記目標SIRを増減して該目標SIRを更新する、
ことを特徴とする請求項1記載の送信電力制御方法。 - 第1の規定時間内にエラーレートを所要エラーレートの規定範囲内に引き込むために、第1の周期で前記目標SIRを更新し、引き込み後、第2の規定時間内にエラーレートを前記規定範囲内に収束させるために、第1周期より長い第2の周期で前記目標SIRを更新する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の送信電力制御方法。 - 前記測定エラーレートを取得するために要する時間と前記第1の規定時間を比較して前記第1の周期t1を決定し、この第1の周期t1で引き込み時に目標SIRを更新する、
ことを特徴とする請求項3記載の送信電力制御方法。 - 前記測定エラーレートを取得するために要する時間が前記第1の規定時間より大きい場合には、初期設定の目標SIRを所要のエラーレートを満足するSIRより十分に大きく設定し、前記第1の周期をエラー有無判定周期とし、該周期でエラー発生を調べ、エラーが発生しなければ目標SIRを所定量減少し、エラーが発生した時引き込み完了と判定する、
ことを特徴とする請求項3記載の送信電力制御方法。 - 前記第2の時間t2(>t1)、あるいは、t2=α・t1としたときのα(>1)を予め保存しておき、引き込み後にこの第2の周期t2で目標SIRを更新する、
ことを特徴とする請求項4記載の送信電力制御方法。 - サービス品質に応じて前記対応特性を保存しておき、トランスポートチャネルのサービスに応じた特性を用いて前記目標SIRを更新する、
ことを特徴とする請求項1記載の送信電力制御方法。 - 前記特性を直線近似して保持する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の送信電力制御方法。 - 予め静的な環境における前記第2周期のSIRの変動幅を保存しておき、
実際のSIRの変動幅が前記保存されている変動幅より設定値以上であれば、前記第2周期を短くする、
ことを特徴とする請求項3記載の送信電力制御方法。 - 前記第2周期より長いエラーレート測定期間を設け、その期間のエラーレートが所要エラーレートより設定値以上劣化している場合には目標SIRを所定量増加し、所要エラーレートより設定値以上良好の場合には目標SIRを所定量減少する、
ことを特徴とする請求項3記載の送信電力制御方法。 - 所定の組み合わせの複数のサービスを多重して送信する場合、該組み合わせにおける各サービスの所要エラーレート範囲が重ならない場合、より高い品質が要求されるサービスの所要エラーレート値を満たすように目標SIRを更新する、
ことを特徴とする請求項2記載の送信電力制御方法。 - 所定の組み合わせの複数のサービスを多重して送信する場合、該組み合わせにおける各サービスの所要エラーレート範囲が重ならない場合、より低い品質が要求されるサービスの所要エラーレート値を満たすように目標SIRを更新する、
ことを特徴とする請求項2記載の送信電力制御方法。 - 受信側で受信データのエラーレートと目標エラーレートとを比較して目標とする希望波/干渉波比率(SIR)を制御し、測定SIRが該目標SIRに一致するように送信側に送信電力制御を行わせる送信電力制御装置において、
予め測定されたエラーレートとSIRとの対応特性を保存する手段、
目標エラーレートに対する第1のSIRと測定エラーレートに対する第2のSIRとを前記対応特性より取得する手段、
前記第1のSIRと前記第2のSIRとの差分を変動量として前記目標SIRを増減して該目標SIRを更新する目標SIR更新手段、
を備えたことを特徴とする送信電力制御装置。 - 受信側で受信データのエラーレートと目標エラーレートとを比較して目標とする希望波/干渉波比率(SIR)を制御し、測定SIRが該目標SIRに一致するように送信側に送信電力制御を行わせる送信電力制御装置において、
複数のサービスを多重して送信する場合の各サービスのエラーレートとSIRとの対応特性を、多重するサービスの組み合わせ毎に予め測定して保存する手段、
所定の組み合わせの複数のサービスを多重して送信する場合、該組み合わせにおける各サービスの目標エラーレートに対する第1のSIRと測定されたエラーレートに対する第2のSIRとを該特性より取得する手段、
前記サービス毎の前記第1のSIRと前記第2のSIRとの差分を変動量として前記目標SIRを増減して該目標SIRを更新する目標SIR更新手段、
を備えたことを特徴とする送信電力制御装置。 - 第1の規定時間内にエラーレートを所要エラーレートの規定範囲内に引き込むための前記目標SIRの第1更新周期をt1、引き込み後、第2の規定時間内にエラーレートを前記規定範囲内に収束させるための、前記第1の更新周期より長い第2の更新周期をt2とし、t2あるいはt2=α・t1としたときのα(>1)を保存する手段、
を備え、前記目標SIR更新手段は、引き込みに際して前記第1の更新周期t1で目標SIRを更新し、引き込み後、前記第2の更新周期t2で目標SIRを更新する、
ことを特徴とする請求項13又は14記載の送信電力制御装置。 - 前記測定エラーレートを取得するために要する時間が前記第1の規定時間より大きい場合、所要のエラーレートを満足するSIRより十分に大きなSIRを初期目標SIRとして保存する手段、
を備え、前記目標SIR更新手段は、引き込みに際して目標SIRを前記初期目標SIRとすると共に、前記前記第1の更新周期t1をエラー有無判定周期とし、該周期でエラー発生を調べ、エラーが発生しなければ目標SIRを所定量減少し、エラーが発生した時引き込み完了と判定する、
ことを特徴とする請求項15記載の送信電力制御装置。 - 予め静的な環境における前記第2の更新周期内におけるSIRの変動幅を保存する保存手段、
実際のSIRの変動幅と前記保存されている変動幅を比較し、差が設定値以上であれば、前記第2の更新周期を短くする周期変更手段、
を備えたことを特徴とする請求項15記載の送信電力制御装置。 - 前記第2の更新周期より長いエラーレート測定期間を設け、その期間のエラーレートが所要エラーレートより設定値以上劣化している場合には目標SIRを所定量増加し、所要エラーレートより設定値以上良好の場合には目標SIRを所定量減少する第2の目標SIR更新手段、
を備えたことを特徴とする請求項15記載の送信電力制御装置。 - 前記SIR取得手段は、所定の組み合わせの複数のサービスを多重して送信する場合、該組み合わせにおける各サービスの所要エラーレート範囲が重ならない場合、前記所要エラーレートとして、より高い品質が要求されるサービスの所要エラーレートを使用する、
ことを特徴とする請求項14記載の送信電力制御装置。 - 前記SIR取得手段は、所定の組み合わせの複数のサービスを多重して送信する場合、該組み合わせにおける各サービスの所要エラーレート範囲が重ならない場合、前記所要エラーレートとして、より低い品質が要求されるトランスポートチャネルの所要エラーレートを使用する、
ことを特徴とする請求項14記載の送信電力制御装置。
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