明 細 書 血液凝固能測定キット 技術分野
本発明は血液凝固能測定に使用しゔる、 あるいは、 血液凝固系に作用を有する 薬剤の選択に使用しうる、 血液中の活性化プロテイン C (Activated Protein C, 以下 AP Cと略す)量の測定方法および当該方法を利用した測定キットに関する。 また、 前記測定方法、 キットに使用しうるプロテイン Cァクチべーシヨンべプチ ド (Protein C Activation Peptide:以下 P C Pと略す。 に特異的な抗体、 該抗体の 製造方法、 該抗体の製造に用いる抗原ペプチドに関する。 背景技術
生体内の血液凝固 ·線溶系には多数の因子が関与し、 通常、 バランスが保たれ ている。 しかしながら、 ひとたび、 凝固系と線溶系とのバランスが崩れて凝固系 が亢進すると、 汎発性血管内血液凝固症 (D i s s emi n a t e d I n t r a v a c u 1 a r Co agu l a t i on, 以下 D I Cと略す) や血栓症等、 重篤な疾患を引き起こす。
現在、 抗凝固 '抗血栓作用を有する薬剤としては、 ヮ一フアリンのようなビ夕 ミン K阻害剤、 メシル酸ガべキセートのようなセリンプロテアーゼ阻害剤、 アル ガトロバンのような低分子トロンビン阻害剤、 活性化第 X因子阻害剤、 アンチト ロンピン m (以下 ΑΤΠΙと略す) 、 へパリン、 低分子へパリン、 トロンポモジュ リン、 プロテイン C等が使用または研究開発されている。 凝固に係わる因子は多 数存在し、 個人や病態によって、 これら薬剤に対する反応性が異なることが考え られる。 D I Cや血栓症には迅速な処置が要求されることを考慮すると、 種々の 特徴を有する薬剤を開発することが必要であると同時に、 その患者にとって最適 の薬剤を的確に選択し、 的確なタイミングで投与することが必要となる。
現在、 血液の凝固能を測定する方法として、 活性化部分トロンポプラスチン時 間 (以下 APTTと略す) やプロトロンビン時間 (以下 PTと略す) 等、 血液凝 固にかかる時間を測定して、 血液の凝固能を総合的に判断する方法が一般的であ
る。 また、 合成基質を利用し、 トロンビン活性量も測定することも可能である。 しかしながら、 生体内で、 凝固カスケードの負のフィードバックを担うプロティ ン Cについては、 その生理作用の重要性にもかかわらず、 血液の生理的状況を反 映した条件下で簡便に測定する方法が知られていない。 さらには、 既存薬では勿 論のこと、 活性化第 X因子阻害剤、 トロンポモジュリン、 等々、 研究開発段階の 薬剤において、 A P T Tなどに代表される従来の血液凝固能測定方法では、 薬効 としての血液凝固能への影響を鋭敏に捕らえることが十分ではなく、 副作用の把 握程度にしか使えないと言われてきている。 これらの薬剤の薬効領域での感受性 を測定する手段が切望されている。
従来プロテイン Cの測定方法としては、 抗プロテイン C抗体を使用して血液か らプロテイン Cを分離したのち、 トロンビン · トロンポモジュリン複合体によつ て A P Cに転換させ、合成基質を使用して活性を測定する方法 (Thid W.等、 Blut, 1986, 52, 169-177) 、 プロテイン C欠乏血漿にサンプルとなる血漿を添加し、 蛇 毒等のプロテイン Cァクティべ一夕一で活性化して A P T Tを測定する方法など が知られいる。 また、 グルーバー (Gruber A. 等、 Bl ood, 73, 639-642, 1989) は、 血液中のプロテイン Cインヒビ夕一 (Protein C Inhibi tor;以下 P C Iと 略す) と A P Cが複合体を形成するのを抑制するために、 ベンザミジンとクェン 酸を添加して、 抗プロテイン Cモノクローナル抗体で検出する方法を開示してい る。 しかしながら、 いずれの方法も感度、 再現性、 簡便性等の点で問題があった。 特許第 2 6 7 3 6 8 8号にはトロンビンおよびトロンポモジュリンを加えて血漿 中のプロテイン Cを活性化させ、 AT DL 低分子トロンビン阻害剤を加え、 合成 ペプチド基質を加えて A P C活性を測定する方法が開示され、 特許第 2 6 8 3 9 0 0号には、 a ) プロテイン C活性化物質、 b ) Α Τ ΠΙ、 c ) 低分子量トロンビ ン阻害剤、 d ) 合成ペプチド基質より構成されるプロテイン C測定キットが開示 されている。 この特許技術は、 ΑΤ ΙΠと低分子トロンビン阻害剤を使用すること で、 血液中の P C Iや、 合成基質に作用する妨害物質の作用を阻害することによ り、 血漿よりプロテイン Cを分離することなくプロテイン Cを測定しょうとする ものである。 しかし、 この方法は、 外因的にトロンビンを加えているため、 必ず しも生理的な条件における潜在的な A P C量を測定しているとはいえない。
また、 抗原量により APCを測定する方法も多数報告されている。 例えば、 特 開平 7— 209293号公報には抗 A PC抗体を固相化し、 APCに対する可逆 的プロテア一ゼ阻害剤の存在下でサンプルを添加し、 該阻害剤を除去後、 APC に対する蛍光基質を添加して、 蛍光強度で AP C量を定量する方法が記載されて いる。 特許第 2749619号には、 APC— PC I複合体を、 それぞれに対す る抗体を使用したサンドイッチ法にて測定する方法が記載されている。 しかし、 血液中の APCは PC Iに結合するのみでなく、 —アンチトリプシンとも複合 体を形成することを考慮すると、 A P C— P C I複合体を測定するのみでは血中 の A PC量を正確に測定したとはいえない。
バウヮ一(Bauer)等は、 プロテイン Cが AP Cに変換される際に切り出される ペプチド、 プロテイン Cァクチべーシヨンペプチド (Protein C Activation Peptide:以下 PC Pと略す) の抗原量を R I Aによって測定し、それにより AP C産生量を測定する方法を開示している (Bauer 等、 Journal of Clinical Investigation, 24, 2033— 2041、 1984および Bauer KA等、 Blood、 21、 1418-1426、 1988) 。 この抗体は P Cに対する親和性は P C Pに対する親和性の 1 Z 2000 であったが、 血中の他の蛋白質と交叉反応することも示唆されたため、 血液中か ら P C Pを分離する工程が必要であり、 この抗体で血液中の P C Pを直接測定す ることには成功していない。 寺尾らは、 合成した PC Pに対するポリクロ一ナル 抗体を作成し、 競合法により E I Aで PC Pを検出した例を示している (寺尾俊 彦ら、 血液と脈管、 19巻 5号、 122、 1988年) が、 血漿中の P C Pを直接測定可能 なほど十分な特異性が認められず、 測定は、 フィルタ一を使用して血液を分子量 でわけ、 プロテイン C画分を除いたサンプルにて実施している。 これらはいずれ も、 操作の煩雑性が問題である。
以上のように、 生理的条件下で血液中の A PC量を測定する方法、 特に薬剤の スクリーニングや薬剤に対する患者の感受性をスクリ一ニングするために使用し うる AP C量の測定方法は、 未だ確立されていない。 発明の開示
本発明は、 血液中の AP C量を被験者の血液の状態を反映した生理的条件下で
測定する方法を提供することを目的とする。 本発明の他の目的は、 血液中の AP C量に影響を与える薬剤をスクリーニングする方法、 目的とする薬剤に対する患 者の感受性をスクリーニングする方法、 これら測定方法およびスクリーニング方 法において使用可能な測定キットを提供することを目的とする。
血液中に存在する、 生理活性を有する APCの量をとらえるには、 生理的条件 下で血液中の APCの活性を測定することが確実である。 しかしながら、 血液中 には、 もともと生理的阻害物質である PC Iが存在すること、 公知の合成基質は 血液凝固カスケードが活性化された場合、 多量に産生されるトロンビンとも親和 性を有するため、 APC活性を指標にした合成基質法による測定系では、 APC 量を正確に反映することは不可能と考えられてきた。 本発明者らは、 血液中から APCを分離することなく、 血液中の生理活性を有する A P Cの量を測定する方 法を確立すべく、 鋭意研究を重ねてきた。 その結果、 意外にも、 APCと血液中 のインヒビ夕一との複合体の形成前の反応時点を知ること、 簡易には反応時間を 調節することで、 血中のインヒビ夕一の影響を受けることなく APC活性が測定 できることを見いだした。 一方、 プロテイン Cが APCに変換される際に切り出 される P C P抗原とのみ結合し、 プロテイン Cおよび AP Cと交叉反応を示さな い抗体の作成にも成功し、 この抗体を使用して、 P CP抗原量から血液中の AP C産生量を測定する方法をも見いだした。 さらに、 D I C、 D I Cへの進行途中 段階であるプレ D I C状態の把握において、 血液凝固能を A PC産生量で測定す ることは、 従来の凝固能測定方法に比して、 状況を鋭敏に捉えることができるこ とを見出した。 さらにまた、 APC産生量で血液凝固能を評価をすると、 活性化 第 X因子阻害剤、 トロンポモジュリンで、 APTTあるいは PT法による評価よ りもはるかに低容量で、 すなわち、 治療容量において、 これらの治療薬の感受性 測定ができることも見出した。 ·
本発明の測定方法では、 被験者の血漿中の A PC産生量を、 血漿で直接測定す ることができる。 APCの産生量は、 トロンビン量およびプロテイン C量を反映 し、 トロンビン量は、 種々の凝固因子の影響を受けるものであるから、 本法は被 験者の血液の状態を知る上でも有用である。 さらに、 測定に先立って、 血漿と薬 剤を反応させれば、 APC産生量を指標として、 その薬剤が、 被験者の血液の凝
固-線溶系にいかなる影響を与えるかを調べることも可能である。本発明者らは、 以上述べたように、 上記測定方法が、 血液中の APC産生量に影響を与える薬剤 のスクリーニングゃ、 目的の薬剤に対する被験者の血液の感受性の判定に使用で きることを確認し、 本発明を完成させたものである。 以下に本発明を詳細に説明する。
本発明第 1の態様は、 少なくとも下記工程 (1) および (2) を含むことを特 徴とする血液中の A P C量の測定方法である。
(1) 血液凝固カスケードを活性化する
(2) APCの活性を測定する、 および/または PC Pの抗原量を測定するこ とにより、 血液中の A PC産生量を測定する。
当該測定方法で使用する血漿は、 常法により得られる血漿を使用することがで きる。 例えば、 被験者から採血した新鮮血にクェン酸または EDTAを適量混合 し (例えばクェン酸は 3. 2 %〜3. 8%水溶液、 EDTAは 1 %水溶液として、 ともに 1容を血液 9容に混合) 、 4°C、 約 3000 r pmで 10〜15分遠心分 離し、 上澄みを採取することにより得る方法などを例示することができる。 被験 者は、 健常人、患者のいずれであってもよく、 患者は任意の薬剤を投与されたり、 任意の治療を受けている患者であってもよい。 本発明の測定方法では、 血漿その ものを使用しても良いが、 好ましくは、 脱フイブリノ一ゲン血漿を使用する。 脱 フイブリノ一ゲン血漿は、 血漿を 5 にて 3〜15分加熱処理し、 約 3000 r 111で10〜15分遠心するか、 血漿にレチブラ一ゼを添加し、 約 3000 r pmの遠心分離を行うことにより得ることができる。
工程 (1) は好ましくは、 血液凝固カスケードを活性化する物質を血漿と接触 させて、 凝固カスケードを活性化させる工程であり、 例えば、 あらかじめ適当な 凝固因子を付着させた容器に血漿サンプルを添加してもよいし、 血漿サンプルに 適当な凝固因子を添加することにより凝固カスケードを活性化することができる。 工程 (2) は APC量を測定する工程である。
APC量の測定は、 APC活性を指標にしても、 また PC P抗原量を指標にし てもよく、 必要に応じて、 両方を指標にすることも可能である。 APC活性は、
いかなる方法で測定してもよいが、 AP Cに特異的な合成基質を使用して測定す ることが好ましい。 また、 P CP抗原量はいかなる方法で測定しても良いが、 P C Pに対する抗体を使用して、 競合法やサンドィッチアッセィにより測定するこ とができる。 本発明の測定方法は、 上記工程 (1) の後に工程 (2) を行うが、 上記工程 (1) および (2) それぞれの前後に、 任意の工程を追加することもで きる。 例えば、 工程 (1) の前、 または後に、 血液凝固系に対する効果を確認し たい任意の薬剤を加えて血漿と反応させることも可能である。 また、 (1) およ び (2) それぞれの工程を経た血漿サンプルの一部を使用して、 A PC以外につ いての測定を行うこともできる。
工程 (1) および(2) の詳細は以下の具体例で説明する。 以下の具体例では、 上記工程 (1) および (2) に他の工程を組み合わせて実施する測定方法を例に とって説明しており、そこでは、上記(1)および(2) の工程は、それぞれ(2) および (4) の工程として示されている。
本発明の方法は、 プロテイン Cを分離したり、 血漿を大量の溶媒で希釈する必 要がないため、 被験者の生理状態を反映した条件下で AP C量を測定することが できる。 また、 本発明の測定系を使用してトロンビンを初めとする他の凝固因子 の活性を測定することも可能であるので、 血液中の APC量と他の凝固因子量の バランスを測定することも可能である。 したがって、 たとえば被験者にプロティ ン Cや AP C補充を施すべきか否かの判断や、 被験者にとって最適の薬剤のスク リーニング、 特定の薬剤に対して反応性のある患者血液のスクリーニングに使用 できる他、 生体の A PC産生量に影響を与える薬剤を開発するにあたって、 候補 物質をスクリーニングするために使用することができる。 また、 すでに薬剤を投 与した患者の血液を使用した場合には、 その薬剤の効果を AP C産生量を指標に 判定することができる。 以下、 より具体的に説明する。
本発明の測定方法は、 好ましくは下記 (1) ないし (4) を含む工程を実施す ることにより行われる。
(1) 血漿を薬剤と接触させる、
( 2 ) 血液凝固カスケードを活性化する物質と (1 ) の血漿を接触させる、
( 3 ) ( 2 ) の血漿中のトロンビン活性を阻害する、
( 4 ) ( 3 ) の血漿を A P Cに対する基質と反応させる。
上記において、 (1 ) の工程は、 血漿サンプルを、 ①血中の A P C産生量に影 響を及ぼす薬剤または②血液中の A P C産生量に対する影響を測定したい目的の 薬剤と接触させる工程であり、 具体的には血漿にこれら薬剤を添加して一定時間 反応させたり、 あらかじめ目的の薬剤を付着させた容器に血漿サンプルを添加し て一定時間反応させる工程である。反応条件は目的とする薬剤によって異なるが、 通常 3 7 °Cにて行うのがよく、 反応時間は目的とする薬剤によっては反応時間が ゼロであってもよい。 しかしながら好ましくは、 通常 1分〜 1 5分であり、 より 好ましくは 2分程度である。
( 2 ) の工程は、 薬剤と反応させた後の血漿に対して、 血液凝固カスケードを 活性化させる工程である。 例えば、 あらかじめ適当な凝固因子を付着させた容器 に (1 ) の工程を経た血漿サンプルを添加してもよいし、 上記血漿サンプルに適 当な凝固因子を添加することにより、凝固カスケ一ドを活性化することができる。 使用する凝固因子は内因系 ·外因系 ·共通系いずれに作用するものであってもよ く、 例えばエラジン酸、 セフアリン、 セライト、 カオリン、 トロンポプラスチン、 活性化第 X因子等の市販品を適宜選択して使用することができる。しかしながら、 好ましくは外因系 ·共通系の凝固カスケードを活性化するものが良く、 更にはト ロンポプラスチンが好ましい。 必要に応じて、 血液凝固カスケ一ドを活性化する のに必要な量のカルシウムイオンを添加する。 カルシウムイオンは通常、 塩化力 ルシゥム溶液として添加することができる。 もしくは、 カルシウムイオンを含む 血液凝固因子が試薬として市販されているので、 それらを使用してもよい。
トロンポプラスチンを使用する場合、 トロンポプラスチンの量は、 凝固カスケ ードを活性化するのに適した量であれば特に限定されないが、 好ましくは、 血漿 サンプルに 10〜: 10000倍希釈した P T測定用試薬を添加する。トロンポプラスチン との反応は公知方法に従って、 3 7でにて行うのがよく、 反応時間は 1分〜 3 0 分、 好ましくは 2分〜 1 5分、 より好ましくは 2〜1 0分である。 一定時間凝固 因子と接触させた後サンプリングし (3 ) の工程を実施する。 もしくは凝固因子
と接触させ、 経時的にサンプリングし、 (3) の工程を実施することにより、 薬 剤による A P C産生量を経時的に測定することが可能である。
(3) の工程は (2) の工程を経た血漿サンプル中のトロンビンを阻害するェ 程である。 トロンビンを阻害する手段は特には限定されないが、 あらかじめトロ ンビン阻害剤を付着させた容器に上記血漿サンプルを添加する、 または上記血漿 サンプルにトロンビン阻害剤を添加することにより卜ロンビンを阻害することが できる。 トロンビン阻害剤はトロンビンによる合成基質の分解を阻害するもので あればいずれも使用可能であるが、 APCが PC Iの影響を受けやすいことを考 慮すると、 反応にへパリンを必要とする ΑΤΠΙは好ましくない。 トロンビン阻害 剤は生体内の他の凝固 ·線溶因子を阻害したり活性化したりする作用のない特異 性の高いトロンビン阻害剤を使用することが好ましい。 トロンビン阻害剤の好ま しい例は、 アルガトロバン (スロンノン;第一製薬) 、 ヒルジン、 D_Phe- Pro - Arg-Chloromethyl ketoneである。 トロンビン阻害剤との反応は、 公知方法に従つ て、 37°Cにて行うことがよい。 APCが血中のインヒビ夕一と複合体を形成す る前に (4) の工程を行うのが良く、 したがって反応時間は 5分以内が好ましく、 特に好ましくは 2分以上 3分以内である。
反応後ただちに、 (4) の工程を行う。 (4) で使用する基質は、 好ましくは APCに特異的な基質であるが、 APCとの親和性が高く、 APC測定用として 用いられている基質であれば、 トロンビンや他のプロテア一ゼと反応する基質で あってもよい。 具体的には, Glu- Pro- Arg- pNA (S- 2366 (第一化学薬品) ) 、 H - D-Ile- Pro- Arg_pNA (S - 2288 (第一化学薬品) ) 等の発色合成基質、 Boc-Leu-Ser-Thr-Arg-MCA (t-Butyloxycarbonyl-L-Leucyl-L-Seryl-L-Threonyl- L-Arginine-4-Methyl-Coumaryl-7-Amide,ペプチド研究所)等の蛍光合成基質を 使用することができる。 反応は、 あらかじめこれらの基質を付着させた容器に、
(3) の工程を経た血漿サンプルを添加して開始させても良いし、 上記血漿サン プルにこれらの合成基質を添加して開始させても良い。 合成基質の濃度は、 検体 中の A P C量に対して過剰量となるよう、 終濃度が 0.01〜 1 OmMになるよう添加 する。 基質との反応は公知方法にしたがって 37°Cにて行うのがよく、 反応時間 は、 1分以上 30分以内が好ましい。 反応時間を: S'くすると、 測定感度は上昇す
るが、 血中の APCが血中の PC I等の他の物質と結合する割合が高くなり、 A PCを測定する上での正確性の点において問題を生じる場合がある。 感度と精度 を考慮すると、 より好ましい反応時間は 10分程度である。
次に、 通常の手段により APCと合成基質との反応を停止させる。 反応を停止 させる方法としては、 例えば、 酢酸溶液を添加するなど反応液中の pHや温度を 変化させる方法がある。 反応停止後の血漿サンプルの、 特定波長に於ける吸光度 を測定することにより、 APC活性を測定することができる。 吸光度測定の波長 は特に限定されず、 用いた合成基質に適した波長にて行う。 基質として S— 23 66や S— 2288を使用した場合は、波長 405 nmにおける吸光度を測定し、 Boc-Leu-Ser- Thr- Arg-MCAを使用した場合は波長 380 nmにて励起し、波長 46 0 nmにおける吸光度を測定すればよい。
既知濃度の APCの合成基質水解活性を測定し、 その検量線から、 血漿サンプ ル中の A PC量を求めることもできる。
本発明の測定方法は、 前述のように、 血漿からプロテイン Cを分離する必要が ないため (2) の工程で凝固カスケードを活性化させた血漿を使用して、 その他 の凝固因子の凝固活性を測定することが可能であり、 この点は本発明の A P C測 定方法の特徴でもある。 なかでも (2) の工程を実施した血漿の一部を使用して トロンビン産生量を測定することは、 血液中の A PC量とトロンビン産生量を同 時に検討できるため、 臨床的意義が高い。 以下に、 その方法を簡単に説明する。
(2) の工程、 すなわちトロンポプラスチン等の適当な凝固因子と反応させたの ち、 前述の A P C測定と同様にサンプリングを行う。 これをカルシウムキレ一ト 剤 (例えば 2 OmMEDTAを含む適当な緩衝液) に添加して希釈し、 トロンビ ンに特異的な基質と 37でにて約1〜10分反応させる。 トロンビンに特異的な 基質は D- Phe-Pip- Arg_pNA (S- 2238 (第一化学薬品) :) 、 S— 2366 (既 出) 、 S— 2288 (既出) 等すでに市販のものがあるので、 それらを使用するこ とが可能であり、 基質は、 終濃度 0.01〜10mMとなるように使用する。 反応を停 止させたのち、 使用した合成基質に適した波長で、 吸光度を測定する。 既知の濃 度のトロンビンを使用して作成した検量線からトロンビン産生量を求めることが できる。
本発明の測定方法の他の好ましい例は、 下記工程を含む測定方法である。
(1) 血漿を薬剤と接触させる、
(2) 血液凝固カスケードを活性化する物質と (1) の血漿を接触させる、
(3) (2) の血漿の凝固反応を停止させる、
(4) ヒト PC Pに特異的に結合する抗体を使用して、 ヒト PC P抗原量を測定 する、 もしくはヒト PCPに結合する抗体を、 それがプロテイン C交叉反応しな い条件で使用し、 ヒト PC P抗原を測定する。
この測定方法では、 血液中の A PC産生量を、 プロテイン Cが A PCに転換さ れる際に切り出される P C Pの抗原量から算出する。
(1) および (2) の工程は、 上記で既に説明したとおりである。
(2)で血漿を凝固因子と一定時間反応させた後(3)の工程を実施する。 (3) の工程では、 トロンビン阻害剤や、 クェン酸、 EDT A等のキレート剤を添加し て、 凝固反応を停止させる。 その後、 (4) の工程を実施するが、 ここで (2) の血漿を経時的にサンプリングすれば、 A PC産生量を経時的に測定することが 可能である。
(4) の抗原量の測定はいかなる手法で行ってもよく、 例えば抗 PCP抗体と 血漿サンプル中の P C Pを結合させ、 ホースラディッシュペルォキシダ一ゼ (Horse radish peroxydase; HRP) ゃ金コロイド等で標識した他の抗 P C P抗 体 (上記抗体とは異なるェピトープを認識する) を使用してサンドイッチアツセ ィにより測定してもよいし、 標識した抗ィディオタイブ抗体で測定しても良い。 または血漿サンプルに、 標識した PCPペプチドを濃度添加して、 競合法により 検出測定しても良い。 抗体や P CPペプチドの標識は、 ペルォキシダーゼ、 アル カリフォスファタ一ゼ等の酵素、 F I TC、 ユーロピウム等の蛍光物質、 ァクリ ジニゥム、 ェクオリン等の化学発光物質、 ラジオアイソトープなどから適当なも のを選択し、 公知方法で行うことができる。 また、 抗体や PC Pペプチドは、 必 要に応じ、 マイクロ夕イタ一プレートのゥエルやプラスチックビーズ、 磁性粒子 等に固相化して使用することが可能である。 これらはいずれも公知方法(例えば、 石川蛍治 超高感度酵素免疫測定法 (学会出版センター) ) に従って行うことが
できる。 抗原量は、 既知濃度の P C Pから作成した検量線から算出できる。 サン プル中には、 P C Pと等価のモル数の A P Cが産生されていると考えることがで ぎる。
抗 P C P抗体として好ましいものは、 P C Pに特異的に結合する抗体である。 この抗体は、 本発明第 5の態様で詳述するが、 以下に、 この抗体を使用した P C P抗原量の測定方法の例を示す。
まず、 P C Pに特異的な抗体をプレートに固相化する。 一方、 化学合成した P C Pペプチドを公知方法でピオチン化し、 ピオチン化ペプチドを準備する。 ここ で使用する P C Pペプチドは、 ヒト P C Pのアミノ酸配列の全部または一部を含 むものが好ましく、 使用する抗 P C P抗体に結合することが確認されたものであ る。 これに上記 (3 ) の工程を経た血漿サンプルを添加し、 適当な時間反応させ る。 反応時間は 3 0分〜 1 0時間程度まで、 必要に応じて設定すればよい。 一方 ストレプトアビジンを公知方法で、 ァクリジニゥム、 ユーロピウム、 ペルォキシ ダーゼ等で標識したものを添加し、 3 7でにて反応させる。 反応時間は 3 0分以 上 1時間以内が好ましい。 反応液を除去して洗浄後、 標識物化学発光測定装置等 で直接測定もしくはルミノール等を使用して測定する。
P C P抗原量の測定は、 本発明の第 5の態様の抗体と、 それに対する抗ィディ ォタイプ抗体を使用して以下のように実施することもできる。
すなわち、 本発明第 5の態様の抗体に対する抗ィディォタイプ抗体を公知方法 で作成する (例えば、 右田俊介他編 免疫実験操作法 南江堂) 。 それをプレー トに固相化し、 (3 ) の工程を経た血漿サンプルと、 ァクリジニゥム、 ユーロピ ゥム、 ペルォキシダーゼ等任意の標識物で標識した本発明第 5の態様の抗体とを 添加し、 反応させる。 反応時間は、 3 0分〜 1 0時間程度まで、 使用する固相器 材ゃ標識の種類等に合わせ、 必要に応じて設定すればよいが、 3 0分以上 1時間 以内の反応が好ましい。 反応液を除去後、 洗浄して、 標識物を測定する。
測定感度を高めたい場合は、 P C Pに対する親和性が高い抗体、 好ましくは結 合定数が 1 0— 8以下、より好ましくは 1 0— 1(1以下の親和性を有する抗体を使用する。 ところで、 P C Pはプロテイン Cが A P Cに変換されるときにプロテイン Cの重 鎖の N末端より切り出されるペプチドであり、 当該ペプチドはプロティン C分子
中にも含まれている。
抗 P C P抗体を P C Pとの親和性で選択すると、 必ずしも、 P C Pにのみ結合 する抗体が得られないことが予想され、 その場合、 プロテイン Cや他の分子との 交叉反応を阻止することが必要になる。 交叉反応を防いで P C P抗原を検出する 方法としては、例えば特開平 7— 1 4 6 2 9 2号公報に開示された方法があるが、 より好ましい方法として、 P C Pと親和性の高い抗体 (プロテイン Cとも交叉反 応する) (仮に抗体 Aと称す) と、 プロテイン Cと結合し、 P C Pには結合しな い抗体 (仮に抗体 Bと称す) とを使用した、 P C P坊原量の測定方法を以下に示 す。
まず (3 ) の工程を経た血漿と抗体 Bを緩衝液に溶解し、 P C Pペプチドを固 相化したプレートに添加し、 3 7 °Cで 3 0分〜 9 0分反応させる。 血漿サンプル に添加する抗体 Bの量は、 血液中のプロテイン Cのすべてと結合する濃度であれ ばよいが、 好ましくは 1 0 g Zm 1以上となるように添加する。 次に標識した 抗体 Aを緩衝液に溶解し、 プレートに添加して反応させる。 反応時間は、 3 0分 〜1 0時間程度まで必要に応じて設定すればよいが、 好ましくは 3 0分〜 9 0分 である。 反応液を除去したのち、 プレートを洗浄し、 標識物を測定する。
この方法においては、 使用する緩衝液の組成を選択することにより、 精度が異 なってくる。 好ましくは 5 0から 3 0 0 Mの C a 2+を含む溶液を緩衝液として 使用する。
本発明第 1態様の測定系は、ヒトゃ動物由来のト口ンポモジュリン(Jackson DE 等、 Eur. J. Biochemis try, 221, 1079-1087, 1994, Parkinson JF等、 J. Bi ol . Chei. , 265, 12602-12610, 1990等参照) やその改変体をはじめとする、 A P C量に影響 を与える薬剤の効果や、 それらに任意の薬剤を併用した場合の効果を検討するた めにも使用することができる。 また、 トロンポモジュリンや活性化 X a阻害剤等 血液凝固に影響を与えるような薬剤を投与した患者で、 実際に薬剤の効果が得ら れているか否かを検討するためにも使用できる。
正常血漿を使用した実施例 1と、 プロテイン Cが欠乏した血漿を使用した実施 例 2との比較から明らかなように、トロンポモジユリンによる A P C産生効果は、 血液中のプロテイン C量の影響を受ける。 このように、 同じ薬物を使用しても、
その血液中の血液凝固 ·線溶系因子の状態によって、 薬物に対する反応性は著し く異なるものであり、 本発明の測定系を用いることによって、 その時の血液の状 態を反映した、 薬物に対する被験者の反応性を判定することが可能である。 した がって、 本発明の測定系はトロンポモジュリンやその改変体をはじめとする、 活 性化プロテイン Cに影響を与える薬剤およびそれらと任意の薬剤の組み合わせに 対する薬剤感受性を確認するために使用することができる。 本発明第 2の態様は、 少なくとも下記 (1) または (2) の成分を含むこと を特徴とする測定キットである。
(1) 血液凝固因子
(2) APC活性測定のための基質および/または抗 P C P抗体
上記成分 (1) の血液凝固因子は、 血漿の血液凝固カスケードを活性化しうる ものであれば特に限定されないが、 好ましくは外因系 ·共通系に作用する凝固因 子であり、 エラジン酸、 セフアリン、 セライト、 カオリン、 トロンポプラスチン、 活性化第 X因子等である。 特に好ましくはトロンポプラスチンである。 (2) の APC活性測定のための基質は、 好ましくは A PCに特異的な基質であるが、 A PCとの親和性が高く、 APC測定用として用いられている基質であれば、 トロ ンビンや他のプロテアーゼと反応する基質であってもよい。 本発明第 1の態様の 説明で述べたように、 S— 2366 (既出) 、 S— 2288 (既出) 等の発色合 成基質、 Boc-Leu- Ser- Thr- Arg-MCA (既出) 等の蛍光合成基質が好ましい。抗 PC P抗体は、 ヒト PCPに特異的に結合する抗体が好ましいが、 ヒト P CPとの親 和性が高ければ他のタンパク質を認識する抗体であってもよい。 後者の場合、 他 のタンパク質との交叉反応を防ぐ条件下で使用する必要がある。 例えば、 抗 PC P抗体がプロテイン Cと交叉反応するものであれば、 抗 P C P抗体がプロティン Cに結合するのを阻止可能な抗体、 例えばプロテイン Cに結合し、 キットに含ま れる抗 PC P抗体がプロテイン Cに結合するのを阻止する抗体等を利用して交叉 反応を防ぐ必要があり、 このような抗体も当該キットに含まれていることが好ま しい。 これらの抗体は本発明第 5または 6の態様で説明する。
当該測定キットは、 上記 (1) および (2) の成分を含むものであれば、 他に
いかなる成分を含むものであってもよいが、好ましい例としては、 これらに加え、 アルガトロパン等のトロンビン阻害剤や S— 2366 (既出)、 S— 2238 (既 出) 等のトロンビンに対する基質、 標識したヒト PCP、 もしくはヒト PCPの 一部を含むぺプチドに標識したもののいずれか 1つ以上含んでいるものがあげら れる。 これらの成分については、 本発明第 1の態様で説明したとおりである。 ま た、当該測定キットは、検量線を作成するための八?(:^0316 0.;[.等、1)1"0 11.
Acad. Sic. USA 82, 4673-4677 (1985)) や PCPを含むもの、 緩衝液や反応停止 液、 患者より採血した血液から血漿を調整する際に使用するクェン酸や、 脱フィ ブリノ一ゲン処理のための試薬 (例えばレチプラーゼ) 、 目的とする薬剤 (例え ばトロンポモジュリン) 等を含むものであってもよい。 APCは、 その活性が維 持されているものであれば血液から精製されたものであっても、 遺伝子工学的に 作成されたものであっても良い。 当該キットに含まれる成分は凍結乾燥されたも のであってもよいし、 適当な溶媒に溶解した状態物、 ビーズやプレート等に付着 または固相化させた状態等、 いずれの形態をとつていてもよい。
本発明の第 2の態様の測定キットは第 1の態様の測定方法に従って使用するこ とができる。 以下に、 本発明の第 2の態様の測定キットを使用して、 目的とする 薬剤の血液中の AP C産生に対する影響を測定する方法を示す。
測定方法 1
1. 被験者より採血する。
2. 血液 9容に 1容の 3. 2〜3. 8 %クェン酸水溶液を加え、 3, 00 O r pm、 10〜15分間遠心分離をおこなう。
3. 上澄みを回収し、 レブチラ一ゼを適量添加し、 37°Cにて 10分間加温す る。
4. 5分間氷冷し、 4°C、 15000 r pmで 5分間遠心したのち上清を回収 する。
5. 目的とする薬剤を添加し、 37 °Cで 2分間反応させる。
6. トロンポプラスチンを適量添加する。
7. 37°Cにて加温し、 2分ごとに 10分まで、 経時的にサンプリングし、 そ の一部に対して 8以降 13までの操作を、 残りの一部に対して 14以降の操作を
行う。
8. アルガトロバンを添加する。
9. 37°Cで 2分間加温し、 合成基質 S— 2366を適量添加する。
10. 37°Cで 10分間反応させ、 50%氷酢酸水溶液を適量添加する。
11. 405 nmの吸光度を吸光光度計にて測定する。
12. APCを各種濃度に調整し、合成基質 S-2366と反応させ吸光度を測定して、 検量線を作成する。
13. 検量線と 11の結果より、 血液中の AP C量を算出する。
14. 0. 1M NaC 1および 2 OmM ED TAを含むトリス塩酸緩衝液(p H7. 9) を適量添加する。
15. 合成基質 S— 2238を適量添加して、 37 °C、 2分間加温する。
16. 50 %氷酢酸水溶液を適量添加する。
17. 405 nmの吸光度を測定する。
18. 既知濃度のトロンビンと合成基質 S— 2238と反応させ、 405 nmの 吸光度を測定し、 検量線を作成する。
19. 検量線から卜ロンビン産生量を測定する。
測定方法 2
1. 被験者より採血する
2. 血漿または脱フイブリノ一ゲン血漿を得る。
3. 目的とする薬剤を添加し、 37°Cで 2分間反応させる。
4. トロンポプラスチンを適量添加する。
5. 37°Cにて加温し、 2分ごとに 10分まで、 経時的にサンプリングし、 ク ェン酸または EDT Aを加えて凝固反応を停止させる。
6. 抗プロテイン C抗体を含む緩衝液と 5のサンプルを混合する。
7. P CPを固相化したプレートに 6を添加し、 37 °Cにて 30分反応させる。
8. 標識した抗 PC P抗体を適量添加し、 37°Cにて 1時間反応させる
9. 反応液を除去し、 洗浄し、 発光強度を測定する。
測定方法 3
1. 被験者より採血する。
2. 血漿または脱フイブリノ一ゲン血漿を得る。
3. 目的とする薬剤を添加し、 37 で 2分間反応させる。
4. トロンポプラスチンを適量添加する。
5. 37 °Cにて加温し、 2分ごとに 10分まで、 経時的にサンプリングし、 ク ェン酸または EDT Aを加えて凝固反応を停止させる。
6. ピオチン化した P C Pを含む緩衝液と 5のサンプルを混合する。
7. PCPと特異的に結合する抗 P C P抗体を固相化したプレートに 6を添加 し、 37 °Cにて 1時間反応させる。
8. 標識したストレプトアビジンを添加し、 37 °Cにて 30分間反応させる。
9. 反応液を除去し、 洗浄し、 発光強度を測定する。
または、
測定方法 4
1. 被験者より採血する。
2. 血漿または脱フイブリノ一ゲン血漿を得る。
3. 目的とする薬剤を添加し、 37 °Cで 2分間反応させる。
4. トロンポプラスチンを適量添加する。
5. 37°Cにて加温し、 2分ごとに 10分まで、 経時的にサンプリングし、 ク ェン酸または EDT Aを加えて A PC産生を停止させる。
6. 標識した、 P CPに特異的に結合する抗 PC P抗体を含む緩衝液と 5を混 合する。
7. 6の抗 P C P抗体に対する抗ィディォタイプ抗体を固相化したプレートに 6を添加し、 37 °Cで 1時間反応させる。
10. 反応液を除去し、 洗浄し、 発光強度を測定する。 本発明第 3の態様は、 スクリーニングすべき薬剤を添加した血漿およびコント ロール薬剤を添加した血漿を被験材料とし、 少なくとも下記 (1) および (2) を含む工程を実施し、 結果を比較することによる、 薬剤のスクリーニング方法で ある。
(1) 血液凝固カスケードを活性化する、
(2) APCの活性を測定する、 および/または PC Pの抗原量を測定すること により、 血液中の A PC量を測定する。
(1) および (2) の工程は本発明第 1の態様で説明したとおりである。 スク リ一ニングすべき薬剤は任意の 1種または 2種以上のものを任意の濃度で用いる ことができる。 コントロール薬剤は、 生理食塩水や緩衝液 (Buffer) など、 明ら かに AP C産生活性が期待できないもの、 すでに AP C産生活性が知られている 薬剤 (例えばトロンポモジュリン) 等、 スクリーニングすべき薬剤と A PC産生 活性を比較したい任意の物質を使用することができる。 血漿は、 健常者、 患者い ずれより得られた血漿であつてもよい。 患者より得られた血漿を使用することに より、 その患者の血液の状態に適した薬剤をスクリ一二ングすることができる。 本発明第 4の態様は、 被験者の血漿およびコントロールとする血漿のそれぞれ に目的薬剤を添加したものを被験材料とし、 少なくとも下記 (1) および (2) を含む工程を実施し、 結果を比較することによる、 目的薬剤に感受性のある血漿 のスクリーニング方法である。
(1) 血液凝固カスケードを活性化する、
(2) APCの活性を測定する、 およびノまたは P CPの抗原量を測定すること により、 血液中の A PC量を測定する。
(1) および (2) の工程は本発明第 1の態様で説明したとおりである。 ここ で被験者は健常者 ·患者いずれであってもよいが、 例えば D I C患者や血栓症患 者など明らかに血液凝固系が亢進している患者の他、 肝炎患者、 白血病患者、 癌 患者、 各種感染症患者など、 血液凝固系と線溶系のバランスが破綻する危険のあ る患者、 手術の前後の患者などを被験者とした場合、 それら患者が、 特定の薬物 に感受性を有するか否かを判定できる。 コントロールとする血漿は、 その薬剤に 対して感受性が認められている血漿や、 健常者血漿、 または、 その薬剤に対して 感受性が明らかに認められない血漿などを使用することができ、採取した血液に、 人為的な処置を施した血漿(例えばプロテイン C欠乏血漿など)であってもよい。 本発明第 3および第 4の態様のスクリーニング方法は、 いずれも、 本発明第 1 の態様の測定方法に従って実施することができ、 本発明第 2の態様の測定キット を使用して実施することができる。 例えば、 被験材料を血液凝固カスケ一ドを活
性化する物質と接触させ、 必要があれば経時的にサンプリングする。 サンプル中 のトロンビンをトロンビン阻害剤等で阻害した後、 A P C活性測定のための基質 と反応させ、 その結果をコントロールのそれと比較する。 必要があれば、 得られ た A P C活性からサンプル中の A P C量を算出し、 それをコントロールの結果と 比較する。 もしくは、サンプリングした後、 キレート剤等で A P C産生を停止し、 P C P抗原量を測定して、 コントロールのそれと比較する。 必要があれば P C P 抗原量から A P C量を算出し、 コントロールのそれと比較する。 P C P抗原量の 測定方法は本発明第 1の態様で説明したとおりである。
実施例 1の結果 (第 1図および第 2図) から明らかなように、 目的とする薬剤 に A P C産生効果があれば、 本発明の測定系において、 薬剤の濃度に依存した A P C産生の増加、 およびトロンビン産生の低下が認められる。 スクリーニングす べき薬剤を血漿と反応させ、 その薬剤による A P C産生量を、 実施例で示したト 口ンポモジュリン等の既知薬剤の A P C産生効果と比較することにより、 所望の A P C産生活性および/またはトロンビン産生抑制活性を有する薬剤をスクリ一 ニングする事が可能である。 正常血漿を使用した実施例 1と、 プロテイン Cが欠乏した血漿を使用した実施 例 2との比較から明らかなように、トロンポモジユリンによる A P C産生効果は、 血液中のプロテイン C量に大きく影響される。 血液の状態によって、 トロンポモ ジュリンに対する反応性が異なることは、 同じ薬剤を使用しても、 その血液中の 血液凝固 ·栓溶系因子の状態によって、 薬剤に対する反応性は著しく異なること を意味する。 被験者、 特に、 先に述べたような重篤な疾患の患者の血液凝固 -栓 溶系因子の状態は、 個々の凝固因子の量からでは把握できないことが多く、 薬剤 に対する反応性を予測することも難しいが、 1または 2以上の候補薬剤を必要が あれば種々の濃度に調製し、 または組み合わせて、 上記患者血漿と反応させ、 よ り低濃度で A P C産生が認められた薬剤を選択すれば、 その被験者の血液の状態 に適した薬剤を選択したことになる。 また本発明第 3または第 4の態様のスクリ一二ング方法の応用として、 被験者 から定期的に血液を採取し、 種々の濃度の薬剤と反応させ、 A P C産生量を測定
することにより、 被験者の血液の血液凝固 ·線溶系の状態をモニタリングするこ とが可能であり、 より低濃度の薬剤で A P C産生が認められる時点を、 薬剤の効 果が期待できる時点と判定することも可能である。
本発明第 5の態様は、 ヒトプロテイン Cとは反応しない、 ヒト P C Pに特異的 な抗体である。 本発明の抗体の特異性は、 具体的には血中のヒト P C P量をヒト 血漿で直接測定可能な程の特異性であり、 本発明の抗体は、 標識 P C Pを使用し た競合反応系において、 血漿中のヒトプロテイン Cの影響を受けずに P C Pを測 定することが可能な抗体である。 ヒト P C Pはヒトプロテイン Cが活性化される 際に、 ヒトプロテイン Cの重鎖の N末端から切り出される、 N H2— Asp_Thr - Glu-Asp-Gln- Glu-Asp- Gin - Va卜 Asp_Pro-Arg - C00Hという 1 2アミノ酸からなるぺ プチドである。 当該アミノ酸配列は活性化される前のヒトプロテイン C中にも含 まれるが、 本発明第 5の態様の新規抗体は好ましくは、 血漿中でヒト P C P抗原 量を測定できるようにヒトプロテイン Cと交叉反応しないことを特徴とする。 本 発明の新規抗体は、 好ましくは P C Pの N末端の 6〜 8残基を認識することを特 徴とする。 本発明の抗体は、 また、 P C Pの N末端側に、 必要であればキャリア 一プロテイン付加のためのアミノ酸を介して、 K L H ( Keyho le Li即 et Hemocyan i n) 等適当なキャリア一を結合させたものを抗原として得られる抗体で あり、特に、 P C Pの N末端に Cysteineを介してキャリアーを結合させたもの (す なわち配列番号 2に記載のぺプチドの N末端にキヤリァ一が結合したもの) を抗 原として得られる抗体である。 本発明の新規抗体にはモノクローナル抗体、 ポリ クロ一ナル抗体のいずれもが含まれる。 結合部位が明らかで均一な抗体が得られ るという点ではモノクローナル抗体が好ましいが、 上記好ましい抗原を使用する と、 ポリクローナル抗体であっても、 P C Pに高い特異性を示す抗体を再現よく 得ることができる。 本発明の抗体は上記好ましい抗原を使用して、 公知方法によって (例えば、 免 疫実験操作法、 日本免疫学会編、 日本免疫学会発行、 参照) 動物を免疫して作製 することができる。 以下に、 その一例を簡単に説明する。
まず、 抗原を、 もしくはフロイントの完全アジュバント (F C A) や不完全ァ
ジュバント (F I A) 等の適切なアジュバントと抗原とを、 動物に接種し、 2〜 4週間の間隔で追加免疫する。 追加免疫後、 採血を行い抗血清を得る。 免疫する 動物は、 ラット、 マウス、 ゥサギ、 ヒッジ、 ゥマ、 ニヮトリ、 ャギ、 ブ夕、 ゥシ 等から、 目的の抗体を産生しうる動物種を選択して使用する。 ポリクローナル抗 体は、 得られた抗血清を精製することによって得ることができる。
精製は、 塩析、 イオン交換クロマトグラフィー、 ァフィ二ティ一クロマトダラ フィ一等の公知方法を適宜組み合わせて行えば良い。
モノクローナル抗体を得るには以下のように行う。 すなわち、 免疫した動物か ら脾細胞もしくはリンパ球等の抗体産生細胞を採取し、ポリエチレングリコール、 センダイウィルス、 電気パルス等を用いる公知方法によって、 ミエローマ細胞株 等と融合し、 ハイプリドーマを作製する。 その後、 ヒトプロテイン Cには結合せ ず、 P C Pと結合する抗体を産生しているクローンを選択して培養する。 選択さ れたクローンの培養上清から、 塩析、 イオン交換クロマトグラフィー、 ァフィ二 ティーク口マトグラフィ一等の公知方法を適宜組み合わせてモノクローナル抗体 を生成する。
本発明の抗体には、 ヒト P C Pを認識して結合するものであれば、 F a b、 F ( a b ' ) 、 F ( a b ' ) 2 もしくは F vも含まれる。 また、 H鎖と L鎖の F vを 一本鎖となるように連結させたシングルチェイン F vをコードするような遺伝子 を構築し、 これを適当な宿主細胞で発現させて得られるシングルチェイン F Vも 本発明の抗体に含まれる。
本発明第 6の態様は、 ヒトプロテイン Cと結合し、 ヒト P C Pには結合しない 抗体である。 当該抗体は、 好ましくはヒト P C Pに対する坊体がプロテイン Cと 交芡反応するのを阻害する機能を有するものである。 当該抗体は、 ヒトプロティ ン Cの全体、 ヒトプロテイン Cの一部のいかなる部分を抗原として得られたもの であってもよく、 それらに K L H等のキャリアーを結合させたものを抗原として 得られたものであってもよい。 本発明の抗体はモノクローナル抗体であってもポ リクローナル抗体であってもよいが、 好ましくはモノクローナル抗体である。 当 該抗体の作成方法は、 本発明の第 5の態様で説明した公知方法にて得ることがで さる。
抗体のスクリ一ニングにおいては、 ヒトプロテイン Cに対する親和性の高いも のを選択し、 さらに、 ヒト P C Pと結合しないこと、 抗ヒト P C P抗体とヒトプ 口ティン Cとの結合を阻止することを条件に選択する。
本発明第 5および第 6の抗体は本発明第 1の態様の測定方法に使用することが でき、本発明第 2の態様の測定キットの成分として使用することができる。なお、 P C Pに特異的に反応する本発明第 5の態様の抗体に使用することにより、 また は P C Pに反応する抗体と本発明第 6の抗体を組み合わせて使用することにより、 血液中の P C Pを高感度に測定することができるので、 健常者、 患者から採血し た血液そのもの、 または血液から血球成分を除いたもの、 または血液より調整し た血漿を被験材料とし、 血液凝固カスケードを活性化することなく、 血液中の P C P抗原量を測定し、 血中の A P C量を測定することができる。 P C P抗原量の 測定は、 本発明第 1の態様で示したように競合法やサンドィツチアツセィにより 行うことができる。
以上、 本発明第 1ないし第 6の態様を説明したが、 これらで扱う被験材料はヒ ト由来のものに限らず、ゥシゃブ夕等動物由来のものであってもよい。その場合、 凝固因子や A P C、 トロンビン、 P C Pは、 その動物由来のものを使用すること が好ましい。
本発明第 7の態様は、 本発明第 5の態様の抗体を得るために使用可能なぺプチ ドである。 具体的には、 配列表の配列番号 1に記載のペプチドである。 当該ぺプ チドの N末端にキヤリァ一を結合させたものを抗原として動物を免疫すると、 P C Pに結合し、 プロテイン Cには結合しない、 P C Pに対して極めて得意性の高 い抗体が得られる。 本発明第 7の態様のペプチドは市販のペプチド合成機を使用 (例えば 4 3 2 Aペプチドシンセサイザー (P Eバイオシステムズ) 等) し、 そ のマ二ユアにしたがって、 化学合成を行い、 得ることが可能である。 本発明第 8の態様は、 本発明第 7の態様のぺプチドの N末端に B S Aや K L H 等のキヤリァーを結合させたものと抗原とすることを特徴とする、 P C P特異的 抗体の製造方法である。 ここで用いる抗原は、 好ましくはその N末端にキャリア 一として K L Hを結合させたものであり、 本発明第 6の態様のぺプチドをマレイ
ミド化 K L Hと混合して反応させ、 その後生理食塩水にて透析して得ることがで きる。 上記抗原を動物に投与して、 目的とする P C P特異的ポリクローナル抗体もし くは P C P特異的モノクローナル抗体を得る方法は、 公知の方法に従つて実施す ることができ、その具体的な方法は、本発明第 5の態様で説明したとおりである。 本発明により、 血液中の A P C量を生理的条件に近い条件で測定する新規な測 定方法が提供される。 本発明の測定方法は、 薬剤による血液中の A P C産生量の 測定や、 A P C産生活性を有する薬剤のスクリーニング、 特定の薬剤に対して反 応する血液のスクリーニングに使用することができる。 また、 本発明の測定方法 は患者に投与した薬剤の効果を判定したり、 患者の血液の状態に適した薬剤を選 択するために使用することが可能である。 本発明により、 ヒト P C Pを認識する 新規な抗体も提供される。 本発明の抗体は、 血液中の A P C量の測定に使用する ことができる。 本発明により、 さらに、 血液中の A P C量に影響を及ぼす薬剤の スクリーニング方法、 特定の薬剤に対する被験者の感受性を判定する方法が提供 される。 また、 本発明によれば、 ヒト P C P特異的抗体の製造方法およびヒト P C P特異的抗体を製造する際の抗原に使用可能な新規べプチドも提供される。 図面の簡単な説明
第 1図はプロテイン C量 100%血漿での A P C産生量に及ぼす各種濃度のトロ ンポモジュリンの影響を経時的に示した図である。 図中、 TMはトロンポモジュ リンを表す。
第 2図はプロテイン C量 100%血漿でのトロンビン量に及ぼす各種濃度のトロ ンポモジュリンの影響を経時的に示した図である。 図中、 TMはトロンポモジュ リンを表す。
第 3図はプロテイン C量 5 0 %血漿での A P C産生量と血中トロンビン量に及 ぼす各種濃度のトロンポモジュリンの影響を経時的に示した図である。 図中、 T Mはトロンポモジユリンを表す。
第 4図はサル D I Cモデル血漿での A P C産生量と血中トロンビン量に及ぼす
各種濃度のト口ンポモジュリンの影響を経時的に示した図である。 図中の T Mは トロンポモジユリンを表す。
第 5図は作製した 2種類のポリクローナル抗体の特異性を検定した結果であり、 縦軸は吸光度を示す。 第 6図は抗 P C P-2ポリク口一ナル抗体の特異性を検定した結果であり、 縦軸 は抗原による阻止率を横軸は抗原濃度を示す。 第 7図は坑 P C P - 2ポリクローナル抗体を用いて測定した P C Pの標準曲線で あり、 縦軸は抗原による阻止率を横軸は抗原濃度を示す。
発明を実施するための最良の形態 以下、 本発明を実施例により説明するがこれらの例に限られるものではない。 実施例 1 合成基質を使用した血液中の A P C産生量およびトロンビンの測定 方法 ( 1 ) ヒト正常血漿にレプチラーゼ(Diagnostica Stago) を添加し、 37°Cにて 10分間放 置した。 生じたフイブリン塊を 4°C、 15,000 rpmにて 5分間遠心した後、 上清を採 取して脱フイブリノ一ゲン血漿とした。 トロンポモジュリンを 0.05% ゥシ血清アルブミンおよび 0.1 M NaClを含む 50 mM Tris-HCl緩衝液 (pH 7.35) に溶解してトロンポモジュリン溶液とした。 脱フ ィブリノ一ゲン血漿にトロンポモジユリン溶液を添加して 37°Cにて 2分間ィンキ ュべ一トしたのち、 25 mM CaCl2溶液で希釈したトロンポプラスチン (Simplastin (登録商標) 、 Organon Teknika) 溶液を添加し、 37 で加温した (反応液 A) 経時的に反応液 Aから 20 L採取し、 アルガトロバン (スロンノン (登録商標)、 第一製薬)溶液 30 Lに添加し、 37tで 2分間加温した。ついで、合成基質溶液(S — 2 3 6 6、第一化学薬品) を 50 Lを添加して、 さらに 37°Cで 10分間加温した。 50%酢酸溶液 100 ^ Lを添加することにより A P Cによる合成基質水解反応を停
止させ、 405 nmでの吸光度を分光光度計にて測定した。 既知濃度の A P Cを用い て作成した検量線より、反応液 A中の A P C量を算出した。結果を第 1図に示した。 また、 経時的に反応液 Aから L採取し、 EDTA含む緩衝液 195 Lに添加した。 ついで、 合成基質 (S— 2 2 3 8、 第一化学薬品) を 50 L添加し、 37 で加温 温した。 50 %酢酸溶液 200 Lを添加することによりトロンビンによる合成基質水 解反応を停止させ、 405 nmでの吸光度を分光光度計にて測定した。 既知濃度のト ロンビンを用いて作成した検量線より、 反応液 A中のトロンビン量を算出した。 結果を第 2図に示した。
実施例 2 合成基質を使用した血液中の A P C産生量およびトロンビンの測定 方法 ( 2 )
脱フイブリノ一ゲン処理をしたヒト正常血漿 (既出) を同様に脱フイブリノ一 ゲン処理したプロティン C欠乏血漿と混合し、血漿中プロテイン C濃度を 50%に希 釈した。 この血漿をサンプルとして、 実施例 1に記載の方法に準じて、 APC量と トロンビン量を測定した。 結果を第 3図に示した。 第 1図、 第 2図および第 3図 から明らかなように、 いずれのサンプルもト口ンポモジュリンの濃度に依存して APC産生量が増加し、 トロンビン活性が低下した。 また、 トロンポモジュリンの 反応性は正常血漿において顕著であり、 血漿中のプロテイン Cの濃度が高いほど 薬剤の反応性が顕著であることが示された。 また、 第 3図に示したように、 いずれのサンプルにおいても、 トロンポモジュ リン添加群において、 時間の経過とともに APC産生量の増加とトロンビン産生量 の低下が認められ、溶媒添加群との差が顕著であつたのは 2〜: 10分であり、 この時 間内でのサンプリングが好ましいと思われた。
実施例 3 合成基質を使用した血液中の APC産生量およびトロンビンの測定方法
( 3 ) サルにトロンポプラスチン (既出) を投与することにより DICモデルを作成し た。 血小板数の低下およびフイブリノ一ゲン量の低下が認められた時点で採血し た。 血漿を分離し、 実施例 1に記載の方法でレブチラーゼ (既出) で処理し、 脱 フイブリノ一ゲン血漿とした。 この血漿をサンプルとして、 実施例 1に記載の方 法に準じて、 APC量とトロンビン量を測定した。 結果を第 4図に示した。 第 4図から明らかなように、 DICを発症したサルから採取した血漿においても トロンポモジユリンの濃度に依存して APC産生量が増加し、 トロンビン活性が低 下した。 このことから、 本発明は DICにおける薬剤の反応性を測定する方法とし て有効であることが示された。
実施例 4 APC活性の確認 本発明の合成基質を使用した測定系で、 測定している活性が APCによるもので あることを証明するために以下の実験をおこなった。
① トロンポモジュリン溶液 25 Lを実施例 1の方法で作成した脱フイブリノ 一ゲン血漿 50 Lに添加した。さらに、モノクローナル抗ヒトプロティン C抗体(テ クノクローン社) 溶液 25 Lを添加した。 次いで、 25 mM CaCl2溶液で希釈したト ロンポプラスチン (既出) 溶液を添加し、 37°Cで加温した (反応液 A) 。 経時的 に反応液 Aから 20 Lおよび 5 Lを採取し、 実施例 1の方法に準じて APC活性お よびトロンビン活性を測定した。 結果を表 1および表 2に示した。 表 1および表 2から明らかなように、 トロンポモジュリン溶液の添加により、 トロンビン産生 が抑制され、 APC産生が上昇した。 また、 抗プロテイン C抗体の添加により、 ト ロンポモジユリンのトロンビン産生抑制作用および APC産生促進作用は消失した。 このことから、 本発明の測定系は血液中のプロテイン Cから産生される APC量に 対する薬剤の影響を測定する系であることが確認された。 表 1 トロンビン活性 (405 nmの吸光度で表示)
反応時間 コントロール群 トロンポモジュリン添加群 (分) 抗体非添加 抗体添加 抗体非添加 抗体添加
0 0.001 0.005 0.002 0.003
5 0.139 0.166 0.038 0.143
1 0 0.068 0.084 0.009 0.067
表 2 APC活性 (405 nmの吸光度で表示) 反応時間 コントロール群 トロンポモジュリン添加群 (分) 抗体非添加 抗体添加 抗体非添加 抗体添加
0 0 0 0 0
5 0.034 0.035 0.218 0.036
1 0 0.016 0.033 0.285 0.031
② トロンポモジュリン溶液 50 Lを実施例 1の方法で作成した脱フィプリノ 一ゲン血漿 50 に添加した。 次いで、 25 mM CaCl2溶液で希釈したトロンポプラ スチン (既出) 溶液を添加し、 37°Cで加温した (反応液 B ) 。 10分後に反応液 B から 20 Lを採取し、アルガトロバン溶液 6 Lおよび種々の濃度に希釈したャギ 抗プロテイン C抗体 (ァフィニティーバイオロジカル社、 Affinity Biologicals) 溶 液 24 Lと混合した。 なお、 対照群には抗プロテイン C抗体の替わりにャギア (ガ ンマ) グロブリン分画 (カペル社、 Cappel) を添加した。 ついで、 合成基質溶液 ( S _ 2 3 6 6、 第一化学薬品) を を添加して、 37°Cで 10分間加温した。
50%酢酸溶液 100 Lを添加することにより A P Cによる合成基質水解反応を停 止させ、 405 nmでの吸光度を分光光度計にて測定した。 結果を表 3に示した。 表 3から明らかなように A P C活性測定系に抗プロティン C抗体を添加すること により、 A P C活性が約 90%阻害された。 このことから、 本発明の測定系は APC
量を測定する系であることが確認された 表 3 APC活性
実施例 5 抗 P C P抗体を使用した血液中の A P C産生量測定方法
① PC Pペプチドの調製
P C P特異抗体調製用、 また固相抗原調製用として配列番号 1および 2に示し たべプチドを選択した。 ぺプチド PCP— 1は PCPのァミノ末端を認識する抗 体を得ることを目的に PC P配列の力ルポキシル末端にリンカーとしてグリシン (Glycine) 、 セリン (Serine) を追加し、 さらに免疫に使用するキャリア一と結 合させるため、 システィン (Cysteine) を導入した。 一方、 ペプチド P CP— 2 は P C Pの力ルポキシル末端側を認識する抗体を得ることを目的にァミノ末端に システィン (Cysteine) を導入した。 合成は 432Aペプチドシンセサイザー (PE バイオシステムズ) を用いて行い、 添付のマニュアルにしたがい樹脂から切断、 脱保護した。 得られた粗ペプチドは HPLC (Waters) で精製し、 各精製ペプチド約
3mgを得た t
② P CP— KLHの調製 各精製ペプチド Imgを lmgのマレイミド化 KLH (P I ERCE)と混合し、 室温で 2時間反応後、 生理食塩水で透析し、 PCP1- KLH、 PCP 2-KLH を調製した。
③抗 P C Pポリク口一ナル抗体の調製
PCP l-KLHぉょびPCP 2- KLH、 各 50 gをフロインド完全アジュバ ト (GIBC0) と 1: 1で混合しニュージランドホワイトゥサギ (メス、 2— 2. 4kg) の背部皮下に投与した。 2週間後同量をフロインド不完全アジュバント (GIBC0) と 1: 1で混合し同様に背部皮下に投与した。 さらに追加投与を行い、 計 5回投与後、 全血 50mLを採血し、 血清 25mLを得た。 得られた血清 25mLに 室温にて最終濃度 33%となるように硫酸アンモニゥムを添加し、 30分攪拌後 析出した沈殿物を遠心して回収した。 次に回収した沈殿をリン酸緩衝液 (PH7. 4) (以下 PBSと記載する) で溶解し、 同緩衝液に透析した。 透析後、 同緩衝液で 平衡化したプロテイン Aカラム (P r o s ep-A (登録商標) 、 ミリポア) に添 加し、 洗浄後、 0. 1Mグリシン/塩酸緩衝液 (PH3. 0) で溶出した。 溶出液 の pHを 1M NaOHで 7付近とした後、 ダイアフロ一 (アミコン) で濃縮し、 抗 P C Pポリクローナル抗体各 100 m gを得た。
④ P C P抗体の特異性の確認 得られたポリクローナル抗体を中根ら (Peroxidase-labeled antibody: new method of conjugation, J. Histochem. Cytochem. , 22, 1084, 1974) の方法に したがいペルォキシダーゼ標識した。 すなわち、 ペルォキシダーゼ (東洋紡) 4
m g過ヨウ素酸で酸化し、酢酸緩衝液(PH4.4)で透析した。次に各钪体(2.5nig/mL) を炭酸緩衝液 (PH9.5) で透析し、 透析したペルォキシダーゼと 1: 1 (重量比) で 混合し 25°Cで 2時間静置した。 反応終了後、 水素化ほう素ナトリウムで処理し 4°Cで 2時間静置し、 PBSに透析した。 得られたペルォキシダ一ゼ標識抗体を 以下の解析に使用した。 一方、 PCP (配列番号 3) 、 PCPのァミノ末端より 1アミノ酸を減らし、 変 わりにシスティンを導入したもの (PCP- 4、 配列番号 4) 、 また PC Pのアミ ノ末端より 2アミノ酸を減らしたもの (PCP-5、 配列番号 5) を、実施例 1の 方法で合成した。 実施例②の方法に基づいて、 PCP- 1、 PCP- 2、 P CP-4 を、 マレイミド化 -BSA (P I ERCE) と結合し、 PCP 1— BSA、 PCP 2 - BSA、 PCP4-BSAを調製した。 また、 P C Pと P C P- 5は B S Aを等 量混合し 1%ダルタルアルデヒドを添加して 2時間反応後、 PB Sに透析して調製 した。 調製した各ペプチド B S Aを 96ゥエルプレート (Max i So r p (登録 商標) 、 Nunc) に l g/mLで固相化し、 洗浄後 0.1 % B S A/P B Sでブロッ キングした。 次に各ゥエルに 0.1% B S A/P B Sで希釈した各標識抗体を 1 n g/ mLの濃度で添加し、 37°C1時間反応した。 0.05%Twe e n20を含む生理食 塩水溶液でプレートを 5回洗浄し, TMB溶液 (BioFix Laboratories) を添加し室 温で 10分間反応させた。反応を 0.5MNH2S( ^停止し、波長 450mnの吸光度を NJ-2100 プレート吸光度計 (ナルジェヌンク) で測定した。 その結果、 第 5図に示すように、 抗 PC P-1ポリクローナル抗体は固相化した PCP- 1に強く結合し、 PCP-2とも若干結合が見られたが、 PCPとは結合 が弱く、 P CPを測定することはできないと判断された。一方、 抗 PC P- 2ポリ クロ一ナル抗体は P C P-2ぺプチドと強く結合し、また P C Pとも強く結合する ため、 PCP測定系に応用できることが示された。 この抗 PCP- 2抗体は、 PC P- 4、 PCP- 5とは結合活性が弱いことから PCPのァミノ末端側を認識して いることが示唆された。 次に PCPと PCに対する特異性を確認するため、 上記測定系に P C Pと P C
(AD I社) を添加し同様に測定を行った。 その結果、 第 6図に示すように PC では 50/zg/m 1まで阻止は認められなかった。血中に存在する PC量は〜 4 xg/ml 程度と報告されている (Kisielら、 J.Clin. Invest. 64:761-769 (1979), Griffin ら、 Blood. 60:261-264(1982)) 。 血中含量を遙かに超えた量の P Cが存在しても 反応性に影響がなかったことは、抗 PCP- 2抗体は、 PCPに対して極めて高い 特異性を有し、 PCと交叉反応しない抗体であり、 血漿中の PCPを、 血漿で直 接測定するのに好ましい抗体であり、 例えば、 トロンポモジュリンや活性化第 X 因子阻害剤等の薬剤を投与された D I C患者の血液中の PC P抗原を直接測定す ることが可能な抗体であると考えられた。 そして、 PCPのァミノ末端側を認識 するように設計した PCP-1では目的の抗体が得られず、むしろ、力ルポキシル 末端側の抗体を得るべくァミノ末端側にキヤリァーを結合させた P C P- 2で、 P CPのァミノ末端領域を認識し、 かつ、 PCと交叉反応しない特異的抗体が得ら れたことから、 P CPに特異的な抗 P CP抗体を作成するにあたっては、 PCP のどこにキャリアーを結合させるかが重要であることが示唆された。
⑤抗 P C P - 2ポリクロ一ナル抗体を用いた血中 P C Pの測定
②方法に基づいて調製した P CP 2-BSAを 96ゥエルプレート(Max i s o r p、 Nunc) に 0.25 gZmLの濃度で固相化し、 余分な抗原を洗浄後 2% Stabil Guard/PBS (SurModics)でブロッキングした。次に P C Pペプチドを 0.1% BSA、 0.9%NaClを含むリン酸緩衝液 (pH6.4) により 3倍に希釈したヒト血漿 を用いて希釈し、 100pg/mlから 1 g/mほでの希釈系列 (以下、 標準品と記載) を 作製した。 また、 個人血漿 1例に PCPペプチドを 0、 10、 20ng/mlで添加し、 同様 に 0.1%BSA、 0.9%NaClを含むリン酸緩衝液(pH6.4) により 3倍希釈した。 調 製した標準品と希釈サンプルを ずつ 96穴のボリプレンプレートに分注し、続 けて実施例 4で調製したペルォキシダーゼ標識抗体 (抗 PC P- 2抗体) を 0·1%Β SA、 0.9%NaClを含むリン酸緩衝液 (pH6.4) により 2 g/mlに希釈した溶液を 30 1ずつ添加した。 プレートに蓋をし、 4°Cで一夜反応させた。 翌日、 調製した
P C P-2固相化プレートのプロッキング液を廃棄し、 各 wellにポリプレンプレー トより反応液を各 75 n 1採取し P C P- 2固相化プレートに移した。プレートを氷冷 下で 10分間反応後、 0.05%Tween20を含む生理食塩水で 3回洗浄した。 発色は TMB 溶液 ( (既出) を各ゥエル 100 / 1分注し室温で 20分間行った。 0.5M NH2S04で反 応を停止し、 NJ- 2100プレート吸光度計 (既出) を用いて波長 450nmで吸光度を 測定した。その結果、第 7図に示した標準曲線が作成でき、個人血漿 1例の PC P 濃度の回収率は表 4に示すように平均 102%であった。これにより作製した P C P 測定系が血漿中 P Cの影響を受けずに、 血中の P C Pを特異的に測定しており、 本測定系が血漿中 P C Pの測定に有用であることが示された。
表 4 P CP添加血漿中の回収率 検体 添加濃度 測定値 (ng/mL) 回収率 (%)
、ng/mL)
A 0 0
10 9.98 99.8
20 20.90 104.5
配列番号 1
名称: P C P-1 アミノ酸数: 15 DTEDQEDQVDPRGSC
配列番号 2
名称: P C P - 2 アミノ酸数: 13 CDTEDQEDQVDPR 配列番号 3
名称: P C P アミノ酸数: 12 DTEDQEDQVDPR 配列番号 4
名称: P C P - 4 アミノ酸数: 12 CTEDQEDQVDPR 配列番号 5
名称:アミノ酸数: 11 CEDQEDQVDPR
請求の範囲
1. 少なくとも下記工程を含むことを特徴とする血液中の活性化プロテイン c 量の測定方法。
(1) 血液凝固カスケードを活性化する、
(2) 活性化プロテイン Cの活性を測定する、 および/またはプロテイン Cァク チべ一シヨンペプチドの抗原量を測定することにより、 血液中の活性化プロティ ン C量を測定する、
2. 少なくとも下記工程を含むことを特徴とする請求項 1に記載の血液中の活 性化プロテイン C量の測定方法。
( 1 ) 血液凝固カスケ一ドを活性化する物質と血漿を接触させる、
(2) 活性化プロテイン Cの活性を測定する、 および/またはプロテイン Cァク チベーシヨンペプチドの抗原量を測定することにより、 血液中の活性化プロティ ン C量を測定する、
3. 薬剤のスクリ一ニングに使用しうる請求項 1または 2いずれかの測定方法。 4. 薬剤に反応する血液のスクリ一エングに使用しうる請求項 1または 2いず れかに記載の方法。
5. 少なくとも下記工程を含む請求項 1ないし 4いずれかに記載の測定方法。
(1) 血漿を薬剤と接触させる、
(2) 血液凝固カスケードを活性化する物質と (1) の血漿を接触させる、
(3) (2) の血漿中のトロンビン活性を阻害する、
(4) (3) の血漿を活性化プロテイン Cに対する基質を反応させる、
6. 少なくとも下記工程を含むことを特徴とする請求項 1ないし 4いずれかに 記載の測定方法。
(1) 血漿を薬剤と接触させる、
(2) 血液凝固カスケードを活性化する物質と (1) の血漿を接触させる、
(3) ヒトプロテイン Cァクチべ一シヨンペプチドに特異的に結合する抗体を使 用して (2) の血漿中のヒトプロテイン Cァクチべーシヨンペプチドの抗原量を 測定する、
7. 少なくとも下記工程を含むことを特徴とする請求項 1ないし 4いずれかに 記載の測定方法。
(1) 血漿を薬剤と接触させる、
(2) 血液凝固カスケードを活性化する物質と (1) の血漿を接触させる、
(3) ヒトプロテイン Cァクチべ一ションペプチドに結合する抗体を使用して、 それがヒトプロテイン Cと交叉反応を起こすのを阻止する条件下で、 (2) の血 漿中のヒトプロテイン Cァクチべ一シヨンペプチドの抗原量を測定する、
8. 少なくとも下記工程を含むことを特徴とする請求項 1ないし 4いずれかに 記載の測定方法。
(1) 血漿を薬剤と接触させる、
(2) 血液凝固カスケードを活性化する物質と (1) の血漿を接触させる、
(3) ヒトプロテイン Cァクチべーシヨンペプチドに結合する抗体と、 ヒトプロ ティン Cに結合する抗体を使用して、 (2) の血漿中のヒトプロテイン Cァクチ ベ一シヨンべプチドの抗原量を測定する、
9. ヒトプロテイン Cァクチべ一ションぺプチドの抗原量を測定する方法が競合 法によるものである請求項 6ないし 8いずれかに記載の測定方法。
10. 血液凝固カスケードを活性化する物質が、 外因的に加えた血液凝固因子 である請求項 1ないし 9いずれかの測定方法。
11. 血液凝固因子がトロンポプラスチンである請求項 1ないし 10いずれか に記載の測定方法。
12. 薬剤が、 トロンボモジュリンである請求項 4ないし 1 1いずれかに記載 の測定方法。
13. 少なくとも下記成分を含むことを特徴とする血液中の活性化プロテイン C測定用キット。
(1) 血液凝固因子
( 2 ) 活性化プロテイン C活性測定のための基質および Zまたはプロテイン (:ァ クチべーションペプチドを検出するための抗体
14. プロテイン Cァクチべーションペプチドを検出するための抗体として、 ヒトプロテイン Cァクチべーシヨンペプチドと特異的に結合する抗体を含む請求
項 13に記載の測定キット。
15. プロテイン Cァクチべーシヨンペプチドを検出するための抗体として、 ヒトプロテイン Cァクチべ一シヨンペプチドと結合する抗体とプロテイン Cと結 合する抗体の両方を含む請求項 13に記載の測定キット。
16. トロンビン阻害剤をさらに含む請求項 13ないし 15いずれかに記載の キット。
17. トロンビンに対する基質をさらに含む請求項 13ないし 16いずれかに 記載のキット。
18. プロテイン Cァクチべーションペプチドの標識物またはプロテイン Cァ クチべ一ションペプチドの部分ペプチドの標識物をさらに含む請求項 13ないし 17いずれかに記載の測定キット。
19. 血液凝固因子がトロンポプラスチンである請求項 12ないし 18いずれ かに記載のキット。
20. 薬剤を添加した血漿およびコントロール薬剤を添加した血漿のそれぞれ に対し、 少なくとも下記 (1) および (2) を含む工程を実施し、 結果を比較す ることからなる薬剤のスクリーニング方法。
(1) 血液凝固カスケードを活性化する物質と血漿を接触させる
(2) 活性化プロテイン Cの活性を測定する、 およびノまたはプロテイン Cァク チべ一ションペプチドの抗原量を測定することにより、 血液中の活性化プロティ ン C量を測定する
21. 被験者の血漿およびコントロールとする血漿にそれぞれ目的薬剤を添加 し、 少なくとも下記 (1) および (2) を含む工程を実施し、 結果を比較するこ とからなる目的薬剤に感受性のある血漿のスクリーニング方法。
(1) 血液凝固カスケードを活性化する物質と血漿を接触させる
(2) 活性化プロテイン Cの活性を測定する、 および/またはプロテイン Cァク チべ一ションぺプチドの抗原量を測定することにより、 血液中の活性化プロティ ン C量を測定する
22. ヒトプロテイン Cァクチベーションぺプチドを特異的に認識する抗体 23. 配列番号 2に示すアミノ酸配列を有するペプチド
24. 免疫抗原として用いる請求項 23に記載のペプチド
25. その N末端にさらに任意のキャリアーが結合した請求項 24に記載のぺプ チド
26. 請求項 23ないし 25いずれかに記載のペプチド。