明細書 アミノアクリル酸誘導体およびその製造方法 技術分野
本発明はキノロン系抗菌剤の中間体の製造方法、およびキノロン系抗菌剤の中間 体として有用なアミノアクリル酸誘導体に関する。 背景技術
キノロン骨格の 5位にニトロ基、 6位にフッ素原子、 8位にメチル基を有するキ ノロン化合物としては、下式 4で表されるキノロン化合物、 または該式 4で表され るキノロン化合物を還元して 5位のニトロ基をァミノ基に変換したキノロン化合 物等が知られている。 これらのキノロン化合物は、 高い抗菌作用を有し、 かつ、 光 毒性、染色体異常誘発および痙攣誘発等の副作用が軽減された合成抗菌剤として有 用であることが知られている (特開平 8— 1 988 1 9、 E P 641 793 , C h em. Ph a rm. Bu l l . , 44, 1074— 1 085 (1 996) ) 。
式 4
式 4で表されるキノロン化合物等の原料であるキノロン中間体 (式 8) は、 下記 経路で合成されうる。 すなわち、 2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—二 トロ安息香酸クロリドとC
2H
5OMg CH (CO〇C
2H
5)
2とを反応させて化合 物 (式 5) とし、 該化合物 (式 5) を加熱することにより加水分解および脱炭酸し て化合物 (式 6) とし、 該化合物 (式 6) を無水酢酸または無水プロピオン酸等の 存在下にオルトギ酸アルキルと反応させて化合物 (式 7 :ただし、 R
1 Dはアルキ
ル基を示す。 ) とし、 該化合物 (式 7 ) とシクロプロピルアミンを反応させて化合 物 (式 3 A) とし、 該化合物 (式 8 ) を環化させる方法で合成される (特開平 8—
しかし、 従来の方法は、 多工程を要するために効率的な製造方法とはいえず、 ま た、 収率が下がる問題があった。
また、 化合物 (式 6 ) が生成する工程では、 下式 6 Aで表される化合物が副生し て、 これが収率低下につながる問題が認められた。 また、 化合物 (式 6 ) と化合物
(式 6 A) とは油状物質であって、 再結晶による精製ができない問題があった。 さ らに、 化合物 (式 6 ) と化合物 (式 6 A) とは高沸点を有する化合物であることか ら、 蒸留による分離ができない問題も認められた。 そのため、 従来の方法では、 化 合物 (式 7 ) を得る工程において、 未反応化合物として残留する化合物 (式 6 A) をカラムクロマトグラフィ一で除いていた。 式 6 A
本発明は上記の問題を解決すべく、 少ない製造工程で、 および、 簡単な精製工程 で高純度のキノロン系合成抗菌剤用中間体を製造しうる新規な製造方法を提供す る。 また、 本発明は、 キノロン骨格の 5位にアミノ基またはニトロ基、 6位にフッ 素原子を有し、 8位にメチル基を有するキノロン化合物の中間体として有用な新規
化合物 (式 1 ) を提供する。
すなわち、 本発明は 2, 4, 5 —トリフルオロー 3—メチルー 6—二トロ安息香 酸ク口リ ドを下式 2で表される化合物と反応させて下式 1で表されるアミノアク リル酸誘導体とし、 つぎに該式 1で表されるアミノアクリル酸誘導体に R 2— N H 2で表されるァミン誘導体を反応させることを特徴とする下式 3で表されるベン ゾィルアクリル酸誘導体の製造方法を提供する。
ただし、 式中の R 1は低級アルキル基を示し、 R 2はアルキル基、 シクロアルキ ル基、 ァラルキル基、 ァリル基、 ァリール基、 アミノ基、 アルキルアミノ基、 また はジアルキルアミノ基を示す。 式 2 式 1
式 3
また本発明は、 式 1で表されるアミノアクリル酸誘導体を提供する, 発明を実施するための最良の形態
本発明の製造方法は、 以下の反応式で示される。
式 2 式 1 式 3
本発明の製造方法においては、 まず、 2 , 4 , 5 —トリフルオロー 3 —メチル
6—二トロ安息香酸クロリ ドを化合物(式 2) と反応させてアミノアクリル酸誘導 体 (式 1) とする。 以下、 該反応工程を反応工程一 1という。
式 2中の R 1は低級アルキル基であり、 炭素数 1〜 4の直鎖アルキル基が好まし く、 特にメチル基またはェチル基が好ましい。 アミノアクリル酸誘導体 (式 1) お よび化合物 (式 2) には、 二重結合に対する置換位置の異なるシス体とトランス体 とが存在するが、 本発明においてはシス体が好ましい。
化合物 (式 2) は公知化合物であり、 公知の製造方法にしたがって容易に入手で きる。 化合物 (式 2) の具体例としては、 3—ジメチルアミノアクリル酸メチル、 3—ジメチルアミノアクリル酸ェチル、 3—ジメチルアミノアクリル酸プロピル、 3—ジメチルアミノアクリル酸ブチルが挙げられる。
反応工程一 1において、 化合物 (式 2) の量は、 2, 4, 5—トリフルオロー 3 ーメチルー 6—二トロ安息香酸クロリドに対して 0. 5〜 1 0倍モルが好ましく、 特に 1 ~ 2倍モルが好ましい。
. 反応工程— 1は、 塩基の存在下に実施するのが好ましい。
塩基としては、 (R10) (R11) (R12) N (ただし、 R10、 R11, および R 12は、 それぞれ同一であっても異なっていてもよく、 炭素数 1〜4のアルキル基、 またはベンジル基を示す。)で表される第 3級有機ァミン、 アンモニア、 ピリジン、 またはつぎに挙げる環状アミン (ただし、 R13、 R14、 R15、 および R16は、 そ れぞれ独立に炭素数 1〜4のアルキル基、またはベンジル基を示す。 )が好ましい。
16
塩基としてはピリジンが特に好ましい。塩基としてピリジンを使用すると、副生 成物の生成が抑制され、 収率が顕著に向上する利点がある。
塩基の量は 2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—二トロ安息香酸クロリ ドに対して 0. 5〜3倍モルが好ましく、 特に:!〜 2倍モルが好ましい。
また、 反応工程一 1は、 反応溶媒の存在下で実施するのが好ましい。 反応溶媒と しては、 酢酸ェチル、 ァセトニトリル、 トルエン、 キシレン、 炭化水素系溶剤、 N, N—ジメチルホルムアミド、 またはジメチルスルホキシド等が挙げられる。反応溶 媒の量は 2, 4, 5 -トリフルオロー 3—メチルー 6—二トロ安息香酸クロリ ドに
対して 1〜1 00倍質量が好ましい。
反応工程一 1の反応温度は 0t:〜 25でが好ましく、反応時間は 0. 5〜24時 間が好ましい。 該反応で生成するアミノアクリル酸誘導体 (式 1) は、 新規化合物 である。 式 1中の R1は式 2における R1に対応し、 式 2における意味と同じ意味 を示す。
アミノアクリル酸誘導体 (式 1) の具体例としては、 下記化合物が挙げられる。
3—ジメチルアミノー 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—二ト 口べンゾィル) アクリル酸メチル、
3—ジメチルァミノ一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチル一 6—ニト 口べンゾィル) アクリル酸ェチル、
3—ジメチルアミノー 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—二ト 口べンゾィル) アクリル酸プロピル、
3—ジメチルァミノ一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—ニト 口べンゾィル) アクリル酸プチル。
本発明においては反応工程一 1で得られた反応粗生成物をそのまま下記反応程 一 2に用いてもよい力 通常の後処理を行うのが好ましい。特に反応工程一 1を塩 基の存在下に実施した場合には、塩酸と塩基との塩が生成することから、 この塩を 除く後処理を行った後に反応工程一 2を行うのが好ましい。反応工程一 1は選択率 および反応率が高い反応であることから、後処理として特別な分離操作を行う必要 はなく、 ろ過が好ましい。 ろ過により塩酸と塩基との塩は充分除去できる。
つぎに本発明においては、 反応工程— 1で得たアミノアクリル酸誘導体 (式 1) に R2— NH2で表されるァミン誘導体を反応させて、 ベンゾィルアクリル酸誘導 体 (式 3) とする。 以下、 該反応工程を反応工程— 2という。
R2— NH2で表されるァミン誘導体における R2は、 アルキル基、 シクロアルキ ル基、 ァラルキル基、 ァリル基、 ァリール基、 アミノ基、 モノアルキルアミノ基、 またはジアルキルアミノ基を示す。 これらの基の具体例としては、ベンゾィルァク リル酸誘導体 (式 3) 中に示す基が挙げられる。
R 2— NH2で表されるァミン誘導体としては、 R 2がシクロプロピル基である場
合のシクロプロピルァミンが好ましい。 R2— NH2で表されるァミン誘導体の使 用量はアミノアクリル酸誘導体 (式 1) に対して 0. 5〜 1 0倍モルが好ましく、 1〜 2倍モルが特に好ましい。
ベンゾィルァクリル酸誘導体(式 3)の例としては、つぎの化合物が挙げられる。 R 2がアルキル基であるベンゾィルアクリル酸誘導体 (式 3) の例。
3—メチルアミノー 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—ニトロ ベンゾィル) アクリル酸メチル、
3—メチルアミノー 2— (2, 4, 5—卜リフルオロー 3—メチル _ 6—ニトロ ベンゾィル) アクリル酸ェチル、
3—メチルアミノー 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチル— 6—ニトロ ベンゾィル) アクリル酸プロピル、
3—メチルァミノ一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—ニトロ ベンゾィル) アクリル酸プチル。
3—ェチルアミノー 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチル— 6—二トロ ベンゾィル) アクリル酸メチル、
3—ェチルアミノー 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチル— 6—二トロ ベンゾィル) アクリル酸ェチル、
3—ェチルアミノー 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチル— 6—二トロ ベンゾィル) アクリル酸プロピル、
3—ェチルアミノー 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—二トロ ベンゾィル) アクリル酸プチル。
3—プロピルアミノー 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチル一 6—ニト 口べンゾィル) アクリル酸メチル、
3—プロピルアミノー 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチル一 6—二ト 口べンゾィル) アクリル酸ェチル、
3—プロピルアミノー 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチル一 6—二ト 口べンゾィル) アクリル酸プロピル、
3—プロピルァミノ一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—二ト
口べンゾィル) アクリル酸プチル。
3—ブチルアミノー 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—二トロ ベンゾィル) アクリル酸メチル、
3—プチルァミノ— 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチル— 6—二トロ ベンゾィル) アクリル酸ェチル、
3—ブチルアミノー 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—二トロ ベンゾィル) アクリル酸プロピル、
3—ブチルアミノー 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチル— 6—ニトロ ベンゾィル) アクリル酸プチル。
R 2がシクロアルキル基であるベンゾィルアクリル酸誘導体 (式 3) の例。
3—シクロプロピルアミノー 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6 一二トロべンゾィル) アクリル酸メチル、
3—シクロプロピルアミノー 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6 一二トロべンゾィル) アクリル酸ェチル、
3—シクロプロピルアミノー 2— (2 , 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6 —ニトロべンゾィル) アクリル酸プロピル、
3—シクロプロピルアミノー 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチル一 6 一二トロべンゾィル) アクリル酸プチル。
3—シクロブチルアミノー 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6— ニトロべンゾィル) アクリル酸メチル、
3—シクロブチルァミノ一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチル一 6— ニトロべンゾィル) アクリル酸ェチル、
3—シクロブチルァミノ一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチル一 6— ニトロべンゾィル) アクリル酸プロピル、
3—シクロブチルアミノー 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6— ニトロべンゾィル) アクリル酸プチル。
3—シクロペンチルァミノ一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6 —ニトロべンゾィル) アクリル酸メチル、
3—シクロペンチルァミノ— 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6 一二トロべンゾィル) アクリル酸ェチル、
3—シクロペンチルァミノ一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチル一 6 —ニトロべンゾィル) アクリル酸プロピル、
3—シクロペンチルァミノ一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6 一二トロべンゾィル) アクリル酸プチル。
3—シクロへキシルァミノ一 2— (2, 4. 5—トリフルオロー 3—メチル— 6 一二トロべンゾィル) アクリル酸メチル、
3—シクロへキシルァミノ一 2— (2, 4 5—トリフルオロー 3—メチルー 6 一二トロべンゾィル) アクリル酸ェチル、
3—シクロへキシルアミノー 2— (2, 4 5—トリフルオロー 3—メチルー 6 一二トロべンゾィル) アクリル酸プロピル、
3—シクロへキシルアミノー 2— (2, 4 5—トリフルオロー 3—メチルー 6 —ニトロべンゾィル) アクリル酸プチル。
R2がァラルキル基であるベンゾィルアクリル酸誘導体 (式 3) の例。
3一ベンジルァミノ一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチル一 6—二卜 口べンゾィル) アクリル酸メチル、
3—ベンジルァミノ一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—二ト 口べンゾィル) アクリル酸ェチル、
3—ベンジルアミノー 2— (2 , 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—ニト 口べンゾィル) アクリル酸プロピル、
3—ベンジルァミノ一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—二ト 口べンゾィル) アクリル酸プチル。
R2がァリル基であるベンゾィルアクリル酸誘導体 (式 3) の例。
3—ァリルアミノー 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—二トロ ベンゾィル) アクリル酸メチル、
3—ァリルアミノー 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチル一 6—ニトロ ベンゾィル) アクリル酸ェチル、
3—ァリルアミノ一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—ニトロ ベンゾィル) アクリル酸プロピル、
3—ァリルアミノー 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—ニトロ ベンゾィル) アクリル酸プチル。
R 2がァリール基であるベンゾィルアクリル酸誘導体 (式 3) の例。
3—ァニリノ一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチル一 6—二トロベン ゾィル) アクリル酸メチル、
3—ァニリノアミノ一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチル一 6—二ト 口べンゾィル) アクリル酸ェチル、
3—ァニリノ一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—ニトロベン ゾィル) アクリル酸プロピル、
3—ァニリノ一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—ニトロベン ゾィル) アクリル酸プチル。
R 2がアルキルアミノ基であるベンゾィルアクリル酸誘導体 (式 3) の例。
3 - (Ν' -メチルヒドラジノ) 一 2— (2 , 4, 5 -トリフルオロー 3—メチ ルー 6—ニトロべンゾィル) アクリル酸メチル、
3 - (Ν' —メチルヒドラジノ) 一 2— (2, 4 5—トリフルオロー 3—メチ ルー 6—二トロべンゾィル) アクリル酸ェチル、
3 - (Ν' 一メチルヒドラジノ) 一 2— (2, 4 5 トリフルオロー 3—メチ ルー 6—二トロべンゾィル) アクリル酸プロピル、
3— (Ν' 一メチルヒドラジノ) 一 2— (2, 4 5 トリフルオロー 3—メチ ルー 6—二トロべンゾィル) アクリル酸プチル。
3 - (Ν' 一ェチルヒドラジノ) — 2— (2, 4 5—トリフルオロー 3—メチ ルー 6—二トロべンゾィル) アクリル酸メチル、
3— (Ν' —ェチルヒドラジノ) 一 2— (2, 4 5—トリフルオロー 3—メチ ルー 6—二トロべンゾィル) アクリル酸ェチル、
3 - (Ν' 一ェチルヒドラジノ) 一 2— (2, 4 5—トリフルオロー 3—メチ ルー 6—二トロべンゾィル) ァクリル酸プロピル、
T
10
3— (Ν' —ェチルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチ ルー 6—二トロべンゾィル) アクリル酸プチル。
3 - (Ν' —プロピルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メ チル— 6—二トロべンゾィル) アクリル酸メチル、
3— (Ν, 一プロピルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—トリフルォロ一 3—メ チル— 6—ニトロべンゾィル) アクリル酸ェチル、
3 - (Ν' —プロピルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—トリフルォロ一 3—メ チル— 6—ニトロべンゾィル) アクリル酸プロピル、
3 - (Ν' —プロピルヒドラジノ) 一 2 - (2, 4, 5—トリフルォロ一 3—メ チル— 6—ニトロべンゾィル) アクリル酸ブチル。
3— (Ν' —プチルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチ ルー 6—ニトロべンゾィル) アクリル酸メチル、
3— (Ν' —プチルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチ ルー 6—二トロべンゾィル) アクリル酸ェチル、
3 - (Ν' —ブチルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチ ル— 6—ニトロべンゾィル) アクリル酸プロピル、
3 - (Ν' —ブチルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチ ルー 6—二トロべンゾィル) アクリル酸プチル。
3— (N, - t e r tーブチルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—トリフルォロ ― 3—メチル— 6—ニトロべンゾィル) アクリル酸メチル、
3— (Ν' - t e r t—プチルヒドラジノ) 一 2— (2 , 4, 5—トリフルォロ 一 3—メチルー 6—ニトロべンゾィル) アクリル酸ェチル、
3 - (Ν' - t e r t—ブチルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—トリフルォロ 一 3—メチル— 6—二トロべンゾィル) ァクリル酸プロピル、
3— (Ν' - t e r tーブチルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—トリフルォロ 一 3—メチル— 6—ニトロべンゾィル) アクリル酸プチル。
R 2がジアルキルアミノ基であるベンゾィルアクリル酸誘導体 (式 3) の例。
3 - (Ν' , N' —ジメチルヒドラジノ) — 2— (2, 4, 5—トリフルオロー
3—メチル— 6—二:トロべンゾィル) アクリル酸メチル、
3 - (Ν' , N' ージメチルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—二:トロべンゾィル) アクリル酸ェチル、
3 - (Ν' , N' ージメチルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチル— 6—二:トロべンゾィル) アクリル酸プロピル、
3 - (Ν' , Ν, ージメチルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—二:トロべンゾィル) アクリル酸プチル。
3— (Ν' , N' ージェチルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3ーメチルー 6—二:トロべンゾィル) アクリル酸メチル、
3 - (Ν' , N' ージェチルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3ーメチルー 6一二ニトロべンゾィル) アクリル酸ェチル、
3 - (Ν' , Ν, —ジェチルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—二ニトロべンゾィル) アクリル酸プロピル、
3— (Ν' , Ν, ージェチルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3ーメチルー 6—二ニトロべンゾィル) アクリル酸プチル。
3 - (Ν' , Ν, —ジプロピルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—トリフルォロ 一 3ーメチルー 6 - -ニトロべンゾィル) アクリル酸メチル、
3 - (Ν' , N' 一ジブ口ピルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—トリフルォロ ― 3—メチルー 6 - -ニトロべンゾィル) アクリル酸ェチル、
3— (Ν, , Ν' ージプロピルヒドラジノ) 一 2— (2, 4 , 5—トリフルォロ - 3ーメチルー 6 - -二トロべンゾィル) アクリル酸プロピル、
3 - (Ν' , N' ージプロピルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—トリフルォロ 一 3—メチルー 6 - -ニトロべンゾィル) アクリル酸プチル。
3 - (Ν' , Ν, —ジブチルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—:ニトロべンゾィル) アクリル酸メチル、
3— (Ν' , N' —ジブチルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—卜リフルオロー 3—メチル一 6— :ニトロべンゾィル) アクリル酸ェチル、
3— (Ν' , N' 一ジブチルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー
3—メチル— 6—二トロべンゾィル) ァクリル酸プロピル、
3— (Ν' , N' 一ジブチルヒドラジノ) 一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチル— 6—ニトロべンゾィル) ァクリル酸プチル。
反応工程— 2の反応温度は 1 0で未満が好ましく、特に— 1 0で以上 + 1 0 未 満が好ましく、 とりわけ 0〜5t:が好ましい。反応温度が 1 Ot:以上になると副生 成物が増加し、 収率が低下するので好ましくない。 また反応終了後に加温すると副 生成物が増加するおそれがある、 反応生成物は 1 0で未満に保つのが好ましい。 また、反応工程一 2は反応溶媒の存在下で実施するのが好ましい。反応溶媒とし ては、 生成したベンゾィルアクリル酸誘導体 (式 3) を析出させうる反応溶媒、 ま たは、 反応終了後に水を添加することによりベンゾィルアクリル酸誘導体 (式 3) を析出させうる溶媒を用いる.のが好ましい。 反応溶媒としては、 メタノール、 エタ ノール等が挙げられる。反応溶媒量はアミノアクリル酸誘導体(式 1 )に対して 0.
5〜: L 00倍質量が好ましい。
さらに、該反応は酸の不存在下に実施するのが好ましい。酸を存在させずに反応 を行ったとしても、 高収率で式 3で表される化合物を得ることができる。
ベンゾィルアクリル酸誘導体(式 3) は、 キノロン骨格の 5位にアミノ基または ニトロ基、 6位にフッ素原子、 8位にメチル基を有するキノロン化合物の製造に有 用な中間体であり、 たとえば、特開平 8— 1 988 1 9に記載される製造方法にし たがって、合成抗菌剤として有用な前式 4で表されるキノロン化合物等に誘導され うる。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。 なお、 高速液体クロマトグラフィー (HPLC) による分析条件は、 以下のとおり である。
検出器: UV (240 nm) 、
カラム: TSK— g e l ODS— 80TM、
カラム温度: 30°C、
移動相: (ァセトニトリル) ノ (pH7. 0リン酸緩衝液) = 1 / 1、
流速: 1. 0m l /m i n。
[例 1]
3—ジメチルァミノ一 2— (2 , 4, 5—トリフルオロー 3—メチル一 6—ニト 口べンゾィル) アクリル酸ェチルの合成例
3—ジメチルアミノアクリル酸ェチル 1. 4 g (0. 0 1モル) 、 酢酸ェチル 1 5m lとピリジン 0. 8m l (0. 0 1モル) を仕込み、 5 °C以下に冷却した。 こ こに 2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—二トロ安息香酸クロリド 3 g (0. 0 1モル含有) 、 酢酸ェチル 5m 1の混合液を、 0〜 5 に保ちながら滴下 し、 5 で 1時間撹拌後、 さらに室温 (25°C) で一夜 ( 1 2時間) 撹拌した。 析 出したピリジン塩酸塩をろ別し、 ろ液を減圧濃縮し、 残渣 3. 62 gを得た。 残渣 中の 3—ジメチルアミノー 2— ( 2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—二 トロべンゾィル)ァクリル酸ェチルの純度は 87 %(HP L Cによるピーク面積%) であった。
スぺクトル測定用の試料を得るために残渣 3.6 gをシリカゲルカラムクロマト グラフィ一 (溶出溶媒: トルエン:ァセトニトリル = 10 : 1 (体積比) ) で精製 し、 褐色油状物質 1. 7 gを得た。 この褐色油状物質は、 純度が 97. 0 % (HP LCのピーク面積%) である 3—ジメチルアミノ— 2— (2, 4, 5—トリフルォ ロー 3—メチルー 6—ニト口べンゾィル) ァクリル酸ェチルであった。
XH-NMR (CD C 13) δ : 1. 06 (3H, t , J = 7. 2Hz) , 2. 28 (s , 3H) , 3. 10 (3H, b r s ) , 3. 39 (3H, b r s ) , 4. 02 (2H, q, J = 7. 2Hz) , 8. 00 (1H, s) .
I R (KB r ) cm— 1695, 1 635, 1 555, 1 38 1, 1097. [例 2]
3—ジメチルァミノ一 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—二ト 口べンゾィル) アクリル酸ェチルの合成例
3—ジメチルアミノアクリル酸ェチル 1. 4 g (0. 0 1モル) 、 酢酸ェチル 1 5m 1、 トリエチルァミン 1. 4m l (0. 0 1モル) を仕込み、 5でに冷却した。 これに 2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチル— 6—ニトロ安息香酸クロリ ド 3. 5 g (0. 0 1 1モル含有) 、 酢酸ェチル 5m 1の混合液を、 0〜5 に保ちなが
ら滴下し、 5°Cで 1時間撹拌後、 さらに室温 (25°C) で 2時間撹拌した。 析出し たトリエチルァミン塩酸塩をろ別し、 ろ液を減圧濃縮した。 濃縮残渣は、 純度が 4
3. 6 %である 3—ジメチルアミノー 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチ ルー 6—二トロべンゾィル) ァクリル酸ェチルであった。
[例 3]
3—シクロプロピルァミノ— 2— (2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6 一二トロべンゾィル) アクリル酸ェチルの合成例
3—ジメチルアミノアクリル酸ェチル 14. 4 g (0. 1モル) 、 酢酸ェチル 6 0m lとピリジン 8. 0m l (0. 1モル) を仕込み 5でに冷却した。 ここに 2, 4, 5—トリフルオロー 3—メチルー 6—二ト口安息香酸クロリド 27. 8 g ( 0. 1モル含有) と酢酸ェチル 15m lの混合液を 0〜5·Όに保ちながら滴下し、 5で で 1時間撹拌後、 さらに室温 (25で) で一夜 (12時間) 撹拌した。 析出したピ リジン塩酸塩をろ別し、 ろ液を減圧濃縮した。
濃縮残渣にエタノール 50m 1を添加し、 0 に冷却した。 これにシクロプロピ ルァミン 6. 1 g (0. 1 lmo 1 ) をエタノール 1 Om 1に溶解させた溶液を 0 〜5°Cに保ちながら滴下し、 1時間撹拌後、 水 5 Om lを添加し、 析晶した結晶を ろ取した。 この結晶にエタノール 5m 1をふりかけて洗浄し、 未乾燥の結晶 35. 2 gを得た。 これを乾燥して 29. 2 gの 3—シクロプロピルアミノー 2— (2,
4, 5—トリフルオロー 3—メチル— 6—ニトロべンゾィル) ァクリル酸ェチルを 得た。収率は 78. 4%、 HP L Cのピーク面積による純度は 98. 5%であった。 産業上の利用可能性
本発明の製造方法によれば、少ない工程数かつ高い収率で、 医薬品の中間体およ び原体として有用なアミノアクリル酸誘導体(式 1)およびベンゾィルアクリル酸 誘導体 (式 3) を製造できる。