WO2000007169A1

WO2000007169A1 - Ecran cathodique

Info

Publication number: WO2000007169A1
Application number: PCT/JP1998/003371
Authority: WO
Inventors: Kazuo Enmoto; Akihiro Iriguchi; Youichi Hattori
Original assignee: Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha
Priority date: 1998-07-27
Filing date: 1998-07-27
Publication date: 2000-02-10
Also published as: TW392192B; KR20010024250A

Description

明細書

CRT表示装置

技術分野

本発明は、 CRT表示装置に関し、特に、不要輻射の低減を、簡単な製造工程を通じて安価に実現するための改良に関する。

背景技術

第 20図に示すように、 C RT表示装置には、その主要部として、 CRT 7 1、外部シ一ルド 7 2、および、シャーシ 7 3が備わっている。 C RT 7 1は、電子線を走査することによって画像を映し出す装置部分である。外部シールド 7 2は、 CRT 7 1から放出される不要輻射としての電磁波雑音をシールドするために C RT 7 1の背面部を覆う枠状に構成された装置部分であり、金属板で構成される。シャーシ 7 3は、電源を含む各種の電子回路を構成する回路部品を搭載する装置部分である。

CRT 7 1から発生する電磁波雑音の外部への放出を効果的に抑えるために、 CRT 7 1と外部シールド 7 2の間が、接続部材 74を通じて電気的に接続され、外部シールド 7 2とシャーシ 73の間が、接続部材 75を通じて電気的に接続される。そして、シャーシ 73は、例えば、電源ライン 76を通じて、大地へ接続される。 CRT 7 1は、このような経路を通じて、大地へ接地される。

第 2 1図は、従来の C RT表示装置の部分断面図である。 C RT 7 1には、画像が映出される正面パネル 80、この正面パネル 80とともに内部を真空に封じ込む背面部 8 1が備わっている。正面パネル 80および背面部 8 1は、ともに、ガラスで構成されている。 CRT 7 1には、さらに、正面パネル 80と背面部 8 1で構成されるガラス管の一続きの上面部、側面部、および、下面部を包囲し、帯状の金属で構成される防爆バンド 82、背面部 8 1の帯電を防止するために背面部 8 1の表面に炭素が塗布されてなる外装ダック 83、および、電子線を偏向させるためのコイル 84が備わっている。

また、正面パネル 80と背面部 8 1で構成されるガラス管の正面から見た周囲の 4隅には、 C RT 7 1と外部シールド 7 2とを互いに固定するための板状の突起部であるラグ 9 7が、設けられている。これらのラグ 9 7は、防爆バンド 8 2 に連結されている。そして、外部シールド 7 2の前面の 4隅には、ラグ 9 7に対向するように、外方に突起したラグ取付部 9 8が設けられている。ラグ 9 7とラグ取付部 9 8とがネジ 9 9で締結されることによって、 C R T 7 1 と外部シールド 7 2とカ^ 互いに固定されている。

ラグ 9 7とラグ取付部 9 8とが締結されることによって、防爆バンド 8 2と外部シールド 7 2との間の電気的接続が、同時に実現する。しかしながら、周波数の高い電磁波の放出である不要輻射を抑制する上では、これだけでは十分ではなく、 C R T 7 1の複数の部位を接地することによって、 C R T 7 1の各部の電位を、ゼロ電位に近づけることが必要される。

そのために、防爆バンド 8 2と外部シールド 7 2との間が、さらに、複数部位に設けられた導電部材 8 7を通じて、電気的に接続されている。加えて、外装ダック 8 3と外部シールド 7 2の間も、複数部位に設けられた導電部材 8 9を通じて、電気的に接続されている。このように、 C R T 7 1の各部が、導電部材 8 7 , 8 9を通じて、外部シールド 7 2へと接地されることによって、 C R T 7 1で発生する電磁波雑音の外部への放出が、効果的に抑制されている。

導電部材 8 7 , 8 9は、いずれも、弾性に優れたリン青銅の板で構成され、ネジ 9 0によって、外部シールド 7 2に締結されている。導電部材 8 7は、取付前の形状が第 2 2図に示されるように、外部シールド 7 2へ面接触する平坦部と、その一端から折れ曲がって起立し、しかも、緩やかな曲面を描くように曲げられた弧状部とを有している。また、平坦部には、ネジ 9 0が貫通するための孔が設けられている。

導電部材 8 7が外部シールド 7 2へ固定され、さらに、 C R T 7 1が外部シ一ルド 7 2と締結されると、第 2 3図が示すように、導電部材 8 7は防爆バンド 8 2の表面によつて押し上げられ、その弧状部が外部シールド 7 2へ接近するように湾曲する。この変形にともなって発生する弾性復元力によって、導電部材 8 7 は防爆バンド 8 2の表面に押圧される。それによつて、防爆バンド 8 2の表面への導電部材 8 7の電気的接触が実現されている。

導電部材 8 9は、第 2 4図に示されるように、外部シールド 7 2へ面接触する平坦部と、その一端から折れ曲がって延びたフォーク状部とを有している。フォ

—ク状部の先端は、複数の枝に分岐している。また、平坦部には、ネジ 9 0が貫通するための孔が設けられている。導電部材 8 9が外部シールド 7 2へ固定され、さらに、 C R T 7 1が外部シールド 7 2と締結されると、第 2 1図が示すように、導電部材 8 9は外装ダック 8 3の表面によって押し上げられ、そのフォーク状部が外部シールド 7 2へ接近するように湾曲する。この変形にともなって発生する弾性復元力によって、導電部材 8 9は外装ダック 8 3の表面に押圧される。その結果、外装ダック 8 3の表面への導電部材 8 9の電気的接触が実現されている。以上のように、 C R T 7 1がガラス製品であって、その形状の寸法精度に限界があることから、従来の C R T表示装置では、金属片として構成される導電部材

8 7 , 8 9の弾性復元力を利用することによって、 C R T 7 1の接地が実現されていた。しかしながら、弾性に富むとともに、その弾性が経年変化によって失われることがなく、しかも、導電性の高い材料が、導電部材 8 7 , 8 9の材料として選択される必要がある。

そのような条件を満たす材料として、リン青銅が好適といえるが、リン青銅は、高価であるために、その分、製造コストが高くなるという問題点があった。さらに、導電部材 8 7， 8 9を外部シールド 7 2へ取り付けるためには、ネジ 9 0が使用されなければならないために、 C R T表示装置の組立工程において、作業の能率が悪く、しかも、組立に要するコストが高くなるという問題点があった。さらに、 C R T表示装置には、 C R T 7 1の内部に備わる図示しないシャドウマスク、または、テンショングリルなどの磁性体部品が着磁したときに、消磁を行うためのコイル、すなわち、消磁コイル（デガウスコイル）カ^ さらに備わるのが通例である。そして、従来の C R T表示装置では、消磁コイルを取り付けるための各種の部材は、導電部材 8 7 , 8 9とは、別個に準備されていた。

第 2 5図は、従来の C R T表示装置において、消磁コイルが取り付けられた部分を示す部分斜視図である。消磁コイル 9 1は、外部シールド 7 2の上板部の内側の周縁部に沿って、環状をなすように取り付けられている。そして、消磁コィル 9 1に沿って外部シールド 7 2の上板部の複数部位に取り付けられた支持部材

9 4によって、消磁コイル 9 1が支持されている。また、外部シールド 7 2の上板部の前面部では、消磁コイル 9 1は、結束バンド 9 2によって、外部シールド 7 2へと締結されている。また、結束バンド 9 2 が当接する消磁コイル 9 1の部位には、フェルトで構成される緩衝材 9 3が取り付けられている。なお、図示を略するが、外部シールド 7 2の底板部にも、同様に、消磁コイル 9 1が取り付けられている。

第 2 6図は、第 2 5図において結束バンド 9 2で締結される部位 Aを拡大して示す拡大断面図である。消磁コイル 9 1は、電線 9 5の束と、その周囲を包囲する絶縁テープ 9 6とを備えている。そして、結束バンド 9 2は、消磁コイル 9 1 を包囲する環状の緩衝材 9 3と、外部シールド 7 2の前面部とを、互いに締結している。それによつて、消磁コイル 9 1が損傷を受けることなく、しかも、消磁コイル 9 1が動作中に振動することに起因して異音を発生することもなく、外部シールド 7 2へと固定されている。

第 2 7図は、支持部材 9 4の正面図である。支持部材 9 4は、外部シールド 7 2の上板部に設けられた孔に固定可能なように係合する頭部と、消磁コイル 9 1 を包囲する緩衝材 9 3を、弾性復元力をもって挟み込む脚部と、それらを連結する胴部とを有している。第 2図に示すように、頭部が外部シールド 7 2に固定され、消磁コイル 9 1が脚部に挟み込まれることによって、消磁コイル 9 1が外部シールド 7 2へと支持される。

以上のように、従来の C R T表示装置では、消磁コイル 9 1を固定するための部材である結束バンド 9 2および支持部材 9 4のいずれもが、 C R T 7 1を接地するための部材とは、別個に準備されていた。したがって、この意味でも、 C R T表示装置の組立工程が複雑になっており、製造コストが高いものとなっていた。発明の開示

本発明は、上記のような問題点を解決し、不要輻射の低減を、簡単な製造工程を通じて安価に実現する C R T表示装置を提供することを目的とする。

この目的のために、本発明に係る C R T表示装置の第 1の態様は、表面に導電部を有する C R Tと、前記 C R Tに固定的に連結され、前記 C R Tの前記導電部を囲んでいる導電体の外部シールドと、前記導電部と前記外部シールドとを互いに電気的に接続する導電部材と、を備え、当該導電部材は、実質的に有機高分子材料から成り、少なくともその表面において導電部分を有し、しかも、その弾性復元力により前記導電部を押圧している。

本発明に係る C R T表示装置の第 2の態様では、第 1の態様の C R T表示装置において、前記導電部材が、前記導電部と前記外部シールドとによって、挟まれつつ押圧されており、前記導電部と前記導電部材とが互いに面接触し、前記導電部材と前記外部シールドとが互いに面接触している。

本発明に係る C R T表示装置の第 3の態様では、第 2の態様の C R T表示装置において、前記導電部材が、前記導電部に接着されている。

本発明に係る C R T表示装置の第 4の態様は、第 2の態様の C R T表示装置において、消磁コイルをさらに備え、前記導電部材には、溝が形成されており、当該溝によって、前記消磁コイルが支持されている。

本発明に係る C R T表示装置の第 5の態様では、第 2の態様の C R T表示装置において、前記導電部材が、剛性を弱めるように、その形状において屈曲部を有する。

本発明に係る C R T表示装置の第 6の態様では、第 1の態様の C R T表示装置において、前記導電部材に、切れ込みが形成されており、前記外部シールドの端縁が前記切れ込みに挟み込まれ、しかも、前記導電部材は、前記導電部と前記外部シールドとによって、押圧されており、前記導電部と前記導電部材とが互いに面接触し、前記導電部材と前記外部シールドとが互いに面接触している。

本発明に係る C R T表示装置の第 7の態様は、第 1の態様の C R T表示装置において、フロン卜べゼルを、さらに備え、前記導電部材に、切れ込みが形成されており、前記外部シールドの端縁が前記切れ込みに挿入され、前記導電部材は、前記導電部と前記フロントべゼルとによって、挟まれつつ押圧されており、前記導電部と前記導電部材とが互、に面接触し、前記導電部材と前記外部シ一ルドとが互いに面接触している。

本発明に係る C R T表示装置の第 8の態様では、第 1の態様の C R T表示装置において、前記導電部材が、一端において連結し他端において複数の枝に分岐した板状体であり、前記一端が前記外部シールドに固定されており、前記複数の枝が弾性的に湾曲して前記導電部を押圧している。本発明に係る C R T表示装置の第 9の態様では、第 1の態様の C R T表示装置において、前記有機高分子材料が、導電性のゴムである。

本発明に係る C R T表示装置の第 1 0の態様では、第 1の態様の C R T表示装置において、前記有機高分子材料が、導電性の樹脂である。

本発明に係る C R T表示装置の第 1 1の態様では、第 1の態様の C R T表示装置において、前記有機高分子材料が、樹脂であり、しかも、当該樹脂には、導体で表面処理がなされている。

本発明に係る C R T表示装置の第 1 2の態様では、第 1の態様の C R T表示装置において、前記有機高分子材料が、導電性で、しかも、スポンジ状の多孔構造を有する。

本発明に係る C R T表示装置の第 1 3の態様では、第 1の態様の C R T表示装置において、前記有機高分子材料が、スポンジ状の多孔構造を有する芯部と、導電性のゴムで構成され前記芯部を包囲する包囲部と、を含んでいる。

本発明に係る C R T表示装置の第 1の態様によれば、不要輻射を抑制するためになされる C R Tの導電部と外部シールドとの間の電気的接続が、少なくとも表面に導電性を有する有機高分子材料で実質的に構成される導電部材によって、実現される。すなわち、電気的接続にリン青銅等の高価な材料を用いることなく、成型が容易で安価な有機高分子材料を用いることによって、装置の製造コストを節減することができる。また、弾性復元力によって導電部が押圧されるので、 C R Tおよび外部シールドに寸法誤差があっても、それによつて、電気的接続が妨げられない。

本発明に係る C R T表示装置の第 2の態様によれば、導電部材が、導電部と外部シールドとによって、挟まれつつ押圧されている。このため、導電部材の形状を簡素なものとすることでき、しかも、導電部材を、導電部材と外部シールドとの間に簡単に取付けることが可能になる。その結果、装置の製造コストが、さらに節減される。また、面接触によって、低抵抗の電気的接続が達成されるので、不要輻射を抑制する効果が一層高められる。

本発明に係る C R T表示装置の第 3の態様によれば、導電部材が導電体に接着されているので、導電部材を挟み込むように C R Tと外部シールドとを締結する組立工程において、組立の作業性が向上する。このため、製造コストが、さらに節減される。

本発明に係る C R T表示装置の第 4の態様によれば、消磁コイルが導電部材に支持されるので、消磁コイルを支持するための部材を別途準備する必要がない。また、消磁コイルは、導電部材に設けられた溝にによって支持されるので、消磁コイルを固定するための組立工程が、簡略なものとなる。このため、消磁コイルを備える C R T表示装置の製造に要するコストカ^ 節減される。

本発明に係る C R T表示装置の第 5の態様によれば、導電部材が、その剛性を弱めるように、屈曲部を有するので、剛性の高いゴムや樹脂を、導電部材に好適な材料として利用することが可能となる。

本発明に係る C R T表示装置の第 6の態様によれば、外部シールドが導電部材の切れ込みに挟み込まれるので、導電部材と外部シールドとの接触面積が大きくなる。同時に、通常において C R T表示装置に備わる消磁コイルの動作にともなう外部シールドの振動が抑制されるので、振動に起因する異音の発生が抑えられる

また、導電部材が、導電部と外部シ一ルドとによって押圧されており、それによって、導電部材と外部シールドの間だけでなく、導電部と導電部材の間も、面接触を通じて電気的に接続されている。このため、導電部材の形状を簡素なものとすることでき、しかも、導電部材を、導電部材と外部シールドとの間に簡単に取付けることが可能になる。その結果、装置の製造コスト力^ さらに節減される _c また、面接触によって、低抵抗の電気的接続が達成されるので、不要輻射を抑制する効果が一層高められる。

本発明に係る C R T表示装置の第 7の態様によれば、外部シールドが導電部材の切れ込みに挟み込まれるので、導電部材と外部シールドとの接触面積が大きくなる。しかも、導電部材が、導電部とフロントべゼルとによって押圧されているので、導電部材と外部シールドとの間の接触抵抗がさらに引き下げられ、さらに良好な電気的接触が実現する。同時に、通常において C R T表示装置に備わる消磁コイルの動作にともなう外部シ一ルドの振動が、より効果的に抑制され、振動に起因する異音の発生が抑えられる。また、導電部材の形状を簡素なものとすることでき、しかも、導電部材を、導電部材と外部シールドとの間に簡単に取付けることが可能になる。その結果、装置の製造コストが、さらに節減される。また、導電部と導電部材と間でも、面接触によって、低抵抗の電気的接続が実現されるので、不要輻射を抑制する効果が一層高められる。

本発明に係る C R T表示装置の第 8の態様によれば、一端が外部シールドに固定され、他端の複数の枝が弾性的に湾曲して導電部を押圧する導電部材を通じて、導電部と外部シ一ルドとの間の電気的接続が達成される。すなわち、簡単な構造で、電気的接続が実現する。しかも、この導電部材は、有機高分子材料で実質的に構成されるので、安価であり、しかも、その成型が容易である。このため、装置の製造コストが、さらに節減される。

本発明に係る C R T表示装置の第 9の態様によれば、導電部材の実質的な構成要素である有機高分子材料が、導電性のゴムであり、安価で、成型が容易で、さらに弾性に富むので、装置の製造コストが効果的に節減されると同時に、良好な電気的接続が得られる。

本発明に係る C R T表示装置の第 1 0の態様によれば、導電部材の実質的な構成要素である有機高分子材料が、導電性の樹脂であり、安価で、成型が容易であるので、装置の製造コストが効果的に節減される。また、通常において剛性が高いが、屈曲部を有する形状、あるいは、板状とするなど、剛性を弱める形状とすることによって、剛性を低減し、弾性を高めることができ、それによつて、良好な電気的接続を実現することが可能である。

本発明に係る C R T表示装置の第 1 1の態様によれば、導電部材の実質的な構成要素である有機高分子材料が、導体で表面処理がなされた樹脂であり、成型が容易であるとともに、導電性の樹脂と比較してもさらに安価であるので、装置の製造コストが効果的に節減される。また、通常において剛性が高いが、屈曲部を有する形状、あるいは、板状とするなど、剛性を弱める形状とすることによって、剛性を低減し、弾性を高めることができ、それによつて、良好な電気的接続を実現することが可能である。

本発明に係る C R T表示装置の第 1 2の態様によれば、導電部材の実質的な構成要素が、導電性でスポンジ状の多孔構造を有する有機高分子材料であり、安価で、成型が容易で、さらに弾性に富むので、装置の製造コストが効果的に節減されると同時に、良好な電気的接続が得られる。しかも、導電部材が多孔構造を有するので、物体の表面のみを流れる高周波電流に対する電気抵抗が低いために、不要輻射が、特に効果的に抑制される。

本発明に係る C R T表示装置の第 1 3の態様によれば、導電部材が、スポンジ状の多孔構造を有する有機高分子材料で構成される芯部と、それを包囲する導電性のゴムで構成される包囲部とを含んでいる。このため、導電部材に関して、その成型が容易であり、しかも、全体が導電性のゴムで構成されたものと比較してもさらに安価であり、さらに弾性に富むので、装置の製造コストが効果的に節減されると同時に、良好な電気的接続が得られる。

なお、上記した第 3ないし第 5の態様は、上記のように第 2の態様と組み合わせて実施可能であるだけでなく、それと同様に、第 6または第 7の態様と組み合わせて実施することも可能であり、しかも、同様の効果が得られる。

この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。

図面の簡単な説明

第 1図および第 2図は、実施の形態 1の装置の分解斜視図である。

第 3図は、実施の形態 1の装置の断面図である。

第 4図は、実施の形態 1の装置の部分拡大斜視図である。

第 5図は、実施の形態 1の装置の部分断面図である。

第 6図は、実施の形態 1の装置の別の例の部分拡大斜視図である。

第 7図は、実施の形態 2の導電部材の斜視図である。

第 8図は、実施の形態 2の装置の部分断面図である。

第 9図は、実施の形態 3の装置の部分断面図である。

第 1 0図は、実施の形態 3の導電部材の斜視図である。

第 1 1図は、実施の形態 3の別の導電部材の斜視図である。

第 1 2図は、実施の形態 4の装置の部分断面図である。

第 1 3図は、実施の形態 4の導電部材の斜視図である。第 1 4図は、実施の形態 5の装置の部分斜視図である。

第 1 5図は、実施の形態 5の装置の部分断面図である。

第 1 6図は、実施の形態 6の装置の部分断面図である。

第 1 7図は、実施の形態 6の導電部材の分解斜視図である。

第 1 8図は、実施の形態 6の導電部材の分解斜視図である。

第 1 9図は、実施の形態 6の導電部材の正面図である。

第 2 0図は、従来の装置の接地経路を示す説明図である。

第 2 1図は、従来の装置の部分断面図である。

第 2 2図は、従来の導電部材の斜視図である。

第 2 3図は、従来の導電部材の使用状態を示す断面図である。

第 2 4図は、従来の別の導電部材の斜視図である。

第 2 5図は、従来の装置の部分斜視図である。

第 2 6図は、従来の消磁コイルの取付け状態を示す断面図である。

第 2 7図は、従来の消磁コイルの支持部材の正面図である。

発明を実施するための最良の形態

実施の形態 1 .

第 1図および第 2図は、実施の形態 1の C R T表示装置の主要部を分解して示す斜視図である。第 1図は、装置を斜め前方から見た図であり、第 2図は、斜め後方から見た図である。この C R T表示装置には、その主要部として、 C R T 1、および、外部シールド 2が備わっている。

C R T 1は、従来装置の C R T 7 1と同様に、電子線を走査することによって画像を映し出す装置部分である。外部シールド 2は、従来装置の外部シールド 7 2と同様に、 C R T 1から放出される不要輻射としての電磁波雑音をシ一ルドするために C R T 1の背面部を覆う枠状に構成された装置部分であり、導電体の板で構成される。この導電体として、好ましくは、鋼などの鉄を母材とする金属が選ばれる。

外部シールド 2は、さらに、地磁気の影響が C R T 1へと及ぶのを防止する役割をも、同時に果たしている。図示を略するが、従来装置のシャーシ 7 3と同様に、シャーシがさらに備わっており、第 2 0図と同様の経路を通じて、 C R T 1 は大地へと接地される。

C R T 1の基本的な構成は、従来装置の C R T 7 1 と同様である。すなわち、 C R T 1には、画像が映出される正面パネル 1 1、および、この正面パネル 1 1 とともに内部を真空に封じ込む背面部 1 2が備わっている。正面パネル 1 1および背面部 1 2は、ともに、ガラスで構成されている。 C R T 1には、さらに、正面パネル 1 1 と背面部 1 2で構成されるガラス管の一続きの上面部、側面部、下面部を包囲し、帯状の金属で構成される防爆バンド（導電部） 1 3、背面部 1 2 の帯電を防止するために背面部 1 2の表面に炭素が塗布された部分である外装ダック（導電部） 1 5、および、電子線を偏向させるためのコイル 1 6が備わっている。

また、正面パネル 1 1 と背面部 1 2で構成されるガラス管の正面から見た周囲の 4隅には、 C R T 1 と外部シールド 2とを互いに固定するための板状の突起部であるラグ 1 4が設けられている。これらのラグ 1 4は、防爆バンド 1 3に連結されている。そして、外部シールド 2の前面の周囲の 4隅に、ラグ 1 4に対向可能なように、外方に突起したラグ取付部 2 4が設けられている。

外部シールド 2は、上述したように、全体として枠状に形成されているが、前方および後方が同一の広さで開口する略矩形の枠として構成される矩形部 2 1 と、この矩形部 2 1の後方に連結し、後方へ至るほど開口が狭くなる傾斜部 2 2とを有している。外部シールド 2は、このように構成されることによって、後方へ至るほど径が小さくなる C R T 1の背面部 1 2を、背面部 1 2の表面に近接して、覆うことが可能となっている。矩形部 2 1の上板部には、その前方端縁から後方へ向かって帯状に切り取られた二本の切取部 2 5が形成されている。これらの切取部 2 5は、後述するように、消磁コイルを固定するのに利用される。

第 3図は、 C R T 1が外部シールド 2に固定された状態を示す断面図である。この第 3図が示すように、ラグ 1 4とラグ取付部 2 4とがネジ 3 5で締結されることによって、 C R T 1 と外部シールド 2とが、互いに固定される。このとき、外部シールド 2は、 C R T 1の表面に設けられた導電部としての防爆バンド 1 3 および外装ダック 1 5の双方を包囲する。

ラグ 1 4とラグ取付部 2 4とが締結されることによって、防爆バンド 1 3と外部シールド 2との間の電気的接続も、同時に実現する。しかしながら、周波数の高い電磁波の放出である不要輻射を抑制する上では、これだけでは十分ではなく、 C R T 1の複数の部位を接地することによって、 C R T 1の各部の電位を、ゼロ電位に近づけることが必要とされる点は、従来装置と同様である。この実施の形態の C R T表示装置は、以下に説明するように、 C R T 1の複数の部位を接地するための構造において、従来装置とは特徴的に異なっている。

第 1図に戻って、この実施の形態の C R T表示装置には、好ましくは、フロン卜べゼル 3が、さらに備わる。フロントべゼル 3は、前方および後方が同一の広さで開口する略矩形の枠として構成される枠体部 3 1と、この枠体部 3 1の前方に連結し、中央に開口部 3 3を有する底部 3 2とを有している。フロントべゼル 3は、このように構成されることによって、 C R T 1の正面パネル 1 1 と背面部 1 2とで構成されるガラス管の上面部、側面部、および、下面部と、正面パネル 1 1の前面の外周部とを覆うことが可能となっている。 C R T表示装置の利用者は、正面パネル 1 1に映し出される画像を、開口部 3 3を通じて、鑑賞ないし観察することが可能となっている。

つぎに、 C R T 1の複数の部位を接地するための、特徴ある構造について説明する。第 4図は、この実施の形態の C R T表示装置の部分拡大斜視図である。この装置では、防爆バンド 1 3の表面に、棒状の導電ゴム（導電性のゴム）で構成された導電部材 4 1が固定されている。第 4図には、 C R T 1の上面部に導電部材 4 1が取り付けられた例を示しているが、下面部や一対の側面部にも、同様の導電部材体 4 1が取り付けられてもよい。

導電部材 4 1の形状は、第 4図に示すように、好ましくは、角柱であり、しかも、防爆バンド 1 3の延在方向に沿って、その一端から他端までを覆うように、細長状に形成されている。また、好ましくは、導電部材 4 1は、導電性の接着部材、例えば、接着剤を用いて、防爆バンド 1 3の表面に接着されている。より好ましくは、両面接着型の導電性のテープを、導電部材 4 1と防爆バンド 1 3の間に介挿することによって、接着が行われる。

また、導電部材 4 1の下面の一部に限って、両面接着型のテープを貼付することによって、テープで覆われない下面の部分を通じて、導電部材 4 1が直接に防爆バンド 1 3の表面に接触可能なように、導電部材 4 1を固定することも可能である。このときには、接着用のテープとして、非導電性のテープを使用することも可能となる。

第 5図の断面図に示すように、 C R T 1と外部シールド 2とが互いに固定されたときには、導電部材 4 1は、外部シールド 2の矩形部 2 1と防爆バンド 1 3とに挟まれ、しかも、ある程度の圧縮力をもって押圧される。さらに、導電部材 4 1は、従来の導電部材 8 7とは異なり、防爆バンド 1 3と外部シ一ルド 2との双方に、面で接触する。このため、防爆バンド 1 3、導電部材 4 1、および、外部シールド 2が、互いに良好に電気的に接続される。すなわち、防爆バンド 1 3の電位を、広範囲にわたってゼロ電位に近づけることができ、防爆バンド 1 3の良好な電気的接地が実現する。

また、 C R T 1や外部シ一ルド 2に寸法誤差があっても、この寸法誤差が導電部材 4 1の弾性によって吸収され、導電部材 4 1を通じた C R T 1と外部シールド 2の電気的接続が妨げられることがない。さらに、従来装置とは異なり、ネジ 9 0を必要とせず、棒状の導電部材 4 1を、接着剤を用いて防爆バンド 1 3に接着するだけで、導電部材 4 1の取付けが完了する。このため、従来の導電部材 8 7に比べて、組立工程が簡略化され、組立の作業性が向上する。すなわち、組立が能率良く行われ得る。

さらに、導電部材 4 1は、導電ゴムで構成されるために、リン青銅等で構成される従来の導電部材 8 7に比べて安価である。また、導電ゴムを棒状の導電部材 4 1として成型する作業は、きわめて簡単に遂行可能である。このように、導電部材 4 1そのものが安価に製造可能であることに加えて、装置の組立工程が簡略化されることも相俟って、装置の製造コス卜が節減される。

導電部材 4 1に代わって、第 6図に示すように、ブロック状の導電部材 4 2を、防爆バンド 1 3の表面に、部分的に配置する形態を採ることも可能である。導電部材 4 2は、導電部材 4 1と同様に、導電ゴムで構成されるが、防爆バンド 1 3 の一端から他端へわたるほど長くはなく、防爆バンド 1 3の表面を、その延在方向に沿って断片的に覆うように配置されている。

第 6図には、 C R T 1の上面部の両端と中央部の 3力所に配置された例が示されている。導電部材 4 2の断面形状は、導電部材 4 1 と同様に、好ましくは、矩形である。また、導電部材 4 2は、導電部材 4 1 と同様に、好ましくは、導電性の接着剤で、防爆バンド 1 3の表面に固定される。

このように構成され、取り付けられる導電部材 4 2を用いることによつても、導電部材 4 1が用いられる C R T表示装置と同様に、防爆バンド 1 3の良好な接地、および、製造コストの節減を図ることができる。ただし、接地の効果は、防爆バンド 1 3の表面を、広く覆うことのできる導電部材 4 1の方が、一層優れておいる。したがって、 C R T 1から放出される不要輻射の強度が高い場合には、導電部材 4 1を用いる方が望ましいといえる。

なお、導電部材 4 1 , 4 2が、防爆バンド 1 3の表面に接着により固定される代わりに、つぎのような固定の形式を採ることも可能である。すなわち、外部シ一ルド 2の矩形部 2 1に契合用の孔を設けるとともに、導電部材 4 1の頭部に、契合用の突起を設けておき、突起を孔に係合させることによって、導電部材 4 1 が矩形部 2 1の側に固定されてもよい。この場合にも、従来装置とは異なり、装置の組立工程において、ネジ 9 0で導電部材 8 7を固定するという複雑な工程は、必要とされないので、製造コストを節減することが可能である。

さらに、導電部材 4 1 , 4 2の材料として、導電ゴム（導電性のゴム）の代わりに、導電スポンジ（スポンジ状の多孔構造を有する導電性の有機高分子材料）を採用することも可能である。不要輻射として放出される周波数の高い電磁波で誘起される電流は、導体の表面のみを流れるという事実が、「表皮効果」の名称で広く知られている。導電スポンジは、海面状の構造を有するために、その表面積は大きく、不要輻射を抑制するための接地用導体としては、金属と同等の効果を奏する。また、装置の製造コストの低減効果も、導電ゴムが採用された場合と同様に得られる。

実施の形態 2 .

導電ゴムは、通常において、剛性が高いものほど電気伝導性が向上する。そこで、導電部材 4 1あるいは導電部材 4 2として、電気伝導性の高い導電ゴムを使用したために、剛性が過剰に高くなる恐れがある場合には、第 7図に示すように、棒ないしプロックの形状に代わって、剛性を緩和する断面形状を採用するとよい。第 7図に例示される導電部材 4 3は、「S」字状の断面形状を有している。

第 8図の断面図に示すように、 C R T 1 と外部シールド 2とが互いに固定されたときには、導電部材 4 3は、防爆バンド 1 3と外部シールド 2とに挟まれ、力、つ押圧されることによって、その「S」字状の断面形状が、例えば、完全に押しつぶされて棒状ないしブロック状になる。たとえ、このように押しつぶされても、本来の形状が、第 7図に示したように、「S」字状であることから、導電部材 4 3の弾性復元力は緩和されている。

これによつて、剛性の高い導電ゴムが導電部材 4 3に使用されているにもかかわらず、導電部材 4 3を挟み込みつつ C R T 1 と外部シールド 2とを締結する作業を、困難性をともなうことなく、円滑に行うことが可能となる。すなわち、導電部材 4 3を用いることによって、防爆バンド 1 3の電気的接地と、組立工程における作業性とを、両立的に、さらに高めることが可能となる。

また、導電部材 4 3の形状を採用することによって、導電ゴムよりも低価格で入手できる導電樹脂（導電性の樹脂；導電性のプラスチックス）を用いることも可能となる。導電樹脂は、導電ゴムよりも、さらに剛性が高いが、導電部材 4 3 の形状で使用されることによって、組立工程における作業性を損なうことなく、良好な電気的接地を実現する。

さらに、導電部材 4 3の材料として、導体で表面処理（導電性処理）された樹脂、例えば、表面にアルミニウムが蒸着された非導電性の樹脂（プラスチックス）を用いることも可能である。それにより、製造コストをさらに低く抑えることが可能となる。導体で表面処理された樹脂の他の例として、例えば、表面に金属鍍金が施された樹脂、あるいは、導電性のテープが表面に貼り付けられた樹脂等を挙げることができる。

なお、導電部材 4 3の断面形状は、「S」字型に限る必要はなく、「U」字型、「M」字型など、一般に、屈曲部を有する形状であればよい。

実施の形態 3 .

第 9図は、実施の形態 3の C R T表示装置の断面図である。この装置では、防爆バンド 1 3と外部シールド 2の間には、導電部材 4 4が挟み込まれている。導電部材 4 4は、導電部材 4 1または 4 2と同一材料で構成される。また、導電部 - 1 b

材 4 1のように棒状、あるいは、導電部材 4 2のようにブロック状の、いずれの形状に形成されてもよい。

第 1 0図は、ブロック状に形成された導電部材 4 4の例を示す斜視図である。この第 1 0図が示すように、導電部材 4 4には、その側壁の一つに、例えば断面「V」字型の切れ込み（ノツチ）が、水平に形成されている。第 9図に戻って、外部シールド 2の矩形部 2 1の前方の端縁が、導電部材 4 4の切れ込みに挿入される。そして、実施の形態 1 , 2と同様に、外部シールド 2は、矩形部 2 1の下面で導電部材 4 4を下方に押圧するように、 C R T 1へと固定される。それにより、矩形部 2 1では、下方および上方の、双方向への動きが拘束される。

その結果、消磁コイルの動作にともなう外部シールド 2の振動が、より効果的に抑制され、外部シールド 2の振動に起因する異音の発生が抑えられる。同時に、外部シールド 2の上面と下面の双方が、導電部材 4 4に接触するので、外部シールド 2と導電部材 4 4の間の接触抵抗が、さらに引き下げられる。それにより、さらに良好な C R T 1の電気的接地が実現する。

また、第 9図に示すように、フロン卜べゼル 3を、その枠体部 3 1の下面で導電部材 4 4の頭部を押圧するように、取り付けることも可能である。それによつて、外部シールド 2の振動を、さらに効果的に抑制することが可能となる。しかも、外部シールド 2の上面と下面の双方が、押圧力を持って導電部材 4 4に接触するので、外部シールド 2と導電部材 4 4の間の接触抵抗が、さらに引き下げられる。その結果、 C R T 1、導電部材 4 4、および、外部シールド 2の間の電気的接続を、さらに良好なものとすることが可能となる。

なお、フロントべゼル 3で導電部材 4 4が押圧されるときには、外部シールド 2は、必ずしも、矩形部 2 1の下面で導電部材 4 4を下方に押圧するように、 C R T 1へと固定されなくてもよい。

また、第 9図に示すように、この実施の形態の装置では、外装ダック 1 5と傾斜部 2 2との間にも、別の導電部材 4 5が挟み込まれている。導電部材 4 5は、好ましくは、複数部位に設けられる。

第 1 1図は、導電部材 4 5の斜視図である。この第 1 1図に例示される導電部材 4 5は、「M」字状に屈曲した断面形状を有している。導電部材 4 5は、導電部材 4 3等と同様に、導電ゴム、導電樹脂、あるいは、導体で表面処理された樹脂で構成される。そして、導電部材 4 5は、屈曲した断面形状を有することにより、その剛性を低く抑えて、適度な大きさの弾性復元力をもって、外装ダック 1 5と傾斜部 2 2とによって押圧されることを可能にしている。

このように、導電性の導電部材 4 5が介挿されることによって、防爆バンド 1 3だけでなく、外装ダック 1 5も接地される。また、導電部材 4 5は、従来の導電部材 8 9とは異なり、外装ダック 1 5と外部シールド 2との双方に、面で接触する。このため、外装ダック 1 5、導電部材 4 5、および、外部シールド 2カ^ 互いに良好に電気的に接続される。これによつて、外装ダック 1 5の良好な電気的接地が実現する。また、導電部材 4 5は、導電部材 8 9に比べて安価であり、しかも、組立の作業性が良好であるために、製造コストが節減される点も、導電部材 4 1〜4 4と同様である。

実施の形態 4 .

第 1 2図は、実施の形態 4の C R T表示装置の断面図である。この装置では、第 9図の導電部材 4 5に代わって、導電部材 5 1カ^ 外装ダック 1 5と外部シ一ルド 2との間の電気的接続のために用いられている。導電部材 5 1は、好ましくは、導電樹脂で構成された板状の部材であり、ネジ 5 2で外部シールド 2の傾斜部 2 2へ締結されている。また、導電部材 5 1は、好ましくは、複数部位に設置される。

第 1 3図は、導電部材 5 1の斜視図である。この第 1 3図が示すように、導電部材 5 1は、従来装置の導電部材 8 9に近似した形状を有している。すなわち、導電部材 5 1は、外部シールド 2の傾斜部 2 2へ面接触する平坦部と、その一端から折れ曲がって延びたフォーク状部とを有している。フォーク状部の先端は、複数の枝に分岐している。また、平坦部には、ネジ 5 2が貫通するための孔が設けられている。

導電部材 5 1が外部シールド 2へ固定され、さらに、 C R T 1が外部シールド 2と締結されると、第 1 2図が示すように、導電部材 5 1は外装ダック 1 5の表面によって押し上げられ、枝の一本一本が湾曲する。この変形にともなって発生する弾性復元力によって、導電部材 5 1は外装ダック 1 5の表面を押圧する。その結果、枝の一本一本を通じて、外装ダック 1 5の電気的接地が実現する。また、導電部材 5 1は、従来装置に用いられる導電部材 8 9とは異なり、安価で成型が容易な導電樹脂等で構成可能であるので、この実施の形態の装置においても、従来装置に比べて、製造に要するコストが節減される。

なお、導電部材 5 1の厚さは、弾性変形により外装ダック 1 5の表面を適度な強さで押圧するような大きさに設定される。一般に、リン青銅よりは、厚いものとなる。また、導電部材 5 1の材料として、導電樹脂の代わりに、導体で表面処理された非導電性の樹脂を用いることも可能である。それにより、コストをさらに低く抑えることが可能となる。また、導電ゴムを使用することも可能である。実施の形態 5 .

第 1 4図は、消磁コイルが取り付けられた外部シールド 2を示す斜視図である。実施の形態 5として示すこの装置のように、 C R T表示装置には、消磁コイル (デガウスコイル） 5 5が備わるのが通例である。第 1 4図では、図示を略しているが、消磁コイル 5 5は、外部シールド 2の下面部にも、同様に取り付けられる。すなわち、消磁コイル 5 5は、一対となって、 C R T 1の内部のシャドウマスク等の磁性体部品の消磁を行う。

この実施の形態では、消磁コイル 5 5は、外部シールド 2に設けられた一対の切取部 2 5を通過することによって、その一部が矩形部 2 1の上方に位置し、残りが矩形部 2 1の下方に位置する。そして、第 1 5図に示されるように、消磁コィル 5 5は、矩形部 2 1の上方に位置する部分と、下方に位置する部分の各々において、導電部材 5 6， 5 7によって支持されている。

導電部材 5 6は、防爆バンド 1 3と外部シールド 2の間の電気的接続を実現する部材であり、第 9図に示した導電部材 4 4と同様の形状のものに、消磁コイル 5 5を挟み込むための構造体が付加された形状を有している。すなわち、導電部材 5 6の一つの壁面には、矩形部 2 1を挟み込むための水平な切れ込みに並んで、その上方に、消磁コイル 5 5の水平部分をくわえ込んで支持するための溝が、同じく水平に形成されている。

導電部材 5 7は、外装ダック 1 5と外部シールド 2の間の電気的接続を実現する部材であり、例えば導電部材 4 5と同様の形状のものに、消磁コイル 5 5を挟み込むための構造体が付加された形状を有している。すなわち、導電部材 5 7は、消磁コイル 5 5の水平部分をくわえ込んで支持するための溝が水平に形成された突出部を、導電部材 4 5に連結する形式で付加的に備えている。

導電部材 5 6， 5 7のいずれも、導電部材 4 4 , 4 5と同じ材料で構成することが可能であり、しかも、導電部材 4 4 , 4 5と同様に、全体を一体的に成型することが可能である。このように、導電部材 5 6， 5 7の作成に要する工数は、導電部材 4 4 , 4 5の作成に要する工数と、変わりがない。しかも、従来装置では必要とされた消磁コイル 5 5を支持するための結束バンド 9 2、および、支持部材 9 4などの部材が、必要とされない。

さらに、支持部材 9 4を取付け、さらに、結束バンド 9 2で締め上げるという、従来装置の製造において必要とされた複雑な工程が、組立工程から排除され、組立の作業性が向上する。このため、装置の製造コストが、従来装置に比べて、低く抑えられる。

実施の形態 6 .

第 1 6図は、実施の形態 6の C R T表示装置の断面図である。この装置では、防爆バンド 1 3と外部シールド 2の間には、導電部材 6 0が挟み込まれている。導電部材 6 0は、第 4図の導電部材 4 1のように棒状、あるいは、第 6図の導電部材 4 2のようにプロック状の、いずれの形状に形成されてもよい。

第 1 7図〜第 1 9図は、ブロック状に形成された導電部材 6 0の例を示す斜視図である。これらの図が示すように、導電部材 6 0は、スポンジ（スポンジ状の多孔構造を有する有機高分子材料）で構成される円柱形状の芯部 6 1と、その側面に巻き付けられ、板状の導電ゴムで構成される包囲部 6 2とを有している。包囲部 6 2は、好ましくは、接着剤で芯部 6 1に接着される。また、導電部材 6 0 は、好ましくは、導電部材 4 1などと同様に、防爆バンド 1 3の表面に接着され >

第 1 6図に戻って、 C R T 1と外部シールド 2とが互いに固定されたときには、導電部材 6 0は、外部シールド 2の矩形部 2 1と防爆バンド 1 3とに挟まれ、しかも、ある程度の圧縮力をもって押圧される。その結果、導電部材 6 0は、本来の形状が円柱状であるにもかかわらず、導電部材 4 1などと同様に、防爆バンド 1 3と外部シールド 2との双方に、面で接触する。このため、防爆バンド 1 3の良好な電気的接地が実現する。

また、導電ゴムは、リン青銅に比べて安価であるとはいえ、通常のゴムに比べると、高価なものである。導電部材 6 0では、比較的高価な導電ゴムは、包囲部 6 2にのみ使用されることにより、その使用量が低く抑えられ、残余の芯部 6 1 には、安価なスポンジが使用されることによって、コス卜の節減が図られている。すなわち、導電部材 6 0は、安価なスポンジで弾性を保持し、側面に巻き付けられた包囲部 6 2で導電性を保持することで、良好な電気的および機械的性質を維持しつつ、その製造に要するコストの節減を実現する。さらに、導電部材 6 0 を用いることで、組立工程が簡略化され、組立の作業性が向上する点は、導電部材 4 1を使用した場合と同様であり、導電部材 6 0そのものが安価に製造できることと相俟って、装置の製造コストが節減される。

以上のように、この発明の導電部材は、外部シ一ルドと C R Tの導電部とを電気的に接続する部材であつて、実質的に有機高分子材料から成ることによって、その弾性復元力をもって C R Tの導電部を押圧し、しかも、その全体に導電部分を有する（すなわち、全体が導電性である）力、、あるいは、少なくともその表面に導電部分を有する部材である。以上において例示したゴム、樹脂（プラスチックス）、および、いわゆるスポンジは、すべて、有機高分子材料に包含される。この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。

Claims

請求の範囲

1. 表面に導電部（ 1 3， 1 5) を有する CRT ( 1 ) と、

前記 CRTに固定的に連結され、前記 C RTの前記導電部を囲んでいる導電体の外部シールド（ 2 ) と、

前記導電部と前記外部シールドとを互いに電気的に接続する導電部材（4 1〜 45, 5 1 , 56， 57， 6 0) と、を備え、

当該導電部材は、実質的に有機高分子材料から成り、少なくともその表面において導電部分を有し、しかも、その弾性復元力により前記導電部を押圧している CRT表示装置。

2. 前記導電部材（4 1〜45, 56， 5 7, 60 ) 力前記導電部と前記外部シ一ルドとによって、挟まれつつ押圧されており、前記導電部と前記導電部材とが互いに面接触し、前記導電部材と前記外部シールドとが互いに面接触している請求の範囲 1記載の C R T表示装置。

3. 前記導電部材は、前記導電部に接着されている請求の範囲 2記載の CR T表示装置。

4. 消磁コイル（55) をさらに備え、

前記導電部材には、溝が形成されており、当該溝によって、前記消磁コイルが支持されている請求の範囲 2記載の C R T表示装置。

5. 前記導電部材（43, 45， 56， 5 7 ) は、剛性を弱めるように、その形状において屈曲部を有する請求の範囲 2記載の C RT表示装置。

6. 前記導電部材（4 1〜45, 56, 5 7, 60 ) に、切れ込みが形成されており、前記外部シールドの端縁が前記切れ込みに挟み込まれ、しかも、前記導電部材は、前記導電部と前記外部シールドとによって、押圧されており、前記導電部と前記導電部材とが互いに面接触し、前記導電部材と前記外部シールドとが互いに面接触している請求の範囲 1記載の C RT表示装置。

7. フロン卜べゼル（3 ) を、さらに備え、

前記導電部材（4 1〜45 , 56， 57, 6 0 ) に、切れ込みが形成されており、前記外部シールドの端縁が前記切れ込みに挿入され、

前記導電部材は、前記導電部と前記フロントべゼルとによって、挟まれつつ押圧されており、前記導電部と前記導電部材とが互いに面接触し、前記導電部材と前記外部シールドとが互いに面接触している請求の範囲 1記載の C RT表示装置 ₍

8. 前記導電部材（5 1 ) は、一端において連結し他端において複数の枝に分岐した板状体であり、前記一端が前記外部シールドに固定されており、前記複数の枝が弾性的に湾曲して前記導電部を押圧している請求の範囲 1記載の C RT

9. 前記有機高分子材料が、導電性のゴムである請求の範囲 1記載の CRT 表示装置。

1 0. 前記有機高分子材料が、導電性の樹脂である請求の範囲 1記載の CR T表示装置。

1 1. 前記有機高分子材料が、樹脂であり、しかも、当該樹脂には、導体で表面処理がなされている請求の範囲 1記載の C R T表示装置。

1 2. 前記有機高分子材料が、導電性で、しかも、スポンジ状の多孔構造を有する請求の範囲 1記載の C RT表示装置。

1 3. 前記有機高分子材料が、スポンジ状の多孔構造を有する芯部（6 1 ) と、導電性のゴムで構成され前記芯部を包囲する包囲部（62) と、を含んでいる請求の範囲 1記載の CRT表示装置。