JPWO2007119361A1 - キナゾリン−4−オン誘導体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

一般式(1)で示されるアントラニル酸誘導体、特にアントラニル酸、アントラニル酸アミド、アントラニル酸エステルから選ばれるアントラニル酸誘導体とホルムアミドを反応させるに際して、触媒として、反応液中に酢酸と塩基類が共存する条件下で反応を行うことにより、副反応を伴うことなく高収率で、医薬中間体原料等として有用な一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体を製造することが可能となった。

Description

本発明は、一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体の製造方法に関する。
すなわち、本発明は、触媒の存在下、一般式(1)で示されるアントラニル酸誘導体とホルムアミドを反応させる一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体の製造方法に関する。
一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体は、医薬中間体原料等として重要な化合物である。
Figure 2007119361
Figure 2007119361
(式中、R1、R2、R3およびR4は、相互に独立して水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、またはC1〜C6のアルキル基若しくはアルコキシ基を示す。また、Xは水酸基、アミノ基、またはC1〜C6のアルコキシ基を示す。)
従来、アントラニル酸誘導体からキナゾリン−4−オン誘導体を製造する方法としては、以下の方法が知られている。
1)5−ヨードアントラニル酸と酢酸ホルムアミジンを氷酢酸中で、還流下、反応させて6−ヨードキナゾリン−4−オンを製造する方法(例えば、特許文献1参照)、2)ギ酸アンモニウムとホルムアミドの存在下、アントラニル酸メチルを反応させて、キナゾリン−4−オンを製造する方法(例えば、非特許文献1参照)、3)アントラニル酸とホルムアミドを触媒なしで反応させて、キナゾリン−4−オンを製造する方法(例えば、非特許文献2参照)、4)アンモニア存在下、アントラニル酸誘導体とオルトギ酸エステルとを反応させて、キナゾリン−4−オン誘導体を製造する方法(例えば、特許文献2参照)、5)酢酸アンモニウムの存在下、アントラニル酸誘導体とオルトギ酸エステルとを反応させて、キナゾリン−4−オン誘導体を製造する方法(例えば、特許文献3参照)、6)酸触媒としてギ酸またはモノブロモ酢酸を、あるいは塩基触媒としてアルカリ金属炭酸塩を使用し、4,5−ジオキシアントラニル酸エステル誘導体とホルムアミドを反応させて、6,7−ジオキシキナゾリン誘導体を製造する方法(例えば、特許文献4参照)がある。
しかし、1)特許文献1の方法は、キナゾリン骨格の窒素源および炭素源として、高価な酢酸ホルムアミジンを過剰に使用しなければならない問題がある。
2)非特許文献1の方法は、175℃で4時間と高温かつ長時間にわたる反応を必要とするうえ、得られるキナゾリン−4−オンの収率はたかだか70%にすぎない。
3)非特許文献2の方法はキナゾリン骨格の窒素源および炭素源として安価なホルムアミドを使用しており、無触媒、130℃、2.5時間の反応で83%の収率と、非特許文献1の方法に比較して製法的には向上しているが、工業的には更に収率を改善する必要がある。
4)特許文献2の方法は、窒素源としてアンモニアを使用し、炭素源としてオルトギ酸エステルを使用する方法である。
この方法は無触媒で反応を行うことができるが、アンモニア、更には高価なオルトギ酸エステルを過剰に使用しなければならない問題がある。
5)特許文献3の方法は、窒素源としてカルボン酸アンモニウムを使用し、炭素源としてオルトギ酸エステルを使用する方法であって、無触媒で反応を行うことができるが、やはり高価なオルトギ酸エステルを過剰に使用しなければならない問題がある。
6)特許文献4の方法は、6,7−ジオキシキナゾリン誘導体の製造において、キナゾリン骨格の窒素源および炭素源としてホルムアミドを使用しており、触媒として、酸触媒であるギ酸若しくはモノブロモ酢酸、または塩基触媒であるアルカリ金属炭酸塩を使用し、130℃の反応温度条件で収率90%と比較的良好な成績を得ているが、反応時間は6〜7時間と長く、工業的には更に改善する必要がある。
以上のように、従来の方法は、克服されなければならない種々の問題を抱えており、満足できるものではない。
特表平10−505600号公報 特開2003−183262号公報 国際公開第03/064399号パンフレット 特開2002−338550号公報 B.R.BAKER,JOSEPH P.JOSEPH,ROBERTE.SCHAUB,FRANCIS J,McEVOY and JAMES H.WILLIAMS,J.Org.Chem.,18,138(1953) Christoph SEGER,Srunya VAJRODAYA,Harald GREGER,and Otmar HOFER,Chem.Pharm.Bull.,46(12)1926−1928(1998)
本発明の目的は、医薬品原料等として重要な一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体を、一般式(1)で示されるアントラニル酸誘導体とホルムアミドより製造するための、より効率的で工業的に実施可能な方法を提供することにある。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者等は、触媒として、反応溶液中に、酢酸と塩基類を共存させることによって、穏和な反応条件で、短時間かつ高収率で一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体を製造し得ることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の1〜5に示す、一般式(1)で示されるアントラニル酸誘導体とホルムアミドからの効率性に優れ、かつ工業的に実施可能な一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体の製造方法に関する。
すなわち、本発明は、
1.一般式(1)で示されるアントラニル酸誘導体とホルムアミドを反応させて一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体を合成するに際して、触媒として、反応液中に酢酸と塩基類が共存する条件下で反応を行うことを特徴とする、一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体の製造方法
Figure 2007119361
Figure 2007119361
(式中、R1、R2、R3およびR4は、相互に独立して水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、またはC1〜C6のアルキル基若しくはアルコキシ基を示す。また、Xは水酸基、アミノ基、またはC1〜C6のアルコキシ基を示す。)
2.反応液中に共存する酢酸と塩基類の量が、一般式(1)で示されるアントラニル酸誘導体に対して、何れも0.1〜2.0倍モルの範囲であり、かつ、酢酸に対する塩基類のモル比が0.2〜10倍モルの範囲である、上記1に記載の一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体の製造方法、
3.反応液中に酢酸を存在させるために用いる物質が、酢酸及び酢酸塩から選ばれる一種以上である、上記1に記載の一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体の製造方法、
4.反応液中に塩基類を存在させるために用いる物質が、アンモニア、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、エチレンジアミン、プロパンジアミン、トリメチルアミン及びトリエチルアミンから選ばれる一種以上である、上記1に記載の一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体の製造方法、
5.酢酸塩が、酢酸アンモニウム、酢酸ナトリウム及び酢酸カリウムから選ばれる一種以上である、上記3に記載の一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体の製造方法を提供するものである。
以下、本発明の一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体の製造方法について詳細に説明する。
本発明の原料のアントラニル酸誘導体は、前記の一般式(1)で示される。
一般式(1)において、R1、R2、R3およびR4は、相互に独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、またはC1〜C6のアルキル基若しくはアルコキシ基を示す。
また、Xは水酸基、アミノ基、またはC1〜C6のアルコキシ基を示す。
ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を示し、R1、R2、R3およびR4が共に同じ種類のハロゲン原子であっても、また異なる種類のハロゲン原子であってもよい。
1〜C6のアルキル基は、炭素数1〜6のアルキル基を表し、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基を示す。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
1〜C6のアルコキシ基は、炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシル基、ヘキシルオキシ基を示す。
なお、これらの基も、各種異性体を含む。
一般式(1)で示されるアントラニル酸誘導体としては、一般式(1)で示されるアントラニル酸、アントラニル酸アミド、アントラニル酸エステル等が好ましい。
一般式(1)で示されるアントラニル酸誘導体は公知の化合物であるか、または公知の化合物から公知の方法を用いて、例えば、対応するニトロ安息香酸を接触水添することにより製造することができる。
なお、かかるニトロ安息香酸は、例えば、国際公開第03/064399号パンフレットまたはこれと同様の方法で製造できる。
本発明に使用されるホルムアミドは、工業用原料または試薬として市販されている通常のものが使用できる。
ホルムアミドの使用量としては、特に制限はないが、一般式(1)で示されるアントラニル酸誘導体1モルに対して、通常、0.8〜30倍モル、好ましくは5〜28倍モル、より好ましくは10〜25倍モルである。
ホルムアミドの使用量が0.8倍モル未満であると、基質濃度が薄く、反応速度が低下するという不都合が生じる。
一方、30倍モルを超えると、反応後に多量のホルムアミドを回収する必要があり不経済となる。
本発明で使用する溶媒は、本反応に不活性なものであればよく、反応混合物が常に撹拌され得るに充分な量があればよい。
使用し得る溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、酢酸等の有機酸類、ブチロラクトン等のラクトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、N−メチルピロリドン等のラクタム類、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類が挙げられるが、反応系の複雑化を避ける意味でホルムアミド自体を溶媒として用いるのが最も好ましい。
本反応においては、触媒として、反応溶液中に酢酸と塩基類が共存する条件下で反応を行う。
反応溶液中に酢酸を存在させるために用いる物質としては、例えば、酢酸及び酢酸源となる酢酸塩が挙げられる。
酢酸源となる酢酸塩の好ましい例としては、酢酸アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等が挙げられる。
酢酸及び酢酸源となる酢酸塩は、単独または混合して使用しても良い。
また、酢酸塩は、一種類の酢酸塩または二種類以上の酢酸塩を混合して使用しても良い。
反応溶液中に存在させるべき酢酸の量は、一般式(1)で示されるアントラニル酸誘導体1モルに対して、酢酸と酢酸源となる酢酸塩の合計量として0.1〜2.0倍モル、好ましくは0.2〜1.8倍モル、より好ましくは0.4〜1.6倍モルである。
酢酸と酢酸源となる酢酸塩の合計量が0.1倍モル未満の場合は、一般式(1)で示されるアントラニル酸誘導体の一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体への転化率が低下し、アントラニル酸誘導体の2位のアミノ基がホルムアミドによりホルミル化された2−ホルミルアントラニル酸誘導体の副生が無視できなくなる。
また、酢酸と酢酸源となる酢酸塩の合計量が2.0倍モルを超えると、液体クロマトグラフィーで検出される未同定の副生物が増え、キナゾリン−4−オン誘導体の選択率が低下する不都合を伴う。
反応溶液中に塩基類を存在させるために用いる物質としては、例えば、無機塩基のアンモニア、アルカリ金属炭酸塩の炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、または炭酸セシウム等、アルカリ金属炭酸水素塩の炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、または炭酸水素セシウム等、アルカリ金属アルコキシドのナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、またはカリウムエトキシド等、有機アミンのメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、エチレンジアミン、プロパンジアミン、トリメチルアミン、またはトリエチルアミンが挙げられる。
これらのうち、無機塩のアンモニア、有機アミンのプロピルアミン、ジエチルアミン、またはエチレンジアミン等が好ましく、特にアンモニアが利便性の点で好ましい。
なお、これらの塩基類は、単独または二種類以上を混合して使用しても良い。
反応溶液中に存在させるべき塩基類の量は、一般式(1)のアントラニル酸誘導体1モルに対して、0.1〜2.0倍モル、好ましくは0.2〜1.8倍モル、より好ましくは0.4〜1.6倍モルである。
塩基類の量が前記範囲内であると、2−ホルミルアントラニル酸誘導体の副生を抑制する効果がある。
上記のように、本発明は、一般式(1)で示されるアントラニル酸誘導体とホルムアミドを反応させて一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体を合成するに当たって、触媒として、反応溶液中に酢酸と塩基類を共存させることを特徴する。
なお、反応溶液中に含まれる酢酸に対する塩基類の比率は、0.05〜20倍モル、好ましくは0.1〜20倍モル、より好ましくは0.2〜10倍モル、更に好ましくは0.3〜5倍モルである。
反応溶液中に触媒として酢酸と塩基類を共存させることによって、穏和な温度でかつ短時間で反応を行うことが可能になる。
本発明の反応は、例えば、不活性ガス雰囲気にて、一般式(1)で示されるアントラニル酸誘導体とホルムアミド、および酢酸と塩基類からなる触媒を混合して、撹拌する等の方法によって行われる。
その際の反応温度は100〜170℃、好ましくは110〜160℃、より好ましくは120〜155℃である。
反応温度が、100℃未満あるいは170℃を超えると副反応が多くなる。
すなわち、100℃未満では、アントラニル酸誘導体がホルミル化された2−ホルミルアントラニル酸誘導体の副生が多くなり、170℃を超えると液体クロマトグラフィーで検出される未同定の副生物が増え、一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体の選択率が低下する。
触媒として反応溶液中に酢酸および塩基類を共存させることにより、2−ホルミルアントラニル酸誘導体等の副生物の生成が抑えられため、目的とする一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体を高い転化率および選択率で製造することが可能となる。
なお、反応時間は、通常、0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間である。
反応圧力は、液相を保持する圧力、通常、常圧である。
反応終了後、反応混合液を、例えば、室温まで冷却し晶析する。
晶析した沈殿物を濾過し、更に、例えば、反応に用いた同一組成の溶媒で濾過ケーキを洗浄し、次ぎに真空乾燥することによって、目的とする一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体の白色結晶を得ることができる。
なお、使用目的によって更に精製を要する場合には、再結晶、分留、クロマト分画等の一般的な方法によって精製することができる。
以下、実施例および比較例をもって本発明をより具体的に説明する。
但し、本発明はこれらの例によって制限されるものではない。
実施例1:(6,7−ジメトキシキナゾリン−4−オンの合成)
酢酸、および無機塩基としてアンモニアを触媒として用い、下記のようにして6,7−ジメトキシキナゾリン−4−オンを合成した。
撹拌装置、温度計および圧力計を備えた内容積25mLのsus316製のオートクレーブに窒素雰囲気下、4,5−ジメトキシアントラニル酸メチル0.84g(4mmol)、ホルムアミド3.60g(80mmol)、酢酸0.17g(2.8mmol)、耐圧ボンベからアンモニア0.05g(2.8mmol)を加え、150℃で2時間反応させた。
反応終了後、反応液を室温まで冷却して、析出した結晶を濾過し、メタノールで結晶を洗浄後、70℃で2時間真空乾燥し結晶0.77gを得た。
得られた結晶について高速液体クロマトグラフィーを用いて純度を分析したところ、純度は99.5%であり、6,7−ジメトキシキナゾリン−4−オンが収率93.0%で得られた。
結果を表1に示す。
実施例2〜4並びに比較例1および2:(6,7−ジメトキシキナゾリン−4−オンの合成)
触媒を表2のように変えた以外は、実施例1と同様にして反応および後処理を行った。
なお、実施例4では酢酸アンモニウムを、比較例1、2では特開2002−338550号公報(特許文献4)の記載と同様に、各々、ギ酸、または炭酸カリウムを触媒として単独に使用した。
表1の結果より、本発明の酢酸と塩基類を共存させる反応系の方が、ギ酸や炭酸カリウムを単独で使用する従来の反応系よりも6,7−ジメトキシキナゾリン−4−オンの収率が優れていることが分かる。
Figure 2007119361
実施例5:(6−ヨードキナゾリン−4−オンの合成)
酢酸、および塩基類としてジエチルアミンを触媒として共存させて、下記のようにして6−ヨードキナゾリン−4−オンを合成した。
撹拌装置、温度計および圧力計を備えた内容積25mLのsus316製のオートクレーブに窒素雰囲気下、5−ヨードアントラニル酸1.05g(4mmol)、ホルムアミド3.60g(80mmol)、酢酸0.17g(2.8mmol)、ジエチルアミン0.17g(2.8mmol)を加え、150℃で2時間反応させた。
反応終了後、反応液を室温まで冷却して、析出した結晶を濾過し、酢酸で結晶を洗浄して70℃で2時間真空乾燥し結晶1.01gを得た。
また、上記母液は3.98gであった。
得られた結晶および母液を5−ヨード−2−メチル安息香酸を内部標準物質とした高速液体クロマトグラフィーを用いて純度を分析したところ、結晶純度は99.5%、母液中の6−ヨードキナゾリン−4−オンは痕跡であり、6−ヨードキナゾリン−4−オン収率は92.3%であった。
結果を表2および表3に示す。
実施例6〜9および比較例3〜5:(6−ヨードキナゾリン−4−オンの合成)
触媒を変えた以外は、実施例5と同様に反応および後処理を行った。
また、比較例として無触媒の場合、酸触媒のみの場合、塩基類触媒のみの場合を示した。
結果を表2に示す。
Figure 2007119361
実施例10〜12並びに比較例6及び7:(6−ヨードキナゾリン−4−オンの合成)
実施例5において、5−ヨードアントラニル酸(IAAc)に対する酢酸量或いはジエチルアミン(DEA)量を変えた以外は、実施例5と同様に反応および後処理を行った。
比較例として、酢酸(2.8mmol)のみの場合、ジエチルアミン(2.8mmol)のみの場合を示した。
得られた結果を、実施例5を含めて表3に示す。
Figure 2007119361
表3より、触媒として、酢酸単独、ジエチルアミン単独を使用する場合に対して、酢酸とジエチルアミンを共存させることにより、6−ヨードキナゾリン−4−オンの収率が向上することが分かる。
実施例13〜21
実施例5において、アントラニル酸誘導体の種類を変えた以外は、実施例5と同様に反応及び後処理を行った。
その結果を表4に示す。
Figure 2007119361
本発明は、医薬中間体原料等として有用な一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体の経済的な製造方法を提供する。

Claims (5)

  1. 一般式(1)で示されるアントラニル酸誘導体とホルムアミドを反応させて一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体を合成するに際して、触媒として、反応液中に酢酸と塩基類が共存する条件下で反応を行うことを特徴とする、一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体の製造方法。
    Figure 2007119361
    Figure 2007119361
    (式中、R1、R2、R3およびR4は、相互に独立して水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、またはC1〜C6のアルキル基若しくはアルコキシ基を示す。また、Xは水酸基、アミノ基、またはC1〜C6のアルコキシ基を示す。)
  2. 反応液中に共存する酢酸と塩基類の量が、一般式(1)で示されるアントラニル酸誘導体に対して、何れも0.1〜2.0倍モルの範囲であり、かつ、酢酸に対する塩基類のモル比が0.2〜10倍モルの範囲である、請求項1に記載の一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体の製造方法。
  3. 反応液中に酢酸を存在させるために用いる物質が、酢酸及び酢酸塩から選ばれる一種以上である、請求項1に記載の一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体の製造方法。
  4. 反応液中に塩基類を存在させるために用いる物質が、アンモニア、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、エチレンジアミン、プロパンジアミン、トリメチルアミン及びトリエチルアミンから選ばれる一種以上である、請求項1に記載の一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体の製造方法。
  5. 酢酸塩が、酢酸アンモニウム、酢酸ナトリウム及び酢酸カリウムから選ばれる一種以上である、請求項3に記載の一般式(2)で示されるキナゾリン−4−オン誘導体の製造方法。
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