明 細 書 液晶表示装置 技術分野
本発明は、 垂直配向方式の液晶表示装置に関するものである。 背景技術
従来から、 液晶表示装置は、 ワー ドプロセッサやコンピュータの画面 と して広く使用されており、 近年では、 テレビの画面と しても急速に普 及している。 これらの液晶表示装置の多くは、 T N (Twisted Nemat ic) モードを採用しているが、 当該液晶表示装置には、 斜め方向から 見たときに、 コン トラス トが低下しやすく、 階調特性が反転しやすいと いう問題がある。
したがって、 近年では、 斜め方向からの視角特性を向上させるために V A (Verticically Alignment)モー ドの液晶表示装置力 S注目され るようになっている。 当該モードの液晶表示装置の液晶セルは、 負の誘 電異方性を有するネマチック液晶と垂直配向膜とを組み合わせて構成さ れている。
さらに、 例えば、 日本国登録特許第 2 9 4 7 3 5 0号 (発行日 : 1 9 9 9年 9月 1 3 日) や日本国公開特許公報特開 2 0 0 0 — 3 9 6 1 0 (公開日 : 2 0 0 0年 2月 8 日) では、 図 1 6および図 1 7に示すよう に、 黒表示時における液晶セル 1 1 1 の光学異方性を光学的に補償する ために、 液晶セル 1 1 1 と偏光板 1 1 2 との間に、 2軸性フィルム 1 1
6を配した液晶表示装置 1 0 1、 あるいは、 液晶セル 1 1 1 と偏光板 1 1 2 との間に正の 1軸性フィルム 1 1 4を配し、 当該正の 1軸性フィル ム 1 1 4 と偏光板 1 1 2 との間に負の 1軸性フィルム 1 1 5を配した液 晶表示装置 1 0 1 aが開示されている。
上記構成では、 液晶分子が垂直配向している液晶セル 1 1 1 を斜め方 向から見た場合に、 液晶セル 1 1 1が極角に応じた位相差を透過光に与 えているにも拘わらず、 各フィルム 1 1 6 ( 1 1 4 · 1 1 5 ) のリタ一 デーシヨ ンが適切に設定されていれば、 各フィルム 1 1 6 ( 1 1 4 · 1 1 5 ) によって、 当該位相差が補償される。 したがって、 正面方向から 見た場合、 すなわち、 液晶分子が透過光の偏光状態を維持する場合と略 同様に、 黒表示できる。 この結果、 斜め方向から見た場合の光漏れを防 止でき、 コントラス トを向上できると共に、 着色や階調つぶれの発生を 抑制できる。
しかしながら、 今日では、 さらなる広視野角、 高表示品位の液晶表示 装置が望まれる状況下において、 斜め方向から見た場合の着色や階調つ ぶれの改善が要求されているが、 上記の日本国登録特許第 2 9 4 7 3 5 0号や日本国公開特許公報特開 2 0 0 0— 3 9 6 1 0に記載されたリタ ーデーショ ンの各フィルム 1 1 6 ( 1 1 4 · 1 1 5 ) を用いた場合は、 必ずしも充分であるとは言えず、 未だ改善の余地を残している。
本発明は、 上記した課題に鑑み、 垂直配向モー ドの液晶表示装置にお いて、 斜め方向からの見た場合における着色や階調つぶれ抑制に適した 各フィルムのリターデーションに対し、 偏光板の基材フィルムが与える 影響を考察した結果なされたものであって、 その目的は、 斜め方向から 見た場合のコン ト ラス トを実用上十分高い値に維持しながら、 着色や階
調つぶれが実用上許容範囲内に抑えられた液晶表示装置を確実に提供す ることにある。 発明の開示
本発明に係る液晶表示装置は、 上記目的を達成するために、 液晶を挟 持すると共に当該液晶の液晶分子を表面に概ね垂直に配向させる 2枚の 基板が設けられた液晶セルと、 当該液晶セルの両側に配され、 それぞれ の吸収軸が互いに直交するよ うに配された 2枚の偏光板と、 上記両偏光 板の一方および上記液晶セルの間に配され、 正の 1軸異方性を有する第 1位相差フィルムと、 当該偏光板おょぴ第 1位相差フィルムの間に配さ れ、 負の 1軸異方性を有する第 2位相差フィルムとを備え、 上記両偏光 板には、 光軸が上記基板に概ね垂直になるよ うに配置され、 負の 1軸異 方性を有する基材フィルムが設けられ、 上記第 1位相差フィルムの遅相 軸は、 上記液晶から見て同じ側の上記偏光板の吸収軸と直交するように 配され、 上記第 2位相差フィルムの光軸が上記基板に概ね垂直になるよ うに配されている液晶表示装置において、 以下の手段を講じたことを特 徴と している。
すなわち、 上記第 1位相差フィルムの面内方向のリタ一デーシヨンを R p 〔n m〕 、 上記第 2位相差フィルムの厚み方向のリタ一デーション を R n 〔n m〕'、 上記基材フィルムの厚み方向のリタ一デーシヨ ンを R t a c 〔n m〕 、 上記液晶の厚み方向のリターデーシヨンを R 1 c 〔n m〕 とし、 上記 R pに関するパラメータ a 〔n m〕 を、 α = 3 5 + (R l c / 8 0— 4 ) 2 X 3 - 5 + ( 3 6 0— R l c ) XR t a c / 8 5 0 上記 R nに関するパラメータ j3 〔n m〕 を、 |3 = R 1 c— 1. 9 X R t
a c とするとき、 上記リタ一デーシヨン R pは、 上記 αの 8 0 %以上か つ 1 2 0 %以下の値に設定されていると共に、 上記リ タ一デーシヨ ン R ηは、 上記 の 6 0 %以上かつ 9 0 %以下の値に設定されている。
上記構成の液晶表示装置において、 基板に概ね垂直に配向している液 晶分子が基板の法線方向から入射した光に対して位相差を与えないにも 拘わらず、 斜めから入射した光に対しては、 極角 (法線方向からの傾斜 角) に応じた位相差を与えてしまうので、 第 1および第 2位相差フィル ムがないと、 本来、 出射側の偏光板によって吸収すべき光が、 完全には 吸収されない。 この結果、 光漏れが発生して、 コントラス トを低下させ ると共に、 着色や階調つぶれが発生してしま う。
これに対して、 上記構成では、 上記第 1およぴ第 2位相差フィルムが 設けられているので、 上記液晶が極角に応じて与えてしまつた位相差が 両位相差フィルムによって補償される。 この結果、 斜め方向から見た場 合の光漏れを防止し、 コン ト ラス トを向上すると共に、 着色や階調つぶ れの発生を防止できる。
ただし、 上記両位相差フィルムのリタ一デーシヨ ンを決定する際、 基 材フィルムが無い場合に最適な上記第 1および第 2位相差フィルムが有 する厚み方向のリ タ一デーシヨンから、 上記基材フィルムが有する厚み 方向のリタ一デーシヨ ンを引き算するだけでは、 斜め方向から見た場合 における、 着色や階調つぶれのさらなる抑制が要求される状況下では、 必ずしも十分であるとは言えない。
そこで、 本願発明者は、 垂直配向モー ドの液晶表示装置を斜め方向か ら見た場合におけるコン ト ラス トを実用上十分に高い値に維持したまま 着色や階調つぶれをさらに抑制すべく、 研究を重ねた結果、 基材フィル
ムの厚み方向のリタ一デーシヨ ンは、 上記第 1および第 2位相差フィル ムの厚み方向のリタ一デーシヨンと同等に作用するわけではないことを 見出し、 特に、 正の 1軸異方性を有する第 1位相差フィルムの面内方向 のリターデーショ ン R pを上記コン トラス トが最大になるように設定す る際、 液晶の有するリタ一デーシヨンが 3 6 0 〔n m〕 を超えているか 否かによって、 上記基材フィルムの厚み方向のリターデ一ションに対す る上記リ タ一デーシヨン R pの依存性が逆転すること、 並びに、 コン ト ラス トが最大になるような上記各リ タ一デーシヨンを基準に、 所定の範 囲に設定することによって、 着色や階調つぶれを効果的に抑制できるこ とを見出し、 本発明を完成させるに至った。
本発明の液晶表示装置では、 上記基材フィルムおよび液晶の厚み方向 のリタ一デーシヨ ン R t a cおよび R l cに応じ、 しかも、 斜め方向か ら見た場合のコン トラス トを実用上十分に高い値に維持したまま、 着色 や階調つぶれを許容できる範囲に、 上記リ ターデーシヨ ン R pおよび R nを設定している。 これにより、 基材フィルムの厚み方向のリターデー ションを上記第 1および第 2位相差フィルムの厚み方向のリターデーシ ヨ ンと同等に扱う場合と異なり、 上記斜め方向から見た場合のコン ト ラ ス トが実用上十分に高い ί直に維持され、 しかも、 着色や階調つぶれが許 容範囲内に抑えられた液晶表示装置を確実に得ることができる。
また、 生産性の向上が特に要求される場合には、 上記構成に加えて、 上記液晶の厚み方向のリタ一デーシヨン R 1 cは、 3 2 4 .〔n m〕 から
3 9 6 〔n m〕 までの範囲に設定され、 上記第 1位相差フィルムの面内 方向のリ タ一デーシヨン R pが、 3 0 . 7 〔n m〕 力 ら 4 1 . 7 〔n m〕 までの範囲に設定されている方が望ましい。
上記リ タ一デーシヨ ン R l cが当該範囲に設定されていれば、 上記基 材フィルムの厚み方向のリターデーションに対する上記リターデーショ ン R p の依存性が少ない。 したがって、 基材フィルムに製造パラツキが 発生して、 基材フィルムの厚み方向のリ ターデーショ ンが変化しても、 上記リ タ一デーシヨ ン R pを上述の範囲に設定することで、 当該リタ一 デーショ ン R pを上記 αの 8 0 %〜 1 2 0 %の範囲に設定できる。 この 結果、 基材フィルムの厚み方向のリ タ一デーシヨ ンにバラツキが発生す る場合であっても、 同じ上記第 1位相差フィルムを用いることができ、 生産性を向上できる。
さらに、 上記着色や階調つぶれの抑制が特に要求される場合には、 上 記構成に加えて、 上記リターデーシヨ ン R ρが上記ひ の 9 0 %以上かつ 1 1 0 %以下の値に設定されていると共に、 上記リタ一デーシヨ ン R η が上記 )3の 6 5 %以上かつ 8 5 %以下の値に設定されている方が望まし い。 これによ り、 斜め方向から見た場合の着色や階調つぶれがさらに抑 制された液晶表示装置を得ることができる。
また、 上記着色や階調つぶれの抑制と生産性の向上との双方が特に要 求される場合には、 上記構成に加えて、 上記液晶の厚み方向のリターデ ーシヨン R l cは、 3 4 2 [ n m ] 力 ら 3 7 8 〔n m〕 までの範囲に設 定され、 上記第 1位相差フィルムの面内方向のリ ターデーショ ン R pが 3 3 . 3 〔n m〕 力 ら 3 8 . 6 〔n m〕 までの範囲に設定されている方 が望ましい。
上記リターデーシヨ ン R 1 cおよび R pが当該範囲に設定されていれ ば、 基材フィルムに製造バラツキが発生して、 基材フィルムの厚み方向 のリターデーショ ンが変化しても、 上記リ ターデーション R pを上記ひ
の 9 0 %〜 1 1 0 %の範囲に設定できる。 この結果、 基材フィルムの厚 み方向のリターデーションにバラツキが発生する場合であっても、 同じ 上記第 1位相差フィルムを用いることができ、 生産性を向上できる。 本発明のさらに他の目的、 特徴、 および優れた点は、 以下に示す記載 によって十分わかるであろう。 また、 本発明の利益は、 添付図面を参照 した次の説明で明白になるであろう。 図面の簡単な説明
図 1は、 本発明の実施形態を示すものであり、 液晶表示装置の要部構 成を示す模式図である。
図 2は、 上記液晶表示装置に設けられた液晶セルを示すものであり、 電圧無印加状態を示す模式図である。
図 3は、 上記液晶表示装置に設けられた液晶セルを示すものであり、 電圧印加状態を示す模式図である。
図 4は、 上記液晶セルの構成例を示すものであり、 画素電極近傍を示 す平面図である。
図 5は、 上記液晶表示装置に設けられた正の 1軸性フィルムの面内方 向のリターデーションおよび負の 1軸性フィルムの厚み方向のリターデ ーシヨ ンの好適な範囲を示すものであり、 各リタ一デーシヨ ンを、 それ ぞれに関するパラメータに対する相対値で示した図面である。
図 6は、 本発明の実施例を示すものであり、 液晶セルと偏光板との組 み合わせについて、 上記各リ ターデーションの最適値の実験結果を示す 図面である。
図 7は、 液晶表示装置において、 コントラス トの評価方法を示す図面
である。
図 8は、 本発明の他の実施形態を示すものであり、 液晶表示装置の要 部構成を示す模式図である。
図 9は、 上記液晶表示装置に設けられた 2軸性フィルムの面内方向の リターデーションおよび厚み方向のリターデーショ ンの好適な範囲を示 すものであり、 各リタ一デーシヨ ンを、 それぞれに関するパラメータに 対する相対値で示した図面である。
図 1 0は、 上記液晶表示装置の変形例を示すものであり、 液晶表示装 置の要部構成を示す模式図である。
図 1 1は、 本発明の実施例を示すものであり、 液晶セルと偏光板との 組み合わせについて、 上記各リターデーションの最適値の実験結果を示 す図面である。
図 1 2は、 上記各液晶表示装置の他の構成例を示すものであり、 液晶 セルの画素電極を示す斜視図である。
図 1 3は、 上記各液晶表示装置のさらに他の構成例を示すものであり 液晶セルの画素電極近傍を示す平面図である。
図 1 4は、 上記各液晶表示装置の別の構成例を示すものであり、 液晶 セルの画素電極を示す斜視図である。
図 1 5は、 上記各液晶表示装置のまた別の構成例を示すものであり、 液晶セルの画素電極および対向電極を示す斜視図である。
図 1 6は、 従来技術を示すものであり、 液晶表示装置の要部構成を示 す模式図である。
図 1 7は、 他の従来技術を示すものであり、 液晶表示装置の要部構成 を示す模式図である。
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発明を実施するための最良の形態
〔第 1 の実施形態〕
本発明の一実施形態について図 1ないし図 7に基づいて説明すると以 下の通りである。 なお、 詳細は後述するように、 本発明は、 他の液晶セ ルにも適用できるが、 以下では、 好適な一例と して、 マルチドメイン配 向の液晶セルについて説明する。
本実施形態に係る液晶表示装置 1は、 図 1に示すように、 垂直配向 ( V A ) 方式の液晶セル 1 1 と、 当該液晶セル 1 1の両側に配された偏 光板 1 2 · 1 3 と、 一方の偏光板 1 2および液晶セル 1 1の間に配され た正の 1軸性フィルム (第 1位相差フィルム) 1 4 と、 当該正の 1軸性 フィルム 1 4および偏光板 1 2の間に配された負の 1軸性フィルム (第 2位相差フィルム) 1 5 とを積層して構成されている。
上記液晶セル 1 1は、 図 2に示すように、 画素に対応する画素電極 2 l a (後述) が設けられた T F T ( Thi n Fi lm Tran s i s t or) 基板 1 1 a と、 対向電極 2 1 bが設けられた対向基板 1 1 b と、 両基板 1 1 a · 1 1 bにて挟持され、 負の誘電異方性を有するネマチック液晶から なる液晶層 1 1 c とを備えている。 なお、 本実施形態に係る液晶表示装 置 1 は、 カラー表示可能であり、 上記対向基板 1 1 bには、 各画素の色 に対応する力ラーフィルタが形成されている。
さらに、 上記画素電極 2 1 aが形成された T F T基板 1 1 aには、 液 晶層 1 1 c側の表面に垂直配向膜 2 2 aが形成されている。 同様に、 上 記対向電極 2 1 bが形成された対向基板 1 1 bの液晶層 1 1 c側の表面 には、 垂直配向膜 2 2 bが形成されている。 これにより、 上記両電極 2
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1 0 l a . 2 1 b間に電圧が印加されていない状態において、 両基板 1 1 a · 1 1 c間に配された液晶層 1 1 cの液晶分子 Mが、 上記基板 1 1 a · 1 1 b表面に対して垂直に配向する。 また、 両電極 2 1 a · 2 1 b 間に電圧が印加されると、 液晶分子 Mは、 上記基板 1 l a · 1 1 bの法 線方向に沿った状態 (電圧無印加状態) から、 印加電圧に応じた傾斜角 で傾斜する (図 3参照) 。 なお、 両基板 1 1 a · 1 l bが対向している ので、 特に区別する必要がある場合を除いて、 それぞれの法線方向およ び面内方向を、 単に法線方向あるいは面内方向と称する。
ここで、 本実施形態に係る液晶セル 1 1は、 マルチドメイン配向の液 晶セルであって、 各画素が複数の範囲 (ドメイン) に分割され、 配向方 向、 すなわち、 電圧印加時に液晶分子 Mが傾斜する際の方位 (傾斜角の 面内成分) が、 各ドメイン間で異なるように制御されている。
具体的には、 図 4に示すように、 上記画素電極 2 l aには、 断面形状 が山型で、 面内の形状がジグザグと略直角に曲がる突起列 2 3 a…が、 ス トライプ状に形成されている。 同様に、 上記対向電極 2 l bには、 法 線方向の形状が山型で、 面内の形状がジグザグと略直角に曲がる突起列 2 3 b…が、 ズ トライプ状に形成されている。 これらの両突起列 2 3 a · 2 3 bの面内方向における間隔は、 突起列 2 3 aの斜面の法線と突 起列 2 3 bの斜面の法線とが略一致するように配されている。 また、 上 記各突起列 2 3 a . 2 3 bは、 上記画素電極 2 1 aおよび対向電極 2 1 b上に感光性樹脂を塗布し、 フォ トリ ソグラフィー工程で加工すること で形成されている。
ここで、 突起列 2 3 aの近傍では、 液晶分子が斜面に垂直になるよ う に配向する。 加えて、 電圧印加時において、 突起列 2 3 aの近傍の電界
は、 突起列 2 3 a の斜面に平行になるように傾く。 こ こで、 液晶分子は、 長軸が電界に垂直な方向に傾き、 液晶の連続性によって、 突起列 2 3 a の斜面から離れた液晶分子も斜面近傍の液晶分子と同様の方向に配向す る。 同様にして、 電圧印加時において、 突起列 2 3 bの近傍の電界は、 突起列 2 3 b の斜面に平行になるように傾く。 こ こで、 液晶分子は、 長 軸が電界に垂直な方向に傾き、 液晶の連続性によって、 突起列 2 3 b (D 斜面から離れた液晶分子も斜面近傍の液晶分子と同様の方向に配向する これらの結果、 各突起列 2 3 a…および 2 3 b…において、 角部 C以 外の部分を線部と称すると、 突起列 2 3 aの線部 L 2 3 a と突起列 2 3 bの線部 L 2 3 b との間の領域では、 電圧印加時における液晶分子の配 向方向の面内成分は、 線部 L 2 3 aから線部 2 3 bへの方向の面内成分 と一致する。
こ こで、 各突起列 2 3 a · 2 3 bは、 角部 Cで略直角に曲がっている ( したがて、 液晶分子の配向方向は、 画素内で 4分割され、 画素内に、 液 晶分子の配向方向が互いに異なる ドメイン D 1〜D 4を形成できる。 一方、 図 1に示す偏光板 1 2 · 1 3は、 それぞれ、 偏光フィルム 1 2 a · 1 3 b と、 偏光フィルム 1 2 a · 1 3 aを保持する基材フイルムと しての ト リ ァセチノレセノレロース (T A C ) フイノレム 1 2 b · 1 3 b と を 備えている。 上記両 T A Cフィルム 1 2 a · 1 3 aは、 負の 1軸光学異 方性を有しており、 それぞれの光軸は、 液晶セル 1 1の法線方向と略一 致するように設定されている。 .また、 上記両偏光板 1 2 · 1 3は、 偏光 板 1 2の吸収軸 A A 1 2 と偏光板 1 3 の吸収軸 A A 1 3 とが直交するよ うに配置されている。 さらに、 両偏光板 1 2 · 1 3は、 それぞれの吸収 軸 Α Α 1 2 · Α Α 1 3 と、 電圧印加時における、 上記各ドメイ ン D 1 〜
D 4の液晶分子の配向方向の面内成分とが、 4 5度の角度をなすよ うに 配置されている。
また、 液晶セル 1 1の一方に積層された正の 1軸性フィルム 1 4は、 フィルム面内方向の屈折率を n X pおよび n y p、 法線方向の屈折率を n z p と したとき、 n X p > n y p = n z pなる特性を持った光学異方 性フィルムであって、 面内方向のリ タ一デーシヨン R pは、 フィルム厚 を d p と したとき、 以下の式 ( 1 ) に示すように、
R p = d p · ( n p— n y p )
… ( 1 )
で算出される。 さらに、 正の 1軸性フィルム 1 4は、 その遅相軸 S L 1 4が、 液晶セル 1 1から見て同じ側の偏光板 1 2の吸収軸 A A 1 2 と直 交するよ うに配されている。
一方、 液晶セル 1 1の他方に積層された負の 1軸性フィルム 1 5は、 フィルム面内の屈折率を n X nおよび n y n、 法線方向の屈折率を n z nと したとき、 n X n = n y n > n z nなる特性を持った光学異方性フ イルムであり、 厚み方向のリ ターデーショ ン R nは、 フィルム厚を d n と したとき、 以下の式 ( 2 ) に示すように、
R n = d n ' { (n x n + n y n ; / 2— n z n }
… ( 2 )
で算出される。 また、 負の 1軸性フィルム 1 5は、 その光軸が液晶セル 1 1の法線方向と略一致するように配されている。
上記構成の液晶表示装置 1では、 画素電極 2 1 a と対向電極 2 1 b と の間に電圧を印加している間、 液晶セル 1 1 の液晶分子は、 図 3に示す ように、 法線方向に対して、 電圧に応じた角度だけ傾斜配向している。
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1 3 これにより、 液晶セル 1 1を通過する光には、 電圧に応じた位相差が与 えられる。
ここで、 両偏光板 1 2 · 1 3の吸収軸 A A 1 2 · A A 1 3は、 互レ、に 直交するよ うに配置されており、 詳細は後述するように、 正の 1軸性フ イルム 1 4および負の 1軸性フィルム 1 5は、 液晶セル 1 1の液晶分子 が図 2に示すように法線方向に配向している場合に液晶セル 1 1が透過 光に与えてしまう位相差を補償するように構成されている。
したがって、 出射側の偏光板 (例えば、 1 2 ) へ入射する光は、 液晶 セル 1 1が与える位相差に応じた楕円偏光になり、 当該入射光の一部が 偏光板 1 2を通過する。 この結果、 印加電圧に応じて偏光板 1 2からの 出射光量を制御でき、 階調表示が可能となる。
さらに、 上記液晶セル 1 1では、 画素内に、 液晶分子の配向方向が互 いに異なる ドメイン D 1〜D 4が形成されている。 したがって、 ある ド メイ ン (例えば、 D 1 ) に属する液晶分子の配向方向に平行な方向から 液晶セル 1 1を見た結果、 当該液晶分子が透過光に位相差を与えること ができない場合であっても、 残余の ドメイン (この場合は、 D 2〜D 4 ) の液晶分子は、 透過光に位相差を与えることができる。 したがって、 各ドメイン同士が、 互いに光学的に捕償し合う こ.とができる。 この結果、 液晶セル 1 1を斜め方向から見た場合の表示品位を改善し、 視野角を拡 大できる。
一方、 画素電極 2 1 a と対向電極 2 1 b との間に電圧を印加していな い間、 液晶セル 1 1の液晶分子は、 図 2に示すように、 垂直配向状態に ある。 この状態 (電圧無印加時) では、 法線方向から液晶セル 1 1へ入 射した光は、 各液晶分子によって位相差が与えられず、 偏光状態を維持
したままで液晶セル 1 1 を通過する。 この結果、 出射側の偏光板 (例え ば、 1 2 ) へ入射する光は、 偏光板 1 2の吸収軸 A A 1 2に略平行な方 向の直線偏光となり、 偏光板 1 2を通過することができない。 この結果、 液晶表示装置 1は、 黒を表示できる。
ここで、 斜め方向から液晶セル 1 1に入射した光には、 液晶分子によ つて、 液晶分子の配向方向との間の角度、 すなわち、 入射光と液晶セル 1 1の法線方向との間の角度 (極角) に応じた位相差が与えられる。 し たがって、 正の 1軸性フィルム 1 4およぴ負の 1軸性フィルム 1 5がな ければ、 偏光板 1 2に入射する光は、 極角に応じた楕円偏光となり、 そ の一部が偏光板 1 2を通過してしまう。 この結果、 本来黒表示であるべ き、 垂直配向状態であるにも拘らず、 光漏れが発生し、 表示のコントラ ス トが低下すると共に、 着色や階調つぶれが発生する虞れがある。
ところが、 図 1 に示す構成では、 正の 1軸性フィルム 1 4および負の 1軸性フィルム 1 5が設けられているので、 それぞれのリターデーショ ンが適切に設定されていれば、 液晶セル 1 1が極角に応じて与えた位相 差を打ち消すことができる。 この結果、 光漏れを防止して、 斜め方向か ら見た場合のコントラス トを向上できると共に、 着色や階調つぶれを防 止できる。
こ こで、 本実施形態に係る液晶表示装置 1では、 斜め視角の表示品位 として、 実使用上十分高いコン トラス トを維持しつつ、 良好な色味およ ぴ良好な階調特性を示す液晶表示装置を得るために、 より詳細には、 斜 め方向から見た場合のコン トラス トを 1 0以上と、 実用上十分に高い値 に保ちながら、 上記方向からの観察者が着色および階調つぶれを殆ど感 じないよ うにするために、 正の 1軸性フィルム 1 4および負の 1軸性フ
イルム 1 5のリ ターデーションが以下のように設定されている。 具体的には、 T A Cフィルム 1 2 b · 1 3 bの厚み方向のリターデー シヨ ンを R t a c 〔n m〕 、 上記リ タ一デーシヨン R pに関するパラメ —タ α 1 〔n m〕 を、 以下の式 ( 3 ) に示すように、
« 1 = 3 5 + (R l c / 8 0 - 4 ) 2 X 3 . 5
+ ( 3 6 0 — R l c ) X R t a c / 8 5 0
… ( 3 )
とすると、 正の 1軸性フィルム 1 4の面内方向のリターデーション R p は、 ひ 1の 8 0 %以上かつ 1 2 0 %以下の値に設定されている。
また、 液晶セル 1 1の厚み方向のリタ一デーシヨンを R l c [ n m] ■ 上記リ ターデーショ ン R nに関するパラメータ β 1 〔 n m〕 を、 以下の 式 ( 4 ) に示すよ うに、
β 1 = R 1 c - 1 . 9 X R t a c
… ( 4 )
とすると、 負の 1軸性フィルム 1 5の厚み方向のリタ一デーシヨン R n は、 β 1の 6 0 %以上かつ 9 0 %以下の値に設定されている。
このよ う に、 上記リ ターデーシヨ ン R ρ · R ηを、 上記パラメータ α 1 · β 1を基準にして、 図 5に示す範囲 A 1に設定することによって、 液晶表示装置 1 を斜め方向から見た場合のコントラス トを 1 0以上と、 実用上十分に高い値に保ちながら、 上記斜め方向からの観察者が着色お ょぴ階調つぶれを殆ど感じず、 良好な視野角特性を持った液晶表示装置 1 を確実に得ることができる。
さらに、 上記範囲 A 1の外周部より も内部の方が、 上記観察者によつ て把握される着色および階調つぶれが減少するが、 特に、 図 5に示す範
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16 囲 A 2のように、 上記リ タ一デーシヨン R pを上記 α 1の 9 0 %以上か つ 1 1 0 %以下の値に設定すると共に、 上記リタ一デーシヨ ン R nを上 記 i3 1の 6 5 %以上かつ 8 5 %以下に設定することによって、 さらに良 好な視野角特性を持った液晶表示装置 1を実現できる。
なお、 当該領域 A 2内では、 上記着色および階調つぶれの改善効果が 上記観察者によつて認識されず、 上記着色および階調つぶれの改善効果 が実質上飽和している。 したがって、 当該領域 A 2内に設定することに よって、 同程度の良好な表示品位を有する液晶表示装置 1 を実現できる c また、 上記リ ターデーショ ン R pを上記ひ 1 と同一に設定し、 上記リ タ 一デーシヨ ン R nを上記 1 と同一に設定すると、 斜め方向から見た場 合のコン トラス トが最大になる。 さらに、 上記リタ一デーシヨン R pを 上記 α 1 の 8 0 %〜 1 2 0 %に設定し、 上記リ タ一デーシヨ ン R nを上 記 ] 3 1 の 8 5 %〜9 0 %に設定すれば、 着色や階調つぶれを許容範囲内 に抑え、 しかも、 上記領域 A 2に比較してコン ト ラス トを向上できる。
こ こで、 上記式 ( 3 ) から明らかなように、 正の 1軸性フィルム 1 4 の面内方向の リ タ一デ一シヨ ン R pの最適値が TA Cフィルム 1 2 b · 1 3 bの厚み方向のリ タ一デーシヨ ン R t a cに応じて増加するか減少 するかは、 液晶セル 1 1の厚み方向のリ タ一デーシヨ ン R l cによって 変化している。 そして、 上記液晶セル 1 1のリターデーシヨン R 1 cが 3 6 0 〔n m〕 を境に、 最適な上記リタ一デーシヨ ン R pの上記リタ一 デーシヨ ン R t a cに対する依存性が逆転している。
したがって、 液晶セル 1 1の厚み方向のリターデーシヨ ン R 1 cを 3 6 0 〔n m〕 に設定することによって、 上記リ タ一デーシヨ ン R t a c に拘わらず、 正の 1軸性フィルム 1 4の面内方向のリ ターデーション R
を 3 5. 9 〔n m〕 に固定できる。
また、 上記リ タ一デーシヨ ン R l cが 3 2 4 〔n m〕 力 ら 3 9 6 [ n m) の範囲であり、 上記リタ一デーシヨ ン R pが 3 0. 7 〔n m〕 〜4 1. 7 〔n m〕 の範囲であれば、 上記リタ一デーシヨン R t a cが一般 的な値、 すなわち、 3 0 〔n m〕 〜8 0 〔n m〕 程度であれば、 上記リ ターデーシヨ ン R pは、 上記ひ 1 の 8 0 %〜 1 2 0 %の範囲におさまる: この結果、 上記リ ターデーショ ン R nを上記 1の 6 0 %〜 9 0 %に設 定することによって、 液晶表示装置 1を斜め方向から見た場合のコント ラス トを 1 0以上と、 実用上十分に高い値に保ちながら、 上記斜め方向 からの観察者が着色および階調つぶれを殆ど感じず、 良好な視野角特性 を持った液晶表示装置 1を確実に得ることができる。
したがって、 生産性の向上が重視される場合は、 液晶セル 1 1の厚み 方向のリ タ一デーシヨ ン R l c を 3 2 4 〔n m〕 力 ら 3 9 6 〔n m〕 の 範囲、 かつ、 正の 1軸性フィルム 1 4の面内方向のリ タ一デーシヨ ン R pを 3 0. 7 〔η π!〕 〜 4 1. 7 〔 n m〕 .の範囲に設定することが望ま しい。
これによ り、 TA Cフィルム 1 2 b ♦ 1 3 bの製造バラツキによ り上 記リタ一デーシヨ ン R t a cが変動する場合であっても、 面内方向のリ ターデーシヨン R pが同じ値の正の 1軸性フィルム 1 4を用いて、 上記 良好な視野角特性を持った液晶表示装置 1を実現できる。 この結果、 T A Cフィルム 1 2 b · 1 3 bに製造バラツキがある場合でも、 正の 1軸 性フィルム 1 4の種類を固定でき、 生産性を向上できる。
さらに、 生産性の向上と、 より良好な視野角特性との双方が重視され る場合は、 上記リ ターデーンヨ ン R l cを 3 4 2 〔 n m) から 3 7 8
〔n m〕 の範囲に設定し、 上記リタ一デ一シヨン R pを 3 3. 3 〔n m] から 3 8. 6 〔n m〕 の範囲に設定することが望ましい。 この場合 は、 上記リ タ一デーシヨ ン R t a cが一般的な値、 すなわち、 3 0 [ n m) 〜8 0 〔n m〕 程度であれば、 上記リタ一デーシヨ ン R pが、 上記 α 1の 9 0 %〜 1 1 0 %の範囲におさまる。 したがって、 リタ一デーシ ョ ン R ηを上記 j3 1 の 6 5 %〜 8 5 %に設定することによって、 上記領 域 A 2内の液晶表示装置 1、 すなわち、 極めて良好な視野角特性を持つ た液晶表示装置 1を実現できる。 また、 この場合も、 T A Cフィルム 1 2 b . 1 3 bの製造バラツキにより上記リ タ一デーシヨ ン R t a cが変 動する場合であっても、 正の 1軸性フィルム 1 4の種類を固定でき、 生 産性を向上できる。
〔実施例' 1〕
本実施例では、 液晶セル 1 1 として、 液晶層 1 1 cの屈折率異方性 Δ nが 0. 0 8であり、 厚み (セル厚 d 1 cが、 それぞれ、 3. 0 〔 μ m〕 、 4. 0 [ μ m] および 5. 0 〔 m〕 の液晶セル、 すなわち、 厚 み方向の V タ一デーション R 1 c (= d 1 c · 厶 n ) が、 それぞれ、 2 4 0 〔n m〕 、 3 2 0 〔n m〕 および 4 0 0 〔n m〕 の液晶セルを用意 した。 また、 TA Cフィルム 1 2 b · 1 3 b と して、 厚み方向のリ タ一 デ——ン a ン R t a cが、 それぞれ 0 〔n m〕 、 3 0 〔n m〕 、 5 0 〔n m〕 、 8 0 〔n m〕 の T A Cフィルムを用意した。 さらに、 上記各液晶 セル 1 1および TA Cフィルム 1 2 b · 1 3 bの組み合わせのそれぞ;^ について、 斜め方向から見た場合のコントラス トが最大となる R pおよ び R nを求めた。 この結果、 図 6に示すような実験結果が得られた。 なお、 コン ト ラス トを測定する際、 液晶表示装置 1が実際に使用され
る場合の視野角が、 液晶セル 1 1の法線からの角度 (極角) が 0度〜 6 0度であり、 極角が大きくなる程、 コン トラス トが低下することから、 図 7に示すよ うに、 極角が 6 0度の方向からコン トラス トを測定した。 また、 コン ト ラス トを測定する際の方位 (面内での方向) は、 コントラ ス トが偏光フィルム 1 2 a · 1 3 aの吸収軸 AA 1 2 · ΑΑ 1 3 を基準 に 4 5度の方位で最も低下することから、 両吸収軸 A A 1 2 · A A 1 3 を基準に 4 5度の方位から測定した。
これにより、 図 1に示すよ うに、 負の 1軸性フィルム 1 5 と液晶セル 1 1 との間に正の 1軸性フィルム 1 4を配した積層順序では、 正の 1軸 性フィルム 1 4の面内方向のリターデーショ ン R pが上述のパラメータ ひ 1 と同一であり 、 負の 1軸性フィルム 1 5の厚み方向のリ ターデーシ ヨン R nが上述のパラメータ ]3 1 と同一の場合に、 最大のコントラス ト の液晶表示装置 1が得られることを確認できた。 また、 上記実験結果か ら、 上述の式 ( 3 ) および (4 ) が算出できた。
さらに、 上記で用意した液晶セル 1 1の場合、 上記で用意したような 一般的な TA Cフィルム 1 2 b ' 1 3 b (R t a c = 3 0、 5 0、 8 0 [ n m] ) であれば、 正の 1軸性フィルム 1 4の面内方向のリターデー シヨ ン R pの最適値は、 3 5〜4 9 〔 n m〕 であり、 液晶セル 1 1 の厚 みが 3. 0 [ μ m] および 4. 0 [ μ m) の場合、 すなわち、 液晶セル 1 1の厚み方向のリ タ一デーシヨン R l cが 2 4 0 〔n m〕 および 3 2 0 〔 n m〕 の場合、 上記リタ一デーシヨン R t a c の増加に伴なつて增 加することが確認できた。 また、 液晶セル 1 1 の厚みが 5. 0 [ m] の場合 (上記リターデーシヨ ン R l cが 4 0 0 〔n m〕 ) の場合は、 上 記リターデーシヨ ン R pの最適値が上記リ ターデーシヨ ン R t a c の増
加に伴なつて減少することも確認できた。
さらに、 液晶セル 1 1の厚み方向のリタ一デーシヨ ン R 1 (;を 3 6 0 〔n m〕 に設定することによって、 上記リタ一デーシヨ ン R t a cが変 化しても、 上記斜め方向から見た場合のコントラス トが最大となる上記 リタ一デーシヨ ン R pが殆ど一定であることが確認できた。
加えて、 上記リ ターデーショ ン R pおよび R nをそれぞれ 5 %ずつ変 化させながら、 観察者が各液晶表示装置 1の着色および階調つぶれを上 記斜め方向から評価した。 特に、 観察者は、 着色現象の有無と して、 上 記斜め方向において、 白が黄色や青みがかった色にシフ トする現象の有 無を評価し、 階調つぶれの有無と して、 明るい領域の階調がつぶれ映像 の表現力が低下する現象の有無を評価した。
これによつて、 液晶セル 1 1の厚み方向のリタ一デーシヨ ン R l c、 および、 T A Cフィルム 1 2 b · 1 3 bのリタ一デーシヨ ン R t a cが 上記値のいずれであっても、 上記リタ一デーシヨ ン R pが、 上記パラメ ータ α 1の 8 0 %以上かつ 1 2 0 %以下の値であり、 しかも、 上記リタ 一デーション R ηが、 上記パラメータ ]3 1の 6 0 %以上かつ 9 0 %以下 の値であれば、 上記斜め方向 (極角 6 0度) におけるコ ン ト ラス トが 1 0を超え、 実使用上、 十分なコン トラス トを維持していることも確認で きた。 さらに、 上記リ タ一デーシヨ ン R ρおよび R ηが上記範囲に設定 されていれば、 液晶表示装置 1は、 上記斜め方向からの観察者が着色お よび階調つぶれを殆ど感じず、 良好な視野角特性を示すことが確認され た。 また、 上記リ タ一デーシヨ ン R ρ が、 ノ ラメータ α 1 の 8 0 %よ り 小さいか 1 2 0 %よ り も大きい場合、 および、 上記リ タ一デーシヨ ン R ηが、 パラメ ータ β 1の 6 0 %より小さいか 9 ◦ %より も大きい場合は
上記斜め方向からの観察者によって、 例えば、 白が黄色や青みがかった 色にシフ トする着色現象、 あるいは、 明るい領域における階調つぶれに よつて映像の表現力が低下する現象が明確に確認され、 観察者が着色や 階調つぶれを許容できないことも確認された。
加えて、 液晶セル 1 1の厚み方向のリ タ一デーシヨ ン R 1 c、 および、
T A Cフィルム 1 2 b · 1 3 b のリタ一デーシヨ ン R t a cが、 上記値 のいずれであっても、 上記リ タ一デーシヨ ン R pが、 上記パラメータ α 1の 9 0 %以上かつ 1 1 0 %以下の値であり、 しかも、 上記リターデー シヨ ン R ηが、 上記パラメータ) 3 1の 6 5 %以上かつ 8 5 %以下の値で あれば、 上記リタ一デーシヨ ン R ρが上記パラメータ α ΐ の 8 0 %〜 9 0 %または 1 1 0 %〜 : I 2 0 %、 あるいは、 上記リタ一デーシヨ ン R η が上記パラメータ β 1 の 6 0 %〜 6 5 %または 8 5 %〜 9 0 %の場合に 比べて、 上記斜め方向からの観察者によって把握される着色および階調 つぶれが減少することが確認できた。
また、 上記リタ一デーシヨ ン R ρ力 、 上記パラメータ α 1 の 9 0 %以 上かつ 1 1 0 %以下の値であり、 しかも、 上記リタ一デーシヨ ン R η力 S、 上記パラメータ β 1の 6 5 %以上かつ 8 5 %以下の値であれば、 上記着 色および階調つぶれの改善効果が実質上飽和し、 上記斜め方向からの観 察者は、 各リ ターデーシヨ ン R ρおよび R ηが当該範囲に設定されてい る複数の液晶表示装置 1同士の間で、 着色および階調つぶれの相違を確 認できず、 同程度の良好な表示品位が得られることを確認できた。
なお、 上記領域 A 2におけるリ タ一.デーシヨ ン R p の中心値は、 上記 斜め方向からコン トラス トを最大にする上記リタ一デーシヨ ン R p ( = a 1 ) の 1 0 0 % (同一の値) であることが確認できた。 一方、 上記領
域 A 2におけるリ ターデーショ ン R nの中心値は、 上記斜め方向からコ ン トラス トを最大にする上記リ タ一デーシヨ ン R n (= |3 1 ) の 7 5 % であり、 負の 1軸性フィルム 1 5の厚み方向のリ ターデーション R nを コン ト ラス トの最適値 1 より も小さく設定する方が着色現象や階調つ ぶれを改善できることも確認できた。
また、 上記リタ一デーシヨ ン R ρを上記 α 1 の 8 0 %〜 1 2 0 %に設 定し、 上記リタ一デーシヨ ン R nを上記 j3 1 の 8 5 %〜9 0 %に設定す れば、 着色や階調つぶれを許容範囲内に抑え、 しかも、 上記領域 A 2に 比較してコントラス トを向上できることが確認できた。
さらに、 液晶セル 1 1のリタ一デーシヨ ン R l cを 3 2 4 [ n m] 〜
3 9 6 〔n m〕 に設定し、 正の 1軸性フィルム 1 4の面内方向のリ タ一 デーシヨ ン R pを 3 0. 7 〔n m〕 〜4 1 . 7 〔n m〕 に設定すること によって、 上記リタ一デーシヨ ン R t a cが一般的な値であれば、 液晶 表示装置 1 を斜め方向から見た場合のコン トラス トが 1 0以上であり、 上記斜め方向からの観察者が着色および階調つぶれを殆ど感じないこと を確認できた。 また、 上記リタ一デーシヨ ン R 1 cが 3 4 2 〔 n m〕 〜 3 7 8 [ n m] であり、 上記リタ一デ一シヨ ン R pが 3 3. 3 〔n m〕 〜3 8. 6 〔n m〕 であれば、 上記斜め方向からの観察者が着色および 階調つぶれの点で上記リターデーシヨン R p · R nが領域 A 2内の値に 設定された各液晶表示装置 1 との相違を認識できないことも確認できた, 〔第 2の実施形態〕
本実施形態に係る液晶表示装置 1 aは、 図 1に示す液晶表示装置 1 の 構成に類似しているが、 正の 1軸性フィルム 1 4およぴ負の 1軸性フィ ルム 1 5に代えて、 図 8に示すように、 液晶セル 1 1 と偏光板 1 2 との
間に、 2軸性フィルム (位相差フィルム) 1 6が積層されている。
上記 2軸性フィルム 1 6は、 フィルム面内方向の屈折率を n x 2およ ' ぴ n y 2、 法線方向の屈折率を n z 2 と したとき、 n x 2〉 n y 2 〉 n z 2なる特性を持った光学異方性フィルムであって、 面内方向のリター デーシヨ ン R X yおよび厚み方向のリタ一デーシヨ ン R zは、 フィルム 厚を d 2 と したとき、 以下の式 ( 5 ) および式 ( 6 ) に、 それぞれ示す よ うに、
R X y = d 2 - ( n X 2 - n y 2 )
- ( 5 )
R z = d 2 · { ( n x 2 + n y 2 ) / 2 - n z 2 }
… ( 6 )
で算出される。 また、 2軸性フィルム 1 6は、 その面内の遅相軸 S L 1 6が、 液晶セル 1 1から見て同じ側の偏光板 1 2の吸収軸 A A 1 2 と直 交するように配されている。
この場合であっても、 液晶分子が垂直配向している液晶セル 1 1を斜 め方向から見た場合に、 液晶セル 1 1によって透過光に与えられる位相 差が 2軸性フィルム 1 6によって補償されるため、 2軸性フィルム 1 6 の リターデーションが適切に設定されていれば、 斜め方向から見た場合 のコン トラス トを向上でき る。
さらに、 本実施形態に係る液晶表示装置 1 aでは、 斜め視角の表示品 位と して、 実使用上十分高いコン ト ラス トを維持しつつ、 良好な色味お よび良好な階調特性を示す液晶表示装置を得るために、 より詳細には、 斜め方向から見た場合のコン ト ラス トを 1 0以上と、 実用上十分に高い 値に保ちながら、 上記方向からの観察者が着色および階調つぶれを殆ど
T眉 02521
24 感じないようにするために、 2軸性フィルム 1 6のリターデーショ ンが 以下のように設定されている。
具体的には、 T A Cフィルム 1 2 b · 1 3 bの厚み方向のリターデー シヨ ンを R t a c 〔n m〕 、 上記面内方向のリタ一デーシヨ ン R x yに 関するパラメータ 2 [ n m] を、 以下の式 ( 7 ) に示すように、
« 2 = 8 5 - 0 . 0 9 X R l c — R t a c / 2 0
… ( 7 )
とすると、 2軸性フィルム 1 6の面内方向のリ タ一デーシヨ ン R x yは、 a 2の 8 0 %以上かつ 1 2 0 %以下の値に設定されている。
また、 液晶セル 1 1の厚み方向のリタ一デーシヨ ンを R l c [ n m] 、 上記リ タ一デーシヨ ン R zに関するパラメータ 2 〔n m〕 を、 以下の 式 ( 8 ) に示すように、
β 2 = 1 . 0 5 X R 1 c - 1 . 9 X R t a c
… ( 8 )
とすると、 2軸性フィルム 1 6の厚み方向のリタ一デーシヨン R zは、 β 2の 6 0 %以上かつ 9 0 %以下の値に設定されている。
このよ う に、 上記リ タ一デーシヨ ン R x y ' R zを、 上記パラメータ α 2 · )δ 2を基準にして、 図 9に示す範囲 A 1に設定することによって、 液晶表示装置 1 aを斜め方向から見た場合のコン ト ラス トを 1 0以上と、 実用上十分に高い値に保ちながら、 上記斜め方向からの観察者が着色お よび階調つぶれを殆ど感じず、 良好な視野角特性を持った液晶表示装置 1 aを確実に得ることができる。
さらに、 上記範囲 A 1の外周部より も内部の方が、 上記観察者によつ て把握される着色おょぴ階調つぶれが減少するが、 特に、 図 9に示す範
T JP03/02521
2 5 囲 A 2のよ うに、 上記リターデーシヨン R X yを上記 α 2の 9 0 %以上 かつ 1 1 0 %以下の値に設定すると共に、 上記リターデーシヨン R ζを 上記 /3 2の 6 5 %以上かつ 8 5 %以下に設定することによって、 さらに 良好な視野角特性を持った液晶表示装置 1 aを実現できる。
なお、 当該領域 A 2内では、 上記着色および階調つぶれの改善効果が 上記観察者によつて認識されず、 上記着色および階調つぶれの改善効果 が実質上飽和している。 したがって、 当該領域 A 2内に設定することに よって、 同程度の良好な表示品位を有する液晶表示装置 1 aを実現でき る。 また、 上記リ タ一デーシヨン R X yを上記 2 と同一に設定し、 上 記リ タ一デーシヨ ン R zを上記;3 2 と同一に設定すると、 斜め方向から 見た場合のコン ト ラス トが最大になる。 さらに、 上記リ タ一デーシヨン R X yを上記ひ 2 の 8 0 %〜 1 2 0 %に設定し、 上記リターデ一ショ ン R zを上記 3 2の 8 5 %〜 9 0 %に設定すれば、 着色や階調つぶれを許 容範囲内に抑え、 しかも、 上記領域 A 2に比較してコン トラス トを向上 できる。
また、 図 1 0に示す液晶表示装置 1 b のよ う に、 図 8 の 2軸性フィル ム 1 6を、 2軸性フィルム 1 6 aおよび 1 6 b の 2枚に分割し、 両 2軸 性フィルム 1 6 a · 1 6 bを液晶セル 1 1 の両側に配してもよい。 なお、 この場合は、 2軸性フィルム 1 6 a · 1 6 bが特許請求の範囲に記載の 第 1 およぴ第 2位相差フィルムに対応する。
この場合、 2軸性フィルム 1 6 aは、 面内方向の遅相軸 S L 1 6 aが、 液晶セル 1 1から見て同じ側の偏光板 1 2の吸収軸 A A 1 2 と直交する よ うに配される。 同様に、 2軸性フィルム 1 6 b の遅相軸 S L 1 6 bは- 液晶セル 1 1から見て同じ側の偏光板 1 3の吸収軸 A A 1 3 と直交する
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26 よ う に配される。 この場合であっても、 各 2軸性フィルム 1 6 a · 1 6 bの面内方向のリ ターデーショ ン R x y aおよび R x y b を、 上記 2軸 性フィルム 1 6 の面内方向のリ ターデーショ ン R x y の半分に設定し、 各 2軸性フィルム 1 6 a · 1 6 bの厚み方向のリ タ一デーシヨ ン R z a · R z b を、 上記 2軸性フィルム 1 6の厚み方向のリ タ一デーショ ン
R z の半分に設定することによって、 同様の効果が得られる。
具体的には、 T A Cフィルム 1 2 b · 1 3 bの厚み方向のリ ターデー シヨ ンを R t a c 〔n m〕 、 上記面内方向のリ ターデーシヨ ン R x y a および R x y bに関するパラメータ 3 [ n m] を、 以下の式 ( 9 ) に 示すよ うに、
« 3 = 4 2 . 5 - 0 . 0 4 5 X R l c - R t a c / 4 0
… ( 9 )
とする と、 2軸性フィルム 1 6 a · 1 6 b の面内方向のリ ターデーショ ン R x y a · R x y bは、 それぞれ、 ひ 3の 8 0 %以上かつ 1 2 0 %以 下の値に設定されている。
また、 液晶セル 1 1 の厚み方向のリ タ一デーシヨ ンを R l c 〔n m〕 、 上記リ ターデーシヨ ン R z a · R z bに関するパラメータ /3 3 〔n m〕 を、 以下の式 (10) に示すよ うに、
j3 3 = 0 . 5 2 5 X R 1 c - 0 . 9 5 X R t a c
·■· (10)
とすると、 2軸性フィルム 1 6 a · 1 6 bの厚み方向のリ ターデーショ ン R z a R z bは、 それぞれ、 3の 6 0 %以上かつ 9 0 Q/。以下の値に 設定されている。
これによ り、 液晶表示装置 1 a と同様に、 液晶表示装置 1 b を斜め方
P 漏藝 21
27 向から見た場合のコント ラス トを 1 0以上と、 実用上十分に高い値に保 ちながら、 上記斜め方向からの観察者が着色および階調つぶれを殆ど感 じず、 良好な視野角特性を持った液晶表示装置 1 bを確実に得ることが できる。
さ らに、 上記液晶表示装置 1 a と同様に、 上記範囲 A 1の外周部より も内部の方が、 上記観察者によって把握される着色および階調つぶれが 減少するが、 特に、 図 9に示す範囲 A 2のように、 上記リターデーショ ン R x y a ' R x y bを、 それぞれ、 上記ひ 3の 9 0 %以上かつ 1 1 0 %以下の値に設定すると共に、 上記リタ一デーシヨ ン R z a ' R z b を上記 ]3 3の 6 5 %以上かつ 8 5 %以下に設定することによって、 さら に良好な視野角特性を持った液晶表示装置 1 bを実現できる。
なお、 上記液晶表示装置 1 a と同様に、 当該領域 A 2内では、 上記着 色おょぴ階調つぶれの改善効果が上記観察者によつて認識されず、 上記 着色および階調つぶれの改善効果が実質上飽和している。 したがって、 当該領域 A 2内に設定することによって、 同程度の良好な表示品位を有 する液晶表示装置 l bを実現できる。 また、 上記リ ターデーシヨ ン R X y a · R x y b を上記 α 3 と同一に設定し、 上記リ タ一デーシヨ ン R ζ a · R z bを上記 3 と同一に設定すると、 斜め方向から見た場合のコ ントラス トが最大になる。 さらに、 上記リ タ一デーシヨ ン R x y a ' R X y bを上記ひ 3の 8 0 %〜 1 2 0 %に設定し、 上記リターデーショ ン
R z a · R z bを上記 3の 8 5 %〜 9 0 %に設定すれば、 着色や階調 つぶれを許容範囲内に抑え、 しかも、 上記領域 A 2に比較してコン トラ ス トを向上できる。
〔実施例 2〕
本実施例では、 上述の実施例 1 と同様の液晶セル 1 1 と TA Cフィル ム 1 2 b · 1 3 b とを用意し、 両者の組み合わせのそれぞれについて、 実施例 1 と同じ斜め方向から見た場合のコントラス トが最大となる R x yおよび R z を求めた。 これにより、 図 1 1に示す実験結果が得られた。 図 8に示すように、 液晶セル 1 1 と偏光板 1 2 · 1 3の一方 (図の場 合は、 偏光板 1 2 ) との間に 2軸性フィルム 1 6を配した積層順序では、 2軸 '14フィルム 1 6の面内方向のリ ターデーション R x yが上述のパラ メータ α 2 と同一であり、 2軸性フィルム 1 6の厚み方向のリターデー シヨ ン R ζが上述のパラメータ β 2 と同一の場合に、 最大のコン ト ラス トの液晶表示装置 1 aが得られることを確認できた。 また、 上記実験結 果を一次式で近似することによって、 上述の式 ( 7 ) および ( 8 ) が算 出できた。
さらに、 '上記で用意した液晶セル 1 1の場合、 上記で用意したよ うな 一般的な TA Cフィルム 1 2 b ' 1 3 b (R t a c = 3 0、 5 0、 8 0 〔n m〕 ) であれば、 面内方向のリタ一デーシヨ ン R x yの最適値は、
4 5〜6 5 〔n m〕 であり、 リ タ一デーシヨン R t a cは、 厚み方向の リ ターデーションであるにも拘わらず、 2軸性フィルム 1 6の面内方向 のリ タ一デーシヨン R x yに影響を及ぼしており、 TA Cフィルム 1 2 b · 1 3 bの影響を単純には取り极う ことができないことも確認できた。 加えて、 上記リタ一デーシヨ ン R X yおよび R z をそれぞれ 5 %ずつ 変化させながら観察者が各液晶表示装置 1 aの着色および階調つぶれを 上記斜め方向から評価した。 特に、 観察者は、 着色現象の有無と して、 上記斜め方向において、 白が黄色や青みがかった色にシフ トする現象の 有無を評価し、 階調つぶれの有無と して、 明るい領域の階調がつぶれ映
像の表現力が低下する現象の有無を評価した。
これによつて、 液晶セル 1 1の厚み方向のリ タ一デーシヨ ン R l c、 および、 T ACフィルム 1 2 b · 1 3 bのリ タ一デ一シヨ ン R t a cが. 上記値のいずれであっても、 上記リ タ一デーシヨ ン R X yが、 上記パラ メータ α 2の 8 0 %以上かつ 1 2 0 %以下の値であり、 しかも、 上記リ ターデーショ ン R ζが、 上記パラメータ β 2の 6 0 %以上かつ 9 0 %以 下の値であれば、 上記斜め方向 (極角 6 0度) におけるコン ト ラス トが 1 0を超え、 実使用上、 十分なコ ン トラス トを維持していることも確認 できた。 さらに、 上記リタ一デーシヨ ン R X yおよび R ζが上記範囲に 設定されていれば、 液晶表示装置 1 aは、 上記斜め方向からの観察者が 着色および階調つぶれを殆ど感じず、 良好な視野角特性を示すことが確 認された。 また、 上記リタ一デーシヨ ン R x yが、 パラメータ α 2の 8 0 %より小さいか 1 2 0 %より も大きい場合、 および、 上記リターデー シヨ ン R ζが、 パラメータ 0 2の 6 0 %より小さいか 9 0 %よ り も大き い場合は、 上記斜め方向からの観察者によって、 例えば、 白が黄色や青 みがかった色にシフ トする着色現象、 あるいは、 明るい領域における階 調つぶれによつて映像の表現力が低下する現象が明確に確認され、 観察 者が着色や階調つぶれを許容できないことも確認された。
加えて、 液晶セル 1 1の厚み方向のリタ一デーシヨ ン R l c、 および T A Cフィルム 1 2 b ' 1 3 bの リ ターデーシヨ ン R t a cが、 上記値 のいずれであっても、 上記リ タ一デーシヨン R X yが、 上記パラメータ ひ 2の 9 0 %以上かつ 1 1 0 %以下の値であり、 しかも、 上記リターデ ーシヨン R zが、 上記パラメータ ]3 2の 6 5 %以上かつ 8 5 %以下の値 であれば、 上記リターデーショ ン R X yが上記パラメータ α 2の 8 0 %
〜 9 0 %または 1 1 0 %〜 1 2 0 %、 あるいは、 上記リタ一デーシヨ ン R zが上記パラメータ ]3 2の 6 0 %〜 6 5 %または 8 5 %〜 9 0 %の場 合に比べて、 上記斜め方向からの観察者によつて把握される着色および 階調つぶれが減少することが確認できた。
また、 上記リターデーシヨ ン R X yが、 上記パラメータ α 2 の 9 0 % 以上かつ 1 1 0 %以下の値であり、 しかも、 上記リタ一デーシヨ ン R ζ が、 上記パラメータ /3 2の 6 5 %以上かつ 8 5 %以下の値であれば、 上 記着色および階調つぶれの改善効果が実質上飽和し、 上記斜め方向から の観察者は、 各リ ターデーション R χ yおよび R zが当該範囲に設定さ れている複数の液晶表示装置 1 a同士の間で、 着色おょぴ階調つぶれの 相違を確認できず、 同程度の良好な表示品位が得られることを確認でき た。
なお、 上記領域 A 2におけるリタ一デーシヨ ン R X yの中心値は、 上 記斜め方向からコントラス トを最大にする上記リ ターデーション R X y ( = α 2 ) の 1 0 0 % (同一の値) であることが確認できた。 一方、 上 記領域 A 2におけるリターデーショ ン R z の中心値は、 上記斜め方向か らコントラス トを最大にする上記リ タ一デーシヨ ン R Z ( = j3 2 ) の 7 5 %であり、 2軸性フィルム 1 6の厚み方向のリ タ一デーシヨ ン R zを コ ン トラス トの最適値 /3 2より も小さく設定する方が着色現象や階調つ ぶれを改善できることも確認できた。
また、 上記リ タ一デーシヨ ン R X yを 8 0 %〜: 1 2 0 %に設定し、 上 記リ ターデーシヨ ン R zを 8 5 %〜 9 0 %に設定すれば、 着色や階調つ ぶれを許容範囲内に抑え、 しかも、 上記領域 A 2に比較してコン ト ラス トを向上できることが確認できた。
また、 図 1 0に示す液晶表示装置 1 bのよ うに、 2軸性フィルム 1 6 を 2枚に分割した構成についても、 上記リターデーシヨ ン R 1 cおよび R t a cが、 上記値のいずれであっても、 上記斜め視角 (極度 6 0度) において最大コントラス トを得るためのリ ターデーション R x y a · R x y b、 R z a * R z bが、 図 1 1の液晶表示装置 1 aの値の半分であ り、 上記 α 2および j3 2に代えて、 ひ 3および /3 3を基準にすれば、 上 記液晶表示装置 1 a と同様の範囲で同様の効果が得られることを確認し た。 具体的には、 上記リターデーション R X y a · R x y bを上記 α 3 の 8 0 %〜 1 2 0 %に設定し、 上記リタ一デーシヨ ン R z a ' R z bを 上記 ]3 3の 6 0 %〜 9 0 %に設定するこ とで、 上記斜め視角 (極度 6 0 度) から見たときに着色および階調つぶれを許容範囲内に抑えることが できることを確認した。 また、 上記リタ一デーシヨ ン R x y a · R X y bが上記 α 3の 9 0 %〜 1 1 0 %、 かつ、 上記リタ一デーシヨン R ζ a · R z bが上記 3の 6 5 %〜 8 5 %の範囲では、 上記斜め視角にお ける着色おょぴ階調つぶれの改善効果が飽和し、 同程度に良好な表示品 位の液晶表示装置 1 bが得られることも確認できた。 さらに、 上記リ タ 一デーシヨ ン R x y a ' R x y bが上記 α 3の 8 0 %〜 1 2 0 %、 かつ 上記リタ一デーシヨ ン R z a · R z bが上記 jS 3の 8 5 %〜 9 0 %の範 囲では、 上記斜め視角における着色および階調つぶれを許容範囲内に抑 えながらコント ラス トを向上できることを確認できた。
なお、 上述の第 1およぴ第 2の実施形態では、 液晶セル 1 1を図 2な レ、し図 4のように構成して、 画素における液晶分子の配向方向を 4つに 分割する場合について説明したが、 これに限るものではない。 例えば、 図 1 2および図 1 3に示す構造など、 他の構造によって配向方向を 4分
割しても同様の効果が得られる。
具体的には、 図 1 2に示す画素電極 2 1 aを用いた液晶セルでは、 図 4に示す突起列 2 3 a · 2 3 bが省略されており、 画素電極 2 1 aに四 角錐状の突起 2 4が設けられている。 なお、 当該突起 2 4も、 上記突起 列 2 3 a と同様に、 画素電極 2 1 a上に、 感光性樹脂を塗布し、 フォ ト リ ソグラフィ一工程で加工することによつて形成できる。
この構成でも、 突起 2 4の近傍では、 液晶分子が各斜面に垂直になる よ うに配向する。 加えて、 電圧印加時において、 突起 2 4の部分の電界 は、 突起 2 4の斜面に平行になる方向に傾く。 これらの結果、 電圧印加 時において、 液晶分子の配向角度の面内成分は、 最も近い斜面の法線方 向の面内成分 (方向 P l、 P 2、 P 3または P 4 ) と等しくなる。 した がって、 画素領域は、 傾斜時の配向方向が互いに異なる、 4つのドメィ ン D 1〜D 4に分割される。 この結果、 図 2ないし図 4の構造の液晶セ ル 1 1 と同様の効果が得られる。
なお、 例えば、 4 0インチのような大型の液晶テレビを形成する場合 各画素のサイズは、 1 m m四方程度と大きくなり、 画素電極 2 1 aに 1 つずつ突起 2 4を設けただけでは、 配向規制力が弱まり、 配向が不安定 になる虞れがある。 したがって、 この場合のように、 配向規制力が不足 する場合には、 各画素電極 2 1 a上に複数の突起 2 4を設ける方が望ま しい。
さらに、 例えば、 図 1 3に示すよ うに、 対向基板 1 1 bの対向電極 2 1 b上に Y字状のスリ ッ トを上下方向 (面内で、 略方形状の画素電極 2 1 aのいずれかの辺に平行な方向) に対称に連結してなる配向制御窓 2 5を設けても、 マルチドメイン配向を実現できる。
当該構成では、 対向基板 1 1 bの表面のうち、 配向制御窓 2 5の直下 の領域では、 電圧を印加しても、 液晶分子を傾斜させる程の電界がかか らず、 液晶分子が垂直に配向する。 一方、 対向基板 1 1 bの表面のうち、 配向制御窓 2 5の周囲の領域では、 対向基板 l i bに近づくに従って、 配向制御窓 2 5を避けて広がるよ うな電界が発生する。 ここで、 液晶分 子は、 長軸が電界に垂直な方向に傾き、 液晶分子の配向方向の面内成分 は、 図中、 矢印で示すように、 配向制御窓 2 5の各辺に略垂直になる。 したがって、 この構成であっても、 画素における液晶分子の配向方向を 4つに分割でき、 図 2ないし図 4の構造の液晶セル 1 1 と同様の効果が 得られる。
また、 上記では、 配向方向を 4分割する場合について説明したが、 図 1 4および図 1 5に示すように、 放射状配向の液晶セル 1 1を用いても 同様の効果が得られる。
具体的には、 図 1 4に示す構造では、 図 1 2に示す突起 2 4に代えて、 略半球状の突起 2 6が設けられている。 この場合も、 突起 2 6の近傍で は、 液晶分子は、 突起 2 6の表面に垂直になるように配向する。 加えて、 電圧印加時において、 突起 2 6の部分の電界は、 突起 2 6の表面に平行 になる方向に傾く。 これらの結果、 電圧印加時に液晶分子が傾斜する際、 液晶分子は、 面内方向で突起 2 6を中心にした放射状に傾きやすくなり、 液晶セル 1 1 の各液晶分子は、 放射状に傾斜配向できる。 なお、 上記突 起 2 6 も、 上記突起 2 4 と同様の工程で形成できる。 また、 上記突起 2 4 と同様に、 配向規制力が不足する場合には、 各画素電極 2 l a上に複 数の突起 2 6を設ける方が望ましい。
また、 図 1 5に示す構造では、 図 1 2に示す突起 2 4に代えて、 画素
電極 2 l aに円形のス リ ッ ト 2 7が形成されている。 これにより、 電圧 を印加した際、 画素電極 2 1 aの表面のうち、 ス リ ッ ト 2 7の直上の領 域では、 液晶分子を傾斜させる程の電界がかからない。 したがって、 こ の領域では、 電圧印加時でも液晶分子は垂直に配向する。 一方、 画素電 極 2 1 aの表面のうち、 ス リ ッ ト 2 7近傍の領域では、 電界は、 スリ ツ ト 2 7 へ厚み方向で近づくに従って、 ス リ ッ ト 2 7を避けるように傾斜 して広がる。 ここで、 液晶分子は、 長軸が垂直な方向に傾き、 液晶の連 続性によって、 ス リ ッ ト 2 7から離れた液晶分子も同様の方向に配向す る。 したがって、 画素電極 2 1 aに電圧を印加した場合、 各液晶分子は、 配向方向の面内成分が、 図中、 矢印で示すように、 ス リ ッ ト 2 7を中心 に放射状に広がるように配向、 すなわち、 ス リ ッ ト 2 7の中心を軸とし て軸対称に配向できる。 ここで、 上記電界の傾斜は、 印加電圧によって 変化するため、 液晶分子の配向方向の基板法線方向成分 (傾斜角度) は、 印加電圧によって制御できる。 なお、 印加電圧が増加すると、 基板法線 方向に対する傾斜角が大きく なり、 各液晶分子は、 表示画面に略平行で、 しかも、 面内では放射状に配向する。 また、 上記突起 2 6 と同様に、 配 向規制力が不足する場合には、 各画素電極 2 1 a上に複数のスリ ッ ト 2 7を設ける方が望ましい。
ところで、 上記では、 画素における液晶分子の配向方向が分割される 場合について説明したが、 配向分割しない液晶セル (モノ ドメインの液 晶セル) であっても、 略同様の効果が得られる。
この場合、 画素電極 2 1 a . 対向電極 2 2 bには、 突起列 2 3 aなど が設けられず、 それぞれ平坦に形成されている。 さらに、 モノ ドメイン 配向の液晶セルの場合、 マルチドメイン配向や放射状傾斜配向の液晶セ
ルとは異なり、 製造工程にラビング工程が設けられており、 液晶層 1 1 cの液晶分子のラビング方向が、 両基板 1 1 a · 1 l bで反平行となる よ うに設定される。 また、 上記ラ ビング方向と、 偏光板 1 2 · 1 3の吸 収軸 A A 1 2 · A A 1 3 とが 4 5度の角度になるように、 液晶セル 1 1 や偏光板 1 2 · 1 3が配される。 この場合であっても、 電圧無印加時に は、 画素の液晶分子が、 図 2の場合と同様に、 基板法線方向 (垂直) に 配向している。 したがって、 上記各実施形態と同様の偏光板 1 2 · 1 3 および、 位相差板 ( 1 4〜 1 6、 1 6 a - 1 6 b ) を用いることにより 同様の効果が得られる。
ただし、 図 1および図 8に示す液晶表示装置 1 · 1 aは、 液晶セル 1
1から一方の偏光板 1 2までに配される部材の光学的特性と、 液晶セル 1 1から他方の偏光板 1 3までに配される部材の光学的特性とがー致し ないので、 液晶セル 1 1を左の方位または右の方位から見たときのコン ト ラス トと、 液晶セル 1 1 を上の方位または下の方位から見たときのコ ントラス トとが、 互いに異なる虞れがある。 したがって、 これらの液晶 表示装置 1 · 1 aにおいて、 上下左右の視角特性のバランスを取ること が要求される場合は、 4分割配向や放射状配向など、 各画素の液晶分子 の配向方向が 4方向以上に分割される液晶セルを用いる方が望ましい。 また、 上記では、 液晶セル 1 1の液晶層 1 1 cが負の誘電異方性を有 する場合を例にして説明したが、 これに限るものではない。 正の誘電異 方性を有する場合であっても、 図 2 と同様に、 黒表示時に液晶分子が液 晶セル 1 1の基板に対して垂直に配向する液晶セルであれば、 同様の効 果が得られる。
この場合【ま、 伊!!え ί 、 I P S (In-Plane Switchina) モードで用
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36 いる櫛歯電極構造のよ うに、 基板平行方向に電界を発生させる電極を用 いることによって、 液晶層 1 1 cに基板平行方向に電界を印加する。 こ の場合であっても、 電圧無印加時 (無電界時) には、 画素の液晶分子は、 図 2 と同様に、 基板に対して垂直方向に配向する。 したがって、 上記各 実施形態と同様の偏光板 1 2 · 1 3、 および、 位相差板 ( 1 4〜 1 6、 1 6 a · 1 6 b ) を用いることで、 同様の効果が得られる。
本発明に係る液晶表示装置は、 以上のように、 両偏光板の一方および 液晶セルの間に配され、 正の 1軸異方性を有する第 1位相差フィルムの 面内方向のリ タ一デーシヨ ンを R P 〔n m〕 、 上記偏光板おょぴ第 1位 相差フィルムの間に配され、 負の 1軸異方性を有する第 2位相差フィル ムの厚み方向のリ タ一デーシヨンを R n 〔n m〕 、 上記偏光板の基材フ イノレムの厚み方向のリ タ一デーシヨンを R t a c 〔n m〕 、 上記液晶の 厚み方向のリタ一デーシヨ ンを R l c 〔n m〕 と し、 上記 R pに関する パラメータ a [ n m) を、 α = 3 5 + (R 1 c / 8 0 - 4 ) 2 X 3. 5 + ( 3 6 0— R l c ) XR t a c / 8 5 0、 上記 R nに関するパラメ一 タ ]3 〔n m〕 を、 jS ^R l c — 1. 9 XR t a c とするとき、 上記リ タ 一デーシヨ ン R pは、 上記ひの 8 0 %以上かつ 1 2 0 %以下の値に設定 されていると共に、 上記リタ一デーシヨン R nは、 上記 /3の 6 0 %以上 かつ 9 0 %以下の値に設定されている構成である。
これらの構成によれば、 第 1および第 2位相差フィルムのリ ターデー ショ ンが上述の範囲に設定されているので、 基材フイルムの厚み方向の リターデーションを、 上記第 iおよび第 2位相差フィルムの厚み方向の リ タ一デーシヨンと同等に扱う場合と異なり、 斜め方向から見た場合の コン ト ラス トが実用上十分に高い値に維持され、 しかも、 着色や階調つ
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37 ぶれが許容範囲内に抑えられた液晶表示装置を確実に得ることができる という効果を奏する。
本発明に係る液晶表示装置は、 以上のように、 上記構成に加えて、 上 記液晶の厚み方向のリタ一デーシヨ ン R l cは、 3 2 4 〔n m〕 から 3 9 6 〔n m〕 までの範囲に設定され、 上記第 1位相差フィルムの面内方 向のリ タ一デーシヨ ン R pが、 3 0. 7 〔n m〕 力 ら 4 1 . 7 〔n m〕 までの範囲に設定されている構成である。
それゆえ、 基材フィルムに製造バラツキが発生して、 基材フィルムの 厚み方向のリ ターデーションが変化しても、 上記リターデーショ ン R 1 cおよび R pを上述の範囲に設定することで、 当該リ ターデーシヨ ン R pを上記 αの 8 0 %〜 1 2 0 %の範囲に設定できる。 この結果、 基材フ ィ /レムの厚み方向のリタ一デーショ ンにバラツキが発生する場合であつ ても、 同じ上記第 1位相差フィルムを用いるこ とができ、 生産性を向上 できるという効果を奏する。
本発明に係る液晶表示装置は、 以上のように、 上記構成に加えて、 上 記リ タ一デーシヨ ン R ρが上記 αの 9 0 %以上かつ 1 1 0 %以下の値に 設定されていると共に、 上記リ タ一デーシヨ ン R nが上記 の 6 5 %以 上かつ 8 5 %以下の値に設定されている構成である。 これにより、 斜め 方向から見た場合の着色や階調つぶれがさらに抑制された液晶表示装置 を得ることができるという効果を奏する。
本発明に係る液晶表示装置は、 以上のように、 上記構成に加えて、 上 記液晶の厚み方向のリタ一デーシヨ ン R 1 cは、 3 4 2 〔n m〕 から 3 7 8 〔n m〕 までの範囲に設定され、 上記第 1位相差フィルムの面内方 向のリタ一デーシヨン R Pが、 3 3. 3 〔n m〕 力 ら 3 8. 6 〔n m〕
までの範囲に設定されている構成である。
それゆえ、 基材フィルムに製造パラツキが発生して、 基材フィルムの 厚み方向のリ ターデーショ ンが変化しても、 上記リターデーシヨ ン R 1 cおよび R pを上述の範囲に設定することで、 当該リ タ一デーシヨ ン R pを上記ひ の 9 0 %〜 1 1 0 %の範囲に設定できる。 この結果、 基材フ イルムの厚み方向のリ ターデーショ ンにバラツキが発生する場合であつ ても、 同じ上記第 1位相差フィルムを用いることができ、 生産性を向上 できるという効果を奏する。
本発明に係る液晶表示装置は、 以上のよ うに、 両偏光板の一方および 上記液晶セルの間に配され、 2軸異方性を有する位相差フィルムのリ タ 一デーシヨ ンを R x y 〔n m〕 、 上記位相差フィルムの厚み方向のリタ 一デーシヨ ンを R z { n m] 、 上記基材フィルムの厚み方向のリターデ ーシヨンを R t a c 〔n m〕 、 上記液晶のあつみ方向のリターデーショ ンを R l c 〔n m〕 と し、 上記 R x yに関するパラメータ a 〔n m〕 を、 α = 8 5 - 0. 0 9 XR l c—R t a cZ20、 上記 R zに関するパラ メ ータ β 〔n m〕 を、 j3 = l . 0 5 X R 1 c - 1. 9 XR t a c とする とき、 上記リ タ一デーシヨ ン R x yは、 上記 αの 8 0 %以上かつ 1 2 0 %以下の値に設定されていると共に、 上記リ ターデーシヨン R ζは、 上記 j3の 6 0 %以上かつ 9 0 %以下の値に設定されている構成である。 本発明に係る液晶表示装置は、 以上のよ うに、 液晶セルの両側に配さ れ、 2軸異方性を有する第 1および第 2位相差フィルムの面内方向のリ ターデーシヨンを R x y 〔n m〕 、 厚み方向のリタ一デーシヨンを R z 〔n m〕 、 上記 R x yに関するパラメータひ 〔n m〕 を、 ο; = 4 2 · 5 一 0. 0 4 5 X R l c— R t a c / 4 0、 上記 R zに関するパラメータ
β 〔n m〕 を、 ]3 = 0. 5 2 5 XR 1 c - 0. 9 5 XR t a c とすると き、 上記第 1およぴ第 2位相差フィルムのリ タ一デーシヨ ン R x yは、 上記 αの 8 0 %以上かつ 1 2 0 %以下の値に設定されていると共に、 上 記第 1およぴ第 2位相差フィルムのリターデーショ ン R ζは、 上記 β の 6 ◦ %以上かつ 9 0 %以下の値に設定されている構成である。
上記各構成の液晶表示装置では、 上記各構成の液晶表示装置では、 上 記リ ターデーション R X y、 R yが上述のように設定されているので、 基材フイルムの厚み方向のリ ターデーションを、 上記位相差フイルム、 あるいは、 上記第 1および第 2位相差フィルムの厚み方向のリ ターデー シヨ ンと同等に扱う場合と異なり、 斜め方向から見た場合のコン トラス トが実用上十分に高い値に維持され、 しかも、 着色や階調つぶれが許容 範囲内に抑えられた液晶表示装置を確実に得るこ とができるという効果 を奏する。
本発明に係る液晶表示装置は、 以上のように、 上記各構成に加えて、 上記リターデーシヨ ン R X yが上記 の 9 0 %以上かつ 1 1 0 %以下の 値に設定されていると共に、 上記リ タ一デーシヨ ン R zが上記 の 6 5 %以上かつ 8 5 %以下の値に設定されている構成である。 この結果、 斜め方向から見た場合の着色や階調つぶれがさらに抑制された液晶表示 装置を得ることができるという効果を奏する。
本発明に係る液晶表示装置は、 以上のよ うに、 上記各位相差フィルム が 2軸異方性を有するか否かに拘わらず、 上記液晶は、 負の誘電異方性 を有している構成である。
当該構成によれば、 基板に対して略垂直方向の電界を印加することに よって、 基板の法線方向に配向した液晶分子を電界強度に応じて傾斜さ
せることができ、 正の誘電異方性を有している場合より も、 電極の構造 を簡略化できるという効果を奏する。
本発明に係る液晶表示装置は、 液晶を挟持すると共に当該液晶の液晶 分子を表面に概ね垂直に配向させる 2枚の基板が設けられた液晶セルと . 当該液晶セルの両側に配され、 それぞれの吸収軸が互いに直交するよう に配された 2枚の偏光板と、 上記両偏光板の一方および上記液晶セルの 間に配され、 正の 1軸異方性を有する第 1位相差フィルム と、 当該偏光 板および第 1位相差フィルムの間に配され、 負の 1軸異方性を有する第 2位相差フィルムとを備え、 上記両偏光板には、 光軸が上記基板に概ね 垂直になるように配置され、 負の 1軸異方性を有する基材フィルムが設 けられ、 上記第 1位相差フィルムの遅相軸は、 上記液晶から見て同じ側 の上記偏光板の吸収軸と直交するように配され、 上記第 2位相差フィル ムの光軸が上記基板に概ね垂直になるように配されている液晶表示装置 において、 以下の手段を講じたことを特徴としている。
すなわち、 上記第 1位相差フィルムの面内方向のリ タ一デーシヨ ンを
R p 〔 n m〕 、 上記第 2位相差フィルムの厚み方向のリ タ一デーシヨ ン を R n 〔 n m〕 、 上記基材フィルムの厚み方向のリ タ一デーシヨ ンを R t a c C n m] 、 上記液晶の厚み方向のリ タ一デーシヨ ンを R l c 〔n m〕 と し、 上記 R pに関するパラメータ a 〔n m〕 を、 α = 3 5 + (R 1 c / 8 0— 4 ) 2 X 3. 5 + ( 3 6 0— R 1 c ) XR t a c / 8 5 0 上記 R nに関するパラメータ 〔n m〕 を、 j8 = R l c — 1 · 9 X R t a c とするとき、 上記リ タ一デーシヨ ン R pは、 上記ひ の 8 0 %以上か つ 1 2 0 %以下の値に設定されていると共に、 上記リ タ一デーシヨン R nは、 上記 の 6 0 %以上かつ 9 0 %以下の値に設定されている。
上記構成の液晶表示装置において、 基板に概ね垂直に配向している液 晶分子が基板の法線方向から入射した光に対して位相差を与えないにも 拘わらず、 斜めから入射した光に対しては、 極角 (法線方向からの傾斜 角) に応じた位相差を与えてしまうので、 第 1および第 2位相差フィル ムがないと、 本来、 出射側の偏光板によって吸収すべき光が、 完全には 吸収されない。 この結果、 光漏れが発生して、 コン ト ラス トを低下させ ると共に、 着色や階調つぶれが発生してしまう。
これに対して、 上記構成では、 上記第 1および第 2位相差フィルムが 設けられているので、 上記液晶が極角に応じて与えてしまった位相差が 両位相差フィルムによって補償される。 この結果、 斜め方向から見た場 合の光漏れを防止し、 コン トラス トを向上すると共に、 着色や階調つぶ れの発生を防止できる。
ただし、 上記両位相差フィルムのリ タ一デーシヨ ンを決定する際、 基 材フィルムが無い場合に最適な上記第 1 および第 2位相差フィルムが有 する厚み方向のリ タ一デーシヨンから、 上記基材フィルムが有する厚み 方向のリタ一デーシヨ ンを引き算するだけでは、 斜め方向から見た場合 における、 着色や階調つぶれのさらなる抑制が要求される状況下では、 必ずしも十分であるとは言えない。
そこで、 本願発明者は、 垂直配向モー ドの液晶表示装置を斜め方向か ら見た場合におけるコン トラス トを実用上十分に高い値に維持したまま 着色や階調つぶれをさらに抑制すべく、 研究を重ねた結果、 基材フィル ムの厚み方向のリ ターデーシヨ ンは、 上記第 1およぴ第 2位相差フィル ムの厚み方向のリ ターデーションと同等に作用するわけではないことを 見出し、 特に、 正の 1軸異方性を有する第 1位相差フィルムの面内方向
のリ タ一デーシヨ ン R p を上記コン ト ラス トが最大になるよ う に設定す る際、 液晶の有するリ タ一デーシヨンが 3 6 0 〔n m〕 を超えているか 否かによって、 上記基材フィルムの厚み方向のリ ターデーシヨンに対す る上記リタ一デーシヨ ン R pの依存性が逆転すること、 並びに、 コン ト ラス トが最大になるよ うな上記各リ ターデーショ ンを基準に、 所定の範 囲に設定するこ と によって、 着色や階調つぶれを効果的に抑制できるこ とを見出し、 本発明を完成させるに至った。
本発明の液晶表示装置では、 上記基材フィルムおよび液晶の厚み方向 のリ タ一デーシヨ ン R t a cおよび R l cに応じ、 しかも、 斜め方向か ら見た場合のコン ト ラス トを実用上十分に高い値に維持したまま、 着色 や階調つぶれを許容できる範囲に、 上記リターデーシヨ ン R pおよび R nを設定している。 これにより、 基材フィルムの厚み方向のリターデー ションを上記第 1および第 2位相差フィルムの厚み方向のリ ターデーシ ヨ ンと同等に扱う場合と異なり、 上記斜め方向から見た場合のコントラ ス トが実用上十分に高い値に維持され、 しかも、 着色や階調つぶれが許 容範囲内に抑えられた液晶表示装置を確実に得ることができる。
また、 生産性の向上が特に要求される場合には、 上記構成に加えて、 上記液晶の厚み方向のリタ一デーシヨン R 1 . cは、 3 2 4 〔 n m〕 から 3 9 6 [ n m ] までの範囲に設定され、 上記第 1位相差フィルムの面内 方向のリタ一デーシヨ ン R p力 S、 3 0 . 7 〔n m〕 力 ら 4 1 . 7 [ n m までの範囲に設定されている方が望ましい。
上記リタ一デーシヨ ン R l cが当該範囲に設定されていれば、 上記基 材フィルムの厚み方向のリ タ一デ一ションに対する上記リタ一デーショ ン R p の依存性が少ない。 したがって、 基材フイルムに製造バラツキが
発生して、 基材フィルムの厚み方向のリ ターデーショ ンが変化しても、 上記リ タ一デーシヨ ン R pを上述の範囲に設定することで、 当該リ タ一 デーショ ン R pを上記 αの 8 0 %〜 1 2 0 %の範囲に設定できる。 この 結果、 基材フィルムの厚み方向のリ ターデーショ ンにバラツキが発生す る場合であっても、 同じ上記第 1位相差フィルムを用いることができ、 生産性を向上できる。
さらに、 上記着色や階調つぶれの抑制が特に要求される場合には、 上 記構成に加えて、 上記リ ターデーシヨ ン R ρが上記ひ の 9 0 %以上かつ 1 1 0 %以下の値に設定されていると共に、 上記リ タ一デーシヨ ン R η が上記 の 6 5 %以上かつ 8 5 %以下の値に設定されている方が望まし レ、。 これにより、 斜め方向から見た場合の着色や階調つぶれがさらに抑 制された液晶表示装置を得ることができる。
また、 上記着色や階調つぶれの抑制と生産性の向上との双方が特に要 求される場合には、 上記構成に加えて、 上記液晶の厚み方向のリターデ ーシヨン R l cは、 3 4 2 〔n m〕 力 ら 3 7 8 〔n m〕 までの範囲に設 定され、 上記第 1位相差フィルムの面内方向のリタ一デーシヨ ン R pが、 3 3 . 3 〔n m〕 から 3 8 . 6 〔n m〕 までの範囲に設定されている方 が望ましい。
上記リターデーシヨ ン R 1 cおよび R pが当該範囲に設定されていれ ば、 基材フィルムに製造パラツキが発生して、 基材フィルムの厚み方向 のリターデーションが変化しても、 上記リターデーショ ン R pを上記 α の 9 0 %〜 1 1 0 %の範囲に設定できる。 この結果、 基材フィルムの厚 み方向のリ ターデーションにバラツキが発生する場合であっても、 同じ 上記第 1位相差フィルムを用いることができ、 生産性を向上できる。
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44 一方、 本発明に係る液晶表示装置は、 液晶を挟持すると共に当該液晶 の液晶分子を表面に概ね垂直に配向させる 2枚の基板が設けられた液晶 セルと、 当該液晶セルの両側に配され、 それぞれの吸収軸が互いに直交 するよ うに配された 2枚の偏光板と、 上記両偏光板の一方および上記液 晶セルの間に配され、 2軸異方性を有する位相差フィルムとを備え、 上 記両偏光板には、 光軸が上記基板に概ね垂直になるように配置され、 負 の 1軸異方性を有する基材フィルムが設けられ、 上記位相差フィルムの 面内の遅相軸は、 上記液晶から見て同じ側の上記偏光板の吸収軸と直交 するよ うに配されている液晶表示装置において、 以下の手段を講じたこ とを特徴と している。
すなわち、 上記位相差フィルムの面内方向のリターデーションを R x y 〔n m〕 、 上記位相差フィルムの厚み方向のリ タ一デーシヨンを R z 〔 n m〕 、 上記基材フイルムの厚み方向のリ ターデーショ ンを R t a c 〔 n m〕 、 上記液晶のあつみ方向のリタ一デーシヨンを R l c 〔n m〕 と し、 上記 R X yに関するパラメータひ 〔n m〕 を、 ひ = 8 5— 0. 0 9 X R l c — R t a c / 2 0、 上記 R zに関するパラメータ j3 〔n m〕 を、 β = 1 . 0 5 X R 1 c - 1 . 9 XR t a c とするとき、 上記リ タ一 デ——ンヨン R X yは、 上記ひ の 8 0。/。以上かつ 1 2 0 %以下の値に設定 されていると共に、 上記リタ一デーシヨ ン R zは、 上記 ]3の 6 0 %以上 かつ 9 0 %以下の値に設定されている。
また、 本発明に係る液晶表示装置は、 液晶を挟持すると共に当該液晶 の液晶分子を表面に概ね垂直に配向させる 2枚の基板が設けられた液晶 セルと、 当該液晶セルの両側に配され、 それぞれの吸収軸が互いに直交 するように配された 2枚の偏光板と、 上記両偏光板の一方および上記液
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45 晶セルの間に配され、 2軸異方性を有する第 1位相差フィルムと、 上記 両偏光板の他方および上記液晶セルの間に配され、 2軸異方性を有する 第 2位相差フィルムとを備え、 上記両偏光板には、 光軸が上記基板に概 ね垂直になるように配置され、 負の 1軸異方性を有する基材フィルムが 設けられ、 上記第 1および第 2位相差フィルムの面内の遅相軸は、 上記 液晶から見て同じ側の上記偏光板の吸収軸と直交するように配されてい る液晶表示装置において、 以下の手段を講じたことを特徴と している。 すなわち、 上記各位相差フィルムの面内方向のリ タ一デーシヨ ンを R X y 〔n m〕 、 上記各位相差フィルムの厚み方向のリ タ一デーシヨ ンを R z 〔n m〕 、 上記基材フィルムの厚み方向のリタ一デーシヨ ンを R t a c 〔n m〕 、 上記液晶の厚み方向のリタ一デーシヨ ンを R 1 c [ n m) と し、 上記 R x yに関するパラメータ ひ 〔n m〕 を、 ct = 4 2. 5 — 0. 0 4 5 XR l c —R t a c / 4 0、 上記 R zに関するパラメータ β 〔n m〕 を、 ]3 = 0. 5 2 5 XR 1 c - 0. 9 5 X R t a c とすると き、 上記第 1および第 2位相差フィルムのリタ一デーシヨ ン R x yは、 上記 αの 8 0 %以上かつ 1 2 0 %以下の値に設定されていると共に、 上 記第 1および第 2位相差フィルムのリターデーショ ン R ζは、 上記 の 6 0 %以上かつ 9 0 %以下の値に設定されている。
上記各構成の液晶表示装置では、 液晶分子が基板に概ね垂直に配向し ている状態で、 液晶が斜め方向の光に与えた位相差は、 上記位相差フィ ルム、 あるいは、 第 1およぴ第 2位相差フィルムによって補償され、 斜 め方向から見た場合の光漏れを防止し、 コン トラス トを向上できる。 しかしながら、 当該構成であ..つても、 上記位相差フィルムあるいは第 1および第 2位相差フィルムのリターデーションを決定する際、 基材フ
ィルムが無い場合に最適な各位相差フィルムが有する厚み方向のリタ一 デーシヨンから、 上記基材フィルムが有する厚み方向のリ ターデーショ ンを引き算するだけでは、 斜め方向から見た場合における、 着色や階調 つぶれのさらなる抑制が要求される状況下では、 必ずしも十分であると は言えない。
そこで、 本願発明者は、 垂直配向モー ドの液晶表示装置を斜め方向か ら見た場合のコン ト ラス トをさらに向上すべく、 研究を重ねた結果、 上 述の液晶表示装置と同様に、 基材フィルムの厚み方向のリ ターデーショ ンは、 上記位相差フィルム、 あるいは、 第 1および第 2位相差フィルム の厚み方向のリタ一デーシヨンと同等に作用するわけではないことを見 出した。 さらに、 2軸異方性を有する面内方向のリタ一デーシヨ ン R X y と、 基材フィルムの厚み方向のリタ一デーシヨン R t a c とは、 リタ ーデーションの方向が互いに異なっているにも拘わらず、 上記リ ターデ ーシヨ ン R X yを適切に設定するためには、 リターデーショ ン R t a c の影響も加味すべきこと、 並びに、 コントラス トが最大になるような上 記各リタ一デーシヨ ンを基準に、 所定の範囲に設定することによって、 着色や階調つぶれを効果的に抑制できることを見出し、 本発明を完成さ せるに至った。
本発明の液晶表示装置では、 位相差フィルム、 あるいは、 第 1および 第 2位相差フィルムの面内方向のリタ一デーシヨ ン R x yと厚み方向の リ タ一デーシヨ ン R z とを設定する際、 上記液晶および基材フィルムの 厚み方向のリタ一デーシヨン R 1 cおよび R t a cに応じて設定すると 共に、 斜め方向から見た場合のコントラス トが実用上十分に高い値に維 持したまま、 着色や階調つぶれを許容できる範囲に、 上記リタ一デーシ
ヨ ン R x yおよび R zを設定している。 これにより、 基材フィルムの厚 み方向のリ タ一デーシヨ ンを、 位相差フィルム、 あるいは、 上記第 1お ょぴ第 2位相差フィルムの厚み方向のリタ一デ一シヨ ンと同等に扱う場 合と異なり、 上記斜め方向から見た場合のコン ト ラス トが実用上十分に 高い値に維持され、 しかも、 着色や階調つぶれが許容範囲内に抑えられ た液晶表示装置を確実に得ることができる。
また、 上記着色や階調つぶれの抑制が特に要求される場合には、 上記 各構成に加えて、 上記リ ターデーシヨ ン R X yが上記ひ の 9 0 %以上か つ 1 1 0 %以下の値に設定されていると共に、 上記リ タ一デーシヨン R zが上記 /3の 6 5 %以上かつ 8 5 %以下の値に設定されている方が望ま しい。 この結果、 斜め方向から見た場合の着色や階調つぶれがさらに抑 制された液晶表示装置を得るこ とができる。
さらに、 本発明に係る液晶表示装置は、 上記各位相差フィルムが 2軸 異方性を有するか否かに拘わらず、 上記液晶は、 負の誘電異方性を有し ている方が望ましい。
当該構成によれば、 基板に対して略垂直方向の電界を印加することに よって、 基板の法線方向に配向した液晶分子を電界強度に応じて傾斜さ せることができ、 正の誘電異方性を有している場合より も、 電極の構造 を簡略化できる。
発明を実施するための最良の形態の項においてなした具体的な実施態 様または実施例は、 あくまでも、 本発明の技術内容を明らかにするもの であって、 そのよ うな具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきもの ではなく、 本発明の精神と次に記載する特許請求事項の範囲内で、 いろ いろと変更して実施することができるものである。
産業上の利用の可能性
以上のように、 本発明の液晶表示装置によれば、 上記基材フィルムお よび液晶の厚み方向のリ タ一デーシヨン R t a cおよび R 1 cに応じ、 しかも、 斜め方向から見た場合のコントラス トを実用上十分に高い値に 維持したまま、 着色や階調つぶれを許容できる範囲に、 上記リターデー シヨン R pおよび R nを設定している。 これによ り、 基材フィルムの厚 み方向のリターデーションを上記第 1およぴ第 2位相差フィルムの厚み 方向のリ ターデーションと同等に扱う場合と異なり、 上記斜め方向から 見た場合のコン トラス トが実用上十分に高い値に維持され、 しかも、 着 色や階調つぶれが許容範囲内に抑えられた液晶表示装置を確実に得るこ とができる。