WO1998030117A1

WO1998030117A1 - Vetement a bonnets

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Publication number: WO1998030117A1
Application number: PCT/JP1997/004246
Authority: WO
Inventors: Naruo Nishiyama; Junko Kasai; Ken Amaguchi
Original assignee: Wacoal Corp.
Priority date: 1997-01-08
Filing date: 1997-11-20
Publication date: 1998-07-16
Also published as: HK1019188A1; KR100298052B1; CN1131677C; JP3039383U; CN1212607A; KR20000064526A; TW407467U

Description

明細書乳房力ップを有する衣類技術分野

本発明は、乳房カップを有する衣類に関する。特に乳房形状の補整機能を有する女性用の乳房力ップを有する衣類に関する。背景技術

従来より、乳房カップを有する女性用衣類、具体的には、例えばブラジャー、ロングラインブラジャー、ビスチェ、ボディスーツ、スリーィンワン、プラテディ、ブラキャミソールあるいはブラスリップなどの乳房カップを有するファンデ一ション類ゃ水着などの衣類は、着用者の乳房に当てがわれる膨らみのある乳房力ップを有しており、これらの乳房カップを有する衣類は、女性用の被服として広く普及している。乳房力ップは、不織布ゃポリウレタンフオームなどの素材が使用されており、乳房の形を美しく補整するための機能を持たせるために種々の提案がなされている。例えば乳房カップの脇部分、あるいは脇から刳り（パージスライン）最下点にわたって、あるいは乳房カップの下辺部に沿った部分に略三日月状などの厚みの厚いパッドを設けたり、より腰の強い素材を用いてバストアツプをはかったり乳房の脇への流れを防止した乳房力ップを有する衣類は、近年乳房の形を補整する機能を有する乳房カップを有する衣類として普及してきている。

しかし、これらの衣類を着用した場合、乳房の形は補整される場合もある力 <、胸が豊かに見えるようになるものの、前記乳房カップの強化部分の位置によって、乳房の肉が前中心側やあるいは脇側にはみ出すような形で補整されるため、特に太った人でなくともバス卜がスッキリ見えなかったり、バス卜が大きい人は全体の感じが太り気味に見えてしまうため、特に最近はバス卜の突出高さは低く押さえ込まず胸のボリユームは保持しながら、乳房の脇側部がスレンダーなスッキリした細身な感じを与えるような補整が望まれるようになつてきている。

また、乳房カップの脇部分、あるいは脇から刳り最下点にわたって、あるいは乳房カップの下辺部に沿った部分を補強部材で捕強し、バストアップなどを達成しょうとする試みは種々採用されている。し力、し、脇部ならびに前中心部を補強しただけのものは他の部分に余り考慮が払われていないため、脇部の補強により脇からの乳房へ押圧力は作用するものの、反作用で、結局乳房の肉が脇側に流れる傾向になる。

また、脇部にパッドを用いて乳房を前中心側に寄せようとする試みは、乳房の反発とパッドの厚みで脇が膨らんで太って見えると言う問題があそしていずれの場合にも、きれいな丸みが実現しにくいと言う問題もある。

更に一般的に乳房力ップはポリウレタン発泡体などのモールド成型品を除いて、カップに山状の膨らみをを持たせるため、通常 2つまたは 3 つのカツプ構成部分を接ぎ合わせる事によって力ップに山状の膨らみをを持たせているが、この場合通常接ぎラインはカップの膨らみのトップを通るようになつているものが大部分であるので、これによつてもトツプがややとがり、きれいな丸みが実現しにくくなると共に、接ぎラインがトップを通っているため、外衣に乳房力ップの接ぎラインが反映して外衣の上からも接ぎラインの跡が認識できるようになり、着用者の外観を低下させると言う問題もある。

ポリウレタン発泡体などのモールド成型品からなる乳房力ップは、比較的きれいな丸みが実現でき、接ぎがないので接ラインが反映して外衣の上からも接ぎラインの跡が認識できると言う問題はなくなるが、乳房の脇の肉をよりフラットな方向に整え、脇部がスレンダ一なスッキリした細身な感じを与える捕整機能は、実現できない。

本発明はバストにまろやかな丸みを帯びさせると共に脇部がスレンダ一なスッキリした細身な感じを与える捕整機能を有し、乳房力ップの接ぎラインが外衣に反映せず、外衣の上から接ぎラインの跡が認識される恐れのない乳房力ップを有する衣類を提供することを目的とする。発明の開示

本発明は上記の課題を解決するために、下記のような乳房力ップを有する衣類を提供する。

( 1 ) 乳房カップの膨らみのトップを含まない脇側部分（A ) を比較的圧縮率の小さい柔軟な素材で構成し、乳房力ップの膨らみのトップを含む残余の部分（B ) を 2つ以上の比較的圧縮率の大きい柔軟な素材を接ぎ合わせて構成した乳房カップであって、前記残余の部分（B ) の接ぎラインがトップを通らず、前中心方向に向かってほぼ斜め下向きで乳房力ップの刳り方向に向かう接ぎラインである乳房力ップを有する衣類。上記のごとく本発明の乳房力ップを有する衣類は、乳房力ップの膨らみのトップを含まない脇側部分（A ) を比較的圧縮率の小さい柔軟な素材で構成し、乳房力ップの膨らみのトップを含む残余の部分（B ) を 2 つ以上の比較的圧縮率の大きい柔軟な素材を接ぎ合わせて構成したので、バス卜の脇側の形をしっかりと押さえてシヱイプアップし、乳房力ップのトップを含む残余の部分（B ) を比較的圧縮率の大きい柔軟な素材で構成することによってバス卜のボリユーム感を保ち且つまろやかな丸みを帯びさせると共に、脇部がスレンダーなスッキリした細身な感じを与える補整機能を付与する事ができる。そして前記残余の部分（B) の接ぎラインがトップを全く通らず、しかもバストの丸みの強い部分を通り前中心寄りにほぼ斜め下向きに向かっている。加えて（B) の素材が圧縮率の大きい柔軟な素材であることから、従来の "カットアンドソ ―" (力ットした部片を接ぎ合わせて乳房力ップを製造する手法）ではなし得なかった、モールド成型力ップの様な自然できれいな乳房の丸みを実現できる。同時に接ぎラインがトップを通っていないことから、 "カットアンドソ一" で製造された乳房カップであるにもかかわらず、接ぎラインが外衣に反映せず、外衣の上から接ぎラインの跡が認識される恐れのない衣類が提供できる。しかも前述の様に従来の "カットアンドソ一" やモールド成型ではなし得なかった補正機能を付与することができ、丸みのあるシルエツトと強い補正機能と言う、従来相反する 2つの要求特性の実現を可能としたものである。

また、本発明の好ましい態様は次の様である。

(2) 脇側部分（A) を構成する比較的圧縮率の小さい柔軟な素材の圧縮率が 3〜10%であり、残余の部分（B) の比較的圧縮率の大きい素材の圧縮率が 10〜25%であり、且つ（A) の素材の圧縮率よりも (B) の素材の圧縮率の方が大きい前記（1) 項に記載の乳房カップを有する衣類。

上記本発明の好ましい態様とすることにより、前記（1) 項に記載の作用効果がより適格に発揮され、しかも着用感の低下のない乳房力ップを有する衣類を提供する事ができ好ましい。

(3) 脇側部分（A) を構成する比較的圧縮率の小さい柔軟な素材の圧縮率が 3. 5〜8%であり、残余の部分（B) の比較的圧縮率の大きい素材の圧縮率が 14〜20%である前記（1) 項に記載の乳房力ップを有する衣類。上記本発明の好ましい態様とすることにより、前記（1 ) 項に記載の作用効果がより安定して発揮され、しかも着用感の優れた乳房力ップを有する衣類を提供する事ができ好ましい。

( 4 ) 更に乳房カップが表カップを有しており、前記表カップは少なくとも一方向に伸縮性を有する生地からなり、乳房カップの刳り近傍にギヤザ一を設けるか、及び/または、乳房力ップの膨らみの卜ップを通らず乳房力ップの刳り方向に向かうダーッを設けて取り付けられている前記項に記載の乳房力ップを有する衣類。

上記本発明の好ましい態様とすることにより、表カップ生地を取り付けてより見栄えの良好な衣類とするような場合に於ても、表カップ生地が少なくとも一方向に伸縮性を有する生地からなり、乳房力ップの刳り近傍にギャザーを設けるか、及び Zまたは、乳房カップの膨らみのトツプを通らず乳房力ップの刳り方向に向かうダーッを設けて取り付けられているので、バストの美しい丸みを保ち、かつバスト脇部がスレンダーな細身な感じを与え、接ぎラインが外衣に反映しないと言う本発明の乳房力ップを有する衣類の前記作用効果を妨げることなく、表力ップ生地を設ける事ができ好ましい。

( 5 ) 脇側部分（A ) を構成する比較的圧縮率の小さい柔軟な素材が圧縮ポリウレタンフオームまたは圧縮ポリウレタンフォームの少なくとも片面に織物または編物が積層された圧縮ポリウレタンフォームの積層物からなる前記（1 ) 項に記載の乳房カップを有する衣類。

上記本発明の好ましい態様とすることにより、圧縮ポリウレタンフォ —ムは、安価でしかも容易に本発明で用いるに好ましい圧縮率特性を満たすものが得られ、かつ、人体への当たりが柔らかく着用感の低下もなく特に好ましい素材である。

( 6 ) 残余の部分（B ) の比較的圧縮率の大きい素材がストレッチ性不織布、非圧縮ポリウレタンフオームまたはこれらのいずれかの少なくとも片面に伸縮性を有する織物または伸縮性を有する編物が積層された積層物からなる群から選ばれたいずれかである前記（1 ) 項に記載の乳房力ップを有する衣類。

上記本発明の好ましい態様とすることにより、これらは、比較的弱い力で圧縮される圧縮特性を有しており、また、柔軟性に優れているので、脇側部分（A ) で押し出された乳房の肉をこの部分で吸収し、まろやかな丸みを帯びさせる作用効果を効果的に安定的に発揮でき、しかも着用感が非常に良好であり好ましい。

( 7 ) 脇側部分（A ) が、乳房カツの膨らみのトップを含まず乳房力ップの脇上辺部近傍から乳房力ップの刳り最下点近傍に至る脇側部分をカバ一している部分である前記（1 ) 項に記載の乳房カップを有する衣類。

かかる本発明の好ましい態様とすることにより、バス卜の脇部がスレンダ一なスッキリした細身な感じを与える捕整機能を十分に付与する事ができ、好ましい。

( 8 ) 更に、残余の部分（B ) の素材が、脇側部分（A ) の素材に比ベて、伸びが大きい性質を有する素材である前記（1 ) 項に記載の乳房力ップを有する衣類。

上記本発明の好ましい態様とすることにより、脇側部分（A ) の部分で押し出された乳房の肉が、大きな反発力を受けずに残余の部分（B ) 部分の伸びにより形よく吸収されるため、更に一段と脇部がスレングーなスツキリした細身な感じを与える補整機能を付与する事ができると共に、バス卜を形よく人体の前方に押し出してバス卜をより美しい自然な丸み形状に保つ事ができる補整機能を付与する事ができ好ましい。

( 9 ) 乳房カップを有する衣類がブラジャーであって、前記ブラジャ一はそのバック布が身体の脇に当たる部分に圧縮ポリウレタンフォーム及び Zまたはノ一バインダ一圧縮不織布からなる脇押さえが更に取り付けられている前記（1 ) 〜（8 ) 項のいずれかに記載の乳房カップを有する衣類

上記本発明の好ましい態様とすることにより、ブラジャーのバック布に、それが身体の脇に当たる部分に圧縮ポリウレタンフオーム及びまたはノ一バインダ一圧縮不織布からなる脇押さえが更に取り付けられていることにより、身体の脇の肉をしつかりと押さえることができるので、前記乳房力ップの作用効果と合わせてよりスレンダ一な細身な感じを与える着痩せする補整機能をより効果的に付与する事ができるブラジャーを提供することができ好ましい。図面の簡単な説明

図 1は本発明の乳房力ップを有する衣類に用いられる左の乳房力ップの一例の正面図である。

図 2は本発明の乳房力ップを有する衣類に用いられる左の乳房力ップの別の一例の正面図である。

図 3は本発明の乳房力ップを有する衣類に用いられる左の乳房力ップの更に別の一例の正面図である。

図 4は本発明の乳房力ップを有する衣類に用いられる左の乳房力ップの更に別の一例の正面図である。

図 5は本発明の乳房力ップを有する衣類に用いられる左の乳房力ップの更に別の一例の正面図である。

図 6は本発明の乳房力ップを有する衣類の 1種であるブラジャーの一例の正面図である。

図 7は本発明の乳房力ップを有する衣類の 1種であるブラジャーの別の一例の正面図である。

図 8は本発明の乳房力ップを有する衣類の 1種である表力ップを有するブラジャーの一例の斜視図である。

図 9は本発明の乳房力ップを有する衣類の 1種である表力ップを有するブラジヤーの別の一例の斜視図である。

図 1 0は本発明の乳房力ップを有する衣類の 1種であるボディスーツの一例の斜視図である。

図 1 1は本発明の乳房力ップを有する衣類の 1種である水着の一例の斜視図である。発明を実施するための最良の形態

本発明の乳房力ップを有する衣類の乳房力ップは、乳房力ップの膨らみのトップを含まない脇側部分（A ) を比較的圧縮率の小さい柔軟な素材で構成し、乳房カップの膨らみのトップを含む残余の部分（B ) を 2 つ以上の比較的圧縮率の大きい柔軟な素材を接ぎ合わせて構成した乳房カップであって、前記残余の部分（B ) の接ぎラインがトップを通らず、前中心方向に向かってほぼ斜め下向きで乳房力ップの刳り方向に向かう接ぎラインである乳房カップからなる。

尚、ここで "前中心" とは、当該衣類全体または人体の、前側の縦方向の中心線を示している。

以下、本発明の乳房力ップを有する衣類に用いられる代表的な乳房力ップを説明するために、図 1〜4に人体左側の乳房カップ（代表例として 3 / 4カップタイプ）の正面図を示した。

乳房力ップのトップとは乳房力ップの膨らみの頂点部分を意味する。図 1に示した乳房カップ 1に於いては、前記で脇側部分（A ) として説明した力ップ部片 1 2は、脇上辺から乳房力ップのトップ 2の方向に接近する凸のカーブを描いてカップ刳り 4 (カップの下辺の縁でバージスとも呼ばれている。）の最下点 3近傍に至る接ぎライン 1 5で区画されるラインよりも脇側の部分を構成しており、この脇側部分（A ) である力ップ部片 1 2が柔軟で比較的圧縮率の小さい素材で構成されており、乳房カツプの膨らみの卜ップ 2を含む残余の部分（B ) が、図 1に示した乳房カップでは 2つの部片 1 3と 1 4から構成されており、部片 1 3 と 1 4は比較的圧縮率の大きい柔軟な素材からなり、これらは接ぎライン 1 6で接ぎ合わされており、残余の部分（B ) の前記接ぎライン 1 6 はトップ 2を通らず、前中心方向に向かってほぼ斜め下向きで乳房力ップの刳り 4方向に向かう接ぎラインとなっている。

この例のように脇側部分（A ) は、乳房力ップの膨らみのトップを含まず乳房力ップの脇上辺部近傍から乳房力ップの刳り最下点 3近傍に至る脇側部分をカバーしているものが好ましい。乳房力ップの刳り最下点近傍と表現されているのは、厳密に乳房力ップの刳り最下点 3の位置に接ぎラインの終端が位置することは要求されず、乳房カップの刳り最下点 3よりも適宜前中心寄りになったり、脇側になっていても特に差し支えなく、本発明の目的を達成出来る範囲で適宜乳房力ップの刳り最下点 3の位置よりずれている事は何等差支えないことを意味している。これらの点は他の例に於ても同様である。

次に、図 2に示した乳房カップは、本発明の乳房カップを有する衣類に用いられる別の態様の 3ノ4力ップタイプの乳房カツプの正面図である o

図 2に示した乳房カップ 1に於いては、脇側部分（A ) として説明した力ップ部片 1 2 ' は、脇上辺から乳房力ップのトップ 2を避けて力ップ刳り 4の最下点 3近傍（この例の場合には、最下点 3より若千前中心側）に至る凹状のカーブの接ぎライン 1 5 'で区画されていて、この接ぎライン 1 5 ' よりも脇側の部分を構成している。この脇側部分（A ) であるカップ部片 1 2 'が柔軟で比較的圧縮率の小さい素材で構成されており、乳房カップの膨らみのトップ 2を含む残余の部分（B ) 力く、図 2に示した乳房力ップでは 2つの部片 1 3 ' と 1 4 'から構成されており、部片 1 3 ' と 1 4 ' は比較的圧縮率の大きい柔钦な素材から構成され、これらは接ぎライン 1 6 'で接ぎ合わされており、残余の部分（B ) の前記接ぎライン 1 6 ' はトップ 2を通らず、前中心方向に向かってほぼ斜め下向きで乳房力ップの刳り 4方向に向かう接ぎラインとなっている。図 2に示した乳房カップでは 2つの部片 1 3 ' と 1 4 'が共に接ぎライン 1 5 'で、脇側部分（A ) であるカツプ部片 1 2 ' に接ぎ合わされているタイブであり、この点図 1に示した乳房力ップは、部片 1 2と接して接ぎ合わされている部片が部片 1 3のみである点が異なっている。次に図 3に示した乳房力ップは、本発明の乳房力ップを有する衣類に用いられる更に別の態様の 3 / 4力ップタイプの乳房力ップの正面図である。

図 3に示した乳房カップ 1に於いては、脇側部分（A ) として説明したカップ部片 1 2 ' ' は、脇側最上辺からスター卜するのではなく、若干下方の脇上辺からスター卜し、乳房力ップのトップ 2を避けて力ップ刳り 4の最下点 3近傍（この例の場合には、最下点 3より若干前中心側）に至る凹状のカーブの接ぎライン 1 5 ' 'で区画されていて、この接ぎライン 1 5 よりも脇側の部分を構成している。この脇側部分（A ) であるカップ部片 1 2 ' 'が柔軟で比較的圧縮率の小さい素材で構成されており、乳房カップの膨らみのトップ 2を含む残余の部分（B ) は 2 つの部片 1 3 ' ' と 1 4 ' 'から構成されており、部片 1 3 ' ' と 1 4 ' ' は比較的圧縮率の大きい柔軟な素材から構成され、これらは接ぎラ

0 イン 1 6 ' 'で接ぎ合わされており、残余の部分（B ) の前記接ぎライン 1 6 ' ' はトツプ 2を通らず、前中心方向に向かってやや斜め下向きで乳房力ップの刳り 4方向に向かう接ぎラインとなっている。図 3に示した乳房カップでは部片 1 3 ' ' が接ぎライン 1 5 ' 'で、脇側部分 ( A ) である力ップ部片 1 2 ' ' に接ぎ合わされ、部片 1 4 ' 'が接ぎライン 1 6 ' 'で、脇側部分（A ) であるカツプ部片 1 2 ' 'に接ぎ合わされているタイプであり、この点図 1や図 2に示した態様の乳房カツプと各部片の形や接ぎラインの態様が少し異なっている。

次に図 4に示した乳房力ップは、本発明の乳房力ップを有する衣類に用いられる更に別の態様の 3 Z 4カップタイプの乳房力ップの正面図であ O o

図 4に示した乳房カップ 1に於いては、脇側部分（A ) として説明したカップ部片 1 2 aは、脇側最上辺からス夕一卜するのではなく、若干下方の脇上辺からスタートし、乳房力ップのトップ 2の方向に接近する凸のカープを描いて力ップ刳り 4の最下点 3近傍に至る接ぎライン 1 5 aで区画されるラインよりも脇側の部分を構成しており、この脇側部分

( A ) であるカツプ部片 1 2 aが柔軟で比較的圧縮率の小さい素材で構成されており、乳房カップの膨らみのトップ 2を含む残余の部分（B ) が、図 4に示した乳房力ップでは 2つの部片 1 3 aと 1 4 aから構成されており、部片 1 3 aと 1 4 aは比較的圧縮率の大きい柔軟な素材からなり、これらは接ぎライン 1 6 aで接ぎ合わされており、残余の部分

( B ) の前記接ぎライン 1 6 aはトップ 2を通らず、前中心方向に向かつてほぼ斜め下向きで乳房力ップの刳り 4方向に向かう接ぎラインとなつている。

次に図 5に示した乳房カップは、本発明の乳房カップを有する衣類に用いられる更に別の態様の 3 / 4カップタイプの乳房力ップの正面図である。

図 5に示した乳房カップ 1に於いては、脇側部分（A) であるカップ部片 12 bは、脇上辺から乳房力ップの卜ップ 2の方向に接近する凸のカーブを描いてカップ刳り 4の最下点 3近傍に至る接ぎライン 15 bよりも脇側の部分を構成する部片であり、図 1に示した脇側部分（A) であるカップ部片 12とほぼ同様の形状である。この脇側部分（A) であるカツプ部片 12 bは図 1で示した力ップ部片 12と同様に柔軟で比較的圧縮率の小さい素材で構成されている。図 5に示した乳房力ップが図 1に示した乳房力ップと主に異なる部分は、乳房力ップの膨らみのトップ 2を含む残余の部分（B) が、図 1に示した乳房カップでは 2つの部片 1 3と 14から構成されているのに対し、図 4に示した乳房カップで〖ま 3つの部片 13 b、 14 b、 18 bから構成されている点である。これらの 3つの部片 13 b、 14 b, 18 bは比較的圧縮率の大きい柔軟な素材からなり、これらは接ぎライン 16 b、 17 bで接ぎ合わされており、残余の部分（B) の前記接ぎライン 16 b、 17 bはいずれもトップ 2を通らず、前中心方向に向かってほぼ斜め下向きで乳房力ップの刳り 4方向に向かう接ぎラインとなっている。

上記の如く本発明の乳房力ップを有する衣類は、乳房力ップの膨らみのトップを含まない脇側部分（A) を比較的圧縮率の小さい柔軟な素材で構成し、乳房力ップの膨らみの卜ップを含む残余の部分（B) を 2つ以上の比較的圧縮率の大きい柔軟な素材を接ぎ合わせて構成したので、バス卜の脇側の形をしっかりと押さえてシェイプアップし、乳房力ップのトップを含む残余の部分（B) を比較的圧縮率の大きい柔軟な素材で構成することによってバス卜のボリユーム感を保ち且つまろやかな丸みを帯びさせると共に、脇部がスレンダーなスッキリした細身な感じを与える捕整機能を付与する事ができる。そして前記残余の部分（B) の接ぎラインがトップを全く通らず、しかもバス卜の丸みの強い部分を通り前中心寄りの方向に向かってほぼ斜め下向きに向かっている。加えて

( B ) の素材が圧縮率の大きい柔軟な素材であることから、従来の "力ットアンドソ一" ではなし得なかった、モールド成型カップの様な自然できれいな乳房の丸みを実現できる。同時に接ぎラインがトップを通っていないことから、 "カットアンドソ一" で製造された乳房力ップであるにもかかわらず、接ぎラインが外衣に反映せず、外衣の上から接ぎラインの跡が認識される恐れのない衣類が提供できる。し力、も前述の様に従来の "カットアンドソ一" やモールド成型ではなし得なかった捕正機能を付与することができ、丸みのあるシルエツトと強い補正機能と言う、従来相反する 2つの要求特性の実現を可能にした衣類が提供できる。

図 1〜 5に示した本発明の乳房力ップを有する衣類に用いられるこれら乳房カツプの実例は本発明の理解を容易にするために示した少数の具体例であって、乳房カップの具体的な形はその使用目的や、衣類の種類、フルカップ、 3 Z 4カップ、 2 Z 3カップ、 1 Z 2カップなどのタイプによっても変ってくるので、本発明の乳房力ップを有する衣類に用いられる乳房力ップは図 1〜5に示されたもののみに限定されるものではない。また、図 1〜4にはいずれも 3枚接ぎで構成されている乳房カップを図示したが、乳房力ップの膨らみのトップを含む残余の部分（B ) を図 5に示した具体例のごとく 3つ以上に分けてもよいし、また、本発明の作用効果を発現し得る限り、必要に応じて脇側部分（A ) の部分を 2 枚接ぎまたはそれ以上にしてもよい。この場合も前記乳房力ップの膨らみのトップを含む残余の部分（B ) の接ぎラインがトップを通らないようにしなければならないことは、前記と同様である。

図 6に本発明の乳房力ップを有する衣類の 1種であるブラジャーの一

3 ― 例の正面図を示した。図 6に示したブラジャーに於ては乳房力ップ 1として前述の図 1に示したタイプの乳房力ップを用いている。従って図 1 と同一の部分は同一の符号を付して、詳細な説明は省略した。

尚、 2 0はブラジャーのバック布であり、バック布 2 0が身体の脇に当たる部分に圧縮ポリウレタンフオーム及び Zまたはノ一バインダー圧縮不織布からなる脇押さえ 2 1が更に取り付けられている。 2 2はストラップ（肩紐）を示している。

図 7は図 6のブラジャーの別の態様であり、乳房力ップを構成する脇側部分（A ) と 2つの部片から構成される残余の部分（B ) の接ぎラインの態様が図 6の乳房力ップのそれと比べて若干異なっている態様である。すなわち図 6に示された乳房力ップ 1は図 1に示された態様の乳房カップであるのに対し、図 7のブラジャーに示された乳房カップ 1は、図 2に示された態様の乳房力ップである点が図 6に示したブラジャーと異なり、その他の点は図 6に示した態様と実質的に同一である。図 7に示したタイプも図 6に示したタイプもほぼ同様の前述した本発明の作用効果を達成することができる。

次に図 8に更に表力ップを有するブラジャーの一例の斜視図を示した。尚、表力ップの裏側に位置する乳房力ップ 1は図 1と同一の態様とした力く（図示せず）、他の図 2〜図 5に示した態様としても良いことは容易に理解される。図 8に於て、 7 0が表カップを示しており、表カップを構成する生地は少なくとも一方向に伸縮性の生地からなり、この例では表力ップは図 1に示した乳房力ップの接ぎライン 1 5と 1 6の位置とほぼ同一の位置に当該接ぎラインに沿ってダーッ 7 1、 7 2が設けられている。この例でのダ一ッ 7 1、 7 2は、カップの中央部近傍からカップの刳り 4の方向に向かって力ップの刳り 4に到達する位置まで設けられている。尚、ダーッはカップのトップ 2を通らないダーッであって、力ップに立体的な丸みを帯びさせるためのダーッであれば他の位置に設けてもよいことはもちろんである。ダ一ッがカップのトップ 2を通ると、ダ一ッのラインが外衣に反映してダーッラインの跡が外衣の上からも認識できるようになるので、見栄えが低下し、好ましくない。

この様に少なくとも一方向に伸縮性の生地を用い乳房力ップの膨らみのトツプを通らないダーッを設けた表力ップを取り付けることにより、本発明の乳房力ップを有する衣類の前記作用効果を妨げることなく、表力ップを設ける事ができ好ましい。また、表力ップ生地の伸縮性は少なくとも一方向、好ましくは衣類（ブラジャー）縦方向の伸縮性を有することが好ましく、もちろん縦横両方向や更に斜め方向などの伸縮性を有する生地も極めて好適に用いる事ができる。これら少なくとも一方向に伸縮性を有する表力ップ用の生地の具体例としては、特に限定するものではないが、例えば、ツーウェイトリコット、ベア一フライス、ストレツチレース、ポリウレタン繊維含有ラッセル編物（パワーネッ卜と称されることがある。）、その他ポリウレタン繊維などの弾性繊維の使用された伸縮性の編物、織物などを使用することができる。

次に図 9に更に表力ップを有するブラジャーの一例の斜視図を示した。尚、表力ップの裏側の乳房力ップ 1は図 1と同一の態様としたが（図示せず）、他の図 2〜図 5に示した態様としても良いことはなどは、前述の例と同様である。図 9のブラジャーの表カップ 7 0に於ては、やや前中心側の力ップの刳り 4の近傍にギャザー 8 1を設けて表力ップが取り付けられている。表カップを構成する生地は前述した様に少なくとも一方向に伸縮性の生地であることは、前述の例と同様である。

この様に少なくとも一方向に伸縮性の生地を用いギャザーを設けた表カップを取り付けることにより、本発明の乳房カップを有する衣類の前記作用効果を妨げることなく、表カツプを設ける事ができ好ましい。尚、図示していないが、表カップを取り付ける場合にダ一ッとギヤザ —を併用してもよいことはもちろんである。

次に図 1 0に本発明の乳房力ップを有する衣類の 1種であるボディスーッの一例の斜視図を示した。このボディスーツに図示された乳房力ップ 1の態様は図 1に示した乳房力ップ 1の態様と実質的に同様なタイプの乳房力ップを有しているが、図 2〜図 5などに示したようなタイプの乳房力ップを備えたものであってもよいことは容易に理解される。尚、一般にボディスーツに於ては乳房力ップは表力ップ布でカバーされているので、乳房力ップの接ぎライン 1 5、 1 6は点線で示した。表力ップが設けられる場合には、前述した様に表カップ生地としては少なくとも一方向に伸縮性の生地が用いられている。また、表カップにはダ一ッ及び Zまたはギャザーが設けられていることが好ましい。

次に図 1 1に本発明の乳房力ップを有する衣類の 1種である水着の一例の斜視図を示した。この水着に図示された乳房力ップ 1の態様は図 1 に示した乳房力ップ 1の態様と実質的に同様なタイプの乳房力ップを有しているが（図示せず）、図 2〜図 5などに示したようなタイプの乳房カップを備えたものであってもよいことは容易に理解される。尚、一般に水着に於ては乳房力ップは水着の表布でカバーされているので乳房力ップの接ぎライン 1 5、 1 6は点線で示した。水着の表布の少なくとも力ップ部分の表布の生地としては、少なくとも一方向に伸縮性の生地が用いられ、また、カップ部分の表布にはダーッ及び Zまたはギャザーが設けられていることが好ましい。

以上、本発明の乳房カップを有する衣類について、その具体例としてブラジャー、ボディスーツ、水着を取り上げて説明したが、本発明はこの図示した実施の態様例で示したもののみに限定されるものではなく、例えばビスチェ、スリーインワン、ブラテディ、ブラキャミソールある

6 一いはブラスリップなどの乳房力ップを有するファンデ一ション類のみならず、他の各種の乳房力ップを有する女性用の衣類についても同様に適用できることは容易に理解されるところである。

そして乳房カップの膨らみのトップを含まない脇側部分（A ) を比較的圧縮率の小さい柔軟な素材で構成し、乳房カップの膨らみのトップを含む残余の部分（B ) を 2つ以上の比較的圧縮率の大きい柔軟な素材を接ぎ合わせて構成することによって、バストの脇側の形をしつかりと押さえてシヱイプアップし、乳房カップのトツプを含む残余の部分（B ) を比較的圧縮率の大きい柔軟な素材で構成することによってバストのボリューム感を保ち且つまろやかな丸みを帯びさせると共に、脇部がスレンダ一なスッキリした細身な感じを与える補整機能を付与する事ができる。そして前記残余の部分（B ) の接ぎラインがトップを全く通らず、しかもバストの丸みの強い部分を通り前中心寄りの方向に向かってほぼ斜め下向きに向かっている。加えて（B ) の素材が圧縮率の大きい柔軟な素材であることから、従来の "カットアンドソー" ではなし得なかった、モールド成型力ップの様な自然できれいな乳房の丸みを実現できる。同時に接ぎラインがトップを通っていないことから、 "カットアンドソ一" で製造された乳房カップであるにもかかわらず、接ぎラィンが外衣に反映せず、外衣の上から接ぎラインの跡が認識される恐れのない衣類が提供できる。しかも前述の様に従来の "カットアンドソー" やモールド成型ではなし得なかった補正機能を付与することができ、丸みのあるシルエツ卜と強い補正機能と言う、従来相反する 2つの要求特性の実現を可能にした衣類が提供できる。

素材の圧縮率については、脇側部分（A ) の素材の圧縮率は 3〜 1 0 %であり、乳房力ップの膨らみのトップを含む残余の部分（B ) の素材の圧縮率は 1 0〜2 5 %であって、且つ（A ) の素材の圧縮率よりも (B) の素材の圧縮率の方が大きいことが好ましい。そして、より好ましい圧縮率の範囲は、（A) の素材の圧縮率が 3. 5〜8%であり、 (B) の素材の圧縮率が 14〜20%の範囲である。

また、特に限定するものではないが、更に（A) の素材の嵩高保持率が (B) の素材の嵩高保持率よりも大きい素材を用いることがより好ましい。また更に（B) の素材の伸びが（A) の素材の伸びよりも伸びの大きな素材であることが好ましい。

ここで圧縮率、嵩高保持率は次の方法によつて測定する事ができる。

①縦横 1 0 c m X 10 c mの試験片を 1 0枚重ねて、その上に縦横 1 O cmX l O cm (重さ S O g f /l O O cm ) のアルミ二ゥム板をのせ、その状態で四辺において 10枚分の試験片の厚みを測定し、一枚当たりの試験片の厚みの平均値（X) を算出する。

②アルミニウム板の上に 2000 g f のおもりを 30秒間載せ、前記 ①の操作と同様にして圧縮された状態の一枚当たりの試験片の厚みの平均値（Y) を算出する。

③ 2000 g f のおもりを除き、 30秒放置した後、再び 2000 g f のおもりをアルミニゥム板の上に 24時間載せ、おもりを除いて 1時間放置後の状態の一枚当たりの試験片の厚みの平均値（Z) を前記①の操作と同様にして算出する。

次式により、圧縮率（％) 、嵩高保持率（％) を求める。

数式（1)

圧縮率（％) = { (X— Y) ZX} X 100

数式（2)

嵩高保持率（％) = { (Z—Y) / (X— Y) } X 1 00 上記数式（1) からも明らかな様に、圧縮率とは、前記素材の厚さ方向に荷重をかけた時の圧縮されやすさを示す指標であり、圧縮率の値が

8 大きいほど荷重がかかった時に圧縮されやすい素材であることを示している。

また、前記素材の伸びの比較は、（A ) 、 ( B ) の素材とも同じ条件で伸びを測定して比較すればよく、特に限定するものではないが、通常インストロン型定速伸長型引張試験機（例えば島津製作所製 "オートグラフ" A G— 5 0 0 Dなど）を用いて一定加重を掛けた時の伸長率などを測定する方法で判定することができる。尚、伸びの測定は、その素材の最もよく伸びる方向の伸長率の値で比較する。

( A ) を構成する素材の具体例としては、例えば、フォームラバーや圧縮ポリウレタンフォームなどがあげられる力く、特に圧縮ポリウレ夕ンフォームが好ましい。また（A ) の素材としてはストレッチレースなども使用可能である。圧縮ポリウレタンフォームの嵩密度は特に限定するものではないが 0 . 0 7 5〜0 . 3 0 0 g Z c cのものが好ましく用いられる。またフオームラバ一や圧縮ポリウレタンフォームの少なくとも片面に織物または編物が積層された圧縮ポリウレタンフォームやフォームラバーの積層物も好ましく用いられる。積層される織物または編物としては、伸縮性であっても伸縮性がなくてもよい。この様な織物または編物を積層する事により、肌触りを改良したり、見栄えをよくすることができ好ましい。特に限定するものではないがトリコット編物、例えばナイロントリコット、ポリエステルトリコット、綿トリコット、綿とナィ口ンまたはポリエステルの混編トリコットなどが好適に用いられる。これらのトリコット編物は伸縮性を有するが、伸びを比較的少なく抑えたい場合には、 2枚以上重ねて積層してもよい。

尚、通常のポリゥレタンフォームでは圧縮率が大きすぎるものが一般的であり、通常のポリウレタンフォームは好ましくない。ただし、（A) を構成する素材は圧縮ポリウレタンフォームやフォームラバ一のみに限定されるものではなく、着用感を低下させずに本発明の目的を達成出来るものであれば他の素材でも使用可能である。

また、（B ) を構成する素材の具体例としては、例えば、ストレッチ性不織布、非圧縮ポリウレタンフォームまたはこれらのいずれかの少なくとも片面に伸縮性を有する織物または伸縮性を有する編物が積層された積層物などが用いられ、これらは、比較的圧縮率が大きい圧縮特性を有しており、また、柔軟性に優れているので、（B ) の素材の特性から、バストを人体の前方に押し出して且つまろやかな丸みを帯びさせる作用効果を効果的に安定的に発揮でき、しかも、着用感を低下させず、着用感が非常に良好であり好ましい。

特に、ストレツチ性不織布や非圧縮ポリゥレ夕ンフオームなどを用いる場合には、これらのいずれかの少なくとも片面に伸縮性を有する織物または伸縮性を有する編物が積層された積層物を用いることが肌触りを改良したり、見栄えをよくすることができ好ましい。特に限定するものではないが積層する伸縮性を有する織物または編物としてはトリコット編物、例えばナイロントリコット、ポリエステルトリコット、綿トリコット、綿とナイロンまたはポリエステルの混編トリコットなどの伸縮性を有するものが好適に用いられる。

尚、前記の様な織物や編物を積層した積層物の圧縮率や嵩高保持率を求めるには、積層物の状態で前記の測定法に従って求めればよい。

また、図 6〜1 1に示した本発明の乳房カップを有する衣類に於ては、乳房力ップの（A ) に相当する 1 2の部分の素材はトリコット編物がその両面に積層された圧縮ポリウレタンフォーム（圧縮率 4 . 2 %、嵩高保持率 9 2 . 3 %、厚さ 3 m m、圧縮ポリウレタンフォーム部分のみの嵩密度 0 . 2 8 0 g Z c c ) を用い、（B ) に相当する 1 3、 1 4の部分の素材はトリコット編物がその両面に積層されたストレッチ性不織布 (圧縮率 1 6. 5 %、嵩高保持率 4 1. 3 %、厚さ 4 mm、ストレッチ性不織布部分のみの目付 1 4 5 g/m² ) を用いる組み合わせと、（A) に相当する 1 2の部分の素材がトリコット編物がその両面に積層された圧縮ポリウレタンフォーム（圧縮率 7. 0 %、嵩高保持率 5 2. 2 %、厚さ 3 mm、圧縮ポリウレタンフォーム部分のみの嵩密度 0. 0 7 8 4 gZ c c ) を用い、（B) に相当する 1 3、 1 4の部分の素材はトリコット編物がその両面に積層されたストレツチ性不織布（圧縮率 1 6. 5 %、嵩高保持率 4 1. 3 %、厚さ 4 mm、ストレツチ性不織布部分のみの目付 1 4 5 g/ ^u ) を用いる組み合わせの 2通りをそれぞれについて採用したが、これのみに限定されるものではないことは前述した通り ^あ。

(1) 本発明の乳房力ップを有する衣類は、乳房力ップの膨らみのトップを含まない脇側部分（A) を比較的圧縮率の小さい柔軟な素材で構成し、乳房カップの膨らみのトップを含む残余の部分（B) を 2つ以上の比較的圧縮率の大きい柔軟な素材を接ぎ合わせて構成することによつて、バス卜の脇側の形をしつかりと押さえてシヱイプアップし、乳房力ップのトップを含む残余の部分（B) を比較的圧縮率の大きい柔軟な素材で構成することによってバス卜のボリユーム感を保ち且つまろやかな丸みを帯びさせると共に、脇部がスレンダーなスッキリした細身な感じを与える捕整機能を付与する事ができる。そして前記残余の部分（B) の接ぎラインがトップを全く通らず、しかもバス卜の丸みの強い部分を通り前中心寄りの方向に向かってほぼ斜め下向きに向かっている。加えて（B) の素材が圧縮率の大きい柔軟な素材であることから、従来の "カットアンドソー" で製造された乳房カップではなし得なかった、モールド成型力ップの様な自然できれいな乳房の丸みを実現できる。同

2 時に接ぎラインがトップを通っていないことから、 "カットアンドソ一" で製造された乳房カップであるにもかかわらず、接ぎラインが外衣に反映せず、外衣の上から接ぎラインの跡が認識される恐れのない衣類が提供できる。しかも前述の様に従来の "カットアンドソー" やモールド成型ではなし得なかった補正機能を付与することができ、丸みのあるシルエツ卜と強い補正機能と言う、従来相反する 2つの要求特性の実現を可能とした衣類が提供できる。

(2) また、本発明の乳房カップを有する衣類において、脇側部分 (A) を構成する比較的圧縮率の小さい柔軟な素材の圧縮率が 3〜 1 0 %であり、残余の部分（B) の比較的圧縮率の大きい素材の圧縮率が 1 0〜25%であり、且つ（A) の素材の圧縮率よりも（B) の素材の圧縮率の方が大きい上記本発明の好ましい態様とすることにより、前記

(1) 項に記載の作用効果がより適格に発揮され、しかも着用感の低下のない乳房力ップを有する衣類を提供する事ができ好ましい。

(3) また、本発明の乳房カップを有する衣類において、脇側部分

(A) を構成する比較的圧縮率の小さい柔軟な素材の圧縮率が 3. 5〜 8%であり、残余の部分（B) の比較的圧縮率の大きい素材の圧縮率が 14〜20%である上記本発明の好ましい態様とすることにより、前記 (1) 項に記載の作用効果がより安定して発揮され、しかも着用感の優れた乳房力ップを有する衣類を提供する事ができ好ましい。

(4) また、本発明の乳房カップを有する衣類において、更に乳房力ップが表力ップを有しており、前記表力ップは少なくとも一方向に伸縮性を有する生地からなり、乳房力ップの刳り近傍にギャザーを設けるか、及び Zまたは、乳房力ップの膨らみのトップを通らず乳房力ップの刳り方向に向かうダ一ッを設けて取り付けられている上記本発明の好ましい態様とすることにより、表カツプ生地を取り付けてより見栄えの良好な衣類とするような場合に於ても、表カップ生地が少なくとも一方向に伸縮性を有する生地からなり、乳房力ップの刳り近傍にギャザーを設けるか、及び Zまたは、乳房力ップの膨らみの卜ップを通らず乳房力ップの刳り方向に向かうダ一ッを設けて取り付けられているので、バス卜の美しい丸みを保ち、かつバスト脇部がスレンダーな細身な感じを与え、接ぎラインが外衣に反映せず、外衣の上から接ぎラインの跡が認識される恐れのない本発明の乳房力ップを有する衣類の前記作用効果を妨げることなく、表カップ生地を設ける事ができ好ましい。

( 5 ) また、本発明の乳房カップを有する衣類において、脇側部分 ( A ) を構成する比較的圧縮率の小さい柔軟な素材が圧縮ポリウレタンフォームまたは圧縮ポリゥレタンフォームの少なくとも片面に織物または編物が積層された圧縮ポリウレタンフォームの積層物からなる上記本発明の好ましい態様とすることにより、圧縮ポリウレタンフォームは、安価でしかも容易に本発明で用いるに好ましい圧縮率特性を満たすものが得られ、かつ、人体への当たりが柔らかく着用感の低下もなく特に好ましい。

( 6 ) また、本発明の乳房カップを有する衣類において、残余の部分 ( B ) の比較的圧縮率の大きい素材がストレッチ性不織布、非圧縮ポリウレタンフオームまたはこれらのいずれかの少なくとも片面に伸縮性を有する織物または伸縮性を有する編物が積層された積層物からなる群から選ばれたいずれかである上記本発明の好ましい態様とすることにより、これらは、比較的弱い力で圧縮される圧縮特性を有しており、また、柔钦性に優れているので、脇側部分（A ) で押し出された乳房の肉をこの部分で吸収し、まろやかな丸みを帯びさせる作用効果を効果的に安定的に発揮でき、しかも着用感が非常に良好であり好ましい。

( 7 ) また、本発明の乳房カップを有する衣類において、脇側部分 ( A ) が、乳房力ッの膨らみのトップを含まず乳房力ップの脇上辺部近傍から乳房力ップの刳り最下点近傍に至る脇側部分をカバーしている部分である上記本発明の好ましい態様とすることにより、バス卜の脇部がスレンダーなスッキリした細身な感じを与える捕整機能を十分に付与する事ができ、好ましい。

( 8 ) また、本発明の乳房カップを有する衣類において、更に、残余の部分（B ) の素材が、脇側部分（A ) の素材に比べて、伸びが大きい性質を有する素材である上記本発明の好ましい態様とすることにより、脇側部分（A ) の部分で押し出された乳房の肉が、大きな反発力を受けずに残余の部分（B ) 部分の伸びにより形よく吸収されるため、更に一段と脇部がスレンダーなスッキリした細身な感じを与える補整機能を付与する事ができると共に、バストを形よく人体の前方に押し出してバス卜をより美しい自然な丸み形状に保つ事ができる補整機能を付与する事ができ好ましい。

( 9 ) また、本発明の乳房カップを有する衣類において、乳房カップを有する衣類がブラジャーであって、前記ブラジャーはそのバック布が身体の脇に当たる部分に圧縮ポリウレタンフォーム及び Zまたはノーバィンダー圧縮不織布からなる脇押さえが更に取り付けられている上記本発明の好ましい態様とすることにより、ブラジャーのバック布に、それが身体の脇に当たる部分に圧縮ポリウレタンフォーム及び Zまたはノ一バインダ一圧縮不織布からなる脇押さえが更に取り付けられていることにより、身体の脇の肉をしつかりと押さえることができるので、前記乳房カツプの作用効果と合わせてよりスレンダ一な細身な感じを与える着痩せする捕整機能をより効果的に付与する事ができるブラジャーを提供することができ好ましい。産業上の利用可能性

本発明の乳房力ップを有する衣類は、以上に述べた様な効果を奏することから、ブラジャー、ボディスーツ、ビスチェ、スリーインワン、ブラテディ、ブラキヤミソールあるいはプラスリップなどの乳房力ップを有するファンデーション類、水着のみならず、他の各種の乳房カップを有する女性用の衣類に有用であり、特にブラジャーにより好適である。

Claims

請求の範囲

1. 乳房力ップの膨らみのトップを含まない脇側部分（A) を比較的圧縮率の小さい柔軟な素材で構成し、乳房力ップの膨らみのトップを含む残余の部分（B) を 2つ以上の比較的圧縮率の大きい柔軟な素材を接ぎ合わせて構成した乳房カップであって、前記残余の部分（B) の接ぎラインがトップを通らず、前中心方向に向かってほぼ斜め下向きで乳房カツプの刳り方向に向かう接ぎラインである乳房力ップを有する衣類。

2. 脇側部分（A) を構成する比較的圧縮率の小さい柔軟な素材の圧縮率が 3〜10%であり、残余の部分（B) の比較的圧縮率の大きい素材の圧縮率が 10〜25%であり、且つ（A) の素材の圧縮率よりも (B) の素材の圧縮率の方が大きい請求の範囲第 1項に記載の乳房力ップを有する衣類。

3. 脇側部分（A) を構成する比較的圧縮率の小さい柔軟な素材の圧縮率が 3. 5〜8%であり、残余の部分（B) の比較的圧縮率の大きい素材の圧縮率が 14〜20%である請求の範囲第 1項に記載の乳房力ップを有する衣類。

4. 更に乳房カップが表カップを有しており、前記表カップは少なくとも一方向に伸縮性を有する生地からなり、乳房カップの刳り近傍にギャザーを設けるか、及び Zまたは、乳房カップの膨らみのトップを通らず乳房力ップの刳り方向に向かうダーッを設けて取り付けられている請求の範囲第 1項に記載の乳房力ップを有する衣類。

5. 脇側部分（A) を構成する比較的圧縮率の小さい柔軟な素材が圧縮ポリウレタンフォームまたは圧縮ポリウレタンフォームの少なくとも片面に織物または編物が積層された圧縮ポリウレタンフォームの積層物からなる請求の範囲第 1項に記載の乳房力ップを有する衣類。

6 . 残余の部分（B ) の比較的圧縮率の大きい素材がストレツチ性不織布、非圧縮ポリウレタンフォームまたはこれらのいずれかの少なくとも片面に伸縮性を有する織物または伸縮性を有する編物が積層された積層物からなる群から選ばれたいずれかである請求の範囲第 1項に記載の乳房力ップを有する衣類。

7 . 脇側部分（A ) が、乳房カツの膨らみのトップを含まず乳房力ップの脇上辺部近傍から乳房力ップの刳り最下点近傍に至る脇側部分をカバーしている部分である請求の範囲第 1項に記載の乳房力ップを有する衣類。

8 . 更に、残余の部分（B ) の素材が、脇側部分（A ) の素材に比べて、伸びが大きい性質を有する素材である請求の範囲第 1項に記載の乳房力ップを有する衣類。

9 . 乳房カップを有する衣類がブラジャーであって、前記ブラジャ一はそのバック布が身体の脇に当たる部分に圧縮ポリウレタンフォーム及び Zまたはノ一バインダ一圧縮不織布からなる脇押さえが更に取り付けられている請求の範囲第 1項〜第 8項のいずれかに記載の乳房力ップ ¾有する衣類。