JP4306146B2 - ロータンク排水弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、便器の洗浄水タンクに備えられ小洗浄及び大洗浄に切り換えて使用できるロータンク排水弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から便器の洗浄水タンクにデュアル・フラッシュバルブ方式のロータンク排水弁が使用されている。このデュアル・フラッシュバルブ方式のロータンク排水弁は、洗浄水タンクの内部に組み込まれ小洗浄及び大洗浄のそれぞれの操作ボタンを洗浄水タンクの表面に配置したものである。
【0003】
このようなデュアル・フラッシュバルブ方式のロータンク排水弁の例として、たとえば、米国特許明細書第5,657,494号や豪州特許明細書第692009号に記載されたものがある。これらの明細書に記載のロータンク排水弁は、フロートとウェイターを備え、これらのフロート及びウェイターが水位を検知することで閉弁を制御可能としたものである。すなわち、大洗浄時ではフロートの位置まで水位が下がるとフロートによる浮力が減少して閉弁し、小洗浄時はウェイターと連結されているアウタースリーブがウェイター下方に位置するカム駆動でフロート上に乗り上げウェイターの位置までタンク内の水位が下がるとウェイターの重みが浮力に打ち勝って閉弁する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、カムはアウタースリーブの下端側に設けられているので、ウェイターを下方側に設けようとするとカムに干渉してしまう。したがって、ウェイターをある程度高いレベルに配置する必要がある。このようにウェイターを上側に配置してしまうと、小洗浄時の洗浄水量が減少してしまい充分な洗浄ができなくなってしまう。
【0005】
そこで、本発明はカムをアウタースリーブの上端側に配置することにより小洗浄時の洗浄水量を確保できるデュアル・フラッシュバルブ方式のロータンク排水弁を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のロータンク排水弁は、上端に大洗浄用および小洗浄用の操作部をそれぞれ設けるとともに下端を排水筒に連通させたケーシングと、大洗浄用の操作部によって、前記ケーシング内に上下方向に回動自在に配置された一方の駆動リンクと、当該駆動リンクに連接され下端に前記排水筒への流路に備えた弁座に着座する弁体とこの弁体の上方にフロートとを備えたインナースリーブと、小洗浄用の操作部によって、前記ケーシング内に上下方向に回動自在に配置された他方の駆動リンクと、当該駆動リンクに連接されるとともに前記インナースリーブに外挿され且つウェイターを設けたアウタースリーブとを備え、前記アウタースリーブの下降時に前記インナースリーブに係合する係合部を前記ウェイターの上方に備えていることを特徴とする。
【0007】
このような構成において、前記係合部は前記インナースリーブに設けた突起と前記突起に係合可能に前記アウタースリーブに設けたカムとから構成したものとすることができる。
【0008】
前記カムは、アウタースリーブに設けた枢軸に回動自在に連接されており、かつ枢軸の近傍に位置するピンにウェイトスリーブを回動自在に連接されており、かつ、アウタースリーブが上方向に移動したときに前記ウェイトスリーブの自重がカムのピンに負荷されて、前記カムが、枢軸を軸として回動してインナースリーブに設けた突起に係合する構成とすることができる。
【0009】
前記カムは、アウタースリーブに設けた横穴の中にスプリングで付勢されて、かつ、ケーシングガイドをまたいで配置されており、アウタースリーブが上方向に移動したときに前記スプリングがカムに付勢されて、前記カムが前記ケーシングガイドに沿ってインナースリーブに設けた溝に係合する構成としてもよい。
【0010】
前記カムはアウタースリーブに設けた枢軸に回動自在に連接されて、かつ、ケーシングガイドに乗り上げて接しており、さらにアウタースリーブが上方向に移動したときに前記カムが自重で、前記ケーシングガイドに沿って回転して、前記カムの係合用フックがインナースリーブに設けた係合溝に係合する構成としてもよい。
【0011】
前記操作部は前記一対の駆動リンクをそれぞれ圧下する一対の押しボタン式の操作ボタンを備え、これらの操作ボタンの間に隔壁を備えた構成としてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明では、インナースリーブを上昇させることによって弁体を弁座から離して開弁することができ、インナースリーブだけを大洗浄用の操作部によって上昇させた後には開弁によってタンク内の水位が下がり、この水位がフロートの位置よりも下がるとインナースリーブの自重と排水力がフロートの浮力に打ち勝って、インナースリーブは下降して弁体を弁座に着座させて閉弁することができる。この場合、タンク内の貯留水がフロートの近傍位置まで排水されるので、大洗浄の操作となる。
【0013】
一方、小洗浄用の操作部によって、アウタースリーブを上昇させるとインナースリーブも同時に上昇する構成とすることによって弁体を弁座から離して開弁することができる。この開弁の後にはウェイター内の水の重量を利用してアウタースリーブを下降させると共に係合部によってインナースリーブにもウェイターの水の重量が負荷されることで、水位がウェイターの近傍位置にきたときに閉弁することができ、小洗浄が可能となる。
【0014】
係合部を、前記インナースリーブに設けた突起と前記突起に係合可能に前記アウタースリーブに設けたカムとから構成したものでは、アウタースリーブが下降するときにカムが係合部に係合してアウタースリーブと一体としてインナースリーブを下降させることができる。
【0015】
カムをウェイトスリーブに回動自在に連接したものでは、カムの回動をウェイトスリーブによって確実に係合及び係合解除を行うことができ、大小洗浄の切替をすることができる。
【0016】
カムをスプリングで付勢したものでは、簡単な機構で確実に係合及び係合解除をすることができ、大小洗浄の切替をすることができる。
【0017】
カムを自重で回動自在としたものでは、カムの自重を利用することにより簡単な機構で確実に係合及び係合解除をすることができ、大小洗浄の切替をすることができる。
【0018】
また、一対の駆動リンクをそれぞれ圧下する一対の押しボタン式の操作ボタンを備え、これらの操作ボタンの間に隔壁を備えた操作部を備えるものでは、小洗浄と大洗浄の際の操作ボタンを同時に押すことがなくなる。
【0019】
【実施例】
図1は本発明のデュアル・フラッシュバルブ方式のロータンク排水弁を洗浄水タンクに備えた例を示す要部の縦断面図である。
【0020】
図において、洗浄水タンクの上端壁101(別体のタンク蓋でもよい)と下端壁102との間にロータンク排水弁1が組み込まれている。このロータンク排水弁1は上端壁101に組み込んだ操作部2とケーシング3とから構成されたものである。
【0021】
操作部2はハウジング2aの内部に隔壁2bを挟んで配置した大洗浄用ボタン2cと小洗浄用ボタン2dとを備えたもので、大洗浄用ボタン2c及び小洗浄用ボタン2dのそれぞれにロッド2e,2fを連結している。なお、大洗浄用ボタン2cと小洗浄用ボタン2dとの間には隔壁2bが位置し、この隔壁2bによってこれらのボタン2c,2dとの間が遮断される。したがって、大洗浄用ボタン2cと小洗浄用ボタン2dを同時押しすることがなくなる。
【0022】
ケーシング3はその下端側に隔壁3aを形成するとともに下端に排水筒4を備えたもので、この排水筒4を洗浄水タンクの下端壁102に開けた開口102aに差し込んでいる。排水筒4からの洗浄水は便器本体(図示せず)に供給される。なお、ケーシング3の周壁には、図17の外観図に示すように、洗浄水タンク内に連通する開口3bを開けておき、この開口3bからケーシング3内に水が流入する構成とする。
【0023】
ケーシング3の上端にはロッド2e,2fに対向する位置に中間スイッチ5a,5bを備える。これらの中間スイッチ5a,5bは圧縮のスプリング5c,5dによってロッド2e,2f側に付勢されたものである。
【0024】
ケーシング3の内部には支軸6が固定され、この支軸6周りに一対の駆動リンク7,8が回転自在に保持されている。そして、駆動リンク7,8にはそれぞれ操作アーム9,10が連接されている。
【0025】
操作アーム9の下端にはインナースリーブ11を連接するとともに、操作アーム10の下端にはアウタースリーブ12を連接する。インナースリーブ11は上端側に突起11aを形成するとともに下端に弁体としてのパッキン11bを備え更にこのパッキン11bの上方にフロート11cを形成したものである。アウタースリーブ12は下端に水を溜めておくことができる桶状のウェイター12aを備えるとともに、上端側にカム13を上下方向に回動自在に備えている。そして、アウタースリーブ12の下端側にはウェイトスリーブ14を外挿している。ウェイトスリーブ14にはアウタースリーブ12の外面に沿ってカム13部分まで伸びるアーム14aを一体に連結している。
【0026】
カム13は図2の拡大図に示すようにアウタースリーブ12に設けた枢軸12bに回転自在に連接され、U字状の先端部にはアーム14aの上端に設けたピン14bが連接されている。そして、静止位置にあるときには、操作アーム9の下端9aとアウタースリーブ12の上端12cの間に隙間ができるような部材の位置関係としている。
【0027】
以上の構成において、大洗浄するときには大洗浄用ボタン2cを押す。これにより図3に示すように中間スイッチ5aが押し下られ、駆動リンク7を支軸6周りに時計方向に回動させる。この駆動リンク7の回動によって操作アーム9が上に持ち上げられ、インナースリーブ11を上に引き上げる。そして、このインナースリーブ11の上昇により、パッキン11bが排水筒4の上端の弁座4aから離れて開弁する。この開弁によってタンク内に最高水位まで貯留されていた水が排水筒4から便器側へ排水され、便器洗浄が行われる。パッキン11bの上昇による開弁の後には、タンク内の水位が次第に下がっていき、大洗浄に必要な洗浄水が排水筒4から排水されて、フロートの位置よりも水位が下がるとインナースリーブ11の自重と排水力がフロートの浮力に打ち勝って、インナースリーブ11は降下してパッキン11bを弁座4aに着座させて閉弁する。以上の行程により大洗浄が行われ、洗浄に必要な流量の洗浄水が便器側に供給される。
【0028】
次いで、小洗浄するときには図1の静止状態において小洗浄用ボタン2dを押す。これにより、図4に示すように駆動リンク8が支軸6周りに反時計方向に回動して操作アーム10を上昇させる。これにより、アウタースリーブ12が上昇する。そして、図2で示したアウタースリーブ12の上端12cが操作アーム9の下端9aに突き当たる状態となるとき、ウェイトスリーブ14はその自重により図1の位置に止まろうとするので、カム13は枢軸12b周りに反時計方向に回動して姿勢を変える。
【0029】
小洗浄用ボタン2dを図5に示すようにフルストロークまで押し下げていくと、操作アーム10の上昇に伴ってアウタースリーブ12とインナースリーブ11が同時に上昇する。このインナースリーブ11の上昇によりパッキン11bが弁座4aから離れて開弁し、タンク内の水が排水筒4から便器側に供給される。洗浄水の排水の期間ではフロート11cによる浮力によってインナースリーブ11とアウタースリーブ12は図5の位置に保持され、タンク内の水位の降下により、図6に示すようにアウタースリーブ12はその自重とウェイター12a内の水の重さによって下降を始める。そして、この下降により、図6に示すようにカム13がインナースリーブ11の突起11aに係合する。
【0030】
カム13と突起11aの係合によって、アウタースリーブ12の自重とウェイター12aの中の水の重さがインナースリーブ11に伝達され、図7に示すようにアウタースリーブ12と一体となってインナースリーブ11が下降する。そして、図8に示すようにアウタースリーブ12の下降によってウェイトスリーブ14の下端がケーシング3に設けた隔壁3aに着座する。さらにアウタースリーブ12が下降して隔壁3aに着座する。このアウタースリーブ12の着座と同時に突起11aとカム13の係合が解かれる。そして、図9に示すように更にインナースリーブ11が下降するとパッキン11bが弁座4aに着座して給水が停止する。これによって、カム13は元の姿勢に回動し、図1に示した静止状態に戻る。
【0031】
以上のように小洗浄のときにはアウタースリーブ12とともにインナースリーブ11を上昇させてパッキン11bを弁座4aから離して開弁させることができる。そして、洗浄水の排水の後にはアウタースリーブ12の自重とウェイター12a内の水の重さを利用してアウタースリーブ12に連動させてインナースリーブ11を下降させることができ、大洗浄に比べて速く閉弁させることができる。また、カム13とこれに係合する突起11aをウェイター12aの上方に配置しているので、ウェイター12aを従来例に比べて低いレベルに下げることができる。したがって、小洗浄のときの流量を確保することができ、確実な便器洗浄が可能となる。また、カム13はアウタースリーブ12の上端側に配置されているので、洗浄水タンク内での保守点検は上端壁101を開いて上方から簡単に行うことができる。
【0032】
図10以降はカムによる係合部の他の構成例を示す要部の図であり、先の例と同じ構成部材については共通の符号で指示しその詳細な説明は省略する。
【0033】
図10〜図12はアウタースリーブにスプリングで付勢されたカムを備えた例である。
【0034】
図において、操作アーム9,10には先の例と同様にインナースリーブ15及びアウタースリーブ16がそれぞ連接されている。インナースリーブ15とアウタースリーブ16との間にはケーシング17の筒部17aがあり、このケーシング17の筒部17aに対してインナースリーブ15及びアウタースリーブ16は上下に移動自在な関係として連接されている。アウタースリーブ16の上端部にはスプリング18aによってアウタースリーブ16の中心方向に付勢されたカム18を組み込んでいる。カム18は同図の拡大図及び図18の斜視図に示すように先端側をテーパ状に形成したものであり、インナースリーブ15の外周に形成した係合溝15aの中に差し込み可能としたものである。なお、スプリング18aはアウタースリーブ16の外面に設ける反力受け(図示せず)によって支持されたものとする。一方、ケーシング17の筒部17aの上端部にはカム18の先端部のテーパに整合する傾斜したガイド面17bを形成している。
【0035】
以上の構成において、静止時には図10に示すようにカム18の先端のテーパ部がガイド面17bに突き当たった状態にある。ここで、大洗浄するときには先の例における大洗浄用ボタン2cを押し下げることにより、操作アーム9を上に移動させる。これにより図11に示すようにインナースリーブ15だけを引き上げることができ、このインナースリーブ15の下端に設けるパッキンを排水筒の弁座から引き離すことにより開弁させる。この開弁により洗浄水が便器側に供給され、インナースリーブ15は開弁後に、大洗浄に必要な洗浄水が排水筒から排水されて、フロートの位置よりも水位が下がるとインナースリーブ15の自重と排水力がフロートの浮力に打ち勝って、インナースリーブ15は降下してパッキンを弁座に着座させて閉弁して、図10の静止位置に戻る。
【0036】
小洗浄するときには、先の例において小洗浄用ボタン2dを押し下げることにより操作アーム10を上昇させてアウタースリーブ16を上昇させる。このアウタースリーブ16の上昇により、図12に示すようにアウタースリーブ16はケーシング17の筒部17aに対して相対的に上昇する。このため、テーパ面接合しているカム18の先端面がガイド面17bを上昇していき、同図の拡大図に示すようにカム18の先端がインナースリーブ15の係合溝15によって係合する。したがって、アウタースリーブ16と同時にインナースリーブ15も上昇し、このインナースリーブ15の下端のパッキンを弁座から引き離すことによって開弁することができる。そして、開弁後にはウェイター内の水の重さとアウタースリーブ16とインナースリーブ15の自重によって下降していき、大洗浄の場合よりも洗浄水の流量が小さくなるように閉弁する。このインナースリーブ15及びアウタースリーブ16の下降の際には、図12の状態からカム18のテーパ面がケーシング17の筒部17aのガイド面17bに案内されて図10及び図11の位置に設定される。したがって、カム18に対してインナースリーブ15は無縁となり、自重と排水力によって更に下降して図10の静止状態に戻る。
【0037】
この例においても、ウェイター(図示せず)をカム18と係合溝15aとによる係合部より下側に位置させているので、係合部の保守点検が可能となるとともに小洗浄時での洗浄水の流量を 適正に確保することができる。
【0038】
図13〜図16はアウタースリーブに重りを兼ねたカムを備えた例である。
なお、先の例と同じ構成部材については共通の符号で指示しその詳細な説明および図は省略する。
【0039】
図13において、操作アーム9,10には先の例と同様にインナースリーブ19及びアウタースリーブ20がそれぞれ連接されている。インナースリーブ19とアウタースリーブ20との間にはケーシング21の筒部21aがあり、このケーシング21の筒部21aに対してインナースリーブ19及びアウタースリーブ20は上下に移動自在な関係として連接されている。アウタースリーブ20の上端部には重りを兼ねたカム22を組み込んでいる。カム22は図13の拡大図に示すように、枢軸22aによって上下方向に回動自在に連接されたもので、先端側を係合用フック部22bとして形成したものである。一方、ケーシング21の筒部21aの上端部にはカム22の先端部が突き当たるガイド面21bを形成している。
【0040】
以上の構成において、静止時には図13に示すようにカム22の先端部がガイド面21bに突き当たった状態にある。ここで、大洗浄するときには先の例における大洗浄用ボタン2cを押し下げることにより、操作アーム9を上に移動させる。これにより図14に示すようにインナースリーブ19だけを引き上げることができ、このインナースリーブ19の下端に設けるパッキンを排水筒の弁座から引き離すことにより開弁させる。この開弁により洗浄水が便器側に供給され、インナースリーブ19は開弁後に大洗浄に必要な洗浄水が排水筒から排水されて、フロートの位置よりも水位が下がるとインナースリーブ19の自重と排水力がフロートの浮力に打ち勝って、インナースリーブ19は降下してパッキンを弁座に着座させて閉弁して、図13の静止位置に戻る。
【0041】
小洗浄するときには、先の例において小洗浄用ボタン2dを押し下げることにより操作アーム10を上昇させてアウタースリーブ20を上昇させる。このアウタースリーブ20の上昇により、図15に示すようにアウタースリーブ20はケーシング21の筒部21aに対して相対的に上昇する。一方、インナースリーブ19の上端側にアウタースリーブ20の上端に突き当たり、これによってアウタースリーブ20と同時にインナースリーブ19が上昇し、このインナースリーブ19の下端のパッキンを弁座から引き離すことによって開弁することができる。そして、アウタースリーブ20の上昇によってカム22はその自重によって図15の姿勢から図16の姿勢に変位し、カム22の先端の係合用フック部22bはインナースリーブ19の外周面に形成した係合溝19aの中に入り込む。
【0042】
開弁後にはウェイター内の水の重さとアウタースリーブ20及びインナースリーブ19の自重によって下降していき、大洗浄の場合よりも洗浄水の流量が小さくなるように閉弁する。このインナースリーブ19及びアウタースリーブ20の下降の際には、図16のカム22の姿勢からこのカム22がガイド面21bに接触していることによって枢軸22a周りに時計方向に回動していき、図16,図15の順に変化して図13の静止状態に復帰する。
【0043】
この例においても、ウェイター(図示せず)をカム22と係合溝19aとによる係合部より下側に位置させているので、係合部の保守点検が可能となるとともに小洗浄時での洗浄水の流量を適正に確保することができる。
【0044】
なお、上述したいずれの実施例においても、インナースリーブ11は、上下端部が開口された筒形状となっており、タンク内の貯水の水位がこのインナースリーブよりも高くなるとこのインナースリーブ11を介して、便器内に排水するオーバーフロー機構を備えた構造となっている。
【0045】
また、支軸6は水路を形成しており、大洗浄や小洗浄時の便器への排水後、便器のトラップに水を溜めて封水するために、この支軸6の水路からインナースリーブ11を介して水を流すようにする。このような構成にすることで、従来のようにインナースリーブ11に直接封水用の給水管を繋げる必要がなくなり、大洗浄や小洗浄時のインナースリーブ11の上下可動をスムーズに行なうことができる。
【0046】
【発明の効果】
請求項1の発明ではアウタースリーブとインナースリーブとを連動させて下降させるカムを、アウタースリーブ周りに配置するウェイターよりも上方に位置させているので、ウェイターのレベルを下げることができる。したがって、小洗浄時の場合でも便器側へ排水する洗浄水の量を多くすることができ、確実な便器洗浄が行える。また、カムをアウタースリーブの上端側に設けることができるので、洗浄水タンク内でのカムの保守点検を上方から簡単に行うことができる。
【0047】
請求項2の発明では、アウタースリーブが下降するときにカムが突起に係合してアウタースリーブと同時にインナースリーブを下降させることができる。
【0048】
請求項3の発明では、カムの回動をウェイトスリーブによって確実に係合および係合解除を行ない、大小洗浄の切替えを行なうことができる。
【0049】
請求項4の発明では、カムをスプリングで付勢する構造としており、簡単な機構で確実に係合および係合解除をすることができ、大小洗浄の切替えを行なうことができる。
【0050】
請求項5の発明では、カムの自重により回動させる構造としており、簡単な機構で確実に係合および係合解除をすることができ、大小洗浄の切替えを行なうことができる。
【0051】
請求項6の発明では、操作ボタンどうしの間に隔壁を設けているので小洗浄と大洗浄の操作ボタンを同時に押すことがなくなり、誤動作を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のデュアル・フラッシュバルブ方式のロータンク排水弁を洗浄水タンクに備えた例を示す要部の縦断面図。
【図2】 アウタースリーブ及びインナースリーブの上端部分の構成を示す要部の縦断面図。
【図3】 大洗浄のときの動作を示す要部の縦断面図。
【図4】 小洗浄のときのアウタースリーブの引き上げ開始の時期であってカムが突起と係合可能な状態になったときの要部の縦断面図。
【図5】 アウタースリーブとインナースリーブが共に上限まで持ち上がった状態を示す要部の縦断面図。
【図6】 アウタースリーブが自重とウェイター内の水の重さによって下降しカムが突起に接触した状態を示す要部の縦断面図。
【図7】 カムと突起との係合によってアウタースリーブとインナースリーブが共に下降しウェイトスリーブがケーシングの隔壁に着座した状態を示す要部の縦断面図。
【図8】 インナースリーブが自重と排水力とによって下降している状態を示す要部の縦断面図。
【図9】 引き続きインナースリーブが下降して初期の静止状態に至るまでの状態を示す要部の縦断面図。
【図10】 アウタースリーブにスプリングで付勢されたカムを備える例であって、静止状態を示す要部の縦断面図。
【図11】 図10の例において大洗浄過程を示す要部の縦断面図。
【図12】 図10の例において小洗浄過程を示す要部の縦断面図。
【図13】 アウタースリーブに自重によって姿勢を変更可能なカムを備える例であって、静止状態を示す要部の縦断面図。
【図14】 図13の例において大洗浄過程を示す要部の縦断面図。
【図15】 図13の例において小洗浄過程を示す要部の縦断面図。
【図16】 図13の例においてカムがインナースリーブの係合溝に入り込んだ状態を示す要部の縦断面図。
【図17】 ケーシングの周壁に設けた開口を示す斜視図。
【図18】 図10の例におけるカムの斜視図。
【符号の説明】
1 ロータンク排水弁
2 操作部
2a ハウジング
2b 隔壁
2c 大洗浄用ボタン
2d 小洗浄用ボタン
2e,2f ロッド
3 ケーシング
3a 隔壁
3b 開口
4 排水筒
4a 弁座
5a,5b 中間スイッチ
5c,5d スプリング
6 支軸
7 駆動リンク
9 操作アーム
9a 下端
10 操作アーム
11 インナースリーブ
11a 突起
11b パッキン
11c フロート
12 アウタースリーブ
12a ウェイター
12b 枢軸
12c 上端
13 カム
14 ウェイトスリーブ
14a アーム
14b ピン
15 インナースリーブ
15a 係合溝
16 アウタースリーブ
17 ケーシング
17a 筒部
17b ガイド面
18 カム
18a スプリング
19 インナースリーブ
19a 係合溝
20 アウタースリーブ
21 ケーシング
21a 筒部
21b ガイド面
22 カム
22a 枢軸
22b 係合用フック部

Claims (6)

  1. 上端に大洗浄用および小洗浄用の操作部をそれぞれ設けるとともに下端を排水筒に連通させたケーシングと、
    大洗浄用の操作部によって、前記ケーシング内に上下方向に回動自在に配置された一方の駆動リンクと、
    当該駆動リンクに連接され下端に前記排水筒への流路に備えた弁座に着座する弁体とこの弁体の上方にフロートとを備えたインナースリーブと、
    小洗浄用の操作部によって、前記ケーシング内に上下方向に回動自在に配置された他方の駆動リンクと、
    当該駆動リンクに連接されるとともに前記インナースリーブに外挿され且つウェイターを設けたアウタースリーブとを備え、
    前記アウタースリーブの下降時に前記インナースリーブに係合する係合部を前記ウェイターの上方に備えていることを特徴とするロータンク排水弁。
  2. 前記係合部は前記インナースリーブに設けた突起と前記突起に係合可能に前記アウタースリーブに設けたカムとから構成されていることを特徴とする請求項1記載のロータンク排水弁。
  3. 前記カムは、アウタースリーブに設けた枢軸に回動自在に連接されており、かつ枢軸の近傍に位置するピンにウェイトスリーブを回動自在に連接されており、
    かつ、アウタースリーブが上方向に移動したときに前記ウェイトスリーブの自重がカムのピンに負荷されて、
    前記カムが、枢軸を軸として回動してインナースリーブに設けた突起に係合することを特徴とする請求項2記載のロータンク排水弁。
  4. 前記カムは、アウタースリーブに設けた横穴の中にスプリングで付勢されて、かつ、ケーシングガイドをまたいで配置されており、
    アウタースリーブが上方向に移動したときに前記スプリングがカムに付勢されて、前記カムが前記ケーシングガイドに沿ってインナースリーブに設けた溝に係合することを特徴とする請求項2記載のロータンク排水弁。
  5. 前記カムはアウタースリーブに設けた枢軸に回動自在に連接されて、かつ、ケーシングガイドに乗り上げて接しており、
    さらにアウタースリーブが上方向に移動したときに前記カムが自重で、前記ケーシングガイドに沿って回転して、前記カムの係合用フック部がインナースリーブに設けた係合溝に係合することを特徴とする請求項2に記載のロータンク排水弁。
  6. 前記操作部は前記一対の駆動リンクをそれぞれ圧下する一対の押しボタン式の操作ボタンを備え、これらの操作ボタンの間に隔壁を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のロータンク排水弁。
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