明 細 書 ロー夕ンク排水弁 技術分野
本発明は、 便器の洗浄水タンクに備えられ小洗浄及び大洗浄に切り えて使用できるロータンク排水弁に関するものである。 背景技術
従来から便器の洗浄水夕ンクにデュアル · フラ ヅシュバルブ方式の口 一タンク排水弁が使用されていた。 このデュアル · フラ ッシュバルブ方 式の口一夕ンク排水弁は、 洗浄水タンクの内部に組み込まれ小洗浄及び 大洗浄のそれぞれの操作ボタンを洗浄水夕ンクの表面に配置したもので めった o
このようなデュアル · フラッシュバルブ方式のロー夕ンク排水弁の例 として、 たとえば、 米国特許明細書第 5 , 6 5 7 , 4 9 4号や豪州特許 明細書第 6 9 2 0 0 9号に記載されたものがあった。
これらの明細書に記載のロー夕ンク排水弁は、 フロー卜とウエイター を備え、 これらのフロート及びウェイ夕一が水位を検知することで閉弁 を制御可能としたものであった。 すなわち、 大洗浄時ではフロートの位 置まで水位が下がるとフロートによる浮力が減少して閉弁し、 小洗浄時 はウェイ夕一と連結されているアウタース リーブがウェイ夕一下方に位 置するカム駆動でフロート上に乗り上げウエイターの位置までタンク内 の水位が下がるとウェイ夕一の重みが浮力に打ち勝って閉弁するもので めつ 7こ o
ところが、 上記従来の口一タンク排水弁では、 カムがアウタースリー ブの下端側に設けられていたので、 ウェイ夕一を下方側に設けようとす るとカムに干渉してしまい、 ゥヱイ夕一をある程度高いレベルに配置す る必要があった。 このようにウエイターを上側に配置していたため、 小 洗浄時の洗浄水量が減少してしまい充分な洗浄ができなかった。
そこで、 本発明では、 カムをアウタースリープの上端側に配置するこ とにより小洗浄時の洗浄水量を確保できるデュアル · フラッシュバルブ 方式の口一タンク排水弁を提供することを第一の目的としている。
また、 上記従来の口一タンク排水弁では、 カムによる駆動は小洗浄時 に行われていた。 ところが、 小洗浄は大洗浄に比べて使用頻度が高く、 カムの動作は頻繁に行われるため、 カムの消耗度が大きくなり、 部材の がたつき等を発生して確実な動作が行えなかった。 すなわち、 使用頻度 が高い小洗浄の度毎にカムが動作するので、 カムの周面の磨耗等が速く 進行してしまい安定動作が維持できなかった。
• そこで、 本発明では、 カムの動きを使用頻度が低い大洗浄のときに実 行することによりカムの動作を安定させることができる口一タンク排水 弁を提供することを第二の目的としている。
また、 上記従来の口一タンク排水弁では、 上端に操作部を設けるとと もに、 下端をタンク排水筒に連通させたケーシングと、 下端部にフロー トと弁体を持つィンナースリーブを設けており、 前記ィンナースリーブ はオーバーフロー排水管を兼用していた。 そして、 洗浄水を便器へ排水 し終わりロータンク排水弁を閉じた後に便器のトラヅプに水を溜めて封 水するために、 封水用のホースをィンナースリ—ブのオーバーフ口一排 水管に差し込んで、 封水用のホースからオーバ一フロー排水管を介して 便器に封水を供給するようにしていた。
ところが、 直接ィ ンナースリーブを上下に動かして開弁又は閉弁させ る構造の口一タンク排水弁では、 封水を供給するホースの途中をケ—二 ングに固定する一方、 ホースの先端を固定せずに直接インナース - に差し込んでいたため、 インナースリーブの上下動に対してホースが抵 抗となり、 正常な弁の作動をしないおそれがあった。
また、 水圧が高い時や繰り返し激しく操作した時等には、 ホースの先 端がィンナースリーブのオーバーフロー排水管から飛び出したり、 摺動 部等に挟まったり して、 長期間の使用中に安定した動作が維持できなく なることがあった。
さらには、 上記問題点を解決するために、 インナ一スリープをオーバ ーフ口一排水管と兼用せずに、 オーバーフロー排水管をケーシングの外 部に別途設ける構造とすることもできるが、 その場合には、 ケ一シング の外部に別途オーバ一フロー排水管を設ける必要があるために、 外観形 状が大きくなつてしまい、 また、 コス トアップにもなるおそれがあった そこで、 本発明では、 インナース リーブの動作とは無関係にホースの 両端を確実に固定することができ、 しかも、 ホースの組み付けが容易で コンパク 卜な外観形状とした口一夕ンク排水弁を提供することを第三の 目的としている。 発明の開示
本発明に係るロータンク排水弁は、 上端に大洗浄用および小洗浄用の 操作部をそれそれ設けるとともに下端を排水筒に連通させたケーシング と、 大洗浄用の操作部によって、 前記ケ一シング内に上下方向に回動自 在に配置された一方の駆動リ ンクと、 当該駆動リン.クに連接され下端に 前記排水筒への流路に備えた弁座に着座する弁体とこの弁体の上方にフ
ロートとを備えたインナースリーブと、 小洗浄用の操作部によって、 前 記ケーシング内に上下方向に回動自在に配置された他方の駆動リ ンクと 当該駆動リ ンクに連接されるとともに前記ィンナースリーブに外挿され 且つウェイ夕一を設けたアウタースリーブとを備え、 前記アウタースリ ーブの下降時に前記ィンナースリーブに係合する係合部を前記ウェイ夕 一の上方に備えたものである。
このように、 アウタースリーブとィンナースリーブとを連動させて下 降させるカムを、 アウタースリーブ周りに配置するウェイ夕一よりも上 方に位置させているので、 ウェイ夕一のレベルを下げることができる。 したがって、 小洗浄時の場合でも便器側へ排水する洗浄水の量を多くす ることができ、 確実な便器洗浄が行える。 また、 カムをアウタース リー ブの上端側に設けることができるので、 洗浄水夕ンクの内部でのカムの 保守点検を上方から簡単に行うことができる。
前記係合部は、 前記ィ ンナースリーブに設けた突起と同突起に係合可 能に前記アウタースリーブに設けたカムとから構成することができる。 その場合には、 アウタースリーブが下降するときにカムが突起に係合 してアウタース リーブと同時にィンナースリーブを下降させることがで きる。
また、 前記カムは、 アウタースリーブに設けた枢軸に回動自在に連接 されており、 かつ枢軸の近傍に位置するビンにゥヱイ トスリープを回動 自在に連接されており、 かつ、 ァウタ一スリーブが上方向に移動したと きに前記ゥヱイ トスリーブの自重がカムのピンに負荷されて、 前記カム が、 枢軸を軸として回動してィ ンナースリーブに設けた突起に係合する ように構成することができる。
その場合には、 カムの回動をウェイ トスリーブによって確実に係合お
よび係合解除を行ない、 大小洗浄の切替えを行なうことができる。
また、 前記カムは、 アウタースリーブに設けた横穴の中にスプリング で付勢されて、 かつ、 ケーシングガイ ドをまたいで配置されており、 ァ ゥ夕ースリーブが上方向に移動したときに前記スプリングがカムに付勢 されて、 前記カムが前記ケ一シングガイ ドに沿ってインナースリーブに 設けた溝に係合するように構成することができる。
その場合には、 カムをスプリングで付勢する構造としており、 簡単な 機構で確実に係合および係合解除をすることができ、 大小洗浄の切替え を行なうことができる。
また、 前記カムはアウタースリーブに設けた枢軸に回動自在に連接さ れて、 かつ、 ケーシングガイ ドに乗り上げて接しており、 さらにァゥ夕 ースリーブが上方向に移動したときに前記カムが自重で、 前記ケ一シン グガイ ドに沿って回転して、 前記カムの係合用フック部がインナ一スリ ープに設けた係合溝に係合するように構成することができる。
その場合には、 カムの自重により回動させる構造としており、 簡単な 機構で確実に係合および係合解除をすることができ、 大小洗浄の切替え を行なうことができる。
また、 前記操作部は前記一対の駆動リンクをそれそれ圧下する一対の 押しボタン式の操作ボタンを備え、 これらの操作ボタンの間に隔壁を備 えた櫞成とすることができる。
その場合には、 操作ボタンどう しの間に設けた隔壁によって小洗浄と 大洗浄の操作ボタンを同時に押すことがなくなり、 誤動作を防止できる また、 本発明に係るロータンク排水弁は、 前記アウタースリーブとィ ンナースリーブとの間に当該ァウタ一スリープとイ ンナースリーブを係 合するためのカムを設け、 前記カムは前記ィ ンナースリーブのみが昇降
する大洗浄操作のとき前記ァゥ夕一スリーブとインナースリーブとの係 合を解除すベく構成したものである。
このように、 アウタースリーブとィンナースリーブとを連動させて下 降させるカムを、 使用頻度が低い大洗浄のときのみ回動動作させるよう にしているので、 カムの耐久性を向上させることができるとともに大洗 浄及び小洗浄の両方で確実な動作ができる。
また、 大洗浄用の操作アームの上昇によってカムの係合を解除すると ともに、 ィンナースリーブに設けた係合突起の下端側に設けたテーパ形 状によってカムを誘導して元の係合状態に戻す構成としている。
そのため、 別部材を設けたり複雑な機構とせずに済み、 安価に製造す ることができる。
また、 本発明に係るロータンク排水弁は、 便器へ封水を供給する封水 供給部を具備し、 同封水供給部の排水口は、 前記駆動リンクを支持する 支軸の下方に位置し、 かつ、 オーバーフロー排水管として機能する中空 状のィンナースリーブの上方に配置したものである。
このように、 便器へ封水を供給する封水供給部を支軸の下方であって かつィンナースリーブの上方に配置しているため、 ボール夕ップから引 き伸ばしてきた封水用ホースをィンナースリーブに直接差し込む必要が なくなり、 インナースリーブの上下動に対して封水用ホースが抵抗とな ることがなくなり、 正常な弁の作動を安定的に維持することができる。 また、 長期間の使用中に水圧が高くなつた時や繰り返し激しく操作した 時等であっても、 従来のように封水用ホースの先端がオーバ一フロー排 水管から飛び出したり、 摺動部に挟まったりすることがなくなり、 安定 した動作を維持でき、 かつコンパク 卜に組付けることができる。
前記駆動リンクを支持する支軸は、 内部に水路を形成し、 一端に給水
口を形成し、 オーバーフロー排水管として機能する中空状のィンナース リ一ブの直上方位置に排水口を形成した構成とすることがで.きる。
このように、 ィンナースリーブの上下動に対してその位置を変えるこ とがない支軸に封水用水路を設けた構造としているため、 ボール夕ヅプ から引き伸ばしてきた封水用ホースを確実に固定することができ、 これ によっても、 長期間の使用中に水圧が高くなつた時や繰り返し激しく操 作した時等であっても、 従来のように封水用ホースの先端がオーバ一フ 口一排水管から飛び出したり、 摺動部に挟まったりすることがなくなり 安定した動作を維持でき、 かつコンパク トに組付けることができる。 特に、 支軸の排水口をインナースリーブの上方に配置することで、 ィ ンナースリーブが開弁又は閉弁時に上下方向に動作しても封水を確実に 供給することができる。 また、 封水用ホース自体も洗浄タンク内にコン パク 卜に収容でき、 封水用ホースの組付け性や耐久性を向上させること ができる。
また、 前記排水口は、 排水の拡散を防止する構造とすることができる その場合には、 封水をィンナースリーブに確実に供給することができ る。
また、 前記排水口は、 整流板によって排水の拡散を防止する構造とす ることができる。
これによつても、 封水をインナースリーブに確実に供給することがで きる。 しかも、 支軸に整流板を一体的に形成することができ、 その場合 には、 部品コス トの増大を防止することができる。
' また、 前記排水口は、 整流網によって排水の拡散を防止する構造とす ることができる。
これによつても、 封水をインナース リ一プに確実に供給することがで
きる。 図面の簡単な説明
図 1は、 本発明のデュアル · フラッシュバルブ方式のロータンク排水 弁を洗浄水タンクに備えた例を示す正面断面図である。
図 2は、 本発明のデュアル · フラ ヅシュバルブ方式のロータンク排水 弁を洗浄水タンクに備えた例を示す平面断面図である。
図 3は、 本発明のデュアル ' フラヅシュバルブ方式のロー夕ンク排水 弁を洗浄水タンクに備えた例を示す要部の縦断面図である。
図 4は、 大洗浄のときのィンナースリーブ引き上げ開始時期の動作を 示す要部の縦断面図である。
図 5は、 大洗浄のときのィンナースリーブが上限位置まで到達したと きの要部の縦断面図である。
図 6は、 大洗浄のときのィンナースリーブ下降開始時期を示す要部の 縦断面図である。
図 7は、 大洗浄のときのィンナースリーブの下降後期を示す要部の縦 断面図である。
図 8は、 小洗浄のときのアウタースリ一ブの引き上げ開始の時期を示 す要部の縦断面図である。
図 9は、 アウタースリーブとィンナースリーブが共に上限まで持ち上 がった状態を示す要部の縦断面図である。
図 1 0は、 アウタースリーブが自重とウェイター内の水の重さによつ て下降しカムが係合突起に接触した状態を示す要部の縦断面図である。 図 1 1は、 カムと突起との係合によってアウタースリーブとインナー スリーブが共に下降しアウタースリーブがケーシングの隔壁に着座した
状態を示す要部の縦断面図である。
図 1 2は、 インナ^ "スリーブが自重と排水力とによって下降して排水 筒を閉弁したときの要部の縦断面図である。
図 1 3は、 ケ一シングの外観斜視図である。
図 1 4は、 支軸に駆動リンクを組み付けた状態の斜視図である。 図 1 5は、 支軸を斜め上方から見た斜視図である。
図 1 6は、 支軸を斜め下方から見た斜視図である。
図 1 7は、 支軸排水口に整流板を設けた支軸を示す斜視図である。 図 1 8は、 支軸排水口に整流網を設けた支軸を示す斜視図である。 図 1 9は、 封水ホースの封水供給部を取付けた支軸を示す斜視図であ る。
図 2 0は、 本発明のデュアル · フラッシュバルブ方式の口一夕ンク排 水弁を洗浄水タンクに備えた例を示す要部の縦断面図である。
図 2 1は、 アウタースリーブ及びィンナースリーブの上端部分の構成 を示す要部の縦断面図である。
図 2 2は、 大洗浄のときの動作を示す要部の縦断面図である。
図 2 3は、 小洗浄のときのァゥ夕一ス リーブの引き上げ開始の時期で あってカムが突起と係合可能な状態になったときの要部の縦断面図であ る。
図 2 4は、 アウタースリーブとインナース リーブが共に上限まで持ち 上がった状態を示す要部の縦断面図である。
図 2 5は、 アウタースリーブが自重とゥヱイ夕一内の水の重さによつ て下降しカムが突起に接触した状態を示す要部の縦断面図である。 図 2 6は、 カムと突起との係合によってァゥ夕一ス リーブとィンナー スリーブが共に下降しウェイ トスリーブがケーシングの隔壁に着座した
状態を示す要部の縦断面図である。
図 2 7は、 ィンナースリーブが自重と排水力とによって下降している 状態を示す要部の縦断面図である。
図 2 8は、 引き続きィンナースリーブが下降して初期の静止状態に至 るまでの状態を示す要部の縦断面図である。
図 2 9は、 アウタースリーブにスプリングで付勢されたカムを備える 例であって、 静止状態を示す要部の縦断面図である。
図 3 0は、 図 2 9の例において大洗浄過程を示す要部の縦断面図であ る。
図 3 1は、 図 2 9の例において小洗浄過程を示す要部の縦断面図であ る。
図 3 2は、 アウタースリーブに自重によって姿勢を変更可能なカムを 備える例であって、 静止状態を示す要部の縦断面図である。
図 3 3は、 図 3 2の例において大洗浄過程を示す要部の縦断面図であ る。
図 3 4は、 図 3 2の例において小洗浄過程を示す要部の縦断面図であ る。
図 3 5は、 図 3 2の例においてカムがィンナースリ一ブの係合溝に入 り込んだ状態を示す要部の縦断面図である。
図 3 6は、 ケ一シングの周壁に設けた開口を示す斜視図である。 図 3 7は、 図 2 9の例におけるカムの斜視図である。 発明を実施するための最良の形態
本発明に係る口一タンク排水弁 1は、 図 1及び図 2に示すように、 略 矩形箱型状の洗浄水タンク Tの内部に収納されている。 図中、 Bはボー
ルタップ、 Hは封水用ホースである。
図 3は本発明の第 1実施例としてのデュアル · フラッシュバルブ方式 のロータンク排水弁 1を洗浄水タンク Tに備えた例を示す要部の縦断面 図である。
図 3において、 洗浄水タンク Tの上端壁 1 0 1 (別体のタンク蓋でも よい) と下端壁 1 0 2 との間に口一夕ンク排水弁 1が組み込まれている この口一タンク排水弁 1は上端壁 1 0 1 に組み込んだ操作部 2 とケ一シ ング 3 とから構成されたものである。
操作部 2はハウジング 2 aの内部に隔壁 2 bを挟んで配置した大洗浄 用ボタン 2 cと小洗浄用ボタン 2 dとを備えたもので、 大洗浄用ボタン 2 c及び小洗浄用ボタン 2 dのそれそれにロッ ド 2 e, 2 f を連結して いる。 なお、 大洗浄用ボタン 2 cと小洗浄用ボタン 2 dとの間には隔壁 2 bが位置し、 この隔壁 2 bによってこれらのボタン 2 c , 2 dとの間 が遮断される。 したがって、 大洗浄用ボタン 2 cと小洗浄用ボタン 2 d を同時押しすることがなくなる。
ケ一シング 3はその下端側に隔壁 3 aを形成するとともに下端に排水 筒 4を備えたもので、 この排水筒 4を洗浄水タンク Tの下端壁 1 0 2に 開けた開口 1 0 2 aに差し込んでいる。 排水筒 4からの洗浄水は便器本 体 (図示せず) に供給される。 なお、 図 1 3の外観図に示すように、 ケ —シング 3の周壁には洗浄水タンク Tの内部に連通する開口 3 bを開け ておき、 この開口 3 bからケ一シング 3内に水が流入する構成とする。 ケーシング 3の上端には口ッ ド 2 e, 2 f に対向する位置に中間スィ ツチ 5 a , 5 bを備える。 これらの中間スィ ッチ 5 a, 5 bは圧縮のス プリング 5 c, 5 dによってロッ ド 2 e, 2 f 側に付勢されたものであ る。
Ί 2
ケーシング 3の内部には支軸 6が固定され、 この支軸 6周りに一対の 駆動リンク 7 , 8が回転自在に保持されている。 そして、 駆動リ ンク 7 : 8にはそれそれ操作アーム 9, 1 0が連接されている。
操作アーム 9の下端にはィンナースリーブ 1 1を連接するとともに、 操作アーム 1 0の下端にはアウタースリーブ 1 2を連接する。 ィンナ一 ス リーブ 1 1は上端側に突起 1 1 aと係合突起 1 1 bを形成するととも に下端に弁体としてのパッキン 1 1 cを備え更にこのパッキン 1 1 cの 上方にフロート 1 1 dを形成したものである。 アウタースリープ 1 2は 水を溜めておく ことができる桶状のウエイター 1 2 aを高さ位置調整可 能に備えるとともに、 上端側にカム 1 3を上下方向に回動自在に備えて いる。
カム 1 3はその上端側にリンクロヅ ド 1 3 aを一体に形成するととも にこのリンクロッ ド 1 3 aの基端に設けた枢軸 1 3 bによってアウター スリープ 1 2に連接されたものである。 そして、 リンクロヅ ド 1 3 aの 先端部分はピン 1 3 cを介して操作アーム 9に当接されている。 そして、 操作アーム 9の上昇によってピン 1 3 cが操作アーム 9に沿って当接し て移動するときカム 1 3は枢軸 1 3 b周りに時計方向に回動可能として いる。 そして、 静止位置にあるときには、 アウタースリーブ 1 2の下端 が隔壁 3 aに着座するとともに、 操作アーム 9がインナースリーブ 1 1 を外挿している部分の上端と突起 1 1 aの間に隙間ができるような部材 の位置関係としている。
以上の構成において、 大洗浄するときには大洗浄用ボタン 2 cを押す これにより図 5に示すように中間スィ ツチ 5 aが押し下られ、 駆動リン ク 7を支軸 6周りに時計方向に回動させる。 この駆動リ ンク 7の回動に よって操作アーム 9が上に持ち上げられ、 操作アーム 9がィンナースリ
—ブ 1 1を外揷している部分の上端が突起 1 1 aに接触し、 ィンナ一ス リーブ 1 1を上に引き上げる。 そして、 このィンナースリーブ 1 1の上 昇により、 パッキン 1 1 cが排水筒 4の上端の弁座 4 aから離れてから 開弁する。 このとき、 カム 1 3は操作アーム 9の上昇によって時計方向 に回動させられ、 ィンナースリーブ 1 1の係合突起 1 1 bと干渉しない 姿勢となる。
更に、 大洗浄用ボタン 2 cを押し下げると、 図 6に示すように係合突 起 1 1 bがカム 1 3部分を抜ける部分までィンナースリーブ 1 1は上昇 して上限位置まで達する。 このとき、 パ ヅキン 1 1 cは排水筒 4の弁座 4 aから大きく離れて開弁状態に維持される。 この開弁によってタンク 内に最高水位まで貯留されていた水が排水筒 4から便器側へ排水され、 便器洗浄が行われる。 パ ヅキン 1 1 cの上昇による開弁の後には、 夕ン ク内の水位が次第に下がっていき、 大洗浄に必要な洗浄水が排水筒 4か ら排水されて、 フロート 1 1 dの位置よりも水位が下がるとインナース リーブ 1 1の自重と排水力がフロート 1 1 dの浮力に打ち勝って、 図 7 に示すようにィンナースリーブ 1 1が降下して図 3に示すようにパッキ ン 1 1 cを弁座 4 aに着座させて閉弁する。 このィンナースリーブ 1 1 の下降においては、 係合突起 1 1 bの下端側がテ一パ状となっているの で、 カム 1 3が突起 1 1 bに接触した後に、 図 7に示すようにこの突起 1 1 bのテーパ面に倣ってカム 1 3が時計方向に回動してィンスリーブ 1 1の下降を許す。 このインナ一スリーブ 1 1の下降により図 3の静止 状態に復帰する。
以上の行程により大洗浄が行われ、 洗浄に必要な流量の洗浄氷が便器 側に供給される。 そして、 カム 1 3は操作アーム 9の上昇と下降によつ て枢軸 1 3 b周りに回動駆動されて動作し、 イ ンナースリーブ 1 1の昇
降動作を可能とすることができる。
次いで、 小洗浄するときには図 8の静止状態において小洗浄用ボタン 2 dを押す。 これにより、 図 8に示すように駆動リンク 8が支軸 6周り に反時計方向に回動して操作アーム 1 0を上昇させる。 これによりァゥ 夕ースリーブ 1 2が上昇して、 このアウタースリーブ 1 2の上端がィン ナースリーブ 1 1を外揷している操作アーム 9の下端部分に接触する。 小洗浄用ボタン 2 dを図 9に示すようにフルス トロークまで押し下げ ていく と、 操作アーム 1 0の上昇に伴ってァゥ夕一スリーブ 1 2 とイン ナースリーブ 1 1が同時に上昇する。 このィンナースリーブ 1 1の上昇 によりパヅキン 1 1 cが弁座 4 aから離れて開弁し、 タンク内の水が排 水筒 4から便器側に供給される。 洗浄水の排水の期間ではフロート 1 1 dによる浮力によってインナースリーブ 1 1 とアウタースリーブ 1 2は 図 1 0の位置に保持され、 タンク内の水位の降下により、 図 1 1に示す ようにアウタースリーブ 1 2はその自重とウェイ夕一 1 2 a内の水の重 さによって下降を始める。 そして、 この下降により、 同図 1 1に示すよ うにカム 1 3がィンナースリーブ 1 1の突起 1 1 bに係合する。
カム 1 3 と係合突起 1 1 bの係合によって、 アウタースリーブ 1 2の 自重とウェイ夕一 1 2 aの中の水の重さがィンナースリーブ 1 1に伝達 され、 図 1 1に示すようにアウタースリーブ 1 2 と一体となってィ ンナ —スリーブ 1 1が下降する。 そして、 アウタースリーブ 1 2の下端がケ —シング 3に設けた隔壁 3 aに着座してアウタースリーブ 1 2の下降が 停止する。
次いで、 図 1 1に示すようにインナースリーブ 1 1はその自重と排水 力によってさらに下降する。 なお、 係合突起 1 1 bとカム 1 3は係合し ている状態を維持する。 そして、 同図 1 2に示すように更にインナース
リーブ 1 1が下降するとパヅキン 1 1 cが弁座 4 aに着座して排水が停 止する。
以上のように小'洗浄のときには、 カム 1 3は図 3の姿勢のままに保持 され、 回動動作しない。 したがって、 使用頻度が多い小洗浄の際には力 ム 1 3は何らの動作もせず、 ァゥ夕一スリーブ 1 2が下降するときにィ ンナースリーブ 1 1の係合突起 1 1 bに係合してィンナースリーブ 1 1 を押し下げるだけである。 このため、 カム 1 3は大洗浄のときの回動動 作を繰り返すだけで、 小洗浄の際に動作しないので、 カム 1 3の耐久性 を向上させることができる。
なお、 上述したインナースリーブ 1 1は、 上下端部が開口された筒形 状となっており、 タンク内の貯水の水位がこのィンナースリーブ 1 1 よ りも高くなるとこのィンナースリ一プ 1 1を介して、 便器内に排水する オーバーフロー機構を備えた構造となっている。
ここで、 支軸 6は、 図 1 4〜図 1 6に示すように、 内部に水路を形成 しており、 端部に支軸給水口 6 aを形成し、 同支軸給水口 6 aに封水用 ホース Hの終端部を接続しており (図 2参照) 、 同封水用ホース Hの始 端部は、 ボール夕ヅプ Bに設けた封水用取出し口 B aに接続している。
また、 支軸 6は、 略中央下部に支軸排水口 6 bを形成しており、 同支 軸排水口 6 bは、 ォ一バーフロー排水管としても機能するィンナースリ ーブ 1 1の直上方に配置している (図 3参照) 。
そして、 便器洗浄時 (大洗浄時及び小洗浄時) に、 洗浄用タンク Tの 内部の水位が下がり始めると、 それに伴ってボール夕ップ Bに設けたボ ール夕ップフ口一ト B bも水面に沿って下降し、 それによりボール夕ッ プ Bの内部に設けた止水弁 (図示省略) が開き、 ボールタップ吐水口 B cから洗浄用タンク Tに向けて給水を開始する。 すなわち、 ボールタツ
プ Bの封水用取出し口 B aから封水用ホース Hを通して支軸給水口 6 a に水が供給され、 さらには、 支軸 6の内部の水路を通して支軸排水口 6 bから水が排出される。 排出された水は、 インナ一スリープ 1 1の中空 の管路を通って、 排水筒 4から便器本体に供給され、 封水用の水となる その後、 便器洗浄が完了に近づき、 洗浄用タンク Tの内部の水位が上 昇して満水時 W Lの位置に近接すると、 ボール夕ップフロー ト B bも水 面に沿って上昇し、 ボール夕ップフ ロー ト B bに連動連結した止水弁
(図示省略) が閉じ、 ボールタップ吐水口: B cから洗浄用タンク丁への 給水が停止する。
このように、 支軸 6に形成した水路からィンナースリーブ 1 1を介し て封水を便器に供給するようにしているため、 従来のようにィンナース リーブ 1 1に直接封水用の給水管を繋げる必要がなくなり、 大洗浄や小 洗浄時のィンナースリーブ 1 1の上下可動をスムーズに行なうことがで cf る。
図 1 7、 図 1 8に示す支軸 6は、 支軸排水口 6 bからの封水用の水が 拡散せずにィ ンナースリーブ 1 1に確実に排水できるようにしたもので める 0
, すなわち、 図 1 7に示す支軸 6は、 支軸排水口 6 bの先端部の内側に 十字形状の整流板 6 cを設けている。
また、 図 1 8に示す支軸 6は、 支軸排水口 6 bの先端部に整流網とし て機能するキヤップ 6 dを取付けている。
上記した支軸 6は、 内部に水路を形成しているが、 図 1 9に示すよう に、 支軸 6の下部に封水用ホース Hに形成した封水供給部 1 7を固定す る構造としてもよい。
封水供給部 1 7は、 封水用ホース Hから流入する封水を下方に排水す
る排水口 1 Ί bを備えている。 この封水供給部 1 7の排水口 1 7 bは、 オーバ一フロー排水管として機能するィンナースリーブ 1 1の直上、 か つ同軸となるように配置することが望ましい。
支軸 6には、 支軸固定部 1 8を下方に突出するように設けている。 支 軸固定部 1 8の下面には、 凹部が設けられ、 一方、 封水供給部 1 7上方 には、 凸部が設けられており、 それそれを嵌合させることで封水供給部 1 7を支軸 6に固定することができる。
また、 封水用ホース保持部 1 9は、 一端を封水用ホース Hを保持でき るように環状に形成され、 他端を支軸 6に嵌合して取付け可能なように ク リ ップ状に形成されている。 封水用ホース Hを環状部分に挿通して保 持するようにすることで、 一層封水用ホース Hの固定を確実なものとす ることができる。
封水用ホース Hは、 ボール夕ップ Bから支軸 6 と略平行に伸ばした状 態とすることによって、 駆動リンク 7 , 8との衝突を防止することがで きる。
また、 封水供給部 1 7の取付け部も、 上下に調整可能とすることで、 駆動リンク 7 , 8 との衝突を防止することができる。
封水供給部 1 7は、 支軸 6ではなくケーシング 3に固定してもよく、 その場合にも、 封水供給部 1 7の排水口 1 7 bを支軸 6の下方であって ォ一バーフロー排水管として機能するィンナースリーブ 1 1の直上、 か つ同軸となるように配置することが望ましい。
図 2 0は本発明の第 2実施例としてのデュアル · フラッシュバルブ方 式のロータンク排水弁を洗浄水タンク Tに備えた例を示す要部の縦断面 図である。
図 2 0において、 洗浄水タンク Tの上端壁 1 2 1 (別体の夕ンク蓋で
もよい) と下端壁 1 2 2との間に口一タンク排水弁 2 1が組み込まれて いる。 このロー夕ンク排水弁 2 1は上端壁 1 2 1に組み込んだ操作部 2 2 とケーシング 2 3 とから構成されたものである。
操作部 2 2はハウジング 2 2 aの内部に隔壁 2 2 bを挾んで配置した 大洗浄用ボ夕ン 2 2 cと小洗浄用ボタン 2 2 dとを備えたもので、 大洗 浄用ボタン 2 2 c及び小洗浄用ボタン 2 2 dのそれそれにロ ヅ ド 2 2 e 2 2 f を連結している。 なお、 大洗浄用ボタン 2 2 c と小洗浄用ボタン 2 2 dとの間には隔壁 2 2 bが位置し、 この隔壁 2 2 bによってこれら のボタン 2 2 c , 2 2 dとの間が遮断される。 したがって、 大洗浄用ボ タン 2 2 c と小洗浄用ボ夕ン 2 2 dを同時押しすることがなくなる。 ケ一シング 2 3はその下端側に隔壁 2 3 aを形成するとともに下端に 排水筒 2 4を備えたもので、 この排水筒 2 4を洗浄水タンク Tの下端壁 1 2 2に開けた開口 1 2 2 aに差し込んでいる。 排水筒 2 4からの洗浄 水は便器本体 (図示せず) に供給される。 なお、 ケーシング 2 3の周壁 には、 図 3 6の外観図に示すように、 洗浄水タンク T .の内部に連通する 開口 2 3 bを開けておき、 この開口 2 3 bからケーシング 2 3内に水が 流入する構成とする。
ケ一シング 2 3の上端には口ヅ ド 2 2 e、 2 2 f に対向する位置に中 間スィ ツチ 2 5 a , 2 5 bを備える。 これらの中間スィ ツチ 2 5 a , 2 5 bは圧縮のスプリ ング 2 5 c、 2 5 dによってロッ ド 2 2 e、 2 2 f 側 に付勢されたものである。
ケーシング 2 3の内部には支軸 2 6が固定され、 この支軸 2 6周りに 一対の駆動リンク 2 7 , 2 8が回転自在に保持されている。 そして、 駆 動リンク 2 7 , 2 8にはそれそれ操作アーム 2 9 , 3 0が連接されてい る。
操作アーム 2 9の下端にはィンナース リーブ 3 1 を連接するとともに、 操作アーム 3 0の下端にはァゥ夕一スリ一プ 3 2を連接する。 ィンナ一 スリーブ 3 1は上端側に突起 3 1 aを形成するとともに下端に弁体とし てのパッキン 3 l bを備え更にこのパヅキン 3 1 bの上方にフロート 3 1 cを形成したものである。 アウタースリーブ 3 2は下端に水を溜めて おく ことができる楠状のゥヱイ夕一 3 2 aを備えるとともに、 上端側に カム 3 3を上下方向に回動自在に備えている。 そして、 ァゥ夕一スリ一 ブ 3 2の下端側にはウェイ トスリーブ 3 4を外揷している。 ウェイ トス リーブ 3 4にはアウタースリーブ 3 2の外面に沿ってカム 3 3部分まで 伸びるアーム 3 4 aを一体に連結している。
カム 3 3は図 2 1の拡大図に示すようにアウタースリーブ 3 2に設け た枢軸 3 2 bに回転自在に連接され、 U字状の先端部にはアーム 3 4 a の上端に設けたピン 3 4 bが連接されている。 そして、 静止位置にある ときには、 操作アーム 2 9の下端 2 9 aとァゥ夕一スリ一プ 3 2の上端 3 2 cの間に隙間ができるような部材の位置関係としている。
以上の構成において、 大洗浄するときには大洗浄用ボタン 2 2 cを押 す。 これにより図 2 2に示すように中間スィ ツチ 2 5 aが押し下られ、 駆動リンク 2 7を支軸 2 6周りに時計方向に回動させる。 この駆動リ ン ク 2 7の回動によって操作アーム 2 9が上に持ち上げられ、 ィンナース リーブ 3 1を上に引き上げる。 そして、 このインナースリーブ 3 1の上 昇により、 ノ ソキン 3 l bが排水筒 2 4の上端の弁座 2 4 aから離れて 開弁する。 この開弁によってタンク内に最高水位まで貯留されていた水 が排水筒 2 4から便器側へ排水され、 便器洗浄が行われる。 パッキン 3 1 bの上昇による開弁の後には、 タンク内の水位が次第に下がっていき 大洗浄に必要な洗浄水が排水筒 2 4から排水されて、 フロートの位置よ
りも水位が下がるとィンナ一スリーブ 3 1の自重と排水力がフロートの 浮力に打ち勝って、 インナースリーブ 3 1は降下してパヅキン 3 1 bを 弁座 2 4 aに着座させて閉弁する。 以上の行程により大洗浄が行われ、 洗浄に必要な流量の洗浄水が便器側に供給される。
次いで、 小洗浄するときには図 2 0の静止状態において小洗浄用ボタ ン 2 2 dを押す。 これにより、 図 2 3に示すように駆動リンク 2 8が支 軸 2 6周りに反時計方向に回動して操作アーム 3 0を上昇させる。 これ により、 アウタースリーブ 3 2が上昇する。 そして、 図 2 1で示したァ ゥ夕一スリーブ 3 2の上端 3 2 cが操作アーム 2 9の下端 2 9 aに突き 当たる状態となるとき、 ウェイ トスリーブ 3 4はその自重により図 2 0 の位置に止まろうとするので、 カム 3 3は枢軸 3 2 b周りに反時計方向 に回動して姿勢を変える。
小洗浄用ボタン 2 2 dを図 2 4に示すようにフルス トロークまで押し 下げていく と、 操作アーム 3 0の上昇に伴ってァゥ夕一スリーブ 3 2 と ィンナースリーブ 3 1が同時に上昇する。 このィンナースリーブ 3 1の 上昇によりパヅキン 3 1 bが弁座 2 4 aから離れて開弁し、 タンク内の 水が排水筒 2 4から便器側に供給される。 洗浄水の排水の期間ではフロ —ト 3 1 cによる浮力によってインナ一スリープ 3 1 とアウタースリ一 ブ 3 2は図 2 4の位置に保持され、 タンク内の水位の降下により、 図 2 5に示すようにアウタースリーブ 3 2はその自重とウエイター 3 2 a内 の水の重さによって下降を始める。 そして、 この下降により、 図 2 5に 示すようにカム 3 3がインナ一スリープ 3 1の突起 3 1 aに係合する。 カム 3 3と突起 3 1 aの係合によって、 ァゥ夕一スリーブ 3 2の自重 とウエイター 3 2 aの中の水の重さがインナース リーブ 3 1 に伝達され. 図 2 6に示すようにアウタースリーブ 3 2 と一体となってィンナースリ
ーブ 3 1が下降する。 そして、 図 2 7に示すようにァゥ夕 ^ -スリーブ 3 2の下降によってウェイ トスリーブ 3 4の下端がケーシング 2 3に設け た隔壁 2 3 aに着座する。 さらにアウタースリーブ 3 2が下降して隔壁 2 3 aに着座する。 このアウタースリーブ 3 2の着座と同時に突起 3 1 aとカム 3 3の係合が解かれる。 そして、 図 2 8に示すように更にィン ナースリーブ 3 1が下降するとパヅキン 3 1 bが弁座 2 4 aに着座して 給水が停止する。 これによつて、 カム 3 3は元の姿勢に回動し、 図 2 0 に示した静止状態に戻る。
以上のように小洗浄のときにはアウタースリーブ 3 2 とともにインナ 一スリーブ 3 1を上昇させてパヅキン 3 1 bを弁座 2 4 aから離して開 弁させることができる。 そして、 洗浄水の排水の後にはアウタースリ一 ブ 3 2の自重とゥヱイ夕一 3 2 a内の水の重さを利用してアウタースリ —ブ 3 2に連動させてィンナ一スリーブ 3 1を下降させることができ、 大洗浄に比べて速く閉弁させることができる。 また、 カム 3 3とこれに 係合する突起 3 1 aをウエイター 3 2 aの上方に配置しているので、 ゥ エイ夕一 3 2 aを従来例に比べて低いレベルに下げることができる。 し たがって、 小洗浄のときの流量を確保することができ、 確実な便器洗浄 が可能となる。 また、 カム 3 3はァゥ夕一スリーブ 3 2の上端側に配置 されているので、 洗浄水タンク Tの内部での保守点検は上端壁 1 2 1を 開いて上方から簡単に行うことができる。
図 2 9〜図 3 5はカムによる係合部の他の構成例を示す要部の図であ り、 先の例と同じ構成部材については共通の符号で指示しその詳細な説 明は省略する。
図 2 9〜図 3 1はアウタースリーブにスプリングで付勢されたカムを 備えた例である。
図において、 操作アーム 2 9, 3 0には先の例と同様にィンナ一スリ ーブ 3 5及びアウタースリープ 3 6がそれそ連接されている。 イ ンナ一 スリーブ 3 5 とアウタースリーブ 3 6 との間にはケ一シング 3 7の筒部 3 7 aがあり、 このケーシング 3 7の筒部 3 7 aに対してィンナースリ ーブ 3 5及びアウタースリーブ 3 6は上下に移動自在な関係として連接 されている。 アウタースリーブ 3 6の上端部にはスプリング 3 8 aによ つてァゥ夕一スリーブ 3 6の中心方向に付勢されたカム 3 8を組み込ん でいる。 カム 3 8は同図の拡大図及び図 3 7の斜視図に示すように先端 側をテーパ状に形成したものであり、 ィンナースリーブ 3 5の外周に形 成した係合溝 3 5 aの中に差し込み可能としたものである。 なお、 スプ リング 3 8 aはアウタースリーブ 3 6の外面に設ける反力受け (図示せ ず) によって支持されたものとする。 一方、 ケ一シング 3 7の筒部 3 7 aの上端部にはカム 3 8の先端部のテーパに整合する傾斜したガイ ド面 3 7 bを形成している。
以上の構成において、 静止時には図 2 9に示すようにカム 3 8の先端 のテーパ部がガイ ド面 3 7 bに突き当たった状態にある。 ここで、 大洗 浄するときには先の例における大洗浄用ボタン 2 2 cを押し下げること により、 操作アーム 2 9を上に移動させる。 これにより図 3 0に示すよ うにインナースリーブ 3 5だけを引き上げることができ、 このインナー スリーブ 3 5の下端に設けるパッキンを排水筒の弁座から引き離すこと により開弁させる。 この開弁により洗浄水が便器側に供給され、 インナ 一スリーブ 3 5は閧弁後に、 大洗浄に必要な洗浄水が排水筒から排水さ れて、 フロートの位置よりも水位が下がるとィンナースリーブ 3 5の自 重と排水力がフロートの浮力に打ち勝って、 インナースリーブ 3 5は降 下してパツキンを弁座に着座させて閉弁して、 図 2 9の静止位置に戻る
小洗浄するときには、 先の例において小洗浄用ボタン 2 2 dを押し下 げることにより操作アーム 3 0を上昇させてアウタースリープ 3 6を上 昇させる。 このアウタースリーブ 3 6の上昇により、 図 3 1に示すよう にアウタースリーブ 3 6はケーシング 3 7の筒部 3 7 aに対して相対的 に上昇する。 このため、 テ一パ面接合しているカム 3 8の先端面がガイ ド面 3 7 bを上昇していき、 同図の拡大図に示すようにカム 3 8の先端 がィンナースリーブ 3 5の係合溝 1 5によって係合する。 したがって、 アウタースリーブ 3 6 と同時にィンナースリーブ 3 5 も上昇し、 このィ ンナ一スリーブ 3 5の下端のパヅキンを弁座から引き離すことによって 開弁することができる。 そして、 開弁後にはゥヱイ夕一内の水の重さと アウタースリーブ 3 6とインナースリーブ 3 5の自重によって下降して いき、 大洗浄の場合よりも洗浄水の流量が小さくなるように閉弁する。 このィンナースリーブ 3 5及びアウタースリーブ 3 6の下降の際には、 図 3 1の状態からカム 3 8のテ一パ面がケ一シング 3 7の筒部 3 7 aの ガイ ド面 3 7 bに案内されて図 2 9及び図 3 0の位置に設定される。 し たがって、 カム 3 8に対してインナースリーブ 3 5は無縁となり、 自重 と排水力によって更に下降して図 2 9の静止状態に戻る。
この例においても、 ゥヱイ夕一 (図示せず) をカム 3 8 と係合溝 3 5 aとによる係合部より下側に位置させているので、 係合部の保守点検が 可能となるとともに小洗浄時での洗浄水の流量を適正に確保することが できる。
図 3 2〜図 3 5はァゥ夕一スリーブに重りを兼ねたカムを備えた例で める。
なお、 先の例と同じ構成部材については共通の符号で指示しその詳細な 説明および図は省略する。
図 3 2において、 操作アーム 2 9 , 3 0には先の例と同様にィンナ一 スリーブ 3 9及びアウタースリーブ 4 0がそれぞれ連接されている。 ィ ンナースリープ 3 9 とアウタースリーブ 4 0 との間にはケ一シング 4 1 の筒部 4 1 aがあり、 このケ一シング 4 1の筒部 4 1 aに対してインナ —スリーブ 3 9及びアウタースリープ 4 0は上下に移動自在な関係とし て連接されている。 アウタースリーブ 4 0の上端部には重りを兼ねた力 ム 4 2を組み込んでいる。 カム 4 2は図 3 2の拡大図に示すように、 枢 軸 4 2 aによって上下方向に回動自在に連接されたもので、 先端側を係 合用フック部 4 2 bとして形成したものである。 一方、 ケ一シング 4 1 の筒部 4 1 aの上端部にはカム 4 2の先端部が突き当たるガイ ド面 4 1 bを形成している。
以上の構成において、 静止時には図 3 2に示すようにカム 4 2の先端 部がガイ ド面 4 1 bに突き当たった状態にある。 ここで、 大洗浄すると きには先の例における大洗浄用ボタン 2 2 cを押し下げることにより、 操作アーム 2 9を上に移動させる。 これにより図 3 3に示すようにィン ナースリーブ 3 9だけを引き上げることができ、 このィンナースリーブ 3 9の下端に設けるパッキンを排水筒の弁座から引き離すことにより開 弁させる。 この開弁により洗浄水が便器側に供給され、 インナースリー ブ 3 9は開弁後に大洗浄に必要な洗浄水が排水筒から排水されて、 フロ 一トの位置よりも水位が下がるとィンナ一スリーブ 3 9の自重と排水力 がフロートの浮力に打ち勝って、 ィンナースリーブ 3 9は降下してパヅ キンを弁座に着座させて閉弁して、 図 3 2の静止位置に戻る。
小洗浄するときには、 先の例において小洗浄用ボタン 2 2 dを押し下 げることにより操作アーム 3 0を上昇させてアウタースリーブ 4 0を上 昇させる。 このアウタースリーブ 4 0の上昇により、 図 3 4に示すよう
にアウタースリーブ 4 0はケ一シング 4 1の筒部 4 1 aに対して相対的 に上昇する。 一方、 ィンナースリーブ 3 9の上端側にアウタースリーブ 4 0の上端が突き当たり、 これによつてアウタースリーブ 4 0 と同時に ィンナースリーブ 3 9が上昇し、 このィンナースリーブ 3 9の下端のパ ツキンを弁座から引き離すことによって閧弁することができる。
そして、 ァゥ夕一スリーブ 4 0の上昇によってカム 4 2はその自重によ つて図 3 4の姿勢から図 3 5の姿勢に変位し、 カム 4 2の先端の係合用 フヅク部 4 2 bはィ ンナースリーブ 3 9の外周面に形成した係合溝 3 9 aの中に入り込む。
開弁後にはウェイ夕一内の水の重さとアウタースリーブ 4 0及びィン ナースリーブ 3 9の自重によって下降していき、 大洗浄の場合よりも洗 浄水の流量が小さくなるように閉弁する。 このィンナースリーブ 3 9及 びァゥ夕一スリーブ 4 0の下降の際には、 図 3 5のカム 4 2の姿勢から このカム 4 2がガイ ド面 4 l bに接触していることによって枢軸 4 2 a 周りに時計方向に回動していき、 図 3 5 , 図 3 4の順に変化して図 3 2 の静止状態に復帰する。
この例においても、 ウエイター (図示せず) をカム 4 2 と係合溝 3 9 aとによる係合部より下側に位置させているので、 係合部の保守点検が 可能となるとどもに小洗浄時での洗浄水の流量を適正に確保することが できる。
なお、 上述したいずれの実施例においても、 インナース リーブは、 上 下端部が開口された筒形状となっており、 タンク内の貯水の水位がこの インナ一スリーブよりも高くなるとこのインナースリーブを介して、 便 器内に排水するオーバーフロー機構を備えた構造となっている。
また、 本実施例でも、 支軸には水路を形成しており、 大洗浄や小洗浄
時の便器への排水後、 便器のトラップに水を溜めて封水するために、 こ の支軸の水路からィンナースリーブを介して水を流すようにしている。 このような構成にすることで、 従来のようにィンナースリーブに直接封 水用の給水管を繋げる必要がなくなり、 大洗浄や小洗浄時のィンナース リーブの上下可動をスムーズに行なうことができる。 産業上の利用可能性
本発明ではアウタースリーブとィンナースリーブとを連動させて下降 させるカムを、 アウタースリープ周りに配置するウェイ夕一よりも上方 に位置させているので、 ウェイ夕一のレベルを下げることができる。 し たがって、 小洗浄時の場合でも便器側へ排水する洗浄水の量を多くする ことができ、 確実な便器洗浄が行える。 また、 カムをアウタースリーブ の上端側に設けることができるので、 洗浄水夕ンク Tの内部でのカムの 保守点検を上方から簡単に行うことができる。
また、 本発明ではアウタースリーブとインナースリーブとを連動させ て下降させるカムを、 使用頻度が低い大洗浄のときのみ回動動作させる ようにしているので、 カムの耐久性を向上させることができるとともに 大洗浄及び小洗浄の両方で確実な動作を行わせることができる。
また、 本発明では、 便器へ封水を供給する封水供給部を支軸の下方で あって、 かつインナースリーブの上方に配置しているため、 ボールタヅ プから引き伸ばしてきた封水用ホースをィンナースリーブに直接差し込 む必要がなくなり、 ィンナースリーブの上下動に対して封水用ホースが 抵抗となることがなくなり、 正常な弁の作動を安定的に維持することが- できる。 また、 長期間の使用中に水圧が高くなつた時や繰り返し激しく 操作した時等であっても、 従来のように封水用ホースの先端がオーバー
フロー排水管から飛び出したり、 摺動部に挟まったりすることがなくな り、 安定した動作を維持でき、 かつコンパク 卜に組付けることができる