WO1999045297A1 - Dispositif d'etancheite pour machines tournantes - Google Patents

Description

明 細 回転機械のシール装置 技術分野

本発明はガスタービン等の高温ガスが通流する回転機械のガスシールを 行なうためのシール装置に関する。 背景技術

図 7はガスタービンの要部構造図であり、 同図において、 1は回転軸に 固定された夕一ビンディスク、 1 0は同夕一ビンディスク 1の外周に植え 込まれた動翼、 1 1は静翼である。 同静翼 1 1の内周には、 ガス通路 1 2 と、 タービンディスク 1， 1の間に形成された冷却空間 1 4との間のガス シールを行なうためのラビリンスシール 1 5が設けられている。 1 3は上 記冷却空間に冷却流体を送るための冷却空気通路である。

2は上記ラビリンスシール 1 5の内側に設けられたシール板である。 上 記シール板 2は、 図 8に示されるように、 薄肉の金属環を円周方向に複数 個 （この例では 2個） に分割してなり、 その分割部 2 cは上下面にガス夕 ィト面を有する段付き形状となっている。 そして上記シール板 2は相隣る 夕一ビンディスク 1， 1に設けられた溝 l a (図 2参照） 内に組み付けら れ、 夕一ビンディスク 1の高速回転による同シール板 2自体の遠心力によ つて、 上記溝 1 aの外周面 1 bに押し付けられ、 上記冷却空間 1 4とガス 通路 1 2との圧力差による冷却流体のガス通路 1 2側への漏洩を阻止して いる。

上記従来のシール板を用いたガスタービンにあっては、 シール板 2が円 周方向に複数個に分割されているため、 この分割部 2 cから流体が侵入し 易い。 そして上記シール板 2はその遠心力のみで上記タービンディスク 1 の溝 1 aの外周面 1 bに押し付けられているため、 押 ^"力が小さく、 上記 流体の侵入によりシール板 2に自励振動が発生し易い。 このため上記従来 のシール構造にあっては、 上記自励振動によってシール板 2が摩耗、 減肉 を起こし、 これにより、 シール不良の発生をみるという問題点がある。 本発明の目的は、 シール板を大きな取付力で以つて確実に夕一ビンディ スクに固定することにより、 シール板の自励振動を低減し、 この自励振動 によるシール板の摩耗、 減肉、 及びこれに伴なうシール不良の発生を防止 した回転機械のシール装置を提供することにある。 発明の開示

本発明は上記のような問題点を解決するもので、 その要旨とする第 1 の手段は、 回転駆動されるディスク部に設けられた溝内に同溝よりも外周 側の流体通路と内周側の流体通路との間の流体をシールするシール板を設 けてなるシール装置を備えた回転機械において、 上記シール板を円周方向 に沿って複数個に分割して上記ディスク部の溝内に挿入するとともに、 同 シール板の内側にばね板を挿入し、 同ばね板の弾力により上記シール板を 上記溝のシール面に押し付けるように構成されてなることを特徴とする回 転機械のシール装置にある。

上記手段によれば、 回転機械の運転中、 シール板は、 同シール板自体の 遠心力に加え、 ばね板の弾力及びばね板自体の遠心力の合力により溝のシ —ル面に押し付けられるので、 同シール面において流体のシールが確実に なされる。

また、 上記シール板は上記合力による大きな押付力で以つてディスク部 溝のシール面に押付けられるので、 シール板の分割部に流体が侵入しても 、 従来のもののように大きな自励振動が発生することは無く、 自励振動が 低減され、 同自励振動によるシール板の摩耗や減肉の発生が防止される。 また第 2の手段は、 上記第 1の手段において、 上記シール板を複数板重 ねて上記溝内に挿入し、 同シール板の内側に上記ばね板を挿入してなる。 上記手段によればシール板を複数板重ねることにより、 シール板自体の 遠心力が増し、 シール板をより大きな押付力で以つて溝内のシール面に押 付けることができ、 シール性がさらに向上する。 また、 シール板同士の接 触部における摩擦により自励振動のさらなる低減がなされる。

第 3の手段は、 回転駆動されるディスク部に設けられた溝内に同溝より も外周側の流体通路と内周側の流体通路との間の流体をシールするシール 板を設けてなるシール装置を備えた回転機械において、 上記シール板は、 円周方向に沿って複数個に分割されるとともに、 分割部の一方側に突起部 が形成され、 他方側には同突起部が円周方向に所定の隙間を存して嵌入さ れる溝が形成されてなることを特徴とする回転機械のシール装置にある。 上記手段によれば、 シール板の突起部と溝とを嵌合させて複数のシール 板を円周方向に連結するので、 シール板の組付け作業が容易化されるとと もに、 円周方向応力が低減される。 図面の簡単な説明

図 1は本発明の実施の第 1形態に係るガスタービン用シール装置の部分 正面図。 図 2は上記実施形態におけるシール装置の要部断面図。

図 3は上記実施形態におけるシール板の,斜視図。

図 4は本発明の第 2実施形態を示す要部正面断面図。

図 5は上記第 2形態における図 2応当図。

図 6は本発明の実施の第 3形態に係るシール板の部分正面図で、 （A) は組み込み前、 （B ) は組み込み後を示す。

図 7はガス夕一ビンの要部断面図。

図 8は従来のシール板の斜視図。 発明を実施するための最良の形態

以下に説明する実施形態は、 図 7に示されたガスタービンにおけるガス 通路 1 2と冷却空間 1 4との間をガスシールするための、 シール板 2を用 いたシール装置に対して本発明を適用したものである。

図 1〜図 3は本発明の実施の第 1形態に係るシール装置におけるシール 板 2の構造及びその取付け態様を示している。

図 1及び図 3において、 シール板 2は、 薄肉の金属環を円周方向に複数個 に分割されてなり、 分割部 2 1は上下の合せ面つまりガスタイト面を有す る段付状に形成されている。

また上記シール板 2の内周側には、 波状に形成されたばね板 3が設けら れている。 同ばね板 3は、 図 1、 図 3に示されるように、 円周方向に複数 個に分割され、 適宜の箇所に設けた嵌合穴 3 aが上記シール板 2の内周面 から突設されたピン 4に嵌合されることにより円周方向のずれを阻止され ている。

図 2は上記シール板 2及びばね板 3をタービンディスク 1に組み込んだ 状態を示す。 図 2において 1 , 1は相隣る段落の夕一ビンディスク、 l a は同夕一ビンディスク 1 , 1の上記ラビリンスシール 1 5 (図 7参照） の 内側に設けられた溝で、 同溝 1 a内に上記シール板 2が上記ばね板 3の弾 力によりその内周側から押圧されて組み込まれている。

上記構成からなるガスタービンの作動時において、 夕一ビンのガス通路 1 2を高温の作動ガスが通流し、 上記シール板 2及びラビリンスシール 1 5の内側の冷却空間 1 4には低温の冷却空気が導入される。 然るに、 上記 高速回転されるタービンディスク 1， 1の溝 1 a内に組み込まれたシール 板 2はばね板 3の弹カ及び、 上記シール板 2自体の遠心力にばね板 3の遠 心力が付加され、 これらの合力によって上記溝 1 aの外周面 1 bに押し付 けられるので、 この外周面においてガス通路 1 2内の高温ガスと冷却空間 1 4内の冷却空気との圧力差による冷却空気の漏洩は確実にシールされる また、 上記シール板 2は上記のように、 ばね板 3の弾力及びこれの遠心 力によって上記溝 1 a内に堅固に取付けられるので、 シール板 2及びばね 板 3の円周方向への移動が阻止され、 同シール板 2の分割部 2 1からガス あるいは冷却空気が浸入しても従来のもののような大きな自励振動の発生 は無い。

また上記シール板 2とばね板 3との相対移動はピン 4にて阻止されるの で両者間でずれが発生することは無い。

図 4〜図 5は本発明の実施の第 2形態を示し、 図 4はシール板及びばね 板の部分断面図 （正面側の断面図） 、 図 5はシール装置の取付状態を示す 断面図である。

この実施形態においてはシール板 2 , 2 ' を半径方向に 2枚重ね （2枚 以上でもよい） て設けている。 即ち図 4〜図 5において、 2は外側のシー ル板、 2 ' は内側のシール板であり、 両シール板 2 , 2 ' は、 図 5に示す ように半径方向に重ねられてタービンディスク 1， 1の溝 1 a内に挿入さ れ、 内側のシール板 2 ' の内周に上記第 1形態と同様なばね板 3が挿入さ れている。 上記外側のシール板 2及び内側のシール板 2 ' は円周方向に複 数個に分割されている。 2 2はシール板 2の分割部、 2 3はシール板 2 ' の分割部を夫々示す。 そして、 上記シール板 2 , 2 ' 及びばね板 3は、 外 側のシール板 2の円周方向適所に固着されたピン 4を内側のシール板 2 ' の穴 2 a及びばね板 3の穴 3 aに嵌合することにより、 上記 3部材の円周 方向のずれを阻止している。

この実施形態においては、 シール板を 2枚重ねで設けることにより、 シ —ル板 2 , 2 ' 分の遠心力が増加してシール性が向上するとともに、 外側 のシール板 2と内側のシール板 2 ' との接触面が、 摩擦による自励振動の 減衰作用をなし、 上記自励振動が第 1形態よりもさらに低減される。 図 6 (A) ， (B ) は本発明の実施の第 3形態によるシール装置に用い るシール板を示し、 同図 （A) はシール板の組付け前の状態、 同図 （B ) は組付け後の状態を夫々示す。

図 6 (A) , (B ) において、 円周方向に沿って分割されたシール板 2 ， 2 ' の一方側のガスタイト面の内周には突起部 5が突設され、 他方側の ガス夕イト面の外周には溝 6が凹設されている。 同溝 6は、 その円周方向 幅を上記突起 5の幅よりも大きく形成され、 図 6 ( B ) のように、 双方の シール板 2 , 2 ' がガス夕イト面で重ね合わされてタービンディスク 1 , 1の溝 l a (図 2参照） に取付けられたとき、 円周方向に微少量相対移動 可能として組付け作業を容易化するとともに、 高温、 高負荷時におけるシ —ル板の円周方向応力を低減させている。

以上、 本発明を実施形態に基づいて具体的に説明したように、 本発明の 請求項 1の発明によれば、 シール板自体の遠心力に加え、 ばね板の弾力及 びそれ自体の遠心力によりシール板が強い力でシール面に押し付けられる ので、 従来のものよりも同シール面におけるシール性が向上するとともに 、 シール板の分割部に流体が浸入した場合の自励振動が抑制される。 これ によりシール板の摩耗、 減肉によるシール不良の発生を防止することがで さる。

また請求項 2のように構成すれば、 シール板を複数板重ねることにより シール板の遠心力が増大してシール面の押付力が増大し、 シール性能がさ らに向上するとともに、 シール板同士の接触による振動減衰作用により自 励振動がさらに抑制される。

さらに請求項 3のように構成すればシール板の組立が容易化されるとと もに、 シール板が円周方向に自由度を持つので、 円周方向応力が低減され る。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 回転駆動されるディスク部に設けられた溝内に同溝よりも外周側の流 体通路と内周側の流体通路との間の流体をシールするシール板を設けてな る回転機械のシール装置において、 上記シール板を円周方向に沿って複数 個に分割して上記ディスク部の溝内に揷入するとともに、 同シール板の内 側にばね板を挿入し、 同ばね板の弾力により上記シール板を上記溝のシー ル面に押し付けるように構成されてなることを特徴とする回転機械のシー ル装置。

2 . 上記シール板を複数板重ねて上記溝内に挿入し、 同シール板の内側に 上記ばね板を挿入してなる請求項 1に記載の回転機械のシール装置。

3 . 回転駆動されるディスク部に設けられた溝内に同溝よりも外周側の流 体通路と内周側の流体通路との間の流体をシールするシール板を設けてな る回転機械のシール装置において、 上記シール板は、 円周方向に沿って複 数個に分割されるとともに、 分割部の一方側に突起部が形成され、 他方側 には同突起部が円周方向に所定の隙間を存して嵌入される溝が形成されて なることを特徴とする回転機械のシール装置。