JPH09256203A - 乳房カップ材、それを用いた乳房カップおよび乳房カップを有する衣類 - Google Patents

乳房カップ材、それを用いた乳房カップおよび乳房カップを有する衣類

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JPH09256203A
JPH09256203A JP6502596A JP6502596A JPH09256203A JP H09256203 A JPH09256203 A JP H09256203A JP 6502596 A JP6502596 A JP 6502596A JP 6502596 A JP6502596 A JP 6502596A JP H09256203 A JPH09256203 A JP H09256203A
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breast
cup
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 馴染み感があり、各種の形の乳房にフィツト
し、補整感、造形力も満足する乳房カップ用の乳房カッ
プ材、それを用いた乳房カップならびに前記乳房カップ
を有する衣類を提供する。 【解決手段】 目付140g/m2 のポリエステル不織
布(6デニールの中空捲縮加工ポリエステル繊維使用)
にシリコーン系粘着剤(信越化学工業株式会社製“X−
40−3068”)を不織布の重量に対して20重量%
含浸させ、加熱硬化処理して得られた厚み13mm、圧
縮応力解除後の凹みの復元時間が1560秒の乳房カッ
プ材1の片面にナイロントリコットを積層し、ナイロン
トリコット側が肌側になる様にして上カップ部12と下
カップ部13の表カップ部材の裏側に裏打ちした乳房カ
ップを有するブラジャー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳房カップ材、そ
れを用いた乳房カップおよび当該乳房カップを有する衣
類に関するものである。特に本発明は、個人差のある乳
房の形に対する対応性に優れ、馴染み感が良く、かつ補
整感を有し、造形性の優れた乳房カップを提供するため
の、乳房カップ材、それを用いた乳房カップおよび当該
乳房カップを有する衣類に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、乳房カップは女性用衣類に於
いて、着用者の乳房に当てがわれ、乳房を保持したり、
その形を整えたりする役割を有しており、かかる乳房カ
ップを有する女性用衣類、具体的には、例えばブラジャ
ー、水着、レオタード、ボディスーツ、ブラスリップ、
その他の乳房カップを有する衣類は、女性用の被服とし
て広く普及している。
【0003】これらの乳房カップの乳房カップ材として
は、不織布やポリウレタン発泡体、あるいはこれらと織
物または編物などとの積層体が最もよく用いられてきて
いる。(実開昭61−155309号、実公昭62−3
6801号、特公平7−26305号) 本発明者らが、乳房カップを有する衣類の一般の着用者
を対象にアンケートなどによる調査をした結果において
は、かかる乳房カップを有する衣類の着用者は、着用し
ようとする衣類の乳房カップがその着用者に適合するか
否かの判断として、ボリューム感があり、乳房とカップ
の馴染み感がよく、かつ、ある程度乳房が乳房カップに
より作用力がかけられて、形が整えられていると言う補
整感があり、また造形力があるものが好ましい乳房カッ
プとして適合性があると言う判断をすることが分かっ
た。また、自分の乳房の形に満足していない人は、乳房
カップを有する衣類を着用することにより、本来乳房カ
ップで設計された形の美しい乳房カップの外形が保持で
きることを望んでいる。
【0004】ところで、従来の乳房カップについて、代
表例として例えばブラジャーを例にとって説明する。図
17に、従来より知られている2枚接ぎと称するタイプ
の乳房カップを有するブラジャーの一例の一部切り欠き
部分を有する斜視図を示した。この例の場合には乳房カ
ップ331は、上カップ部分332と下カップ部分33
3とが前中心側のカップくりからカップの膨らみの頂点
部近傍を通りカップの脇側のくりに達する接ぎ334の
部分で、カップに膨らみが出て丸みを帯びるように接ぎ
合わされている。尚、335はブラジャーの土台布を示
している。
【0005】図18に図17に示したブラジャーの乳房
カップ331のみの部分のA−A´断面の断面模式図を
示した。図18に於いて、340が乳房カップ材であ
り、この場合は上乳房カップ材340aと下乳房カップ
材340bとが縫製ライン334bの位置で接ぎ合わさ
れている。乳房カップ331は乳房カップ材340のみ
からなる場合もあるが、乳房カップ材340が不織布や
ポリウレタン発泡体あるいはこれらと織物または編物な
どとの積層体からなる場合、通常、織物、編物またはレ
ースないしはこれらの組合わせなどからなる表カップ部
材341が設けられている。表カップ部材341はこの
例では上表カップ部材341aと下表カップ部材341
bとが接ぎ334で接ぎ合わされている。336、33
7及び337´はこの接ぎの部分の縫製ラインを示して
いる。338はバイアステープ、344、345は乳房
カップ材340と表カップ部材341との縫製ラインで
ある。
【0006】乳房カップ材340の柔軟性は、例えば不
織布の場合は目付(1m2 当たりの重量)や繊維素材の
種類、または、バインダーの量により、また、ポリウレ
タン発泡体の場合には発泡倍率(見掛け密度)などによ
り調整されて、柔らかめのグレードや、やや硬めのグレ
ードなど目的に応じて適宜のものが採用されている。
尚、図18で示した乳房カップの断面構造は一例であ
り、例えば上乳房カップ材340aが存在しないもの
等、目的に応じて種々のタイプのものが作られている。
【0007】また、前述した実開昭61−155309
号には、例えば下乳房カップ材の厚みを厚くして乳房の
プッシュアップ性を付与させることも提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、乳房カップ
材として従来よりよく用いられている素材を用いた場合
には、柔らかい素材を用いると、馴染み感は満足のいく
乳房カップが得られるが、補整感、造形力に欠けると言
う問題がある。尚、補整感とは、前述したように乳房カ
ップにより乳房にほどよい応力がかかって、あたかも乳
房が美しい形に整えられている状態にあると言う感触を
持つ満足感に相当する。造形力は乳房カップとして例え
ば本来特定の望ましい美しい形に設計したものが、着用
状態に於いても、出来るだけ設計した目的の形状に保た
れて、乳房カップ表側の外観形状が美しく保たれ、その
結果外部から見た場合に着用者のバスト形状が美しく整
えられている状態にあるものを造形力があると言う。ま
た乳房カップの外形の変形が少ないと言う意味では保型
性を有するとも言う。柔らかい素材を用いると、感覚的
に表現すればその素材は応力がかかった場合に保型性が
小さすぎて、ある一定の荷重に耐えれず“グニャッ”と
乳房カップ表側までかなり変形してしまうと言う問題が
ある。中間程度の程よい柔軟性と硬さを有する不織布や
ポリウレタン発泡体などを用いても、ある部分に応力が
掛かった場合に応力の掛かった部分の比較的近傍だけで
なくかなり広い範囲までその応力の影響を受け、応力の
掛かった面もその反対側の面も含めて、応力が掛かった
近傍のみならずやや広い範囲が全体的に変形する傾向が
ある。
【0009】一方、この素材として比較的硬いものを用
いると、補整感、造形力は満足するが、ある一定荷重が
加わったとしても、形状を保とうとする反作用により、
あるいはクッション性等による反作用により、反発力が
大きく、したがって馴染み感に欠けると言う問題があ
る。また、乳房カップの形状と乳房の形状が合わない場
合には乳房ボリュームの少ない部分に隙間ができたり、
乳房ボリュームが大きい部分が無理な応力を受けて、そ
の分、馴染み感、補整感などが満足されないと言う問題
もある。例えば前述した実開昭61−155309号の
如く下乳房カップ材の厚みを厚くして乳房のプッシュア
ップ性を付与させることは可能であるが、カップ材の厚
みを厚くしてその部分をやや硬めにしているので、反発
力が大きく、したがって馴染み感に欠けると言う問題が
あるし、本来乳房は3次元の立体形状を有するので、2
次元に近い面によって補整しようとすると、乳房の形が
この様なカップ形状に合わない者が着用した場合には、
馴染み感が良くないだけでなく、乳房と乳房カップ材と
の反発力により、乳房カップの外形を本来目的としてい
る好ましい美しい形に保つことができなくなると言う問
題がある。
【0010】本発明はこの従来の乳房カップ材を用いた
乳房カップでは達成出来ない問題点を解決し、馴染み感
があり、補整感、造形力も満足する乳房カップ用の乳房
カップ材、それを用いた乳房カップならびに前記乳房カ
ップを有する衣類を提供する事を目的とするものであ
る。別の言い方をすれば、乳房カップ材の肌側面の厚み
や形状が乳房の形状に応じて自在に変化することによっ
て、乳房のボリュームの大小や下垂したバストなどの各
種の乳房の3次元形状にも良くフィットし、しかも乳房
カップの表側の造形を余り変えること無く理想とする美
しいカップ外形を保つことができ、反発力が緩和され、
馴染み感のよい乳房カップ用の乳房カップ材、それを用
いた乳房カップならびに前記乳房カップを有する衣類を
提供する事を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の乳房カップ材
は、上記の課題を解決するために、低反発性で、応力が
加えられた側の面が応力に応じて比較的短時間で粘弾性
的に変形し応力を緩和する性質を有する材料を用いた事
を特徴とする。
【0012】本発明の乳房カップ材は、上記の性質を有
するので、本発明の乳房カップ材を使用した乳房カップ
を有する衣類を着用することにより、乳房カップ材に応
力がかかった場合に、すなわち乳房により肌側から応力
が加えられた時に、応力が加えられた部分は乳房カップ
の表側の形状を余り変えること無くその肌側面が乳房の
3次元形状に応じて粘弾性的にジワッと変形し、当該応
力が加えられた部分の応力は時間と共に緩和されてゆ
き、反発力が緩和される。よって良好な馴染み感が達成
され、乳房カップの表側の造形を余り変えること無く美
しい乳房カップの外形を保ち、更に適度の補整感が達成
される。乳房カップの表側の造形がほとんど変わらない
ので、当初に設計した所望の乳房カップの表側の形がほ
ぼ保たれ、美しいバスト形状を達成することが出来る。
乳房により押圧され圧縮された部分の反発力が緩和され
るので、従来の乳房カップ材の如く反発力が緩和され
ず、乳房で押圧された分だけ反発力が作用して馴染み
感、着用感が低下してしまう事がない。あるいは、乳房
に掛かる反発力の反作用により、乳房カップを表側方向
に押し出して乳房カップ表側形状をかなり変形してしま
う恐れも少ない。また、従来の乳房カップ材であって反
発力の小さい柔軟な素材を用いると、反発性は小さく馴
染み感が良好であるが、造形性、保型性が小さく、前述
したように“グニャッ”と変形し、応力が加えられた側
の面と反対側の面にも応力による変形が大きく及んで、
当初に設計した乳房カップの表側の形状を保つことが出
来ず、美しいバスト形状を達成することが出来なくなる
と言う問題も改良される。中間程度の程よい柔軟性と硬
さを有する不織布やポリウレタン発泡体などを用いて
も、短時間で粘弾性的に変形しないので、ある部分に応
力が掛かった場合に応力の掛かった部分の比較的近傍だ
けでなくかなり広い範囲までその応力の影響を受け、応
力の掛かった面もその反対側の面も含めて、応力が掛か
った近傍のみならずやや広い範囲が全体的に変形すると
言う問題も改良される。
【0013】上記で説明した事をより理解し易くするた
めに、図9、図10、図11の模式図を用いて更に説明
する。図9が本発明の乳房カップ材を用いた乳房カップ
を模式化した断面図で、本発明の乳房カップ材を用いた
乳房カップの応力による断面形状の変化、応力緩和状況
を説明するための模式化した断面図である。図の左側が
乳房カップの表側、図の右側が乳房カップの肌側にな
る。この点は図10、図11に於いても同様である。そ
して実際の乳房カップの断面形状は本来略半球状である
が、ここでは実際の乳房カップの断面形状とは異なり、
理解を容易にするため変形が生じていないか又は変形の
少ない側の面は、平面で現している。そして曲面になっ
ている部分は変形が生じていることを示している。この
点は図10、図11に於いても同様である。
【0014】図9に於いては1が本発明の乳房カップ
材、2が織物、編物またはレースなどからなる表カップ
部材を示している。3の矢印が加えられた応力の方向を
示している。肌側から応力3が加えられた時に、応力3
が加えられた部分は乳房カップの表側の形状を変形させ
ないか又は変形が比較的小さく、一方その肌側面がジワ
ッとへこみ、しかも当該応力が加えられた部分の応力は
時間と共に緩和されてゆき、反発力が緩和される。よっ
て良好な馴染み感が達成され、乳房カップの表側の造形
を余り変えること無く、当初の乳房カップの目的として
いる美しい外形をほぼ保つことができ、また適度の補整
感も達成される。しかも、肌側面の変形は応力に応じて
変形するので、乳房の3次元形状に沿って変形するた
め、いかなる形の乳房にもその形に応じてフィットした
形で着用できる。
【0015】図10は従来の硬めの乳房カップ材1aを
用いた場合の乳房カップの応力による断面形状の変化、
反発力を説明するための模式化した断面図を示してい
る。反発力が緩和されず、反発力4が作用して乳房を強
く圧迫するため、馴染み感、着用感が低下してしまう。
もし、乳房にこれ以上変形しなくなる程度以上の押圧力
が掛かった場合には反発力の逃げ場は乳房カップの表側
に作用して、反発力により乳房カップが外側に変形する
ことになる。
【0016】図11は従来の柔軟性に優れた乳房カップ
材、あるいは、中間程度の程よい柔軟性と硬さを有する
不織布やポリウレタン発泡体など乳房カップ材1cを用
いた場合の乳房カップの応力による断面形状の変化、反
発力を説明するための模式化した断面図を示している。
柔軟性に優れた乳房カップ材を用いた場合には反発力は
それ程強く作用しないので馴染み感は良いが、造形性、
保型性が小さく、前述したように“グニャッ”と変形
し、応力が加えられた側の面と反対側の面の表カップ部
材2にも応力による変形がかなり及ぶので、当初に設計
した乳房カップの表側の形状を保つことが出来ず、美し
いバスト形状を達成することが出来なくなる。中間程度
の程よい柔軟性と硬さを有する不織布やポリウレタン発
泡体などの乳房カップ材1cを用いた場合は、その硬さ
に応じた反発力が作用するので馴染み感は低下していく
とともに、応力の掛かった部分の比較的近傍だけでなく
かなり広い範囲までその応力の影響を受け、応力の掛か
った面もその反対側の面も含めて、応力が掛かった近傍
のみならずやや広い範囲が全体的に変形する傾向があ
り、乳房カップ材の肌側面が乳房の3次元形状にフィッ
トした形で変形すると言う本発明の目的が達成できない
ことが分かる。
【0017】本発明の乳房カップ材を用いた乳房カップ
はその表側の造形を余り変えること無く、乳房カップ材
の肌側面の厚みが乳房の3次元形状に応じて自在に変化
することによって、乳房のボリュームの大小や下垂した
バストなどの形状にも余り隙間やはみ出しを生じる事な
く良くフィットし、美しい乳房カップ外形を保つ造形
性、保型性の優れた乳房カップとし得る。この点につい
て乳房カップを有する衣類の着用前後の状態の模式図、
すなわち図13〜図16を用いて説明する。尚図13〜
図16中、それぞれ(a)はヌード状態の乳房近傍の人
体の側面図であり、(b)は本発明の乳房カップ材を用
いた乳房カップを有する衣類を着用した状態における側
面図(但し、乳房カップは断面図で示した。)である。
また、図13〜図16において、131が乳房、132
が腕の一部、1が本発明の乳房カップ材、2が表カップ
部材を示している。尚、この模式図と対応して図12に
本発明の乳房カップ材を用いた乳房カップの一例の着用
前の状態における断面概略模式図を示した。1が本発明
の乳房カップ材、2が表カップ部材を示している。尚、
断面の縫製状態の詳細は、特に限定するものではない
が、例えば従来例として示した図18において、乳房カ
ップ材340(340a及び340b)の代わりに本発
明の乳房カップ材が用いられるのみで、本質的な構造は
ほぼ同一であるから、図18を断面における縫製構造の
詳細の一例として参照することができる。元よりこの構
造のみに限定されるものではない。
【0018】図13(a)で示した例は、日本人の比較
的若い成熟女性に最も多い形といわれている円錐型の乳
房を示しており、かかる円錐型の乳房を有する女性が、
図13(b)に示す様に本発明の乳房カップ材1を用い
た乳房カップを有する衣類を着用した場合に於いては、
乳房で圧迫される部分の本発明の乳房カップ材1の肌側
は乳房の形に応じて容易にジワジワ変形して凹んでいく
が、時間の経過と共に反発力が速やかに緩和されて馴染
みが良くなり、応力が掛かった部分は圧縮されるが応力
が緩和されてその状態を保つので、従来の硬めの乳房カ
ップ材を用いた場合の如く着用中は常に反発力が作用し
て馴染み感がわるく着用感が劣ると言うことがない。ま
た、乳房カップ材の肌側面が乳房の3次元形状に応じて
変形するので、乳房カップと乳房の間に隙間がない状態
で着用することができる。しかも、乳房カップの外形は
目的とする美しい形状をほぼ保つことができる。したが
って、従来の柔らかい乳房カップ材を用いた場合の如く
“グニャッ”と変形して、表カップ部材1では目的とす
る美しい形状を支え切れなくなり、乳房カップがかなり
変形してしまい、理想の乳房カップ外形を保持できなく
なると言う問題点も改良できる。
【0019】次に図14は乳房上部のボリュームが少な
い下垂した乳房を有する女性が本発明の乳房カップ材1
を用いた乳房カップを有する衣類を着用した場合の模式
図、図15は乳房のボリュームが大きい女性が本発明の
乳房カップ材1を用いた乳房カップを有する衣類を着用
した場合の模式図、図16は乳房のボリュームが小さい
偏平な乳房を有する女性が本発明の乳房カップ材1を用
いた乳房カップを有する衣類を着用した場合の模式図を
示している。
【0020】図14で示した場合の様に、乳房上部のボ
リュームが少ない下垂した乳房131を有する女性が本
発明の乳房カップ材1を用いた乳房カップを有する衣類
を着用した場合に於いては、図14(b)に示される様
に、下垂した下側の乳房で圧迫される部分の本発明の乳
房カップ材1は容易にジワジワ変形して圧縮され薄くな
るが時間の経過と共に反発力が速やかに緩和されて下側
部分の馴染みが良くなり、また、ボリュームの少ない乳
房の上側部分には、本発明の乳房カップ材1がそのボリ
ュームを補い、上カップ部のボリューム不足を補ってカ
ップが乳房に隙間なく着き、乳房カップの表側の形状は
目的とする美しい形状を保っている。
【0021】図15で示した場合の様に、乳房131の
ボリュームが大きい女性が本発明の乳房カップ材1を用
いた乳房カップを有する衣類を着用した場合に於いて
は、図15(b)に示した様に、本発明の乳房カップ材
1のほぼ全体の部分が乳房で圧迫されるが、容易にジワ
ジワ変形して全体が圧縮され薄くなる。しかし、その反
発力は時間の経過と共に速やかに緩和されるので馴染み
が良くなり着用感の低下がなく、無理なく乳房カップを
有する衣類が着けられる。また、乳房ボリュームが大き
くてもその圧力による変形が表側に余り及ばずに応力が
緩和されるので、ブラジャーの表側の形状はほぼ目的と
する美しい形状を保つことができる。
【0022】また、図16で示したように、乳房のボリ
ュームが小さい偏平な乳房131を有する女性が本発明
の乳房カップ材1を用いた乳房カップを有する衣類を着
用した場合においては、図16(b)に示される様に、
乳房のボリュームの少ない部分を埋めるように本発明の
乳房カップ材1が作用するので、全体的な乳房ボリュー
ムの不足を本発明の乳房カップ材1の厚みで補い、ブラ
ジャーを乳房と隙間なく着けられる。したがって乳房の
ボリューム不足を補いブラジャーの表側の形状は目的と
する美しい形状を保ちボリューム感を満足させると共
に、乳房カップ材1が乳房131に接触しているので、
補整感も満足させることが出来る。
【0023】以上のように、本発明の乳房カップ材を用
いた乳房カップは、乳房のボリュームや乳房の形に応じ
てフィットさせる事が出来る。したがって或る一種類の
サイズの乳房カップがカバーできるサイズカバー率を高
くする事が出来る。しかも乳房カップの外形は目的とす
る美しい外形をほぼ保つことが可能となる。また、左右
の乳房の形や大きさに差があっても、左右の乳房カップ
の外形をほぼ同じような形に保つ事が出来る。乳房カッ
プが合いにくい人(例えば偏平な乳房や下垂した乳房の
様な形の乳房を有する人)にも、着用出来、美しい外形
を保つ事が出来る。また、乳房が比較的固く、乳房カッ
プが合いにくい人でも、乳房が強く圧迫されたり、乳房
カップと乳房の間に隙間が出来たりすることなく着用出
来る。また、同一人物でも、生理周期で乳房のボリュー
ムが変化する事もあるが、何時でも外形をほぼ同じ状態
に保てるように乳房カップを着ける事が出来る。また、
従来の乳房カップ材で厚手の乳房カップ材を着けた時に
感ずる違和感がない。
【0024】また、本発明に於いて、乳房カップ材が、
圧縮応力をかけて凹ませた時、前記圧縮応力解除後の凹
みの復元時間が、復元率80%で1秒以上3600秒以
下の材料である本発明の好ましい態様とすることによ
り、反発感がより少なく、馴染み感、着用感がより優
れ、肌側面から圧縮された部分はその応力が緩和されそ
の状態を保つことができるので、その応力が乳房カップ
外形を変形させる作用を適度に緩和でき、乳房カップの
外形の形状が目的とする美しい形状に保たれる造形性、
保型性のすぐれた乳房カップ材を提供できる。
【0025】また、本発明の乳房カップ材に於いて、乳
房カップ材が、柔軟性を有する多孔質材料に粘着剤を含
浸させてなる材料である本発明の好ましい態様とするこ
とにより、容易に低反発性で、応力が加えられた側の面
が応力に応じて比較的短時間で粘弾性的に変形し応力を
緩和する性質を有し、馴染み感に優れ、肌側面が乳房の
形に応じてフィットする様に変形するが、造形性、保型
性を有していて乳房カップの外形の形状が目的とする美
しい形状に保たれる本発明の乳房カップ材を提供でき
る。
【0026】また、本発明の前記乳房カップ材に於い
て、柔軟性を有する多孔質材料と粘着剤の割合が、多孔
質材料の重量に対し、粘着剤の重量が10〜50重量%
である本発明の好ましい態様とすることにより、容易に
低反発性で、応力が加えられた側の面が応力に応じて比
較的短時間で粘弾性的に変形し応力を緩和する性質を有
し、馴染み感に優れ、肌側面が乳房の形に応じてフィッ
トする様に変形するが、乳房カップの外形の形状は目的
とする美しい形状に保持される本発明の乳房カップ材を
提供できる。
【0027】また、本発明の乳房カップ材に於いて、乳
房カップ材の厚みが2〜50mm、より好ましくは5〜
30mmである本発明の好ましい態様とすることによ
り、本発明の前記機能を効果的に発揮し、いかなる乳房
の形状にも適合しやすく、しかも、厚みが厚すぎて外観
が不自然になることもない外観のすっきりした乳房カッ
プを提供し得る乳房カップ材とすることが出来る。
【0028】また、本発明の前記乳房カップ材に於い
て、柔軟性を有する多孔質材料が、目付10〜300g
/m2 、より好ましくは40〜250g/m2 の不織布
である本発明の好ましい態様とすることにより、容易
に、低反発性で応力が加えられた側の面が応力に応じて
比較的短時間で粘弾性的に変形し応力を緩和する性質を
有し、乳房の3次元形状に応じて乳房カップ肌側面の形
状が変形することにより乳房とよくフィットし、乳房カ
ップの外形の形状がほぼ目的とする美しい形状に保持で
き、通気性、耐洗濯性、耐変色性も良好で肌触りのよい
本発明の乳房カップ材を提供できる。
【0029】また、本発明の前記乳房カップ材に於い
て、柔軟性を有する多孔質材料が、見掛け密度が10〜
95kg/m3 、より好ましくは見掛け密度が15〜8
5kg/m3 のプラスチック発泡体である本発明の好ま
しい態様とすることにより、比較的安価にしかも容易
に、低反発性で応力が加えられた側の面が応力に応じて
比較的短時間で粘弾性的に変形し応力を緩和する性質を
有し、乳房の3次元形状に応じて乳房カップ肌側面の形
状が変形することにより乳房とよくフィットし、乳房カ
ップの外形の形状がほぼ目的とする美しい形状に保持で
き、通気性、耐洗濯性、耐変色性も良好で肌触りのよい
本発明の乳房カップ材が提供できる。
【0030】また、本発明の前記乳房カップ材に於い
て、粘着剤が、シリコーン系粘着剤、アクリル系粘着剤
およびゴム系粘着剤から選ばれた粘着剤である本発明の
好ましい態様とすることにより、これらの粘着剤は容易
に入手でき、しかも多孔質材料への含浸が容易にできる
ので、容易に、低反発性で応力が加えられた側の面が応
力に応じて比較的短時間で粘弾性的に変形し応力を緩和
する性質を有し、乳房の3次元形状に応じて乳房カップ
肌側面の形状が変形することにより乳房とよくフィット
し、しかも、乳房カップの外形の形状がほぼ目的とする
美しい形状に保持できる造形性、保型性を有する本発明
の乳房カップ材を提供できる。
【0031】また、本発明の乳房カップにおいては、乳
房カップのカップ材として前記のいずれかに記載の乳房
カップ材を用いているので、前述した優れた機能が発揮
できる乳房カップを提供できる。
【0032】また、本発明の乳房カップを有する衣類に
おいては、衣類の乳房カップとして前記記載の乳房カッ
プを具備しているので、乳房カップとして前述した優れ
た機能を発揮し得る衣類が提供できる。
【0033】また、本発明の乳房カップを有する衣類に
おいて乳房カップを有する衣類がブラジャー、水着、レ
オタード、ボディスーツ、ブラスリップから選ばれた衣
類である本発明の好ましい態様とすることにより、これ
らの衣類は、特に乳房カップにより、乳房の形を美しく
整える機能が要求される衣類であり、前述した機能を効
率よく発揮できる衣類を提供できる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の乳房カップ材は、低反発
性で、応力が加えられた側の面が応力に応じて比較的短
時間で粘弾性的に変形し応力を緩和する性質を有し、応
力が加えられた側の面の反対側の面に応力による変形が
比較的及びにくい保型性を有している材料からなり、特
に限定するものではないが通常はシート状である。厚み
は、均一でなくてもよいが、ほぼ均一な厚みを有するシ
ート状であっても、図18の如く縫製ライン344や3
45で周囲を表カップ部材に縫製することにより、例え
ば図12で示した様に、周囲の厚みが比較的薄くなった
形になる。そして乳房カップ材の厚みとしては、余りに
薄いと、前述の機能が十分発揮できないし、余りに厚い
と、着用感も低下したり、外観も劣ってくるので、2〜
50mm程度が好ましく、特に5〜30mm程度が好ま
しい。尚、ここで、乳房カップ材の厚みは、厚みが均一
でない場合には最も厚みの厚い部分の厚みである。
【0035】乳房カップ材に用いる素材としては、低反
発性で、応力が加えられた側の面が応力に応じて比較的
短時間で粘弾性的に変形し応力を緩和する性質を有し、
応力が加えられた側の面の反対側の面に応力による変形
が及ばないか又は変形が小さく保型性を有している材料
であれば特に限定はされず、いかなる材料を用いてもよ
い。ただ、従来より通常乳房カップ材として用いられて
いる不織布やポリウレタン発泡体のみでは、前述した様
に硬めのものは反発力が大きかったり、乳房が乳房カッ
プ材に当てがわれた時に、仮にその応力に応じて凹んだ
としても、比較的短時間で粘弾性的に変形し応力を緩和
する性質を持っていないので、着用状態では強めの応力
がかかったままの状態になり、応力が余り緩和されず、
十分な馴染み感を得ることができない。また、逆にかな
り柔らかい材料を使用した場合には、反発性は小さく馴
染み感が良好であるが、保型性が小さく、前述したよう
に“グニャッ”と変形し、応力が加えられた側の面と反
対側の面にも応力による変形がかなり及ぶことになるの
で、当初に設計した目的とする乳房カップの外形を保つ
ことが出来ず、美しいバスト形状を達成することが出来
なくなる。
【0036】特に限定するものではないが、かかる本発
明の乳房カップ材の材料の具体例としては、多孔質材料
に粘着剤を含浸させたものが好ましい乳房カップ材の例
として挙げられる。
【0037】柔軟性を有する多孔質材料としては、不織
布や比較的柔軟なプラスチック発泡体があげられる。プ
ラスチック発泡体としては、例えばポリウレタン発泡
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の発泡体、ポリエス
テルエラストマーの発泡体など、弾力性、柔軟性を有す
るものが挙げられる。
【0038】不織布としては、各種の合成繊維、半合成
繊維、天然繊維の不織布を用いることができるが、中空
繊維からなる不織布を用いると、粘着剤を含浸した時に
へたりが少なく好ましい。また、得られる乳房カップ材
が硬過ぎることもなく、また柔らか過ぎることもなく、
従って造形性、保型性と低反発性、応力緩和率のバラン
スがとれたいずれの性質も優れた乳房カップ材が得られ
るので特に好ましい。中空繊維は不織布を構成する繊維
の重量の50重量%以上であることが好ましい。もちろ
ん、中空繊維が100重量%であってもよい。また、捲
縮繊維(顕在または潜在捲縮繊維のいずれでもよい)が
含有されていると嵩高性が保持でき好ましい。最も好ま
しいのは中空捲縮繊維が含有されているものである。不
織布の目付は、通常10〜300g/m2 、より好まし
くは40〜250g/m2 の不織布が好ましく用いられ
る。
【0039】プラスチック発泡体を用いる場合は、通
常、見掛け密度が10〜95kg/m 3 、より好ましく
は15〜85kg/m3 の発泡体を用いることが好まし
い。特に不織布は耐変色性、通気性、耐洗濯性も良好
で、肌触りのよいカップに仕上げることができ好まし
い。尚、かかる不織布やプラスチック発泡体は、その少
なくとも片面に織物または編物が積層されているもの
が、強度や肌触りの点でより好ましく用いられる。
【0040】本発明の乳房カップ材として前記の様な柔
軟性を有する多孔質材料に粘着剤を含浸させたものを用
いる場合に、用いる粘着剤の具体例としては、例えばシ
リコーン系粘着剤、アクリル系粘着剤およびゴム系粘着
剤などが好ましい例として挙げられる。このうち耐洗濯
性、耐候性、皮膚への刺激の少なさ、前記特定の性質が
良好に発揮されやすいなどの点において、特にシリコー
ン系粘着剤が好ましい。
【0041】上記に説明した様な多孔質材料と粘着剤と
の組み合わせからなる素材を用いる場合には、その機構
は定かではないが、粘着剤が含浸されることにより、粘
弾性的性質が比較的短時間で発揮され、多孔質材料の応
力分散性が高められ、従って反対面への応力の影響が比
較的緩和されやすく、また、低反発性になり、馴染み感
がよくなるものと推定される。
【0042】上記で説明した様な組み合わせの素材を用
いる場合、柔軟性を有する多孔質材料と粘着剤の割合
は、多孔質材料の種類や用いる粘着剤の種類によっても
異なるが、多孔質材料の重量に対し、粘着剤の重量が1
0〜50重量%が好ましい。
【0043】以上の様な本発明で用いる乳房カップ材
は、圧縮応力をかけて凹ませた時、前記圧縮応力解除後
の凹みの復元時間が、復元率80%で1秒以上3600
秒以下の材料からなることが、馴染み感、着用感、造形
性、保型性がより優れており好ましい。そして、乳房カ
ップ材の密度を0.2g/cm3 以下とすることによ
り、軽量な乳房カップを提供する事が出来るので、より
好ましい。
【0044】前述した乳房カップ材の圧縮応力解除後の
凹みの復元時間、すなわち、乳房カップ材に圧縮応力を
かけて凹ませた時、前記圧縮応力解除後の凹みの復元時
間の測定は、レオメーター(不動工業株式会社製、機種
Jシリーズ、品番NRM−2010J−CW)を用いて
図8に示す様な測定方法で測定した。図8は乳房カップ
材の圧縮応力解除後の凹みの復元時間の測定を行う場合
の装置の一部と測定状況を説明するための断面模式図で
ある。
【0045】図8において、レオメーター(図示せず)
の治具保持具81に、直径が15mm長さが50mmの
剛性を有する固体プラスチック(アクリル系樹脂)円柱
状物83を有し一方の端に棒状の取り付け部82を有す
る治具84をレオメーターの治具保持具81にねじ込ん
で取り付け、レオメーターに取り付けられている上下動
可能な鋼鉄製の試料載置台85に試料86を載せ、次に
試料載置台85を上方に6cm/分の速度で移動させ
[図8(a)]、試料86を治具84に圧接して、試料
86を圧縮し、圧縮がそれ以上進行しない状態(以下極
限圧縮状態と呼ぶ)まで試料86を圧縮し[図8
(b)]、次に試料載置台84を急速に下方に下げて圧
縮応力を解除し[図8(c)]、前記凹ませた部分の試
料の厚さが測定前の試料厚みa(mm)の80%までに
回復した時点、すなわち凹みの深さが0.2×a(m
m)になるまでに要する時間(単位:秒)を測定する。
この時間を乳房カップ材の圧縮応力解除後の凹みの復元
時間とする。
【0046】この復元時間が長いほど、馴染み感が良好
で、反発力の緩和率もよく、造形性、保型性も良好で、
本発明の乳房カップ材としてはこの復元時間が1秒以上
3600秒以下の材料が好ましく用いられる。通常、従
来より乳房カップ材に用いられている不織布やポリウレ
タン発泡体は、復元時間は1秒よりはるかに小さく、圧
縮応力を解除するとほとんど同時に復元してしまう。
【0047】本発明において、乳房カップは、例えば前
述した様に一般的には表カップ部材の裏側に本発明の乳
房カップ材が当てがわれて構成されている。表カップ部
材としては、従来より乳房カップを具備した衣類の乳房
カップの表側に用いられている生地が用いられ、織物、
編物、レースなどの1種類以上が用いられる。表カップ
部材の生地は、衣類の種類によって適宜適当なものを用
いればよく、特に限定するものではないが、ナイロント
リコット、ポリエステルトリコット、綿−ポリエステル
交編編物などが特に好適に用いられる。
【0048】本発明の乳房カップは、通常上述した様な
表カップ部材の裏側に前述した本発明の乳房カップ材が
裏打ちされている。また、必要に応じて織物または編物
などからなる裏カップ部材を乳房カップ材よりも更に肌
側に設けてもよい。
【0049】乳房カップ材は、表カップ部材のほぼ裏側
全面に設けることが特に好ましいが、目的に応じて全面
でなく、部分的に設けてもよい。例えば、乳房カップの
下カップ部分のみとか、脇カップ部分のみとか、特別な
場合には、乳房の上側のボリュームが少ない人のために
上カップ部分のみに設けたり、乳房が脇に流れるのを強
く補整したい人のためのブラジャーなどにおいては、カ
ップの前中心側に緩和性を持たせるためにカップの前中
心側に設けるなど、目的に応じて部分的に設けることも
できる。
【0050】本発明の上述した様な乳房カップが適用さ
れる衣類の具体例としては、ブラジャー、水着、レオタ
ード、ボディスーツ、ブラスリップなどが挙げられ、こ
れらの衣類は、特に乳房カップにより、乳房の形を美し
く整える機能が要求される衣類であり、前述した本発明
の乳房カップの機能を効率よく発揮できるので好まし
い。
【0051】以下、図面を参照しながら、本発明の乳房
カップ材を具体的な乳房カップを有する衣類に適用した
場合の実施の形態について説明するが、本発明は、これ
らの実施の形態で具体的に説明した衣類に限定されるも
のではない。
【0052】図1は本発明の乳房カップ材を用いた乳房
カップを有するブラジャーの一例の表側から見た一部切
り欠き部分を有する斜視図である。11が乳房カップ、
12は上カップ部、13は下カップ部、14は上カップ
部12と下カップ部13との接ぎライン、15は土台
布、16はストラップ(肩紐)である。図1で上カップ
部12と下カップ部13の表側に現れている部分は表カ
ップ部材であり、この裏側に本発明で用いる乳房カップ
材1が裏打ちされている。通常、裏打ちされる乳房カッ
プ材も、上カップ部12、下カップ部13とほぼ同様の
形の2枚の部片から構成され、接ぎライン14の位置と
略同様の位置で接ぎ合わされて表カップ部材に裏打ちさ
れ、乳房カップ11の縁周辺部で表カップ部材に縫製さ
れている。ここで乳房カップ材1としては目付140g
/m2 のポリエステル不織布(6デニールの中空捲縮加
工ポリエステル繊維使用)にシリコーン系粘着剤(信越
化学工業株式会社製“X−40−3068”)を不織布
の重量に対して20重量%含浸させ、加熱硬化処理して
得られた乳房カップ材1の片面にナイロントリコットを
積層し、ナイロントリコット側が肌側になる様にして使
用した。尚、この乳房カップ材(ナイロントリコット積
層前、シリコーン系粘着剤含浸後)の厚みは13mm、
圧縮応力解除後の凹みの復元時間は1560秒であっ
た。
【0053】このブラジャーを、図13〜図16に示し
た各種の乳房形状を有する女性に着用してもらいテスト
したところ、馴染み感が良好で着用感に優れ、補整感も
満足するものであり、いずれのタイプの乳房にも良好に
フィットし、しかも目的とする美しい乳房カップ表側の
外形をほぼ保っていた。次に図2に本発明の乳房カップ
材を用いた乳房カップを有するブラジャーの別の一例の
表側から見た一部切り欠き部分を有する斜視図を示し
た。このブラジャーは3枚接ぎの乳房カップを有するブ
ラジャーであり、11が乳房カップ、12は上カップ
部、13は下カップ部で下前側カップ部13aと下脇側
カップ部13bとが接ぎライン17で接ぎ合わされてい
る、14は上カップ部12と下カップ部13との接ぎラ
イン、15は土台布、16はストラップ(肩紐)であ
る。図2で乳房カップ11の表側に現れている部分は表
カップ部材であり、この裏側に本発明で用いる乳房カッ
プ材1が裏打ちされている。通常、裏打ちされる乳房カ
ップ材1も、上カップ部12、下前側カップ部13a及
び下脇側カップ部13bとほぼ同様の形の3枚の部片か
ら構成され、接ぎライン14や17の位置と略同様の位
置で接ぎ合わされて表カップ部材に裏打ちされ、乳房カ
ップ11の縁周辺部で表カップ部材に縫製されている。
ここで乳房カップ材1としては目付140g/m2 のポ
リエステル不織布(6デニールの中空捲縮加工ポリエス
テル繊維使用)にシリコーン系粘着剤(信越化学工業株
式会社製“X−40−3068”)を不織布の重量に対
して20重量%含浸させ、加熱硬化処理して得られた乳
房カップ材1の片面にナイロントリコットを積層し、ナ
イロントリコット側が肌側になる様にして使用した。
尚、この乳房カップ材(ナイロントリコット積層前、シ
リコーン系粘着剤含浸後)の厚みは13mm、圧縮応力
解除後の凹みの復元時間は1560秒であった。
【0054】このブラジャーを、図13〜図16に示し
た各種の乳房形状を有する女性に着用してもらいテスト
したところ、馴染み感が良好で着用感に優れ、補整感も
満足するものであり、いずれのタイプの乳房にも良好に
フィットし、しかも当初の美しい乳房カップ表側の外形
をほぼ保っていた。尚、この態様の場合、乳房カップ材
を3枚の部片に分けているが、図1の例で説明したと同
様に、乳房カップ材を上カップ部12、下カップ部13
とほぼ同様の形の2枚の部片から構成し、接ぎライン1
4の位置と略同様の位置で接ぎ合わされて表カップ部材
に裏打ちしてもよい。
【0055】次に図3に本発明の乳房カップ材を用いた
乳房カップを有するブラジャーの更に別の一例の表側か
ら見た一部切り欠き部分を有する斜視図を示した。11
が乳房カップ、32は上カップ部、33は脇及び下カッ
プ部、34は上カップ部32と脇及び下カップ部33と
の接ぎライン、15は土台布、16はストラップ(肩
紐)である。図3で乳房カップ11の表側に現れている
部分は表カップ部材であり、この裏側に本発明で用いる
乳房カップ材1が裏打ちされている。通常、裏打ちされ
る乳房カップ材1も、上カップ部32、脇及び下カップ
部33とほぼ同様の形の2枚の部片から構成され、接ぎ
ライン34の位置と略同様の位置で接ぎ合わされて表カ
ップ部材に裏打ちされ、乳房カップ11の縁周辺部で表
カップ部材に縫製されている。ここで乳房カップ材1と
しては目付140g/m2 のポリエステル不織布(6デ
ニールの中空捲縮加工ポリエステル繊維使用)にシリコ
ーン系粘着剤(信越化学工業株式会社製“X−40−3
068”)を不織布の重量に対して20重量%含浸さ
せ、加熱硬化処理して得られた乳房カップ材1の片面に
ナイロントリコットを積層し、ナイロントリコット側が
肌側になる様にして使用した。尚、この乳房カップ材
(ナイロントリコット積層前、シリコーン系粘着剤含浸
後)の厚みは13mm、圧縮応力解除後の凹みの復元時
間は1560秒であった。
【0056】このブラジャーを、図13〜図16に示し
た各種の乳房形状を有する女性に着用してもらいテスト
したところ、馴染み感が良好で着用感に優れ、補整感も
満足するものであり、いずれのタイプの乳房にも良好に
フィットし、しかも当初の美しい乳房カップ表側の外形
をほぼ保っていた。
【0057】次に図4に本発明の乳房カップ材を用いた
乳房カップを有するブラジャーの更に別の一例の表側か
ら見た一部切り欠き部分を有する斜視図を示した。11
が乳房カップ、42は前カップ部、43は脇カップ部、
44は前カップ部42と脇カップ部43との接ぎライ
ン、15は土台布、16はストラップ(肩紐)である。
図4で乳房カップ11の表側に現れている部分は表カッ
プ部材であり、この裏側に本発明で用いる乳房カップ材
1が裏打ちされている。通常、裏打ちされる乳房カップ
材1も、前カップ部42、脇カップ部43とほぼ同様の
形の2枚の部片から構成され、接ぎライン44の位置と
略同様の位置で接ぎ合わされて表カップ部材に裏打ちさ
れ、乳房カップ11の縁周辺部で表カップ部材に縫製さ
れている。ここで乳房カップ材1としては目付140g
/m2 のポリエステル不織布(6デニールの中空捲縮加
工ポリエステル繊維使用)にシリコーン系粘着剤(信越
化学工業株式会社製“X−40−3068”)を不織布
の重量に対して20重量%含浸させ、加熱硬化処理して
得られた乳房カップ材1の片面にナイロントリコットを
積層し、ナイロントリコット側が肌側になる様にして使
用した。尚、この乳房カップ材(ナイロントリコット積
層前、シリコーン系粘着剤含浸後)の厚みは13mm、
圧縮応力解除後の凹みの復元時間は1560秒であっ
た。
【0058】このブラジャーを、図13〜図16に示し
た各種の乳房形状を有する女性に着用してもらいテスト
したところ、馴染み感が良好で着用感に優れ、補整感も
満足するものであり、いずれのタイプの乳房にも良好に
フィットし、しかも当初の美しい乳房カップ表側の外形
をほぼ保っていた。
【0059】次に図5を用いて、本発明の乳房カップ材
が取り外し可能に設けられた本発明の乳房カップを有す
るブラジャーについて説明する。図5は上記本発明の乳
房カップを有するブラジャーの一例の裏側から見た部分
平面図であり、表側の態様はほぼ図1と同様な2枚接ぎ
タイプの乳房カップからなるものであるので、図示を省
略している。
【0060】図5において、乳房カップ11の裏側に
は、それぞれ上カップ部と下カップ部の裏側に更に周囲
がそれぞれ上カップ部と下カップ部に縫製されており、
上カップ用の乳房カップ材50と下カップ用の乳房カッ
プ材51とを出し入れするためのスリット52、53が
設けられた編物または織物などからなるポケット部5
4、55が設けられている。乳房カップ用のスリット5
2、53は理解し易くするために少し隙間が開いている
ように図示されているが、実際にはスリットが閉じられ
た状態では隙間はほとんど開いていない。そして図の左
カップで示した様に、上カップ用の乳房カップ材50と
下カップ用の乳房カップ材51とを、それぞれ前記スリ
ット52、53を左右に開いてポケット部54、55に
挿入して用いる。洗濯などのため乳房カップ材50、5
1を取り出す場合にも前記スリット52、53を左右に
開いて取り出すことができる。この様に乳房カップ材5
0、51を取り外し可能にしておくと、着用者の好みに
応じて馴染み感、補整感などの異なった乳房カップ材を
使い分けることもできる。
【0061】ここで乳房カップ材50及び51としては
目付140g/m2 のポリエステル不織布(6デニール
の中空捲縮加工ポリエステル繊維使用)にシリコーン系
粘着剤(信越化学工業株式会社製“X−40−306
8”)を不織布の重量に対して20重量%含浸させ、加
熱硬化処理して得られた乳房カップ材1の片面にナイロ
ントリコットを積層し、ナイロントリコット側が肌側に
なる様にして使用した。尚、この乳房カップ材(ナイロ
ントリコット積層前、シリコーン系粘着剤含浸後)の厚
みは13mm、圧縮応力解除後の凹みの復元時間は15
60秒であった。
【0062】このブラジャーを、図13〜図16に示し
た各種の乳房形状を有する女性に着用してもらいテスト
したところ、馴染み感が良好で着用感に優れ、補整感も
満足するものであり、いずれのタイプの乳房にも良好に
フィットし、しかも当初の美しい乳房カップ表側の外形
をほぼ保っていた。
【0063】尚、以上図1〜図5に示した例以外に、他
の1/2カップタイプのブラジャー、3/4カップタイ
プのブラジャー、フルカップタイプのブラジャーや産前
産後用のブラジャーなどにも、ほぼ同様に本発明の乳房
カップ材を適用できる。
【0064】次に図6に本発明の乳房カップ材を用いた
乳房カップを有するボディスーツの一例の表側から見た
一部切り欠き部分を有する斜視図を示した。11が乳房
カップ、62は上カップ部、63は下カップ部、64は
上カップ部62と下カップ部63との接ぎラインであ
る。図6で乳房カップ11の表側に現れている部分は表
カップ部材であり、この裏側に本発明で用いる乳房カッ
プ材1が裏打ちされている。通常、裏打ちされる乳房カ
ップ材1も、上カップ部62、下カップ部63とほぼ同
様の形の2枚の部片から構成され、接ぎライン64の位
置と略同様の位置で接ぎ合わされて表カップ部材に裏打
ちされ、乳房カップ11の縁周辺部で表カップ部材に縫
製されている。ここで乳房カップ材1としては目付14
0g/m2のポリエステル不織布(6デニールの中空捲
縮加工ポリエステル繊維使用)にシリコーン系粘着剤
(信越化学工業株式会社製“X−40−3068”)を
不織布の重量に対して20重量%含浸させ、加熱硬化処
理して得られた乳房カップ材1の片面にナイロントリコ
ットを積層し、ナイロントリコット側が肌側になる様に
して使用した。尚、この乳房カップ材(ナイロントリコ
ット積層前、シリコーン系粘着剤含浸後)の厚みは13
mm、圧縮応力解除後の凹みの復元時間は1560秒で
あった。
【0065】このボディスーツを、図13〜図16に示
した各種の乳房形状を有する女性に着用してもらいテス
トしたところ、馴染み感が良好で着用感に優れ、補整感
も満足するものであり、いずれのタイプの乳房にも良好
にフィットし、しかも当初の美しい乳房カップ表側の外
形をほぼ保っていた。
【0066】次に図7に本発明の乳房カップ材を用いた
乳房カップを有する水着の一例の表側から見た一部切り
欠き部分を有する斜視図を示した。11が乳房カップ、
72は上カップ部、73は下カップ部、74は上カップ
部72と下カップ部73との接ぎラインである。図7で
乳房カップ11の表側に現れている部分は表カップ部材
であり、この裏側に本発明で用いる乳房カップ材1が裏
打ちされている。通常、裏打ちされる乳房カップ材1
も、上カップ部72、下カップ部73とほぼ同様の形の
2枚の部片から構成され、接ぎライン74の位置と略同
様の位置で接ぎ合わされて表カップ部材に裏打ちされ、
乳房カップ11の縁周辺部で表カップ部材に縫製されて
いる。しかし、必要に応じて乳房カップ材1を上記の様
に2つに分けずに上下連続した一体の乳房カップ材にし
ておいて、加熱モールド成型によって乳房カップの形に
成形したものを用いてもよい。ここで乳房カップ材1と
しては目付140g/m2 のポリエステル不織布(6デ
ニールの中空捲縮加工ポリエステル繊維使用)にシリコ
ーン系粘着剤(信越化学工業株式会社製“X−40−3
068”)を不織布の重量に対して20重量%含浸さ
せ、加熱硬化処理して得られた乳房カップ材1の片面に
ナイロントリコットを積層し、ナイロントリコット側が
肌側になる様にして使用した。尚、この乳房カップ材
(ナイロントリコット積層前、シリコーン系粘着剤含浸
後)の厚みは13mm、圧縮応力解除後の凹みの復元時
間は1560秒であった。
【0067】この水着を、図13〜図16に示した各種
の乳房形状を有する女性に着用してもらいテストしたと
ころ、馴染み感が良好で着用感に優れ、補整感も満足す
るものであり、いずれのタイプの乳房にも良好にフィッ
トし、しかも当初の美しい乳房カップ表側の外形をほぼ
保っていた。
【0068】
【発明の効果】本発明の乳房カップ材は、馴染み感があ
り、補整感、造形力も満足する乳房カップ用の乳房カッ
プ材を提供することができ、乳房カップ材の肌側面の厚
みが乳房の形状に応じて自在に変化することによって、
乳房のボリュームの大小や下垂したバストなど乳房の各
種形状にも良くフィットすることができ、しかも、乳房
カップの表側の造形を余り変えること無く、理想とする
美しいカップ外形を保つことのできる乳房カップ用の乳
房カップ材を提供することができる。
【0069】また、本発明に於いて、乳房カップ材が、
圧縮応力をかけて凹ませた時、前記圧縮応力解除後の凹
みの復元時間が、復元率80%で1秒以上3600秒以
下の材料である本発明の好ましい態様とすることによ
り、反発感がより少なく、馴染み感、着用感がより優
れ、肌側面から圧縮された部分はその応力が緩和されそ
の状態を保つことができるので、その応力が乳房カップ
外形を変形させる作用を適度に緩和でき、乳房カップの
外形の形状が目的とする美しい形状に保たれる造形性、
保型性の優れた乳房カップ材を提供できる。
【0070】また、本発明の乳房カップ材に於いて、乳
房カップ材が、柔軟性を有する多孔質材料に粘着剤を含
浸させてなる材料である本発明の好ましい態様とするこ
とにより、容易に低反発性で、応力が加えられた側の面
が応力に応じて比較的短時間で粘弾性的に変形し応力を
緩和する性質を有し、馴染み感に優れ、肌側面が乳房の
形に応じてフィットする様に変形するが、造形性、保型
性を有していて乳房カップの外形の形状が目的とする美
しい形状に保たれる本発明の乳房カップ材を提供でき
る。
【0071】また、本発明の前記乳房カップ材に於い
て、柔軟性を有する多孔質材料と粘着剤の割合が、多孔
質材料の重量に対し、粘着剤の重量が10〜50重量%
である本発明の好ましい態様とすることにより、容易に
低反発性で、応力が加えられた側の面が応力に応じて比
較的短時間で粘弾性的に変形し応力を緩和する性質を有
し、馴染み感に優れ、肌側面が乳房の形に応じてフィッ
トする様に変形するが、乳房カップの外形の形状は目的
とする美しい形状に保持される本発明の乳房カップ材を
提供できる。
【0072】また、本発明の乳房カップ材に於いて、乳
房カップ材の厚みが2〜50mm、より好ましくは5〜
30mmである本発明の好ましい態様とすることによ
り、本発明の前記機能を効果的に発揮し、いかなる乳房
の形状にも適合しやく、しかも、厚みが厚すぎて外観が
不自然になることもない外観のすっきりした乳房カップ
を提供し得る乳房カップ材とすることが出来る。
【0073】また、本発明の前記乳房カップ材に於い
て、柔軟性を有する多孔質材料が、目付10〜300g
/m2 、より好ましくは目付40〜250g/m2 の不
織布である本発明の好ましい態様とすることにより、容
易に、低反発性で応力が加えられた側の面が応力に応じ
て比較的短時間で粘弾性的に変形し応力を緩和する性質
を有し、乳房の3次元形状に応じて乳房カップ肌側面の
形状が変形することにより乳房とよくフィットし、乳房
カップの外形の形状がほぼ目的とする美しい形状に保持
でき、通気性、耐洗濯性、耐変色性も良好で肌触りのよ
い本発明の乳房カップ材を提供できる。
【0074】また、本発明の前記乳房カップ材に於い
て、柔軟性を有する多孔質材料が、見掛け密度が10〜
95kg/m3 、より好ましくは見掛け密度が15〜8
5kg/m3 のプラスチック発泡体であるである本発明
の好ましい態様とすることにより、比較的安価にしかも
容易に、低反発性で応力が加えられた側の面が応力に応
じて比較的短時間で粘弾性的に変形し応力を緩和する性
質を有し、乳房の3次元形状に応じて乳房カップ肌側面
の形状が変形することにより乳房とよくフィットし、乳
房カップの外形の形状がほぼ目的とする美しい形状に保
持でき、通気性、耐洗濯性、耐変色性も良好で肌触りの
よい本発明の乳房カップ材が提供できる。
【0075】また、本発明の前記乳房カップ材に於い
て、粘着剤が、シリコーン系粘着剤、アクリル系粘着剤
およびゴム系粘着剤から選ばれた粘着剤である本発明の
好ましい態様とすることにより、これらの粘着剤は容易
に入手でき、しかも多孔質材料への含浸が容易にできる
ので、容易に、低反発性で応力が加えられた側の面が応
力に応じて比較的短時間で粘弾性的に変形し応力を緩和
する性質を有し、乳房の3次元形状に応じて乳房カップ
肌側面の形状が変形することにより乳房とよくフィット
し、しかも、乳房カップの外形の形状がほぼ目的とする
美しい形状に保持できる造形性、保型性を有する本発明
の乳房カップ材を提供できる。
【0076】また、本発明の乳房カップにおいては、乳
房カップのカップ材として前記のいずれかに記載の乳房
カップ材を用いているので、前述した優れた機能が発揮
できる乳房カップを提供できる。
【0077】また、本発明の乳房カップを有する衣類に
おいては、衣類の乳房カップとして前記記載の乳房カッ
プを具備しているので、乳房カップとして前述した優れ
た機能を発揮し得る衣類が提供できる。
【0078】また、本発明の乳房カップを有する衣類に
おいて、乳房カップを有する衣類がブラジャー、水着、
レオタード、ボディスーツ、ブラスリップから選ばれた
衣類である本発明の好ましい態様とすることにより、こ
れらの衣類は、特に乳房カップにより、乳房の形を美し
く整える機能が要求される衣類であり、前述した機能を
効率よく発揮できる衣類を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乳房カップ材を用いた乳房カップを有
するブラジャーの一例の表側から見た一部切り欠き部分
を有する斜視図。
【図2】本発明の乳房カップ材を用いた乳房カップを有
するブラジャーの別の一例の表側から見た一部切り欠き
部分を有する斜視図。
【図3】本発明の乳房カップ材を用いた乳房カップを有
するブラジャーの更に別の一例の表側から見た一部切り
欠き部分を有する斜視図。
【図4】本発明の乳房カップ材を用いた乳房カップを有
するブラジャーの更に別の一例の表側から見た一部切り
欠き部分を有する斜視図。
【図5】本発明の乳房カップを有するブラジャーの一例
の裏側から見た部分平面図。
【図6】本発明の乳房カップ材を用いた乳房カップを有
するボディスーツの一例の表側から見た一部切り欠き部
分を有する斜視図。
【図7】本発明の乳房カップ材を用いた乳房カップを有
する水着の一例の表側から見た一部切り欠き部分を有す
る斜視図。
【図8】乳房カップ材の圧縮応力解除後の凹みの復元時
間の測定を行う場合の装置の一部と測定状況を説明する
ための断面模式図。
【図9】本発明の乳房カップ材を用いた乳房カップの応
力による断面形状の変化、応力緩和状況を説明するため
の模式化した断面図。
【図10】従来の硬めの乳房カップ材を用いた乳房カッ
プの応力による断面形状の変化、反発力を説明するため
の模式化した断面図。
【図11】従来の柔軟性に優れた乳房カップ材、あるい
は、中間程度の程よい柔軟性と硬さを有する乳房カップ
材を用いた乳房カップの応力による断面形状の変化、反
発力を説明するための模式化した断面図。
【図12】本発明の乳房カップ材を用いた乳房カップの
一例の着用前の状態における断面概略模式図。
【図13】ヌード状態の乳房近傍の人体の側面図及び本
発明の乳房カップ材を用いた乳房カップを有する衣類を
着用した状態における側面図。
【図14】ヌード状態の別の乳房近傍の人体の側面図及
び本発明の乳房カップ材を用いた乳房カップを有する衣
類を着用した状態における側面図。
【図15】ヌード状態の更に別の乳房近傍の人体の側面
図及び本発明の乳房カップ材を用いた乳房カップを有す
る衣類を着用した状態における側面図。
【図16】ヌード状態の更に別の乳房近傍の人体の側面
図及び本発明の乳房カップ材を用いた乳房カップを有す
る衣類を着用した状態における側面図。
【図17】従来の2枚接ぎタイプの乳房カップを有する
ブラジャーの一例の一部切り欠き部分を有する斜視図。
【図18】図17に示したブラジャーの乳房カップ33
1のみの部分のA−A´断面の断面模式図。
【符号の説明】
1 乳房カップ材 1a 従来の硬めの乳房カップ材 1c 従来の柔軟性に優れた乳房カップ材 2 表カップ部材 3 加えられた応力の方向 4 反発力 11 乳房カップ 12 上カップ部 13 下カップ部 13a 下前側カップ部 13b 下脇側カップ部 14 接ぎライン 15 土台布 16 ストラップ(肩紐) 17 接ぎライン 32 上カップ部 33 脇及び下カップ部 34 接ぎライン 42 前カップ部 43 脇カップ部 44 接ぎライン 50 上カップ用の乳房カップ材 51 下カップ用の乳房カップ 52 スリット 53 スリット 54 ポケット部 55 ポケット部 62 上カップ部 63 下カップ部 64 接ぎライン 72 上カップ部 73 下カップ部 74 接ぎライン 81 治具保持具 82 棒状の取り付け部 83 剛性を有する固体プラスチック円柱状物 84 治具 85 試料載置台 86 試料 131 乳房 132 腕の一部 331 乳房カップ 332 上カップ部分 333 下カップ部分 334 接ぎ 334b 縫製ライン 335 土台布 336 縫製ライン 337 縫製ライン 337´ 縫製ライン 338 バイアステープ 340 乳房カップ材 340a 上乳房カップ材 340b 下乳房カップ材 341 表カップ部材 341a 上表カップ部材 341b 下表カップ部材 344 縫製ライン 345 縫製ライン

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低反発性で、応力が加えられた側の面が
    応力に応じて比較的短時間で粘弾性的に変形し応力を緩
    和する性質を有する材料を用いた事を特徴とする乳房カ
    ップ材。
  2. 【請求項2】 前記材料が、圧縮応力をかけて凹ませた
    時、前記圧縮応力解除後の凹みの復元時間が、復元率8
    0%で1秒以上3600秒以下の材料である請求項1に
    記載の乳房カップ材。
  3. 【請求項3】 前記材料が、柔軟性を有する多孔質材料
    に粘着剤を含浸させてなる材料である請求項1〜2のい
    ずれかに記載の乳房カップ材。
  4. 【請求項4】 柔軟性を有する多孔質材料と粘着剤の割
    合が、多孔質材料の重量に対し、粘着剤の重量が10〜
    50重量%である請求項3に記載の乳房カップ材。
  5. 【請求項5】 前記材料の厚みが2〜50mmである請
    求項1〜4のいずれかに記載の乳房カップ材。
  6. 【請求項6】 前記材料の厚みが5〜30mmである請
    求項1〜4のいずれかに記載の乳房カップ材。
  7. 【請求項7】 柔軟性を有する多孔質材料が、目付10
    〜300g/m2 の不織布である請求項3〜6のいずれ
    かに記載の乳房カップ材。
  8. 【請求項8】 柔軟性を有する多孔質材料が、目付40
    〜250g/m2 の不織布である請求項3〜6のいずれ
    かに記載の乳房カップ材。
  9. 【請求項9】 柔軟性を有する多孔質材料が、見掛け密
    度が10〜95kg/m3 のプラスチック発泡体である
    請求項3〜6のいずれかに記載の乳房カップ材。
  10. 【請求項10】 柔軟性を有する多孔質材料が、見掛け
    密度が15〜85kg/m3 のプラスチック発泡体であ
    る請求項3〜6のいずれかに記載の乳房カップ材。
  11. 【請求項11】 粘着剤が、シリコーン系粘着剤、アク
    リル系粘着剤およびゴム系粘着剤から選ばれた粘着剤で
    ある請求項3〜10のいずれかに記載の乳房カップ材。
  12. 【請求項12】 乳房カップのカップ材として請求項1
    〜10のいずれかに記載の乳房カップ材を用いてなる乳
    房カップ。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の乳房カップを具備
    していることを特徴とする乳房カップを有する衣類。
  14. 【請求項14】 乳房カップを有する衣類がブラジャ
    ー、水着、レオタード、ボディスーツ、ブラスリップか
    ら選ばれた請求項13に記載の乳房カップを有する衣
    類。
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