JPH07324362A - 便器洗浄タンク装置 - Google Patents

便器洗浄タンク装置

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JPH07324362A
JPH07324362A JP11889894A JP11889894A JPH07324362A JP H07324362 A JPH07324362 A JP H07324362A JP 11889894 A JP11889894 A JP 11889894A JP 11889894 A JP11889894 A JP 11889894A JP H07324362 A JPH07324362 A JP H07324362A
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JP
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valve
small
valve body
cleaning
washing
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JP11889894A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Tanaka
弘志 田中
Takahiro Kusano
孝浩 草野
Yoshiki Oota
吉喜 太田
Tomokazu Aida
智一 合田
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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Priority to EP95914531A priority patent/EP0712966A4/en
Priority to CA 2168234 priority patent/CA2168234A1/en
Priority to TW84103486A priority patent/TW276284B/zh
Publication of JPH07324362A publication Critical patent/JPH07324362A/ja
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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E03WATER SUPPLY; SEWERAGE
    • E03DWATER-CLOSETS OR URINALS WITH FLUSHING DEVICES; FLUSHING VALVES THEREFOR
    • E03D1/00Water flushing devices with cisterns ; Setting up a range of flushing devices or water-closets; Combinations of several flushing devices
    • E03D1/02High-level flushing systems
    • E03D1/14Cisterns discharging variable quantities of water also cisterns with bell siphons in combination with flushing valves
    • E03D1/142Cisterns discharging variable quantities of water also cisterns with bell siphons in combination with flushing valves in cisterns with flushing valves
    • E03D1/144Cisterns discharging variable quantities of water also cisterns with bell siphons in combination with flushing valves in cisterns with flushing valves having a single flush outlet and an additional float for delaying the valve closure

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  • Hydrology & Water Resources (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】便器への洗浄水の供給量を大小切り替えて供給
するようにした便器洗浄タンク装置において、タンク本
体の小型化を図ると共に、洗浄弁が給水栓タンク内に供
給される水の影響を受けないようにする。 【構成】弁体に付与した浮力を利用して閉弁水位を浮子
で検知して洗浄弁の閉弁を制御するようになしたもの
で、大洗浄弁と小洗浄弁とを同軸上に配設することによ
り洗浄弁全体の横幅方向の寸法を小さくすると共に大洗
浄弁及び小洗浄弁の双方を、ボールタップから離れたと
ころに配置することを可能にする。小洗浄弁体が浮子を
兼用するようになしてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は便器洗浄タンク装置、特
に貯水タンクから便器に流す洗浄水の量を便器から排出
すべき汚物の種類、即ち汚物が大便であるか、小便であ
るかに応じて選択的に大小二段階に変更することができ
る便器洗浄タンク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の便器洗浄タンク装置は大
便洗浄用の大洗浄弁と小便洗浄用の小洗浄弁を備え、こ
れら大、小の洗浄弁を選択的に切替えて使用するものが
一般的であり、代表的なものとして例えば実開昭56−
36781号公報のものが知られている。
【0003】上記公報のものについて説明すると、タン
ク内に二つの洗浄弁(大洗浄弁と小洗浄弁)をその一方
(小洗浄弁)の高さ位置が他方(大洗浄弁)の高さ位置
より高くなるように、相互の高さ位置を上下に離して設
け、排水量の大小を二つの洗浄弁の高さの違いにより生
じさせるようにしたもので、タンク本体の底部に固定す
る洗浄弁本体が上部に小洗浄弁用の排水筒部を、下部に
大洗浄弁用の排水筒部を夫々の上端開口の軸芯が重なら
ないように前後若しくは左右に離して突設した多岐筒体
状に形成され、この洗浄弁本体の周面に設けたヒンジ部
に各排水筒部を開閉させる弁体を夫々枢着して大洗浄弁
及び小洗浄弁が構成されているもので、操作器具により
大洗浄弁または小洗浄弁の弁体を選択的に引き上げるこ
とにより洗浄水の量を大小切り替えるようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに大洗浄弁と小洗浄弁の軸芯相互を前後又は左右など
横方向に離して設けたものは、その構造上、大小両洗浄
弁が横方向に広がって存在し、タンク内スペースを狭く
するため大型のタンクを必要とする。
【0005】また、排水装置がタンク内の水位を浮子な
どにより検知して閉弁する形式のものである場合、上記
のように排水装置の大小両洗浄弁が横方向に広がって存
在すると、一方の洗浄弁の浮子がボールタップ給水栓の
吐水位置若しくはその近傍に位置することになり、吐水
による波浪や飛沫の勢いで、浮子が動揺し、タンクの水
位が安定しなかったり、洗浄弁の閉止が不確実となる。
【0006】本発明は従来技術が有する上記問題点に鑑
みてなされたもので、その目的とする処は、便器に流す
洗浄水の量を便器から排出すべき汚物の種類、即ち汚物
が大便であるか、小便であるかに応じて選択的に大小切
り替えて供給する便器洗浄タンク装置において、タンク
本体の小型化を可能にし、且つ洗浄弁がボールタップ給
水栓の吐水による影響を受けないようにすることにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の便器洗浄タンク装置では、洗浄水を貯溜する
タンク本体に大洗浄弁と小洗浄弁を設けて、開弁操作器
具でこれら両洗浄弁の開弁を操作し、タンク本体内の水
位を弁体に付与した浮力を利用して閉弁水位を検知して
閉弁のタイミングを制御するようにした便器洗浄タンク
装置において、大洗浄弁と小洗浄弁を同軸上に配設する
ものである。
【0008】上記弁体の浮力は洗浄弁の弁体とは別体に
浮子を設けて、小洗浄弁の弁体を浮子に追従して作動す
るように浮子に連係させる。また、小洗浄弁体に浮子を
一体に設けて小洗浄弁体が浮子を兼用するようになすこ
ともできる。
【0009】大洗浄弁と小洗浄弁は小洗浄弁の弁座を大
洗浄弁の弁体に形成して小洗浄弁の弁体と大洗浄弁の弁
体を上下に重ねることにより同軸に配設するのが望まし
い。そして、このように小洗浄弁の弁体と大洗浄弁の弁
体を上下に重ねる場合、小洗浄弁体には開弁操作器具か
らの操作力伝達に基づいて大洗浄弁の弁体をその弁座に
押圧する手段を設けるのがよい。
【0010】開弁操作器具は大洗浄弁及び小洗浄弁夫々
の開弁を一個所の操作部で操作させるようにすることが
望ましく、開弁操作器具と大洗浄弁体及び小洗浄弁体と
を二つの操作力伝達部材により各別に連係させてもよい
し、一つの操作力伝達部材により連係させるようにして
もよい。
【0011】そして、一つの操作力伝達部材により開弁
操作器具を大、小の洗浄弁に連係させる場合、操作力伝
達部材を小洗浄弁体に連結し、小洗浄弁体をそれが所定
の動作範囲を越える動作をすると、上記操作力伝達部材
により伝達される操作力を大洗浄弁体に伝達して大洗浄
弁を開弁させるように大洗浄弁体に連係させる構造とし
たり、開弁操作器具の操作で操作力伝達部材を上方へ引
き上げられるようになし、この操作力伝達手段と大洗浄
弁体及び小洗浄弁体には、操作力伝達手段の引き上げ距
離が所定範囲までの距離であるときには操作力伝達手段
が小洗浄弁体にのみ係止して小洗浄弁体を引き上げ、所
定範囲を越す距離であるときには大洗浄弁体に係止して
大洗浄弁体を引き上げる構造としたりすればよい。
【0012】また、操作力伝達部材を開弁操作器具の操
作により前方に押し出されるような構造にして、その押
し出し距離が所定範囲までの距離であるときには操作力
伝達部材が小洗浄弁体を下方から押し上げて小洗浄弁を
開弁させ、所定範囲を越す距離であるときには大洗浄弁
体を押し上げて大洗浄弁を開弁させるような構造とした
り、小洗浄弁の弁体と大洗浄弁の弁体とを上下に重ねて
設けて小洗浄弁体に操作力伝達部材を連結し、開弁操作
器具の操作により小洗浄弁体を軸心を中心に回動または
上方へ引き上げ可能となすと共に小洗浄弁体と大洗浄弁
体には小洗浄弁体の回転角度に応じて係脱する係合部を
設け、小洗浄弁体が所定の角度のときには係合部が外れ
て小洗浄弁体のみが引上げ可能になり、他の角度のとき
には係合部が係合して大洗浄弁体が小洗浄弁体と共に引
き上げられるような構造とすることもできる。
【0013】一方、前記小洗浄弁体に浮力部分を一体に
設けて小洗浄弁体が浮子を兼用するようになすものにあ
っては、浮力部分を弁体の小洗浄弁の弁座への着座部よ
り所定の高さ上方に位置せしめることにより小洗浄時の
閉弁水位を高い位置に設定することができるが、小洗浄
弁の弁体と大洗浄弁の弁体を上下に重ねて設ける場合に
は、大洗浄弁の弁体の厚さ方向寸法を大きく形成するこ
とにより小洗浄弁の弁座を大洗浄弁の弁座の高さ位置か
ら上方に離して位置せしめ、小洗浄時の閉弁水位を高い
位置に設定する事ができる。
【0014】上記浮子を兼用する小洗浄弁体により大洗
浄弁体を兼用し、一つの洗浄弁で大小を切り替えること
も可能である。
【0015】
【作用】以上のように構成した排水弁にあっては、大洗
浄弁と小洗浄弁が同軸に設けられているため、洗浄弁全
体の横幅が小さくなり、洗浄弁がタンク内で占める横幅
方向のスペースも小さくなるので、大洗浄弁、小洗浄弁
の双方をボールタップ給水栓の吐水位置から離れた所に
配置することが可能となる。
【0016】
【実施例】以下、図に基づいて本発明の実施例を説明す
る。図1乃至図6は第1の実施例を示し、大洗浄弁aと
小洗浄弁bを上下に重ねて同軸上に設けたもので、各洗
浄弁a、bはフラッパー弁により構成されている。
【0017】大洗浄弁aの弁座4(以下大洗浄弁座とい
う)は、タンク本体1の底部に該部を貫通する状態に取
り付けられてタンク本体1外部で排水管2に接続される
洗浄弁本体3の、タンク本体1内に突出する上端を斜め
に開口してその開口縁により構成してある。
【0018】また、上記大洗浄弁座4に対応して大洗浄
弁aを構成する弁体5(大洗浄弁体という)はオーバー
フロー管連結部3aに枢着アーム5aを介して枢着されてい
る。
【0019】大洗浄弁体5はオーバーフロー管連結部3a
への枢着用アーム5aが延びる側とは反対側に略アングル
状の鎖取付部5bが延びて、その起曲部分上端に第1の鎖
8が連結されるようになっており、更にこの起曲部分に
第1の浮子9が取り付けられるようになっている。
【0020】上記第1の浮子9は中空なブロック状のも
ので、その一側縁に近い位置にこれを上下に貫通する孔
9aが周囲を壁で囲まれて形成されており、該孔9aを大洗
浄弁体5の鎖取付部5bの起曲部分に嵌め込んで大洗浄弁
体5に取り付けられている。
【0021】一方、上記第1の鎖8は第1の浮子9の孔
9aから上方に延びて開弁操作器具10の大洗浄用作動レバ
ー11に接続されるようになっており、第1の浮子9の直
上部には図示してはいないが浮子9の上部を押さえて浮
子9が鎖取付部5bの起曲部分から浮き上がって大洗浄弁
体5から離脱するのを防止するストッパーが取り付けら
れている。
【0022】一方、小洗浄弁bの弁座6(以下小洗浄弁
座という)は上記大洗浄弁体5に、これが大洗浄弁座4
に着座している状態で大洗浄弁座4と同軸となるように
形成され、この小洗浄弁座6に囲まれて大洗浄弁体5に
開口する通水孔12の径は大洗浄弁座4の内径よりも小さ
く形成される。そして、この小洗浄弁座6に対応して小
洗浄弁bを構成する弁体7(以下小洗浄弁体という)は
大洗浄弁a体と同じ箇所で枢着用アーム7aを介してオー
バーフロー管連結部3aに枢着されている。
【0023】上記小洗浄弁座6は、大洗浄弁体5に開設
される開口13の口縁に、ゴム製のリング状シート部材14
をその外周に設けた凹溝14a により嵌着して構成されて
おり、該シート部材14はその下面が大洗浄弁体5のシー
トとして大洗浄弁座4に対応すると共に上面が小洗浄弁
座6として小洗浄弁体7に対応するようになっている。
【0024】小洗浄弁体7は上面の中央部に開弁操作器
具10の小洗浄用作動レバー15から垂下させた第2の鎖16
が連結され、下面には環状の突起7bが形成されており、
閉弁時この環状突起7bが上記小洗浄弁座6に密着するよ
うになっている。尚、環状突起b は小洗浄弁体7側では
なく大洗浄弁体5側、例えば上記ゴム製のリング状シー
ト部材14に形成してもよい。上記第2の鎖16の途中には
大洗浄弁体5に取り付けた第1の浮子9より高い位置に
おいて第2の浮子17が取り付けられている。尚、この第
2の浮子17の高さ位置はタンク満水時の水位より低くす
ることは言うまでもない。
【0025】開弁操作器具10は、主として、タンク本体
1の側壁を貫通して設けられるスピンドル18と、タンク
本体1外に突出するスピンドル18の端部に取り付けられ
る操作用のレバーハンドル19と、夫々タンク1内部にお
いてスピンドル19に取り付けられる大洗浄用、小洗浄用
夫々の作動レバー11、15とで構成されており、上記スピ
ンドル18はスピンドルガイド20の端部に設けた切り欠き
20a とスピンドル18に設けた突起18a との係合によって
タンク本体1の側壁に固定されているスピンドルガイド
20に所定角度時計方向及び反時計方向に回転可能に取り
付けられている。
【0026】小洗浄用作動レバー15はレバー部15a と該
レバー部15a の一端に一体に形成された円筒部15b とか
らなり、上記円筒部15b をスピンドル18に外嵌して回転
及び軸方向への移動ができないように取り付けられ、通
常はレバー部15a がスピンドル18から下向きに延びてい
る。
【0027】大洗浄用作動レバー11はレバー部11a と、
該レバー部11a の一端に一体に形成されて軸線方向一端
部に所定範囲の角度に亘って円周方向に延びる切欠部11
c を備える円筒部11b とからなり、円筒部11b を上記小
洗浄用作動レバー15の円筒部15b の基部外周面に、その
切欠部11c を先端方向に向けて嵌合し回転自在ではある
が軸方向には移動不能に小洗浄用作動レバー15に支承さ
れ、通常はレバー部11a がスピンドル18から下向きに延
びている。
【0028】また、前記小洗浄用レバー15には該レバー
15の回転を大洗浄用作動レバー11に伝達するために、大
洗浄用作動レバー11の切欠部11c に係合してその端面に
当接する突出部15c が形成されている。
【0029】上記突出部15c は切欠部11c との係合状態
において、切欠部11c の下側端面11c-1 に当接するよう
に形成されている。
【0030】而して、この開弁操作器具10はレバーハン
ドル19を時計方向に回転操作すれば、小洗浄用作動レバ
ー15が時計方向に回転すると共に大洗浄用作動レバー11
もその切欠部11c と小洗浄用作動レバー15の突出部15c
との係合により時計方向に回転し、夫々鎖16、8を介し
て小洗浄弁体7、大洗浄弁体5を引き上げる。従って、
大洗浄弁aと小洗浄弁bが同時に開弁して大洗浄が行な
われる。
【0031】また、レバーハンドル19を反時計方向に回
転操作すれば、それに伴って小洗浄用作動レバー15は反
時計方向に回転して小洗浄弁体7を引き上げるが、小洗
浄用作動レバー15の反時計方向の回転によりその突出部
15が大洗浄用作動レバー11の切欠部11C 端面から離れる
方向に移動するため大洗浄用作動レバー11は回転せず、
大洗浄弁体5の引き上げは行なわれない。従って、小洗
浄弁体7のみが開弁して小洗浄が行なわれる。
【0032】小洗浄の場合、排水の開始により小洗浄弁
体7に加わる水圧が減少するためハンドル19の操作を保
持して小洗浄弁体7を引き上げておかなくても、小洗浄
弁体7と第2の浮子17の浮力により小洗浄弁体7が引き
上げられた状態、即ち小洗浄弁bの開弁状態が保持さ
れ、排水は継続される。このとき、大洗浄弁座4の内径
より大洗浄弁体5の通水孔12の径が小さく、面積差分の
差圧が大洗浄弁体5に加わるので,大洗浄弁体5の浮力
とこれに取り付けられた第1の浮子9の浮力により大洗
浄弁aが開弁されることはない。
【0033】そして、排水によりタンク本体1内の水位
が第2の浮子17の位置まで下降して第2の浮子17が水面
から突出する状態になると、第2の浮子17の浮力が落ち
るため小洗浄弁体7を引上げておくことができなくな
り、小洗浄弁体7が下降し小洗浄弁bが閉弁して排水が
停止される。
【0034】また、大洗浄の場合、排水の開始により大
洗浄、小洗浄夫々の弁体5、7には水圧が殆んどかから
なくなるためハンドル19の操作を保持して大洗浄弁体5
を引き上げておかなくても、両弁体5、7と第1の浮子
9の浮力により小洗浄弁体7を乗せたまま大洗浄弁体5
が引き上げられた状態、即ち大洗浄弁aの開弁状態が保
持され、排水は継続される。
【0035】そして、排水によりタンク本体1内の水位
が第1の浮子9の位置まで下降して該浮子9が水面から
突出する状態になると、浮子9の浮力が落ちるため大洗
浄弁体5を引き上げた状態に保持することができなくな
り、大洗浄弁体5が下降する。このとき、小洗浄弁体7
には第2の浮子17の浮力は作用しておらず、これに連結
する第2の鎖16も弛んでいるため、小洗浄弁体7も大洗
浄弁体5から離れることなく大洗浄弁体5と共に下降す
る。これにより大洗浄弁aが閉弁し、排水が停止され
る。
【0036】従って、小洗浄の場合にはタンク本体1内
の比較的高い位置において第2の鎖16に設けられた第2
の浮子17の位置より上の分の水しか排水されないのに対
して、大洗浄の場合には大洗浄弁体5に一体的に設けら
れて比較的低い位置にある第1の浮子9の位置より上の
分の水は全て排水されることになる。
【0037】このように大洗浄弁aと小洗浄弁bを同軸
上に配置し、しかも大洗浄弁体5と小洗浄弁体7を上下
に重ねるようにすれば、二つの洗浄弁a、bを備えるも
のであるにも拘らず排水装置の幅方向の大きさを洗浄弁
を一つしか備えない排水装置と同程度に小形化すること
が可能となる。
【0038】尚、上記実施例においては小洗浄弁座6を
大洗浄弁a体に取り付けたゴム製のリング状シート部材
14で構成したので、ゴムの粘着性により、小洗浄弁b開
弁時に小洗浄弁体7が大洗浄弁体5に粘着し、大洗浄弁
体5も一緒に引き上げられてしまう場合がある。そこ
で、斯る問題を解決したのが図7及び図8に示す第2の
実施例である。
【0039】この第2の実施例は基本的な構造において
は前記第1の実施例とほぼ同じものであるが、小洗浄弁
体7の上面に梃21を設けて、該梃21の一端を下向きに折
り曲げて大洗浄弁体5の上面に当接させ、梃21の他端に
第2の鎖16を連結していることを特長とするものであ
る。
【0040】従って、この実施例では、小洗浄操作によ
り第2の鎖16が引き上げられると、図8に示すように梃
21が大洗浄弁体5を下方に押しつけて小洗浄弁体7をそ
の弁座6を構成する大洗浄弁体5のゴム製リング状シー
ト部材14から引きはがすので、小洗浄時に大洗浄弁体5
が小洗浄弁体7に粘着して引き上げられるような不都合
がない。
【0041】上記の実施例では一つの開弁操作器具10で
大、小、夫々の洗浄弁a、bの開弁を操作するようにし
たが、図9及び図10に示す第3の実施例のように開弁操
作器具10を二つ設けて大洗浄弁a、小洗浄弁bを格別の
開弁操作器具10で操作するようになすことも勿論可能で
ある。
【0042】図9,図10において、10-1は大洗浄用の開
弁操作器具、10-2は小洗浄用の開弁操作器具であり、夫
々タンク本体1の側壁を貫通して設けられるスピンドル
18と、タンク本体1外に突出するスピンドル18の端部に
取り付けられる操作用のレバーハンドル19と、夫々タン
ク1内部においてスピンドル18先端に延設される作動レ
バー11、15とで構成されており、上記スピンドル18はス
ピンドルガイド20の端部に設けた切り欠き(図示せず)
とスピンドル18に設けた突起(図示せず)との係合によ
ってタンク本体1の側壁に固定されているスピンドルガ
イド20に所定の方向、例えば時計方向に所定角度回転可
能に取り付けられている。
【0043】そして、大洗浄用の開弁操作器具10-1はそ
の作動レバー11の先端が大洗浄弁体5に第1の鎖8で、
また小洗浄用開弁操作器具10-2はその作動レバー15の先
端がと小洗浄弁体7に第2の鎖16で夫々連絡されてお
り、各々レバーハンドル19の回転操作により鎖8、16を
介して弁体5、7を引き上げて弁座5、6から引き離す
ことができるようになっている。
【0044】また、この実施例では第1の鎖8の途中に
第1の浮子9が、第2の鎖16の途中に第2の浮子17が
夫々取付けられて、タンク本体1内の低い位置に第1の
浮子9が、タンク本体1内の比較的高い位置に第2の浮
子17が配置されているが、前記第1の実施例同様第1の
浮子8を大洗浄弁体5に直接取付けるようになすことも
任意である。
【0045】而して、この実施例のものは大洗浄弁aと
小洗浄弁bの開弁を各別の開弁操作器具10-1、10-2によ
り操作する以外は第1の実施例と全く同様に作動する
が、鎖8、16への浮子9、17の取付位置を変えることに
より小洗浄時ばかりでなく大洗浄時における洗浄水の排
水量を増やしたり減らしたりすることができ、使用水量
が異なる様々な便器への対応性が向上する。
【0046】次に図11に示す第4の実施例は第1の実施
例のように大洗浄弁体5に直接第1の浮子9を取付けた
り、第2の実施例のように大洗浄弁体5と開弁操作器具
10とを連絡する第1の鎖8に第1の浮子9を取付ける代
わりに、大洗浄弁体5そのものに第1の浮子としての機
能を持たせたものである。この実施例において、大洗浄
弁体5は中空なリング状に形成されたフロートにオーバ
ーフロー管連結部3aへの枢着用アーム5aを取り付けて構
成されており、フロートの下面が大洗浄弁座4に対応し
て大洗浄弁aを構成し、上面が小洗浄弁座6として小洗
浄弁体7に対応するようになっている。
【0047】そして、大洗浄弁体5に連結される第1の
鎖8はオーバーフロー管連結部3aへの枢着用アーム5aが
延びる側とは反対側において、該弁体5の端部に連結さ
れており、この鎖8には浮子は装着されていない。
【0048】一方、小洗浄弁体7は前記第1実施例と実
質的に同じ構造を有し、この小洗浄弁体7を開弁操作器
具の小洗浄用作動レバーに連絡する第2の鎖16の途中に
は浮子9が取り付けられている。
【0049】而して、この実施例においては、小洗浄弁
bは前記第1実施例と全く同一の動作を行なうが、大洗
浄弁aは次のような動作を行なう。即ち、開弁操作器具
を操作して大洗浄弁体5を引き上げると、大洗浄弁体5
は小洗浄弁体7を乗せたまま引き上げられて、大洗浄弁
aが開弁し、フロートの浮力によりこの開弁状態が保持
される。
【0050】またこの実施例では、フロート22により構
成される大洗浄弁体5は大洗浄弁aの閉弁時に大洗浄弁
座4より外側に突出する部分の面積を上記弁座4より内
側に有る部分の面積より小さくして浮力部分が大洗浄弁
座4の内側に偏在するように形成されている。大洗浄弁
体5をこのように構成するのはタンク本体1が空の状態
のときから給水が行なわれても確実な貯水を保証するた
めである。以下、このこのことについて説明する。
【0051】即ち、浮子17の位置により排水量を規制す
るこの種の洗浄弁では、例えば大洗浄の場合に正常な閉
弁水位になった後でも開弁操作器具を操作すると洗浄弁
が開かれて排水が行なわれる。このような場合には水位
が弁体の下面より下、例えば弁座位置まで下降してしま
うことがある。この状態で給水が行なわれ、このときの
給水流量が少ないと、給水量と排水量及び弁体の重量と
浮力とが微妙にバランスして洗浄弁の開弁状態が維持さ
れ、何時までもタンクに水が溜まらない場合がある。そ
こで、このような事態が発生するのを回避するために
は、余裕を見て浮子を高い位置に設定する必要があり、
通常排水操作を行って閉弁した際に、排水されずにタン
ク内に残留する残留水、即ちデッド・ウォーターの量が
どうしても多くなる。
【0052】また、寒冷地では凍結防止のために夜間に
は貯水タンクの水を抜く事が行なわれるが、このような
場合にはタンクはほとんど空の状態になる。このよう
に、タンクが空の状態で給水が行なわれる場合、弁体に
は上方からの水圧がかからないため水位が弁体の下面位
置まで上昇すると、弁体に浮力が働いて弁座から瞬間的
に浮き上がる状態が生じる。そしてこのとき給水量が少
なければ、上記同様、洗浄弁の開弁状態が維持され、何
時までたってもタンクには水が溜まらない状態が生じる
ことがある。
【0053】斯かる問題を解決するためにはタンクが空
の状態、または、水位が弁座より下にある状態で給水が
開始されても弁体が浮き上がらないようにしなければな
らず、そのためには水を溜めていく間のどの瞬間におい
ても常に弁体の自重と水圧により弁体にかかる下向きの
力の総和を弁体と浮子の浮力による上向きの力より大き
くする必要がある。
【0054】この第4実施例では上述したように大洗浄
弁体5の浮力部分を大洗浄弁座4の内側に偏在せしめ
て、閉弁時において大洗浄弁座4外方に突出して浮力を
受ける部分を小さくしたので、該弁体5が全没するまで
の浮力の増え方が少なく、弁体5が全没するまで上記関
係が保たれることとなり、弁体5が浮き上がって大洗浄
弁aが開いてしまうことがない。従って、タンク本体1
が空の状態からの給水でも確実に貯水することができ
る。これにより、デッド・ウォーターの水位を下げるこ
とができ、タンク内スペースの利用効率が向上する。
【0055】以上のようにこの第4実施例は、大洗浄弁
体5が全没するまでの弁体5の浮力の増え方を少なくす
ることにより、大洗浄弁体5及び小洗浄弁体7の自重と
水圧により大洗浄弁体5にかかる下向きの力の和が大洗
浄弁体5の浮力より大きくなるようにして、タンク本体
1が空の状態からの給水においても確実な貯水を実現で
きるようにしたが、水位が大洗浄弁座4の高さと同等若
しくはそれより低くなったときの大洗浄弁体5の自重を
大きくすることによっても同様の効果を達成することが
できる。その実施例を図12及び図13、に示す第5の実施
例、図14に示す第6の実施例により説明する。
【0056】第5の実施例では、第2の浮子17にはこれ
を上下に貫通する孔17a が中央に形成されており、第2
の鎖16はこの孔17a を挿通して下端が小洗浄弁体7の上
面中央部に連結されているが、上記第2の浮子17の孔17
a は第2の鎖16の太さに対して十分に大きく形成され、
第2の浮子17が第2の鎖16にスライドしてその位置を上
下に移動できるようになっている。第2の鎖16には第1
の浮子9より高い所定の高さ位置に、上記孔17a の径よ
り大きなストッパー16a が取り付けられている。従っ
て、上記第2の浮子17の移動範囲は第2の鎖16の小洗浄
弁体7への連結部16b からストッパー16a までであり、
タンク本体1内の水位がストッパー16a の高さ位置以上
あるときには、ストッパー16a に引っ掛かって第1の浮
子9より高い位置に浮いているが、水位が下降しストッ
パー16a の位置より低下すると第2の鎖16にスライドし
て水位と共に下方に移動する。
【0057】而して、この実施例は通常の使用における
大洗浄弁a、小洗浄弁bの作動は前述した各実施例の作
動と同じであるが、大洗浄の場合には大洗浄弁aの閉弁
時の水位は第2の鎖16のストッパー16a の高さ位置より
当然低くなるので、図12に示すように第2の浮子17が第
2の鎖16をスライドしてその水位まで下降することにな
る。また、開弁操作器具10の連続操作や、タンク本体1
の水抜きにより水位が大洗浄弁座4より低くなり、タン
ク本体1が空の状態になったときには、図13に示すよう
に第2の浮子17が第2の鎖16を更に下方にスライドし
て、小洗浄弁体7に載乗する状態となる。この状態では
第2の浮子17は小洗浄弁体7を介して錘として大洗浄弁
体5に作用し、大洗浄弁体5は第2の浮子17の重量分だ
け重くなる。従って、この状態で給水が行なわれて水位
が上昇を開始し、大洗浄弁体5を浮き上がらせようとす
る力が働いても、前述のように大洗浄弁体5は重量が増
えているため容易には浮き上がらず、大洗浄弁aの開弁
は起こらなので水位の上昇は継続する。この水位の上昇
により第2の浮子17は第2の鎖16を上方にスライドして
錘の作用を果たさなくなるが、そのときには大洗浄弁体
5、小洗浄弁体7は完全に水没しており、これら両弁体
5、7には水圧が作用するため、仮に給水流量が低くて
も大洗浄弁a、小洗浄弁bの開弁は起こらず、タンク本
体1への貯水は確実に行なわれる。
【0058】一方、第6の実施例は図14に示すように、
小洗浄弁体7に溜水凹部23を設けることにより、上記第
5の実施例と同様な効果を得るようにしている。即ち、
この実施例においては、小洗浄弁体7の中央部上面を裏
側に窪ませて溜水凹部23を形成してあり、この溜水凹部
23は小洗浄弁体7の裏側に突出して小洗浄弁bの閉弁時
には大洗浄弁体5の大洗浄弁座4内に嵌まり込むように
なっている。
【0059】而して、この実施例では小洗浄弁体7の溜
水凹部23内に常時水が溜まっており、水位が大洗浄弁座
4より低くなるか、タンク本体1が空の状態になったと
きにはこの溜水凹部23内に溜まった水が大洗浄弁体5に
錘として作用し、給水による水位の上昇に伴う大洗浄弁
体5の浮き上がりを防止する。従って、この実施例も上
記第5の実施例同様水位が大洗浄弁座4より低くなる
か、タンク本体1が空の状態で給水が行なわれ、そのと
きの給水流量が少ないときでも、大洗浄弁a、小洗浄弁
bの開弁を防止して、タンク本体1への貯水を確実に行
なうことが可能になる。
【0060】尚、上記第5実施例を示す図12、図13及び
第6実施例を示す図14において、第1の浮子9は第1の
鎖8の途中に取付けられているが、この第1の浮子9は
第1実施例に示すように大洗浄弁体5に取り付けられて
該弁体5とほぼ一体となるような構造としてもよく、ま
た第4実施例のように大洗浄弁体5をフロートで構成す
ることにより大洗浄弁体5自体に第1の浮子9としての
機能を持たせることにより第1の浮子9を省略すること
も任意である。
【0061】次に図15乃至図19に示す第7の実施例、図
20乃至図23に示す第8の実施例、図24乃至図26に示す第
9の実施例は、上記第1乃至第6の実施例が操作器具10
を大洗浄弁体5と小洗浄弁体7に夫々各別の鎖8、16、
即ち操作力伝達部材を介して連絡するものであるのに対
して、大洗浄弁体5と小洗浄弁体7を共同の鎖24、即ち
一つの操作力伝達部材で操作器具10に連絡するようにし
たものである。
【0062】先ず、第7の実施例について説明する。こ
の実施例においては大洗浄弁体5と小洗浄弁体7が一つ
の操作器具10により開弁操作されなければならず、操作
器具10は主として、タンク本体1の側壁に固定されてい
るスピンドルガイド20を介してタンク本体1 の側壁を貫
通するスピンドル18と、タンク本体1外に突出するスピ
ンドル18の端部に取り付けられる操作用のレバーハンド
ル19と、タンク本体1内部においてスピンドル18に取り
付けられる作動レバー25とで構成されていおり、作動レ
バー25の先端が小洗浄弁体7の上面中央部に鎖24で繋が
れている。
【0063】上記スピンドル18は通常作動レバー25が下
向きに垂下する状態になっており、この状態からレバー
ハンドル19の回転操作により時計方向または反時計方向
に回転されるようになっているが、このスピンドル18の
時計方向及び反時計方向への回転はスピンドルガイド20
の端部に設けた切り欠き26とスピンドル18に設けた突起
27との係合によって回転角度が規制されており、反時計
方向への回転は小洗浄弁体7を大洗浄弁体5に設けられ
た小洗浄弁座4から小洗浄弁aを開弁させるに足る分だ
け引き上げることができる程度に規制されるのに対し
て、時計方向への回転は更にそれ以上上方にまで引き上
げることができるような回転角度に設定されている。
【0064】大洗浄弁a及び小洗浄弁bの構造は前記第
1の実施例で説明したものとほとんど同じ構造である
が、大洗浄弁体5のオーバーフロー管連結部3aへの枢着
用アーム5aが延びる側と反対側に設けられて浮子9の一
側縁に設けた周囲を壁で囲まれた孔9aに嵌め込まれる鎖
取付部5bが操作器具10に連絡する代わりに短い鎖28で小
洗浄弁体7のオーバーフロー管連結部3aへの枢着用アー
ム7aが延びる側と反対側に連結されている。
【0065】上記大洗浄弁体5と小洗浄弁体7を連結す
る短い鎖28は、小洗浄弁体7が小洗浄弁座6に着座して
小洗浄弁bを閉弁している位置と小洗浄弁bが開弁して
全開に達する位置との間に存在する間は大小の洗浄弁体
5、7の間において若干の弛みを有し(図18参照)、小
洗浄弁bが全開に達する位置を越えて更に上方に引き上
げられた位置に小洗浄弁体7が存在するときには大小の
洗浄弁体5、7の間で緊張するような長さに形成されて
いる。
【0066】従って、この実施例では操作器具10のレバ
ーハンドル19を反時計方向に回転操作すると、小洗浄弁
体7が大洗浄弁体5に形成された小洗浄弁座6から引き
上げられて小洗浄弁bが開弁し、小洗浄が行われる。
【0067】一方、レバーハンドル19を時計方向に回転
操作すると、先ず小洗浄弁体7が大洗浄弁体5に形成さ
れた小洗浄弁座6から引き上げられて小洗浄弁bが開弁
するが、反時計方向の回転のときよりスピンドル18の回
転角度、即ち作動レバー25の回転角度が大きいため、小
洗浄弁体7は更に上方に引き上げられ、それに伴って短
い鎖28が緊張し、該短い鎖28を介して大洗浄弁体5まで
も引き上げられ大洗浄弁aが開弁し、大洗浄が行われる
ことになる。(図19参照) 尚、大洗浄時、小洗浄時における大洗浄弁a、小洗浄弁
bの閉弁作動は第1の実施例の場合と同じである。
【0068】次に図20乃至図23に示す第8の実施例は、
開弁操作器具10の構造及び開弁操作器具10の作動レバー
25と小洗浄弁体7との連結構造は第7の実施例と同じで
あるが、小洗浄弁体7と大洗浄弁体5との連係構造が第
7の実施例とは相違するものである。即ち、この実施例
では、小洗浄弁体7の枢着用アーム7aが大洗浄弁体5の
枢着用アーム5aの中途部に枢着される構造となってお
り、小洗浄弁体7上方への回動が、大洗浄弁体5の枢着
用アーム5aに設けたの軸受け部に形成するストッパー30
と、小洗浄弁体7の枢着用アーム7a設けた枢軸31の突起
32との係合により規制され、作動レバー25の反時計方向
への回転による鎖24の引き上げでは上記枢軸31の突起32
が軸受け部29のストッパー30に衝突しないが、時計方向
の回転による鎖24の引き上げではその作動レバー25の回
転の途中で上記枢軸31の突起32が軸受け部29のストッパ
30に衝突するようになっている。
【0069】従って、この実施例では操作器具のレバー
ハンドルを反時計方向に回転操作すると、小洗浄弁体7
が大洗浄弁体5に形成された小洗浄弁座6から鎖24で引
き上げられて小洗浄弁bが開弁し、小洗浄が行われ(図
22参照)、レバーハンドルを時計方向に回転操作する
と、先ず小洗浄の場合と同様に小洗浄弁体7が大洗浄弁
体5に形成された小洗浄弁座6から鎖24で引き上げられ
て小洗浄弁bが開弁するが、作動レバーの回転が反時計
方向の回転のときより大きいため、途中で小洗浄弁体7
の枢着用アーム7aの枢軸31に設けた突起32が大洗浄弁体
5の枢着用アーム5aの軸受け部29に設けたストッパ30に
衝突し、以後はこの突起32とストッパ30との係合により
小洗浄弁体7がその上方への回動に伴って大洗浄弁体5
を引上げることになるので、大洗浄弁aが開弁し、大洗
浄が行われる(図23参照)。
【0070】また、図24乃至26に示す第9の実施例は開
弁操作器具の作動レバーに取付けた1本の鎖24で直接小
洗浄弁体7と大洗浄弁体5を開弁作動させるもので、開
弁操作器具の作動レバーから垂下する鎖24が大洗浄弁体
5側及び小洗浄弁体7側の夫々に設ける鎖係止片33、34
に係止するようになっている。
【0071】上記大洗浄弁体5側及び小洗浄弁体7側夫
々の鎖係止片33、34は大洗浄弁体5に一体的に取付けら
れた第1の浮子9と小洗浄弁体7の相互に近接する箇所
に起立状に設けられて、上端を相互に対向する方向に折
り曲げててあり、この折り曲げ部分33a 、34a に鎖24が
挿通する孔35、36が形成されている。
【0072】大洗浄弁体5側の鎖係止片33の高さは小洗
浄弁体7側の鎖係止片34の高さより低くなっており、鎖
24には大洗浄弁体5側の鎖係止片33の孔35と小洗浄弁体
7側の鎖係止片34の孔36との間及び大洗浄弁体5側の鎖
係止片33の孔35を挿通して下方に延びる下端の2箇所に
ストッパ37、38を取付けてある。
【0073】従って、この実施例では開弁操作器具のレ
バーハンドルを反時計方向に回転操作すると、鎖に設け
た上位位置のストッパ37が小洗浄弁体7の鎖係止片34の
折り曲げ部34a に係止して小洗浄弁体7を引上げ、小洗
浄弁bを開弁する。(図25参照)
【0074】また、レバーハンドルを時計方向に回転操
作すると、先ず小洗浄の場合と同様に鎖24に設けた上位
位置のストッパ37が小洗浄弁体7の鎖係止片34の折り曲
げ部34a に係止して小洗浄弁体7を引上げ小洗浄弁bを
開弁させるが、作動レバーの回転が反時計方向の回転の
ときより大きいため、鎖24は更に引き上げられ、その下
端部に設けたストッパ38が大洗浄弁体5の鎖係止片33の
折り曲げ部33a に係止して大洗浄弁体5を引上げるよう
になり、大洗浄弁aが開弁する(図26参照)。尚、この
実施例では上記操作器具と大、小洗浄弁体5、7を連絡
する鎖24とは別に浮子連結用の連結部材39を特別に小洗
浄弁体7に取付け、この連結部材39を介して第2の浮子
17が小洗浄弁体7に取付けられる。
【0075】次に図27 に示す第10の実施例は開弁操作
器具10の操作力を大洗浄弁体5及び小洗浄弁体7に伝達
する操作力伝達部材として1本のリードワイヤー40を用
い、開弁操作器具10の操作によりリードワイヤー40を押
し出して大洗浄弁体5及び小洗浄弁体7を押し上げるよ
うにしたもので、大洗浄弁体5及び小洗浄弁体7の側縁
部には夫々耳片状に突出形成したワイヤー受け部41、42
が設けられて、大洗浄弁体5のワイヤー受け部41には孔
43が開設され、この孔43の上方に小洗浄弁体7のワイヤ
ー受け部42が位置するようになっており、タンク本体1
の側壁に取付けた開弁操作器具10から延びたリードワイ
ヤー40の先端が下方から上記孔43に臨んでいる。
【0076】リードワイヤー40はタンク本体1内に他の
器具の邪魔にならないように設けたパイプ状のワイヤー
ガイド43内を通して設けられており、上記大洗浄弁体5
のワイヤー受け部41の孔43に臨む先端部の若干下方には
孔43の幅より大きな鍔44が設けられている。
【0077】一方、開弁操作器具10には大洗浄用と小洗
浄用とでリードワイヤー40の押し出し長さを二段階に切
り替える切り替え機構が設けられており、小洗浄用の操
作では押し出されたリードワイヤー40の先端が大洗浄弁
体5のワイヤー受け部41の孔43を通して小洗浄弁体7の
ワイヤー受け部42を押し上げ、小洗浄弁bを開弁させ
(図31参照)、大洗浄用の操作では小洗浄用操作時より
リードワイヤー40が更に押し出されてその鍔部44が大洗
浄弁体5のワイヤー受け部41を押し上げ、大洗浄弁aを
開弁させる(図34参照)ことができるようになってい
る。
【0078】即ち、上記開弁操作器具10はタンク本体1
の側壁に貫通状に取付けてワイヤーガイド43の後端を連
結する筒状のケーシング45と、該ケーシング45に貫通状
に設けられ内端をリードワイヤー40の後端に回転自在に
連結すると共に外端には操作ハンドル46を有する操作ロ
ッド47とを備えるもので、上記ケーシング45の後端面に
スリット状の孔48を開穿する一方、操作ロッド47のケー
シング45より外側に突出した部分に上記孔48と同じ形状
で通常は孔48に直交する方向を向き、ロッド47を90度回
転させると孔48に整合する方向を向くようにストッパ49
を設けてあり、通常の押し込み操作では所定の押し込み
長さで、ストッパ49が孔48に引っ掛かってロッド47のそ
れ以上の押し込みを規制し(図32、図33参照)、操作ロ
ッド47を90度回転させた状態での押し込みではストッパ
49の引っ掛かりによる規制が解除されてロッド47の更に
奥までの押し込みを可能にするようになっている(図3
5、図36参照)。尚、図中50は操作後、操作ロッド47及
びリードワイヤー40を元の位置に復帰させるためのバネ
である。
【0079】リードワイヤー40の押し出し長さを二段階
に切り替える切り替え機構は図37、図38に示すような構
造となすこともできる。即ち、リードワイヤー40に連結
した操作ロッド47をタンク本体1外部に所定長さ引き出
しておく一方、操作ロッド47突出部近傍のタンク本体1
側壁に裏面をテーパー面51に形成した操作ハンドル46を
そのテーパー面51が操作ロッド47の突出端部に対向当接
するように取付ける。
【0080】操作ハンドル46のハンドル軸52はタンク本
体Aの側壁にとり付ける軸受け80に対して回動自在とな
して、軸受け80に形成する切り欠き53とハンドル軸52に
設ける突起54との係合によりハンドル46の回転をその回
転角度が時計方向の回転と反時計方向の回転で異なるよ
うに規制することにより、ハンドル46の時計方向の回転
操作と反時計方向の回転操作ではリードワイヤー40の押
し出し長さが異なるようにする。
【0081】以上説明した実施例は、いずれも第2の浮
子17を小洗浄弁体7とは別体に設けたものであるが、小
洗浄弁体7と第2の浮子17とを一体化して小洗浄弁体7
が第2の浮子17を兼用するようになすことも可能であ
る。その実施例を図39以下に示す実施例を参照して説明
する。
【0082】図39に示す第11実施例は小洗浄弁体7が第
2の浮子17を兼用するようになす以外は第1実施例のも
のと全く同じ構造のものとなっている。この実施例にお
いて小洗浄弁体7は、オーバーフロー管連結部3aへの枢
着用アーム7aを除く部分をほぼ円筒状に形成し、その上
部一部分を中空状となすと共に、該中空部部以外を中実
となすことにより弁体7に浮力部55を一体に形成してあ
り、その頂面中央部に開閉操作器具から垂下する第2の
鎖16を連結している。
【0083】上記浮力部55は第2の浮子17に代わって小
洗浄弁bの閉弁を制御するためのものであり、小洗浄弁
座6よりかなり上方、即ち第1実施例における第2の浮
子17と同程度の高さ位置に存在する必要があり、そのた
め、上記中実に形成されている部分56の高さ方向寸法は
第1実施例における第2の鎖16の下方への移動を防止す
るストッパー57から鎖16の下端までの長さにほぼ相当す
る長さに形成されている。
【0084】このように小洗浄弁体7が第2の浮子17を
兼用するような構造となすことにより、排水装置の構造
が簡単になり、部品点数及び組付けの手間が減じる。
尚、製造上などの問題により中実部分56を十字状等の支
持脚に代えることも可能である。
【0085】次に図40に示す第12実施例は、小洗浄弁体
7の設置高さに対して大洗浄弁体5の高さ寸法を大きく
して、その上面に設ける小洗浄弁座6の位置を高くする
ことにより小洗浄時の止水水位を高い位置に設定したも
のであり、小洗浄弁体7を半球状の中空体に形成するこ
とにより小洗浄弁7に浮力部55を一体に備えており、そ
の平面部に形成された環状の突起7bで小洗浄弁座6に対
応するようになっている。また、この実施例では第4実
施例同様大洗浄弁体5を中空のフロート22により形成し
て小洗浄弁体7のみならず大洗浄弁体5も第1の浮子を
兼用するようになっているが、別途浮子を設けるように
してもよい。
【0086】この実施例のように小洗浄弁座6を備える
大洗浄弁体5の高さ寸法を大きくして小洗浄時の止水水
位を高い位置に設定することにより、小洗浄時における
止水水位の確保が一層正確になる。図において57は小洗
浄弁体の昇降を案内するガイドである。尚、小洗浄弁体
は前記各実施例と同様に枢着用アームを設けて、排水弁
本体のオーバーフロー管連結部等に枢着するようにして
もよい。
【0087】次に図41及び図42に示す第13実施例は、前
記第12の実施例と同様に、小洗浄弁体7と大洗浄弁体5
の双方が夫々第2、第1の浮子を兼用し、大洗浄弁体5
の高さ寸法を大きくしてその上面に設けられる小洗浄弁
座6の位置を高くすることにより小洗浄時の止水水位を
高い位置に設定するものであるが、この実施例では一つ
の開弁操作器具10、一つの操作力伝達部材58で、大洗浄
弁a及び小洗浄弁bの双方の開弁を操作することができ
るようになっている。
【0088】即ち、大洗浄弁体5は中空な半球体からな
るフロート22により構成されてその球面部で大洗浄弁座
4に対応するようになっており、中央部にはこれを厚さ
方向に貫通して壁に囲まれた開口59が設けられている。
この開口59は基本的には円形の孔であるがその軸方向中
間部にはリング状の溝60が形成されており、この溝60か
ら弁体5上面に亘って一対の対向する縦溝61が形成され
ている。
【0089】一方、小洗浄弁体7は大洗浄弁体5の平面
部とほぼ同じ大きさの円板の上面を半球状に膨出させて
浮力部55を構成する中空部を一体に形成してあり、円板
下面に形成した環状の突起7bで大洗浄弁体5の上面に開
口59を囲んで形成される小洗浄弁座6に対応するように
なっている。尚、上記環状の突起7bは当然その内径がリ
ング状の溝60の外径より大径に形成されている。
【0090】そして、上記小洗浄弁体7には半球状に形
成された浮力部55の頂部に操作ロッド58が立設され、こ
の操作ロッド58はタンク本体1の天井を貫通してタンク
本体1の外部に突出し、突出端部にハンドル62を取付け
る。
【0091】また、小洗浄弁体7の下面中央には逆T字
形の大洗浄弁体係止部63が垂設されており、この大洗浄
弁体係止部63はその垂直部63a が大洗浄弁体5の縦溝61
の長さに対応し、水平部63b がリング状溝60の径に対応
する長さに形成されている。上記大洗浄弁体係止部63は
小洗浄弁b閉弁時においては大洗浄弁体5の開口59内に
収められており、水平部63b が大洗浄弁体5の縦溝61に
整合しているか、リング状の溝60に係合している。
【0092】従って、水平部63b が大洗浄弁体5の縦溝
61に整合している状態(図41参照)でハンドル62を持っ
て操作ロッド58を引き上げれば小洗浄弁体7が引き上げ
られて小洗浄弁bが開弁する。また、ハンドルを回して
水平部63b がリング状の溝60に係合する状態(図42参
照)にして操作ロッド58を引き上げれば、両者63b 、60
の係合により大洗浄弁体5が小洗浄弁体7と共に引き上
げられ、大洗浄弁aが開弁する。各洗浄弁a、bの閉弁
は、タンク本体1内の水位が下降し、弁体5、7の浮力
が低下するとその浮力の低下に伴って弁体5、7が下降
して弁座4、6に着座することにより行われる。
【0093】ここまでに説明した全ての実施例は大洗浄
弁体に小洗浄弁座を形成することにより大洗浄弁体と小
洗浄弁体を重ねて同軸上に設けたものであるが、図43に
示す第15実施例、図44に示す第16実施例のように大洗浄
弁と小洗浄弁を上下に適当な間隔を設けて配置するよう
になすことも可能である。
【0094】図43に示す第15実施例は、大洗浄弁座4が
洗浄弁本体3のタンク本体1内に突出して斜めに開口す
る開口部の開口縁により形成される一方、小洗浄弁座6
が上記大洗浄弁座4の若干下方からL字状に突出するオ
ーバーフロー管連結部3aに連結されて上方に延びるオー
バーフロー管3bの途中に突出状に形成されており、両弁
座4、6は上下に適当な間隔を有して同軸上に配置され
ている。
【0095】そして、大洗浄弁体5は洗浄弁本体3に一
体に突設されたオーバーフロー管連結部3aに枢着アーム
5aを介して枢着され、小洗浄弁体7はオーバーフロー管
に枢着用アーム7aを介して枢着されている。
【0096】上記大洗浄弁体5には前述の第1実施例同
様、枢着用アーム5aが延びる側とは反対側に第1の浮子
9が取り付けられて、該浮子9取り付け部分に開弁操作
器具10の大洗浄用作動レバー11から延びる第1の鎖8が
連結されており、小洗浄弁体7にはその上面中央部に開
弁操作器具10の小洗浄用作動レバー15から延びる第2の
鎖16が連結され、該第2の鎖16の途中に第2の浮子17が
取り付けられている。上記開弁操作器具10及びその他の
構造は第1実施例と同じである。
【0097】而して、この実施例は第1実施例とほとん
ど同様に作動するが、各弁a、bは全く独自に作動し、
大洗浄弁a開弁時に小洗浄弁bも同時に作動させられる
ことはない。
【0098】また、図44に示す第16実施例は、大洗浄弁
a及び小洗浄弁bの配置関係は上記第15実施例と同じで
あるが、小洗浄弁体7全体を中空リング状のフロートに
形成し、それ自体が第2の浮子としての機能を有するよ
うに構成して、前述の第11実施例や第12実施例のように
小洗浄弁体7が第2の浮子を兼用するようになし、第2
の浮子の省略による部品点数の削減と、組み立ての簡略
化を図っている。
【0099】尚、この実施例や上記第15実施例のように
大洗浄弁と小洗浄弁を上下に離して設けるものは、第14
実施例までに説明した実施例に比べて排水装置全体とし
てのの大きさが若干大きくなるのは避け難いが、各弁
a、bが全く独自に作動して、小洗浄弁体7の重さや浮
力が大洗浄弁体5に何等の影響を与える恐れもないた
め、各弁a、bの設計の自由度は高くなる。
【0100】次に図45乃至図48に示す第16実施例は一つ
の弁体65で小洗浄弁体と大洗浄弁体を兼用し、且つ浮子
をも兼用するようにしたものである。従って、この実施
例においては弁座66も大洗浄弁座と小洗浄弁座を兼用す
る一つの弁座66を有するだけで、この弁座66はタンク本
体の底部に該部を貫通する状態に取り付けられてタンク
本体外部で排水管に接続される洗浄弁本体3のタンク本
体内に突出する開口縁により構成してある。
【0101】一方、大小兼用の弁体65は、ほぼ円筒を軸
方向に1/4分割した形状に形成され、且つその周方向
の一端には中空ブロック状の浮力部55が一体に形成され
ており、排水弁本体3に一体的に立設されたオーバーフ
ロー管67を中心にして右側に浮力部55が位置し、且つ軸
芯が弁座66及びオーバーフロー管67双方の中心を通るよ
うに弁座66上に載置された状態に配置されている。
【0102】この弁体65のオーバーフロー管67に近接す
る軸方向側縁の中央部には軸芯に向かって垂直に起立す
る枢着用アーム68が、また反対側の軸方向側縁の中央部
には軸芯と平行に水平に延びる鎖取付けアーム69が夫々
設けられており、枢着用アーム68を介してオーバーフロ
ー管67に振り子状に回動可能に枢着されると共に鎖取付
けアーム69には開閉操作器具から垂下する鎖70が連結さ
れている。尚、上記弁座66は弁体65の曲面に倣うように
湾曲している。従って、上記弁体65は弁座66に摺動して
時計方向、反時計方向に回動可能となる。
【0103】開閉操作器具10は図面では省略して示して
いるが、第7の実施例において説明した操作器具10と実
質的に同一の構造を備えるものである。
【0104】従って、作動レバー25の時計方向の回転操
作により弁体65は弁座66上を時計方向(図において左
側)に回転して弁座66から外れ弁が開くが、浮力部55は
弁体65の最も下方に位置するようになる。この状態でタ
ンク本体内の水が排水され、水位が浮力部55の位置、即
ちタンク本体内の低い位置まで下降すると浮力部55の浮
力が無くなり、弁体65は反時計方向に回動して元の位置
に戻り弁を閉止する。即ち、この場合には大洗浄用とし
て大量の水を流すことができる(図47参照)。
【0105】また、作動レバー25の反時計方向の回転操
作により弁体65は弁座66上を反時計方向(図において右
側)に回転して弁座66から外れ弁が開くが、浮力部55は
弁体65の最も上方に位置するようになる。この状態でタ
ンク本体内の水が排水され、水位が浮力部55の位置、即
ちタンク本体内の比較的高い位置まで下降すると浮力部
55の浮力が無くなり、弁体65は時計方向に回動して元の
位置に戻り弁を閉止する。即ち、この場合には小洗浄用
として比較的少量の水を流すことになる(図48参照)。
【0106】この実施例のように一つの弁、一つの操作
力伝達部材で大洗浄、小洗浄を行えるようにすれば、一
定の大洗浄流量、小洗浄流量を流すことができる排水装
置であるにも拘らず、従来の排水弁を一つしか備えず、
一定の大洗浄流量しか流すことができない排水装置とほ
ぼ同じ大きさとすることが可能となる。
【0107】
【効果】本発明は以上のように構成したので、下記する
ような効果を奏する。 (1).大洗浄弁と小洗浄弁とを同軸に配設したので、
排水装置全体の横幅が小さくなり、大量排水用の大洗浄
弁と少量排水用の小洗浄弁の二つの弁を備えるにも拘ら
ず、タンク内での排水装置が占めるスペースが小さいの
でタンクを小型化することができる。また、大洗浄弁、
小洗浄弁の双方をボールタップの吐水位置から離れた所
に配置することが可能になり、吐水による波浪や飛沫の
勢いで、浮子が揺動し、タンクの水位が不安定になった
り、洗浄弁の閉止が不確実になるような不都合が生じな
い。
【0108】(2).請求項2のタンク装置は、小洗浄
弁の弁体が、小洗浄弁の閉弁水位を検知してその閉弁を
制御する浮子を兼用するようにしたので、部品点数が少
なくなり、組み立ても簡単で、排水装置のコンパクト化
が一層促進され、それだけタンクの小型化も可能にな
る。また、作動も安定する。
【0109】(3).小洗浄弁の弁体と大洗浄弁の弁体
を上下に重ねて設けたことを特徴とする請求項3のタン
ク装置は、排水装置の一層小型化によりタンクの小型化
も一層促進される。
【0110】(4).小洗浄弁体が小洗浄弁の開弁を操
作する開弁操作器具からの操作力の伝達に基づいて大洗
浄弁体を弁座側に押圧する手段を備える請求項4のタン
ク装置は大洗浄弁体に設ける小洗浄弁座をゴム等粘着性
のある材料で形成しても、小洗浄弁開弁時に大洗浄弁体
が小洗浄弁に粘着して小洗浄弁と一緒に引き上げられて
しまうような恐れがなく、確実な作動が得られる。
【0111】(5).請求項5のタンク装置は、一箇所
の操作部の操作で大洗浄弁と小洗浄弁の双方の開弁を操
作するようにしたので、開弁操作装置及び操作部が場所
を取らず、タンクの小型化に有利であり、外観もスッキ
リしたものになる。
【0112】(6).請求項7のタンク装置は、開弁操
作器具と洗浄弁、小洗浄弁を一つの操作力伝達部材で連
係せしめたので、タンク内がすっきりして操作力伝達部
材同志が絡み合うなどの作動状の問題がなく、操作力伝
達部材が占めるスペースも節約され、排水装置及びタン
クの小型化及び作動の安定化に有利である。
【0113】(7).請求項8のタンク装置は、小洗浄
弁の弁体が小洗浄弁の閉弁水位を検知してその閉弁を制
御する浮子を兼用するものにおいて、小洗浄弁体の高さ
方向の寸法を大きく形成して、その上部に浮力部を形成
することにより、小洗浄時の止水水位を大洗浄弁の止水
水位より高い位置に設定するので、簡単な構成で小洗浄
時における止水水位の確保ができる。
【0114】(8).請求項9のタンク装置は、小洗浄
弁の弁体が小洗浄弁の閉弁水位を検知してその閉弁を制
御する浮子を兼用するものにおいて、小洗浄弁体を備え
る大洗浄弁体の高さ寸法を大きくすることにより、小洗
浄弁の弁座の位置を高くし、ひいてはこの小洗浄弁座に
接離する小洗浄弁が兼用する浮子の位置を高くしたの
で、小洗浄時の止水水位の確保が一層正確になる。
【0115】(9).請求項10のタンク装置は、小洗浄
弁と大洗浄弁を一つの弁座と一つの弁体により兼用する
ので、洗浄弁が極めてコンパクトになり、開弁操作器具
の操作部及び開弁操作器具と洗浄弁を連絡する操作力伝
達手段も一つでよいので、タンクの小型化を大幅に促進
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す便器洗浄タンク装置
のタンク本体を縦断して示す正面図。
【図2】主要な構成要素である洗浄弁を拡大して示す断
面図。
【図3】作動状態を示す正面図で小洗浄時の状態を示し
ている。
【図4】作動状態を示す正面図で大洗浄時の状態を示し
ている。
【図5】開弁操作器具を拡大して示す断面図。
【図6】図5の(6)−(6)線拡大断面図。
【図7】第2実施例を示す要部の断面図。
【図8】作動状態を示す断面図。
【図9】第3実施例をタンク本体を縦断して示す正面図
で、小洗浄時の状態を示している。
【図10】同正面図で、大洗浄時の状態を示している。
【図11】第4実施例を示す要部の断面図。
【図12】第5実施例を示す要部の断面図で、所定の排水
量を排水して大洗浄弁が閉弁したときにおける浮子の状
態を示している。
【図13】同断面図で、所定の排水量以上が排水されてタ
ンクが空になったときの第2の浮子の状態を示してい
る。
【図14】第6の実施例を示す要部の断面図。
【図15】第7実施例をタンクを縦断して示す正面図。
【図16】第7図の(16)−(16)線拡大断面図。
【図17】要部の拡大断面図。
【図18】同断面図で、小洗浄時の状態を示す。
【図19】同断面図で、大洗浄時の状態を示す。
【図20】第8実施例を示す要部の断面図。
【図21】要部を更に拡大して示す断面図で、閉弁状態を
示している。
【図22】同断面図で、小洗浄時の状態を示す。
【図23】同断面図で、大洗浄時の状態を示す。
【図24】第9実施例を示す要部の断面図。
【図25】同断面図で、小洗浄時の状態を示している。
【図26】同断面図で、大洗浄時の状態を示している。
【図27】第10実施例を示す要部の正面図
【図28】部分拡大平面図。
【図29】図28の(29)−(29)線断面図で、閉弁状態を
示している。
【図30】図28の状態における開閉操作器具の状態を示す
開閉操作器具の断面図で一部拡大して示している。
【図31】図28の(29)−(29)線断面図で、小洗浄時の
状態を示している。
【図32】図31の状態における開閉操作器具の状態を示す
開閉操作器具の断面図。
【図33】図32の(33)−(33)線拡大断面図。
【図34】図28の(29)−(29)線断面図で、大洗浄時の
状態を示している。
【図35】図34の状態における開閉操作器具の状態を示す
開閉操作器具の断面図。
【図36】図35の(36)−(36)線拡大断面図。
【図37】開閉操作器具の他の実施例を示すもので、
(a)は大洗浄弁、小洗浄弁が共に閉弁している状態を
示す一部縦断正面図、(b)は(a)の(37)−(37)
線断面図。
【図38】同実施例を示す一部縦断正面図で、(a)は洗
浄弁開弁時の状態を示し大洗浄時の状態を実線で、小洗
浄時の状態を仮想線で示している。また、(b)は
(a)の(38)−(38)線断面図。
【図39】第11実施例を示す要部の断面図。
【図40】第12実施例を示す要部の断面図。
【図41】第13実施例を示す図面で、(a)は小洗浄可能
にセットした状態を示す断面図、(b)は(a)の(4
1)−(41)線断面図。
【図42】同実施例を示す図面で、(a)は大洗浄可能に
セットした状態を示す断面図、(b)は(a)の(42)
−(42)線断面図。
【図43】第14実施例をタンク本体を縦断して示す正面
図。
【図44】第15実施例をタンク本体を縦断して示す正面
図。
【図45】第16実施例を示す要部の断面図で閉弁状態を示
している。
【図46】図43の(44)−(44)線断面図。
【図47】大洗浄時の状態を示す断面図。
【図48】小洗浄時の状態を示す断面図。
【符号の説明】
1:タンク本体 4:大洗浄弁
座 5:大洗浄弁体 6:小洗浄弁
座 7:小洗浄弁体 8:第1の鎖
(操作力伝達部材) 9:第1の浮子 10:開弁操作
器具 16:第2の鎖(操作力伝達部材) 17:第2の浮
子 19:レバーハンドル(開閉操作器具の操作部) 21:梃(大洗浄弁体を押圧する手段) 24:鎖(操作力伝達部材) 33:鎖係止片(係止部) 34:鎖係止片(係止部) 37:ストッパー(係止部) 38:ストッパー(係止部) 40:リードワイヤー(操作力伝達部材) 46:ハンドル(開閉操作器具の操作部) 55:浮力部 58:操作ロッド(操作力伝達部材) 60:リング状溝(係合部) 61:縦溝(係合部) 62: ハンドル(開弁操作器具の操作部) 63:大洗浄弁体係止部(係合部) 65:弁体(大洗浄弁体、小洗浄弁体兼用) 66:弁座(大洗浄弁座、小洗浄弁座兼用) 70:鎖(操作力伝達部材) a:大洗浄弁 b:小洗浄弁
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年5月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】便器洗浄タンク装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は便器洗浄タンク装置、特
に貯水タンクから便器に流す洗浄水の量を便器から排出
すべき汚物の種類、即ち汚物が大便であるか、小便であ
るかに応じて選択的に大小二段階に変更することができ
る便器洗浄タンク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の便器洗浄タンク装置は大
便洗浄用の大洗浄弁と小便洗浄用の小洗浄弁を備え、こ
れら大、小の洗浄弁を選択的に切替えて使用するものが
一般的であり、代表的なものとして例えば実開昭56−
36781号公報のものが知られている。
【0003】上記公報のものについて説明すると、タン
ク内に二つの洗浄弁(大洗浄弁と小洗浄弁)をその一方
(小洗浄弁)の高さ位置が他方(大洗浄弁)の高さ位置
より高くなるように、相互の高さ位置を上下に離して設
け、排水量の大小を二つの洗浄弁の高さの違いにより生
じさせるようにしたもので、タンク本体の底部に固定す
る洗浄弁本体が上部に小洗浄弁用の排水筒部を、下部に
大洗浄弁用の排水筒部を夫々の上端開口の軸芯が重なら
ないように前後若しくは左右に離して突設した多岐筒体
状に形成され、この洗浄弁本体の周面に設けたヒンジ部
に各排水筒部を開閉させる弁体を夫々枢着して大洗浄弁
及び小洗浄弁が構成されているもので、操作器具により
大洗浄弁または小洗浄弁の弁体を選択的に引き上げるこ
とにより洗浄水の量を大小切り替えるようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに大洗浄弁と小洗浄弁の軸芯相互を前後又は左右など
横方向に離して設けたものは、その構造上、大小両洗浄
弁が横方向に広がって存在し、タンク内スペースを狭く
するため大型のタンクを必要とする。
【0005】また、排水装置がタンク内の水位を浮子な
どにより検知して閉弁する形式のものである場合、上記
のように排水装置の大小両洗浄弁が横方向に広がって存
在すると、一方の洗浄弁の浮子がボールタップ給水栓の
吐水位置若しくはその近傍に位置することになり、吐水
による波浪や飛沫の勢いで、浮子が動揺し、タンクの水
位が安定しなかったり、洗浄弁の閉止が不確実となる。
【0006】本発明は従来技術が有する上記問題点に鑑
みてなされたもので、その目的とする処は、便器に流す
洗浄水の量を便器から排出すべき汚物の種類、即ち汚物
が大便であるか、小便であるかに応じて選択的に大小切
り替えて供給する便器洗浄タンク装置において、タンク
本体の小型化を可能にし、且つ洗浄弁がボールタップ給
水栓の吐水による影響を受けないようにすることにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の便器洗浄タンク装置では、洗浄水を貯溜する
タンク本体に大洗浄弁と小洗浄弁を設けて、開弁操作器
具でこれら両洗浄弁の開弁を操作し、タンク本体内の水
位を弁体に付与した浮力を利用して閉弁水位を検知して
閉弁のタイミングを制御するようにした便器洗浄タンク
装置において、大洗浄弁と小洗浄弁を同軸上に配設する
ものである。
【0008】上記弁体の浮力は洗浄弁の弁体とは別体に
浮子を設けて、小洗浄弁の弁体を浮子に追従して作動す
るように浮子に連係させる。また、小洗浄弁体に浮子を
一体に設けて小洗浄弁体が浮子を兼用するようになすこ
ともできる。
【0009】大洗浄弁と小洗浄弁は小洗浄弁の弁座を大
洗浄弁の弁体に形成して小洗浄弁の弁体と大洗浄弁の弁
体を上下に重ねることにより同軸に配設するのが望まし
い。そして、このように小洗浄弁の弁体と大洗浄弁の弁
体を上下に重ねる場合、小洗浄弁体には開弁操作器具か
らの操作力伝達に基づいて大洗浄弁の弁体をその弁座に
押圧する手段を設けるのがよい。
【0010】開弁操作器具は大洗浄弁及び小洗浄弁夫々
の開弁を一個所の操作部で操作させるようにすることが
望ましく、開弁操作器具と大洗浄弁体及び小洗浄弁体と
を二つの操作力伝達部材により各別に連係させてもよい
し、一つの操作力伝達部材により連係させるようにして
もよい。
【0011】そして、一つの操作力伝達部材により開弁
操作器具を大、小の洗浄弁に連係させる場合、操作力伝
達部材を小洗浄弁体に連結し、小洗浄弁体をそれが所定
の動作範囲を越える動作をすると、上記操作力伝達部材
により伝達される操作力を大洗浄弁体に伝達して大洗浄
弁を開弁させるように大洗浄弁体に連係させる構造とし
たり、開弁操作器具の操作で操作力伝達部材を上方へ引
き上げられるようになし、この操作力伝達手段と大洗浄
弁体及び小洗浄弁体には、操作力伝達手段の引き上げ距
離が所定範囲までの距離であるときには操作力伝達手段
が小洗浄弁体にのみ係止して小洗浄弁体を引き上げ、所
定範囲を越す距離であるときには大洗浄弁体に係止して
大洗浄弁体を引き上げる構造としたりすればよい。
【0012】また、操作力伝達部材を開弁操作器具の操
作により前方に押し出されるような構造にして、その押
し出し距離が所定範囲までの距離であるときには操作力
伝達部材が小洗浄弁体を下方から押し上げて小洗浄弁を
開弁させ、所定範囲を越す距離であるときには大洗浄弁
体を押し上げて大洗浄弁を開弁させるような構造とした
り、小洗浄弁の弁体と大洗浄弁の弁体とを上下に重ねて
設けて小洗浄弁体に操作力伝達部材を連結し、開弁操作
器具の操作により小洗浄弁体を軸心を中心に回動または
上方へ引き上げ可能となすと共に小洗浄弁体と大洗浄弁
体には小洗浄弁体の回転角度に応じて係脱する係合部を
設け、小洗浄弁体が所定の角度のときには係合部が外れ
て小洗浄弁体のみが引上げ可能になり、他の角度のとき
には係合部が係合して大洗浄弁体が小洗浄弁体と共に引
き上げられるような構造とすることもできる。
【0013】一方、前記小洗浄弁体に浮力部分を一体に
設けて小洗浄弁体が浮子を兼用するようになすものにあ
っては、浮力部分を弁体の小洗浄弁の弁座への着座部よ
り所定の高さ上方に位置せしめることにより小洗浄時の
閉弁水位を高い位置に設定することができるが、小洗浄
弁の弁体と大洗浄弁の弁体を上下に重ねて設ける場合に
は、大洗浄弁の弁体の厚さ方向寸法を大きく形成するこ
とにより小洗浄弁の弁座を大洗浄弁の弁座の高さ位置か
ら上方に離して位置せしめ、小洗浄時の閉弁水位を高い
位置に設定する事ができる。
【0014】上記浮子を兼用する小洗浄弁体により大洗
浄弁体を兼用し、一つの洗浄弁で大小を切り替えること
も可能である。
【0015】
【作用】以上のように構成した排水弁にあっては、大洗
浄弁と小洗浄弁が同軸に設けられているため、洗浄弁全
体の横幅が小さくなり、洗浄弁がタンク内で占める横幅
方向のスペースも小さくなるので、大洗浄弁、小洗浄弁
の双方をボールタップ給水栓の吐水位置から離れた所に
配置することが可能となる。
【0016】
【実施例】以下、図に基づいて本発明の実施例を説明す
る。図1乃至図6は第1の実施例を示し、大洗浄弁aと
小洗浄弁bを上下に重ねて同軸上に設けたもので、各洗
浄弁a、bはフラッパー弁により構成されている。
【0017】大洗浄弁aの弁座4(以下大洗浄弁座とい
う)は、タンク本体1の底部に該部を貫通する状態に取
り付けられてタンク本体1外部で排水管2に接続される
洗浄弁本体3の、タンク本体1内に突出する上端を斜め
に開口してその開口縁により構成してある。
【0018】また、上記大洗浄弁座4に対応して大洗浄
弁aを構成する弁体5(大洗浄弁体という)はオーバー
フロー管連結部3aに枢着アーム5aを介して枢着されてい
る。
【0019】大洗浄弁体5はオーバーフロー管連結部3a
への枢着用アーム5aが延びる側とは反対側に略アングル
状の鎖取付部5bが延びて、その起曲部分上端に第1の鎖
8が連結されるようになっており、更にこの起曲部分に
第1の浮子9が取り付けられるようになっている。
【0020】上記第1の浮子9は中空なブロック状のも
ので、その一側縁に近い位置にこれを上下に貫通する孔
9aが周囲を壁で囲まれて形成されており、該孔9aを大洗
浄弁体5の鎖取付部5bの起曲部分に嵌め込んで大洗浄弁
体5に取り付けられている。
【0021】一方、上記第1の鎖8は第1の浮子9の孔
9aから上方に延びて開弁操作器具10の大洗浄用作動レバ
ー11に接続されるようになっており、第1の浮子9の直
上部には図示してはいないが浮子9の上部を押さえて浮
子9が鎖取付部5bの起曲部分から浮き上がって大洗浄弁
体5から離脱するのを防止するストッパーが取り付けら
れている。
【0022】一方、小洗浄弁bの弁座6(以下小洗浄弁
座という)は上記大洗浄弁体5に、これが大洗浄弁座4
に着座している状態で大洗浄弁座4と同軸となるように
形成され、この小洗浄弁座6に囲まれて大洗浄弁体5に
開口する通水孔12の径は大洗浄弁座4の内径よりも小さ
く形成される。そして、この小洗浄弁座6に対応して小
洗浄弁bを構成する弁体7(以下小洗浄弁体という)は
大洗浄弁体5と同じ箇所で枢着用アーム7aを介してオー
バーフロー管連結部3aに枢着されている。
【0023】上記小洗浄弁座6は、大洗浄弁体5に開設
される開口13の口縁に、ゴム製のリング状シート部材14
をその外周に設けた凹溝14a により嵌着して構成されて
おり、該シート部材14はその下面が大洗浄弁体5のシー
トとして大洗浄弁座4に対応すると共に上面が小洗浄弁
座6として小洗浄弁体7に対応するようになっている。
【0024】小洗浄弁体7は上面の中央部に開弁操作器
具10の小洗浄用作動レバー15から垂下させた第2の鎖16
が連結され、下面には環状の突起7bが形成されており、
閉弁時この環状突起7bが上記小洗浄弁座6に密着するよ
うになっている。尚、環状突起b は小洗浄弁体7側では
なく大洗浄弁体5側、例えば上記ゴム製のリング状シー
ト部材14に形成してもよい。上記第2の鎖16の途中には
大洗浄弁体5に取り付けた第1の浮子9より高い位置に
おいて第2の浮子17が取り付けられている。尚、この第
2の浮子17の高さ位置はタンク満水時の水位より低くす
ることは言うまでもない。
【0025】開弁操作器具10は、主として、タンク本体
1の側壁を貫通して設けられるスピンドル18と、タンク
本体1外に突出するスピンドル18の端部に取り付けられ
る操作用のレバーハンドル19と、タンク1内部において
スピンドル18に取り付けられる大洗浄用、小洗浄用夫々
の作動レバー11、15とで構成されており、上記スピンド
ル18はスピンドルガイド20の端部に設けた切り欠き20a
とスピンドル18に設けた突起18a との係合によってタン
ク本体1の側壁に固定されているスピンドルガイド20に
所定角度時計方向及び反時計方向に回転可能に取り付け
られている。
【0026】小洗浄用作動レバー15はレバー部15a と該
レバー部15a の一端に一体に形成された円筒部15b とか
らなり、上記円筒部15b をスピンドル18に外嵌して回転
及び軸方向への移動ができないように取り付けられ、通
常はレバー部15a がスピンドル18から下向きに延びてい
る。
【0027】大洗浄用作動レバー11はレバー部11a と、
該レバー部11a の一端に一体に形成されて軸線方向一端
部に所定範囲の角度に亘って円周方向に延びる切欠部11
c を備える円筒部11b とからなり、円筒部11b を上記小
洗浄用作動レバー15の円筒部15b の基部外周面に、その
切欠部11c を先端方向に向けて嵌合し回転自在ではある
が軸方向には移動不能に小洗浄用作動レバー15に支承さ
れ、通常はレバー部11a がスピンドル18から下向きに延
びている。
【0028】また、前記小洗浄用レバー15には該レバー
15の回転を大洗浄用作動レバー11に伝達するために、大
洗浄用作動レバー11の切欠部11c に係合してその端面に
当接する突出部15c が形成されている。
【0029】上記突出部15c は切欠部11c との係合状態
において、切欠部11c の下側端面11c-1 に当接するよう
に形成されている。
【0030】而して、この開弁操作器具10はレバーハン
ドル19を時計方向に回転操作すれば、小洗浄用作動レバ
ー15が時計方向に回転すると共に大洗浄用作動レバー11
もその切欠部11c と小洗浄用作動レバー15の突出部15c
との係合により時計方向に回転し、夫々鎖16、8を介し
て小洗浄弁体7、大洗浄弁体5を引き上げる。従って、
大洗浄弁aと小洗浄弁bが同時に開弁して大洗浄が行な
われる。
【0031】また、レバーハンドル19を反時計方向に回
転操作すれば、それに伴って小洗浄用作動レバー15は反
時計方向に回転して小洗浄弁体7を引き上げるが、小洗
浄用作動レバー15の反時計方向の回転によりその突出部
15が大洗浄用作動レバー11の切欠部11C 端面から離れる
方向に移動するため大洗浄用作動レバー11は回転せず、
大洗浄弁体5の引き上げは行なわれない。従って、小洗
浄弁体7のみが開弁して小洗浄が行なわれる。
【0032】小洗浄の場合、排水の開始により小洗浄弁
体7に加わる水圧が減少するためハンドル19の操作を保
持して小洗浄弁体7を引き上げておかなくても、小洗浄
弁体7と第2の浮子17の浮力により小洗浄弁体7が引き
上げられた状態、即ち小洗浄弁bの開弁状態が保持さ
れ、排水は継続される。このとき、大洗浄弁座4の内径
より大洗浄弁体5の通水孔12の径が小さく、面積差分の
差圧が大洗浄弁体5に加わるので,大洗浄弁体5の浮力
とこれに取り付けられた第1の浮子9の浮力により大洗
浄弁aが開弁されることはない。
【0033】そして、排水によりタンク本体1内の水位
が第2の浮子17の位置まで下降して第2の浮子17が水面
から突出する状態になると、第2の浮子17の浮力が落ち
るため小洗浄弁体7を引上げておくことができなくな
り、小洗浄弁体7が下降し小洗浄弁bが閉弁して排水が
停止される。
【0034】また、大洗浄の場合、排水の開始により大
洗浄、小洗浄夫々の弁体5、7には水圧が殆んどかから
なくなるためハンドル19の操作を保持して大洗浄弁体5
を引き上げておかなくても、両弁体5、7と第1の浮子
9の浮力により小洗浄弁体7を乗せたまま大洗浄弁体5
が引き上げられた状態、即ち大洗浄弁aの開弁状態が保
持され、排水は継続される。
【0035】そして、排水によりタンク本体1内の水位
が第1の浮子9の位置まで下降して該浮子9が水面から
突出する状態になると、浮子9の浮力が落ちるため大洗
浄弁体5を引き上げた状態に保持することができなくな
り、大洗浄弁体5が下降する。このとき、小洗浄弁体7
には第2の浮子17の浮力は作用しておらず、これに連結
する第2の鎖16も弛んでいるため、小洗浄弁体7も大洗
浄弁体5から離れることなく大洗浄弁体5と共に下降す
る。これにより大洗浄弁aが閉弁し、排水が停止され
る。
【0036】従って、小洗浄の場合にはタンク本体1内
の比較的高い位置において第2の鎖16に設けられた第2
の浮子17の位置より上の分の水しか排水されないのに対
して、大洗浄の場合には大洗浄弁体5に一体的に設けら
れて比較的低い位置にある第1の浮子9の位置より上の
分の水は全て排水されることになる。
【0037】このように大洗浄弁aと小洗浄弁bを同軸
上に配置し、しかも大洗浄弁体5と小洗浄弁体7を上下
に重ねるようにすれば、二つの洗浄弁a、bを備えるも
のであるにも拘らず排水装置の幅方向の大きさを洗浄弁
を一つしか備えない排水装置と同程度に小形化すること
が可能となる。
【0038】尚、上記実施例においては小洗浄弁座6を
大洗浄弁体5に取り付けたゴム製のリング状シート部材
14で構成したので、ゴムの粘着性により、小洗浄弁b開
弁時に小洗浄弁体7が大洗浄弁体5に粘着し、大洗浄弁
体5も一緒に引き上げられてしまう場合がある。そこ
で、斯る問題を解決したのが図7及び図8に示す第2の
実施例である。
【0039】この第2の実施例は基本的な構造において
は前記第1の実施例とほぼ同じものであるが、小洗浄弁
体7の上面に梃21を設けて、該梃21の一端を下向きに折
り曲げて大洗浄弁体5の上面に当接させ、梃21の他端に
第2の鎖16を連結していることを特徴とするものであ
る。
【0040】従って、この実施例では、小洗浄操作によ
り第2の鎖16が引き上げられると、図8に示すように梃
21が大洗浄弁体5を下方に押しつけて小洗浄弁体7をそ
の弁座6を構成する大洗浄弁体5のゴム製リング状シー
ト部材14から引きはがすので、小洗浄時に大洗浄弁体5
が小洗浄弁体7に粘着して引き上げられるような不都合
がない。
【0041】上記の実施例では一つの開弁操作器具10で
大、小、夫々の洗浄弁a、bの開弁を操作するようにし
たが、図9及び図10に示す第3の実施例のように開弁操
作器具10を二つ設けて大洗浄弁a、小洗浄弁bを格別の
開弁操作器具10で操作するようになすことも勿論可能で
ある。
【0042】図9,図10において、10-1は大洗浄用の開
弁操作器具、10-2は小洗浄用の開弁操作器具であり、夫
々タンク本体1の側壁を貫通して設けられるスピンドル
18と、たンク本体1外に突出するスピンドル18の端部に
取り付けられる操作用のレバーハンドル19と、夫々タン
ク1内部においてスピンドル18先端に延設される作動レ
バー11、15とで構成されており、上記スピンドル18はス
ピンドルガイド20の端部に設けた切り欠き(図示せず)
とスピンドル18に設けた突起(図示せず)との係合によ
ってタンク本体1の側壁に固定されているスピンドルガ
イド20に所定の方向、例えば時計方向に所定角度回転可
能に取り付けられている。
【0043】そして、大洗浄用の開弁操作器具10-1はそ
の作動レバー11の先端が大洗浄弁体5に第1の鎖8で、
また小洗浄用開弁操作器具10-2はその作動レバー15の
端が小洗浄弁体7に第2の鎖16で夫々連絡されており、
各々レバーハンドル19の回転操作により鎖8、16を介し
て弁体5、7を引き上げて弁座5、6から引き離すこと
ができるようになっている。
【0044】また、この実施例では第1の鎖8の途中に
第1の浮子9が、第2の鎖16の途中に第2の浮子17が
夫々取付けられて、タンク本体1内の低い位置に第1の
浮子9が、タンク本体1内の比較的高い位置に第2の浮
子17が配置されているが、前記第1の実施例同様第1の
浮子を大洗浄弁体5に直接取付けるようになすことも
任意である。
【0045】而して、この実施例のものは大洗浄弁aと
小洗浄弁bの開弁を各別の開弁操作器具10-1、10-2によ
り操作する以外は第1の実施例と全く同様に作動する
が、鎖8、16への浮子9、17の取付位置を変えることに
より小洗浄時ばかりでなく大洗浄時における洗浄水の排
水量を増やしたり減らしたりすることができ、使用水量
が異なる様々な便器への対応性が向上する。
【0046】次に図11に示す第4の実施例は第1の実施
例のように大洗浄弁体5に直接第1の浮子9を取付けた
り、第2の実施例のように大洗浄弁体5と開弁操作器具
10とを連絡する第1の鎖8に第1の浮子9を取付ける代
わりに、大洗浄弁体5そのものに第1の浮子としての機
能を持たせたものである。この実施例において、大洗浄
弁体5は中空なリング状に形成されたフロート22にオー
バーフロー管連結部3aへの枢着用アーム5aを取り付けて
構成されており、フロートの下面が大洗浄弁座4に対応
して大洗浄弁aを構成し、上面が小洗浄弁座6として小
洗浄弁体7に対応するようになっている。
【0047】そして、大洗浄弁体5に連結される第1の
鎖8はオーバーフロー管連結部3aへの枢着用アーム5aが
延びる側とは反対側において、該弁体5の端部に連結さ
れており、この鎖8には浮子は装着されていない。
【0048】一方、小洗浄弁体7は前記第1実施例と実
質的に同じ構造を有し、この小洗浄弁体7を開弁操作器
具の小洗浄用作動レバーに連絡する第2の鎖16の途中に
は浮子17が取り付けられている。
【0049】而して、この実施例においては、小洗浄弁
bは前記第1実施例と全く同一の動作を行なうが、大洗
浄弁aは次のような動作を行なう。即ち、開弁操作器具
を操作して大洗浄弁体5を引き上げると、大洗浄弁体5
は小洗浄弁体7を乗せたまま引き上げられて、大洗浄弁
aが開弁し、フロート22の浮力によりこの開弁状態が保
持される。
【0050】またこの実施例では、フロート22により構
成される大洗浄弁体5は大洗浄弁aの閉弁時に大洗浄弁
座4より外側に突出する部分の面積を上記弁座4より内
側に有る部分の面積より小さくして浮力部分が大洗浄弁
座4の内側に偏在するように形成されている。大洗浄弁
体5をこのように構成するのはタンク本体1が空の状態
のときから給水が行なわれても確実な貯水を保証するた
めである。以下、このこのことについて説明する。
【0051】即ち、浮子17の位置により排水量を規制す
るこの種の洗浄弁では、例えば大洗浄の場合に正常な閉
弁水位になった後でも開弁操作器具を操作すると洗浄弁
が開かれて排水が行なわれる。このような場合には水位
が弁体の下面より下、例えば弁座位置まで下降してしま
うことがある。この状態で給水が行なわれ、このときの
給水流量が少ないと、給水量と排水量及び弁体の重量と
浮力とが微妙にバランスして洗浄弁の開弁状態が維持さ
れ、何時までもタンクに水が溜まらない場合がある。そ
こで、このような事態が発生するのを回避するために
は、余裕を見て浮子を高い位置に設定する必要があり、
通常排水操作を行って閉弁した際に、排水されずにタン
ク内に残留する残留水、即ちデッド・ウォーターの量が
どうしても多くなる。
【0052】また、寒冷地では凍結防止のために夜間に
は貯水タンクの水を抜く事が行なわれるが、このような
場合にはタンクはほとんど空の状態になる。このよう
に、タンクが空の状態で給水が行なわれる場合、弁体に
は上方からの水圧がかからないため水位が弁体の下面位
置まで上昇すると、弁体に浮力が働いて弁座から瞬間的
に浮き上がる状態が生じる。そしてこのとき給水量が少
なければ、上記同様、洗浄弁の開弁状態が維持され、何
時までたってもタンクには水が溜まらない状態が生じる
ことがある。
【0053】斯かる問題を解決するためにはタンクが空
の状態、または、水位が弁座より下にある状態で給水が
開始されても弁体が浮き上がらないようにしなければな
らず、そのためには水を溜めていく間のどの瞬間におい
ても常に弁体の自重と水圧により弁体にかかる下向きの
力の総和を弁体と浮子の浮力による上向きの力より大き
くする必要がある。
【0054】この第4実施例では上述したように大洗浄
弁体5の浮力部分を大洗浄弁座4の内側に偏在せしめ
て、閉弁時において大洗浄弁座4外方に突出して浮力を
受ける部分を小さくしたので、該弁体5が全没するまで
の浮力の増え方が少なく、弁体5が全没するまで上記関
係が保たれることとなり、弁体5が浮き上がって大洗浄
弁aが開いてしまうことがない。従って、タンク本体1
が空の状態からの給水でも確実に貯水することができ
る。これにより、デッド・ウォーターの水位を下げるこ
とができ、タンク内スペースの利用効率が向上する。
【0055】以上のようにこの第4実施例は、大洗浄弁
体5が全没するまでの弁体5の浮力の増え方を少なくす
ることにより、大洗浄弁体5及び小洗浄弁体7の自重と
水圧により大洗浄弁体5にかかる下向きの力の和が大洗
浄弁体5の浮力より大きくなるようにして、タンク本体
1が空の状態からの給水においても確実な貯水を実現で
きるようにしたが、水位が大洗浄弁座4の高さと同等若
しくはそれより低くなったときの大洗浄弁体5の自重を
大きくすることによっても同様の効果を達成することが
できる。その実施例を図12及び図13、に示す第5の実施
例、図14に示す第6の実施例により説明する。
【0056】第5の実施例では、第2の浮子17にはこれ
を上下に貫通する孔17a が中央に形成されており、第2
の鎖16はこの孔17a を挿通して下端が小洗浄弁体7の上
面中央部に連結されているが、上記第2の浮子17の孔17
a は第2の鎖16の太さに対して十分に大きく形成され、
第2の浮子17が第2の鎖16にスライドしてその位置を上
下に移動できるようになっている。第2の鎖16には第1
の浮子9より高い所定の高さ位置に、上記孔17a の径よ
り大きなストッパー16a が取り付けられている。従っ
て、上記第2の浮子17の移動範囲は第2の鎖16の小洗浄
弁体7への連結部16b からストッパー16a までであり、
タンク本体1内の水位がストッパー16a の高さ位置以上
あるときには、ストッパー16a に引っ掛かって第1の浮
子9より高い位置に浮いているが、水位が下降しストッ
パー16a の位置より低下すると第2の鎖16にスライドし
て水位と共に下方に移動する。
【0057】而して、この実施例は通常の使用における
大洗浄弁a、小洗浄弁bの作動は前述した各実施例の作
動と同じであるが、大洗浄の場合には大洗浄弁aの閉弁
時の水位は第2の鎖16のストッパー16a の高さ位置より
当然低くなるので、図12に示すように第2の浮子17が第
2の鎖16をスライドしてその水位まで下降することにな
る。また、開弁操作器具10の連続操作や、タンク本体1
の水抜きにより水位が大洗浄弁座4より低くなり、タン
ク本体1が空の状態になったときには、図13に示すよう
に第2の浮子17が第2の鎖16を更に下方にスライドし
て、小洗浄弁体7に載乗する状態となる。この状態では
第2の浮子17は小洗浄弁体7を介して錘として大洗浄弁
体5に作用し、大洗浄弁体5は第2の浮子17の重量分だ
け重くなる。従って、この状態で給水が行なわれて水位
が上昇を開始し、大洗浄弁体5を浮き上がらせようとす
る力が働いても、前述のように大洗浄弁体5は重量が増
えているため容易には浮き上がらず、大洗浄弁aの開弁
は起こらなので水位の上昇は継続する。この水位の上昇
により第2の浮子17は第2の鎖16を上方にスライドして
錘の作用を果たさなくなるが、そのときには大洗浄弁体
5、小洗浄弁体7は完全に水没しており、これら両弁体
5、7には水圧が作用するため、仮に給水流量が低くて
も大洗浄弁a、小洗浄弁bの開弁は起こらず、タンク本
体1への貯水は確実に行なわれる。
【0058】一方、第6の実施例は図14に示すように、
小洗浄弁体7に溜水凹部23を設けることにより、上記第
5の実施例と同様な効果を得るようにしている。即ち、
この実施例においては、小洗浄弁体7の中央部上面を裏
側に窪ませて溜水凹部23を形成してあり、この溜水凹部
23は小洗浄弁体7の裏側に突出して小洗浄弁bの閉弁時
には大洗浄弁体5の大洗浄弁座4内に嵌まり込むように
なっている。
【0059】而して、この実施例では小洗浄弁体7の溜
水凹部23内に常時水が溜まっており、水位が大洗浄弁座
4より低くなるか、タンク本体1が空の状態になったと
きにはこの溜水凹部23内に溜まった水が大洗浄弁体5に
錘として作用し、給水による水位の上昇に伴う大洗浄弁
体5の浮き上がりを防止する。従って、この実施例も上
記第5の実施例同様水位が大洗浄弁座4より低くなる
か、タンク本体1が空の状態で給水が行なわれ、そのと
きの給水流量が少ないときでも、大洗浄弁a、小洗浄弁
bの開弁を防止して、タンク本体1への貯水を確実に行
なうことが可能になる。
【0060】尚、上記第5実施例を示す図12、図13及び
第6実施例を示す図14において、第1の浮子9は第1の
鎖8の途中に取付けられているが、この第1の浮子9は
第1実施例に示すように大洗浄弁体5に取り付けられて
該弁体5とほぼ一体となるような構造としてもよく、ま
た第4実施例のように大洗浄弁体5をフロートで構成す
ることにより大洗浄弁体5自体に第1の浮子9としての
機能を持たせることにより第1の浮子9を省略すること
も任意である。
【0061】次に図15乃至図19に示す第7の実施例、図
20乃至図23に示す第8の実施例、図24乃至図26に示す第
9の実施例は、上記第1乃至第6の実施例が操作器具10
を大洗浄弁体5と小洗浄弁体7に夫々各別の鎖8、16、
即ち操作力伝達部材を介して連絡するものであるのに対
して、大洗浄弁体5と小洗浄弁体7を共同の鎖24、即ち
一つの操作力伝達部材で操作器具10に連絡するようにし
たものである。
【0062】先ず、第7の実施例について説明する。こ
の実施例においては大洗浄弁体5と小洗浄弁体7が一つ
の操作器具10により開弁操作されなければならず、操作
器具10は主として、タンク本体1の側壁に固定されてい
るスピンドルガイド20を介してタンク本体1 の側壁を貫
通するスピンドル18と、タンク本体1外に突出するスピ
ンドル18の端部に取り付けられる操作用のレバーハンド
ル19と、タンク本体1内部においてスピンドル18に取り
付けられる作動レバー25とで構成されていおり、作動レ
バー25の先端が小洗浄弁体7の上面中央部に鎖24で繋が
れている。
【0063】上記スピンドル18は通常作動レバー25が下
向きに垂下する状態になっており、この状態からレバー
ハンドル19の回転操作により時計方向または反時計方向
に回転されるようになっているが、このスピンドル18の
時計方向及び反時計方向への回転はスピンドルガイド20
の端部に設けた切り欠き26とスピンドル18に設けた突起
27との係合によって回転角度が規制されており、反時計
方向への回転は小洗浄弁体7を大洗浄弁体5に設けられ
た小洗浄弁座4から小洗浄弁を開弁させるに足る分だ
け引き上げることができる程度に規制されるのに対し
て、時計方向への回転は更にそれ以上上方にまで引き上
げることができるような回転角度に設定されている。
【0064】大洗浄弁a及び小洗浄弁bの構造は前記第
1の実施例で説明したものとほとんど同じ構造である
が、大洗浄弁体5のオーバーフロー管連結部3aへの枢着
用アーム5aが延びる側と反対側に設けられて浮子9の一
側縁に設けた周囲を壁で囲まれた孔9aに嵌め込まれる鎖
取付部5bが操作器具10に連絡する代わりに短い鎖28で小
洗浄弁体7のオーバーフロー管連結部3aへの枢着用アー
ム7aが延びる側と反対側に連結されている。
【0065】上記大洗浄弁体5と小洗浄弁体7を連結す
る短い鎖28は、小洗浄弁体7が小洗浄弁座6に着座して
小洗浄弁bを閉弁している位置と小洗浄弁bが開弁して
全開に達する位置との間に存在する間は大小の洗浄弁体
5、7の間において若干の弛みを有し(図18参照)、小
洗浄弁bが全開に達する位置を越えて更に上方に引き上
げられた位置に小洗浄弁体7が存在するときには大小の
洗浄弁体5、7の間で緊張するような長さに形成されて
いる。
【0066】従って、この実施例では操作器具10のレバ
ーハンドル19を反時計方向に回転操作すると、小洗浄弁
体7が大洗浄弁体5に形成された小洗浄弁座6から引き
上げられて小洗浄弁bが開弁し、小洗浄が行われる。
【0067】一方、レバーハンドル19を時計方向に回転
操作すると、先ず小洗浄弁体7が大洗浄弁体5に形成さ
れた小洗浄弁座6から引き上げられて小洗浄弁bが開弁
するが、反時計方向の回転のときよりスピンドル18の回
転角度、即ち作動レバー25の回転角度が大きいため、小
洗浄弁体7は更に上方に引き上げられ、それに伴って短
い鎖28が緊張し、該短い鎖28を介して大洗浄弁体5まで
も引き上げられ大洗浄弁aが開弁し、大洗浄が行われる
ことになる。(図19参照) 尚、大洗浄時、小洗浄時における大洗浄弁a、小洗浄弁
bの閉弁作動は第1の実施例の場合と同じである。
【0068】次に図20乃至図23に示す第8の実施例は、
開弁操作器具10の構造及び開弁操作器具10の作動レバー
25と小洗浄弁体7との連結構造は第7の実施例と同じで
あるが、小洗浄弁体7と大洗浄弁体5との連係構造が第
7の実施例とは相違するものである。即ち、この実施例
では、小洗浄弁体7の枢着用アーム7aが大洗浄弁体5の
枢着用アーム5aの中途部に枢着される構造となってお
り、小洗浄弁体7上方への回動が、大洗浄弁体5の枢
着用アーム5aに設けた軸受け部29に形成するストッパー
30と、小洗浄弁体7の枢着用アーム7a設けた枢軸31の
突起32との係合により規制され、作動レバー25の反時計
方向への回転による鎖24の引き上げでは上記枢軸31の突
起32が軸受け部29のストッパー30に衝突しないが、時計
方向の回転による鎖24の引き上げではその作動レバー25
の回転の途中で上記枢軸31の突起32が軸受け部29のスト
ッパー30に衝突するようになっている。
【0069】従って、この実施例では操作器具のレバー
ハンドルを反時計方向に回転操作すると、小洗浄弁体7
が大洗浄弁体5に形成された小洗浄弁座6から鎖24で引
き上げられて小洗浄弁bが開弁し、小洗浄が行われ(図
22参照)、レバーハンドルを時計方向に回転操作する
と、先ず小洗浄の場合と同様に小洗浄弁体7が大洗浄弁
体5に形成された小洗浄弁座6から鎖24で引き上げられ
て小洗浄弁bが開弁するが、作動レバーの回転が反時計
方向の回転のときより大きいため、途中で小洗浄弁体7
の枢着用アーム7aの枢軸31に設けた突起32が大洗浄弁体
5の枢着用アーム5aの軸受け部29に設けたストッパー30
に衝突し、以後はこの突起32とストッパー30との係合に
より小洗浄弁体7がその上方への回動に伴って大洗浄弁
体5を引上げることになるので、大洗浄弁aが開弁し、
大洗浄が行われる(図23参照)。
【0070】また、図24乃至26に示す第9の実施例は開
弁操作器具の作動レバーに取付けた1本の鎖24で直接小
洗浄弁体7と大洗浄弁体5を開弁作動させるもので、開
弁操作器具の作動レバーから垂下する鎖24が大洗浄弁体
5側及び小洗浄弁体7側の夫々に設ける鎖係止片33、34
に係止するようになっている。
【0071】上記大洗浄弁体5側及び小洗浄弁体7側夫
々の鎖係止片33、34は大洗浄弁体5に一体的に取付けら
れた第1の浮子9と小洗浄弁体7の相互に近接する箇所
に起立状に設けられて、上端を相互に対向する方向に折
り曲げててあり、この折り曲げ部分33a 、34a に鎖24が
挿通する孔35、36が形成されている。
【0072】大洗浄弁体5側の鎖係止片33の高さは小洗
浄弁体7側の鎖係止片34の高さより低くなっており、鎖
24には大洗浄弁体5側の鎖係止片33の孔35と小洗浄弁体
7側の鎖係止片34の孔36との間及び大洗浄弁体5側の鎖
係止片33の孔35を挿通して下方に延びる下端の2箇所に
ストッパー37、38を取付けてある。
【0073】従って、この実施例では開弁操作器具のレ
バーハンドルを反時計方向に回転操作すると、鎖に設け
た上位位置のストッパー37が小洗浄弁体7の鎖係止片34
の折り曲げ部34a に係止して小洗浄弁体7を引上げ、小
洗浄弁bを開弁する。(図25参照)
【0074】また、レバーハンドルを時計方向に回転操
作すると、先ず小洗浄の場合と同様に鎖24に設けた上位
位置のストッパー37が小洗浄弁体7の鎖係止片34の折り
曲げ部34a に係止して小洗浄弁体7を引上げ小洗浄弁b
を開弁させるが、作動レバーの回転が反時計方向の回転
のときより大きいため、鎖24は更に引き上げられ、その
下端部に設けたストッパー38が大洗浄弁体5の鎖係止片
33の折り曲げ部33a に係止して大洗浄弁体5を引上げる
ようになり、大洗浄弁aが開弁する(図26参照)。尚、
この実施例では上記操作器具と大、小洗浄弁体5、7を
連絡する鎖24とは別に浮子連結用の連結部材39を特別に
小洗浄弁体7に取付け、この連結部材39を介して第2の
浮子17が小洗浄弁体7に取付けられる。
【0075】次に図27乃至図38に示す第10の実施例は開
弁操作器具10の操作力を大洗浄弁体5及び小洗浄弁体7
に伝達する操作力伝達部材として1本のリードワイヤー
40を用い、開弁操作器具10の操作によりリードワイヤー
40を押し出して大洗浄弁体5及び小洗浄弁体7を押し上
げるようにしたもので、大洗浄弁体5及び小洗浄弁体7
の側縁部には夫々耳片状に突出形成したワイヤー受け部
41、42が設けられて、大洗浄弁体5のワイヤー受け部41
には孔43が開設され、この孔43の上方に小洗浄弁体7の
ワイヤー受け部42が位置するようになっており、タンク
本体1の側壁に取付けた開弁操作器具10から延びたリー
ドワイヤー40の先端が下方から上記孔43に臨んでいる。
【0076】リードワイヤー40はタンク本体1内に他の
器具の邪魔にならないように設けたパイプ状のワイヤー
ガイド40-1内を通して設けられており、上記大洗浄弁体
5のワイヤー受け部41の孔43に臨む先端部の若干下方に
は孔43の幅より大きな鍔44が設けられている。
【0077】一方、開弁操作器具10には大洗浄用と小洗
浄用とでリードワイヤー40の押し出し長さを二段階に切
り替える切り替え機構が設けられており、小洗浄用の操
作では押し出されたリードワイヤー40の先端が大洗浄弁
体5のワイヤー受け部41の孔43を通して小洗浄弁体7の
ワイヤー受け部42を押し上げ、小洗浄弁bを開弁させ
(図31参照)、大洗浄用の操作では小洗浄用操作時より
リードワイヤー40が更に押し出されてその鍔部44が大洗
浄弁体5のワイヤー受け部41を押し上げ、大洗浄弁aを
開弁させる(図34参照)ことができるようになってい
る。
【0078】即ち、上記開弁操作器具10はタンク本体1
の側壁に貫通状に取付けてワイヤーガイド43の後端を連
結する筒状のケーシング45と、該ケーシング45に貫通状
に設けられ内端をリードワイヤー40の後端に回転自在に
連結すると共に外端には操作ハンドル46を有する操作ロ
ッド47とを備えるもので、上記ケーシング45の後端面に
スリット状の孔48を開穿する一方、操作ロッド47のケー
シング45より外側に突出した部分に上記孔48と同じ形状
で通常は孔48に直交する方向を向き、ロッド47を90度回
転させると孔48に整合する方向を向くようにストッパー
49を設けてあり、通常の押し込み操作では所定の押し込
み長さで、ストッパー49が孔48に引っ掛かってロッド47
のそれ以上の押し込みを規制し(図32、図33参照)、操
作ロッド47を90度回転させた状態での押し込みではスト
ッパー49の引っ掛かりによる規制が解除されてロッド47
の更に奥までの押し込みを可能にするようになっている
(図35、図36参照)。尚、図中50は操作後、操作ロッド
47及びリードワイヤー40を元の位置に復帰させるための
バネである。
【0079】リードワイヤー40の押し出し長さを二段階
に切り替える切り替え機構は図37、図38に示すような構
造となすこともできる。即ち、リードワイヤー40に連結
した操作ロッド47をタンク本体1外部に所定長さ引き出
しておく一方、操作ロッド47突出部近傍のタンク本体1
側壁に裏面をテーパー面51に形成した操作ハンドル46を
そのテーパー面51が操作ロッド47の突出端部に対向当接
するように取付ける。
【0080】操作ハンドル46のハンドル軸52はタンク本
体1の側壁にとり付ける軸受け80に対して回動自在とな
して、軸受け80に形成する切り欠き53とハンドル軸52に
設ける突起54との係合によりハンドル46の回転をその回
転角度が時計方向の回転と反時計方向の回転で異なるよ
うに規制することにより、ハンドル46の時計方向の回転
操作と反時計方向の回転操作ではリードワイヤー40の押
し出し長さが異なるようにする。
【0081】以上説明した実施例は、いずれも第2の浮
子17を小洗浄弁体7とは別体に設けたものであるが、小
洗浄弁体7と第2の浮子17とを一体化して小洗浄弁体7
が第2の浮子17を兼用するようになすことも可能であ
る。その実施例を図39以下に示す実施例を参照して説明
する。
【0082】図39に示す第11実施例は小洗浄弁体7が第
2の浮子17を兼用するようになす以外は第1実施例のも
のと全く同じ構造のものとなっている。この実施例にお
いて小洗浄弁体7は、オーバーフロー管連結部3aへの枢
着用アーム7aを除く部分をほぼ円筒状に形成し、その上
部一部分を中空状となすと共に、該中空部部以外を中実
となすことにより弁体7に浮力部55を一体に形成してあ
り、その頂面中央部に開閉操作器具から垂下する第2の
鎖16を連結している。
【0083】上記浮力部55は第2の浮子17に代わって小
洗浄弁bの閉弁を制御するためのものであり、小洗浄弁
座6よりかなり上方、即ち第1実施例における第2の浮
子17と同程度の高さ位置に存在する必要があり、そのた
め、上記中実に形成されている部分56の高さ方向寸法は
第1実施例における第2の鎖16の下方への移動を防止す
るストッパー57から鎖16の下端までの長さにほぼ相当す
る長さに形成されている。
【0084】このように小洗浄弁体7が第2の浮子17を
兼用するような構造となすことにより、排水装置の構造
が簡単になり、部品点数及び組付けの手間が減じる。
尚、製造上などの問題により中実部分56を十字状等の支
持脚に代えることも可能である。
【0085】次に図40に示す第12実施例は、小洗浄弁体
7の設置高さに対して大洗浄弁体5の高さ寸法を大きく
して、その上面に設ける小洗浄弁座6の位置を高くする
ことにより小洗浄時の止水水位を高い位置に設定したも
のであり、小洗浄弁体7を半球状の中空体に形成するこ
とにより小洗浄弁7に浮力部55を一体に備えており、そ
の平面部に形成された環状の突起7bで小洗浄弁座6に対
応するようになっている。また、この実施例では第4実
施例同様大洗浄弁体5を中空のフロート22により形成し
て小洗浄弁体7のみならず大洗浄弁体5も第1の浮子を
兼用するようになっているが、別途浮子を設けるように
してもよい。
【0086】この実施例のように小洗浄弁座6を備える
大洗浄弁体5の高さ寸法を大きくして小洗浄時の止水水
位を高い位置に設定することにより、小洗浄時における
止水水位の確保が一層正確になる。図において57は小洗
浄弁体7の昇降を案内するガイドである。尚、小洗浄弁
体は前記各実施例と同様に枢着用アームを設けて、排水
弁本体のオーバーフロー管連結部等に枢着するようにし
てもよい。
【0087】次に図41及び図42に示す第13実施例は、前
記第12の実施例と同様に、小洗浄弁体7と大洗浄弁体5
の双方が夫々第2、第1の浮子を兼用し、大洗浄弁体5
の高さ寸法を大きくしてその上面に設けられる小洗浄弁
座6の位置を高くすることにより小洗浄時の止水水位を
高い位置に設定するものであるが、この実施例では一つ
の開弁操作器具10、一つの操作力伝達部材58で、大洗浄
弁a及び小洗浄弁bの双方の開弁を操作することができ
るようになっている。
【0088】即ち、大洗浄弁体5は中空な半球体からな
るフロート22により構成されてその球面部で大洗浄弁座
4に対応するようになっており、中央部にはこれを厚さ
方向に貫通して壁に囲まれた開口59が設けられている。
この開口59は基本的には円形の孔であるがその軸方向中
間部にはリング状の溝60が形成されており、この溝60か
ら弁体5上面に亘って一対の対向する縦溝61が形成され
ている。
【0089】一方、小洗浄弁体7は大洗浄弁体5の平面
部とほぼ同じ大きさの円板の上面を半球状に膨出させて
浮力部55を構成する中空部を一体に形成してあり、円板
下面に形成した環状の突起7bで大洗浄弁体5の上面に開
口59を囲んで形成される小洗浄弁座6に対応するように
なっている。尚、上記環状の突起7bは当然その内径がリ
ング状の溝60の外径より大径に形成されている。
【0090】そして、上記小洗浄弁体7には半球状に形
成された浮力部55の頂部に操作ロッド58が立設され、こ
の操作ロッド58はタンク本体1の天井を貫通してタンク
本体1の外部に突出し、突出端部にハンドル62を取付け
る。
【0091】また、小洗浄弁体7の下面中央には逆T字
形の大洗浄弁体係止部63が垂設されており、この大洗浄
弁体係止部63はその垂直部63a が大洗浄弁体5の縦溝61
の長さに対応し、水平部63b がリング状溝60の径に対応
する長さに形成されている。上記大洗浄弁体係止部63は
小洗浄弁b閉弁時においては大洗浄弁体5の開口59内に
収められており、水平部63b が大洗浄弁体5の縦溝61に
整合しているか、リング状の溝60に係合している。
【0092】従って、水平部63b が大洗浄弁体5の縦溝
61に整合している状態(図41参照)でハンドル62を持っ
て操作ロッド58を引き上げれば小洗浄弁体7が引き上げ
られて小洗浄弁bが開弁する。また、ハンドル62を回し
て水平部63b がリング状の溝60に係合する状態(図42参
照)にして操作ロッド58を引き上げれば、両者63b 、60
の係合により大洗浄弁体5が小洗浄弁体7と共に引き上
げられ、大洗浄弁aが開弁する。各洗浄弁a、bの閉弁
は、タンク本体1内の水位が下降し、弁体5、7の浮力
が低下するとその浮力の低下に伴って弁体5、7が下降
して弁座4、6に着座することにより行われる。
【0093】ここまでに説明した全ての実施例は大洗浄
弁体に小洗浄弁座を形成することにより大洗浄弁体と小
洗浄弁体を重ねて同軸上に設けたものであるが、図43に
示す第15実施例、図44に示す第16実施例のように大洗浄
弁と小洗浄弁を上下に適当な間隔を設けて配置するよう
になすことも可能である。
【0094】図43に示す第15実施例は、大洗浄弁座4が
洗浄弁本体3のタンク本体1内に突出して斜めに開口す
る開口部の開口縁により形成される一方、小洗浄弁座6
が上記大洗浄弁座4の若干下方からL字状に突出するオ
ーバーフロー管連結部3aに連結されて上方に延びるオー
バーフロー管3bの途中に突出状に形成されており、両弁
座4、6は上下に適当な間隔を有して同軸上に配置され
ている。
【0095】そして、大洗浄弁体5は洗浄弁本体3に一
体に突設されたオーバーフロー管連結部3aに枢着アーム
5aを介して枢着され、小洗浄弁体7はオーバーフロー管
に枢着用アーム7aを介して枢着されている。
【0096】上記大洗浄弁体5には前述の第1実施例同
様、枢着用アーム5aが延びる側とは反対側に第1の浮子
9が取り付けられて、該浮子9取り付け部分に開弁操作
器具10の大洗浄用作動レバー11から延びる第1の鎖8が
連結されており、小洗浄弁体7にはその上面中央部に開
弁操作器具10の小洗浄用作動レバー15から延びる第2の
鎖16が連結され、該第2の鎖16の途中に第2の浮子17が
取り付けられている。上記開弁操作器具10及びその他の
構造は第1実施例と同じである。
【0097】而して、この実施例は第1実施例とほとん
ど同様に作動するが、各弁a、bは全く独自に作動し、
大洗浄弁a開弁時に小洗浄弁bも同時に作動させられる
ことはない。
【0098】また、図44に示す第16実施例は、大洗浄弁
a及び小洗浄弁bの配置関係は上記第15実施例と同じで
あるが、小洗浄弁体7全体を中空リング状のフロートに
形成し、それ自体が第2の浮子としての機能を有するよ
うに構成して、前述の第11実施例や第12実施例のように
小洗浄弁体7が第2の浮子を兼用するようになし、第2
の浮子の省略による部品点数の削減と、組み立ての簡略
化を図っている。
【0099】尚、この実施例や上記第15実施例のように
大洗浄弁と小洗浄弁を上下に離して設けるものは、第14
実施例までに説明した実施例に比べて排水装置全体とし
てのの大きさが若干大きくなるのは避け難いが、各弁
a、bが全く独自に作動して、小洗浄弁体7の重さや浮
力が大洗浄弁体5に何等の影響を与える恐れもないた
め、各弁a、bの設計の自由度は高くなる。
【0100】次に図45乃至図48に示す第16実施例は一つ
の弁体65で小洗浄弁体と大洗浄弁体を兼用し、且つ浮子
をも兼用するようにしたものである。従って、この実施
例においては弁座66も大洗浄弁座と小洗浄弁座を兼用す
る一つの弁座66を有するだけで、この弁座66はタンク本
体の底部に該部を貫通する状態に取り付けられてタンク
本体外部で排水管に接続される洗浄弁本体3のタンク本
体内に突出する開口縁により構成してある。
【0101】一方、大小兼用の弁体65は、ほぼ円筒を軸
方向に1/4分割した形状に形成され、且つその周方向
の一端には中空ブロック状の浮力部55が一体に形成され
ており、排水弁本体3に一体的に立設されたオーバーフ
ロー管67を中心にして右側に浮力部55が位置し、且つ軸
芯が弁座66及びオーバーフロー管67双方の中心を通るよ
うに弁座66上に載置された状態に配置されている。
【0102】この弁体65のオーバーフロー管67に近接す
る軸方向側縁の中央部には軸芯に向かって垂直に起立す
る枢着用アーム68が、また反対側の軸方向側縁の中央部
には軸芯と平行に水平に延びる鎖取付けアーム69が夫々
設けられており、枢着用アーム68を介してオーバーフロ
ー管67に振り子状に回動可能に枢着されると共に鎖取付
けアーム69には開閉操作器具から垂下する鎖70が連結さ
れている。尚、上記弁座66は弁体65の曲面に倣うように
湾曲している。従って、上記弁体65は弁座66に摺動して
時計方向、反時計方向に回動可能となる。
【0103】開閉操作器具10は図面では省略して示して
いるが、第7の実施例において説明した操作器具10と実
質的に同一の構造を備えるものである。
【0104】従って、作動レバー25の時計方向の回転操
作により弁体65は弁座66上を時計方向(図において左
側)に回転して弁座66から外れ弁が開くが、浮力部55は
弁体65の最も下方に位置するようになる。この状態でタ
ンク本体内の水が排水され、水位が浮力部55の位置、即
ちタンク本体内の低い位置まで下降すると浮力部55の浮
力が無くなり、弁体65は反時計方向に回動して元の位置
に戻り弁を閉止する。即ち、この場合には大洗浄用とし
て大量の水を流すことができる(図47参照)。
【0105】また、作動レバー25の反時計方向の回転操
作により弁体65は弁座66上を反時計方向(図において右
側)に回転して弁座66から外れ弁が開くが、浮力部55は
弁体65の最も上方に位置するようになる。この状態でタ
ンク本体内の水が排水され、水位が浮力部55の位置、即
ちタンク本体内の比較的高い位置まで下降すると浮力部
55の浮力が無くなり、弁体65は時計方向に回動して元の
位置に戻り弁を閉止する。即ち、この場合には小洗浄用
として比較的少量の水を流すことになる(図48参照)。
【0106】この実施例のように一つの弁、一つの操作
力伝達部材で大洗浄、小洗浄を行えるようにすれば、一
定の大洗浄流量、小洗浄流量を流すことができる排水装
置であるにも拘らず、従来の排水弁を一つしか備えず、
一定の大洗浄流量しか流すことができない排水装置とほ
ぼ同じ大きさとすることが可能となる。
【0107】
【効果】本発明は以上のように構成したので、下記する
ような効果を奏する。 (1).大洗浄弁と小洗浄弁とを同軸に配設したので、
排水装置全体の横幅が小さくなり、大量排水用の大洗浄
弁と少量排水用の小洗浄弁の二つの弁を備えるにも拘ら
ず、タンク内での排水装置が占めるスペースが小さいの
でタンクを小型化することができる。また、大洗浄弁、
小洗浄弁の双方をボールタップの吐水位置から離れた所
に配置することが可能になり、吐水による波浪や飛沫の
勢いで、浮子が揺動し、タンクの水位が不安定になった
り、洗浄弁の閉止が不確実になるような不都合が生じな
い。
【0108】(2).請求項2のタンク装置は、小洗浄
弁の弁体が、小洗浄弁の閉弁水位を検知してその閉弁を
制御する浮子を兼用するようにしたので、部品点数が少
なくなり、組み立ても簡単で、排水装置のコンパクト化
が一層促進され、それだけタンクの小型化も可能にな
る。また、作動も安定する。
【0109】(3).小洗浄弁の弁体と大洗浄弁の弁体
を上下に重ねて設けたことを特徴とする請求項3のタン
ク装置は、排水装置の一層小型化によりタンクの小型化
も一層促進される。
【0110】(4).小洗浄弁体が小洗浄弁の開弁を操
作する開弁操作器具からの操作力の伝達に基づいて大洗
浄弁体を弁座側に押圧する手段を備える請求項4のタン
ク装置は大洗浄弁体に設ける小洗浄弁座をゴム等粘着性
のある材料で形成しても、小洗浄弁開弁時に大洗浄弁体
が小洗浄弁に粘着して小洗浄弁と一緒に引き上げられて
しまうような恐れがなく、確実な作動が得られる。
【0111】(5).請求項5のタンク装置は、一箇所
の操作部の操作で大洗浄弁と小洗浄弁の双方の開弁を操
作するようにしたので、開弁操作装置及び操作部が場所
を取らず、タンクの小型化に有利であり、外観もスッキ
リしたものになる。
【0112】(6).請求項7のタンク装置は、開弁操
作器具と洗浄弁、小洗浄弁を一つの操作力伝達部材で連
係せしめたので、タンク内がすっきりして操作力伝達部
材同志が絡み合うなどの作動状の問題がなく、操作力伝
達部材が占めるスペースも節約され、排水装置及びタン
クの小型化及び作動の安定化に有利である。
【0113】(7).請求項8のタンク装置は、小洗浄
弁の弁体が小洗浄弁の閉弁水位を検知してその閉弁を制
御する浮子を兼用するものにおいて、小洗浄弁体の高さ
方向の寸法を大きく形成して、その上部に浮力部を形成
することにより、小洗浄時の止水水位を大洗浄弁の止水
水位より高い位置に設定するので、簡単な構成で小洗浄
時における止水水位の確保ができる。
【0114】(8).請求項9のタンク装置は、小洗浄
弁の弁体が小洗浄弁の閉弁水位を検知してその閉弁を制
御する浮子を兼用するものにおいて、小洗浄弁体を備え
る大洗浄弁体の高さ寸法を大きくすることにより、小洗
浄弁の弁座の位置を高くし、ひいてはこの小洗浄弁座に
接離する小洗浄弁が兼用する浮子の位置を高くしたの
で、小洗浄時の止水水位の確保が一層正確になる。
【0115】(9).請求項10のタンク装置は、小洗浄
弁と大洗浄弁を一つの弁座と一つの弁体により兼用する
ので、洗浄弁が極めてコンパクトになり、開弁操作器具
の操作部及び開弁操作器具と洗浄弁を連絡する操作力伝
達手段も一つでよいので、タンクの小型化を大幅に促進
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す便器洗浄タンク装置
のタンク本体を縦断して示す正面図。
【図2】主要な構成要素である洗浄弁を拡大して示す断
面図。
【図3】作動状態を示す正面図で小洗浄時の状態を示し
ている。
【図4】作動状態を示す正面図で大洗浄時の状態を示し
ている。
【図5】開弁操作器具を拡大して示す断面図。
【図6】図5の(6)−(6)線拡大断面図。
【図7】第2実施例を示す要部の断面図。
【図8】作動状態を示す断面図。
【図9】第3実施例をタンク本体を縦断して示す正面図
で、小洗浄時の状態を示している。
【図10】同正面図で、大洗浄時の状態を示している。
【図11】第4実施例を示す要部の断面図。
【図12】第5実施例を示す要部の断面図で、所定の排水
量を排水して大洗浄弁が閉弁したときにおける浮子の状
態を示している。
【図13】同断面図で、所定の排水量以上が排水されてタ
ンクが空になったときの第2の浮子の状態を示してい
る。
【図14】第6の実施例を示す要部の断面図。
【図15】第7実施例をタンクを縦断して示す正面図。
【図16】図15の(16)−(16)線拡大断面図。
【図17】要部の拡大断面図。
【図18】同断面図で、小洗浄時の状態を示す。
【図19】同断面図で、大洗浄時の状態を示す。
【図20】第8実施例を示す要部の断面図。
【図21】要部を更に拡大して示す断面図で、閉弁状態を
示している。
【図22】同断面図で、小洗浄時の状態を示す。
【図23】同断面図で、大洗浄時の状態を示す。
【図24】第9実施例を示す要部の断面図。
【図25】同断面図で、小洗浄時の状態を示している。
【図26】同断面図で、大洗浄時の状態を示している。
【図27】第10実施例を示す要部の正面図
【図28】部分拡大平面図。
【図29】図28の(29)−(29)線断面図で、閉弁状態を
示している。
【図30】図28の状態における開閉操作器具の状態を示す
開閉操作器具の断面図で一部拡大して示している。
【図31】図28の(29)−(29)線断面図で、小洗浄時の
状態を示している。
【図32】図31の状態における開閉操作器具の状態を示す
開閉操作器具の断面図。
【図33】図32の(33)−(33)線拡大断面図。
【図34】図28の(29)−(29)線断面図で、大洗浄時の
状態を示している。
【図35】図34の状態における開閉操作器具の状態を示す
開閉操作器具の断面図。
【図36】図35の(36)−(36)線拡大断面図。
【図37】開閉操作器具の他の実施例を示すもので、
(a)は大洗浄弁、小洗浄弁が共に閉弁している状態を
示す一部縦断正面図、(b)は(a)の(37)−(37)
線断面図。
【図38】同実施例を示す一部縦断正面図で、(a)は洗
浄弁開弁時の状態を示し大洗浄時の状態を実線で、小洗
浄時の状態を仮想線で示している。また、(b)は
(a)の(38)−(38)線断面図。
【図39】第11実施例を示す要部の断面図。
【図40】第12実施例を示す要部の断面図。
【図41】第13実施例を示す図面で、(a)は小洗浄可能
にセットした状態を示す断面図、(b)は(a)の(4
1)−(41)線断面図。
【図42】同実施例を示す図面で、(a)は大洗浄可能に
セットした状態を示す断面図、(b)は(a)の(42)
−(42)線断面図。
【図43】第14実施例をタンク本体を縦断して示す正面
図。
【図44】第15実施例をタンク本体を縦断して示す正面
図。
【図45】第16実施例を示す要部の断面図で閉弁状態を示
している。
【図46】図45の(44)−(44)線断面図。
【図47】大洗浄時の状態を示す断面図。
【図48】小洗浄時の状態を示す断面図。
【符号の説明】 1:タンク本体 4:大洗浄弁
座 5:大洗浄弁体 6:小洗浄弁
座 7:小洗浄弁体 8:第1の鎖
(操作力伝達部材) 9:第1の浮子 10:開弁操作
器具 16:第2の鎖(操作力伝達部材) 17:第2の浮
子 19:レバーハンドル(開閉操作器具の操作部) 21:梃(大洗浄弁体を押圧する手段) 24:鎖(操作力伝達部材) 33:鎖係止片(係止部) 34:鎖係止片(係止部) 37:ストッパー(係止部) 38:ストッパー(係止部) 40:リードワイヤー(操作力伝達部材) 46:ハンドル(開閉操作器具の操作部) 55:浮力部 58:操作ロッド(操作力伝達部材) 60:リング状溝(係合部) 61:縦溝(係合部) 62: ハンドル(開弁操作器具の操作部) 63:大洗浄弁体係止部(係合部) 65:弁体(大洗浄弁体、小洗浄弁体兼用) 66:弁座(大洗浄弁座、小洗浄弁座兼用) 70:鎖(操作力伝達部材) a:大洗浄弁 b:小洗浄弁
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図30
【補正方法】変更
【補正内容】
【図30】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図31
【補正方法】変更
【補正内容】
【図31】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図32
【補正方法】変更
【補正内容】
【図32】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図34
【補正方法】変更
【補正内容】
【図34】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図35
【補正方法】変更
【補正内容】
【図35】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図39
【補正方法】変更
【補正内容】
【図39】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図40
【補正方法】変更
【補正内容】
【図40】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図41
【補正方法】変更
【補正内容】
【図41】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図42
【補正方法】変更
【補正内容】
【図42】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年5月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図41
【補正方法】変更
【補正内容】
【図41】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 吉喜 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 合田 智一 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】洗浄水を貯溜するタンク本体、タンク本体
    に設けられて夫々タンク本体内の水を排出する大洗浄弁
    と小洗浄弁、大洗浄弁及び小洗浄弁に連係してこれら洗
    浄弁の開弁を操作する開弁操作器具を備え、大洗浄弁及
    び小洗浄弁が共にその弁体に付与された浮力を利用して
    閉弁水位を検知してその閉弁を制御する便器洗浄タンク
    装置において、少なくとも小洗浄弁の弁体が該弁体とは
    別体に設けられて弁体と連係する浮子により浮力を付与
    されて、該浮子に追従して閉弁動作し、且つ上記大洗浄
    弁と小洗浄弁とが同軸に配設されていることを特徴とす
    る便器洗浄タンク装置。
  2. 【請求項2】洗浄水を貯溜するタンク本体、タンク本体
    に設けられて夫々タンク本体内の水を排出する大洗浄弁
    と小洗浄弁、大洗浄弁及び小洗浄弁に連係してこれら洗
    浄弁の開弁を操作する開弁操作器具を備え、大洗浄弁及
    び小洗浄弁が共にその弁体に付与された浮力を利用して
    閉弁水位を検知してその閉弁を制御する便器洗浄タンク
    装置において、少なくとも小洗浄弁の弁体が該弁体と一
    体に浮子部分を備えて、該浮子部分により浮力を付与さ
    れており、且つ上記大洗浄弁と小洗浄弁とが同軸に配設
    されていることを特徴とする便器洗浄タンク装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載の便器洗浄タ
    ンク装置において、小洗浄弁の弁座を大洗浄弁の弁体に
    形成して小洗浄弁の弁体と大洗浄弁の弁体を上下に重ね
    て設けたことを特徴とする便器洗浄タンク装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の便器洗浄タンク装置におい
    て、小洗浄弁体が小洗浄弁の開弁を操作する開弁操作器
    具からの操作力の伝達に基づいて大洗浄弁体を弁座側に
    押圧する手段を備えることを特徴とする便器洗浄タンク
    装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の
    便器洗浄タンク装置において、洗浄弁の開弁を操作する
    開弁操作器具が一個所の操作部の操作により、大洗浄弁
    及び小洗浄弁夫々の開弁を操作することを特徴とする便
    器洗浄タンク装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の
    便器洗浄タンク装置において、開弁操作器具が二つの操
    作力伝達部材により大洗浄弁体及び小洗浄弁体に各別に
    連係していることを特徴とする便器洗浄タンク装置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の
    便器洗浄タンク装置において、開弁操作器具が一つの操
    作力伝達部材により大洗浄弁体及び小洗浄弁体に連係し
    ていることを特徴とする便器洗浄タンク装置。
  8. 【請求項8】請求項2記載の便器洗浄タンク装置におい
    て、小洗浄弁の弁体が、該弁体と一体に形成された浮子
    部分を弁体の小洗浄弁の弁座への着座部より上方に離れ
    た位置に備えることを特徴とする便器洗浄用タンク装
    置。
  9. 【請求項9】請求項2記載の便器洗浄タンク装置におい
    て、小洗浄弁の弁座を大洗浄弁の弁体に形成して小洗浄
    弁の弁体と大洗浄弁の弁体を上下に重ねて設けると共に
    大洗浄弁の弁体の厚さ方向寸法を大きく形成して、その
    上面に形成される小洗浄弁の弁座の高さ位置を大洗浄弁
    の弁座の高さ位置より上方に離して位置せしめたことを
    特徴とする便器洗浄用タンク装置。
  10. 【請求項10】請求項2記載の便器洗浄タンク装置におい
    て、大洗浄弁と小洗浄弁が一つの弁座と弁体により兼用
    され、且つ弁体が閉弁水位を検知する浮子部分を一体に
    備えることを特徴とする便器洗浄タンク装置。
  11. 【請求項11】請求項7に記載の便器洗浄タンク装置にお
    いて、操作力伝達部材が小洗浄弁体に連結され、小洗浄
    弁体が所定の動作範囲を越える動作により上記操作力伝
    達部材により伝達される操作力を大洗浄弁体に伝達可能
    に大洗浄弁体に連係されていることを特徴とする便器洗
    浄タンク装置。
  12. 【請求項12】請求項7に記載の便器洗浄タンク装置にお
    いて、操作力伝達部材が開弁操作器具の操作により上方
    へ引き上げられるように構成され、該操作力伝達手段と
    大洗浄弁体及び小洗浄弁体には操作力伝達手段の引き上
    げ距離が所定範囲までの距離であるときには操作力伝達
    手段が小洗浄弁体にのみ係止してその操作力を小洗浄弁
    体に伝達し、所定範囲を越す距離であるときには操作力
    伝達手段が少なくとも大洗浄弁体に係止してその操作力
    を大洗浄弁体に伝達する係止部が設けられることを特徴
    とする便器洗浄タンク装置。
  13. 【請求項13】請求項7に記載の便器洗浄タンク装置にお
    いて、操作力伝達部材が開弁操作器具の操作により上方
    に押し上げられ、その押し上げ距離が所定範囲までの距
    離であるときには小洗浄弁体をその弁座から押し上げ、
    所定範囲を越す距離であるときには少なくとも大洗浄弁
    体をその弁座から押し上げるように構成されていること
    を特徴とする便器洗浄タンク装置。
  14. 【請求項14】請求項7に記載の便器洗浄タンク装置にお
    いて、小洗浄弁の弁体と大洗浄弁の弁体とが小洗浄弁の
    弁座を大洗浄弁の弁体に形成することにより上下に重ね
    て設けられ、操作力伝達部材が開弁操作器具の操作によ
    り軸心を中心にする回動と上方への引き上げが選択的に
    行われて、回動時にはその回動力を、引き上げ時には引
    き上げ力を小洗浄弁体に伝達し、小洗浄弁体と大洗浄弁
    体には小洗浄弁体の回転角度に応じて係脱する係合部を
    設けたことを特徴とする便器洗浄タンク装置。
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